JP6238816B2 - 燃料電池システムの制御方法及び燃料電池システム - Google Patents
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Description
通常停止処理は、所定の停止用手順に基づいて水素含有ガス供給手段及び酸素含有ガス供給手段を停止するものであり、その停止用手順は、燃料電池システム(具体的には、例えば、燃料電池の燃料極や空気極)の劣化を十分に抑制可能な手順に設定されているので、通常停止処理により燃料電池システムが停止される場合は、燃料電池システムの性能(例えば、燃料電池の発電効率)の低下を十分に抑制することができる。ちなみに、停止用手順は、例えば、燃料電池の温度がその劣化を十分に抑制可能な温度にまで低下した後に、水素含有ガス供給手段及び酸素含有ガス供給手段を停止する手順に設定される。
一方、緊急停止処理は、異常が発生したときに燃料電池システムを迅速に停止することを最優先にするためのものであり、前述の停止用手順を経ることなく水素含有ガス供給手段及び酸素含有ガス供給手段を停止するので、緊急停止処理により燃料電池システムが停止される場合は、燃料電池システムの性能の低下の度合いが通常停止処理におけるよりも大きくなる。
例えば、従来では、通常停止処理及び緊急停止処理のいずれか一方を管理対象の停止処理として、その管理対象の停止処理が実行された回数を累積停止回数として計数し、燃料電池システムの累積運転時間が増加するほど累積停止回数の許容上限値である許容停止回数を漸次増加させる形態で示された累積運転時間と許容停止回数との関係に基づいて、現時点の累積運転時間から現時点の許容停止回数を求めて、現時点の累積停止回数が現時点の許容停止回数以上になると、停止回数異常と判定して、その停止回数異常を認識可能な情報を表示部に表示するように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
つまり、停止回数異常を認識可能な情報を表示部に表示することにより、使用者に対して、頻繁な起動・停止を控えるのを意識づけるための注意喚起、及び、メンテナンスの推奨を行うようになっていた。
尚、特許文献1には、通常停止処理の累積停止回数を利用した停止回数異常の判定と、緊急停止処理の累積停止回数を利用した停止回数異常の判定とを組み合わせて実行することも記載されている。
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、通常停止処理及び緊急停止処理のいずれか一方について、現時点の累積運転時間から現時点の許容停止回数を求めるものであるので、求めた許容停止回数が緊急停止処理に対するものである場合は、求めた許容停止回数には、通常停止処理による劣化作用が反映されていない。そのため、燃料電池システムの劣化が比較的進行しているにも拘らず、許容停止回数が、燃料電池システムの実際の劣化状態に対応した値よりも多目に求められる場合があった。
このような虞は、緊急停止処理の累積停止回数を利用した停止回数異常の判定が、通常停止処理の累積停止回数を利用した停止回数異常の判定と組み合わせて実行されている場合でも、同様に起こり得るものである。
運転を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、通常停止指令に基づいて、所定の停止用手順に基づいて前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する通常停止処理を実行し、緊急停止指令に基づいて、前記停止用手順を経ることなく前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する緊急停止処理を実行するように構成された燃料電池システムの制御方法であって、
その特徴構成は、前記通常停止処理が実行された回数を累積通常停止回数として計数し、前記緊急停止処理が実行された回数を累積緊急停止回数として計数し、
前記累積通常停止回数が増加するほど、許容可能な前記緊急停止処理の累積実行回数の上限値である許容緊急停止回数が少なくなる形態で、前記累積通常停止回数と前記許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数を求め、
現時点の累積緊急停止回数が現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報手段を作動させる警報処理を実行する点にある。
