JP6240389B2 - フォトリフラクティブ基材およびホログラム記録媒体 - Google Patents

フォトリフラクティブ基材およびホログラム記録媒体 Download PDF

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本発明は、光記録などの分野に用いられるフォトリフラクティブ基材、およびこのフォトリフラクティブ基材を備えるホログラム記録媒体に関する。
フォトリフラクティブ材料は、2つの光をフォトリフラクティブ上で交差させ、照射光の干渉により生じた空間電界に対応して、屈折率が変化する材料である。
そのため、非線形光学材料のこのような特性を利用することにより信号光に対し非線形な信号処理を行う光変調素子への利用が可能である。すなわち、回折格子の形成を利用したホログラム記録媒体や、エネルギー移動を利用した光スイッチング素子として用いることができる。また、回折格子から発生する回折光は位相共役となっていることから、位相共役鏡としても用いることができる。
このようなフォトリフラクティブ材料としては、古くから知られた無機フォトリフラクティブ材料に代えて、非晶質の有機化合物を用いた、低コストで成形加工性に優れたフォトリフラクティブ材料(以下、有機フォトリフラクティブ材料という)の開発が求められている。
特開2007−41324号公報
上記特許文献1に開示された有機フォトリフラクティブ材料を、たとえば、ホログラム記録媒体などに用いる場合には、有機フォトリフラクティブ材料をフィルム化し、フォトリフラクティブ基材を得て、これを用いて、ホログラム記録媒体を製造することが一般的である。しかしながら、このようなホログラム記録媒体用途などに用いた際に、フォトリフラクティブ基材表面の凹凸の影響により、再生光の照射により再生された信号光が散乱光に埋もれてしまい、信号光が検出できない場合があるという課題があった。
本発明者は、上記課題に対し鋭意研究した結果、フォトリフラクティブ基材の表面を所定の状態に制御することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、最大高さRzが0.51μm以下である表面を有し、非線形光学色素として3−[(2,6,4−トリクロロ)アゾ]−9H−カルバゾール−9−エタノール、および非光導電性な透明樹脂を少なくとも含むフォトリフラクティブ材料組成物を用いて形成されるフィルム状フォトリフラクティブ基材が提供される
本発明のフォトリフラクティブ基材は、前記表面の算術平均粗さRaが0.054μm以下であることが好ましい。
また、本発明のフォトリフラクティブ基材は、外部電場を印加することなくフォトリフラクティブ特性を示すものであることが好ましい
また、本発明によれば、上記いずれかのフォトリフラクティブ基材を備えるホログラム記録媒体が提供される。
本発明によれば、ホログラムとして記録された情報を高いS/N比(シグナル/ノイズ比)で再生することのできるフォトリフラクティブ基材、およびこのフォトリフラクティブ基材を用いて得られるホログラム記録媒体を提供することができる。
図1(A)は、本発明の実施例に係るホログラム画像を示す図、図1(B)は、比較例に係るホログラム画像を示す図である。
まず、本発明のフォトリフラクティブ基材について説明する前に、本発明のフォトリフラクティブ基材を形成するためのフォトリフラクティブ材料について説明する。フォトリフラクティブ材料は、2つの光をフォトリフラクティブ上で交差させ。照射光の干渉により生じた空間電界に対応して、屈折率が変化する材料である。
<フォトリフラクティブ材料>
本発明のフォトリフラクティブ基材を形成するためのフォトリフラクティブ材料としては、フォトリフラクティブ特性を発現する材料であれば何でもよく特に限定されない。すなわち、本発明においては、フォトリフラクティブ材料としては、電場を印加した状態でフォトリフラクティブ特性を発現するもの、あるいは、電場を印加しない状態でフォトリフラクティブ特性を発現するもののいずれも使用することができるが、高電圧での電場の印加が不要であるという点より、電場を印加しない状態でフォトリフラクティブ特性を発現するものを用いることが好ましい。
なかでも、本発明においては、このようなフォトリフラクティブ材料として、非線形光学色素と、および非光導電性の透明樹脂を含有する組成物であり、好ましくは、さらに可塑剤を含有する。
非線形光学色素としては、非線形光学特性を有するものであればよく、特に限定されないが、たとえば、下記一般式(1)で表される化合物を好ましく用いることができる。
Figure 0006240389
