以下、図面にしたがって本発明の実施の形態を説明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
[蓄電池の充放電制御装置の構成図]
図1は、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成の一例を示す図である。図1の蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、コンピュータであって、社内に設置されるサーバ装置である。蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)301、ユーザからデータの入力を受け付ける入力装置302、モニタ303を有する。また、蓄電池の充放電制御装置100は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読み取り装置304、他の装置と接続するためのインターフェース装置305、他の装置と無線により接続するための無線通信装置306を有する。また、蓄電池の充放電制御装置100は、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)307、ハードディスク装置308を有する。各装置301〜308は、バス309を介して接続される。
ハードディスク装置308には、例えば、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御処理を行うプログラムが記憶される。また、ハードディスク装置308には、蓄電池の充放電制御プログラムを実現するための各種データが記憶される。CPU301は、ハードディスク装置308に記憶されたプログラムを読み出してRAM307に展開し、蓄電池の充放電制御処理を実現する。
なお、蓄電池の充放電制御処理を行うプログラムは、必ずしもハードディスク装置308に記憶されている必要はない。例えば、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されたプログラムを、CPU301が読み出して実行するようにしても良い。コンピュータが読み取り可能な記録媒体は、例えば、CD−ROMやDVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等に接続された装置にこのプログラムを記憶させておき、CPU301がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしても良い。
図1に示すように、蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、分電盤20と、ノートPC(Personal Computer)30a,30b,30c(以下、ノートPC30)と、社内LAN(Local Area Network)10を介して接続される。ノートPC30は、例えば、社内のユーザが利用するノート型パーソナルコンピュータである。この例において、蓄電池は、ノートPCの内蔵バッテリを示す。本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、複数のノートPCの内蔵バッテリの充放電状態を時間帯毎に指定する充放電制御計画PLを作成する。また、ノートPC30には、例えば、内蔵バッテリの充放電を制御するクライアント用アプリケーションがインストールされる。ノートPC30は、例えば、蓄電池の充放電制御装置100から送信された充放電制御計画PLに基づいて、内蔵バッテリの充放電状態を切り替える。
なお、社内LAN10としては、例えば、有線LANや無線LANなどの任意の種類の通信網が採用され、インターネットやLANなどの他のネットワークに接続されても良い。また、例えば、分電盤20は、電源線40を介してノートPC30a,30b,30cに電力を供給する。また、図1において、蓄電池の充放電制御装置100には、3台のノートPC30a,30b,30cが接続される場合を示したが、この例に限定されるものではない。蓄電池の充放電制御装置100には、任意の数のノートPCが接続されてもよい。
[蓄電池の充放電制御装置のブロック図]
図2は、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100のブロック図の一例を示す図である。図2の蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、通信制御部110、記憶部120、制御部130を有する。通信制御部110は、図1の分電盤20及びノートPC30の間で送受信される各種情報に関する通信を制御する。通信制御部110は、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Card)である。
制御部130は、例えば、状態取得部131、計画外使用検出部132、推定部136、充放電制御計画修正部137、充放電制御計画作成部133、充放電制御計画保存部134、充放電状態制御部135を有する。制御部130の機能は、例えば、図1のCPU301が、蓄電池の充放電制御処理を行うプログラムを実行することによって実現されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路によって実現されてもよい。
また、蓄電池の充放電制御装置100の記憶部120は、例えば、充放電状態履歴ST、充放電制御計画PL、計画外使用履歴ILを有する。充放電状態履歴ST、充放電制御計画PL、計画外使用履歴ILは、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の制御部130によって作成される。記憶部120は、図1のRAM307やハードディスク装置308に対応する。また、記憶部120は、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスクなどの記憶装置であってもよい。
制御部130の状態取得部131は、社内LAN10を介して、ノートPC30から蓄電池の充放電状態やバッテリ残量等の情報を取得して充放電状態履歴STを作成する。計画外使用検出部132は、取得した充放電状態と充放電制御計画PLに指定される充放電状態とを比較し、ノートPC30の蓄電池の計画外使用を検出する。また、推定部136は、検出した計画外使用と計画外使用の形態が類似する計画外使用エントリを計画外使用履歴ILから抽出し、抽出した計画外使用エントリに基づいて、検出した計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。
また、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLの、推定した計画外使用の継続時間を推定した充放電状態に修正すると共に、計画外使用を検出したノートPC30以外一部のノートPC30の充放電制御計画PLを消費電力の合計が所定の条件を満たすように修正する。即ち、充放電制御計画修正部137は、全てのノートPC30のうち、計画外使用を検出したノートPC30を含む一部のノートPC30の充放電制御計画PLを再作成する。充放電制御計画保存部134は、再作成された充放電制御計画PLを保存する。また、充放電状態制御部135は、充放電制御計画PLに基づいて、各ノートPC30の内蔵バッテリの充放電を制御する。
[蓄電池の充放電状態]
ここで、蓄電池の充放電に関する状態について説明する。本実施の形態例では、ノートPC30の内蔵バッテリを蓄電池として例示する。この例において、蓄電池の充放電に関する状態には、例えば、放電状態BA、通電状態AC、充電状態CHが含まれる。
放電状態BAは、蓄電池であるノートPCの内蔵バッテリを放電し、ノートPCがバッテリ駆動する状態を示す。放電状態BAでは、AC(Alternating Current)電源からの電力の消費は生じないが、バッテリ残量は時間の経過とともに減少する。また、通電状態ACは、内蔵バッテリを充電及び放電のいずれも行わず、ノートPCがAC電源で駆動する状態を示す。通電状態ACでは、バッテリ残量は時間が経過しても変化しない。また、充電状態CHは、内蔵バッテリを充電し、且つ、ノートPCがAC電源で駆動する状態を示す。充電状態CHでは、AC電源からの消費電力は、充電を行う分、通電状態ACよりも高い。また、充電状態CHにおいて、バッテリ残量は時間の経過とともに増加する。
このように、本実施の形態例において、充放電状態には、放電状態BA、通電状態AC、充電状態CHが含まれる。蓄電池の充放電制御装置100は、各蓄電池を有する装置の充放電状態を時間帯毎に指定した充放電制御計画PLを作成し、充放電制御計画PLに基づいて蓄電池を制御することによって、ピーク電力を制御する。
[ピーク電力の削減]
図3は、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100に基づくピーク電力を説明する図である。図3の横軸は1日における各時間帯を示し、縦軸は消費電力値kWを示す。また、図3の棒線グラフG2は、充放電制御計画PLに基づいて蓄電池を制御した場合における消費電力値の遷移、折れ線グラフG1は充放電制御計画PLに基づいていない場合における消費電力値の遷移を表す。この例において、消費電力値は、例えば、部署などのオフィス、会社などの建物、あるいは地域全体等の所定の範囲における消費電力値の総和である。消費電力値は、蓄電池に加えて、蓄電池以外の機器による消費電力を含む。
本実施の形態例における消費電力の値は、例えば、制御対象の1つまたは複数のノートPCの通電状態AC、充電状態CHに要する電力と、制御対象のノートPC以外に要する電力との総量を示す。または、消費電力の値は、例えば、分電盤20(図1)から供給される電力を計測した電力値である。そして、ピーク電力は、単位時間ごとの消費電力のうち、最大の消費電力である。なお、消費電力が最大となる時刻がピーク時である。
図3の折れ線グラフG1によると、充放電制御計画PLに基づいていない場合、電力の遷移は安定せず、ピーク電力が高くなってしまうことが示される。一方、棒線グラフG2によると、充放電制御計画PLに基づく場合、電力の遷移は安定し、計画的なピーク電力の削減が可能になることが示される。蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLに基づいて蓄電池の充放電状態を制御して、蓄電池による消費電力を増減させることで、ピーク電力を削減すると共に、供給される電力の時間毎のばらつきを抑える。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLに基づく制御によって消費電力を調整することができ、蓄電池以外の機器による消費電力を含めたピーク電力を削減できる。なお、消費電力の遷移の傾向は、曜日や時期によって異なるため、蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、曜日や時期に対応して複数パターンの充放電制御計画PLを作成してもよい。
[充放電制御計画PL]
図4は、充放電制御計画PLの一例を示す図である。図4の充放電制御計画PLは、2013/1/31におけるノートPC1〜PC5の充放電制御計画PLである。図4の充放電制御計画PLは、30分単位に指定される充放電状態を有する。ただし、この例に限定されるものではなく、充放電制御計画PLは、例えば、1時間単位に指定される充放電状態を有してもよい。
図4の充放電制御計画PLには、PC1について、9:00〜13:30、16:30〜17:00に通電状態ACが、13:30〜16:30に放電状態BAが、17:00〜18:00に充電状態CHが指定される。また、PC2について、10:30〜12:00、13:00〜14:00、15:00〜16:00、17:00〜18:00に通電状態ACが、9:00〜10:30、14:00〜15:00に放電状態BAが、12:00〜13:00、16:00〜17:00に充電状態CHが指定される。他のPC3〜PC5についても同様にして、単位時間毎に充放電状態が指定される。
ところで、充放電状態制御部135は、各ノートPC30の充放電状態を、充放電制御計画PLの指定通りに制御できない場合がある。例えば、充放電制御計画PLに通電状態AC、または充電状態CHが指定されていても、出張や打合せ等によってバッテリ駆動の必要性が生じた場合、ノートPC30が放電状態BAとなる。以下、ノートPC30の充放電状態を充放電制御計画PLの指定通りに制御できない場合を、計画外使用と称する。計画外使用が発生すると、計画通りに消費電力が制御できない。
[第1の実施の形態例]
そこで、本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、ノートPC30の放電状態BA、通電状態AC、充電状態CHを含む充放電状態を取得し、取得した充放電状態が、充放電制御計画PLに指定される充放電状態と異なる場合に、第1の計画外使用を検出する。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、第1の計画外使用を検出した第1のノートPC30の計画外使用履歴ILに含まれる、第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリに基づいて、第1の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、第1のノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、充放電制御計画PLに推定した継続時間に推定した充放電状態を有する第2のノートPC30の充放電制御計画PLを、第1のノートPC30の充放電制御計画PLの修正に対応して修正する。
蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用履歴ILを使用することによって、検出した計画外使用(第1の計画外使用)の継続時間及び充放電状態を推定することができる。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出したノートPC30(第1のノートPC30)の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に、推定した充放電状態を有するように修正すると共に、別のノートPC30(第2のノートPC30)の充放電制御計画PLを計画外使用による消費電力の増減を相殺するように修正する。蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出したノートPC30を含む一部のノートPC30のみの充放電制御計画PLを修正することによって、迅速に、計画外使用によるピーク電力の増加を回避する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、ノートPC30が充放電制御計画PLの指定通りに制御できない場合が発生しても、確実にピーク電力を抑えることができる。
続いて、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を説明する。
[処理の概要]
図5は、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を表す図である。状態取得部131は、各ノートPC30の現在の充放電状態、及び、バッテリ残量を取得し、各ノートPC30の充放電状態を充放電状態履歴STに記憶する。充放電制御計画作成部133は、定期的に、各ノートPC30のバッテリ残量等に基づいて、ピーク電力が小さくなり、いずれかの充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成する。充放電制御計画保存部134は、作成された充放電制御計画PLをデータベース等に記憶させる。そして、充放電状態制御部135は、定期的に作成された充放電制御計画PLに基づいて各PCの蓄電池を制御する。
また、計画外使用検出部132は、状態取得部131が取得した充放電状態と、充放電制御計画PLに指定される充放電状態とが異なる場合に、計画外使用を検出する。計画外使用検出部132は、検出した計画外使用の情報に基づいて計画外使用履歴ILを作成する。また、計画外使用が検出された場合、推定部136は、計画外使用履歴ILと充放電状態履歴STとを参照し、検出した計画外使用の継続時間と、当該継続時間における充放電状態とを推定する。充放電制御計画修正部137は、計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、計画外使用による消費電力の増分を相殺するために、一部のノートPC30充放電制御計画PLを修正する。したがって、充放電制御計画作成部133が全てのノートPC30の充放電制御計画PLを作成するのに対し、充放電制御計画修正部137は、一部のノートPC30の充放電制御計画PLを再作成する。
[フローチャート図]
図6は、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。まず、状態取得部131は、各ノートPC30の充放電状態、及び、バッテリ残量を取得し、保存する(S1)。例えば、状態取得部131は、定期的に(例えば、30分毎に)、各ノートPC30の充放電状態とバッテリ残量を取得する。
状態取得部131は、例えば、OS(Operation System)やバッテリドライバのAPI(Application Programming Interface)を用いて、ノートPC30の内蔵バッテリの充放電状態を取得する。または、状態取得部131は、例えば、ノートPC30のバッテリ残量を取得し、バッテリ残量の変化に基づいて充放電状態を判定してもよい。バッテリ残量の変化に基づく場合、例えば、バッテリ残量が減少していれば放電状態BA、一定であれば通電状態AC、増加していれば充電状態CHである旨、判定可能である。または、状態取得部131は、外部の計測器を用いてノートPC30の消費電力を計測しておき、電力値に基づいてノートPC30の充放電状態を判定してもよい。電力値に基づく場合、例えば、計測した電力値が0であれば放電状態BA、基準値より少ない場合は通電状態AC、基準値より高い場合は充電状態CHである旨、判定可能である。
なお、蓄電池の充放電制御装置100は、ノートPC30に定期的に充放電状態を要求し、応答として充放電状態を受信してもよい。または、ノートPC30は、定期的に充放電状態を蓄電池の充放電制御装置100に通知してもよい。または、外部の計測器が、ノートPC30の代わりに、蓄電池の充放電制御装置100に対して、ノートPC30の充放電状態の送信や通知を行ってもよい。
