本発明は、増し折りローラ部に、シート束の厚み以下の間隙に調整されたストッパ機構を設け、ローラ対同士が互いに衝突することを防止して衝突音の発生を抑えることを特徴とする。以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態における画像形成装置PRと、複数のシート処理装置1,2とからなる画像処理システムSYのシステム構成を示す図である。本実施形態では、画像形成装置PRの後段に第1及び第2のシート後処理装置1,2がこの順で連結されている。
第1のシート後処理装置1は、画像形成装置PRからシートを1枚ずつ受け取り、順次重ね合わせ整合し、スタック部でシート束を作成するシート束作成機能を有するシート後処理装置である。この第1のシート後処理装置1は、シート束排紙ローラ10から後段の第2のシート処理装置2にシート束を排紙する。第2のシート後処理装置2は、搬送されてきたシート束を受け取り、中綴じ中折りを施す中綴じ製本装置である(本明細書では、第2のシート後処理装置について中綴じ製本装置とも称する)。
中綴じ製本装置2は製本した冊子(シート束)をそのまま排紙し、あるいは後段のシート処理装置に排紙する。画像形成装置PRは入力された画像データ、若しくは読み取った画像の画像データに基づいてシート状の記録媒体に可視画像を形成するものである。例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの機能のうち少なくとも2つの機能を備えたデジタル複合機などがこれに相当する。画像形成装置PRは、例えば電子写真方式、液滴射出方式など公知の方式のものであり、画像形成方式は何れでも良い。
同図において、中綴じ製本装置2は入口搬送路241、シートスルー搬送路242、及び中折り搬送路243を備えている。入口搬送路241のシート搬送方向最上流部には、入口ローラ201が設けられ、第1のシート後処理装置1の前記シート束排紙ローラ10から整合されたシート束が装置内に搬入される。なお、以下の説明では、シート搬送方向上流側を単に上流側と、シート搬送方向下流側を単に下流側と称す。
入口搬送路241の入口ローラの201の下流側には、分岐爪202が設けられている。この分岐爪202は図において水平方向に設置され、シート束の搬送方向をシートスルー搬送路242あるいは中折り搬送路243に分岐する。シートスルー搬送路242は、入口搬送路241から水平に延び、後段の図示しない処理装置若しくは排紙トレイにシート束を導く搬送路であり、シート束は上排紙ローラ203によって後段に排紙される。中折り搬送路243は分岐爪202から垂直下方に延び、シート束に対して中綴じ、中折り処理を行うための搬送路である。
中折り搬送路243は、中折りするための折りプレート215の上部でシート束を案内する束搬送ガイド板上207と、折りプレートの215の下部でシート束を案内する束搬送ガイド板下208を備えている。束搬送ガイド板上207には、上部から束搬送ローラ上205、後端叩き爪221、束搬送ローラ下206が設けられている。後端叩き爪221は、図示しない駆動モータによって駆動される後端叩き爪駆動ベルト222に立設されている。後端叩き爪221は後端叩き爪駆動ベルト222の往復回転動作により、シート束の後端を後述の可動フェンス側に叩き(押圧し)、シート束の整合動作を行う。また、シート束が搬入される際、及びシート束が中折りのための上昇する際には、束搬送ガイド板上207の中折り搬送路243から退避する(図1破線位置)。
符号294は後端叩き爪221のホームポジションを検出するための後端叩き爪HPセンサであり、中折り搬送路243から退避した図1破線位置(図2実線位置)をホームポジションとして検出する。後端叩き爪221は、このホームポジションを基準に制御される。
束搬送ガイド板下208には、上方から中綴じステープラS1、中綴じジョガーフェンス225、及び可動フェンス210が設けられている。束搬送ガイド板下208は束搬送ガイド板上207を通って搬送されてきたシート束を受け入れるガイド板である。幅方向には一対の前記中綴じジョガーフェンス225が設置され、下方にシート束先端が当接(支持)し、上下動可能に前記可動フェンス210が設けられている。なお、当接とは物が当たっていて、接している状態を意味する。
中綴じステープラS1はシート束の中央部を綴じるステープラである。可動フェンス210はシート束の先端部を支持した状態で上下方向に移動し、シート束の中央位置を中綴じステープラS1に対向する位置に位置させ、その位置でステープル処理、すなわち中綴じが行われる。可動フェンス210は可動フェンス駆動機構210aによって支持されるともに、図示上方の可動フェンスHPセンサ292位置から最下方位置まで移動可能である。シート束の先端が当接する可動フェンス210の可動範囲は、中綴じ製本装置2の処理可能な最大サイズから最小サイズまで処理可能なストロークが確保されている。なお、可動フェンス駆動機構210aとしては、例えばラックアンドピニオン機構が使用される。
束搬送ガイド板上207と下208との間、すなわち中折り搬送路243のほぼ中央部には折りプレート215、折りローラ対230、増し折りローラユニット260、及び下排紙ローラ231が設けられている。増し折りローラユニット260は折りローラ対230及び下排紙ローラ231の間の排紙搬送路を挟んで上下に増し折りローラが配置されている。折りプレート215は、図示水平方向に往復動可能であり、折り動作を行う際の動作方向には、折りローラ対230のニップが位置し、その延長上に排紙搬送路244が設置されている。下排紙ローラ231は、排紙搬送路244の最下流に設けられ、後段に折り処理されたシート束を排紙する。
