JP6243772B2 - 穿孔加工用工具 - Google Patents

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Description

本発明は、穿孔加工用工具に関する。
金属板において、穿孔加工を行うための工具としてドリルがある。ドリルは用途によって様々な形状があるが、円柱の先端部および外周面に刃が形成された構造が一般的であった。ドリルは、刃の破損や摩耗により加工精度の低下が見られた場合に工具の交換が必要となるところ、工具交換のコストの低減を図るために、摩耗し難い耐久性の高いドリル(例えば特許文献1参照)や,再研磨することにより長期間に亘り切削を行えるドリル(例えば特許文献2参照)があった。
特開2010−115753号公報 特開2011−11328号公報
特許文献1,2のように通常のドリルより交換頻度が抑えられたドリルであっても、難削材を代表とする加工が困難なワークを加工する場合には、加工精度が低下するまでの刃の寿命が短いため、工具交換などのランニングコストが嵩む。また、初期状態と交換状態では、刃が摩耗しているので孔径の精度が低下してしまう問題もあった。さらに、ドリルの先端面の中心部では、ワークに対する刃の相対速度が遅いので、切削状態が良好ではなく加工効率が低下することがあった。
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、ランニングコストの低減と加工精度の向上を図れるとともに、先端中心部における加工効率の低下を防止できる穿孔加工用工具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、工具軸の軸心回りに旋回して穿孔加工を行う切削工具であって、工具先端部で前記工具軸に直交する回転軸の軸心回りに回転可能に設けられた滑車と、前記滑車に巻き掛けられる固定砥粒ワイヤと、前記固定砥粒ワイヤを前記滑車に送り出すワイヤ送り手段と、前記滑車を前記工具軸の軸心回りに旋回させる旋回手段とを備えたことを特徴とする穿孔加工用工具である。
このような構成によれば、滑車に巻き掛けられた固定砥粒ワイヤが滑車とともに旋回することで、工具先端に半球状の刃が構成され、穿孔加工を行うことができる。また、工具交換の必要がなく、固定砥粒ワイヤは何度か再利用した後に交換するので、ランニングコストの低減が図れる。また、ワークを削る刃は、滑車に送り出される固定砥粒ワイヤにて構成されているので、加工中に新たな刃(固定砥粒ワイヤ)が順次供給される。したがって、孔の加工精度が非常に高くなる。さらには、従来のドリルでは不可能であった先端中心部における刃の高速移動が行われるので、加工効率の低下を防止できる。
本発明において、前記滑車と前記固定砥粒ワイヤと前記ワイヤ送り手段とで、旋回ユニットが形成されており、前記旋回ユニットは前記旋回手段によって一体として旋回されるものが好ましい。このような構成によれば、滑車の連続旋回が可能になるので、効率的な穿孔加工を行える。
本発明によれば、ランニングコストの低減と加工精度の向上を図れるとともに、先端中心部における加工効率の低下を防止することができる。
本発明の第一実施形態に係る穿孔加工用工具を示した概略正面図である。 本発明の第一実施形態に係る穿孔加工用工具を示した概略側面図である。 本発明の第一実施形態に係る穿孔加工用工具の加工状態を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る穿孔加工用工具を示した図であって、(a)は概略正面図、(b)は概略平面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第二実施形態に係る穿孔加工用工具が図4の状態から右方向に旋回した状態を示した概略平面図である。 (a),(b)は、本発明の第二実施形態に係る穿孔加工用工具が図5の(c)の状態からさらに右方向に旋回した状態を示した概略平面図である。 本発明の第二実施形態に係る穿孔加工用工具が図4の状態から左方向に旋回した状態を示した概略平面図である。
以下に、本発明の第一実施形態に係る穿孔加工用工具について説明する。穿孔加工用工具は、穿孔加工を行うための切削工具であって、ドリル加工を行うことができる。本実施形態では、垂直方向の下方に向けて穿孔を行う場合について説明する。図1に示した状態の上下左右を基準として各部材の位置関係を説明する。なお、穿孔方向は垂直方向に限定されるものではない。