つまり、本特徴構成によれば、通常停止処理が実行される度に、累積通常停止回数を計数し、緊急停止処理が実行される度に、累積緊急停止回数を計数する。
又、累積通常停止回数が増加するほど許容緊急停止回数が少なくなる形態で、累積通常停止回数と許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数を求める。
そして、現時点の累積緊急停止回数が現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報手段を作動させる警報処理を実行する。
そのことにより、遅すぎることのない適切なタイミングで、警報処理を実行することができるので、使用者に対して、頻繁な起動・停止を控えるのを意識づけるための注意喚起、及び、メンテナンスの推奨を適切に行うことができる。
従って、使用可能期間が耐用年数よりも短くなるのを的確に回避可能に使用し得る燃料電池システムの制御方法を提供することができる。
ここで、「累積通常停止回数が増加するほど許容緊急停止回数が少なくなる形態で」には、後に示すように、初期の一定期間においては、許容緊急停止回数が予め定められた一定の値とされており、その一定期間を過ぎた後、漸次少なくなる形態を含み、累積通常停止回数が増加するほど許容緊急停止回数が順に少なくなる形態を含む。さらに、漸次少なくなるには、例えば、図3に示すように、複数の減少傾向(図3で破線で示す場合は初期には減少させない)で段階的に少なくなるほか、連続的に減少傾向が大きくなる形態で少なくなる場合を含む。
前記累積通常停止回数が所定の下位境界値に達するまでは、現時点の許容緊急停止回数を、前記累積通常停止回数が前記下位境界値のときに前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求められる前記許容緊急停止回数以上に設定された所定の前期基準許容回数とし、
前記累積通常停止回数が前記下位境界値を超えた後は、現時点の許容緊急停止回数を、現時点の累積通常停止回数に応じて、前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求める点にある。
つまり、累積通常停止回数が増加するほど許容緊急停止回数が少なくなる度合いは、累積通常停止回数が所定の下位境界値までの範囲では、比較的小さく、累積通常停止回数が下位境界値位境界値を超えると、下位境界値までの範囲における度合いよりも大きくなることを見出した。
従って、広範囲の累積通常停止回数にわたって、現時点の許容緊急停止回数を、現時点の累積通常停止回数に応じて適正に求めることができるので、広範囲の累積通常停止回数にわたって、一層適切なタイミングで、警報処理を実行することができる。
前記累積通常停止回数が前記下位境界値を超えた後、上位境界値に達するまでは、現時点の許容緊急停止回数を、現時点の累積通常停止回数に応じて、前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求め、
前記累積通常停止回数が前記上位境界値を超えた後は、現時点の許容緊急停止回数を、前記累積通常停止回数が前記上位境界値のときに前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求められる前記許容緊急停止回数以下に設定された所定の後期基準許容回数とする点にある。
そして、例えば、後期基準許容回数を少なめに設定して、早めに警報処理を実行するようにする。すると、累積通常停止回数がかなり多くなって、燃料電池システムの劣化が比較的進行している状態では、早めに頻繁な起動・停止を控えるようにすることができるので、使用可能期間を一層長期化することができる。
前記燃料電池が、固体酸化物を電解質として用いた固体酸化物型である点にある。
そこで、本発明を固体酸化物型の燃料電池を備えた燃料電池システムに適用することにより、本発明の作用を効果的に発揮させて、固体酸化物型の燃料電池を備えた燃料電池システムを、使用可能期間が耐用年数よりも短くなるのを的確に回避可能に使用することができる。
運転を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、通常停止指令に基づいて、所定の停止用手順に基づいて前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する通常停止処理を実行し、緊急停止指令に基づいて、前記停止用手順を経ることなく前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する緊急停止処理を実行するように構成された燃料電池システムであって、
