JP6238360B2 - ナノ構造の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体から構成された量子ドットなどの微細な構造を製造するナノ構造の製造方法に関する。
近年、半導体ナノドットあるいは量子ドット構造などの半導体ナノ構造は、従来の半導体デバイスの性能を大幅に凌駕するデバイスや新機能デバイスを実現可能にする可能性を持つことから注目を集めており、国内外で精力的に研究開発が行われている。例えば、消費電力が少なく周囲温度変化による影響も少ない半導体レーザ、従来の理論的変換効率を大幅に上回る第3世代太陽電池、消費電力が少なく従来の記憶保持能力を上回る半導体フローティングゲートメモリー素子、発光素子を作製することが難しいシリコン(Si)系IV族半導体を用いた発光素子、消費電力が極小となる単電子トランジスタ素子などの研究開発が進められている。
これらのなかで、化合物半導体を用いた量子ドットの研究開発は、比較的早期から開始され、例えば、半導体量子ドットレーザの実用化が始まっている。一方、Siやゲルマニウム(Ge)に代表されるIV族半導体を用いたナノドットあるいは量子ドット構造は、化合物半導体量子ドット構造に比べ低コストな量子ドットデバイスの実現に向けて期待が高まっている。また、IV族半導体を用いたナノドットあるいは量子ドット構造は、現代社会を支える集積回路やLSIの製造に用いられるSi−CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)プロセスに整合する高性能デバイスや、将来の光・電子融合素子の実現の核となることが期待されている。
ここで、Si−CMOSプロセスへの整合や低コストな量子ドットデバイスの実現のためには、IV族半導体ナノドットあるいは量子ドット構造を制御性良く高密度に作製する技術が望まれる。半導体ナノドットとは、数nmオーダーから数百nmオーダーのサイズを有する半導体の微細構造であり、このうち量子サイズ効果を具現した半導体ナノドットを半導体量子ドットと呼ぶ。
さらに、半導体ナノドットを200℃以下の基板温度で高密度かつ制御性良く製造できる技術が開発されれば、半導体ナノドットをポリイミドなどの有機フィルム上へ形成することが可能となる。同様に、150℃以下の基板温度で製造できれば、ポリエチレンテレフタレート(PET)上への形成が可能となる他、フォトレジストを用いたリフトオフプロセスの適用も可能となる。
従来、IV族半導体ナノドットを高密度かつ制御性良く製造するために、サーファクタントとしてSbやCを使用する技術(非特許文献1,2)が開発されている。なお、上記サーファクタントは、結晶成長において、結晶成長時における結晶の表面状態を変える物質である。また、IV族半導体ナノドットを高密度かつ制御性良く製造するために、極薄酸化膜を挟んでナノドットを成長する技術(特許文献1,非特許文献2)が開発されている。
しかしながら、これらの技術では、形成されるナノドットのサイズや密度を自由に制御することができず、良好な均一性と密度を有するナノドットが製造できる温度範囲も限られていた。特に、300℃以下の基板温度でナノドットのサイズを制御性良くコントロールできる形成技術が存在しなかったため、上述したようなPETフィルム上への形成やリフトオフプロセスの適用が可能となる150℃以下の基板温度で、形状の整った半導体ナノドットを高密度に形成ですることはできなかった。
結合したGeクラスタをSiO2/Si基板上に室温で形成した報告例はあるが、分離したドット形状にするためには、500℃の熱処理が必要であった(非特許文献3参照)。
この他、Biターミネーション表面におけるGeの1原子層または2原子層ナノ構造形成過程の研究報告が非特許文献4と非特許文献5に掲載されているが、Bi堆積時の基板温度が非特許文献4では740K、非特許文献5では550〜700℃と高温であることに加え、これらの報告では半導体量子ドットとして使用可能なナノドットの形成には至っていなかった。
従来の手法によってSi基板上に作製したGeナノドットの1例として、AFM(原子力間顕微鏡)像を図23に示す。図23は、110℃の基板温度においてGeを層厚3nmに真空蒸着した後、水素・窒素混合気体中550℃で熱処理を行った試料のAFM像である。この実験において、層厚3nm程度にGeを真空蒸着した後の時点ではナノドットは形成されておらず、Geは不均一な凹凸を有する薄膜であった。この試料に上記熱処理を加えることにより、Ge薄膜がGeナノドットに変化したが、ナノドットの形状は不揃いで密度が低いことに加え、ナノドットの多くは転位が導入されると考えられる巨大なドットとなった。このような巨大なドットは一般に電子デバイスや光半導体デバイスなどで期待される量子ドットとしての作用は望めない。
特開2005−303249号公報 特開2007−251089号公報
I. Berbezier et al. ,"Ge dots self-assembling: Surfactant mediated growth of Ge on SiGe (118) stress-induced kinetic instabilities", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol.83, no.23, pp.4833-4835 ,2003. Y. Wakayama et al. , "Structural transition of Ge dots induced by submonolayer carbon on Ge wetting layer", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol.77, no.15, pp.2328-2330, 2000. N. Motta et al. , "Role of patterning in islands nucleation on semiconductor surfaces", C. R. Physique ,vol.7, pp.1046-1072, 2006. M. Kawamura et al. , "Nanowires and Nanorings at the Atomic Level", Physical Review Letters, vol.91, no.9, pp.096102-1-096102-4 ,2003. K. N. Romanyuk et al. , "Formation of Ge Clusters at a Si(111)-Bi-√3×√3 Surface",JETP Letters, vol.93 ,no.11 ,pp.740-745 ,2011.
