JP6236681B2 - タイヤのための可撓性ビードワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤのためのビードワイヤに関する。それは、あらゆるタイプの車両のためのあらゆるタイプのタイヤに適用される。
従来から、タイヤは、タイヤをリム上に装着させるように意図する2つの周方向ビードを含む。各ビードは、環状補強ビードワイヤを含む。
従来技術は、コアとコアの回りに巻かれた鋼線の層とを含むビードワイヤを含む地上車両のためのタイヤを開示している。コアは、単一フィラメントから構成される。単一フィラメントは、ほぼ円形のリングを形成するようにそれ自体の上に丸く曲げられ、かつその2つの端部が溶接される。
輸送及び貯蔵の段階中に、そのようなタイヤは、与えられた容積を占める。従って、与えられた輸送又は貯蔵容積に対して、この与えられた輸送又は貯蔵容積で輸送及び貯蔵することができるタイヤの数は、比較的制限されたままであり、それによって物流コスト及び従ってタイヤのコストを増加させる。
本発明の目標は、輸送及び貯蔵の段階中に占める空間がより少ないタイヤを提供することである。
この目的のために、本発明の1つの主題は、各々が有機コア母材に埋め込まれたコアマルチフィラメント織物繊維を含む少なくとも1つのコア糸の複数の周方向巻線を含むコアと、有機外側層母材に埋め込まれた外側層マルチフィラメント織物繊維を含み、コアの回りに巻かれた単一外側層糸を含む外側層とを含むタイヤのためのビードワイヤである。
コア及び外側層は、コアの複数の巻線によって強化された増大した弾性変形の機能を有する。具体的には、巻線の数を増加させることにより、かつビードワイヤの予め決められたサイズに対して、各巻線の断面及び従って各巻線の断面の剛性は低下し、コアの臨界曲げ曲率半径は減少する。
第1にコア及び外側層が作られる材料と第2に複数の巻線との組合せは、優れた弾性変形の機能を有するビードワイヤを得ることを可能にする。
すなわち、不可逆的塑性変形の危険性なしでタイヤを曲げることが可能である。すなわち、特に輸送及び貯蔵の段階中にタイヤが占める容積及び従って物流コストも制限される。
これに加えて、本発明によるビードワイヤは比較的軽い。具体的には、コア及び外側層が作られる材料の性質は、その機械的特性、特に破断時の力を保持しながら金属コア及び層を有するビードワイヤの質量と比較して50から70%だけ本発明によるビードワイヤの質量を低減することを可能にする。
周方向巻線は、ビードワイヤの主軸線の回りの巻線であると理解され、この巻線は、この軸線の回りを周方向に延びる。巻線は、実質的に平面の円を形成し、又はビードワイヤの軸線に垂直な平面の回りで振動することさえも可能である。
定義により、織物繊維は非金属である。マルチフィラメント織物繊維は、並んで配置されて実質的に一方向方式に配向された基本織物フィラメントを含む。基本フィラメントは、従って、時折重なるのは別として、互いに多かれ少なかれ平行である。
各織物繊維、特にコア織物繊維及び外側層織物繊維は、有機母材を補強する。そのような繊維は、例えば、ポリビニルアルコール繊維、芳香族ポリアミド(又は「アラミド」)繊維、ポリエステル繊維、芳香族ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、セルロース繊維、レーヨン繊維、ビスコース繊維、ポリフェニレンベンゾビスオキサゾール(又は「PBO」)繊維、ポリエチレンナフテン酸塩(「PEN」)繊維、ガラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、及びそのような繊維の混合物から構成される群から選択される。好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、及びそのような繊維の混合物から構成される群から選択された繊維を使用することになる。
好ましくは、コア繊維はガラス繊維である。好ましくは、外側層繊維は、ガラス繊維である。
有機母材は、重量で50%よりも多く、好ましくは、75%よりも多く、より好ましくは、90%よりも多い有機材料を含むあらゆる母材であると理解される。有機母材は、その製造工程に由来する鉱物及び/又は金属を含有するが、意図的に鉱物及び/又は金属添加剤を追加することもできる。従って、有機母材は、例えば、不飽和ポリエステル、ポリエポキシド、フェノール誘導体又はアミノプラストに基づく例えば熱硬化性ポリマー母材、又は例えばシアネート、ポリ(ビスマレイミド)、ポリイミド、ポリアミドイミドに基づく熱安定性のポリマー母材、又は例えばポリプロピレン、ポリアミド、飽和ポリエステル、ポリオキシメチレン、ポルスルホン及びポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン及びポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミドに基づく熱可塑性ポリマー母材、又は例えばポリウレタン、シリコーン、又はゴムに基づく熱可塑性又は架橋エラストマー、又はこれらの材料の混合物から得られる有機母材とすることができる。
