JP6240447B2 - エラスチン産生促進剤 - Google Patents

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本発明は、ペプチド分子等を含有するエラスチン産生促進剤に関する。
皮膚の老化は、細胞外マトリックスの合成とマトリックスメタロプロテアーゼなどによる分解との間のバランスの不均衡により生ずる。皮膚老化は加齢、乾燥、酸化、物理的刺激や、紫外線などの外的ストレスが要因とされている。組織学的な現象としては、真皮中のコラーゲン、エラスチン、グルコサミノグリカンなどの細胞外マトリックス成分の変化が挙げられ、これらの質的および量的な現象が皮膚老化において重要であると考えられる。また、紫外線照射時には、真皮内の線維芽細胞のエラスチン合成が抑制され、それに伴ってシワができやすくなる。よって、紫外線照射時にエラスチン合成を促進することができれば、シワを抑制することも可能であると考えられる。
特許文献1には、2種類以上のムコ多糖、コラーゲンおよび/もしくはエラスチンまたはその部分分解物、コエンザイムQ10を有効成分とする経口用皮膚老化予防または改善剤が記載されている。しかし、これらの成分から3つの成分を除いた比較例2(コラーゲンペプチドを含む)では、肌の弾力性、水分量、肌明度の改善効果がほとんど認められないことが分かると記載されている。
非特許文献1〜5には、コラーゲンペプチドによって皮膚の水分量が増加することが記載されている。しかし、水分量増加はエラスチン産生促進とは無関係である。また、いかなるペプチドが水分量増加作用を示すかも不明である。
非特許文献6および7には、Pro−Hyp等が線維芽細胞の増殖促進作用を有し、またヒアルロン酸の産生を促進することが記載されている。しかし、これらのコラーゲンペプチドによって、エラスチン遺伝子のmRNAはほぼ変化が無かったことが記載されている。
特開2006−143671
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本発明が解決しようとする課題は、皮膚のシワおよびたるみを予防および改善することができる、従来技術よりも優れたエラスチン産生促進剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、ペプチド分子であるGlu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyならびにこれらの組み合わせに、優れたエラスチンの産生促進作用があることを見出して、本発明を完成させるに至った。即ち本発明は、以下の通りである。
[1] Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択されるペプチドまたはその薬学上許容される塩を含有する、エラスチン産生促進剤。
[2] Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−HypおよびLeu−Hyp−Glyからなる群から選択されるペプチドまたはその薬学上許容される塩を含有する、[1]記載のエラスチン産生促進剤。
[3] Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択される2以上のペプチドまたはそれらの薬学上許容される塩を含有する、[1]記載のエラスチン産生促進剤。
[4] Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Glyまたはその薬学上許容される塩と、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択されるペプチドまたはその薬学上許容される塩とを含有する、[3]記載のエラスチン産生促進剤。
[5] 美肌化粧料として用いられる、[1]〜[4]のいずれか記載のエラスチン産生促進剤。
[6] Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択されるペプチドまたはその薬学上許容される塩を含有する、健康食品。
本発明によって、Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyのペプチド分子を含有する、従来技術よりも優れたエラスチン産生促進剤を提供することができる。これらのペプチド分子によって、エラスチン産生が促進され、皮膚のシワおよびたるみを予防および改善することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.ペプチド