束搬送ガイド板上207の下端側には、シート束検知センサ291が設けられ、中折り搬送路243に搬入され、中折り位置を通過するシート束の先端を検知する。また、排紙搬送路244には、折り目部通過センサ293が設けられ、中折りされたシート束の先端を検知し、シート束の通過を認識する。
大略、図1に示すように構成された中綴じ製本装置2では、図2ないし図6の動作説明図に示すようにして中綴じ及び中折り動作が行われる。すなわち、画像形成装置PRの図示しない操作パネルから中綴じ中折りが選択されると、当該中綴じ中折りが選択されたシート束は、分岐爪202の反時計方向の偏倚動作により中折り搬送路243側に導かれる。なお、分岐爪202はソレノイドによって駆動される。なお、ソレノイドに代えてモータ駆動でも良い。
中折り搬送路243内に搬入されたシート束SBは、入口ローラ201と束搬送ローラ上205によって中折り搬送路243を下方に搬送される。シート束SBはシート束検知センサ291によって通過が確認された後、図2に示すように束搬送ローラ下206によって可動フェンス210にシート束SBの先端が当接する位置まで搬送される。その際、画像形成装置PRからのシートサイズ情報、ここでは、各シート束SBの搬送方向のサイズ情報に応じて可動フェンス210は異なる停止位置で待機している。このとき、図2では、束搬送ローラ下206はニップにシート束SBを挟持し、後端叩き爪221はホームポジション位置に待機している。
この状態で、図3に示すように束搬送ローラ下206の挟持圧が解除され(矢印a方向)、可動フェンス210にシート束先端が当接し、後端がフリーになった状態でスタックされる。そして、後端叩き爪221が駆動され、シート束SBの後端を叩いて搬送方向の最終的な揃えを行う(矢印c方向)。
次いで、中綴じジョガーフェンス225によって幅方向(シート搬送方向に対して直交する方向)の揃え動作が実行される。また、可動フェンス210と後端叩き爪221により搬送方向の揃え動作が実行され、シート束SBの幅方向及び搬送方向の整合動作が完了する。このとき、シートのサイズ情報、シート束の枚数情報、シート束厚み情報によって、後端叩き爪221、中綴じジョガーフェンス225の押し込み量を最適の値に変更し整合する。
また、束の厚みがあると搬送路内の空間が減少するため、一度の整合動作では整合しきれないケースが多い。そこで、このような場合には、整合回数を増加させる。これにより、より良い整合状態を実現することができる。さらに、上流側でシートを順次重ね合わせる時間はシート枚数が多ければ多いほど増加するので、次のシート束SBを受け入れるまでの時間が長くなる。その結果、整合回数を増加してもシステムとして時間の損失はないことから、効率的に良好な整合状態を実現できる。したがって、上流の処理時間に応じ、整合回数を制御することも可能である。
なお、前記可動フェンス210の待機位置は、通常、シート束SBの中綴じ位置が中綴じステープラS1の綴じ位置に対向する位置に設定される。この位置で整合すると、可動フェンス210をシート束SBの中綴じ位置に移動させることなく、スタックされた位置でそのまま綴じ処理が可能となるからである。そこで、この待機位置でシート束SBの中央部に中綴じステープラS1のステッチャを矢印b方向に駆動し、クリンチャとの間で綴じ処理が行われ、シート束SBは中綴じされる。
可動フェンス210は可動フェンスHPセンサ292からのパルス制御により位置決めされ、後端叩き爪221は後端叩き爪HPセンサ294からのパルス制御により位置決めされる。可動フェンス210及び後端叩き爪221の位置決め制御は、中綴じ製本装置2の図示しない制御回路のCPUによって実行される。
図3の状態で中綴じされたシート束SBは、図4に示すように束搬送ローラ下206の加圧が解除された状態で可動フェンス210の上方移動に伴って中綴じ位置(シート束SBの搬送方向の中央位置)が折りプレート215に対向する位置まで移送される。この位置も可動フェンスHPセンサ292の検出位置を基準に制御される。
図4の位置にシート束SBが達すると、図5に示すように折りプレート215が折りローラ対230のニップ方向に移動し、シート束SBの綴じられた針部近傍のシート束SBに対して略直角方向から当接し、前記ニップ側に押し出す。シート束SBは折りプレート215により押されて折りローラ対230のニップへと導かれ、予め回転していた折りローラ対230のニップに押し込まれる。折りローラ対230は、ニップに押し込まれたシート束SBを加圧し、搬送する。この加圧搬送動作によりシート束SBの中央に折りが施され、簡易製本されたシート束SBが形成される。図5は、シート束SBの折り目部SB1の先端が折りローラ対230のニップに挟持され、加圧されているときの状態を示す。
図5の状態で中央部が2つ折りされたシート束SBは、図6に示すようにシート束SBとして折りローラ対230によって搬送され、さらに下排紙ローラ231に挟持されて後段に排出される。このとき、シート束SB後端が折り目部通過センサ293に検知されると、折りプレート215及び可動フェンス210はホームポジションに、束搬送ローラ下206は加圧状態にそれぞれ復帰し、次のシート束SBの搬入に備える。また、次のジョブが同サイズ同枚数であれば、可動フェンス210は再び図2の位置に移動し、待機するようにしても良い。なお、これらの制御も前記制御回路のCPUによって実行される。
