JP6240944B2 - 洗浄剤組成物、洗浄剤、洗浄剤組成物の製造方法 - Google Patents

洗浄剤組成物、洗浄剤、洗浄剤組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、洗浄剤組成物、洗浄剤、洗浄剤組成物の製造方法に関し、特に、洗浄性および生分解性に優れた洗浄剤組成物およびその製造方法に関する。
従来、食品工業など水を使用する各種工業において、キレート剤であるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)塩類を主成分とする洗浄剤が広く用いられている。しかし、EDTA塩類は、微生物によって分解され難いため、環境保全の面から重大な問題となってきている。
生分解性に優れた洗浄剤組成物としては、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩を含む洗浄剤組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩は、高いキレート効果を有しており、生分解性も良好である。
また、特許文献2には、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩を高収率で製造する製造方法が提案されている。
特許第4114820号公報 特許第3870448号公報
しかしながら、従来のグルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩を含む洗浄剤組成物では、生分解性が不充分であり、さらに生分解性を向上させることが要求されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な洗浄性を有し、かつ生分解性に優れた洗浄剤組成物、洗浄剤、洗浄剤組成物の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(GLDA)およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩(GLMA)の合成条件と生分解性とに着目して、鋭意検討した。その結果、GLDAおよび/またはGLMAを、原料由来の副生物であるギ酸および/またはその塩の生成が抑制される条件で合成することにより、生分解性に優れたGLDAおよび/またはGLMAが得られることを見出した。さらに、本発明者は、検討を重ね、ギ酸および/またはその塩の生成を抑制することによる生分解性向上効果は、ギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の生成が抑制されたことによるものと推定した。そして、GLDAと、所定量のGLMAと、GLDAおよび/またはGLMAの合成過程で生成した所定量のギ酸および/またはその塩とを含有する洗浄剤組成物とすることで、十分な洗浄性を有し、かつ優れた生分解性が得られることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を採用する。
[1] グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩と、
前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩100質量部に対して0.5〜14.0質量部のグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩と、
前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩100質量部に対して0質量部超2.0質量部以下のギ酸および/またはその塩とを含有し、
前記ギ酸および/またはその塩が、前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩および/または前記グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩の合成過程で生成したものであり、前記ギ酸および/またはその塩の含有量が詳細不明な不純物の生成量と相関を示す洗浄剤組成物。
なお、本発明の洗浄剤組成物は、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(GLDA)および/またはグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩(GLMA)の合成過程で生成した詳細不明な不純物の含有量を、詳細不明な不純物の含有量と相関のあるギ酸および/またはその塩の生成量で限定したものである。したがって、本発明の洗浄剤組成物における前記「詳細不明な不純物」を、物の構造又は特性により特定することは、著しく困難である。したがって、本発明の洗浄剤組成物は、その構造又は特性により直接特定することが、およそ現実的でないという事情が存在する。
[2] [1]に記載の洗浄剤組成物を含む洗浄剤。
[3][1]に記載の洗浄剤組成物の製造方法であって、
グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩を合成する合成工程を有し、
前記合成工程が、複数のホルムアルデヒド供給口と複数のシアン化ナトリウム供給口とを有する反応容器内に、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物を含む仕込み溶液を仕込む仕込み工程と、
前記複数のホルムアルデヒド供給口から前記反応容器内にホルムアルデヒドを供給するとともに、前記複数のシアン化ナトリウム供給口から前記反応容器内にシアン化ナトリウムを供給し、前記仕込み溶液と反応させる反応工程とを有し、
グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ1.8モル超〜3.5モル以下反応させて第1組成物を合成する工程と、
グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ0.7〜1.8モル反応させて第2組成物を合成する工程と、
前記第1組成物と前記第2組成物とを混合する混合工程とを有する洗浄剤組成物の製造方法。
[4] 前記反応工程において、前記ホルムアルデヒドおよび前記シアン化ナトリウムを、前記仕込み溶液中の前記グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物のモル数に対して、5〜50モル%/時の供給速度で前記反応容器内に供給し、80〜120℃の反応温度、常圧〜−600mmHgの圧力で副生するアンモニアを除去しながら反応させる[3]に記載の洗浄剤組成物の製造方法。
