以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るコントローラ10の正面図である。図2は、コントローラ10の底面図である。
コントローラ10は、部屋の天井に埋め込んで使用される。
図1及び図2に示すように、コントローラ10は、本体11、電源端子台12、信号端子台13、運転LED14、人感LED15、出力LED16、光I/F部17、照度センサ300、人感センサ400を備える。
本体11は、下端部が円盤状に形成され、その他の部分が下端部よりも外周が小さい円柱状に形成されている。コントローラ10が天井に埋め込まれた状態では、本体11の下端部のみが天井から露出する。本体11の円柱状の部分は、内部にコントローラ10の各構成要素を収納するための空間が形成されている。
図3は、本実施の形態に係る照明制御システム900の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、照明制御システム900において、コントローラ10は、前述した電源端子台12、信号端子台13、照度センサ300、人感センサ400のほか、照明制御装置100、電源回路200、増幅回路310,410、接点入出力回路500、PWM増幅回路600、有線送受信回路700、無線送受信回路800を備える。
電源回路200は、電源端子台12を介して外部の電源(例えば、商用電源)に接続される。電源回路200は、外部の電源から入力される電力を照明制御装置100に供給する。
照度センサ300は、周囲の照度を測定する。照度センサ300は、照度の測定値に対応する電圧を、増幅回路310を介して照明制御装置100に入力する。増幅回路310は、照度センサ300から照明制御装置100に入力される電圧を増幅することで、ゲインを調整する。図2に示すように、照度センサ300は、本体11の下端部から露出するように本体11の内部に収納される。なお、照度センサ300は、本体11の外部に設置されてもよい。また、照度センサ300は、1つだけでなく、複数設置されてもよい。
人感センサ400は、周囲の人の在/不在を検知する。人感センサ400は、検知した在/不在に対応する電圧を、増幅回路410を介して照明制御装置100に入力する。増幅回路410は、人感センサ400から照明制御装置100に入力される電圧を増幅することで、ゲインを調整する。図2に示すように、人感センサ400は、本体11の下端部から露出するように本体11の内部に収納される。なお、人感センサ400は、本体11の外部に設置されてもよい。また、人感センサ400は、1つだけでなく、複数設置されてもよい。コントローラ10は、人感センサ400を備えていなくてもよい。
接点入出力回路500は、信号端子台13の2つのポート510,520を介して外部の接点1及び接点2に接続される。接点入出力回路500は、ポート510,520のそれぞれについて、入力と出力とを切り替える。接点入出力回路500は、ポート510を入力用に設定した場合、接点1の開閉状態(アクティブ/非アクティブ)を示す信号を照明制御装置100に入力し、ポート510を出力用に設定した場合、接点1の開閉状態を制御する。同様に、接点入出力回路500は、ポート520を入力用に設定した場合、接点2の開閉状態を示す信号を照明制御装置100に入力し、ポート520を出力用に設定した場合、接点2の開閉状態を制御する。
PWM増幅回路600は、信号端子台13の2つのポート610,620(照明器具60を接続するための第1端子及び第2端子)を介して外部の照明器具60に接続される。後述するように、ポート610,620は、両方とも同じ照明器具60に接続することもできるし、それぞれ別々の照明器具60に接続することもできる。PWM増幅回路600は、照明制御装置100から出力される調光用のPWM信号を増幅して照明器具60に送信する。
照明器具60は、LED、蛍光灯、有機EL、あるいは、その他の光源と、この光源を点灯させる点灯回路とを備えた器具である。照明器具60は、PWM増幅回路600から送信されるPWM信号に応じて、光源を点灯又は消灯したり、光源の明るさ(出力)を変えたりする。
有線送受信回路700は、信号端子台13のポート710を介して外部の無線LANアダプタ70に接続される。有線送受信回路700は、例えば、RS485インタフェースを用いて無線LANアダプタ70と通信する。無線LANアダプタ70は、無線LANを介して携帯端末71(例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット、パーソナルコンピュータ)と接続する。有線送受信回路700は、照明制御装置100から出力される状態通知(モニタリング)用の信号又はその他の信号を無線LANアダプタ70に送信する。無線LANアダプタ70は、有線送受信回路700から送信された信号を受信し、携帯端末71に送信する。また、無線LANアダプタ70は、携帯端末71から送信されるデータ設定用の信号、照明制御用の信号、又は、その他の信号を受信し、有線送受信回路700に送信する。有線送受信回路700は、無線LANアダプタ70から送信された信号を受信し、照明制御装置100に入力する。
無線送受信回路800は、照明制御装置100から出力される状態通知用の信号又はその他の信号を、光I/F部17を介して遠隔制御装置80(リモートコントローラ)に送信する。また、無線送受信回路800は、遠隔制御装置80から送信されるデータ設定用の信号、照明制御(点灯、消灯、調光等)用の信号、又は、その他の信号を、光I/F部17を介して受信し、照明制御装置100に入力する。図2に示すように、光I/F部17は、本体11の下端部から露出するように本体11の内部に収納される。なお、光I/F部17は、本体11の外部に設置されてもよい。
図示していないが、コントローラ10は、さらに、壁スイッチに接続されてもよい。壁スイッチは、照明器具60の点灯制御や調光制御のためにユーザによって操作される(例えば、点灯用又は消灯用のボタンが押されたり、調光用のダイヤルが回されたりする)。
照明制御装置100は、照度センサ300で測定された照度、人感センサ400で検知された人の在/不在、携帯端末71又は遠隔制御装置80による設定、壁スイッチの操作等に応じて、照明器具60の点滅(点灯/消灯)状態及び調光状態を制御する。
照明制御装置100は、前述した運転LED14(例えば、赤色LED)で、運転状態を表示する。例えば、動作中は運転LED14を点灯させ、点検中は運転LED14を点滅させ、停止中は運転LED14を消灯させる。
照明制御装置100は、前述した人感LED15(例えば、緑色LED)で、人感センサ400による人の在/不在の検知状態を表示する。例えば、在検知時は人感LED15を点灯させ、不在検知時は人感LED15を消灯させる。
照明制御装置100は、前述した出力LED16(例えば、黄色LED)で、異常発生の有無を表示する。例えば、異常発生時は出力LED16を点灯させ、それ以外のときは出力LED16を消灯させる。
照明制御装置100は、入力部110、計算部120、制御部130、タイマ部140、記憶部150を備える。
照明制御装置100は、例えば、マイクロコンピュータであり、図示していないCPUを備える。CPUは、バス等を介して、記憶部150等、他のハードウェアデバイスと接続され、それらのハードウェアデバイスを制御する。
入力部110、計算部120、制御部130、タイマ部140は、ソフトウェアで実現される。
記憶部150は、フラッシュメモリ、ROM、RAM等、あるいは、これらの組み合わせである。記憶部150には、上記ソフトウェアがプログラムとして記憶される。即ち、記憶部150には、入力部110、計算部120、制御部130、タイマ部140の処理(機能)を実行するプログラムが記憶される。このプログラムは、CPUにより読み出されて実行される。記憶部150には、さらに、入力部110、計算部120、制御部130、タイマ部140によって演算、加工、読み取り、書き込み、利用、入力、出力等が行われるデータが記憶される。
なお、入力部110、計算部120、制御部130、タイマ部140は、ハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
以下では、本実施の形態に係る照明制御装置100の動作(即ち、本実施の形態に係る照明制御方法、本実施の形態に係る照明制御プログラムの処理手順)について説明する。
本実施の形態において、照明制御装置100が照明器具60を調光する動作(調光出力制御)には、以下の4つのモードがある。
(1)色温度制御モード:信号端子台13のポート610,620(第1端子及び第2端子)が1台(又は1群)の照明器具60(第3照明器具)に接続された状態で用いられる。ポート610,620の出力を使用し、照明器具60の白色LED(第1光源)と電球色LED(第2光源)を制御することにより、照明器具60の明るさ(出力)と色温度を制御する。色温度制御モードでは、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いて自動運転と手動運転を切り替えることができる。自動運転が設定された場合、照明制御装置100は、自動的に設定した照明器具60の目標の明るさ(目標出力)と目標色温度に合わせて照明器具60の白色LEDと電球色LEDを調光する。一方、手動運転が設定された場合、照明制御装置100は、ユーザが携帯端末71、遠隔制御装置80、壁スイッチ等により設定した照明器具60の目標の明るさと目標色温度に合わせて照明器具60の白色LEDと電球色LEDを調光する。
