JP6240142B2 - 寄生負荷最小化光学素子モジュール - Google Patents

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本発明は、光学露光装置内において、順に露光処理に用いられうる光学素子モジュール
に係り、具体的にはマイクロリソグラフィシステムに関する。さらに、本発明は、そのよ
うな光学素子モジュールを含む光学結像装置に関する。さらに、本発明は、保持力によっ
て光学素子ユニットを保持する保持方法に関する。本発明は、超小型電子装置を製造する
ためのフォトリソグラフィー処理において用いられうる。特に、半導体装置やマスク又は
レチクルなどのフォトリソグラフィー処理の中で用いられる製造装置に用いられうる。一
般に、半導体装置のような超小型電子装置を製造するために用いられる光学系は、光学系
の光路内において、レンズ、ミラー、グレーチングなどの光学素子を含む複数の光学素子
モジュールを備える。
通常、これらの光学素子は、マスク、レチクル、又はこれらと同様のものの上に形成さ
れたパターンを照射し、このパターンの像をウェーハのような基板上に転写する露光処理
において協働する。これらの光学素子は、一又は複数の機能的に異なる光学素子のグルー
プで組み合わされ、これらのグループは、異なる光学素子モジュールグループにおいて保
持されうる。
一般に、このような光学システムにおいては、このような光学素子モジュールグループ
は、一又は複数の、必ずしも回転対称ではないが、典型的には回転対称の光学素子を保持
するモジュールのスタックから構成される。これらの光学素子モジュールは、通常、それ
ぞれが順番に一又は複数の光学素子を保持する、一又は複数の光学素子保持部を支持する
、略リング形状の外観の支持構造を備える。
半導体装置の小型化に伴い、これらの半導体装置を製造するための光学システムの解像
度を改善することが継続的に必要とされている。解像度を改善するというニーズは、光学
システムの結像精度を向上するというニーズを後押しする。さらに、高品質の半導体装置
を確実に得るためには、高度の結像精度を示す光学システムを提供するだけでは不十分で
ある。露光処理全体及びシステムの寿命の限り、このような高精度を維持することも重要
である。したがって、露光処理において協働する光学システムの構成素子は、上述の光学
システムの構成素子間の、所定の位置関係を提供すると共にそれを維持し、更には高品質
な露光処理を保証するために規定の方法で支持されることを要する。
光学システムの動作中に発生しうる結像誤差を低減するために、光学システムにおいて
一又は複数の光学素子の位置を動的に制御することが知られている。このような光学シス
テムは既知であり、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1の全開示内容を参
照としてここに組み込む。
しかし、このような動的位置制御は、例えば、サポート部を介して、又は光学システム
の動作中に生じた熱効果に起因して各光学素子に生じた寄生負荷によって、光学システム
の動作中において既存又は発生した結像誤差を、幾らか低減又は補償するためには不十分
である。したがって、幾つかの光学素子を能動的に変形させ、すなわち、幾つかの光学素
子の形状を能動的に制御することも提案されている。
しかし、特に、各光学素子に生じた寄生負荷の分散という寄生負荷の性質のために、寄
生負荷の結果生じる結像誤差を低減するための高コストの方策でさえも不十分である。例
えば、外周において離れた位置に保持される典型的な光学素子では、高寄生負荷に起因し
て結像誤差が生じるが、保持位置のうちの一つだけを操作して、光学素子を能動的に変形
させることによって、誤差を保障することは難しい。
したがって、サポート構造体を介して光学素子に発生する寄生負荷の悪影響の大部分を
少なくとも回避するために、光学素子に接触するサポート構造体の接触素子、又は、(光
学素子及びホルダを備える光学素子ユニット内において)光学素子を保持する最終的な(
eventual)ホルダの設計に特に着目した。
例えば、特許文献2に示されるように、光学システムにおいて用いられる、典型的な光
学素子用のサポート構造体は既知である。特許文献2の全開示内容を参照としてここに組
み込む。特許文献2に記載のサポート構造体は、サポートされるレンズの外側表面に分散
配置した複数のクランプ手段を有するクランプシステムを備える。各クランプ手段はレン
ズシート表面(レンズ光軸の方向に面する)を備え、該表面に、レンズの放射突起のレン
ズ接触面が、レンズに作用する重力に対向する保持力を作用させるように配置される。さ
らに、各クランプ手段は、各レンズシート素子に結合され、(前記レンズシート表面とは
逆側の突起面に位置する)前記放射状突起の他の接触面にクランプ力を作用する弾性力の
あるクランプ素子手段を備える。前記クランプ力は、光学システムの通常動作状態におい
て想定されるいかなる動的負荷の下であっても所定の位置にレンズを保持するために作用
する。
このような既知の一般的なクランプ手段では、レンズをレンズシートに配置した際のレ
ンズシート面及び関連するレンズの接触面の間の初期不整合や、レンズをクランプした際
のクランプ手段の接触面及び関連するレンズの接触面の間の初期不整合の結果として、レ
ンズや他の部材の間に寄生負荷が生じる。両方の場合において、各接触面の製造誤差に起
因して初期不整合が発生しうる。
そのような寄生負荷を低減するために、特許文献2に記載された、レンズシート面の下
に弾性ヒンジ素子を介するサポート構造体が知られている。この構造は、レンズシート面
を傾斜方向に可動にして、上述のような接触面の間の不整合を低減し、表面をより均等に
接触させる。
しかし、このような補償のための動作によっても、レンズ及びレンズシート間の摩擦接
触に起因して、依然としてかなりの寄生力がレンズに作用してしまう。したがって、はめ
あい部品間における更なる補償のための動作は、はめあい部品の弾性変形や、結果的には
めあい部品内におけるプレストレスとしての寄生負荷につながってしまう。
他方、クランプ手段について考えると、そのような寄生負荷及び不均等な負荷分散をそ
れぞれ低減するためには、ツーパーツ設計が用いられる。この設計においては、ルーフ状
接触部を有する自由端を有する弾性クランプアームが備えられ、このクランプアームは中
間素子に接触(ガラス材内の高ヘルツ接触負荷を伴う線接触)し、この中間素子がレンズ
に接触する。中間素子は、適切な位置を維持するため、クランプアーム及びサポート構造
体の間にクランプされたリーフスプリングを介してサポート構造体に接続する。この構成
は、クランプ力を発生させるためにクランプアームを変形する際に生じる、弾性クランプ
アームと接触面との間の回転を補償することを目的とする。しかし、この構成は複数部品
からなる複雑な設計からなり、システムに更なる不整合をもたらし、また、光学モジュー
ルの製造をさらに複雑なものにする。さらに、追加の中間素子は、その製造誤差により、
レンズに寄生負荷を発生させる更なる原因となりうる。
また、特許文献2に記載のサポート構造体は、衝撃荷重がかかっている間、フレクシャ
内の負荷が大きい点で不利である。これは、2方向に湾曲できるように、フレクシャの断
面は2次元で薄さを保つ必要があるためである。したがって、特許文献2に記載のサポー
ト構造体は、重い光学素子には適さない。
米国特許第5822133号明細書 米国特許第7154684号明細書
したがって、本発明は、上述の問題を幾らか解決し、光学素子に発生する寄生負荷及び
接触負荷を確実に低減できる、光学素子モジュール及び光学素子ユニットの保持構造を提
供することを目的とする。
さらに、本発明は光学素子に発生する寄生負荷を容易に低減させることが出来る光学素
子モジュール及び光学素子ユニットの保持構造を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、露光処理に用いられる光学装置において、光学装置の動作中に高い
結像精度を得るための労力を低減することを目的とする。
これらの目的は、容易且つ効果的な、光学素子に発生する寄生負荷の低減に関する示唆
によって達成できる。寄生負荷の低減は、光学素子ユニット(光学素子を含む)に接触す
るサポート構造体の各接触具が、各接触具の弾性変形部が、その弾性変形によって、(特
に、動きの種類や動きの瞬間中心について)各接触具の接触面の動きを定める場合に可能
である。その動きは、実際の接触力により発生し、また、接触具及び光学素子ユニットの
間の摩擦接触によって制限される接触表面の実際の動きに可能な限り近い、実際の接触力
によって発生する。
言い換えれば、本発明は、(理論上)摩擦の無い接触に応じた接触具により定められる
、接触具の接触面の動きを、接触面の動きを、(実際の)摩擦接触により生じる実際の動
き(可能な限り)に整合させることを目的とする。このような、理論上の動きと実際の動
きとの間のずれは、接触相手のうちの少なくとも一つが弾性変形することで補償せざるを
得ず、これは、各接触相手においてプレストレスを生じ、ひいては、光学素子に寄生負荷
を生じさせる。
この為、接触具の弾性変形部分は、2つの接触表面が正確に接触する場合において、理
論上の動きと実際の動きの間の誤差を低減するために、接触面に平行な傾斜軸に対して傾
斜モーメントを少なくとも最小化する。さらに、接触具の弾性変形部分は、接触表面間の
初期不整合(例えば、角度不整合)に応じて、動きの瞬間中心を、可能な限り両方の接触
表面の間に配置して、理論上の動きと実際の動きとの間の誤差を低減するように、設計及
び構成される。
したがって、本発明の第1の観点に係る光学素子モジュールは、光学素子を有する光学
素子ユニットと、サポート構造体とを備え、該サポート構造体は前記光学素子ユニットを
サポートし、且つ該サポート器具に設置された接触器具を備えることを特徴とする。前記
接触器具は、該接触器具の第1の接触面を介して第1方向に前記光学素子ユニット上に生
じた保持力を作用させ、前記第1の接触面は前記光学素子ユニットの第2の接触面に接触
している。前記接触器具は、前記第1方向を横断する第2方向に沿って延在し、且つ前記
第1接触面及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1のリンク部及び
第2のリンク部を備える。前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記生じた保持力
によって生じた曲げモーメントに応じて弾性変形する。前記第1リンク部及び前記第2リ
ンク部は、参照面の両側に配置され、前記参照面は前記生じた保持力を有し、且つ、前記
第2方向に横断方向に延在している。
本発明の第2の観点に従う光学素子モジュールは、光学素子を有する光学素子ユニット
と、サポート構造体とを備え、該サポート構造体は前記光学素子ユニットをサポートし、
且つ該サポート器具に設置された接触器具を備えることを特徴とする。前記接触器具は、
該接触器具の第1接触面を介して前記光学素子ユニットに対して生じた保持力を作用させ
、前記第1接触面は光学素子ユニットの第2接触面に接触し、前記生じた保持力は、第1
方向の作用線を有する。前記接触器具は、前記第1接触面及び前記サポート器具の間に配
置された少なくとも一つのリンク部を備え、前記第1方向に対して横断方向の第2方向に
沿って延在する。前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記生じた保持力に応じて
、前記第1方向及び第2方向によって定められる曲げ平面について横断方向に延在する曲
げ軸についての曲げモーメントを生じさせる。前記少なくとも一つのリンク部は、前記第
2方向に沿って、曲げモーメントがゼロの地点において、前記曲げモーメントが正の値か
ら負の値に変化し、前記ゼロ曲げモーメントの地点は、前記第2方向に沿い、前記参照面
