以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
本実施の形態に係る位置検知システムでは、発信器が検知用信号を無線送信する第1期間と、受信器が管理装置と無線通信する第2期間とを所定の周期で繰り返す。これにより、当該位置検知システムは、無線信号の混雑を抑制できる。
まず、本実施の形態に係る無線通信システムを含む位置検知システムの構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る位置検知システム100の構成を示す図である。
図1に示す位置検知システム100は、移動体の位置を検知するためのシステムであって、管理装置102と、複数の受信器103と、複数の発信器104とを含む。例えば、この位置検知システム100は、子供又は老人等の位置を検知するために用いられる。例えば、この位置検知システム100は、通学路、集合住宅の周辺、老人ホーム又は看護施設等で用いられる。なお、この位置検知システム100は、遊園地又はテーマパーク等の施設で、入場者の位置を検知するために用いられてもよい。
複数の発信器104の各々は、監視対象者である第1移動体(例えば子供)に保持(携帯又は装着)される。例えば、発信器104は、監視対象者の腕に装着されるブレスレット型(腕時計型)、監視対象者の首にぶら下げられるネックレス型等である。または、発信器104は、名札型等であってもよい。
なお、監視対象の移動体は人に限らず、動物又は移動可能な機械等であってもよい。
この発信器104は、定期的に検知用信号151を無線送信する。また、この無線送信で用いられる無線信号は、例えば、IEEE802.15.4に準拠する無線信号であり、例えば、2.4GHz帯、920MHz帯又は950MHz帯の無線信号である。つまり、当該位置検知システム100に用いられる無線信号は、比較的無線通信範囲が狭い(例えば200〜300m程度の)無線信号である。なお、Bluetooth(登録商標)などの他の無線信号が用いられてもよい。
複数の受信器103は、監視対象の領域(例えば通学路、公園又は施設)内に配置され、発信器104から定期的に無線送信される検知用信号151を受信する。なお、複数の受信器103のうち少なくとも一部は、監視者(例えば、施設の職員)等に携帯されてもよい。
受信器103は、検知用信号151を受信した場合に、当該検知用信号151を検知した旨を管理装置102に通知する。具体的には、受信器103は、検知用信号151を検知した旨を示す通知信号153を管理装置102へ送信する。
管理装置102は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)である。この管理装置102は、受信器103から送信された通知信号153を受信し、通知信号153に含まれる情報を用いて、監視対象者の位置を検知する。また、管理装置102は、監視対象者の位置を示す位置情報を表示する。
以下、各装置の構成を説明する。まず、発信器104の構成を説明する。
図2は、発信器104の構成を示すブロック図である。発信器104は、無線送信部111と、無線受信部112と、発信制御部113と、電源部114と、設定記憶部115とを備える。
無線送信部111は、検知用信号151を定期的に無線送信する。
無線受信部112は、受信器103から無線送信される設定信号152を受信する。
設定記憶部115は、設定信号152に含まれる設定情報(後述する期間設定情報165B及び発信器設定情報167B)を記憶する。
発信制御部113は、設定記憶部115に記憶されている設定情報に応じて、無線送信部111が検知用信号151を送信するタイミングを制御する。
電源部114は、当該発信器104に電力を供給する電源であり、例えば、電池又はバッテリー等である。つまり、発信器104は、外部からの電源供給を受けることなく、内部からの電源供給(又は内部で生成された電力)のみで動作可能である。
次に、受信器103の構成を説明する。
複数の受信器103は無線ネットワークを構築している。例えば、複数の受信器103は、受信親機と、受信子機とを含む。受信子機から無線送信された信号は、直接或いは1以上の受信子機又は専用の中継器を介して、受信親機に伝達される。信号を受信した受信親機はネットワークを介して管理装置102へ信号を送信する。なお、この無線ネットワークで用いられる無線信号の周波数帯及び通信方式は、検知用信号151の周波数帯及び通信方式と同一であってもよいし、異なってもよい。また、受信器103と、管理装置102との通信方法は、受信子機又は専用の中継器を介さない無線通信であってもよいし、一部に有線接続が用いられてもよい。例えば、一部の受信器103間、又は、一部の受信器103(例えば、受信親機)と管理装置102とは、インターネット又はWi−Fi(登録商標)で接続されていてもよい。
図3は、受信器103の構成を示すブロック図である。受信器103は、無線受信部121と、受信強度測定部122と、検知情報蓄積部123と、位置計測部124と、通知信号生成部125と、無線送信部126と、中継部127と、通信期間制御部128、設定記憶部129とを備える。
無線受信部121は、発信器104から無線送信された検知用信号151を受信する。また、無線受信部121は、管理装置102から送信された設定信号154を受信する。
受信強度測定部122は、無線受信部121が受信した無線信号の受信電波強度を測定する。
検知情報蓄積部123は、無線受信部121で受信された検知用信号151の情報を蓄積する。
位置計測部124は、当該受信器103が配置されている位置を計測する。例えば、位置計測部124は、GPS(Global Positioning System)機能を有し、当該GPS機能を用いて、当該受信器103が配置されている位置を計測する。なお、受信器103は、位置計測部124を備えなくてもよい。
通知信号生成部125は、検知情報蓄積部123に蓄積されている情報に基づき、通知信号153を生成する。
無線送信部126は、通知信号153を管理装置102へ送信する。また、無線送信部126は、発信器104に設定信号152を送信する。
中継部127は、他の受信器103から送信された通知信号153を管理装置102に中継するための処理、及び、管理装置102から送信された設定信号154を他の受信器103に中継するための処理を行う。なお、図3には図示していないが、他の受信器103から送信された通知信号153、及び管理装置102又は他の受信器103から送信された設定信号154は無線受信部121により受信され、中継部127の制御に基づき、無線送信部126から送信される。
設定記憶部129は、設定信号154に含まれる設定情報(後述する期間設定情報165A及び受信器設定情報166)を記憶する。
通信期間制御部128は、設定記憶部129に記憶されている設定情報に基づき、無線送信部126による送信を制御する。
なお、複数の受信器103の全てが、上記機能の全てを有する必要はない。例えば、中継機能のみを有する機器が存在してもよい。また、受信器103の機能が、当該機能を機能別又は信号処理別に分割した複数の機器により実現されてもよい。
次に、管理装置102の構成を説明する。
図4は、管理装置102の構成を示すブロック図である。管理装置102は、設定制御部131と、無線送信部132と、無線受信部133と、受信器位置記憶部134と、位置情報生成部135と、表示部136とを備える。
設定制御部131は、受信器103及び発信器104の通信期間を設定するための設定信号154を生成する。
無線送信部132は、設定信号154を複数の受信器103へ送信する。無線受信部133は、受信器103から送信された通知信号153を受信する。
受信器位置記憶部134は、複数の受信器103の位置を記憶する。例えば、受信器位置記憶部134は、受信器103から送信された通知信号153に含まれる当該受信器103の位置を示す情報、又は、受信器103から予め送られてきた当該受信器103の位置を示す情報を記憶する。なお、受信器位置記憶部134は、ユーザ操作等により予め入力された、複数の受信器103の位置を示す情報を記憶してもよい。
位置情報生成部135は、通知信号153に含まれる情報と、当該通知信号153の送信元の受信器103の位置情報とを用いて、迷子発信器の位置を示す位置情報を生成する。
表示部136は、位置情報を表示する。
なお、位置検知システム100の構成は、図1に示す構成に限定されない。