図7は増し折りローラユニットと折りローラ対を示す要部正面図、図8は図7を左側からみた要部側面図である。増し折りローラユニット260は、折りローラ対230と下排紙ローラ231との間の排紙搬送路244に設置され、ユニット移動機構263、案内部材264及び押圧機構265を備えている。ユニット移動機構263は図示しない駆動源及び駆動機構により案内部材264に沿って増し折りユニット260を図示奥行き方向(シート搬送方向に対して直交する方向)に往復移動させる。押圧機構265は上下方向から圧を加え、シート束SBを押圧する機構であり、増し折りローラ/上ユニット261、増し折りローラ/下ユニット262を備えている。
増し折りローラ/上ユニット261は、ユニット移動機構263に対して支持部材265bによって上下方向に移動可能に支持され、増し折りローラ/下ユニット262は押圧機構265の支持部材265bの下端に移動不能に取り付けられている。増し折りローラ/上ユニット261の増し折りローラ/上261aは、増し折りローラ/下262aに対して圧接可能となっており、両者のニップ間にシート束SBを挟んで加圧する。加圧力は増し折りローラ/上ユニット261を弾性力で加圧する加圧ばね265cによって付与される。そして、加圧状態で後述のようにシート束SBの幅方向(図8矢印D1方向)に移動し、折り目部SB1に対して増し折りを実行する。
図9は案内部材264の詳細を示す図である。案内部材264は増し折りローラユニット260をシート束SBの幅方向に案内する案内経路270を備え、当該案内経路270には、
1) 往移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第1の案内経路部271
2) 往移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第2の案内経路部272
3) 往移動時に押圧手265を押圧解除から押圧状態に切り替える第3の案内経路部273
4) 復移動時に押圧機構265を押圧解除状態で案内する第4の案内経路部274
5) 復移動時に押圧機構265を押圧状態で案内する第5の案内経路部275
6) 復移動時に押圧機構265を押圧解除から押圧状態に切り替える第6の案内経路部276
の6つの経路が設定されている。
図10及び図11は図9の要部を拡大して示す図である。図10及び図11に示すように第3の案内経路部273と第2の案内経路部272の交点、及び第6の案内経路部276と第5の案内経路部275の交点にはそれぞれ第1の経路切り替え爪277及び第2の経路切り替え爪278が設置されている。第1の経路切り替え爪277は図11に示すように第3の案内経路部273から第2の案内経路部272へ切り替え可能、第2の経路切り替え爪278は第6の案内経路部276から第5の案内経路部275へは切り替え可能である。しかし、前者では第2の案内経路部272から第3の案内経路部273への切り替え、後者では第5の案内経路部275から第6の案内経路部276への切り替えは不能となっている。すなわち、逆方向には切り替えられないように構成されている。なお、図11における矢印はガイドピン265aの移動軌跡を示している。
また、押圧機構265が案内経路270に沿って移動するのは、押圧機構265のガイドピン265aが案内経路270内にゆるみばめ状態で移動可能に嵌合しているからである。すなわち、案内経路270がカム溝として機能し、ガイドピン265aがこのカム溝に沿って移動する間に位置を変えるカムフォロワとして機能する。
図12ないし図22は、本実施形態における増し折りローラユニットによる増し折り動作の動作説明図である。
図12は折りローラ対230にて折られたシート束SBが予め設定された増し折り位置まで搬送されて停止し、増し折りローラユニット260が待機位置にいる状態を表している。この状態が増し折り動作の初期位置である。
初期位置(図12)から増し折りローラユニット260が図示右方向(矢印D2方向)に往移動を開始する(図13)。その際、増し折りローラユニット260内の押圧機構265は、ガイドピン265aの作用により案内部材264の案内経路270に沿って移動する。動作開始直後は第1の案内経路部271に沿って移動する。その際、増し折りローラ対261a,262aは押圧解除状態にある。ここで、押圧解除状態とは増し折りローラ対261a,262aとシート束SBは接触しているがほとんど圧力がかかっていない状態、又は増し折りローラ対261a,262aとシート束SBとが離れている状態を表している。なお、増し折りローラ対261a,262aは対となる増し折りローラ/上261aと増し折りローラ/下262aによって構成される。
シート束SBの中央付近で第3の案内経路部273にかかると(図14)、押圧機構265は第3の案内経路部273に沿って下降を開始し、第1の経路切り替え爪277を押しのけて第2の案内経路部272に入る(図15)。このとき、押圧機構265は増し折りローラ/上ユニット261を押圧している状態となり、増し折りローラ/上ユニット261はシート束SBに当接し、押圧状態となる。