次に、充放電制御計画作成部133は、充放電制御計画PLの作成時刻に達したか否かを判定する(S2−1)。充放電制御計画作成部133は、例えば、毎朝7:00に当日の充放電制御計画PLを作成する。充放電制御計画PLの作成時刻に達すると(S2−1のYES)、充放電制御計画作成部133は、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S2−2)。ピーク電力を小さくする充放電制御計画PLの作成方法は、例えば、特許文献3に記載される。
具体的に、例えば、充放電制御計画作成部133は、仮の充放電制御計画PLを作成する。そして、充放電制御計画作成部133は、仮の充放電制御計画PLを用いて時間帯毎の消費電力をシミュレートし、ピーク電力が前回の充放電制御計画PLよりも減少する場合に、仮の充放電制御計画PLを充放電制御計画PLとする。そして、充放電制御計画作成部133は、所定の時間が経過するまで、仮の充放電制御計画PLの作成処理とシミュレーションによる評価とを繰り返し、よりピーク電力の小さい充放電制御計画PLを作成する。これにより、充放電制御計画作成部133は、いずれかの充放電状態を有し、ピーク電力が小さくなる充放電制御計画PLを作成する。
そして、充放電状態制御部135は、作成された充放電制御計画PLに基づいて各PCの蓄電池を制御する(S6)。または、充放電状態制御部135は、充放電制御計画PLを各ノートPCに送信し、各ノートPCが、送信された充放電制御計画PLに基づいて自装置に内蔵された蓄電池の制御を行ってもよい。
一方、充放電制御計画PLの作成時刻に達していない場合(S2−1のNO)、計画外使用検出部132は、現在の充放電状態と、充放電制御計画PLの現在時刻に指定される充放電状態とを比較し、異なる場合に計画外使用を検出する(S3)。計画外使用を検出すると、推定部136は、計画外使用が検出されたノートPC30の計画外使用履歴ILに基づいて、充放電状態履歴STを参照し、検出した計画外使用の継続時間と、当該継続時間における充放電状態とを推定する(S4)。次に、充放電制御計画修正部137は、計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、別のノートPC30の充放電制御計画PLを、計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLの修正による消費電力の増減を相殺するように修正する(S5)。そして、充放電状態制御部135は、修正後の充放電制御計画PLに基づいて各PCの蓄電池を制御する(S6)。
なお、図6のフローチャート図において、計画外使用検出部132は、状態取得部131が充放電状態を取得する処理(S1)の後に、計画外使用の検出処理を行う(S3)。しかしながら、計画外使用検出部132は、状態取得部131の処理のタイミングに依存することなく、定期的に処理を行ってもよい。また、本実施の形態例における計画外使用検出部132は、現在の充放電状態と、充放電制御計画PLの現在時刻に指定される充放電状態とが異なる場合に計画外使用を検出する(S3)。しかしながら、計画外使用検出部132は、状態取得部131がノートPC30の充放電状態を取得できない場合(例えば、ネットワーク非接続やノートPC30の電源遮断時の場合)や、取得したバッテリ残量が、充放電制御計画PLに基づいてノートPC30の蓄電池を制御した際に予測されるバッテリ残量と大きく異なる場合に、計画外使用を検出してもよい。さらに、計画外使用検出部132は、一時的な計画外使用(位置の移動や再起動等)を除外する目的で、計画外使用の継続時間が一定以上である場合のみを検出の対象としてもよい。
続いて、図6のフローチャート図における工程S3〜S5の各処理の詳細を説明する。
[フローチャート図:詳細]
図7は、第1の実施の形態における蓄電池の充放電制御装置100の処理をより詳細に説明するフローチャート図である。工程S1〜S2の処理は、図6のフローチャート図で説明したとおりである。初めに、工程S3の処理の詳細に説明する。充放電制御計画PLの作成時刻に達していない場合(S2−1のNO)、計画外使用検出部132は、取得した現在の充放電状態が、充放電制御計画PLの現在時刻に指定される充放電状態と同一か否かを比較する(S3−1)。充放電状態が異なる場合(S3−1のNO)、ノートPC30が充放電制御計画PLの指定通りに制御できていないことを示すため、計画外使用検出部132は計画外使用を検出する。
計画外使用を検出すると(S3−1のNO)、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出したノートPC30の計画外使用履歴ILから、開始時刻と終了時刻の間に現在時刻を含む計画外使用エントリを抽出する(S3−2)。または、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴ILから、終了時刻が未設定の計画外使用エントリを抽出する(S3−2)。抽出する計画外使用エントリがない場合、計画外使用が新たに発生したことを示すため、計画外使用検出部132は、新しい計画外使用エントリを作成する(S3−2)。抽出した計画外使用エントリ、または、新たに作成した計画外使用エントリは、工程S3−1において検出した、現在進行中の計画外使用に対応する計画外使用エントリを示す。
計画外使用エントリは、例えば、計画外使用の開始時刻、終了時刻、及び、計画外使用の検出開始時に取得した充放電状態(以下、取得状態と称する)と、検出開始時に充放電制御計画PLに指定される充放電状態(以下、計画状態と称する)とを有する。計画外使用検出部132が新たに計画外使用エントリを作成する場合、新たな計画外使用エントリは、開始時刻に現在時刻を、終了時刻に空白(なし)を、取得状態に現在の充放電状態を、計画状態に充放電制御計画PLの現在時刻に指定される充放電状態を指定する。
一方、計画外使用を検出しない場合、即ち、取得状態と計画状態とが同一の場合(S3−1のYES)、計画外使用検出部132は、終了時刻が未設定の計画外使用エントリがあれば(S3−3のYES)、その終了時刻に現在時刻を設定する(S3−4)。即ち、計画外使用を検出しない場合であって、終了時刻が未設定の計画外使用エントリがある場合、進行していた計画外使用が終了したことを示す。したがって、計画外使用検出部132は、終了時刻が未設定の計画外使用エントリがある場合に(S3−3のYES)、計画外使用エントリを終了した状態に更新する。終了時刻が未設定の計画外使用エントリがない場合(S3−3のNO)、計画外使用検出部132は、工程S3−4の処理を行わない。
計画外使用を検出した場合(S3−1のNO)、計画外使用エントリの抽出処理(工程S3−2)に続いて、推定部136は、計画外使用の既に経過した継続時間を計算する(S4−1)。具体的に、推定部136は、検出した現在進行中の計画外使用エントリの開始時刻から現在時刻までの時間を、既に経過した継続時間(以下、既継続時間)として算出する。なお、新たに作成された計画外使用エントリの既継続時間は0時間である。
次に、推定部136は、計画外使用を検出したノートPC30の計画外使用履歴ILから、検出した現在進行中の計画外使用と形態が類似する計画外使用エントリを抽出する(S4−2)。例えば、推定部136は、計画外使用を検出したノートPC30の計画外使用履歴ILから、現在進行中の計画外使用と、取得状態、計画状態、及び、既継続時間が経過するまでの充放電状態が同一の計画外使用エントリを抽出する。このとき、推定部136は、充放電状態履歴STから、計画外使用履歴ILに対応する、既継続時間が経過するまでの充放電状態を取得する。なお、計画外使用エントリが新たに作成された場合の既継続時間は、0時間である。既継続時間が0時間の場合、推定部136は、計画外使用履歴ILから、現在進行中の計画外使用と取得状態及び計画状態が同一の計画外使用エントリを抽出する。これにより、推定部136は、検出した計画外使用と形態が類似する1つまたは複数の計画外使用エントリを、ノートPC30の計画外使用履歴ILから抽出することができる。
抽出される計画外使用エントリがない場合(S4−3のNO)、推定部136は、現在進行中の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定できないと判定し、充放電制御計画PLを修正しない(A)。一方、抽出される計画外使用エントリがある場合(S4−3のYES)、推定部136は、抽出した計画外使用エントリに基づいて、現在進行中の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。前述したとおり、抽出した計画外使用エントリは、現在進行中の計画外使用と、計画外使用の形態が類似する計画外使用エントリである。
次に、推定部136は、例えば、抽出した計画外使用エントリに基づいて、計画外使用が最も長く継続する場合を想定し継続時間を推定する(S4−4)。具体的に、推定部136は、抽出した計画外使用エントリの継続時間のうち、最長の継続時間を現在進行中の計画外使用の継続時間として推定する。推定部136は、計画外使用が最も長く継続することを想定して継続時間を推定することにより、充放電制御計画PLの実現性を高めることができる。ただし、推定部136は、抽出した計画外使用エントリの継続時間の平均を、現在進行中の計画外使用の継続時間として推定してもよい。継続時間を推定すると、推定部136は、現在進行中の計画外使用エントリの終了時刻に、開始時刻に、推定した継続時間を加算した時刻を設定する。なお、現在進行中の計画外使用エントリの終了時刻が既に設定されている場合、推定部136は、終了時刻を更新する。
次に、推定部136は、充放電状態履歴STから、抽出した計画外使用エントリの既継続時間経過後から終了時刻までの各充放電状態を取得し、抽出した計画外使用エントリの開始時刻から同時間経過後の充放電状態の中で最も多い充放電状態を、現在進行中の計画外使用エントリの開始時刻から同時間経過後の充放電状態として単位時間毎に推定する(S4−5)。推定部136は、形態が類似する計画外使用エントリの充放電状態から、現在進行中の計画外使用の充放電状態を推定することによって、充放電制御計画PLの実現性を高めることができる。
次に、充放電制御計画修正部137は、推定した計画外使用の情報(継続時間及び充放電状態)に基づいて、計画外使用を検出したノートPC30を含む一部のノートPC30の充放電制御計画PLを再作成する。具体的に、まず、充放電制御計画修正部137は、現在進行中の計画外使用の終了時刻までの間に、推定した充放電状態と同一の充放電状態を充放電制御計画PLに有する1つまたは複数のノートPC30を、現在進行中の計画外使用の影響を相殺する対象のノートPC30として選択する(S5−1)。ただし、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出し充放電制御計画PLを修正済みのノートPC30を、影響を相殺するノートPC30の選択対象から除外する。
影響を相殺する対象のノートPC30が見つからない場合(S5−2のNO)、充放電制御計画修正部137は、条件を緩和して、ノートPC30を選択する(S5−3)。例えば、充放電制御計画修正部137は、現在進行中の計画外使用の終了時刻までの単位時間毎に、推定した充放電状態と同一の充放電状態を充放電制御計画PLに有する1つまたは複数のノートPC30をそれぞれ選択する(S5−1)。または、充放電制御計画修正部137は、例えば、現在進行中の計画外使用と継続時間が重複しないのであれば、計画外使用を検出し充放電制御計画PLを修正済みのノートPC30を、影響を相殺する対象のノートPC30として選択してもよい。条件を緩和してもノートPC30が見つからない場合(S5−4のNO)、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLの修正を行わない(A)。
選択するノートPC30が見つかった場合(S5−2のYES、S5−4のYES)、充放電制御計画修正部137は、現在進行中の計画外使用を検出したノートPC30と、選択した1つまたは複数のノートPC30の現在時刻以降の充放電制御計画PLのみを再作成する(S5−5)。本実施の形態例における充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30を含む一部のノートPC30の充放電制御計画PLのみを再作成することによって、計画外使用の検出に対応して、より迅速に充放電制御計画PLを修正することができる。
具体的に、充放電制御計画修正部137は、現在進行中の計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、選択したノートPC30の充放電制御計画PLを、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLへの修正に対応して修正する。より具体的に、充放電制御計画修正部137は、選択したノートPC30の充放電制御計画PLを、例えば、検出した計画外使用による消費電力の増減を相殺するように修正する。例えば、充放電制御計画修正部137は、選択したノートPC30の充放電制御計画PLの推定した継続時間における充放電状態を、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLにおける修正前の充放電状態に修正する。即ち、充放電制御計画修正部137は、選択したノートPC30の充放電制御計画PLに、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLの修正と反対方向への修正を行う。
なお、充放電制御計画修正部137は、選択したノートPC30の修正後の充放電制御計画PLに基づいた場合のピーク電力が、充放電制御計画PLを修正しない場合のピーク電力を超えない範囲で修正してもよいし、所定の制限値を超えない範囲で修正してもよい。これにより、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLをより柔軟に修正可能になるため、充放電制御計画PLの修正範囲を少なくすることができる。また、充放電制御計画修正部137は、影響を相殺する対象のノートPC30の数を少なく抑えることができる。
さらに、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLの推定した継続時間以外の時間帯の充放電状態を、継続時間において推定した充放電状態への制御が可能になるようにあわせて修正する。例えば、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLの継続時間の充放電状態を通電状態ACから放電状態BAに修正する場合、継続時間以外で放電状態BAが指定される時間帯の充放電状態を通電状態ACに修正する。即ち、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLを、ノートPC30のバッテリ残量が不足しないように、推定した継続時間以外の時間帯も合わせて修正する。これにより、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLの実現性を高め、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
なお、充放電制御計画PLの作成に失敗した場合(S5−6のNO)、充放電制御計画修正部137は、条件を緩めて、充放電制御計画PLを再作成する(S5−7)。例えば、充放電制御計画修正部137は、影響を相殺する対象のノートPC30の数を増加させる。そして、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30と増加させたノートPC30との充放電制御計画PLを再作成する。影響を相殺する対象のノートPC30を増加しても充放電制御計画PLの作成に成功しない場合(S5−8のNO)、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLの修正を行わない(A)。一方、充放電制御計画PLの作成に成功した場合(S5−6のYES)、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLを、修正後の充放電制御計画PLに更新する(B)。
そして、図7のフローチャート図の(A)、(B)に遷移した場合、充放電状態制御部135は、修正後の充放電制御計画PLに基づいて各ノートPC30の蓄電池を制御する(S6)。なお、充放電制御計画PLの修正が行われなかった場合、充放電状態制御部135は、修正が行われていない元の充放電制御計画PLに基づいて、各ノートPC30の蓄電池を制御する。
なお、充放電制御計画修正部137は、計画外使用の影響を相殺する対象のノートPC30の数に、上限や下限を設けてもよい。例えば、選択したノートPC30の数が設定した上限を上回る場合、充放電制御計画修正部137は、上限で設定された数に絞ってノートPC30を選択する。選択するノートPC30の数に上限が設定され、再作成する充放電制御計画PLの範囲が狭くなることにより、充放電制御計画修正部137は、再作成処理に係る負荷を抑え、迅速に充放電制御計画修正部137を再作成することができる。
一方、選択したノートPC30の数が設定した下限より少ない場合、例えば、充放電制御計画修正部137は、条件を緩めて、選択するノートPC30を追加する。選択するノートPC30の数に下限が設定され、計画外使用の影響を相殺する対象のノートPCを確保することにより、充放電制御計画修正部137は、充放電制御計画PLの修正処理の成功率を高めることができる。
続いて、図6、図7のフローチャート図で説明した、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例]
図8は、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、10:00に計画外使用を検出する例を説明する。図8は、取得したPC1の充放電状態SG1、修正前の充放電制御計画PL1a、PC1の計画外使用履歴IL1、PC1の充放電状態履歴ST1、推定情報SP1、修正後の充放電制御計画PL1bの一例を有する。
