JP6241995B2 - 潜水士情報取得方法および潜水士情報取得システム - Google Patents

潜水士情報取得方法および潜水士情報取得システム Download PDF

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本発明は、潜水士が流速などの情報を取得する潜水士情報取得方法およびシステムに関する。
防波堤や桟橋などの周辺では、潮流や海浜流が複雑に流れており、位置によって大きく流速が変わるため、水中にいる潜水士が強い流れのために流されてしまうことがある。また、潮流は同一地点であっても時刻によって大きく変わるため、徐々に流れが変わっていき、潜水士が流されるケースもある。経験を積んだ潜水士であれば、ある程度の流れの予想は行えるが、経験の少ない潜水士は流れの速い箇所に行き、流れに巻き込まれることがある。また、経験を積んだ潜水士であっても、初めての海域や複雑な構造物周辺では、流れの予想があてはまらないケースが多々ある。このように、流れの強い海域や複雑な流れの海域で潜水士が作業する場合は、流速が大きい場合には、作業を中止するなどして、潜水士の安全を守る必要がある。
水中の流速・流向の測定に関する従来技術として流速・流向計により流速・流向計近辺の流速を測定する方法や、ADCP(多層流向流速計)により水深方向や水平方向において多層に流速・流向を測定する方法がある。
特許文献1は、ダイビングポイントに設置した自立形の緊張係留式ブイを浮体部と係留部から形成し、係留部を係留索とシンカーから形成したダイビングポイント用設備を開示する。特許文献2は、圧力計とトランスポンダとを備えた潜水士携帯装置と、圧力計を用いて測定された深度測定データとトランスポンダを用いて測定された平面位置測定データとに基づき潜水士携帯装置の位置を三次元的に表示する表示部とを備え、潜水士の深度と平面位置を同時に測定して潜水士の位置を三次元的に表示する潜水士位置管理システムを開示する。
特開2000-103386号公報 特開2011-245887号公報
しかし、従来の流速・流向計やADCP(多層流向流速計)による測定方法は、計測機周辺の流速しか測定することができないため、複雑な流れを把握するためには複数箇所の計測を行う必要がある。
水中の流れを把握するために、数値シミュレーションを使用して各位置の流速を予測する方法があるが、潮流や波による流れは時間が経過するにつれ変化するため、潜水士が事前に把握した流速と作業をしている時の流速は異なり、更に自分がどの位置にいるかを把握することが困難である。
潜水作業現場では流速が大きい際には作業中止基準を設けているが、上記のように作業箇所の流速をリアルタイムにピンポイントで把握することは困難であり、作業中止基準があいまいとなっているため、潜水士の安全が確保されないおそれがあり、正確な流速を把握する技術が必要とされている。
特許文献1のダイビングポイント用設備は、浮体部にブイ周辺の潮流速、流向、波高等の海象条件を観測し表示する海域監視システムを設置し、これらの観測データをダイビング基地に向けて発信する無線装置を設置するが、潜水士周辺の流速を潜水士へ発信するものではない。特許文献2の潜水士位置管理システムは、潜水士の深度と平面位置を潜水士の位置として三次元的に表示するが、潜水士周辺の流速を表示するものではない。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、水中にいる潜水士が周辺の流速などに関する正確な情報をリアルタイムに取得することのできる潜水士情報取得方法およびシステムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための潜水士情報取得方法は、対象水域内において流速・流向のシミュレーションを行うステップと、前記対象水域内において流速・流向の測定を行うステップと、前記対象水域内における潜水士の水中位置を測定するステップと、前記シミュレーション結果と前記測定結果とを比較するステップと、前記流速について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上の場合、前記潜水士の周辺位置についての前記流速の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正するステップと、前記流向について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上でかつ前記周辺位置における流速がゼロを超えた一定値以上の場合に前記周辺位置についての前記流向の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正するステップと、前記シミュレーション結果に基づく前記周辺位置における流速・流向に関する情報を前記潜水士側の受信装置に対し送信するステップと、前記周辺位置における流速・流向に関する情報が前記潜水士に伝達されるステップと、を含む。
