JP6238884B2 - 光起電力素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光起電力素子および光起電力素子の製造方法に関し、特に、シリコン基板を用いた光起電力素子および光起電力素子の製造方法に関する。
光起電力素子である結晶系シリコン太陽電池は、現在発電量ベースで最も生産されている太陽電池であり、その高変換効率化は産業上非常に重要な技術の一つである。シリコン太陽電池において変換効率が低下する要因の一つとして、光照射によって生成された少数キャリアが欠陥を介して多数キャリアと再結合をして消滅することによる出力の低下がある。このため、変換効率向上のために、光照射によって生成された少数キャリアの寿命時間を延ばすことが望まれる。
寿命時間を延ばすためには、用いられるシリコン基板の結晶品質を高める必要がある。近年は多結晶シリコンではなく、結晶品質の高い単結晶シリコンが市場に多く投入されている。結晶品質の高い単結晶シリコンを用いることにより、結晶内部の欠陥に起因した寿命時間の低下が抑えられる。さらに寿命時間を延ばすためには、不可避的に存在する結晶表面の欠陥に起因した寿命時間の低下への対策が非常に重要である。すなわち、シリコン表面に存在する欠陥を不活性化するパッシベーション(不活性化)技術が非常に重要である。たとえば下記の非特許文献1に示されているようにシリコン表面に対してパッシベーションを行う不活性化膜としては、酸化シリコン膜がよく知られている。酸化シリコンをシリコンの表面に形成することでシリコンと酸化シリコンとの界面に存在する欠陥密度を低減することができる。
一方、たとえば下記の特許文献1に示されているように、近年は、固定電荷を有する誘電体膜も用いられている。この誘電体膜は、界面での欠陥密度を低減するだけでなく、シリコンと誘電体膜との界面での少数・多数キャリア濃度を調節することでキャリアの再結合を抑制する。これにより、少数キャリアの寿命時間をより延ばすことができる。
上記固定電荷の符号として一般的に、n型シリコンに対しては正が、p型シリコンに対しては負が選択される。これによりシリコンと誘電体膜との界面から少数キャリアが遠ざけられる。これにより、欠陥密度が高い箇所である界面におけるキャリアの再結合が抑制される。よって少数キャリアの寿命時間を延ばすことができる。なお、このように少数キャリアを界面から遠ざける技術としては、誘電体膜による技術の他に、パッシベーションが行われるシリコンの導電型と同じ導電型をもつ高濃度ドープ層による電界形成による技術も知られている。特にアルミニウムをドープした裏面電界層(Back Surface Field)は一般的に広く使用されている。
ただし下記の非特許文献2に示されているように、原理的には、上述した誘電体膜の固定電荷の符号とは逆の符号の固定電荷を有する膜を用いることもできると考えられている。すなわち固定電荷の符号として原理的には、n型シリコンに対して負が、p型シリコンに対して正が選択されてもよいと考えられている。この場合、シリコン表面における空乏層あるいは反転層の形成により界面において少数キャリアが増加するものの、多数キャリアは相対的に減少する。このため少数キャリアは界面で再結合する相手を失うため、再結合が抑制される。
しかし上記のように反転層が形成されると、太陽電池の特性に悪影響を与える場合がある。太陽電池では光照射によって生成されたキャリアを取り出すための電極が必要である。たとえばn型シリコン基板が用いられる場合、負電極に接する部分には、接触抵抗の低減のため高濃度n型領域が形成される。この高濃度n型領域中の電子と、正の固定電荷を有する膜によって誘起された正孔とが接触すると、リークパスが形成される。この結果、光照射によって生成されたキャリアの損失が生し得る。このような現象を避けるため、固定電荷の量を抑えたり、上記高濃度領域の不純物濃度を抑えたりすることが考えられるが、このような制限の下では太陽電池の高効率化が難しくなる場合がある。
このため、下記の特許文献2によれば、反転層と高濃度層との間において、不活性化膜に分離帯を設けることが開示されている。これにより、上述したリークパスの形成が防止される。
また下記の特許文献3によれば、電極周辺に、誘電体材質からなる反転防止層が形成される。反転防止層は、不活性化膜により形成される反転層が電極近傍の高電荷層に及ぶのを防止する。
特開2012−253356号公報 特開2008−227160号公報 特開2007−234641号公報
J. Zhao et al., "High-efficiency PERL and PERT silicon solar cells on FZ and MCZ substrates", Solar Energy Material & Solar Cells 65 (2001) 429-435 宮島晋介、「3.結晶シリコン太陽電池における界面不活性化膜」、J. Plasma Fusion Res. Vol.85, No.12 (2009) 820-824
上記特許文献2の技術においては、不活性化膜の分離帯の部分において再結合が抑制されない。このため、特性の改善に制限が加わっていた。
一方、上記特許文献3による従来の技術においては、不活性化膜と反転防止膜との間での固定電荷密度のバランスを取る必要がある。しかしながら、最適な固定電荷の符号および密度を有する材料を、不活性化膜に適した材料の中から見出すことは困難なことが多い。再結合を抑制するためには固定電荷量は多いほうがよいが、固定電荷量の最大値は不活性化膜の材料によってほぼ決まり、これを変化させることは難しい。たとえば、酸化アルミニウム膜が負の固定電荷を1×1013/cm2程度の高い密度で有するのに対し、窒化シリコン膜は正の固定電荷を有するもののその密度は1012/cm2台前半とやや低い。上記バランスが1割でもずれれば反転防止層の下に蓄積層または反転層が形成されることでリークパスが形成されるため、酸化アルミニウム膜のように高い固定電荷密度を有する膜は、上記バランスを維持した状態での使用が特に困難であった。
このように上記従来の技術では、不活性化膜の材料選択に制約があった。その結果、光起電力素子の効率低下につながるリークパスの形成とキャリアの再結合との両方を抑制することが難しく、特に不活性化膜の使用のしやすさ、またはそのコストまで考慮する場合、この問題はより深刻であった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、不活性化膜の材料を広い範囲から選択することができ、かつ高い効率を有する光起電力素子およびその製造方法を提供することである。
本発明の一の局面に従う光起電力素子は、n型のシリコン基板と、n型のドーピング層と、負電極と、膜とを有する。シリコン基板は第1の面および第1の面と反対の第2の面を有する。ドーピング層はシリコン基板の第1の面に形成されている。ドーピング層は、シリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、第1の領域を囲みシリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、第2の領域を囲みシリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含む。N3<N2<N1が満たされている。第1の面上において第1の領域および第3の領域の間で第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有する。負電極は、第1の面上に設けられており、第1の領域に接触しており、第2の領域および第3の領域から離れている。膜は、シリコン基板の第1の面上に設けられており、第2の領域および第3の領域を覆う部分を有し、負の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する。Qf 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされている。