図8の充放電制御計画PL1aは、2013/1/31の9:00に作成された充放電制御計画PL1aである。充放電制御計画PL1aには、例えば、PC1について、9:00〜13:30及び16:30〜17:00に通電状態AC、13:30〜16:30に放電状態BA、17:00〜18:00に充電状態CHが指定される。状態取得部131は、例えば、30分毎に各ノートPC30の充放電状態を取得し、充放電状態履歴ST1に保存する(S1)。具体例において、状態取得部131は、PC1について、9:00及び9:30に通電状態ACを、10:00に放電状態BAを取得する。
具体例において、計画外使用検出部132は、10:00に取得した充放電状態「放電状態BA」と、充放電制御計画PL1aに指定される充放電状態「通電状態AC」とが異なるため、(S3−1のNO)、計画外使用履歴IL1から、開始時刻と終了時刻の間に2013/1/31 10:00を含む計画外使用エントリを抽出する(S3−2)。具体例において、10:00の時点で、2013/1/31 10:00を含む計画外使用のエントリは存在しないため、計画外使用検出部132は、図8の計画外使用履歴IL1に点線で示す計画外使用エントリe1−1を新たに作成する。作成した計画外使用エントリe1−1は、開始時刻に10:00、終了時刻に空白、取得状態に放電状態BA、計画状態に通電状態ACを有する。
次に、推定部136は、計画外使用の既継続時間を計算する(S4−1)。計画外使用エントリe1−1は新たに作成された計画外使用エントリであるため、既継続時間は0時間である。続いて、推定部136は、計画外使用履歴IL1から、計画外使用エントリe1−1と、取得状態「放電状態BA」及び計画状態「通電状態AC」が同一の計画外使用エントリを抽出する(S4−2)。図8の計画外使用履歴IL1によると、計画外使用エントリ「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」、「2013/1/29 10:00〜11:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」e1−2は、取得状態及び計画状態が計画外使用エントリe1−1と同一である。したがって、推定部136は、計画外使用履歴IL1から、2013/1/27〜1/30の各計画外使用エントリe1−2を抽出する。
続いて、推定部136は、抽出した2013/1/27〜1/30の計画外使用エントリe1−2に基づいて、現在進行中の計画外使用エントリe1−1の継続時間及び充放電状態を推定する(S4−3のYES、S4−4、S4−5)。具体的に、推定部136は、2013/1/27〜1/30の計画外使用エントリe1−2の各継続時間のうち、最長の継続時間1.5時間を現在進行中の計画外使用の継続時間として推定する(S4−4)。そこで、推定部136は、図示していないが、現在進行中の計画外使用エントリe1−1の終了時刻に、開始時刻10:00に推定した継続時間1.5時間を加算した時刻11:30を設定する。
また、推定部136は、現在進行中の計画外使用の継続時間における充放電状態を推定する(S4−5)。図8のPC1の充放電状態履歴ST1において、充放電状態のパターンを有する四角形を内包する時間帯は、計画外使用エントリe1−2に対応する時間帯である。PC1の充放電状態履歴ST1によると、各計画外使用の開始時刻から30分経過後の時刻「2013/1/27 11:00」、「2013/1/28 11:00」、「2013/1/29 10:30」、「2013/1/30 10:30」の充放電状態は、放電状態BAが3つ、通電状態ACが1つである。放電状態BAが最も多いため、推定部136は、図8の推定情報SP1に示すように、現在進行中の計画外使用エントリの30分経過後(10:30〜11:00)の充放電状態が、放電状態BAとなることを推定する。同様にして、推定部136は、現在進行中の計画外使用エントリの11:00〜11:30の充放電状態が、放電状態BAとなることを推定する。
なお、推定部136は、抽出する計画外使用エントリe1−2を、一定期間内の計画外使用エントリに限定してもよいし、現在進行中の計画外使用e1−1と曜日や時間帯(午前、午後等)が同一の計画外使用エントリに限定してもよい。または、推定部136は、現在進行中の計画外使用e1−1と開始時刻が同一の計画外使用エントリのみを抽出してもよい。例えば、具体例において、推定部136は、現在進行中の計画外使用e1−1と開始時刻が同一の計画外使用エントリ「2013/1/29 10:00〜11:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」を抽出する。推定部136は、抽出する対象の計画外使用エントリを絞り込むことによって、現在進行中の計画外使用と、計画外使用の形態がより類似する計画外使用エントリを抽出することができる。したがって、推定部136は、計画外使用の形態の類似性がより高い計画外使用エントリに基づいて、計画外使用の継続時間及び充放電状態をより高精度に推定することができる。
次に、充放電制御計画修正部137は、推定した継続時間10:00〜11:30に、推定した充放電状態「放電状態BA」を充放電制御計画PL1aに有する1つまたは複数のノートPC30を選択する(S5−1)。図8の充放電制御計画PL1aによると、PC3、PC4は、10:00〜11:30に放電状態BAを有する。したがって、充放電制御計画修正部137は、PC1の計画外使用による影響を相殺するためのノートPC30としてPC3、PC4を選択する。
なお、例えば、PC3とPC4が、現在進行中の計画外使用と継続時間が重複する計画外使用エントリを有する場合、充放電制御計画修正部137は、PC3、PC4を、影響を相殺するノートPC30の選択の対象外とする(S5−1)。また、充放電制御計画修正部137は、選択するノートPC30が見つからない場合(S5−2のNO)、例えば、10:00〜10:30に放電状態BAが指定されるPC2や、10:30〜11:30に放電状態BAが指定されるPC5を選択してもよい(S5−3)。
そして、充放電制御計画修正部137は、計3台(PC1、PC3、PC4)の10:30以降の充放電制御計画PL1bを再作成する(S5−5)。例えば、充放電制御計画修正部137は、PC1の充放電制御計画PL1bの10:00〜11:30を放電状態BAに修正し、PC3の充放電制御計画PL1bの11:00〜11:30、及び、PC4の充放電制御計画PL1bの10:00〜11:00を通電状態ACに修正する。具体例において、各ノートPC30のスペックが等しいことが前提である。
また、計画外使用が発生し、PC1の充放電制御計画PL1bの10:00〜11:30が通電状態ACから放電状態BAに修正されることにより、PC1のバッテリ残量が不足し、13:30〜16:30に指定される放電状態BAへの制御が行えないことがある。したがって、充放電制御計画修正部137は、PC1のバッテリ残量が不足しないように、PC1の充放電制御計画PL1bの13:30〜14:00、16:00〜16:30の充放電状態を、放電状態BAから通電状態ACに修正する。またこれに対応して、充放電制御計画修正部137は、PC3の充放電制御計画PL1bの13:30〜14:00、PC4の充放電制御計画PL1bの16:00〜16:30の充放電状態を、通電状態ACから放電状態BAに修正する。充放電制御計画修正部137は、計画外使用の継続時間以外の時間帯の充放電状態を合わせて修正することによって、各ノートPC30を、充放電制御計画PL1bに基づいて確実に制御可能にする。
なお、充放電制御計画PL1aの修正に失敗する場合(S5−6のNO)、充放電制御計画修正部137は、さらに、PC2とPC5とを含む5台のノートPC30を対象として充放電制御計画PL1bを修正してもよい。
なお、具体例において、10:30に再びノートPC30の充放電状態を取得する場合の処理を説明する。計画外使用検出部132は、例えば、10:30に充放電状態「通電状態AC」を取得した場合、充放電制御計画PL1bに指定される充放電状態「放電状態BA」と異なることにより、計画外使用を検出する(S3−1のNO)。このとき、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴IL1から、10:00に作成済みの計画外使用エントリを抽出すると共に(S3−2)、既継続時間「0.5時間」を算出する(S4−1)。そして、推定部136は、計画外使用履歴IL1から、計画外使用エントリ「2013/1/29 10:00〜11:30」を抽出する(S4−2)。計画外使用エントリ「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」、「2013/1/30 10:00〜11:30」は10:30〜11:00の充放電状態が放電状態BAであることにより、推定部136は、これらの計画外使用エントリを抽出しない。
一方、例えば、10:30に充放電状態「放電状態BA」を取得した場合、充放電制御計画PL1bに指定される充放電状態「放電状態BA」と同一であるため(S3−1のYES)、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出しない。また、計画外使用検出部132は、終了時刻が未設定の計画外使用エントリはないため、工程S3−4は行わない(S3−3のNO)。
なお、充放電制御計画修正部137は、計画外使用によりピーク電力が増加しない場合、または、所定の制限値を超えない場合は、充放電制御計画PL1aを修正しなくてもよい。具体的に、推定部136は、計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定した後、充放電制御計画PL1aに基づき、かつ、推定通りに計画外使用が発生した場合のピーク電力を算出する。そして、推定部136は、算出したピーク電力が、充放電制御計画PL1aを修正しない場合のピーク電力を超えない場合、または、所定の制限値を超えない場合、充放電制御計画PL1aの再作成処理(S5−1〜S5−8)を行わない。充放電制御計画PL1aの再作成が不要になることにより、充放電制御計画修正部137は、負荷を軽減することができる。
以上のように、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得手段と、取得した充放電状態が、充放電制御計画に指定される充放電状態と異なる場合に、第1の計画外使用を検出する計画外使用検出手段とを有する。また、蓄電池の充放電制御装置100は、第1の計画外使用を検出した第1の蓄電池の計画外使用履歴に含まれる、第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリに基づいて、第1の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する推定手段を有する。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、第1の蓄電池の充放電制御計画を、推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、充放電制御計画に推定した継続時間に推定した充放電状態を有する第2の蓄電池の充放電制御計画を、第1の蓄電池の充放電制御計画の修正に対応して修正する制御計画修正手段と、を有する。
蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用履歴ILに基づくことによって、計画外使用により生じる可能性が高い充放電状態を推定することができる。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出した蓄電池の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に、推定した充放電状態を有するように修正すると共に、計画外使用による消費電力の増分を相殺可能な別の蓄電池の充放電制御計画PLを修正する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、蓄電池の計画外使用が生じた場合でも、ピーク電力を確実に抑えることができる。また、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出した蓄電池を含む一部の蓄電池の充放電制御計画PLのみを修正することによって、迅速に、充放電制御計画PLを修正することができる。
また、需要家が有する蓄電池は、EVであれば移動するための燃料、ノートPCであれば外出時などにおいてバッテリ駆動するための電源等の本来の導入目的を有する。本実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、蓄電池の本来の導入目的に応じて発生する計画外使用に基づいて充放電制御計画PLを修正することにより、蓄電池の本来の導入目的と相反することなく、ピーク電力を確実に抑えることができる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、制御計画修正手段は、修正後の第1、第2の蓄電池の充放電制御計画を含む複数の蓄電池の充放電制御計画に基づいた場合のピーク電力が、第1、第2の蓄電池の充放電制御計画を修正しない場合のピーク電力を超えないように、または、所定の制限値を超えないように、第2の蓄電池の充放電制御計画を修正する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLをより柔軟に修正可能になるため、修正範囲を少なくすることができるほか、影響を相殺する対象の第2の蓄電池の数を少なく抑えることができる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、制御計画修正手段は、さらに、第1の蓄電池の充放電制御計画の継続時間以外の時間帯の充放電状態を、継続時間に推定した充放電状態への制御が可能になるように修正する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、修正した充放電制御計画PLに基づいて蓄電池をより確実に制御可能になることにより、ピーク電力が確実に抑えられる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、制御計画修正手段は、第1の蓄電池の充放電制御計画に基づき、かつ、第1の蓄電池において推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態が発生した場合のピーク電力が、第1の蓄電池の充放電制御計画を修正しない場合のピーク電力を超えない場合は、充放電制御計画を修正しない。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、ピーク電力に影響が生じない場合に、充放電制御計画PLの修正を省略することによって、処理の負荷を軽減することができる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、推定手段は、計画外使用履歴に含まれる、第1の計画外使用の検出開始時に取得した充放電状態と充放電制御計画に指定される充放電状態とが、第1の計画外使用と一致する計画外使用エントリに基づいて推定する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、検出した計画外使用と形態が類似する計画外使用エントリに基づいて、検出した計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定することができる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、推定手段は、抽出した計画外使用エントリの継続時間のうち最長の継続時間を、第1の計画外使用の継続時間として推定する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が最も長く継続することを想定して継続時間を推定することにより、充放電制御計画PLが計画通りに制御できる確率を高めることができる。
また、第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、推定手段は、抽出した計画外使用エントリの継続時間における充放電状態のうち、最も多い充放電状態を第1の計画外使用の充放電状態として推定する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、類似する計画外使用エントリにおいて最も多く発生した充放電状態を推定することにより、充放電制御計画PLが計画通りに制御できる確率を高めることができる。これにより、ピーク電力が確実に抑えられる。
また、第1の実施の形態例において、制御計画修正手段における第2の蓄電池は、第1の計画外使用の継続時間に計画外使用が発生していない蓄電池である。つまり、蓄電池の充放電制御装置100は、継続時間が重複する計画外使用が発生する蓄電池を、第1の蓄電池の計画外使用による影響を相殺する蓄電池の対象から除外する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの修正時に、確実に、影響を相殺可能な蓄電池を選択し、ピーク電力を削減することができる。
[第2の実施の形態例]
第1の実施の形態例では、計画外使用を検出した場合に、一部のノートPC30の充放電制御計画PLを修正する処理を述べた。これに対し、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの作成前に、計画外使用を検出して計画外使用の情報(継続時間及び充放電状態)を推定し、推定した計画外使用の情報を適用したノートPC30の充放電制御計画PLを作成する。第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、全てのノートPC30について、計画外使用の推定情報を組み込んだ充放電制御計画PLを作成する。
第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第1の実施の形態例と同様である。
[フローチャート図]
図9は、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。工程S1の処理は、第1の実施の形態例と同様である。第2の実施の形態例では、工程S1に続いて、充放電制御計画PLの作成時刻に達したか否かに関わらず、計画外使用検出部132は計画外使用を検出する(S3)。計画外使用を検出すると、推定部136は、計画外使用が検出されたノートPC30の計画外使用履歴ILに基づいて、充放電状態履歴STを参照し、検出した計画外使用の継続時間と、当該継続時間における充放電状態とを推定する(S4)。
