以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、画像表示装置5の左側に設けられた通過ゲート41を遊技媒体が通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。通過ゲート41への遊技媒体の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普通保留表示器25Cを制御して、各種保留記憶数の表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなど(例えば、音番号データ)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなど(例えば、ランプデータ)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種のフラグやカウンタやタイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。I/O105は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種のフラグやカウンタやタイマなども含む。)が記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、保留表示予告など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクター画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA(ここでは、スーパーA1からスーパーA2に発展するものと、スーパーA1からスーパーA2に発展しないものが用意されている。)、スーパーB(スーパーB1からスーパーB2に発展するものと、スーパーB1からスーパーB2に発展しないものが用意されている。)といったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる(例えば、発展するもの同士、発展しないもの同士を比べた場合。)。
大当り期待度は、例えば、(大当りになる場合にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当りになる場合にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当りになる場合以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予告する予告演出が実行されることがある。
この実施の形態では、予告演出として、保留表示の先読み予告演出(保留表示予告)が実行される。保留表示予告は、保留記憶表示によって表示している保留表示図柄のうち、予告対象(所謂先読みターゲット)となる可変表示に対応する保留表示図柄(先読みターゲットの保留表示予告)を通常時の保留表示図柄(例えば、丸印の図柄)から他の図柄となる保留表示図柄(この実施の形態では、「A」の文字を示す図柄、なお、図柄とは、このように文字や記号などを表すものも含むものとする。)に変更する又は変更しないことなどによって(図28などを参照)、その保留表示図柄に対応する可変表示(予告対象の可変表示)において「大当り」となる可能性などを予告する保留表示予告を実行する。この実施の形態では、このような保留表示予告が実行され、保留表示図柄が変化することによって、先読みターゲットの可変表示にて「大当り」が発生すること(可変表示結果が「大当り」になること)の可能性が高いことが報知される。保留表示予告で保留表示図柄を変化させる態様は、保留表示図柄の色を変更したり、保留表示図柄の柄を変更したり、保留表示図柄を他のキャラクターに変更したりするものであってもよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオン状態であるか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する処理である。
メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。
情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図5参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態時の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。
普通図柄プロセス処理では、例えば、通過ゲート41を遊技球が通過した場合(例えば、スイッチ処理にてゲートスイッチ21がオン状態になっていると判定された場合)に保留数が上限数に達していなければ普図ゲームの保留記憶(例えば、乱数値(遊技用乱数更新処理で更新される乱数のうち、普図ゲーム用の乱数値)を抽出してRAM102に記憶させること)を行ったり、保留記憶を用いて普図ゲームの可変表示結果を決定したり、普図ゲームの変動パターン(変動時間など)を決定したり、変動パターンに従って普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して普通図柄の可変表示を実行して普図ゲームの可変表示結果を導出表示したり、可変表示結果が普図当りの場合に普通可変入賞球装置6Bを拡大開放状態にする処理を行ったりする。タイマ割り込みの発生毎に普通図柄プロセス処理が実行されることによって、普図ゲームの実行や、普図当りのときの普通可変入賞球装置6Bの所定期間の拡大開放状態などが実現される。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定(例えば、送信する制御コマンドの記憶アドレス値をRAM102に格納する等)が行われ、コマンド制御処理では、送信設定された制御コマンドを、実際に演出制御基板12に対して送信する処理が行われる。この送信する処理では、演出制御INT信号などが用いられ、制御コマンドの送信が行われる。
コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図5参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、互いに対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置(演出制御基板12側で制御される。)とは、互いに対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図11)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図13)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。これら決定は、ステップS209で抽出された乱数値MR1、MR3が用いられる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、乱数値MR1が特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1の範囲内であるか否かの判定や、乱数値MR3に基づいて飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるか否かの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告となる保留表示予告を実行するか否かを、決定することができる。
図7に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態、大当り遊技状態に制御されているか否かなどを特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンで時短フラグがオフであるときには遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオンであるときには遊技状態が時短状態及び確変状態(高確高ベース状態)であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、現在が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。特図プロセスフラグの値が、例えば、「4」〜「7」である場合には、現在大当り遊技状態に制御されていると特定すればよい。