(2)バランス制御モード:信号端子台13のポート610(第1端子)が1台(又は1群)の照明器具60(第1照明器具)に接続され、ポート620(第2端子)が別の1台(又は1群)の照明器具60(第2照明器具)に接続された状態で用いられる。ポート610,620の出力が照度センサ300のセンサ電圧に追従して動作する適正照度維持制御(昼光利用制御)を行う。付加機能としてポート620の出力をポート610の出力の指定した比率で制御するバランス制御を行う。デフォルト設定の比率は100%(ポート610の出力=ポート620の出力)とする。バランス制御モードでも、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いて自動運転と手動運転を切り替えることができる。自動運転が設定された場合、照明制御装置100は、バランス制御モードで動作する。手動運転が設定された場合、照明制御装置100は、バランス制御モードの動作を停止し、ユーザが携帯端末71、遠隔制御装置80、壁スイッチ等により設定した各照明器具60の目標の明るさ(目標出力)で各照明器具60を調光する。なお、照明制御装置100は、手動運転から自動運転に切り替えられた後、目標の明るさが設定されるまでは、現状の調光率を維持する。
(3)昼光センサ制御モード:バランス制御モードと同様に、信号端子台13のポート610(第1端子)が1台(又は1群)の照明器具60(第1照明器具)に接続され、ポート620(第2端子)が別の1台(又は1群)の照明器具60(第2照明器具)に接続された状態で用いられる。昼光量に応じてポート610,620の出力を制御する。昼光センサ制御モードの動作の開始時は、予め設定された共通の調光率で各照明器具60を調光する。その後、照度センサ300のセンサ電圧から昼光量の変化を監視し、ポート610の出力用に予め設定された昼光制御量(調光率を1%下げるための昼光量)分の増加が生じた場合、現状よりも1%低い調光率でポート610の出力先の照明器具60を調光する。同様に、ポート620の出力用に予め設定された昼光制御量(調光率を1%下げるための昼光量)分の増加が生じた場合、現状よりも1%低い調光率でポート620の出力先の照明器具60を調光する。昼光センサ制御モードでも、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いて自動運転と手動運転を切り替えることができる。自動運転が設定された場合、照明制御装置100は、昼光センサ制御モードで動作する。手動運転が設定された場合、照明制御装置100は、昼光センサ制御モードの動作を停止し、ユーザが携帯端末71、遠隔制御装置80、壁スイッチ等により設定した各照明器具60の目標の明るさ(目標出力)で各照明器具60を調光する。なお、照明制御装置100は、手動運転から自動運転に切り替えられた後、目標の明るさが設定されるまでは、現状の調光率を維持する。
(4)個別制御モード:バランス制御モード及び昼光センサ制御モードと同様に、信号端子台13のポート610(第1端子)が1台(又は1群)の照明器具60(第1照明器具)に接続され、ポート620(第2端子)が別の1台(又は1群)の照明器具60(第2照明器具)に接続された状態で用いられる。ポート610の出力先の照明器具60については、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いて照度一定制御とタイマ制御と調光率一定制御を切り替えることができる。照度一定制御が設定された場合、照明制御装置100は、照度センサ300のセンサ電圧から昼光量の変化を監視し、照度が一定になるようにポート610の出力先の照明器具60を調光する。タイマ制御が設定された場合、照明制御装置100は、累積運転時間に応じて補正した調光率でポート610の出力先の照明器具60を調光する。即ち、照明制御装置100は、初期照度補正を行う。調光率一定制御が設定された場合、照明制御装置100は、予め設定された調光率でポート610の出力先の照明器具60を調光する。ポート620の出力先の照明器具60については、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いてタイマ制御と調光率一定制御を切り替えることができる。個別制御モードでも、ユーザが携帯端末71又は遠隔制御装置80を用いて自動運転と手動運転を切り替えることができる。自動運転が設定された場合、照明制御装置100は、個別制御モードで動作する。手動運転が設定された場合、照明制御装置100は、個別制御モードの動作を停止し、ユーザが携帯端末71、遠隔制御装置80、壁スイッチ等により設定した各照明器具60の目標の明るさ(目標出力)で各照明器具60を調光する。なお、照明制御装置100は、手動運転から自動運転に切り替えられた後、目標の明るさが設定されるまでは、現状の調光率を維持する。
図4は、コントローラ10と照明器具60との接続形態の例を示す図である。
図4の例では、照明器具60(第3照明器具)に、図示していない白色LED及び電球色LED(互いに色温度が異なる第1光源及び第2光源)が取り付けられており、この照明器具60が信号端子台13のポート610(第1端子)とポート620(第2端子)との両方に接続された状態になっている。照明器具60は、ポート610,620に1台が直接接続され、その1台を介してポート610,620に他の1台が間接的に接続され、(もしあれば)その他も順次接続されている。
図5は、図4の例において色温度制御モードが選択される場合の照明制御装置100の動作を示すフローチャートである。
ユーザが、携帯端末71(外部の装置)の画面にて色温度制御モードを選択し、照明器具60の目標出力(例えば、50%)と目標色温度(例えば、4000K)とを指定したとする。この場合、携帯端末71は、色温度制御モードの設定を指示するとともに目標出力及び目標色温度を指定する信号を、色温度制御モード設定信号として無線LANアダプタ70経由でコントローラ10に送信する。あるいは、ユーザが、遠隔制御装置80(外部の装置)の画面にて色温度制御モードを選択し、照明器具60の目標出力(例えば、50%)と目標色温度(例えば、4000K)とを指定したとする。この場合、遠隔制御装置80は、色温度制御モード設定信号をコントローラ10に送信する。
図5のステップS111において、照明制御装置100の入力部110は、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80から、有線送受信回路700あるいは無線送受信回路800を介して、色温度制御モード設定信号を入力する。照明制御装置100の制御部130は、入力された色温度制御モード設定信号に応じて、色温度制御モードの処理を開始する。前述したように、色温度制御モード設定信号は、照明器具60の目標出力及び目標色温度を示す信号である。
図5のステップS112において、照明制御装置100の計算部120は、照明器具60の白色LED及び電球色LEDのそれぞれについて、ステップS111で入力された目標出力及び目標色温度に応じた調光率を算出する。例えば、照明器具60の白色LEDの色温度が5000K、電球色LEDの色温度が3000K、ステップS111で入力された目標出力が50%、目標色温度が4000Kであれば、計算部120は、白色LEDの調光率25%、電球色LEDの調光率25%を算出する。なお、白色LEDと電球色LEDとで最大光束が異なる場合、計算部120は、後述する実施の形態2のように、最大光束の差異を考慮して、白色LED及び電球色LEDの調光率を算出してもよい。
図5のステップS113において、制御部130は、照明器具60の白色LEDについてステップS112で算出された調光率で照明器具60の白色LEDを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート610から出力する。また、制御部130は、照明器具60の電球色LEDについてステップS112で算出された調光率で照明器具60の電球色LEDを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート620から出力する。これにより、制御部130は、照明器具60の出力及び色温度を制御する。即ち、制御部130は、照明器具60を調光する。
色温度制御モードでは、上記のような動作により、照明器具60の出力及び色温度を所望の出力及び色温度に調整することができる。
なお、ここで説明した動作は手動運転が設定された場合のものである。自動運転が設定された場合、ステップS111では、照明器具60の目標出力及び目標色温度が入力されず、ステップS112では、照明制御装置100の記憶部150に予め記憶されている目標出力(例えば、50%)及び目標色温度(例えば、4000K)に応じた調光率が算出される。
図6は、コントローラ10と照明器具60との接続形態の別の例を示す図である。
図6の例では、1群の照明器具60(第1照明器具)が信号端子台13のポート610(第1端子)に接続され、他の1群の照明器具60(第2照明器具)が信号端子台13のポート620(第2端子)に接続された状態になっている。1群において、照明器具60は、ポート610に1台が直接接続され、その1台を介してポート610に他の1台が間接的に接続され、(もしあれば)その他も順次接続されている。他の1群においても、照明器具60は、ポート620に1台が直接接続され、その1台を介してポート620に他の1台が間接的に接続され、(もしあれば)その他も順次接続されている。
図7は、図6の例においてバランス制御モードが選択される場合の照明制御装置100の動作を示すフローチャートである。図8は、コントローラ10と照明器具60との配置の例を示す図である。図9は、図8の例における照明器具60の調光率の設定例を示すグラフである。
ユーザが、携帯端末71(外部の装置)の画面にてバランス制御モードを選択したとする。この場合、携帯端末71は、バランス制御モードの設定を指示する信号を、バランス制御モード設定信号として無線LANアダプタ70経由でコントローラ10に送信する。あるいは、ユーザが、遠隔制御装置80(外部の装置)の画面にてバランス制御モードを選択したとする。この場合、遠隔制御装置80は、バランス制御モード設定信号をコントローラ10に送信する。
