以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5、4つの第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55D(総称して、演出ユニット55と呼ぶことがある。)が設けられている。
画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示(可変表示)される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、所定の表示エリアが配置されている。この表示エリアでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリアにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリアにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄を例えば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
前記表示エリアとともに、あるいは表示エリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
各演出ユニット55は、液晶パネルなどから構成される表示パネル(図4の表示パネル56Aなど)を有する。演出ユニット55は、表示パネルが形成する画像表示領域において、画像表示装置5での飾り図柄の可変表示などに付随した各種の演出画像を表示する。なお、4つの演出ユニット55のうちの1つ以上の演出ユニットにおいて、飾り図柄が可変表示されてもよい(可変表示も演出画像の表示である)。例えば、4つの演出ユニット55のうちの複数の演出ユニット55において、分担して、飾り図柄を可変表示してもよいし、1以上の演出ユニット55それぞれにおいて、飾り図柄を同じ態様で又は異なる態様で可変表示してもよい。画像表示装置5と演出ユニット55とでは、互いに連携した演出画像を表示してもよいし、互いに連携していない独立した演出画像を表示してもよい。
4つの演出ユニット55は、それぞれ、画像表示装置5よりも小型となっており、画像を表示する表示面積が画像表示装置5の表示面積よりも小さくなっている。画像表示装置5と、各演出ユニット55とは、遊技盤2を透して目視できるように、遊技盤2の背面側に設けられている。遊技盤2は、画像表示装置5と、演出ユニット55とが配置される領域に対応した部分が透明などになっている。遊技盤2は、全体的に透明であってもよい。なお、透明でない遊技盤2に開口を設け、この開口を介して、画像表示装置5と、各演出ユニット55とを目視できるようにしてもよい。
画像表示装置5と演出ユニット55とは、それぞれ、横長のディスプレイとなっている。各演出ユニット55は、演出内容に応じて、移動可能に配置されている。第1演出ユニット55A及び第2演出ユニット55Bは、図2の移動機構53Lによって移動する(詳しくは後述)。第3演出ユニット55C及び第4演出ユニット55Dは、図2の移動機構53Rによって移動する(詳しくは後述)。演出ユニット55の初期位置(移動前の通常の位置)は、それぞれ、画像表示装置5の四隅に位置に配置されている。各演出ユニット55は、初期状態において、長尺方向が水平方向に対して所定の角度(例えば、時計回り又は反時計回りの方向に45度)になるように斜めに配置される。各演出ユニット55は、画像表示装置5よりも前面側(遊技者側)に位置して、画像表示装置5の上(前面側)を移動する。なお、演出ユニット55については、後でさらに説明する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。
普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、画面分割基板51、左役物中継基板52L、右役物中継基板52Rといった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板、払出制御基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12などのサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、各演出ユニット55、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、各演出ユニット55の演出動作などや、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(例えば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
画面分割基板51は、演出制御基板12から供給される画像データを、各演出ユニット55用の画像データに分割して、分割後の画像データを各演出ユニット55に供給する。なお、画面分割基板51については、後でさらに詳述する。
左役物中継基板52Lは、演出制御基板12から供給される制御信号(第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、移動機構53Lの動作を制御する信号)を、第1演出ユニット55A及び第2演出ユニット55Bに送信(中継)する中継回路、制御信号に基づいて移動機構53Lを制御するドライバ回路などを含む。なお、左役物中継基板52L、移動機構53Lなどについては、後でさらに詳述する。
右役物中継基板52Rは、演出制御基板12から供給される制御信号(第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55D、移動機構53Rの動作を制御する信号)を、第3演出ユニット55C及び第4演出ユニット55Dに送信(中継)する中継回路、制御信号に基づいて移動機構53Rを制御するドライバ回路などを含む。なお、右役物中継基板52R、移動機構53Rなどについては、後でさらに詳述する。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサ(例えば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、演出制御コマンドなどを制御信号として演出制御基板12に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(例えば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、例えば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(例えば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(入力ドライバ回路110など)から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部(ソレノイド回路111、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、中継基板15など)へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作などを行う処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データ(画像表示装置5で表示する演出画像のデータ)を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線、画面分割基板51に対して画像データ(各演出ユニット55で表示する演出画像のデータ)を伝送するための配線、左役物中継基板52L、右役物中継基板52Rそれぞれに対して、制御信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、例えばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(例えば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5や各演出ユニット55において表示する演出画像の画像データを出力する。例えば、表示制御部123は、記憶部を有し、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されているデータに基づいて、画像データを生成して出力するようにしてもよい。また、表示制御部123は、演出制御用CPU120の制御のもとで、記憶部に格納されている画像データをそのまま出力してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示画面内や各演出ユニット55に表示させる演出画像の切換タイミングを決定して表示制御部123に指令することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示などを実現する画像データを表示制御部123に出力させる。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される画像データ(表示制御部123から出力されるデータ)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)などが出力される。また、I/O125の出力ポートからは、画面分割基板51に対して、各演出ユニット55に供給する画像データ(表示制御部123から出力されるデータ)が出力されるとともに、左役物中継基板52L、右役物中継基板52Rそれぞれに対して、演出動作を指定する制御信号(演出制御用CPU120によって出力されるデータ)などが出力される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された画像データは、前記ドライバ回路に入力される。画像データが入力されたドライバ回路は、入力された画像データに基づいて、表示パネルを駆動し、当該画像データが表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、飾り図柄の可変表示を含む各種の演出画像が表示されることになる。
次に、画面分割基板51、左役物中継基板52L、右役物中継基板52R、移動機構53L、移動機構53R、演出ユニット55などについて、図2〜図5などを参照して説明する。