押圧したままの状態で増し折りローラユニット260はさらに矢印D2方向に移動する(図16)。その際、第2の経路切り替え爪278は逆方向へは移動できないので、第6の案内経路部276に案内されることなく、第2の案内経路部272に沿って移動し、シート束SBを抜け、往移動の最終位置に位置する(図17)。ここまで移動すると、押圧機構265のガイドピン265aは第2の案内経路部272から上部の第4の案内経路部274に移行する。その結果、第2の案内経路部272の上面によるガイドピン265aの位置規制が解除されるので、増し折りローラ/上261aは増し折りローラ/下262aから離れ、押圧解除状態となる。
次いで、ユニット移動機構263によって増し折りローラユニット260は復移動を開始する(図18)。復移動では、押圧機構265は第4の案内経路部274に沿って図示左方向(矢印D3方向)に移動する。この移動により押圧機構265が第6の案内経路部276に至ると(図19)、ガイドピン265aが第6の案内経路部276の形状に沿って下方向に押され、押圧機構265は押圧解除状態から押圧状態に移行する(図20)。
そして、第5の案内経路部275に入ると、完全な押圧状態になり、第5の案内経路部275を矢印D3方向にそのまま移動して(図21)、シート束SBを抜ける(図22)。
このようにして増し折りローラユニット260を往復移動させてシート束SBに増し折りを施す。その際、シート束SBの中央部から一方への増し折りを開始し、シート束SBの一方の端部SB2を抜ける。その後、増し折りしたシート束SBの上を通り、シート束の中央部から他方への折り増しを開始し、他方の端部SB2を抜けるという動作によって増し折りを行う。
このように動作させると、折り増しを開始するとき、あるいは一方を抜けた後、他方に戻るとき、シート束SBの端部SB2にシート束SBの外側から増し折りローラ対261a,262aが接触することも、加圧することもない。すなわち、シート束SBの端部SB2を端部の外側から通過するときには増し折りローラユニット260は押圧解除状態にある。そのため、シート束SBの端部SB2へのダメージは発生しない。また、シート束SBの端部SB2より内側、本実施形態では中央部付近から端部SBにかけて増し折りするので、増し折り時のシート束SBを接触して走行する距離が短くなり、しわ等の原因になる縒れも蓄積され難い。そのため、シート束SBの折り目部(背)SB1を増し折りする際にシート束SBの端部SB2にダメージが生じることがなく、縒れの蓄積による折り目部SB1及びその近傍の捲れやしわの発生も抑制することができる。
また、前記距離La及びLbを略同一に設定し、シート束SBの幅方向の中央部付近で押圧を開始するようにすることが望ましい(図16、図20)。
なお、本実施形態における増し折りローラユニット260では、増し折りローラ/下ユニット262を用意して増し折りローラ対261a,262aによって増し折りを行っている。これに対し、増し折りローラ/下ユニット262を削除し、増し折りローラ/上ユニット261と、それに対向するような当接面を有する図示しない受け部材を設け、両者間で押圧するように構成しても良い。
さらに、本実施形態における増し折りローラユニット260では、増し折りローラ/上ユニット261は上下に可動に構成し、増し折りローラ/下ユニット262は上下方向には不動の構成である。これに対し、増し折りローラ/下ユニット262も上下方向に可動に構成することもできる。このように構成すると、増し折りローラ対261a,262aが増し折り位置に対して対称に接離動作するので、増し折り位置がシート束SBの厚みに関係なく一定となり、さらに傷等のダメージを抑制することができる。
図23は増し折りユニット260の構成について説明する図、図24及び図25は増し折りユニット260の走行方向と上下の増し折りローラ対261a,262aとの位置関係を示す図である。増し折りローラ/下ユニット262は図23に示すよう増し折りローラ/下262a、カバー262b、及び増し折りローラ/下ケース262cから構成されている。増し折りローラ/下262aは増し折りローラ/下ケース262cにより回転可能に支持されている。
図24及び図25に示すように増し折りローラ/下ケース262cには軸受部が2個所設けられている。2個所とは、第1の軸受部262dと第2の軸受部262eである。第1の軸受部262dは増し折りローラ対(上側及び下側増し折りローラ)261a,262aの回転軸261b,262fの中心である中心軸261b1,262f1を結ぶ直線Yがシート束SBの厚み方向tに対して平行になる位置である。図24はこの状態を示す図である。この増し折りユニット260の走行方向は、増し折りローラ対261a,262aのニップNの接線方向Gに一致する(図24:X方向、図29)。また、図24はシート束SBの押圧開始前の初期状態を示し、この位置から増し折りローラ/上261aが下降して増し折りローラ/下262aとの間にシート束SBを挟み込んだ位置が第1の位置である。
第2の軸受部262eは、図25に示すように図24に示した第1の軸受部262dの位置から往路移動方向上流側3mmの位置に設けられている。これにより、第2の軸受部262eに増し折りローラ/下262aを移動させると、第1の軸受部262dに増し折りローラ/下262aが位置していたときに対して両ローラの回転軸の中心261b,262fを結ぶ直線Y’が直線Yから傾く(角度θ)ことになる。