例えば、複数の管理装置102が存在してもよい。また、複数の管理装置102の一部は、施設の職員又は保護者が携帯する携帯端末(例えばスマートフォン)であってもよい。例えば、保護者が、スマートフォンにアプリ(アプリケーションプログラム)をインストールすることで、管理装置102の機能が実現されてもよい。
また、管理装置102の機能は、複数の機器により実現されてもよい。例えば、管理装置102の機能の一部が、PCにより実現され、他の一部が、保護者が携帯するスマートフォンにより実現されてもよい。具体的には、位置情報の生成がある装置(例えばPC)により行われ、生成された位置情報が他の装置(例えばスマートフォン)にネットワーク等を介して送信され、当該他の装置が位置情報を表示してもよい。
また、上記説明では、受信器103と管理装置102とを個別に記載しているが、受信器103と管理装置102とが単一の装置として構成されていてもよい。言い換えると、受信器103のうち少なくとも一つが管理装置102の少なくとも一部の機能を有してもよいし、管理装置102が受信器103の少なくとも一部の機能を有してもよい。
例えば、職員又は保護者が携帯するスマートフォンが、管理装置102と受信器103との両方の機能を有してもよい。例えば、スマートフォンに外付け装置を接続し、スマートフォンにアプリをインストールすることで、管理装置102と受信器103との機能が実現されてもよい。この場合、外付け装置は、例えば、受信器103に含まれる無線送信部126、無線受信部121及び受信強度測定部122を含む。なお、外付け装置にこれら以外の機能が含まれてもよい。また、上記アプリは、外付け装置に格納されていてもよいし、ネットワーク経由で取得されてもよい。また、スマートフォンに外付け装置を装着することで、自動的に、アプリがスマートフォンにインストールされてもよい。
また、管理装置102と受信器103とが単一の機器として実現される場合には、当該管理装置102と受信器103との間の信号の伝達は、機器内で行われる。言い換えると、上述した通知信号153及び設定信号154の伝達は、ネットワーク等を介した機器間の伝達に限らず、機器内の信号の伝達も含む。
以下、位置検知システム100の動作を説明する。
図5は、位置検知システム100による動作を示す図である。図5に示すように、周期T0の動作が繰り返し行われる。各周期T0は、第1期間T1と、第2期間T2と、第3期間T3とを含む。
第1期間T1において、複数の発信器104は検知用信号151を無線送信する。
図6は、検知用信号151の構成を示す図である。図6に示すように検知用信号151は、当該検知用信号151の送信元の発信器104を識別するための発信器ID161Aを含む。
第1期間T1において、受信器103は、検知用信号151を受信し、受信した検知用信号151の情報を保持する。具体的には、検知情報蓄積部123は、検知用信号151に含まれる発信器ID161Aと、受信強度測定部122で測定された当該検知用信号151の受信電波強度を保持する。また、複数の発信器104から送信された複数の検知用信号151が受信された場合には、検知情報蓄積部123は、当該複数の検知用信号151に含まれる複数の発信器ID161A及び当該複数の検知用信号151の受信電波強度を保持する。
第2期間T2において、受信器103は、第1期間T1において受信した検知用信号151の送信元の発信器104を示す情報を含む通知信号153を管理装置102に送信する。
図7は、通知信号153の構成を示す図である。図7に示すように、通知信号153は、受信器ID162と、発信器ID161Bと、受信電波強度情報163と、受信器位置情報164とを含む。
受信器ID162は、検知用信号151を受信した受信器103であり、当該通知信号153の送信元の受信器103を示す。
発信器ID161Bは、検知用信号151の送信元の発信器104を示す。例えば、発信器ID161Bは、検知用信号151に含まれる発信器ID161Aと同一のIDである。
受信電波強度情報163は、受信器103で受信された検知用信号151の受信電波強度を示す。
受信器位置情報164は、当該受信器103の現在の位置を示す。例えば、受信器103がスマートフォン等である場合には、受信器位置情報164は、スマートフォンが有するGPS等により測定された当該受信器103の位置情報である。なお、受信器103が据置器である場合には、受信器位置情報164は、通知信号153に含まれなくてもよい。
なお、通知信号153は、上記以外の情報を含んでもよい。例えば、通知信号153は、検知用信号151が受信された時刻を示す情報を含んでもよい。
また、受信器103が、第1期間T1において、複数の検知用信号151を受信した場合には、通知信号153は、複数の発信器ID161B及び複数の受信電波強度情報163を含む。なお、受信器103は、各々が各検知用信号151に対応する複数の通知信号153を管理装置102へ送信してもよい。
また、受信器103が、第1期間T1において、検知用信号151を受信しなかった場合には、その旨を示す通知信号153が管理装置102へ送信される。なお、受信器103が、第1期間T1において、検知用信号151を受信しなかった場合には、通知信号153を管理装置102へ送信しなくてもよい。
通知信号153を受信した管理装置102は、通知信号153に含まれる情報を用いて、発信器104の位置を示す位置情報を生成し、当該位置情報を表示する。
図8は、発信器104により検知用信号151が無線送信される様子を示す図である。図8に示すように、複数の受信器103のうち発信器104から所定の範囲内(発信器104の無線通信範囲内)に配置された受信器103のみが検知用信号151を受信する。この場合には、複数の受信器103A〜103Dの各々が、通知信号153を管理装置102へ送信する。管理装置102は、複数の通知信号153を用いて位置情報を生成する。
管理装置102に含まれる位置情報生成部135は、無線受信部133が受信した複数の通知信号153を用いて、発信器104の位置を示す位置情報を生成する。具体的には、位置情報生成部135は、通知信号153に含まれる受信電波強度情報163で示される受信器103における検知用信号151の受信電波強度と、受信器103の位置とを用いて、発信器104の位置を算出する。ここで、受信器103の位置として、通知信号153に含まれる複数の受信器位置情報164で示される複数の受信器103の位置、又は、受信器位置記憶部134に記憶されている複数の受信器103の位置が用いられる。
なお、受信電波強度は、受信器103と発信器104との距離に応じて変化する(距離が短いと受信電波強度が強くなる)。よって、位置情報生成部135は、複数の受信器103に対する、受信電波強度と受信器103の位置とから発信器104の位置を判別できる。
表示部136は、位置情報生成部135で検出された発信器104の位置を表示する。図9は、発信器104の位置の表示例を示す図である。図9に示すように、表示部136は、発信器104の位置171を二次元表示する。また、受信器103の位置172及び管理装置102の位置173等があわせて表示されてもよい。なお、これらの情報は、屋内であれば、間取り図等に重ねて表示されてもよし、野外であれば地図情報に重ねて表示されてもよい。
また、ここでは、発信器104の位置を二次元表示する例を示したが、三次元表示してもよい。
また、位置情報生成部135は、各受信器103で検知用信号151が受信できたか否かの情報(又は受信電波強度が予め定められた閾値以上か否かを示す情報)のみから、発信器104の位置を検知してもよい。つまり、位置情報生成部135は、受信電波強度情報163を用いてなくてもよい。例えば、位置情報は、検知用信号151を受信した受信器103を示す情報であってもよい。例えば、図9に示す例において、発信器104の位置171が表示される代わりに、検知用信号151を受信した受信器103が強調表示されてもよい。
また、位置情報生成部135は、受信器103の位置情報を用いなくてもよい。例えば、受信器103(例えばスマートフォン)を携帯する職員等が建物内にいる場合には、GPSを用いた位置計測を行うことができない。このような場合、又は、受信器103が位置計測部124を備えない場合には、位置情報生成部135は、位置情報として、各受信器103で検知用信号151が受信できたか否かを示す情報のみを生成してもよいし、検知用信号151を受信した受信器103を示す情報のみを生成してもよい。
また、位置情報に上記以外の情報が含まれてもよい。例えば、表示部136は、受信電波強度を表示してもよい。また、位置情報生成部135は、時系列に受信した複数の通知信号153に基づき、発信器104の移動方向又は移動速度等を示す情報を生成してもよい。