第1演出ユニット55Aは、表示パネル56A、ランプ群57A、ドライバ回路58A、ランプドライバ回路59A、コネクタC11、コネクタC12などを備える。第1演出ユニット55Aは、演出画像を表示したり、ランプ群57Aを点灯/消灯したりすることで、各種の演出を実行するものである。
表示パネル56Aは、液晶パネルなどから構成される。
ランプ群57Aは、複数のランプ57Aa(図4参照)から構成される。ランプ57Aaは、LEDなどから構成されていればよい。
図4に示すように、複数のランプ57Aaは、表示パネル56Aを囲むように配列されている。
ドライバ回路58Aは、画面分割基板51からコネクタC11などを介して画像データA(詳しくは後述)が入力され、入力された画像データAに基づいて、表示パネル56Aを駆動し、画像データAが表す各種演出画像を表示パネル56Aに表示させる。ドライバ回路58Aは、ワンチップの集積回路などから構成される。
ランプドライバ回路59Aは、左役物中継基板52LからコネクタC12などを介して制御信号が入力され、入力された制御信号に基づいてランプ群57Aを構成する複数のランプ57Aaの少なくとも一部を駆動制御して、所望のランプ57Aaを点灯/消灯する。ランプドライバ回路59Aは、ワンチップの集積回路などから構成される。ランプドライバ回路59Aは、アドレス指定型の集積回路であり、通信アドレスが設定される。ランプドライバ回路59Aは、制御信号が入力されるDATA端子と、通信アドレスを設定する入力信号が入力されるADR0端子、ADR1端子、ADR2端子と、を有する(この実施の形態では、ADR0端子、ADR1端子、ADR2端子に入力される信号によって通信アドレスが設定される。)。ADR0端子、ADR1端子には、コネクタC12などを介して、アドレス設定のための入力信号が左役物中継基板52Lから入力される。後述のように、ADR0端子、ADR1端子それぞれには、Low信号(「0」)が入力される。また、ADR2端子は、アースに接続され、Low信号(「0」)が入力される。このため、ランプドライバ回路59Aは、「000」の通信アドレスが設定される。なお、ADR2端子は、全ての演出ユニット55で共通してアースに接続される。このため、通信アドレスは、「000」のうちの左2つの「00」によって識別されることになる。特に、第1演出ユニット55A外部から設定される通信アドレスは、「000」のうちの左2つの「00」である。つまり、この実施の形態では、「000」のうちの左2つの「00」が実質的に通信アドレスになっている。DATA端子には、前記の制御信号が供給される。制御信号は、通信アドレスを指定する信号が含まれる。ランプドライバ回路59Aは、「000」の通信アドレスを指定する制御信号がDATA端子に入力されたときに、当該制御信号が指定する制御内容に従って、複数のランプ57Aaの少なくとも一部を駆動制御する。これによって、ランプ57Aaの点灯/消灯による演出が行われる。ランプドライバ回路59Aは、「000」以外の通信アドレスを指定する制御信号がDATA端子に入力されたときには、駆動制御を行わない。
第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dは、それぞれが、第1演出ユニット55Aと同じ構成であるので、重複する説明は省略する。第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dも、演出画像を表示したり、ランプ群57B〜57Dを点灯/消灯したりすることで、各種の演出を実行するものである。表示パネル56B〜56Dは、それぞれ、表示パネル56Aと同じである。ランプ群57B〜57Dは、それぞれ、ランプ群57Aと同じである。ドライバ回路58B〜58Dは、それぞれ、ドライバ回路58Aと同じである。ランプドライバ回路59B〜59Dは、それぞれ、ドライバ回路59Aと同じである。コネクタC21〜C41は、それぞれ、コネクタC11と同じである。コネクタC22〜C42は、それぞれ、コネクタC12と同じである。
ドライバ回路58Bは、画面分割基板51からコネクタC21などを介して画像データB(詳しくは後述)が入力され、入力された画像データBに基づいて、表示パネル56Bを駆動し、画像データBが表す各種演出画像を表示パネル56Bに表示させる。
ドライバ回路58Cは、画面分割基板51からコネクタC31などを介して画像データC(詳しくは後述)が入力され、入力された画像データCに基づいて、表示パネル56Cを駆動し、画像データCが表す各種演出画像を表示パネル56Cに表示させる。
ドライバ回路58Dは、画面分割基板51からコネクタC41などを介して画像データD(詳しくは後述)が入力され、入力された画像データDに基づいて、表示パネル56Dを駆動し、画像データDが表す各種演出画像を表示パネル56Dに表示させる。
ランプドライバ回路59BのADR0端子、ADR1端子には、コネクタC22などを介して、アドレス設定のための入力信号が左役物中継基板52Lから入力される。後述のように、ADR0端子には、High信号(「1」)が入力され、ADR1端子には、Low信号(「0」)が入力される。また、ADR2端子は、アースに接続され、Low信号(「0」)が入力される。このため、ランプドライバ回路59Bは、「100」の通信アドレスが設定される。ランプドライバ回路59Bは、「100」の通信アドレスを指定する制御信号が、左役物中継基板52LからコネクタC22などを介して、DATA端子に入力されたときに、当該制御信号が指定する制御内容に従って、複数のランプの少なくとも一部を駆動制御する。これによって、ランプの点灯/消灯による演出が行われる。ランプドライバ回路59Bは、「100」以外の通信アドレスを指定する制御信号がDATA端子に入力されたときには、駆動制御を行わない。なお、上述のように、ADR2端子は、全ての演出ユニット55で共通してアースに接続される。このため、通信アドレスは、「100」のうちの左2つの「10」によって識別されることになる。特に、第2演出ユニット55B外部から設定される通信アドレスは、「100」のうちの左2つの「10」である。つまり、この実施の形態では、「100」のうちの左2つの「10」が実質的に通信アドレスになっている。
ランプドライバ回路59CのADR0端子、ADR1端子には、コネクタC32などを介して、アドレス設定のための入力信号が右役物中継基板52Rから入力される。後述のように、ADR0端子には、Low信号(「0」)が入力され、ADR1端子には、High信号(「1」)が入力される。また、ADR2端子は、アースに接続され、Low信号(「0」)が入力される。このため、ランプドライバ回路59Cは、「010」の通信アドレスが設定される。ランプドライバ回路59Cは、「010」の通信アドレスを指定する制御信号が、右役物中継基板52RからコネクタC32などを介して、DATA端子に入力されたときに、当該制御信号が指定する制御内容に従って、複数のランプの少なくとも一部を駆動制御する。これによって、ランプの点灯/消灯による演出が行われる。ランプドライバ回路59Cは、「010」以外の通信アドレスを指定する制御信号がDATA端子に入力されたときには、駆動制御を行わない。なお、上述のように、ADR2端子は、全ての演出ユニット55で共通してアースに接続される。このため、通信アドレスは、「010」のうちの左2つの「01」によって識別されることになる。特に、第2演出ユニット55B外部から設定される通信アドレスは、「010」のうちの左2つの「01」である。つまり、この実施の形態では、「010」のうちの左2つの「01」が実質的に通信アドレスになっている。
ランプドライバ回路59DのADR0端子、ADR1端子には、コネクタC42などを介して、アドレス設定のための入力信号が右役物中継基板52Rから入力される。後述のように、ADR0端子、ADR1端子には、ともに、High信号(「1」)が入力される。また、ADR2端子は、アースに接続され、Low信号(「0」)が入力される。このため、ランプドライバ回路59Dは、「110」の通信アドレスが設定される。ランプドライバ回路59Dは、「110」の通信アドレスを指定する制御信号が、右役物中継基板52RからコネクタC42などを介して、DATA端子に入力されたときに、当該制御信号が指定する制御内容に従って、複数のランプの少なくとも一部を駆動制御する。これによって、ランプの点灯/消灯による演出が行われる。ランプドライバ回路59Dは、「110」以外の通信アドレスを指定する制御信号がDATA端子に入力されたときには、駆動制御を行わない。なお、上述のように、ADR2端子は、全ての演出ユニット55で共通してアースに接続される。このため、通信アドレスは、「110」のうちの左2つの「11」によって識別されることになる。特に、第2演出ユニット55B外部から設定される通信アドレスは、「110」のうちの左2つの「11」である。つまり、この実施の形態では、「110」のうちの左2つの「11」が実質的に通信アドレスになっている。
移動機構53Lは、左役物中継基板52Lによる制御に基づいて動作し、左側の役物である第1演出ユニット55A及び第2演出ユニット55Bを移動させる。移動機構53Lは、演出内容に応じて、第1演出ユニット55A及び第2演出ユニット55Bを移動(回転を含む。)させる。
移動機構53Lは、左役物中継基板52Lのモータドライバ回路52LCによって駆動される駆動モータ53LA(ステッピングモータなどからなる。)と、駆動モータ53LAの駆動力によって動作して第1演出ユニット55Aを移動させるリンク機構(図示せず)などと、を備える。駆動モータ53LAは、1以上あればよい。また、リンク機構は、ギア、ベルト、アームなどの部材を備え、第1演出ユニット55Aを移動させるような機構であればよい。なお、リンク機構は、駆動モータ53LAの駆動力によって、第1演出ユニット55Aを回転させたり(遊技者から見た場合に、第1演出ユニット55Aの中心を回転軸として回転することを含む。)、平行移動させたりするように構成される。なお、「移動」には、移動の他、回転も含まれる(以下同じ。)。