付近に位置するか、又は実質的に前記参照面内に位置し、前記参照面は、生じた保持力の
作用線及び曲げ軸の方向によって定められるように構成する。
本発明の第3の観点に従う光学素子モジュールは、光学素子を有する光学素子ユニット
と、サポート構造体とを備え、該サポート構造体は前記光学素子ユニットをサポートし、
且つ接触器具を備えることを特徴とする。前記接触器具は接触素子と、前記サポート素子
に接続されたマウント素子と、第一端において前記接触素子に、第2端において前記マウ
ント素子に固定接続された少なくとも一つのリンク素子とを備える。前記接触素子は、前
記マウント素子を前記サポート素子上に設置したときに、接触圧力を前記光学素子ユニッ
トの第2接触面上に作用させる第1接触面を備える。前記少なくとも一つのリンク部は、
前記第2接触面において前記接触圧力が略均一に分散するように変形可能である。
本発明の第4の観点に従う光学素子モジュールは、光学素子を有する光学素子ユニット
と、サポート構造体とを備え、該サポート構造体は前記光学素子ユニットをサポートし、
且つ接触器具を備えることを特徴とする。前記サポート構造体は少なくとも一つの接触器
具を備え、該接触器具は前記光学素子ユニットに対して、前記少なくとも一つの保持器具
を介して、保持力方向に保持力を作用させ、前記第1接触面は前記光学素子ユニットの第
2接触面に接する。前記少なくとも一つの保持力は、前記第1接触面の傾斜動作の傾斜軸
を定め、前記傾斜動作は、前記第1接触面に生じる前記保持力方向の接触力に起因する傾
斜モーメントにより生じる。前記傾斜軸は、前記第1接触面付近に位置するか、又は、実
質的に前記第1接触面内に位置する。
本発明の第5の観点に従う光学素子モジュールは、光学素子を有する光学素子ユニット
と、サポート構造体とを備え、該サポート構造体は前記光学素子ユニットをサポートし、
且つ該サポート器具に設置された接触器具を備えることを特徴とする。前記接触器具は、
該接触器具の第1接触面を介して第1方向に前記光学素子ユニット上に生じた保持力を作
用し、前記第1の接触面は前記光学素子ユニットの第2の接触面に接触している。前記接
触器具は、前記第1接触面及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1
のリンク部及び第2のリンク部を備え、前記第1リンク部の第1端は前記第1接触面に隣
接し、前記第1リンク部の第2端は、前記第2リンク部に隣接している。前記第1リンク
部及び前記第2リンク部は、前記第1接触面に伝わった接触力に応じた前記第1方向のた
わみに耐えるように配置され、前記第1リンク部の前記たわみにおいては、少なくとも前
記第1端の第1軌跡は、前記第2リンク部の前記たわみによって生じる前記第1端の第2
軌跡とは反対であり、前記第1及び第2軌跡は、前記第1方向に沿う変位軌跡、前記第2
方向に沿う変位軌跡、又は前記第1及び第2方向に対して横断方向に延在する軸について
の回転軌跡である。
本発明の第6の観点に従う光学結像装置は、照射装置を備え、マスクを受容するように
構成されたマスク器具と、光学投影装置と、基板を受容するように構成された基板器具と
を備える。照射装置は、マスク上に形成されたパターンを照射するように構成され、光学
投影装置は基板にパターンの像を投影するように構成される。少なくとも1つの照射装置
及び光学投影装置は、本発明に従う光学素子モジュールを備える。
本発明の第7の観点に従う方法は、保持力を用いて光学素子ユニットを保持する方法で
あって、該方法は、光学素子ユニットを備えるステップであって、前記光学素子ユニット
は光学素子、サポート器具、及び、前記光学素子ユニットに対して、作用線に沿って第1
方向の前記保持力を作用させる接触器具であって、前記接触器具は、前記光学素子ユニッ
ト及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1のリンク部及び第2のリ
ンク部を備え、且つ前記第1方向について横断方向の第2方向に沿って延在していること
を特徴とするステップと、前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、参照面の両側に配
置され、前記参照面は前記生じた保持力を有し、且つ、前記第2方向に横断方向に延在さ
せるステップと、前記第1リンク部及び前記第2リンク部が前記保持力に応じて弾性変形
するように前記保持力を作用させるステップとを含む。
本発明の第8の観点に従う方法は、保持力を用いて光学素子ユニットを保持する方法で
あって、該方法は、光学素子ユニットを備えるステップであって、前記光学素子ユニット
は光学素子、サポート器具、及び、前記光学素子ユニットに対して、作用線に沿って第1
方向の前記保持力を作用させる接触器具であって、前記接触器具は、前記光学素子ユニッ
ト及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1のリンク部及び第2のリ
ンク部を備え、且つ前記第1方向について横断方向の第2方向に沿って延在していること
を特徴とするステップと、前記少なくとも一つのリンク部を配置し、保持力を作用させる
ステップであって、少なくとも一つのリンク部は、前記生じた保持力に応じて、前記第1
方向及び第2方向によって定められる曲げ平面について横断方向に延在する曲げ軸につい
ての曲げモーメントを生じさせることを特徴とするステップとを含み、前記曲げモーメン
トは、前記第2方向に沿って、曲げモーメントがゼロの地点において、前記曲げモーメン
トが正の値から負の値に変化し、前記ゼロ曲げモーメントの地点は、前記第2方向に沿い
、前記参照面付近に位置するか、又は実質的に前記参照面内に位置し、前記参照面は、生
じた保持力の作用線及び曲げ軸の方向によって定められることを特徴とする。
本発明の第9の観点に従う方法は、接触圧力を用いて光学素子ユニットを保持する方法
であって、該方法は、光学素子ユニットを備えるステップであって、前記光学素子ユニッ
トは光学素子、サポート器具、及び、前記光学素子ユニットに対して、接触圧力を作用さ
せる接触器具であって、前記接触器具は、接触素子、サポート器具に接続されたマウント
素子、及び弾性変形可能な少なくとも一つのリンク素子であって、第一端において接触素
子に、第2端においてマウント素子に固定接続されていることを特徴とするステップと、
前記少なくとも一つのリンク部を配置して、前記接触素子を介して前記接触圧力を作用さ
せて、前記第2接触面において、前記接触圧力が略均一に分散させるステップとを含むこ
とを特徴とする。
本発明の第10の観点に従う方法は、接触圧力を用いて光学素子ユニットを保持する方
法であって、該方法は、前記光学素子ユニットに、光学素子、サポート器具、及び前記保
持力を前記光学素子ユニットに対して保持力方向に作用させる保持器具を備え、前記保持
器具に、前記光学素子ユニットの第2接触面に対して前記保持力を作用させる第1接触面
備え、前記第1接触面の傾斜動作の傾斜軸を定めるように構成するステップであって、前
記傾斜動作は、前記保持力方向に前記第1接触面に生じた接触力により生じることを特徴
とするステップと、前記傾斜軸を、前記第1接触面付近に位置するか、又は、実質的に前
記第1接触面内に配置するステップと、前記光学素子ユニットに前記保持力を作用させる
ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明の第11の観点に従う方法は、接触圧力を用いて光学素子ユニットを保持する方
法であって、該方法は、前記光学素子ユニットに、光学素子、サポート器具、及び第1接
触面を介して、前記保持力を保持力方向に第2接触面に作用させる接触器具を備え、前記
接触器具は、第1リンク部及び第2リンク部を備え、前記第1リンク部及び第2リンク部
は、運動力学的に直列配置され、前記光学素子ユニットの第2接触面に対して前記保持力
を作用させる第1接触面備え、前記第1接触面の傾斜動作の傾斜軸を定めるように構成す
るステップであって、前記傾斜動作は、前記保持力方向に前記第1接触面に生じた接触力
により生じることを特徴とするステップと、前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、
前記第1接触面に伝わった接触力に応じた前記第1方向のたわみに耐えるように配置する
ステップであって、前記第1リンク部の前記たわみにおいては、少なくとも前記第1端の
第1軌跡は、前記第2リンク部の前記たわみによって生じる前記第1端の第2軌跡とは反
対であり、前記第1及び第2軌跡は、前記第1方向に沿う変位軌跡、前記第2方向に沿う
変位軌跡、又は前記第1及び第2方向に対して横断方向に延在する軸についての回転軌跡
であることを特徴とするステップと、前記保持力を作用させるステップと、を含むことを
特徴とする。
本発明の更に他の実施形態は、独立請求項、及び以下の図面を参照する実施形態の説明
より明らかである。本明細書において直接的又は間接的に開示した特徴の全ての組み合わ
せは、本発明の範疇に属する。
本発明に係る方法を好適に実施可能な光学素子モジュールを備える光学結像装置の一実施形態を示す概略図である。 図1に示す光学結像装置の一部である光学素子モジュールの概略上面図である。 図2に示す光学素子モジュールの概略解体斜視図である。 図3に示す光学素子モジュールの部分IVの部分組立て状態における概略部分断面図である。 図2の線V-Vに沿う概略断面図である。 Aは、無負荷状態(第1状態)の、従来技術に従う光学素子モジュールの一部分の概略図である。Bは、負荷状態(第2状態)の、図6Aに示す部分の概略図である。Cは、無負荷状態(第1状態)の、図5に示す部分の概略図である。Dは、負荷状態(第2状態)の、図6Cに示す部分の概略図である。 図3に示すクランプ素子(図3の部分VII)の拡大概略斜視図である。 図2の線VIII-VIIIに沿う概略断面図である。 図8の部分IXの拡大図である。 図8の部分IXの変更態様の拡大図である。 未設置状態(第1状態)の、従来技術に従う光学素子モジュールの一部分の概略図である。 設置状態(第2状態)の、図9Cに示す部分の概略図である。 図6A、6B、9C及び9Dに示す従来技術に係る光学素子モジュールの一部分の部分解体図である。 図2に示す光学素子モジュールの構成素子に力を作用させる方法の一実施形態のブロック図である。 Aは、本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図5と同様の)概略断面図である。Bは、本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図5と同様の)概略断面図である。Cは、本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図5と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態におけるクランプの(図7と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図2の線XIII−XIIIに沿う)概略断面図である。 図13に示す光学素子モジュールのクランプ素子の(図7と同様の)概略断面斜視図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図13と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図13と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図3と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図3と同様の)概略断面図である。 本発明に従う光学素子モジュールの更なる実施形態の(図3と同様の)概略断面図である。
[第1実施形態]
以下において、本発明に係る光学結像装置101の好ましい実施形態について、図1〜
