以下に添付図面を参照して、本発明に係るシート長計測装置および画像形成装置の実施形態を詳細に説明する。
図1および図2は、本実施形態に係るシート長計測装置1の機械的構成例を示す概略構成図であり、図1はシート長計測装置1をシート媒体Pの上面側から見た平面図、図2はシート長計測装置1の側面図である。
本実施形態のシート長計測装置1は、所定の搬送経路に沿って搬送されるシート媒体Pの搬送方向における長さであるシート長Lを計測する。シート媒体Pの搬送経路上には、シート媒体Pの搬送に伴って回転する回転体としての測長ローラが設けられている。本実施形態の測長ローラは、駆動ローラ2と従動ローラ3とを組み合わせたローラ対として構成される。測長ローラを構成する駆動ローラ2および従動ローラ3は、シート媒体Pを挟持しながら回転して、シート媒体Pを図1および図2のX方向に搬送する。なお、シート媒体Pは、その先端部が測長ローラの位置に到達する前、および後端部が測長ローラの位置を通過した後は、図示しない他の搬送手段により、図1および図2のX方向に搬送される。
駆動ローラ2は、図示しないモータと駆動力伝達手段(例えばギヤ、ベルトなど)により、図2のY方向に回転駆動されるように構成されている。駆動ローラ2は、例えば、シート媒体Pとの間で充分な摩擦力を発生させるために、表面にゴム層を有する。一方、従動ローラ3は、図示しない付勢手段(例えばバネなど)により、駆動ローラ2側に加圧して当接するように配設されている。従動ローラ3は、シート媒体Pを搬送していない場合(空転時)には、駆動ローラ2に接触して従動回転し、シート媒体Pの搬送時には、シート媒体Pとの間に生じる摩擦力によって従動回転する。従動ローラ3は、軸ふれ精度を確保するために、例えば金属製のローラとして構成される。
図1に示すように、従動ローラ3のシート媒体Pの搬送方向に直交する幅方向の長さWrは、シート長計測装置1が対応するシート媒体Pの幅Wpの最小値よりも小さくされている。したがって、従動ローラ3は、シート媒体Pの搬送時には、駆動ローラ2に接触することがなく、シート媒体Pとの間に生じる摩擦のみによって従動回転することとなる。このため、駆動ローラ2と従動ローラ3とに挟持されて搬送されるシート媒体Pの搬送量は、搬送時における従動ローラ3の回転量から求めることができる。具体的には、駆動ローラ2と従動ローラ3とに挟持されて搬送されるシート媒体Pの搬送量は、従動ローラ3の周長に従動ローラ3の回転量を掛け合わせた値として求めることができる。ここで回転量とは、回転角をα[deg]としたときに、α/360で表される値である。
従動ローラ3の回転軸上には、ロータリエンコーダ4が設けられている。ロータリエンコーダ4は、従動ローラ3と一体に回転するエンコーダディスク4aと、エンコーダディスク4aの回転に応じたパルスを発生するエンコーダセンサ4bとを備える。ロータリエンコーダ4は、従動ローラ3が回転するとパルス信号を出力する。ロータリエンコーダ4が出力するパルス信号は、後述する演算装置10(図3参照)に入力される。
本実施形態に係るシート長計測装置1では、従動ローラ3の回転量を計測するために、このロータリエンコーダ4が出力するパルス信号を用いる。すなわち、従動ローラ3が一回転する間にロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号のパルス数(以下、これを基準パルス数という。)をNとし、ロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号の所定区間におけるパルス数をnとすると、所定区間における従動ローラ3の回転量は、n/Nと表すことができる。なお、ロータリエンコーダ4の代わりに、従動ローラ3の回転量に応じた信号を出力する何らかの装置を設けた構成であってもよい。
なお、図1および図2に示す例では、従動ローラ3をシート媒体Pの上面側に配置し、駆動ローラ2をシート媒体Pの裏面側に配置しているが、これら駆動ローラ2と従動ローラ3の位置は逆であってもよい。また、駆動ローラ2および従動ローラ3は、それぞれシート媒体Pの搬送方向に直交する幅方向で複数に分離された構成であってもよい。また、シート長計測装置1が備える測長ローラは、シート媒体Pの搬送に伴って回転する構成であればよい。つまり、測長ローラは、必ずしも駆動ローラ2と従動ローラ3とを組み合わせたローラ対として構成されていなくてもよく、単体のローラで構成されていてもよい。さらに、ローラ形状の測長ローラの代わりに、例えば球状の回転体を設けた構成であってもよい。
シート媒体Pの搬送経路において、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)よりも下流側には、搬送されるシート媒体Pの先端部を検知するスタートトリガセンサ5(第1測長センサ)が設けられている。また、シート媒体Pの搬送経路において、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)よりも上流側には、搬送されるシート媒体Pの後端部を検知するストップトリガセンサ6(第2測長センサ)が設けられている。
また、シート媒体Pの搬送経路において、スタートトリガセンサ5よりも下流側には、搬送されるシート媒体Pの先端部を検知する第1補正用センサ7(第1センサ)が設けられている。また、シート媒体Pの搬送経路において、第1補正用センサ7よりもさらに下流側には、搬送されるシート媒体Pの先端部を検知する第2補正用センサ8(第2センサ)が設けられている。
