JP6238172B2 - 分電盤用キャビネットおよび分電盤 - Google Patents

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Description

本発明は、一般に分電盤用キャビネットおよび分電盤に関し、より詳細には導電バーを備える分電盤用キャビネット、およびそれを用いた分電盤に関する。
従来、主幹ブレーカと、複数の分岐ブレーカとを備えた分電盤が広く知られている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の分電盤は、分岐回路に流れる分岐電流を検出する電流計測器(電流センサユニット)と、電流計測器が検出したデータに基づいて信号を出力する計測制御ユニットとを備えている。
この分電盤は、主幹ブレーカに電気的に接続される3本の導電バー(メインバー)を備えている。これら導電バーはベース台に保持されており、分岐ブレーカは導電バーに電気的に接続される。ここで、3本の導電バーのうち電圧相(L1,L2)の導電バーは、導電バー(平板部)の短手方向の一端部が複数の接続端子(分岐バー)に分岐されている。複数の接続端子は導電バーの長手方向に並んでおり、これら複数の接続端子の各々に分岐ブレーカが接続される。
電流計測器は、接続端子に流れる電流を検出する計測部(電流センサ)を有している。計測部は、接続端子が貫通するプリント基板の挿通孔の周囲に形成されたロゴスキ型の空芯変流器である。これにより、電流計測器は各分岐ブレーカに流れる電流を検出できる。
また、導電バーを備えたこの種の分電盤においては、一般的に、導電バーを保持するベース台(バー支持部材)は合成樹脂成形品である(たとえば特許文献2参照)。さらに、特許文献2によれば、ベース台は、鉄板により形成された支持板(架台)の前面側に取り付けられる。
特開2008−136283号公報 特開2008−253120号公報(段落〔0048〕〔0050〕)
しかし、上述したような構成の従来の分電盤は、導電バーを保持するベース台が取り付けられている支持板が鉄板であるので、導電バーの付近に磁性材料からなる部材(支持板)が存在することになる。そのため、導電バーに比較的大きな電流が流れて導電バーの周囲に磁界が生じたときに、磁束が支持板を通ることで、支持板がない場合に比べて磁束密度が大きくなり、この磁束が計測部での計測に影響を与える可能性がある
本発明は上記事由に鑑みて為されており、導電バーの周囲に生じる磁束を抑制できる分電盤用キャビネット、およびそれを用いた分電盤を提供することを目的とする。
本発明の分電盤用キャビネットは、キャビネット本体と、前記キャビネット本体に固定され、主幹ブレーカから複数の分岐ブレーカへの電力の経路を形成する導電バーとを備え、前記キャビネット本体は、磁性材料からなる支持板と、非磁性材料からなり前記支持板の厚み方向の一面である前面に取り付けられるベース台とを有し、前記導電バーは、前記前面に平行な第1の方向を長手方向とし、前記前面に沿う平面内で前記第1の方向に直交する第2の方向を短手方向とする向きで前記ベース台に固定されており、前記支持板のうち、前記支持板の厚み方向に前記導電バーを投影した領域には、前記支持板を前記第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が前記支持板の他の領域より高くなる磁気抵抗部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、支持板は、その厚み方向において導電バーを投影した領域に、支持板を第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が前記支持板の他の領域より高くなる磁気抵抗部が形成されている。したがって、導電バーの周囲に生じる磁束が支持板を通っても、この磁束が通る磁気回路において磁気抵抗部が磁気抵抗として機能するから、導電バーに電流が流れて導電バーの周囲に磁界が生じたときに、磁気抵抗部がない場合に比べて磁束を低減できる。その結果、分電盤用キャビネットは、導電バーの周囲に生じる磁束を抑制できる、という利点がある。
実施形態1に係る分電盤用キャビネットの要部を示す斜視図である。 実施形態1に係る分電盤を示す正面図である。 実施形態1に係る分電盤の要部を示す斜視図である。 実施形態1に係る分電盤の要部を示す分解斜視図である。 実施形態1に係る分電盤用キャビネットの要部を示す背面図である。 実施形態2に係る分電盤用キャビネットの要部を示す斜視図である。 実施形態3に係る分電盤用キャビネットの支持板を示す正面図である。
(実施形態1)
本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、図2および図3に示すように、キャビネット本体11と、キャビネット本体11に固定され、主幹ブレーカ2から複数の分岐ブレーカ3,3…への電力の経路を形成する導電バー41,42,43とを備えている。
キャビネット本体11は、磁性材料からなる支持板12と、非磁性材料からなり支持板12の厚み方向(図2,3におけるZ軸方向)の一面である前面121に取り付けられるベース台13とを有している。導電バー41,42,43は、前面121に平行な第1の方向(図2,3におけるX軸方向)を長手方向とし、前面121に沿う平面内で前記第1の方向に直交する第2の方向(図2,3におけるY軸方向)を短手方向とする向きでベース台13に固定されている。
図1に示すように、支持板12のうち、支持板12の厚み方向に導電バー41,42,43を投影した領域には、支持板12を前記第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が支持板12の他の領域より高くなる磁気抵抗部(開口部122)が形成されている。
これにより、分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束を抑制できる。すなわち、この分電盤用キャビネット10では、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束が支持板12を通ることがあっても、この磁束が通る磁気回路において磁気抵抗部(開口部122)が磁気抵抗として機能する。そのため、本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43に比較的大きな電流が流れて導電バー41,42,43の周囲に磁界が生じたときに、磁気抵抗部(開口部122)がない場合に比べて磁束を低減できる。
