以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の通信システムの構成例を示すシステム図である。図1を参照して、本発明の第1の実施形態の通信システムの構成について説明する。
本実施形態の通信システムは、端末装置1、基地局2、管理サーバ3、特定通報先端末4を備える。端末装置1は、基地局2を経由してネットワークに接続される。管理サーバ3は、ネットワークに接続されて、基地局2を経由して、端末装置1から特定通報先端末4へ発信された特定呼のサービスを行う。
ここで、「特定呼」とは、ある特定の電話番号をダイヤルするだけで、電話番号に対応して指定された所定の機関(以降、「特定通報先」という。)などに、通話が接続されるサービスである。特定呼は、前述の緊急呼を含む。
「緊急呼」とは、前述のように、緊急通報用電話番号をダイヤルするだけで、番号に応じて予め決められた特定通報先である「緊急機関」に通話が接続されるサービスである。また、緊急機関以外の特定通報先としては、例えば、修理、保険、セキュリティ、医療機関などの「対応機関」がある。これらの緊急機関および対応機関への接続処理を「特定呼」という。
なお、特定通報先端末4は、端末装置1から発信される特定呼を受け付けるために、特定通報先に備えられる端末である。特定通報先には、特定呼対応要員(以降、「対応要員」という。)が待機して、特定呼を受け付けてもよい。
図2は、基地局2の構成例を示すブロック図である。図2を参照して、基地局2の構成について説明する。
基地局2は、ネットワーク接続手段21、端末接続手段22、接続制御手段23、特定呼検知通報手段24を備える。
ネットワーク接続手段21は、基地局2とネットワークとの接続を管理する。端末接続手段22は、基地局2と端末装置1との接続を管理する。接続制御手段23は、ネットワーク接続手段21、端末接続手段22、特定呼検知通報手段24を制御して、端末装置1とネットワークとの接続を行う。特定呼検知通報手段24は、基地局2がカバーするエリアに位置登録された端末装置1から発信される接続要求の相手先から、端末装置1が特定呼を発信したことを検知する。特定呼検知通報手段24は、特定呼が端末接続手段22、ネットワーク接続手段21とネットワークを経由して特定通報先に接続されたか否かを検知する。そして、特定呼検知通報手段24は、特定呼の接続が検知されない場合に「特定呼アラーム」を作成して、PS回線を使用して管理サーバ3に送信する。
「特定呼アラーム」とは、端末装置1が発信した特定呼に対する接続処理が失敗したことを示すメッセージである。特定呼アラームは、特定呼を発信した端末装置1の識別情報、特定呼の特定通報先電話番号、特定呼が発信された時刻、特定呼を受信した受信局の識別情報などの情報を含む。
なお、特定呼アラームのそれぞれの情報は、管理サーバ3で次のように利用される。端末装置1の識別情報は、管理サーバ3が保持する端末情報から、特定呼を発信した端末装置の端末情報を検索し、取得するために利用される。端末情報には、端末装置のメールアドレスや契約者の情報などが含まれる。特定呼の特定通報先電話番号は、特定呼の通報先の緊急機関あるいは対応機関を特定するために使用される。特定呼が発信された時刻は、例えば、特定呼の対応を行うにあたり特定呼が発信されてから経過した時間を把握するために使用することができる。特定呼を受信した受信局の識別情報は、特定呼を受信した局を特定し、特定された局の局情報の近隣情報から、先に特定された緊急機関あるいは対応機関に対応する特定通報先端末4を検索するために利用される。そして、検索された特定通報先端末4の識別情報やメールアドレス等が取得される。なお、端末情報、局情報、近隣情報については後述する。また、特定呼の検知についても後述する。
図3は、管理サーバ3の構成例を示すブロック図である。図3を参照して、管理サーバ3の構成について説明する。
管理サーバ3は、接続手段31、制御手段32、端末情報記憶手段33、局情報記憶手段34、対応状況確認手段35を備える。
接続手段31は、管理サーバ3とネットワークとの接続を管理する。端末情報記憶手段33は、端末装置の端末情報を、端末装置の識別情報に対応付けて記憶する。したがって、上記のように、端末装置1の識別情報を用いて、端末情報記憶手段33が記憶する端末情報から、端末装置1の端末情報を特定することができる。「端末情報」は、具体的には、端末装置1のメールアドレス、端末装置1の契約者の登録情報や契約情報などを含む。
局情報記憶手段34は、管理サーバ3が管理する基地局2の局情報を、基地局の識別情報に対応付けて記憶する。したがって、基地局2の識別情報を用いて、局情報記憶手段34が記憶する局情報から、基地局2の局情報を特定することができる。「局情報」とは、具体的には、基地局2の設置位置情報や基地局2の設置位置の近隣地域に関する情報である近隣情報などを含む。「近隣情報」とは、具体的には、基地局2の周辺に所在する警察署および派出所、駐在所、消防署、病院、学校、避難所などの連絡先電話番号、メールアドレス、住所、局からの距離などを含む。
特定呼を発信した端末装置1は、その特定呼を受信した基地局2の近くに所在すると推測される。そのため、端末装置1が発信した特定呼には、その特定呼を受信した基地局2の周辺に所在する緊急機関あるいは対応機関が特定呼に対応することが望ましい。そこで、特定呼で指定された特定通報先に対応する緊急機関あるいは対応機関は、特定呼を受信した基地局2の識別情報に対応付けられた「近隣情報」から取得される。例えば、110番通報の緊急呼であれば、基地局2の近隣の警察署、駐在所の連絡電話番号、住所、メールアドレス、局からの距離などの情報が取得される。