シート媒体Pの搬送経路に設けられたスタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8には、例えばシート端部の検知精度が高い透過型または反射型の光センサを用いることができる。本実施形態では、これらスタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8として、反射型光センサを用いている。これらスタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8の信号は、後述する演算装置10(図3参照)に入力される。
なお、図1および図2に示す例では、第1補正用センサ7および第2補正用センサ8をスタートトリガセンサ5よりも下流側に配置しているが、これら第1補正用センサ7および第2補正用センサ8の双方、または第1補正用センサ7のみを、スタートトリガセンサ5の上流側に配置する構成としてもよい。また、図1および図2に示す例では、スタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8をシート媒体Pの上面側に配置しているが、これらスタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8の全部または一部をシート媒体Pの裏面側に配置してもよい。
図1に示した距離Aは、スタートトリガセンサ5と測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)との間の距離であり、図1に示した距離Bは、ストップトリガセンサ6と測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)との間の距離である。距離Aと距離Bを足し合わせた値a(図2参照)は、スタートトリガセンサ5とストップトリガセンサ6との間の距離である。この距離aは、シート長計測装置1が対応するシート媒体Pの最小シート長、つまりシート長計測装置1が計測可能なシート長Lの最小値よりも短い。
また、図1に示した距離Cは、第2補正用センサ8と測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)との間の距離である。距離Cは、シート媒体Pが測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)により搬送されている状態で、そのシート媒体Pの先端部を検知できるようにするために、シート長計測装置1が計測可能なシート長Lの最小値以下とすることが望ましい。
また、図1および図2に示した距離Dは、第1補正用センサ7と第2補正用センサ8との間の距離である。距離Dは、従動ローラ3の周長以上であることが望ましい。本実施形態に係るシート長計測装置1では、後述するように、第1補正用センサ7がシート媒体Pの先端部を検知してから第2補正用センサ8がシート媒体Pの先端部を検知するまでの間の従動ローラ3の回転量を2点間回転量として計測する。この際、距離Dが従動ローラ3の周長よりも短いと、従動ローラ3に偏心があった場合にその影響により正しい2点間回転量を計測できない懸念がある。距離Dを従動ローラ3の周長以上にしておけば、2点間回転量を計測する際の従動ローラ3の偏心の影響を低減できる。また、2点間回転量を計測する際の従動ローラ3の偏心の影響をより確実に低減するには、距離Dは、従動ローラ3の周長の整数倍とされていることが望ましい。
図3は、本実施形態に係るシート長計測装置1の演算に関わる部分の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、シート長計測装置1は、演算装置10と記憶装置20(記憶部)とをさらに備える。これら演算装置10および記憶装置20は、シート長計測装置1を搭載した装置(本実施形態では後述する画像形成装置)が備える演算装置および記憶装置と共用されていてもよいし、シート長計測装置1に専用のものとして設けられていてもよい。
演算装置10は、機能的な構成要素として、回転量計測部11と、算出部12とを備える。回転量計測部11および算出部12は、演算装置10のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現する構成であってもよいし、ASICやFPGAなどの専用のハードウェアを用いて実現する構成であってもよい。
記憶装置20は、上述した2点間回転量の初期値と、従動ローラ3の周長に応じたパラメータの初期値と、を記憶する不揮発性メモリである。従動ローラ3の周長に応じたパラメータとは、このパラメータを用いて従動ローラ3の周長を求めることができるパラメータである。本実施形態では、従動ローラ3の周長に応じたパラメータとして、従動ローラ3の半径(図2のr)を用いている。ただし、従動ローラ3の半径に限らず、従動ローラ3の直径や、従動ローラの周長そのものを、従動ローラ3の周長に応じたパラメータとして用いてもよい。