以下、本実施形態に係る分電盤用キャビネット10、およびそれを用いた分電盤1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
なお、本実施形態では、分電盤1が設置される電力の需要家(customer’s facility)が、戸建住宅である場合を例に説明するが、この例に限らず、需要家はたとえば集合住宅の各住戸、事務所、店舗、工場などであってもよい。また、以下では、分電盤1が壁に取り付けられた状態での上下左右(図2の上下左右)を上下左右とし、壁に直交する方向(図2の紙面に直交する方向)を前後方向として説明するが、分電盤1を取り付ける向きを限定する趣旨ではない。さらに以下では、第1の方向となる左右方向を「X軸方向」、第2の方向となる上下方向を「Y軸方向」、第3の方向となる前後方向を「Z軸方向」ともいう。
<基本構成>
本実施形態に係る分電盤1は、図2に示すように、分電盤用キャビネット10と、分電盤用キャビネット10に取り付けられる分電盤用内器(以下、単に「内器」という)とを備えている。内器は、少なくとも主幹ブレーカ2および複数の分岐ブレーカ3,3…を含んでおり、本実施形態ではさらに電流計測器5(図3参照)、計測ユニット6、第1通信アダプタ71、第2通信アダプタ72、第3通信アダプタ73、二次連系ブレーカ8を含んでいる。また、分電盤用キャビネット10は、図2に示す内器以外にも、たとえば一次連系ブレーカ(図示せず)などの内器を取り付けるスペースを有している。
まず、分電盤用キャビネット10の基本構成について説明する。
分電盤用キャビネット10は、図2に示すように、正面視が横長の長方形状となり前面が開口した箱状に形成されており、住宅の壁等に取り付けて使用されるキャビネット本体11を備えている。ここでは、キャビネット本体11には、前面の開口を塞ぐ位置と開放する位置との間で開閉可能な外蓋(図示せず)が取り付けられる。
さらに、キャビネット本体11において外蓋の内側には、キャビネット本体11の前面の開口を塞ぐように内蓋(図示せず)が取り付けられる。この内蓋には、少なくとも主幹ブレーカ2および複数の分岐ブレーカ3,3…の一部を前方に露出させる窓孔(図示せず)が形成されている。図2は、外蓋および内蓋が外された状態の分電盤1を示している。なお、外蓋および内蓋はそれぞれ、分電盤用キャビネット10に含まれていてもよいし、分電盤用キャビネット10に含まれていなくてもよい。
キャビネット本体11は、合成樹脂製であって矩形枠状に形成された枠体110と、枠体110の開口部の上下方向における両側間に架け渡された桟部111〜114とを有している。これら4本の桟部111〜114は、右側から順に桟部111,112,113,114の順に並んでおり、桟部112と桟部113は一体に形成されている。この構成では、キャビネット本体11は、枠体110の開口部によって、前後方向に貫通する孔が後壁に形成されており、この孔を通して背面から内部に配線を引き込むことが可能である。
さらに、キャビネット本体11は、一対の桟部111,112に跨って取り付けられた支持板12およびベース台13(図3参照)を有している。支持板12は、たとえばブリキ(スズめっきされた鉄)などの磁性材料にて形成されている。支持板12は、左右方向の両端部が一対の桟部111,112にねじ止めされることによって固定されている。ベース台13は、たとえば合成樹脂などの非磁性材料からなり、支持板12の厚み方向(Z軸方向)の一面である前面121に取り付けられている。なお、支持板12はブリキに限らず、たとえば亜鉛めっき鋼板(SGCC)を用いて構成されていてもよい。
キャビネット本体11は、ブレーカ等の種々の内器を取り付けるためのスペースを備えている。本実施形態では、キャビネット本体11は、主幹ブレーカ2が配置される第1スペースを一対の桟部112,113間に備えている。さらにキャビネット本体11は、複数の分岐ブレーカ3,3…が配置される第2スペース、および電流計測器5が配置される第3スペースをベース台13に備えている。
ここでは、第1スペースは、キャビネット本体11前面の中心よりも左寄り、且つ下寄りの位置に設けられている。キャビネット本体11は、第1スペースの上方、下方、左方、右方には、それぞれ十分なスペースを確保している。第2スペースおよび第3スペースは、第1スペースの右側に設けられている。詳しくは後述するが、複数の分岐ブレーカ3,3…は中性極(N相)の導電バー43の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個(図2の例では11個)ずつ左右方向に並ぶように配置される。そのため、複数の分岐ブレーカ3,3…を取り付けるための第2スペースは、キャビネット本体11における第1スペースの右側であって、中性極の導電バー43の上側と下側とにそれぞれ設けられることになる。電流計測器5を取り付けるための第3スペースは、中性極の導電バー43の後方に設けられる。
このキャビネット本体11は、後述する一次連系ブレーカ(図示せず)が配置される第4スペースを一対の桟部113,114間に備えている。また、キャビネット本体11は、後述する計測ユニット6が配置される第5スペースを第1スペースの下方に備えている。さらに、キャビネット本体11は、後述する第1通信アダプタ71、第2通信アダプタ72、第3通信アダプタ73が配置される第6スペースを桟部114の左方に備えている。
このように、本実施形態の分電盤用キャビネット10は、第3〜第6スペースをキャビネット本体11に備えることにより、主幹ブレーカ2および複数の分岐ブレーカ3,3…以外の種々の内器を付加的に取り付け(後付け)可能である。ただし、キャビネット本体11は、最小限の構成として主幹ブレーカ2が取り付けられる第1スペース、および複数の分岐ブレーカ3,3…が取り付けられる第2スペースを備えていればよく、その他のスペースは適宜省略されていてもよい。
ところで、分電盤用キャビネット10は、図3に示すように、第1の電圧極の導電バー41、第2の電圧極の導電バー42、中性極の導電バー43をさらに備えている。これら3本の導電バー41,42,43は、それぞれベース台13に取り付けられることによって、キャビネット本体11に固定されている。
より詳細には、ベース台13は、支持板12に取り付けられた背板131と、背板131の前面における左右方向の両端部からそれぞれ前方に突出した一対の支柱132,132(右側の支柱は図4参照)とを有している。一対の支柱132,132は、背板131の前面における上下方向の中央部に配置されている。