好ましくは、有機コア母材は、熱硬化性の好ましくは架橋された樹脂である。好ましくは、有機外側層母材は、熱硬化性の好ましくは架橋された樹脂である。それは、例えば、紫外可視光線、加速電子のビーム、又はX線のようなイオン化放射線による架橋性の例えば樹脂である。過酸化物によって架橋性の樹脂を含む組成物も選択することができ、その後の架橋は、次に、その工程で印加される熱により、例えば、マイクロ波の作用によって実施することができる。好ましくは、イオン化放射線によって硬化することができるタイプの組成物が使用され、最終重合化をイオン化処理、例えば、UV又はUV可視タイプを使用して容易にトリガして制御することができる。架橋性樹脂として、ポリエステル樹脂(すなわち、不飽和ポリエステルに基づくもの)又はビニルエステル樹脂を使用することがより好ましい。より好ましくは、ビニルエステル樹脂を使用する。
一実施形態において、コア及び外側層が作られる材料は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、それらは異なっている。
一実施形態において、コア繊維及び外側層繊維は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、それらは異なっている。
一実施形態において、有機コア母材及び有機外側層母材は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、それらは異なっている。
一実施形態において、コアは単一コア糸を含み、かつ好ましくは単糸から構成される。
一変形において、コアは、この単糸の複数の巻線を含む。各巻線は、次に、コイルを形成する。
一実施形態において、コアは、複数の別々のコア糸を含む。各糸を巻いて1つ又はそれよりも多くのコイルを形成することができる。
一変形において、各糸はモノリシックである。用語「モノリシック」は、各糸に巨視的スケールで材料の不連続部又は接合部がないことを意味すると理解される。各糸はモノリシックであるので、コアは、端部が溶接された点に弱点がある従来技術のビードワイヤのコアよりも脆弱ではない。好ましくは、基本フィラメントは、円環体の容積全体を通して均質に分配される。
一変形において、糸は、よりあわせによって組み立てられる。この変形において、糸は、螺旋状に互いに巻かれ、これら自体の軸線の回りで捩りを受けない。
別の変形において、糸は、捩ることによって組み立てられる。この変形において、糸は螺旋状に互いに巻かれ、集合的捩り及びこれら自体の軸線の回りで個々の捩りの両方を受け、それによって糸の各々に対して捩り戻しトルクを発生させる。
更に別の変形において、コアは、互いに平行に並置された複数のモノリシック円環体を含む。
有利な態様において、各コア糸が作られる材料は、800MPa以上であり、好ましくは、1000MPa以上であり、より好ましくは、1200MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度を有する。
有利な態様において、外側層糸が作られる材料は、800MPa以上であり、好ましくは、1000MPa以上であり、より好ましくは、1200MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度を有する。
コア材料及び外側層材料の高降伏強度により、ビードワイヤの可撓性は改善され、輸送及び貯蔵の段階中のビードワイヤの可塑化の危険性は更に低下する。
有利な態様において、各コア糸が作られる材料は、100GPa以下であり、好ましくは、75GPa以下であり、より好ましくは、50GPa以下である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定されたヤング率を有する。
有利な態様において、各外側層糸が作られる材料は、100GPa以下であり、好ましくは、75GPa以下であり、より好ましくは、50GPa以下である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定されたヤング率を有する。
コア材料及び外側層材料の低ヤング率は、変形の観点から強いコア及び外側層を得ることを可能にする。
好ましくは、高降伏強度及び低ヤング率の組合せは、コア及び外側層に弾性領域における優れた変形機能を与える。