本発明の洗浄剤組成物および洗浄剤は、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩と、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩100質量部に対して0.5〜14.0質量部のグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩とを含むため、優れた洗浄性を有する。
また、本発明の洗浄剤組成物および洗浄剤は、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩と、グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩と、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩および/またはグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩の合成過程で生成した所定の割合以下のギ酸および/またはその塩とを含有する。このため、本発明の洗浄剤組成物および洗浄剤は、上記の合成過程で生成したギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の含有量が少ない。したがって、本発明の洗浄剤組成物および洗浄剤では、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩の生分解性が、上記の詳細不明な不純物によって抑制されることが防止され、優れた生分解性が得られる。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩を合成する合成工程が、複数のホルムアルデヒド供給口と複数のシアン化ナトリウム供給口とを有する反応容器内に、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物を含む仕込み溶液を仕込む工程と、複数のホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒドを供給するとともに、複数のシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウムを供給し、仕込み溶液と反応させる工程とを有する。このため、反応容器内に供給されたホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムが仕込み溶液と速やかに混合される。その結果、合成工程におけるギ酸および/またはその塩の生成が抑制されるとともに、ギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の生成が抑制される。したがって、本発明の製造方法によれば、生分解性に優れる洗浄剤組成物が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
「洗浄剤組成物」
本実施形態の洗浄剤組成物は、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(以下「GLDA」という場合がある。)と、グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩(以下「GLMA」という場合がある。)と、ギ酸および/またはその塩とを含有する。
本実施形態の洗浄剤組成物は、GLMAを、GLDA100質量部に対して0.5〜14.0質量部含有する。GLDAは、高いキレート効果を有しており、生分解性も良好である。GLMAもキレート効果を有する。しかも、GLMAは、GLDAと比較してさらに優れた生分解性を有する。したがって、GLMAとGLDAとを含む洗浄剤組成物が分解される際には、まずGLMAを分解する微生物が馴養されると推定される。
GLMAを分解する微生物は、GLDAも分解するものが多い。よって、GLMAを分解する微生物が馴養されることにより、GLDAを分解する微生物の馴養が促進される。その結果、GLMAとGLDAとを含む洗浄剤組成物では、GLMAを含まないものと比較して、これを分解する微生物の馴養速度が速くなり、優れた生分解性が得られるものと推定される。
GLMAの含有量がGLDA100質量部に対して0.5質量部以上であると、GLMAによる生分解性向上効果が十分に得られ、優れた生分解性が得られる。GLMAの含有量は、より一層、生分解性の優れた洗浄剤組成物を得るために、GLDA100質量部に対して1.5質量部以上であることが好ましい。さらに好ましくは2.0質量部以上である。
GLMAの含有量がGLDA100質量部に対して14.0質量部以下であると、GLMAよりも高いキレート効果を有するGLDAの含有量を十分に確保できる。このため、洗浄性に優れた洗浄剤組成物が得られる。GLMAの含有量は、より一層、洗浄性の優れた洗浄剤組成物を得るために、GLDA100質量部に対して10.0質量部以下であることが好ましい。さらに好ましくは8.0質量部以下である。
本実施形態の洗浄剤組成物は、ギ酸および/またはその塩を、GLDA100質量部に対して0質量部超2.0質量部以下含有する。洗浄剤組成物に含まれるギ酸および/またはその塩は、原料由来の副生物であり、洗浄剤組成物中のGLDAおよび/またはGLMAを合成する過程で生成したものである。
ギ酸塩としては、ナトリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。洗浄剤組成物中のギ酸および/またはその塩は、ギ酸および/またはギ酸塩のまま存在していてもよいし、解離していてもよい。
本実施形態において、ギ酸および/またはその塩の含有量とは、ギ酸およびその塩の合計量をギ酸ナトリウムの含有量として評価した場合の含有量を意味する。
本実施形態の洗浄剤組成物は、GLDAおよび/またはGLMAの合成過程で生成したギ酸および/またはその塩を、GLDA100質量部に対して0質量部超2.0質量部以下含有するので、以下に示す理由により、優れた生分解性が得られると推定される。
本発明者は、GLDAおよび/またはGLMAと、その合成条件とに着目して、鋭意検討した。その結果、GLDAおよび/またはGLMAを、副生物であるギ酸および/またはその塩の生成が抑制される条件で合成することにより、生分解性に優れたGLDAおよび/またはGLMAが得られることを見出した。さらに、本発明者は、GLDAと、GLDA100質量部に対して0.5〜14.0質量部のGLMAとを含む洗浄剤組成物において、GLDAおよび/またはGLMAの合成過程で生成したギ酸および/またはその塩の含有量が、GLDA100質量部に対して0質量部超2.0質量部以下であると、生分解性向上効果が得られることを見出した。上記のギ酸および/またはその塩の含有量は、より一層生分解性の優れた洗浄剤組成物を得るために、GLDA100質量部に対して1.5質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以下であることがより好ましい。