本実施形態に係るシート長計測装置1は、実際にシート長Lの計測を行う前に、上述した2点間回転量を回転量計測部11により求めて、その値を2点間回転量の初期値として記憶装置20に格納しておく。また、従動ローラ3の周長に応じたパラメータとして用いる従動ローラ3の半径の初期値を、記憶装置20に格納しておく。従動ローラ3の半径の初期値は、従動ローラ3の設計値を用いてもよいし、実際に計測器などを用いて計測した値であってもよい。なお、回転量計測部11が2点間回転量を求める方法については、詳細を後述する。
2点間回転量の初期値や従動ローラ3の半径の初期値を記憶装置20に格納するタイミング(2点間回転量を計測するタイミング)は、例えば、シート長計測装置1を搭載した装置(本実施形態では後述する画像形成装置)の出荷時や、従動ローラ3の交換時などである。また、実際にシート長Lの計測を行う際に計測された2点間回転量や、これを用いて後述の方法により算出される従動ローラ3の半径を記憶装置20に格納し、記憶装置20に既に格納されている2点間回転量の初期値や従動ローラ3の半径の初期値を更新してもよい。つまり、任意のタイミングで計測された2点間回転量や従動ローラ3の半径を、その後にシート長Lの計測を行う際の初期値として用いることもできる。
回転量計測部11は、従動ローラ3の回転に伴ってロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号と、スタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8の信号とを入力する。回転量計測部11は、ロータリエンコーダ4から入力したパルス信号に対し、所定期間におけるパルス数をカウントして、そのカウント値に基づいて所定期間における従動ローラ3の回転量を計測する。所定期間は、スタートトリガセンサ5、ストップトリガセンサ6、第1補正用センサ7、および第2補正用センサ8の信号から定められる。
具体的には、回転量計測部11は、シート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5により検知されたタイミングでパルス数のカウントを開始し、シート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6により検知されたタイミングでパルス数のカウントを終了する。これにより、シート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5の位置を通過してからシート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6の位置を通過するまでの期間(以下、この期間を計測対象期間(図1に示した計測範囲に対応)という。)のパルス数n1がカウントされる。そして、回転量計測部11は、カウントしたパルス数n1を、従動ローラ3が一回転する間のパルス数である基準パルス数Nで除算(n1/N)することで、計測対象期間における従動ローラ3の回転量を求める。なお、基準パルス数Nは固定値であるため、予め計算のアルゴリズムに組み込んでおけばよい。
また、回転量計測部11は、シート媒体Pの先端部が第1補正用センサ7により検知されたタイミングでパルス数のカウントを開始し、シート媒体Pの先端部が第2補正用センサ8により検知されたタイミングでパルス数のカウントを終了する。これにより、シート媒体Pの先端部が第1補正用センサ7の位置を通過してから第2補正用センサ8の位置を通過するまでの期間(以下、この期間を2点間通過期間という。)のパルス数n2がカウントされる。そして、回転量計測部11は、カウントしたパルス数n2を基準パルス数Nで除算(n2/N)することで、2点間通過期間における従動ローラ3の回転量、つまり上述した2点間回転量を求める。
図4は、回転量計測部11に入力される信号の具体例を示す図である。図中、(a)は第2補正用センサ8から出力される信号、(b)は第1補正用センサ7から出力される信号、(c)はスタートトリガセンサ5から出力される信号、(d)はストップトリガセンサ6から出力される信号、(e)はロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号をそれぞれ示している。
上述したように、従動ローラ3が回転するとロータリエンコーダ4がパルス信号を出力し、このパルス信号が回転量計測部11に入力される。
そして、シート媒体Pが搬送経路に沿って搬送され、時刻t1にてシート媒体Pの先端部がストップトリガセンサ6の位置を通過すると、ストップトリガセンサ6の信号がHiレベルとなる。その後、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)によってシート媒体Pが搬送され、時刻t2にてシート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5の位置を通過すると、スタートトリガセンサ5の信号がHiレベルとなる。また、時刻t3にてシート媒体Pの先端部が第1補正用センサ7の位置を通過すると、第1補正用センサ7の信号がHiレベルとなる。さらに、時刻t4にてシート媒体Pの先端部が第2補正用センサ8の位置を通過すると、第2補正用センサ8の信号がHiレベルとなる。