5を参照して説明する。
図1は、半導体装置の製造時におけるマイクロリソグラフィ処理に使用される光学露光
装置101として、縮尺どおりではない光学結像装置を示す。光学露光装置101は、第
1の光学装置である照明ユニット102及び第2の光学装置である光学投影ユニット10
3を備える。光学投影ユニット103は、露光処理において、マスクユニット104のマ
スク104.1上に形成されたパターンの像を、基板ユニット105の基板105.1に
転写する。
このために、照明ユニット102は、波長193nmの露光光によって、マスク104
.1を照明する。しかし、他のあらゆる波長の光を用いる露光装置においても本発明が用
いられることが望ましい。具体的には、本発明は、波長20nm未満、典型的には、波長
約13nmの極紫外域の光を用いる、いわゆる極紫外線(EUV)システムにも用いるこ
とができ、非常に有益である。
光学投影ユニット103は、マスク104.1から露光光を受け、マスク104.1に
おいて形成されたパターンの像を、例えばウェーハ等からなる基板105.1に投影する
。しかし、本発明は、光学素子を確定位置に保持すべき他のいかなる光学システムにおい
ても用いることができることが望ましい。
照明ユニット102は、光源(図示しない)及び、光学素子モジュール106.1のよ
うな複数の光学素子モジュールを含む光学素子システム106を備える。光学投影ユニッ
ト103は、複数の光学素子モジュール107.1を含むさらなる光学素子システム10
7を備える。光学素子システム106及び107の光学素子モジュールを、光学露光装置
101の(eventually folded)光軸101.1に沿って整列させ、レンズ、ミラー、グ
レーチングなどのあらゆるタイプの光学素子から構成することができる。
例えば、光学素子システム107は、光学素子システム107のハウジング103.1
内に保持された光学素子モジュールのスタックによって保持される。光学素子システム1
07の光学素子モジュールは、本発明に係る光学素子モジュール107.1を含む。
理解を容易にするために、図面において(及び、以下の説明において)、直交座標系を
示す。z軸は垂直方向を示し、x及びy軸は水平方向を示す。しかし、本発明の他の実施
形態において、構成素子について、他のいかなる空間方向も選択可能である。
図2(光学素子モジュール107.1の上面図)に示すように、光学素子モジュール1
07.1は、光学素子ユニットとして、サポート構造体109によってサポート及び保持
されている簡易レンズ108を有する。しかし、本発明の他の実施形態においては、光学
素子ユニットは更なる構成素子(例えば、光学素子に直接接触し、サポート構造体109
に接する、セパレート保持リングのようなセパレート保持素子)を備えることができる。
言い換えれば、サポート構造体109は光学素子に直接接触することは要さないが、その
ような中間素子又は器具を介して光学素子をサポート及び保持することができる。
図示した実施形態においては、サポート手段としてのサポート構造体109は、サポー
トリング109.1及び3つのレンズホルダ109.2を有する。各レンズホルダ109
.2は、サポートリング109.1内の適当な凹部に配置される。各レンズホルダ109
.2は、サポートリング109.1に設けられ、(以下に詳述するように)レンズ108
の放射突起108.1に接する。
本実施形態における複数のレンズホルダ109.1は、同一に設計されている。しかし
、本発明の他の実施形態においては、異なる設計のホルダが組み合わせて用いることもで
きる。本発明の更に他の実施形態においては、光学素子をサポート及び保持するために所
望の数のレンズホルダを用いることができる。
各レンズホルダ109.2は、第1の接触手段としてのレンズサポート109.3及び
第2の接触手段としてのクランプ109.4を備える。図2及び3では、左手側のレンズ
ホルダ109.2についてのみ、レンズサポート109.3及びクランプ109.4の両
方の構成素子を示し、他の2つのレンズホルダ109.2(右手側)についてはレンズサ
ポート109.3のみを示す。
レンズホルダ109.2は、レンズ108の外側表面において均等に分散配置させる。
しかし、本発明の他の実施形態において、レンズホルダを他の構成とし、他のレンズの外
側表面を選択することも可能である。特に、回転対称ではい光学素子については、他の適
切なホルダ構成が選択されうる。
図3、4及び8からも明らかなように、各レンズサポート109.3は第1の接触面と
してサポート面109.5を備える。図3から明らかなように、レンズ108をサポート
構造体109に設置する場合、レンズ108を、(一般的には、マイクロリソグラフィ装
置101の光軸101.1に最終的に一致する)光軸108.2に沿って、第2の接触面
である、レンズ108の各放射状突起108.1の下部レンズ接触面108.3が、対応
するレンズサポート109.3のサポート面109.5に接触するまで移動させる。
したがって各レンズサポート109.3は、この組立段階において、サポート面109
.5を介して、保持力方向(z方向)に沿って、保持力としてのサポート力FSIを対応す
る下部レンズ接触面108.3に対して作用させる。図示した実施形態においては、サポ
ート力FSIは、レンズ108に作用する重力Gに対抗し、完全に補償する。しかし、本発
明の他の実施形態において、更なるサポート構成素子がレンズに作用する重力の一部に対
抗するために設けられても良い。例えば、多数の小さいスプリング素子をレンズの外側表
面に分散配置して、各スプリングがレンズに対して小さいサポート力を作用して、レンズ
に作用する重力の少なくとも一部をこれらのスプリングによって補償することができる。
図4及び5から明らかなように、各レンズサポート109.3は第1のリンク部である
第1レンズサポート素子109.7と、第2のリンク部である典型的にはU字型の第2の
レンズサポート素子109.8とを備える。第2のレンズサポート素子は、サポートリン
グ109.1の周方向及び(設置状態の)レンズ108の周方向に対して接線方向に延在
する主平面(主拡張平面)を有する。
第1のレンズサポート素子109.7は、第1の接触素子を形成する。第1の接触素子
は第1端において第1の接触素子部分109.9を備え、これはサポート表面109.5
を有する。第2端においては、第1のレンズサポート素子109.7は第2の接触素子部
109.10を備え、これは、接続部109.11を介して第1の接触素子部109.9
に接続される。
第1レンズサポート素子109.7の接続部109.11は、2つの第1のリーフスプ
リング素子109.12によって形成される。2つの第1のリーフスプリング素子109
.12は、サポートリング109.1に対して放射方向に横断し、且つ、サポート面10
9.5によって定義される(下部レンズ接触面108.3の)接触平面内に延在する横断
線109.13において主拡張平面が交差するように配置する。これら2つのリーフスプ
リング素子109.12は、主拡張平面の横断線109.13に対するサポート面109
.5の第1の傾斜軸を定める。この第1の傾斜軸109.13の機能は以下に詳述する。
第2の接触素子部109.10はU字型第2レンズサポート素子109.8の基部10
9.14に設置する。第2レンズサポート素子109.8の2つの脚109.15の自由
端はサポートリング109.1に順に設置される。したがって、第1のレンズサポート素
子109.7及び第2のレンズサポート素子109.8は、サポート面109.5及びサ
ポートリング109.1の間において動的に配置される。
脚109.15は、それぞれ、保持力方向に延在し、2つの第2リーフスプリング素子
109.16を有する。第2リーフスプリング素子109.16は、相互に離間し、且つ
、(少なくともレンズサポート109.2に荷重がかかっていない状態において)共通の
主拡張平面を有する。この主拡張平面も、サポートリング109.1の周方向に対して接
線方向に配置されている。サポート面109.5により定義される接触面について、第2
リーフスプリング素子109.16の第2の傾斜軸109.17が、サポートリング10
9.1に対して放射方向に横断し、且つ、サポート面109.5によって定義される接触
平面内に延在するように配置する。第2の傾斜軸109.17は、放射方向(x軸)にサ
ポート面109.5内の略中心を通る。この第2の傾斜軸109.17の機能については
以下に詳述する。
これら2つのリーフスプリング素子109.16の大きさ及び/又は位置は、第2傾斜
軸109.17の所望位置に応じて、周知の方法で容易に決定できる。すなわち、サポー
ト面109.5によって定められる接触面の位置に応じて決定できる。例えば、両方の第
2リーフスプリング素子109.16の大きさが等しく、(例えば、同じ曲げ剛性を有す
る)同じ素材からなる場合、第2の傾斜軸109.17を、前記2つの第2リーフスプリ
ング素子109.16の中間に配置する。
第2リーフスプリング素子の曲げ剛性が高い場合、その高い曲げ剛性により、第2傾斜
軸はリーフスプリング素子から遠ざかる方向に移動する。したがって、脚109.15に
おける所定の幾何学的境界条件において、(例えば、大きさ及び/又は素材を変更して)
各第2リーフスプリング素子109.16の曲げ剛性を調整することで、第2傾斜軸10
9.17の位置は、サポート面109.5に対して調整することができる。
このような第1のリーフスプリング素子109.12及び第2のリーフスプリング素子
109.16を用いることは有益である。これらのリーフスプリング素子は、従来の空間
的に密閉されていた、いわゆる弾性ヒンジ(すなわち、少なくとも厚さ方向の大きさ程度
の長さ及び幅を有するヒンジ素子)に比較して、耐荷重性能が有意に高い。なぜなら、長
さ方向全体に亘って荷重分散できるので、弾性素子に作用する局所的な荷重を大幅に低減
することができるからである。したがって、そのようなリーフスプリング素子は故障の可
能性が低い。更に、そのようなリーフスプリング素子は、少なくとも部分的には製造不整
合及びそれにより生じる寄生負荷を低減させることが出来る。これにより、光学素子10
8に生じる寄生負荷の低減も有利に達成される。
さらに、第2レンズサポート素子109.8の製造後に、第2傾斜軸109.17の位
置及び/又は方向をサポート面109.5に対して調整できるようにするために、図4及
び5に破線109.18で模式的に示したように、(例えば、スペーサ、調整ネジ等のよ
うな受動的手段、又は、ピエゾアクチュエータのような能動的手段などの)調整手段を備
えることもできる。
同様の調整手段を、図4に破線109.19で模式的に示したように、サポート面10
9.5に対して第1傾斜軸109.13の位置及び/又は方向の調整のために備えること
もできる。ここでも、スペーサ、調整ネジ等のような受動的手段、又は、ピエゾアクチュ
エータのような能動的手段などの調整手段を用いることができる。
これらの調整手段は、サポート面109.5に対して各傾斜軸109.13及び109
.17の位置及び/又は方向を調整するためだけに用いられるものではないことに留意さ
れたい。これらの調整手段は、後の段階において、レンズ108の位置及び/又は方向を
調整するためにも用いることができる。
図示した実施形態において、各下部レンズ接触面108.3は、平坦面であり、それぞ
れ、(通常は)レンズ108の光軸108.2に対して垂直であり、(公称では)他の下
部レンズ接触面108.3と同一平面上に存在する。更に、各サポート面109.5も平
坦面であり、それぞれ、(公称では)サポートリング109.2の回転対称軸109.6
に対して垂直であり、(公称では)他のサポート面109.5と同一平面上に存在する。
回転対称軸109.6は、典型的には、レンズ108の光軸108.2や、マイクロリソ
グラフィ装置101の光軸101.1に一致する。
しかし、本発明の他の実施形態においては、下部レンズ接触面のレンズ光軸に対する配