以上に説明したように、従来のIV族半導体によるナノドットの製造方法においては、サーファクタントとしてSbやCを使用する技術が提案されているが、ナノドットのサイズや密度を自由に制御することができないという課題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、IV族半導体によるナノドットが、サイズや密度を自由に制御して形成できるようにすることを目的とする。
本発明に係るナノ構造の製造方法は、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により基板の上に形成するナノ構造の製造方法であって、BiまたはBiの前駆体材料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給する。
上記ナノ構造の製造方法において、BiあるいはBiの前駆体となる原料を基板の上に供給して基板の上にBi層を形成するBi層形成工程と、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料を基板の上に供給して複数のナノドットを形成するナノドット形成工程と、ナノドット形成工程の後で、原料の供給を停止してナノドット形成工程における基板温度条件以上の基板温度とする加熱工程とを備え、ナノドット形成工程は、基板の上にBi層が存在している状態で実施する。上記2つの工程は同時に実施してもよい。すなわち、BiあるいはBiの前駆体となる原料とSi,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料を同時に供給する工程としてもよい。
上記ナノ構造の製造方法において、Bi層形成工程並びにナノドット形成工程において温度およびBi層の層厚の少なくとも1を制御することで、ナノドットの大きさおよび密度を制御する。
上記ナノ構造の製造方法において、加熱工程の後で、原料の供給停止を継続した状態で、加熱工程における基板温度条件より高い基板温度とする追加加熱工程を備えるようにしてもよい。
上記ナノ構造の製造方法において、基板の上に形成された複数のナノドットを覆って基板の上に第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、第1被覆層の上にSi,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により、BiまたはBiの前駆体材料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給することで、第1被覆層の上に形成する工程と、第1被覆層の上に形成された複数のナノドットを覆って第1被覆層の上に第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程とを備える、さらに同様のナノドット形成工程と被覆層形成工程を所定の層数が形成されるまで繰り返す工程を備える。
上記ナノ構造の製造方法において、上記最終となる被覆層を形成した後で、最終となる被覆層形成工程における基板温度条件以上の基板温度とする加熱工程を備えるようにしてもよい。また、ナノドット,第1被覆層,第2被覆層の原子間の電子における未結合手を終端する工程を備えるようにしてもよい。なお、基板は、半導体基板,誘電体基板,および金属基板のいずれかであればよく、基板が、Si基板またはGe基板であれば、基板の面方位は、(100)面、(111)面、(110)面のいずれかに等価な面から1度未満の角度だけ傾斜しているようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、BiまたはBiの前駆体材料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給するようにしたので、IV族半導体によるナノドットが、サイズや密度を自由に制御して形成できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態におけるナノ構造の製造方法を説明するフローチャートである。 図2は、本発明の実施の形態におけるナノ構造の構成を示す断面図である。 図3は、本発明の実施例1におけるナノ構造を原子間力顕微鏡で観察した結果を示す写真である。 図4は、本発明の実施例2におけるナノ構造の構成を示す断面図である。 図5は、実施例2において実際に作製したナノドット(途中工程)をAFMで観察した結果を示す写真である。 図6は、本発明の実施例3におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図7は、本発明の実施例4におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図8は、実施例6におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図9は、実施例6におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図10は、実施例7におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図11は、実施例7におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図12は、実施例8におけるナノ構造の製造方法を説明する説明図である。 図13は、実施例8におけるナノ構造の製造方法を説明する説明図である。 図14は、実施例9におけるナノ構造の製造方法を説明する説明図である。 図15は、実施例9におけるナノ構造の製造方法を説明する説明図である。 図16は、本発明の実施例10におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。 図17は、実施例11におけるナノ構造の製造方法を説明する説明図である。 図18は、本発明の実施例12におけるナノ構造を太陽電池に適用した構成を模式的に示す断面図である。 図19は、本発明の実施例12におけるナノ構造を太陽電池に適用した構成を模式的に示す断面図である。 図20は、本発明の実施例12におけるナノ構造を太陽電池に適用した構成を模式的に示す断面図である。 図21は、本発明の実施例12におけるナノ構造を太陽電池に適用した構成を模式的に示す断面図である。 図22は、本発明の実施例13におけるナノ構造を太陽電池に適用した構成を模式的に示す断面図である。 図23は、110℃の基板温度においてGeを層厚3nmに真空蒸着した後、水素・窒素混合気体中550℃で熱処理を行った試料のAFM像である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により基板の上に形成するナノ構造の製造方法である。
例えば、図1のフローチャートに示すように、まず、第1工程S101で、BiあるいはBiの前駆体となる原料を基板の上に供給して基板の上にBi層を形成する(Bi層形成工程)。また、第2工程S102で、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料を基板の上に供給して複数のナノドットを形成する(ナノドット形成工程)。ここで、第2工程S102は、第1工程S101によるBi層が、基板の上に存在している状態で実施することが重要となる。
なお、第1工程S101のBi層形成は、第2工程S102のナノドット形成と同時に行ってもよい。例えば、BiあるいはBiの前駆体となる原料を基板の上に供給するとともに、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料を基板の上に供給すればよい。また、Bi層を形成した後、引き続きナノドットを形成する工程において、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料とともに、BiあるいはBiの前駆体となる原料を基板の上に供給してもよい。
上述したように、BiあるいはBiの前駆体となる原料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給し、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを製造することで、Bi層形成工程並びにナノドット形成工程において温度およびBi層の層厚の少なくとも1を制御することで、ナノドットの大きさおよび密度を制御することができる。本発明によれば、高密度で高均一なナノドットを300℃未満の低温で形成できるようになる。また、Geの場合、温度条件(基板温度,成長温度)を、室温(25℃程度)としても、高密度で高均一なナノドットが、形成できる。
次に、ナノ構造について図2を用いて説明する。例えば、図2の(a)に示すように、ナノ構造体は、半導体基板201の上に、半導体層202が形成され、半導体層202の上にBi層203が形成され、Bi層203の上に複数の半導体ナノドット204が形成されている。また、半導体ナノドット204は、半導体からなる被覆層205に覆われている。
