JP6246873B1 - 包丁研磨システム - Google Patents

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Abstract

【課題】任意の刃物の峰の厚みに対応し、任意の方向のテーパー形状に沿って刃物を確実に挟持することができ、刃先を所定の一定の角度で継続的に研磨することが可能な、包丁研磨システムを提供することを目的とする。【解決手段】刃物を挟持するクランプ部20と、クランプ部を連結し支持するガイド部40と、を備え、クランプ部20は、2枚の挟持片22、24と、一方の挟持片に貫入し他方の挟持片に螺入し一方の挟持片の外面を頭部で押さえる2つの支点ボルトと、一方の挟持片に螺入し他方の挟持片の内面を押圧することによって支点ボルト頭部を支点として2枚の挟持片の対向する角度を任意に変更する2つの刃物固定ボルトと、を有しており、2つの支点ボルトをそれぞれ締め、さらに、2つの刃物固定ボルトをそれぞれ締めることによって、任意の厚みの峰を有する刃物を挟持することを特徴とする、包丁研磨システム。【選択図】図1

Description

本発明は、調理場のみならず一般家庭において砥石等の研磨部材を用いて包丁を研磨する時に刃先の研磨角度を一定に保って研磨することができるよう、包丁に取り付けて研磨作業を補助する包丁研磨システムに関する。
一般に、包丁などの刃物は、使用を継続することにより、その切れ味が低下することが知られている。刃物の切れ味が低下する原因は、その刃先が磨耗し丸くなることによる。したがって、切れ味を回復するためには、刃先を砥石やサンドペーパー等の研磨部材で研磨し、刃先に所定の角度が形成された形状を回復する必要がある。刃先を研磨する方法としては、例えばブロック状の砥石に刃先を所定の一定の角度で当接し、その角度を維持しながら砥石上で刃先を繰り返し摺動させる方法がある。これにより、丸くなっていた刃先に所定の角度が形成された形状を回復することができる。
しかしながら、砥石と刃先とが当接する角度を所定の一定の角度に維持しながら砥石で刃先を研磨する作業は、熟練を要する作業である。特に、一般家庭においては、刃物の刃先を所定の一定の角度に保って、刃先を研磨することは容易ではない。したがって、調理場のみならず一般家庭においても、正確かつ容易に刃物の刃先の研磨作業を行うことができるよう、研磨作業を補助する各種の提案がなされている。
特開2010−260128号公報 特開2009−12160号公報 特開2008−302447号公報
従来から、刃物の刃先の研磨作業において、刃物に取り付けて研磨作業を補助する研磨作業補助器具はあるものの、例えば、特許文献3に記載の刃物研磨用ホルダにおいては、砥石の上で当該刃物研磨用ホルダを摺動させるため、継続的に使用を続けると、当該刃物研磨用ホルダそのものが砥石によって削られる。したがって、当該刃物研磨用ホルダに挟持された刃物の刃先が砥石と当接する角度は当該刃物研磨用ホルダの使用の度に変化し、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように所定の一定の角度で継続的に刃先を研磨するという目的が果たせなくなるという問題があった。
また、例えば、特許文献2に記載の本格的かんたん包丁研ぎ器においては、当該研ぎ器本体が研磨部材で削られることのないよう研磨部材との間にコロが設けられているものの、コロは一方向にのみ回転することから、当該研ぎ器本体に挟持された刃物の刃先を研磨部材上で任意の方向に摺動させることができないという問題があった。さらに、刃物を挟持する当該研ぎ器本体と刃物の刃先、特にあごおよび切っ先との位置決めを確実に行う為の部材がないことから、当該研ぎ器を使用する度に当該研ぎ器本体と刃物の刃先との相対的位置が異なることとなりかねず、当該研ぎ器本体に挟持された刃物の刃先が研磨部材と当接する角度は当該研ぎ器の使用の度に変化し、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先を研磨するという目的が果たせなくなるという問題があった。加えて、両刃の刃物については刃先の両面を研磨する必要があるが、研磨しようとする刃先の面を反転するために当該研ぎ器本体に刃物を付け替える際に、当該研ぎ器本体と刃物の刃先との相対的位置が異なることとなりかねず、両刃の刃物の刃先に形成される角度が、一方の面と他方の面において異なることとなる。これにより、両刃の刃物の特徴である、対象物をまっすぐに切り込むという特徴を損なうことにもなりかねないという問題があった。また、研磨しようとする刃先の面を反転するためには、当該研ぎ器本体から一旦刃物を取り外し、再度、当該研ぎ器本体で刃物を挟持するという手間が必要となり、研磨しようとする刃先の面を容易に瞬時に反転することができないという問題があった。
また、例えば、特許文献1に記載の包丁研磨補助具においては、挟持片の上下両面に対称に、合成ゴムなどの弾性を有する物質からなる円柱形の回転体(特許文献1の図1の符号12)が取り付けられており、加えて、挟持片の内面において刃物を挟持する部材として合成ゴムなどの弾性を有する物質(特許文献1の図1の符号17)が取り付けられており、これらの部材が相まって機能することにより、当該包丁研磨補助具に挟持された刃物は十分に固定された状態とならず、刃先が研磨部材と当接する角度は研磨の最中において変化し、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように所定の一定の角度で刃先を研磨するという目的が果たせなくなるという問題があった。
また、特許文献1に記載の包丁研磨補助具においては、特許文献1の明細書の段落[0007]に記載の「一対の挟持片91が図6のように必要な任意の角度以上に開かないようにするため各々の開き止め94の厚みを合計した長さを包丁が挟み込める任意の幅にします」とあることから、挟持片で挟持できる刃物の厚みは、当該包丁研磨補助具の開き止めの厚みに依存する。一方、市販されている刃物の厚み、特に峰の厚みは様々であり、1つの当該包丁研磨補助具では任意の刃物の峰の厚みに対応することができないという問題があった。
さらに、特許文献1に記載の包丁研磨補助具においては、挟持片の内面は、挟持される刃物の柄元から切っ先方向については略平行となっており、また、峰から刃先方向については、挟持片を内向きに付勢する三角形の板バネ(特許文献1の図1の16及び図3の36)の縦の一片の長さに依存して傾斜する。これにより、当該包丁研磨補助具は、峰から刃先へ、又は、柄元から切っ先へ、テーパー形状となっている刃物の形状に沿って、刃物を挟持することができなかった。つまり、当該包丁研磨補助具の挟持方法においては、挟持片の間で挟持される刃物の向きが当該包丁研磨補助具の中心軸と平行とならない。よって、当該包丁研磨補助具に対する刃物の刃先の向きによっては、研磨した後に両刃の刃物の刃先に形成される角度が、一方の面と他方の面において異なることが生じ得る。したがって、当該包丁研磨補助具を用いて刃物を研磨することによって、両刃の刃物の特徴である対象物をまっすぐに切り込むという特徴を損なうことにもなりかねないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、任意の刃物の峰の厚みに対応し、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先を所定の一定の角度で継続的に研磨することができ、刃物の刃先を研磨部材上で任意の方向に摺動させることができ、刃物の任意の方向のテーパー形状に沿って刃物を確実に挟持することができ、研ぎ器本体と刃物の刃先、特にあごおよび切っ先との相対的な位置決めにおいて再現性を有し、さらに、両刃の刃物において研磨しようとする刃先の面を容易に瞬時に反転することができ、かつ、刃先に形成される角度が両面において同じ角度になるように研磨することが可能な、包丁研磨システムを提供することを目的とする。
この発明の請求項1にかかる包丁研磨システムは、硬質材料で形成され刃物を挟持するクランプ部と、クランプ部に挟持された刃物の刃先を研磨部材に対して所定の一定の角度に傾斜させながらクランプ部を連結し支持するガイド部と、を備える包丁研磨システムであって、クランプ部は、二枚の挟持片と、一方の挟持片に貫入し他方の挟持片に螺入し一方の挟持片の外面を頭部で押さえる二つの支点ボルトと、一方の挟持片に螺入し他方の挟持片の内面を押圧することによって支点ボルト頭部を支点として二枚の挟持片の対向する角度を任意に変更する二つの刃物固定ボルトと、を有しており、任意の厚みの峰を有する刃物を二枚の挟持片の間に峰から挿入し、二つの支点ボルトをそれぞれ締め、さらに、二つの刃物固定ボルトをそれぞれ締めることによって、刃物を挟持し、二つの支点ボルトと二つの刃物固定ボルトとの間の距離は、二つの支点ボルトと二枚の挟持片の前端部との間の距離よりも、短いことを特徴とする。