本発明の他の局面に従う光起電力素子は、p型のシリコン基板と、p型のドーピング層と、正電極と、膜とを有する。シリコン基板は第1の面および第1の面と反対の第2の面を有する。ドーピング層はシリコン基板の第1の面に形成されている。ドーピング層は、シリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、第1の領域を囲みシリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、第2の領域を囲みシリコン基板の第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含む。N3<N2<N1が満たされている。第1の面上において第1の領域および第3の領域の間で第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有する。正電極は、第1の面上に設けられており、第1の領域に接触しており、第2の領域および第3の領域から離れている。膜は、シリコン基板の第1の面を覆い、正の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する。Qf 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされている。
本発明によれば、不活性化膜の材料を広い範囲から選択することができ、かつその選択の下でリークパスの形成とキャリアの再結合との両方を効果的に抑制することができる。これにより、不活性化膜の材料を広い範囲から選択しつつ、光起電力素子の効率を高めることができる。
本発明の実施の形態1における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図1の光起電力素子の製造方法を概略的に示すフロー図である。 図2における、ドーピング層を形成する工程を概略的に示す断面図である。 反転層抑制領域を欠く比較例の光起電力素子における、図1の破線部Aに対応する部分での、電子および正孔の分布を模式的に示す図である。 図1の破線部Aでの電子および正孔の分布を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図6の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 図6の光起電力素子の製造方法の変形例の第1の工程を概略的に示す断面図である。 図6の光起電力素子の製造方法の変形例の第2の工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図10の光起電力素子の製造方法の一工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態4における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態5における光起電力素子の構成を概略的に示す断面図である。 図13の光起電力素子の製造方法の変形例の一工程を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。また各図面中の各要素の寸法は、図を見やすくするために適宜調整されている。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態の光起電力素子101は、たとえば太陽電池として用いることができるものである。光起電力素子101は、n型のシリコン基板1aと、複数の負電極9aと、複数の正電極9bと、n型の複数のドーピング層30aと、p型のエミッタ層2aと、不活性化膜50a(膜)と、反射防止膜51とを有する。
シリコン基板1aは単結晶基板である。シリコン基板1aは裏面S1(第1の面)および受光面S2(第1の面と反対の第2の面)を有する。シリコン基板1aの厚さ(裏面S1と受光面S2との間の寸法)は、たとえば50〜300μmである。
複数のドーピング層30aは、シリコン基板1aの裏面S1にドナーの添加によって形成されており、本実施の形態においては互いに離れて配置されている。複数のドーピング層30aは、シリコン基板1aのドーピングされていない部分の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。ドナーとしては、たとえばリンを用い得る。
ドーピング層30aの各々は、不純物濃度N1を有する電極接触領域5a(第1の領域)と、不純物濃度N2を有する空乏化領域6a(第2の領域)と、不純物濃度N3を有する反転層抑制領域7a(第3の領域)とを含む。ここで不純物濃度N1〜N3は裏面S1上における単位体積当たりの値である。不純物濃度N1〜N3の間でN3<N2<N1が満たされている。不純物濃度N2は不純物濃度N1よりも1桁程度低いことが好ましく、不純物濃度N3は不純物濃度N2よりも1桁程度低いことが好ましい。なお本実施の形態においてはn型のドーピング層30aが用いられるので、不純物濃度N1〜N3はドナー濃度である。
電極接触領域5aは、負電極9aの接触抵抗を低減するために設けられており、負電極9aの影響によるキャリアの再結合を抑制する効果も有する。空乏化領域6aは裏面S1上において、電極接触領域5aを囲んでおり、電極接触領域5aの外縁に接している。反転層抑制領域7aは裏面S1上において、空乏化領域6aを囲んでおり、空乏化領域6aの外縁に接している。この構成により、反転層抑制領域7aから空乏化領域6aへと向かう方向において裏面S1上でのシリコン基板1aの不純物濃度Nは、反転層抑制領域7aと空乏化領域6aとの境界でステップ状に増大する。言い換えれば、上記方向を有する座標軸Aにおける裏面S1上での不純物濃度Nの濃度勾配dN/dAは、反転層抑制領域7aと空乏化領域6aとの境界において極大値を有する。また、空乏化領域6aから電極接触領域5aへと向かう方向において裏面S1上でのシリコン基板1aの不純物濃度Nは、空乏化領域6aと電極接触領域5aとの境界でステップ状に増大する。言い換えれば、上記方向を有する座標軸Aにおける裏面S1上での不純物濃度Nの濃度勾配dN/dAは、空乏化領域6aと電極接触領域5aとの境界において極大値を有する。
裏面S1上において電極接触領域5aおよび反転層抑制領域7aの間で空乏化領域6aは、1μmより大きく1mmより小さい幅寸法Xを有する。また一の負電極9aを囲む空乏化領域6aの外縁と、最も近くに隣接する他の負電極9aとの間の裏面S1上での距離を距離Dとして、X<D/2が満たされることが好ましい。また裏面S1上において空乏化領域6aとシリコン基板1aの低濃度領域(反転層抑制領域7aの外側の領域であり、典型的にはシリコン基板1aの非ドーピング領域)との間で反転層抑制領域7aは、1μmより大きく1mmより小さい幅寸法Xを有する。
負電極9aの各々は、裏面S1上に設けられており、電極接触領域5aに接触している。また負電極9aの各々は空乏化領域6aおよび反転層抑制領域7aから離れている。裏面S1上において、電極接触領域5aは負電極9aを包含するように形成されていることが好ましく、負電極9aを囲む部分を有してもよい。負電極9aは、たとえば銀から作られている。
不活性化膜50aは、シリコン基板1aの裏面S1を覆っている。具体的には不活性化膜50aは裏面S1上において、空乏化領域6aと反転層抑制領域7aとその外側の領域とを覆っており、本実施の形態においては裏面S1の略全面を覆っている。