CPU103は、現在が大当り遊技状態に制御されている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には(ステップS402;No)、さらに時短制御中であるか否か(時短フラグがオン状態となっているか否か)を判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。「2」でないと判定されたときには(ステップS404;No)、ステップS416の処理を実行する。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8001」〜「9900」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8001」〜「8190」が大当り決定範囲として設定される(図12(A)参照)。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、ステップS416の処理を実行する。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、特定パターン決定範囲を設定する(ステップS413)。特定パターン決定範囲は、例えば合計保留記憶数にかかわらず、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。
ステップS413の処理では、ステップS401の処理により特定された遊技状態に応じて、異なる特定パターン決定範囲が設定されてもよい。一例として、図8に示すように、遊技状態が通常状態である通常時における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」となる範囲に設定する。一方、時短制御が行われる時短状態の間(時短中)における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「240」〜「251」となる範囲に設定する。
可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる可変表示が開始されるときには、図16(A)に示すような通常時のハズレ変動パターン決定テーブルまたは図16(B)に示すような時短中のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、変動パターンが決定される。
図16(A)に示す通常時におけるハズレ変動パターン決定テーブルの設定では、乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。また、図16(B)に示す時短中におけるハズレ変動パターン決定テーブルの設定では、乱数値MR3が「240」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における合計保留記憶数にかかわらず、通常時には乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、また、時短中には乱数値MR3が「240」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンという、特定の変動パターンに決定されると判定することができる。そこで、図7に示すステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が通常状態であれば、ステップS413の処理により「230」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定する。また、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が時短状態(遊技状態が確変状態及び時短状態である場合も含む。)であれば、ステップS413の処理により「240」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定すればよい。
ステップS413の処理により特定パターン決定範囲を設定した後には、図4に示すステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、特定パターン決定範囲とを比較する(ステップS414)。そして、乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS415)。こうした判定を行うための手法は、ステップS407の処理により乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定するための手法と同様であればよい。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口に進入した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、変動パターン決定用の乱数値MR3など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を進入した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S407、S415の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS416)。図9は、ステップS416の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、ステップS406などの処理で実現される入賞時判定が行われないので、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS407にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、先読みターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」になると判定されたので、通知内容が「大当り判定あり」に設定される。ステップS415にて特定パターン決定範囲内であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」に設定される一方、ステップS415にて特定パターン決定範囲外であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」に設定される。
図10(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS416の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図10(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図10(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「大当り判定あり」を示している。コマンドB104HやコマンドB204Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」を示している。コマンドB105HやコマンドB205Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」を示している。