続いて、充放電制御計画PLの作成時刻に達すると(S2−1のYES)、充放電制御計画作成部133は、検出済みの計画外使用の推定情報を有し、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S7)。即ち、第2の実施の形態例では、充放電制御計画PLの作成前に、計画外使用を検出し、予め、計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定しておく。そして、充放電制御計画作成部133は、計画外使用の推定情報に基づいて、全てのノートPC30の充放電制御計画PLを作成する。
充放電制御計画PLの作成時刻に達していない場合(S2−1のNO)の処理は、第1の実施の形態例と同様である。そして、充放電状態制御部135は、作成された充放電制御計画PL、または、修正された充放電制御計画PLに基づいて、各PCの蓄電池を制御する(S6)。
続いて、図9のフローチャート図における充放電制御計画PLの作成処理(S7)をより詳細に説明する。
図10は、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理をより詳細に説明するフローチャート図である。工程S1〜S6の各処理は、第1の実施の形態例と同様である。
充放電制御計画PLの作成時刻に達すると(S2−1のYES)、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出したノートPC30の計画外使用履歴ILから、開始時刻と終了時刻の間に現在時刻を含む計画外使用エントリを抽出する(S7−1)。この工程は、第1の実施の形態例における工程S3−2の処理に対応する。抽出した計画外使用エントリがある場合(S7−2のYES)、計画外使用が現在進行中であり、推定した計画外使用の情報に基づいて修正した後の充放電制御計画PLに基づいてノートPC30の蓄電池を制御していることを示す。したがって、推定部136は、充放電制御計画PLに修正済みの計画外使用の継続時間及び充放電状態を、現在進行中の計画外使用の継続時間及び充放電状態である旨、推定する(S7−3)。
続いて、充放電制御計画作成部133は、第1の実施の形態例の工程S2−2と同様にして、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S7−4)。ただし、充放電制御計画作成部133は、推定した計画外使用の継続時間及び充放電状態を満たすように充放電制御計画PLを作成する。
続いて、図9、図10のフローチャート図で説明した、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例]
図11は、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例では、2013/1/31 10:00に充放電制御計画PLを修正した後、2013/1/31 10:30に充放電制御計画PLを作成する場合を説明する。図11は、取得したPC1の充放電状態SG2、PC1の計画外使用履歴IL2、充放電制御計画PL2a、PL2b、推定した計画外使用の情報SP2の一例を有する。充放電制御計画PL2aは10:00に修正済みの充放電制御計画PL、充放電制御計画PL2bは10:30に作成した充放電制御計画PLを示す。
第1の実施の形態例にて前述したとおり、10:00に、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出し、PC1の計画外使用エントリ「2013/1/31 10:00〜11:30」e2−1を作成する。したがって、10:30に、計画外使用検出部132は、PC1の計画外使用履歴IL2から、計画外使用エントリ「2013/1/31 10:00〜11:30」e2−1を抽出する(S7−1)。そして、充放電制御計画作成部133は、図11の推定情報SP2に示すように、10:00に推定した計画外使用の継続時間及び充放電状態に基づいて、PC1が10:30〜11:30に放電状態BAとなることを推定する(S7−3)。そして、充放電制御計画作成部133は、PC1の10:30〜11:30に放電状態BAを指定し、ピーク電力が小さくなる充放電制御計画PL2bを作成する(S7−4)。
なお、具体例において、前述したとおり、充放電制御計画作成部133は、PC1が計画外使用により10:30〜11:30に放電状態BAとなることを推定する(S7−3)。したがってPC1の充放電制御計画PL2bの10:30〜11:30は計画外使用が進行中である時間帯であるため、仮に他のノートPC30が10:30〜11:30に計画外使用を検出した場合(S3−1のNO)、充放電制御計画修正部137は、他のノートPC30の計画外使用の影響を相殺するノートPCとしてPC1を選択しない(S5−1)。充放電制御計画修正部137は、計画外使用の影響を相殺するノートPC30の選択候補から、計画外使用を検出したノートPC30を除外することによって、確実に影響を相殺可能なノートPC30を選択し、ピーク電力を削減することができる。
以上のように、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、さらに、複数の蓄電池の充放電制御計画PLを、複数の蓄電池の充放電制御計画に基づいた場合のピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成手段と、を有する。そして、制御計画作成手段は、第1の蓄電池の充放電制御計画が、推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態を有するように、充放電制御計画を作成する。
したがって、第2の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの作成前に、計画外使用によって生じる可能性が高い充放電状態を予め推定し、推定した充放電状態を考慮した充放電制御計画PLを作成する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの実現性を高め、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
また、第2の実施の形態例において、制御計画修正手段における第2の蓄電池は、第1の計画外使用の継続時間に計画外使用が発生していない蓄電池である。つまり、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの作成時に検出された計画外使用を有する蓄電池を、新たに発生した計画外使用による影響を相殺する蓄電池の対象から除外する。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの修正時に、確実に、影響を相殺可能な蓄電池を選択し、ピーク電力を削減することができる。
なお、第2の実施の形態例の蓄電池の充放電制御装置100において、制御計画作成手段は、第1の蓄電池が計画外使用の推定情報を考慮せずに作成した充放電制御計画PLにおいて、推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態が発生した場合に、ピーク電力が増加しない場合、計画外使用の推定情報を考慮した充放電制御計画PLを作成しなくてもよい。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用によりピーク電力が増加しない場合に、計画外の推定情報を考慮せず、より柔軟に充放電制御計画PLを作成することができる。
[第3の実施の形態例]
第1の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出した場合に、推定した計画外使用の情報に基づいて、充放電制御計画PLを修正する。これに対し、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、所定時間経過後に発生し得る計画外使用を検知し、推定した計画外使用の情報に基づいて充放電制御計画PLを修正する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生する前に、先の時間帯に発生し得る計画外使用を推定し、ノートPC30の充放電制御計画PLを修正しておくことができる。
第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第1の実施の形態例と同様である。
[フローチャート図]
図12は、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。工程S1〜工程S6の処理は、第1の実施の形態例と同様である。第3の実施の形態例における計画外使用検出部132は、計画外使用を検出しなかった場合に(S3−1のYES)、所定時間経過後に計画外使用が発生し得るか否かを判定する。第1の実施の形態例で説明したとおり、取得した充放電状態と充放電制御計画PLに指定される充放電状態とが同一か否かを比較し(S3−1)、同一の場合に(S3−1のYES)、計画外使用検出部132は計画外使用を検出しない。そして、計画外使用検出部132は、終了時刻が未設定の計画外使用エントリがあれば(S3−3のYES)、その終了時刻に現在時刻を設定する(S3−4)。
次に、第3の実施の形態例における計画外使用検出部132及び推定部136は、所定時間経過後に発生し得る計画外使用を検出し、検出した計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する(S9)。そして、充放電制御計画修正部137は、所定時間経過後に発生し得る計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した計画外使用の継続時間に、推定した充放電状態を有するように修正すると共に、計画外使用による消費電力への影響を相殺可能なノートPC30の充放電制御計画PLを修正する(S5)。
図13は、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理をより詳細に説明するフローチャート図である。図13のフローチャート図では、図12のフローチャート図における工程S9の処理をより詳細に説明する。
具体的に、工程S9において、まず、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴ILから、計画外使用エントリの開始時刻前の所定時間の充放電状態が、取得した現在の充放電状態と同一の計画外使用エントリを抽出する(S9−1)。このとき、計画外使用検出部132は、充放電状態履歴STを参照して、計画外使用エントリの開始時刻前の所定時間の充放電状態を取得する。計画外使用検出部132は、抽出される計画外使用エントリがある場合(S9−2のYES)、所定時間経過後に計画外使用が発生し得る旨、判定する。一方、抽出される計画外使用エントリがない場合(S9−2のNO)、計画外使用検出部132は、所定時間経過後に計画外使用が発生しない旨、判定する。なお、計画外使用検出部132は、一定数以上の計画外使用エントリが抽出された場合にのみ(S9−2のYES)、所定時間経過後に計画外使用が発生すると判定してもよい。これにより、計画外使用検出部132は、より高精度に、計画外使用が発生するか否かを判定することができる。
抽出した計画外使用エントリがある場合(S9−2のYES)、推定部136は、抽出した所定時間経過後の計画外使用エントリに基づいて、所定時間経過後に発生する計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。まず、推定部136は、計画外使用の開始時刻を、現在時刻から所定時間経過後の時刻に設定する(S9−3)。そして、推定部136は、第1の実施の形態例と同様にして、例えば、抽出した計画外使用エントリに基づいて、計画外使用が最も長く継続する場合を想定し継続時間を推定する(S9−4)。また、推定部136は、第1の実施の形態例と同様にして、抽出した計画外使用エントリから、開始時刻から終了時刻までの各充放電状態を取得し、開始時刻から同時間経過後の充放電状態の中で最も多い充放電状態を、所定時間経過後に発生する計画外使用の開始時刻から同時間経過後の充放電状態として推定する(S9−5)。
そして、充放電制御計画修正部137は、所定時間経過後に発生する計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、別のノートPC30の充放電制御計画PLを、計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLの修正による消費電力の増減を相殺するように修正する(S5)。
なお、充放電制御計画修正部137は、第1の実施の形態例と同様にして、充放電制御計画PLにおいて推定通りに計画外使用が発生した場合のピーク電力が、充放電制御計画PLを修正しない場合のピーク電力を超えない場合、充放電制御計画PLを修正しなくてもよい。充放電制御計画PLの再作成が不要になることにより、充放電制御計画修正部137は、負荷を軽減することができる。
なお、図12、図13のフローチャート図では、蓄電池の充放電制御装置100が、推定した所定時間経過後の計画外使用に基づいて、計画外使用が発生するノートPC30を含む一部の充放電制御計画PLを修正する場合を説明した。ただし、第2の実施の形態例と同様にして、蓄電池の充放電制御装置100は、推定した所定時間経過後の計画外使用に基づいて、全てのノートPC30の充放電制御計画PLを作成してもよい。
続いて、図12、図13のフローチャート図で説明した、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。具体例における所定時間は、例えば、30分である。
[具体例]
図14は、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、2013/1/31 9:30に、10:00から発生するPC1の計画外使用を推定する場合を例示する。図14は、取得したPC1の充放電状態SG3、充放電制御計画PL3a、PC1の計画外使用履歴IL3、PC1の充放電状態履歴ST3、推定情報SP3の一例を有する。
図14の充放電状態SG3及び充放電制御計画PL3aによると、9:30の時点におけるPC1の取得した充放電状態と充放電制御計画PL3aに指定される充放電状態はともに通電状態ACである。したがって、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出しない(S3−1のYES)。そして、計画外使用検出部132は、図14の計画外使用履歴IL3から、取得した30分間(具体例では、9:30〜10:00)の充放電状態と、開始時刻前の30分間の充放電状態が同一の計画外使用エントリを抽出する(S9−1)。図14の充放電状態SG3によると、9:30〜10:00に取得したPC1の充放電状態は通電状態ACである。したがって、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴IL3から、開始時刻前の30分間の充放電状態が通電状態ACの計画外使用エントリ「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」、「2013/1/29 10:00〜11:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」e3−1を抽出する(S9−2のYES)。
具体例において、抽出する計画外使用エントリe3−1が存在するため(S9−2のYES)、計画外使用検出部132は、30分後に計画外使用が発生し得る旨、判定する。したがって、推定部136は、計画外使用の開始時刻を、30分後の10:00に設定する(S9−3)。続いて、推定部136は、抽出した計画外使用エントリe3−1の各継続時間のうち、最長の継続時間1.5時間を、計画外使用の継続時間と推定する(S9−4)。このため、10:00から発生する計画外使用の終了時刻は2013/1/31 11:30となる。また、推定部136は、図14の充放電状態履歴ST3を参照して、抽出した計画外使用エントリe3−1の継続時間における充放電状態を取得し、最も多い放電状態BAを計画外使用の充放電状態と推定する(S9−5)。したがって、推定部136は、推定情報SP3に示すように、PC1が2013/1/31 10:00〜11:30の間、放電状態BAとなることを推定する。
そして、充放電制御計画修正部137は、PC1の充放電制御計画PLの2013/1/31 10:00〜11:30を放電状態BAに修正すると共に、別のノートPC30の充放電制御計画PLを、PC1の修正による消費電力の増減を相殺するように修正する(S5)。
なお、第1の実施の形態例と同様にして、計画外使用検出部132は、工程S9−1において抽出する対象の計画外使用エントリe3−1を、一定期間内の計画外使用エントリに限定してもよいし、検出した計画外使用と曜日や時間帯(午前、午後等)が同一の計画外使用エントリに限定してもよい。または、計画外使用検出部132は、検出した計画外使用と開始時刻が同一の計画外使用エントリのみを抽出してもよい。例えば、具体例において、計画外使用検出部132は、検出した計画外使用と開始時刻が同一の計画外使用エントリ「2013/1/29 10:00〜11:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」を抽出する。
計画外使用検出部132は、抽出する対象の計画外使用エントリを絞り込むことによって、所定時間経過後に発生する計画外使用と計画外使用の形態がより類似する計画外使用エントリを抽出することができる。したがって、計画外使用検出部132は、計画外使用の形態の類似度がより高い計画外使用エントリに基づいて、より高精度に、所定時間経過後に計画外使用が発生するか否かを判定可能になると共に、計画外使用の継続時間及び充放電状態をより高精度に推定することができる。
なお、具体例では、所定時間が30分の場合を例示したが、この例に限定されるものではない。例えば、所定時間が60分の場合、計画外使用検出部132は、9:00〜10:00に取得した充放電状態(具体例では、通電状態AC)と、開始時刻前の60分間の充放電状態が同一の計画外使用エントリがある場合に、60分後に計画外使用が発生する可能性がある旨、判定する。