不活性化膜50aは負の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する。上述したN2およびN3との関係では、Qf 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされている。
表面密度Qfの絶対値としては、Qf≧5×1012/cm2が満たされていることが好ましい。これにより、n型のシリコン基板1aを用いた光起電力素子101において、パッシベーション効果をおおよそ最大限に維持することができる。よってキャリアの再結合をより確実に防止することができる。
不活性化膜50aは、裏面S1上を覆う酸化アルミニウム膜4Aと、その上に設けられた窒化シリコン膜3Aとの積層膜である。窒化シリコン膜3Aはその内部に水素を含有することが好ましい。窒化シリコン膜3Aの厚さは30〜80nmである。
酸化アルミニウム膜4Aは、1×1013/cm2程度の負の固定電荷を有し、窒化シリコン膜3Aは1012/cm2台の正の固定電荷を有する。このように、酸化アルミニウム膜4Aの単位面積当たりの負の固定電荷は、窒化シリコン膜3Aの単位面積当たりの正の固定電荷よりも1桁近く大きい。よって窒化シリコン膜3Aの正の固定電荷が酸化アルミニウム膜4Aの負の固定電荷を打ち消すことはなく、不活性化膜50aは、全体として、酸化アルミニウム膜4A単体の膜とおおよそ同程度のパッシベーション効果を有する。酸化アルミニウム膜4Aの厚さは2〜50nmである。
上述した負の固定電荷は、n型のシリコン基板1aの裏面S1上に正電荷を引き寄せることにより、反転層を誘起する。反転層抑制領域7aの直下においては、不純物濃度N3のドーピングの作用により、反転層の厚さが低減される。空乏化領域6aの直下においては、不純物濃度N2のドーピングの作用により空乏層が形成される。電極接触領域5aの直下には、不純物濃度N1のドーピングの作用により、反転層も空乏層も形成されず、n型半導体の多数キャリアとしての電子が高濃度で存在する。この電子と上記反転層とは、裏面S1上において上記空乏層によって電気的にほぼ絶縁される。
不活性化膜50aは、上述したように酸化アルミニウム膜4Aを有することが好ましい。この場合、不活性化膜50aは、酸化アルミニウムからなる部分を含む。これにより、固定電荷を有する不活性化膜50aの負電荷の表面密度を高くすることができる。なお酸化アルミニウム膜4Aの代わりに、酸化アルミニウムを含む混晶膜、あるいは酸化アルミニウムからなる部分を含む化合物膜が用いられてもよい。上記混晶膜は、Al23と他の酸化物との混晶から作られ得るものである。ここでいう他の酸化物は、たとえば、ZnO、HfO2、Y23の少なくともいずれかである。また上記化合物は、たとえば、Al23からなる部分と、Al23がシリケート化された部分とを有するものであり、シリケート化された部分が、Al23からなる部分と、Siからなる裏面S1との間に位置する。
エミッタ層2aは、シリコン基板1aの受光面S2に形成されている。エミッタ層2aは、シリコン基板1aにアクセプタが添加されることによって形成されたp型層であり、シリコン基板1aのn型の低濃度領域とpn接合を形成している。アクセプタとしては、たとえばボロンが用いられる。
反射防止膜51は、エミッタ層2a上に設けられた積層膜である。本実施の形態においては反射防止膜51は受光面S2上の酸化アルミニウム膜4Bとその上の窒化シリコン膜3Bとの積層膜である。この構成により反射防止膜51は、不活性化膜50aと同様、負の固定電荷を有する膜である。よって反射防止膜51は、p型のエミッタ層2aの表面において少数キャリアとしての電子を減少させることにより受光面S2を不活性化する機能も有する。酸化アルミニウム膜4Bの厚さは酸化アルミニウム膜4Aの厚さと同程度とされ得る。窒化シリコン膜3Bの厚さは、反射防止機能を考慮して定められ得る。この窒化シリコン膜3Bの厚さに合わせて、窒化シリコン膜3Aの厚さがそれと同程度とされてもよい。
正電極9bは受光面S2上に設けられており、エミッタ層2aに接触している。正電極9bは、たとえば、銀とアルミニウムとを含む合金から作られている。
次に光起電力素子101の製造方法について、さらに図2および図3を参照し説明する。
はじめに、n型のシリコン基板1aが準備される(ステップS10)。シリコン基板1aは、通常、引き上げにより得られたインゴットをスライスすることにより切り出されたものである。このためシリコン基板1aはその表面に、自然酸化膜、構造的欠陥、および金属などによる汚染を有する。よってシリコン基板1aに対して洗浄およびダメージ層エッチングが行われる。その後、シリコン基板1a内の不純物を除去するためにゲッタリングが行われる。具体的には、処理温度1000℃程度のリンの熱拡散により形成されたリンガラス層に不純物が偏析させられた後、リンガラス層がフッ化水素などでエッチングされる。ゲッタリング後、基板表面での光反射損失を低減させる目的で、アルカリ溶液および添加剤を用いたウェットエッチングにより、テクスチャが形成される。アルカリ溶液としては水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどを、添加剤としてはイソプロピルアルコールなどを用い得る。なお、本願の断面図においてこのテクスチャ形状の図示は省略されている。次に、表面のパーティクル、有機物汚染、および金属汚染を除去するために、シリコン基板1aが洗浄される。洗浄方法としては、いわゆるRCA洗浄、SPM洗浄(硫酸過酸化水素水洗浄)、HPM洗浄(塩酸過酸化水素水洗浄)、DHF洗浄(希フッ酸洗浄)、またはアルコール洗浄などを用い得る。RCA洗浄においては、まずシリコン基板1aが希フッ酸水溶液の中に入れられる。これにより、表面の薄いシリコン酸化膜が溶出すると同時に、その上に付着していた多くの異物も同時に取り去られる。さらに、アンモニア(NH4OH)および過酸化水素(H22)の混合物で、有機物およびパーティクルが除去される。次いで塩酸(HC1)および過酸化水素の混合物で金属類が除去される。最後に超純水で仕上げが行われる。
次に、エミッタ層2aが形成される。具体的には、BBr3を用いた方法または大気圧化学堆積法(APCVD法)によりボロンシリケートガラス(BSG)膜を受光面S2上に形成した後、熱アニールによってボロンが拡散させられる。BBr3を用いた場合、BSGは受光面S2だけでなく裏面S1上にも堆積する。このため、エミッタ層2aを形成後に、その上から酸化シリコン膜によるマスクが形成され、片面エッチング法によって裏面S1側のボロン拡散層が除去される。その後、酸化シリコン膜が除去される。なおBSGを用いる代わりに、イオン注入法を用いてボロンが受光面S2に打ち込まれ、その後、活性化のための熱アニールが行われてもよい。いずれの場合でも、本実施の形態においてはシリコン基板1aの受光面S2にのみにエミッタ層2aが形成される。
次に、シリコン基板1aの裏面S1にn型のドーピング層30aが形成される(ステップS20)。具体的には、以下の工程が行われる。
まず、高濃度にドープされた電極接触領域5aを形成するため、それに対応して高濃度にリンを含んだ高濃度ドーパントペースト10aがシリコン基板1aの裏面S1上に部分的に印刷される。印刷される形状は、たとえば櫛状パターンである。櫛状パターンの幅は、たとえば20〜300μm程度である。なお櫛状パターン以外のパターンが用いられてもよく、たとえば島状パターンが用いられてもよい。
次に、空乏化領域6aを形成するため、高濃度ドーパントペースト10aのリン濃度と比べ1桁程度低いリン濃度を有する中濃度ドーパントペースト11aが、高濃度ドーパントペースト10aの周りを取り囲むように印刷される。この印刷は、裏面S1上において高濃度ドーパントペースト10aと中濃度ドーパントペースト11aとの間に隙間が生じないように行われる。このため、中濃度ドーパントペースト11aは、図3に示すように高濃度ドーパントペースト10aに部分的に重なるように印刷されてもよく、あるいは高濃度ドーパントペースト10a全体を覆うように印刷されてもよい。