さらに、移動機構53Lは、左役物中継基板52Lのモータドライバ回路52LDによって駆動される駆動モータ53LB(ステッピングモータなどからなる。)と、駆動モータ53LBの駆動力によって動作して第2演出ユニット55Bを移動させるリンク機構(図示せず)などと、を備える。駆動モータ53LBは、1以上あればよい。また、リンク機構は、ギア、ベルト、アームなどの部材を備え、第2演出ユニット55Bを移動させるような機構であればよい。なお、リンク機構は、駆動モータ53LBの駆動力によって、第2演出ユニット55Bを回転させたり(遊技者から見た場合に、第2演出ユニット55Bの中心を回転軸として回転することを含む。)、平行移動させたりするように構成される。
移動機構53Rは、右役物中継基板52Rによる制御に基づいて動作し、右側の役物である第3演出ユニット55C及び第4演出ユニット55Dを移動させる。移動機構53Rは、演出内容に応じて、第3演出ユニット55C及び第4演出ユニット55Dを移動させる。
移動機構53Rは、右役物中継基板52Rのモータドライバ回路52RCによって駆動される駆動モータ53RA(ステッピングモータなどからなる。)と、駆動モータ53RAの駆動力によって動作して第3演出ユニット55Cを移動させるリンク機構(図示せず)などと、を備える。駆動モータ53RAは、1以上あればよい。また、リンク機構は、ギア、ベルト、アームなどの部材を備え、第3演出ユニット55Cを移動させるような機構であればよい。なお、リンク機構は、駆動モータ53RAの駆動力によって、第3演出ユニット55Cを回転させたり(遊技者から見た場合に、第3演出ユニット55Cの中心を回転軸として回転することを含む。)、平行移動させたりするように構成される。
さらに、移動機構53Rは、右役物中継基板52Rのモータドライバ回路52RDによって駆動される駆動モータ53RB(ステッピングモータなどからなる。)と、駆動モータ53RBの駆動力によって動作して第4演出ユニット55Dを移動させるリンク機構(図示せず)などと、を備える。駆動モータ53RBは、1以上あればよい。また、リンク機構は、ギア、ベルト、アームなどの部材を備え、第4演出ユニット55Dを移動させるような機構であればよい。なお、リンク機構は、駆動モータ53RBの駆動力によって、第4演出ユニット55Dを回転させたり(遊技者から見た場合に、第4演出ユニット55Dの中心を回転軸として回転することを含む。)、平行移動させたりするように構成される。
画面分割基板51は、分割回路51A(例えば、1以上のプロセッサなどから構成されればよい。)、出力回路51B〜51Eなどを備える。画面分割基板51は、演出制御基板12の表示制御部123からI/O125を介して出力される画像データ(以下、画像データZということがある。)を、各演出ユニット55に供給する各画像データに分割して、各演出ユニット55に供給する。
演出制御基板12の表示制御部123からI/O125を介して出力される画像データZは、分割回路51Aに供給される。
ここで、画面分割基板51に供給される画像データZについて説明する。画像データZは、第1演出ユニット55Aで表示する画像の画像データA、第2演出ユニット55Bで表示する画像の画像データB、第3演出ユニット55Cで表示する画像の画像データC、第4演出ユニット55Dで表示する画像の画像データDを合成した画像である。なお、画像データA〜Dそれぞれは、X軸方向(横方向)に480ドット(画素)、Y軸方向(縦方向)に234ドット(画素)の画素データからなるものとする。つまり、画像データA〜Dそれぞれが表す各画像は、480×234の画素からなるものとする。また、画像を構成する画素の位置を、X軸方向における位置をX座標(最も左を「1」とする。)、Y軸方向における位置をY座標(最も上を「1」とする。)とした座標で表すことがあるものとする。例えば、(1,1)の画素は、画像における最も左上の画素である。例えば、(5,6)の画素は、画像における左から5番目、上から6番目の画素である。
例えば、表示制御部123のVDPは、演出制御用CPU120の制御のもとで、各演出ユニット55で表示する画像の画像データA〜Dそれぞれを生成するなどしたあと、Y軸方向(縦方向)に並んだ一列の画素を表す構成データ(一列の各画素の画素データからなるデータ)に分割する。例えば、画像データAを、(1,1)〜(1,234)の一列の画素を表す第1の構成データA、(2,1)〜(2,234)の一列の画素を表す第2の構成データA、・・・(480,1)〜(480,234)の一列の画素を表す第480の構成データAに分割する。同様に画像データBを、第1の構成データB〜第480の構成データBに分割する。同様に画像データCを、第1の構成データC〜第480の構成データCに分割する。同様に画像データDを、第1の構成データD〜第480の構成データDに分割する。
そして、例えば、表示制御部123のVDPは、各画像データA〜Dそれぞれを分割して得た各構成データを、同じX座標の列毎に、画像データA、画像データC、画像データB、画像データDの順で、X軸方向に順次配列し直し、新たな画像データZを生成する。具体的には、第1の構成データA、第1の構成データC、第1の構成データB、第1の構成データD、第2の構成データA、第2の構成データC、第2の構成データB、第2の構成データD、・・・第480の構成データA、第480の構成データC、第480の構成データB、第480の構成データD、という順序で配列していく。
このようにして生成された画像データZによって表される画像は、左から1番目の縦一列(1,1)〜(1,234)の画素が画像データAの(1,1)〜(1,234)の一列の画素からなり、左から2番目の縦一列(2,1)〜(2,234)の画素が画像データCの(1,1)〜(1,234)の一列の画素からなり、左から3番目の縦一列(3,1)〜(3,234)の画素が画像データBの(1,1)〜(1,234)の一列の画素からなり、左から4番目の縦一列(4,1)〜(4,234)の画素が画像データDの(1,1)〜(1,234)の一列の画素からなり、・・・左から1917番目の縦一列(1917,1)〜(1917,234)の画素が画像データAの(480,1)〜(480,234)の一列の画素からなり、左から1918番目の縦一列(1918,1)〜(1918,234)の画素が画像データCの(480,1)〜(480,234)の一列の画素からなり、左から1919番目の縦一列(1919,1)〜(1919,234)の画素が画像データBの(480,1)〜(480,234)の一列の画素からなり、左から1920番目(最も右)の縦一列(1920,1)〜(1920,234)の画素が画像データDの(480,1)〜(480,234)の一列の画素からなる。画像データZは、このような各画素の画素データからなる。
例えば、表示制御部123は、I/O125を介して、画像データZを出力する。表示制御部123は、画像データZをX軸方向(横方向)に1画素データずつ出力する。具体的には、表示制御部123は、(1,1)の画素の画素データ、(2,1)の画素の画素データ・・・(1920,1)の画素の画素データ、(1,2)の画素の画素データ、(2,2)の画素の画素データ、(2,1)の画素の画素データ・・・(1920,2)の画素の画素データ、・・・(1920,234)の画素の画素データという順序で、各画素データを出力する。このように出力される画像データZは、画面分割基板51の分割回路51Aに入力される。
分割回路51Aは、第1振分回路、第2振分回路、第3振分回路を有する。第1振分回路は、分割回路51Aに順次入力される画像データZの画素データを、交互に、第1系統と第2系統とに振り分けて出力する。これによって、画像データA及び画像データBを構成する画素データが第1系統に振り分けられ、画像データC及び画像データDを構成する画素データが第2系統に振り分けられる。第2振分回路は、第1系統に振り分けた画素データを、順次交互に、第1−1系統と第1−2系統とに振り分ける。これによって、画像データAを構成する画素データが第1−1系統に振り分けられ、画像データBを構成する画素データが第1−2系統に振り分けられる。第3振分回路は、第2系統に振り分けた画素データを、順次交互に、第2−1系統と第2−2系統とに振り分ける。これによって、画像データCを構成する画素データが第2−1系統に振り分けられ、画像データDを構成する画素データが第2−2系統に振り分けられる。
第1−1系統に振り分けた画素データは、順次、出力回路51Bに供給される。第1−2系統に振り分けた画素データは、順次、出力回路51Cに供給される。第2−1系統に振り分けた画素データは、順次、出力回路51Dに供給される。第2−2系統に振り分けた画素データは、順次、出力回路51Eに供給される。
出力回路51B〜51Eは、それぞれ、図示しないコネクタなどを介して、配線L11〜L41(画像データを送信するのに必要な数の配線を有するものであればよい。)に接続されている。配線L11〜L41は、それぞれ、コネクタC13〜C43に接続されている。コネクタC13〜C43は、それぞれ、各コネクタC11〜C41に接続される。
出力回路51Bは、分割回路51Aから供給される、第1−1系統に振り分けた画素データを出力する。出力された画素データは、配線L11、コネクタC13、コネクタC11を介して、ドライバ回路58Aに順次供給される。これによって、ドライバ回路58Aには、上述の画像データA(第1演出ユニット55Aが表示する画像を表すデータ)が供給され、ドライバ回路58Aが、画像データAに基づいて、表示パネル56Aに画像データAが表す画像を表示することになる。これによって、演出画像が第1演出ユニット55Aに表示される。
出力回路51Cは、分割回路51Aから供給される、第1−2系統に振り分けた画素データを出力する。出力された画素データは、配線L21、コネクタC23、コネクタC21を介して、ドライバ回路58Bに順次供給される。これによって、ドライバ回路58Bには、上述の画像データB(第2演出ユニット55Bが表示する画像を表すデータ)が供給され、ドライバ回路58Bが、画像データBに基づいて、表示パネル56Bに画像データBが表す画像を表示することになる。これによって、演出画像が第2演出ユニット55Bに表示される。
出力回路51Dは、分割回路51Aから供給される、第2−1系統に振り分けた画素データを出力する。出力された画素データは、配線L31、コネクタC33、コネクタC31を介して、ドライバ回路58Cに順次供給される。これによって、ドライバ回路58Cには、上述の画像データC(第3演出ユニット55Cが表示する画像を表すデータ)が供給され、ドライバ回路58Cが、画像データCに基づいて、表示パネル56Cに画像データCが表す画像を表示することになる。これによって、演出画像が第3演出ユニット55Cに表示される。