ステップS416の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを、その後に実行するコマンド制御処理において送信するための送信設定が行われる(ステップS417)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS416の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータを含む第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行うことにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドがその後のコマンド制御処理で送信される。
ステップS417の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果(なお、その後に遊技状態が変化する場合もあるので、この結果は必ず正しいものではない。)を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS417の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS418)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図10(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。第1保留記憶数が「1」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC101Hとなり、第1保留記憶数が「2」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC102Hとなり、第1保留記憶数が「3」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC103Hとなり、第1保留記憶数が「4」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC104Hとなる。同様に、第2保留記憶数が「1」から「4」のいずれかである場合には、第2保留記憶数通知コマンドはコマンドC101HからコマンドC104Hのうちの第2保留記憶数の数字に対応したいずれかとなる。第1保留記憶数や第2保留記憶数は、第1保留記憶数カウンタのカウント値や第2保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図7に示すステップS418の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。なお、始動口バッファの値によらず、両方のコマンドを送信する設定を行ってもよい。
ステップS418の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応しても送信される。また、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S415の処理を実行せずにステップS416の処理に進み、特定パターン決定範囲の判定が制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図11は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図6に示すステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図12(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の確変フラグがオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合、図12(A)中において通常状態又は時短状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図12(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図12(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図12(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合(ステップS240;No)、ステップS243の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図13は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図14は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図13に示すステップS262の処理では、例えば図15に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」のときには(大当り種別が「非確変」のときには)変動パターンPA3−4を選択し、大当り種別バッファ設定値が「1」のときには(大当り種別が「確変」のときには)変動パターンPA3−5を選択する。
図13に示すステップS265の処理では、遊技状態が時短状態でない時短中以外の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、時短フラグがオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図16(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図16(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値又は第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値から特定すればよい。CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、時短中以外のときと時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、時短中でないときには合計保留記憶数が「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには合計保留記憶数が「0」、「1」、「3」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図16(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図16(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図13に示すステップS262、S265のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、例えば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行われる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する設定を行う。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである(図10(A)参照)。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(例えば、第1特図や第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンド(確定特別図柄が停止表示されたことを指定する演出制御コマンド)の送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行われる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする(ステップS353)。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、大当りの開始を指定する演出制御コマンドである大当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する演出制御コマンドであって遊技状態が変化したときなどに送信される遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態又は高確低ベース状態を指定するコマンド)を送信する設定を行う。時短フラグがオフ状態であると判定した場合や、「1」減算したあとのカウント値が「0」であると判定した場合には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、例えば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算される。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する(適宜の処理を行ってから終了してもよい。)。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(例えば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(例えば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。