対応状況確認手段35は、特定呼を発信した端末装置、例えば端末装置1が発信した特定呼に対応する特定呼アラームの内容をシステム管理要員(以降、「管理要員」という。)に表示する。そして、対応状況確認手段35は、管理要員から特定呼アラームに対応する入力操作を受け付ける。
制御手段32は、特定呼が特定通報先に接続されない場合に基地局2が送信する特定呼アラームを、接続手段31を経由して受信する。そして、制御手段32は、特定呼アラームの内容に基づいて、特定呼を発信した端末装置1の装置情報を端末情報記憶手段33から取得し、基地局2の局情報を局情報記憶手段34から取得する。このとき、制御手段32は、特定呼アラームに含まれる端末装置1の識別情報に基づいて、端末装置1の端末情報中のメールアドレス、契約者の登録情報等を取得する。端末装置1のメールアドレスは、管理サーバ3が端末装置1にメールを送信するときに使用される。契約者の登録情報は、端末装置1の契約者名と連絡先が含まれる。契約者の登録情報は、端末装置1の契約者名と連絡先から端末装置1の利用者を特定するために使用される。また、制御手段32は、特定呼アラームに含まれる基地局2の識別情報に基づいて、基地局2の局情報中の設置位置情報を取得する。基地局2の設置位置情報は、端末装置1の位置情報として使用される。
さらに、制御手段32は、特定呼アラームに含まれる特定通報先電話番号を使用して、基地局2の局情報中の近隣情報からその特定通報先電話番号に対応する緊急機関あるいは対応機関の特定通報先端末4の電話番号、メールアドレス、住所等を取得する。例えば、110番通報であれば、制御手段32は、基地局2の近隣情報から警察署、駐在所の特定通報先端末4の電話番号、メールアドレス、住所を取得する。メールアドレスは、これから作成する「特定呼通知メール」の送信先に用いられる。また、電話番号、メールアドレス、住所は、利用者に特定通報先の情報として提供される。
そして、制御手段32は、特定呼アラームの内容と取得した結果を含む「特定呼通知メール」を作成する。「特定呼通知メール」には、特定呼を発信した端末装置1の識別情報とメールアドレス、特定呼の特定通報先電話番号、特定呼が発信された時刻、特定呼を受信した基地局2の識別情報と設置位置情報、基地局2の周辺に所在する特定通報先に対応する特定通報先端末4の電話番号、メールアドレスおよび住所が含まれる。さらに、「特定呼通知メール」には、端末装置1の利用者に追加情報の要求などの入力操作を促すメッセージと、追加情報の要求を受け付ける特定呼受付メールアドレスが含まれる。利用者が要求する追加情報、および追加情報の要求があったときの管理サーバ3の応答については後述する。
そして、制御手段32は、特定呼が特定通報先へ通知されなかったときの通信サービスとして、特定呼通知メールを特定通報先端末4に送信する。特定通報先端末4は、特定呼通知メールの内容を表示する。対応者は、特定通報先端末4に表示された特定通知メールの内容を確認し、必要な対応を行うことができる。また、制御手段32は、端末装置1のメールアドレスにも特定呼通知メールを送信する。なお、特定呼通知メールの送信にはPS回線が使用される。
図4、5は、本発明の第1の実施形態の通信サービスシステムの動作例を示すシーケンス図である。図1−4を参照して、第1の実施形態の通信サービスシステムの動作について説明する。
端末装置1は、基地局2を経由してネットワークに接続されている。端末装置1の利用者(以降、「利用者」という。)は、緊急時に端末装置1に特定通報先電話番号、例えば119番を入力する。端末装置1は、特定呼としての緊急呼を発信する(S201)。このとき、端末装置1は、接続要求通知を基地局2に送信し、相手先への接続を要求する。
ただし、上述のように、ネットワークの状況や相手端末の状況によっては、特定呼の回線を確立できない場合がある。本実施形態では、端末装置1が発信した特定呼の回線が確立できない場合に、通信サービスシステムにより提供される通信サービスについて説明する。
基地局2(図2参照)は、特定呼の接続要求通知を端末装置1から受信して、接続要求通知が特定呼であることを検知し、特定通報先端末5の状況を含むネットワーク状態を確認する。基地局2の特定呼検知通報手段24は、端末装置1からの接続要求通知に含まれる接続相手先が特定通報先であることから、端末装置1が特定呼を発信したことを検知する。上記のように、特定呼の回線は確立できないので、基地局2は特定呼の接続要求を拒否する(S202)。このとき、基地局2は、接続拒否通知を端末装置1に送信する。
特定呼を発信した端末装置1は接続拒否通知を受信し、特定呼が特定通報先に接続されなかったことを検知する(S203)。このとき、特定呼検知通報手段24は、特定呼が特定通報先に接続されなかったことを接続制御手段23に通知する。
具体的には、特定呼検知通報手段24は、端末装置1から発信された特定呼の接続処理が失敗したことを示す「特定呼アラーム」を作成して、接続制御手段23に通知する。接続制御手段23は、特定呼検知通報手段24から通知された「特定呼アラーム」を、PS回線を使用して管理サーバ3に送信する(S204)。