照明制御装置100の入力部110は、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80から、有線送受信回路700あるいは無線送受信回路800を介して、バランス制御モード設定信号を入力する。照明制御装置100の制御部130は、入力されたバランス制御モード設定信号に応じて、バランス制御モードの処理を開始する。
バランス制御モードの処理は、照明制御装置100が、開口部(例えば、窓、ガラス扉)から外光が入る部屋の中の第1領域に設置された照明器具60(第1照明器具)と、その部屋の中で第1領域より開口部から遠い第2領域に設置された照明器具60(第2照明器具)との両方を調光する場合に有用である。ここでは、1つの例として、図8に示すように、コントローラ10(の少なくとも照度センサ300)が部屋の窓際に設置され、窓に近い制御エリア1が第1領域、窓から遠い制御エリア2が第2領域になっているとする。図8には示していないが、制御エリア1には、ポート610に接続された照明器具60(第1照明器具)が設置され、制御エリア2には、ポート620に接続された照明器具60(第2照明器具)が設置されているものとする。
図7のステップS121において、入力部110は、制御エリア1に設置された照度センサ300から、制御エリア1の照度の測定値を入力する。
図7のステップS122において、照明制御装置100の計算部120は、制御エリア1に設置された照明器具60について、ステップS121で入力された照度の測定値に応じて変化させた調光率を算出する。また、計算部120は、制御エリア2に設置された照明器具60について、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率の変化量に対して一定の比率の変化量で変化させた調光率を算出する。この比率は、予め設定され、照明制御装置100の記憶部150に記憶されているものとする。例えば、図9に示すように、制御エリア1及び制御エリア2に設置された照明器具60の現在(変更前)の調光率が70%、制御エリア1に設置された照明器具60の現在の照度に適した調光率が30%、記憶部150に記憶されている比率が25%であれば、計算部120は、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率30%、制御エリア2に設置された照明器具60の調光率60%(=70%−((70%−30%)×0.25))を算出する。
図7のステップS123において、制御部130は、制御エリア1に設置された照明器具60についてステップS122で算出された調光率で制御エリア1に設置された照明器具60を調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート610から出力する。また、制御部130は、制御エリア2に設置された照明器具60についてステップS112で算出された調光率で制御エリア2に設置された照明器具60を調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート620から出力する。これにより、制御部130は、制御エリア1に設置された照明器具60と制御エリア2に設置された照明器具60との出力を制御する。即ち、制御部130は、制御エリア1に設置された照明器具60と制御エリア2に設置された照明器具60とを調光する。
上記の動作は、バランス制御モードが選択されている間は繰り返し行われる。
バランス制御モードでは、上記のように、制御部130が、制御エリア1の照度に応じて、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率を変化させるとともに、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率の変化量に対して一定の比率の変化量で、制御エリア2に設置された照明器具60の調光率を変化させる。このため、制御エリア1の照度を測定するだけで、制御エリア2に設置された照明器具60も適切に調光することが可能となる。
窓に近い制御エリア1と比べて、窓から遠い制御エリア2では、外光の量が照度に与える影響は小さいと考えられるため、記憶部150に記憶される比率は、100%より低く設定されることが望ましい。
記憶部150に記憶される比率は、外部から設定できることが望ましい。例えば、入力部110は、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80から、有線送受信回路700あるいは無線送受信回路800を介して、記憶部150に記憶される比率の設定を入力するものとする。
調光率には上限値が設定されることが望ましい。例えば、制御部130は、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率が予め設定された上限値に達している場合、入力部110で入力された照度の測定値が低下しても、制御エリア1に設置された照明器具60の調光率を変化させないものとする。
なお、ここで説明した動作は自動運転が設定された場合のものである。手動運転が設定された場合、ステップS121では、照明器具60の目標出力(例えば、50%)が入力され、ステップS122では、入力された目標出力に応じた調光率(例えば、50%)が算出される。
また、ここで説明した例では、第2領域が制御エリア2のみであるが、第2領域が複数存在しても構わない。第2領域が複数存在する場合、記憶部150に記憶される比率は、第2領域のそれぞれに対して個別に設定されることが望ましい。そして、この比率は、第2領域が窓から遠いほど低く設定されることがより望ましい。例えば、図7の例において、窓に近い順に、制御エリア1、制御エリア2、制御エリア3、制御エリア4が存在していたとする。この場合、信号端子台13には、ポート610,620とは別に、制御エリア3及び制御エリア4用の2つのポートが設けられるものとする。記憶部150に記憶される比率は、例えば、制御エリア2が75%、制御エリア3が50%、制御エリア4が25%となる。
図10は、図6の例において昼光センサ制御モードが選択される場合の照明制御装置100の動作を示すフローチャートである。
ユーザが、携帯端末71(外部の装置)の画面にて昼光センサ制御モードを選択したとする。この場合、携帯端末71は、昼光センサ制御モードの設定を指示する信号を、昼光センサ制御モード設定信号として無線LANアダプタ70経由でコントローラ10に送信する。あるいは、ユーザが、遠隔制御装置80(外部の装置)の画面にて昼光センサ制御モードを選択したとする。この場合、遠隔制御装置80は、昼光センサ制御モード設定信号をコントローラ10に送信する。
照明制御装置100の入力部110は、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80から、有線送受信回路700あるいは無線送受信回路800を介して、昼光センサ制御モード設定信号を入力する。照明制御装置100の制御部130は、入力された昼光センサ制御モード設定信号に応じて、昼光センサ制御モードの処理を開始する。
昼光センサ制御モードの処理は、照明制御装置100が、開口部(例えば、窓、ガラス扉)から外光が入る部屋の中に設置されたベースライト、ダウンライト、シーリングライト、あるいは、これらの組み合わせである1群の照明器具60(第1照明器具)と、主にスポットライトである他の1群の照明器具60(第2照明器具)との両方を調光する場合に有用である。ここでは、1つの例として、コントローラ10(の少なくとも照度センサ300)が部屋の窓際に設置され、その部屋の中に、ポート610に接続されたベースライト(第1照明器具)と、ポート620に接続されたスポットライトが設置されているものとする。
照明制御装置100の記憶部150には、ベースライトの調光率を一定量(例えば、1%)変化させる条件として、部屋の中の照度の変化量(例えば、100lx)が第1変化量として記憶されている。また、記憶部150には、スポットライトの調光率を一定量(例えば、1%)変化させる条件として、部屋の中の照度の変化量(例えば、1000lx)が第2変化量として記憶されている。
図10のステップS131において、入力部110は、制御エリア1に設置された照度センサ300から、制御エリア1の照度の測定値を入力する。
図10のステップS132において、制御部130は、ステップS131で入力された照度の測定値が初期照度と比べて、記憶部150に記憶された第1変化量変化したかどうかを判定する。1度でも変化したと判定していた場合、それ以降、制御部130は、ステップS131で入力された照度の測定値が、前回第1変化量変化したと判定したときの照度と比べて、第1変化量変化したかどうかを判定する。例えば、初期照度が1000lx、第1変化量が100lxであれば、制御部130は、最初は照度が1100lxに上昇したときに、第1変化量変化したと判定し、その後は照度が1200lxに上昇したとき又は1000lxに低下したときに、第1変化量変化したと判定する。制御部130は、最初は照度が900lxに低下したときにも、第1変化量変化したと判定し、その後は照度が1000lxに上昇したとき又は800lxに低下したときに、第1変化量変化したと判定する。第1変化量変化したと判定した場合、ステップS133に進む。第1変化量変化していないと判定した場合、ステップS134に進む。
図10のステップS133において、照明制御装置100の計算部120は、ベースライトについて、一定量変化させた調光率を算出する。例えば、ベースライトの現在(変更前)の調光率が70%、初期照度あるいは前回第1変化量変化したと判定されたときの照度が1000lx、ステップS132で照度が100lx上昇したと判定されたとすると、計算部120は、ベースライトの調光率69%(=70%−1%)を算出する。