1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(例えば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、大当り遊技状態を終了するためにエンディングの開始を指定する大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行う。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行われる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
例えば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「50」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データを適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図17は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理が再度実行される。
図18は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図18のコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータなどを確認することなどにより(以下、演出制御コマンドの受信の有無についての判定において同じ。)、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動入賞時コマンド(第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンド)と、第2始動入賞時コマンド(第2始動口入賞指定コマンド及び第2保留記憶数通知コマンド)と、のいずれかを受信したか否かを判定する(ステップS681)。
第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には(ステップS681;Yes)、図19(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドとを順番に記憶させる(ステップS682)。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、図21(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる(ステップS682)。
図19(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図19(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図7に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図21(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図21(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図21(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。なお、各バッファにおける保留表示予告設定値については後述する。第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに(この実施の形態では、後述のステップS951の処理が実行されるごとに)、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図21(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、後述のステップS951において保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされる。保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドがある場合には、これら各コマンドも、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
なお、第1始動入賞時コマンドバッファに保留表示番号「4」まで第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドが格納されているときに、第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドがさらに送信されてきた場合には、送信されてきた順序が分かるように、RAM122の所定領域に設けられた第1所定バッファに第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを格納するようにしてもよい。第2始動入賞時コマンドバッファに保留表示番号「4」まで第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドが格納されているときに、第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドがさらに送信されてきた場合には、送信されてきた順序が分かるように、RAM122の所定領域に設けられた第2所定バッファに第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを格納するようにしてもよい。そして、第1始動入賞時コマンドバッファ又は第2始動入賞時コマンドバッファそれぞれについて、コマンドの削除にともなって、第1所定バッファ又は第2所定バッファに格納されているコマンド(最も古い受信コマンド)を保留表示番号「4」に格納するようにしてもよい。これによって、主基板11側と演出制御基板12側の保留記憶を精度良く対応させることができる(特に、主基板11でステップS110の処理を実行したあとにステップS101にて始動入賞が発生してしまった場合)。
図21(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファのうち、保留表示番号「2」に対応した領域については、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。つまり、保留表示番号「2」に対応した領域に格納された第1保留記憶数通知コマンドは、コマンドC101Hであるが、このコマンドC101Hが通知する第1特図保留記憶数は「1」であり、不整合が生じている。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数よりも保留表示番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第1特図保留記憶数が第1始動入賞時コマンドバッファの記憶内容から特定される第1特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりも保留表示番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における特図保留記憶数と保留表示番号の相違は矛盾(不整合)となり得る。