前述したように、「特定呼アラーム」とは、端末装置1が発信した特定呼に対する接続処理が失敗したことを示すメッセージである。特定呼アラームは、特定呼を発信した端末装置1の識別情報、特定呼の特定通報先電話番号、特定呼が発信された時刻、特定呼を受信した受信局の識別情報などの情報を含む。ここでは、基地局2が特定呼を受信した受信局なので、基地局2の識別情報が特定呼アラームに含まれる。
管理サーバ3(図3参照)は、特定呼アラームを受信すると、その特定呼アラームの内容を管理要員に表示し、特定呼通知メールを作成してPS回線を使用して特定通報先端末4と端末装置1に送信する(S205)。管理サーバ3は、特定呼アラームを受信したことを、例えば対応状況確認手段35が備える画面に表示する。
具体的には、管理サーバ3の制御手段32は、接続手段31を経由して、基地局2から特定呼アラームを受信する。制御手段32は、特定呼アラームに含まれる特定呼を発信した端末装置1の識別情報に基づいて、端末装置1のメールアドレス、契約者の登録情報等を端末情報記憶手段33から取得する。端末装置1の契約者の登録情報には、契約者名と連絡先が含まれる。端末装置1の契約者の登録情報は、契約者名と連絡先から利用者を特定するために使用される。さらに、制御手段32は、特定呼アラームに含まれる特定呼を受信した受信局2の識別情報に基づいて、基地局2の設置位置情報を局情報記憶手段34から取得する。基地局2の設置位置情報は、端末装置1の位置情報として使用される。端末装置1の位置情報として不十分であれば、管理サーバ3は、端末装置1に位置情報の測定を行わせてもよい。
そして、制御手段32は、特定呼の特定通報先に基づいて、基地局2の局情報から、基地局2の周辺にある特定通報先の関連機関の情報を取得する。例えば、特定呼が119番の緊急呼であれば、制御手段32は、基地局2の局情報中の近隣情報から、基地局2の周辺にある消防署の住所、電話番号、メールアドレス、URL(Uniform Resource Locator)情報等を取得する。すなわち、端末装置1からの119番の緊急呼に対応して、基地局2の周辺にある消防署の特定通報先端末4の連絡先(メールアドレス)が取得される。
そして、制御手段32は、特定呼アラームの内容と検索結果を含む特定呼通知メールを作成して、特定通報先端末4に送信する。なお、特定呼通知メールには、端末装置1の利用者に追加情報の要求などの入力操作を促すメッセージと、追加情報の要求を受け付ける特定呼受付メールアドレスが含まれる。
また、特定呼通知メールは、端末装置1の端末情報に含まれるメールアドレスにも送信される。利用者が要求する追加情報、および追加情報の要求があったときの管理サーバの応答については後述する。
特定呼通知メールは、管理サーバ3から特定通報先端末4に送信される。特定通報先端末4が備える画面には、特定呼アラームの内容を含む特定呼通知メールの内容が表示される(S206)。対応要員は、特定通報先端末4の画面に表示された特定呼通知メールの内容を確認して、必要な対応を行う。
また、端末装置1は、管理サーバ3から特定呼通知メールを受信して、その内容を端末装置1が備える画面に表示する(S207)。利用者は、表示された特定呼通知メールの内容を確認する。
このように、基地局2は、特定呼を発信した端末装置1が特定通報先との接続を失敗したことを検知して、管理サーバ3に特定呼アラームを通知する。管理サーバ3は、通知に基づいて端末装置1のメールアドレスと契約者の登録情報、基地局2の設置位置情報、特定通報先に対応する対応機関の特定通報先端末4の電話番号、メールアドレス、住所などの情報を取得して、特定呼に対応する通信サービスとして特定呼通知メールを作成する。特定呼アラームおよび特定呼通知メールは、端末装置1から特定呼の発信があったことを示す「特定呼発信通知」として、基地局2から管理サーバ3へ、管理サーバ3から特定通報先端末4と端末装置1へと、PS回線を用いて通知される。
そして、特定通報先端末4の対応要員は、特定呼通知メールの内容を確認して、必要な対応を行うことができる。また、特定呼通知メールが端末装置1にも送信されるので、対応要員は管理要員だけでなく利用者とも情報を共有し、必要な対応を行うことができる。
なお、特定呼通知メールは、特定呼発信通知の一例である。特定呼発信通知は、PS回線を用いた、特定通報先端末4が内容を認識することができる通知であればよく、メールの形態ではない所定の信号、パケット等であってもよい。
さらに、図5を参照して、本発明の第1の実施形態の通信サービスシステムの動作について説明する。図5は、図4に続いて、特定呼通知メールを受信した利用者から、追加事項の要求を連絡する要求メールを受信したときの動作例について示したシーケンス図である。
利用者は、特定呼通知メールの内容を確認して、追加情報の要求などを含む要求メールを作成する。端末装置1は、利用者が作成した要求メールを特定呼受付メールアドレスに送信する(S301)。
管理サーバ3は、要求メールを受信して、要求メールの内容を対応状況確認手段35に表示する。このとき、管理サーバ3は、要求メールを受信して対応を開始する旨の要求受信メールを作成して、端末装置1に送信する。そして、管理サーバ3は、要求メールと要求受信メールを、特定通報先端末4にも送信する(S302)。
特定通報先端末4が備える画面には、要求メールと要求受信メールの内容が表示される(S303)。
端末装置1は要求受信メールを端末装置1に表示し(S304)、利用者は要求への対応が開始されたことを把握する。
