JP6238937B2 - ドライバー - Google Patents

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本発明は、ドライバーに関するものである。
例えば、被螺着部へ螺着したネジが錆び付いて回りにくくなった場合、このネジにドライバーのビット杆の先端部を当て、この状態でグリップ体の基端部をハンマーなどで叩いて衝撃を与えると、ネジと被螺着部との固着した部分が分離し、この回りにくくなったネジを回り易くすることができる。
しかしながら、ごく一般的なドライバーのグリップ体は合成樹脂製であるため、強く叩くと、割れたり、ビット杆の基端部がグリップ体に没入して破などしてしまう。
そこで、従来においても、例えば実開平5−37463に開示されるようなドライバー(以下、従来例)が提案されている。
この従来例は、ビット杆の基端部をグリップ体の基端部から露出するまで貫通状態に延設した所謂貫通ドライバーと称されるもので、前述したように回りにくくなったネジを回り易い状態とする際には、金属製のビット杆の基端部を叩くことになる為、前述したようにグリップ体が破損することは防止される。
実開平5−37463公報
しかしながら、従来例は、グリップ体を握持した際、このグリップ体を握る手が金属製のビット杆に触れる構造上、例えば電気作業現場(電気部品のネジを螺動させる作業現場)では感電する恐れがあり、よって、実際にはグリップ体が破損しても仕方ないとして、前述した一般的なドライバーが使用されるケースが多く、従来例はあまり使用されていない。
本発明者は、前述した問題点に着目し、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、極めて商品価値の高い画期的なドライバーを開発した。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
基端部に被殴打部1を備えたグリップ体2にビット杆3が設けられたドライバーであって、前記被殴打部1は電気的絶縁性を有する繊維強化プラスチックで構成され、前記被殴打部1は前記ビット杆3の径より径大な金属製の軸状部材4を介して該ビット杆3の基端部3aと連設され、更に、前記被殴打部1は前記軸状部材4の基端部4aに当接する先端当接部から基端側へ径大となる形状であり、周面には高さ方向に長さを有する複数のリブ1bが放射状に設けられていることを特徴とするドライバーに係るものである。
また、請求項記載のドライバーにおいて、前記被殴打部1の先端部には前記軸状部材4の基端部4aに被嵌される凹状部1aが設けられていることを特徴とするドライバーに係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載のドライバーにおいて、前記ビット杆3は前記グリップ体2に着脱自在に設けられていることを特徴とするドライバーに係るものである。
本発明は上述のように構成したから、被殴打部を強く叩いても破損しにくい構造の為、回りにくくなったネジを回り易い状態とする作業が確実に行え、しかも、前述した従来例と異なり、グリップ体を握る手がビット杆に触れず感電することが防止される構造の為、例えば電気作業現場において作業者は安心して使用することができるなど、極めて商品価値の高い画期的なドライバーとなる。
実施例1の使用状態説明図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の要部の分解斜視図である。 実施例1の要部の説明図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の動作説明図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
回りにくくなったネジにビット杆3の先端部を当て、この状態でグリップ体2の基端部に設けられた被殴打部1を叩いて衝撃を与えると、回りにくくなったネジを回り易い状態とすることができる。
本発明の被殴打部1は、強化プラスチック製である為、叩いても破損しにくく、しかも、被殴打部1は軸状部材4を介してビット杆3の基端部3aに当接している為、叩いた力が良好にネジまで伝わる。
また、本発明は、被殴打部1を電気的絶縁性を有する繊維強化プラスチック製とすることでビット杆3との間が電気的に絶縁される為、例えば電気作業現場において使用しても感電することが可及的に防止され、作業者は安心して使用することができる。
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
本実施例は、基端部に被殴打部1を備えたグリップ体2にビット杆3が設けられたドライバーであって、被殴打部1は強化プラスチックで構成され、更に被殴打部1はビット杆3の基端部3aに当接したものである。
ビット杆3は、図1,2に図示したように適宜な金属製の部材(鋼材)で形成した棒状体であり、先端部にはネジのビット嵌入溝に嵌合するビット部3b(プラスネジ用のビット部)が設けられ、基端側周面には周方向に等間隔を介して係合突部3cが設けられている。尚、ビット部3bはプラスネジに限らず、例えばマイナスネジ,六角,Y型,トルクス(登録商標),三角,四角,ポジドライブ等のビット部でも良い。
また、ビット杆3の基端部3aはその他の部位より径大に設定されている。
このビット杆3の基端部3aは、図2,3に図示したようにビット杆3の基端周面に設けられた螺子溝3a’に六角ナット部材3a”を被嵌螺着して構成されている。尚、このビット杆3の径大な基端部3aはビット杆3をカシめて設けても良いし、ビット杆3に板状部材を溶接して設けても良い。
従って、被殴打部1で受けた衝撃を広い面積で衝撃を受けることになる為、このビット杆3の基端部3aがグリップ体2へ没入することを可及的に防止し得ることになる。