置を他の配置にしたり、又サポート面のサポートリング(又は他のあらゆる適切なサポー
ト器具)に対する配置を調整する方法を他の方法にすることも可能である。更に、本発明
の他の実施形態においては、各サポート面及び/又は各下部レンズ接触面は、必ずしも連
続面である必要は無い。むしろ、いずれも、複数の別の接触表面部によって形成すること
ができる。各サポート面を、例えば、ピン、リッジ等の複数の分離した接触面部を形成す
る複数の軸突起(即ち、z方向の突起)によって形成することもできる。
下部レンズ接触面108.3及びサポート面109.5が、公称の形状及び方向を有する場合(即ち、下部レンズ接触面108.3とサポート面109.5合せ面に不整合が存在しない場合)、レンズ108は、下部レンズ接触面108.3及びサポート面190.5が、相対的にz軸方向以外には動かないように、レンズホルダ109.2上に載置される。更に、各サポート面109.5は(公称では)、下部レンズ接触面108.3とサポート面109.5の接触において傾斜モーメントが発生しないように、第2リーフスプリング素子109.16の主拡張平面の共通平面に対して対象に配置することができる。
したがって、理想的又は公称の状態では、均等な接触圧力が作用し、生じたサポート力
FSI(z方向にのみ作用する)が重力Gの対抗力となる。したがって、このような理想的
な状態においては、寄生負荷はレンズ108の突起108.1には生じない。寄生負荷は
、レンズ108内に応力を発生させ、その応力がレンズ108の光学機能領域に伝わって
、レンズ108の光学特性を損ない、光学システムに結像誤差を発生させる。
しかし、典型的には、このような理想的な公称の形状とは、下部レンズ接触面108.3及びサポート面109.5のいずれか一つの形状及び方向が若干異なることが現実であり、下部レンズ接触面108.3とサポート面109.5合せ面に若干の不整合が存在する。
図6A〜6Dは、そのような不整合の一例として、2つの構成を示す。ここでは、z軸
(サポートリングの軸)又はx軸に対してサポート面が傾いており、サポート面はその公
称の平面NPとは異なる。更に具体的には、図6A及び6Bは、上述した米国特許公報第
7154684号に記載のレンズサポート9を模式的に示し、図6C及び6Dは、レンズ
サポート109.3を模式的に示すものである。
図6A及び6Cは、それぞれ、負荷の無い状態におけるレンズサポート9.3及び10
9.3をそれぞれ示し、図6B及び6Dは、それぞれ、負荷状態におけるレンズサポート
9.3及び109.3を示す。負荷状態においては、各下部レンズ接触面8.3及び10
8.3は各サポート面9.5及び109.5のそれぞれ野接触面と最大限に接触している。
図6A及び6Bから明らかなように、従来のレンズサポート9.3は、y軸に平行な傾
斜軸9.17を決定する弾性ヒンジ9.8を介してサポートリング9.1に接続されてい
る。弾性ヒンジ9.8は、図面上では、サポート面9.5の長さ程度だけ離間してサポー
ト面9.5の下に配置する。
一旦、(理想的に方向付けられた)下部レンズ接触面8.3をz軸に沿ってサポート面
9.5まで下げると、(図6A及び6Bに誇張表示するように、)サポート面9.5がx
軸及びz軸に対して傾いているため、接触力Fcが、下部レンズ接触面8.3の最も近く
に位置するサポート面9.5の(右上)端に作用する。その結果、接触力Fcと傾斜軸9
.17の間に存在するレバーアームによって、y軸方向の曲げモーメントがレンズサポー
ト9.3に作用し、サポート面9.5が、弾性ヒンジ9.8によって定まる傾斜軸9.1
7について回転する。
図6Bから明らかなように、描画面において作用している全ての力及びモーメントが相
互にバランスが取れるまで、サポート面9.5は傾斜軸9.17について回転する。
下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5の間の接触に摩擦が無ければ、図6Bに破
線9.10で示すように、(完全平面の)下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5
が完全に接触すれば直ぐに、上述のような均衡状態となる。
この点において、下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5は、x軸に沿う(接触
面に対して平行な)距離dxだけ相対的に動く。このような摩擦の無い理想的な状態であ
っても、レンズ接触面8.3とサポート面9.5との間における接触圧力の分散が不均等
となる。これは、(接触圧力分布に起因する)サポート力FSIの作用線は、モーメントを
均衡にするために、傾斜軸9.17と交差する必要があるからである。このような不均等
な接触圧力の分散は、レンズにおいて望ましくない不均等な応力分散を生じさせ、レンズ
8の光学機能部に伝わり、レンズ8に結像誤差を引き起こす。
更には、下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5との間が完全に接触した時点で
、下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5との間の接触面が、z軸方向(サポート
力方向の)で、距離dzだけ下がりうる。他の2つのレンズサポート8.3が、異なる種
類及び/又は程度の不整合を生じた場合も、レンズ8の光軸を不所望に傾斜させることに
なる。
このように、摩擦の無い理想的な状態においても、周知のレンズサポート9.3では不
所望な負荷及び配置状態が発生する。
しかし、実際の状態では、下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5との間は摩擦
接触している。一般的には、サポート面9.5には、摩擦促進コーティング(例えば、ゴ
ールドコーティング)が均等に施される。したがって、レンズ8をレンズサポート9.3
に載置し、下部レンズ接触面8.3とサポート面9.5とが相対的に有意に動くことに起
因して、かなりの摩擦力FFが下部レンズ面8.3に対して放射方向(下部レンズ接触面
8.3の接線方向)に作用する。
この摩擦力FFにより、(典型的には接触相手のうちの少なくとも1つが弾性変形する
ことと組み合わせて)下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5とが、図6Bに示す
完全な接触状態になる前に、力及びモーメントが均衡状態に達する。このような典型的な
場合において、下部レンズ接触面8.3及びサポート面9.5との間の接触領域ACは小
さくなる。所定のサポート力Fsにおいて、下部レンズ接触面8.3における接触圧力が
(理想状態と比較して)増大し、レンズ材内における通常の局所的応力を増大させる。更
に、一般的に、下部レンズ接触面8.3の平面に作用する摩擦力FFはレンズ材について
固定的(frozen)であるため、レンズ材にかなりの寄生せん断応力を生じさせる。
したがって、周知のレンズサポート9.3は、レンズ材にかなりの寄生負荷を発生させ
るような、不所望な負荷状態を発生させてしまう。これらの寄生荷重により発生する応力
は、レンズ8の光学機能部に伝わり、レンズ8に結像誤差を生じさせ、結果的にレンズ8
を有する光学システムに結像誤差を生じさせてしまう。
しかし、本発明によれば、以下に詳述するように、これらの不利益を大幅に回避するこ
とができる。上述の通り、図6C、6Dから明らかなように、脚109.15(簡易なリ
ーフスプリングとして示す)は、サポート面109.5により定められる接触面内に、実
質的に位置する第2傾斜軸109.17を定める。
一旦、(理想的に方向付けられた)下部レンズ接触面108.3をz軸に沿ってサポー
ト面109.5まで下げると、(図6C及び6Dに誇張表示するように、)サポート面1
09.5がx軸及びz軸に対して傾いているため、接触力Fcが、下部レンズ接触面108
.3の最も近くに位置するサポート面109.5の(右上)端にz軸方向に作用する。そ
の結果、接触力Fcと第2傾斜軸109.17の間に存在するレバーアームによって、y
軸方向の曲げモーメントがレンズサポート109.3に作用し、サポート面109.5が
、第2レンズサポート素子109.8の脚109.15によって定まる傾斜軸109.1
7について回転する。
(簡易なリーフスプリングとして図示した)脚109.15について、接触力Fcはz
軸方向に作用し、z軸方向の力とy軸についての曲げモーメントを発生させる。力Fc及び
リーフスプリング109.15の平面はz軸に平行なので、曲げモーメントはリーフスプ
リングの長さについて一定である。
曲げリーフスプリング端からその回転中心までの距離は、リーフスプリング平面に対し
て垂直なモーションdx1と曲げ角dα1との割合によって与えられる。
長さLについての、一定の曲げモーメントMbは、
回転中心は、曲げリーフスプリング端からの距離の半分(L/2)、リーフスプリング
109.15の中心に位置する。つまり、サポート面109.5の面が、リーフスプリン
グ109.15の中央においてリーフスプリング109.15に交差する場合に、第2傾
斜軸109.17は、サポート面109.5付近に位置する。あるいは、例えば、各足が
2つの同一のリーフスプリング部により形成される場合には、2つの同一のリーフスプリ
ング部の間の中央に位置する。
図6Dから明らかなように、描画面において作用している全ての力及びモーメントが相
互にバランスが取れるまで、サポート面109.5は傾斜軸109.17について回転す
る。更に具体的には、(接触力Fcにより発生する)この曲げモーメントに応じて、第1
レンズサポート素子109.7及び第二レンズサポート素子109.8の脚109.5は
、両方とも第2傾斜軸109.17に垂直なたわみ平面(すなわち、描画面)において多
少たわむ。
先ず、第2レンズサポート素子109.8の脚109.15は、このたわみ平面におい
て比較的柔軟であるため、各脚やサポートリング109.1の間に存在するギャップに起
因して曲げられる。したがって、第2レンズサポート素子109.8の基体素子109.
14に接続され第1レンズサポート素子109.7の端部109.21が、第2レンズサ
ポート素子109.8の基体素子109.14に接続され、これら両方が、放射方向に外
側に(x軸に沿って)、第1の放射距離dx1だけ移動し、軸方向上側に(z軸に沿って
)、第1の軸距離dz1だけ移動する。そして、第1レンズサポート素子109.7の他
の端部109.22は、サポート面109.5に隣接して位置し、これは上述した、放射
方向に第1の放射距離dx1だけ移動し、軸方向(z軸方向)に第1の軸距離dz1だけ
移動する。
さらには、接触素子109.7が、このたわみ平面において実質的に剛性であるため、
第1レンズサポート素子109.7は、このたわみ平面上において端部109.21につ
いて回転する。このような回転に起因して、サポート面109.5に隣接する第1レンズ
サポート素子109.7の端部109.22は、放射方向に内側に(x軸に沿って)、第
2の放射距離dx2だけ移動し、軸方向下側に(z軸に沿って)、第2の軸距離dz2だ
け移動する。
図示した実施形態においては、第1放射距離dx1は第2放射距離dx2に等しく、第
1軸距離dx2は第2放射距離dx2に等しい。したがって、第2傾斜軸109.17が
接触面109.5の平面内に実質的に位置するので、第1レンズサポート素子109.7
の端部109.22が、回転に伴ってz軸(保持力方向)及びx軸(放射方向)に沿って
移動する軌跡は、第2レンズサポート素子109.8のたわみに起因して第1レンズサポ
ート素子109.7の端部109.22が、回転に伴ってz軸(保持力方向)及びx軸(
放射方向)に沿って移動する軌跡とは反対である。
したがって、実質的に下部レンズ接触面108.3及びサポート面109.5の接触面
において、相対的な(変形の)動作は生じない。したがって、下部レンズ接触面108.