この発明の請求項2にかかる包丁研磨システムは、ガイド部は、フリーボールベアリングが設けられていることを特徴とする。
この発明の請求項3にかかる包丁研磨システムは、ガイド部は、上下に面対称であり、
ガイド部の上下両面に同一形状のフリーボールベアリングが、ガイド部の中心面に対して面対称に設けられていることを特徴とする。
この発明の請求項4にかかる包丁研磨システムは、刃物のあご近傍に装着されて、刃物のあご及び切っ先とクランプ部との位置決めに用いられる複数のゲージを有することを特徴とする。
この発明の請求項5にかかる包丁研磨システムは、研磨部材は、刃先と当接する一方部においては研磨機能を有するよう非平滑に形成され、フリーボールベアリングと当接する他方部においては平滑に形成されている砥石であることを特徴とする。
請求項1の包丁研磨システムによれば、任意の刃物の峰の厚みに対応しながら、刃物の任意の方向におけるテーパー形状に一対の挟持片の内面を沿わせるように一対の挟持片の対向する角度を変更することによって、一対の挟持片で刃物を挟持する。
請求項2の包丁研磨システムによれば、ガイド部が研磨作業台上で任意の方向に回動でき、クランプ部に挟持された刃物の刃先は研磨部材上で任意の方向に摺動する。
請求項3の包丁研磨システムによれば、刃物が挟持された包丁研磨システムを容易に瞬時に上下反転し、両刃の刃物の刃先が研磨部材に当接する面の両面を、同様に研磨部材上で任意の方向に摺動し、同様に研磨する。
請求項4の包丁研磨システムによれば、補助ゲージの刃先への装着方法及び補助ゲージが装着された刃物の一対の挟持片の間への挿入方法に対応して、補助ゲージの開口部から開口奥までの距離に相当する長さの刃先が包丁研磨システムの一対の挟持片の前端部から露出し、かつ、刃物、特にあご及び切っ先と一対の挟持片との相対的な位置決めに再現性を持たせることができる。
請求項5の包丁研磨システムによれば、研磨台を用いなくても、当該砥石の他方部上でフリーボールベアリングを任意の方向に回動することにより、当該砥石の一方部上でクランプ部に挟持された刃物の刃先は任意の方向に摺動する。
請求項1の発明に係る包丁研磨システムによれば、任意の刃物の峰の厚みに対応し、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先を所定の一定の角度で継続的に研磨することができ、刃物の任意の方向のテーパー形状に沿って刃物を確実に挟持することができる。
請求項2の発明に係る包丁研磨システムによれば、刃物の刃先を研磨部材上で任意の方向に摺動させることができる。
請求項3の発明に係る包丁研磨システムによれば、両刃の刃物において研磨しようとする刃先の面を容易に瞬時に反転することができ、かつ、刃先に形成される角度が両面において同じ角度になるように研磨することができる。
請求項4の発明に係る包丁研磨システムによれば、包丁研磨システムと刃物の刃先、特にあご及び切っ先との相対的な位置決めにおいて再現性を有することができる。
請求項5の発明に係る包丁研磨システムによれば、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先を所定の一定の角度で継続的に研磨することができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る包丁研磨システムを示す斜視図である。 本発明に係る包丁研磨システムを示す平面図である。 図2におけるIIIA−IIIA断面図である。 図2におけるIIIB−IIIB断面図である。 本発明に係る包丁研磨システムが刃物を挟持し半分砥石で研磨している状態を示す平面図である。 (a)は図4におけるVA−VA断面図である。(b)は図4におけるVB−VB断面図である(刃物84及び支点ボルト26、28は鎖線で記載)。 図4におけるVC−VC断面図である。 本発明に係る包丁研磨システムの左側面図である。 本発明に係る包丁研磨システムが刃物を挟持している状態を示す左側面図である。 本発明に係る包丁研磨システムに用いられるフリーボールベアリングの断面図である。 両刃の刃物の刃先を使用時における鉛直方向で切断した断面図である。 本発明に係る包丁研磨システムで研磨作業に用いられる研磨台の斜視図である。 研磨部材と研磨台とを用いて包丁研磨システムによって刃物が研磨されている使用状態を示す斜視図である。 (a)は、本発明に係る包丁研磨システムに用いられる補助ゲージの斜視図である。(b)は、補助ゲージを刃物の刃先に装着して包丁研磨システムのクランプ部に刃物を挿入している状態の左側面図である。 補助ゲージを刃物の刃先に装着して包丁研磨システムのクランプ部に刃物を挿入している状態の平面図である。 研磨台を用いて包丁研磨システムによって刃物が研磨されている使用状態を示す左側面図である。(a)は、研磨補助板と砥石の上面の高さが一致している場合であり、主に切刃を形成している状態図である。(b)は、研磨補助板の上面に刃付け板を載置し、刃先に小刃を形成している状態図である。 本発明の包丁研磨システムの変形例であって、包丁研磨システムが刃物を挟持している状態を示すクランプ部の断面図である。 本発明の包丁研磨システムの変形例であって、包丁研磨システムのフリーボールベアリングの固定方法の変形例を示した平面図である。
本発明の実施形態に係る包丁研磨システムを図面に基づいて説明する。以下では、方向について、クランプ部20の挟持片22、24の内面226、246又は外面228、248に対する垂線方向を上下方向と、刃物84を挿入するためのクランプ部20の開口部側を前側、クランプ部20のガイド部40側を後側と、後側から前側を見て右側を右側と、後側から前側を見て左側を左側と、定義する。なお、以下に示す実施の形態は本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1に示した包丁研磨システム10は、クランプ部20と、ガイド部40と、を有する。以下、各構成要素について詳述する。
図1に示すように、クランプ部20は、一対の挟持片22、24と、支点ボルト26、28と、刃物固定ボルト30、32と、ガイド部40との接続部34、36と、を有する。
図1及び図2に示すように、一対の挟持片22、24は、平面視において四角形状体であり、側面視において薄板状体である。挟持片22、24それぞれの、例えば、前後方向の長さは50mmであり、左右方向の長さは85mmであり、後側端の上下方向の長さ(挟持片の厚み)は3mmである。一対の挟持片22、24は、硬質材料、例えば金属で形成されている。一方の挟持片22と他方の挟持片24とは、上下方向に、略面対称な形状であるが、支点ボルト26及び支点ボルト28が貫入され刃物固定ボルト30及び刃物固定ボルト32が螺入される一方の挟持片を挟持片22とし、支点ボルト26及び支点ボルト28が螺入され刃物固定ボルト30及び刃物固定ボルト32が当接される他方の挟持片を挟持片24とする。以下、一方の挟持片22が他方の挟持片24の上側に配設された状態で説明する。
図1ないし図5Bに示すように、挟持片22は、下面226において、挟持対象物である刃物84と当接する。挟持片22は、上面228の前端部2200近傍において、下向きに傾斜するような形状、つまり、側面視において前端部2200が細くなるような形状に形成されており、例えば挟持片22の前端部2200の上下方向の長さは1.5mmである。これは、一対の挟持片22、24で刃物84を挟持し、一方の挟持片22が他方の挟持片24に対して下側となるような位置関係で後述する研磨部材90を用いて刃物84を研磨する際に、下側の挟持片22が研磨部材90に接触しないよう、側面視において挟持片22の前端部2200を細く形成するものである。挟持片22は、後述する左右一対の支点ボルト26及び支点ボルト28を貫入するための支点ボルト孔220a及び支点ボルト孔220bが左右方向に分かれて一対に形成されている。支点ボルト孔220aは、挟持片22の後側かつ略右側に穿孔されている。支点ボルト孔220bは、挟持片22の後側かつ略左側に穿孔されている。支点ボルト孔220a、220bはそれぞれ、例えば、挟持片22の後側端から10mmの位置に形成されている。支点ボルト孔220a、220bはそれぞれ、支点ボルト26、28が貫入されるための孔であるが、螺子山は形成されておらず、円筒かつ平滑な面で形成されている。さらに、挟持片22は、後述する刃物固定ボルト30、32を螺入するための刃物固定ボルト孔222a、222bが左右方向に分かれて一対に形成されている。刃物固定ボルト孔222aは、挟持片22の支点ボルト孔220aよりさらに後側に、例えば6mm後側に形成されている。刃物固定ボルト孔222bは、挟持片22の支点ボルト孔220bよりさらに後側に、例えば6mm後側に形成されている。つまり、支点ボルト孔220aと刃物固定ボルト孔222aとは、前後に隣接しており、例えば6mm隔てた位置に隣接しており、正面視において重なる位置に形成されている。同様に、支点ボルト孔220bと刃物固定ボルト孔222bとは、前後に隣接しており、例えば6mm隔てた位置に隣接しており、正面視において重なる位置に形成されている。刃物固定ボルト孔222a、222bはそれぞれ、後述する刃物固定ボルト30、32を螺入するための孔であり、螺子山が形成されている。挟持片22は、後述する接続用ボルト344a、344bを螺入するための接続用ボルト孔224a、224bが形成されている。接続用ボルト孔224a、224bはそれぞれ、接続用ボルト344a、344bを螺入するための孔であり、螺子山が形成されている。接続用ボルト孔224a、224bは、支点ボルト孔220aと支点ボルト孔220bとの間に略形成されている。