この潜水士情報取得方法によれば、対象水域内において流速のシミュレーションおよび流速の測定を行い、シミュレーション結果と測定結果との比較結果に基づいて潜水士の周辺位置についてのシミュレーション結果を補正し、その補正されたシミュレーション結果に基づく潜水士の周辺位置における流速に関する情報を潜水士側の受信装置に対し送信し、潜水士の周辺位置における流速に関する情報が潜水士に伝達されるので、潜水士が正確な周辺位置における流速に関する情報をリアルタイムに取得できるとともに、正確な周辺位置の流速を把握することでより安全に作業することができる。
上記潜水士情報取得方法において潜水士が流速に加えて流向を把握することでより安全に作業することができる。
また、前記シミュレーションを潮位データに基づいて潮流について行うことができる。
また、前記対象水域において波高さと波向きを測定し、前記シミュレーションを波による流れ(海浜流)について行うことで、波による流れを潜水士の周辺位置における流速に反映させることができる。
また、前記周辺位置における流速が所定値以上であるとき、前記潜水士の受信装置に対し警告情報を送信することで、潜水士が警告情報を把握し、作業中止の判断が可能となる。
上記目的を達成するための潜水士情報取得システムは、対象水域内において流速・流向のシミュレーションを行う手段と、前記対象水域内において流速・流向の測定を行う手段と、前記対象水域内における潜水士の水中位置を測定する手段と、前記シミュレーション結果と前記測定結果とを比較する手段と、前記流速について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上の場合、前記潜水士の周辺位置についての前記流速の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正する手段と、前記流向について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上でかつ前記周辺位置における流速がゼロを超えた一定値以上の場合に前記周辺位置についての前記流向の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正する手段と、前記シミュレーション結果に基づく前記周辺位置における流速・流向に関する情報を送信する手段と、前記潜水士側に備えられ前記情報を受信する手段と、前記情報を前記潜水士に伝達する手段と、を備える。
この潜水士情報取得システムによれば、対象水域内において流速のシミュレーションおよび流速の測定を行い、シミュレーション結果と測定結果との比較結果に基づいて潜水士の周辺位置についてのシミュレーション結果を補正し、その補正されたシミュレーション結果に基づく潜水士の周辺位置における流速に関する情報を潜水士側の受信手段に対し送信し、潜水士の周辺位置における流速に関する情報が潜水士に伝達されるので、潜水士が正確な周辺位置における流速に関する情報をリアルタイムに取得できるとともに、正確な周辺位置の流速を把握することでより安全に作業することができる。
上記潜水士情報取得システムにおいて潜水士が流速に加えて流向を把握することでより安全に作業することができる。
また、前記シミュレーションを潮位データに基づいて潮流について行うことができる。
また、前記対象水域において波高さと波向きを測定し、前記シミュレーションを波による流れ(海浜流)について行うことで、波による流れを潜水士の周辺位置における流速に反映させることができる。
また、前記周辺位置における流速が所定値以上であるとき、前記潜水士の受信手段に対し警告情報を送信することで、潜水士が警告情報を把握し、作業中止の判断が可能となる。
本発明の潜水士情報取得方法および潜水士情報取得システムによれば、水中にいる潜水士が周辺の流速などに関する正確な情報をリアルタイムに取得することができるとともに、正確な周辺位置の流速を把握することでより安全に作業することができる。
本実施形態による潜水士情報取得システムを概略的に示す図である。 図1の潜水士情報取得システムを示すブロック図である。 図2の潜水士情報伝達装置のパソコンの構成例を概略的に示すブロック図である。 図1,図2の潜水士情報取得システムを説明するための概念図である。 図1〜図4の潜水士情報取得システムが動作するときのステップS01〜S08を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による潜水士情報取得システムを概略的に示す図である。図2は図1の潜水士情報取得システムを示すブロック図である。