出力回路51Eは、分割回路51Aから供給される、第2−2系統に振り分けた画素データを出力する。出力された画素データは、配線L41、コネクタC43、コネクタC41を介して、ドライバ回路58Dに順次供給される。これによって、ドライバ回路58Dには、上述の画像データD(第4演出ユニット55Dが表示する画像を表すデータ)が供給され、ドライバ回路58Dが、画像データDに基づいて、表示パネル56Dに画像データDが表す画像を表示することになる。これによって、演出画像が第4演出ユニット55Dに表示される。
この実施の形態では、上記の構成によって、演出制御用CPU120が演出時において、表示制御部123を制御し、表示制御部123から画像データを出力させ、画面分割基板51を介して、各演出ユニット55に演出画像を表示させる。つまり、演出制御用CPU120は、表示パネル56A〜56Dそれぞれを駆動する制御を、表示制御部123及び各演出ユニット55のドライバ回路58A〜58Dを介して行い、各演出ユニット55に演出画像を表示させることになる。
左役物中継基板52L及び右役物中継基板52Rには、演出制御基板12から制御信号が供給される。制御信号は、実行する演出に応じて、演出制御用CPU120から出力され、I/O125を介して供給される。
左役物中継基板52Lに供給される制御信号としては、ランプドライバ回路59Aに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(ランプ群57Aのランプのうちのどれを点灯させるか、消灯させるかなど)を指定する信号がある。
また、左役物中継基板52Lに供給される制御信号としては、ランプドライバ回路59Bに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(ランプ群57Bのランプのうちのどれを点灯させるか、消灯させるかなど)を指定する信号がある。
また、左役物中継基板52Lに供給される制御信号としては、モータドライバ回路52LCに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(駆動モータ53LAをどの程度駆動するかなど)を指定する信号がある。
また、左役物中継基板52Lに供給される制御信号としては、モータドライバ回路52LDに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(駆動モータ53LBをどの程度駆動するかなど)を指定する信号がある。
なお、左役物中継基板52Lに供給される制御信号は、ランプドライバ回路59A、ランプドライバ回路59B、モータドライバ回路52LC、モータドライバ回路52LDそれぞれに共通して供給される。
右役物中継基板52Rに供給される制御信号としては、ランプドライバ回路59Cに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(ランプ群57Cのランプのうちのどれを点灯させるか、消灯させるかなど)を指定する信号がある。
また、右役物中継基板52Rに供給される制御信号としては、ランプドライバ回路59Dに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(ランプ群57Dのランプのうちのどれを点灯させるか、消灯させるかなど)を指定する信号がある。
また、右役物中継基板52Rに供給される制御信号としては、モータドライバ回路52RCに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(駆動モータ53RAをどの程度駆動するかなど)を指定する信号がある。
また、右役物中継基板52Rに供給される制御信号としては、モータドライバ回路52RDに設定されている通信アドレスを指定するとともに、制御内容(駆動モータ53RBをどの程度駆動するかなど)を指定する信号がある。
なお、右役物中継基板52Rに供給される制御信号は、ランプドライバ回路59C、ランプドライバ回路59D、モータドライバ回路52RC、モータドライバ回路52RDそれぞれに共通して供給される。
左役物中継基板52Lは、通信アドレス設定部52LAと、中継回路52LBと、モータドライバ回路52LCと、モータドライバ回路52LDと、を有する。
通信アドレス設定部52LAは、集積回路Tr1と、集積回路Tr1に接続された所定の配線回路と、を備える。集積回路Tr1は、入力端子I1〜I4と、出力端子O1〜O4と、を備える。集積回路Tr1は、例えば、ワンチップのダーリントントランジスタアレイなどによって構成される。集積回路Tr1の入力端子I1、I2、I4は、定電圧源に接続され、定電圧Vccが入力されるようになっている。集積回路Tr1の入力端子I3は、アースに接続されている。このような接続により、集積回路Tr1は、出力端子O1、O2、O4からLow信号(「0」)を出力し、出力端子O3からHig信号「1」を出力するようになっている(例えば、NOT回路を有してこのような出力を行う)。
中継回路52LBは、演出制御基板12からの制御信号を中継する。
出力端子O1、O2及び中継回路52LBには、配線L12が接続されている。配線L12は、少なくとも、出力端子O1からの信号、出力端子O2からの信号、中継回路52LBが出力(中継)する制御信号をそれぞれ独立して伝送できるように複数の配線から構成されている。配線L12は、コネクタC14に接続されている。コネクタC14は、第1演出ユニット55AのコネクタC12に接続されている。
出力端子O1からの信号(「0」)、出力端子O2からの信号(「0」)は、それぞれ、配線L12、コネクタC14、コネクタC12を介して、ランプドライバ回路59AのADR0端子、ADR1端子に入力される。これによって、ランプドライバ回路59Aには、「000」の通信アドレスが設定される。
また、中継回路52LBが出力する制御信号は、配線L12、コネクタC14、コネクタC12を介して、ランプドライバ回路59AのDATA端子に入力される。制御信号がランプドライバ回路59Aの通信アドレスを指定している場合には、ランプドライバ回路59Aは、制御信号が指定する制御内容でランプ群57Aのランプ57Aaの少なくとも一部を点灯させたり、消灯させたりする。制御信号がランプドライバ回路59Aの通信アドレスを指定していない場合には、ランプドライバ回路59Aは動作しない(ランプ群57Aを駆動制御しない)。
出力端子O3、O4及び中継回路52LBには、配線L22が接続されている。配線L22は、少なくとも、出力端子O3からの信号、出力端子O4からの信号、中継回路52LBが出力(中継)する制御信号をそれぞれ独立して伝送できるように複数の配線から構成されている。配線L22は、コネクタC24に接続されている。コネクタC24は、第2演出ユニット55BのコネクタC22に接続されている。
出力端子O3からの信号(「1」)、出力端子O4からの信号(「0」)は、それぞれ、配線L22、コネクタC24、コネクタC22を介して、ランプドライバ回路59BのADR0端子、ADR1端子に入力される。これによって、ランプドライバ回路59Bには、「100」の通信アドレスが設定される。
また、中継回路52LBが出力する制御信号は、配線L22、コネクタC24、コネクタC22を介して、ランプドライバ回路59BのDATA端子に入力される。制御信号がランプドライバ回路59Bの通信アドレスを指定している場合には、ランプドライバ回路59Bは、制御信号が指定する制御内容でランプ群57Bのランプの少なくとも一部を点灯させたり、消灯させたりする。制御信号がランプドライバ回路59Bの通信アドレスを指定していない場合には、ランプドライバ回路59Bは動作しない(ランプ群57Bを駆動制御しない)。
なお、中継回路52LBが中継する制御信号は、配線L12及び配線L22に共通して出力される。
モータドライバ回路52LCは、通信アドレスが設定されている。モータドライバ回路52LCには、演出制御基板12からの制御信号が供給される。演出制御基板12からの制御信号がモータドライバ回路52LCの通信アドレスを指定するものである場合には、当該制御信号が指定する制御内容で駆動モータ53LAを駆動する。これによって、制御信号が指定する制御内容に応じた態様で第1演出ユニット55Aが移動することになる。なお、モータドライバ回路52LCは、演出制御基板12からの制御信号をモータドライバ回路52LDにそのまま供給(中継)したりもする。
モータドライバ回路52LDは、通信アドレスが設定されている。モータドライバ回路52LDは、モータドライバ回路52LCからの制御信号がモータドライバ回路52LDの通信アドレスを指定するものである場合には、当該制御信号が指定する制御内容で駆動モータ53LBを駆動する。これによって、制御信号が指定する制御内容に応じた態様で第2演出ユニット55Bが移動することになる。
右役物中継基板52Rは、通信アドレス設定部52RAと、中継回路52RBと、モータドライバ回路52RCと、モータドライバ回路52RDと、を有する。
通信アドレス設定部52RAは、集積回路Tr2と、集積回路Tr2に接続された所定の配線回路と、を備える。集積回路Tr2は、入力端子I1〜I4と、出力端子O1〜O4と、を備える。集積回路Tr2は、例えば、ワンチップのダーリントントランジスタアレイなどによって構成される。集積回路Tr2の入力端子I1は、定電圧源に接続され、定電圧Vccが入力されるようになっている。集積回路Tr2の入力端子I2〜I4は、アースに接続されている。このような接続により、集積回路Tr2は、出力端子O1からLow信号(「0」)を出力し、出力端子O2〜O4からHig信号(「1」)を出力するようになっている(例えば、NOT回路を有してこのような出力を行う)。
中継回路52RBは、演出制御基板12からの制御信号を中継する。
出力端子O1、O2及び中継回路52RBには、配線L32が接続されている。配線L32は、少なくとも、出力端子O1からの信号、出力端子O2からの信号、中継回路52RBが出力(中継)する制御信号をそれぞれ独立して伝送できるように複数の配線から構成されている。配線L32は、コネクタC34に接続されている。コネクタC34は、第3演出ユニット55CのコネクタC32に接続されている。
出力端子O1からの信号(「0」)、出力端子O2からの信号(「1」)は、それぞれ、配線L32、コネクタC34、コネクタC32を介して、ランプドライバ回路59CのADR0端子、ADR1端子に入力される。これによって、ランプドライバ回路59Cには、「010」の通信アドレスが設定される。