図10のステップS134において、制御部130は、ステップS131で入力された照度の測定値が初期照度と比べて、記憶部150に記憶された第2変化量変化したかどうかを判定する。1度でも変化したと判定していた場合、それ以降、制御部130は、ステップS131で入力された照度の測定値が、前回第2変化量変化したと判定したときの照度と比べて、第2変化量変化したかどうかを判定する。第2変化量変化したと判定した場合、ステップS135に進む。第2変化量変化していないと判定した場合、ステップS136に進む。
図10のステップS135において、計算部120は、スポットライトについて、一定量変化させた調光率を算出する。
図10のステップS136において、制御部130は、ステップS133で算出された調光率(今回調光率が算出されていない場合は前回の調光率を維持する)でベースライトを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート610から出力する。また、制御部130は、ステップS135で算出された調光率(今回調光率が算出されていない場合は前回の調光率を維持する)でスポットライトを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート620から出力する。これにより、制御部130は、ベースライトとスポットライトとの出力を制御する。即ち、制御部130は、ベースライトとスポットライトとを調光する。
上記の動作は、昼光センサ制御モードが選択されている間は繰り返し行われる。
昼光センサ制御モードでは、上記のように、制御部130が、部屋の照度が第1変化量変化する度に、ベースライトの調光率を一定量変化させ、部屋の照度が第2変化量変化する度に、スポットライトの調光率を一定量変化させる。このため、外光の量に合わせるだけでなく、照明器具60の用途にも合わせて照明器具60を調光することが可能となる。
部屋を全体的に照らす用途のベースライトと比べて、特定の対象物を照らす用途のスポットライトは、部屋の照度に合わせて調光する必要性がほとんどないと考えられるため、記憶部150に記憶される第1変化量は、記憶部150に記憶される第2変化量より少なく設定されることが望ましい。あるいは、第2変化量を記憶部150に記憶せず、制御部130が、スポットライトの調光率を固定することが望ましい。
記憶部150に記憶される第1変化量及び第2変化量は、外部から設定できることが望ましい。例えば、入力部110は、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80から、有線送受信回路700あるいは無線送受信回路800を介して、記憶部150に記憶される第1変化量及び第2変化量の設定を入力するものとする。
調光率には上限値が設定されることが望ましい。例えば、制御部130は、照明器具60の調光率が予め設定された上限値に達している場合、入力部110で入力された照度の測定値が低下しても、照明器具60の調光率を変化させないものとする。
ベースライトを、大きな部屋に設置された照明器具60に置き換え、スポットライトを、小さな部屋(例えば、トイレ)に設置された照明器具60に置き換えてもよい。
なお、ここで説明した動作は自動運転が設定された場合のものである。手動運転が設定された場合、ステップS131では、照明器具60の目標出力(例えば、50%)が入力され、ステップS132〜S135では、入力された目標出力に応じた調光率(例えば、50%)が算出される。
ここで、初期照度の設定方法について説明する。
初期照度を設定する際には、まず、照度センサ300に人工光(照明器具60からの光)が入らないように、照度センサ300に仕切りを設けたり、照明器具60を消灯したりした状態で、昼光(外光)が入る時間帯に照度センサ300を用いて照度を測定する。これにより、照度センサ300から照度の測定値に対応する電圧(例えば、2V)が出力される。このとき、別途、照度測定器に人工光が入らないようにした状態で、照度測定器を用いて照度を測定する。これにより、照度測定器から照度の測定値(例えば、500lx)が得られる。
次に、携帯端末71あるいは遠隔制御装置80を用いて、照度測定器から得られた照度の測定値を照明制御装置100に入力し、照度センサ300のゲインを調整する(例えば、1.5Vの電圧が出力されるように調整する)。そして、初期照度(例えば、1000lx)を設定する(ゲインを調整したことにより、初期照度を1.5V/500lx×1000lx=3Vに対応させることができる)。
上記のように設定した初期照度からの照度の変化に合わせて照明器具60を調光する(例えば、外光が明るくなった場合に、調光率を70%より低くする)ことで、省エネ効果を得ることができる。
昼光センサ制御モードを使用する場合、初期照度を設定する際だけでなく、それ以降も常に(即ち、照明制御システム900を実際に使用する際に)、照度センサ300に人工光(照明器具60からの光)が入らないようにすることが望ましい。前述したように、コントローラ10(の少なくとも照度センサ300)が部屋の窓際に設置されていれば、照度センサ300に仕切りを設けたり、照明器具60を消灯したりしなくても、照度センサ300に入る人工光の量を少なくすることができると考えられる。コントローラ10(の少なくとも照度センサ300)の周辺に照明器具60を設置しなければ、照度センサ300に入る人工光の量をさらに少なくすることができる。
上記のように、照度センサ300を昼光のみ測定する場所(例えば、窓際、あるいは、小部屋等、照明器具60と仕切られた場所)に設置し、照度センサ300から得られる照度の測定値が第1変化量変化する度に、ベースライトの調光率を一定量変化させ、照度センサ300から得られる照度の測定値が第2変化量変化する度に、スポットライトの調光率を一定量変化させることにより、床面や作業面の照度ではなく、外光の量を検出し、それに応じて、照明器具60を制御することが可能となる。このため、高天井等、床面や作業面の照度が正確に検出できない場合であっても、照明器具60を適切に調光することができる。
なお、第1変化量及び第2変化量の代わりに、昼光量(照度センサ300から得られる照度の測定値)に対する調光率の変化率を設定してもよい。その場合、記憶部150には、昼光量に対するベースライトの調光率の変化率が第1変化率として記憶され、昼光量に対するスポットライトの調光率の変化率が第2変化率として記憶される。図26に示すように、制御部130は、昼光量(照度センサ300から得られる照度の測定値)に応じた第1変化率で変化させた調光率(図26における出力2)でベースライトを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート610から出力する。また、制御部130は、昼光量(照度センサ300から得られる照度の測定値)に応じた第2変化率で変化させた調光率(図26における出力1)でスポットライトを調光するためのPWM信号(調光信号)を生成してポート620から出力する。即ち、制御部130は、昼光量に応じて出力1及び出力2を制御する。これにより、床面や作業面の照度ではなく、外光の量を検出し、それに応じて、照明器具60を制御することが可能となる。
ユーザが、携帯端末71(外部の装置)の画面にて個別制御モードを選択した場合、あるいは、遠隔制御装置80(外部の装置)の画面にて個別制御モードを選択した場合、照明制御装置100の入力部110、計算部120、制御部130は、他のモードの場合と同様に、個別制御モードに応じた処理を行う。照明制御装置100のタイマ部140は、タイマ制御が設定された場合に用いられる累積運転時間等を計測する。
以上説明したように、本実施の形態において、照明制御装置100の制御部130は、第1照明器具がポート610に接続され、第2照明器具がポート620に接続された状態では、調光信号をポート610,620のそれぞれから出力することで、第1照明器具と第2照明器具とを個別に調光することができる。また、制御部130は、第1光源及び第2光源が取り付けられた第3照明器具がポート610,620の両方に接続された状態では、調光信号をポート610,620のそれぞれから出力することで、第1光源と第2光源とを個別に調光することができる。つまり、本実施の形態では、ポート610,620を、異なる照明器具60を個別に調光する用途と、同じ照明器具60の異なる光源を個別に調光する用途との両方に兼用することができる。
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
本実施の形態に係るコントローラ10の構成は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
照明制御装置100は、例えば、利用者により、照明器具60において実現したい色温度及び明るさが指定された場合、色温度制御モードで動作する。利用者は、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、色温度及び明るさを指定する。
以下において、指定された色温度を目標色温度とし、指定された明るさを目標出力として説明する。
まず、色温度制御モードで照明制御装置100が動作する際のコントローラ10について説明する。照明器具60には、白色LED(第1光源)が接続されているもの、電球色LED(第2光源)が接続されているものがあるとする。例えば、ポート610(出力1)に白色LED(第1光源)の照明器具60が接続され、ポート620(出力2)に電球色LED(第2光源)の照明器具60が接続されているものとする。
白色LEDと電球色LEDとの色温度は異なる。例えば、白色LEDの色温度は5000K、電球色LEDの色温度は3000Kである。
また、白色LEDと電球色LEDとは、同一出力時の光束が異なるものとする。例えば、100%出力時(最大出力時)の白色LEDの光束は2940lm、100%出力時の電球色LEDの光束は2380lmとする。以下において、100%出力時の光束を最大光束とする。