図1,図2の潜水士情報取得システム10は、水中で作業中の潜水士DBがその周辺の流速・流向に関する情報をリアルタイムに取得可能に構成したもので、潜水士DBの近くの水上で潜水士DBをサポートするための作業船SPと、作業船SPに搭載された潜水士情報伝達装置11と、潜水士DB側に備えられる潜水士情報取得装置12と、所定水域において流速・流向を水深方向に多層的に測定する多層流向流速計(ADCP)13と、を備える。
多層流向流速計(ADCP)13は、超音波パルスを水中に発信して反射してきたパルスのドップラーシフトを利用して流速・流向を測定し、アンテナ13aにより流速・流向の測定データを無線で送信する。なお、無線ではなく、作業船SPまで敷設した電線ケーブルにより測定データを送信するようにしてもよい。また、多層流向流速計(ADCP)13は、図1のように、潮流や波等により流されないように水底Gのアンカーに固定されたロープ13bに連結されたブイに固定されることで、設置されている。
潜水士情報伝達装置11は、各種データに基づいてデータ処理やシミュレーション等のための各種演算処理等を行うパーソナルコンピュータ(パソコン)21と、潜水士情報取得装置12へ流速・流向に関する情報を吸気ホースと一体になった電線ケーブル15を介して送信する送信部22と、流速・流向に関する情報等を表示する表示部23と、必要な情報入力をするためのキーボードやマウス等からなる入力部24と、潜水士DBの位置に関する情報を得るために潜水士DBに備え付けられたトランスポンダ34との間で超音波信号を送受信する通信部25と、多層流向流速計(ADCP)13から送信された測定データをアンテナ26aにより受信する受信部26と、作業船SPの位置をGPS(Global Positioning System)により測定するためのGPS受信部27と、を備える。
潜水士情報取得装置12は、潜水士情報伝達装置11から電線ケーブル15を介して送信された流速・流向に関する情報を受信する受信部31と、流速・流向に関する情報を潜水士に伝達するための伝達部32と、流速が所定値以上であるとき警告情報を潜水士DBへ知らせるための警告部33と、潜水士DBに備え付けられて潜水士の位置を把握するためのトランスポンダ34と、を備える。
作業船SPの船底には、潜水士DBに備え付けられたトランスポンダ34との間で超音波信号を送受信する通信部25が配置されている。通信部25は、トランスポンダ34との間の通信により通信部25とトランスポンダ34との間の相対距離データを取得し、パソコン21は、この相対距離データとGPS受信部27による位置データから得られる通信部25の位置とに基づいて潜水士DBの絶対位置を演算することで、潜水士DBの現在の絶対位置をリアルタイムに取得することができる。
潜水士情報取得装置12の伝達部32は、音声により、流速・流向に関する情報を潜水士に伝達するように構成される。すなわち、伝達部32は、スピーカまたは潜水士が装着するイヤフォンを有し、コンピュータ音声で、または、伝達員が直接、流速・流向を伝える。
なお、伝達部32は、音声による伝達に限定されず、音声・音・光・振動・画像のいずれか1つにより、またはそれらの組み合わせにより、流速・流向に関する情報を潜水士に伝達するように構成してもよい。
すなわち、音・光・振動の場合、伝達部32は、スピーカ、発光部、または振動装置を有し、各種信号の間隔が狭くなれば、流速が大きいなどと定義して潜水士の装備したスピーカ、発光部、または振動装置に信号を送る。また、画像の場合、伝達部32は、水中使用が可能なように防水処理等のされた液晶パネルからなる表示部を有し、たとえば、スマートフォンやタブレット端末などを用いて、流速・流向を表示する。また、画像表示の可能なメガネ型のディスプレイを用いてもよい。また、表示部に、作業場所全体の3次元空間画像や、潜水士周辺の流速を体感的に把握することが可能であるAR(拡張現実)空間画像等を表示させることで、流速・流向に関する情報をより確認し易く構成するようにしてもよい。
また、潜水士情報取得装置12の警告部33は、潜水士の付近の流速が所定値以上と判断されたときに、音声・音・光・振動・画像のいずれか1つにより、またはそれらの組み合わせにより、警告情報を発するように構成できる。すなわち、伝達部32と同様の構成とし、警告情報のときは、注意喚起を特に促すような態様で情報伝達を行うようにする。たとえば、音声の場合、緊急性を表す音声とする。また、音・光・振動の場合、各種信号の間隔をもっとも狭くする、予め決めた別の信号間隔とする、または、緊急性を表す警告音、点滅光などとする。また、画像の場合、たとえば、流速の表示を目立つ色(赤や黄)で表示し、点滅等をさせる。