図26ないし図29は綴じ針と増し折り時の増し折りローラ対261a,262aとの関係を示す図である。図26から分かるように、増し折りローラ対261a,262aが増し折りのためにシート束SBを両者のニップNに挟んだときには、直線Y’は直線Y(シート厚み方向t)に対して角度θだけ傾く。これにより、シート束SBの折り目部SB1には、幅方向X(若しくは増し折りユニット260の走行方向)に対して傾いた状態で押圧力が加えられる。その結果、図24に示した場合に比べて折り目を強化することができる。
この第2の位置では、図27に示すように綴じ針SB3が増し折りローラ/下262aに接する位置にあるとき、あるいは図28に示すように増し折りローラ/上261aに接する位置にあるとき、綴じ針SB3が変形しやすい。これは、綴じ針SB3に増し折りローラ/下262aあるいは増し折りローラ/上261aから直接力が加わるからである。このように綴じ針SB3が変形すると、シート束SBの折り目部SB1の綴じ針SB3で綴じた部分が変形し、折り品質としては劣化する。
そこで、折り品質が問題になる場合には、図24に示したように前記角θが0°になる第1の軸受部262dに増し折りローラ/下262aの位置を変更する。この位置は第1の位置である。これにより、図29に示すように綴じ針SB3が湾曲するような力が加わらないので、シート束SBの折り目部SB1の綴じ針SB3で綴じた部分が変形することはない。そのため、高品質の折りを保証することができる。
なお、本実施形態では、増し折りローラ/下ケース262cに軸受箇所を2個所設けているが、3個所以上設けて、増し折りローラ/上ユニット261側に設けても良い。また、本実施形態では、2個所目の第2の軸受部262eが往路移動方向に対して3mm上流側に設けられているが、下流側に設けても良い。さらに、第1の軸受部262dと第2の軸受部262e間の距離は3mmに限定されるものではなく、3mmより大きくても、小さくても良い。
図30は第1の軸受部262dから第2の軸形態部262eに増し折りローラ/下262aを移動させるときの操作手順を示す説明図である。
図30(a)は初期状態であり、図23に示した図と同一である。この状態では、増し折りローラ/下262aは第1の軸受部262dに装着されている。図30(b)に示すようにカバー262bには、その外側に増し折りローラ/下ケース262cと係り合って(以下、係合と称す。)両者を弾性的に結合する係合片262b1が設けられている。図30(b)は係合片262b1が増し折りローラ/下ケース262cに係合し、カバー262bが増し折りローラ/下ケース262cにロックされて増し折りローラ/下262aを第1の軸受部262dに回転可能に保持した状態である。
この状態から図30(b)において矢印で示すように操作し、係合片262b1の増し折りローラ/下ケース262cに対する弾性的な係合状態を解除する。これにより、図30(c)に示すようにカバー262bが開き、増し折りローラ/下262aの軸262gを第1の軸受部262dから第2の軸受部262eに移動させることができる。カバー262bは弾性的な係合を可能とするため、弾性を有する材料、例えばPOM(polyoxymethylene:ポリアセタール)によって一体成型により形成されている。
このように増し折りローラ/下262aは増し折りローラ/下ケース262cに対して着脱可能となっているため、例えば、軸受箇所を変更することによってユーザの意思で折り目強化重視か、あるいは綴じ針変形抑制重視かを選択できる。また、増し折りローラが磨耗した際に交換することも可能である。なお、図30(c)及び(d)は増し折りローラ/下262aを第2の軸受部262eに移動させた後の状態を示している。
また、第1及び第2の軸受部262d,262eは、カバー262b側の軸受部分262b1,262b2と対で構成され、カバー262bを開くと、第1及び第2の軸受部262d,262eも開放される。
図31は、本実施形態に係るストッパを備えた増し折りローラ対の構成を示す図である。図31(a)及び(b)に示すように本実施形態では、増し折りローラ/上261aの回転軸261bと増し折りローラ/下262aの回転軸262fには、それぞれ互いに対向するようにストッパ部材/上261s及びストッパ部材/下262sが設けられている。ストッパ部材/上261s及びストッパ部材/下262sは、それぞれ上面及び下面に当接面/上261s1、当接面/下262s1が形成されている。シート束SBの折り目部SB1を増し折りする際には、両当接面/上,下261s1,262s1間に隙間t1が形成され、増し折りローラ/上,下261a,262aにより加圧ばね265cの弾性力が十分に加わるようになっている。
増し折りローラ/上,下261a,262aは、図31(a)の状態で増し折りしながら図示矢印方向に移動し、シート束SBの端部SB1を抜ける。そして、シート束SBの端部SB1を抜けると、図31(b)に示すように増し折りローラ/上,下261a,262aが互いに近接する方向に移動し、ストッパ部材/上,下261s,262sの当接面/上,下261s1,262s1が当接し、増し折りローラ/上,下261a,262aの衝突は回避される。