有利な態様において、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与対ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与の比率は、2以下であり、好ましくは、1.5以下であり、より好ましくは、1以下である。ビードワイヤの質量の増加は、従来技術のビードワイヤの質量の同じ増加と比較して破断時の力の比較的大きい増加を引き起こす。
破断時の力に対するコアの寄与は、コア単独の破断時の力対ビードワイヤの破断時の力の比率によって定義される。ビードワイヤの質量に対するコアの寄与は、コア単独の質量対ビードワイヤの質量の比率によって定義される。
破断時の力に対する寄与の比率を決定するために、ビードワイヤの又はコアの破断時の力(Nでの最大荷重)は、一般的に使用するあらゆる種類の方法によって測定することができる。例えば、ビードワイヤの直線試料に対して基準「ISO 6892,1984」による方法、又は以下に説明するビードワイヤ引張試験による方法を使用することもできる。
有利な態様において、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与対ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与の比率は、0.25以上であり、好ましくは、0.4以上であり、より好ましくは、0.5以上である。従って、ビードワイヤは、コアと外側層の間の質量及び破断時の力への優れた寄与の分配を有する。
好ましくは、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与対ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与の比率は、範囲[0.25;2]、[0.4;2]、[0.5;2]、[0.25;1.5]、[0.4;1.5]、[0.5;1.5]、[0.25;1]、[0.4;1]、及び[0.5;1]のうちの少なくとも1つにある。
より好ましくは、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与対ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与の比率は、1に等しい。
好ましくは、ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与は、15%以上であり、好ましくは、20%以上であり、より好ましくは、25%以上である。従って、ビードワイヤの破断時の力に対するビードワイヤのコアの寄与は、従来技術のビードワイヤの破断時の力に対する従来技術のビードワイヤのコアの寄与よりも大きい。一定の機械的特性において、ビードワイヤは、従ってより軽い。
任意的に、ビードワイヤの破断時の力に対するコアの寄与は、75%以下である。破断時の力に対する寄与は、従って、コアと外側層の間に比較的良く分配されたままである。
好ましくは、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与は、15%以上であり、好ましくは、20%以上であり、より好ましくは、25%以上である。
任意的に、ビードワイヤの質量に対するコアの寄与は、75%以下である。ビードワイヤの質量に対する寄与は、従って、コアと外側層の間に比較的良く分配されたままである。
有利な態様において、コアによって定められた円環体の直径対ビードワイヤによって定められた円環体の直径の比率は、0.3以上であり、好ましくは、0.45以上であり、より好ましくは、0.5以上である。従って、比較的コンパクトなコアを含み、かつ優れた機械的特性、特に破断時の力を有するビードワイヤを得ることができる。
好ましくは、ビードワイヤの破断時の力は、包括的に1600daN〜2600daNであり、好ましくは、包括的に1800daN〜2400daNであり、より好ましくは、包括的に2000daN〜2200daNである。
ビードワイヤの又はコアの破断時の力(Nでの最大荷重)は、好ましくは、12個の半径方向に可動性の扇形を含む引張試験機械を用いてビードワイヤ引張試験と呼ばれる周方向引張試験を使用して23℃で測定される。準静的な条件下に実施されるこの試験中に、試験すべきビードワイヤ又はコアは、扇形の回りに位置決めされる。扇形の同時及び漸次的移動は、増加した強度の半径方向の力をビードワイヤ又はコアに及ぼす効果を有する。扇形の移動の後に、ビードワイヤ又はコアにかかる力を測定する3つの力センサが続く。破断時の力は、ビードワイヤの要素が破断する時(ビードワイヤの試験の場合)又はコアが破断する時(コアの試験の場合)に決定される。取得周波数は、100Hzに等しい。保持される破断時の力の値は、3つのセンサによって測定された3つの値の平均値である。