なお、特別図柄の変動開始時に主基板11から送信される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようする。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄(例えば、0000Hとなる。)となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
ステップS682の処理のあと、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす(ステップS683)。始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第1保留表示によって特定可能となっている第1特図保留記憶数を1つ増加させる。なお、保留表示図柄がすでに4つになっている場合には、保留表示図柄の数を増やさないようにするとよい。始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第2保留表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ増加させる。なお、保留表示図柄がすでに4つになっている場合には、保留表示図柄の数を増やさないようにするとよい。
第1特図保留記憶部と第1始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第1特図保留記憶部の保留番号と第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データと、第1始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。このため、保留表示番号も、保留表示図柄の表示位置に対応する。例えば、保留表示番号「3」に対応して受信コマンドが格納されている場合には、この保留表示番号と同じ番号の保留番号に関連付けられて保留データが第1特図保留記憶部に記憶されており、この保留番号及び保留表示番号に対応する表示位置(始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の左から3番目の表示位置)に保留表示図柄が表示される。
第2特図保留記憶部と第2始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第2特図保留記憶部の保留番号と第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データと、第2始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。このため、保留表示番号も、保留表示図柄の表示位置に対応する。例えば、保留表示番号「3」に対応して受信コマンドが格納されている場合には、この保留表示番号と同じ番号の保留番号に関連付けられて保留データが第2特図保留記憶部に記憶されており、この保留番号及び保留表示番号に対応する表示位置(始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の左から3番目の表示位置)に保留表示図柄が表示される。
ステップS683の処理のあと、又は、ステップS681で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態に変更があったときなどに主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があったか否かを判定し(ステップS687)、受信があった場合には(ステップS687;Yes)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS688)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
ステップS688において、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS688の処理のあと、又は、ステップS687で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS687;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS686)、コマンド解析処理を終了する。
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、保留表示予告などの実行の決定などを行う保留表示予告決定処理(ステップS162)が実行される。
図21は、図20のステップS162にて実行される保留表示予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す保留表示予告等決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。そして、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファまたは第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、少なくともいずれか1つが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定できる。新たな受信コマンドは、前記第1所定バッファや第2所定バッファに格納されていたものが、始動入賞コマンドバッファのコマンドのシフトに伴って、保留表示番号「4」に格納されたコマンドであってもよいし、このコマンドは、対象外としてもよい(対象外とする場合には、保留表示予告設定値を後述の「1」とするか、設定無し(後述の「0」)とするとよい。)。
新たなコマンドの格納がないなどして、ステップS502にていずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS502;No)、保留表示予告決定処理を終了する。一方、新たなコマンドの格納があるなどして、新たな受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS502;Yes)、保留表示予告の実行が制限される保留表示予告制限があるか否かを判定する(ステップS504)。演出制御用CPU120は、所定の保留表示予告制限条件が成立したか否かの判定を行い、成立したと判定された場合に、保留表示予告制限があると判定すればよい。保留表示予告制限条件は、例えば新たな受信コマンドとなっている第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「入賞時判定制限中」である場合に成立すればよい。
この実施の形態において、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。この場合、高開放制御が行われている高ベース中には、第2始動入賞口に遊技球を容易に進入させて、優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象(ターゲット)とする保留表示予告を実行すると、例えば可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回にわたり容易に繰り返し実行することができる。このとき、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になれば、先読み予告による予告対象となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になることもあわせて、遊技状態を繰り返し大当り遊技状態とすることが可能になり、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