図1ないし図5Bに示すように、挟持片24は、上面246において、挟持対象物である刃物84と当接する。挟持片24は、下面248の前端部2400近傍において、上向きに傾斜するような形状、つまり、側面視において前端部2400が細くなるような形状に形成されており、例えば挟持片24の前端部2400の上下方向の長さは1.5mmである。これは、一対の挟持片22、24で刃物84を挟持し、挟持片24が挟持片22に対して下側となるような位置関係で研磨部材90を用いて刃物84を研磨する際に、挟持片24が研磨部材90に接触しないよう、側面視において挟持片24の前端部2400を細く形成するものである。挟持片24は、後述する支点ボルト26、28を螺入するための支点ボルト孔240a、240bが左右方向に分かれて一対に形成されている。支点ボルト孔240aは、挟持片24の後側かつ略右側に穿孔されている。支点ボルト孔240bは、挟持片24の後側かつ略左側に穿孔されている。支点ボルト孔240a、240bはそれぞれ、例えば、挟持片24の後側端から10mmの位置に形成されている。支点ボルト孔240a、240bはそれぞれ、支点ボルト26、28が螺入されるための孔であり、螺子山が形成されている。挟持片24は、後述する接続用ボルト364a、364bを螺入するための接続用ボルト孔244a、244bが形成されている。接続用ボルト孔244a、244bは、接続用ボルト364a、364bを螺入するための孔であり、螺子山が形成されている。接続用ボルト孔244a、244bは、支点ボルト孔240aと支点ボルト孔240bとの間に略形成されている。
図1ないし図5Bに示すように、支点ボルト26、28は、低頭であり頭部260、280にプラスドライバーで締緩するための十字穴が形成され先端部はあら先に形成された螺子である。支点ボルト26、28は、呼び長さが、例えば10mmである。支点ボルト26、28は、硬質材料、例えば金属で形成されている。支点ボルト26、28は、それぞれ挟持片22の上面228から支点ボルト孔220a、220bに貫入され、挟持片22の下面226を突き抜けた後、さらに挟持片24の上面246から支点ボルト孔240a、240bに螺入される。支点ボルト26、28は、一対の挟持片22、24で挟持しようとする刃物84の峰850の厚みに応じて、挟持片22の内面226と挟持片24の内面246との間隔の可動幅を制限するための螺子である。支点ボルト26、28は、刃物84の峰850の厚みが特に大きい場合は、呼び長さの異なる螺子に変更することができる。支点ボルト26、28は、刃物84を挟持する際に、挟持片22の上面(外面)228を頭部260、280で押さえる支点となるものである。
図1ないし図5Bに示すように、刃物固定ボルト30、32は、頭部がない螺子であり、いわゆる長螺子である。刃物固定ボルト30、32は、上側端に六角レンチ(図示しない)で締緩するための六角穴が形成されている。刃物固定ボルト30、32は、硬質材料、例えば金属で形成されている。刃物固定ボルト30、32は、全長が、例えば8mmである。刃物固定ボルト30、32はそれぞれ、挟持片22の上面228から刃物固定ボルト孔222a、222bに螺入され、挟持片22の下面226を突き抜けた後、挟持片24の上面246に当接する。刃物固定ボルト30、32は、刃物84を挟持する際に、支点ボルト26、28の頭部260、280を支点として、挟持片22、24の対向する角度を自在に変更するための螺子である。刃物固定ボルト30、32は、刃物84の峰850の厚みが特に大きい場合は、又は、刃物84の任意の方向のテーパー角が特に大きい場合は、全長の異なる螺子に変更することができる。
図1、図2、図3A、図3B、図6A及び図6Bに示すように、接続部34は、接続板340と、接続板孔342a、342b、342c、342dと、接続用ボルト344a、344b、344c、344dと、を有する。
接続板340は、挟持片22とガイド部40のガイド板42とを接続し一体的に固定するための板状部材である。接続板340は、平面視において四角形状体であり、側面視において薄板状体である。接続板340の、例えば、前後方向の長さは25mmであり、左右方向の長さは30mmであり、上下方向の長さは2mmである。接続板340は、硬質材料、例えば金属で形成されている。
接続板孔342a、342b、342c、342dはそれぞれ、接続板340に穿孔されている孔であり、接続用ボルト344a、344b、344c、344dを貫入するための孔である。接続板孔342a、342b、342c、342dには、螺子山は形成されていない。
接続板340は、接続用ボルト344a、344bがそれぞれ接続板孔342a、342bに貫入され挟持片22の接続用ボルト孔224a、224bに螺入されることによって、挟持片22に接続される。接続板340は、接続用ボルト344c、344dがそれぞれ接続板孔342c、342dに貫入され後述するガイド板42の接続用ボルト孔420a、420bに螺入されることによって、ガイド板42に接続される。したがって、接続板340と接続用ボルト344a、344b、344c、344dとを介することによって、挟持片22とガイド板42とは、接続され一体的に固定される。
図3A、図3B、図6A及び図6Bに示すように、接続部36は、接続板360と、接続板孔362a、362b、362c、362dと、接続用ボルト364a、364b、364c、364dと、を有する。
接続板360は、挟持片24とガイド部40のガイド板44とを接続し一体的に固定するための板状部材である。接続板360は、平面視において四角形状体であり、側面視において薄板状体である。接続板360の、例えば、前後方向の長さは25mmであり、左右方向の長さは30mmであり、上下方向の長さは2mmである。接続板360は、硬質材料、例えば金属で形成されている。
接続板孔362a、362b、362c、362dはそれぞれ、接続板360に穿孔されている孔であり、接続用ボルト364a、364b、364c、364dを貫入するための孔である。接続板孔362a、362b、362c、362dには、螺子山は形成されていない。
接続板360は、接続用ボルト364a、364bがそれぞれ接続板孔362a、362bに貫入され挟持片24の接続用ボルト孔244a、244bに螺入されることによって、挟持片24に接続される。接続板360は、接続用ボルト364c、364dがそれぞれ接続板孔362c、362dに貫入され後述するガイド板44の接続用ボルト孔440a、440bに螺入されることによって、ガイド板44に接続される。したがって、接続板360と接続用ボルト364a、364b、364c、364dとを介することによって、挟持片24とガイド板44とは、接続され一体的に固定される。
図1に示すように、ガイド部40は、ガイド板42、44と、中間部材46と、フリーボールベアリング48、50と、を有する。ガイド部40は、接続部34、36を介して、クランプ部20に接続し、クランプ部20の一対の挟持片22、24に挟持された刃物84の刃先840を後述する研磨部材90に対して所定の一定の角度に傾斜させるとともに、挟持片22と挟持片24とを連結するためのものである。
図1及び図2に示すように、ガイド板42、44は、平面視において略半円形であり、側面視において薄板状体である。ガイド板42、44それぞれの、例えば、前後方向の長さは92mmであり、左右方向の長さは65mmであり、上下方向の長さ(ガイド板の厚み)は3mmである。ガイド板42とガイド板44とは、同一の形状であり、後述するように外周縁を一致させるように包丁研磨システム10に配設される。ガイド板42、44は、金属、又は強度がある高分子樹脂材料、例えばアクリルで形成されている。ガイド板42、44は、包丁研磨システム10全体を軽量化する観点からは、高分子樹脂材料で形成されていることが好ましい。ガイド板42とガイド板44とは、上下方向に、面対称に配設されている。ガイド板42、44はそれぞれ、挟持片22、24と上下方向の長さ(厚み)が同じであるように形成されている。ガイド板42、44はそれぞれ、接続部34、36を介して、挟持片22、24と接続され一体的に固定される。ガイド板42、44はそれぞれ、挟持片22を挟持片24の上側に配設した場合に、左側面を挟持片22、24と揃えるように、挟持片22、24と接続する。これにより、挟持片22、24は、挟持片22を挟持片24の上側に配設した場合に、右側面がガイド板42、44の右側面より突出するように、包丁研磨システム10に配設される。