ストッパ部材/上,下261s,262sの両回転軸261b,262fを結ぶ線(シート束SBの厚み方向t)に沿った方向の長さは、増し折りローラ/上,下261a,262aの半径と、増し折りローラ/上,下261a,262aが衝突したときの衝突音が問題となるシート束SBの厚みt3を加えた寸法以下に設定される。すなわち、ストッパ部材/上,下261s,262sが当接した状態で、増し折りローラ/上,下261a,262a間の間隔t2がt3以下となるように設定する(図31(b))。これにより、前記厚みt3以上のシート束SBを増し折りする際には、ストッパ部材/上,下261s,262sの当接面/上,下261s1,262s1間に前記隙間t1が形成され、この隙間t1分だけストッパ部材/上,下261s,262sが移動し、ストッパ部材/上,下261s,262sが衝突することになる。
ストッパ部材/上,下261s,262sは通常剛体からなり、両者の衝突で衝突音が発生するので、本実施形態では、当接面/上,下261s1,262s1の少なくとも一方に緩衝部材261tが貼り付けられている。緩衝部材261tは、例えばゴム、発泡ウレタン等が使用される。
衝突音を緩和するためには、増し折りローラ/上,下261a,262aに緩衝部材261tを巻き付ける構成も考えられるが、増し折りローラ/上,下261a,262aが押圧力を緩衝することになるので増し折り効果が十分に得られなくなってしまう。そのため、本実施形態では、別途ストッパ部材/上,下261s,262sを設け、その当接面/上,下261s1,262s1に緩衝部材261tを設けることにより、増し折りの押圧力の確保を衝突音の発生の抑制を可能としている。
図31(b)に示したように、ストッパ部材/上,下261s,262sが当接した状態では、増し折りローラ/上,下261a,262aには、間隔t2が生じ、シート束SBの厚みt3が前記間隔t2以下では、増し折りを行うことができない。このように前記間隔t2は、衝突音とシート束SBの厚みt3を勘案して厳密に管理し、最適に設定する必要がある。しかし、シート束SBの厚みt3が薄い場合、前述のように間隔t2以下であれば、衝突音は余り問題とならないので、言い換えれば、衝突音はほとんど問題とならない程度しか発生しないので、ストッパ部材/上,下261s,262sを設ける必要性は乏しい。
図32は、本実施形態に係るストッパが機能しないように設定した増し折りローラ対の構成を示す図である。すなわち、本実施形態では、シート束SBの厚みt3が前記間隔t2よりも薄い場合には、ストッパ部材/上,下261s,262sが図31に示す当接状態を取らずに退避できるように構成した。すなわち、本実施形態では、シート束SBが薄い場合(例えば前記間隔t2以下の場合)、ストッパ部材/上,下261s,262sを例えば90度回転させ、当接面/上,下261s1,262s1が突き当たらないようにする。これによりストッパ部材/上,下261s,262sがストッパとして機能できなくなり、シート束SBに対して増し折りローラ/上,下261a,262aにより増し折り機能を十分に発揮することができる(図32(a))。
そして、増し折りローラ/上,下261a,262aがシート束SBの端部SB2から抜けると、両者は衝突し、衝突音が発生する。しかし、衝突音は、図32(b)に示すように、シート束SBの厚みt3が増し折りローラ/上,下261a,262aの衝突で問題とならない厚みであるため、その音量が問題となることはない。
図33は、ストッパ部材/上,下261s,262sの回転駆動機構の概略を示す図、図34はこの回転駆動機構を図24の増し折りユニット260に適用した例を示す図である。なお、図33では、ストッパ部材/下262sの回転駆動機構のみを示している。
図33において、ストッパ部材/下262sは回転軸262fの回りに回転自在に装着されたストッパギア262hに取り付けられ、両者は一体に回転可能となっている。このストッパギア262hには、中間ギア262iを介してモータギア262jが噛み合っている。モータギア262jは図34(b)に示すようにモータ262kの回転軸262mに固定され、モータ262kの回転駆動力によってストッパギア262hを駆動する。これによりストッパ部材/下262sは予め設定された範囲内でモータ262kにより回動駆動され、ストッパとして機能する位置(図33(a))と、機能しない位置(図33(b))との間を移動することができる。モータ262kは、後述の制御回路2aのCPU2bによって駆動制御される。
図34に示すようにストッパ部材/上,下261s,262sを退避させるための中間ギア261i,262i、モータギア261j,262j、モータ2621k,262kは、増し折りローラ/上ユニット261及び増し折りローラ/下ユニット262内にそれぞれ配置される。
図35は、本実施形態における画像形成システムSYの制御構成を示すブロック図である。
図35において、画像形成装置PR、第1のシート後処理装置1及び中綴じ製本装置2は、それぞれCPU_PRb,1b,2b、RAM、ROM及びI/Oインターフェイス等を有するマイクロコンピュータを搭載した制御回路PRa,1a,2aを備えている。第1のシート後処理装置1のCPU1bには、画像形成装置PRのCPU_PRbあるいは操作パネルPRcの各スイッチ等、及び図示しない各シート検知センサからの信号が通信インターフェイス1cを介して入力される。同様に中綴じ製本装置2のCPU2bには、第1のシート後処理装置のCPU1bからの信号あるいは画像形成装置PRからの信号が通信インターフェイス2cを介して入力される。
前記モータ261k,262kは、例えば、画像形成装置PR側に設けられた制御パネルPRcからの操作入力に基づいて中綴じ製本装置2に搭載された制御回路2aのCPU2bによって制御される。CPU2bは、制御部と演算部を含み、制御部が命令の解釈とプログラムの制御の流れを制御し、演算部が演算を実行する。また、プログラムは図示しないメモリに格納され、実行すべき命令(ある数値又は数値の並び)を前記プログラムの置かれたメモリから取り出し、前記プログラムを実行する。