また、図2の(b)に示すように、半導体層202の上に絶縁層206が形成され、絶縁層206の上にBi層203が形成され、Bi層203の上に複数の半導体ナノドット204が形成される構成とすることもできる。この場合、半導体ナノドット204は、絶縁体からなる被覆層207に覆われている。
また、半導体基板201の代わりに、絶縁体(誘電体)基板あるいは金属基板を用いてもよい。ここで、Bi層203は、製造条件によっては、半導体ナノドット204,被覆層205または被覆層207より上部(外方)に排出され、残らない場合がある。
以下、製造方法についてより詳細に説明する。
[実施例1]
はじめに、本発明の実施例1におけるナノ構造の製造方法について表1を用いて説明する。実施例1では、半導体基板を用いている。
まず、工程1で、半導体基板に対し、洗浄と自然酸化膜除去のためのエッチングを実施する。この処理の後で、半導体基板の表面には再び自然酸化膜が形成されるが、自然酸化膜の形成を次の工程まで極力抑制するために、フッ化水素酸(フッ酸)やバッファードフッ酸(BHF)による処理時に形成される弗素ターミネーションを利用するとよい。また、自然酸化膜の形成を抑制するために、上述したエッチング処理の後に、硫化アンモニウム溶液等を用いて形成する硫黄ターミネーションを利用してもよい。
次に、工程2で、形成装置の処理室内に半導体基板を搬入する。次に、工程3で、形成装置が、高真空蒸着装置あるいはMBE装置あるいはPLD装置の場合には、処理室内の真空排気(減圧排気)を実施する。また、形成装置が各種CVDあるいは各種スパッタリング装置の場合には、処理室内の真空排気を実施した後、処理室内に対してガス導入を行う。
次に、工程4で、目的とする半導体素子の構造により、必要に応じ、再度、表面自然酸化膜除去を行う。例えば、真空中や還元性雰囲気中における熱処理、プラズマ処理などにより、表面自然酸化膜の除去が行える。
次に、工程5で、目的とする半導体素子の構造により、必要に応じて半導体基板上に半導体層または絶縁膜層を形成する。また、半導体層を形成し、この上に絶縁層を形成してもよい。工程5は、目的とする半導体素子の構造に応じて省略することもできる。
次に、工程6で、Bi層を形成する。例えば、基板温度を室温〜300℃の間の目的に応じた適切な温度に設定し、BiまたはBi前駆体原料を半導体基板の上に供給し、Biを半導体基板の表面に堆積させる。この際、堆積させるBiの等価層厚は、作製したい半導体ナノドットのサイズや密度に応じて調整する。典型的には、等価層厚は、0.3nm以上3nm以下とすればよい。また、その場観察装置を備える形成装置を使用する場合には、Bi層の層厚を1原子層厚以上10原子層厚以下とすることができる。
なお、工程6は、次の工程7においてBiまたはBi前駆体を半導体原料と同時供給する場合には省略することもできる。言い換えると、工程6は、後述する工程7の前、あるいは工程7と同時に行うようにすればよい。さらには、工程6は、工程7の前に実施し、加えて工程7と同時の両方で行うようにしてもよい。
次に、工程7で、気相堆積法または気相成長法により半導体ナノドットを形成する。例えば、基板温度を室温〜300℃の間の目的に応じた適切な温度に設定し、GeまたはSiまたはSnまたはそれら複数の組み合わせ、またはこれらの前駆体原料を供給する。この際、BiまたはBi前駆体原料を同時に供給してもよい。ナノドットの形成では、堆積させるGeまたはSiまたはSnまたはそれら複数の組み合わせの等価層厚は、0.5nm以上5nm以下とすればよい。また、その場観察装置を備える形成装置を使用する場合には、層厚を3原子層厚以上30原子層厚以下とすることができる。
工程8で、半導体基板の上に、半導体ナノドットを覆って被覆層を形成する。例えば、半導体からなる被覆層を形成する場合、基板温度を室温〜300℃の間の目的に応じた適切な温度に設定し、GeまたはSiまたはそれらの組み合わせ、またはその前駆体原料を基板上に供給すればよい。被覆層の層厚は、半導体ナノドットを用いた目的とする半導体素子の構造に応じて決定すればよい。
()内は省略可
*1:均一な薄膜が形成された場合を仮定した層厚。
*2:Fターミネーション・・・弗素原子または弗素を含む分子で表面を覆う工程
Sターミネーション・・・硫黄原子または硫黄を含む分子で表面を覆う工程
*3:高真空蒸着装置あるいはMBE装置あるいはPLD装置の場合には真空排気。各種CVDあるいは各種スパッタリング装置の場合には真空排気とガス導入を行う。
*4:使用する基板が半導体基板の場合には必要に応じて熱処理、プラズマ処理などの手法を用いて表面自然酸化膜の除去を行う。
*5:採用する手法に適した基板温度とする。
*6:形成する層に適した基板温度とする。
*7:作製する素子に適した層厚とする。
次に、実際に作製したドットについて図3を用いて説明する。図3は、実施例1において実際に作製したナノドット(途中工程)を原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)で観察した結果を示す写真である。これらは、形成装置として高真空蒸着装置を用いて作成した。また、前述した工程4,工程5,工程8は省略している。また、工程7において供給した原料はGeのみである。また、Biの同時供給は行っていない。Biの等価膜厚は1nm、Geの等価膜厚を3nmとした。また、半導体基板を用いた。
まず、図3の(a−1)は、基板温度を約35℃、(b−1)は、基板温度を約75℃、(c−1)は、基板温度を約110℃、(d−1)は基板温度を約135℃に設定した時の結果である。図3の(a−1),(b−1),(c−1),(d−1)からわかるように、基板温度によってナノドットのサイズと密度が変化している。また、図3(d−1)においては、凹凸のあるGe薄膜が形成されており、独立したナノドットは形成されていない。図3(d−1)の条件においてナノドットが形成されなかった理由は、Bi層の形成後、Ge原料の供給までの待機時間中に、Bi原子が試料表面から脱離したものと考えられる。従って、基板温度がこの温度付近、あるいはより高い条件では、表1の工程7において、Bi原料の同時供給を行う必要があることになる。
次に、図3の(a−2),(b−2),(c−2)は、基板温度を約110℃一定とし、(d−2)は基板温度を約75℃一定とし、Biの等価膜厚を変化させている。図3の(a−2)は、Biの供給なしの場合、(b−2)はBiの等価膜厚0.3nm、(c−2)はBiの等価膜厚1nm、(d−2)はBiの等価膜厚2nmの場合である。
図3の(a−2)のBiの供給なしの場合には、凹凸のあるGe薄膜が形成されており、独立したナノドットは形成されていない。図3(b−2)のBiの等価膜厚0.3nmの場合、および図3(c−2)のBiの等価膜厚1nmの場合には、密度と大きさの異なるGeナノドットが形成されていることがわかる。このことは、Biの等価膜厚を変化させることによっても、ナノドットのサイズと密度を制御できることを示している。
また、Biの等価膜厚を2nmとした図3(d−2)においては、ドット同士が結合した巨大ドットの形成が始まっていることがわかる。これらのことより、基板温度,基板の種類、ナノドットの種類によって最適範囲は異なるものの、Biの等価膜厚には適切な範囲が存在することがわかる。なお、工程5を加え、Siからなる半導体層を形成してこの上にナノドットを形成した場合においても、同様の結果が得られている。
次に、図3の(a−3)は、基板をSiO2から構成し、基板温度は約110℃、Biの等価膜厚を1nmとした結果である。(c−1),(c−2)と同様に、Geナノドットが形成されている。なお、この条件においも、工程5を加え、Siからなる半導体層を形成してこの上にナノドットを形成した場合においても、同様の結果が得られている。また、Siからなる半導体層を形成する場合、基板として、ポリイミド薄膜、PET薄膜、ステンレス薄板、アルミニウム薄板を使用した場合においても同様の結果が得られている。
次に、図3の(a−4),(b−4),(c−4)は、Si基板を用い、その面方位における傾斜角を変えた場合である。なお、基板温度は約110℃、Biの等価膜厚を1nmとした結果である。
まず、図3の(a−4)は、面方位がほぼ(100)JUSTのエピタキシャルSi基板を用いた結果を示している。また、図3の(b−4)は、面方位が(100)から傾斜角1°までの間で微傾斜している、鏡面研磨したSi基板を使用した結果を示している。また、図3の(c−4)は、面方位が(100)から約1°傾斜している、鏡面研磨基板を使用した結果を示している。