図1及び図3Bに示すように、ガイド板42は、前側に、接続部34の接続用ボルト344c、344dをそれぞれ螺入するための接続用ボルト孔420a、420bが形成されている。図2及び図6Aに示すように、ガイド板42は、前後方向の中央付近かつ左右方向の右側に、後述するベアリング用ボルト4802aを貫入するためのベアリング用ボルト孔422aが形成されている。ガイド板42は、前後方向の中央付近かつ左右方向の左側に、後述するベアリング用ボルト4802bを貫入するためのベアリング用ボルト孔422bが形成されている。接続用ボルト孔420a、420bはそれぞれ、接続部34の接続用ボルト344c、344dを螺入するための孔であり、螺子山が形成されている。ベアリング用ボルト孔422a、422bはそれぞれ、ベアリング用ボルト4802a、4802bを貫入するための孔であり、螺子山は形成されていない。
図3Bに示すように、ガイド板44は、前側に、接続部36の接続用ボルト364c、364dをそれぞれ螺入するための接続用ボルト孔440a、440bが形成されている。図2及び図6Aに示すように、ガイド板44は、前後方向の中央付近かつ左右方向の右側に、後述するベアリング用ボルト4802aを貫入するためのベアリング用ボルト孔442aが形成されている。ガイド板44は、前後方向の中央付近かつ左右方向の左側に、後述するベアリング用ボルト4802bを貫入するためのベアリング用ボルト孔442bが形成されている。接続用ボルト孔440a、440bはそれぞれ、接続部36の接続用ボルト364c、364dを螺入するための孔であり、螺子山が形成されている。ベアリング用ボルト孔442a、442bはそれぞれ、ベアリング用ボルト4802a、4802bを貫入するための孔であり、螺子山は形成されていない。
中間部材46は、ガイド板42とガイド板44とを一体的に連結するとともに、ガイド板42とガイド板44との間隔を、挟持片22と挟持片24との間隔に、略合わせるための部材である。図1、図6A及び図6Bに示すように、中間部材46は、平面視において略半円形であり、側面視において薄板状体である。中間部材46の、例えば、前後方向の長さは65mmであり、左右方向の長さは65mmであり、上下方向の長さ(中間部材の厚み)は2mmである。中間部材46は、金属、又は強度がある高分子樹脂材料、例えばアクリルで形成されている。中間部材46とガイド板42とガイド板44とは、平面視において後側端、右側端、及び左側端が一致するように、且つ側面視において積層するように、配設される。つまり、中間部材46は、ガイド板42とガイド板44とに挟持された状態となる。中間部材46は、右側に、ベアリング用ボルト4802aを貫入するためのベアリング用ボルト孔460aが形成されている。中間部材46は、左側に、ベアリング用ボルト4802bを貫入するためのベアリング用ボルト孔460bが形成されている。ガイド板42とガイド板44とに挟持されている中間部材46に上下面対称に、後述するフリーボールベアリング48、50は配設される。中間部材46は、フリーボールベアリング48の大径ボール484の重心とフリーボールベアリング50の大径ボール504の重心とを結んでできる直線(以下、「重心直線52」という。)と中間部材46の上下方向の中心を結んでできる平面(以下、「中心面462」という。)との交点(以下、「交点464」という。)を有する。
図1、図6A及び図6Bに示すように、ガイド板42とガイド板44とは、ベアリング用ボルト4802a、4802bと中間部材46とを介することによって、平行に且つ外周縁を一致させるように、包丁研磨システム10に配設され一体的に固定される。したがって、ガイド板42に接続される挟持片22と、ガイド板44に接続された挟持片24とは、ベアリング用ボルト4802a、4802bと中間部材46とを介して、接続され一体的に固定された状態となる。
図1、図2、図6A、図6B及び図7に示すように、フリーボールベアリング48は、ガイド板42の上面略中央付近に設けられ、クランプ部20に挟持された刃物84の刃先840を研磨部材90上で研磨する際に、刃物84の刃先840を研磨部材90上で任意の方向に摺動させるためのものである。フリーボールベアリング48の略全体形状の、例えば、前後方向の長さは42mmであり、左右方向の長さは60mmであり、上下方向の長さは20mmである。フリーボールベアリング48は、ボール収容部材480を基部にしており、ボール収容部材480は半球状の凹み482を備える。ボール収容部材480における凹み482には回転可能な大径ボール484が収容される。この大径ボール484は凹み482から離脱不能に構成される。大径ボール484と凹み482との間には多数の回転可能な小径ボール486が介在するように配設される。凹み482の適宜位置には小径ボール486が大径ボール484と凹み482との間から離脱することを防止するためのストッパ488が設けられる。大径ボール484の材質は硬質材料、例えば金属であり、小径ボール486の材質も硬質材料、例えば金属である。ボール収容部材480には、右側にベアリング用ボルト孔4800aが、左側にベアリング用ボルト孔4800bが形成されている。ベアリング用ボルト孔4800a、4800bはそれぞれ、ベアリング用ボルト4802a、4802bを貫入するための孔である。
図1、図6A、図6B及び図7に示すように、フリーボールベアリング50は、ガイド板44の下面略中央付近に設けられ、クランプ部20に挟持された刃物84の刃先840を研磨部材90上で研磨する際に、刃物84の刃先840を研磨部材90上で任意の方向に摺動させるためのものである。フリーボールベアリング50の構造は、上記フリーボールベアリング48と同様であり、形状及び大きさは同一である。フリーボールベアリング50は、ボール収容部材500を基部にしている。ボール収容部材500には、右側にベアリング用ボルト孔5000aが、左側にベアリング用ボルト孔5000bが形成されている。ベアリング用ボルト孔5000a、5000bはそれぞれ、ベアリング用ボルト4802a、4802bを貫入するための孔である。
図6A及び図6Bに示すように、ベアリング用ボルト4802a、4802bとナット4804a、4804bは、フリーボールベアリング48をガイド板42に固定するためのボルトとナットであり、同時にフリーボールベアリング50をガイド板44に固定するためのボルトとナットである。ベアリング用ボルト4802a、4802bの呼び長さは、例えば、15mmである。ベアリング用ボルト4802a、4802bの呼び長さは、フリーボールベアリング48及び50のボール収容部材480の厚み及び500の厚み、ガイド板42及び44の上下方向の長さ(厚み)、中間部材46の上下方向の長さ(厚み)、ナット4804a及び4804bの高さ、並びにワッシャー2枚の厚み、の合計より大きければよい。ベアリング用ボルト4802a、4802bはそれぞれ、ワッシャー(符号なし)を介して、フリーボールベアリング48のベアリング用ボルト孔4800a、4800bに貫入し、ガイド板42のベアリング用ボルト孔422a、422bを貫入し、中間部材のベアリング用ボルト孔460a、460bを貫入し、ガイド板44のベアリング用ボルト孔442a、442bを貫入し、フリーボールベアリング50のベアリング用ボルト孔5000a、5000bを貫入し、ワッシャー(符号なし)を介して、ナット4804a、4804bに螺入する。したがって、ベアリング用ボルト4802a、4802bとナット4804a、4804bとの締め付けにより、フリーボールベアリング48、ガイド板42、中間部材46、ガイド板44、及びフリーボールベアリング50は、接続され一体的に固定される。
図6A及び図6Bに示すように、フリーボールベアリング48とフリーボールベアリング50とは、フリーボールベアリング48、ガイド板42、中間部材46、ガイド板44、及びフリーボールベアリング50を貫入するベアリング用ボルト4802a、4802bとナット4804a、4804bとを介して、ガイド板42の上面とガイド板44の下面とに中心面462に対し面対称に配設される。これにより、後述する両刃の刃物84をクランプ部20で挟持して、刃先840の両面840a、840bを均等に研磨しようとする際に、刃先840の研磨部材90との当接する角度θ(図5Bの(b)に図示)が、刃先840の両面840a、840b(図8に図示)において等しくなる。