その後、時刻t5にてシート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6の位置を通過すると、ストップトリガセンサ6の信号がLoレベルに戻る。そして、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)によるシート媒体Pの搬送が終了した後、時刻t6にてシート媒体Pの後端部がスタートトリガセンサ5の位置を通過すると、スタートトリガセンサ5の信号がLoレベルに戻る。また、時刻t7にてシート媒体Pの後端部が第1補正用センサ7の位置を通過すると、第1補正用センサ7の信号がLoレベルに戻る。さらに、時刻t8にてシート媒体Pの後端部が第2補正用センサ8の位置を通過すると、第2補正用センサ8の信号がLoレベルに戻る。
回転量計測部11は、上述した計測対象期間における従動ローラ3の回転量を求めるために、スタートトリガセンサ5がシート媒体Pの先端部を検知してから、ストップトリガセンサ6がシート媒体Pの後端部を検知するまでの計測対象期間におけるパルス信号のパルス数n1をカウントする。すなわち、回転量計測部11は、スタートトリガセンサ5の信号がHiレベルとなった時刻t2から、ストップトリガセンサ6の信号がLoレベルに戻った時刻t5までのパルス数n1をカウントする。そして、回転量計測部11は、カウントしたパルス数n1を基準パルス数Nで除算し、計測対象期間における従動ローラ3の回転量n1/Nを求めて、算出部12に出力する。
また、回転量計測部11は、上述した2点間回転量を求めるために、第1補正用センサ7がシート媒体Pの先端部を検知してから、第2補正用センサ8がシート媒体Pの先端部を検知するまでの2点間通過期間におけるパルス信号のパルス数n2をカウントする。すなわち、回転量計測部11は、第1補正用センサ7の信号がHiレベルとなった時刻t3から、第2補正用センサ8の信号がHiレベルとなった時刻t4までのパルス数n2をカウントする。そして、回転量計測部11は、カウントしたパルス数n2を基準パルス数Nで除算し、2点間回転量n2/Nを求めて、算出部12に出力する。
なお、本実施形態に係るシート長計測装置1では、回転量計測部11が、所定期間(計測対象期間や2点間通過期間)にカウントしたパルス数を基準パルス数Nで除算して所定期間における従動ローラ3の回転量を求め、これを算出部12に出力する構成としている。しかし、基準パルス数Nは固定値であるため、所定期間にカウントしたパルス数自体が所定期間における従動ローラ3の回転量に応じた値となっている。このため、所定期間にカウントしたパルス数を所定期間における従動ローラ3の回転量とみなし、回転量計測部11が所定期間にカウントしたパルス数を算出部12に出力する構成としてもよい。この場合、算出部12がシート長を計測する際に基準パルス数Nを用いた演算を行うことで、回転計測部11が従動ローラ3の回転量を出力する場合と同様の結果が得られる。
算出部12は、シート長Lの計測時に回転量計測部11から入力した計測対象期間における従動ローラ3の回転量および2点間回転量と、記憶装置20が記憶している2点間回転量の初期値および従動ローラ3の半径(従動ローラ3の周長に応じたパラメータ)の初期値とを用いて、シート長Lを算出する。
具体的には、算出部12は、まず、シート長Lの計測時に回転量計測部11から入力した2点間回転量(以下、これを2点間回転量の現在値という。)と、記憶装置20から読み出した2点間回転量の初期値および従動ローラ3の半径の初期値とを用いて、下記式(1)により、シート長Lの計測時における従動ローラ3の半径(以下、これを従動ローラ3の半径の現在値という。)を算出する。
r_p=(n2_i/N)/(n2_p/N)×r_i ・・・(1)
ただし、r_pは従動ローラ3の半径の現在値、r_iは従動ローラ3の半径の初期値、n2_i/Nは2点間回転量の初期値、n2_p/Nは2点間回転量の現在値、をそれぞれ表している。なお、n2_iは2点間回転量の初期値を計測する際にカウントされた2点間通過期間におけるパルス信号のパルス数であり、n2_pはシート長の計測時にカウントされた2点間通過期間におけるパルス信号のパルス数であり、Nは基準パルス数である。
上記式(1)は下記式(2)のように変形できる。したがって、上述したように、回転量計測部11が所定期間における従動ローラ3の回転量ではなく所定期間にカウントしたパルス数を出力する構成とした場合は、2点間回転量の初期値n2_i/Nに代えて、2点間通過期間にカウントされたパルス数の初期値n2_iを記憶装置20に格納しておくことで、従動ローラ3の半径の現在値r_pを同様に算出することができる。
r_p=n2_i/n2_p×r_i ・・・(2)
次に、算出部12は、上述のように算出した従動ローラ3の半径の現在値r_pと、回転量計測部11から入力した計測対象期間における従動ローラ3の回転量と、スタートトリガセンサ5とストップトリガセンサ6との間の距離(図2に示したa)とを用い、下記式(3)により、シート長Lを算出する。
L=(n1/N)×(2×π×r_p)+a ・・・(3)
ただし、n1/Nは計測対象期間における従動ローラ3の回転量、2×π×r_pはシート長Lの計測時における従動ローラ3の周長をそれぞれ表している。
上記式(3)から分かるように、回転量計測部11が所定期間における従動ローラ3の回転量ではなく所定期間にカウントしたパルス数を出力する構成とし、計測対象期間における従動ローラ3の回転量n1/Nの代わりにパルス数n1が算出部12に入力される場合には、算出部12において基準パルス数Nを用いた演算を行うことで、シート長Lを同様に算出することができる。