また、ここでは、第2期間T2において、複数の受信器103から管理装置102へ信号が送信される例を述べたが、複数の受信器103から管理装置102への信号に加え、管理装置102から複数の受信器103へ信号の送信が行われてもよい。
次に、第3期間T3において、管理装置102は、受信器103へ設定信号154を送信する。図10は、設定信号154の構成を示す図である。図10に示すように、設定信号154は、期間設定情報165Aと、受信器設定情報166と、発信器設定情報167Aとを含む。なお、設定信号154は、期間設定情報165A、受信器設定情報166及び発信器設定情報167Aの少なくとも一つを含めばよい。
期間設定情報165Aは、周期T0、第1期間T1、第2期間T2及び第3期間T3を示す。例えば、期間設定情報165Aは、第1期間T1の開始時刻を示す情報と、第1期間T1の長さを示す情報と、第2期間T2の長さを示す情報と、第3期間T3の長さを示す情報を含む。なお、期間設定情報165Aの具体例は、この例に限らず、複数の機器を同期させるための少なくとも一つのタイミングを示す情報(例えば、いずれかの期間のいずれかのタイミングを示す情報)と、各期間を算出するために必要な情報(期間の長さ、又は期間の開始或いは終了時刻を示す情報)とを含めばよい。
受信器設定情報166は、受信器103の送受信を設定するための情報である。発信器設定情報167Aは発信器104の送信タイミングを設定するための情報である。なお、これらの情報の詳細は後述する。
設定信号154を受信した受信器103は、受信された設定信号154に基づき、設定信号152を生成し、生成された設定信号152を発信器104へ送信する。
図11は、設定信号152の構成を示す図である。図11に示すように、設定信号152は、期間設定情報165Bと、発信器設定情報167Bとを含む。例えば、期間設定情報165B及び発信器設定情報167Bは、設定信号154に含まれる期間設定情報165A及び発信器設定情報167Aと同一の情報である。なお、設定信号152は、期間設定情報165A及び発信器設定情報167Bの少なくとも一つを含めばよい。
また、ここでは、設定信号152及び154の各々に複数の情報が含まれる例を示したが、各情報が個別の信号として送信されてもよい。さらに、これらの個別の信号、並びに設定信号152及び154の少なくとも一つは、各受信器103又は各発信器104宛に個別に送信されてもよいし、複数の受信器103又は複数の発信器104宛に送信されてもよい。
また、管理装置102と、複数の受信器103との間の無線通信は、直接又は1以上の他の受信器103を介して行われる。例えば、複数の受信器103には信号の伝播経路が予め設定されている。各信号(通知信号153及び設定信号154)は、この伝播経路に基づき、複数の受信器103間を伝播される。例えば、各受信器103は、設定された伝播経路の情報を保持しており、当該情報に基づき、受信した信号を中継するか否かを判定する。または、各信号に当該信号の伝播経路を示す情報が含まれ、各受信器は当該情報に基づき、受信した信号を中継するか否かを判定する。
また、複数の発信器104は、例えば、第3期間T3においてのみ、無線信号を受信可能な状態となり、第1期間T1及び第2期間T2においては、無線信号を受信しない状態(省電力状態)になる。これにより、発信器104の消費電力を低減できる。
なお、ここでは、各周期T0に、第1期間T1、第2期間T2及び第3期間T3が含まれる例を述べたが、発信器104への信号の送信が不要である場合には、第3期間T3は設けられなくてもよい。また、第3期間T3は、全ての周期T0に含まれるのではなく、複数周期毎に一回設けられてもよい。また、各周期T0又は複数周期毎に、第1期間T1、第2期間T2及び第3期間T3以外の期間が含まれてもよい。
さらに、第3期間T3の位置は、第2期間T2の後である必要はなく、任意の位置でよい。例えば、第3期間T3は、第1期間T1と第2期間T2との間に設けられていてもよいし、第1期間T1又は第2期間T2中に設けられていてもよい。
また、ここでは、第3期間T3において、設定信号154及び152が送信される例を述べたが、第3期間T3において、設定信号152が受信器103から発信器104へ送信されればよく、管理装置102から受信器103への設定信号154の送信は、第2期間T2に行われてもよい。
また、図5に示す各期間の長さ及び大小関係は一例であり、図5に示す例に限定されない。
以上のように、本実施の形態に係る位置検知システム100では、周期的に交互に繰り返される第1期間T1及び第2期間T2が設定されている。複数の発信器104の各々は、第1期間T1において検知用信号151を無線送信する。
複数の受信器103の各々は、第1期間T1において検知用信号151を受信する。複数の受信器103の各々は、第2期間T2において、(1)検知用信号151を受信したことを示す通知信号153を管理装置102宛で無線送信し、(2)他の受信器103から送信された通知信号153を、管理装置102へ中継する。
また、複数の受信器103の各々は、第1期間T1において複数の検知用信号151を受信した場合、当該複数の検知用信号151の情報を蓄積し、第2期間T2において複数の検知用信号151を受信したことを示す1以上の通知信号153を管理装置102宛で無線送信する。
管理装置102は、通知信号153を受信し、受信された通知信号153に基づき、複数の第1移動体のうち少なくとも一つの第1移動体の位置を示す位置情報を生成する。
これにより、複数の発信器104が検知用信号151を送信する期間と、複数の受信器103から管理装置102へ通知信号153が送信される期間とを分けることができる。これにより、位置検知システム100は、無線信号の混雑を抑制できる。
次に、第1期間T1における複数の発信器104による検知用信号151の送信タイミングを説明する。図12は、複数の発信器104が検知用信号151を送信するタイミングを示す図である。図12に示すように、複数の発信器104は、検知用信号151を互いに異なるタイミングで無線送信する。
以下、この処理を実現する複数の方法を説明する。
なお、複数の発信器104は互いに同期している。例えば、周期的に、又は所定のタイミングで、基準となるタイミングを示す信号が、複数の発信器104に無線送信され、各発信器104は、当該信号を用いて、基準となるタイミングを判断する。例えば、このタイミングを示す信号は、上述した設定信号152に含まれる期間設定情報165B又は発信器設定情報167Bに含まれてもよい。例えば、このタイミングを示す情報は、上述した第1期間T1の開始時刻を示す情報であってもよい。
まず、第1の方法について説明する。第1の方法では、各発信器104は、予め異なる遅延時間(混雑しないタイミング)を示す遅延情報を保持する。各発信器104は、基準となるタイミングから、保持する遅延情報で示される遅延時間分遅れたタイミングで検知用信号151を送信する。
また、この場合、位置検知システム100に含まれる全ての発信器104に、互いに異なる遅延時間が設定されてもよいし、複数の発信器104が複数のグループに分割され、当該グループごとに、互いに異なる遅延時間が設定されてもよい。
また、この遅延時間は、発信器104に固有の値が固定的に設定されていてもよいし、発信器104に設けられたスイッチ等を操作することで切り替えられてもよい。また、この遅延時間を示す情報が、管理装置102から各発信器104へ無線送信されてもよい。
次に、第2の方法について説明する。第2の方法は、上記の遅延時間を、管理装置102から発信器104に無線送信する方法である。具体的には、遅延時間を示す情報が、上記発信器設定情報167A及び167Bに含まれ、管理装置102から各発信器104へ送信される。この場合、発信器設定情報167A及び167Bには、設定対象の発信器104を示す情報(例えば発信器ID)が含まれる。
具体的には、各発信器104は、所定の間隔で検知用信号151を送信する。これらの検知用信号151を受信した受信器103は、管理装置102へ通知信号153を送信する。ここで、通知信号153は、検知用信号151の送信元の発信器104を識別するための発信器ID161Aに加え、受信器103が当該検知用信号151を受信した受信時刻を示す受信時刻情報を含む。なお、複数の受信器103は、同期しており、共通の基準に基づく、受信時刻が検知される。