図1に示すように、穿孔加工用工具1は、工具軸12の軸心回りに旋回して穿孔加工を行う切削工具であって、工具先端部で工具軸12に直交する回転軸11の軸心回りに回転可能に設けられた滑車10と、滑車10に巻き掛けられる固定砥粒ワイヤ20と、固定砥粒ワイヤ20を滑車10に送り出すワイヤ送り手段30と、滑車10を工具軸12の軸心回りに旋回させる旋回手段(図示せず)とを備えている。
図1および図2に示すように、滑車10は、穿孔する孔2の軸方向に対して直交する水平な回転軸11を備えている。滑車10は、垂直方向に延在する工具軸12の軸心を中心として旋回するようになっている。滑車10は、旋回しながら工具軸12に沿って下降する。
回転軸11は、滑車10の上方に位置するベース材31から下方に延在する一対の支持アーム14,14の下端部に軸支されている。支持アーム14,14は、工具軸12の軸心に平行に配置されており、平面視で滑車10の旋回軌跡内に納まるようになっている。支持アーム14,14は、工具軸12の軸心回りに工具軸12および滑車10と一体として旋回する。支持アーム14は、穿孔する孔の深さ寸法程度の長さに形成されている。
図2に示すように、滑車10の外周面には、固定砥粒ワイヤ20を係止させる係止溝13が設けられている。係止溝13は、内周断面が円弧形状を呈しており、断面円形の固定砥粒ワイヤ20の断面の一部が係止溝13の内部に入って係止される。係止溝13の円弧の中心角は180度より小さい。図2の(b)の部分拡大図に示すように、係止溝13の深さ寸法L1は、固定砥粒ワイヤ20の直径L2の1/3〜1/2であるのが好ましい。
固定砥粒ワイヤ20は、ワイヤーソーなどに用いられるものであって、ピアノ線などからなる芯線21に、ダイヤモンド砥粒などからなる硬質砥粒22を固定したものである。硬質砥粒22は、レジンボンドやニッケルメッキなどの化学的手法にて芯線21の表面に固定されている。芯線21と砥粒22の固定方法は、切削されるワークWに応じて適宜決定される。
図1に示すように、固定砥粒ワイヤ20は、滑車10の係止溝13(図2参照)のうち工具先端側の下半円部分に巻き掛けられている。滑車10は、穿孔加工時には回転しており、固定砥粒ワイヤ20は順次送られながら係止溝13に巻き掛けられている。固定砥粒ワイヤ20は、断面の一部が係止溝13に収容されて、断面の残部は係止溝13から突出している。この突出した固定砥粒ワイヤ20の残部が、穿孔加工を行うための刃を構成する。固定砥粒ワイヤ20の両端部はワイヤ送り手段30に繋がっている。
ワイヤ送り手段30は、ベース材31と第一ボビン32と第二ボビン33と複数のガイドローラ34とを備えている。ベース材31は、第一ボビン32と第二ボビン33とガイドローラ34を一体的に支持する部材である。ベース材31の重心部分には上方に延在する工具軸12が設けられている。この工具軸12を介して、ワイヤ送り手段30が旋回される。
第一ボビン32および第二ボビン33にはそれぞれモータなどの駆動装置(図示せず)が接続されており、第一ボビン32および第二ボビン33はそれぞれ回転駆動可能に構成されている。駆動装置もベース材31に一体的に支持されている。第一ボビン32の胴部には、固定砥粒ワイヤ20の一端部が接続され、第二ボビン33の胴部には、固定砥粒ワイヤ20の他端部が接続されている。
穿孔加工時には、第一ボビン32および第二ボビン33のいずれか一方(たとえば第一ボビン32)が送出し用ボビンとなり、他方(たとえば第二ボビン33)が巻取り用ボビンとなる。このとき、送出し用ボビンである第一ボビン32には固定砥粒ワイヤ20が巻き掛けられており、その固定砥粒ワイヤ20の先端部が巻取り用ボビンである第二ボビン33の胴部に接続されている。そして、第二ボビン33を回転駆動させて順次固定砥粒ワイヤ20を巻き取っていく。
穿孔加工が進み、第一ボビン32から固定砥粒ワイヤ20の全てが送り出されたら、巻取り用ボビンと送出し用ボビンとを逆にする。つまり、他方のボビン(第二ボビン33)が送出し用ボビンとなり、一方のボビン(第一ボビン32)が巻取り用ボビンとなる。第一ボビン32を逆方向に回転駆動させて順次固定砥粒ワイヤ20を巻き戻していく。巻取り用ボビンと送出し用ボビンとの逆転を何度か繰り返し、固定砥粒ワイヤ20が摩耗したならば、摩耗した固定砥粒ワイヤ20のボビンを、新たな固定砥粒ワイヤ20を巻き付けたボビンに交換する。