本発明に用いられるペプチドは、Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyであり、本ペプチドは薬学上許容される塩とすることができる。好ましいペプチドとして、Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−GlyおよびLeu−Hypが挙げられ、より好ましくはGlu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−HypおよびLeu−Hyp−Glyが挙げられ、特に好ましくはGlu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Glyが挙げられる。また、本ペプチドは、2つ以上を組み合わせて用いることも好ましく、特にGlu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Glyまたはその薬学上許容される塩と、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択されるペプチドまたはその薬学上許容される塩とを組み合わせことが好ましい。
「薬学上許容される塩」としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩等の有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられる。
本ペプチドは、例えば「固相合成法」および「液相合成法」(例えば、特開2003−183298)等で合成することができる。なお、固相合成法の場合はさらにFmoc法とBoc法の方法が知られており、本ペプチドはいずれの方法で合成してもよい。固相合成法の例を、以下に具体的に説明する。表面をアミノ基で修飾した直径0.1mm程度のポリスチレン高分子ゲルのビーズを固相として用い、縮合剤としてジイソプロピルカルボジイミドを用いる。まず、C末のアミノ酸のアミノ基をFmoc基またはBoc基で保護して、上記ポリスチレン高分子ゲルのアミノ基とペプチド結合を形成させる。固相を溶媒でよく洗い、残存する試薬、アミノ酸を洗浄除去し、その後、固相に結合しているアミノ酸のアミノ基の保護基を除去する。続いて、アミノ基を保護したアミノ酸を用いて、順次、同様の反応を繰り返すことで、固相上でペプチドを合成する。最後に、固相をトリフルオロ酢酸で温浸させることで、ペプチドを固相から切り離すことで、ペプチドを合成することができる。
本ペプチドは、ゼラチンにエンド型プロテアーゼおよびエキソ型プロテアーゼの2種以上を組み合わせて加水分解することによっても製造することができる。また、上記加水分解をしたペプチド混合物自体またはこれを部分精製した混合物をエラスチン産生促進剤として用いることもできる。
本発明において、本ペプチドは化学修飾されていても良い。化学修飾はアミノ酸単位で行われうるが、例えば、ヒドロキシプロリンの水酸基、N末アミノ酸のアミノ基およびC末アミノ酸のカルボキシル基が挙げられる。このような化学修飾によって、弱酸性から中性で溶解可能にでき、後述する他の有効成分との相溶性向上なども可能となる。
具体的には、ヒドロキシプロリンの水酸基の化学修飾としては、例えばO−アセチル化等が挙げられる。N末アミノ酸のアミノ基の化学修飾としては、例えばポリペプチジル化、スクシニル化、マレイル化、アセチル化、脱アミノ化、ベンゾイル化、アルキルスルホニル化、アリルスルホニル化、ジニトロフェニル化、トリニトロフェニル化、カルバミル化、フェニルカルバミル化、チオール化等が挙げられる。C末アミノ酸のカルボキシル基の化学修飾としては、例えばエステル化、アミド化等が挙げられる。さらに、本ペプチドをカチオン化する場合は、エチレンジアミン化、スペルミン化などを行うことができる。
化学修飾の具体的手段や処理条件は、通常のペプチドの化学修飾技術が適用される。例えば、ヒドロキシプロリンの水酸基のO−アセチル化は水溶媒中または非水溶媒中で無水酢酸を作用させることなどによって行うことができる。例えば、C末アミノ酸のカルボキシル基のエステル化はメタノールへの懸濁後に乾燥塩化水素ガスを通気することなどによって行うことができ、そのアミド化はカルボジイミドなどを作用させることによって行うことができる。さらに、化学修飾のその他の具体例として、特公昭62−44522号公報や特公平5−79046号公報等に記載の化学修飾技術が適用できる。
2.エラスチン産生促進剤
本ペプチド等は、後述の評価試験に記載の通り、エラスチン発現促進作用を有する。従って、本ペプチド等は、エラスチンの産生を促進して、皮膚のシワおよびたるみを予防および改善することができる。また、美容のための化粧料として用いることもできる。
本発明のエラスチン産生促進剤は、経口的に又は非経口的に種々の形態で投与することができる。その形態としては、経口的に投与する場合は、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉剤、液剤、懸濁製剤、乳化製剤等が挙げられ、または飲食品に混合することもできる。非経口的に投与する場合は、例えば、皮膚への塗布、注射剤、経皮剤、坐剤、点鼻剤及び吸入剤等が挙げられる。好ましくは、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、皮膚への直接塗布する液剤、軟膏、クリーム剤、パップ剤等が挙げられる。なお、本ペプチドは、消化管でアミノ酸への分解もほとんど起こらず、腸管で迅速に吸収されるため、経口投与による摂取が好適である。本ペプチドは食事または飲料に混ぜて摂取させることも好ましい。