図3の(a−4),(b−4),(c−4)からわかるように、基板の傾斜角によってナノドットのサイズと密度が変化してる。図3の(a−4),(b−4),(c−4)より、密度を最大にする基板の傾斜角が0°より大きく1°より小さい範囲に存在することがわかる。なお、基板の面方位は、(100)面、(111)面、または(110)面のいずれであっても、これらに等価な面から1°未満の傾斜角度にて該傾斜角度を調整することで、形成されるナノドットのサイズと密度を制御することができる。
なお、上述した実施例1では、高真空蒸着装置を用いたが、ナノ構造の製造に用いる装置は高真空蒸着装置に限定されず、分子線エピタキシー装置(MBE)、プラズマCVD装置(p−CVD)、光CVD装置、真空紫外光CVD装置、スパッタリング装置、ECRスパッタリング装置、およびパルスレーザデポジション装置(PLD)のいずれの装置を用いてもよい。例えば、プラズマCVD装置、光CVD装置、真空紫外光CVD装置においては、トリメチルビスマス(TMBi)をBiの原料として用いることができる。
上述したように、実施例1によれば、半導体、絶縁体(誘電体)、金属からなる基板上、または基板上に薄膜層を少なくとも1層形成した複合基板上に、SiまたはGeまたはSnまたはそれらの混晶からなるナノドットを自己形成手法により形成する工程において、BiまたはBi前駆体となる原料を、ナノドット原料供給前に、またはナノドット原料と同時に供給することにより、サイズが基板面内で均一なIV族半導体ナノドットを、サイズおよび密度を制御可能に形成することができる。また、IV族半導体ナノドットを、300℃未満と従来よりも低温で形成することができる。特に、IV族半導体ナノドットのうちGeナノドットにおいては、室温付近の基板温度でも高密度で高均一なナノドットが形成できる。
また、実施例1によれば、ナノドットの形成工程において、BiまたはBi前駆体となる原料の供給量を調整し、基板上に形成されるBiの等価膜厚を0.3nm以上3nm以下の所望の値(1原子層以上10原子層以下)にすることで、形成されるIV族半導体ナノドットのサイズと密度を制御することができるようになる。
また、実施例1によれば、ナノドットの形成工程において、ナノドットを形成する基板はSi基板またはGe基板であり、その面方位は(100)面、(111)面、または(110)面のいずれであっても、これらに等価な面から1°未満の傾斜角度にて該傾斜角度を調整することで、形成されるナノドットのサイズと密度を制御することができるようになる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2におけるナノ構造の製造方法について表2を用いて説明する。はじめに、ナノ構造の構成について図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施例2におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。
図4の(a)に示すナノ構造は、半導体基板201の上に、半導体層202が形成され、半導体層202の上に複数の半導体ナノドット204が形成されている。また、半導体ナノドット204は、半導体からなる被覆層205に覆われている。
また、図4の(b)に示すナノ構造は、半導体層202の上に絶縁層206が形成され、絶縁層206の上に複数の半導体ナノドット204が形成されている。また、半導体ナノドット204は、絶縁体からなる被覆層207に覆われている。
これらに加え、図4の(c)に示すように、被覆層207の上に接続する電極208,および半導体基板201の裏面に接続する電極209を備えるようにしてもよい。この構成とすることで、ナノドットをフローティングゲートとするメモリ素子が実現できる。なお、半導体基板に限らず、絶縁体(誘電体)基板あるいは金属基板を用いてもよい。
実施例2では、図2を用いて説明したナノ構造とは異なり、Bi層が存在していない。ただし、製造条件によっては1原子層相当量以下の極微量のBiが残存する場合もある。
次に、実施例2におけるナノ構造の製造方法について表2を用いて説明する。表2に示すように、実施例2では、前述した実施例1に対し、まず、工程8の「第1の等温熱処理工程または第1の熱処理工程」が追加されている。また、実施例2では、工程9の「第2の熱処理工程」が追加されている。
実施例2の工程8では、ナノドットを形成した後に、真空中または水素を含む気体雰囲気中または不活性な気体雰囲気中において、ナノドットを形成した基板を工程7のナノドット形成温度に保ったまま一定時間保持する(第1の等温熱処理工程)。あるいは、工程8において、工程7のナノドット形成温度より高い温度に昇温した後に一定時間保持するようにしてもよい(第1の熱処理工程)。
この工程8は、工程7の後に試料表面に存在するBi原子を脱離させるための工程であり、この工程8の温度を100℃以上とすることにより、表面に吸着したBi原子を脱離させることができる。ただし、工程8の処理温度が高すぎると、ナノドット同士の合体が進行し、転位を含む密度の低い巨大ドットが形成されてしまう。特に、400℃を越えるとこの巨大ドット形成が進行する。従って、実施例2における工程8の上限温度は、400℃未満とする。
実施例2の工程9では、上記工程8における第1の等温熱処理工程あるいは第1の熱処理工程の後に、基板温度をこれらの熱処理工程よりも高い温度に昇温させ、この後、一定時間保持する(第2の熱処理工程)。実施例2の工程9の「熱処理工程」は、ナノドットが堆積時にアモルファスであった場合にはナノドットを結晶化し、堆積時から結晶であった場合には結晶性を向上させるために行われる。また、工程9により、ナノドットの大きさや密度を調整することもできる。順次基板温度を昇温させながら、工程9を複数回繰り返すようにしてもよい。
次に、実際に作製したドットについて図5を用いて説明する。図5は、実施例2において実際に作製したナノドット(途中工程)をAFMで観察した結果を示す写真である。これらは、形成装置として高真空蒸着装置を用いて作成した。工程7において供給した原料はGeのみである。また、Biの同時供給は行っていない。また、半導体基板を用いた。
また、工程8の「第1の等温熱処理工程または第1の熱処理工程」を経ずに、工程9の「熱処理工程」を500℃・5分間実施している。また、図5の(a)は、工程6のBi層形成を実施していない結果を示している。図5の(b)および(c)は、各々、Bi層厚0.3nmおよび1nmとしている。
図5の(b)では、ナノドットが観察されている。従って、この条件では、形状を保ちながらアモルファスナノドットから結晶ナノドットに変化していることがわかる。これに対し、図5の(c)では、巨大ドットが形成されている状態が観察されている。Bi層厚1nmの条件において、上記巨大ドット形成を防ぐためには、工程8で表面に吸着したBi原子を脱離させた後に、工程9の「熱処理工程」を行えばよい。
実施例1で示した図3(a−1)〜(d−1)は、工程8が有効となる温度を示唆するものとなっている。Geナノドットの形成温度が約135℃の場合には、Biが脱離してサーファクタント効果を示さなくなっている。なお、この温度は、処理時間や製造方法にも依存する。また、工程8の上限温度に関しては、Bi層厚1nmの条件において400℃・5分間の熱処理で巨大ドットが形成されることが実験によって確認されており、この温度未満とすることが必要である。
なお、実施例2においても、高真空蒸着装置を用いたが、ナノ構造の製造に用いる装置は高真空蒸着装置に限定されず、分子線エピタキシー装置(MBE)、プラズマCVD装置(p−CVD)、光CVD装置、真空紫外光CVD装置、スパッタリング装置、ECRスパッタリング装置、およびパルスレーザデポジション装置(PLD)のいずれの装置を用いてもよい。例えば、プラズマCVD装置、光CVD装置、真空紫外光CVD装置においては、トリメチルビスマス(TMBi)をBiの原料として用いることができる。
また、図4の(c)を用いて説明した量子ドットフローティングゲートメモリ素子のゲート部分の構造を、集積回路の構造として普及しているSi−CMOS構造に整合させるためには、半導体基板201をSiから構成すればよい。また、半導体ナノドット204は、SiまたはGeまたはSiGeまたはGeSnとすればよい。また、半導体層202は、SiまたはGeまたはSiGeから構成すればよい。
()内は省略または選択可。{8,9はいずれかを選択、または両方を実行する}。
*1:均一な薄膜が形成された場合を仮定した膜厚。
*2:Fターミネーション・・・弗素原子または弗素を含む分子で表面を覆う工程
Sターミネーション・・・硫黄原子または硫黄を含む分子で表面を覆う工程
*3:高真空蒸着装置あるいはMBE装置あるいはPLD装置の場合には真空排気。各種CVDあるいは各種スパッタリング装置の場合には真空排気とガス導入を行う。
*4:使用する基板が半導体基板の場合には必要に応じて熱処理、プラズマ処理、スパッタリングなどの手法を用いて表面自然酸化膜の除去を行う。
*5:手法に適した基板温度とする。
*6:形成する層に適した基板温度とする。
*7:形成する層に適した原料とする。
*8:作製する素子に適した膜厚とする。