管理要員は、対応状況確認手段35に表示された利用者からの要求メールに基づいて、所定の対応を行う。具体的には、利用者が要求メールで追加情報を要求していれば、管理要員は、対応状況確認手段35に入力操作を行って、追加情報要求に基づいて情報を取得して、取得した情報を含む要求応答メールを作成する。また、利用者が特定呼の発信を要求していれば、管理要員は、特定呼の発信要求に基づいて、特定通報先機関に緊急通報を代行する。そして、管理要員は、緊急通報を代行したことを伝える要求応答メールを作成する。このように、管理要員は、利用者の要求内容に対応した処理を行い、その対応状況を含む要求応答メールを作成する。
管理サーバ3は、作成された要求応答メールを端末装置1、特定通報先端末4に送信する(S305)。
特定通報先端末4が備える画面には、要求応答メールの内容が表示される(S306)。
端末装置1は要求応答メールの内容を表示する(S307)。利用者は、要求への対応状況を把握する。
このように、管理サーバ3は、利用者からの要求メールに基づいて要求に対応する。管理サーバ3は、要求メールを受信したときに、要求受信メールを端末装置1に送信する。また、管理要員は、要求メールへの対応状況に基づいて、管理サーバ3から要求応答メールを端末装置1に送信する。要求メール、要求受信メールおよび要求応答メールは、PS回線を用いて送信される。
利用者は、要求メールへの応答として要求受信メールおよび要求応答メールを受信し、端末装置1にそれらの内容が表示されることで管理要員の対応状況を把握する。そして、利用者は、管理要員の対応状況を把握して、適宜要求メールを送信することで、緊急事態に対応することができる。また、要求応答メールが特定通報先端末4にも送信されるので、利用者は管理要員だけでなく対応要員とも情報を共有し、必要な対応を行うことができる。
したがって、本実施形態は、発信元が所望する通知先への通知を行うことができないときに、発信元に代わって所定の通信サービスを提供することができる。
なお、図4、5に示した対応システムのシーケンスは、本発明に関わる通信サービスの動作の実施形態として例示したものであって、本発明の動作はこのシーケンスで示されたものに限定されない。
例えば、図4で示した、端末装置1への特定呼通知メールの送信(S205)、および端末装置1における表示(S207)は必須ではない。また、図5で示した、端末装置1への要求受信メール、要求応答メールの送信(S302、S305)、および端末装置1におけるそれぞれのメールの内容の表示(S304、S307)も必須ではない。
図6は、本発明の第1の実施形態の通信サービスシステムの最小の構成のシステム図である。図7は、本発明の第1の実施形態の管理サーバの最小の構成を示すブロック図である。図6、7を参照して、本実施形態の通信サービスシステムと管理サーバ5の構成について説明する。
管理サーバ5は、検知手段51、通報手段52を備える。
図3の管理サーバ3の説明では、基地局2の特定呼検知通報手段24が特定呼を検知し、その特定呼の接続失敗を検知したことを特定呼アラームによって管理サーバに通知するものとした。
これに対して、本実施形態の管理サーバ5は、検知手段51、通報手段52を備える。検知手段51は、端末装置1から特定呼が発信されたことと、さらにその特定呼の接続が失敗したことを検知する。検知手段51は、端末装置1から発信された呼の発信先が特定通報先であることから、端末装置1から特定呼が発信されたことを検知する。そして、検知手段51は、端末装置1と特定通報先端末4との間の回線を監視し、回線からの所定の信号に基づいて特定呼の接続が失敗したことを検知する。
例えば、検知手段51は、特定呼を発信した端末装置1へのネットワークからの通知、例えば接続拒否通知を検出することによって、特定呼の接続が失敗したことを検知することができる。あるいは、検知手段51は、特定呼を発信した端末装置1へのネットワークからの応答、例えば特定通報先端末を呼び出す呼び出し音が所定の時間以内に検出されないことなどから、特定呼の接続が失敗したことを検知することができる。
通報手段52は、検知手段51が特定呼の接続失敗を検知したとき、特定呼発信通知を作成する。特定呼発信通知には、特定呼を発信した端末装置1の識別情報、特定呼の特定通報先電話番号が含まれる。特定呼発信通知は、端末装置1が特定呼の発信があったことを示す通知である。そして、通報手段52は、作成した特定呼発信通知を特定通報先端末4に送信する。
管理サーバ5の通報手段52からの特定呼発信通知により、特定通報先は、端末装置1からの直接の通報がなくても、端末装置1が特定呼を発信したことを認識することができる。例えば、特定通報先で待機する対応要員は、特定通報先端末4に表示された特定呼発信通知の内容に基づいて、端末装置1の識別情報から端末装置1の端末情報を取得し、何らかの対応を行うことができる。具体的には、対応要員は、取得した端末装置1の端末情報中に含まれるメールアドレスに、メールを作成して送信するなどの対応ができる。
図8は、本発明の第1の実施形態の最小の構成の管理サーバに対応する通信サービスシステムの動作例を示すシーケンス図である。図8を参照して、管理サーバ5の動作について説明する。
図8のシーケンスは、図4で説明したシーケンスに対して、ステップS202、S204、S205がそれぞれS202a、S204a、S205aに変更され、ステップS203、S206、S207を備えていない点が異なる。
端末装置1は、特定通報先を指定した特定呼を発信する(S201)。