次に、反転層抑制領域7aを形成するため、中濃度ドーパントペースト11aのリン濃度より1桁程度低いリン濃度を有する低濃度ドーパントペースト12aが、中濃度ドーパントペースト11aの周囲を取り囲むように印刷される。この印刷は、裏面S1上において中濃度ドーパントペースト11aと低濃度ドーパントペースト12aとの間に隙間が生じないように行われる。このため、低濃度ドーパントペースト12aは、図3に示すように中濃度ドーパントペースト11aに部分的に重なるように印刷されてもよく、あるいは中濃度ドーパントペースト11a全体を覆うように印刷されてもよい。ドーパントペースト10a、11aおよび12aの各々の厚さは、たとえば0.5μm〜20μm程度である。
その後、酸素、窒素、またはそれらのいずれかを含んだ混合ガスの雰囲気を用いて、熱アニールが行われる。これによりドーパントペースト10a、11aおよび12aからリンが裏面S1中へ拡散する。これにより裏面S1のうち、高濃度ドーパントペースト10aと接していた領域には電極接触領域5aが、中濃度ドーパントペースト11aと接していた領域には空乏化領域6aが、低濃度ドーパントペーストと接していた領域には反転層抑制領域7aが形成される。すなわち、図3に示す構造が得られる。裏面S1のうち、異なるドーパントペーストが重なって形成された部分では、裏面S1中へ添加される不純物の濃度は、直接接触しているドーパントペーストのリン濃度によってほぼ規定され、直接接触していないドーパントペーストのリン濃度の影響は小さい。この後、ドーパントペーストが、たとえばフッ化水素(HF)を用いて除去される。
なお、上述したようにドーパントペーストを用いる方法の代わりに、ハードマスクを用いたイオン注入法、あるいは、APCVD法によるPSG膜の作製と写真製版技術とを用いた方法が用いられてもよい。また電極接触領域5aは、ドナーとなる原子を含む負電極9aの形成時に、この原子が裏面S1中へ拡散することで形成されてもよい。
次に、不活性化膜50aおよび反射防止膜51が形成される(ステップS30)。まず裏面S1および受光面S2のそれぞれの上に酸化アルミニウム膜4Aおよび4Bが形成される。原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法を用いると、均一な膜厚の酸化アルミニウム膜を裏面S1および受光面S2の両面に同時に成膜することができる。次に酸化アルミニウム膜4Aおよび4Bのそれぞれの上に窒化シリコン膜3Aおよび3Bが形成される。窒化シリコン膜の多くの形成方法においては、膜中に水素が含まれる。この水素が酸化アルミニウム膜4Aまたは4Bとシリコン基板1aとの界面に供給されることで、界面での欠陥密度が低減される。
次に、負電極9aおよび正電極9bが形成される(ステップS40)。具体的には、負電極9aおよび正電極9bのそれぞれの原料となる、ガラスフリットを含んだペーストが印刷される。負電極9aの形成のためのペーストは不活性化膜50a上に印刷される。また正電極9bの形成のためのペーストは反射防止膜51上に印刷される。その後、焼成を行うことで、正電極9bの金属が反射防止膜51を貫通して受光面S2に接続され、また負電極9aの金属が裏面S1に接続される。このとき裏面S1において電極接触領域5aにのみ負電極9aが接続されることが望まれる。よって負電極9aの形成のためのペーストの印刷は、アライメントマークなどを用いた位置合わせ技術を用いて行われる。
以上により光起電力素子101(図1)が得られる。
図4は、反転層抑制領域7aを欠く比較例の光起電力素子における、図1の破線部Aに対応する部分での、電子および正孔の分布を模式的に示す。図5は、本実施の形態の光起電力素子101(図1)の破線部Aでの電子および正孔の分布を模式的に示す。
電極接触領域5aには電子ELが多数キャリアとして存在する。電極接触領域5aにドープされた不純物は、負電極9a近傍のシリコン内部に電界を形成することで少数キャリアを追い返すことにより、負電極9a接触面でのキャリア再結合を抑制する。また電極接触領域5aは、負電極9aとの接触抵抗を低減する役割を有する。このため裏面S1上における電極接触領域5aの不純物濃度は、1×1019/cm3以上が好ましく、1×1020/cm3以上がより好ましい。これにより、接触抵抗の低減と再結合の抑制との効果をより高く維持することができる。上記濃度が1×1019/cm3より低いと、両効果とも低下し、光起電力素子101の特性の劣化につながり得る。
空乏化領域6a(図1参照)の裏面S1側には、酸化アルミニウム膜4Aの負の固定電荷により、空乏層18が形成される。空乏層18により裏面S1上において電極接触領域5aと反転層13との間が遮られる。すなわち、反転層13の正孔HLが電極接触領域5aの電子ELと結合するリークパスCF1が遮られる。なお空乏層18は、必ずしも完全に空乏化された層である必要はなく、トンネル効果を介したキャリアによる伝導性が十分に抑えられた層であればよく、たとえば、電子ELの濃度が3×1018/cm3程度以下に抑制された層であればよい。
空乏層18を形成するために、裏面S1上における空乏化領域6aの不純物濃度N2は、不活性化膜50aの固定電荷密度Qfにほぼ対応する酸化アルミニウム膜4Aの固定電荷密度である約1×1013/cm3の2分の3乗の10分の1に対応する約3×1018/cm3より大きいことが好ましく、5分の1に対応する約7×1018/cm3より大きいことがより好ましい。また裏面S1上における空乏化領域6aの不純物濃度N2は、上記固定電荷密度である約1×1013/cm3の2分の3乗に対応する約3×1019/cm3より小さいことが好ましく、2分の1に対応する約1.5×1019/cm3より小さいことがより好ましい。空乏化領域6aの不純物濃度N2が低過ぎると、空乏層18が形成されず、その位置にも、正孔HLが蓄積された反転層が形成されてしまう。その結果、リークパスCF1が形成されてしまう。逆にこの不純物濃度N2が高過ぎると、空乏層18が形成されず、その位置にも、電子ELの蓄積層が形成されてしまう。その結果、リークパスCF1が形成されてしまう。
また前述したように、空乏化領域6aの幅寸法X(図1)は1μmより大きく1mmより小さいことが好ましい。幅寸法Xが1μm以下であるとリークパスCF1の形成を十分に抑制することができない。また空乏化領域6aは酸化アルミニウム膜4Aによる負の固定電界の効果を十分に受けることができない領域であるが、不純物拡散によって形成された電界効果によるキャリア再結合の抑制効果は部分的に期待できる。しかし幅寸法Xが1mm以上であると、空乏化領域6aが裏面S1に占める割合が不必要に大きくなる。この結果、少数キャリアの寿命時間の低下の影響により、光起電力素子の変換効率が低下する。幅寸法Xが過度に大きいことでX<D/2が満たされない場合も同様である。なお幅寸法Xは、中濃度ドーパントペースト11a(図3)の幅寸法を調整することで容易に調整することができる。
不活性化膜50aからの電界の影響下で空乏化領域6a(図1)において空乏層18(図4)が形成される裏面S1からの深さは、おおよそ5〜7nm程度である。空乏化領域6aにおけるこれによりも深い位置には、高濃度電子領域17が存在している。高濃度電子領域17が存在する理由は、下記の通りである。空乏化領域6aの形成の際に不純物であるリンが高温のアニールで拡散あるいは活性化されているため、リン濃度は裏面S1から数十nm〜数百nmにかけて相補誤差関数にしたがって緩やかに低下していく。このため、上述したおおよそ5〜7nm程度の深さよりも深く、かつ10nm程度よりも浅い範囲では、裏面S1における空乏化領域6aの不純物濃度よりは低いものの1×1018/cm3よりも高い高濃度で、電子が存在する。比較例(図4)においては、この高濃度電子領域17と、反転層13との間にリークパスCF2が形成されてしまう。その結果、光電変換効率が低下してしまう。