ギ酸および/またはその塩自体は、GLDAおよびGLMAを含む洗浄剤組成物中に含まれていても、GLDAおよび/またはGLMAの生分解性に影響を来さない。したがって、ギ酸および/またはその塩の生成が抑制される条件で合成したGLDAおよび/またはGLMAの生分解性が向上するのは、ギ酸および/またはその塩の含有量が少ないためではないと考えられる。また、ギ酸および/またはその塩が生成しやすいGLDAおよび/またはGLMAの合成条件は、GLDAおよび/またはGLMAの合成反応が促進される条件である。この合成条件では、ギ酸および/またはその塩だけでなく、詳細不明な重合物などの不純物も生成されやすくなっていると推定される。このことから、ギ酸および/またはその塩の生成を抑制することによる生分解性向上効果は、ギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の生成が抑制されたことによるものと推定される。すなわち、洗浄剤組成物中の詳細不明な不純物の含有量が少なくなり、詳細不明な不純物に起因するGLDAおよび/またはGLMAの生分解性の低下が抑制されたためであると推定される。
「製造方法」
本実施形態の洗浄剤組成物は、例えば、以下に示す製造方法で製造できる。
本実施形態では、洗浄剤組成物の製造方法の一例として、GLDAおよびGLMAを合成する合成工程において、以下に示す反応装置を用いる場合を例に挙げて説明する。
反応装置としては、原料を収容して反応させる反応容器と、反応容器の壁面に設けられた複数のホルムアルデヒド供給口と、反応容器の壁面に設けられた複数のシアン化ナトリウム供給口とを有するものを用いる。ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口の数は、複数であればよく、反応容器の大きさ等に応じて適宜決定できる。
ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口を複数設けることによる副生物の生成を抑制する効果を得るためには、各ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口は、以下に示す位置に設置されていることが好ましい。
複数のホルムアルデヒド供給口は、互いに反応容器内における離れた位置に設置されていることが好ましく、互いに反応容器内における最も離れた位置に設置されていることが最も好ましい。また、複数のシアン化ナトリウムの供給口も同様に、互いに反応容器内における離れた位置に設置されていることが好ましく、互いに反応容器内における最も離れた位置に設置されていることが最も好ましい。ホルムアルデヒド供給口と、隣接するシアン化ナトリウムの供給口との間も、できる限り離れて設置されていることが好ましい。
なお、ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口の数が一つである反応装置を用いた場合には、反応容器内で原料を反応させることにより局所的な温度上昇が生じる。このことにより、目的物の生成する反応だけでなく、ギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の生成も促進されると推定される。
これに対し、ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口の数が複数である反応装置を用いた場合、反応容器内に供給されたホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムと、反応容器内に収容されている仕込み溶液とが速やかに混合される。また、1つの供給口(ホルムアルデヒド供給口またはシアン化ナトリウム供給口)からの時間当たりの供給量が少なくなり、反応容器内に供給されたホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムが希釈されやすくなる。このことから、供給口近傍での局所的な反応による過剰な発熱が抑制される。その結果、反応容器内に供給された直後のホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムと仕込み溶液とが高濃度で接触することによる、一部の仕込み溶液と過剰なホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムとの反応により副生物が生成されることを抑制できる。
反応装置の反応容器内には、撹拌装置が設置されていることが好ましい。撹拌装置は、回転軸を中心に回転する1段または複数段の撹拌羽を有することが好ましい。反応容器内に上記撹拌装置が設置されている場合、ホルムアルデヒド供給口および/またはシアン化ナトリウム供給口は、撹拌装置の撹拌羽の近傍に設けられていることが好ましい。
反応容器内に1段または複数段の撹拌羽を有する撹拌装置が設けられている場合、複数のアルデヒド供給口および複数のシアン化ナトリウム供給口の設置位置は、撹拌羽末端の円周近傍位置に設置することが好ましい。
また、撹拌装置による撹拌効果を高めるために、ホルムアルデヒド供給口から反応容器内に流入するホルムアルデヒドの流入方向が、反応容器内で撹拌されている原料の流動方向に沿う方向であることが好ましい。
また、反応容器内に撹拌装置が設置されている場合、撹拌装置による撹拌効果を高めるために、シアン化ナトリウム供給口から反応容器内に流入するシアン化ナトリウムの流入方向が、反応容器内で撹拌されている原料の流動方向に沿う方向であることが好ましい。
本実施形態の洗浄剤組成物を製造する方法としては、酸性ストレッカー法、アルカリストレッカー法など、シアン化合物とアルデヒドとを用いるストレッカー反応を利用する方法、クロロ酢酸法になどが挙げられる。洗浄剤組成物を製造する方法としては、上記の中でも特に、操作が簡便であるアルカリストレッカー法を用いることが好ましい。
本実施形態においては、洗浄剤組成物の製造方法の一例として、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(GLDA)を主成分とする第1組成物と、グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩(GLMA)を主成分とする第2組成物とをそれぞれ別々に合成し、それらを混合することにより洗浄剤組成物を製造する方法を例に挙げて説明する。