ガイドローラ34は、第一ガイドローラ34aと第二ガイドローラ34bとを備えてなる。第一ガイドローラ34aと第二ガイドローラ34bは、第一ボビン32の側方と第二ボビン33の側方のそれぞれに設けられている。
第一ガイドローラ34aは、ボビンからの固定砥粒ワイヤ20を上方に折り返す。第一ガイドローラ34aは、ボビン上の固定砥粒ワイヤ20の送出し高さ(または巻取り高さ)に応じて上下方向に移動するトラバーサローラにて構成されている。
第二ガイドローラ34bは、第一ガイドローラ34aからの固定砥粒ワイヤ20を下方に折り返す。一方の第二ガイドローラ34bは、滑車10の外周面両側端のうち一側端の上方に配置されて、他方の第二ガイドローラ34bは、滑車10の外周面両側端のうち他側端の上方に配置されている。これによって、第二ガイドローラ34bと滑車10間の固定砥粒ワイヤ20が、略垂直に延在するようになっている。第二ガイドローラ34bは、滑車10に対して近接離反可能に支持されたダンサーローラにてなり、上下方向に移動することによって、滑車10に送られる固定砥粒ワイヤ20の張力を一定に保持する役目を果たす。
前記の第一ガイドローラ34aおよび第二ガイドローラ34bにおける固定砥粒ワイヤ20の動きは、送出し用ボビン側に設けられたガイドローラ34のものであって、巻取り用ボビンに側に設けられたガイドローラ34では、固定砥粒ワイヤ20は反対方向に移動する。
ベース材31の下部には支持アーム14,14が設けられているので、滑車10が回転軸11を介してワイヤ送り手段30と一体的に連結されている。つまり、滑車10と固定砥粒ワイヤ20とワイヤ送り手段30とで、旋回ユニット3が形成されている。旋回ユニット3には、図示しない旋回手段が接続されており、旋回ユニット3は、一体として旋回される。
以上のような構成の穿孔加工用工具1で穿孔加工を行う際には、図3に示すように、固定砥粒ワイヤ20を送って滑車10を回転させながら、滑車10を垂直な縦軸である工具軸12の軸心回りに旋回させつつ、穿孔加工用工具1を下降させていく。これによって、係止溝13から突出した固定砥粒ワイヤ20の断面の残部が刃となりワークWを削る。このとき滑車10が旋回しているので、刃の先端が半球形状になる。これによって、先端が半球形状の孔を形成することができる。そして、固定砥粒ワイヤ20は常にワイヤ送り手段30によって送られているので、加工中に新たな刃(固定砥粒ワイヤ20)が順次供給されることとなる。よって、切削性を向上できるとともに、孔の内径寸法精度を大幅に高めることができ、加工精度が非常に高くなる。
さらに、加工によって発生した熱は、移動する固定砥粒ワイヤ20とともにワークWから離れて行くので、ワーク加工部に溜まりにくい。
また、穿孔加工用工具1の先端部(滑車10の下端部)においても、固定砥粒ワイヤ20が送られているので、従来のドリルでは不可能であった先端中心部における刃の高速移動が行われることとなり、先端部における切削性を向上して加工効率の低下を防止できる。
さらに、ワークWを削る刃は、滑車10に送り出される固定砥粒ワイヤ20にて構成されているので、従来の工具のように硬質な刃の特殊加工を行う必要がない。また、従来のように工具交換の必要はなく、固定砥粒ワイヤを何度か再利用した後に、固定砥粒ワイヤ20を巻き掛けたボビンを付け替えるだけでよいのでランニングコストの低減も図れる。
また、滑車10と固定砥粒ワイヤ20とワイヤ送り手段30とで、旋回ユニット3が形成されており、旋回ユニット3は旋回手段によって一体として旋回するので、滑車10および固定砥粒ワイヤ20の連続旋回が可能になる。したがって、滑車10の高速旋回も可能となり効率的な穿孔加工を行える。
次に、本発明の第二実施形態に係る穿孔加工用工具について説明する。第一実施形態の穿孔加工用工具1では、滑車10と固定砥粒ワイヤ20とワイヤ送り手段30とで旋回ユニット3を形成し、この旋回ユニット3が一体として旋回するようになっていたのに対して、第二実施形態の穿孔加工用工具1aでは、ワイヤ送り手段50は旋回しない構造となっている。本実施形態では、図4に示したX軸、Y軸、Z軸を基準として各部材の位置関係を説明する。
図4に示すように、かかる穿孔加工用工具1aは、滑車10の上方に垂直方向(Z軸方向)に延在する工具軸12aが設けられている。工具軸12aには、工具軸12aの下端部からX軸方向にオフセットして垂下方向に延在する一対の支持アーム14a,14aが連結されている。