これに対して本実施の形態(図5)によれば、反転層抑制領域7aにおいて深さが制限された反転層16が形成されることで、それよりも深い部分において、高濃度電子領域17と反転層13とのリークパスCF2が遮られる。これにより光起電力素子の変換効率の低下が抑制される。
上述したように深さが制限された反転層13を形成するために、裏面S1上における反転層抑制領域7aの不純物濃度は、不活性化膜50aの固定電荷密度Qfにほぼ対応する酸化アルミニウム膜4Aの固定電荷密度である約1×1013/cm3の2分の3乗の100分の1に対応する約3×1017/cm3より大きいことが好ましく、50分の1に対応する約7×1017/cm3より大きいことがより好ましい。また裏面S1上における反転層抑制領域7aの不純物濃度は、上記固定電荷密度である約1×1013/cm3の2分の3乗の10分の1に対応する約3×1018/cm3より小さいことが好ましく、20分の1に対応する約1.5×1018/cm3より小さいことがより好ましい。反転層抑制領域7aの不純物濃度が高過ぎると、反転層抑制領域7aにも高濃度電子領域17と同様の領域が形成されてしまう。その結果、リークパスCF2が形成されてしまう。逆にこの不純物濃度が低過ぎると、反転層16の深さが過度に深くなることで、反転層16が反転層13と高濃度電子領域17とをつないでしまう。その結果、リークパスCF2が形成されてしまう。リークパスCF2が形成されると、光電変換効率が低下してしまう。なお反転層抑制領域7aの効果をより確実に得るためには、その幅寸法が1μmより大きいことが好ましい。
本実施の形態によれば、第1に、固定電荷を有する不活性化膜50aによってシリコン基板1aとの界面に反転層13(図5)が形成されることにより、界面において少数キャリアが再結合し得る多数キャリアが減少する。このためキャリアの再結合が抑制される。
第2に、反転層抑制領域7aが形成されることによって、その内部の反転層16が、その外側の反転層13に比して浅くなる。これにより、固定電荷を有する不活性化膜50aと空乏化領域6aとの界面に形成された空乏層18よりも深いところに形成された電子層領域17の電子に、反転層16の正孔が接触しにくくなる。よってリークパスの形成が抑制される。
第3に、不活性化膜50aが有する固定電荷の表面密度Qfの絶対値がどのようなものであっても、それに応じて空乏化領域6aの不純物濃度N2を最適化することにより、空乏層18(図5)が空乏化される程度を調整することができる。よって固定電荷Qfを有する不活性化膜50aの材料を広い範囲から選択することができる。
以上3つの理由により、不活性化膜50aの材料を広い範囲から選択することができ、かつその選択の下でリークパスの形成とキャリアの再結合との両方を効果的に抑制することができる。これにより、不活性化膜50aの材料を広い範囲から選択しつつ、その選択の下で光起電力素子の効率を高めることができる。
また幅寸法X(図1)は1μmより大きい。本発明者らの検討では、これによりリークパスCF1(図5)をより確実に遮ることができる。またサブミクロンの精度を有する、負担の大きい微細加工技術を用いる必要がないので、光起電力素子101を容易に製造することができる。
(実施の形態2)
図6を参照して、本実施の形態の光起電力素子102は、p型のシリコン基板1bと、p型のドーピング層30bと、n型のエミッタ層2bと、正の固定電荷を有する不活性化膜50b(膜)と、反射防止膜52とを有する。このように光起電力素子102は、光起電力素子101(図1:実施の形態1)の構成におけるp型およびn型の導電型と正負の符号との各々が逆とされた構成を有する。
複数のドーピング層30bは、シリコン基板1bの裏面S1にアクセプタの添加によって形成されており、本実施の形態においては互いに離れて配置されている。複数のドーピング層30bは、シリコン基板1bのドーピングされていない部分の不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。アクセプタとしては、たとえばボロンまたはアルミニウムを用い得る。
ドーピング層30bの各々は、不純物濃度N1を有する電極接触領域5b(第1の領域)と、不純物濃度N2を有する空乏化領域6b(第2の領域)と、不純物濃度N3を有する反転層抑制領域7b(第3の領域)とを含む。ここで不純物濃度N1〜N3は裏面S1上における単位体積当たりの値である。なお本実施の形態においてはp型のドーピング層30bが用いられるので、不純物濃度N1〜N3はアクセプタ濃度である。
不活性化膜50bは、正の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する。Qf≧1×1012/cm2が満たされていることが好ましい。これにより、p型のシリコン基板1bを用いた光起電力素子102において、パッシベーション効果をおおよそ最大限に維持することができる。よってキャリアの再結合をより確実に防止することができる。
不活性化膜50bは、裏面S1上を覆う酸化シリコン膜8Aと、その上に設けられた窒化シリコン膜3Aとの積層膜である。窒化シリコン膜3Aは1012/cm2台の正の固定電荷を有する。これにより不活性化膜50bは、全体として、窒化シリコン膜3A単体の膜とおおよそ同程度のパッシベーション効果を有する。
上述したように不活性化膜50bは窒化シリコン膜3Aを有することが好ましい。この場合、不活性化膜50bは、窒化シリコンからなる部分を含む。これにより、固定電荷を有する不活性化膜50bの正電荷の表面密度を高くすることができる。なお窒化シリコン膜3Aの代わりに、窒化シリコンを含む混晶膜、あるいは窒化シリコンからなる部分を含む化合物膜が用いられてもよい。上記化合物は、たとえば、窒化シリコンからなる部分と、窒化シリコンが炭化または酸化された部分とを有するものである。
また不活性化膜50bは、裏面S1を直接覆う酸化シリコン膜8Aを有することが好ましい。これにより、裏面S1を窒化シリコン膜3Aが直接覆う場合に比して、シリコン基板1bと不活性化膜50bとの界面としての裏面S1の欠陥密度をより抑制することができる。
エミッタ層2bは、シリコン基板1bの受光面S2に形成されている。エミッタ層2bは、シリコン基板1bにドナーが添加されることによって形成されたn型層であり、シリコン基板1bのp型の低濃度領域とpn接合を形成している。ドナーとしては、たとえばリンが用いられる。
反射防止膜52は、エミッタ層2b上に設けられた積層膜である。本実施の形態においては、反射防止膜52は、具体的には、受光面S2上の酸化シリコン膜8Bと、その上の窒化シリコン膜3Bとの積層膜である。この構成により反射防止膜52は、不活性化膜50bと同様、正の固定電荷を有する。よって反射防止膜52は、n型のエミッタ層2bの表面において少数キャリアとしての正孔を減少させることにより受光面S2を不活性化することができる。窒化シリコン膜3Bの厚さは窒化シリコン膜3Aの厚さと同程度とされ得る。酸化シリコン膜8Bの厚さは、反射防止機能を考慮して定められ得る。この酸化シリコン膜8Bの厚さに合わせて、酸化シリコン膜8Aの厚さがそれと同程度とされもよい。
裏面S1上の正電極9bは、アルミニウムおよびアルミニウムを含む合金のいずれかから作られていることが好ましい。詳しくは後述するが、これにより、製造工程において正電極9bから拡散したアルミニウム原子を電極接触領域5bのアクセプタとして用いることができる。よって電極接触領域5bを形成するためのプロセスが容易となる。