また、仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする保留表示予告を実行すると、この先読み予告により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識した遊技者は、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し進入させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を進入させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかを、自己の技量により選択することができる。そのため、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングが、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース中には、第1始動入賞の発生に基づく保留表示予告の実行を制限する保留表示予告制限条件を成立させる。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。遊技状態が大当り遊技状態であるときにも、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御に伴う高開放制御が行われることから、同様に保留表示予告制限条件を成立させるとよい。
ステップS504にて保留表示予告制限なしと判定された場合には(ステップS504;No)、RAM122の所定領域に設けられた演出実行制限フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS505)、演出実行制限フラグがオフ状態である場合には(ステップS505;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンドであり、ここでは、ステップS502で有りと判定された新たな受信コマンドであるが、始動入賞時コマンドバッファに記憶された全てのコマンドを対象としてもよい。)の順序と内容をチェックして(ステップS506)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS507にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS507;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドなどの数をチェックして合計保留記憶数が「3」以上であるかを判定する(ステップS508)。合計保留記憶数が「3」以上である場合には(ステップS508)、予告決定処理を実行する(ステップS509)。なお、保留表示予告制限があったり(ステップS504;Yes)、演出実行制限フラグがオン状態となっていたり(ステップS505;Yes)、正常受信でなかったり(ステップS507;No)、保留記憶数が3以上でない場合(ステップS508;No)には、保留表示予告決定処理を終了する。
図22は、予告決定処理として、図20のステップS509にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す予告決定処理において、演出制御用CPU120は、ステップS502で有りと判定された新たな受信コマンド(以下、単に新たな受信コマンドということがある。)に対応して表示される保留表示図柄を先読みターゲットとして保留表示予告を実行するか否かを決定する(ステップS901)。一例として、ステップS901の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告実行決定用の乱数値SR2(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告実行決定テーブルを参照することなどにより、保留表示予告の実行の有無を決定すればよい。
図23(A)は、保留表示予告実行決定テーブルの内容を示している。保留表示予告実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、保留表示予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR2に基づいて、保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、乱数値SR2に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、保留表示予告を実行することを決定する。実行無しの場合には、保留表示予告を実行しないと決定する。
図23(A)のように、この実施の形態では、保留表示が実行される確率が1/2になっているが、例えば、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合には、保留表示予告を実行すると決定されやすくし、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容がそれ以外である場合(「大当り」ではないとの判定結果である場合)には、保留表示予告を実行しないと決定されやすくするように、前記テーブルを構成してもよい。このような場合には、保留表示予告が実行されたときには、ターゲット(新たな受信コマンドに対応する保留記憶)の可変表示の表示結果が「大当り」になりやすくなる(ターゲットの可変表示についての大当り期待度が高い)。
ステップS901のあと、演出制御用CPU120は、ステップS901の決定結果に基づいて、今回保留表示予告を実行するか否かを判定し(ステップS902)、ステップS901の処理において保留表示予告を実行すると決定している場合(ステップS902;Yes)、保留表示予告の種別を決定する(ステップS903)。
この実施の形態では、保留表示予告の種別として、「第1」と「第2」とが用意されている。
第1の保留表示予告では、図28に示すように、まず、所定の予告演出用図柄(「A」の文字が入った星の画像5A)が画面右上端から現れる。そして、予告演出用図柄が、先読みターゲットとなる保留表示図柄(左から3つ目の「○」の画像5X)に向かって移動する(図28(a))。その後、予告演出用図柄が先読みターゲットの保留表示図柄に到達(この実施の形態では、衝突)し、到達後に先読みターゲットの保留表示図柄が到達前とは異なる他の保留表示図柄(「A」の文字を示す図柄の画像5Y)に変化する(図28(b))。このような一連の演出が第1の保留表示予告である。なお、図28(a)の矢印は、予告演出用図柄の移動方向を示し、実際の演出画像では表示されない。
第2の保留表示予告では、図29に示すように、まず、所定の予告演出用図柄(「A」の文字が入った星の画像5A)が画面右上端から現れる。そして、予告演出用図柄が、先読みターゲットとなる保留表示図柄が表示されている領域の近傍領域に向かって移動する(図29(a))。そして、予告演出用図柄は近傍領域に到達し、近傍領域を通り過ぎて画面下端に消えていく(図29(b))。このとき、先読みターゲットとなる保留表示図柄は他の保留表示図柄(「A」の文字を示す図柄の画像)に変化しない。
この実施の形態では、近傍領域は、先読みターゲットとなる保留表示図柄の右隣の保留表示図柄(第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち同じ特図ゲームについて保留表示が増えたときに新たに表示される保留表示図柄)が表示される表示領域5Zになっている。例えば、図29(a)のように、先読みターゲットとなる保留表示図柄が第1特図ゲームについての3つめの保留記憶に対応して表示される場合には、先読みターゲットとなる保留表示図柄は第1特図ゲームについて保留表示図柄を表示する領域のうちの左から3つめの保留表示図柄用の表示領域に表示され、近傍領域は、左から4つめの保留表示図柄用の表示領域(第1特図ゲームについての4つめの保留記憶に対応して保留表示図柄が表示される領域)となる。なお、図29(a)の点線矢印は、予告演出用図柄の移動方向を示し、実際の演出画像では表示されない。また、点線丸印は、左から4つめの保留表示図柄用の表示領域を示すもので、実際の演出画像では表示されない。近傍領域をこのような領域とすることによって、先読みターゲットとなる保留表示図柄の近くを予告演出用図柄が通ることになり、遊技者は、保留表示予告において、予告演出用図柄が先読みターゲットとなる保留表示図柄に到達するかを予測しづらく、保留表示図柄が変化することへの期待感を高く持つことができる。