3及びサポート面109.5の間に摩擦がある実際の状態でさえも、レンズ108は実質
的に接触面に作用している摩擦力を受けることが無い。よって、実質的に、レンズ108
の光学機能部に伝わり、結像誤差を発生する(寄生負荷に起因する)せん断応力を受ける
ことがない。
言い換えれば、第2傾斜軸109.17の位置は、(理論上の)摩擦のない接触に応じ
たサポート面109.5の動き、(実際の)摩擦接触により生じる実際の動きに一致させ
る。このような理論上の動きと実際の動きとの違いは、レンズ108及びレンズサポート
109.3の少なくともいずれか一つの弾性変形によって補償されなければ、それぞれの
接触相手にプレストレスを発生させてしまう。これにより、レンズ108に寄生負荷が生
じてしまう。
さらに、第2傾斜軸109.17の位置は、レンズサポート109.3が動いても、実
質的に保持され、(放射方向に沿う)サポート面109.5内に位置する。このため、接
触面108.3及びサポート面109.5の間における接触圧力の分散は、ほぼ均等にな
る。これは、均等な接触圧力の分散に起因するサポート力FSiの作用線は、モーメント均
衡状態とするために、第2傾斜軸109.17と交差する必要があるためである。このよ
うな接触圧力の均等分散は、レンズ108の光学機能部に伝わり、レンズ108に結像誤
差を引き起こす、レンズにおける不均等な応力分散を回避する。
更には、下部レンズ接触面108.3及びサポート面109.5との間が完全に接触し
た時点で、下部レンズ接触面108.3及びサポート面109.5との間の接触面が、z
軸方向(サポート力方向)において、実質的に不動である。
したがって、実質的にレンズ108の光軸が不所望に傾斜することは無い。
本発明の他の実施形態において、第2レンズサポート素子によって定まる第2傾斜軸も
、サポート面によって定まる接触面から一定距離離間して配置されることも可能である。
この場合、若干の相対的な動きが発生し、若干の摩擦力が接触面に作用して、レンズにせ
ん断応力を発生させる。しかし、これらの相対的な動きと、それにより生じるせん断応力
を、可能な限り低く抑えるために、第2傾斜軸及び接触面の間の距離は、第2傾斜軸に垂
直な平面内の接触相手間の接触領域の最大長の、好ましくは20%未満、更に好ましくは
5%未満、更に好ましくは2%未満であることが好ましい。
更には、2つの第1リーフスプリング素子109.12によって定まる第1傾斜軸10
9.13は、サポート面109.5の面内に位置するので、下部レンズ接触面108.3
及びサポート面109.5の間の不整合を補償し、サポート構造体109を介してレンズ
108に寄生負荷が発生することを少なくとも低減させるために同様の効果を有する。
第1レンズサポート素子109.7及び第2レンズサポート素子109.8は、モノリ
シック部品として形成されることもできる。しかし、本発明の他の実施形態において、ク
ランプは、適切な方法で相互に接続された別部品として形成されることも可能である。こ
れは特に、上述のように第1及び第2の傾斜軸の位置及び/又は方向を調整することが可
能な場合である。
以下において、図7及び8を参照して、クランプ109.4及びその機能を更に詳述す
る。図7は、クランプ109.4の斜視図であり、図8は、図2のVIII−VIII断面図であ
る。
図示した実施形態におけるクランプ109.4は、マウント素子109.23、接触素
子109.24、及び、マウント素子並びに接触素子109.24に接続するリンク素子
109.25を備えるモノリシック部品である。しかし、本発明の他の実施形態において
、クランプは適切な方法で相互接続された別部品として構成することも可能である。
図8から明らかなように、クランプ109.4は、第1接触面としてクランプ面109
.26を更に備える。これは、クランプ力方向(z軸に沿う第1方向)に更なる保持力と
して、レンズ108の突起108.1のそれぞれの上部レンズ接触面108.4に対して
クランプ力FCLを作用させるために用いられる。
このため、(上述のように、一旦レンズ108がレンズサポート109.3に設置され
ると)、各クランプ109.4を各レンズ108について整列させる。そして、クランプ
面109.26は、上部レンズ接触面108.4にほぼ平行となるように配置する。クラ
ンプ109.4を、サポートリング109.1の軸109.6及びレンズ108の光軸1
08.2に沿って(すなわち、z軸に沿って)、クランプ面109.26が他のレンズ接
触面108.4に接し、そして、マウント素子109.23のマウント面が対応するレン
ズサポート109.3のマウント面に接するまで、それぞれ降下させる。これを、クラン
プ面109.26及び上部レンズ接触面108.4の配置を変更せずに行うために、適切
なガイド機構(図示しない)を用いることができる。
図示した実施形態において、各部レンズ接触面108.4は、平坦面であり、それぞれ、(通常は)レンズ108の光軸108.2に対して垂直であり、(公称では)他の部レンズ接触面108.4と同一平面状に存在する。更には、各クランプ面109.26も平坦面であり、(レンズをクランプしていない公称の設置状態において)サポートリング109.2の回転対称軸109.6に対して垂直に延在し、他のクランプ面109.26と同一平面上に存在する。
しかし、本発明の他の実施形態においては、下部レンズ接触面のレンズ光軸に対する配
置を他の配置にしたり、又サポート面のサポートリング(又は他のあらゆる適切なサポー
ト器具)に対する配置を調整する方法を他の方法にすることも可能である。更に、本発明
の他の実施形態においては、各サポート面及び/又は各下部レンズ接触面は、必ずしも連
続面である必要は無い。むしろ、いずれも、複数の別の接触面部によって形成することが
できる。各サポート面を、例えば、ピン、リッジ等の複数の分離した接触面部を形成する
複数の軸突起(即ち、z方向の突起)によって形成することもできる。
設置状態においては、突起108.1及びクランプ109.4は、相互接触領域ACを
定め、放射方向(x軸、第2方向)の長さはLxであり、サポートリング109.1(y
軸、第3方向)の接線方向の長さはLyである。長さLx及びLyは、それぞれの方向でよ
り大きさの小さい接触相手によって定められる。図示した実施形態においては、両方の場
合において、上部レンズサポート面108.4はLx及びLyをそれぞれ定める。しかし、
本発明の他の実施形態においては、これらの長さの一つ又は両方がクランプによって決ま
る。
接触領域ACは、接触領域ACの中心において放射方向(x軸、第2方向)に位置し、
放射方向について傾斜して(更に正確には垂直に)配置される参照面RPを備える。
クランプ109.4のリンク素子109.25は、2つのリーフスプリング素子109
.27を備える。これらは、クランプ109.4の設置状態において、サポートリング1
09.1の放射第2方向(x軸)に延在するものであり、クランプ力方向を横断する。リ
ーフスプリング素子109.27は、接線第3方向(y軸)において、小ギャップ109
.28だけ接触素子109.24から離間して、接触素子109.24の両側に配置され
る。
図示した実施形態において、リーフスプリング素子109.27は、参照面RPの両側にそれぞれ延在する。各リーフスプリング素子109.27の第1端は、参照面RPの片側でマウント素子109.23に接続され、各リーフスプリング素子109.27の第2端は、参照面RPのもう一方の側で接素子109.24に接続される。従って、参照面RP及び接素子109.24の間に位置する各リーフスプリング109.27は、第1リンク部109.29を形成する。各リーフスプリング109.27の参照面RPとマウント素子109.23との間に位置する部分は、第2リンク部109.30を形成する。よって、第1リンク部109.29及び第2リンク部109.30は、マウント素子109.23及び接触素子109.24の間に連動的に配置されている。
以下に詳述するように、リーフスプリング素子109.27の大きさは、上部レンズ接
触面108.4及びクランプ面109.26の間の接触領域ACにおいて接触圧力pcが
作用し、圧力が接触領域AC全体でほぼ一定となるように選択される。したがって、参照
面RPにおいて作用する接触圧力Pcによって、クランプ力FCLが生じる。生じたクランプ
力FCLの結果として、曲げモーメントMyが各リーフスプリング素子109.27に作用
する。曲げモーメントMyは、サポートリング109.1の接線方向に延在する曲げ軸に
ついて作用する。すなわち、軸第1方向(z軸)及び放射第2方向(x軸)によって定め
られる曲げ平面において作用する。
曲げモーメントMyは、リーフスプリング素子109.27の第1端(接触素子109
.24に接続されている)において、負の最大値My1である。また、リーフスプリング
素子109.27の第2端(マウント素子109.23に接続されている)において、正
の最大値My2であり、参照面RPにおいてゼロである(すなわち、各ウィングスプリン
グ素子109.27の屈曲点が参照面RP上に存在する)。
図9Aから明らかなように、第1リンク部109.29は、放射方向に第1の長さaを
有し、第2リンク部109.30は放射方向に第2の長さbを有する。接触領域AC全体
が完全に平坦に接触するような公称の状態においては、第1リンクセクション109.2
9が接触素子109.24に接続する位置及び第2リンクセクション109.30がマウ
ント素子109.2に接続する位置の両方において、各リーフスプリング素子109.2
7の長手方向軸の放射方向(x軸)に対する角度がゼロ度となるような幾何学的境界条件
を満たす。
この幾何学的境界条件では、各リーフスプリング素子109.27の一定断面(すなわ
ち、それぞれの接線軸接線y軸について一定の断面二次モーメント(area moment of ine
rtia)lyは、2つのリンクセクション109.29及び109.30のそれぞれの放射
方向の全長に渡って、一端で硬く保持され、自由端に作用する垂直方向の力Fによって曲
がる、水平の梁として考えることができる。したがって、接続位置における、(z軸方向
の)リンク部109.29及び109.30の軌跡W1及びW2は、それぞれ以下のように
算出することができる。
ただし、リーフスプリング素子109.27の材料の弾性率をEとする。したがって、接
続位置における、放射方向(x軸方向)に対する各リンク部109.29及び109.3
0の角度α1及びα2は、それぞれ以下のように算出することができる。
更なる境界条件において、2つの角度α1及びα2は、同一である(すなわち、α1=α
2)ことを要し、このとき、第1の長さ及び第2の長さが同一である(すなわち、a=b
)であることは明らかである。
図9Bは、クランプ109.4の変更態様を示す図である。図9Bにおいて、各リーフ
スプリング素子109.27の第1及び第2リンク部109.29及び109.30の第
1の長さ及び第2の長さは異なる(即ち、a≠b、ここではa<bである)。これにより
、リーフスプリング素子109.27の断面2次モーメントly’が、その長さ方向全体
に亘って一定に維持された場合、曲げモーメントMy’はゼロとなり、したがって、クラ
ンプ力FCL’は、参照面RPからマウント素子109.23に向かって移動して遠ざかる
。従って、接触領域ACにおける接触圧力pCの分散は不均一となりうる。このような不
均一な接触圧力の分散は、ある程度までは許容可能である。好ましくは、接触領域ACに
おける接触圧力pcの分散は、接触領域AC全体の平均接触圧力の±20%未満であり、
更に好ましくは、±10%未満である。
しかし、そのような、接触領域AC全体に渡る不均一な接触圧力の分散に対して反作用
させるために、リーフスプリング素子109.27の断面2次モーメントly”が、その
長さ方向全体にわたって曲げモーメントMy”がゼロとなるように変更し、クランプ力FC
L”を参照面RPに近づける(完全に戻す)ように移動させる。このように、各リンク部
109.29及び109.30の半径方向の長さa及びbが異なる場合であっても、接触
圧力Pcを均一に分散させることができる。
他の実施形態において、リーフスプリング素子の断面二次モーメントを変更することに
加えて、又はそれに代えて、リーフスプリング素子の(材料の)長さ方向全体に渡る弾性
率を変更し、接触領域ACにおける接触圧力をほぼ均一に分散させることも可能である。
言い換えれば、本発明に係るクランプ109.4は、(例えば、様々な長さのリーフス
プリング素子109.27が必要とされる)様々な幾何学的境界条件に容易に適用可能で
ある。これにより、上部レンズ接触面108.4及びクランプ面109.26間の接触領
域AC全体における接触圧力が均一になる。このようにして、接触領域AC全体に渡って
接触圧力pcを均一に分散させることで、局所的に集中した応力の発生を低減して、それ
がレンズ108にもたらされ、レンズ108の光学機能部分に伝わる(そして、レンズ1
08及びレンズ108を含む光学システムに結像誤差を生じさせる)ことを抑制する。
図9C及び9Dは、レンズホルダ9.2(図6A及び6Bに示す)の他の部品を示す、
(模式的且つ縮尺によらない)図である。これは、上述した米国特許第7154684号
より周知である。図9Eは、周知のレンズホルダ9.2をより詳細に示す図である。
図9Cは、クランプ9.4を、レンズ8をサポートするレンズサポート9.3に設置す
る前における、レンズホルダ9.2の状態を示す。図9Dは、クランプ9.4がレンズサ
ポート9.3上に設置され、レンズ8をクランプしている状態の、レンズホルダ9.2を
示す。
図9C、9D、及び9Eから明らかなように、従来のクランプ9.4は、2つの分離し
た部品からなる。すなわち、自由端において接触ヘッド9.32を有するリーフスプリン
グ素子9.27を含む第1部品9.31と、接触ヘッド9.32及びレンズ8の上部レン
ズ接触面8.4の間に配置された接触素子9.34を有する第2部品9.33とを有する
図9Dから明らかなように、(レンズサポート9.3に端部が堅く埋設保持された水平
の梁状の)リーフスプリング素子9.27は、その接触ヘッド9.32及び接触素子9.