以上のように、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用検出手段は、さらに、取得した第1の蓄電池の所定時間の充放電状態と、計画外使用の開始時刻前の所定時間の充放電状態が同一である第1の蓄電池の計画外使用エントリに基づいて、所定時間経過後に発生する第1の計画外使用を検出する。
したがって、第3の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用履歴ILに基づいて、先の時間帯に計画外使用が発生するか否かを判定することができる。また、蓄電池の充放電制御装置100は、先の時間帯に発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定することができ、予め、一部の蓄電池の充放電制御計画PLを修正しておくことができる。または、蓄電池の充放電制御装置100は、先の時間帯に発生し得る計画外使用の推定情報に基づいて、全ての蓄電池の充放電制御計画PLを作成することができる。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生する前に、計画外使用の推定情報を考慮して充放電制御計画PLを作成、修正することが可能になる。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生する頻度を抑えることができ、充放電制御計画PLに基づいてピーク電力をより確実に抑えることができる。
[第4の実施の形態例]
第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用がノートPC30を利用するユーザの予定に対応して発生する可能性があることに注目し、ユーザの予定に基づいて、発生し得る計画外使用を検出し、充放電制御計画PLを修正する。例えば、出張などの外出が発生する予定の時間帯においては、ノートPC30はAC電源を利用できず、放電状態BAになる可能性が高いため、計画外使用が発生し易い。一方、外出が発生しない予定の時間帯は、AC電源を利用可能であるため、ノートPC30は計画外使用が発生しにくい。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生する前に、予定に対応して発生し得る計画外使用を推定し、ノートPC30の充放電制御計画PLを修正しておくことができる。
第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第1の実施の形態例と同様である。ただし、第4の実施の形態例において、蓄電池の充放電制御装置100の制御部130は、さらに、予定取得部138を有する。続いて、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を説明する。
[処理の概要]
図15は、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を表す図である。図15の状態取得部131、充放電制御計画作成部133、充放電制御計画保存部134、充放電制御計画修正部137、充放電状態制御部135の処理の概要は、第1の実施の形態例における図5の説明と同様である。したがって、予定取得部138、計画外使用検出部132、推定部136の処理の概要を説明する。
第4の実施の形態例において、予定取得部138はノートPC30のユーザの予定情報PNを取得する。予定取得部138は、例えば、ユーザが使用する予定管理システムから、ユーザの予定情報PNを取得する。ただし、この例に限定されるものではない。例えば、蓄電池の充放電制御装置100が予定管理機能を有し、予定取得部138は、予定管理機能から予定情報PNを取得してもよい。または、予定取得部138は、各ノートPC30上で動作する予定管理アプリケーションによって作成されノートPC30上に保存された予定情報PNを取得してもよい。または、予定取得部138は、予定管理システムやノートPC30に予定情報PNの送信を要求してもよいし、予定管理システムやノートPC30が定期的に、蓄電池の充放電制御装置100の予定取得部138に予定情報PNを送信してもよい。
また、第4の実施の形態例における計画外使用検出部132は、取得した予定情報PNから、充放電制御計画PLの作成対象の期間内の予定を選択し、選択した予定と識別情報が同一の予定の履歴を抽出する。そして、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴ILから、抽出した予定の履歴に対応する計画外使用エントリを検出する。また、推定部136は、予定の履歴に対応する計画外使用エントリに基づいて、計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。
[フローチャート図]
図16は、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。第4の実施の形態例における処理のフローチャート図は、図12の第3の実施の形態例におけるフローチャート図と、工程S9を除いて同様である。即ち、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、図12の工程S9の代わりに、工程S10の処理を行う。
第4の実施の形態例における計画外使用検出部132及び推定部136は、計画外使用を検出しなかった場合に(S3−1のYES)、予定に対応して発生する計画外使用を検出し、検出した計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する(S10)。そして、充放電制御計画修正部137は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、計画外使用による消費電力への影響を相殺可能なノートPC30の充放電制御計画PLを修正する(S5)。
図17は、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理をより詳細に説明するフローチャート図である。図17のフローチャート図では、図16のフローチャート図における工程S10の処理を、より詳細に説明する。
具体的に、工程S10において、まず、計画外使用検出部132は、予定情報PNから、充放電制御計画PLを作成済みの期間(この例では、当日)における、対象のノートPC30のユーザの予定を抽出する(S10−1)。次に、計画外使用検出部132は、抽出した予定から、1つの予定を選択し(S10−2)、予定情報PNから、選択した予定と識別情報が同一の1つまたは複数の予定の履歴を抽出する(S10−3)。識別情報とは、予定の内容や種別を示す情報であって、例えば予定の名称である。抽出した予定の履歴は、選択した予定と同一の状態が発生し易い予定を示す。
そして、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴ILから、抽出した1つまたは複数の予定の履歴と、開始時刻が同一の計画外使用エントリを抽出する(S10−4)。抽出した計画外使用エントリは、選択した予定と、同一の状態が発生し易い予定の履歴の時間帯に発生した計画外使用エントリを示す。計画外使用検出部132は、抽出した計画外使用エントリに基づいて、選択した予定に対応して計画外使用が発生するか否かを判定する。たとえば、計画外使用検出部132は、抽出された計画外使用エントリがある場合(S10−5のYES)、予定に対応して計画外使用が発生する旨、判定する。一方、抽出される計画外使用エントリがない場合(S10−5のNO)、計画外使用検出部132は、予定に対応して計画外使用が発生しない旨、判定する。
なお、計画外使用検出部132は、一定数以上の計画外使用エントリが抽出された場合にのみ、または、予定の履歴に対応する一定の割合以上(例えば、80%以上)の計画外使用エントリがある場合に、予定に対応して計画外使用が発生すると判定してもよい。これにより、計画外使用検出部132は、より高精度に、計画外使用が発生するか否かを判定することができる。
抽出された計画外使用エントリに基づいて、計画外使用が発生すると判定した場合(S10−5のYES)、まず、推定部136は、予定の開始時刻を、計画外使用の開始時刻に設定する(S10−6)。そして、推定部136は、抽出した計画外使用エントリに基づいて、選択した予定に対応して発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する。推定部136は、第1の実施の形態例と同様にして、例えば、抽出した計画外使用エントリに基づいて、計画外使用が最も長く継続する場合を想定し継続時間を推定する(S10−7)。なお、推定部136は、予定の時間帯を、継続時間として推定してもよい。また、推定部136は、第1の実施の形態例と同様にして、抽出した計画外使用エントリから、開始時刻から終了時刻までの各充放電状態を取得し、開始時刻から同時間経過後の充放電状態の中で最も多い充放電状態を、予定に対応して発生する計画外使用の開始時刻から同時間経過後の充放電状態として推定する(S10−8)。
そして、充放電制御計画修正部137は、予定に対応して発生する計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLを、推定した継続時間に推定した充放電状態を有するように修正すると共に、別のノートPC30の充放電制御計画PLを、計画外使用が検出されたノートPC30の充放電制御計画PLの修正による消費電力の増減を相殺するように修正する(S5)。
なお、充放電制御計画修正部137は、第1の実施の形態例と同様にして、充放電制御計画PLにおいて推定通りに計画外使用が発生した場合のピーク電力が、充放電制御計画PLを修正しない場合のピーク電力を超えない場合、充放電制御計画PLを修正しなくてもよい。充放電制御計画PLの再作成が不要になることにより、充放電制御計画修正部137は、負荷を軽減することができる。
続いて、図16、図17のフローチャート図で説明した、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例]
図18は、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、2013/1/31 9:30に、PC1の計画外使用を推定する場合を例示する。図18は、取得したPC1の充放電状態SG4、充放電制御計画PL4a、PC1を利用するUser1の2013/1/31の予定表SC4、User1の予定の履歴SCR4、PC1の計画外使用履歴IL4、PC1の充放電状態履歴ST4、推定情報SP4の一例を有する。
図18の充放電状態SG4及び充放電制御計画PL4aによると、9:30の時点におけるPC1の取得した充放電状態と充放電制御計画PL4aに指定される充放電状態はともに通電状態ACである。したがって、計画外使用検出部132は、計画外使用を検出しない(S3−1のYES)。そして、計画外使用検出部132は、予定情報PNから、充放電制御計画PLを作成済みの期間(具体例では、2013/1/31)における、対象とするノートPC30(具体例では、PC1)を利用するユーザ(具体例では、User1)の予定表SC4を抽出する(S10−1)。続いて、計画外使用検出部132は、図18のUser1の2013/1/31の予定表SC4から、例えば、予定「10:30〜12:00:A社出張」を選択する(S10−2)。また、図18のUser1の予定の履歴SCR4によると、「A社出張」という名称の予定は、3つ存在する。したがって、計画外使用検出部132は、User1の予定の履歴SCR4から、3つの予定の履歴「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」、「2013/1/30 10:00〜11:30」r4−1を抽出する(S10−3)。
次に、計画外使用検出部132は、計画外使用履歴IL4から、抽出した3つの予定の履歴r4−1と、同一の開始時刻を有する計画外使用エントリ「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」、「2013/1/30 10:00〜11:30」e4−1を抽出する(S10−4)。具体例において、例えば、抽出する計画外使用エントリe4−1が存在するため(S10−5のYES)、計画外使用検出部132は、予定に対応して計画外使用が発生し得る旨、判定する。推定部136は、計画外使用の開始時刻に、選択した予定の開始時刻10:30を設定する(S10−6)。
続いて、推定部136は、抽出した計画外使用エントリe4−1の各継続時間のうち、最長の継続時間1.5時間を、計画外使用の継続時間と推定する(S10−7)。このため、10:30から発生する計画外使用の終了時刻は2013/1/31 12:00となる。また、推定部136は、図18の充放電状態履歴ST4を参照して、抽出した計画外使用エントリe4−1の継続時間における充放電状態を取得し、最も多い放電状態BAを計画外使用の充放電状態と推定する(S10−8)。したがって、推定部136は、推定情報SP4に示すように、PC1が2013/1/31 10:30〜12:00の間、放電状態BAとなることを推定する。
そして、充放電制御計画修正部137は、PC1の充放電制御計画PLの2013/1/31 10:30〜12:00を放電状態BAに修正すると共に、第1の実施の形態例と同様にして、別のノートPC30の充放電制御計画PLを、PC1の修正による消費電力の増減を相殺するように修正する(S5)。
なお、第1の実施の形態例と同様にして、計画外使用検出部132は、工程S10−4において、抽出する対象の計画外使用エントリe4−1を、一定期間内の計画外使用エントリに限定してもよいし、選択した予定と曜日や時間帯(午前、午後等)が同一の計画外使用エントリに限定してもよい。または、計画外使用検出部132は、選択した予定と開始時刻が同一の計画外使用エントリのみを抽出してもよい。例えば、具体例において、計画外使用検出部132は、選択した予定と開始時刻が同一の計画外使用エントリ「2013/1/27 10:30〜11:30」、「2013/1/28 10:30〜12:00」を抽出する。また、計画外使用検出部132は、さらに、選択した予定と、開始時刻に加えて終了時刻が同一の計画外使用エントリのみを抽出してもよい。例えば、具体例において、計画外使用検出部132は、開始時刻及び終了時刻が選択した予定と同一の計画外使用エントリ「2013/1/28 10:30〜12:00」のみを抽出する。
計画外使用検出部132は、抽出する対象の計画外使用エントリを絞り込むことによって、予定に対応して発生し得る計画外使用と、計画外使用の形態がより類似する計画外使用エントリを抽出することができる。したがって、計画外使用検出部132は、計画外使用の形態の類似度がより高い計画外使用エントリに基づいて、より高精度に、計画外使用が発生する予定を検出可能になると共に、計画外使用の継続時間及び充放電状態をより高精度に推定することができる。
以上のように、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、さらに、第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得手段を有する。そして、蓄電池の充放電制御装置100における計画外使用検出手段は、さらに、第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴を抽出し、抽出した第2の予定の履歴に対応する計画外使用エントリに基づいて第1の予定に対応して発生する第1の計画外使用を検出する。
したがって、第4の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して計画外使用が発生することに注目して、予定の履歴に基づいて、予定に対応して計画外使用が発生するか否かを判定することができる。また、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定することにより、予め、一部の蓄電池の充放電制御計画PLを修正しておくことができる。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの実現性を高め、蓄電池の本来の導入目的と相反することなく、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
また、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して計画外使用が発生しないと判定した時間帯については、充放電制御計画PLを修正しない。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの修正を省略することによって、処理の負荷を軽減することができる。
なお、第4の実施の形態例においても、蓄電池の充放電制御装置100の充放電制御計画修正手段は、第1の蓄電池の充放電制御計画PLにおいて、推定通りに計画外使用が発生した場合のピーク電力が、充放電制御計画PLを修正しない場合のピーク電力を超えない場合、充放電制御計画PLを修正しなくてもよい。即ち、蓄電池の充放電制御装置100は、ピーク電力に影響が生じない場合、予定に対応して発生する計画外使用を検出した場合であっても、充放電制御計画PLを修正しなくてよい。蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの修正を省略することによって、処理の負荷を軽減することができる。
なお、蓄電池の充放電制御装置100は、予め、予定に対応して発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定し、全てのノートPC30の充放電制御計画PLを作成してもよい。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して発生し得る計画外使用を予め考慮した充放電制御計画PLを作成することができる。