その特徴構成は、前記通常停止処理が実行された回数を累積通常停止回数として計数し、前記緊急停止処理が実行された回数を累積緊急停止回数として計数する停止回数計数手段と、
前記累積通常停止回数が増加するほど、許容可能な前記緊急停止処理の累積実行回数の上限値である許容緊急停止回数が少なくなる形態で、前記累積通常停止回数と前記許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数を求める許容緊急停止回数導出手段と、
前記停止回数計数手段により計数された現時点の累積緊急停止回数が、前記許容緊急停止回数導出手段により求められた現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報手段を作動させる警報処理を実行する警報発報手段とが設けられている点にある。
又、許容緊急停止回数導出手段により、累積通常停止回数が増加するほど許容緊急停止回数が少なくなる形態で、累積通常停止回数と許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数が求められる。
そして、停止回数計数手段により計数された現時点の累積緊急停止回数が、許容緊急停止回数導出手段により求められた現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報発報手段により、警報手段を作動させる警報処理が実行される。
そのことにより、遅すぎることのない適切なタイミングで、警報処理が実行されるので、使用者に対して、頻繁な起動・停止を控えるのを意識づけるための注意喚起、及び、メンテナンスの推奨を適切に行うことができる。
従って、使用可能期間が耐用年数よりも短くなるのを的確に回避可能に使用し得る燃料電池システムを提供することができる。
燃料電池システムは、一般家庭等に設置されるものであり、図1に示すように、供給される水素含有ガス中の水素と空気(酸素含有ガスの一例)中の酸素との電気化学反応により発電する燃料電池1、燃料電池1に水素含有ガスを供給する水素含有ガス供給設備2(水素含有ガス供給手段の一例)、燃料電池1に空気を供給する反応用送風機3(酸素含有ガス供給手段の一例)、燃料電池1の出力電力を調整自在なインバータ4、燃料電池システムの運転を制御する制御部5(制御手段の一例)、及び、制御部5に運転制御情報を送信するリモートコントローラ6(以下、リモコンと略記する場合がある)等を備えて構成されている。尚、インバータ4は、燃料電池1の出力電力を商用電力系統(図示省略)から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されて、燃料電池1を商用電力系統に連系する。
燃料電池1は、電解質としてYSZ(イットリウム安定化ジルコニア)等の固体酸化物を用いた固体酸化物型である。
固体酸化物型の燃料電池1は、周知であるので、詳細な説明及び図示を省略して、簡単に説明すると、固体酸化物を電解質層とするセルを複数積層状態に設けて構成され、各セルの燃料極に水素含有ガス供給設備2から水素含有ガスが供給されると共に、各セルの空気極に反応用送風機3から空気が供給されて、水素と酸素との電気化学反応により発電するように構成されている。
このガスパージ設備7も公知であるので、詳細な説明及び図示を省略して、簡単に説明すると、燃料電池1の水素含有ガスや空気の入り口側、及び、出口側の各部に設けた開閉弁を開閉操作することにより、燃料電池1における水素含有ガスや空気のガス流路にパージ用ガスを所定の圧力で充填することが可能に構成されている。
燃料電池1、改質器21等には、それらの異常を検知するための各種の異常検知用センサ8が設けられ、それら異常検知用センサ8の検出情報に基づいて、燃料電池1や改質器21等の異常を検知するように構成されている。図1に示すように、異常検知用センサ8としては、例えば、燃料電池1の所定箇所の温度を検出する電池温度センサ81が設けられ、その電池温度センサ81の検出温度が予め設定された上限温度を超えると、燃料電池1で異常が発生したと検知するように構成されている。ちなみに、上限温度は、正常に運転されているときの燃料電池1の温度(例えば、700℃程度)よりも高い温度に設定される。
尚、以下の説明では、利用者による操作により操作部61から指令される停止指令を、緊急停止指令と区別して、通常停止指令と称する。
次に、制御部5の制御構成について説明する。