(第1組成物の製造)
GLDAを主成分とする第1組成物の製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。まず、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物(以下「MSG」という場合がある。)と、水酸化ナトリウムと、シアン化ナトリウム(NaCN)水溶液と、水とを上記反応装置の反応容器内に仕込み、仕込み溶液とする。
その後、複数のホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド(HCHO)水溶液を所定の供給速度で供給すると同時に、複数のシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム(NaCN)水溶液を所定の供給速度で供給し、反応容器内の仕込み溶液と反応させる。このことにより、以下に示す第1反応、第2反応、副反応が生じ、GLDAとGLMAと、ギ酸および/またはその塩とが生成する。
<第1反応>
MSG+NaCN+HCHO+NaOH→GLMA+NH
<第2反応>
GLMA+NaCN+HCHO+HO→GLDA+NH
<副反応>
NaCN+2H0→HCOONa+NH
HCHO+NaOH+[O]→HCOONa+H
2HCHO+NaOH→HCOONa+CHOH+H
本実施形態の第1組成物の製造方法では、MSGのモル数に対して、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドをそれぞれ十分なモル数で供給する。このため、第1反応および第2反応が促進されるとともに、副反応が生じ、GLDAとGLMAと、ギ酸および/またはその塩とを含み、GLDAを主成分とする第1組成物が得られる。
本実施形態においては、上記の反応装置を用いて、複数のホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド水溶液を供給するとともに、複数のシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム水溶液を供給する。このため、反応容器内に供給されたホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムと、仕込み溶液とが速やかに混合される。その結果、反応容器内に供給された直後のホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムと仕込み溶液とが接触することによる、一部の仕込み溶液と過剰なホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムとの反応により副生物が生成されることを抑制できる。
よって、本実施形態の第1組成物の製造方法では、上記の副反応が生じるもののギ酸および/またはその塩の生成量(およびギ酸および/またはその塩の生成量と相関のある詳細不明な不純物の生成量)は僅かとなる。したがって、本実施形態の第1組成物の製造方法では、例えば、MSG1モルに対して、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドをそれぞれ1.8モル超〜3.5モル以下、好ましくは2.0〜3.0モル反応させると、GLDAを98質量%以上含有し、GLDA100質量部に対してギ酸および/またはその塩を2.0質量部以下含有する第1組成物が得られる。
(第2組成物の製造)
GLMAを主成分とする第2組成物を製造するには、MSGのモル数に対するシアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドのモル数を、上記の第1組成物の製造方法よりも少なくすればよい。第1反応は、第2反応と比較して反応速度が速い。このため、第2反応に使用するシアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドが不足して、第2反応よりも第1反応が優先して進行する。その結果、GLDAとGLMAと、ギ酸および/またはその塩とを含み、GLMAを主成分とする第2組成物が得られる。
第2組成物の製造方法においても第1組成物の製造方法と同様に、複数のホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒドを供給するとともに、複数のシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウムを供給し、仕込み溶液と反応させる。したがって、一部の仕込み溶液と過剰なホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムとの反応により副生物が生成されることを抑制できる。よって、本実施形態の第2組成物の製造方法では、例えば、MSG1モルに対して、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドをそれぞれ0.7〜1.8モル、好ましくは1.0〜1.5モル反応させると、GLMAを70質量%以上含有し、GLDA100質量部に対してギ酸および/またはその塩を9.0質量部以下含有する第2組成物が得られる。
これに対し、ホルムアルデヒド供給口およびシアン化ナトリウム供給口が、それぞれ1つずつ設けられた反応容器を有する反応装置を用い、MSGを含む仕込み溶液の収容された反応容器に、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドを一括して供給し、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドと仕込み溶液とを反応させた場合、本実施形態の組成物は得られない。具体的には、例えば、高収率で効率よくGLDAを製造すべく、MSG1モルに対して、シアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドをそれぞれ2.0超〜3.0モル反応させると、得られる組成物はGLDA100質量部に対してギ酸および/またはその塩を2.5質量部以上含有するものとなる。