一対の支持アーム14a,14aは、工具軸12aの延長線部分を中心として両側に配置されており、工具軸12aを挟むように設けられている。支持アーム14a,14aは、工具軸12aに平行に配置されており、平面視で滑車10の旋回軌跡内に納まるようになっている。支持アーム14a,14aは、穿孔する孔の深さ寸法程度の長さに形成されている。支持アーム14a,14aの上端部には、工具軸12aの側面に延びる張出し部15,15がそれぞれ設けられており、支持アーム14a,14aは、張出し部15,15を介して工具軸12aの下端部に固定されている。支持アーム14a,14aの下端部には、滑車10の回転軸11が架け渡されて軸支されている。回転軸11は、X軸方向に延在している。
滑車10の外周面両側端の上方には、ワイヤ送り手段50から延在する固定砥粒ワイヤ20を下方の滑車10に向けて折り返す上方ガイドローラ16,16が一対設けられている。上方ガイドローラ16,16の回転軸(図示せず)は水平方向に延在している。
図4の(a)中、手前側に位置する一方の上方ガイドローラ16は、一方(図4の(a)の左側)の支持アーム14aから分岐する分岐アーム17に支持されている。図4の(a)中、奥側に位置する他方の上方ガイドローラ16は、他方(図4の(a)の右側)の支持アーム14aから分岐する分岐アーム17に支持されている。上方ガイドローラ16は、分岐アーム17の上端部において、回転軸が旋回可能に支持されている。
本実施形態では、滑車10および上方ガイドローラ16,16は、これらを支持する支持アーム14a,14a、分岐アーム17,17および滑車10に巻き掛けられた固定砥粒ワイヤ20の一部分とともに旋回する。なお、旋回角度については後記する。
ワイヤ送り手段50は、第一ボビン51と第二ボビン52と複数のガイドローラ53とを備えている。第一ボビン51と第二ボビン52は、第一実施形態のボビンと同等の構成であって、それぞれ回転駆動可能に構成されている。
ガイドローラ53は、第一ガイドローラ53a、第二ガイドローラ53b、第三ガイドローラ53cおよび第四ガイドローラ53dとを備えてなる。
第一ガイドローラ53aは、ボビンから延在する固定砥粒ワイヤ20を上方に折り返す。第一ガイドローラ53aは、ボビン上の固定砥粒ワイヤ20の送出し部(ボビンから固定砥粒ワイヤが離れる部分)の高さ(または巻取り部(ボビンに固定砥粒ワイヤが巻かれる部分)の高さ)に応じて上下方向に移動するトラバーサローラにて構成されている。
第二ガイドローラ53bは、第一ガイドローラ53aからの固定砥粒ワイヤ20を滑車10から離れる方向に折り返す。第三ガイドローラ53cは、第四ガイドローラ53dに対して近接離反可能に支持されたダンサーローラにてなり、第二ガイドローラ53bからの固定砥粒ワイヤ20を滑車10に向かう方向に折り返す。第三ガイドローラ53cは、滑車10に送られる固定砥粒ワイヤ20の張力を一定に保持する役目を果たす。
第四ガイドローラ53dは、回転軸が垂直方向に延在しており、第三ガイドローラ53cからの固定砥粒ワイヤ20を上方ガイドローラ16に向かう水平方向に折り返す。第四ガイドローラ53dは、ガイドローラ53のうちで、上方ガイドローラ16に最も近い位置に配置されており、上方ガイドローラ16と同じ高さに位置している。
第四ガイドローラ53dは位置が一定になっており、上方ガイドローラ16は工具軸12aの軸心を中心にして旋回するので、第四ガイドローラ53dと上方ガイドローラ16間の距離は変化するが、第三ガイドローラ53cが移動することによって、固定砥粒ワイヤ20の張力は一定に保たれているので、固定砥粒ワイヤ20が撓むことはない。
前記のガイドローラ53は、第一ボビン51の側方と第二ボビン52の側方のそれぞれに設けられている。第一ボビン51と第二ボビン52とは、平面視で工具軸12aの軸心を中心とした点対象の位置関係となっている。また、第一ボビン51の側方に位置する各ガイドローラ53a〜53dと、第二ボビン52の側方に位置する各ガイドローラ53a〜53dとは、それぞれ対応するガイドローラ同士が平面視で工具軸12aの軸心を中心とした点対象の位置関係となっている。
前述した第一ガイドローラ53a乃至第四ガイドローラ53dにおける固定砥粒ワイヤ20の動きは、送出し用ボビン側に設けられたガイドローラ53のものであって、巻取り用ボビンに側に設けられたガイドローラ53では、各ガイドローラ53a〜53dにおける固定砥粒ワイヤ20の動き(向き)は反対方向となる。