本ペプチドの投与量は、対象の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、成人1日当たり、経口投与の場合は、例えば、約0.1〜1000mg、好ましくは約1〜500mg、より好ましくは約10〜200mgが挙げられ、皮膚に直接投与する場合は、例えば、約0.0001〜90重量%、好ましくは約0.001〜50重量%、より好ましくは約0.01〜10重量%が挙げられる。その他の形態の製剤は、これらの投与量を参考にして適宜決めることができる。これら製剤は、1日1〜数回に分けて投与するか、または1〜数日に1回投与することができる。
本発明のエラスチン産生促進剤は、本発明の効果を害しない範囲で、適宜他の有効成分や製剤用の成分を含有させても良い。他の有効成分として、例えばヒアルロン酸等が挙げられる。他の有効成分の配合量としては、各々の作用に応じて適宜、変更することができる。
医薬製剤に製剤化する際に用いる薬学上許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。本医薬製剤は、従来公知の方法に従って、本ペプチド、他の有効成分、薬学上許容される担体等を混合して製造することができる。
3.健康食品
本ペプチド等は、天然コラーゲンに由来するペプチドであるため、日常的に摂取または塗布しても極めて安全である。そこで、本ペプチド等の優れたエラスチン産生促進作用を利用した、本ペプチド等を含有する飲食品、すなわち健康食品等としても有用である。本発明の健康食品における本ペプチド等は、利用する効果に応じて適宜、含有量を変更して用いることができる。
以下、本発明を実施例、比較例、評価試験によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1〜11
前記のペプチド固相合成法を用いて、以下のペプチドを合成した。
(実施例1)Glu−Hyp−Gly(EOG)
(実施例2)Ser−Hyp−Gly(SOG)
(実施例3)Ala−Hyp−Gly(AOG)
(実施例4)Glu−Hyp(EO)
(実施例5)Leu−Hyp−Gly(LOG)
(実施例6)Ala−Hyp(AO)
(実施例7)Pro−Hyp−Gly(POG)
(実施例8)Leu−Hyp(LO)
(実施例9)Pro−Hyp(PO)
(実施例10)Pro−Ala(PA)
(実施例11)Hyp−Gly(OG)
実施例12
コラーゲンペプチドHDL−12SP(新田ゼラチン製)。
LC−MS/MSで分析したところ、本コラーゲンペプチドには以下のペプチドがそれぞれ含まれていた。
EOG:308.1ppm,SOG:351.2ppm,AOG:330.7ppm,EO:57.9ppm,LOG:223.4ppm,GPO:75.5ppm,PO:143.6ppm,OG:5810.4ppm,PA:1498.6ppm,AO:62.9ppm。
比較例1
前記のペプチド固相合成法を用いて、Gly−Pro−Hyp(GPO)を合成した。
比較例2
デキストリン(TK−16、松谷化学社製)。
比較例3
コラーゲンペプチドHDL−50SP(新田ゼラチン製)。
LC−MS/MSで分析したところ、本コラーゲンペプチドには以下のペプチドがそれぞれ含まれていた。
AOG:0.1ppm,EO:0.1ppm,LOG:3.8ppm,GPO:0.1ppm,PO:8.3ppm,OG:11.3ppm,PA:36.7ppm,AO:6.0ppm。
試験例1
エラスチン発現促進試験
ヒト正常皮膚線維芽細胞NHDF(NB)を用いた。10%FBS含有DMEM/F12で前培養し、4×10細胞/ml×10ml(4×10細胞/皿)で3日培養した。細胞がサブコンフルエントになっていることを確認後、PBS10mlに置き換えた。UV照射区はクロストロリンカーでUVBランプを用い、照射量が2.5mJ/cm(3500uW/cm×7秒)になるように蓋を開け、照射した。その後、UV照射区およびUV非照射区を共に、試験培地9.5ml(DMEM/F12培地)に置き換えた。終濃度0.005、0.05、0.5または5mMとなるように試験培地に可溶化したサンプルを各々0.5ml添加し、6時間反応させた。コントロールには試験培地のみを10ml添加した。細胞より全RNAを抽出し、逆転写を行いリアルタイムPCRにかけた。リアルタイムPCRでは標的遺伝子としてエラスチン(Hs00355783_m1)を測定した。補正遺伝子はGAPDHで行った。計算は検量線法を用い、プライマー&プローブはTaqMan Gene ExpressionのFAM色素を用いた。また、UV非照射区およびUV照射区のそれぞれのコントロール値を1.0とした。UV非照射区コントロールを1.0とした場合、UV照射区コントロール値は0.32であり、UV照射することによってエラスチン産生は非常に抑制される。