本実施形態において、第2組成物を製造する際には、MSGのモル数に対するシアン化ナトリウムおよびホルムアルデヒドのモル数以外の条件を、第1組成物を製造する際と同じとすることができる。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法において用いられるシアン化ナトリウムは、一部をMSGとともに反応容器に仕込んでもよいし、全てをホルムアルデヒド水溶液とともに反応容器に供給してもよい。シアン化ナトリウムの一部または全部をホルムアルデヒド水溶液ともに反応容器に供給する場合、第1反応、第2反応、副反応の進行状況に応じてシアン化ナトリウムの供給速度を調整できるため、好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、原料であるシアン化ナトリウムを、シアン化ナトリウム水溶液あるいはシアン化ナトリウムスラリー液の状態で用いることが好ましい。シアン化ナトリウム水溶液(あるいはシアン化ナトリウムスラリー液)としては、10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは30〜35質量%のものを用いることが好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、原料であるホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド水溶液の状態で用いることが好ましい。ホルムアルデヒド水溶液としては、10〜60質量%、好ましくは20〜50質量%、更に好ましくは35〜40質量%のものを用いることが好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、適度に反応性を高めて効率よくGLDAおよびGLMAを生成するために、GLDAおよびGLMAを生成する際の反応温度を、80〜120℃とすることが好ましく、85〜110℃とすることがより好ましく、95〜105℃とすることがさらに好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、適度に反応性を高めて効率よくGLDAおよびGLMAを生成するために、GLDAおよびGLMAを生成する際の圧力を、常圧〜−600mmHg(−79.99kPa)とすることが好ましく、−100〜−300mmHg(−13.33〜−40.00kPa)とすることがより好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、反応容器内の反応溶液を撹拌しながら反応させることが好ましい。このことにより、一部の仕込み溶液と過剰なホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムとの反応により副生物が生成されることを、より効果的に抑制できる。
また、本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、GLDAおよびGLMAの生成を促進するために、副生するアンモニアを除去しながら反応を行うことが好ましい。アンモニアの除去方法としては、例えば、蒸留する方法、減圧条件で反応を行う方法などが挙げられる。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、連続的に反応容器内に水を供給しつつ蒸留しながら反応させることが好ましい。この場合、反応容器内への水の供給量は、反応容器内の反応溶液の濃縮を防止し、副生するアンモニアによる副反応と、結晶の析出とを抑制するために、蒸留によって仕込み溶液から減った量と同量となるようにすることが好ましい。
本実施形態の第1組成物および第2組成物の製造方法では、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムを、仕込み溶液中のMSGのモル数に対して、5〜50モル%/時の供給速度で反応容器内に供給することが好ましい。上記の供給速度が50モル%/時以下であると、供給口近傍でのMSGと高濃度のホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムとの反応による局所的な発熱が抑制され、副生物が生成されることを抑制できる。また、上記の供給速度が50モル%/時以下であると、供給されたホルムアルデヒドまたはシアン化ナトリウムが、仕込み溶液中のMSG以外の原料と反応して副生物が生成されることを抑制できる。また、上記の供給速度が5モル%/時以上であると、効率よく第1組成物および第2組成物を製造できる。
本実施形態では、仕込み溶液に対するホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の供給が終了した後、必要に応じて熟成を行ってもよい。熟成を行うことで、GLDAおよびGLMAの収率が高くなる。
熟成は、ホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の供給を行わずに、上記の反応を継続させる工程とすることができる。また、熟成は、ホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の供給を行わないこと以外の条件を、上記の反応と同じとしてもよいし、一部または全ての条件を上記の反応と異なる条件としてもよい。
熟成を行う場合、適度に反応性を高めて効率よくGLDAおよびGLMAを生成するために、75〜115℃の温度で行うことが好ましく、80〜110℃の温度で行うことがより好ましい。
熟成は、適度に反応性を高めて効率よくGLDAおよびGLMAを生成するために、常圧〜−600mmHg(−79.99kPa)で行うことがより好ましく、−100〜−300mmHg(−13.33〜−40.00kPa)で行うことがさらに好ましい。
熟成は、反応容器内の反応溶液を撹拌しながら行うことが好ましい。また、熟成においても、GLDAおよびGLMAの生成を促進するために、副生するアンモニアを除去しながら行うことが好ましい。
熟成は、連続的に反応容器内に水を供給しつつ蒸留しながら反応させることが好ましい。この場合、反応容器内への水の供給量は、反応容器内の反応溶液の濃縮を防止し、副生するアンモニアによる副反応と、結晶の析出とを抑制するために、蒸留によって仕込み溶液から減った量と同量となるようにすることが好ましい。
次に、本実施形態においては、それぞれ別々に合成したGLDAを主成分とする第1組成物とGLMAを主成分とする第2組成物とを、GLDAに対するGLMAの含有量とGLDAに対するギ酸および/またはその塩の含有量とが、所定の範囲内となる混合比で混合する。このことにより、GLDAと、GLDA100質量部に対して0.5〜14.0質量部のGLMAと、GLDA100質量部に対して2.0質量部以下のギ酸および/またはその塩とを含有し、ギ酸および/またはその塩が、GLDAおよび/またはGLMAの合成過程で生成したものである本実施形態の洗浄剤組成物が得られる。
本実施形態においては、第1組成物および第2組成物は、必要に応じて精製してから、洗浄剤組成物の材料として使用してもよい。第1組成物および第2組成物を精製する方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
「洗浄剤」