さらに、ベース台13は、図4に示すように、背板131の前面の左右方向に沿った中心線から前方に突出した隔壁133と、一対の支柱132,132の間の空間を左右方向において等間隔で仕切る複数の仕切り134,134…とを有している。なお、本実施形態ではベース台13は左右方向において複数(ここでは4つ)に分割可能に構成されているが、この構成に限らず、ベース台13は一体に形成されていてもよい。
中性極の導電バー43は、導電性を有する金属板にて、左右方向に長い長尺板状に形成されており、一対の支柱132,132間に架け渡されるように、左右方向の各端部がそれぞれ支柱132の先端部(前端部)に固定される。ここで、隔壁133は、背板131の前面からの突出高さが支柱132,132および仕切り134,134…に比べて低く、中性極の導電バー43と隔壁133との間には隙間が形成される。
第1の電圧極の導電バー41は、導電性を有する金属板にて形成されており、背板131の前面のうち隔壁133より上側の領域に取り付けられる。この導電バー41は、左右方向に長い長尺板状であって背板131の前面に沿って配置される(第1の)平板414と、平板414の下端縁から前方に突出した(第1の)突出片415とを有している。
ここでは、突出片415は、一対の支柱132,132の間において平板414から隔壁133に沿って前方に立ち上がるように形成されており、且つ左右方向において複数の仕切り134,134…により複数に分断されている。言い換えれば、複数に分断された突出片415,415…は、隣接する支柱132−仕切り134間、あるいは隣接する一対の仕切り134,134間にそれぞれ配置されている。
各突出片415の先端部は二股に分かれており、一方が上向きに突出する(第1の)接続端子411となり、他方が下向きに突出する(第2の)接続端子411となる。下向きに突出する接続端子411は、上向きに突出する接続端子411に比べて前方に位置しており、隔壁133と中性極の導電バー43との間の隙間を通して隔壁133の下側へ突出する。
第2の電圧極の導電バー42は、隔壁133に対して第1の電圧極の導電バー41と略対称となる形状を採用しており、基本的な構成が第1の電圧極の導電バー41と共通している。すなわち、第2の電圧極の導電バー42は、導電性を有する金属板にて形成されており、背板131の前面のうち隔壁133より下側の領域に取り付けられる。この導電バー42は、左右方向に長い長尺板状であって背板131の前面に沿って配置される(第2の)平板424と、平板424の上端縁から前方に突出した(第2の)突出片425とを有している。
突出片425は、左右方向において複数の仕切り134,134…により複数に分断されている。各突出片425の先端部は二股に分かれており、一方が下向きに突出する(第3の)接続端子421となり、他方が上向きに突出する(第4の)接続端子421となる。上向きに突出する接続端子421は、下向きに突出する接続端子421に比べて前方に位置しており、隔壁133と中性極の導電バー43との間の隙間を通して隔壁133の上側へ突出する。
上述した構成により、隔壁133の上側においては、3本の導電バー41,42,43は、前後方向(Z軸方向)において手前側(壁とは反対側)から中性極の導電バー43、導電バー(接続端子421)42、導電バー(接続端子411)41の順に並ぶ。隔壁133の下側においては、3本の導電バー41,42,43は、前後方向(Z軸方向)において手前側(壁とは反対側)から中性極の導電バー43、導電バー(接続端子411)41、導電バー(接続端子421)42の順に並ぶ。
次に、分電盤1の内器(キャビネット本体11に取付可能な内器)について説明する。
主幹ブレーカ2は、その一次側端子21に、系統電源(商用電源)の単相三線式の引込線が電気的に接続される。主幹ブレーカ2の二次側端子(図示せず)には、上述した3本の導電バー41,42,43が電気的に接続される。主幹ブレーカ2は、一次側に接続された系統電源からの電力を二次側へ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
複数の分岐ブレーカ3,3…は、キャビネット本体11のベース台13の前面において、隔壁133の上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。各分岐ブレーカ3は、一次側端子と二次側端子(図示せず)とを有しており、一次側端子が導電バー41,42,43に電気的に接続され、二次側端子には複数の電路(図示せず)の各々が接続される。各分岐ブレーカ3は、協約形寸法に形成されている。ここで、協約形寸法とは「JIS C 8201−2−1」に準拠した電灯分電盤用の回路遮断器の寸法(および形状)をいう。
これら複数の分岐ブレーカ3,3…の各々は、隣接する支柱132−仕切り134間、あるいは隣接する一対の仕切り134,134間にそれぞれ配置される。言い換えれば、各分岐ブレーカ3は、左右方向において仕切り134,134…にて仕切られた各スペースに1つずつ取り付けられることになる。
各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された電路には、たとえば照明器具や給湯設備等の機器、差込接続装置のコンセント(アウトレット)や壁スイッチ等の配線器具が負荷として1つ以上接続され、分岐回路を構成する。つまり、複数の分岐ブレーカ3,3…はそれぞれ分岐回路が電気的に接続され、主幹ブレーカ2からの電力を各分岐回路へ供給する投入状態と、該電力の供給を遮断する開放状態とを切替可能に構成されている。
各分岐ブレーカ3は、各導電バー41,42,43が差し込まれる差込口31(図4参照)を、隔壁133との対向面に有している。差込口31は、各分岐ブレーカ3において前後方向に3個ずつ設けられている。一次側端子は、これら3個の差込口31,31,31のうち2個の差込口31,31内に露出するように設けられている。これにより、各分岐ブレーカ3は、キャビネット本体11に取り付けられた状態で、差込口31に各導電バー41,42,43が差し込まれ、いずれか一対の導電バー41,42,43に一次側端子が電気的に接続される。なお、導電バー41に対応する差込口31には接続端子411が差し込まれ、導電バー42に対応する差込口31には接続端子421が差し込まれる。
第1の電圧極あるいは第2の電圧極と中性極とに接続される分岐ブレーカ(以下、「100V用分岐ブレーカ」ともいう)3は、一次側端子が、3個の差込口31,31,31のうち、両端の2個の差込口31,31内に露出するように設けられている。これにより、100V用分岐ブレーカ3は、隔壁133の上側に取り付けられた状態では、第1の電圧極と中性極とに対して電気的に接続され、隔壁133の下側に取り付けられた状態では、第2の電圧極と中性極とに対して電気的に接続される。