図4及び図8に示すように、包丁研磨システム10のクランプ部20に挟持されて研磨部材90で研磨される刃物84は、市販の包丁であって様々な包丁である。例えば、洋包丁でも和包丁でも、両刃の包丁でも片刃の包丁でも、金属製の本焼き包丁でも合わせ包丁でも、よい。刃物84は、切断対象物(図示しない)と当接する刃先840と、刃先840のうち後述する柄848と反対側に設けられる切っ先842と、刃先840のうち柄848側に設けられる刃元844と、刃元844のうち最も柄848側に設けられるあご846と、手に把持される柄848と、柄元8480から切っ先へと伸びる峰850と、を有する。刃先840は、傾斜して研磨部材90と当接する当接面840aと、刃先840の最先端に位置する最先端8400と、を有する。両刃の刃物84の刃先840は、後述する鉛直軸860に対して当接面840aと略対称な当接面840bを有する。刃物84は、通常、柄元8480から切っ先842にかけて徐々に細くなるようなテーパー形状に形成されている。さらに、刃物84は、通常、峰850から刃先840にかけて徐々に細くなるようなテーパー形状に形成されている。刃物84の形状・大きさは、一般的に用いられる包丁又はナイフであれば、任意の形状・大きさであってよい。
柄元8480から切っ先842方向に対して垂直方向の刃先840の断面形状は、両刃の包丁と片刃の包丁で異なっており、両刃の包丁の場合は使用される際の鉛直軸860に対して対称であることが好ましい。なぜなら、両刃の包丁はまっすぐ切り込むために使用されることが通常であるからである。さらに、上記断面形状において刃物84の刃先840の最先端8400には、いわゆる小刃(以下、「小刃8400」という。)が形成されることが好ましい。刃先840に小刃8400が形成されることにより、刃先840の強度が向上するからである。両刃の刃物84の刃先840の鉛直軸860に対する角度θ1は、例えば13度である。さらに小刃8400については、鉛直軸に対する角度θ2は、例えば15度である。ただし、刃先840の角度θ1又は小刃8400の角度θ2は、刃物84の種類によっても使用者の使用方法によっても異なっていてもよい。例えば、刃物84が出刃包丁であれば、刃先840の角度θ1は20度であってもよい。使用者が刃先840を速く引きながら切断対象物(図示しない)に刃先840を当てるような使用方法を用いる場合も、刃先840の角度θ1はやや大きくてもよい。
刃物84が片刃の包丁(図示しない)の場合は、刃先840は、使用される際の鉛直軸860に対して対称でない切刃(図示しない)が形成されている。刃先840の最先端に小刃8400が形成されている。一般家庭で使用される包丁の場合には、両刃の包丁であっても片刃の包丁であっても、刃先840に小刃8400が形成されていなくても、通常の使用の範囲において特に問題を生じない。
図4、図5B、図9、及び図10に示すように、研磨部材90は、刃物84の刃先840を摺動させることによって刃先840を研磨するためのものであり、砥石90aであっても耐水サンドペーパー90bであってもよい。砥石90aは、天然砥石でも人造砥石でもダイヤモンド砥石でも、荒砥石、中砥石、仕上砥石でも、よい。耐水サンドペーパー90bは、番手が120番から3000番のものでもよい。特に、刃物84の刃先840又は小刃8400の仕上研磨(鏡面研磨)の際には、1000番以上の耐水サンドペーパー90bを用いることが好ましい。耐水サンドペーパー90bを用いて刃物84の刃先840を研磨する場合には、後述するサンドペーパー台1100を用いることが好ましい。
砥石90aの、例えば、上下方向の長さは7mmであり、前後方向の長さは204mmであり、左右方向の長さは65mmである。
砥石90aは、刃先840と当接する一方部92においては研磨機能を有するよう非平滑に形成され、フリーボールベアリング48、50と当接する他方部94においては平滑に形成されているもの(以下、「半分砥石90c」という。)でもよい。半分砥石90cであれば、フリーボールベアリング48の大径ボール484が他方部94上で回動しても、大径ボール484は研磨されず、大径ボール484の形状や半径が使用の度に変化することはない。大径ボール484の形状や半径が変化すれば、包丁研磨システム10を用いて刃物84を研磨しようとしても、刃先840と研磨部材90との当接する角度θが変化することとなり、その刃物84にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先840を所定の一定の角度で継続的に研磨するという包丁研磨システム10の目的を果たすことができなくなる。したがって、半分砥石90cを研磨部材90として用いれば、後述する研磨台110を用いなくても、その刃物にとっての適切な刃先の角度が形成されるように刃先840を所定の一定の角度で傾斜させながら継続的に包丁研磨システム10を使用することができる。
図11及び図12に示すように、補助ゲージ100は、刃物84を峰850からクランプ部20の一対の挟持片22、24の間に挿入して刃物84をクランプ部20で挟持しようとする際に、挟持片22、24から露出する刃先840の鉛直軸860方向の長さを所定の一定の長さにするための部材であり、挟持片22、24と刃物84のあご846及び切っ先842との相対的な位置決めにおいて再現性を持たせるための部材である。補助ゲージ100は、平面視において四角形状体であり、側面視において略Cの字形に形成されている。補助ゲージ100は、刃物84の刃先840を内部に引き入れるための開口部102と、刃先840が当接する開口奥104と、を有する。補助ゲージ100の、例えば、上下方向の最長部分の長さは9mmであり、前後方向の長さは27mmであり、左右方向の長さは38mmであり、略Cの字の開口部102から開口奥104までの長さは16mmである。補助ゲージ100は、開口部102から開口奥104まで刃先840を挿入し、手で刃先840を挿入離脱可能な程度の挟持力で刃先840を挟持することで、刃先840に装着される。補助ゲージ100は、開口部102において刃先104を挟持できる程度の弾性力が生じるような高分子樹脂材料、例えばアクリルで形成されている。したがって、刃先840に補助ゲージ100を装着した状態で、刃物84を峰850から一対の挟持片22、24の間に挿入することで、補助ゲージ100の開口部102から開口奥104までの長さに相当する長さの刃先840が挟持片22、24から露出した状態となる。また、挟持片22、24とあご846及び切っ先842との相対的な位置決めにおいて再現性を持たせるために、補助ゲージ100は、刃物84のあご846から刃元844近傍に取り付けられる。補助ゲージ100は、1つで用いられるよりも複数で用いられることが好ましい。包丁の刃先840は、あご846から切っ先842にかけて峰850に向かって反るように曲線状に形成されていることが多い。したがって、挟持片22、24と刃先840と、特に、挟持片22、24とあご846及び切っ先842との相対的な位置決めにおいて再現性を持たせるためには、複数の補助ゲージ100を刃先840が描く曲線に沿ってあご846から切っ先842に向けて刃先840に装着することが好ましい。
図9、図10、及び図13に示すように、研磨台110は、包丁研磨システム10と研磨部材90とを用いて刃物84の刃先840を研磨する作業において、研磨部材90を固定し、かつ、研磨部材90の高さと包丁研磨システム10の高さとを調整するための作業台である。研磨台110は、底板112と、研磨補助板114と、研磨部材載置部116と、刃付け板118と、サンドペーパー台1100と、を有する。
底板112は、研磨台110全体を支えるための部材である。底板112は、軽量であり且つある程度の強度のある材料、例えば木材で形成されている。底板112は平面視において前後方向を長手方向とする矩形である。底板112の、例えば、前後方向の長さは355mm、上下方向の長さは12mm、左右方向の長さは220mm、である。
研磨補助板114は、底板112の上面且つ後側に配設され固定される。研磨補助板114は、包丁研磨システム10のガイド部40のフリーボールベアリング48、50が載置され回動する際に、その可動領域を確保するための板状部材である。研磨補助板114は、軽量であり、ある程度の強度のある材料であり、かつ、金属よりも軟質である材料、例えば木材で形成されている。研磨補助板114は、平面視において略四角形状ないし略台形状である。研磨補助板114の、例えば、前後方向の長さは150mm、上下方向の長さは12mm、左右方向の長さは220mm、である。研磨補助板114の上面1140は、包丁研磨システム10のガイド部40のフリーボールベアリング48、50が載置され回動するための平面を形成する。