利用者が指定できる目標色温度の範囲は、例えば、3,000K〜5,000Kとする。ただし、目標色温度の範囲は、上記範囲に限られず、例えば、2,700K〜6,500Kまで、あるいは、その他の範囲でも構わない。
また、利用者が指定できる目標出力の範囲は、0%〜100%とする。ただし、目標出力の範囲は、上記範囲に限られず、例えば、10%〜90%まで、あるいは、その他の範囲でも構わない。
次に、色温度制御モード時の照明制御装置100の動作について説明する。
照明制御装置100の記憶部150は、パラメータ記憶部1521を備える。
パラメータ記憶部1521には、色温度を変化させる制御処理(色温度可変制御処理)に必要なパラメータが設定される。
図11は、本実施の形態に係るパラメータ記憶部1521の構成を示す図である。
図11に示すように、パラメータ記憶部1521には、(1)白色LEDの色温度K1(第1色温度)、(2)電球色LEDの色温度K2(第2色温度)、(3)目標色温度K3(実現する色温度)、(4)白色LEDの最大光束L1(第1最大光束)、(5)電球色LEDの最大光束L2(第2最大光束)、(6)器具最大光束値L3、(7)目標出力D3、(8)白色LEDの調光率D1(第一調光率)、(9)電球色LEDの調光率D2(第2調光率)が設定される。
(1)白色LEDの色温度K1は、外部の装置(例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71)を用いて、外部から設定される。(2)電球色LEDの色温度K2は、外部の装置(例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71)を用いて、外部から設定される。
ここでは、白色LEDの色温度K1は5000K、電球色LEDの色温度K2は3000Kと設定されたものとする。
接続される照明器具60が異なれば、白色LED、電球色LEDの色温度が異なる場合がある。このため、(1)白色LEDの色温度K1及び(2)電球色LEDの色温度K2は、外部から設定することができる構成とする。
(3)目標色温度K3は、利用者が遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて指定する。指定できる目標色温度の範囲は、3,000K〜5,000Kであり、ここでは、4000Kと指定されたものとする。
(4)白色LEDの最大光束L1は、外部の装置(例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71)を用いて、外部から設定される。(5)電球色LEDの最大光束L2は、外部の装置(例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71)を用いて、外部から設定される。
ここでは、白色LEDの最大光束L1は2940lm、電球色LEDの最大光束L2は2380lmと設定されたものとする。
LEDの光束は、実力値であるため、100%出力時でもLEDの明るさはそれぞれ異なる。したがって、接続される照明器具、LEDが異なれば、白色LED、電球色LEDの最大光束も異なるので、接続される照明器具に応じた最大光束を外部から設定する。
上述したように、(1)白色LEDの色温度K1、(2)電球色LEDの色温度K2、(4)白色LEDの最大光束L1、(5)電球色LEDの最大光束L2の値は、外部から設定可能である。
ここで、外部から(1)(2)(4)(5)の値を設定する際の、コントローラ10の動作について説明する。
利用者により、外部から遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて、(1)白色LEDの色温度K1、(2)電球色LEDの色温度K2に値を設定する要求である色温度値設定要求が送信される。
遠隔制御装置80を用いた場合、無線送受信回路800は、遠隔制御装置80(リモートコントローラなど)からの色温度値設定要求を受信し、照明制御装置100に送信する。
携帯端末71を用いた場合、有線送受信回路700は、携帯端末71からの色温度値設定要求を無線LANアダプタ70経由で受信し、照明制御装置100に送信する。
照明制御装置100の入力部110は、色温度値設定要求を入力し、記憶部150に出力する。
記憶部150は、入力部110から入力された色温度値設定要求に基づいて、(1)白色LEDの色温度K1、あるいは(2)電球色LEDの色温度K2に値を設定する。
また、利用者により、外部から遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて、(4)白色LEDの最大光束L1、(5)電球色LEDの最大光束L2に値を設定する要求である光束値設定要求が送信される。
無線送受信回路800は、遠隔制御装置80からの光束値設定要求を受信し、照明制御装置100に送信する。
有線送受信回路700は、携帯端末71からの光束値設定要求を無線LANアダプタ70経由で受信し、照明制御装置100に送信する。
照明制御装置100の入力部110は、光束値設定要求を入力し、記憶部150に出力する。
記憶部150は、入力部110から入力された光束値設定要求に基づいて、(4)白色LEDの最大光束L1、(5)電球色LEDの最大光束L2に値を設定する。
(6)器具最大光束値L3には、白色LEDの最大光束L1と、電球色LEDの最大光束L2とのうち、高い方の値が設定される。したがって、ここでは、器具最大光束値L3には2940lmが設定される。
(7)目標出力D3には、利用者により遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて指定された目標出力が設定される。
指定できる目標出力の範囲は、0%〜100%であり、ここでは、50%と指定されたものとする。ただし、目標出力の範囲は、上記範囲に限られない。
(8)白色LEDの調光率D1、(9)電球色LEDの調光率D2には、照明器具60の色温度が目標色温度K3となり、照明器具60の出力(明るさ)が目標出力D3となるための、白色LEDの調光率D1及び電球色LEDの調光率D2が設定される。
照明制御装置100の計算部120は、パラメータ記憶部1521に設定された(1)〜(7)の値を用いて、白色LEDの調光率D1及び電球色LEDの調光率D2を処理装置により算出し、算出した値を(8)白色LEDの調光率D1、(9)電球色LEDの調光率D2に設定する。
図12は、本実施の形態に係る照明制御装置100による色温度可変制御処理のフローチャートである。
S201において、入力部110は、目標色温度K3と目標出力D3とを入力し、パラメータ記憶部1521の目標色温度K3と目標出力D3とに設定する。
S202において、計算部120は、パラメータ記憶部1521の(1)〜(7)の設定値を用いて、下記の連立方程式(式1)(式2)を満たす解D1,D2を処理装置により算出する。
(式1)L1×D1+L2×D2=L3×D3
(式2)(L1/L3)×D1×(K3−K1)=(L2/L3)×D2×(K2−K3)
(式2)を変形すると、以下の式となる。
D1=(L2×D2×(K2−K3))/(L1×(K3−K1))=(L2/L1)×((D2×(K2−K3))/(K3−K1))
(式2)を変形すると、以下の式となる。
D1×(K3−K1)=(L2/L1)×D2×(K2−K3)
(式1)は、照明器具の光束についての等式である。(式1)において、L1×D1は白色LEDの光束、L2×D2は電球色LEDの光束である。白色LEDの光束と電球色LEDの光束とを加算した光束が、照明器具の光束値となる。したがって、(式1)では、照明器具の光束値が、器具最大光束値L3に目標出力D3を乗算したものとなる。
(式2)は、照明器具の色温度についての等式である。(式2)の変形式に示すように、(式2)では、白色LEDの最大光束L1と電球色LEDの最大光束L2との比(L2/L1)を用いて、照明器具の色温度についての等式を、より正確に表している。
計算部120は、算出したD1,D2を、パラメータ記憶部1521の(8)〜(9)に設定する。
具体例を用いて説明する。
連立方程式(式1)(式2)に、図11の(1)〜(7)の値を代入すると、以下の連立方程式(式1)(式2)となる。
(式1)2940×D1+2380×D2=2940×0.5
(式2)(2940/2940)×D1×(4000−5000)=(2380/2940)×D2×(3000−4000)
連立方程式(式1)(式2)の解は、D1=0.25、D2=0.3となる。
計算部120は、算出したD1=0.25、D2=0.3を、パラメータ記憶部1521の(8)〜(9)に設定する。
つまり、計算部120により、白色LEDの調光率D1は25%、電球色LEDの調光率D2は30%と算出されたことになる。
S203において、制御部130は、パラメータ記憶部1521の(8)〜(9)の値に基づいて、白色LEDを調光率D1とし、電球色LEDを調光率D2とする制御信号を生成する。具体例では、制御部130は、白色LEDの調光率D1を25%、電球色LEDの調光率D2を30%とする制御信号を生成する。制御部130は、生成した制御信号をPWM増幅回路600に出力する。
以上で、照明制御装置100の色温度可変制御処理を終了する。
PWM増幅回路600(調光回路)は、入力した制御信号に基づいて、PWM信号(調光信号)を生成し、照明器具60に送信する。
照明器具60の白色LEDは調光率D1(25%)に調光され、電球色LEDは調光率D2(30%)に調光される。その結果、照明器具60は、色温度が目標色温度K3(4000K)になるとともに、目標出力D3(50%)にしたがった明るさ(光束)(1470lm)になる。
次に、具体例を用いて、目標色温度K3を4000Kに制御する場合の器具最大光束値L3の求め方の一例について説明する。
(式2)に図11の(1)〜(5)を代入する。
(式2)2940×D1×(4000−5000)=2380×D2×(3000−4000)