管理サーバ5の検知手段51は、端末装置1が特定呼を発信したこと、および発信された特定呼が特定通報先に接続されなかったことを検知する(S202a)。
通報手段52は、検知手段51からの、特定呼の接続失敗の検知の通知に基づいて、特定呼発信通知を作成する(S204a)。そして、通報手段52は、作成された特定呼発信通知を特定通報先端末4に送信する(S205a)。
特定通報先端末4は、特定呼発信通知を受信し、必要に応じてその内容の表示等を行う。
このように、端末装置1が発信した特定呼が特定通報先に接続されなかったことを検知した管理サーバ5から特定呼通報端末4へ特定呼発信通知が送信される。
なお、端末装置1は、単独で、特定呼の接続処理が失敗したことを検知することができる。端末装置1は、接続処理が失敗したことを、所定時間内のネットワークからの応答、例えば呼び出し音が返ってこないことなどから知ることができる。あるいは、図4の場合のように、端末装置1は、外部からの通知、例えば基地局2からの接続拒否通知によって、接続処理の失敗を知ることもできる。
以上、本実施形態の管理サーバは、端末装置が発信した特定呼が特定通報先に接続されなかったことを検知する。このとき、管理サーバは、端末装置に代わって、特定通報先へ所定の通知を行うという通信サービスを提供することができる。
なお、端末装置、基地局、特定通報先端末はそれぞれ1台として説明したが、実施形態として例示したものであって、それぞれの端末の台数および局数は複数でもよい。
また、管理サーバは1台として説明したが、管理サーバの台数は複数でもよい。例えば、複数の管理サーバがそれぞれの担当地域を分担してもよい。
また、本実施形態では、管理サーバは、特定通報先端末に特定呼アラームを含む特定呼通知メールを送信すると説明したが、その転送先は特定通報先端末以外の端末でもよい。管理サーバが、端末情報の中から連絡先端末として登録されたメールアドレスを取得できる端末であれば、特定呼通知メールの送信は可能である。例えば、利用者の家族の端末のメールアドレスが連絡先端末として契約者または利用者が端末情報に登録していれば、管理サーバは、特定呼通知メールをその端末にも送信することができる。
また、連絡先端末には、保守端末が含まれてもよい。保守端末とは、通信システムの状態を監視して保守対応する保守要員が待機する場所に設置される。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態の管理サーバの構成例を示すブロック図である。図9を参照して、本実施形態の管理サーバ6の構成について説明する。
管理サーバ6は、Web連携手段36を追加している点を除き、図3で説明した管理サーバ3と同一の構成を備える。したがって、同一の構成については、同一の名称と同一の番号を付記して説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
Web連携手段36は、特定呼受付ホームページ(以降、「特定呼受付Web」という。)を提供して、特定呼を発信した端末装置1に情報提供を行う。特定呼受付Webは、特定呼アラームに対応する通信サービスに関する情報を提供し、閲覧者からの情報の入力操作を受け付けるホームページである。Web連携手段36は、特定呼受付Webを提供することによって、Webの機能を活用して、利用者と管理要員と対応要員に情報を表示し、三者からそれぞれ情報入力を受け付ける。Web連携手段36によって、三者間の情報共有が図られ、緊急事態への対応作業が促進される。
管理サーバ6は、特定呼アラームを受信して、特定呼通知メールを作成する際に、Web連携手段36が備える特定呼受付WebにアクセスするためのURL情報を特定呼通知メールに含めるところが、管理サーバ3と相違する。
図10は、本発明の第2の実施形態の通信サービスシステムの動作例を示すシーケンス図である。図10を参照して、本実施形態の通信サービスシステムの動作を説明する。
ここで、図4にて説明したステップS201からS207までは同じであり、ステップS207に続くシーケンスとして、図10を説明する。ただし、特定呼通知メールには、特定呼受付WebにアクセスするためのURL情報が含まれているものとする。
利用者は、特定呼通知メールで提供されたURL情報に基づいて、特定呼受付Webにアクセスする。そして、利用者は、特定呼受付Webに記載されている内容に基づいて、追加情報の要求などを含む要求事項を入力する。端末装置1は、要求事項を特定呼受付Webに送信する(S401)。
管理サーバ6は、Web連携手段36を介して利用者の要求事項を取得して、要求事項の内容を対応状況確認手段35に表示する。このとき、管理サーバ6は、要求事項を取得して対応を開始する旨の要求受信メッセージを作成し、Web連携手段36が備える特定呼受付Webに表示する(S402)。
特定通報先端末4の特定呼受付Webの画面には、要求事項と要求受信メッセージの内容が表示される(S403)。
端末装置1は、要求事項に対する要求受信メッセージの内容を表示する(S404)。利用者は、要求事項への対応が開始されたことを把握する。
管理要員は、対応状況確認手段35に表示された利用者からの要求事項に基づいて、所定の対応を行う。具体的には、利用者が要求事項で、追加情報を要求していれば、管理要員は、対応状況確認手段35に入力操作を行って、追加情報要求に基づいて情報を検索し、検索した情報を含む要求応答メッセージを作成し、特定呼受付Webに表示させる。