ビードワイヤの好ましい特徴により、以下の通りである。
−各コア糸及び/又は外側層糸の直径は、0.5〜4mmである。
−各コアマルチフィラメント織物繊維及び/又は外側層マルチフィラメント織物繊維の各基本フィラメントの直径は、2〜30μmである。
−各コアマルチフィラメント織物繊維及び/又は外側層マルチフィラメント織物繊維は連続的である。非連続的の反対の用語「連続的」は、繊維の予め決められた長さ、例えば、5cmに対して、繊維の基本フィラメントの少なくとも80%及び好ましくは少なくとも90%が個々に連続的であることを意味すると理解される。
−各コアマルチフィラメント織物繊維及び/又は外側層マルチフィラメント織物繊維は、10よりも多い基本フィラメント、好ましくは、100よりも多い基本フィラメント、より好ましくは、1000よりも多い基本フィラメントを含む。
1つの層を有するタイプのビードワイヤの一実施形態において、外側層糸は、コアと接触状態に巻かれる。
複数の層を有するタイプのビードワイヤの別の実施形態において、ビードワイヤは、コアの回りに巻かれた単糸を含む少なくとも1つの中間層を含み、この中間層は、コアと外側層の間に配置される。
任意的に、中間層糸は、コアと接触状態に巻かれる。
好ましくは、中間層糸は、有機中間層母材に埋め込まれた少なくとも1つの中間層マルチフィラメント織物繊維を含む。
使用される中間層マルチフィラメント織物繊維及び有機中間層母材は、コア繊維及び外側層繊維、並びに有機コア母材及び有機外側層母材を参照して説明するものから選択することができる。好ましくは、中間層マルチフィラメント織物繊維はガラス繊維であり、有機中間層母材は熱硬化性樹脂である。
一実施形態において、コア、外側層、及び中間層が作られる材料は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、少なくとも2つの材料は異なっている。
一実施形態において、コア繊維、外側層繊維、及び中間層繊維は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、それらは異なっている。
一実施形態において、有機コア母材、有機外側層母材、及び有機中間層母材は、多かれ少なかれ同一である。別の実施形態において、少なくとも2つは異なっている。
有利な態様において、それぞれ23℃で基準「ASTM D 638」及び「ASTM D 790」に従って測定されたコア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の伸展率及び曲げ率は、好ましくは、15GPaよりも大きく、より好ましくは、30GPaよりも大きく、特に包括的に30〜50GPaである。好ましくは、23℃で基準「ASTM D 638」に従って測定された有機コア母材及び/又は有機外側層母材及び/又は有機中間層母材の伸展率は、2.3GPa以上であり、好ましくは、2.5GPa以上であり、より好ましくは、3GPa以上である。
任意的に、コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料は、少なくとも2%、好ましくは、3%に等しい圧縮時の弾性変形を有する。好ましくは、コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料は、屈曲時に、伸展時のその破断応力よりも大きい圧縮時の破断応力を有する。
コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の機械的曲げ特性は、会社インストロンからのタイプ4466の引張試験機械の助けによって測定される。
圧縮特性は、ループ試験(D.Sinclair,J.App.Phys.21,380(1950))と呼ばれる方法によってコア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料に対して測定される。この試験の本発明の使用では、ループが生成され、その破断点に漸次的にもたらされる。大きいサイズの断面の理由で容易に観察可能である破断の性質は、伸展時又は圧縮時のコア材料の破断を認識することを直ちに可能にする。
好ましくは、コア材料が破断するまで曲げ状態で負荷が掛けられたコア材料は、材料が伸展状態にある側で破断し、これは簡単な目視観察によって識別されることに注意されたい。
この場合にループの寸法が大きいことを考えると、ループに内接する円の半径を読むことはいつでも可能である。破断点の直前の内接する円の半径は、臨界曲率半径に対応する。それはRacと表示されている。以下の式:ecr=r/(Rac+r)は、次に、臨界弾性変形を計算して決定することを可能にし、式中rは材料の半径に対応する。