一般的に、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)により搬送されるシート媒体Pの搬送速度は、測長ローラ(特に駆動ローラ2)の外形精度、芯フレ精度などの機械精度や、駆動源となるモータの回転精度、ギヤ、ベルトなどの動力伝達機構の精度によって変動する。また、測長ローラの上流側や下流側に設けられた搬送手段の搬送力あるいは搬送速度の違いによる弛み現象などによっても、シート媒体Pの搬送速度は変動する。このため、ロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号のパルス周期やパルス幅は、シート媒体Pの搬送速度の変動に伴って変動する。しかし、シート媒体Pが所定の距離を搬送される間にロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号のパルス数は、シート媒体Pの搬送速度が変動しても変化しない。したがって、上記式(3)によりシート長Lを算出することで、シート媒体Pの搬送速度に依存することなく、シート長Lを高精度に求めることができる。
次に、本実施形態に係るシート長計測装置1の動作の概要を、図5および図6を参照して説明する。図5は、実際にシート長Lの計測を行う前にシート長計測装置1が実施する処理手順を示すフローチャートである。図6は、シート長Lの計測時におけるシート長計測装置1の処理手順を示すフローチャートである。
シート長計測装置1は、実際にシート長Lの計測を行う前に、任意のシート媒体Pを測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)により搬送し、2点間回転量の初期値を求める(図5のステップS101)。つまり、シート長計測装置1は、測長ローラにより搬送されるシート媒体Pの先端部が第1補正用センサ7により検知されてから第2補正用センサ8により検知されるまでの期間(2点間通過期間)のパルス数n2_iをカウントし、このパルス数n2_iを基準パルス数Nで除算して、2点間回転量の初期値n2_i/Nを求める。
次に、シート長計測装置1は、ステップS101で求めた2点間回転量の初期値n2_i/Nを、そのときの従動ローラ3の半径(従動ローラ3の半径の初期値r_i)とともに、記憶装置20に格納する(図5のステップS102)。
その後、シート長計測装置1は、実際にシート長Lの計測を行う際に、まず、シート媒体Pが測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)により搬送されている状態で、計測対象期間における従動ローラ3の回転量と、2点間回転量の現在値とを求める(図6のステップS201)。つまり、シート長計測装置1は、測長ローラにより搬送されるシート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5により検知されてから、シート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6により検知されるまでの期間(計測対象期間)のパルス数n1と、シート媒体Pの先端部が第1補正用センサ7により検知されてから第2補正用センサ8により検知されるまでの期間(2点間通過期間)のパルス数n2_pをカウントし、これらのパルス数n1およびn2_pをそれぞれ基準パルス数Nで除算して、計測対象期間における従動ローラ3の回転量n1/nと、2点間回転量の現在値n2_p/Nを求める。
次に、シート長計測装置1は、記憶装置20から2点間回転量の初期値n2_i/Nと従動ローラ3の半径の初期値r_iとを読み出して、これら2点間回転量の初期値n2_i/Nおよび従動ローラ3の半径の初期値r_iと、ステップS201で求めた2点間回転量の現在値n2_p/Nとを用いて、上記式(1)により、従動ローラ3の半径の現在値r_pを算出する(図6のステップS202)。
次に、シート長計測装置1は、ステップS201で求めた計測対象期間における従動ローラ3の回転量n1/Nと、ステップS202で算出した従動ローラ3の半径の現在値r_pと、スタートトリガセンサ5とストップトリガセンサ6との間の距離aとを用いて、上記式(3)により、シート長Lを算出する(図6のステップS203)。
以上、具体的な例を挙げながら説明したように、本実施形態に係るシート長計測装置1では、シート長Lの計測時に従動ローラ3の半径(従動ローラ3の周長に応じたパラメータ)の現在値r_pを算出し、算出した従動ローラ3の半径の現在値r_pを用いてシート長Lを計測するようにしている。したがって、本実施形態に係るシート長計測装置1によれば、従動ローラ3の径が経時劣化等により変化した場合であっても、シート長Lを正しく計測することができる。