実施例1〜11および比較例1のペプチドについて、エラスチン発現促進作用をUV照射区とUV非照射区に分けて測定した。表1にUV非照射区について、表2にUV照射区についての結果を示す。*、**および***は、Paired-t-testにおいて、コントロールに対してそれぞれP<0.05、P<0.01、P<0.001で有意であることを示す。
Figure 0006240447
Figure 0006240447
また、試験培地9.5mlに対し、各々の終濃度の合計が0.1mMとなるように実施例1のEOG、実施例2のSOGまたは実施例3のAOGと他のペプチドとを1:1で混合したものを0.5ml添加した。コントロールには試験培地のみを10ml添加した。UV非照射区とUV照射区についてのエラスチン発現促進作用を試験を行った。*、**および***は、Paired-t-testにおいて、コントロールに対してそれぞれP<0.05、P<0.01、P<0.001で有意であることを示す。
Figure 0006240447
表1および3から分かる通り、本発明のペプチドはUV非照射区においてエラスチン発現促進作用を有している。また、表2および3では、UV照射という過酷な条件にも関わらず、コントロールより有意にエラスチン発現を促進しており、UV照射時にも非常に有効である。なかでも実施例1〜8のペプチドが高い作用を有しており、特に実施例1〜5のペプチドが好ましく、実施例1〜3のペプチドが最も好ましい。
さらに、実施例1〜3のペプチドと、その他の実施例1〜11のペプチドとを組み合わせることで、エラスタチン発現促進作用が相乗的に向上する。
試験例2
臨床試験
試験食品として実施例12、比較例2および3を用いて、臨床試験を行った。被験者は、乾燥肌、肌荒れに自覚を持つ健康な女性85人に対して、実施例12摂取群、比較例2摂取群、比較例3摂取群に無作為に割付し、実施例12群28人、比較例2群28人、比較例3群29人で二重盲検試験を行った。患者は33歳〜55歳であった。各試験食品を5g摂取を8週間連続摂取した。評価方法は、専門医による診断により頬のたるみを評価した。また、Skin Surface Analyzer(商標)により目じりシワ数を、Cutometer(商標)により目じりの肌弾力(R2)を測定し、評価した。評価は0週目、4週目、8週目で行った。
頬たるみの試験結果を以下に示す。*はTwo-way-ANOVAにおいて、比較例2に対してP<0.05で有意であることを示す。
Figure 0006240447
目尻しわ数の試験結果を以下に示す。*はTwo-way-ANOVAにおいて、比較例2に対してP<0.05で有意であることを示す。
Figure 0006240447
弾力性(目じり)の試験結果を以下に示す。*はTwo-way-ANOVAにおいて、比較例2に対してP<0.05で有意であることを示す。
Figure 0006240447
以上の通り、特殊な酵素で加水分解させたEOG、SOG、AOG等が多いペプチド混合物(実施例12)は、デキストリン(比較例2)および従来から知られている通常の酵素で加水分解したペプチド混合物(比較例3)と比べて、頬たるみ、目尻しわおよび弾力性(目じり)において、有意な有効性を示した。
本発明によって、ペプチド分子を含有する、従来技術よりも優れたエラスチン産生促進剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−GlyおよびAla−Hyp−Glyからなる群から選択される1種以上の第1ペプチドまたはその薬学上許容される塩と、Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択される1種以上の第2ペプチドまたはその薬学上許容される塩と、からなる少なくとも2種以上のペプチドまたはその薬学上許容される塩を含むペプチド混合物を0.1mM以上含む、エラスチン産生促進剤。
  2. 美肌化粧料として用いられる、請求項1に記載のエラスチン産生促進剤。
  3. Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−GlyおよびAla−Hyp−Glyからなる群から選択される1種以上の第1ペプチドまたはその薬学上許容される塩と、Glu−Hyp−Gly、Ser−Hyp−Gly、Ala−Hyp−Gly、Glu−Hyp、Leu−Hyp−Gly、Ala−Hyp、Pro−Hyp−Gly、Leu−Hyp、Pro−Hyp、Pro−AlaおよびHyp−Glyからなる群から選択される1種以上の第2ペプチドまたはその薬学上許容される塩と、からなる少なくとも2種以上のペプチドまたはその薬学上許容される塩を含むペプチド混合物を0.1mM以上含む、エラスチン産生促進作用を有するエラスチン産生促進用健康食品。
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