管理装置102は、複数の通知信号153(検知用信号151)に含まれる受信時刻情報で示される受信時刻を用いて、複数の発信器104の遅延時間を決定する。具体的には、管理装置102は、図12に示すように、複数の発信器104から送信される検知用信号151の送信タイミングが互いに異なるように、複数の発信器104の遅延時間を決定する。より具体的には、管理装置102は、2つの検知用信号151の受信時刻が同じ又は近接する場合には、一方の検知用信号151の送信元の発信器104の送信時刻が遅れるように遅延時間を設定する。
次に、管理装置102は、決定された各発信器104の遅延時間を示す遅延情報を含む設定信号154(152)を、第3期間T3において、受信器103を介して、複数の発信器104へ無線送信する。各発信器104は、受信した遅延情報で示される遅延時間を自機器に設定する。
なお、遅延時間は、全ての発信器104に設定される必要はなく、必要に応じて、1以上の発信器104に設定されればよい。
その後、各発信器104は、設定された遅延時間に基づくタイミングで検知用信号151を送信する。
以上の処理により、図12に示すように複数の発信器104から送信される検知用信号151の送信タイミングを異ならせることができる。また、第2の方法は、第1の方法と比較した場合に、複数の発信器104を同期させる処理を行う必要がないので、動作時の消費電力を低減できるとともに、無線信号の混雑を低減できる。
また、ここでは、遅延時刻を示す遅延情報が発信器104に送信される例を述べたが、検知用信号151の送信時刻を示す送信時刻設定情報が発信器104に送信され、発信器104は、この送信時刻設定情報に基づき送信タイミングを調整してもよい。この場合、検知用信号151は、当該検知用信号151が発信器104から送信された送信時刻を示す送信時刻情報を含む。また、この送信時刻情報は、通知信号153に含まれ、管理装置102へ送信される。管理装置102は、上記受信時刻情報及び送信時刻情報を用いて、送信時刻設定情報を生成する。
つまり、位置検知システム100は、複数の発信器104に、互いに異なる送信タイミングを示すタイミング情報(遅延時間を示す遅延情報、又は送信時刻を示す送信時刻情報)を無線送信する。複数の発信器104は、受信したタイミング情報で示される送信タイミングに基づき、互いに異なるタイミングで検知用信号151を無線送信する。
また、位置検知システム100は、複数の発信器104から送信された複数の検知用信号151を受信器103が受信した受信時刻を用いて、複数の送信タイミングを決定する。
次に、第3の方法を説明する。第3の方法では、各発信器104は、予め異なる乱数を保持する。各発信器104は、探索モードにおいて、保持する乱数を用いて送信タイミングを決定し、決定された送信タイミングに検知用信号151を送信する。
次に、第4の方法を説明する。第4の方法では、各発信器104は、他の発信器104から送信された検知用信号151を受信した場合に、検知用信号151を送信する。これにより、各発信器104から検知用信号151が送信されるタイミングをずらすことができる。
例えば、予め複数の発信器104に検知用信号151の送信順が設定される。具体的には、管理装置102は、各発信器104に送信順を示す情報を無線送信する。例えば、この情報は、上述した設定信号152に含まれる発信器設定情報167Bに含まれる。例えば、この情報は、送信順で直前の発信器104の発信器IDを示す。なお、この情報は、位置検知システム100に含まれる全て又は一部の発信器104の送信順を示す情報であってもよい。また、この送信順は、各発信器104に予め設定されていてもよい。
各発信器104は、送信順で直前の発信器104から送信された検知用信号151を受信した場合に、検知用信号151を送信する。
また、各発信器104は、一定時間が経過しても、送信順で直前の発信器104から送信された検知用信号151を受信できない場合には、検知用信号151を送信する。これにより、各発信器104が、直前の発信器104からの検知用信号151を受信できなかった場合に、検知用信号151の送信が中断されてしまうことを防止できる。
例えば、発信器104は、前回の検知用信号151を送信してから予め定められた時間が経過しても、送信順で直前の発信器104から送信された検知用信号151を受信できない場合に、検知用信号151を送信する。また、発信器104は、送信順で2つ前の発信器104の情報を保持している場合には、送信順で2つ前の発信器104から送信された検知用信号151を受信してから、予め定められた時間が経過しても、送信順で直前の発信器104から送信された検知用信号151を受信できない場合に、検知用信号151を送信してもよい。
また、このように、送信順で直前の発信器104から送信された検知用信号151を受信できない発信器104が存在する場合には、管理装置102は、送信順を変更し、各発信器104に、変更後の送信順を通知してもよい。
また、検知用信号151を送信した発信器104は、次の送信までの間、通常のモードよりも消費電力の少ないスリープモードに移行してもよい。これにより、電池の寿命を延長できる。また、所定の回数又は時間ごとに、送信順が変更されてもよい。これにより、複数の発信器104の電池の寿命を平均化できる。
さらに、管理装置102は、検知用信号151を受信した場合に、送信元の発信器104にACK等を返してもよい。この場合、各発信器104は、ACKを受信できなかった場合に、再度、検知用信号151を送信する。なお、受信器103が送信元の発信器104にACK等を返してもよい。また、このようなACK処理は、上記第1〜第4の方法の場合に限らず、本実施の形態に記載の通信プロトコルのいずれに適用してもよい。
以上のような第1〜第4の方法のいずれかにより、図12に示すように、検知用信号151の送信タイミングをずらすことができる。これにより、例えば、コンサート会場又はイベント会場において、複数の発信器104を同時に探索モードに設定する場合における、無線信号の混雑(干渉)を抑制できる。
また、上記の第1〜第4の方法のいずれかにより、複数の発信器104に送信タイミングが設定されたあと、複数の発信器104の送信タイミングがずれる場合がある。このような場合に、例えば、上記第2の方法と同様の手法により、このずれを補正してもよい。
つまり、通知信号153は、受信器103が検知用信号151を受信した受信時刻を示す受信時刻情報を含む。また、複数の受信器103は、同期しており、共通の基準に基づく、受信時刻が検知される。
管理装置102は、複数の発信器104の理想的な送信タイミングを記憶している。または、管理装置102は、複数の発信器104から送信される検知用信号151の理想的な送信間隔(受信間隔)を記憶しており、当該送信間隔を用いて、理想的な送信タイミングを算出する。
管理装置102は、複数の通知信号153に含まれる受信時刻情報で示される受信時刻が、上記理想的な送信タイミングを基準とする許容範囲内であるかを判定する。
管理装置102は、受信時刻が、許容範囲外である場合、発信器104に対して送信タイミングの補正を指示する。具体的には、管理装置102は、決定された発信器104の送信タイミングの補正指示(例えば、遅延時間)を示す補正情報を、受信器103を介して、発信器104へ無線送信する。発信器104は、受信した補正情報で示される補正指示に従い、送信タイミングを補正する。
なお、このずれの補正において、内部処理誤差が加味されて処理が行われてもよい。また、これらの判定処理及び補正指示は、管理装置102でなはく、受信器103で行われてもよい。また、この場合、上記理想的な送信タイミング及び送信間隔は、受信器103に予め記憶されていてもよいし、管理装置102から受信器103に送信されてもよい。また、発信器104は、上記理想的な送信タイミング及び送信間隔を記憶しており、発信器104から受信器103又は管理装置102へ送信されてもよい。
また、検知用信号151は、さらに、当該検知用信号151が発信器104から送信された送信時刻を示す送信時刻情報を含み、受信器103は、送信時刻と受信時刻とを比較することで、受信時刻が許容範囲内であるかを判定してもよい。また、この送信時刻情報は、通知信号153に含まれ、管理装置102へ送信され、管理装置102は、受信時刻及び送信時刻を用いて、同様の判定を行ってもよい。
また、発信器設定情報167A及び167Bの送信は、毎周期行われてもよいし、所定の周期ごとに行われてもよいし、初期設定時及び設定が変更された際のみに行われてもよい。
次に、第2期間T2における受信器103の動作を説明する。図13は、複数の受信器103が通知信号153を送信するタイミングを示す図である。図13に示すように、第2期間T2において、複数の受信器103は、通知信号153を順次管理装置102へ無線送信する。つまり、複数の受信器103は、第2期間T2において、互いに異なるタイミングで通知信号153を送信する。