また、中継回路52RBが出力する制御信号は、配線L32、コネクタC34、コネクタC32を介して、ランプドライバ回路59CのDATA端子に入力される。制御信号がランプドライバ回路59Cの通信アドレスを指定している場合には、ランプドライバ回路59Cは、制御信号が指定する制御内容でランプ群57Cのランプの少なくとも一部を点灯させたり、消灯させたりする。制御信号がランプドライバ回路59Cの通信アドレスを指定していない場合には、ランプドライバ回路59Cは動作しない(ランプ群57Cを駆動制御しない)。
出力端子O3、O4及び中継回路52RBには、配線L42が接続されている。配線L42は、少なくとも、出力端子O3からの信号、出力端子O4からの信号、中継回路52RBが出力(中継)する制御信号をそれぞれ独立して伝送できるように複数の配線から構成されている。配線L42は、コネクタC44に接続されている。コネクタC44は、第2演出ユニット55DのコネクタC42に接続されている。
出力端子O3からの信号(「1」)、出力端子O4からの信号(「1」)は、それぞれ、配線L42、コネクタC44、コネクタC42を介して、ランプドライバ回路59DのADR0端子、ADR1端子に入力される。これによって、ランプドライバ回路59Dには、「110」の通信アドレスが設定される。
また、中継回路52RBが出力する制御信号は、配線L42、コネクタC44、コネクタC42を介して、ランプドライバ回路59DのDATA端子に入力される。制御信号がランプドライバ回路59Dの通信アドレスを指定している場合には、ランプドライバ回路59Dは、制御信号が指定する制御内容でランプ群57Dのランプの少なくとも一部を点灯させたり、消灯させたりする。制御信号がランプドライバ回路59Dの通信アドレスを指定していない場合には、ランプドライバ回路59Dは動作しない(ランプ群57Bを駆動制御しない)。
なお、中継回路52RBが中継する制御信号は、配線L32及び配線L42に共通して出力される。
モータドライバ回路52RCは、通信アドレスが設定されている。モータドライバ回路52RCには、演出制御基板12からの制御信号が供給される。演出制御基板12からの制御信号がモータドライバ回路52RCの通信アドレスを指定するものである場合には、当該制御信号が指定する制御内容で駆動モータ53RAを駆動する。これによって、制御信号が指定する制御内容に応じた態様で第3演出ユニット55Cが移動することになる。なお、モータドライバ回路52RCは、演出制御基板12からの制御信号をモータドライバ回路52RDにそのまま供給(中継)したりもする。
モータドライバ回路52RDは、通信アドレスが設定されている。モータドライバ回路52RDは、モータドライバ回路52RCからの制御信号がモータドライバ回路52RDの通信アドレスを指定するものである場合には、当該制御信号が指定する制御内容で駆動モータ53RBを駆動する。これによって、制御信号が指定する制御内容に応じた態様で第4演出ユニット55Dが移動することになる。
この実施の形態では、上記の構成によって、演出制御用CPU120は、演出時において、制御したい対象に対応した通信アドレスを指定する制御信号を出力することで、各演出ユニット55のランプ群が有するランプの点灯/消灯や、各演出ユニット55の移動などを制御して、各種の演出を実行する。このようにして、演出制御用CPU120は、移動機構53L、53Rやランプ群57A〜57Dを駆動する制御を、モータドライバ回路52LC、52LD、52RC、52RDや、ランプドライバ回路59A〜59Dを介して行い、各種の演出を実行する。
図5に示すように、第1演出ユニット55Aは、背面(画像の表示面とは反対の面)に、後方(遊技者側つまり前面側とは反対側)に突出した係合部55Akが設けられている。なお、図5では、各部材の内部構造を省略してハッチングを付した。係合部55Akは、複数設けられている(例えば、第1演出ユニット55を遊技者側から見たときに、上下左右に四つ設けられている)。各係合部55Akは、ツメを有する。また、パチンコ遊技機1側に設けられた移動機構53Lのうち第1演出ユニット55Aを移動させる部分(リンク機構)には、板状の固定部分T1が設けられる。固定部分T1は、遊技者側から見た場合に、複数の係合部55Akに囲まれる形状になっている。この固定部分T1に、各係合部55Akのツメが係合する(ここでは、引っ掛かる)。これによって、第1演出ユニット55Aは、固定部分T1に固定される。また、図5に示すように、第1演出ユニット55Aは、背面に、コネクタC11、C12を備える。コネクタC11は、配線L11が接続されたコネクタC13に接続され、コネクタC12は、配線L12が接続されたコネクタC14に接続される。この実施の形態では、このようにして、第1演出ユニット55Aの取り付けが行われる。この実施の形態では、先端部分T1とコネクタC13及びC14が、第1演出ユニット55Aが取り付けられる取り付け部になる。なお、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dも同様に取り付けられる(取り付け部は、コネクタC23〜C43、コネクタC24〜C44と、演出ユニット55が固定される固定部分とからなる。)。
各演出ユニット55には、共通の演出ユニットが使用される。このため、1つの演出ユニットは、第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dのいずれかとして使用可能となっている。つまり、一種類の演出ユニットを用意することで、第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dのいずれかが故障した場合であっても、演出ユニットの交換が可能となる。さらにいうと、演出ユニットは、その取り付け位置(取り付け部がどれであるか)によって、第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dのうちのいずれかとして機能することができる。これはとくに、演出ユニットのランプドライバ回路の通信アドレスが、演出ユニットの取り付け後に設定されることに起因する。通常は、ランプドライバ回路のアドレスを設定するための通信アドレス設定部52LAなどは、ランプドライバ回路が実装される演出ユニットの基板に設けられる。つまり演出ユニット毎にすでに通信アドレスが設定されることになるが、この実施の形態では、演出ユニットのランプドライバ回路の通信アドレスが、演出ユニットの取り付け後に設定されるので、演出ユニットは、その取り付け位置(取り付け部がどれであるか)によって、第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55B、第3演出ユニット55C、第4演出ユニット55Dのうちのいずれかとして機能することができる。
移動機構53L、53Rは、アクチュエータやエアシリンダ等を駆動させることで、演出ユニット55を移動させりものであってもよい。移動機構53L、53Rは、チェーンやベルト等を用いるものであってもよい。また、移動機構53L、53Rは、ラックとピニオンを用いることで、演出ユニットと駆動モータとを噛合させて連結する構成としてもよい。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどに点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、表示制御部123を介して演出ユニット55に演出画像を表示させたり、演出ユニット55を移動させたり、演出ユニット55のランプ群57A〜57Dのランプを点灯/消灯させたりして、各種の演出を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「2」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる(演出ユニット55で可変表示を行ってもよい)。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(例えば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。なお、演出ユニット55で可変表示を行ってもよい。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5や演出ユニット55の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5や演出ユニット55の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、例えば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)、演出ユニット55のランプ群のランプにおける点灯/消灯動作(点滅動作)、演出ユニット55の移動などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行う演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)、演出ユニット55のランプ群のランプにおける点灯/消灯動作(点滅動作)、演出ユニット55の移動などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図15参照、詳しくは後述する)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行われる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。RAM102のクリアは、例えば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行われる。この操作は、例えば、遊技店の営業時間外に行われる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(例えば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM101に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(例えば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