34を介して、上部レンズ接触面9.4に対して、クランプ力FCLを自由に作用させる。
接触素子9.34及びレンズ8の間の接触領域において作用する接触圧力をほぼ均等にす
るために、接触ヘッド9.32をリッジ又はルーフ状に構成して、(接触素子9.34に
線接触するようにして)、接触ヘッド9.32が接触素子9.34に対して傾斜すること
を可能にする(これにより、接触領域に曲げモーメントが伝わることを回避する)。した
がって、リーフスプリング素子9.27のy軸について作用する曲げモーメントMyは接
触ヘッド9.32においてゼロになる。
一方で、周知のクランプ9.4は、別々の構成素子から構成されるので、それらの構成
素子の製造不整合に起因して複数の誤差をシステムに生じさせるという不利益がある。更
に、クランプ力FCLが、接触ヘッド9.32及び接触素子9.34の間の非常に小さい接
触領域を介して、空間的に極度に集中して伝われば、この接触領域において応力が極度に
集中し、これらの構成素子が(たとえば、構成素子に作用する加速に起因する負荷によっ
て)故障するおそれがある。
周知のサポート構造体9のクランプ機構とは対称的に、本発明に係るクランプ109.
4は、弾性変形可能な第1及び第2のリンク部109.29及び109.30が参照面R
Pの両端に配置されているという構成に起因して、リンク部109.29及び109.3
0は、曲げ軸(y軸)について逆向きに回転して、クランプ面109.26及び上部レン
ズ接触面108.4が適切に平行配置するように調整する。具体的には、第1リンク部1
09.29はその端部において接触素子109.24に接続されるが、曲げモーメントM
yによって曲げ軸(y軸)について回転する結果、曲げモーメントMyに応じた第2リンク
部109.30の曲がりによって生じる曲げ軸(y軸)についての第1リンク部の端部の
回転は完全に補償される。
したがって、従来から周知のクランプ9.4とは異なり、小領域に大きな応力が集中す
ることは無くなり、これにより、応力集中に起因する故障のリスクが回避される。むしろ
、過剰な負荷(例えば、整合部材における過剰な加速に起因する)は、各リーフスプリン
グ素子109.27の長さ全体にわたって分散され、これによりクランプ109.4にお
ける局所的応力が有意に低減される。
クランプ109.4の更なる有利点は、リーフスプリング素子109.27が、更なる
第1傾斜軸109.35と、更なる第2傾斜軸109.36とを定める点にある。これら
の軸は、実質的にクランプ面109.26内に位置し、したがって接触領域AC内(接触
面109.26及び上部レンズ接触面108.4の間)に位置する。
第1傾斜軸109.35は、放射第2方向(x軸)に延在し、第2傾斜軸109.36
は接線第3方向(y軸)に延在する。第1傾斜軸109.35及び第2傾斜軸109.3
6は、傾斜軸109.13及び109.17と同様に、接触領域AC内に位置する(又は
少なくとも直近に位置する)ため、クランプ面109.26及び上部レンズ接触面108
.4との間における、接触面について平行な相対的な動きを抑制する。このような傾斜軸
の詳細な機能は、傾斜軸109.17に関連して詳細に説明した。したがって、ここに、
上述の説明を主に引用すると共に、これにより、接触相手同士の間に生じる摩擦せん断力
及び寄生負荷の発生を回避することができるという点を再度述べるに留める。この寄生負
荷は、レンズ108の光学機能部に伝わり結像誤差を生じさせる。
サポート構造109を介してレンズ108の各突起108.1に生じる、寄生負荷に起
因する応力を更に低減するために、突起108.1は上側及び下側応力逃がし溝108.
5を備える。この溝は、下部レンズ接触面108.3及び上部レンズ接触面108.4に
隣接するレンズ108の円周方向に延在する。本発明の他の実施形態において、このよう
な応力除去溝は他態様で設計されることも可能であり、当然、各突起の少なくとも一つの
表面に備えられなくてもよい。
図1に示す光学露光装置101において、本発明に係る光学素子ユニットの保持方法の
好ましい実施形態は、以下において図1〜10を参照して実施可能である。
ステップ110.1において、光学露光装置101の構成素子は、具体的には、図1〜
9Dにおいて記載したような、レンズ108及びサポート構造体109である。
ステップ110.2においては、光学露光装置101の構成素子は、図1〜9Dにおい
て記載したような構成における空間的関係に配置する。更に具体的には、ステップ110
.2において、レンズサポート109.3の変形可能なリンク部(第1レンズサポート素
子109.7及び第2レンズサポート素子109.8)は、上述のような態様で配置する
ステップ110.3においては、レンズ108の突起108.1は、レンズサポート1
09.3上に配置し、上述したように、それぞれサポート力FSIをレンズ108に作用さ
せる。これにより、レンズサポート109.3の変形可能なリンク部109.7及び10
9.8を、上述したような態様で変形させる。
ステップ110.4においては、光学露光装置101の更なる構成素子の部品は、図1
〜9Dにおいて記載したような構成における空間的関係に配置する。更に具体的には、ス
テップ110.4において、クランプ109.4の変形可能なリンク部(リーフスプリン
グ素子109.27)は、レンズ108及びレンズサポート109.3に対して、上述の
ような態様で配置する。
ステップ110.5においては、各クランプ109.4をレンズ108の各突起108
.1に配置し、レンズサポート109.3に設置し、上述したように、それぞれサポート
力FCLをレンズ108に作用させる。これにより、レンズクランプ109.4の変形可能
なリンク部109.27を、上述したような態様で変形させる。
[第2実施形態]
以下、図1〜10、及び図11Aを参照して説明した、本発明に従う光学素子モジュー
ル207.1の第2の実施形態を示す。光学素子モジュール207.1は、その基本設計
及び機能面において光学素子モジュール107.1に大部分が対応し、図1に示す光学結
像装置101における光学素子モジュール107.1に代えて用いることができる。した
がって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点
について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に100を加えた
参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において
説明した内容を参照されたい。
図11Aは、図5に対応するものであり、光学素子モジュール207.1の詳細を示す概略断面図である。光学素子モジュール207.1の光学素子モジュール107.1との唯一の違いは、第2レンズサポート素子209.8の脚209.15の設計にある。2つのリーフスプリング素子109.16に代えて、脚09.15に対して1つのリーフスプリング素子209.16だけを設ける。
各脚209.15の第2リーフスプリング素子209.16は、主拡張平面を有し、こ
の平面は、サポートリング109.1の円周接線方向にも配置されている。第1レンズサ
ポート素子109.7(破線で示す)のサポート面109.5によって定められる接触面
に関して、第2傾斜軸109.17が第1実施形態において詳述したような態様となるよ
うに、第2リーフスプリング素子209.16を配置する。ここでも、実際には、第2傾
斜軸109.17は、サポートリング109.1の接線方向に一致させ、且つ、サポート
面109.5によって定められる接触面内に延在させる。第2の傾斜軸109.17は、
放射方向(x軸)にサポート面109.5内の略中心を通る。
これら第2リーフスプリング素子209.16の大きさ及び/又は位置は、第2傾斜軸109.17の所望位置に応じて、周知の方法で容易に決定できる。すなわち、サポート面109.5によって定められる接触面の位置に応じて決定できる。例えば、第2リーフスプリング素子209.16の接線方向(y軸)についての接触断面2次モーメントlyが一定であれば、第2傾斜軸109.17は、第2リーフスプリング素子209.16の両端の間において、軸方向(z軸)中央に沿って位置する。
第2リーフスプリング素子が、接線軸(y軸)についての断面2次モーメント又は軸方
向(z軸)に沿って可変の弾性率Eを有する場合、第2傾斜軸の位置が移動しうる。
したがって、脚209.15における所定の幾何学的境界条件において、第2リーフスプ
リング素子209.16の大きさ及び/又は素材を変更することで、サポート面109.
5に対する第2傾斜軸109.17の位置を調整することができる。更には、上述のよう
な調整手段109.18を備えることもできる。
この光学素子モジュール207.1においても、(第1実施形態において上述した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第3実施形態]
以下、図1〜10、及び図11Bを参照して説明した、本発明に従う光学素子モジュー
ル307.1の第3実施形態を示す。光学素子モジュール307.1は、その基本設計及
び機能面において光学素子モジュール107.1に大部分が対応し、図1に示す光学結像
装置101における光学素子モジュール107.1に代えて用いることができる。したが
って、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点に
ついて以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に200を加えた参
照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説
明した内容を参照されたい。
図11Bは、図5に対応するものであり、光学素子モジュール307.1の詳細を示す
概略断面図である。光学素子モジュール307.1の光学素子モジュール107.1との
唯一の違いは、第2レンズサポート素子309.8の脚309.15の設計にある。
同一平面上のリーフスプリング素子109.16の代わりに、2つのリーフスプリング素
子309.16を備える。これらの主拡張平面は、第2傾斜軸109.17を定める交差
線上で交差し、サポートリング109.1(y軸)の接線方向に延在する。
また、第2傾斜軸109.17は、第1レンズサポート素子109.7の接触面109
.5(破線で示す)によって定められる接触面(下部レンズ接触面108.3)内に延在
する。このような傾斜軸の詳細な機能は、傾斜軸109.17に関連して詳細に説明した
。第2の傾斜軸109.17は、放射方向(x軸)にサポート面109.5内の略中心を
通る。
したがって、脚109.15における所定の幾何学的境界条件において、第2リーフス
プリング素子309.16の主拡張部面の交差線の位置を変更することで、サポート面1
09.5に対する第2傾斜軸109.17の位置を調整することができる。更には、上述
のような調整手段109.18を備えることもできる。
更には、第2リーフスプリング素子をサポート面109.5によって定められる接触面
の反対側に配置することもできる。更には、第2傾斜軸109.17を定める主拡張面が
、実質的に共通の交差線上において交差する限りにおいて追加の第2リーフスプリングを
設けることもできる。
この光学素子モジュール307.1においても、(第1実施形態において説明した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第4実施形態]
以下、図1〜10、及び図11Cを参照して説明した、本発明に従う光学素子モジュー
ル407.1の第4実施形態を示す。光学素子モジュール407.11は、その基本設計
及び機能面において光学素子モジュール107.1に大部分が対応し、図1に示す光学結
像装置101における光学素子モジュール107.1に代えて用いることができる。した
がって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点
について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に300を加えた
参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において
説明した内容を参照されたい。
図11Cは、図5に対応するものであり、光学素子モジュール407.1の詳細を示す
概略断面図である。光学素子モジュール407.1の光学素子モジュール107.1との
唯一の違いは、第2レンズサポート素子409.8の脚409.15の設計にある。同一
平面上に位置するリーフスプリング素子109.16に代えて、一つの弾性ヒンジ素子4
09.37が設けられている。このヒンジ素子409.37は、サポートリング109.