なお不純物濃度N1〜N3間での好ましい関係は実施の形態1におけるものと同様である。また不純物濃度N1〜N3と表面密度Qfとの間の好ましい関係も、実施の形態1におけるものと同様である。また幅寸法X(図1)は、本実施の形態においては空乏化領域6bについてのものであり、その好ましい値は実施の形態1におけるものと同様である。また距離D(図1)は、本実施の形態においては正電極9bを基準とするものであり、距離Dと上述した幅寸法Xとの好ましい関係は実施の形態1におけるものと同様である。
次に光起電力素子102の製造方法について、さらに図7を参照しつ説明する。なお製造方法も、実施の形態1と同様の内容については、その説明を一部省略する。
まず実施の形態1と同様の方法の処理によりp型のシリコン基板1bが準備される。次にシリコン基板1bにn型のエミッタ層2bが形成される。具体的には、POCl3を用いた方法またはAPCVD法によりPSG膜を受光面S2上に形成した後、800℃から1000℃程度の熱アニールによってリンが拡散させられる。PSGを用いる代わりに、イオン注入法を用いてリンが受光面S2に打ち込まれ、その後、活性化のための熱アニールが行われてもよい。
次に、シリコン基板1bの裏面S1にp型のドーピング層30bが形成される。具体的には、実施の形態1における高濃度ドーパントペースト10a、中濃度ドーパントペースト11aおよび低濃度ドーパントペースト12a(図3)のそれぞれに対応する高濃度ドーパントペースト10b、中濃度ドーパントペースト11bおよび低濃度ドーパントペースト12b(図7)が用いられる。ドーパントペースト10b、11bおよび12bは、アクセプタとしてのボロンを異なる濃度で含むものである。
その後、裏面S1および受光面S2のそれぞれの上に酸化シリコン膜8Aおよび8Bが堆積される。次に酸化シリコン膜8Aおよび8Bのそれぞれの上に窒化シリコン膜3Aおよび3Bが堆積される。最後に正電極9bおよび負電極9aが形成される。これにより光起電力素子102(図6)が得られる。
次に上記製造方法の変形例について、以下に説明する。
図8を参照して、本変形例においては、上記と同様に中濃度ドーパントペースト11bおよび低濃度ドーパントペースト12bが印刷される一方で、高濃度ドーパントペースト10b(図7)の形成が省略される。その後、熱アニールすることで空乏化領域6bと反転層抑制領域7bとが形成される。次にドーパントペースト11bおよび12bがHFによって除去される。
図9を参照して、裏面S1および受光面S2のそれぞれの上に酸化シリコン膜8Aおよび8Bが堆積される。次に酸化シリコン膜8Aおよび8Bのそれぞれの上に窒化シリコン膜3Aおよび3Bが堆積される。
その後、不活性化膜50bに、正電極9bを配置するための開口部が形成される。開口部の形成は、たとえば、レーザー光を用いた加工またはエッチングペーストを用いたエッチングにより行うことができる。
その後、正電極9bを形成するために、不活性化膜50bの上記開口部において、アルミニウム原子を含むペーストが裏面S1上に塗布される。また、負電極9a(図6)を形成するために、反射防止膜52を介して受光面S2上にも、銀を含むペーストが印刷される。
その後、アニール処理が行われる。これにより、負電極9aが反射防止膜52を貫通し、エミッタ層2bに接続される。また同時に、正電極9bからアルミニウム原子が裏面S1中へ拡散することで、シリコン基板1bの一部にアルミニウムとシリコンとの合金層を形成すると同時に、アクセプタとしてのアルミニウムがドープされた領域が電極接触領域5b(図6)として形成される。
本変形例によって形成されるドーピング層30bのアクセプタは、電極接触領域5bにおいては上述したようにアルミニウムを含む一方、空乏化領域6bおよび反転層抑制領域7bにおいてはアルミニウムを必ずしも含む必要はなく、必要に応じて他の種類のアクセプタを用いることができ、たとえば上述したようにボロンを用いることができる。
本実施の形態によれば、実施の形態1におけるp型およびn型の導電型と正負の符号との各々が逆とされた構成において、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られる。
(実施の形態3)
図10を参照して、本実施の形態の光起電力素子103はバックコンタクト型のものである。具体的には、実施の形態1(図1)と異なり、負電極9aだけでなく正電極9bも裏面S1上に配置されている。また光起電力素子103は、受光面S2の略全体に形成されたエミッタ層2a(図1)に代わり、裏面S1の一部に形成されたp型のエミッタ層2aVを有する。エミッタ層2aVは、裏面S1においてドーピング層30bから離れて配置されている。正電極9bはエミッタ層2aVに接触している。
受光面S2にはn型のドープ層20bが形成されている。また受光面S2上には、実施の形態2(図6)と同様の反射防止膜52が設けられている。なお反射防止膜52に代わり反射防止膜51(図1:実施の形態1)が用いられてもよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
シリコン基板1aの裏面S1の、エミッタ層2aVと隣接する低濃度領域19には、反転層13(図5)が形成されている。反転層13はエミッタ層2aVと接している。本実施の形態では、空乏化領域6aおよび反転層抑制領域7aにより、エミッタ層2aVと電気的に接続された反転層13からのリークパスの影響を抑制することができる。このため、バックコンタクト型の構造においても、実施の形態1と同様、光電変換特性の改善を図ることができる。
なお空乏化領域6aおよび反転層抑制領域7aがない場合は、エミッタ層2aVと電極接触領域5aとが反転層13を介してつながってしまう。このため、エミッタ層2aVに接続された正電極9bと、電極接触領域5aに接続された負電極9aとの間で、光照射時でなくてもリーク電流が流れ得る。よって特性の大きな劣化が生じ得る。
図11を参照して、次に光起電力素子103の製造方法について、主に実施の形態1と異なる点に関して、以下に説明する。
シリコン基板1aの受光面S2上にAPCVD法によりPSG膜81が成膜される。PSG膜81は、受光面S2中へのリンドープにより表面電界層(Front Surface Field:FSF)を形成する役割を有する。この表面電界層は、シリコン基板1aの受光面S2側の再結合を抑制し、かつ電気伝導を補助する役割を有する。PSG膜81の上にAPCVD法により酸化シリコン膜82が堆積される。酸化シリコン膜82は、後述するボロン拡散においてボロンが受光面S2中へ侵入するのを防ぐ役割を有する。
次に裏面S1側に、実施の形態1と同様、高濃度ドーパントペースト10a、中濃度ドーパントペースト11aおよび低濃度ドーパントペースト12aが印刷される。
次にこれらドーパントペースト10a、11aおよび12aを覆う拡散防止マスク22が印刷される。拡散防止マスク22は、エミッタ層2aVが形成されることになる箇所に開口部を有する。拡散防止マスク22は、エミッタ層2aVを形成するための後述するボロン拡散において、高濃度のボロンが高濃度のリンと互いに混在しないようにするための役割を有する。なお拡散防止マスク22の端は、図示されているように、低濃度ドーパントペースト12aの外周縁よりも外側に位置してもよい。
次に、拡散防止マスク22の開口部を埋めるように拡散防止マスク22上に、BBr3用いてBSG膜23が形成される。次にBSG膜23からシリコン基板1aの裏面S1中へのボロン拡散が行われる。これによりエミッタ層2aVが形成される。この後、HF処理により、受光面S2上の酸化シリコン膜82およびPSG膜81と、裏面S1上のBSG膜23、ドーパントペースト10a、11a、12a、および拡散防止マスク22とが除去される。