上述したように、実施例1によれば、ナノドットの形成工程の後に、真空中または水素を含む気体雰囲気中または不活性な気体雰囲気中において、ナノドットを形成した基板を、ナノドット形成温度に保ったまま一定時間保持する第1の等温熱処理工程、あるいは基板温度をナノドット形成温度より高い温度に昇温した後に一定時間保持する第1の熱処理工程を設けることで、試料表面に吸着したBiが離脱され、第1の等温熱処理工程または第1の熱処理工程以前に形成されたナノドットが相互に合体して密度が低下すること抑制できる。
また、第1の等温熱処理工程または第1の熱処理工程の後に、基板温度を先の熱処理工程より順次前昇温させた第2の熱処理工程を1回ないし複数回行うことで、ナノドットや中間層に含まれる点欠陥を減らすことができる。あるいは、熱処理工程以前に形成されたナノドットや中間層がアモルファスである場合にはこれを結晶化させることができる。さらには、形成されるナノドットのサイズや密度が、制御できるようになる。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3におけるナノ構造の製造方法について表3を用いて説明する。はじめに、ナノ構造の構成について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施例3におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。
図6の(a)に示すナノ構造は、半導体基板201の上に、半導体層202が形成され、半導体層202の上に、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層(第1被覆層)251からなる、複数のナノドット層が形成されている。また、複数のナノドット層による積層構造の上は、被覆層(第2被覆層)205で覆われている。
また、図6の(b)に示すナノ構造は、半導体層202の上に絶縁層206が形成され、絶縁層206の上に、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う絶縁体からなる中間被覆層(第1被覆層)271からなるナノドット層が、2層形成されている。また、複数のナノドット層による積層構造の上は、被覆層(第2被覆層)207で覆われている。
実施例3では、ナノドットの形成および被覆層の形成を複数回繰り返している。なお、実施例3では、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。ここで各半導体ナノドットは実施例2による作製工程によって形成されている。
()内は省略または選択可。{8,9はいずれかを選択、または両方を実行する}。
*1:均一な薄膜が形成された場合を仮定した層厚。
*2:Fターミネーション・・・弗素原子または弗素を含む分子で表面を覆う工程
Sターミネーション・・・硫黄原子または硫黄を含む分子で表面を覆う工程
*3:高真空蒸着装置あるいはMBE装置あるいはPLD装置の場合には真空排気。各種CVDあるいは各種スパッタリング装置の場合には真空排気とガス導入を行う。
*4:使用する基板が半導体基板の場合には必要に応じて熱処理、プラズマ処理、スパッタリングなどの手法を用いて表面自然酸化膜の除去を行う。
*5:手法に適した基板温度とする。
*6:形成する層に適した基板温度とする。
*7:形成する層に適した原料とする。
*8:作製する素子に適した層厚とする。
以上に説明したように、実施例3によれば、ナノドットの形成工程、中間層となる半導体層または絶縁体層の形成工程、および各熱処理工程を、複数回繰り返すことにより、ナノドットの多層構造を形成するようにした。このような多層構造は、太陽電池、受光素子、発光素子などの各種光学デバイスの製造に用いることができる。
なお、ナノ構造の製造に用いる装置は高真空蒸着装置に限定されず、分子線エピタキシー装置(MBE)、プラズマCVD装置(p−CVD)、光CVD装置、真空紫外光CVD装置、スパッタリング装置、ECRスパッタリング装置、およびパルスレーザデポジション装置(PLD)のいずれの装置を用いてもよい。例えば、プラズマCVD装置、光CVD装置、真空紫外光CVD装置においては、トリメチルビスマス(TMBi)をBiの原料として用いることができる。
[実施例4]
次に、本発明の実施例4におけるナノ構造の製造方法について表4を用いて説明する。はじめに、ナノ構造の構成について図7を用いて説明する。図7は、本発明の実施例4におけるナノ構造の構成を模式的に示す断面図である。
図7の(a)に示すナノ構造は、半導体基板201の上に、半導体層202が形成され、半導体層202の上に、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251からなる、複数のナノドット層が形成されている。また、複数のナノドット層による積層構造の上は、被覆層205で覆われている。加えて、実施例4では、複数のナノドット層の積層構造が、パターニングされ、例えば、複数の柱状構造とされている。
また、図7の(b)に示すナノ構造は、半導体層202の上に絶縁層206が形成され、絶縁層206の上に、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う絶縁体からなる中間被覆層271からなるナノドット層が、2層形成されている。また、複数のナノドット層による積層構造の上は、被覆層207で覆われている。加えて、実施例4では、複数のナノドット層の積層構造が、パターニングされ、例えば、複数の柱状構造とされている。
実施例4でも、前述した実施の形態3と同様に、ナノドットの形成および被覆層の形成を複数回繰り返している。なお、実施例4でも、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。
表4に示す実施例4の製造方法(製造工程表)では、前述した実施の形態3の製造工程(表3)に対し、工程12の形状加工プロセス手順(省略可能)、および工程13の熱処理工程が加えられている。
工程12の形状加工プロセスは、公知のリソグラフィープロセスおよびエッチングプロセスを用い、被覆層205または被覆層207、中間層となる中間被覆層251または中間被覆層271、半導体ナノドット204の層、絶縁層206,半導体層202が、例えば柱状形状など所望の形状になるようパターニング(加工)する工程である。図7では、これらの層を半導体基板201に垂直な面に沿った垂直な構造体に加工する例を記載しているが、本実施例における形状加工プロセスは、このような構造体の加工に限定されるものではない。
工程13の熱処理工程は、工程12の形状加工プロセスの後、工程11での基板温度ないしはこの基板温度よりも高い基板温度により、形成したナノ構造(半導体基板201)を一定時間保持する工程である。
実施例4では、特に形状加工プロセスにおいて、フォトレジスト等を用いたリフトオフ手法を用いる場合では、フォトレジスト等を除去した後に最も高温な熱処理工程を行うため、フォトレジスト等の耐熱温度以上の基板温度条件による熱処理を行うことができる。なお、上記リフトオフ手法を用いた形状加工プロセスを導入する場合には、工程1の前にフォトレジスト等によるリフトオフパターン形成が行われる(後述の実施例6で説明する)。
なお、工程11までの製造方法に関しては、高真空蒸着装置を用いたが、ナノ構造の製造に用いる装置は高真空蒸着装置に限定されず、分子線エピタキシー装置(MBE)、プラズマCVD装置(p−CVD)、光CVD装置、真空紫外光CVD装置、スパッタリング装置、ECRスパッタリング装置、およびパルスレーザデポジション装置(PLD)のいずれの装置を用いてもよい。例えば、プラズマCVD装置、光CVD装置、真空紫外光CVD装置においては、トリメチルビスマス(TMBi)をBiの原料として用いることができる。また、工程13の熱処理工程においては、上記装置の他、各種の熱処理装置を用いることができる。
()内は省略または選択可。{8,9はいずれかを選択、または両方を実行する}。
*1:均一な薄膜が形成された場合を仮定した層厚。
*2:Fターミネーション・・・弗素原子または弗素を含む分子で表面を覆う工程
Sターミネーション・・・硫黄原子または硫黄を含む分子で表面を覆う工程
*3:高真空蒸着装置あるいはMBE装置あるいはPLD装置の場合には真空排気。各種CVDあるいは各種スパッタリング装置の場合には真空排気とガス導入を行う。
*4:使用する基板が半導体基板の場合には必要に応じて熱処理、プラズマ処理、スパッタリングなどの手法を用いて表面自然酸化膜の除去を行う。
*5:手法に適した基板温度とする。
*6:形成する層に適した基板温度とする。
*7:形成する層に適した原料とする。
*8:作製する素子に適した層厚とする。
[実施例5]
次に、本発明の実施例5におけるナノ構造の製造方法について表5を用いて説明する。実施例5では、ナノドット,各被覆層における未結合手の終端を行う。未結合手の終端を加えることにより、ナノ構造に非晶質あるいは多結晶の領域が含まれる場合には、原子間の価電子における未結合手を水素などで終端し、不活性化することができる。