また、利用者が特定呼の発信を要求していれば、管理要員は、特定呼の発信要求に基づいて特定通報先機関に緊急通報を代行する。そして、管理要員は、緊急通報を代行したことを伝える要求応答メッセージを作成して特定呼受付Webに表示させる。
このように、管理要員は、利用者の要求内容に対応した処理を行い、その対応状況を含む要求応答メッセージを逐次作成して特定呼受付Webに表示させる。
管理サーバ6は、作成された要求応答メッセージを特定呼受付Webに逐次表示する(S405)。管理サーバ6は、逐次表示することで端末装置1および特定通報先端末4に情報提供し、情報共有を行う。
特定通報先端末4の特定呼受付Webの画面には、利用者の要求事項に対する要求応答メッセージの内容が表示される(S406)。
端末装置1は、要求事項に対する要求応答メッセージの内容を表示する(S407)。利用者は、要求事項への対応状況を把握する。
このように、管理サーバ6は、特定呼受付Webへの利用者からの要求事項に基づいて要求に対応する。管理サーバ6は、特定呼受付Webへの利用者の要求事項を受け付けたときに、要求事項を受け付けたことを示す要求受信メッセージを作成し、特定呼受付Webに表示する。また、管理サーバ6は、要求事項への対応状況を示す要求応答メッセージの内容を特定呼受付Webに表示する。
端末装置1は、対応状況を示す要求応答メッセージを特定呼受付Webに表示する。利用者は、表示された内容に基づいて管理要員の対応状況を把握する。そして、利用者は、管理要員の対応状況を把握して、適宜要求事項を特定呼受付Webに追加することができ、必要な対応を行うことができる。また、利用者は、特定呼受付Webに逐次、表示される対応状況を参照することができる。
したがって、本実施形態は、端末装置1が特定通報先端末4へ通知を行うことができないときに、端末装置1に代わって特定通報先端末4へ通知を行うことができる。さらに、本実施形態では、専用のホームページを用いた通信サービスが、端末装置1の利用者に提供される。
なお、図10に示した通信サービスシステムのシーケンスは、本発明に関わる通信サービスの動作の実施形態として例示したものであって、本発明の動作はこのシーケンスで示されたものに限定されない。
例えば、図10で示した要求受信メッセージおよび要求応答状況メッセージの内容の端末装置1における表示(S404、S407)は必須ではない。すなわち、端末装置1は、管理サーバ6から要求受信メッセージおよび要求応答状況メッセージを受信しさえすればよく、受信したメッセージの処理については任意である。このことは、特定通報先端末4についても同様であり、特定通報先端末4は、管理サーバ6から、要求事項、要求受信メッセージおよび要求応答状況メッセージを受信しさえすればよく、受信したメッセージの処理については任意である。
図11は、本発明の第2の実施形態の通信サービスシステムの第2の動作例を示すシーケンス図である。図11のシーケンスは、利用者の要求により音声の録音を行って、録音した音声を特定通報先に送信するときの動作を示す。図11を参照して、本実施形態の通信サービスシステムの動作を説明する。ここで、図4にて説明したステップS201からS207までは同じであり、ステップS207に続くシーケンスとして、図11を説明する。ただし、特定呼通知メールには、特定呼受付WebにアクセスするためのURL情報が含まれているものとする。
利用者は、特定呼通知メールで提供されたURL情報に基づいて、特定呼受付Webにアクセスする。そして、利用者は、特定呼受付Webに記載されている内容に基づいて、音声を録音して送信したいとの要求事項を特定呼受付webに入力する。端末装置1は、要求事項を特定呼受付Webに送信する(S501)。
管理サーバ6は、Web連携手段36を介して利用者の要求事項を取得して、要求事項の内容を対応状況確認手段35に表示する。このとき、管理サーバ6は、要求事項を取得して対応を開始する旨の要求受信メッセージを作成し、Web連携手段36が備える特定呼受付Webに表示する(S502)。
特定通報先端末4の特定呼受付Webの画面には、要求事項と要求受信メッセージの内容が表示される(S503)。
端末装置1は、要求事項に対する要求受信メッセージの内容を表示する(S504)。利用者は、要求事項への対応が開始されたことを把握する。
管理要員は、対応状況確認手段35に表示された利用者からの要求事項に基づいて、所定の対応を行う。具体的には、管理要員は、対応状況確認手段35に入力操作を行って、特定呼受付Webが備える音声録音アプリケーションを起動して、利用者に録音音声の送信先の登録と、音声の録音開始と録音停止を指示する。管理サーバ6は、音声録音アプリケーションを起動する(S505)。
利用者は、特定呼受付Webで音声録音アプリケーションが起動されたことを確認し、特定呼受付Webで指示される音声の録音開始と録音停止に基づいて、端末装置1のマイクに発声する。利用者は、特定呼受付Webの音声録音アプリケーションに録音された音声を再生して確認する。問題があれば、利用者は再録音を行う。問題がなければ、利用者は録音音声の送信先を入力する。端末装置1は、音声録音アプリケーションによって、利用者の発声した音声の録音、再生、再録音を行い、録音音声と入力された送信先を特定呼受付Webに送信する(S506)。