圧縮時の破断応力は、以下の式:σc=ecr.Meを使用する計算によって得られ、式中Meは伸展率である。コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の場合に、ループは伸展時に一部破断し、従って、屈曲時には、圧縮時の破断応力が伸展時の破断応力よりも大きいという結論が引き出される。
3降伏法と呼ばれる方法による矩形バーの屈曲状態の破断も実施される。この方法は、基準「ASTM D790」に対応する。この方法はまた、破断の性質が実際には伸展にあることを視覚的に検証することを可能にする。
有機コア母材及び/又は有機外側層母材及び/又は有機中間層母材のガラス遷移温度Tgは、好ましくは、130℃よりも高く、より好ましくは、140℃よりも高い。ガラス遷移温度は、基準「ASTM D 3418」に従って測定される。
コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の繊維含有率は、有利な態様において、材料の全質量の包含的に30%〜80%である。好ましくは、繊維含有率は、コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の質量の包含的に50%〜80%である。パーセントで表す繊維の質量による含有率は、滴定から得られる繊維の1mの質量をコア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の線密度で割って計算される。
有利な態様において、コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の密度は、2.2以下であり、好ましくは、2.05以下であり、より好ましくは、1.6以下である。好ましくは、コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の密度は、包含的に1.4〜2.05であり、その範囲において、材料は、質量と機械的特性、特に破断時の力との間の最良の妥協を有する。コア材料及び/又は外側層材料及び/又は中間層材料の密度は、会社メトラー・トレドからのタイプ「PG503 DeltaRange」の専門家用秤を使用して測定される。数センチメートルの試料が、空気中で連続的に計量されてメタノール中に浸漬され、装置のソフトウエアが、次に密度を決定し、その密度は、3つの測定値の平均値である。
本発明の更に別の主題は、上述したような少なくとも1つのビードワイヤを含むタイヤである。
好ましくは、タイヤは、地上車両のためのものである。地上車両は、航空機以外のあらゆる車両であると理解される。好ましくは、タイヤは、乗用車のためのものである。
変形として、タイヤは、航空機のためのものである。
本発明は、図面を参照して単に非限定的な例として与える以下の説明を読むとより良く理解されるであろう。
本発明によるタイヤの斜視図である。 本発明の第1の実施形態によるビードワイヤのビードワイヤ軸線(これは真っ直ぐで静止していると仮定する)に垂直な断面図である。 本発明の第2の実施形態によるビードワイヤのビードワイヤ軸線(これは真っ直ぐで静止していると仮定する)に垂直な断面図である。 従来技術のビードワイヤの図2及び図3のものに類似する図である。
図1は、全体参照番号10によって表示される本発明によるタイヤを示している。この場合に、タイヤ10は、地上車両、この場合には乗用車に適合することを意図し、205/55 R16の寸法を有する。変形として、タイヤ10は、航空機のためのタイヤである。
タイヤ10は、クラウン補強体14、2つの側壁16、及び2つのビード18によって補強されたクラウン12を有し、これらのビード18の各々は、環状ビードワイヤ20で補強される。クラウン12は、この概略図には示していないトレッドが上に載っている。カーカス補強体22は、各ビード18において2つのビードワイヤ20の回りに巻かれ、かつここでは車輪リム26上に装着されて示されているタイヤ20の外側に向けて配置されたターンアップ24を含む。カーカス補強体22は、コードで補強された少なくとも1つのプライから構成される。補強体22は、ラジアルタイプのものである。
各ビードワイヤ20は、軸線回りのドーナツ形の全体的形状を有し、ほぼ円形の断面を有する。変形として、ビードワイヤ20は、多角形、例えば、正方形、矩形、又は六角形の断面、又は楕円形又は長円計の断面さえも有する。
図2は、本発明の第1の実施形態によるビードワイヤ20を示している。
ビードワイヤ20は、コア30及び外側層C1を含む。ビードワイヤ20によって定められた円環体の直径Dtは、6.3mmに等しい。