また、第1の電圧極および第2の電圧極に接続される分岐ブレーカ(以下、「200V用分岐ブレーカ」ともいう)3は、一次側端子が、3個の差込口31,31,31のうち、後ろ側の2個の差込口31,31内に露出するように設けられている。これにより、200V用分岐ブレーカ3は、隔壁133の上側および下側のいずれに取り付けられた状態でも、第1の電圧極と第2の電圧極とに対して電気的に接続される。
電流計測器5は、複数の分岐ブレーカ3,3…の各々に接続された負荷(電路)の消費電力を検出するためのセンサである。電流計測器5は、ここでは一対設けられており、図3に示すように隔壁133の上側と下側とにそれぞれ取り付けられている。
隔壁133の上側に取り付けられる電流計測器5は、複数の接続端子411,411…および複数の接続端子421,421…に取り付けられ、接続端子411,411…の各々を流れる電流の値を計測する。この電流計測器5は、隔壁133の上側に取り付けられる分岐ブレーカ3、たとえば第1の電圧極−中性極間に接続された100V用分岐ブレーカ3や、第1の電圧極−第2の電圧極間に接続された200V用分岐ブレーカ3に流れる電流の値を計測する。なお、図3は電流計測器5が取り付けられた状態であって、分岐ブレーカ3が取り外された状態を表している。
隔壁133の下側に取り付けられる電流計測器5は、複数の接続端子411,411…および複数の接続端子421,421…に取り付けられ、接続端子421,421…の各々を流れる電流の値を計測する。この電流計測器5は、隔壁133の下側に取り付けられる分岐ブレーカ3、たとえば第2の電圧極−中性極間に接続された100V用分岐ブレーカ3や、第1の電圧極−第2の電圧極間に接続された200V用分岐ブレーカ3に流れる電流の値を計測する。
次に、電流計測器5の具体的な構成について図3および図4を参照して説明する。電流計測器5は、基板501(図4参照)と、基板501を収納するケース502とを有している。なお、図4では、電流計測器5は、ケース502の図示が省略され、基板501が露出した状態で図示されている。
基板501には、複数の電流センサ503,503…が実装されている。複数の電流センサ503,503…は、それぞれ複数の分岐ブレーカ3,3…の各々を流れる電流の値を計測するように構成されている。この電流計測器5には、基板501およびケース502を基板501の厚み方向に貫通する透孔504,504…が、接続端子411および接続端子421に対応する各位置にそれぞれ形成されている。これにより、電流計測器5は、複数の透孔504,504…に、複数の接続端子411,411…および複数の接続端子421,421…が差し込まれた状態で、接続端子411,411…および接続端子421,421…に取り付けられることになる。この状態で、第1の電圧極の導電バー41の各接続端子411、および第2の電圧極の導電バー42の各接続端子421は、電流計測器5の各透孔504,504…を通って分岐ブレーカ3に接続されることになる。
電流計測器5は、基板501における各透孔504の周囲にそれぞれ電流センサ503が形成されている。各電流センサ503は、変流器(カレントトランス)、ホール素子、磁気抵抗素子、GMR(Giant Magnetic Resistances)素子、シャント抵抗などのセンサが用いられる。一例として、ここでは各電流センサ503は、コアを用いない(コアレスの)空芯コイルからなり、透孔504内を通過する電流に応じた出力を生じるロゴスキコイルである。電流計測器5は、各電流センサ503の出力に基づいて、複数の分岐ブレーカ3,3…の各々を流れる電流の値を算出する。複数の分岐ブレーカ3,3…の各々を流れる電流の値は、これら複数の分岐ブレーカ3,3…に接続された複数の電路の各々を流れる電流の値と同じである。
ただし、電流センサ503は、全ての透孔504,504…の周囲に設けられている必要はなく、本実施形態では、前後方向に並ぶ一対の透孔504,504のうち後側(壁側)の透孔504の周囲にのみ設けられている。すなわち、本実施形態では、矩形状に開口した透孔504と円形状に開口した透孔504とが前後方向に並んで形成されているが、このうち後側(壁側)となる円形状の透孔504の周囲にのみ、電流センサ503が設けられている。これにより、電流センサ503は、電流計測器5が隔壁133の上側に取り付けられたときには第1の電圧極の電流の値を計測し、隔壁133の下側に取り付けられたときには第2の電圧極の電流の値を計測することになる。
本実施形態においては、透孔504は、基板501の厚み方向に直交する平面内で円形状や矩形状に開口するように形成されているが、これらの形状に限定する趣旨ではない。つまり、各透孔504は、基板501の厚み方向に貫通していればよく、該厚み方向に直交する平面内における開口形状が、円形や矩形以外の形状であってもよく、たとえばU字状のように一方向に開放された形状であってもよい。
さらに、本実施形態では、電流計測器5は、各電流センサ503の出力を用いて、複数の電路の各々の瞬時電力を演算する演算装置505を基板501に有している。演算装置505は、複数の電路の各々の線間電圧の値を示す電圧情報を計測ユニット6から取得し、各電流センサ503の出力から求まる電流の値と、電圧情報とに基づいて、瞬時電力の値を分岐回路の電力情報として求めるように構成されている。電流計測器5は、計測ユニット6を介して第1通信アダプタ71に電気的に接続されており、計測ユニット6を通して第1通信アダプタ71へ分岐回路の電力情報を送信する。
計測ユニット6は、上述した3本の導電バー41,42,43に電気的に接続されており、導電バー41,42,43からの電力を受けて、電流計測器5や第1通信アダプタ71を含む内器の動作用電源を生成する電源回路(図示せず)を有している。さらに、計測ユニット6は、導電バー41,42,43間の電圧を計測し、計測された電圧の値を電圧情報として電流計測器5へ出力する機能を有している。
また、計測ユニット6は、電流計測器5での計測対象である分岐回路以外の特定回路について、電力を計測するように構成されている。具体的には、計測ユニット6は、カレントトランス(CT)からなる電流センサ(図示せず)が電気的に接続され、この電流センサによって、たとえば主幹ブレーカ2を通過する電流の値を計測する。そして、計測ユニット6は、計測された電流の値と、電圧情報とに基づいて、瞬時電力の値を特定回路の電力情報として求めるように構成されている。計測ユニット6は、第1通信アダプタ71と電気的に接続されており、特定回路の電力情報を第1通信アダプタ71へ送信する。