以下、この処理を実現する複数の方法を説明する。
まず、第1の方法について説明する。第1の方法は、各受信器103の送信期間を示す情報を、管理装置102から受信器103に無線送信する方法である。具体的には、送信期間を示す情報が、上記受信器設定情報166に含まれ、管理装置102から各受信器103へ送信される。この場合、受信器設定情報166には、設定対象の受信器103を示す情報(例えば受信器ID)が含まれる。
次に、第2の方法を説明する。第2の方法では、各受信器103は、予め設定されている他の受信器103から送信された通知信号153を受信した場合に、通知信号153を送信する。
例えば、予め複数の受信器103に通知信号153の送信順が設定される。具体的には、管理装置102は、各受信器103に送信順を示す情報を上記受信器設定情報166に含めて無線送信する。例えば、この情報は、送信順で直前の受信器103の発信器IDを示す。なお、この情報は、位置検知システム100に含まれる全て又は一部の受信器103の送信順を示す情報であってもよい。また、この送信順は、各受信器103に予め設定されていてもよい。
各受信器103は、送信順で直前の受信器103から送信された通知信号153を受信した場合に、通知信号153を送信する。
また、各受信器103は、一定時間が経過しても、送信順で直前の受信器103から送信された通知信号153を受信できない場合には、通知信号153を送信する。これにより、各受信器103が、直前の受信器103からの通知信号153を受信できなかった場合に、通知信号153の送信が中断されてしまうことを防止できる。
例えば、受信器103は、前回の通知信号153を送信してから予め定められた時間が経過しても、送信順で直前の受信器103から送信された通知信号153を受信できない場合に、通知信号153を送信する。また、受信器103は、送信順で2つ前の受信器103の情報を保持している場合には、送信順で2つ前の受信器103から送信された通知信号153を受信してから、予め定められた時間が経過しても、送信順で直前の受信器103から送信された通知信号153を受信できない場合に、通知信号153を送信してもよい。
また、このように、送信順で直前の受信器103から送信された通知信号153を受信できない受信器103が存在する場合には、管理装置102は、送信順を変更し、各受信器103に、変更後の送信順を通知してもよい。
また、各受信器103は通知信号153の送信が完了したことを示す信号を送信し、次の受信器103が当該信号を受信した際に、通知信号153を送信してもよい。
また、受信器設定情報166の送信は、毎周期行われてもよいし、所定の周期ごとに行われてもよいし、初期設定時及び設定が変更された際のみに行われてもよい。
なお、ここでは、各受信器103に割り当てられた期間において、当該受信器103から送信された信号が管理装置102へ伝送される例(各期間において中継処理も含む伝送処理が行われる例)を述べたが、当該期間において伝送順で次の受信器103まで信号が伝送されてもよい。この場合、各受信器103は、当該受信器103に割り当てられた期間において、自身が作成した通知信号153の送信と、他の受信器103から送信された通知信号153の中継とを行う。
次に、管理装置102による第1期間T1及び第2期間T2の設定方法を説明する。
管理装置102は、(1)現在の設定では検知用信号151又は通知信号153の送信が正しく行えていない場合、及び(2)発信器104及び受信器103の数に応じて、第1期間T1及び第2期間T2の長さを変更する。
図14は、管理装置102による第1期間T1及び第2期間T2の設定処理のフローチャートである。
まず、管理装置102は、初期設定として、周期T0、第1期間T1及び第2期間T2を予め定められた初期値に設定する(S101)。なお、この情報は、上記期間設定情報165A(165B)に含まれ、受信器103及び発信器104に送信されてもよいし、受信器103及び発信器104に予め記憶されていてもよい。
次に、管理装置102は、登録されている全ての受信器103から通知信号153を受信したかを判定する(S102)。具体的には、管理装置102は、位置検知システム100に含まれる全ての受信器103の情報を保持している。例えば、受信器103の情報は、ユーザにより予め登録されている。または、管理装置102が位置検知システム100に含まれる受信器103を定期的に探索し、探索結果に基づき、位置検知システム100に含まれる受信器103を把握する。
また、この判定は、1周期ごとに行われる必要はなく、予め定められた周期ごとに行われてもよい。この場合、管理装置102は、その複数の周期において、所定回数以上、全ての通知信号153を受信できない状態が発生した場合に、全ての受信器103から通知信号153を受信できなかったと判定(S102でNo)してもよい。
全ての受信器103から通知信号153を受信できなかったと判定された場合(S102でNo)、管理装置102は、受信できなかった通知信号153の送信元の受信器103である対象受信器の存在確認を行う(S103)。
具体的には、管理装置102は、確認信号を対象受信器へ送信し、当該確認信号に対する返答が対象受信器からあるかに基づき、対象受信器が存在しているか否かを判定する。例えば、この確認信号の送信及び返答は、第2期間T2における、対象受信器に割り当てられている送信期間とは異なる期間に行われる。例えば、第2期間T2に予め予備期間が設けられており、当該予備期間において、この確認信号の送信及び返答が行われる。なお、予備期間は、第1期間T1、第2期間T2及び第3期間T3のいずれとも異なる期間に設けられていてもよい。また、この存在確認処理は、異なる時刻に複数回行われ、所定の回数以上存在が確認できない場合に、対象受信器が存在しないと判定されてもよい。
対象受信器の存在が確認された場合(S104でYes)、管理装置102は、対象受信器が存在しているものの、現在の設定では通知信号153の送信が正しく行えていないと判断し、第2期間T2を長くする(S105)。また、管理装置102は、第2期間T2の変更に伴い、周期T0の長さを変更する。
一方、対象受信器の存在が確認できなかった場合(S104でNo)、管理装置102は、管理対象の受信器103の数が減ったと判断し、第2期間T2を短くする(S106)。また、管理装置102は、第2期間T2の変更に伴い、周期T0の長さを変更する。例えば、管理装置102は、対象受信器が管理対象から外れることにより、管理対象の受信器103の数が所定値以下になる場合に、第2期間T2を短くする。また、第2期間T2の長さに下限値が設けられており、管理装置102は、現在の第2期間T2の長さが下限値である場合には、第2期間T2を短くする処理を行わなくてもよい。
一方、ステップS102において全ての通知信号153が受信された場合(S102でYes)、管理装置102は、全ての発信器104からの検知用信号151が検知されたかを判定する(S107)。具体的には、管理装置102は、位置検知システム100に含まれる全ての発信器104の情報を保持している。例えば、発信器104の情報は、ユーザにより予め登録されている。または、管理装置102は、新たに発信器104が検知された場合に、当該発信器104を管理対象に加える。
また、この判定は、1周期ごとに行われる必要はなく、予め定められた周期ごとに行われてもよい。この場合、管理装置102は、その複数の周期において、所定回数以上、全ての発信器104を検知できない状態が発生した場合に、全ての発信器104を検知できなかったと判定(S107でNo)してもよい。
全ての発信器104を検知できなかったと判定された場合(S107でNo)、管理装置102は、検知できなかった発信器104である対象発信器の存在確認を行う(S108)。
具体的には、管理装置102は、確認信号を対象発信器へ送信し、当該確認信号に対する返答が対象発信器からあるかに基づき、対象発信器が存在しているか否かを判定する。例えば、この確認信号の送信及び返答は、第3期間T3に行われる。なお、この処理は、第1期間T1、第2期間T2及び第3期間T3のいずれとも異なる予備期間に行われてもよい。また、この存在確認処理は、異なる時刻に複数回行われて、所定の回数以上存在が確認できない場合に、対象発信器が存在しないと判定されてもよい。
対象発信器の存在が確認された場合(S109でYes)、管理装置102は、対象発信器が存在しているものの、現在の設定では検知用信号151の送信が正しく行えていないと判断し、第1期間T1を長くする(S111)。また、管理装置102は、第1期間T1の変更に伴い、周期T0の長さを変更する。