上記一般式(1)において、R1は、炭素数6〜18の置換基を有していてもよい2価の芳香族基、または炭素数2〜18の置換基を有していてもよい−N=N−と共役二重結合を形成する2価の不飽和脂肪族基であり、好ましくは、炭素数6〜12の置換基を有していてもよい2価の芳香族基、または炭素数2〜6の置換基を有していてもよい−N=N−と共役二重結合を形成する2価の不飽和脂肪族基であり、R1が2価の芳香族基である場合には、R1を構成する芳香環は、ヘテロ原子を含有していてもよい。
また、R2は、炭素数6〜18の置換基を有していてもよい2価の芳香族基、または炭素数2〜18の置換基を有していてもよい−N=N−と共役二重結合を形成する2価の不飽和脂肪族基であり、好ましくは、炭素数6〜12の置換基を有していてもよい2価の芳香族基、または炭素数2〜6の置換基を有していてもよい−N=N−と共役二重結合を形成する2価の不飽和脂肪族基であり、R2が2価の芳香族基である場合には、R2を構成する芳香環は、ヘテロ原子を含有していてもよい。なお、置換基としては、特に限定されないが、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。
また、上記一般式(1)において、Dは、電子供与性基であり、好ましくは、アミノ基、アルコキシ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される少なくとも1つである。このような電子供与性基の具体例としては、−N(CH3)2基、−NH2基、−OCH3基、−OH基などが挙げられ、これらのなかでも、フォトリフラクティブ特性をより高めることができるという観点より、−N(CH3)2基が特に好ましい。
さらに、上記一般式(1)において、Aは、電子受容性基であり、その具体例としては、−NO基、−NO2基、−CHO基、−CN基などが挙げられ、これらのなかでも、フォトリフラクティブ特性をより高めることができるという観点より、−NO基が特に好ましい。
また、上記一般式(1)において、mは0〜18の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。なお、m=0の場合は、R1とAとが直接結合した構造となる。上記一般式(1)において、nは0〜18の整数であり、好ましくは2〜6の整数であり、m=0の場合と同様に、n=0の場合は、R2とDとが直接結合した構造となる。
本発明においては、上記一般式(1)で表される化合物の中でも、フォトリフラクティブ特性をより高めることができるという観点より、下記一般式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006240389
なお、上記一般式(2)において、A,D,m,nは、上記一般式(1)と同様である。式中、A、A1、およびA2は、それぞれ独立した電子受容性基である。
フォトリフラクティブ材料中における、非線形光学色素の含有割合は、好ましくは10〜40重量%であり、より好ましくは20〜30重量%、さらに好ましくは30〜35重量%である。非線形光学色素の含有割合が少なすぎも、また、多すぎても、得られるフォトリフラクティブ基材のフォトリフラクティブ特性が不十分となるおそれがある。
非光導電性な透明樹脂としては、光導電的に不活性であり、透明性を有し、マトリックス樹脂として作用するものであれば何でもよいが、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリシクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)などが挙げられる。これらのなかでも、透明性が高いという観点より、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が特に好ましい。
また、非光導電性な透明樹脂としては、重量平均分子量(Mw)が15,000〜3,500,000の範囲にあるものが好ましく、97,000〜2,500,000の範囲にあるものがより好ましく、350,000〜1,500,000の範囲にあるものがさらに好ましい。重量平均分子量が小さすぎると、機械的強度が低下するおそれがある。一方、重量平均分子量が大きすぎると、樹脂の合成が困難となる。
フォトリフラクティブ材料中における、非光導電性の透明樹脂の含有割合は、好ましくは20〜90重量%であり、より好ましくは60〜80重量%、さらに好ましくは65〜70重量%である。非光導電性の透明樹脂の含有割合が少なすぎると、得られるフォトリフラクティブ基材の非線形光学色素の結晶化により透明性が損なわれるおそれがあり、一方、多すぎると、十分な非線形光学効果が得られないおそれがある。