図19は、第4の実施の形態例の変形例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を説明するフローチャート図である。図19の例において、充放電制御計画作成部133は、充放電制御計画PLの作成時刻に達した場合に(S2−1のYES)、充放電制御計画PLの作成対象の期間内の予定に対応して、計画外使用が発生し得るか否かを判定し、発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する(S10)。工程S10の処理は前述したとおりである。そして、充放電制御計画作成部133は、検出済みの計画外使用の推定情報を有し、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S2−2)。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの作成前に、予定に対応して発生し得る計画外使用の継続時間及び充放電状態を予め推定し、推定した充放電状態を考慮した充放電制御計画PLを作成する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの実現性を高め、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
[第4の実施の形態例の変形例1]
なお、充放電制御計画PLに放電状態BAが指定されていても、バッテリ残量が少ない場合、ノートPC30は通電状態ACとなる。同様にして、充放電制御計画PLに充電状態CHが指定されていても、バッテリ残量が満量である場合、ノートPC30は通電状態ACとなる。つまり、バッテリ残量に問題がなければ、充放電制御計画の通りにノートPC30を制御可能であるところ、バッテリ残量に起因して計画外使用が発生してしまうことがある。そこで、計画外使用が、予定ではなくバッテリ残量に起因して発生していた場合、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生しなかったものとみなしてよい。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における計画外使用検出手段は、抽出した計画外使用エントリの継続時間における充放電状態が通電状態ACである場合、第1の計画外使用を検出しない。つまり、蓄電池の充放電制御装置100は、対象の予定と識別情報が同一の予定の履歴の時間帯における充放電状態が通電状態ACである場合、充放電制御計画PLに指定される充放電状態と異なっていても、バッテリ残量に起因して計画通りに制御できなかったと推定し、計画外使用が発生しなかったものとみなす。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して、計画外使用が発生し得るか否かをより高精度に判定することができる。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生しないと判定した場合は、充放電制御計画PLを柔軟に作成することができ、また修正が不要になることにより、処理の負荷を軽減することができる。
[第4の実施の形態例の変形例2]
なお、充放電制御計画PLにいずれの充放電状態が指定されていても、AC電源がない環境においては、ノートPC30は放電状態BAとなる。即ち、予定に対応してノートPC30が放電状態BAとなる時間帯において、充放電制御計画PLに放電状態BAが指定される場合、計画外使用が検出されず、予定に対応する計画外使用エントリが作成されない。そのため、充放電制御計画PLにおいて、次回の同一の予定の時間帯に放電状態BA以外の充放電状態が指定され、計画外使用が発生する場合がある。そこで、蓄電池の充放電制御装置100は、選択した予定と識別情報が同一の予定の履歴に対応する計画外使用エントリが抽出されない場合であっても、予定の履歴の時間帯における充放電状態が全て放電状態BAである場合、計画外使用を検出する。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における計画外使用検出手段は、計画外使用エントリが抽出されない場合であっても、第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態が全て放電状態BAである場合、第1の計画外使用を検出する。そして、推定手段は、第1の計画外使用の充放電状態を放電状態BAとして推定する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLにおいて、放電状態BAとなる可能性のある予定の時間帯に予め放電状態BAを指定することができ、充放電制御計画PLの実現性を高め、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
[第4の実施の形態例の変形例3]
なお、予定の時間帯にいずれの充放電状態が指定されても計画外使用が発生しない場合、予定の時間帯は、計画通りにノートPC30を制御可能な時間帯であることを示す。したがって、選択した予定と識別情報が同一の予定の履歴の時間帯における充放電状態が、全ての種類の充放電状態(放電状態BA、通電状態AC、充電状態CH)を含み、予定の履歴に対応する計画外使用エントリが抽出されない場合、蓄電池の充放電制御装置100は、選択した予定の時間帯を、計画通りにノートPC30を制御可能な時間帯であるとみなしてもよい。
具体的に、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLにおいて、選択した予定と識別情報が同一の予定の履歴の時間帯に全ての種類の充放電状態が指定され、当該予定の履歴に対応する計画外使用エントリが抽出されない場合、選択した予定に対応して計画外使用が発生しない旨、判定する。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における計画外使用検出手段は、計画外使用エントリが抽出されず、第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態が全ての種類の充放電状態を含む場合に、第1の計画外使用を検出しない。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して、計画外使用が発生し得るか否かをより高精度に判定することができる。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生しないと判定した場合は、充放電制御計画PLを柔軟に作成することができ、また修正が不要になることにより、処理の負荷を軽減することができる。
[第4の実施の形態例の変形例4]
さらに、蓄電池の充放電制御装置100は、推定した充放電状態に基づいて、予定の時間帯が、計画通りにノートPC30を制御可能な時間帯であるか否かを検証してもよい。予定の時間帯が計画通りに制御可能である場合、充放電制御計画PLの予定の時間帯に推定した充放電状態以外の充放電状態を指定しても、予定の時間帯に計画外使用は発生しない。
例えば、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用を検出したノートPC30の充放電制御計画PLにおいて、予定の時間帯に推定した充放電状態を有するように修正した場合のピーク電力を超えないように、予定の時間帯に推定した充放電状態以外の充放電状態を指定する。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、その後、予定の時間帯に計画外使用が発生しなかった場合、予定の時間帯がノートPC30を計画通りに制御可能であるとみなし、対応する計画外使用エントリを削除する。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における制御計画修正手段は、第1の蓄電池の充放電制御計画を、推定した第1の計画外使用の継続時間に推定した充放電状態を有するように修正する場合のピーク電力を超えないように、第1の蓄電池の充放電制御計画を第1の予定の時間帯に推定した充放電状態以外の充放電状態を有するように修正する。そして、計画外使用検出手段は、第1の予定の時間帯に計画外使用を検出しないとき、第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリを削除し、第1の予定が第2の予定と識別情報が同一の予定として抽出された場合に、第2の予定の計画外使用を検出しない。
これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定に対応して、計画外使用が発生し得るか否かをより高精度に判定することができる。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、計画外使用が発生しないと判定した場合は、充放電制御計画PLを柔軟に作成することができ、また修正が不要になることにより、処理の負荷を軽減することができる。
[第5の実施の形態例]
第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、識別情報が同一の予定の充放電状態が同一の状態になり易いことに注目し、予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて予定の時間帯の充放電状態を推定し、充放電制御計画PLを作成する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、充放電制御計画PLの実現性を高め、蓄電池の本来の導入目的と相反することなく、ピーク電力を確実に抑えることができる。
第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第1の実施の形態例と同様である。ただし、第5の実施の形態例において、蓄電池の充放電制御装置100の制御部130は、さらに、計画外使用検出部132及び充放電制御計画修正部137を有しておらず、予定取得部138を有する。続いて、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を説明する。
[処理の概要]
図20は、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の概要を表す図である。図20の状態取得部131、充放電制御計画作成部133、充放電制御計画保存部134、充放電状態制御部135、予定取得部138の処理の概要は、第4の実施の形態例における図15の説明と同様である。したがって、推定部136の処理の概要を説明する。第5の実施の形態例における推定部136は、予定情報PNを参照し、充放電制御計画PLの作成対象の期間内の予定を選択し、選択した予定と識別情報が同一の予定の履歴を抽出する。そして、推定部136は、充放電状態履歴STを参照して、抽出した予定の履歴の時間帯における充放電状態を取得し、選択した予定の時間帯の充放電状態を推定する。
[フローチャート図]
図21は、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。工程S1〜工程S6の処理は、第1の実施の形態例と同様である。第5の実施の形態例では、充放電制御計画PLの作成時刻に達すると(S2−1のYES)、予定取得部138はノートPC30のユーザの予定情報PNを取得する。推定部136は、予定情報PNに基づいて、予定の時間帯の充放電状態を推定する(S11)。続いて、充放電制御計画作成部133は、予定の時間帯に推定した充放電状態を有し、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S2−2)。そして、充放電状態制御部135は、作成された充放電制御計画PLに基づいて各PCの蓄電池を制御する(S6)。充放電制御計画PLの作成時刻に達していない場合(S2−1のNO)の処理は、第1の実施の形態例と同様である。
図22は、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理をより詳細に説明するフローチャート図である。図22のフローチャート図では、図21のフローチャート図における工程S11の処理を、より詳細に説明する。
具体的に、工程S11において、第4の実施の形態例と同様にして、推定部136は、予定情報PNから、充放電制御計画PLを作成済みの期間(この例では、当日)における、対象のノートPC30のユーザの予定を抽出する(S11−1)。次に、推定部136は、抽出した予定から、1つの予定を選択し(S11−2)、予定情報PNから、選択した予定と識別情報が同一の1つまたは複数の予定の履歴を抽出する(S11−3)。識別情報とは、予定の内容や種別を示す情報であって、例えば予定の名称である。抽出した予定の履歴は、選択した予定と同一の充放電状態が発生し易い予定を示す。
次に、推定部136は、抽出した予定の履歴すべてについて、充放電状態履歴STを参照して、予定の履歴の時間帯における充放電状態を抽出する(S11−4)。そして、推定部136は、抽出した充放電状態の中で最も多い充放電状態を、予定の時間帯に発生し得る充放電状態と推定する(S11−5)。そして、充放電制御計画作成部133は、予定の時間帯に推定した充放電状態を有し、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S2−2)。なお、充放電制御計画作成部133は、予定の時間帯に推定した充放電状態への制御が可能になるように、予定以外の時間帯に充放電状態を指定する。
なお、充放電制御計画PLの作成処理(S2−2)において、充放電制御計画作成部133は、推定した予定の充放電状態を考慮せずに作成した充放電制御計画PLにおいて、予定の時間帯に推定した充放電状態が発生した場合にピーク電力が増加しない場合、予定の時間帯に推定した充放電状態を指定しなくてもよい。これにより、充放電制御計画作成部133は、予定の時間帯に推定した充放電状態を指定する必要がないため、充放電制御計画PLをより柔軟に作成できる。
なお、通電状態ACと充電状態CHは、いずれもAC電源が使用可能な環境における充放電状態であるため、推定した充放電状態が通電状態ACまたは充電状態CHである予定の時間帯は、AC電源を使用可能であることが推定可能である。したがって、予定の時間帯における充放電状態を通電状態ACまたは充電状態CHと推定した場合、蓄電池の充放電制御装置100は、ピーク電力に問題がなければ、充放電制御計画PLにおいて、予定の時間帯に通電状態ACまたは充電状態CHのいずれを指定してもよい。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、計画通りに制御可能な充放電制御計画PLをより柔軟に作成することができる。
具体的に、充放電制御計画作成部133は、通電状態AC、充電状態CHのいずれかの充放電状態と推定した予定の時間帯に、通電状態ACまたは充電状態CHいずれかの充放電状態を有し、電力需要予測、各ノートPCの仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する。なお、蓄電池の充放電制御装置100は、通電状態AC及び充電状態CHを共通の充放電状態(例えば、給電状態AC/CH)として扱ってもよい。状態取得部131は、例えば、ノートPCの充放電状態が、通電状態AC、充電状態CHのいずれかである場合に、充放電状態を給電状態AC/CHとして取得する。また、充放電制御計画作成部133は、例えば、予定の時間帯の充放電状態を、給電状態AC/CHとして推定する。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における制御計画作成手段は、推定した充放電状態が放電状態BAである場合に第1の予定(選択した予定)の時間帯に放電状態BAを有し、推定した充放電状態が放電状態BA以外の充放電状態(通電状態ACまたは充電状態CH)である場合に、第1の予定の時間帯に通電状態ACまたは充電状態CHのいずれかを有する充放電制御計画PLを作成する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、通電状態ACと充電状態CHを区別する必要がないため、充放電制御計画PLをより柔軟に作成することができる。また、通電状態ACと充電状態CHとを共通の充放電状態として推定可能になるため、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の時間帯の充放電状態をより高精度に推定することができ、ノートPC30をより計画通りに制御可能な充放電制御計画PLを作成することができる。
一方、放電状態BAは、AC電源が使用できない環境における充放電状態であり、ノートPC30は放電状態BAになる。これに対し、AC電源が使用可能な場合、ノートPC30の充放電状態はいずれの充放電状態にもなり得る。したがって、例えば、蓄電池の充放電制御装置100は、少なくとも、推定した充放電状態が放電状態BAである予定の時間帯に放電状態BAを指定する充放電制御計画PLを作成すればよい。そして、蓄電池の充放電制御装置100は、推定した充放電状態が放電状態BA以外である予定の時間帯には、ピーク電力が小さくなるように、いずれかの充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成する。
即ち、蓄電池の充放電制御装置100における制御計画作成手段は、推定した充放電状態が放電状態BAである場合に第1の予定(選択した予定)の時間帯に放電状態BAを有し、推定した充放電状態が放電状態BA以外の充放電状態である場合に、第1の予定の時間帯にいずれかの充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、少なくとも、推定した充放電状態が放電状態BAである予定の時間帯にのみ放電状態BAを指定すればよいため、より柔軟に充放電制御計画PLを作成することができる。また、蓄電池の充放電制御装置100は、通電状態ACと充電状態CHを区別して推定する必要がないため、予定の時間帯の充放電状態をより高精度に推定することができ、より計画通りに制御可能な充放電制御計画PLを作成することができる。
続いて、図21、図22のフローチャート図で説明した、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例]
図23は、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、2013/1/31の充放電制御計画PLを作成する場合を例示する。図23は、User1の2013/1/31の予定表SC5、User1の予定の履歴SCR5、PC1の充放電状態履歴ST5、予定の推定情報SP5、PC1の充放電制御計画PL5a、PL5bの一例を有する。充放電制御計画PL5bは、推定した予定の時間帯の充放電状態を考慮して作成される充放電制御計画PLであって、充放電制御計画PL5aは、推定した予定の時間帯の充放電状態を考慮せずに作成される充放電制御計画PLを示す。