コア30は、少なくとも1つのコア糸Bの複数の周方向巻線E1、E2、E3を含む。この場合に、コア30は、単一コア糸Bの3つの周方向巻線E1、E2、E3を含む。この場合に、各周方向巻線E1、E2、E3は、その軸線がビードワイヤ20の軸線と共通するコアを有する。従って、各巻線E1、E2、E3は、ビードワイヤの軸線に垂直の平面への投影において円形の全体の形状を有する。
いくつかの巻数にわたる糸Bの横巻線は、コア30が実質的に多角形、この場合には三角形の断面を有するように実施される。糸Bの直径は、0.5〜4mmである。コア30によって定められ、そこでコア30が内接する円環体の直径Daは、3.28mmに等しい。
糸Bは、有機コア母材に埋め込まれたコアマルチフィラメント織物繊維を含むコア材料Maで作られる。コアマルチフィラメント織物繊維はガラス繊維であり、有機コア母材は熱硬化性樹脂である。マルチフィラメント織物繊維は連続的である。変形として、織物繊維は非連続的である。
外側層C1は、コア30の回りに螺旋状にかつコア30と接触状態に巻かれた単一外側層糸Eを含む。単糸Eは、1.52mmに等しい直径Dfを有する。単糸Eは、有機外側層母材に埋め込まれた外側層マルチフィラメント織物繊維を含む外側層材料Mcで作られる。外側層マルチフィラメント織物繊維はガラス繊維であり、有機外側層母材は、熱硬化性樹脂である。
この場合に、コア材料Ma及び外側層材料Mcは、多かれ少なかれ同一である。変形として、コア材料Ma及び外側層材料Mcは異なっている。
ガラス繊維は、時折重なるのは別として、並んで及び従って多かれ少なかれ互いに平行に配置された10よりも多い基本ガラスフィラメント、好ましくは、100よりも多いより好ましくは、1000よりも多い基本フィラメントを含む。織物繊維の各基本フィラメントの直径は、2〜30μmである。
使用される1つのガラス繊維又は複数のガラス繊維は、「E」又は「R」タイプのものとすることができる。
コア及び外側層の熱硬化性樹脂は、ビニルエステルタイプのものである。その定義を以下に限定するものではないが、ビニルエステル樹脂は、好ましくは、エポキシビニルエステルタイプのものである。より好ましくは、少なくとも部分的に、例えば、欧州特許出願第1,074,369号及び第1,174,250号に説明するように、ノボラック(フェノール樹脂としても公知)及び/又はビスフェノール(すなわち、このタイプの構造の上に接合される)、又は好ましくはノボラック、ビスフェノール、又はノボラック及びビスフェノールに基づくビニルエステル樹脂に基づくビニルエステル樹脂、特にエポキシタイプが使用される。ノボラック及びビスフェノールタイプのエポキシビニルエステル樹脂は、優れた結果を示しており、例として、カンパニーDSMからのビニルエステル樹脂「ATLAC 590」又は「ATLAC E−Nova FW 2045」(両方ともスチレンで希釈される)が特に言及されている。そのようなエポキシビニルエステル樹脂は、ライヒホルド、クレイ・バレー、UCBのような他の製造業者からも入手可能である。
コア糸B及び外側層糸Eはモノリシックであり、例えば、米国特許第3,730,678号明細書に説明するような各繊維の含浸により、又は各繊維が予め配置された金型への有機母材の注入により、又は欧州特許第1,167,080号明細書に説明するように製造される。
外側層C1の糸Eは、層C1が飽和されるように、すなわち、隣接する巻線の間に追加の巻線を挿入できるだけの十分な余裕がないように、いくつかの巻回にわたって、この場合に10個の巻回にわたってコア30の回りに螺旋状に巻かれる。糸Eは、ビードワイヤ20の力学的平衡の位置でコア30の3つの巻線の間に存在する間隔のために10巻回にわたって巻かれる。糸Eの2つの端部は、スリーブを使用して接続される。
図3は、本発明の第2の実施形態によるビードワイヤ20’を示している。上述の図に示す要素に類似する要素は、同一の参照番号によって表示されている。
第1の実施形態によるビードワイヤ20と比べて、コア30は、複数の別々の糸B1、B2、B3を含む。この場合に、コア30は、互いに平行に並置された複数のモノリシック円環体を含み、各円環体は、糸B1、B2、B3を形成する。各糸B1、B2、B3の軸線は、ビードワイヤ20’の軸線と共通している。糸は、コア30が実質的に多角形、この場合には三角形の断面を有するように並んでいる。コア30によって定められ、そこでコア30が内接する円環体の直径Daは、3.60mmに等しい。
コア糸B1、B2、B3の全ては、同じコア材料で作られる。例えば、コア糸B1、B2、B3は、糸Bの材料Maで作られる。変形として、コア糸B1、B2、B3は、少なくとも2つの異なるコア材料で作られる。各糸B1、B2、B3の直径は、0.5〜4mmである。
図1に示すタイヤ10は、第1の実施形態による2つのビードワイヤ20を含む。第2の実施形態(図示せず)による類似のタイヤ10’は、第2の実施形態による2つのビードワイヤ20’を含む。