管理サーバ6は、受信した利用者の録音音声をその送信先に送信する(S507)。このとき、送信先がメールアドレスであれば、管理サーバ6は、録音音声を添付したメールを作成して送信先に送信する。送信先が電話番号であれば、管理サーバ6は、送信先に電話をかけ、相手先電話がオフフックされれば、特定呼受付Webからのメッセージであることを示す音声と利用者の録音音声を再生する。
管理サーバ6は、録音音声の送信または再生を完了したとき、処理完了メッセージを作成し、特定呼受付Webに表示する(S508)。
端末装置1は、処理完了メッセージの内容を表示する(S509)。利用者は、録音音声の処理が完了したことを把握する。
このように、管理サーバ6は、特定呼受付Webへの利用者からの要求事項である録音音声の送信に対応することができる。
したがって、本実施形態の動作例は、端末装置1が特定通報先端末4へ通知を行うことができないときに、端末装置1に代わって特定通報先端末4へ通知を行うことができる。さらに本実施形態の動作例では、専用のホームページを用いた通信サービスを提供することができる。そして、本実施形態の動作例は、音声録音アプリケーションを使用して利用者の音声を録音し、録音された音声を利用者から指定された送信先に送信することができる。
なお、本動作例では、音声録音を用いて説明したが、音声録音は本発明に関わる通信サービスの実施形態として例示したものであって、本発明の通信サービスは音声録音に限定されない。例えば、本発明の通信サービスのアプリケーションは、端末装置1の備えるカメラを起動して画像を撮影して、撮影した画像データを管理サーバへ送信するものでもよい。
なお、図11に示した通信サービスシステムのシーケンスは、本発明に関わる通信サービスの動作の実施形態として例示したものであって、本発明の動作はこのシーケンスで示されたものに限定されない。
例えば、図11で示した要求受信メッセージおよび処理完了メッセージの内容の端末装置1における表示(S504、S507)は必須ではない。また、端末装置1への処理完了メッセージを管理サーバ6が作成すること(S508)は必須ではない。
また、図11に示した音声録音アプリケーションの起動と録音音声の送付先の登録の指示と録音の開始と停止の指示を管理要員が行う(S505)と説明したが、音声アプリケーションの起動と録音に関わる指示を行う主体は特に限定されない。例えば、管理サーバ6が音声アプリケーションを起動し、利用者に録音音声の送信先の登録と、音声の録音開始と録音停止を指示してもよい。そして、利用者が録音音声の送付先を登録したとき、音声アプリケーションは自動で停止されてもよい。このように、音声アプリケーションの起動と録音に関わる指示を行う主体は任意である。
図12は、本発明の第2の実施形態の通信サービスシステムの第3の動作例を示すシーケンス図である。図12を参照して、本実施形態の通信サービスシステムの動作を説明する。ここで、図4にて説明したステップS201からS207までは同じであり、ステップS207に続くシーケンスとして、図12を説明する。ただし、特定呼通知メールには、特定呼受付WebにアクセスするURL情報が含まれているものとする。
利用者は、特定呼通知メールで提供されたURL情報に基づいて、特定呼受付Webにアクセスする。端末装置1は、特定呼受付Webの内容を表示する(S601)。
このとき、管理要員は、特定呼アラームに端末装置1の位置情報が含まれていないとき、または基地局2の設置位置情報だけでは位置情報が不十分と判断したときに、対応状況確認手段35に入力操作を行って、特定呼受付Webが備える位置情報計測アプリケーションを起動して、端末装置1の位置の計測を指示する。管理サーバ6は、特定呼受付Webで位置情報計測アプリケーションを起動して、利用者に端末装置1の位置を計測することの承諾を要請する(S602)。
利用者は、特定呼受付Webに位置情報計測アプリケーションによる端末装置1の位置を計測することを承諾するか否かを端末装置1に入力する。端末装置1は、利用者から位置の計測を承諾する入力操作を受け付けて、特定呼受付Webで起動された位置情報計測アプリケーションにより位置の計測を実行して、計測した位置情報を管理サーバ6に送信する(S603)。
利用者が位置の計測を承諾しなければ、端末装置1は、位置情報計測アプリケーションの動作を停止し、位置の計測を行わない。
管理サーバ6は、端末装置1から位置情報を受信する(S604)。管理サーバ6は、位置情報を受信すると、特定呼受付Webに位置情報の受信完了と端末装置1の位置情報を表示する(S605)。このとき、特定呼受付Webには、端末装置1の位置情報に基づいて地図情報がリンクされ、リンクされた端末装置1の位置の周辺の地図が表示されてもよい。管理サーバ6は、位置情報を特定呼受付Webに表示させることで端末装置1および特定通報先端末4に位置情報を提供し、情報共有を行う。
特定通報先端末4の特定呼受付Webの画面には、端末装置1の位置情報が表示される(S606)。
端末装置1は、計測された端末装置1の位置情報を表示する(S607)。利用者は、端末装置1の位置を把握する。このとき、特定呼受付Webで、端末装置1の位置情報に基づいて地図情報がリンクされていれば、利用者は、地図上で、自身の所在位置を確認することができる。
なお、図12に示した通信サービスシステムのシーケンスは、本発明に関わる通信サービスの動作の実施形態として例示したものであって、本発明の動作はこのシーケンスで示されたものに限定されない。