次に、図1〜図4を参照して潜水士情報伝達装置11のパソコン21の機能について説明する。図3は、図2の潜水士情報伝達装置のパソコンの構成例を概略的に示すブロック図である。図4は図1,図2の潜水士情報取得システムを説明するための概念図である。
図3のように、潜水士情報伝達装置11のパソコン21は、各種制御を実行するCPU(中央演算処理装置)21aと、制御の際のプログラムや各種情報を一時的に保持するRAM等からなるメモリ21bと、各種情報やプログラムを記憶するハードディスクやROMやRAM等からなる記録部21cと、を備える。記録部21cの一部にソフトウエア格納部21dが構成され、ソフトウエア格納部21dには、パソコンのOS(オペレーティングシステム)21e、流速・流向に関する各種データ処理およびシミュレーション等のための各種演算処理を行うアプリケーションソフト21f、および、インターネット接続するためのブラウザ21g等の各種ソフトウエアが格納されている。
パソコン21は、アプリケーションソフト21fにより、潮流の数値シミュレーションとして、潮位の水位時系列から格子法による移流拡散方程式を解き、3次元的に各格子について流速を計算する。潮流の計算は、たとえば、下記数1に示す式(1)(2)(3)に示される準3次元数値モデルを用いて計算する。潮位の水位時系列を境界条件として、式(1)(2)の運動方程式と式(3)の連続式を基礎方程式として3次元空間において各時刻の3次元流速場を算出する。なお、日々の潮位は工事区域の港湾等で予め予測することができるため、潮流の計算は予め行うことができる。
Figure 0006241995
上述のような潮流シミュレーションと現地との流速・流向の適合性について、パソコン21は、アプリケーションソフト21fにより、多層流向流速計13による現地の流速・流向の測定結果とシミュレーションの結果とを比較し、誤差が所定値以下であればシミュレーションの結果を使用し、所定値以上の誤差がある場合は、多層流向流速計13による測定結果をシミュレーションに反映させてシミュレーション結果を補正する。かかる補正は潜水士が作業をしている間、定期的に流速・流向を測定することにより、リアルタイムに実行できるため、現状の流速・流向を逐次更新することができる。
たとえば、図4のように、所定水域の鉛直方向断面を所定寸法の格子状のマス目に分割し、各マス目について上記潮流シミュレーションにより流速・流向が算出される。また、多層流向流速計13は、その設置位置の鉛直方向の流速・流向を多層に測定可能であり、たとえば、図4の鉛直方向に並んだ複数のマス目51に相当する位置の流速・流向を測定する。複数のマス目51に相当する位置について上記潮流シミュレーションにより算出された流速・流向と多層流向流速計13で測定した流速・流向とを比較する。そして、潜水士DBが水底G上のマス目(●)50の位置で作業中とすると、その潜水士の周囲位置(○)について、上記算出された流速・流向と多層流向流速計13で測定した流速・流向との比較結果に基づいてシミュレーションにより得た流速・流向を補正する。このようにして必要な補正のされた流速・流向を得る。
なお、流速については、潮流シミュレーションにより算出された流速と、多層流向流速計13で測定した流速との数値差に基づいてその誤差が所定値以下であるか、以上であるかを判断し、所定値以上である場合、流速の補正をする。
また、流向については、流速値が一定値以上(例えば20cm/s以上)の場合で、明らかに流れの様子が変化する流向の誤差(たとえば、誤差±45°以上)があるか否かを判断する。流速値が一定値以下の場合、測定誤差等で流向はすぐに変化してしまうため、流向の誤差だけでシミュレーションが間違えているとの判断はしない。ある程度の流速が発生していて、流向が明らかに違う場合、流向の補正を行うことが好ましい。
次に、図1〜図5を参照して潜水士情報取得システム10が動作するときのステップS01〜S08について説明する。図5は、図1〜図4の潜水士情報取得システムが動作するときのステップS01〜S08を説明するためのフローチャートである。
図5を参照して、まず、工事中の港湾の潮位データを予め取得しておく(S01)。また、工事区域の水深、構造物の条件を工事仕様書や事前測量等により把握しておく(S02)。なお、取得した各データは、パソコン21の記録部21cに記録される。