また、本実施形態に係るシート長計測装置1では、シート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5の位置を通過してからシート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6の位置を通過するまでの期間を計測対象期間としている。そして、この計測対象期間においてカウントされたパルス数をもとにシート長Lを計測するようにしている。したがって、シート媒体Pのスリップが生じやすいタイミングを避けてパルス数のカウントが行われるため、シート長Lを高精度に計測することができる。つまり、測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)がシート媒体Pの搬送を開始するタイミングやシート媒体Pの搬送を終了するタイミングは、シート媒体Pのスリップが生じやすく、測長ローラの回転量がシート媒体Pの搬送量に対応しない懸念がある。これに対して、本実施形態に係るシート長計測装置1では、このようなタイミングを避けてカウントされたパルス数をもとにシート長が計測されるので、シート長Lを高精度に計測することができる。
なお、上記の説明では、シート長Lを計測する対象となるシート媒体Pを搬送して得られる2点間回転量を用いて従動ローラ3の半径の現在値r_pを求めるようにしている。しかし、シート長Lの計測時に近いタイミングで任意のシート媒体Pを搬送することで得られる2点間回転量を用いて従動ローラ3の半径の現在値r_pを求めるようにしてもよい。
また、上記の説明では、シート媒体Pの1回の搬送により得られる2点間回転量を用いて従動ローラ3の半径の現在値r_pを求めるようにしている。しかし、シート媒体Pを複数回搬送することで得られる複数の2点間回転量の平均値を用いて従動ローラ3の半径の現在値r_pを求めることができる。この場合、シート媒体Pの複数回の搬送は、経時劣化の影響などが表れない程度の短期間内で実施することが望ましい。これにより、突発的なノイズや一時的な環境変化の影響による2点間距離の計測誤差を緩和して、従動ローラ3の半径の現在値r_pをより正確に求めることができる。
また、上記の説明では、シート長計測装置1がシート長Lの絶対値を求めるようにしている。しかし、シート長計測装置1は、シート長Lの絶対値だけでなく、例えば、シート媒体Pのページ間におけるシート長の比や、後述の画像形成装置のように、画像が形成されたシート媒体Pに対して熱定着処理を行う場合の熱定着前後における1つのシート媒体Pのシート長Lの比など、シート長Lの相対比を求めることもできる。また、1つのシート媒体Pの熱定着前後におけるシート長Lの比から、熱定着処理によるシート媒体Pの伸縮率Rを、下記式(4)により求めることもできる。
R={(n1_a/N)×(2×π×r_p)+a}/{(n1_b/N)×(2×π×r_p)+a} ・・・(4)
ただし、n1_aは、熱定着前のシート長Lの計測時にカウントされた計測対象期間におけるパルス数であり、n1_bは、熱定着後のシート長Lの計測時にカウントされた計測対象期間におけるパルス数である。
次に、本実施形態に係るシート長計測装置1を備える画像形成装置の具体例について、図7および図8を参照して説明する。図7は、シート長計測装置1を備えるモノクロ画像形成装置30の要部構成を示す側面図である。図8は、シート長計測装置1を備えるタンデム型のカラー画像形成装置40の要部構成を示す側面図である。図7および図8に例示する画像形成装置30,40は、いずれも電子写真方式によりシート媒体Pに画像を形成する画像形成装置である。
図7に示したモノクロ画像形成装置30において、シート媒体Pにカラー画像を形成する場合には、まず一様に帯電されて回転する感光体ドラム31の表面に、不図示の光書き込み手段により静電潜像が形成される。次に、図示しない現像手段により静電潜像がトナー像として顕像化される。そして、図中X方向に搬送されるシート媒体Pが感光体ドラム31と転写ローラ32との間の転写位置に到達すると、感光体ドラム31上のトナー像がシート媒体P上に転写される。その後、シート媒体Pが加熱ローラ33および加圧ローラ34の間を通過する間にトナー像がシート媒体Pに溶融定着されることで、シート媒体Pに画像が形成される。
図8に示したカラー画像形成装置40において、シート媒体Pに画像を形成する場合には、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色ごとに設けられた感光体ドラム41K,41C,41M,41Y上にトナー像が形成される。そして、これら感光体ドラム41K,41C,41M,41Y上に形成されたトナー像が、中間転写ベルト42上に重ね合わされてカラートナー像として一次転写される。その後、図中X方向に搬送されるシート媒体Pが中間転写ベルト42と転写ローラ43との間の二次転写位置に到達すると、中間転写ベルト42上に一次転写されたカラートナー像がシート媒体P上に二次転写される。その後、シート媒体Pが加熱ローラ44および加圧ローラ45の間を通過する間にカラートナー像がシート媒体Pに溶融定着されることで、シート媒体Pにカラー画像が形成される。
図7および図8に示した画像形成装置30,40では、シート媒体Pの搬送経路における転写位置(二次転写位置)の上流側にシート長計測装置1を設けている。そして、このシート長計測装置1により、シート媒体Pが転写位置(二次転写位置)に到達する前に、シート媒体Pのシート長Lを計測する構成としている。シート長計測装置1は、上述したように、測長ローラに経時劣化が生じたとしてもシート長Lを正しく計測できる。
画像形成装置30,40では、シート長計測装置1によってシート長Lを計測した後、転写位置(二次転写位置)に到達したシート媒体Pにトナー像(カラートナー像)を転写する。そして、トナー像(カラートナー像)が転写されたシート媒体Pを、加熱ローラ33,44と加圧ローラ34,45との間を通過させて熱定着処理を行うことで、シート媒体Pの一方の面に画像(カラー画像)を形成する。