一方、対象発信器の存在が確認できなかった場合(S109でNo)、管理装置102は、管理対象の発信器104の数が減ったと判断し、第1期間T1を短くする(S110)。また、管理装置102は、第1期間T1の変更に伴い、周期T0の長さを変更する。例えば、管理装置102は、対象発信器が管理対象から外れることにより、管理対象の発信器104の数が所定値以下になる場合に、第1期間T1を短くする。また、第1期間T1の長さに下限値が設けられており、管理装置102は、現在の第1期間T1の長さが下限値である場合には、第1期間T1を短くする処理を行わなくてもよい。
一方、ステップS107において全ての発信器104が検知された場合(S107でYes)、管理装置102は、現在管理対象に含まれていない新たな発信器104である追加発信器が検知されたかを判定する(S112)。
追加発信器が検知された場合(S112でYes)、管理装置102は、管理対象の発信器104の数が増えたと判断し、第1期間T1を長くする(S111)。また、管理装置102は、第1期間T1の変更に伴い、周期T0の長さを変更する。例えば、管理装置102は、追加発信器が管理対象に追加されることにより、管理対象の発信器104の数が所定値以上になる場合に、第1期間T1を長くする。
ステップS105、S106、S110又はS111の後、管理装置102は、位置検知処理が終了したか否かを判定する(S113)。例えば、管理装置102に対するユーザ操作により、位置検知処理を終了する指示が入力された場合に、管理装置102は、位置検知処理を終了すると判断する(S113でYes)。なお、他の装置を介して、位置検知処理を終了する指示が入力されてもよい。また、この位置検知処理の終了の判定処理(S113)が行われるタイミングは任意のタイミングでよい。
位置検知処理の終了指示がない場合(S113でNo)、ステップS102以降の処理が再度行われる。
以上により、管理装置102は、(1)現在の設定では検知用信号151又は通知信号153の送信が正しく行えていない場合、及び(2)発信器104及び受信器103の数に応じて、第1期間T1及び第2期間T2の長さを変更できる。
これにより、管理装置102は、伝播エラーを防止できるとともに、最適な長さの第1期間T1及び第2期間T2を設定できる。また、管理装置102は、受信器103又は発信器104の数の変化、及び環境の変化等に適宜対応できる。
なお、上記説明では、管理装置102は、発信器104に対してのみ追加の判定(S112)を行っているが、受信器103に対しても同様の判定を行い、受信器103の数が増加した場合には、第2期間T2を長くしてもよい。
また、ユーザ入力等により、特定の発信器104又は受信器103を管理対象から外すことが指示された場合にも同様の処理が行われてもよい。
また、上記説明では、ステップS101において予め定められた初期値が設定される例を説明したが、発信器104又は受信器103の数に応じて初期値が設定されてもよい。具体的には、発信器104の数が多いほど第1期間T1は長く設定され、受信器103の数が多いほど第2期間は長く設定される。
また、上記説明では、管理装置102は、第1期間T1及び第2期間T2を個別に設定しているが、いずれか一方の期間が変更される際に、他方の期間も合わせて変更してもよい。
また、各期間が再設定された場合には、必要に応じて、管理装置102は、受信器103の送信期間又は発信器104の送信タイミングを再設定する。
また、管理装置102は、各期間を再設定する前に、受信器103の送信期間又は発信器104の送信タイミングを再設定し、それでも状況が改善されない場合に、各期間を再設定してもよい。
また、追加発信器が検知された場合(S112でYes)には、管理装置102は、当該追加発信器の送信タイミングを設定する。
また、第3期間T3又は上記予備期間を示す情報は、定期的に送信されていてもよいし、上記確認信号に含まれてもよい。これにより、追加発信器は、他の信号と干渉せず、確認信号への返答又は検知用信号151を送信できるタイミングを把握できる。または、第3期間T3又は上記予備期間は、第1期間T1及び第2期間T2に依存しないタイミングに設定されていてもよい。
また、第2期間に対する処理(S102〜S106)と、検知用信号に基づく第1期間の設定処理(S107〜S111)と、追加発信器に基づく第1期間の設定処理(S112〜S111)との順序は任意でよく、独立(並列)に行われてもよい。
以上のように、複数の受信器103は、複数の発信器104に、第1期間T1及び第2期間T2を設定するための設定信号152を無線送信する。複数の発信器104の各々は、受信した設定信号152に基づき、第1期間T1において検知用信号151を送信する。
具体的には、第3期間T3が周期的に設定されており、複数の受信器103は、第3期間T3において、複数の発信器104に設定信号152を無線送信する。これにより、受信器103から発信器104へ設定信号152を送信する期間を他の期間(第1期間及び第2期間)から分離できる。これにより、位置検知システム100は、無線信号の混雑を抑制できる。
また、管理装置102は、受信された通知信号153に基づき、全ての複数の発信器104から送信された検知用信号151が複数の受信器103のいずれかで受信されたかに応じて、第1期間T1を再設定する。具体的には、管理装置102は、いずれかの発信器104から送信された検知用信号151が複数の受信器103のいずにおいても受信できない場合に、第1期間T1を長くする。
また、管理装置102は、全ての複数の受信器103から通知信号153を受信できたかに応じて、前記第2期間T2を再設定する。具体的には、管理装置は、いずれかの受信器103から通知信号153を受信できない場合に、第2期間T1を長くする。
また、管理装置102は、新たな発信器104が追加された場合に、第1期間T1を再設定する。具体的には、管理装置102は、新たな発信器104が追加された場合に、第1期間T1を長くする。
そして、管理装置102は、再設定された第1期間又は第2期間を設定するための設定信号154を複数の受信器103に無線送信する。複数の受信器103は、設定信号154を受信した場合、再設定された第1期間又は第2期間を設定するための設定信号152を、複数の発信器104に無線送信する。
これにより、管理装置102は、システムの状態等に応じて、適切な第1期間T1及び第2期間を設定できる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1に係る位置検知システム100の変形例について説明する。
図15は、本実施の形態に係る位置検知システム200の構成を示す図である。図15に示す位置検知システム200は、複数のサブシステム100A〜100Cを含む。ここで、サブシステム100A〜100Cの各々の構成は、実施の形態1で説明した位置検知システム100と同様である。
なお、ここでは、各サブシステムに管理装置102が含まれているが、単一の管理装置102により、複数のサブシステムが管理されてもよい。また、各サブシステム100A〜100Cに含まれる管理装置102を管理する上層の装置が設けられていてもよい。
さらに、位置検知システム200は、移動受信器105を含む。移動受信器105は、移動可能な検知補助体(第2移動体)に保持(携帯又は装着)される。また、移動受信器105の機能は、受信器103と同様である。
例えば、監視対象者(子供等)が携帯する発信器104が検知できなくなった場合、監視対象者が、監視対象の領域、つまり、複数の受信器103の受信範囲から出た可能性がある。このような場合には、検知補助体である探索者が、移動受信器105を携帯して監視対象者を捜索する。ここで、移動受信器105は、他の受信器103と無線通信する機能を有するので、一時的に受信範囲を広げることができる。これにより、受信範囲から出た発信器104を検知することができる。
さらに、移動受信器105は、他の移動受信器105からの信号を中継する機能を有するので、複数の移動受信器105を用いることで、受信範囲をさらに広げることができる。
なお、検知補助体は人に限らず、動物又は移動可能な機械等であってもよい。
一方で、図15に示すシステムでは、移動受信器105は、複数のサブシステム100A〜100Cを跨いで移動可能である必要がある。よって、各サブシステムは、このような移動受信器105の出入りを加味して、実施の形態1で説明した各期間の設定を行う必要がある。