本実施形態の洗浄剤は、上述した実施形態の洗浄剤組成物を含むものであり、例えば、上述した実施形態の洗浄剤組成物に、他のキレート剤、pH調整剤、界面活性剤などの従来公知の成分を、洗浄剤の用途などに応じて添加したものが挙げられる。
洗浄剤に用いられる他のキレート剤としては、例えば、EDTA塩類などが挙げられる。
また、pH調整剤としては、公知のものを用いることができ、具体的には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、有機塩基、硫酸、塩酸、硝酸などが挙げられる。
本実施形態の洗浄剤は、洗浄剤の用途などに応じて、水などの溶媒を用いて適宜濃度を調整して用いることが好ましい。
本実施形態においては、洗浄剤中のGLMAとGLDAとの合計の含有量が、0.01〜30質量%であることが好ましい。GLMAおよびGLDAは、キレート効果を発揮する成分である。このため、洗浄剤中のGLMAとGLDAとの合計の含有量が0.01質量%以上であると、優れた洗浄性が得られる。洗浄剤中のGLMAとGLDAとの合計の含有量は、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、洗浄剤中のGLMAとGLDAとの合計の含有量が30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であると、優れた経済性および取扱い性が得られる。
本実施形態の洗浄剤の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上述した実施形態の洗浄剤組成物と、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤などの成分とを混合し、必要に応じて水などを用いて濃度を調整する方法などにより、製造できる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(洗浄剤組成物)
「実施例1〜実施例、比較例1〜比較例
(第1組成物の製造)
反応装置として、原料を収容して反応させる略円筒形の縦型反応槽型の反応容器と、反応容器の上部から配管により内挿され壁面に設けられた4つのホルムアルデヒド供給口と、反応容器の上部から配管により内挿され壁面に設けられた4つのシアン化ナトリウム供給口とを有するものを用いた。4つのホルムアルデヒド供給口は、平面視で、隣接するホルムアルデヒド供給口と反応容器の中心とを繋ぐ直線のなす角度が90度となる位置にそれぞれ設置した。また、4つのシアン化ナトリウム供給口も、平面視で、隣接するシアン化ナトリウム供給口と反応容器の中心とを繋ぐ直線のなす角度が90度となる位置にそれぞれ設置した。また、各ホルムアルデヒド供給口と各シアン化ナトリウム供給口とは、平面視で、ホルムアルデヒド供給口と反応容器の中心とを繋ぐ直線と、シアン化ナトリウム供給口と反応容器の中心とを繋ぐ直線とのなす角度が45度となる位置にそれぞれ設置した。
反応容器として、反応容器の天板から反応容器の中心に沿って延びる回転軸に付属した1段の撹拌羽を有する撹拌装置と、温度計と、蒸留装置とが備えられているものを用いた。
上記反応装置の反応容器内に、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物(MSG)(0.58モル)と、水酸化ナトリウム(NaOH)(0.64モル)と、32質量%のシアン化ナトリウム水溶液(NaCN)(0.16モル)と、水とを仕込み、260gの仕込み溶液とした。
次いで、反応容器内の圧力を−100mmHg(−13.33kPa)とし、温度を沸点(105℃)まで昇温させた。その後、反応容器内の仕込み溶液を攪拌しながら、4つのホルムアルデヒド供給口から反応容器内に、均等に40質量%のホルムアルデヒド水溶液(HCHO)119.4g(ホルムアルデヒド;1.59モル)を供給すると同時に、4つのシアン化ナトリウム供給口から反応容器内に、均等に32質量%のシアン化ナトリウム水溶液222g(シアン化ナトリウム;1.45モル)を以下に示す供給速度で供給し、以下に示す条件で、仕込み溶液と反応させた。
上記の反応は、反応温度を105℃とし、圧力を−100〜−200mmHg(−13.33〜−26.66kPa)の範囲内となるように制御し、連続的に水を供給しながら、副生するアンモニアを水と共に留去しながら行った。反応容器内への水の供給量は、蒸留によって仕込み溶液から減った量と同量となるようにした。また、仕込み溶液には、ホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の全量を、一定の供給量で、6時間で滴下した。MSGのモル数に対するホルムアルデヒドの供給速度は45モル%/時とし、MSGのモル数に対するシアン化ナトリウムの供給速度は42モル%/時とした。(ホルムアルデヒド;119.4g/6時間、シアン化ナトリウム;222g/6時間)。
さらに、仕込み溶液に対するホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の供給が終了した後、熟成を行った。熟成は、ホルムアルデヒド水溶液およびシアン化ナトリウム水溶液の供給を行わずに、反応容器内の温度を95℃に変更したこと以外は、上記の反応と同じ条件を継続して行う工程とし、熟成時間を30分間とした。以上の工程を行うことにより、GLMAとGLDAと、ギ酸および/またはその塩とを含み、GLDAを主成分とする第1組成物を得た。
(第2組成物の製造)
仕込み溶液に、40質量%のホルムアルデヒド水溶液(HCHO)59.7g(ホルムアルデヒド;0.8モル)と、32質量%のシアン化ナトリウム水溶液99.5g(シアン化ナトリウム;0.65モル)とを、3時間で滴下したことと、熟成時間を15分間としたこと以外は、上記の第1組成物の製造と同様にして、GLMAとGLDAと、ギ酸および/またはその塩とを含み、GLMAを主成分とする第2組成物を得た。MSGのモル数に対するホルムアルデヒドの供給速度は46モル%/時とし、MSGのモル数に対するシアン化ナトリウムの供給速度は37モル%/時とした。
(第組成物の製造)
1つのホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド水溶液を供給したことと、1つのシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム水溶液を供給したこと以外は、上記の第1組成物の製造と同様にして、第組成物を得た。
(第組成物の製造)
1つのホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド水溶液を供給したことと、1つのシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム水溶液を供給したこと以外は、上記の第2組成物の製造と同様にして、第組成物を得た。