次に、潜水士情報伝達装置11のパソコン21のアプリケーションソフト21fを作動させ、上述の潮位データ等に基づいて潮流シミュレーションを行う(S03)。潜水士DBが水底Gで作業を開始すると、多層流向流速計13により工事区域内の所定水域における流速・流向を測定する(S04)。
多層流向流速計13による流速・流向の測定結果とシミュレーション結果とを比較し、その誤差が所定値以上あれば、測定結果に基づいてシミュレーション結果を補正する(S05)。なお、誤差が所定値以下あれば、シミュレーション結果の補正は行わない。
潜水士DBに装着したトランスポンダ34と作業船SPの船底の通信部25との間の送受信、および、GPS受信部27による位置測定から、潜水士DBの水底Gでの現在の絶対位置を取得する(S06)。
次に、潜水士DBの現在位置が、たとえば、図4のマス目(●)50とすると、その周辺のマス目(○)14個についての流速・流向に関する情報を潜水士情報取得装置12の伝達部32から音声・音・光・振動・画像のいずれか1つにより、またはそれらの組み合わせにより、潜水士DBに伝達する(S07)。また、潜水士DBの周囲位置の流速が所定値以上であるとき、警告部33から警告情報を潜水士DBに伝達する。潜水士の作業が終了しなければ(S08)、ステップS04の流速・流向測定にもどり、一定時間経過に流速・流向の測定を行い、上述と同様のステップを繰り返す。
なお、図4の各マス目はたとえば、5mと設定してシミュレーションを行うことができるが、適宜変更可能である。また、たとえば、潜水士位置の半径10m以内で流速が50cm/sを超えたとき、警告情報を伝達するようにできる。また、伝達する流速・流向に関する情報には、潜水士DBの現在の位置の流速・流向を含めてもよい。また、マス目の大きさは、作業範囲外の地点では大きくし、作業範囲周辺では小さくしてもよく、これにより、潜水士DBに近い範囲の流速・流向に関する情報の精度が向上する。
以上のように、本実施形態の潜水士情報取得システム・方法によれば、対象水域内において流速・流向のシミュレーションおよび流速・流向の測定を行い、シミュレーション結果と測定結果との比較結果に基づいて潜水士DBの周辺位置についてのシミュレーション結果を補正し、その補正されたシミュレーション結果に基づく潜水士DBの周辺位置における流速・流向に関する情報を潜水士DBの潜水士情報取得装置12に送信し、潜水士DBの周辺位置における流速・流向に関する情報が潜水士に伝達されるので、潜水士が正確な周辺位置における流速・流向に関する情報をリアルタイムに取得できるとともに、正確な周辺位置の流速・流向を把握することでより安全に作業することができる。
また、本実施形態によれば、作業中に潜水士の現在位置および/または周辺位置の流速が上昇してきた場合、警告情報が伝達されるため作業中止の判断が容易にでき、安全な時間だけ作業することができる。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、本実施形態では、一人の潜水士に対して流速・流向の情報を伝達するようにしたが、本発明はこれに限定されず、複数の潜水士が同一の水域内で作業中の場合、各潜水士に対してそれぞれ同様にして流速・流向の情報を伝達するように構成できる。
また、本実施形態では、潮流に限っての測定・解析としたが、本発明はこれに限定されず、波による流れ(海浜流)を反映させてもよく、この場合、波高計による波高さと波の向きの測定を行うとともに、パソコン21で海浜流を計算しシミュレーションを行うことができる。すなわち、所定水域において波高計により波高さと波向きを測定し、潮流によるシミュレーション結果に、波による流れ(海浜流)を計算する数値シミュレーションの結果を反映させることで、波による流れを潜水士の周辺位置における流速に反映させることができる。
また、多層流向流速計の設置について、本実施形態では、図1のように水底のアンカーからロープで固定されているブイに多層流向流速計13を固定したが、これに限定されず、たとえば、架台に多層流向流速計を設置することで、水底に多層流向流速計13を設置してもよく、この場合、水底に設置された多層流向流速計のケーブルを水上まで上げて、水上のブイに設置した発信装置から測定データを無線で作業船等へ発信する。また、船から多層流向流速計を吊下げるようにしてもよく、この場合、多層流向流速計のケーブルを船内のパソコンに繋いで測定データを無線で発信する。