また、モータギア261j、262jに代えてラックとし、このラックをソレノイドで駆動することもできる。ただし、ソレノイドで駆動する場合、図33示した場合と同様に例えば90度異なる2位置しか取ることはできない。モータ261k,262kであれば、90度以外の任意の角度を設定することが可能である。
図36は、本実施形態におけるストッパ機能を使用した増し折りの制御手順を示すフローチャートである。
このフローチャートに示す制御手順では、まず、ユーザが画像形成装置PRの操作パネルPRcからシート束SBの厚み情報を設定(入力)するユーザ設定処理を実行する(ステップS101)。厚み情報は例えばシート枚数である。CPU2bは入力されたシート枚数情報に応じて増し折りされるシート束SBの厚みt3を推測し、シート束SBの厚みt3が所定の厚み(ここでは、前記間隔t2に対応する予め設定された厚み)以上か否かを判定する(ステップS102)。
この判定で所定の厚み以上であれば(ステップS102:Yes)、ストッパ部材/上,下261s,262sを図31に示すストッパ機能ON位置に設定する(ステップS103)。所定の厚み未満であれば(ステップS102:No)、ストッパ部材/上,下261s,262sを図32に示すストッパ機能OFF位置に設定する(ステップS104)。そして、画像形成装置PRは、画像形成動作を実行し、画像形成が終了したシートを第1のシート後処理装置1に搬送する。第1のシート後処理装置1では、画像形成装置PRで画像形成されたシートを1枚ずつ受け取り、順次重ね合わせ整合し、スタック部でシート束を作成し、中綴じ製本装置(第2のシート後処理装置)2に搬送する(ステップS105)。
中綴じ製本装置2では、シート束SBに対して折りプレート215と折りローラ対230によって中折り処理を実行する(ステップS106)。中折りされたシート束SBは折られながら搬送され、折り部SB1が増し折りローラユニット260の増し折りローラ対261a,262aのニップ位置に達した位置で停止する。そして、その位置で、折り部SB1に沿って増し折りローラ対261a,262aが移動し、増し折り処理が行われる(ステップS107)。増し折り処理後、増し折りローラ対261a,262aがシート束SBの端部SB2から抜けて初期位置に戻った後、シート束SBは折りローラ対230及び下排紙ローラ231により図示しない下排紙トレイに排紙される(ステップS108)。
この処理では、ストッパ機能がON位置に設定された場合には、シート束SBへの増し折り処理を実行し、増し折りローラ対261a,262aがシート束SBの端部SB2から抜けるときにストッパ部材/上,下261s,262sが衝突する。このとき、ストッパ部材/上,下261s,262sは緩衝部材261tを介して衝突するので、衝突音は緩衝部材261tにより緩衝され、発生しない。若しくは、発生したとしも最小限の音で済む。
一方、ストッパ機能がOFF位置に設定された場合には、増し折り処理後、増し折りローラ対261a,262aがシート束SBの端部SB2から抜けるときにストッパ部材/上,下261s,262sは退避位置にある。これにより、ストッパ部材/上,下261s,262sが衝突することはなく、増し折りローラ/上,下261a,262a同士が衝突する。しかし、増し折りローラ/上,下261a,262aの離間距離は、前述のように衝突音がしても問題とならない距離に設定されているので、衝突音が問題となることはない。いずれにしても、シート束SBの厚みに関係なく増し折りは確実に行われ、その際、衝突音が問題となることはない。
なお、本実施形態では、シート幅方向にシート束SBが移動することなく、増し折りローラ対261a,262aが折り目方向(折り目に平行なシート搬送方向と直交する方向)に移動して増し折りを行っている。しかし、シート束SBと増し折りローラ対261a,262aは相対的に折り目方向に移動すれば良いので、いずれか一方、あるいは両方を移動させても良い。
そのため、例えば、まず、増し折りローラユニット260が押圧位置に移動して増し折りローラ対261a,262aによってシート束SBの折り部SB1を押圧する。その後、折りローラ対230を離間させ、増し折りローラユニット260が停止した状態で増し折りローラ対261a,262aを回転させ、シート束SBの折り目方向にシート束SBを押圧移動させ、増し折りを行うように構成することもできる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1) 折られたシート束SBの折り目部SB1を押圧する増し折りローラ対261a,262a(押圧手段)と、前記増し折りローラ対261a,262aの押圧位置を前記シート束SBの折り目方向に移動させるユニット移動機構263(移動手段)と、を有する中綴じ製本装置2(シート処理装置)において、前記押圧手段が、前記シート束SBを挟む一対の増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)と、前記増し折りローラ対261a,262a同士の当接を防止するストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)と、を備えたので、増し折りローラ対261a,262aがシート束SBの端部SB2を抜ける際に、増し折りローラ対261a,262a同士の当接を防止することが可能となり、増し折りローラ対261a,262aの衝突音の発生を防止し、あるいは軽減することができる。