ここで、目標出力D3が50%であるため、白色LEDの調光率D1を50%として、(式2)を用いてD2を算出する。
D2=2940×0.5×(4000−5000)/2380×(3000−4000)=0.618
目標色温度K3を4000Kに制御する場合、白色LEDの調光率D1を50%とすると、電球色LEDの調光率D2は、61.8%となる。
白色LEDの調光率D1を50%、電球色LEDの調光率D2を61.8%とした場合の照明器具60の光束L’を計算する。
L’=L1×D1+L2×D2=2940×0.5+2380×0.618=2940(lm)
この値は、白色LEDのみを100%出力で点灯した場合の最大光束L3(2940lm)と同等となる。このように算出されるL’を、照明器具60を4000Kに制御した場合の器具最大光束値L3としてもよい。
器具最大光束値L3は、例えば、目標出力D3を100%とした場合に実現する照明器具60の光束であり、上記以外の設定方法で設定しても構わない。
通常、照明器具において、目標出力にしたがって明るさ(光束)が増減する。すなわち、目標出力を50%にすると、明るさ(光束)も約50%となる。しかし、照明器具が、白色LEDと電球色LEDとを備えるものである場合、白色LEDと電球色LEDとの最大光束(100%出力時の光束)が異なる場合がある。白色LEDと電球色LEDとの最大光束(100%出力時の光束)が異なると、利用者が指定した目標色温度及び目標出力を正確に実現することができない場合があった。
しかし、本実施の形態に係るコントローラ10によれば、白色LEDと電球色LEDとの光束の違いを考慮して、白色LEDと電球色LEDとの最大光束の比を用いて白色LEDと電球色LEDとの調光率D1,D2を算出しているので、利用者が指定した目標色温度及び目標出力を正確に実現することができる。
また、本実施の形態では、白色LEDの色温度K1、電球色LEDの色温度K2、白色LEDの最大光束L1、電球色LEDの最大光束L2は、外部から設定することが可能であるため、照明器具が壊れるなどして、照明器具を交換した場合であっても、交換後の照明器具応じた色温度、最大光束を外部から設定することができ、交換後の照明器具でも正確に目標色温度、目標出力を実現することができる。
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1,2との差異を説明する。
本実施の形態に係るコントローラ10の構成は、図1に示した実施の形態1のものと同様である。
照明制御装置100は、利用者により、遠隔制御装置80、携帯端末71等を用いて、スケジュールの実行が指示された場合、照明器具60に対してスケジュール制御を実行する。
本実施の形態では、照明制御装置100が実行するスケジュール制御方式について説明する。
本実施の形態に係るコントローラ10では、照明器具60、照度センサ300、人感センサ400に対してスケジュールを設定することができる。
スケジュールを設定するとは、照明器具60の状態及び動作、照度センサ300の状態及び動作、人感センサ400の状態及び動作を、予め定められたスケジュールにしたがって、設定及び実行させることである。「照明器具60の状態」との記載には、照明器具60の状態及び動作、照度センサ300の状態及び動作、人感センサ400の状態及び動作が含まれるものとする。
照明制御装置100は、照明器具60、照度センサ300、人感センサ400に対して設定されたスケジュールに基づいて、スケジュール制御処理を実行する。
スケジュールの設定方法には、例えば、各曜日にスケジュールを設定する週間スケジュール設定、1年間のうちの所定日にスケジュールを設定する年間スケジュール設定がある。
また、スケジュールには、時刻を指定して実行する時刻モードのスケジュール(以下、時刻スケジュールとする)と、経過時間を指定して実行するタイマモードのスケジュール(以下、タイマスケジュールとする)とがある。
まず、時刻スケジュールの設定方式について説明する。
照明制御装置100は、記憶部150に、時刻スケジュール設定部1531、シーン記憶部1532を備える。
図13は、本実施の形態に係る時刻スケジュール設定部1531の構成の一例を示す図である。図14は、本実施の形態に係るシーン記憶部1532の一例を示す図である。
図13に示すように、時刻スケジュール設定部1531には、時刻モードで設定された4つの時刻スケジュールJS1〜JS4が設定されている。時刻スケジュール設定部1531に記憶される時刻スケジュールの数は、4つ以上でもよいし、4つ以下でもよい。
時刻スケジュールは、時刻とシーンとが対応付けられている。
例えば、時刻スケジュールJS1は、8:00からシーン2を実行し、10:00からシーン3を実行し、15:00からシーン3を実行し、18:00からシーン3を実行し、20:00からシーン2を実行し、23:00からシーン1を実行することを意味する。
時刻スケジュール設定部1531は、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、利用者により設定される。また、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、時刻スケジュール設定部1531に記憶されている設定値を削除、変更することも可能である。
また、時刻スケジュール毎に、時刻及びシーンを10個設定できるものとし、10個以上設定しようとした場合には受け付けないとしてもよい。時刻スケジュール毎に設定できる時刻及びシーンの数は、10個以上でも10個以下でもよい。
シーン記憶部1532には、複数のシーンが定義されている。図14にシーンX(X=1,2,・・・、6)とあるように、例えば、シーン1〜6の6つのシーンが設定されているが、シーン記憶部1532に記憶されるシーンの数は、6つ以上でもよいし、6つ以下でもよい。
シーンとは、照明器具60の照度、色温度、及び動作、照度センサ300の状態、モード、及び動作、人感センサ400の状態、モード、及び動作などにより定義される照明器具60の状態である。あるいは、照明器具60の状態及び周囲の状況である。
シーン記憶部1532には、各シーン毎に、実現する照明器具60の状態(照度、色温度、調光率、動作など)、人感センサ400、照度センサ300の状態等が定義される。
図14に示すように、各シーン毎に、例えば、目標調光率、目標照度、照度センサ、上限調光率、下限調光率、不在調光率、フェードイン時間、フェードアウト時間、人感センサモード、人感センサ保持時間、不在フェード時間、OFFディレー時間、色温度の項目を有する。
図14では、シーン記憶部1532の各項目に設定される具体的な値の一例を示している。
シーン記憶部1532は、予め各項目の設定値が設定されているものとする。ただし、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、利用者により設定することができるとしてもよい。
次に、時刻スケジュール設定部1531に設定された時刻スケジュールを用いて、週間スケジュール、年間スケジュールを設定する機能について説明する。
照明制御装置100は、記憶部150に、週間スケジュール1533、年間スケジュール1534を備える。
図15は、本実施の形態に係る週間スケジュール1533の一例を示す図である。図16は、本実施の形態に係る年間スケジュール1534の一例を示す図である。
図15に示すように、週間スケジュール1533は、日曜日から土曜日までの各曜日に対し、時刻スケジュールのパターン4つ(JS1〜JS4)のいずれかが割当てられる。
週間スケジュール1533は、例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、利用者により設定される。
以下に、週間スケジュール1533の設定方法の一例を記載する。
曜日に、「JS−」を割当てるとその曜日はNULLになる。
モニタ要求は曜日の要求に対しスケジュールパターン(JS1〜JS4およびJS−)を返す。
スケジュール曜日割当てリセット要求(曜日表示時リセット受信)があった場合、対象となる曜日のスケジュールパターンが削除(NULL)される。
スケジュールパターンが設定されていないスケジュールを割当てても、割当てた当日分はスケジュールを実行しないものとする。前日のスケジュールを継続する。
図16に示すように、年間スケジュール1534は、月日に対し、シーンを設定できる。例えば、年間で所定日分(例えば、30日分)シーンを設定できるとしてもよい。年間スケジュール1534で指定された日は、週間スケジュールではなく、年間スケジュールを優先して実行する。これにより、祝日などの特定日には、特別のシーンを割り当てることが可能となる。
年間スケジュール1534は、例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、利用者により設定される。
次に、照明制御装置100による時刻スケジュール運転(時刻スケジュール制御方式)について説明する。
時刻スケジュール運転の概要について以下に説明する。
照明制御装置100は、時刻スケジュール実行指示を受信した場合、タイマ部140を用いて時刻スケジュール運転する。
デフォルト、すなわち、時刻スケジュール実行指示を受信していない場合は、時刻スケジュール運転はしない。
照明制御装置100は、時刻スケジュール解除指示を受信した場合、時刻スケジュール運転を解除し、現在実行しているモード(制御状態)を継続する。
時刻スケジュール実行指示、あるいは時刻スケジュール解除指示は、利用者による遠隔制御装置80、携帯端末71等の操作によりコントローラ10に送信される。
照明制御装置100は、時刻スケジュール実行指示、あるいは時刻スケジュール解除指示を受信する。
照明制御装置100は、時刻スケジュール実行指示を入力すると、記憶部150に記憶されている週間スケジュール1533、年間スケジュール1534にしたがって、時刻スケジュール運転を実行する。