実施例5では、前述した実施例1−4におけるナノ構造の製造工程の最終工程として、表5の未結合手の終端処理工程(工程2)を実施する。
なお、未結合手の終端処理工程としては、水素または水素と不活性なガスの混合気体中における熱処理、水素プラズマ処理、高圧水蒸気処理などを用いることができる。
実施例5では、ナノ構造の製造工程の最終工程として未結合手の終端処理工程を設けることにより、これ以前の工程によって形成されたナノドットや中間層に含まれる原子の未結合手を水素などで終端し、不活性化させることができる。
[実施例6]
次に、本発明の実施例6について説明する。以下では、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251からなる、複数のナノドット層をパターニングして複数の柱状構造を形成する工程例について、図8および図9を用いて説明する。図9は、1つの柱状構造の平面方向には、1つの半導体ナノドット204が形成されるように、柱状構造の平面方向の広さとナノドットの形成条件を整合させた場合の例を示している。
まず、図8の(a)または図9の(a)に示すように、半導体基板201の上に、柱状構造を形成する箇所に開口を有するレジストパターン801を形成する。レジストパターン801は、公知のフォトリソグラフィー技術により形成すればよい。
次に、図8の(b)または図9の(b)に示すように、前述した実施例1〜5で説明したいずれかのナノ構造の製造方法により、半導体層202,半導体ナノドット204の層,中間被覆層251,被覆層205などの各層を積層する。各層は、レジストパターン801の上面、およびレジストパターン801の開口底部の半導体基板201の上に形成される。
次に、公知のリフトオフによりレジストパターン801を除去する。この除去により、レジストパターン801の上に形成されていた各層も同時に除去され、図8の(c)または図9の(c)に示すように、半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251などから構成された複数の柱状構造が得られる。所望とする箇所にレジストパターン801の開口部を形成し、また、複数の開口部を配列させれば、この開口部の位置に柱状構造としたナノ構造が形成できる。
また、図9に示すように、柱状構造の平面方向のサイズ、および半導体ナノドット204の形成条件を整合させて平面方向に1つのナノドットを形成する条件とすれば、ナノドットの形状やサイズが面内や上下方向において均一となる。なお、実施例6では、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。
実施例6によれば、半導体材料からなる少なくとも1個以上の柱状構造中にナノドットが埋め込まれた構造を、基板上の所定の位置あるいは所定の配列形状に製造することができるようになる。
[実施例7]
次に、本発明の実施例7について説明する。以下では、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251からなる、複数のナノドット層をパターニングして複数の柱状構造を形成する工程例について、図10および図11を用いて説明する。図11は、1つの柱状構造の平面方向には、1つの半導体ナノドット204が形成されるように、柱状構造の平面方向の広さとナノドットの形成条件を整合させた場合の例を示している。
まず、図10の(a)または図11の(a)に示すように、半導体基板201の上に、柱状構造を形成する箇所に開口を有する絶縁体パターン802を形成する。絶縁体パターン802は、例えば酸化シリコンなどの絶縁体から構成する。例えば、絶縁体の膜を形成し、この膜を公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、絶縁体パターン802が形成できる。
次に、図10の(b)または図11の(b)に示すように、前述した実施例1〜5で説明したいずれかのナノ構造の製造方法により、半導体層202,半導体ナノドット204の層,中間被覆層251,被覆層205などの各層を積層する。各層は、絶縁体パターン802の上面、および絶縁体パターン802の開口底部の半導体基板201の上に形成される。
次に、公知のリフトオフにより絶縁体パターン802を除去する。この除去により、絶縁体パターン802の上に形成されていた各層も同時に除去され、図10の(c)または図11の(c)に示すように、半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251などから構成された複数の柱状構造が得られる。所望とする箇所に絶縁体パターン802の開口部を形成し、また、複数の開口部を配列させれば、この開口部の位置に柱状構造としたナノ構造が形成できる。
また、図11に示すように、柱状構造の平面方向のサイズ、および半導体ナノドット204の形成条件を整合させて平面方向に1つのナノドットを形成する条件とすれば、ナノドットの形状やサイズが面内や上下方向において均一となる。なお、実施例7では、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。
実施例7によれば、半導体材料からなる少なくとも1個以上の柱状構造中にナノドットが埋め込まれた構造を、基板上の所定の位置あるいは所定の配列形状に製造することができるようになる。
[実施例8]
次に、本発明の実施例8について説明する。以下では、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251からなる、複数のナノドット層をパターニングして複数の柱状構造を形成する工程例について、図12および図13を用いて説明する。図13は、1つの柱状構造の平面方向には、1つの半導体ナノドット204が形成されるように、柱状構造の平面方向の広さとナノドットの形成条件を整合させた場合の例を示している。
まず、図12の(a)または図13の(a)に示すように、半導体基板201の上に、柱状構造を形成する箇所に開口を有する半導体パターン803を形成する。例えば、半導体の膜を形成し、この膜を公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、半導体パターン803が形成できる。
次に、図12の(b)または図13の(b)に示すように、前述した実施例1〜5で説明したいずれかのナノ構造の製造方法により、半導体層202,半導体ナノドット204の層,中間被覆層251,被覆層205などの各層を積層する。各層は、半導体パターン803の上面、および半導体パターン803の開口底部の半導体基板201の上に形成される。
次に、半導体パターン803の上部に形成されている各層を除去する。例えば、方向性エッチング特性を有するドライエッチングにより、当該基板の垂直方向に対し角度をつけた斜め入射方向からのエッチングにより、開口部分以外の半導体パターン803の上部に形成されている各層を除去する。この除去により、図12の(c)または図13の(c)に示すように、半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251などから構成された複数の柱状構造が、半導体パターン803に囲まれた状態で得られる。所望とする箇所に半導体パターン803の開口部を形成し、また、複数の開口部を配列させれば、この開口部の位置に柱状構造としたナノ構造が形成できる。
また、図13に示すように、柱状構造の平面方向のサイズ、および半導体ナノドット204の形成条件を整合させて平面方向に1つのナノドットを形成する条件とすれば、ナノドットの形状やサイズが面内や上下方向において均一となる。なお、実施例8では、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。
実施例8によれば、半導体材料からなる少なくとも1個以上の柱状構造中にナノドットが埋め込まれた構造を、基板上の所定の位置あるいは所定の配列形状に製造することができるようになる。
[実施例9]
次に、本発明の実施例9について説明する。以下では、複数の半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251からなる、複数のナノドット層をパターニングして1つの柱状構造を形成する工程例について、図14および図15を用いて説明する。図15は、1つの柱状構造の平面方向には、1つの半導体ナノドット204が形成されるように、柱状構造の平面方向の広さとナノドットの形成条件を整合させた場合の例を示している。