制御部5は、操作部61から起動指令が指令されると、所定の起動用手順に基づいて、原燃料断続弁22及び原燃料調整弁23の開弁、改質用水ポンプ25の起動、並びに、反応用送風機3の起動を行う起動処理を実行する。尚、本願発明は、燃料電池システムの停止時の制御方法に関するものであるので、起動用手順については、その説明を省略する。
尚、起動処理では、燃料電池1に充填されているパージ用ガスを系外に排出すべく、ガスパージ装置7を操作するパージ用ガス排出処理も行われるが、詳細な説明は省略する。
制御部5は、燃料電池システムの運転中は、電力負荷で消費される電力に応じた電力を出力すべく、原燃料調整弁23を制御して原燃料ガスの供給量を調整すると共に、改質用水ポンプ25を制御して改質用水の供給量を調整する。
つまり、燃料電池システムの運転中は、燃料電池1の発電電力が電力負荷で消費される電力に追従して調整される、所謂、電力負荷追従運転が実行される。
即ち、停止用手順に基づく通常停止処理では、操作部61から通常停止指令が指令されると、先ず、燃料電池1からインバータ4への電力の出力を停止させるように、インバータ4を制御し、次いで、電池温度センサ81の検出温度が所定のガス供給停止用の設定温度以下になると、原燃料断続弁22及び原燃料調整弁23を閉弁すると共に、改質用水ポンプ25を停止し、並びに、反応用送風機3を停止して、燃料電池1への水素含有ガス及び空気の供給を停止し、次いで、ガスパージ装置7を作動させて、燃料電池1にパージ用ガスを充てんするガスパージ処理を実行する。ちなみに、ガス供給停止用の設定温度は、正常に運転されているときの燃料電池1の温度よりも低い温度で、しかも、燃料電池1への水素含有ガス及び空気の供給を停止しても、燃料極及び空気極の劣化を十分に抑制し得る温度に設定される。
そして、通常停止処理では、燃料電池1における発電動作を停止させた以降も、燃料電池1への水素含有ガス及び空気の供給が継続され、燃料電池1の温度がガス供給停止用の設定温度にまで低下すると、水素含有ガス及び空気の供給が停止されるので、燃料極及び空気極の劣化が十分に抑制されて、燃料電池1の発電効率の低下を十分に抑制することができる。
本発明の燃料電池システムの制御方法は、通常停止処理が実行された回数を累積通常停止回数Ncとして計数し、緊急停止処理が実行された回数を累積緊急停止回数Neとして計数し、累積通常停止回数Ncが増加するほど、許容可能な緊急停止処理の累積実行回数の上限値である許容緊急停止回数Npが漸次少なくなる形態で、累積通常停止回数Ncと許容緊急停止回数Npとの関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数Ncに対応する現時点の許容緊急停止回数Npを求め、現時点の累積緊急停止回数Neが現時点の許容緊急停止回数Np以上になると、警報手段9を作動させる警報処理を実行する制御方法である。
尚、停止回数計数手段51、許容緊急停止回数導出手段52及び警報発報手段53は、制御部5により構成される。
先ず、上記の各項目を設定するために行った試験結果について説明する。
上述の起動用手順に基づいて水素含有ガス供給設備2及び反応用送風機3を起動させた後、水素含有ガス供給設備2及び反応用送風機3を通常停止処理により停止させる処理を繰り返し、通常停止処理の累積回数、即ち、累積通常停止回数Ncが所定の評価用回数になると、燃料電池1の発電効率低下率Rd(%)を求めながら、その発電効率低下率Rdが所定の設定低下率Lに達するまで、水素含有ガス供給設備2及び反応用送風機3を緊急停止処理により停止させた後、上述の起動用手順に基づいて水素含有ガス供給設備2及び反応用送風機3の起動を行う処理を繰り返すことにより、燃料電池1の緊急停止処理に対する耐性(以下、シャットダウン耐性と記載する場合がある)を評価した。
そして、発電効率低下率Rdが所定の設定低下率Lに最も近づいた時の緊急停止処理の累積回数を、許容緊急停止回数に設定した。
このシャットダウン耐性を評価する試験を、評価用回数を異ならせて複数回行った。
設定低下率Lは、燃料電池1の性能が保持されていると評価できる発電効率低下率Rdの許容値に設定され、例えば、1%に設定される。
尚、説明を省略するが、発電効率低下率Rdが設定低下率Lに達すると、直ぐに、燃料電池システムの再起動を禁止するように構成されているのではなく、発電効率低下率Rdが設定低下率Lよりも大きい所定の値を超えると、燃料電池システムの再起動を禁止するように構成されている。
図4に示すように、評価用回数がN(1)回のときは、発電効率低下率Rdと緊急停止処理の累積回数、即ち、累積緊急停止回数Neとの関係は、以下の式1に示す一次関数に近似することができる。