図4は、全体参照番号100によって表示される従来技術のビードワイヤを示している。
本発明によるビードワイヤと比べて、ビードワイヤ100は、0.1%に等しい炭素含有率を有する鋼で作られたワイヤから構成される金属コア102を含む。コア102によって定められた円環体の直径Daは、2.15mmに等しい。ビードワイヤ100は、コアの回りに巻かれたワイヤ106を含む外側層104を含む。外側層104のワイヤ106は、1.30mmに等しい直径Dfを有し、かつ0.7%に等しい炭素含有率を有する鋼で作られる。ビードワイヤ100によって定められた円環体の直径Dtは、4.8mmに等しい。
比較測定
第1及び第2の実施形態によるビードワイヤ20、20’と従来技術のビードワイヤ100を比較した。第1及び第2の実施形態によるタイヤ10、10’及び2つの従来技術のビードワイヤ100を含む従来技術のタイヤも比較した。
実施された測定から得られる特性は、以下の表1に要約されている。
Figure 0006236681
各ビードワイヤ20、20’は、64%だけ従来技術のビードワイヤ100の質量を低減し、不可逆的塑性変形のあらゆる危険性を回避しながら、優れた機械的特性、特に破断時の力を維持することを可能にする。
更に、各タイヤ10、10’は、従来技術のタイヤと同一の破裂強度を有する。
各ビードワイヤ20、20’の破断時の力Fmは、包含的に1600daN〜2600daNであり、好ましくは、包含的に1800daN〜2400daNであり、より好ましくは、包含的に2000daN〜2200daNである。従って、従来技術のビードワイヤ100の質量よりも遥かに小さい質量により、各ビードワイヤ20、20’は、ビードワイヤ100の破断時の力よりも大きい破断時の力を有する。
コア30によって定められた円環体の直径Da対各ビードワイヤ20、20によって定められた円環体の直径Dtの比率Rdは、0.3以上であり、好ましくは、0.45以上であり、より好ましくは、0.5以上である。
ビードワイヤ20の質量に対するコア30の寄与Rmは、10%以上であり、好ましくは、15%以上であり、より好ましくは、20%よりも以上である。この寄与Rmは、ビードワイヤ20、20’に対して75%以下である。
ビードワイヤ20の破断時の力Fmに対するコア30の寄与Rfは、15%以上であり、好ましくは、20%以上であり、より好ましくは、25%以上である。この寄与Rfは、各ビードワイヤ20、20’に対して75%以下である。
ビードワイヤの質量に対するコアの等しい寄与において、各ビードワイヤ20、20’のコアは、ビードワイヤの破断時の力に対してより大きく寄与し、すなわち、ビードワイヤ100の寄与の2倍よりも大きく寄与する。
寄与Rm対寄与Rfの比率Rは、2以下であり、好ましくは、1.5以下であり、より好ましくは、1以下である。この比率Rは、0.25以上であり、好ましくは、0.4以上であり、より好ましくは、0.5以上である。有利な態様において、比率Rは1に等しい。
各ビードワイヤ20、20’のコア材料Ma及び層材料Mcは、800MPa以上であり、好ましくは、1000MPa以上であり、より好ましくは、1200MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度Reを有する。
各ビードワイヤ20、20’のコア材料Ma及び層材料Mcは、100GPa以下であり、好ましくは、75GPa以下であり、より好ましくは、50GPa以下である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定されたヤング率Eを有する。
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
具体的には、本発明によるビードワイヤは、あらゆるタイプのタイヤ上に装着することができる。例えば、ビードワイヤは、バン、大型車両、すなわち、地下鉄車両、バス、道路輸送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)、オフロード車両、航空機、農業又は建設プラント機械、及び他の輸送又は荷役車両から選択された産業車両のためのタイヤを意図すると考えられる。
複数の層を有するタイプのビードワイヤの変形(図示せず)において、ビードワイヤは、コアの回りに螺旋状に巻かれた単糸を含む少なくとも1つの中間層を含み、この中間層は、コアと外側層の間に配置される。単一中間層糸は、コアに接触して螺旋状に巻かれる。この変形において、単一中間層糸は、有機中間層母材に埋め込まれた中間層マルチフィラメント織物繊維を含む中間層材料で作られる。