CPU103は、遊技制御用タイマ割込処理において、例えば、スイッチ処理を行い、メイン側エラー処理を行い、情報出力処理を行い、その後、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、入力ドライバ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。なお、スイッチ処理では、例えば、オン状態と判定したスイッチ(第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23)に対応する賞球個数を示す賞球個数コマンドの送信設定も行う。賞球個数コマンドはコマンド制御処理にて払出制御基板に送信され、払出制御基板は、このコマンドを受信すると、球払出装置を制御して、このコマンドが示す賞球個数分だけ賞球を払い出す処理を実行する。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図9参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶(RAM102に記憶した乱数値)を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを開放状態などの第1可変状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の第1可変状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12、払出制御基板37などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理、スイッチ処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12、払出制御基板37に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
ここで、コマンド制御処理により主基板11から演出制御基板12に送信される主な制御コマンドについて図6を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図15参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。例えば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。例えば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。例えば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。例えば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。例えば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行われ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドC500(H)は、デモ画面の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、保留記憶が無い場合に、ステップS110にて送信設定される。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図7は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図8は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図9参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図10(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図10(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図10(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図10(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行う(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行う。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図11は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、乱数値MR1〜MR3を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。例えば、CPU103は、図12に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図12に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)がオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図12に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図7に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、例えば、図13に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図13に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図7のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図14は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図15は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、大当り種別が「確変」、「非確変」のときの「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図14に示すステップS262の処理では、例えば図16に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図14に示すステップS263の処理では、例えば図17に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に、時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図17に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図16及び図17を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図14に示すステップS262、S263のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図15に示すように、予め用意された複数の変動パターンそれぞれに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。変動パターンの決定は、特図変動時間の決定でもある。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図7に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図7のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行う。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5や演出ユニット55の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作、演出ユニット55のランプ群のランプにおける点灯/消灯動作(点滅動作)、演出ユニット55の移動などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定に戻る。
図18は、各制御コマンドについてコマンド解析処理にて行われる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(例えば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にて無い場合などに適宜クリアする)。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。例えば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(例えば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行うための制御を行う(このとき、例えば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。例えば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5や演出ユニット55に表示させること(例えば、画像表示装置5や画面分割基板51に画像データを送信する。)や、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、左役物中継基板52Lや右役物中継基板52Rに対して制御信号を出力して所望の演出ユニット55のランプ群57A〜57Dが含む1以上のランプを点灯/消灯(点滅などでもよい)させたり所望の演出ユニット55を移動させたりすることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図20は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターン(ROM121に予め記憶されている。)を使用パターンとして設定する(ステップS530)。