なお、電流計測器5および計測ユニット6は、本実施形態ではそれぞれ電力情報を求めるように構成されているが、この例に限らず、少なくとも各電路(分岐回路または特定回路)に流れる電流の値を計測する構成であればよい。たとえば、電流計測器5および計測ユニット6は、計測した電流値を第1通信アダプタ71へ送信する構成であってもよい。
第1通信アダプタ71は、機器(図示せず)の制御を行うコントローラ(図示せず)との通信機能を有する。ここでいう機器はHEMS(Home Energy Management System)対応機器である。HEMS対応機器は、消費電力の管理対象であれば足り、たとえば、HEMSにおいて重要な8機器(スマートメータ、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、エアコン、照明器具、給湯装置)などを含む。さらに、HEMS対応機器は、4大電力消費源の他の2つ、冷蔵庫、テレビ受像機などを含んでもよい。ただし、HEMS対応機器をこれらの機器に限定する趣旨ではない。
また、第1通信アダプタ71は、電流計測器5からは分岐回路の電力情報を受信し、計測ユニット6からは特定回路の電力情報を受信するように構成されている。第1通信アダプタ71は、これらの電力情報を取得することによって、複数の電路の各々の瞬時電力のデータを収集する機能を有している。さらに、第1通信アダプタ71は、複数の電路の各々について、瞬時電力を所定時間に亘って積算した電力量を演算する機能を有していてもよい。
第1通信アダプタ71は、これらの電力情報(瞬時電力あるいは電力量)をコントローラへ送信する。コントローラは、電力情報を用いて(HEMS対応)機器を制御するように構成されている。これにより、コントローラは、複数の電路の各々での消費電力に基づいて機器を制御することができる。
ここで、コントローラは、HEMSのコントローラである。HEMSのコントローラは、表示端末(図示せず)を制御して電力情報を可視化(見える化)したり、電力情報に基づいて(HEMS対応)機器を制御したりする機能を有しており、分電盤1外に設置されている。このコントローラによれば、機器での電力消費の状況を管理することが可能になり、電力の無駄な消費を抑えることができる。
コントローラは、宅内に設置されており、たとえば電波を媒体とした無線通信、あるいは有線LAN(Local Area Network)などの有線通信によって、第1通信アダプタ71と通信したり、宅内の(HEMS対応)機器を制御したりする。なお、コントローラは、インターネットなどのネットワーク(図示せず)に接続され、該ネットワークを介した通信により、第1通信アダプタ71と通信したり、宅内の(HEMS対応)機器を制御したりする構成であってもよい。
なお、第1通信アダプタ71は、上述したコントローラに相当する機能を有していてもよい。これにより、第1通信アダプタ71は、複数の電路の各々での消費電力に基づいて機器を制御することができる。
第2通信アダプタ72は、通信機能を有する電力メータ(図示せず)と通信する機能を有している。第2通信アダプタ72は、第1通信アダプタ71と機械的に結合され、且つ電気的に接続される。本実施形態では、第1通信アダプタ71と第2通信アダプタ72とは、各々の一部が前後方向に重なった状態で、基板対基板(board to board)接続によって接続されている。そのため、第1通信アダプタ71が取り付けられる第6スペースの一部は、第2通信アダプタ72の取り付けスペースを兼ねることになる。
ここでいう電力メータは、所謂スマートメータであって、需要家での使用電力量を計測し、配電線に接続されているコンセントレータ(図示せず)と通信を行うことにより遠隔検針等を可能にする。さらにまた、供給事業者である電力会社、あるいは節電事業者によって運営されているサーバから各需要家の電力メータに、電力の消費を抑制するための要請である要請情報が送信される場合がある。電力メータは、第2通信アダプタ72との通信により、計量値(使用電力量)や要請情報などを第2通信アダプタ72へ送ることができる。
第3通信アダプタ73は、ガスメータ、水道メータ、太陽光発電装置、蓄電装置、電気自動車に電気的に接続される電力変換装置の少なくとも1つからなるエネルギー管理装置(図示せず)との通信機能を有している。ここでいう電力変換装置は、分電盤1側から電気自動車への単方向充電を行うための電力変換の他、双方向に電力変換を行うことで電気自動車の蓄電池の充電と放電との両方に用いられる構成であってもよい。ただし、電力変換装置は、蓄電池との間で電力の授受を行う構成であればよく、蓄電池の充電と放電とのいずれか一方のみを行う構成であってもよい。
第3通信アダプタ73は、第1通信アダプタ71と機械的に結合され、且つ電気的に接続される。本実施形態では、第1通信アダプタ71と第3通信アダプタ73とは、各々の一部が前後方向に重なった状態で、基板対基板接続によって接続されている。そのため、第1通信アダプタ71が取り付けられる第6スペースの一部は、第3通信アダプタ73の取り付けスペースを兼ねることになる。
第1通信アダプタ71とコントローラとの間の通信方式は、たとえば920MHz帯の特定小電力無線、Zigbee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の電波を媒体とした無線通信であってもよい。さらに、第1通信アダプタ71とコントローラとの間の通信方式は、有線LANなどの有線通信であってもよい。また、第1通信アダプタ71とコントローラとの間の通信における通信プロトコルは、たとえばEthernet(登録商標)、ECHONET(登録商標)Liteなどを用いてもよい。なお、有線通信には、電力線を伝送媒体に用いて通信を行う電力線搬送通信(PLC:Power Line Communications)も含む。
同様に、第2通信アダプタ72と電力メータとの間の通信方式についても、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。さらに、第3通信アダプタ73とエネルギー管理装置との間の通信方式についても、無線通信、有線通信を問わず適宜の方式が適用可能である。
また、一次連系ブレーカ(図示せず)は、主幹ブレーカ2の一次側端子21に電気的に接続され、且つ電力系統への逆潮流が許容されている分散電源(図示せず)に電気的に接続される。この種の分散電源としては、たとえば太陽光発電装置などがある。また、太陽光発電装置と蓄電装置とが一体となり、太陽電池の発電電力を蓄電池に蓄え、蓄電池の電力を分電盤1に接続された機器へ供給するように構成された所謂、創蓄連携システムが分散電源として一次連系ブレーカに接続されてもよい。