また、可塑剤をさらに含有するものをフォトリフラクティブ材料として用いてもよい。可塑剤は、得られるフォトリフラクティブ基材のガラス転移温度Tgを低下させ、これにより、非線形光学色素の移動度を向上させることでき、その結果として、回折応答速度を向上させる作用を有する。可塑剤としては、特に限定されず、従来公知のものを制限なく用いることができるが、非光導電性の透明樹脂に対する相溶性の観点より、非光導電性の透明樹脂のSP値(溶解パラメータ)をSPRとし、可塑剤のSP値をSPPとした場合に、これらの差「SPR−SPP」が3以下であるものを用いることが好ましく、差が2以下であるものを用いることがより好ましい。
可塑剤の具体例としては、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)などのアジピン酸エステル類;アゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)などのアゼライン酸エステル類;クエン酸トリn−ブチルなどのクエン酸エステル類;テトラヒドロキシ無水フタル酸のエポキシ化物やテトラヒドロキシ無水フタル酸のエポキシ化不飽和油脂などのエポキシ誘導体;フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチルなどのフタル酸エステル類;トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリ−n−オクチル、トリメリット酸トリイソデシル、トリメリット酸トリイソオクチルなどのトリメリット酸エステル類;2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどのリン酸エステル類;ジエチレングリコールジアセテートなどのグリコールジアセテート類;エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オクチルフタリルオクチルグリコレートなどのアルキルフタリルアルキルグリコレート類;などが挙げられる。
フォトリフラクティブ材料中の可塑剤の含有割合は、好ましくは0.01〜65重量%であり、より好ましくは1〜60重量%、特に好ましくは5〜50重量%である。可塑剤の含有割合を上記範囲とすることにより、可塑剤の添加効果、すなわち、回折応答速度の向上効果をより顕著なものとすることができる。
<フォトリフラクティブ基材>
本発明のフォトリフラクティブ基材は、たとえば、上述したフォトリフラクティブ材料を用いて得られ、最大高さRzが0.5μm以下である表面を有するものである。本発明のフォトリフラクティブ基材は、たとえば、フィルム状の形状を有するものである。
本発明のフォトリフラクティブ基材は、その表面の最大高さRzが0.5μm以下であればよいが、最大高さRzは、好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。また、最大高さRzの下限は特に限定されないが、通常、0.02μm程度である。本発明によれば、フォトリフラクティブ基材表面の最大高さRzを、上記範囲に制御することにより、たとえば、ホログラム記録媒体用途などに用いた際に、再生光の拡散反射を抑制することでき、これにより、ホログラムとして記録された情報を高いS/N比(シグナル/ノイズ比)で再生することを可能とすることができる。なお、最大高さRzは、たとえば、JIS B0601:2001に準拠して測定することができる。
ここで、最大高さRzは、表面の凹凸の凸高さの最大値と、凹深さの最大値との和を表すものであり、たとえば、表面の凸部分を粒子に近似した場合に、最大高さRzは、表面の凸部分を形成する粒子の平均粒子径として捉えることができる。一方で、光の反射態様を規定する粒径パラメータαは、粒子の平均粒子径Dと、光の波長λとから、下記式で規定されることとなる。
α=πD/λ
そして、ホログラム記録媒体における再生光の波長は、通常、400〜800nmであるところ、本発明者の知見によると、D<λである場合に、再生光の拡散反射を良好に抑制することできるものであり、そのため、このような理由より、最大高さRzを上記範囲に制御するものである。
また、本発明のフォトリフラクティブ基材は、その表面の最大高さRzが上記範囲にあることに加えて、その表面の算術平均粗さRaが、好ましくは0.051μm以下、より好ましくは0.03μm以下、さらに好ましくは0.02μm以下である。また、算術平均粗さRaの下限は特に限定されないが、通常、0.01μm程度である。最大高さRzに加え、算術平均粗さRaを上記範囲に制御することにより、ホログラム記録媒体用途などに用いた際における、再生光の拡散反射の抑制効果をより高めることができる。なお、算術平均粗さRaは、たとえば、JIS B0601:2001に準拠して測定することができる。