(2) 前記一対の増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)間の間隔t2が、前記折られたシート束SBの厚みt3よりも小さくなるように設定されているので、確実に増し折りすることができる。
(3) 前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)は、前記シート束SBの厚みt3に応じて前記増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)同士の当接を防止する当接防止位置(図31位置)と当接を許容する当接許容位置(図32位置)が設定されているので、シート圧SBの厚みt3に応じていずれかの位置を選択し、増し折り機能と衝突音の防止機能をともに得ることができる。
なお、前記当接防止位置と前記当接許容位置が、前記増し折りローラ対261a,262aが前記シート束SBの端部SB2から外れたときに発生する衝突音の音量検知する手段を設け、その検知結果に基づいて前記いずれかの位置を選択するようにすることも可能である。このように選択することにより、衝突音の発生を防止し、あるいは軽減して装置の設置環境を良好に保持することができる。
(4) 前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)の当接面261s1,262s1に衝突時の衝突音を緩衝する緩衝部材261tが設けられているので、確実に衝突音を緩衝し、衝突音の発生を防止することができる。
(5) 前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)が前記当接防止位置に位置している場合、前記増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)によって前記シート束SBの折り目部SB1を押圧し、前記ユニット移動機構263(移動手段)によって前記増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)がシート束SBの端部SB2から外れたとき、前記緩衝部材261tが当接し、衝突音を緩衝するので、当接防止位置で増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)が衝突することはなく、また、緩衝部材261tによりストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)の衝突音の発生を効果的に防止することができる。
(6) 前記当接防止位置と前記当接許容位置に前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)を移動させるモータ261k,262k、モータギア261j,262j、及び中間ギア261i,262i、ストッパギア262h(駆動手段)を備えたので、モータ駆動により当接防止位置と当接許容位置に任意に移動することができる。
(7) 前記モータ261k,262k(駆動手段)は、ユーザから入力されるシート束SBの厚み情報に基づいて前記当接防止位置と前記当接許容位置のいずれかに前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)を移動させるので、簡単な制御で前記位置の設定が可能となる。
(8) 画像形成システムSYが前記(1)ないし(7)の効果を有する中綴じ製本装置(シート処理装置)を備えたので、前記(1)ないし(7)の効果を有する画像形成システムSYを提供することができる。
(9) 増し折りローラ対261a,262a(押圧手段)によって折られたシート束SBの折り目部SB1を押圧する工程と、ユニット移動機構263(移動手段)によって前記増し折りローラ対261a,262a(押圧手段)の押圧位置を前記シート束SBの折り目方向に移動させる工程と、を有するシート束の増し折り方法において、前記増し折りローラ対261a,262a(押圧手段)が、前記シート束SBを挟む一対の増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)と、前記押圧部材同士の当接を防止するストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)と、を含み、前記シート束SBの厚みに基づいて、前記ストッパ部材/上,下261s,262s(当接防止部材)を前記増し折りローラ対261a,262a(押圧部材)同士の当接を防止する当接防止位置あるいは当接を許容する当接許容位置のいずれかに設定し(S103,S104)、前記押圧部材によって増し折りする工程(S107)を備えたので、増し折りローラ対261a,262aの衝突音の発生を防止し、あるいは軽減することができる。
なお、前記実施形態における効果の説明では、本実施形態の各部について、特許請求の範囲における各構成要素をかっこ書きで示し、若しくは参照符号を付し、両者の対応関係を明確にした。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。