一次連系ブレーカは、主幹ブレーカ2の一次側と、分散電源との間に電気的に接続されることになる。これにより、一次連系ブレーカは、たとえば系統電源からの電力供給が停止したときや、系統電源あるいは分散電源に異常が生じたときなどに、分散電源を電力系統から切り離す(解列する)ように動作する。一次連系ブレーカは、一次側端子(図示せず)と二次側端子(図示せず)とを有しており、一次側端子が主幹ブレーカ2の一次側端子21に電気的に接続され、二次側端子に分散電源が接続される。一次連系ブレーカは、3P3E(極数3、素子数3)で、左右方向の寸法が分岐ブレーカ3の複数個分(3個分)の大きさのブレーカである。
二次連系ブレーカ8は、導電バー41,42,43に電気的に接続され、且つ電力系統への逆潮流が許容されていない分散電源(図示せず)に電気的に接続される。この種の分散電源としては、たとえば燃料電池、ガス発電装置、蓄電装置などがある。二次連系ブレーカ8は、主幹ブレーカ2の二次側端子と、分散電源との間に電気的に接続されることになる。これにより、二次連系ブレーカ8は、たとえば系統電源からの電力供給が停止したときや、系統電源あるいは分散電源に異常が生じたときなどに、分散電源を電力系統から切り離す(解列する)ように動作する。
二次連系ブレーカ8は、分岐ブレーカ3と同様に一次側端子(図示せず)と二次側端子81とを有しており、一次側端子が導電バー41,42,43に電気的に接続され、二次側端子81に分散電源が接続される。二次連系ブレーカ8は、3P3E(極数3、素子数3)で、左右方向の寸法が分岐ブレーカ3の複数個分(3個分)の大きさのブレーカである。この二次連系ブレーカ8は、図2の例では、隔壁133の下側に取り付けられた複数の分岐ブレーカ3,3…のうち右から3個目までの分岐ブレーカ3,3,3に代えて、キャビネット本体11に取り付けられる。つまり、二次連系ブレーカ8は、第2スペースのうち隔壁133の下側の一部に取り付けられることになる。
<特徴構成>
本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43が取り付けられたベース台13を支持している支持板12について、以下に説明するような構成を採用している。なお、以下に説明する図1では、支持板12、第1の電圧極の導電バー41、第2の電圧極の導電バー42、中性極の導電バー43のみを図示し、その他の図示を省略している。
図1に示すように、支持板12は、その厚み方向(Z軸方向)において導電バー41,42,43を投影した領域、つまり前後方向において導電バー41,42,43と重なる領域に、磁気抵抗部としての開口部122が形成されている。磁気抵抗部(開口部122)は、支持板12を第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が、支持板12における他の領域より高くなるように構成されている。
磁気抵抗部である開口部122は、支持板12を厚み方向に貫通している。この開口部122は、導電バー41,42,43の長手方向である第1の方向(X軸方向=左右方向)を長手方向とするように、第1の方向に長い略長方形状に形成されている。
詳述すると、支持板12は、金属板(たとえばブリキ板)にて構成されており、正面視が第1の方向に長い略長方形状に形成されている。支持板12は、上下方向の両端縁が前方に折り曲げられており、折り曲げられた部分が補強部123,123を構成している。この支持板12は、たとえば打ち抜き加工によって略中央部に開口部122が形成されることにより、略矩形枠状を成している。
ただし、開口部122は、開口形状が完全な長方形ではなく、その開口周縁のうち、上下方向に対向する各辺に、上下方向(Y軸方向)の開口寸法を広げる向きの凹みを複数個ずつ有している。そのため、開口部122は、上下方向の開口寸法が他の部分よりも広くなる拡幅部を、左右方向(X軸方向)の複数箇所に有することになる。
また、支持板12は、四隅のうち右下を除く3箇所に、桟部112,113への取り付け用のだるま孔124,124,124が形成されている。だるま孔124は、周知のように脱着孔と脱着孔より小径の締付孔とが一体に形成された孔である。さらに、支持板12は、開口部122の上側、下側にそれぞれ、ベース台13の取り付け用の取付孔125,125…が複数個ずつ形成されている。複数の取付孔125,125…は、それぞれ略F字状に形成されており、第1の方向に並ぶように配置されている。
また、支持板12は、開口部122の左側には、左方に開放された切欠き126が形成されている。切欠き126は、導電バー41,42,43と主幹ブレーカ2との接続部位に対応する位置に形成されており、これにより、該接続部位と支持板12との干渉を回避できる。以下では、支持板12のうち、開口部122の右側部分を右側辺127と呼び、開口部122の左側部分(開口部122と切欠き126との間の部分)を左側辺128と呼ぶ。
ここで、本実施形態においては、図5に示すように、支持板12は、Z軸方向に導電バー41,42,43を投影した領域のうち、少なくとも半分を超える範囲に開口部122が形成されている。つまり、支持板12のうち、Z軸方向において導電バー41,42,43と重なる領域の大半には開口部122が形成されている。
まず、上下方向(Y軸方向)においては、支持板12のうち、開口部122の開口寸法と、Z軸方向において導電バー41,42,43と重なる領域の寸法(導電バー41の上端縁および導電バー42の下端縁間の間隔)とは略一致している。さらに詳しくは、開口部122は、拡幅部においては、導電バー41の上端縁および導電バー42の下端縁間の間隔に比べて上下方向の開口寸法が広くなる。開口部122は、拡幅部以外の部分においては、導電バー41の上端縁および導電バー42の下端縁間の間隔に比べて上下方向の開口寸法が狭くなる。
また、左右方向(X軸方向)においては、支持板12のうち、開口部122の開口寸法は、Z軸方向において導電バー41,42,43と重なる領域の寸法よりも狭く設定されている。さらに詳しくは、導電バー41,42,43は、支持板12の左右方向の略全長に亘って設けられているのに対し、支持板12は、開口部122の左右両側にある程度のスペース(右側辺127および左側辺128)を有している。
本実施形態では、一例として、上下方向における開口部122の(拡幅部以外の部分の)開口寸法L1を80〔mm〕と仮定する。同様に左右方向における右側辺127の幅寸法L2を60〔mm〕、左側辺128の幅寸法L2を10〔mm〕と仮定する。ただし、これらの寸法は一例に過ぎず、本発明をこれらの寸法に限定する趣旨ではない。