両面印刷時には、一方の面に画像(カラー画像)が形成されたシート媒体Pを不図示の反転機構により表裏反転させる。そして、表裏反転したシート媒体Pを再び図中X方向に搬送する。この場合、シート媒体Pは一方の面に画像(カラー画像)を形成する際に熱定着処理が行われることによって、一般的には収縮してシート長Lが変化した状態で搬送される。この変化したシート長Lは、シート長計測装置1によって再度計測される。
すなわち、両面印刷時には、シート媒体Pの一方の面にトナー像(カラートナー像)を転写する前と、シート媒体Pを表裏反転して裏面にトナー像(カラートナー像)を転写する前との双方で、シート長計測装置1によりシート長Lが計測される。画像形成装置30,40は、これらのシート長L、つまり熱定着前後でそれぞれ計測されたシート長Lをもとに、熱定着処理によるシート長Lの収縮率Rを求める。そして、求めた収縮率Rに応じて画像長を補正した状態でトナー像(カラートナー像)をシート媒体Pの裏面に転写することで、シート媒体Pに表裏の画像長が一致した画像(カラー画像)を形成することができ、表裏見当精度を向上させることができる。
なお、以上の説明では、本実施形態に係るシート長計測装置1を備える画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置30,40を例示した。しかし、例えばインクジェット方式の画像形成装置など、他の方式の画像形成装置にシート長計測装置1を設けてもよい。インクジェット方式の画像形成装置では、両面印刷時に、シート媒体Pの一方の面にインクを吐出して画像を形成した後に、表裏反転して裏面にインクを吐出して画像を形成する。この際、一方の面に吐出したインクが乾燥することに伴って、シート媒体Pが収縮することがあるが、本実施形態に係るシート長計測装置1を用いてインクの乾燥に伴うシート長Lの収縮率Rを求め、求めた収縮率Rに応じてシート媒体Pの裏面に形成する画像の画像長を補正することにより、表裏見当精度を向上させることができる。
以上、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を加えながら具体化することができる。以下では、上述した実施形態のいくつかの変形例を説明する。
(第1変形例)
上述した実施形態では、測長ローラを構成する駆動ローラ2と従動ローラ3のうち、従動ローラ3の2点間回転量および計測対象期間における回転量を計測してシート長Lを算出した。しかし、駆動ローラ2の2点間回転量および計測対象期間における回転量を計測してシート長Lを算出する構成としてもよい。この場合、記憶装置20には、従動ローラ3の2点間回転量の初期値と従動ローラ3の半径の初期値の代わりに、駆動ローラ2の2点間回転量の初期値と駆動ローラ2の半径の初期値が格納される。
駆動ローラ2の回転量は、例えば、駆動ローラ2の回転軸上に上述したロータリエンコーダ4を設け、このロータリエンコーダ4から出力されるパルス信号を回転量計測部11に入力することで、上述した方法と同様な方法で求めることができる。また、駆動ローラ2の駆動源となるモータとしてステッピングモータを用いる構成の場合は、このステッピングモータの駆動パルスを回転量計測部11に入力し、回転量計測部11で駆動パルスのパルス数をカウントすることで、駆動ローラ2の回転量を求めるようにしてもよい。また、駆動ローラ2の駆動源となるモータとしてDCモータを用いる構成の場合は、DCモータの磁界を検出するFGセンサ(例えば、ホール素子やMRセンサなど)から出力されるFGパルスを回転量計測部11に入力し、回転量計測部11でFGパルスのパルス数をカウントすることで、駆動ローラ2の回転量を求めるようにしてもよい。このように駆動ローラ2の駆動源となるモータからパルス信号を得る構成とした場合は、駆動ローラ2の回転軸上にロータリエンコーダ4を設ける必要がないので、部品点数の削減を図ってコスト低減を実現できるといった利点がある。
(第2変形例)
上述した実施形態では、2点間回転量を計測する基準となる第1補正用センサ7および第2補正用センサ8を、シート媒体Pの搬送経路における測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)の下流側に設けた。しかし、図9に示すように、第1補正用センサ7を測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)の上流側に設け、第1補正用センサ7のさらに上流側に第2補正用センサ8を設ける構成としてもよい。
図9に示した構成の場合も、第2補正用センサ8と測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)との間の距離がシート長Lの最小値以下となるように、第2補正用センサ8を配置する。そして、回転量計測部11が、搬送経路に沿って搬送されるシート媒体Pの後端部が第2補正用センサ8により検知されてから第1補正用センサ7に検知されるまでの間にカウントされるパルス数に基づいて、2点間回転量を求める。これにより、シート媒体Pが測長ローラにより搬送されている状態での2点間回転量が得られるため、シート長Lを高精度に計測することができる。