このようにして得られた第1組成物〜第組成物中に含まれる「グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩(GLDA)」「グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩(GLMA)」「ギ酸および/またはその塩」の各含有量を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
また、中和滴定により、第1組成物〜第組成物中の遊離水酸化ナトリウム含有量を求めた。その結果を表1に示す。
なお、第1組成物〜第組成物中の「ギ酸および/またはその塩」の含有量として、ギ酸および/またはその塩をギ酸ナトリウムの含有量として評価した場合の含有量を測定した。また、ギ酸ナトリウムの測定は、以下の条件で行った。
カラムとしては、Shodex KC−811+KC−LG(昭和電工社製)を用いた。検出器としては、示唆屈折率検出器(RI)を用いた。分析は50℃で行った。そして、0.4%のHClOからなる溶離液を、流速1.0mL/minで送液して分析した。その結果を表1に示す。
また、第1組成物〜第組成物のGLMA、GLDA、ギ酸ナトリウムの含有量から、各組成物のGLDAの含有量を100質量部としたときのGLMAおよびギ酸ナトリウムの含有量(質量部)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0006240944
表1に示すように、1つのホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド水溶液を供給し、1つのシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム水溶液を供給した第組成物では、第1組成物と比較して、ギ酸および/またはその塩の含有量が高かった。
また、1つのホルムアルデヒド供給口から反応容器内にホルムアルデヒド水溶液を供給し、1つのシアン化ナトリウム供給口から反応容器内にシアン化ナトリウム水溶液を供給した第組成物では、第2組成物と比較して、ギ酸および/またはその塩の含有量が高かった。
次に、第1組成物〜第組成物を表2に示す混合比(質量比)で混合し、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例の洗浄剤組成物を得た。
各洗浄剤組成物中の第1組成物〜第組成物の混合比と、第1組成物〜第組成物のGLMA、GLDA、ギ酸ナトリウムの含有量とから、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例の洗浄剤組成物について、GLDAの含有量を100質量部としたときのGLMAおよびギ酸ナトリウムの含有量(質量部)を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0006240944
また、第1組成物と第2組成物とを混合して、GLDA100質量部に対するGLMA量が実施例3と同じになるようにするとともに、GLDA100質量部に対して3.00質量部となるようにギ酸Na(東京化成株式会社製)を添加し、参考例の洗浄剤組成物を得た。
(洗浄剤)
次に、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例、参考例の洗浄剤組成物と、pH調整剤としての水酸化ナトリウムと、溶媒としての水とを混合し、表3に示すように、洗浄剤中のGLDAとGLMAの合計含有量が5質量%であって、pHが13である実施例1〜実施例、比較例1〜比較例、参考例の洗浄剤を作製し、以下に示す洗浄試験と生分解性試験とを行った。
[洗浄試験]
石灰岩の粉末3%と珪藻土粉末7%とを水に撹拌懸濁させて懸濁液を作製した。また、試験体として、縦3cm横5cm厚さ1mmのステンレス(SUS304)製板を用意した。そして、試験体の端に3mmの孔を開け、孔に糸を通して吊せるようにした。
その後、試験体を50℃の懸濁液中に10分間浸漬した。次いで、孔に通した糸を利用して試験体を静かに引き上げ、110℃のオーブンで3時間乾燥し、人工汚垢板を得た。
次に、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例、参考例の各洗浄剤をそれぞれ用いて、以下に示す方法により人工汚垢板の洗浄を行った。
まず、60℃の温度に保ち、若干の流動が起こる程度に撹拌した洗浄剤中に、人工汚垢板を30分間浸漬し、静かに引き上げた。次いで、脱イオン水を入れたビーカーを3個用意し、各ビーカーに順番に、洗浄剤中から引き上げた人工汚垢板を浸漬して引き上げた。その後、人工汚垢板を110℃のオーブンで3時間乾燥させた。
このような洗浄を行った後の各人工汚垢板について、それぞれ光沢度計を用いて光沢度を測定した。
また、洗浄前の人工汚垢板と、洗浄後の人工汚垢板とを目視で観察し、以下に示す5段階の基準で評価した。
「目視評価基準」
1:汚れがほとんど落ちていない(汚れの落ちた領域の面積が20%未満)
2:汚れの落ちた領域の面積が20%以上50%未満
3:汚れの落ちた領域の面積が50%以上80%未満
4:汚れの落ちた領域の面積が80%以上90%未満
5:ほぼ汚れが落ちている(汚れの落ちた領域の面積が90%以上)
なお、光沢度および目視評価は、各洗浄剤について3回ずつ行い、その平均値を評価値とした。その結果を表3に示す。
[生分解性試験]
OECD試験ガイドラインの302Aの規定に準じて、活性汚泥を用いた生分解性試験を実施した。
下記の活性汚泥に、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例、参考例の各洗浄剤を含む下記の試験液を加えて、全炭素濃度(TOC)の負荷が0.025g/g−MLSS、活性汚泥濃度(MLSS)が8000ppmである被分解液とした。
次いで、得られた被分解液を30℃で23時間曝気した。その後、被分解液を45分間静置して上澄みを採取し、上澄み中に残存するGLDAの濃度を以下に示す方法により測定した。その後、採取した上澄みと同量の試験液を被分解液に添加した。
そして、上記の「被分解液を30℃で23時間曝気する操作」と「静置して得られた上澄み中に残存するGLDAの濃度を測定する操作」と「採取した上澄みと同量の試験液を被分解液に添加する操作」とを、この順に上澄み中のGLDAの濃度から算出したGLDAの分解率[{(最初の曝気前のGLDAの濃度−上澄み中のGLDAの濃度)/最初の曝気前のGLDAの濃度}×100(%)]が90%以上となるまで繰り返し行った。GLDAの分解率が90%以上となるまでの日数を表3に示す。