なお、先読みターゲットとなる保留表示図柄が、第1保留記憶数又は第2保留記憶数の上限値に対応する保留記憶となる場合(つまり、保留表示図柄が第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの保留を表示する表示領域において左から4つ目の保留表示図柄用の表示領域に表示されているとき)があるときには、近傍領域は、保留表示図柄が表示される保留表示図柄用の表示領域以外の領域とするとよい(例えば、先読みターゲットとなる保留表示図柄のすぐ上の領域など)。先読みターゲットとなる保留表示図柄の右隣に、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち同じ特図ゲームについての新たな保留表示図柄が表示されないからである。
一例として、ステップS903の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告種別決定用の乱数値SR3(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告種別決定テーブルを参照することなどにより、実行する保留表示予告の種別を決定すればよい。
図23(B)は、保留表示予告種別決定テーブルの内容を示している。保留表示予告種別決定テーブルでは、例えば、乱数値SR3と比較される数値(決定値)が、保留表示予告の種別の決定結果に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外(ハズレ時特定パターン判定あり又はハズレ時特定パターン判定なし)であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR3と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、保留表示予告種別決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR3に該当する決定値に割り当てられた種別「第1」または「第2」のいずれかを決定結果とすればよい。実行する保留表示予告の種別を種別「第1」とする場合には、第1の保留表示予告を実行することを決定する。実行する保留表示予告の種別を種別「第2」とする場合には、第2の保留表示予告を実行することを決定する。例えば、乱数値SR3が「30」のときには、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定有り」であるに場合には、第1の保留表示予告を実行すると決定し、それ以外の場合には、第2の保留表示予告を実行すると決定する。
図23(B)のように、この実施の形態では、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合には、第1の保留表示予告を実行する決定割合が第2の保留表示予告を実行する決定割合よりも高くなっており、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容がそれ以外である場合(「ハズレ」であるとの判定結果である場合)には、第2の保留表示予告を実行する決定割合が第1の保留表示予告を実行する決定割合よりも高くなっている。すなわち、第1の保留表示予告と第2の保留表示予告とでは、実行された場合にその予告対象(先読みターゲット)の可変表示(図柄を変更する又は変更しない対象の保留表示図柄に対応する可変表示)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(つまり、その予告対象の可変表示についての大当り期待度)が異なっており、この可能性は、第1の保留表示予告が実行された場合の方が第2の保留表示予告が実行された場合よりも高くなっている。つまり、保留表示図柄の態様が変化したときの方が、大当り期待度が高くなっている。したがって、実行される保留表示予告に対する遊技者の注目を集めることができる。
ステップS901の処理において保留表示予告を実行しないと決定している場合(ステップS902;No)、または、ステップS903の処理を実行した後には、保留表示予告決定処理を終了する。
図21に戻り、ステップS509の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS509での演出の決定内容に応じて、保留表示予告設定値を新たな受信コマンドについて設定する(ステップS511)。保留表示予告設定値は、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに、各保留表示番号に対応した領域に格納される。つまり、保留表示予告設定値は、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納される可変表示毎のコマンドに対応して格納されることになり、保留記憶されている可変表示に対応して設定される(図19(A)及び(B)参照)。
保留表示予告設定値は、保留表示予告の実行内容などに応じて異なる値「1」から「3」のいずれかが設定される(図19(C)参照)。なお、図19(A)及び(B)において、保留表示予告設定値が「0」である欄は、保留表示予告設定値が設定(格納)されていないことが示される。保留表示予告設定値が「1」である場合には、対応する可変表示を予告対象とした保留表示予告が実行されないことが示される(つまり、対応する可変表示を表す保留表示図柄をターゲットとする保留表示予告を実行しないことが示される。)。保留表示予告設定値が「2」である場合には、対応する可変表示を予告対象とした第1の保留表示予告が実行されることが示される(つまり、対応する可変表示を表す保留表示図柄を変更する第1の保留表示予告を実行することが示される。)。保留表示予告設定値が「3」である場合には、対応する可変表示を予告対象とした第2の保留表示予告が実行されることが示される(つまり、対応する可変表示を表す保留表示図柄を変更しない第2の保留表示予告を実行することが示される。)。
ステップS511では、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに新たに格納された新たな受信コマンドに対応付けられた保留表示予告設定値について、ステップS509での演出の決定内容に応じた値を設定(格納)する。例えば、保留表示予告をしないと決定した場合には(この場合、その新たな受信コマンドに対応して実行される可変表示の保留表示図柄は、保留表示予告の先読みターゲットでないことになる。)、「1」の保留表示予告設定値を設定する。第1の保留表示予告を実行すると決定した場合には、「2」の保留表示予告設定値を設定する。第2の保留表示予告を実行すると決定した場合には、「3」の保留表示予告設定値を設定する。これによって、保留表示予告設定値を見れば、保留表示予告の実行の有無、保留表示予告の対象(先読みターゲット)となる保留表示図柄や、保留表示予告の種別(演出態様)を特定できる。
ステップS511の後、演出制御用CPU120は、ステップS509で、保留表示予告の実行を決定したかを判定する(ステップS513)。実行すると決定した場合には(ステップS513;Yes)、演出実行制限フラグをオン状態にする(ステップS514)。これによって、保留表示予告の実行の決定が新たに行われることが防止される。ステップS514のあと、又は、保留表示予告のいずれかの演出も実行しない場合(ステップS513;No)、保留表示予告決定処理を終了する。