研磨部材載置部116は、前後方向に長手方向を有し略前後方向に刃先840を研磨する研磨部材90である砥石90aや耐水サンドペーパー90bを底板112上に固定するための部材である。研磨部材載置部116は、研磨補助板114の前側かつ底板112の上面に配設され固定されている。研磨部材載置部116は、平面視において、前後方向を長手方向とする矩形である。研磨部材載置部116の、例えば、前後方向の長さは、205mmであり、上下方向の長さは9mmであり、左右方向の長さは65mm、である。研磨部材載置部116は、研磨部材90、例えば砥石90aを上側から受け入れ、前後左右から固定する。そのため、研磨部材載置部116は、四方を金属製の突条で取り囲まれ、内部を凹設されている。研磨部材載置部116は、当該凹設部分に、研磨部材90を受け入れ固定する。なお、研磨部材90が耐水サンドペーパー90bである場合においては、耐水サンドペーパー90bを固定したサンドペーパー台1100を、当該凹設部分に受け入れ固定する。また、砥石90aの上下方向の長さ(厚み)が短く、研磨補助板114の上面1140と研磨部材90の上面との高さが一致しない場合には、研磨部材載置部116の凹設部分に、先に研磨部材高さ調整板1160を受け入れ、次に砥石90aを受け入れることによって、研磨補助板114の上面と砥石90aの上面との高さを一致する。
刃付け板118は、研磨補助板114の上面1140に追加的に載置し、研磨補助板114の上下方向の長さ(高さ)を実質的に増加することによって、その上面でフリーボールベアリング48、50を回動する包丁研磨システム10による刃先840の研磨角度θを鈍くするための、板状部材である。いわゆる小刃付けを行うために研磨角度θを変更するための部材である。刃付け板118は、軽量であり、ある程度の強度のある材料であり、かつ、金属よりも軟質である材料、例えば木材で形成されている。刃付け板118は、平面視において、研磨補助板114と前後及び左右の端を同じくする四角形状である。刃付け板118の、前後方向及び左右方向の長さは、研磨補助板114と同一である。一方、刃付け板118の上下方向の長さ(厚み)は、包丁研磨システム10に挟持された刃物84の刃先840が研磨部材90と当接する角度θにおける小刃として必要な刃先840の角度θ2に応じて、調節される。例えば、上記の包丁研磨システム10の例示している大きさ及び補助ゲージ100の大きさにおいて、刃先840の研磨部材90との当接角度θを13度から15度に変更する場合は、刃付け板118の上下方向の長さ(厚み)は、4mmとすることが適切である。
以下、包丁研磨システム10を用いて刃物84を挟持する方法を説明する。
図11及び図12に示すように、刃物84の刃先840を補助ゲージ100の開口部102から開口奥104まで挿入するように、刃物84のあご846から切っ先842に向けて、刃先840に複数の補助ゲージ100を装着する。複数の補助ゲージ100が刃先840に装着された刃物84を、柄848を右側にし切っ先842を左側にし刃先840を前側に配設し、クランプ部20の挟持片22を挟持片24の上側になるように配設した状態において、一対の挟持片22、24の間に、峰850から挿入する。この際、ガイド板42、44の右側面よりクランプ部20の右側面が突出している状態となっているが、刃物84の柄元8480と柄848との境目近傍において、クランプ部20突出側の挟持片22、24の右側面を柄848に当てながら柄848に沿わせるように、挟持片22、24の間に刃物84を挿入する。補助ゲージ100に挟持片22、24の前端部2200、2400が当接するまで挿入すると、次に、図5Aに示すように、支点ボルト26、28を、挟持片22の内面226と挟持片24の内面246との間隔が刃物84の峰850の略幅になるように、プラスドライバー(図示しない)でそれぞれ締める。支点ボルト26、28を、それぞれ軽い力で締めていき止まるところで締めることを止めれば、挟持片22の内面226と挟持片24の内面246との間隔が刃物84の峰850の略幅となっている。次に、図5A及び図5Bに示すように、刃物固定ボルト30、32を六角レンチ(図示しない)でそれぞれ締めることにより、刃物84の任意の方向におけるテーパー形状に一対の挟持片22、24の内面226、246を沿わせるように挟持片22と挟持片24との対向する角度を変更する。刃物固定ボルト30、32はそれぞれ、挟持片22の刃物固定ボルト孔222a、222bに螺入しており、刃物固定ボルト30、32が六角レンチで締められることにより、刃物固定ボルト30、32の先端部300、320が挟持片24の内面246に当接し押圧することにより、一対の挟持片22、24の支点ボルト26、28より後側の内面226と内面246との間隔は広がることとなる。この際、支点ボルト26の頭部260及び支点ボルト28の頭部280が、挟持片22の上面(外面)228と当接し、支点ボルト26、28の位置において、挟持片22、24の内面226と内面246との間隔を広がらないように押さえる支点となる。そして、梃子の原理により、刃物固定ボルト30、32が挟持片24の内面246を押圧する力は、支点ボルト26、28の頭部260、280が支点となることと相まって、支点ボルト26、28より前側において、挟持片22、24の内面226と内面246との間隔を狭める向きに働く。これにより、クランプ部20の挟持片22、24の内面226、246は、峰850から刃先840へ、及び、柄元8480から切っ先842へ、テーパー形状となっている刃物84の形状に沿って当接し、刃物84を確実に挟持することができる。この間、挟持片22、24と刃物84の刃先840、特にあご846及び切っ先842との相対的な位置決めにおいて、複数の補助ゲージ100の作用により、再現性が維持された状態で、刃物84は挟持されている。刃物84がクランプ部20の一対の挟持片22、24に確実に挟持された後は、複数の補助ゲージ100は、刃先840から離脱される。
次に、研磨部材90を用いてクランプ部20に挟持された刃物84の刃先840を所定の一定の角度に傾斜させながら研磨する方法を説明する。ここでは、研磨部材90は半分砥石90cとして、説明する。
図5Bに示すように、半分砥石90cの他方部94に刃物84が挟持された包丁研磨システム10のガイド部40のフリーボールベアリング48又はフリーボールベアリング50(ここでは、フリーボールベアリング50とする。)を載置する。この際、刃物84の刃先840の当接面840aは半分砥石90cの一方部92に当接するように、半分砥石90c上に包丁研磨システム10を載置する。
フリーボールベアリング50の半分砥石90cとの当接点5006から中間部材46の交点464までの距離は不変である。交点464から刃先840までの距離は、補助ゲージ100の作用により、予め定められた距離となっている。さらに、半分砥石90cの同一平面上に当接点5006と刃先840の当接面840aとが存在するため、刃先840と半分砥石90cとの当接する角度θは、研磨する度毎においても、研磨中においても、所定の一定の角度、例えば13度となる。
したがって、この状態で、刃先840の当接面840aを半分砥石90cの一方部92上に当接しながら、半分砥石90cの他方部94上でフリーボールベアリング50を任意の方向に回動すると、半分砥石90cの機能により、当接面840a側の刃先840に当該角度が形成される。
さらに、刃物84が両刃の刃物である場合は、包丁研磨システム10を上下反転させ、フリーボールベアリング48を半分砥石90cの他方部94に載置し、上記で研磨した当接面840aと反対面である刃先840の当接面840bを半分砥石90cの一方部92に載置する。上記と同様に、フリーボールベアリング48の半分砥石90cとの当接点4806から中間部材46の交点464までの距離は不変であり、フリーボールベアリング50の当接点5006から交点464までの距離と同一である。交点464から刃先840までの距離は、包丁研磨システム10を上下反転しただけであるので、予め定められた距離となっている。さらに、半分砥石90cの同一平面上に当接点4806と刃先840の当接面840bとが存在するため、刃先840の当接面840bは半分砥石90の一方部92に所定の一定の角度、例えば13度で当接する。よって、この状態で、刃先840の当接面840bを半分砥石90cの一方部92上に当接しながら、半分砥石90cの他方部94上でフリーボールベアリング48を任意の方向に回動すると、半分砥石90cの作用により、当接面840b側の刃先840に当該角度が形成される。
つまり、包丁研磨システム10を用いて、両刃の刃物84を補助ゲージ100を用いながらクランプ部20に適切に挟持し、半分砥石90c上で、刃先840を研磨すれば刃先840の当接面840a及び当接面840bのそれぞれにおいて、刃先840に鉛直軸860に対して面対称な状態で所定の一定の角度が、形成される。
上記の包丁研磨システム10の上下反転の行為は、刃物84と包丁研磨システム10の重量を加味しても、人の手で容易に瞬時に反転操作し実現できるものであり、両刃の刃物84において研磨しようとする刃先840の当接面840a、840bを容易に瞬時に反転することができるものである。