なお、本実施形態では、支持板12は、上下方向の両端縁が前方に折り曲げられて補強部123,123を形成しているが、この例に限らず、左右方向の各端縁や開口部122の周縁が、前方あるいは後方に折り曲げられて補強部を形成していてもよい。
<効果>
以上説明した本実施形態の分電盤用キャビネット10によれば、導電バー41,42,43が取り付けられたベース台13を支持している支持板12は、その厚み方向において導電バー41,42,43を投影した領域に、磁気抵抗部が形成されている。磁気抵抗部は、支持板12を第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が、支持板12における他の領域より高くなるように構成されている。
この分電盤用キャビネット10では、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束が支持板12を通ることがあっても、この磁束が通る磁気回路において磁気抵抗部が磁気抵抗として機能する。そのため、本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43に比較的大きな電流が流れて導電バー41,42,43の周囲に磁界が生じたときに、磁気抵抗部がない場合に比べて磁束を低減できる。
すなわち、導電バー41,42,43を流れる電流は、主に導電バー41,42,43の長手方向である第1の方向(X軸方向)に流れるため、導電バー41,42,43の周囲にはX軸方向に直交する向きの磁界が生じることになる。支持板12は導電バー41,42,43の付近に配置されているので、導電バー41,42,43の周囲に生じた磁界により、支持板12には第2の方向(Y軸方向)の磁束が通ることになる。この磁束が通る磁路(磁気回路)上には磁気抵抗部が存在するため、磁気抵抗部がない場合に比べると磁束が大幅に低減される。
これにより、本実施形態の分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43の付近に磁性材料からなる支持板12が存在するものの、導電バー41,42,43に比較的大きな電流が流れたときに導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束を低減できる。したがって、電流計測器5は、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束の影響を受けにくくなる。
要するに、分電盤用キャビネット10は、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束を抑制できる、という利点がある。
また、3本の導電バー41,42,43のうち、電圧極となる導電バー41(42)は、本実施形態のように、導電バー41(42)の短手方向の一端部が複数の接続端子411,411…(421,421…)に分岐されていることが好ましい。複数の接続端子411,411…(421,421…)は、導電バー41(42)の長手方向に並んでおり、複数の接続端子411,411…(421,421…)の各々には、複数の分岐ブレーカ3,3…の各々が電気的に接続される。この場合、複数の接続端子411,411…(421,421…)には、本実施形態のように、複数の接続端子411,411…(421,421…)の各々を流れる電流を磁束に基づいて計測する電流計測器5が取り付けられることが好ましい。
この構成によれば、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束が抑制されることで、導電バー41,42,43に電流が流れたときに生じる磁界は電流計測器5に影響しにくくなる。そのため、電流計測器5は、複数の接続端子411,411…(421,421…)の各々を流れる電流を計測する際に、外部磁界の影響を受けにくくなり、計測精度が向上する。
また、本実施形態のように、磁気抵抗部は、支持板12を厚み方向に貫通する開口部122であることが好ましい。この構成によれば、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束が支持板12を通ることがあっても、この磁束が通る磁気回路において開口部122がエアギャップとして機能する。すなわち、支持板12は導電バー41,42,43の付近に配置されているので、導電バー41,42,43の周囲に生じた磁界により、支持板12には第2の方向(Y軸方向)の磁束が通ることになる。この磁束が通る磁路(磁気回路)上にはエアギャップとしての開口部122が存在するため、開口部122がない場合に比べると磁束が大幅に低減される。
さらに、本実施形態に係る分電盤1は、分電盤用キャビネット10と、導電バー41,42,43に電気的に接続される主幹ブレーカ2と、導電バー41,42,43に電気的に接続される複数の分岐ブレーカ3,3…とを備える。この構成によれば、分電盤1は、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束を抑制できる、という利点がある。
(実施形態2)
本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、図6に示すように、支持板12が、開口部122の第1の方向(X軸方向)の一端が開放されている点で、実施形態1の分電盤用キャビネット10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本実施形態では、支持板12は、開口部122の左側部分(開口部122と切欠き126との間の部分)である左側辺128(図5参照)が省略され、開口部122の第1の方向(左右方向)の一端(左端)が開放されている。つまり、図6に示すように、支持板12は、開口部122が切欠き126と連続するように設けられ、全体として左方に開放された略U字状に形成されている。
この構成によれば、開口部122の左側部分(開口部122と切欠き126との間の部分)についても、開口部122が磁気抵抗(エアギャップ)として機能するため、導電バー41,42,43の周囲に生じる磁束をより一層抑制できる、という利点がある。また、本実施形態の構成であっても、たとえば支持板12の厚み寸法などが適宜設定されることにより、支持板12は十分に剛性を確保することができる。
なお、支持板12は、開口部122の第1の方向(X軸方向=左右方向)の一端が開放されていればよく、図6のように左端が開放された構成に限らず、右側辺127が省略されて右端が開放された構成であってもよい。
その他の構成および機能は実施形態1と同様である。
(実施形態3)