まず、図14の(a)または図15の(a)に示すように、半導体基板201の上に、柱状構造を形成する箇所を含めた複数の開口を有する半導体パターン803を形成する。例えば、半導体の膜を形成し、この膜を公知のフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、半導体パターン803が形成できる。次いで、柱状構造を形成する箇所のみが開口するレジストパターン804を、半導体パターン803の上に形成する。レジストパターン808は、公知のフォトリソグラフィー技術によりフォトレジストをパターニングすることで形成すればよい。
次に、図14の(b)または図15の(b)に示すように、前述した実施例1〜5で説明したいずれかのナノ構造の製造方法により、半導体層202,半導体ナノドット204の層,中間被覆層251,被覆層205などの各層を積層する。各層は、レジストパターン804の上面、およびレジストパターン804の開口における半導体パターン803の開口底部の半導体基板201の上に形成される。
次に、公知のリフトオフによりレジストパターン804を除去する。この除去により、レジストパターン804の上に形成されていた各層も同時に除去され、図14の(c)または図15の(c)に示すように、半導体ナノドット204および半導体ナノドット204を覆う中間被覆層251などから構成された柱状構造が、半導体パターン803に形成した1つの開口部分に得られる。半導体パターン803に形成した複数の開口の中の所望とする部分に、柱状構造としたナノ構造が形成できる。
また、図15に示すように、柱状構造の平面方向のサイズ、および半導体ナノドット204の形成条件を整合させて平面方向に1つのナノドットを形成する条件とすれば、ナノドットの形状やサイズが、ナノドットの配列構造を形成した場合には相互に均一となり、複数ドットを積層した場合には、上下方向において均一となる。なお、実施例9では、半導体基板201を用いるようにしたが、これに限るものではなく、絶縁体基板や金属基板を用いるようにしてもよい。
実施例9によれば、半導体材料からなる1つの柱状構造中にナノドットが埋め込まれた構造を、基板上の所定の位置あるいは所定の配列形状に製造することができるようになる。ここで、実施例9における半導体層202,中間被覆層251,被覆層205は、アモルファスSiまたは微結晶Siまたは結晶Siから構成することができる。また、半導体ナノドット204は、GeまたはSiGeまたはGeSnとすることができる。特に、半導体ナノドット204を、直接遷移となる組成のGeSnから構成した構成した場合には、超小型の発光ダイオードや半導体レーザ素子を構成することができる。
図14,図15では、半導体ナノドットを単層としているが、半導体ナノドット構造を多層としてもよく、多層とすることで光学ゲインを大きくすることができる。
なお、実施例9では、基板が半導体の場合を例にして示したが、これに限るものではなく、絶縁体基板や、SOI(Silicon on Insulator)などの、半導体と絶縁体の複合構造基板とすることも可能である。
また、実施例9におけるフォトレジストによるレジストパターンを用いたリフトオフ手法に換え、実施例7に示したように、絶縁材や金属,また半導体からなるマスクパターンを用いたリフトオフ手法によって同様の構造を作製するようにしてもよい。
実施例9によれば、半導体基板または絶縁体基板またはそれらの複合構造からなる基板内上に、光の波長オーダの2次元的な屈折率の周期構造を有するフォトニック結晶構造を備え、このフォトニック結晶構造のうち、特定位置の一部の空孔中にナノドットが形成されたフォトニック結晶構造を製造することができるようになる。特にナノドットが空孔中の1平面内に1つだけ形成されるように空孔の直径とナノドットの形成条件を整合してナノドット形成すれば、ナノドットを正確に空孔の中心に配置されることができる。これにより、フォトニック結晶の周期に正確に整合した位置にナノドットを形成させることができる。
[実施例10]
次に、本発明の実施例10について、図16を用いて説明する。このナノ構造は、まず、半導体基板201の上に形成された、複数の開孔を有する絶縁体パターン802を備える。また、絶縁体パターン802の各開口内部には、絶縁層206,半導体ナノドット204,絶縁体からなる被覆層207が形成されている。また、絶縁体パターン802、および開口内の各被覆層207を覆うように、電極208が形成されている。図16の(b)においては、1つの絶縁層206の平面方向には、1つの半導体ナノドット204が形成されるように、平面方向の広さとナノドットの形成条件を整合させた場合の例を示している。
実施例10では、半導体ナノドット204をフローティングゲートとし、量子ドットフローティングゲートメモリを構成している。図16は、このゲート構造の一部分を示している。ここで、半導体ナノドット204は、SiまたはGeまたはSiGeまたはGeSnとすることができる。
上述した構成の実施例10によれば、量子ドットフローティングゲートメモリを構成しているフローティングゲートとなる半導体ナノドット204の大きさを均一にできるため、動作電圧が均一な素子が作製できることに加え、このメモリ素子を安価に作製することができる。
[実施例11]
次に、本発明の実施例11について、図17を用いて説明する。以下では、ナノ構造を単一電子トランジスタに適用した場合について説明する。まず、図17の(a)に示すように、開口を有する絶縁体パターン802,電極層210,絶縁体パターン805を形成する。
次に、図17の(b)に示すように、前述した実施例1〜5で説明したいずれかのナノ構造の製造方法により、半導体層202,絶縁層206,半導体ナノドット204の層,絶縁体からなる被覆層207などの各層を積層する。加えて、電極層281を形成する。各層は、絶縁体パターン805の上面、および絶縁体パターン802の開口底部の半導体基板201の上に形成される。
次に、絶縁体パターン805の上部に形成されている各層を除去する。例えば、方向性エッチング特性を有するドライエッチングにより、当該基板の垂直方向に対し角度をつけた斜め入射方向からのエッチングにより、開口部分以外の絶縁体パターン805の上部に形成されている各層を除去する。この除去により、図17の(c)に示すように、半導体層202,絶縁層206,半導体ナノドット204の層,被覆層207,および電極層281などから構成された素子領域が、絶縁体パターン802,電極層210,および絶縁体パターン805からなる構造部に囲まれた状態で得られる。
次に、図17の(d)に示すように、一方の電極層210の上の一部の絶縁体パターン805を除去し、領域210aを露出させる。また、半導体基板201の裏面に接続する電極209を形成する。これにより、領域210aの電極層210をゲート電極とし、電極281をドレイン電極とし、電極209をソース電極とする単一電子トランジスタが得られる。
実施例11によれば、単一電子トランジスタの量子ドットの大きさを均一にできるため、動作電圧が均一な素子が作製できる。また、同単一電子トランジスタを安価に作製することができる。
[実施例12]
次に、本発明の実施例12について説明する。以下では、ナノ構造を太陽電池に適用した場合について説明する。図18,図19,図20,図21は、ナノ構造を用いた太陽電池の構成を示す断面図である。
図18に示す太陽電池は、半導体基板201の上に形成された第1太陽電池セル301と、第2太陽電池セル302とから構成されている。まず、半導体基板201の上には、n型の半導体層202が形成され、n型の半導体層202の上に第1太陽電池セル301が形成されている。
第1太陽電池セル301は、複数の半導体ナノドット204、および半導体ナノドット204を覆うn型の半導体の中間被覆層251aからなる、複数のナノドット層を備える。また、第1太陽電池セル301は、複数の半導体ナノドット204、および半導体ナノドット204を覆うp型の半導体の中間被覆層251bからなる、複数のナノドット層を備える。
また、第2太陽電池セル302は、n型の半導体層205aと、p型の半導体層205bとから構成されている。また、半導体層205bの上には電極208aが形成され、半導体基板201の裏面には電極209が形成されている。
図19に示す太陽電池は、絶縁体基板201aの上に形成された第1太陽電池セル301と、第3太陽電池セル302とから構成されている。まず、まず、絶縁体基板201aの上には、n型の半導体層202が形成され、n型の半導体層202の上に第1太陽電池セル301が形成されている。第1太陽電池セル301および第2太陽電池セル302は、上述同様である。この太陽電池は、半導体層205bの上には電極208aが形成され、絶縁体基板201aと半導体層202との間に、電極209aが形成されている。
図20に示す太陽電池は、半導体基板201の上に形成された第1太陽電池セル301と、第2太陽電池セル302と、第3太陽電池セル303とから構成されている。第1太陽電池セル301,第2太陽電池セル302は、上述した太陽電池と同様である。この太陽電池は、半導体基板201の上に形成されたn型の半導体層202aおよびp型の半導体層202bを備え、第3太陽電池セル303の上に、第1太陽電池セル301が形成されている。半導体層205bの上には電極208aが形成され、半導体基板201の裏面には電極209が形成されている。