具体的には、上述したように各サブシステムでは、第1期間T1及び第2期間T2が異なる場合がある。よって、移動受信器105は、自身が通信可能な時間帯である第4期間を把握する必要がある。
本実施の形態では、上記の第4期間を示す通信時間帯情報168が周期的に無線送信される。移動受信器105は、その通信時間帯情報168を参照することで、自身が通信可能な時間帯を把握する。
例えば、図16に示す通知信号153Aのように、受信器103から送信される通知信号153に通信時間帯情報168が含まれる。なお、通信時間帯情報168は、全ての通知信号153に含まれる必要はなく、所定の周期で通知信号153に含まれてもよい。
また、通信時間帯情報168は、受信器103から定期的に送信される信号であれば、通知信号153以外に含まれてもよい。また、受信器103から送信される信号に限らず、管理装置102から送信される信号に通信時間帯情報168が含まれてもよい。
また、通信時間帯情報168で示される第4期間とは、例えば、第2期間T2内に予め設けられている予備期間である。
次に、本実施の形態における通知信号153の伝送方法を説明する。ここでは、図17に示すように、2つの受信器103A及び103Bと、2つの移動受信器105A及び105Bとが存在し、発信器104からの検知用信号151が移動受信器105Bで受信され、移動受信器105B、移動受信器105A、受信器103B及び受信器103Aの経路で、管理装置102へ通知信号153が伝送される場合の例を説明する。
本実施の形態では、移動受信器105が、通常の受信器103とは異なり、特殊な発信器104であるという位置付けで処理が行われる。
図18は、本実施の形態における通知信号153の伝送を説明するための図である。まず、移動受信器105Bは、第1周期の第1期間T1において、発信器104から送信された検知用信号151を受信する。移動受信器105Bは、直後の第2期間T2において、通知信号153を送信する。
ここで、移動受信器105A及び105Bに対しては伝播経路が設定されておらず、移動受信器105Bからの通知信号153Aは、検知用信号151と同様にブロードキャスト送信される。
移動受信器105Aは、第1周期の第2期間T2において、移動受信器105Bからの通知信号153を受信する。移動受信器105Aは、この通知信号153Aを直ちに送信せず、検知用信号151を受信した場合と同様に、次の第2周期の第2期間T2まで保持する。そして、移動受信器105Aは、第2周期の第2期間T2において、通知信号153を中継先の機器を指定せずブロードキャスト送信する。
受信器103Bは、第2周期の第2期間T2において、移動受信器105Bからの通知信号153を受信する。受信器103Bは、移動受信器105Aと同様に、受信した通知信号153を次の第3周期の第2期間T2まで保持する。
そして、受信器103Bは、第3周期の第2期間T2において、通知信号153を管理装置102へ送信する。ここで、受信器103A及び103Bには予め伝播経路が設定されているので、同一の第2期間T2内において、受信器103Aにおいて中継処理が行われ、通知信号153が管理装置102へ伝送される。
なお、上記のようなブロードキャスト送信を用いた伝送を行う場合には、同じ信号が繰り返し伝送されることを防止する必要がある。例えば、移動受信器105は、自身が中継した信号の情報を記憶しており、中継済みの信号を受信した場合には、再度中継を行わないように制御する。
また、上記説明では、移動受信器105は、検知用信号151又は他の移動受信器105からの通知信号153を受信した際に、第2期間に通知信号153を送信しているが、第1期間に通知信号153を送信してもよい。
また、検知用信号151として、図19に示す検知用信号151Aが用いられてもよい。図19に示す検知用信号151Aは、発信器ID161Aに加え、グループID169と、送信順No170と、送信回数175とを含む。なお、検知用信号151Aは、グループID169、送信順No170及び送信回数175の少なくとも一つを含めばよい。
また、グループID169は、受信された検知用信号151の情報として通知信号153に含まれ、管理装置102へ送信される。なお、通知信号153は、送信順No170及び送信回数175の少なくとも一つを含んでもよい。
グループID169は、検知用信号151Aの送信元の発信器104が属するグループを示すグループ情報である。つまり、複数の発信器104及び複数の受信器103は、複数のグループのいずれかに属する。ここで複数のグループとは、例えば、図15に示すサブシステム100A〜100Cである。
このように、検知用信号151AにグループID169が含まれることにより、管理装置102又は受信器103は、他のグループに属する発信器104が当該グループの検知範囲内に入ったことを容易に検知できる。また、例えば、管理装置102又は受信器103は、新たな発信器104が管理対象として追加されたこと(例えば、図14のステップS112の処理)を容易に判定できる。
次に、図19に示す送信順No170を用いた処理について説明する。
送信順No170は、検知用信号151Aの送信元の発信器104の検知用信号151の送信順を示す送信順情報である。ここで、複数の発信器104は、図12に示すように、第1期間において、互いに異なるタイミングで検知用信号151を無線送信する。また、複数の発信器104には、検知用信号151の送信順が設定されており、この送信順に従い、順次、検知用信号151を送信する。例えば、この送信順は、複数の発信器104に予め設定されていてもよいし、上述した設定信号152(154)等により複数の発信器104に通知されてもよい。
図20は、この送信順No170を用いた、複数の発信器104による検知用信号151Aの送信タイミングの制御を示す図である。図20に示すように、まず、送信順Noが「1」の発信器Aが検知用信号151Aを送信する。送信順Noが「2」の発信器Bは、自身の送信順の直前の送信順(この場合、送信順No=1)を示す送信順No170を含む検知用信号151Aを受信した場合に、検知用信号151Aを無線送信する。同様に、送信順Noが「3」の発信器Bは、自身の送信順の直前の送信順(この場合、送信順No=2)を示す送信順No170を含む検知用信号151Aを受信した場合に、検知用信号151Aを無線送信する。
このように、送信順No170を用いることで、複数の発信器104から送信される複数の検知用信号151Aの送信タイミングを容易な制御で異ならすことができる。
また、複数の発信器104には、発信器104間における検知用信号151Aの送信間隔t0が設定される。例えば、この送信間隔t0は、複数の発信器104に予め設定されていてもよいし、上述した設定信号152(154)等により複数の発信器104に設定されてもよい。
複数の発信器104の各々は、直前の送信順を示す送信順No170を含む検知用信号151Aを受信してから、送信間隔t0が経過した後に、検知用信号151Aを無線送信する。
これにより、複数の発信器104の各々の同一の送信間隔t0を設定できるので、複数の検知用信号151Aの送信タイミングの変更等を容易に行うことができる。例えば、各発信器104に送信タイミングを示す時刻情報が設定される場合には、各発信器104に異なる時刻を設定する必要がある。一方、送信間隔t0を用いる場合には、各発信器104に同一の値を設定すればよい。
さらに、送信タイミングのずれの補正も送信順No170から導くことができるので、受信器103が各発信器104の情報を記憶する必要がない。
なお、送信順No170は、図20等に示すように、送信順を示す通し番号であってもよいし、基準時刻(例えば、第1期間の開始時刻)から検知用信号151Aを送信するまでの時間を示す情報であってもよい。なお、送信順No170が時間を示す情報である場合には、上述した送信間隔t0は設定される必要はなく、各発信器104は、送信順No170で示される時間のみに基づき、検知用信号151Aの送信タイミングを決定できる。
また、各発信器104は、直前の送信順を示す送信順No170を含む検知用信号151Aを受信してから、送信間隔t0が経過した後に、検知用信号151Aを無線送信するのではなく、送信順及び送信間隔t0で定まるタイミングで検知用信号151Aを無線送信してもよい。具体的には、発信器104は、基準時刻から、送信順及び送信間隔t0で定まる時刻が経過した後に、検知用信号151Aを無線送信する。より具体的には、図20に示すように、送信順Noが「1」の発信器Aは、基準時刻から送信間隔t0が経過したタイミングで検知用信号151Aを送信する。送信順Noが「2」の発信器Bは、基準時刻から送信間隔t0×2の時間t1が経過したタイミングで検知用信号151Aを送信する。送信順Noが「3」の発信器Bは、基準時刻から送信間隔t0×3の時間t2が経過したタイミングで検知用信号151Aを送信する。このような場合でも上記と同様の効果を実現できる。