次に、以上のような構成の穿孔加工用工具1aにおける滑車10の旋回状態を説明する。図5および図6は、図4の(b)の状態から滑車10が平面視で右回りに旋回した状態を示した図である。以下に示す旋回角度は、図4の(b)の状態を基準(0度)としている。
図5の(a)は滑車10が右回りに45度旋回した状態、(b)は右回りに90度旋回した状態を示している。このように、図4の(b)の状態から右回りに旋回すると、第四ガイドローラ53dと上方ガイドローラ16との距離が徐々に短くなるので、ダンサーローラである第三ガイドローラ53cが第四ガイドローラ53dから離れる方向に移動する。これによって上方ガイドローラ16と第三ガイドローラ53cとの距離は略一定になるので、固定砥粒ワイヤ20の張力が一定に保たれる。したがって、固定砥粒ワイヤ20が撓むことはない。
図5の(c)は滑車10が右回りに180度旋回した状態、図6の(a)は右回りに270度旋回した状態を示している。ここでは、第四ガイドローラ53dと上方ガイドローラ16との距離が徐々に長くなるので、ダンサーローラである第三ガイドローラ53cが第四ガイドローラ53dに近付く方向に移動する。ここでも、上方ガイドローラ16と第三ガイドローラ53cとの距離は略一定になるので、固定砥粒ワイヤ20の張力が一定に保たれ、固定砥粒ワイヤ20が撓むことはない。
図6の(b)は滑車10が右回りの旋回の限界位置にある状態を示している。図示した旋回の限界位置よりさらに右回りに旋回すると、第四ガイドローラ53dと上方ガイドローラ16間の固定砥粒ワイヤ20が工具軸12aに干渉するため、これ以上旋回することができなくなる。この状態になったなら、旋回手段(図示せず)は、旋回モータの回転を反転させ、左回りの旋回に切り替える。
左回りの旋回では、図5、図6の状態を逆回転して戻り、図4の(b)の状態を経て、図7の状態まで旋回する。図7は滑車10が左回りの旋回の限界位置にある状態を示している。図示した旋回の限界位置よりさらに左回りに旋回すると、第四ガイドローラ53dと上方ガイドローラ16間の固定砥粒ワイヤ20が工具軸12aに干渉するため、これ以上旋回することができなくなる。この状態になったなら、旋回手段(図示せず)は、旋回モータの回転を反転させ、右回りの旋回に切り替える。
以上のように、穿孔加工用工具1aでは、滑車10は360度弱の範囲で旋回を行うことができるので、旋回手段によって、360度弱のピッチで旋回方向の反転を繰り返し行うことで穿孔加工を行う。滑車10の旋回方向の切り替えは、旋回手段のNC装置(数値制御装置)で旋回モータの正逆回転を制御することで行う。
本実施形態の穿孔加工用工具1aによれば、第一実施形態の穿孔加工用工具1と同様の作用効果を得られる他に、旋回部分の部品点数が少なく軽量化が図れるので、旋回モータの小型化を図ることができるという作用効果を得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能であるのは勿論である。例えば、前記実施形態で示したワイヤ送り手段30,50の形状は一例であって、ボビンやガイドローラの位置や個数は適宜変更可能である。
1 穿孔加工用工具
1a 穿孔加工用工具
3 旋回ユニット
10 滑車
11 回転軸
12 工具軸
12a 工具軸
20 固定砥粒ワイヤ
30 ワイヤ送り手段
32 第一ボビン
33 第二ボビン
34 ガイドローラ
50 ワイヤ送り手段
51 第一ボビン
52 第二ボビン
53 ガイドローラ

Claims (2)

  1. 工具軸の軸心回りに旋回して穿孔加工を行う切削工具であって、
    工具先端部で前記工具軸に直交する回転軸の軸心回りに回転可能に設けられた滑車と、前記滑車に巻き掛けられる固定砥粒ワイヤと、前記固定砥粒ワイヤを前記滑車に送り出すワイヤ送り手段と、前記滑車を前記工具軸の軸心回りに旋回させる旋回手段とを備えた
    ことを特徴とする穿孔加工用工具。
  2. 前記滑車と前記固定砥粒ワイヤと前記ワイヤ送り手段とで、旋回ユニットが形成されており、
    前記旋回ユニットは前記旋回手段によって一体として旋回される
    ことを特徴とする請求項1に記載の穿孔加工用工具。
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