なお、フォトリフラクティブ基材の表面の最大高さRz、算術平均粗さRaを上記範囲とする方法としては、特に限定されないが、たとえば、上述したフォトリフラクティブ材料を用いてフォトリフラクティブ基材を製造する過程において、フォトリフラクティブ材料を用いて得られたフィルムを熱プレスする際の熱プレス条件(プレス圧や、プレス温度)を後述する所定の条件とする方法や、熱プレスに用いる成形型として、後述する所定の表面状態を有するものを用いる方法などが挙げられる。また、これらの方法は、適宜組み合わせてもよい。
次いで、本発明のフォトリフラクティブ基材の製造方法について説明する。
本発明のフォトリフラクティブ基材は、たとえば、上述したフォトリフラクティブ材料を溶媒と混合した溶液を調製し、フォトリフラクティブ材料と溶媒とを混合してなる溶液を用いてフィルムを作製し、得られたフィルムを熱プレスすることにより、製造することができる。
溶媒としては、上述したフォトリフラクティブ材料を溶解可能なものであれば制限なく用いることができるが、たとえば、テトラヒドロフラン(THF)、N−メチルピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などが挙げられる。
フォトリフラクティブ材料と溶媒とを混合してなる溶液を用いてフィルムを作製する際には、ガラス板などの基材上にスピンコートするスピンコート法、滴下などにより直接塗布して、目的の膜厚、形状に応じて溶液を流延するキャスト法などが挙げられる。なお、フィルムを作製する際には、溶媒を除去するために、必要に応じて30〜250℃程度の温度で加熱乾燥してもよい。
そして、本発明においては、このようにして得られたフィルムについて熱プレスを行う。本発明においては、得られるフォトリフラクティブ基材の表面の最大高さRz、算術平均粗さRaが上述した範囲となるように、熱プレスを次のような条件で行うことが好ましい。すなわち、熱プレスの温度は、フォトリフラクティブ材料のガラス転移温度以上、非線形光学色素の分解温度以下の範囲とすることが好ましく、具体的には、90〜320℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは160〜300℃、さらに好ましくは210〜260℃である。また、熱プレスの時間は、好ましくは0.1〜60分、より好ましくは0.5〜30分、さらに好ましくは1〜3分である。また、熱プレスに用いる成形型として、フィルムに接する面の算術平均粗さRaが、0.054μm以下であるものを用いることが好ましく、0.043μm以下であるものを用いることがより好ましく、0.02μm以下であるものを用いることが特に好ましい。
このようにして得られる本発明のフォトリフラクティブ基材は、再生光の拡散反射が適切に防止されたものであり、このような特性を活かし、ホログラム記録媒体の他、高密度光データ記録、3Dディスプレイ、3Dプリンター、さらには光の波面や位相のマニュピレーション、パターン認識、光増幅、非線形光情報処理、光相関システム、光コンピュータなどの各種用途に好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
<実施例1>
3−[(2,6,4−トリクロロ)アゾ]−9H−カルバゾール−9−エタノール8g、および非光導電性な透明樹脂としてのポリメタクリル酸メチル(商品名「Poly(methyl methacrylate)」、Sigma−Aldrich社製、重量平均分子量(Mw):996,000)32gを、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミド200ccに溶解することで、フォトリフラクティブ材料溶液を得た。
次いで、得られたフォトリフラクティブ材料溶液を、ガラス基材上に、N2雰囲気下、110℃、2時間の条件でキャスト成膜し、次いで、40〜110℃、21時間の条件で減圧乾燥することにより、溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミドを除去することで、7cm×5cmの大きさのフィルムを得た。
次いで、上記にて得られたフィルムを、フィルムと接触する面の算術平均粗さRaが0.0186μmである一対の成形型を用いて、一対の成形型により、上下から熱プレスし、次いで、室温で冷却することにより、厚み0.14mmのフォトリフラクティブ基材サンプルを得た。なお、熱プレスの条件は、成形型温度:240℃、プレス圧:15MPaとした。
最大高さRz、算術平均粗さRaの測定
上記にて得られたフォトリフラクティブ基材サンプルの、3次元粗度計(SURFCOM 1400D−3DF、東京精密社製)を用い、JIS B0601:2001に準拠して、最大高さRz、および算術平均粗さRaの測定を行った。結果を表1に示す。