図21に示す太陽電池は、絶縁体基板201aの上に形成された第1太陽電池セル301と、第2太陽電池セル302と、第3太陽電池セル303とから構成されている。第1太陽電池セル301,第2太陽電池セル302は、上述した太陽電池と同様である。この太陽電池は、絶縁体基板201aの上に形成されたn型の半導体層202aおよびp型の半導体層202bを備え、第3太陽電池セル303の上に、第1太陽電池セル301が形成されている。また、半導体層205bの上には電極208aが形成され、絶縁体基板201aと半導体層202aとの間に、電極209aが形成されている。
ここで、第2太陽電池セル302および第3太陽電池セル303セルは、例えば、アモルファスSiまたは微結晶Siから構成することができる。また、半導体層205aおよび半導体層205bも同様に、アモルファスSiまたは微結晶Siとすることができる。また、半導体ナノドット204は、GeまたはSiGeまたはGeSnから構成することができる。また、第2太陽電池セル302の上にさらに、半導体層からなるpn接合による太陽電池セルを積層することもできる。この場合、最上部の太陽電池セルはアモルファスSiから構成し、第2太陽電池セルは微結晶Siから構成すればよい。
また、半導体基板201を用いる場合、各半導体層は、単結晶Siから構成することができる。また、半導体ナノドット204は、GeまたはSiGeまたはGeSnから構成することができる。さらに、最上部にSiナノドットがSiO2やSiよりもバンドギャップの大きい半導体中に埋め込まれたナノ構造からなるpn接合を加えることができる。また、半導体基板201は、金属基板としてもよい。
実施例12によれば、様々なタンデム構造の太陽電池を、各種の基板上に安価に作製することができる。特に、絶縁体基板201aを用いる構成では、安価なガラス、安価でフレキシブルなポリイミドフィルム、PETフィルム等を基板として用いることができる。また、金属基板を用いる構造においては、安価でフレキシブルなステンレス材薄板等を基板として用いることができる。
[実施例13]
次に、本発明の実施例13について説明する。以下では、ナノ構造を太陽電池に適用した場合について説明する。図22は、ナノ構造を用いた太陽電池の構成を示す断面図である。
この太陽電池は、n型の半導体基板201の上に形成されたn型の半導体層202と、n型の半導体層202の上に形成された複数の半導体ナノドット204と、半導体ナノドット204を覆うn型の半導体の中間被覆層251aとを備える。半導体ナノドット204と中間被覆層251とからなるナノドット層は、複数層が積層されている。また、積層されたナノドット層の上には、p型の半導体層205が形成され、半導体層205の上には電極208aが形成され、半導体基板201の裏面には電極209が形成されている。
各半導体の層は、結晶シリコンから構成すればよい。また、半導体ナノドット204は、GeまたはSiGeまたはGeSnから構成すればよい。実施の形態13における太陽電池は、中間バンド型量子ドット太陽電池、マルチエキシトン生成型量子ドット太陽電池、ホットキャリア型量子ドット太陽電池とすることができる。
以上に説明したように、本発明によれば、BiあるいはBiの前駆体となる原料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給し、Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含むIV族半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により基板の上に形成するようにしたので、IV族半導体によるナノドットが、サイズや密度を自由に制御して形成できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
なお、Biをサーファクタントとして用い、III-V族化合物半導体のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により基板の上に形成する技術はすでに提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2の技術においては、IV族半導体によるナノドットの形成については、何ら実現されていない。本発明は、発明者らの鋭気の検討により、IV族半導体においてBiまたはBiの前駆体材料を半導体材料の供給前、あるいは半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給することで、ナノドットが形成できるという知見を初めて得たことによりなし得たものである。
201…半導体基板、202…半導体層、203…Bi層、204…半導体ナノドット、205…被覆層。

Claims (9)

  1. Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により基板の上に形成するナノ構造の製造方法であって、
    BiあるいはBiの前駆体となる原料を前記基板の上に供給して前記基板の上にBi層を形成するBi層形成工程と、
    Si,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む原料を前記基板の上に供給して複数の前記ナノドットを形成するナノドット形成工程と、
    前記ナノドット形成工程の後で、原料の供給を停止して前記ナノドット形成工程における基板温度条件以上の基板温度とする加熱工程と
    を備え、
    BiまたはBiの前駆体材料を前記半導体材料の供給前、あるいは前記半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給し
    前記ナノドット形成工程は、前記基板の上にBi層が存在している状態で実施することを特徴とするナノ構造の製造方法。
  2. 請求項記載のナノ構造の製造方法において、
    前記Bi層形成工程と前記ナノドット形成工程は同時に実施することを特徴とするナノ構造の製造方法。
  3. 請求項または記載のナノ構造の製造方法において、
    前記Bi層形成工程並びに前記ナノドット形成工程において温度および前記Bi層の層厚の少なくとも1を制御することで、前記ナノドットの大きさおよび密度を制御することを特徴とするナノ構造の製造方法。
  4. 請求項1〜記載のナノ構造の製造方法において、
    前記加熱工程の後で、原料の供給停止を継続した状態で、前記加熱工程における基板温度条件より高い基板温度とする追加加熱工程を備えることを特徴とするナノ構造の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載のナノ構造の製造方法において、
    前記基板の上に形成された複数の前記ナノドットを覆って前記基板の上に第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
    前記第1被覆層の上にSi,Ge,およびSnのうち少なくとも1つを含む半導体からなる複数のナノドットを、気相堆積法または気相成長法により、BiまたはBiの前駆体材料を前記半導体材料の供給前、あるいは前記半導体材料の供給と同時、あるいはその双方の時点で供給することで、前記第1被覆層の上に形成する工程と、
    前記第1被覆層の上に形成された複数の前記ナノドットを覆って前記第1被覆層の上に第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と
    を備えることを特徴とするナノ構造の製造方法。
  6. 請求項記載のナノ構造の製造方法において、
    前記第2被覆層を形成した後で、前記第2被覆層形成工程における基板温度条件以上の基板温度とする加熱工程を備えることを特徴とするナノ構造の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載のナノ構造の製造方法において、
    前記ナノドットの原子間の価電子における未結合手を終端する工程を備えることを特徴とするナノ構造の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載のナノ構造の製造方法において、
    前記基板は、半導体基板,誘電体基板,および金属基板のいずれかであることを特徴とするナノ構造の製造方法。
  9. 請求項記載のナノ構造の製造方法において、
    前記基板は、Si基板またはGe基板であり、
    前記基板の面方位は、(100)面、(111)面、(110)面のいずれかに等価な面から1度未満の角度だけ傾斜している
    ことを特徴とするナノ構造の製造方法。
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