以下に、本実施の形態に係るコントローラ10の時刻スケジュール運転の運用方式の一例について記載する。
(1)接点入力、調光器操作、マニュアル操作が優先されるものとする。時刻スケジュール運転中に設定を行ったら設定モードに移行する。設定モードでタイムアウトした場合は、時刻スケジュール運転に移行する。
(2)時刻スケジュールが入力されていない曜日(NULL)があった場合、0:00を境に時刻スケジュール運転は解除される。時刻スケジュール運転が解除されると、時刻スケジュール運転前の動作(通常運転かシーン運転)になる。また、時刻スケジュールが入力されている曜日になれば、時刻スケジュール運転が実行される。このとき、時刻スケジュールに設定されている時刻がきた時に実行される。
(3)時刻スケジュール運転実行中で停電復帰する際は、停電終了後の最新の時刻スケジュールを実行する。
(4)時刻スケジュール運転の起動コマンド(時刻スケジュール実行指示)を受け、人感センサ連動設定の場合は、人感センサの「在」で時刻スケジュール運転を実行し、「不在」で時刻スケジュール運転を停止する。時刻スケジュール運転の起動中に、その他のリモコン操作(マニュアル、自動、シーン、消灯)の操作があると、時刻スケジュール運転は停止状態とし、操作に従い動作する。
(8)利用者からの指定により、特定日スケジュールが実行される場合は、年間スケジュールの一番早い月日に設定された時刻スケジュールを実行する。
上記は、時刻スケジュール運転の運用方式の一例であり、上記以外の運用方式で時刻スケジュール運転が実行されても構わない。
次に、タイマモードによるタイマスケジュールを用いたタイマスケジュール制御方式について説明する。
まず、タイマスケジュールの設定方式について説明する。
照明制御装置100は、記憶部150に、タイマスケジュール設定部1535(タイマスケジュール)を備える。
図17は、本実施の形態に係るタイマスケジュール設定部1535の構成の一例を示す図である。
タイマスケジュールでは、絶対時間(時刻)を設定するのではなく、相対時間を設定する。
図17に示すように、タイマスケジュール設定部1535には、タイマモードで設定された4つのパターンであるタイマスケジュールTS1〜TS4が設定されている。タイマスケジュール設定部1535に記憶されるタイマスケジュールの数は、4つ以上でもよいし、4つ以下でもよい。
タイマスケジュールには、任意の時点からの経過時間と、照明器具60の状態(シーン)(シーン情報)とが対応付けられて設定される。上述したように、照明器具60の状態には、照明器具60の状態及び動作、照度センサ300の状態及び動作、人感センサ400の状態及び動作などが含まれる。
タイマスケジュールの開始時刻から設定された経過時間が経過するまで、シーンが実行される。入力する時間は、秒単位とし00分01秒から23分59秒とする。
例えば、図17に示すタイマスケジュールTS1は、タイマスケジュールTS1の開始時刻から59秒までシーン2を実行し、59秒経過後から1分30秒までシーン1を実行し、1分30秒経過後から2分30秒までシーン3を実行し、2分30秒経過後から3分10秒までシーン1を実行し、3分10秒経過後から4分20秒までシーン2を実行し、4分20秒経過後から5分までシーン1を実行し、5分経過後から6分30秒までシーン3を実行し、6分30秒経過後から7分10秒までシーン1を実行し、7分10秒経過後から8分20秒までシーン2を実行し、8分20秒経過後から15分までシーン1を実行することを意味する。
タイマスケジュール設定部1535は、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、利用者により設定される。また、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71等を用いて、タイマスケジュール設定部1535に記憶されている設定値を削除、変更することも可能である。
また、タイマスケジュール毎に、経過時間及びシーンをN個設定できるものとし、N個以上設定しようとした場合には受け付けないとしてもよい。N個は、例えば、10個である。タイマスケジュール毎に設定できる経過時間及びシーンの数は、N個以上でもN個以下でもよい。
設定された時間が経過するまで、設定されたシーンを実施する。
次に、照明制御装置100によるタイマスケジュール運転(タイマスケジュール制御方式)について説明する。
照明制御装置100は、タイマスケジュール実行指示を入力した場合に、タイマスケジュール運転を実行する。
入力部110は、タイマスケジュールに沿った照明器具60の制御の実行を指示するタイマスケジュール実行指示を入力する。タイマスケジュール実行指示には、タイマスケジュールを開始する開始時点に関する情報である開始時点関連情報が含まれる。
制御部130は、入力部110によりタイマスケジュール実行指示が入力されると、タイマスケジュールに沿って照明器具60を制御する制御命令を出力する。また、入力部110によりタイマスケジュール実行指示が入力されると、制御部130は、タイマスケジュール実行指示に含まれる開始時点関連情報に基づいて、タイマスケジュールの開始時点を算出し、タイマ部140に出力する。
タイマ部140は、コントローラ10が備えるタイマ機能を用いて、開始時点からの経過時間のカウントを開始する。開始時点を算出するのは、タイマ部140でもよいし、入力部110でもよい。制御部130は、タイマ部140が開始時点からカウントしている経過時間に基づいて、タイマスケジュールに沿って照明器具60を制御する制御命令を出力する。
PWM増幅回路600(調光回路)は、制御部130から制御命令を入力し、入力した制御命令に基づいて照明器具60を制御するPWM信号(照明制御信号)を生成し、照明器具60に出力する。
入力部110は、例えば、人感センサ400の在/不在検知信号、接点の(ON/OFF)状態を示す信号(すなわち、ポートの開閉状態を示す開閉信号)、遠隔制御装置80や携帯端末71からの実行要求信号などをタイマスケジュール実行指示として入力する。つまり、タイマスケジュール運転は、人感センサ400の在/不在、接点のON/OFF、遠隔制御装置80や携帯端末71による利用者からの要求をトリガーとして実行される。
例えば、照明制御装置100が人感センサ400から在検知信号を受信すると、タイマスケジュールTS2を実行するもの設定されている場合、入力部110は、在検知信号をタイマスケジュール実行指示として入力する。このとき、入力部110は、在検知信号を入力した時点を開始時点関連情報として、タイマスケジュール実行指示に付加して、制御部130に出力する。あるいは、照明制御装置100が人感センサ400から不在検知信号を受信すると、タイマスケジュールTS2の実行を解除するものと設定されている場合、不在検知信号がタイマスケジュール解除指示となる。
照明制御装置100は、タイマスケジュール解除指示を受信すると、タイマスケジュール解除指示を受信した時点のシーンを継続するとしてもよい。あるいは、照明制御装置100は、タイマスケジュール解除指示を受信して、タイマスケジュールが終了した場合は、所定のシーン(例えば、直ちに消灯する、徐々に消灯する等)を実行するものとしてもよい。
例えば、照明制御装置100が接点1,2のON/OFFの状態(すなわち、ポートの開閉状態を示す信号)を示す開閉信号を入力し、入力した開閉信号から導かれる接点のON/OFFの状態に基づいて、タイマスケジュールを実行すると設定されている場合、入力部110は、接点のON/OFFの状態を示す開閉信号をタイマスケジュール実行指示として入力する。ここで、接点1,2の(ON/OFF)と、ポート510,520の(閉/開)とは対応するものとする。
このとき、入力部110は、開閉信号を入力した時点を開始時点関連情報として、タイマスケジュール実行指示に付加して、制御部130に出力する。
あるいは、入力した接点のON/OFFの状態がタイマスケジュールTS2の実行を解除するものと設定されている場合、接点のON/OFFの状態を示す信号はタイマスケジュール解除指示となる。
あるいは、直接、遠隔制御装置80や携帯端末71にからタイマスケジュール実行指示、タイマスケジュール解除指示を受信するものでもよい。
照明制御装置100によるタイマスケジュール運転の動作概要について以下に説明する。
入力部110は、タイマスケジュール実行指示を入力すると、入力したタイマスケジュール実行指示を制御部130に出力する。
制御部130は、入力部110からタイマスケジュール実行指示を入力すると、入力したタイマスケジュール実行指示に対応するタイマスケジュールを記憶部150のタイマスケジュール設定部1535から抽出し、抽出したタイマスケジュールを実行する。
図18は、人感センサ400をトリガとしてタイマスケジュールTS2が実行されるタイマスケジュール運転を説明するためのタイムチャートである。
図18では、具体例を用いて、タイマスケジュール運転について説明する。
ここでは、照明制御装置100は、人感センサ400の在検知信号をタイマスケジュール実行指示として入力し、タイマスケジュールTS2(図17)を実行するものとする。また、照明制御装置100は、人感センサ400の不在検知信号をタイマスケジュール解除指示として入力し、タイマスケジュールTS2の実行を解除するものとする。
図18に示すように、人感センサ400は、T1時点において在検知し、T5時点において不在検知するものとする。
入力部110は、T1で人感センサ400の在検知信号をタイマスケジュール実行指示として入力する。
入力部110がタイマスケジュール実行指示を入力すると、タイマ部140がカウントを開始する。T1時点を開始時点とする。タイマ部140がカウントを開始するとともに、制御部130がタイマスケジュールTS2の実行を開始する。
(a)照明制御装置100は、T1〜T2までの10秒間、シーン2を実行する。