1の接線方向(y軸)に延在する第2傾斜軸109.17を定める。
また、第2傾斜軸109.17は、第1レンズサポート素子109.7の接触面109
.5(破線で示す)によって定められる接触面(下部レンズ接触面108.3)内に延在
する。このような傾斜軸の詳細な機能は、傾斜軸109.17に関連して詳細に説明した
。第2の傾斜軸109.17は、放射方向(x軸)にサポート面109.5内の略中心を
通る。
したがって、脚109.15における所定の幾何学的境界条件において、弾性ヒンジ素
子409.37の位置を変更することで、サポート面109.5に対する第2傾斜軸10
9.17の位置を調整することができる。更には、上述のような調整手段109.18を
備えることもできる。
更には、第1実施形態と同様の態様で、2つ又はそれ以上の弾性ヒンジ素子を(軸方向
において)備えることが出来る。これらの組み合わせで、第2傾斜軸109.17の位置
が定まる。
この光学素子モジュール407.1においても、(第1実施形態において上述した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第5実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール507.1の第5実施形態について、図1〜10及び図12を参照して説明する。光学素子モジュール507.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に400を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
図12は、図7に対応するものであり、光学素子モジュール507.1の詳細を示す概略断面図である。光学素子モジュール507.1の光学素子モジュール107.1との唯一の違いは、クランプ509.4の接触素子509.24の設計にある。
クランプ509.4のマウント素子109.23及びリンク素子109.25(リーフ
スプリング素子109.27を有する)は、第1実施形態において詳述したものと同一で
あり、接触素子509.24は、その第一端において、(第1実施形態において詳述した
)クランプ面109.26を有する第1接触素子部分509.38を有する。第2端にお
いて、接触素子509.24は第2接触素子部分509.39を有する。第2接触素子部
分509.39は、一方の側ではリンク素子109.25の2つのリーフスプリング素子
109.27に接続し、他方の側では、接続部509.40を介して第1接触素子部50
9.38に接続される。
接触素子509.24の接続部509.40は、2つのリーフスプリング素子509.41によって形成される。主拡張面が、サポートリング109.1の放射方向(x軸)に沿い、クランプ面109.26によって定められる(上部レンズ接触面108.4の)接触面内に延在する交差線において交差するように、これら2つのリーフスプリング素子509.41を配置する。2つのリーフスプリング素子509.41は、クランプ面109.26の第傾斜軸109.36を定める。
第1実施形態のクランプ109.4と比べて、クランプ509.4はクランプ面109.26の第傾斜軸109.36についての傾斜動作が、(クランプ力FCLも発生させる必要がある)リーフスプリング素子109.27のねじれによらずに、リーフスプリング素子509.41の曲がりによって、行われる点で有利である。したがって、このような傾斜動作に対して比較的抵抗の少ない構成を実現することができる。
また、ここでも、第傾斜軸109.36は、クランプ509.4(破線で示す)のクランプ面109.26において定められる接触面(上部レンズ接触面108.4)内に延在する。このような傾斜軸の詳細な機能は、傾斜軸109.36に関連して詳細に説明した。第傾斜軸109.36は、接線方向(y軸)に沿い、クランプ面109.26内において略中心に位置する。
更には、第傾斜軸109.36を定める主拡張面が、実質的に共通の交差線上において交差する限りにおいて追加のリーフスプリングを設けることもできる。
この光学素子モジュール507.1においても、(第1実施形態において上述した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第6実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール607.1の第6実施形態について、図1〜10及び図13を参照して説明する。光学素子モジュール607.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に500を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
図13は、図2における線XIII−XIIIに従う、光学素子モジュール607.1の一部
分に係る概略断面図である。図14は、図13に示すクランプ609.4の概略斜視図で
ある。光学素子モジュール607.1の光学素子モジュール107.1との唯一の違いは
、クランプ609.4の設計にある。
クランプ109.4との違いの1つは、(マウント素子609.23及び接触素子60
9.24をリンクする)リンク素子609.25が、(接触素子109.24の両側に位
置する2つの別々のリーフスプリング素子109.27に代えて)接触素子609.24
の上に位置する1つのリーフスプリング素子609.27を備えることにある。
しかし、参照面RPに対するリーフスプリング素子609.27の構成は、第1実施形態
において詳述したリーフスプリング素子109.27の少なくとも一つと同一である。
したがって、ここでは、リーフスプリング素子109.27に関する上述の説明について
のみ参照する。また、クランプ面109.26及び上部レンズ接触面108.4の間の接
触領域AC全体で、接触圧力PCが均一に分布する。
クランプ109.4との第2の違いは、接触素子609.24はその第一端において、
(第1実施形態において説明したような)クランプ面109.26を備える第1接触素子
部609.38を有するという点にある。第2端において、接触素子609.24は第2
接触素子部分609.39を有する。第2接触素子部分609.39は、一方の側ではリ
ンク素子609.25のリーフスプリング素子609.27に接続し、他方の側では、接
続部609.40を介して第1接触素子部609.38に接続される。
接触素子609.24の接続部609.40は、3つの弾性変形ストラット素子609
.41によって形成される。これらの長手軸が、クランプ面109.26によって定めら
れる(上部レンズ接触面108.4の)接触平面内の交差点において、三脚のように交差
するように配置される。これら3つのストラット素子609.41の軸が交差する点は、
傾斜点を定める。すなわち、上述したようなクランプ面109.26の傾斜軸109.3
5及び109.36を定める。
第1実施形態のクランプ109.4と比べて、クランプ609.4はクランプ面109.26の傾斜動作が、(クランプ力FCLも発生させる必要がある)リーフスプリング素子609.27の曲がりによらずに、ストラット素子609.41の曲がりによって、行われる点で有利である。したがって、このような傾斜動作に対して比較的抵抗の少ない構成を実現することができる。
また、ここでも、傾斜軸109.35及び109.36は、それぞれ、クランプ609
.4のクランプ面109.26によって定められる接触面(上部レンズ接触面108.4
)内に延在する。このような傾斜軸109.36のそれぞれにおける詳細な機能は、第1
実施形態において詳細に説明した。傾斜軸109.35及び109.36は、それぞれ、
接線方向(y軸)及び放射方向(x軸)に沿い、クランプ面109.26内において略中
心に位置する。
更には、傾斜軸109.35及び109.36のそれぞれを定める長手軸が、実質的に
共通の交差点上で交差する限りにおいて、追加の弾性ストラット素子を設けることもでき
る。
この光学素子モジュール607.1においても、(第1実施形態において上述した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第7実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール707.1の第7実施形態について、図1〜10及び図13〜15を参照して説明する。光学素子モジュール707.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1及び607.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に600を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
図15は、図13に示す断面に対応するものであり、光学素子モジュール507.1の
詳細を示す概略断面図である。光学素子モジュール707.1の光学素子モジュール60
7.1との違いは、接続部709.11の設計にある。接続部709.11は、(サポー
ト面109.5を備える)第1接触素子部709.9と、第1レンズサポート素子709
.7の第2接触素子部709.10とを接続する。
接続部709.11は、クランプ609.4の接続部609.40と同様に設計する。
具体的には、接触部709.11は、3つの弾性変形ストラット素子709.12より形
成される。これらは、長手軸がサポート面109.5によって定められる(下部レンズ接
触面108.3の)接触平面内の交差点において、三脚のように交差するように配置され
る。3つのストラット素子709.12の軸が交差する点は、傾斜点を定める。すなわち
、上述したようなサポート面109.26の傾斜軸109.13及び109.17を(他
の軸の中から)定める。
また、ここでも、傾斜軸109.13及び109.17は、それぞれ、レンズサポート
709.3のサポート面109.5によって定められる接触面(下部レンズ接触面108
.3)内に延在する。このような傾斜軸109.13及び109.17の、それぞれの詳
細な機能は、第1実施形態において詳細に説明した。傾斜軸109.13及び109.1
7は、それぞれ、放射方向(x軸)及び接線方向(y軸)に沿い、サポート面109.5
内において略中心に位置する。
第1実施形態のレンズサポート109.3に比べて、レンズサポート709.3は、サ
ポート面109.5のどの傾斜動作もストラット素子の曲がりによってもたらされるとい
う利点を有する。したがって、このような傾斜動作に対して対抗力の少ない構成を提供で
きる。また、そのためにサポート面109.5の傾斜軸を提供する更なる構成部品を備え
る必要がない。したがって、第1及び第6実施形態との第2の違いは、第1レンズサポー
ト素子709.7がサポートリング109.1に直接支持されているということである。
更には、傾斜軸109.135及び109.17のそれぞれを定める長手軸が、実質的
に共通の交差点上において交差する限りにおいて、追加の弾性ストラット素子を設けるこ
ともできる。
この光学素子モジュール707.1においても、(第1実施形態において説明した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第8実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール807.1の第8実施形態について、図1〜10及び図16を参照して説明する。光学素子モジュール807.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に700を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
図16は、図13に対応するものであり、光学素子モジュール807.1の詳細を示す
概略断面図である。光学素子モジュール807.1の光学素子モジュール107.1との
唯一の違いは、クランプ809.4及びリンク素子809.25の設計にある。
クランプ809.4のマウント素子109.23及び接触素子109.24は、第1実
施形態において説明したものと同一である。リンク素子809.25は2つのリーフスプ
リング素子809.42を備え、これらは参照面RPの両側に位置し、且つ実質的に剛性
の接続素子809.43によって接続されている。
破線809.44によって示すように、リーフスプリング素子809.42は、(クラ
ンプ809.4に負荷がかかっていない状態では)軸方向(y軸)に沿って延在する主拡
張面を有する。図16より明らかなように、変形素子を参照面RPの両側に配置すること
で、そのような構成においても、接触面ACに作用する接触圧力pcがほぼ均一に分布し
、これにより、生じたクランプ力FCLが実質的に参照面RP内において作用するようにな
る。
したがって、本発明によれば、クランプの弾性変形部は、放射方向(x軸)に対してあ
らゆる適切な方向に変形することが可能である。そのような変形部を(接触面ACによっ
て定められる)参照面RPの両側に備える限りにおいて、接触領域ACにおいて作用する
接触圧力pcの分散を略均一にすることが可能である。これにより、負荷の集中を低減し
、局所的な応力がレンズ108の光学機能部に伝わることを回避する(所望の結像誤差を
得る)ことができる。
この光学素子モジュール807.1においても、(第1実施形態において説明した)本
発明に従う光学素子ユニットの保持方法を実施することができる。
[第9実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール907.1の第9実施形態について、図1〜10及び図17を参照して説明する。光学素子モジュール907.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に800を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
光学素子モジュール107.1との唯一の違いは、第1レンズサポート素子909.7
の接続部909.11が2つの第1リーフスプリング素子909.12によって形成され
、これらの素子が一連のリーフスプリングではなく、2つの分離したリーフスプリング部
を有する素子である点にある。
[第10実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール1007.1の第10実施形態について、図1〜10及び図18を参照して説明する。光学素子モジュール1007.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に900を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