また、ビット杆3の基端側部位にはグリップ体2が設けられている。
グリップ体2は、図1,2に図示したように適宜な絶縁性を有する合成樹脂製の部材(非導通部材)を一体成形(ビット杆3及び後述する被殴打部1とインサート成形)したものであり、ビット杆3の係合突部3cと係合して回り止め状態に設けられている。尚、本実施例はグリップ体2に対してビット杆3は取り外し不能に固定されているが、後述する実施例2のようにグリップ体2に対してビット杆3が着脱自在となる構成としても良い。
被殴打部1は、図1〜4に図示したように適宜な繊維強化プラスチック(絶縁性を有する繊維強化プラスチック/本実施例ではガラス繊維強化プラスチック)で一体成形されており、基端面が被殴打面1cに設定されている。
尚、絶縁性(非導通性)を有する繊維強化プラスチックを構成する補強材としてはガラス繊維に限らず、絶縁性を有する素材であれば適宜採用し得るものである。
また、被殴打部1の先端部にはビット杆3の基端部3aに被嵌する平面視六角形状の凹状部1aが設けられており、前述したビット杆3の基端部3aが回り止め係合するように構成されている。
また、被殴打部1は、ビット杆3の基端部に当接する先端当接部から基端側へ径大となる形状であり、周面には前後方向に長さを有する複数のリブ1bが放射状に設けられている。
従って、このリブにより被殴打部1は強度を有するとともに、衝撃を分散することができ、この点においても破損することが少ない(破損に対する強度が高い)。
本実施例は上述のように構成したから、回りにくくなったネジにビット杆3の先端部を当て、この状態でグリップ体2の基端部に設けられた被殴打部1を叩いて衝撃を与えると、回りにくくなったネジを回り易い状態とすることができる。
本実施例の被殴打部1は、強化プラスチック製である為、叩いても破損しにくく、しかも、被殴打部1はビット杆3の基端部3aに当接している為、叩いた力が良好にネジまで伝わる。
また、本実施例は、被殴打部1を強化プラスチック製とすることでビット杆3との間で絶縁性を有する為、例えば電気作業現場において使用しても感電することが可及的に防止され、作業者は安心して使用することができる。
また、本実施例は、強化プラスチックとしてガラス繊維強化プラスチックを採用したから、被殴打部1をハンマー等で叩いても破損することが可及的に防止され、しかも、被殴打部1を補強するガラス繊維が絶縁性を有するため、この点においても例えば電気作業現場において使用しても感電することが可及的に防止されることになる。
また、本実施例は、ビット杆3の基端部3aはその他の部位より径大に設定されているから、被殴打部1で受けた衝撃を広い面積で衝撃を受けることになる為、このビット杆3の基端部3aがグリップ体2へ没入することを可及的に防止し得ることになる。
また、本実施例は、被殴打部1はビット杆3の基端部3aに当接する先端当接部から基端側へ径大となる形状であり、周面には前後方向に長さを有する複数のリブ1bが放射状に設けられているから、被殴打部1を叩いた際の力をビット杆3に良好に伝えることができ、しかも、被殴打部1の破損が可及的に防止されることになる。
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
本実施例は、基端部に被殴打部1を備えたグリップ体2にビット杆3が設けられたドライバーであって、被殴打部1は強化プラスチックで構成され、更に被殴打部1はビット杆3の基端部3aと金属製の軸状部材4を介して連設されたものである。
この軸状部材4は、図5,6に図示したように適宜な金属製の部材(鋼材)で形成された断面六角形状の棒状体であり、その径はビット杆3の径より径大に設定されている。
従って、被殴打部1で受けた衝撃を広い面積で衝撃を受けることになる為、この軸状部材4の基端部4aがグリップ体2へ没入することを可及的に防止し得ることになる。
また、軸状部材4の基端部4aは断面六角形状であり、この基端部4aが被殴打部1の平面視六角形状の凹状部1aに回り止め状態に嵌合される。
尚、軸状部材4は絶縁性を有する部材(例えば繊維強化プラスチック)で構成しても良い。
また、本実施例のビット杆3はグリップ体2に着脱自在に設けられている。
ブリップ体2は、図5,6に図示したように適宜な絶縁性を有する合成樹脂製の部材(非導通部材)で一体成形したものであり、先端部にビット杆3を嵌挿する連結孔部5が設けられている。
この連結孔部5内には、該連結孔部5に嵌挿したビット杆3に圧接する突起5aが設けられており、この突起5aによりビット杆3は抜けにくくなる。
その余は実施例と同様である。
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
1 被殴打部
1a 凹状部
1b リブ
2 グリップ体
3 ビット杆
3a 基端部
4 軸状部材
4a 基端部

Claims (3)

  1. 基端部に被殴打部を備えたグリップ体にビット杆が設けられたドライバーであって、前記被殴打部は電気的絶縁性を有する繊維強化プラスチックで構成され、前記被殴打部は前記ビット杆の径より径大な金属製の軸状部材を介して該ビット杆の基端部と連設され、更に、前記被殴打部は前記軸状部材の基端部に当接する先端当接部から基端側へ径大となる形状であり、周面には高さ方向に長さを有する複数のリブが放射状に設けられていることを特徴とするドライバー。
  2. 請求項記載のドライバーにおいて、前記被殴打部の先端部には前記軸状部材の基端部に被嵌される凹状部が設けられていることを特徴とするドライバー。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載のドライバーにおいて、前記ビット杆は前記グリップ体に着脱自在に設けられていることを特徴とするドライバー。
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