次に、図9、図10及び図13に示すように、研磨台110を用いて、包丁研磨システム10によって刃物84を研磨する方法を説明する。ここでは、研磨部材90は砥石90aとする。研磨台110の研磨部材載置部116に、砥石90aを載置する。この際、砥石90aの高さが研磨補助板114の高さと異なることとなる場合は、研磨部材高さ調整板1160を用いて、砥石90aの高さと研磨補助板114の高さとを揃える。砥石90aの上面と研磨補助板114の上面1140が同一平面上となったところで、刃物84をクランプ部20で挟持した包丁研磨システム10のフリーボールベアリング48又はフリーボールベアリング50を、研磨補助板114の上面1140上に載置する。ここでは、研磨補助板114の上面1140上に載置されるのは、フリーボールベアリング50とする。この際、クランプ部20に挟持された刃物84の刃先840が砥石90aの上面に当接するように、包丁研磨システム10を載置する。
この状態で、フリーボールベアリング50を研磨補助板114の上面1140上で任意の方向に回動する。これにより、砥石90a上の刃先840の当接面840aが砥石90a上で任意の方向に摺動する。このとき、刃先84と砥石90aとのなす角度は、研磨補助板114に当接するフリーボールベアリング50の当接点5006と中間部材46の交点464と補助ゲージ100によってクランプ部20からの露出距離を規定された刃先840との関係から、所定の角度、例えば13度となっている。したがって、砥石90a上で摺動した刃先840の当接面840aは、鉛直軸860に対して所定の一定の角度に研磨され形成される。
さらに、刃物84が両刃の刃物である場合には、研磨する当接面840aを当接面840bと入れ替えるために、包丁研磨システム10を上下反転し、フリーボールベアリング48を研磨補助板114の上面1140上に載置する。そして、同様に、砥石90a上で刃先840の当接面840bを任意の方向に摺動する。このとき、刃先84と砥石90aとのなす角度は、研磨補助板114に当接するフリーボールベアリング48の当接点4806と中間部材46の交点464と補助ゲージ100によってクランプ部20からの露出距離を規定された刃先840との関係から、所定の角度、例えば13度となっている。したがって、砥石90a上で摺動した刃先840の当接面840bは、鉛直軸860に対して所定の一定の角度に研磨され形成される。そして、刃先840の当接面840aと当接面840bとは、鉛直軸860に対して面対称な状態で研磨され形成されることとなるため、刃物84に両刃の刃物の特徴であるまっすぐ切り込むことができるという機能が回復することとなる。上記の包丁研磨システム10の上下反転の行為は、刃物84と包丁研磨システム10の重量を加味しても、人の手で容易に瞬時に反転操作し実現できるものであり、両刃の刃物84において研磨しようとする刃先840の当接面840a、840bを容易に瞬時に反転することができるものである。
次に、図9に示すように、耐水サンドペーパー90bと研磨台110と包丁研磨システム10とを用いて、刃物84を研磨する方法を説明する。
刃先840を摺動することにより耐水サンドペーパー90bが移動しないようにするため、及び、耐水サンドペーパー90bの上下方向の位置(高さ)を研磨台110の研磨補助板114の上面1140の高さと揃えるため、耐水サンドペーパー90bをサンドペーパー台1100の上面に固定する。耐水サンドペーパー90bが固定されたサンドペーパー台1100を研磨台110の研磨部材載置部116の凹設部分に載置する。以後の作業においては、上記の砥石90aを耐水サンドペーパー90bが固定されたサンドペーパー台1100と置き換えたものとしても、同様の効果を得ることができる。
次に、図9及び図13に示すように、研磨台110と包丁研磨システム10とを用いて、刃物84の刃先840に、いわゆる小刃付けを行う方法を説明する。
上記の研磨方法では、刃先84と研磨部材90とのなす角度は、研磨補助板114に当接するフリーボールベアリング50の当接点5006と中間部材46の交点464と補助ゲージ100によってクランプ部20からの露出距離を規定された刃先840との関係から、所定の角度、例えば13度となっている。よって、刃先840の最先端8400に小刃を形成するためには、フリーボールベアリング50の当接点5006を上方に持ち上げる必要がある。そのため、研磨補助板114の高さを実質的に増加するため、研磨補助板114の上面1140に刃付け板118を載置する。例えば、上記の包丁研磨システム10の例示している大きさにおいて、刃先840の研磨部材90との当接角度を13度から15度に変更する場合は、刃付け板118の上下方向の長さ(厚み)は、4mmとすることが適切である。刃付け板118を研磨補助板114の上面1140に載置した後は、刃付け板118の上面にフリーボールベアリング50を載置し、研磨部材90上に刃先840を当接するように載置し、フリーボールベアリング50を任意の方向に回動し刃先840を研磨部材90上で任意の方向に摺動することによって、刃先840に小刃が形成される。両刃の刃物84である場合は、包丁研磨システム10を上下反転することによって、刃先840に面対称な小刃を容易に形成することができる。なお、小刃付けを行う際の研磨部材90は番手が1000番以上のものが好ましい。
次に、図8、図9及び図13に示すように、初めて研磨作業を行う刃物84について、研磨台110と包丁研磨システム10とを用いて、刃物84の刃先840を荒研磨から小刃付けまで研磨する研磨作業の流れを詳細に説明する。刃物84が片刃の包丁であれば、いわゆる切刃を形成するところから説明する。
最初の研磨作業として、研磨台110の研磨部材載置部116に、番手が400番の砥石90aを載置する。包丁研磨システム10の作用により刃先84の当接面840a又は当接面840bを所定の一定の角度で砥石90aと当接し、任意の方向に摺動することによって荒研磨する。両刃の刃物84については、包丁研磨システム10を上下反転し、同様に刃先840を所定の一定の角度で荒研磨する。
次の段階として、研磨台110の研磨部材載置部116に、番手が1000番の砥石90aを載置する。包丁研磨システム10の作用により刃先84の当接面840a又は当接面840bを所定の一定の角度で砥石90aと当接し、任意の方向に摺動することによって中研磨する。両刃の刃物84については、包丁研磨システム10を上下反転し、同様に刃先840を所定の一定の角度で中研磨する。
切刃形成の最終段階として、研磨台110の研磨部材載置部116に、番手が3000番の耐水サンドペーパー90bを固定したサンドペーパー台1100を載置する。包丁研磨システム10の作用により刃先84の当接面840a又は当接面840bを所定の一定の角度で耐水サンドペーパー90bと当接し、任意の方向に摺動することによって鏡面研磨する。両刃の刃物84については、包丁研磨システム10を上下反転し、同様に刃先840を所定の一定の角度で鏡面研磨する。
次に、小刃付けを行うための刃先840の研磨作業を説明する。
研磨台110の研磨部材載置部116に番手が1000番の砥石90aを載置する。研磨補助板114の上面1140に刃付け板118を載置し固定する。そして、刃付け板118の上面に包丁研磨システム10のフリーボールベアリング48を載置し、刃物84の刃先840を砥石90aの上に載置し、任意の方向に摺動することで、小刃を刃先840に形成し中研磨する。
刃先840に形成された小刃を鏡面研磨するために、研磨台110の研磨部材載置部116に、番手が3000番の耐水サンドペーパー90bを固定したサンドペーパー台1100を載置する。研磨補助板114の上面1140には刃付け板118を載置し固定する。上記と同様に、刃物84の刃先840を耐水サンドペーパー90bの上で任意の方向に摺動することで、小刃を鏡面研磨する。
一連の作業において、刃物84の切っ先842近傍の刃先840については、少し柄848を持ち上げて研磨することが好ましい。
なお、刃物84の刃先840の切れ味が低下した場合には、上記の小刃形成の段階から刃先840を研磨し直せばよい。
以下においては、本発明の他の実施形態を説明する。
前記実施の形態においては、挟持片22の刃物固定ボルト孔222a、222bに螺入する刃物固定ボルト30、32の先端部300、320は直接的に挟持片24の内面246に当接していたが、図14に示すように、挟持片24の当該当接部分に、刃物固定ボルト孔242a、242bが穿孔されており、当該刃物固定ボルト孔242a、242bに刃物固定ボルト31、33が螺入し、刃物固定ボルト30の先端300が刃物固定ボルト31の先端310と当接し、刃物固定ボルト32の先端320が刃物固定ボルト33の先端330と当接するようにしてもよい。このように本発明の実施形態を変更することとすれば、刃物固定ボルト30、32の先端300、320を継続的に挟持片24の内面246に摺動することによって、挟持片24の内面246が穿孔されず、刃物固定ボルト31、33を交換することによって、継続的に包丁研磨システム10を使用し続けることができる。