透過率
上記にて得られたフォトリフラクティブ基材サンプルに波長633nmレーザー光を照射し、フィルムに入射光強度と、フィルムから20cm離れた点でのフィルム透過光強度を、グロスメーター(日本電色工業(株)製、グロスメーターVG2000)を用い測定し、透過率を計算した。結果を表1に示す。
透過率[%]=(フィルム透過光強度/フィルム入射光強度)×100
ホログラム画像の評価
上記にて得られたフォトリフラクティブ基材に対し、飲料缶(以下、TULC缶と呼ぶ)を記録したホログラム乾燥板をマスターホログラムとして用い、フォトリフラクティブ基材にホログラム画像を複製した。半導体レーザーにより、50mWの出力のレーザーを用いてホログラム画像の記録を行った。そして、ホログラム画像を記録したフォトリフラクティブ基材サンプルに対して、632nmの再生光を用いて、ホログラム画像の再生を行い、得られた再生されたホログラム画像を撮影した(Nikon GIGITAL CAMERA D60)。得られたホログラム画像を図1(A)に示す。そして、再生されたホログラム画像について、以下の基準で評価を行った。
○:再生されたホログラム画像において、TULCの文字が確認でき、記録画像を再現できているものと判断できる。
×:再生されたホログラム画像において、TULCの文字が確認できず、記録画像を再現できていないものと判断できる。
S/N比の測定
上記にて得られたホログラム画像の画質は、信号雑音比(S/N比)として数値化することが可能である。TULCの文字の部分の信号0であると仮定し、その周辺の信号との比をS/N比とした。
S/N比=文字以外の領域におけるシグナルの平均値/文字領域におけるシグナルの平均値
本実施例では、画像処理ソフトImageJ(Wayne Rasband作製)を用いて、ホログラム画像における文字領域の任意の7点のシグナルの平均値と、周辺領域の任意の点25点のシグナルの平均値を算出し、上記式によりS/N比を計算した。
<実施例2,3>
熱プレスに用いる一対の成形型として、フィルムと接触する面の算術平均粗さRaが、それぞれ0.0422μm(実施例2)、0.0537μm(実施例3)、である成形型を用いた以外は、実施例1と同様にして、フォトリフラクティブ基材サンプルを得て、実施例1と同様にして、最大高さRz、算術平均粗さRa、および拡散反射率の測定、ならびに、ホログラム画像の評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例1〜2>
熱プレスに用いる一対の成形型として、フィルムと接触する面の算術平均粗さRaが、それぞれ、0.0884μm(比較例1)、1.4113μm(比較例2)、2.6564μm(比較例3)である成形型を用いた以外は、実施例1と同様にして、フォトリフラクティブ基材サンプルを得て、実施例1と同様にして、最大高さRz、算術平均粗さRa、および拡散反射率の測定、ならびに、ホログラム画像の評価を行った。結果を表1に示す。また、比較例1において得られたホログラム画像を図1(B)に示す。
Figure 0006240389
表1より、最大高さRzが0.51μm以下、算術平均粗さRaが0.054μm以下である実施例1〜3においては、透過率が54%以上であり、さらに、再生されたホログラム画像の再現性も良好であった。なお、図1(A)に、実施例1で得られたホログラム画像を示す。
これに対し、最大高さRzが0.642μm超、算術平均粗さRaが0.0884μm超である比較例1〜3においては、透過率が42.9%を以下となり、さらに、再生されたホログラム画像は再現性に劣るものであった。なお、図1(B)に、比較例1で得られたホログラム画像を示す。

Claims (4)

  1. 最大高さRzが0.51μm以下である表面を有し、
    線形光学色素として3−[(2,6,4−トリクロロ)アゾ]−9H−カルバゾール−9−エタノール、および非光導電性な透明樹脂を少なくとも含むフォトリフラクティブ材料組成物を用いて形成されるフィルム状フォトリフラクティブ基材。
  2. 前記表面の算術平均粗さRaが0.054μm以下である請求項1に記載のフォトリフラクティブ基材。
  3. 外部電場を印加することなくフォトリフラクティブ特性を示す請求項1または2に記載のフォトリフラクティブ基材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフォトリフラクティブ基材を備えるホログラム記録媒体。
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