充放電制御計画PLの作成時刻に達すると(S2−1のYES)、推定部136は、予定情報PNから、充放電制御計画PL5bの作成対象の期間(具体例では、2013/1/31)における、対象とするノートPC30(具体例では、PC1)のユーザ(具体例では、User1)の予定表SC5を抽出する(S11−1)。続いて、推定部136は、図23のUser1の2013/1/31の予定表SC5から、例えば、予定「13:30〜15:00:A社出張」を選択する(S11−2)。また、図23のUser1の予定の履歴SCR5によると、「A社出張」という名称の予定は、3つ存在する。したがって、推定部136は、User1の予定の履歴SCR5から、3つの予定の履歴「2013/1/28 13:30〜16:00」、「2013/1/29 14:00〜15:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」を抽出する(S11−3)。図23の充放電状態履歴ST5によると、抽出した予定の履歴の充放電状態は全て放電状態BAである(S11−4)。したがって、推定部136は、図23の推定情報SP5に示すように、PC1の2013/1/31 13:30〜15:00の充放電状態が、放電状態BAである旨、推定する(S11−5)。
そして、充放電制御計画作成部133は、PC1の2013/1/31の13:30〜15:00に推定した放電状態BAを指定すると共に、ピーク電力が小さくなるように、15:00〜16:30に放電状態BAを指定する充放電制御計画PL5bを作成する(S2−2)。なお、13:30〜15:00にPC1のバッテリ残量が少ない場合、バッテリ駆動できない。したがって、充放電制御計画作成部133は、9:00〜11:30(図23のf1)に放電状態BA以外の充放電状態を指定すると共に、電力需要予測が少ない11:30〜12:30(図23のf2)に充電状態CHを指定することによって、13:30の時点に十分なバッテリ残量を保持可能にする充放電制御計画PL5bを作成する。
これに対し、図23の充放電制御計画PL5aによると、13:30〜15:00に通電状態ACが指定されると共に、15:00〜16:30に放電状態BAが指定される。しかしながら、A社への出張により、PC1は13:30〜15:00の時間帯に放電状態BAとなることで、15:00〜16:30の時間帯にバッテリ残量が不足することから、通電状態ACになってしまう。この結果、15:00〜16:30に消費電力が増加しピーク電力が増加してしまう。
なお、第1の実施の形態例と同様にして、推定部136は、抽出する対象の予定の履歴を、一定期間内の予定の履歴に限定してもよいし、名称に加えて、曜日や時間帯(午前、午後等)が選択した予定と同一の予定の履歴に限定してもよい。または、推定部136は、名称に加えて、開始時刻が選択した予定と同一の予定の履歴のみを抽出してもよい。例えば、具体例において、推定部136は、さらに開始時刻が選択した予定と同一の予定の履歴「2013/1/28 13:30〜16:00」のみを抽出する(S11−3)。また、推定部136は、名称に加えて、終了時刻が選択した予定と同一の予定の履歴のみを抽出してもよい。
また、推定部136が推定する予定の時間帯の充放電状態は、単一の充放電状態でなくてもよい。例えば、推定部136は、予定の時間帯を開始時刻から一定の単位時間毎に充放電状態を推定してもよい。単位時間毎に充放電状態を推定することによって、推定部136は、前半はAC電源のない会議室で打合せをし、後半ではAC電源のある場所で作業をするような予定の充放電状態を、より高精度に推定することができる。
以上のように、第5の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、蓄電池の放電状態BA、通電状態AC、充電状態CHを含む充放電状態を取得する充放電状態取得手段と、第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得手段とを有する。また、蓄電池の充放電制御装置100は、第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて、第1の蓄電池の第1の予定の時間帯の充放電状態を推定する推定手段と、複数の蓄電池の充放電制御計画を、ピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成手段とを有する。そして、制御計画作成手段は、第1の蓄電池の充放電制御計画が、第1の予定の時間帯に推定した充放電状態を有するように充放電制御計画を作成する。
これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、識別情報が同一の予定の充放電状態が同一の傾向を有することに注目することによって、予定の充放電状態を推定することができる。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の時間帯に推定した充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成することができる。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、実現性の高い充放電制御計画PLを作成することができ、蓄電池の本来の導入目的と相反することなく、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
なお、第5の実施の形態例の蓄電池の充放電制御装置100においても、制御計画作成手段は、第1の蓄電池の推定した充放電状態を考慮せずに作成した充放電制御計画において、第1の予定の時間帯に推定した充放電状態が発生した場合にピーク電力が増加しない場合、推定した充放電状態を考慮せずに充放電制御計画を作成してもよい。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、ピーク電力に影響が生じない場合に、より柔軟に充放電制御計画PLを作成することができる。
[第6の実施の形態例]
第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、予定の時間帯に加えて、その前後の時間帯についても充放電状態を推定し、推定した充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成する。予定の前後には、予定に伴う場所の移動や、議事録の作成等の一定の作業が生じることがある。したがって、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、予定の前後の時間帯の充放電状態を合わせて推定することによって、より実現性の高い充放電制御計画PLを作成する。
第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第5の実施の形態例と同様である。
[フローチャート図]
図24は、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。第6の実施の形態例における処理のフローチャート図は、図21の第5の実施の形態例におけるフローチャート図と工程S11を除いて同様である。即ち、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、図21の工程S11の代わりに、工程S12の処理を行う。工程S12−1〜S12−5の処理は、図22の第5の実施の形態例の工程S11−1〜S11−5と同様である。
具体的に、工程S12において、推定部136は、予定情報PNから、充放電制御計画PLを作成済みの期間(この例では、当日)における、対象のノートPC30のユーザの予定を抽出する(S12−1)。次に、推定部136は、抽出した予定から、1つの予定を選択し(S12−2)、予定情報PNから、選択した予定と識別情報が同一の1つまたは複数の予定の履歴を抽出する(S12−3)。次に、推定部136は、抽出した予定の履歴すべてについて、予定の時間帯における充放電状態を抽出する(S12−4)。そして、推定部136は、抽出した充放電状態の中で最も多い充放電状態を、予定の時間帯に発生し得る充放電状態と推定する(S12−5)。
続いて、推定部136は、抽出した予定の履歴について、予定の時間帯の前の所定時間の充放電状態を抽出する(S12−6)。そして、推定部136は、抽出した充放電状態の中で最も多い充放電状態を、選択した予定の時間帯の、前の所定時間における充放電状態として推定する(S12−7)。同様にして、推定部136は、抽出した予定の履歴について、予定の時間帯の後の所定時間の充放電状態を抽出する(S12−8)。そして、推定部136は、抽出した充放電状態の中で最も多い充放電状態を、選択した予定の時間帯の、後の所定時間における充放電状態として推定する(S12−9)。
そして、充放電制御計画作成部133は、予定の時間帯、及び、その前後の時間帯に、推定した充放電状態を有し、電力需要予測、各ノートPC30の仕様、現在の充放電状態とバッテリ残量を考慮して、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PLを作成する(S12−10)。
続いて、図24のフローチャート図で説明した、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。具体例における予定の時間帯の前後の所定時間は、例えば、30分である。
[具体例]
図25は、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、2013/1/31の充放電制御計画PLを作成する場合を例示する。図25は、User1の2013/1/31の予定表SC6、User1の予定の履歴SCR6、PC1の充放電状態履歴ST6、予定の推定情報SP6、PC1の充放電制御計画PL6bの一例を有する。
第5の実施の形態例と同様にして、推定部136は、図25のUser1の2013/1/31の予定表SC6から、予定「13:30〜15:00:A社出張」を選択する(S12−2)。また、推定部136は、User1の予定の履歴SCR6から、3つの予定の履歴「2013/1/28 13:30〜16:00」、「2013/1/29 14:00〜15:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」を抽出する(S12−3)。図25の充放電状態履歴ST6によると、抽出した予定の履歴の充放電状態は全て放電状態BAである(S12−4)。したがって、推定部136は、PC1の2013/1/31 13:30〜15:00の充放電状態が、放電状態BAである旨、推定する(S12−5)。
続いて、推定部136は、抽出した予定の履歴のそれぞれ30分前における充放電状態を抽出する(S12−6)。抽出した充放電状態は充電状態CHが2つ、通電状態ACが1つであるため、推定部136は、図25の推定情報SP6に示すように、2013/1/31 13:00〜13:30の充放電状態を充電状態CHと推定する(S12−7)。また、推定部136は、抽出した予定の履歴のそれぞれ30分後におけるPC1の充放電状態(すべて通電状態AC)を抽出する(S12−8)。したがって、推定部136は、図25の推定情報SP6に示すように、2013/1/31 15:00〜15:30の充放電状態を通電状態ACと推定する(S12−9)。
そして、充放電制御計画作成部133は、PC1の2013/1/31の13:30〜15:00に放電状態BA、13:00〜13:30に推定した充電状態CH、15:00〜15:30に通電状態ACを指定すると共に、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PL6bを作成する(S2−2)。なお、13:30〜15:00にPC1のバッテリ残量が少ない場合、バッテリ駆動できない。したがって、充放電制御計画作成部133は、さらに、充放電制御計画PL6bにおける、電力需要予測が少ない12:00〜12:30に充電状態CHを指定することによって、13:30の時点にPC1が十分なバッテリ残量を保持可能にする充放電制御計画PL6bを作成する。
なお、具体例では、予定の時間帯の前後の所定時間が30分である場合を例示した。しかし、所定時間はこの例に限定されるものではなく、他の時間であってもよいし、予定の時間帯の前後における推定した充放電状態が継続する時間であってもよい。具体例において、いずれの予定の履歴においても、予定の時間帯の後、60分間、通電状態ACが継続している。したがって、蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、予定の時間帯の後の60分間、通電状態ACが継続すると推定し、15:00〜16:00に通電状態ACを指定する充放電制御計画PL6bを作成してもよい。
以上のように、第6の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、推定手段は、第1の予定の時間帯の前記充放電状態に加えて、予定の時間帯の前、後いずれかまたは両方の所定時間の充放電状態を推定する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の時間帯に加えて、予定の時間帯の前後の時間帯に推定した充放電状態を有する充放電制御計画PLを作成することができる。予定の前後には、予定に伴う場所の移動や、一定の作業が生じることがあるため、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の前後の時間帯の充放電状態を合わせて推定することによって、より実現性の高い充放電制御計画PLを作成することができ、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
[第7の実施の形態例]
予定の開始時刻及び終了時刻は、例えば、出張や打合せなどが長引いたり、逆に早まったりすることで、実際とは異なることがある。予定に応じてノートPC30を持ち運ぶ場合、予定の実際の開始時刻及び終了時刻に、充放電状態が変化する。第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、充放電状態の履歴に基づいて、予定の開始時刻及び終了時刻を修正する。蓄電池の充放電制御装置100は、予定の開始時刻及び終了時刻を修正することにより、より実現性の高い充放電制御計画PLを作成することができる。
第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の構成及びブロック図は、第5の実施の形態例と同様である。
[フローチャート図]
図26は、第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の流れを説明するフローチャート図である。第7の実施の形態例における処理のフローチャート図は、図21の第5の実施の形態例におけるフローチャート図と工程S11を除いて同様である。即ち、第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100は、図21の工程S11の代わりに、工程S13の処理を行う。工程S13−1〜工程S13−3の処理は、図22の第5の実施の形態例の工程S11−1〜S11−3と同様である。
具体的に、工程S13において、推定部136は、予定情報PNから、充放電制御計画PLを作成済みの期間(この例では、当日)における、対象とするノートPC30のユーザの予定表SC7を抽出する(S13−1)。次に、推定部136は、抽出した予定から、1つの予定を選択し(S13−2)、予定情報PNから、選択した予定と識別情報が同一の1つまたは複数の予定の履歴を抽出する(S13−3)。続いて、推定部136は、抽出した予定の履歴すべてについて、予定の時間帯に加えて、予定の時間帯の前後の時間帯における充放電状態を抽出する(S13−4)。
続いて、推定部136は、抽出した充放電状態に基づいて、抽出した予定の履歴の開始時刻の前後で充放電状態が変化する場合(S13−5のYES)、予定の履歴の開始時刻が登録通りであったと判定し、登録した開始時刻を実際の開始時刻として推定する。一方、予定の履歴の開始時刻の前後で充放電状態が変化していない場合(S13−5のNO)、開始時刻の最も近くで充放電状態が変化した時刻を、実際の開始時刻として推定する(S13−6)。例えば、推定部136は、開始時刻から継続時間前の時刻から終了時刻までの間を、充放電状態の変化を検出する対象の時間帯とする。この時間帯で充放電状態が変化していない場合、推定部136は、予定によって充放電状態が変化しないとみなし、予定の履歴の開始時刻が登録通りであると判定する。
そして、推定部136は、抽出した予定の履歴の推定した予定の開始時刻と登録した開始時刻との差分時間のうち、最長の差分時間を、選択した予定の差分時間とし、開始時刻を修正する(S13−7)。なお、推定部136は、差分時間の平均を選択した予定の差分時間として開始時刻を修正してもよい。また、推定部136は、抽出した予定の履歴のうち、選択した予定と曜日や時間帯が同一の予定の履歴のみに基づいて、予定の開始時刻を修正してもよい。推定部136は、例えば、終了時刻についても同様にして、工程S13−5〜S13−7の処理を行う。
続いて、図26のフローチャート図で説明した、第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理を具体例に基づいて説明する。
[具体例]
図27は、第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100の処理の具体例を説明する図である。具体例において、蓄電池の充放電制御装置100は、2013/1/31の充放電制御計画PLを作成する場合を例示する。図27は、User1の2013/1/31の予定表SC7、User1の予定の履歴SCR7、PC1の充放電状態履歴ST7、予定の推定情報SP7、PC1の充放電制御計画PL7bの一例を有する。
第5、6の実施の形態例と同様にして、推定部136は、図27のUser1の2013/1/31の予定表SC7から、予定「13:30〜15:00:A社出張」を選択する(S13−2)。また、推定部136は、User1の予定の履歴SCR7から、3つの予定の履歴「2013/1/28 13:30〜16:00」、「2013/1/29 14:00〜15:30」、「2013/1/30 10:00〜11:30」を抽出する(S13−3)。