演出制御パターンは、変動パターンに対応して複数種類用意されており、ここでは、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターンが選択されて設定される。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS533)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、表示制御部123から画像表示装置5に画像データを送信させ、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。なお、演出制御用CPU120は、設定された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、表示制御部123から画面分割基板51に画像データを送信させ、演出ユニット55において、飾り図柄の可変表示を開始させるようにしてもよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図21は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS559)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像データを画像表示装置5や画面分割基板51(各演出ユニット55に画像データを供給する基板)に供給するようにして画像表示装置5や各演出ユニット55に演出画像を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、左役物中継基板52L及び/又は右役物中継基板52Rに対して制御信号を出力して、所望の演出ユニット55のランプ群57A〜57Dが含む1以上のランプを点灯/消灯(点滅などでもよい)させたり、所望の演出ユニット55を移動させたりすることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
なお、演出制御用CPU120は、制御信号において通信アドレスを指定する。左役物中継基板52Lに供給される制御信号は、中継回路52LBを介して、ランプドライバ回路59A、59Bに入力されるとともに、モータドライバ回路52LC、52LDにも入力される。ランプドライバ回路59A、59B、モータドライバ回路52LC、52LDのうち、制御信号が指定する通信アドレスを有する回路が動作して、ランプ群57A、57B、駆動モータ53LA、53LBのうちのいずれか駆動され、ランプの点灯/消灯、第1演出ユニット55A又は第2演出ユニット55Bの移動などのいずれかが実現される。なお、指定する通信アドレスの異なる制御信号が順次複数出力されてもよい。つまりランプの点灯/消灯、第1演出ユニット55A又は第2演出ユニット55Bの移動などの演出動作のうち、複数の演出動作が同時行われるようにしてもよい。右役物中継基板52Rに供給される制御信号は、中継回路52RBを介して、ランプドライバ回路59C、59Dに入力されるとともに、モータドライバ回路52RC、52RDにも入力される。ランプドライバ回路59C、59D、モータドライバ回路52RC、52RDのうち、制御信号が指定する通信アドレスを有する回路が動作して、ランプ群57C、57D、駆動モータ53RA、53RBのうちのいずれか駆動され、ランプの点灯/消灯、第3演出ユニット55C又は第4演出ユニット55Dの移動などのいずれかが実現される。なお、指定する通信アドレスの異なる制御信号が順次複数出力されてもよい。つまりランプの点灯/消灯、第3演出ユニット55C又は第4演出ユニット55Dの移動などの演出動作のうち、複数の演出動作が同時行われるようにしてもよい。以上説明した構成は、他のタイミングにおける演出動作の制御についても同じである。
ステップS559のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS558;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS560)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して画像データを画像表示装置5や画面分割基板51(各演出ユニット55に画像データを供給する基板)に供給するようにして画像表示装置5や各演出ユニット55に演出画像を表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させること、左役物中継基板52L及び/又は右役物中継基板52Rに対して制御信号を出力して、所望の演出ユニット55のランプ群57A〜57Dが含む1以上のランプを点灯/消灯(点滅などでもよい)させたり、所望の演出ユニット55を移動させたりすることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送することといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。なお、このときに、上記と同様に、演出ユニット55において画像を表示させたり、演出ユニット55における少なくとも一部のランプを点灯/消灯させたり、演出ユニット55を移動させたりするようにしてもよい。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。なお、このときに、上記と同様に、演出ユニット55において画像を表示させたり、演出ユニット55における少なくとも一部のランプを点灯/消灯させたり、演出ユニット55を移動させたりするようにしてもよい。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
上記一連の処理で実現する演出動作の一例を、図22を参照して説明する。画像表示装置5で演出画像が表示されているときにおいて、最初は各演出ユニット55は動作していない。その後、所定タイミングで、各演出ユニット55は、移動機構53Lや53Rによって回転移動して、画像表示装置5の中央に近づく。このとき、各演出ユニット55には画像が表示されるとともに、各ランプ群57A〜57Dは、全てのランプが点灯している。そして、各演出ユニット55は、画像表示装置5の中央にさらに近づく。そして、各演出ユニット55は、画像表示装置5を覆う。そして、各演出ユニット55は、1つの画像表示領域を構成するようになり、連携して「GO!」の画像を表示する。このとき、各ランプ群57A〜57Dのうちの前記1つの画像表示領域の中央側の辺のランプは点灯せず、外側のランプは点灯する。その後、各演出ユニット55は、画像表示装置5の四隅に向かって移動する。
この実施の形態では、上記構成によって、パチンコ遊技機1は、ドライバ回路(ここでは、ランプドライバ回路59A〜59Dなど)と、前記ドライバ回路によって駆動されて演出を実行する演出装置(ここでは、ランプ群57A〜57Dなど)とを含む演出ユニット(ここでは、演出ユニット55など)と、前記演出ユニットが取り付け可能な第1の取付部(ここでは、演出ユニット55が第1演出ユニット55Aとして取り付けられる取付部)及び第2の取付部(ここでは、演出ユニット55が第2演出ユニット55Bとして取り付けられる取付部)と、前記ドライバ回路に制御信号を供給することで、前記ドライバ回路を介して前記演出装置の駆動を制御する制御手段(ここでは、制御信号によって、ランプドライバ回路59A〜59Dなどを介してランプ群57A〜57Dの駆動(点灯、消灯を含む。)を制御する演出制御用CPU120など)と、を有することになる。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記ドライバ回路は、アドレス(ここでは、「000」のうちの左2つの「00」など、アドレスを識別するのに必要な実質的な通信アドレス)が設定され、設定されたアドレスを指定する制御信号が供給されたときに、当該制御信号に従って前記演出装置を駆動し(ここでは、制御信号に従ってランプ群57Aなどに含まれる複数のランプの少なくとも一部のランプを点灯又は消灯させる)、前記演出ユニットは、前記第1の取付部及び前記第2の取付部のいずれかに共通して取り付け可能であり(ここでは、第1演出ユニット55A、第2演出ユニット55Bとして共通の演出ユニットが使用される)、前記演出ユニットが前記第1の取付部に取り付けられたときには当該第1の取付部に取り付けられた演出ユニットが有する前記ドライバ回路に第1のアドレス(ここでは、「000」のうちの左2つの「00」など)を設定し、前記演出ユニットが前記第2の取付部に取り付けられたときには当該第2の取付部に取り付けられた演出ユニットが有する前記ドライバ回路に前記第1のアドレスとは異なる第2のアドレス(ここでは、「100」のうちの左2つの「10」)を設定する設定手段(ここでは、通信アドレス設定部52LA)が設けられることになる。
この実施の形態では、ドライバ回路のアドレス(ここでは、実質的なアドレス)が、演出ユニットの取り付け後に設定されるので、演出ユニットごとに取り付け位置を第1の取付部及び第2の取付部のいずれかに限定する必要がなく、演出ユニットを共通化できるので、演出ユニットの在庫管理などが容易となり、製造コストも抑えることができる。さらに、演出ユニットの取り付け位置を間違えることも無くなるので、演出ユニットの誤作動を防止できる。
なお、この実施の形態では、演出装置をランプ群59Aなどの発光装置(発光体)としているが(つまり、演出ユニット55は、発光装置を有して発光する発光ユニットでもある。)、演出装置は他のものであってもよい。演出装置は、スピーカなどであってもよい。この場合、前記ドライバ回路(アドレス指定型の回路)は、スピーカから音声を出力させるドライバ回路などであればよい。また、演出装置は、表示パネルなどであってもよい。この場合、前記ドライバ回路(アドレス指定型の回路)は、表示パネルを駆動するドライバ回路などであればよい。演出ユニットの構成は、この実施の形態の構成に限られない。演出ユニットは、ドライバ回路と、ドライバ回路によって駆動される演出装置とを備えるものであればよい。演出ユニットは、表示手段を有さない役物であってもよい。上記発光ユニットは、演出以外に使用されるものであってもよい。例えば、ランプ群59Aなどの発光装置(発光体)によって警告(特に、演出を伴わない警告)を行うものであってもよい(この場合、演出ユニット55を警告内容に応じて駆動すればよい)。