図15に示すように、ガイド板42のベアリング用ボルト孔422aがガイド板42の後端近傍に、中間部材46のベアリング用ボルト孔460aが中間部材46の後端近傍に、さらに、ガイド板44のベアリング用ボルト孔442aがガイド板42の後端近傍に穿孔されていて、ガイド板42に固定されるフリーボールベアリング48及びガイド板44に固定されるフリーボールベアリング50は、それぞれのベアリング用ボルト孔422a、460a、442aにベアリング用ボルト4802aを貫入した後ナット4804aに螺入するようにしてもよい。ベアリング用ボルト4802aとナット4804aとの締め付けにより、ガイド板42、中間部材46、及びガイド板44とが一体となった状態で固定される。なお、フリーボールベアリング48、50は、それぞれガイド板42、44に接着剤等を用いて固定される。
包丁研磨システム10のクランプ部20の挟持片22、24は、正面視において挟持片22の左側端を細く形成するようにしてもよい。本発明の包丁研磨システム10は任意の刃物を挟持することができるものであることから、挟持される刃物84が小型のナイフなど刃渡りが10cm程度の刃物である場合、切っ先842近傍の刃先840を研磨する際に、挟持片22、24の左側端が研磨部材90と接触する可能性がある。このため、挟持片22、24の左側端が研磨部材90と接触しないよう、挟持片22、24の左側端を細く形成するものである。
研磨台110は、前後方向の中間付近で折り畳むことができるものであってもよい。
家庭で必要な時だけ研磨台110を使用できるようにする点において、研磨台110は折り畳み可能であることが好ましい。
刃物84を一対の挟持片22、24の間に挿入する際、支点ボルト26、28及び刃物固定ボルト30、32を締める前段階において、ハンドクランプ(図示しない)を用いて一対の挟持片22、24の前端部2200、2400を仮に挟持した後、刃物84を一対の挟持片22、24で挟持する作業を行ってもよい。刃物84を一対の挟持片22、24で確実に挟持した後に、ハンドクランプは除去する。
本発明を上記のように変更しても、前記実施の形態と同様に、本発明の効果を奏することができる。特に、一対の挟持片22、24の間隔及び対向する角度を、支点ボルト26、28及び刃物固定ボルト30、32を用いて変更することにより、任意の刃物の峰の厚みに対応し、且つ、刃物の任意の方向のテーパー形状に沿って刃物を確実に挟持することができるという効果を奏することができる。
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
10 包丁研磨システム
20 クランプ部
22 挟持片
220a 支点ボルト孔
220b 支点ボルト孔
222a 刃物固定ボルト孔
222b 刃物固定ボルト孔
224a 接続用ボルト孔
224b 接続用ボルト孔
226 内面(下面)
228 外面(上面)
2200 前端部
24 挟持片
240a 支点ボルト孔
240b 支点ボルト孔
242a 刃物固定ボルト孔
242b 刃物固定ボルト孔
244a 接続用ボルト孔
244b 接続用ボルト孔
246 内面(上面)
248 外面(下面)
2400 前端部
26 支点ボルト
260 頭部
28 支点ボルト
280 頭部
30 刃物固定ボルト
300 先端部
32 刃物固定ボルト
320 先端部
31 刃物固定ボルト
310 先端部
33 刃物固定ボルト
330 先端部
34 接続部
340 接続板
342a 接続板孔
342b 接続板孔
342c 接続板孔
342d 接続板孔
344a 接続用ボルト
344b 接続用ボルト
344c 接続用ボルト
344d 接続用ボルト
36 接続部
360 接続板
362a 接続板孔
362b 接続板孔
362c 接続板孔
362d 接続板孔
364a 接続用ボルト
364b 接続用ボルト
364c 接続用ボルト
364d 接続用ボルト
40 ガイド部
42 ガイド板
420a 接続用ボルト孔
420b 接続用ボルト孔
422a ベアリング用ボルト孔
422b ベアリング用ボルト孔
44 ガイド板
440a 接続用ボルト孔
440b 接続用ボルト孔
442a ベアリング用ボルト孔
442b ベアリング用ボルト孔
46 中間部材
460a ベアリング用ボルト孔
460b ベアリング用ボルト孔
462 中心面
464 交点
48 フリーボールベアリング
480 ボール収容部材
482 凹み
484 大径ボール
486 小径ボール
488 ストッパ
4800a ベアリング用ボルト孔
4800b ベアリング用ボルト孔
4802a ベアリング用ボルト
4802b ベアリング用ボルト
4804a ナット
4804b ナット
4806 半分砥石90cの他方部94又は研磨補助板114の上面1140との当接点
50 フリーボールベアリング
500 ボール収容部材
504 大径ボール
5000a ベアリング用ボルト孔
5000b ベアリング用ボルト孔
5006 半分砥石90cの他方部94又は研磨補助板114の上面1140との当接点
52 重心直線
84 刃物
840 刃先
840a 刃先840の研磨部材90との当接面であって挟持片24側の当接面
840b 刃先840の研磨部材90との当接面であって挟持片22側の当接面
8400 刃先の最先端又は小刃
842 切っ先
844 刃元
846 あご
848 柄
8480 柄元
850 峰
860 鉛直軸
θ 刃先840の研磨部材90との当接する角度
θ1 両刃の刃物84の刃先840の鉛直軸860に対する角度
θ2 両刃の刃物84の小刃8400の鉛直軸860に対する角度
90 研磨部材
90a 砥石
90b 耐水サンドペーパー
90c 半分砥石
92 一方部
94 他方部
100 補助ゲージ
102 開口部
104 開口奥
110 研磨台
112 底板
114 研磨補助板
1140 研磨補助板の上面
116 研磨部材載置部
118 刃付け板
1100 サンドペーパー台
1160 研磨部材高さ調整板

Claims (5)

  1. 硬質材料で形成され刃物を挟持するクランプ部と、
    前記クランプ部に挟持された刃物の刃先を研磨部材に対して所定の一定の角度に傾斜させながら前記クランプ部を連結し支持するガイド部と、を備える包丁研磨システムであって、
    前記クランプ部は、二枚の挟持片と、一方の挟持片に貫入し他方の挟持片に螺入し一方の挟持片の外面を頭部で押さえる二つの支点ボルトと、一方の挟持片に螺入し他方の挟持片の内面を押圧することによって支点ボルト頭部を支点として二枚の挟持片の対向する角度を任意に変更する二つの刃物固定ボルトと、を有しており、
    任意の厚みの峰を有する刃物を二枚の挟持片の間に峰から挿入し、二つの支点ボルトをそれぞれ締め、さらに、二つの刃物固定ボルトをそれぞれ締めることによって、刃物を挟持し、
    二つの支点ボルトと二つの刃物固定ボルトとの間の距離は、二つの支点ボルトと二枚の挟持片の前端部との間の距離よりも、短いことを特徴とする、包丁研磨システム。
  2. 硬質材料で形成され刃物を挟持するクランプ部と、
    前記クランプ部に挟持された刃物の刃先を研磨部材に対して所定の一定の角度に傾斜させながら前記クランプ部を連結し支持するガイド部と、を備える包丁研磨システムであって、
    前記クランプ部は、二枚の挟持片と、一方の挟持片に貫入し他方の挟持片に螺入し一方の挟持片の外面を頭部で押さえる二つの支点ボルトと、一方の挟持片に螺入し他方の挟持片の内面を押圧することによって支点ボルト頭部を支点として二枚の挟持片の対向する角度を任意に変更する二つの刃物固定ボルトと、を有しており、
    任意の厚みの峰を有する刃物を二枚の挟持片の間に峰から挿入し、二つの支点ボルトをそれぞれ締め、さらに、二つの刃物固定ボルトをそれぞれ締めることによって、刃物を挟持することを特徴とし、
    前記ガイド部は、フリーボールベアリングが設けられていることを特徴とする、包丁研磨システム。
  3. 前記ガイド部は、上下に面対称であり、
    前記ガイド部の上下両面に同一形状のフリーボールベアリングが、前記ガイド部の中心面に対して面対称に設けられていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の包丁研磨システム。
  4. 刃物のあご近傍に装着されて、刃物のあご及び切っ先と前記クランプ部との位置決めに用いられる複数のゲージを有することを特徴とする、請求項1ないし請求項3に記載の包丁研磨システム。
  5. 研磨部材は、刃先と当接する一方部においては研磨機能を有するよう非平滑に形成され、フリーボールベアリングと当接する他方部においては平滑に形成されている砥石であることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の包丁研磨システム
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