本実施形態に係る分電盤用キャビネット10は、図7に示すように、支持板12が、開口部122の周縁であって第2の方向(Y軸方向)の両側に位置する一対の辺同士を連結する筋交部129を有する点で、実施形態2の分電盤用キャビネット10と相違する。以下、実施形態2と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、筋交部129は、支持板12における開口部122の周縁であって第2の方向(Y軸方向)における両側に位置する一対の辺同士を連結している。筋交部129は、第1の方向および第2の方向に対して斜めに形成されている。言い換えれば、筋交部129は、開口部122内において第2の方向(上下方向)に対向する一対の辺同士を連結するように設けられており、且つ、第1および第2の両方向に対して傾斜した形に形成されている。
なお、図7では、支持板12のみを図示しており、支持板12を正面(前方)から見た状態を表している。また、図7では、図6の支持板に比べて第1の方向の寸法が大きいタイプの支持板12を示しており、たとえば取付孔125,125…の個数が図6とは異なる。ただし、本実施形態の構成(筋交部)は、図7に示すような寸法の支持板12に限らず、たとえば図6に示す寸法の支持板12にも適用可能である。
図7の例では、筋交部129は、開口部122内で互いに交差して略X字状を成すように2本を1組として、第1の方向に2組並んで設けられている。各一対の筋交部129,129は、第1の方向において第2の方向よりも幅広になるように、各筋交部129は、X軸に対する傾斜角が45度以下となる形に形成されている。
本実施形態では、一例として、開口部122の開口寸法L1を80〔mm〕、右側辺127の幅寸法L2を60〔mm〕とした場合に、筋交部129のうち開口部122の周縁との連結部位における左右方向の幅寸法L4を20〔mm〕と仮定する。同様に、筋交部129の短手方向の幅寸法L5を12.6〔mm〕と仮定する。ただし、これらの寸法は一例に過ぎず、本発明をこれらの寸法に限定する趣旨ではない。
この構成によれば、支持板12は、開口部122内において第2の方向(上下方向)に対向する一対の辺同士を連結する筋交部129を有するので、筋交部129がない場合に比べて支持板12の剛性を高めることができる。しかも、筋交部129は、第1の方向および第2の方向に対して斜めに形成されているので、導電バー41,42,43の周囲に磁界が生じても、筋交部129が第2の方向の磁束を通すことにはならず、開口部122がない場合に比べて磁束が大幅に低減される。
なお、本実施形態の構成は、実施形態2の構成(左側辺128なし)に限らず、実施形態1の構成(左側辺128あり)とも組み合わせ可能である。
また、本実施形態の変形例として、筋交部はたとえばハニカム構造であってもよく、この場合、開口部122は筋交部により複数の六角形状の領域に分断されることになる。さらに、筋交部は、第1の方向(X軸方向)に沿って形成されていてもよく、この場合、筋交部は右側辺127と左側辺128とを連結することになり、開口部122は筋交部により第2の方向に(Y軸方向)において複数に分断されスリット状になる。
その他の構成および機能は実施形態2と同様である。
ところで、磁気抵抗部は、支持板12を第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が支持板12における他の領域より高くなる構成であればよく、上述したような開口部(ハニカム構造やスリット状の開口部を含む)に限らない。磁気抵抗部は、たとえば支持板12の材質を部分的に磁気抵抗の高い材質とすることで形成されていたり、支持板12の厚み寸法を部分的に小さくすることで形成されていたり、支持板12に部分的を凹部を設けることで形成されていたりしてもよい。
1 分電盤
10 分電盤用キャビネット
11 キャビネット本体
12 支持板
122 開口部(磁気抵抗部)
129 筋交部
2 主幹ブレーカ
3 分岐ブレーカ
41,42,43 導電バー
411,421 接続端子
5 電流計測器

Claims (6)

  1. キャビネット本体と、
    前記キャビネット本体に固定され、主幹ブレーカから複数の分岐ブレーカへの電力の経路を形成する導電バーとを備え、
    前記キャビネット本体は、磁性材料からなる支持板と、非磁性材料からなり前記支持板の厚み方向の一面である前面に取り付けられるベース台とを有し、
    前記導電バーは、前記前面に平行な第1の方向を長手方向とし、前記前面に沿う平面内で前記第1の方向に直交する第2の方向を短手方向とする向きで前記ベース台に固定されており、
    前記支持板のうち、前記支持板の厚み方向に前記導電バーを投影した領域には、前記支持板を前記第2の方向に通過する磁束に対する磁気抵抗が前記支持板の他の領域より高くなる磁気抵抗部が形成されている
    ことを特徴とする分電盤用キャビネット。
  2. 前記導電バーは、前記導電バーの短手方向の一端部が前記導電バーの長手方向に並ぶ複数の接続端子に分岐されており、
    前記複数の接続端子の各々には、前記複数の分岐ブレーカの各々が電気的に接続され、
    前記複数の接続端子には、前記複数の接続端子の各々を流れる電流を磁束に基づいて計測する電流計測器が取り付けられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の分電盤用キャビネット。
  3. 前記磁気抵抗部は、前記支持板を厚み方向に貫通する開口部である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の分電盤用キャビネット。
  4. 前記支持板は、前記開口部の前記第1の方向の一端が開放されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の分電盤用キャビネット。
  5. 前記支持板は、前記開口部の周縁であって前記第2の方向における両側に位置する一対の辺同士を連結する筋交部を有しており、
    前記筋交部は、前記第1の方向および前記第2の方向に対して斜めに形成されている
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の分電盤用キャビネット。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の分電盤用キャビネットと、
    前記導電バーに電気的に接続される前記主幹ブレーカと、
    前記導電バーに電気的に接続される前記複数の分岐ブレーカとを備える
    ことを特徴とする分電盤。
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