但し、a(1)は負の実数であり、k(1)は正の実数である。
但し、a(2)は絶対値がa(1)の絶対値よりも大きい負の実数であり、k(2)は正の実数である。
そして、発電効率低下率Rdが設定低下率Lに最も近づく累積緊急停止回数Neを許容緊急停止回数Npとすると、例えば、評価用回数がN(1)回のときは、許容緊急停止回数NpをN(3)回に、評価用回数がN(2)回のときは、許容緊急停止回数NpをN(4)回に夫々設定することができる。
図3に、実線にて、評価用回数、即ち累積通常停止回数Ncに応じた許容緊急停止回数Npの設定結果を示す。
図3の実線にて示す試験結果により、累積通常停止回数Ncと許容緊急停止回数Npとの関係は、全般的には、累積通常停止回数Ncが増加するほど、許容緊急停止回数Npが漸次少なくなる関係であることを見出した。
例えば、図3に示すように、累積通常停止回数Ncが所定の下位境界値Bsまでの範囲と、下位境界値Bsから所定の上位境界値Buまでの範囲と、上位境界値Buよりも多い範囲とで、記載順に、累積通常停止回数Ncが増加するほど許容緊急停止回数Npが少なくなる度合いが大きくなる。
即ち、累積通常停止回数Ncが増加するほど、許容緊急停止回数Npが漸次少なくなる形態の、累積通常停止回数Ncと許容緊急停止回数Npとの関係は、一次関数で近似することができ、その一次関数の勾配の絶対値が、累積通常停止回数Ncが下位境界値Bsまでの範囲のとき、下位境界値Bsから上位境界値Buまでの範囲のとき、上位境界値Buよりも多い範囲のときの順に大きくなる。
但し、a(3)は、絶対値がa(1)の絶対値とa(2)の絶対値の間の負の実数であり、k(3)は正の実数である。
停止回数計数手段51は、通常停止処理が実行されると、現時点の累積通常停止回数Ncを計数し、緊急停止処理が実行されると、現時点の累積緊急停止回数Neを計数する(ステップ#1,2,6,7)。
許容緊急停止回数導出手段52は、停止回数計数手段51により現時点の累積通常停止回数Ncが計数される毎に、上述のように、現時点の許容緊急停止回数Npを求める(ステップ#3)。
又、新たに現時点の累積緊急停止回数Neが計数されることにより、現時点の累積緊急停止回数Neと現時点の許容緊急停止回数Npとを比較する場合は、直近で現時点の許容緊急停止回数Npとして求めた許容緊急停止回数Npを、現時点の許容緊急停止回数Npとする。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 現時点の許容緊急停止回数Npを求める方法としては、上記の実施形態において例示した方法、即ち、累積通常停止回数Ncが所定の下位境界値Bsに達するまでは、一律に前期基準許容回数Ksとし、累積通常停止回数Ncが下位境界値Bsを超えた後、上位境界値Buに達するまでは、累積通常停止回数Ncが増加するほど許容緊急停止回数Npが漸次少なくなる形態で設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数Ncに応じて求め、累積通常停止回数Ncが上位境界値Buを超えた後は、一律に後期基準許容回数Kuとする方法に限定されるものではない。
又、累積通常停止回数Ncが上位境界値Buを超えた後でも、現時点の許容緊急停止回数Npを、現時点の累積通常停止回数Ncに応じて、許容緊急停止回数設定情報に基づいて求めるように構成しても良い。
ちなみに、累積通常停止回数Ncが下位境界値Bsに達するまでの許容緊急停止回数設定情報、及び、累積通常停止回数Ncが上位境界値Buを超えた後の許容緊急停止回数設定情報としては、夫々、例えば、図3に示す如き一次関数とすることができる。
又、現時点の許容緊急停止回数Npを、累積通常停止回数Ncの範囲に拘わらず、一つの共通の許容緊急停止回数設定情報(例えば、一次関数)に基づいて、現時点の累積通常停止回数Ncに応じて求めるように構成しても良い。
2 水素含有ガス供給設備(水素含有ガス供給手段)
3 反応用送風機(酸素含有ガス供給手段)
5 制御部(制御手段)
9 警報手段
51 停止回数計数手段
52 許容緊急停止回数導出手段
53 警報発報手段
Bs 下位境界値
Bu 上位境界値
Ks 前期基準許容回数
Ku 後期基準許容回数
Nc 累積通常停止回数
Ne 累積緊急停止回数
Np 許容緊急停止回数
Claims (5)
- 水素含有ガス供給手段により供給される水素含有ガスと酸素含有ガス供給手段により供給される酸素含有ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