光学素子モジュール107.1との唯一の違いは、U型第2レンズサポート素子100
9.8のクランプ1009.4が、基部1009.14に直接設置されている点にある。
[第11実施形態]
以下において、本発明に係る光学素子モジュール1107.1の第11実施形態について、図1〜10及び図18を参照して説明する。光学素子モジュール1107.1はその基本設計及び機能の大部分が光学素子モジュール107.1に対応し、図1に示す光学結像装置101の光学素子モジュール107.1と置き換えることができる。したがって、ここでは、主に上述の記載を参照し、光学素子モジュール107.1と異なる点について以下に詳述する。具体的には、同様の部分は、上述の参照符号に1000を加えた参照符号を付して示し、これらに関しては、特に明示が無ければ、第1実施形態において説明した内容を参照されたい。
光学素子モジュール107.1との唯一の違いは、クランプ1109.4がサポートリ
ング1109.1に直接設置されている点にある。
ここまで、本発明について、光学素子及び光学素子を保持するホルダを有する光学素子
モジュールを用いる実施形態に関して説明してきた。しかし、本発明は、光学素子に直接
流体アクチュエータが接続されるような実施形態にも適用可能である。
更に、本発明は、流体アクチュエータを用いて光学素子の配置(例えば、空間における
位置及び/又は方向)を変更するような実施形態にも適用可能である。しかし、上述した
ように、本発明の他の実施形態においても、本発明に係るアクチュエータによってもたら
される作動力は、光学素子又は他の光学装置の構成素子の形状を変更するために用いられ
ることも可能である。更には、本発明に従うアクチュエータによってもたらされる作動力
はそのような光学装置における他のあらゆる動作のために用いられても良い。
ここまで、本発明について、保持器具の接触素子が直接光学素子ユニットの唯一の構成
部品である光学素子に作用するような例に関して説明してきた。しかし、本発明の他の実
施形態において、(光学素子とは別に)光学素子ユニットが更なる構成素子を備え(例え
ば、光学素子に直接接触する保持素子等)、これらが保持器具に接触して、発生した負荷
を光学素子に伝えることが考えられる。
ここまで、本発明について、波長193nmの露光光によって作動するマイクロリソグ
ラフィシステムに関して説明してきた。しかし、本発明は、他のいかなる波長によって作
動する他のいかなる光学システム、特に、変形感受性の構成素子を用いる他のいかなる光
学装置においても用いることができることが望ましい。特に、本発明は、波長20nm以
下、典型的に波13nmで作動する、いわゆるEUVシステムにおいて用いることができ
る。
最後に、本発明は、光学装置内のあらゆる位置において用いられる他のいかなるタイプ
の光学素子、具体的には、屈折性、反射性、回折性の光学素子又はこれらの組み合わせに
おいて用いられることができる。

Claims (23)

  1. 光学素子モジュールであって、
    光学素子を有する光学素子ユニットと、
    サポート構造体と
    を備え、
    前記サポート構造体は、前記光学素子ユニットをサポートし、且つ、サポート器具と該サポート器具に取り付けられた接触器具を備え、
    前記接触器具は、該接触器具の第1の接触面を介して第1方向に前記光学素子ユニット上に生じた保持力を作用させ、前記第1の接触面は前記光学素子ユニットの第2の接触面に接触しており、
    前記接触器具は、前記第1方向を横断する第2方向に沿って延在し、且つ前記第1接触面及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1のリンク部及び第2のリンク部を備え、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記生じた保持力に応じて弾性変形し、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、参照面の両側に配置され、前記参照面は前記生じた保持力の作用線によって規定され、且つ、前記第2方向に横断方向に延在していることを特徴とする光学素子モジュール。
  2. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、少なくとも1つの前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、リーフスプリング部を有し、
    前記リーフスプリング部は、前記生じた保持力に応じて弾性変形することを特徴とする光学素子モジュール。
  3. 請求項2に記載の光学素子モジュールであって、前記リーフスプリング部は、前記第1方向又は前記第2方向のうち少なくとも1つに沿って延在することを特徴とする光学素子モジュール。
  4. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、少なくとも1つのリーフスプリング素子により形成されることを特徴とする光学素子モジュール。
  5. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記接触器具は、前記サポート器具に接続された接触素子及びマウント素子を備え、
    前記第1接触面は前記接触素子の表面であり、
    前記接触素子は前記第2方向に沿って、前記参照面の両側に延在し、
    前記接触素子は第3方向に沿って延在し、前記第3方向は前記第1方向及び第2方向に対して横断方向であり、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は2つのリーフスプリング素子によって形成され、
    前記第3方向に沿う前記リーフスプリング素子は、前記接触素子の両側に配置されており、
    前記リーフスプリング素子の端部は、第一端において前記接触素子に接続され、第2端において前記マウント素子に接続されていることを特徴とする光学素子モジュール。
  6. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記生じた保持力に応じて、前記第1方向及び第2方向によって定められる曲げ平面について横断方向に延在する曲げ軸についての曲げモーメントを生じ、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記第2方向に沿って、曲げモーメントがゼロの地点において、前記曲げモーメントが正の値から負の値に変化するように配置され、
    前記ゼロ曲げモーメントの地点は、前記第2方向に沿い、前記参照面付近に位置するか、又は実質的に前記参照面内に位置することを特徴とする光学素子モジュール。
  7. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記第1接触面は保持接触圧力を前記第2接触面に作用させ、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記保持接触圧力が前記第2接触面において略均等に分散するように、変形可能なことを特徴とする光学素子モジュール。
  8. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、前記接触器具はモノリシック構成素子であることを特徴とする光学素子モジュール。
  9. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記接触器具は前記第1接触面の傾斜動作の傾斜軸を定めるように配置され、前記傾斜動作は、前記第1接触面に伝えられた、前記第1方向の接触力によって生じ、
    前記傾斜軸は、前記第1接触面付近に位置するか、又は、実質的に前記第1接触面内に位置することを特徴とする光学素子モジュール。
  10. 請求項9に記載の光学素子モジュールであって、
    前記第1接触面は、前記第2接触面のための接触面と、前記接触面の前記傾斜軸について横断方向の最大長さ寸法を定め、
    前記第1接触面及び前記傾斜軸の間の距離は少なくとも、前記接触面の最大長さ寸法の20%、前記接触面の最大長さ寸法の5%のいずれか未満であることを特徴とする光学素子モジュール。
  11. 請求項9に記載の光学素子モジュールであって、前記傾斜軸は、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一つによって定められることを特徴とする光学素子モジュール。
  12. 請求項11に記載の光学素子モジュールであって、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、少なくとも一つのリーフスプリング素子によって形成され、
    前記少なくとも一つのリーフスプリング素子は、前記第2接触面のための接触面に、近接して、又は実質的に前記第2接触面のための接触面内に配置され、前記接触面は前記第1接触面によって定められることを特徴とする光学素子モジュール。
  13. 請求項9に記載の光学素子モジュールであって、
    前記傾斜軸は、前記第1接触面の第1傾斜動作の第1傾斜軸であり、
    前記接触器具は前記第1接触面の第2傾斜動作の第2傾斜軸を定めるように配置され、前記第2傾斜動作は、前記第1接触面に伝えられた、前記第1方向の接触力によって生じ、
    前記第2傾斜軸は、前記第1傾斜軸に対して横断方向に延在し、
    前記第2傾斜軸は、前記第1接触面付近に位置するか、又は、実質的に前記第1接触面内に位置することを特徴とする光学素子モジュール。
  14. 請求項13に記載の光学素子モジュールであって、前記第1傾斜軸及び前記第2傾斜軸の少なくとも一つは、前記第1リンク部及び前記第2リンク部の少なくとも一つによって定められることを特徴とする光学素子モジュール。
  15. 請求項9に記載の光学素子モジュールであって、
    前記接触器具は接触ユニットを備え、前記接触ユニットは第1接触ユニット部、第2接触ユニット部、及び、前記第1接触ユニット部と前記第2接触ユニット部とを接続する接続部を備え、
    前記第1接触面は前記第1接触ユニット部の表面であり、
    前記傾斜軸は、前記接部の少なくとも2つの弾性変形素子によって定められることを特徴とする光学素子モジュール。
  16. 請求項15に記載の光学素子モジュールであって、前記接部は2つのリーフスプリング素子を備え、
    前記リーフスプリング素子のそれぞれは、リーフスプリング平面に延在し、前記リーフスプリング平面が交差線上で交差するように配置され、前記交差線は前記傾斜軸を定めることを特徴とする光学素子モジュール。
  17. 請求項15に記載の光学素子モジュールであって、
    前記接部は3つの弾性変形ストラット素子を備え、
    前記ストラット素子のそれぞれは、ストラット軸を有し、且つ前記ストラット軸が交差点において交差するように配置され、前記交差点は前記傾斜軸の点を定めることを特徴とする光学素子モジュール。
  18. 請求項1に記載の前記光学素子モジュールであって、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記第1リンク部の第一端が前記第1接触表面に隣接し、且つ前記第1リンク部の第2端が前記第2リンク部に隣接するように配置され、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部は、前記第1接触面に伝わった接触力に応じた前記第1方向のたわみに耐えるように配置され、前記第1リンク部の前記たわみにおいては、少なくとも前記第1端の第1軌跡は、前記第2リンク部の前記たわみによって生じる前記第1端の第2軌跡とは反対であり、
    前記第1及び第2軌跡は、前記第1方向に沿う変位軌跡、前記第2方向に沿う変位軌跡、又は前記第1及び第2方向に対して横断方向に延在する軸についての回転軌跡であることを特徴とする光学素子モジュール。
  19. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記接触素子は前記第1リンク部及び前記第2リンク部が前記生じた保持力に応じて、互いに、それぞれの曲げ軸について逆方向に曲がり、
    前記それぞれの曲げ軸は、曲げ平面、前記第1方向及び第2方向によって定められる曲げ平面について横断方向に延在することを特徴とする光学素子モジュール。
  20. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、前記接触器具はクランプ器具であって、該クランプ器具は、前記生じた保持力として、クランプ力を前記光学素子ユニットに作用させることを特徴とする光学素子モジュール。
  21. 請求項1に記載の光学素子モジュールであって、
    前記光学素子ユニットは、光学機能部を有する光学素子を備え、
    前記光学素子の第1部分は、前記光学機能部の外側に位置し、前記第2の接触面を形成し、
    前記光学素子の第2部分は、前記光学機能部前記第1部分の間に位置し、応力逃がし溝を備えることを特徴とする光学素子モジュール。
  22. 照射装置と、
    マスクを受容するマスク器具と、
    光学投影器具と、
    基板を受容する基板器具と
    を備え、
    前記照射装置は、前記マスク上に形成されたパターンを照射するように構成され、
    前記光学投影器具は、前記パターンの像を前記基板に投影するように構成され、
    前記照射装置及び前記光学投影器具の少なくともいずれか一方は、請求項1に従う光学素子モジュールを備えることを特徴とする光学結像装置。
  23. 保持力によって光学素子ユニットを保持する方法であって、
    前記光学素子ユニットを構成するステップであって、前記光学素子ユニットに、光学素子、サポート器具、及び、前記光学素子ユニットに対して、作用線に沿って第1方向の前記保持力を作用させる接触器具を備え、前記接触器具は、前記光学素子ユニット及び前記サポート器具の間で運動力学的に直列配置される第1のリンク部及び第2のリンク部を備え、前記第1方向について横断方向の第2方向に沿って延在させることを特徴とするステップと、
    前記第1リンク部及び前記第2リンク部を参照面の両側に配置するステップであって、前記参照面は前記保持力の作用線によって規定され、且つ、前記第2方向に対して横断方向に延在させることを特徴とするステップと、
    前記保持力を作用させて、前記第1リンク部及び前記第2リンク部を前記保持力に応じて弾性変形させるステップと
    を含むことを特徴とする方法。
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