これ以降のプロセスは、裏面S1上に負電極9aだけでなく正電極9bも形成されること以外は、実施の形態1とほぼ同様である。負電極9aおよび正電極9bは裏面S1上にそれぞれ印刷によって形成され得る。
従来は、バックコンタクト型の実用的な構造においては、リークを抑制する不活性化構造を形成するために、p型のエミッタ層2aVとn型の低濃度領域19とのそれぞれに、負の固定電荷を有する膜と正の固定電荷を有する膜とを形成する必要があった。これに対して本実施の形態によれば、裏面S1上に設けられた不活性化膜50aによるパッシベーション効果をエミッタ層2aVに対しても得ることができる。つまりリークパスのない構造が単一の不活性化膜50aVによって得られる。よって、裏面S1に存在するエミッタ層2aV、ドーピング層30a、および低濃度領域19に対して、異なる不活性化膜の構成を使う必要がない。よって製造プロセスが簡易であり、コスト的にも有利である。
(実施の形態4)
図12を参照して、本実施の形態の光起電力素子104は、光起電力素子103(図10:実施の形態3)と同様、バックコンタクト型のものである。ただし光起電力素子104は、p型のシリコン基板1bの裏面S1に形成されたn型のエミッタ層2bVを有する。受光面S2にはp型のドープ層20aが形成されている。負電極9aはエミッタ層2bVに接触している。つまり光起電力素子104は、光起電力素子103の構成におけるp型およびn型の導電型と正負の符号との各々が逆とされた構成を有する。別の見方でいえば、光起電力素子104は、光起電力素子102(図6:実施の形態2)に対してバックコンタクト型の構造を適用することによって得られるものである。
受光面S2上には実施の形態1(図1)と同様の反射防止膜51が設けられている。なお反射防止膜51に代わり反射防止膜52(図6:実施の形態2)が用いられてもよい。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態2または3の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
本実施の形態によれば、p型のシリコン基板1bの裏面S1上に設けられた不活性化膜50bによるパッシベーション効果をn型のエミッタ層2bVに対しても得ることができる。
(実施の形態5)
図13を参照して、本実施の形態の光起電力素子105のドーピング層30aVは、実施の形態1と異なり、裏面S1上において複数の負電極9aの間をつないでいる。またドーピング層30aVは裏面S1のほぼ全面を覆っている。この構成を得るためドーピング層30aVは、反転層抑制領域7a(図1:実施の形態1)の代わりに反転層抑制領域7aVを有する。反転層抑制領域7aVは複数の空乏化領域6aの間をつないでいる。
なお、上記以外の構成については、上述した実施の形態1の構成とほぼ同じであるため、同一または対応する要素について同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
光起電力素子105の製造方法は実施の形態1とほぼ同様であるが、低濃度ドーパントペースト12a(図3)の印刷範囲は、中濃度ドーパントペースト11aおよび高濃度ドーパントペースト10aの印刷範囲をのぞく裏面S1のほぼ全面とされる。よって低濃度ドーパントペースト12aについては、高いパターニング精度を必要としない。このため低濃度ドーパントペースト12aの形成工程が容易となる。
図14を参照して、低濃度ドーパントペースト12aを用いずに反転層抑制領域7aを形成する、変形例について説明する。中濃度ドーパントペースト11aおよび高濃度ドーパントペースト10aの印刷後、受光面S2を酸化シリコン膜83でマスクした状態で、裏面S1上にPSG膜21が成膜される。その後、熱アニール処理が行われることで、反転層抑制領域7aVが形成される。なおPSG膜21は、POCl3拡散を用いる方法またはAPCVD法により形成され得る。
本実施の形態では、実施の形態1の反転層抑制領域7a(図1)に比して、より広い範囲で反転層抑制領域7aVが形成される。このため不活性化膜50aによって誘起される反転層の厚さも広い範囲で小さくなる。この結果、反転層による光電変換効率の向上への寄与は低下する。一方で、反転層抑制領域7aVにおいてドープされたリンが作る電界効果と、不純物濃度の増大による裏面S1の面内方向でのキャリア輸送時の抵抗低減効果とは、光電変換効率を向上させる。よって、電界効果および抵抗低減効果による寄与が反転層による効果の低減を超える場合は、実施の形態1に比して本実施の形態の方が効率を向上させることができる。
(シミュレーション例)
上記各実施の形態の構成に想到するに際して本発明者らがデバイスシミュレータを用いて検討した結果について、以下に説明する。
不活性化膜として特に有用な酸化アルミニウム膜4Aの固定電荷の表面密度Qfの最大値は1×1013/cm2程度である。よって計算に用いる表面密度Qfの値として1×1013/cm2を用いた。
第1に、リークパスCF1(図5)を遮るためには、負の固定電荷によりシリコンの伝導帯底のバンド端を曲げて、空乏層18中のキャリア濃度を十分に低減する必要がある。これによりトンネル効果を介したリーク電流を抑制することができる。空乏層18は酸化アルミニウム膜4Aに対向しているので、空乏層18のキャリア濃度を十分に低減するためには、酸化アルミニウム膜4Aの表面密度Qfに合わせて空乏層18の不純物濃度N2を最適化する必要がある。ここで、裏面S1上での空乏層18の不純物濃度N2は単位体積当たりの値(たとえば、cm-3)であり、表面密度Qfは単位面積当たりの値(たとえば、cm-2)である。よって不純物濃度N2の比較基準として、Qfの2分の3乗を取ることにより次元を調整して、値Qf 3/2を不純物濃度の比較基準とした。
f=1×1013/cm2の条件下、N2≧Qf 3/2=3×1019cm-3の場合、固定電荷の作用により表面キャリア濃度を打ち消すことができる割合が小さかった。すなわち十分な空乏層18が形成されなかった。よってN2<3×1019cm-3が必要と考えられた。
第2に、リークパスCF2(図5)を遮るためには、「反転層16の深さ」<「空乏層18の深さ」とする必要がある。空乏化領域6a(図1)における空乏層18の深さ(リークが十分に抑制される程度にキャリア濃度が低い部分の深さ)は、N2=3×1019cm-3において2nm、N2=1×1019cm-3において7nm程度であった。上記不等式を満たすために反転層16の深さを2nm程度にまで抑制するには、裏面S1上での反転層抑制領域7a(図1)の不純物濃度N3の下限は3×1017cm-3とする必要があった。
第3に、互いに接近している反転層16と高濃度電子領域17との間でのトンネル効果によるリーク電流が抑制される条件について検討した。リーク電流は、N3<3×1018cm-3とされた場合、著しく小さくなった。
以上の結果、および、図5のキャリア分布を得るには当然にN3<N2が求められることを考慮すると、Qf=1×1013/cm2の条件下では、
3×1017cm-3<N3<3×1018cm-3かつ3×1018cm-3<N2<3×1019cm-3
であることが好ましいと考えられた。これら不等式に、上述したQf 3/2=3×1019cm-3を代入すると
f 3/2/100<N3<Qf 3/2/10かつQf 3/2/10<N2<Qf 3/2
という、実施の形態1で説明した関係が得られた。また本発明者らのさらなる検討によれば、Qfの値を1×1013/cm2の半分とした条件でも、N2およびN3とQf 3/2との間の上記不等式の関係は維持されると考えられた。よってこの不等式が満たされることで、実用的なQfの範囲において光起電力素子の効率を高めることができると考えられた。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