上記実施形態では、第1の取付部及び第2の取付部として、固定部分とコネクタとの組合せを例示したが、第1の取付部及び第2の取付部は、それぞれ、コネクタから構成されてもよい。この場合、演出ユニット55側に雄のコネクタを設け、第1の取付部及び第2の取付部として雌のコネクタ(画面分割基板51や左役物中継基板52Lなどに配線などによって電気的に接続する。)を設け(例えば、移動機構53Lなどに設ける)、雌のコネクタに雄のコネクタを嵌め込むことによって、演出ユニットを第1の取付部又は第2の取付部に取り付ける(固定する)ようにしてもよい(なお、雄雌は逆でもよい)。この場合、雄雌のコネクタを介して、通信アドレス設定部52LAなどから信号が入力されて、ドライバ回路に通信アドレスが設定される。
上記実施形態では、ドライバ回路に電気的に接続される接続回路(通信アドレス設定部52LA)によって、通信アドレスを設定していたが、例えば、演出ユニット側に複数の接点(ドライバ回路に接続されている接点)を設け、第1の取付部又は第2の取付部に通信アドレスに応じた位置の接点を設け、演出ユニットを取り付けたときに、演出ユニット側に複数の接点のうちのどの接点が、第1の取付部又は第2の取付部の接点に接触したかに応じて(例えば、信号が供給されたか否かで接触した接点を特定する)、通信アドレスを設定してもよい。
また、アドレスは、演出ユニットを第1の取付部又は第2の取付部に取り付けたときに、ソフトウェア的に設定されてもよい。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記ドライバ回路は、アドレスを設定するための所定信号(ここでは、High信号、Low信号)が入力される第1の入力端子(ここでは、ADR0端子及びADR1端子)を備え、前記第1の入力端子に入力された所定信号に基づいてアドレスが設定され、前記設定手段は、前記演出ユニットが前記第1の取付部に取り付けられたときに前記第1の入力端子に接続され、前記所定信号として第1の信号を前記第1の入力端子に出力する第1の設定回路(ここでは、通信アドレス設定部52LAのうちの、入力端子をI1〜I2として出力端子をO1〜O2とする集積回路Tr1の部分と、I1〜I2に定電圧Vccを入力する接続回路と、を含む部分であり、第1の信号として2つのLow信号(O1〜O2それぞれから出力される信号)を出力する部分)と、前記演出ユニットが前記第2の取付部に取り付けられたときに前記第1の入力端子に接続され、前記所定信号として第2の信号を前記入力端子に出力する第2の設定回路(ここでは、通信アドレス設定部52LAのうちの、入力端子をI3〜I4として出力端子をO3〜O4とする集積回路Tr1の部分と、I3をアースに接続してI4に定電圧Vccを入力する接続回路と、を含む部分であり、第2の信号としてHigh信号(O3から出力される信号)とLow信号(O4から出力される信号)とを出力する部分)と、を備えるようになっている。
この実施の形態では、設定回路によって通信アドレスが設定されるので、ソフトウェアを用いた設定が不要であり、作業者(パチンコ店の従業員や、パチンコ遊技機1を製造又は修理する者)にとってアドレスの設定が容易である。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記ドライバ回路は、前記第1入力端子(ここでは、ADR0端子及びADR1端子)と、当該第1入力端子とは異なるがアドレスを設定するための信号が入力可能な第2入力端子(ここでは、ADR2端子)と、を備え、前記第2入力端子には、前記設定手段からの前記所定信号が入力されず(ここでは、ADR2端子が演出ユニット55側のアースに接続されている)、前記ドライバ回路に設定されるアドレスは、前記第1入力端子に入力された所定信号に応じて異なる(ここでは、ADR2端子は、演出ユニット55共通でアースされているので、実質の通信アドレスは、ADR0端子及びADR1端子に基づいて設定されるアドレス部分となっている)、ようになっている。
この実施の形態では、アドレス(アドレスの識別に寄与する実質のアドレス)が、第1入力端子(ここでは、ADR0端子及びADR1端子)への入力信号に基づいてのみ設定される。つまり、アドレスの識別に寄与する部分は、第1入力端子(ここでは、ADR0端子及びADR1端子)への入力信号にのみ依存して変化し、第2入力端子(ここでは、ADR2端子)への入力信号には依存しない(ここでは、ADR2端子が、どの演出ユニット55でもアースに接続されているため)。これによって、第2入力端子が演出ユニット外部(通信アドレス設定部52LA、52RAなど)と接続されないので、アドレス設定のための配線数を少なくすることができ、これによって、配線の断線の可能性を少なくすることができる。配線数が多くなれば、いずれかの配線で断線する可能性が高くなるが、配線を少なくすることで、この可能性を低くすることができる。なお、入力端子全てを用いて、通信アドレスを演出ユニット外部(通信アドレス設定部52LA、52RAなど)から設定してもよい(この場合、全てが実質的なアドレスであってもよいし、一部が実質的なアドレスで、他の一部は各取付部共通のアドレス(つまり、通信アドレスの識別に寄与しない部分)であってもよい。)。また、演出ユニット取り付け時に前記ドライバ回路に設定される通信アドレス(上述のように演出ユニット外部(通信アドレス設定部52LA、52RAなど)からの信号などによって設定されるアドレス)は、通信アドレスの識別に寄与する実質的なアドレス(つまり、通信アドレスが設定される演出ユニット55の識別に寄与する実質的なアドレス)のみからなるものであってもよいし、通信アドレスの識別に寄与する実質的なアドレスと通信アドレスの識別に寄与しないアドレス(例えば、各取付部共通のアドレス)とからなるものであってもよい。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出ユニットは、前記演出装置とは別に、画像を表示する表示装置(ここでは、表示パネル56A〜56Dなど)を備え、前記表示装置は、前記演出ユニットが前記第1の取付部に取り付けられたときと前記第2取付部に取り付けられたときと、で異なる画像を表示する(ここでは、図22のように、第1演出ユニット55Aと第2演出ユニット55Bとで異なる画像を表示する)。なお、上述のように、演出装置を、表示パネルとしてもよい。この場合、ドライバ回路(アドレス指定の回路)は、表示パネルを駆動するドライバ回路などであればよい。この場合、画像データとともにアドレスを指定するデータもドライバ回路に供給され、ドライバ回路は、設定されたアドレスを指定するデータとともに供給された画像データに基づいてのみ画像を表示するようにする。
演出ユニットが表示パネルを有すると、演出ユニットのコストは高くなるが、上記実施形態によって、コストの高い演出ユニットの共通化ができる。
また、この実施の形態では、上記の構成によって、前記演出ユニットは、前記第1の取付部に取り付けられたときと前記第2取付部に取り付けられたときと、異なる態様の演出を実行する(ここでは、図22のように、第1演出ユニット55Aと第2演出ユニット55Bとで異なる画像を表示したり、異なる態様でランプを点灯させたりする。)。
この構成によって、この実施の形態では、演出効果が高まって遊技の興趣が向上する。
前記演出装置は、移動可能な可動部(例えば、演出ユニット55の筐体)と、前記可動部を移動させる移動機構(例えば、演出ユニット55の筐体を回転させるステッピングモータやギアなど)と、を含むようにしてもよい。前記アドレスが設定されるドライバ回路は、例えば、移動機構を駆動制御する駆動回路などであってもよい。
この構成によって、この実施の形態では、演出効果が高まって遊技の興趣が向上する。
また、上記実施形態では、画面分割基板51によって、演出ユニット55に表示する画像を分割するようにしており、これによって、演出ユニット55毎にVDPなどを用意することを防止しているが、各演出ユニット55で表示する画像の画像データを画面分割基板51を介さずに直接各演出ユニット55それぞれに独立して供給するようにしてもよい。
なお、集積回路Tr1やTr2に入力される定電圧Vccは、ランプドライバ回路59A〜59Dから出力される信号をフィードバックしたものとしてもよい。これは特に、ランプドライバ回路59A〜59DのADR0などに入力されるHigh信号が、ランプドライバ回路自身が出力する電圧などに基づいて生成されるものである場合に有効である。また、ランプドライバ回路59A及び59Bは直列に接続され、制御信号がそれぞれに供給されるようにしてもよい。例えば、モータドライバ回路52LC、52LDと同様に、制御信号は、中継回路58LBからランプドライバ回路59Aに供給されるとともに、ランプドライバ回路59Aに中継されてランプドライバ回路59Bに供給されるようにしてもよい。中継回路58LBなどを介さず、同じ制御信号を直接ランプドライバ回路59A及び59Bそれぞれに供給するようにしてもよい。これらはランプドライバ回路59C及び59Dについても同様である。
この発明は、上記実施の形態などについて、さらに様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態などで示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下では、上記実施形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせてもよい。
(変形例1)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例2)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(変形例3)
上記実施形態における技術思想は、遊技を行うための遊技機全般に適用できる。例えば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、例えば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(例えば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(例えばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。例えば、パチンコ遊技機1と同様に、演出ユニットを備えるスロットマシンなどの遊技機にも適用できる。