また、潜水士情報取得装置12は、作業船SPの潜水士情報伝達装置11から有線で情報を取得するとともに、その受信部31,伝達部32および警告部33を一体にして、たとえばスマートフォンやタブレット端末などから構成できるが、本発明は、これに限定されず、浮力調整し自浮式とした筐体内に受信部31,伝達部32および警告部33を搭載し、この筐体を浮上させて、水上で無線により各種データを受信し、データ取得後に潜水士が筐体をロープ等で引き寄せ、最新のデータを確認するようにしてもよく、この場合、警告部33を潜水士に備え付けの構成としてもよい。
また、潜水士情報伝達装置11は作業船SPに搭載したが、これに限定されず、たとえば、パソコン21等は陸上の事務所等に設置してもよく、作業船SP等とパソコン21とを有線または無線で通信可能にしてもよい。
本発明によれば、作業中の潜水士が周辺の正確な流速情報をリアルタイムに取得することができるので、より安全に作業可能となる。
10 潜水士情報取得システム
11 潜水士情報伝達装置
12 潜水士情報取得装置
13 多層流向流速計
15 電線ケーブル
21 パソコン
25 通信部
32 伝達部
33 警告部
34 トランスポンダ
DB 潜水士
G 水底
SP 作業船

Claims (8)

  1. 対象水域内において流速・流向のシミュレーションを行うステップと、
    前記対象水域内において流速・流向の測定を行うステップと、
    前記対象水域内における潜水士の水中位置を測定するステップと、
    前記シミュレーション結果と前記測定結果とを比較するステップと、
    前記流速について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上の場合、前記潜水士の周辺位置についての前記流速の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正するステップと、
    前記流向について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上でかつ前記周辺位置における流速がゼロを超えた一定値以上の場合に前記周辺位置についての前記流向の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正するステップと、
    前記シミュレーション結果に基づく前記周辺位置における流速・流向に関する情報を前記潜水士側の受信装置に対し送信するステップと、
    前記周辺位置における流速・流向に関する情報が前記潜水士に伝達されるステップと、を含む潜水士情報取得方法。
  2. 前記シミュレーションを潮位データに基づいて潮流について行う請求項1に記載の潜水士情報取得方法。
  3. 前記対象水域において波高さと波の向きを測定し、
    前記シミュレーションを波による流れについて行う請求項1または2に記載の潜水士情報取得方法。
  4. 前記周辺位置における流速が所定値以上であるとき、前記潜水士の受信装置に対し警告情報を送信する請求項1乃至のいずれか一項に記載の潜水士情報取得方法。
  5. 対象水域内において流速・流向のシミュレーションを行う手段と、
    前記対象水域内において流速・流向の測定を行う手段と、
    前記対象水域内における潜水士の水中位置を測定する手段と、
    前記シミュレーション結果と前記測定結果とを比較する手段と、
    前記流速について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上の場合、前記潜水士の周辺位置についての前記流速の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正する手段と、
    前記流向について前記シミュレーション結果と前記測定結果との誤差が所定値以上でかつ前記周辺位置における流速がゼロを超えた一定値以上の場合に前記周辺位置についての前記流向の前記シミュレーション結果を前記測定結果に基づいて補正する手段と、
    前記シミュレーション結果に基づく前記周辺位置における流速・流向に関する情報を送信する手段と、
    前記潜水士側に備えられ前記情報を受信する手段と、
    前記情報を前記潜水士に伝達する手段と、を備える潜水士情報取得システム。
  6. 前記シミュレーションを潮位データに基づいて潮流について行う請求項5に記載の潜水士情報取得システム。
  7. 前記対象水域において波高さと波の向きを測定し、
    前記シミュレーションを波による流れについて行う請求項5または6に記載の潜水士情報取得システム。
  8. 前記周辺位置における流速が所定値以上であるとき、前記潜水士の受信手段に対し警告情報を送信する請求項乃至のいずれか一項に記載の潜水士情報取得システム。
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