S1 裏面(第1の面)、S2 受光面(第2の面)、1a,1b シリコン基板、2a,2b,2aV,2bV エミッタ層、3A,3B 窒化シリコン膜、4A,4B 酸化アルミニウム膜、5a,5b 電極接触領域(第1の領域)、6a,6b 空乏化領域(第2の領域)、7a,7b,7aV 反転層抑制領域(第3の領域)、8A,8B,82,83 酸化シリコン膜、9a 負電極、9b 正電極、10a,10b 高濃度ドーパントペースト、11a,11b 中濃度ドーパントペースト、12a,12b 低濃度ドーパントペースト、13,16 反転層、17 高濃度電子領域、18 空乏層、19 低濃度領域、20a,20b ドープ層、21,81 PSG膜、22 拡散防止マスク、23 BSG膜、30a,30b,30aV ドーピング層、50a,50b,50aV 不活性化膜(膜)、51,52 反射防止膜、101〜105 光起電力素子。

Claims (11)

  1. 光起電力素子であって、
    第1の面および前記第1の面と反対の第2の面を有するn型のシリコン基板と、
    前記シリコン基板の前記第1の面に形成されたn型のドーピング層とを備え、前記ドーピング層は、
    前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、前記第1の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、前記第2の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含み、N3<N2<N1が満たされ、前記第1の面上において前記第1の領域および前記第3の領域の間で前記第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有し、前記光起電力素子はさらに
    前記第1の面上に設けられ、前記第1の領域に接触し、前記第2の領域および前記第3の領域から離れた負電極と、
    前記シリコン基板の前記第1の面を覆い、負の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する膜とを備え、
    f 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされている、光起電力素子。
  2. f≧5×1012/cm2が満たされている、請求項1に記載の光起電力素子。
  3. 前記膜は、酸化アルミニウムからなる部分を含む、請求項1または2に記載の光起電力素子。
  4. 前記シリコン基板の前記第1の面に形成されたp型のエミッタ層をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  5. 光起電力素子であって、
    第1の面および前記第1の面と反対の第2の面を有するp型のシリコン基板と、
    前記シリコン基板の前記第1の面に形成されたp型のドーピング層とを備え、前記ドーピング層は、
    前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、前記第1の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、前記第2の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含み、N3<N2<N1が満たされ、前記第1の面上において前記第1の領域および前記第3の領域の間で前記第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有し、前記光起電力素子はさらに
    前記第1の面上に設けられ、前記第1の領域に接触し、前記第2の領域および前記第3の領域から離れた正電極と、
    前記シリコン基板の前記第1の面を覆い、正の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する膜とを備え、
    f 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされている、光起電力素子。
  6. f≧1×1012/cm2が満たされている、請求項5に記載の光起電力素子。
  7. 前記膜は、窒化シリコンからなる部分を含む、請求項5または6に記載の光起電力素子。
  8. 前記シリコン基板の前記第1の面に形成されたn型のエミッタ層をさらに備える、請求項5から7のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  9. 前記正電極は、アルミニウムおよびアルミニウムを含む合金のいずれかから作られている、請求項5から8のいずれか1項に記載の光起電力素子。
  10. 第1の面および前記第1の面と反対の第2の面を有するn型のシリコン基板を準備する工程と、
    前記シリコン基板の前記第1の面にn型のドーピング層を形成する工程とを備え、前記ドーピング層は、
    前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、前記第1の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、前記第2の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含み、N3<N2<N1が満たされ、前記第1の面上において前記第1の領域および前記第3の領域の間で前記第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有し、さらに
    前記シリコン基板の前記第1の面を覆い、負の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する膜を形成する工程とを備え、Qf 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされ、さらに
    前記第1の面上に、前記第1の領域に接触し、前記第2の領域および前記第3の領域から離れた負電極を形成する工程を備える、
    光起電力素子の製造方法。
  11. 第1の面および前記第1の面と反対の第2の面を有するp型のシリコン基板を準備する工程と、
    前記シリコン基板の前記第1の面にp型のドーピング層を形成する工程とを備え、前記ドーピング層は、
    前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N1を有する第1の領域と、前記第1の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N2を有する第2の領域と、前記第2の領域を囲み前記シリコン基板の前記第1の面上において単位体積当たり不純物濃度N3を有する第3の領域とを含み、N3<N2<N1が満たされ、前記第1の面上において前記第1の領域および前記第3の領域の間で前記第2の領域は1μmより大きく1mmより小さい寸法を有し、さらに
    前記シリコン基板の前記第1の面を覆い、正の固定電荷を単位面積当たり絶対値として表面密度Qfで有する膜を形成する工程とを備え、Qf 3/2/10<N2<Qf 3/2およびQf 3/2/100<N3<Qf 3/2/10が満たされ、さらに
    前記第1の面上に、前記第1の領域に接触し、前記第2の領域および前記第3の領域から離れた正電極を形成する工程を備える、
    光起電力素子の製造方法。
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