「活性汚泥」
下水処理場の返送汚泥を生理的食塩水で1回洗浄したものを用いた。
「試験液」
グルコース、ポリペプトン、無機塩類等を混合して、全炭素濃度(TOC)が300ppmとなるように調整した人口下水に、実施例1〜実施例、比較例1〜比較例、参考例の各洗浄剤を添加し、GLDAの濃度が5ppmである試験液とした。
「生分解性試験でのGLDAの濃度の測定方法」
クロマトグラフィー(LC)を用いて分析した。
カラムとしては、直径6.0mm長さ250mmのInertsilODS−2(商品名;GLサイエンス社製)を用いた。検出器としては紫外線(UV)分光検出器(波長254nm)を用いた。分析は35℃で行った。そして、1L中に硫酸銅五水和物(CuSO・5HO)0.02gとジ−n−ブチルアミン2mlとを含み、リン酸を使用してpHを2.7に調整してなる溶離液を、流速0.7mL/minで送液して分析した。
Figure 0006240944
表3に示すように、GLMAをGLDA100質量部に対して0.5〜14.0質量部含有し、ギ酸ナトリウムをGLDA100質量部に対して2.0質量部以下含有する洗浄剤を用いた実施例1〜実施例では、光沢度が90%以上と高く、目視評価が5となり、優れた洗浄効果が得られた。しかも、実施例1〜実施例では、GLDAの分解率が90%以上となるまでの日数が5日以下であり、生分解性に優れている。
これに対し、ギ酸ナトリウムをGLDA100質量部に対して2.0質量部超含有する洗浄剤を用いた比較例1〜比較例では、GLDAの分解率が90%以上となるまでの日数が7〜9日であり、実施例1〜実施例と比較して生分解性が劣っていた。
また、GLMAをGLDA100質量部に対して0.5質量部未満含有する洗浄剤を用いた比較例8では、GLDAの分解率が90%以上となるまでの日数が7日であり、実施例1〜7と比較して生分解性が劣っていた。
また、GLMAをGLDA100質量部に対して14.0質量部を超えて含有する洗浄剤を用いた比較例9では、実施例1〜実施例と比較して光沢度が低く、目視評価も4であり、洗浄効果が劣っていた。
参考例では、GLDA100質量部に対するGLMA量の差が小さく、GLDA100質量部に対するギ酸ナトリウム量が同じである比較例3と比較して、生分解性が良好であった。このことから、洗浄剤の生分解性を劣化させる原因物質は、洗浄剤中のギ酸ナトリウム自体ではなく、ギ酸ナトリウムの生成量と相関のある詳細不明な不純物であると推定できる。

Claims (4)

  1. グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩を合成する合成工程を有し、
    前記合成工程が、複数のホルムアルデヒド供給口と複数のシアン化ナトリウム供給口とを有する反応容器内に、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物を含む仕込み溶液を仕込む仕込み工程と、
    前記複数のホルムアルデヒド供給口から前記反応容器内にホルムアルデヒドを供給するとともに、前記複数のシアン化ナトリウム供給口から前記反応容器内にシアン化ナトリウムを供給し、前記仕込み溶液と反応させる反応工程とを有し、
    グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ1.8モル超〜3.5モル以下反応させて第1組成物を合成する工程と、
    グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ0.7〜1.8モル反応させて第2組成物を合成する工程と、
    前記第1組成物と前記第2組成物とを混合する混合工程とを有する洗浄剤組成物の製造方法で製造されたものであって、
    グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩と、
    前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩100質量部に対して0.5〜14.0質量部のグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩と、
    前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩100質量部に対して0質量部超2.0質量部以下のギ酸および/またはその塩とを含有し、
    前記ギ酸および/またはその塩が、前記グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩および/または前記グルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩の合成過程で生成したものである洗浄剤組成物。
  2. 請求項1に記載の洗浄剤組成物を含む洗浄剤。
  3. 請求項1に記載の洗浄剤組成物の製造方法であって、
    グルタミン酸二酢酸四ナトリウム塩およびグルタミン酸モノ酢酸三ナトリウム塩を合成する合成工程を有し、
    前記合成工程が、複数のホルムアルデヒド供給口と複数のシアン化ナトリウム供給口とを有する反応容器内に、グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物を含む仕込み溶液を仕込む仕込み工程と、
    前記複数のホルムアルデヒド供給口から前記反応容器内にホルムアルデヒドを供給するとともに、前記複数のシアン化ナトリウム供給口から前記反応容器内にシアン化ナトリウムを供給し、前記仕込み溶液と反応させる反応工程とを有し、
    グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ1.8モル超〜3.5モル以下反応させて第1組成物を合成する工程と、
    グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物1モルに対して、ホルムアルデヒドおよびシアン化ナトリウムをそれぞれ0.7〜1.8モル反応させて第2組成物を合成する工程と、
    前記第1組成物と前記第2組成物とを混合する混合工程とを有する洗浄剤組成物の製造方法。
  4. 前記反応工程において、前記ホルムアルデヒドおよび前記シアン化ナトリウムを、前記仕込み溶液中の前記グルタミン酸モノナトリウム塩一水和物のモル数に対して、5〜50モル%/時の供給速度で前記反応容器内に供給し、80〜120℃の反応温度、常圧〜−600mmHgの圧力で副生するアンモニアを除去しながら反応させる請求項3に記載の洗浄剤組成物の製造方法。
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