次に、図19に示す送信回数175を用いた処理について説明する。
送信回数175は、当該検知用信号151Aが当該発信器104から何回目に送信された検知用信号151Aであるかを特定するための送信回数情報である。例えば、送信回数175は、検知用信号151Aの送信ごとに1ずつ増加する。
図21は、発信器104が無線信号を受信可能な状態に遷移するタイミングを示す図である。図21に示すように、発信器104は、検知用信号151Aを送信した直後の期間t1において、無線信号を受信可能な状態に遷移する。また、複数の発信器104の各々は、検知用信号151Aを複数回送信するごとに一回、無線信号を受信可能な状態に遷移する。
図21に示す例では、発信器104は、検知用信号151Aの送信の5回に1回、無線信号を受信可能な状態に遷移する。なお、発信器104は、上記期間t1以外の期間は、無線信号を受信しない状態(省電力状態)になる。これにより、発信器104の消費電力を低減できる。
また、送信回数175が検知用信号151Aに含まれることにより、受信器103は、送信回数175を用いて、発信器104が受信可能な状態である期間t1を容易に判定できる。これにより、受信器103は、この期間t1において、発信器104に信号を送信できるので、不要な信号の送信を抑制できる。
なお、上記説明では、第3期間において、受信器103から発信器104への信号(設定信号152等)の送信が行われる例を述べたが、第3期間に加え、上記期間t1に送信が行われてもよいし、期間t1のみにおいて送信が行われてもよい。
また、図21では、発信器104は、検知用信号151Aの送信の5回に1回、無線信号を受信可能な状態に遷移しているが、検知用信号151Aの送信回数は5回に限らず、任意の回数でよい。
また、ここでは、送信回数175が、検知用信号151Aの累計の送信回数を示す例を示したが、送信回数175は、所定の数まで増加した後に、リセットされてもよい。例えば、図21に示すように5回に1回、期間t1が設けられる場合には、送信回数175は「1」から「5」までの増加を繰り返してもよい(つまり、「5」の次に「1」に戻る)。または、送信回数175は、所定の送信回数(例えば5回)に1回、所定の論理値(例えば「1」)になるフラグ情報であってもよい。例えば、送信回数175は、上記例では、送信回数が「1」と「6」の場合に「1」であり、他は「0」であってもよい。
また、上記説明では、全ての周期の第1期間T1において、全ての発信器104が検知用信号151(151A)を送信する例を述べたが、各発信器104は、所定の周期毎の第1期間T1において検知用信号151(又は151A)を送信してもよい。例えば、複数の発信器104が2つのグループに分割され、第1のグループに属する発信器104は、奇数周期においてのみ検知用信号151を送信し、第2のグループに属する発信器104は、偶数周期においてのみ検知用信号151を送信してもよい。これにより、検知用信号151の混雑を抑制できる。また、この場合、上記の送信回数175は、周期ごとに1インクリメントされてもよい。つまり、自身の属するグループが検知用信号151を送信しない周期においても、送信回数175は、1インクリメントされてもよい。
また、受信器103は、受信した全ての検知用信号151の情報を含む通知信号153を送信するのではなく、受信した検知用信号151のうち所定の条件を満たす検知用信号151の情報のみを含む通知信号153を送信してもよい。例えば、受信器103は、送信回数175に基づき、特定の送信回数175を含む検知用信号151Aの情報のみを含む通知信号153を送信してもよい。または、受信器103は、直前の周期においても同じ発信器104からの検知用信号151を受信している場合には、当該検知用信号151の情報を含まない通知信号153を送信してもよい。これにより、通知信号153の情報量を低減できる。
また、発信器104は、受信器103又は管理装置102からの所定の受信情報が途絶えた場合に、検知用信号151の送信間隔を変更してもよい。例えば、発信器104は、上記受信情報が途絶えた場合に、検知用信号151の送信間隔を短くしてもよい(例えば、5秒間隔)。ここで、受信情報とは、受信器103又は管理装置102が検知用信号151を受信した際に、受信確認として発信器104に送信する信号、又は、受信器103又は管理装置102が定期的に送信する信号である。これにより、発信器104が管理範囲外から外れた場合に、発信器104は、短い送信間隔で検知用信号151を送信する。よって、上述した移動受信器105等を用いて、管理範囲外から外れた発信器104の位置を迅速に検知できる。また、発信器104は、上記の送信間隔が短いモードに移行した後、上記受信情報を再度受信できた場合には、送信間隔が長い通常モードに移行する。
以上により、本実施の形態に係る位置検知システム200は、移動受信器105の送信期間を適切に制御できるとともに、移動受信器105を介した信号伝送を実現できる。
以上のように、移動受信器105は、第2期間T2に含まれ、複数の受信器103が通知信号153を送信しない予め定められた第4期間において通知信号153を無線送信する。複数の受信器103は、第2期間T2において、移動受信器105から送信された通知信号153を管理装置102へ送信する。
これにより、移動受信器105は、他の受信器103からの信号と干渉しない時間帯に通知信号153を送信できるので、無線信号の干渉が抑制される。
また、複数の受信器103のいずれか又は管理装置102は、第4期間を示す通信時間帯情報168を周期的に無線送信する。これにより、移動受信器105は第4期間を把握できる。
また、複数の受信器103は、予め設定されている伝播経路に従い通知信号153を管理装置102へ伝送し、移動受信器105は、伝播経路を指定せずに通知信号153を送信する。また、複数の受信器103は、移動受信器105から送信された通知信号153を受信した場合、予め設定されている伝播経路に従い通知信号153を管理装置102へ伝送する。
これにより、移動受信器105を特殊な発信器104とみなし、容易な制御で移動受信器105からの信号を伝送できる。
以上、本発明の実施の形態に係る位置検知システムについて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
また、上記説明では、本実施の形態に係る位置検知システムについて説明したが、本発明は、位置検知システムに含まれる無線通信システムとして実現してもよい。つまり、本実施の形態に係る無線通信システムは、上記のような位置検知システムに適用できるだけでなく、同様の無線通信が用いられる無線通信システムにも適用できる。
また、上記実施の形態に係る位置検知システムに含まれる各装置に含まれる各処理部は典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、上記実施の形態に係る位置検知システムに含まれる各装置の機能の一部又は全てを、CPU等のプロセッサがプログラムを実行することにより実現してもよい。
さらに、本発明は上記プログラムであってもよいし、上記プログラムが記録された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。また、上記プログラムは、インターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
また、本発明は位置検知システムとして実現できるだけでなく、位置検知システムに含まれる発信器、受信器、又は管理装置として実現してもよい。また、本発明は、このような位置検知システムに含まれる特徴的な手段をステップとする迷子探索方法として実現したり、そのような特徴的なステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したりすることもできる。
また、上記で用いた数字は、全て本発明を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、上記フローチャートで示すステップが実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
以上、一つまたは複数の態様に係る位置検知システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。