(b)照明制御装置100は、T2〜T3までの12秒間、シーン1を実行する。
(c)照明制御装置100は、T3〜T4までの8秒間、シーン3を実行する。
(d)照明制御装置100は、T4からシーン4を開始し、T5で人感センサ400が不在検知信号をスケジュール解除指示として入力するまでの5秒間、シーン4を実行する。
照明制御装置100は、T5でタイマスケジュール解除指示を入力すると、タイマスケジュール運転(タイマモード)を解除し、照明器具をタイマスケジュール運転が開始される前の状態に戻す。
具体的運用に上記(a)〜(d)をあてはめると、以下の(a1)〜(d1)になる。 例えば、美術館などで美術品を照明する照明器具60に、タイマスケジュール運転(タイマモード)が設定されているとする。この照明器具60は、通常は消灯しているものとする。美術品の前に人が来ると、人感センサ400が在検知し、タイマスケジュールTS2を実行することにより以下の(a1)〜(d1)のような照明器具60によるデモンストレーションを実現することができる。
(a1)人が来ると5000Kの色温度で点灯し、開始時点から10秒間かけて徐々に出力100%の明るさとなる(シーン2)。
(b1)その後、5000Kの色温度のまま出力100%の明るさが12秒間継続する(シーン1)。
(c1)次に、8秒間かけて明るさが徐々に出力50%まで低下し、色温度も徐々に電球色に変化する(シーン3)。
(d1)その後、明るさは出力50%に維持され、色温度は徐々に低下し、さらに電球色に近づく(シーン4)。
図18のタイムチャートでは、シーン4の開始から5秒後にタイマスケジュール解除指示(即ち、不在検知信号)を入力するので、タイマスケジュール運転を解除して照明器具を消灯する。
このように、タイマスケジュール運転を、時刻スケジュール運転に優先させて実行することにより、より演出性の高い照明器具を提供することができる。
次に、照明制御装置100が接点の開閉の状態を示す開閉信号を入力し、入力した接点のON/OFFの状態に基づいて、タイマスケジュール運転を実行する方法について説明する。
ここで、接点の開閉(ON/OFF)の状態と連動する機能の具体例について説明する。
コントローラ10は、2つのポート510,520を備え、制御信号により入力・出力を切替えて使用する。接点入出力回路500は、2つのポート510,520を介して外部の接点1及び接点2に接続される。2つのポート510,520の入力出力の切替は、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71より設定する。入力出力は、ポート毎に設定可能とし、組合せ設定の場合は2つのポート同時に使用する。例えば、接点入力において、アクティブになると接点連動を実行し、非アクティブになるとアクティブ前の制御状態に移行するように設定する。
<スケジュール起動連動>
スケジュール起動連動は、接点の入力状況(接点入力、ポートの開閉信号に相当する)に応じてタイマスケジュール運転を実行/停止する。あるいは、接点組合せとタイマスケジュールとを対応付けて設定し、接点組合せでタイマスケジュールの選択をすることができる。
図19は、ポート単位でのスケジュール起動設定の一例を示す図である。
図20は、ポート組合せでのスケジュール起動設定の一例を示す図である。
図19〜図20の設定データは、例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて設定することができる。遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて入力された図19〜図20の設定データは、入力部110が入力し、記憶部150に記憶される。
ここでは、アクティブ「L」で信号を処理する正論理を用いているが、出力論理は、アクティブ「H」で信号を処理する負論理で設定しても良い。
以下の説明において、接点あるいはポートの状態として、「L」と「閉」と「ON」とが対応し、「H」と「開」と「OFF」とが対応する。
接点1または接点2の開閉状態で、タイマスケジュールを動作・停止する。例えば、接点1が閉のときタイマスケジュールを実行し、接点1が開のときタイマスケジュールを実行するとしても良い。
図19に示すように、例えば、接点2が閉のときタイマスケジュールTS2を実行し、接点2が閉のときタイマスケジュールTS1を実行する設定としても良い。
図20に示すように、接点の組合せに対して制御内容を設定することもできる。例えば、「接点1が開、接点2が開」のとき通常運転、「接点1が閉、接点2が開」のときタイマスケジュールTS1を実行、「接点1が開、接点2が閉」のときタイマスケジュールTS2を実行、「接点1が閉、接点2が閉」のときタイマスケジュールTS3を実行すると設定しても良い。
<接点入力シーン連動>
接点入力とシーンの実行とが連動する場合(接点入力シーン連動)について説明する。
接点入力シーン連動は、機能が接点入力となっている場合のみ有効とする。
接点入力シーン連動は、接点の入力状況に応じてシーンを実行する。接点組合せの場合、デマンド制御として使用することができる。
図21は、ポート単位でのシーン実行設定の一例を示す図である。
図22は、ポート組合せでのシーン実行設定一例を示す図である。
図23は、接点に対する優先順位の一例を示す図である。
図21〜図23の設定データは、例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて設定することができる。遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて入力された図21〜図23の設定データは、入力部110が入力し、記憶部150に記憶される。
シーン実行後、通常運転にしたとき接点入力があれば、その接点入力に対応するシーンが実行される。
出力論理は、正論理でも負論理でも構わない。
接点入力シーン連動の運用例は、例えば、以下の(ア)(イ)ように、接点1の開閉により不在時のシーン(動作モード)を変更するものがある。
(ア)接点1が「H」(OFF)(開)のとき、通常運転(残置モード、不在時調光率10%)
(イ)接点1が「L」(ON)(閉)のとき、シーン1実行(省エネモード、不在時調光率10%、OFFディレー時間60秒)
以上、シーンと接点入力との連動、及びタイマスケジュールと接点入力との連動は、コントローラ10において接点入力機能が選択されている場合にのみ有効とする。
次に、照明制御システム900の状態に合わせて、接点を開閉する出力連動機能の具体例について簡単に説明する。
<シーン実行状態出力>
シーン実行状態に応じて対応する接点を開閉する。シーン実行状態出力は、コントローラ10において接点出力機能が選択されている場合にのみ有効とする。
図24は、ポート単位でのシーン実行状態出力の一例を示す図である。
図25は、ポート組合せでのシーン実行状態出力の一例を示す図である。
図24〜図25の設定データは、例えば、遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて設定することができる。遠隔制御装置80あるいは携帯端末71を用いて入力された図24〜図25の設定データは、入力部110が入力し、記憶部150に記憶される。
出力論理は、正論理でも負論理でも設定可能とする。
<点灯消灯状態出力>
点灯消灯状態出力は、PWM調光信号の状態に応じて対応する接点を開閉する。出力ポート単位のみの動作である。PWM調光信号の動作状態で接点1または接点2を開閉する。
点灯消灯状態出力は、例えば、以下のように運用する。
(ア)PWM出力1は接点1に対応。「自動」のとき「閉」、「消灯」のとき「開」。
(イ)PWM出力2は接点2に対応。「自動」のとき「閉」、「消灯」のとき「開」。
出力論理は、正論理でも負論理でも設定可能とする。
<人感センサ状態出力>
人感センサ400の在/不在状態に応じて、接点1または接点2を開閉する。出力ポート単位のみの動作である。
人感センサ状態出力は、例えば、以下のように運用する。
(ア)人感センサ「在」のとき、接点1または接点2は「閉」
(イ)人感センサ「不在」のとき、接点1または接点2は「開」
出力論理は、正論理でも負論理でも設定可能とする。
<照度センサ状態出力>
照度センサ300の明/暗状態に応じて、対応する接点を開閉する。出力ポート単位のみの動作である。照度センサ300の明/暗状態(目標照度を基準とし)で接点1または接点2を開閉する。
照度センサ状態出力は、例えば、以下のように運用する。
(ア)照度センサ「明」のとき、接点1または接点2は「閉」
(イ)照度センサ「暗」のとき、接点1または接点2は「開」
出力論理は、正論理でも負論理でも設定可能とする。
<換気扇連動出力>
換気扇連動出力は、人感センサ状態出力の拡張機能である。人感センサ400の不在の場合、設定されたディレー時間後に対応する接点を開閉する。また、接点出力と同時に、PWM出力2もディレー時間後に制御する。
出力ポート単位のみの動作である。
換気扇連動出力は、例えば、以下のように運用する。
(ア)人感センサ「在」のとき、接点1または接点2は「閉」、人感センサ「不在」のとき、接点1または接点2はディレー時間後に「開」
(イ)人感センサ「在」のとき、PWM出力2は「自動」、人感センサ「不在」のとき、PWM出力2はディレー時間後に「消灯」
出力論理は、正論理でも負論理でも設定可能とする。
以上のように、本実施の形態にかかるコントローラ10では、タイマスケジュール運転を、時刻スケジュール運転に優先させて実行することにより、より演出性の高い照明器具を提供することができる。
また、タイマスケジュール運転は、人感センサの在/不在、接点のON/OFF、利用者からの要求信号等をトリガとして起動するように設定できるので、演出性と省エネ効果との両方を兼ね備えた複雑なスケジュール運転を実現することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。