例えば、図12で示した、端末装置1における位置情報の表示(S607)は必須ではない。また、端末装置1における特定呼受付Webの表示(S601)は必須ではない。利用者が特定呼受付Webにアクセスしているか否かに関わらず、管理サーバ6は位置情報計測アプリケーションを起動することができる。
このように、管理サーバ6または管理要員は、特定呼受付Webを介して利用者に所定の要求事項、例えば端末装置1の位置の計測を要求する。管理サーバ6は、利用者が要求事項を承諾したことに基づいて、所定の要求事項を実施して、その実施結果を特定呼受付Webに表示する。また、特定呼受付Webを介して、管理サーバ6は、端末装置1へ情報を提供することができる。
したがって、本実施形態の動作例は、端末装置1が特定通報先端末4へ通知を行うことができないときに、端末装置1に代わって特定通報先端末4へ通知を行うことができる。さらに本実施形態の動作例は、専用のホームページを用いた通信サービスを提供することができる。そして、本動作例は、管理サーバ6側から端末装置1の位置情報を計測し、計測した位置情報を特定通報先端末4へ送信することができる。
なお、本実施形態では、端末装置1の位置の計測を、利用者の承諾を得て行うと説明したが、利用者の承諾を得て行うことは必須ではない。管理サーバが端末装置の位置の計測が必要と判断すれば、利用者の承諾がなくても位置の計測を行ってもよい。
また、本実施形態では、音声録音アプリケーションまたは位置情報計測アプリケーションを起動して、利用者の音声を録音する、または端末装置の位置を計測すると説明したが、端末装置に実行させるアプリケーションは、音声録音および位置計測に限定されない。
すなわち、上述の端末装置に実行させるアプリケーションは、端末装置が備えるセンサやアクチュエータを適宜選択し、または組み合わせて実行するものであり、管理サーバから端末装置へ送信され端末装置によって実行できるものであればよい。
なお、本願発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更、変形して実施することができる。
例えば、本発明の基地局は、特定呼検知通報手段を備えるものとして説明したが、特定呼検知通報手段は、基地局の上位装置が備えてもよいし、管理サーバが備えていてもよい。すなわち、端末装置が発信した特定呼が相手先に接続されなかったことを検知して、特定呼アラームを生成し、管理サーバに通知できるものであればよい。
また、本発明の特定呼アラームは基地局が作成し、管理サーバに通知すると説明したが、特定呼アラームの作成と通知は、基地局の状態を監視する所定の運用管理システムの警報情報に基づいて作成され、運用管理システムの管理回線を用いて管理サーバへ通知されるものでもよい。
例えば、インターネットの通信機器のリモート管理用プロトコルであるTR−069に基づいて、特定呼アラームの作成と通知を基地局が行う。このとき、特定呼検知通報手段は、特定呼の発信を検知し、その特定呼の接続処理が失敗したことを検知して、TR−069のデータモデルであるTR−157 Issue1 Amendment 5で定義された警報情報の即時アラームのフォーマットを用いて特定呼アラームを作成する。そして、特定呼検知通報手段は、作成された特定呼アラームを運用管理システムの管理回線またはPS回線を用いて管理サーバに通知する。
また、特定呼の発信があったことを伝える特定呼発信通知として、上述の各実施形態では、特定呼アラームおよび特定呼通知メールを用いて説明した。メールの形態での特定呼発信通知は一例である。特定呼発信通知は、PS回線を用いた、特定通報先端末4が内容を認識することができる通知であればよく、メールではない所定の信号、パケット等であってもよい。
また、本発明では、基地局は端末装置と無線で通信すると説明したが、端末装置の通信方式は無線に限定されない。本発明に関わる端末装置の通信方式は、一般の各種の無線通信や移動体通信、衛星通信であってもよいし、あるいは有線通信であってもよい。すなわち、本発明に関わる端末装置の通信方式は、端末装置から発信された接続要求が特定呼であり、その特定呼の接続が指定された特定通報先に接続されないことを検知できるものであればよい。
また、本発明に関わる端末装置は、特定呼を発信する機能と管理サーバと通信できる機能を備えた組み込みモジュール、組み込み端末、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、またはパソコン等であってもよい。
なお、上述の各実施形態の局および管理サーバに関わる処理は、本発明の局および管理サーバが備えるコンピュータを用いたソフトウェアによって実行されてもよい。すなわち、特定呼アラームに関わる通信サービスの処理を行うコンピュータプログラムが、局や管理サーバに備えられたCPU(図示なし)によって読み込まれ、実行されることによって、通信サービスの処理の制御が行われてもよい。プログラムを用いて通信サービスの処理の制御を行っても、上述の実施形態の通信サービスの処理と同内容の処理を行うことができる。なお、局の本来の機能である端末装置との通信機能の処理およびコアネットワークとの通信機能の処理、例えば、端末装置から発信された通信を、コアネットワークを経由して相手先に接続する処理は、上記の通信サービスの処理の制御を行うCPUによって行われても、他のCPUによって行われてもよい。
なお、プログラムは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク等、非一時的な媒体に格納されてもよい。