(第3変形例)
上述した実施形態では、計測対象期間の開始および終了の基準として用いるスタートトリガセンサ5およびストップトリガセンサ6とは別個に、2点間通過期間の開始および終了の基準となる第1補正用センサ7および第2補正用センサ8を設けた。しかし、スタートトリガセンサ5およびストップトリガセンサ6を用いて、2点間通過期間の開始および終了を判断することもできる。すなわち、スタートトリガセンサ5およびストップトリガセンサ6を、第1補正用センサ7および第2補正用センサ8としても利用し、図10に示すように、第1補正用センサ7および第2補正用センサ8を省略する構成としてもよい。
本変形例では、例えば、搬送されるシート媒体Pの先端部がストップトリガセンサ6により検知されると2点間回転量を求めるためのパルス数のカウントを開始する。そして、シート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5により検知されると、2点間回転量を求めるためのパルス数のカウントを終了するとともに、計測対象期間のパルス数のカウントを開始する。その後、シート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6により検知されると、計測対象期間のパルス数のカウントを終了する。
あるいは、搬送されるシート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6により検知されたときに、計測対象期間のパルス数のカウントを終了するとともに、2点間回転量を求めるためのパルス数のカウントを開始する。そして、シート媒体Pの後端部がスタートトリガセンサ5により検知されると、2点間回転量を求めるためのパルス数のカウントを終了するようにしてもよい。
本変形例では、第1補正用センサ7および第2補正用センサ8を省略することで、部品点数の削減を図ってコスト低減を実現できるといった利点がある。なお、本変形例の場合は、2点間通過期間に、シート媒体Pが測長ローラ(駆動ローラ2および従動ローラ3)によって搬送されていない期間が含まれるが、シート媒体Pの搬送時と非搬送時とで測長ローラの回転にほとんど変化がなければ、シート長Lの計測に与える影響は無視することができる。また、仮にシート媒体Pの搬送時と非搬送時で測長ローラの回転に変化があったとしても、2点間回転量の初期値も同じ条件で計測されるため、シート長Lの計測に与える影響は小さい。
(第4変形例)
上述した実施形態では、搬送されるシート媒体Pの先端部がスタートトリガセンサ5により検知されてから、シート媒体Pの後端部がストップトリガセンサ6により検知されるまでの間を計測対象期間とした。しかし、図11に示すように、スタートトリガセンサ5とストップトリガセンサ6の代わりに1つのトリガセンサ9を設け、シート媒体Pの先端部がこのトリガセンサ9に検知されてから、シート媒体Pの後端部がトリガセンサ9に検知されるまでの間を計測対象期間とするように構成してもよい。本変形例の場合、算出部12は、従動ローラ3の半径の現在値r_pと、回転量計測部11から入力した計測対象期間における従動ローラ3の回転量n1/Nとを用い、下記式(5)により、シート長Lを算出する。
L=(n1/N)×(2×π×r_p) ・・・(5)
本変形例のトリガセンサ9は、図11に示すように、シート媒体Pの搬送方向Xに対して、測長ローラ(図11では従動ローラ3)の回転軸と同じ位置に設けられていることが望ましい。これにより、シート媒体Pを搬送している状態の測長ローラの回転量に基づいてシート長Lが計測されるため、シート長Lを高精度に計測することができる。なお、シート媒体Pの搬送時と非搬送時とで測長ローラの回転にほとんど変化がなければ、トリガセンサ9を測長ローラから離れた位置に配置してもよい。
本変形例では、スタートトリガセンサ5とストップトリガセンサ6に代えて1つのトリガセンサ9を設ける構成であるため、部品点数の削減を図ってコスト低減を実現できるといった利点がある。
なお、図11に示した例では、上述した実施形態と同様に、2点間通過期間の開始および終了の基準となるセンサとして第1補正用センサ7および第2補正用センサ8を設けている。しかし、トリガセンサ9と第1補正用センサ7を用いて、2点間通過期間の開始および終了を判断することもできる。すなわち、搬送されるシート媒体Pの先端部または後端部がトリガセンサ9により検知されてから第1補正用センサ7に検知されるまでの間を2点間通過期間としてもよい。これにより、第2補正用センサ8を省略できるため、部品点数をさらに削減してより一層のコスト低減を実現できる。
(第5変形例)
上述した実施形態では、シート長計測装置1を備える画像形成装置30,40について説明した。しかし、シート長計測装置1は、搬送される長尺のシート媒体Pを小さいサイズに裁断するシート裁断装置に搭載してもよい。シート裁断装置は、シート媒体Pを正確に裁断するために、裁断位置よりも下流側のシート媒体Pの長さ(シート長L)を正確に計測することが求められる。本実施形態に係るシート長計測装置1は、上述したようにシート長Lを高精度に計測することができるので、このシート長計測装置1により裁断位置よりも下流側のシート長Lを計測する構成とすることで、シート媒体Pを正確に裁断して、裁断したシート媒体Pのサイズのばらつきを抑えることができる。