使用される中間層マルチフィラメント織物繊維及び有機中間層母材は、コア繊維及び外側層繊維、並びに有機コア母材及び有機外側層母材を参照して説明するものから選択することができる。好ましくは、中間層マルチフィラメント織物繊維はガラス繊維であり、有機中間層母材は熱硬化性樹脂である。
一実施形態において、コアは、ケーブリング又は捩りによって組み立てられた複数の別々の糸の複数の巻線を含む。
更に、異なる実施形態の特性は、これらが互いに互換性がある限りあらゆる方法で互いに組み合わせることができる。
少なくとも1つのコア糸の複数の周方向巻線を含むコアと、ビードワイヤが、各コア糸が有機コア母材に埋め込まれたコアマルチフィラメント織物繊維を含む少なくとも1つのコア糸の複数の周方向巻線を含むコア及び有機外側層母材に埋め込まれた外側層マルチフィラメント織物繊維を含む単一外側層糸を含んで外側層糸がコアの回りに巻かれた外側層を含むという事実とは無関係に、コアの回りに巻かれた単一外側層糸を含み、各コア糸及び外側層糸が、800MPa以上であり、好ましくは、1000MPa以上であり、より好ましくは、1200MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度を有する外側層とを含むタイヤのためのビードワイヤを使用することが可能であることに注意されたい。
20 ビードワイヤ
30、32 コア
B、E 糸
C1 層
E1、E2、E3 巻線

Claims (10)

  1. タイヤ(10)のためのビードワイヤ(20、20’)であって、
    少なくとも1つのコア糸(B;B1、B2、B3)の複数の周方向巻線(E1、E2、E3)を含むコア(30)であって、各コア糸(B;B1、B2、B3)が、有機コア母材に埋め込まれたコア非金属基本フィラメントを含むコア(30)を含み、各コア糸(B;B1、B2、B3)が作られる材料(Ma)は、800MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度(Re)を有し、
    前記ビードワイヤは、さらに、有機外側層母材に埋め込まれた外側層非金属基本フィラメントを含む単一外側層糸(E)を含む外側層(C1)であって、該外側層糸(E)が前記コア(30)の回りに巻かれた外側層(C1)を含む、ビードワイヤ(20、20’)。
  2. 前記コア(30)は、単一コア糸(B)を含む、請求項1に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  3. 前記コア(30)は、複数の別々のコア糸(B1、B2、B3)を含む、請求項1に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  4. 外側層糸(E)が作られる材料(Ma)が、800MPa以上である23℃で基準「ISO 14125」に従って測定された降伏強度(Re)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  5. 各コア糸(B;B1、B2、B3)及び/又は外側層糸(E)が作られる材料が、100GPa以下である23℃で前記基準「ISO 14125」に従って測定されたヤング率(E)を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  6. ビードワイヤ(20、20’)の質量に対する前記コア(30)の寄与(Rm)対ビードワイヤ(20、20’)の破断時の力(Fm)に対する該コア(30)の寄与(Rf)の比率(R)が、2以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  7. ビードワイヤ(20、20’)の質量に対する前記コア(30)の寄与(Rm)対ビードワイヤ(20、20’)の破断時の力(Fm)に対する該コア(30)の寄与(Rf)の比率(R)が、0.25以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  8. ビードワイヤ(20、20’)の破断時の力(Fm)に対する前記コア(30)の寄与(Rf)が、15%以上である請求項1〜7のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  9. ビードワイヤ(20、20’)の質量に対する前記コア(30)の寄与(Rm)が、15%以上である請求項1〜8のいずれか1項に記載のビードワイヤ(20、20’)。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つのビードワイヤ(20)、
    を含む、タイヤ(10、10’)。
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