運転を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、通常停止指令に基づいて、所定の停止用手順に基づいて前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する通常停止処理を実行し、緊急停止指令に基づいて、前記停止用手順を経ることなく前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する緊急停止処理を実行するように構成された燃料電池システムの制御方法であって、
前記通常停止処理が実行された回数を累積通常停止回数として計数し、前記緊急停止処理が実行された回数を累積緊急停止回数として計数し、
前記累積通常停止回数が増加するほど、許容可能な前記緊急停止処理の累積実行回数の上限値である許容緊急停止回数が少なくなる形態で、前記累積通常停止回数と前記許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数を求め、
現時点の累積緊急停止回数が現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報手段を作動させる警報処理を実行する燃料電池システムの制御方法。 - 前記累積通常停止回数が所定の下位境界値に達するまでは、現時点の許容緊急停止回数を、前記累積通常停止回数が前記下位境界値のときに前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求められる前記許容緊急停止回数以上に設定された所定の前期基準許容回数とし、
前記累積通常停止回数が前記下位境界値を超えた後は、現時点の許容緊急停止回数を、現時点の累積通常停止回数に応じて、前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求める請求項1に記載の燃料電池システムの制御方法。 - 前記累積通常停止回数が前記下位境界値を超えた後、上位境界値に達するまでは、現時点の許容緊急停止回数を、現時点の累積通常停止回数に応じて、前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求め、
前記累積通常停止回数が前記上位境界値を超えた後は、現時点の許容緊急停止回数を、前記累積通常停止回数が前記上位境界値のときに前記許容緊急停止回数設定情報に基づいて求められる前記許容緊急停止回数以下に設定された所定の後期基準許容回数とする請求項2に記載の燃料電池システムの制御方法。 - 前記燃料電池が、固体酸化物を電解質として用いた固体酸化物型である請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムの制御方法。
- 水素含有ガス供給手段により供給される水素含有ガスと酸素含有ガス供給手段により供給される酸素含有ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池と、
運転を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、通常停止指令に基づいて、所定の停止用手順に基づいて前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する通常停止処理を実行し、緊急停止指令に基づいて、前記停止用手順を経ることなく前記水素含有ガス供給手段及び前記酸素含有ガス供給手段を停止する緊急停止処理を実行するように構成された燃料電池システムであって、
前記通常停止処理が実行された回数を累積通常停止回数として計数し、前記緊急停止処理が実行された回数を累積緊急停止回数として計数する停止回数計数手段と、
前記累積通常停止回数が増加するほど、許容可能な前記緊急停止処理の累積実行回数の上限値である許容緊急停止回数が少なくなる形態で、前記累積通常停止回数と前記許容緊急停止回数との関係として設定された許容緊急停止回数設定情報に基づいて、現時点の累積通常停止回数に対応する現時点の許容緊急停止回数を求める許容緊急停止回数導出手段と、
前記停止回数計数手段により計数された現時点の累積緊急停止回数が、前記許容緊急停止回数導出手段により求められた現時点の許容緊急停止回数以上になると、警報手段を作動させる警報処理を実行する警報発報手段とが設けられている燃料電池システム。
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