また、図27の充放電状態履歴ST7によると、PC1の予定の履歴の時間帯における充放電状態は、「2013/1/28」を除いて、開始時刻の前後で通電状態ACから放電状態BAに変化している(S13−5のYES)。したがって、推定部136は、予定の開始時刻を修正しない。一方、予定の終了時刻について、PC1の予定の履歴「2013/1/28」、「2013/1/29」の充放電状態は、終了時刻の前後で変化しておらず(S13−5のNO)、終了時刻の30分前に変化している(S13−6)。なお、PC1の予定の履歴「2013/1/30」の充放電状態は、終了時刻の30分後に変化している(S13−5のNO、S13−6)。したがって、推定部136は、予定の履歴「2013/1/28」、「2013/1/29」に基づいて、図27の推定情報SP7に示すように、予定の終了時刻を15:00から14:30に修正する(S13−7)。
そして、充放電制御計画作成部133は、PC1の2013/1/31の13:30〜14:30に推定した放電状態BAを指定すると共に、ピーク電力が小さくなるように、充放電制御計画PL7bを作成する(S2−2)。なお、蓄電池の充放電制御装置100は、例えば、毎朝、前日の予定の履歴に基づいて、予定の開始時刻及び終了時刻を修正してもよい。なお、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の履歴における修正済みの開始時刻及び終了時刻に基づいて、修正処理を行う。
以上のように、第7の実施の形態例における蓄電池の充放電制御装置100において、第1の予定の時間帯の前または後の時間帯を含む時間内で充放電状態が変化する時刻を、第1の予定の開始または終了時刻として修正する。これにより、蓄電池の充放電制御装置100は、予定の開始時刻と終了時刻をより正確な時刻に修正することにより、予定の時間帯の充放電状態をより高精度に推定することができる。したがって、より実現性の高い充放電制御計画PLを作成することができ、ピーク電力をより確実に抑えることができる。
以上の実施の形態をまとめると、次の付記のとおりである。
(付記1)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御装置であって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得手段と、
前記取得した前記充放電状態が、前記充放電制御計画に指定される前記充放電状態と異なる場合に、第1の計画外使用を検出する計画外使用検出手段と、
前記第1の計画外使用を検出した第1の蓄電池の計画外使用履歴に含まれる、前記第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリに基づいて、前記第1の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する推定手段と、
前記第1の蓄電池の充放電制御計画を、前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態を有するように修正すると共に、前記充放電制御計画に前記推定した継続時間に前記推定した充放電状態を有する第2の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記第1の蓄電池の充放電制御計画の修正に対応して修正する制御計画修正手段と、を有する蓄電池の充放電制御装置。
(付記2)
付記1において、
前記制御計画修正手段は、修正後の前記第1、第2の蓄電池の充放電制御計画を含む前記複数の蓄電池の充放電制御計画に基づいた場合のピーク電力が、前記第1、第2の蓄電池の充放電制御計画を修正しない場合のピーク電力を超えないように、または、所定の制限値を超えないように、前記第2の蓄電池の充放電制御計画を修正する蓄電池の充放電制御装置。
(付記3)
付記1または2において、
前記制御計画修正手段は、さらに、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画の前記継続時間以外の時間帯の前記充放電状態を、前記継続時間に前記推定した充放電状態への制御が可能になるように修正する蓄電池の充放電制御装置。
(付記4)
付記1乃至3のいずれかにおいて、
前記推定手段は、前記計画外使用履歴に含まれる、前記第1の計画外使用の検出開始時に前記取得した充放電状態と前記充放電制御計画に指定される充放電状態とが、前記第1の計画外使用と一致する前記計画外使用エントリに基づいて推定する蓄電池の充放電制御装置。
(付記5)
付記1乃至4のいずれかにおいて、
前記推定手段は、抽出した前記計画外使用エントリの前記継続時間のうち最長の継続時間を、前記第1の計画外使用の継続時間として推定する蓄電池の充放電制御装置。
(付記6)
付記1乃至5のいずれかにおいて、
前記推定手段は、抽出した前記計画外使用エントリの前記継続時間における前記充放電状態のうち、最も多い充放電状態を前記第1の計画外使用の充放電状態として推定する蓄電池の充放電制御装置。
(付記7)
付記1乃至6のいずれかにおいて、
前記制御計画修正手段における前記第2の蓄電池は、前記第1の計画外使用の継続時間を含む所定時間に前記計画外使用が発生していない蓄電池である蓄電池の充放電制御装置。
(付記8)
付記1乃至7のいずれかにおいて、
前記計画外使用検出手段は、さらに、取得した前記第1の蓄電池の所定時間の前記充放電状態と、前記計画外使用の開始時刻前の前記所定時間の充放電状態が同一である第1の蓄電池の前記計画外使用エントリに基づいて、前記所定時間の経過後に発生する第1の計画外使用を検出する蓄電池の充放電制御装置。
(付記9)
付記1乃至7のいずれかにおいて、さらに、
前記第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得手段を有し、
前記計画外使用検出手段は、さらに、第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴を抽出し、前記抽出した第2の予定の履歴に対応する前記計画外使用エントリに基づいて前記第1の予定に対応して発生する前記第1の計画外使用を検出する蓄電池の充放電制御装置。
(付記10)
付記9において、
前記計画外使用検出手段は、検出した前記計画外使用エントリの継続時間における前記充放電状態が前記通電状態である場合、前記第1の計画外使用を検出しない蓄電池の充放電制御装置。
(付記11)
付記9において、
前記計画外使用検出手段は、前記計画外使用エントリが抽出されない場合であっても、前記第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態が全て前記放電状態である場合、前記第1の計画外使用を検出し、
前記推定手段は、前記第1の計画外使用の充放電状態を前記放電状態として推定する蓄電池の充放電制御装置。
(付記12)
付記9において、
前記計画外使用検出手段は、前記計画外使用エントリが抽出されず、前記第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態が全ての種類の前記充放電状態を含む場合に、前記第1の計画外使用を検出しない蓄電池の充放電制御装置。
(付記13)
付記9において、
前記制御計画修正手段は、前記第1の蓄電池の充放電制御計画を、前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態を有するように修正する場合のピーク電力を超えないように、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画を前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態以外の充放電状態を有するように修正し、
前記計画外使用検出手段は、前記第1の予定の時間帯に前記計画外使用を検出しないとき、前記第1の計画外使用に対応する前記計画外使用エントリを削除し、第1の予定が第2の予定と識別情報が同一の予定として抽出された場合に、第2の予定の前記計画外使用を検出しない蓄電池の充放電制御装置。
(付記14)
付記1乃至13のいずれかにおいて、
前記制御計画修正手段は、前記第1の蓄電池の充放電制御計画に基づき、かつ第1の蓄電池において前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態が発生した場合のピーク電力が、前記第1の蓄電池の充放電制御計画を修正しない場合の前記ピーク電力を超えない場合は、前記充放電制御計画を修正しない蓄電池の充放電制御装置。
(付記15)
付記1乃至13のいずれかにおいて、さらに、
前記複数の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記複数の蓄電池の充放電制御計画に基づいた場合のピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成手段と、を有し、
前記制御計画作成手段は、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画が、前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態を有するように、前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御装置。
(付記16)
付記15において、さらに、
前記第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得手段と、を有し、
前記推定手段は、第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の前記第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて、前記第1の蓄電池の前記第1の予定の時間帯の前記充放電状態を推定し、
前記制御計画作成手段は、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画が、前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態を有するように前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御装置。
(付記17)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御装置であって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得手段と、
第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得手段と、
第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて、前記第1の蓄電池の前記第1の予定の時間帯の前記充放電状態を推定する推定手段と、
前記複数の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく合計消費電力のピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成手段と、を有し、
前記制御計画作成手段は、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画が、前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態を有するように前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御装置。
(付記18)
付記16または17において、
前記制御計画作成手段は、前記推定した充放電状態が前記放電状態である場合に前記第1の予定の時間帯に前記放電状態を有し、前記推定した充放電状態が前記放電状態以外の充放電状態である場合に、前記第1の予定の時間帯に前記通電状態または前記充電状態のいずれかの充放電状態を有する前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御装置。
(付記19)
付記16または17において、
前記制御計画作成手段は、前記第1の蓄電池の推定した充放電状態を考慮せずに作成した充放電制御計画において、前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態が発生した場合にピーク電力が増加しない場合、前記推定した充放電状態を考慮せずに前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御装置。
(付記20)
付記16または17において、
前記推定手段は、前記予定の時間帯の前記充放電状態に加えて、前記第1の予定の時間帯の前、後いずれかまたは両方の時間帯の前記充放電状態を推定する蓄電池の充放電制御装置。
(付記21)
付記16または17において、
前記推定手段は、前記第1の予定の時間帯の前または後の時間帯を含む時間内で前記充放電状態が変化する時刻を、前記第1の予定の開始または終了時刻として修正する蓄電池の充放電制御装置。
(付記22)
付記1乃至21のいずれかにおいて、さらに、
前記蓄電池を前記充放電制御計画に基づいて制御する充放電状態制御手段と、を有する蓄電池の充放電制御装置。
(付記23)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御方法であって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得工程と、
前記取得した前記充放電状態が、前記充放電制御計画に指定される前記充放電状態と異なる場合に、第1の計画外使用を検出する計画外使用検出工程と、
前記第1の計画外使用を検出した第1の蓄電池の計画外使用履歴に含まれる、前記第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリに基づいて、前記第1の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する推定工程と、
前記第1の蓄電池の充放電制御計画を、前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態を有するように修正すると共に、前記充放電制御計画に前記推定した継続時間に前記推定した充放電状態を有する第2の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記第1の蓄電池の充放電制御計画の修正に対応して修正する制御計画修正工程と、を有する蓄電池の充放電制御方法。
(付記24)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御方法であって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得工程と、
第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得工程と、
第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて、前記第1の蓄電池の前記第1の予定の時間帯の前記充放電状態を推定する推定工程と、
前記複数の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく合計消費電力のピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成工程と、を有し、
前記制御計画作成工程は、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画が、前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態を有するように前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御方法。
(付記25)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御処理をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能な蓄電池の充放電制御プログラムであって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得工程と、
前記取得した前記充放電状態が、前記充放電制御計画に指定される前記充放電状態と異なる場合に、第1の計画外使用を検出する計画外使用検出工程と、
前記第1の計画外使用を検出した第1の蓄電池の計画外使用履歴に含まれる、前記第1の計画外使用に対応する計画外使用エントリに基づいて、前記第1の計画外使用の継続時間及び充放電状態を推定する推定工程と、
前記第1の蓄電池の充放電制御計画を、前記推定した前記第1の計画外使用の継続時間に前記推定した充放電状態を有するように修正すると共に、前記充放電制御計画に前記推定した継続時間に前記推定した充放電状態を有する第2の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記第1の蓄電池の充放電制御計画の修正に対応して修正する制御計画修正工程と、を有する蓄電池の充放電制御プログラム。
(付記26)
1つまたは複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく制御サービスを提供する蓄電池の充放電制御処理をコンピュータに実行させるコンピュータ読み取り可能な蓄電池の充放電制御プログラムであって、
前記蓄電池の放電状態、通電状態、充電状態を含む充放電状態を取得する充放電状態取得工程と、
第1の蓄電池のユーザの予定を取得する予定取得工程と、
第1の予定と識別情報が同一の1つまたは複数の第2の予定の履歴の時間帯における充放電状態に基づいて、前記第1の蓄電池の前記第1の予定の時間帯の前記充放電状態を推定する推定工程と、
前記複数の蓄電池の前記充放電制御計画を、前記複数の蓄電池の充放電制御計画に基づく合計消費電力のピーク電力が小さくなるように作成する制御計画作成工程と、を有し、
前記制御計画作成工程は、前記第1の蓄電池の前記充放電制御計画が、前記第1の予定の時間帯に前記推定した充放電状態を有するように前記充放電制御計画を作成する蓄電池の充放電制御プログラム。