図20に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS162の処理を実行したあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行わずに可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図24は、可変表示開始設定処理として、図20のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1など)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出実行決定処理を実行する(ステップS528)。図25は、ステップS528にて実行される演出実行決定処理の一例を示すフローチャートである。
図25に示す演出実行決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば始動入賞時コマンドバッファに格納された、始動口入賞指定コマンド及び保留記憶数通知コマンドと、これらに対応する保留表示予告設定値と、を始動入賞時コマンドバッファからすべて読み出すなどしてチェックする(ステップS951)。
さらに、ステップS951において、演出制御用CPU120は、第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドが第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている場合には(又は、第2変動開始コマンドを受信している場合には)、今回第2特図ゲームが実行されるということなので、保留表示番号「1」に対応して格納された第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンド及びこれらコマンドに対応した保留表示予告設定値を第2始動入賞時コマンドバッファから削除する。一方で、第2始動入賞時コマンドバッファにコマンドが格納されていない場合には(又は、第1変動開始コマンドを受信している場合には)、今回第1特図ゲームが実行されるということなので、保留表示番号「1」に対応して第1始動入賞時コマンドバッファに格納された第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンド及びこれらコマンドに対応した保留表示予告設定値を第1始動入賞時コマンドバッファから削除する。
さらに、ステップS951において、演出制御用CPU120は、前記コマンドや設定値を削除すると、この削除したコマンドが格納されていた始動入賞時コマンドバッファについて、保留表示番号「1」より下位の記憶領域(保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドと、これらに対応する保留表示予告設定値とを、1エントリずつ上位(「1」〜「3」)にシフトする。このような処理によって、今回実行される可変表示に対応するコマンドなどを消化することができる。なお、上述のように、第1始動入賞時コマンドバッファのコマンドを削除する場合には、第1所定バッファにコマンドが格納されている場合には、格納されているコマンド(最も古い受信コマンド)を第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に格納するようにしてもよい。第2始動入賞時コマンドバッファのコマンドを削除する場合には、第2所定バッファにコマンドが格納されている場合には、格納されているコマンド(最も古い受信コマンド)を第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「4」に格納するようにしてもよい。
次に、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす(ステップS952)。
演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側の領域に表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の領域のおける一番右の保留表示図柄を消去する表示を行うか、又は、左側の領域における一番左の保留表示図柄を消去してから左側の領域における他の保留表示図柄を1つずつ左隣に移動させるような表示を開始する。)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。なお、第1所定バッファのコマンドを保留表示番号「4」に格納する場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側の領域の保留表示図柄を4つのままにするとよい。
演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側の領域に表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の領域のおける一番右の保留表示図柄を消去する表示を行うか、又は、右側の領域における一番左の保留表示図柄を消去してから右側の領域における他の保留表示図柄を1つずつ左隣に移動させるような表示を開始する。)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。なお、第2所定バッファのコマンドを保留表示番号「4」に格納する場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側の領域の保留表示図柄を4つのままにするとよい。
なお、保留表示図柄が保留表示予告によって他の図柄に変更されている場合には、保留表示図柄を1つ減らすことに伴って、保留表示予告によって他の図柄に変更された保留表示図柄を隣(例えば、左隣)に移す。なお、変更された保留表示図柄が始動入賞記憶表示エリア5Hの右側又は左側の領域における一番左にあった場合には、今回の可変表示によって先読みターゲットの可変表示が消化されることになるので、変更後の保留表示図柄が無くなるように、変更後の保留表示図柄を削除するなどし、右隣に保留表示図柄がある場合には、その保留表示図柄を左隣(変更後の保留表示図柄が表示されていた部分)に移す。これによって、保留表示予告のターゲットの可変表示が、この後何番目に実行されるかなどを遊技者は容易に把握できる。
次に、演出制御用CPU120は、チェックした保留表示予告設定値のうち、ステップS951で削除した保留表示予告設定値以外の設定値の中に「2」又は「3」が無いかを判定する(ステップS953)。演出制御用CPU120は、ステップS951でコマンド及び設定値を消化したあとの始動入賞時コマンドバッファから保留表示予告設定値を全て読み出して、読み出した設定値の中に「2」又は「3」が無いかを判定してもよい。
「2」又は「3」が無い場合には(ステップS953;Yes)、今回の可変表示において保留表示予告を実行しないので、演出実行決定処理を終了する。「2」又は「3」が有る場合には(ステップS953;No)、保留表示予告を実行するため、保留表示予告設定値に応じた保留表示予告の実行設定を行う(ステップS957)。例えば、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた第1予告用フラグ(保留表示予告設定値が「2」の場合)又は第2予告用フラグ(保留表示予告設定値が「3」の場合)をオン状態にセットする。
その後、「2」又は「3」の当該保留表示予告設定値を「0」に設定し(ステップS958)、演出実行制限フラグをオフ状態とし(ステップS959)、演出実行決定処理を終了する。なお、ステップS958やステップS959の処理は、可変表示の終了時(例えば、ステップS172やS173の処理中)などにおいて実行してもよい。
図24に戻り、ステップS528の演出実行決定処理を実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS528で決定した内容(保留表示予告の種別など)などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。特に、第1予告用フラグがオン状態になっているときには、先読みターゲットとなる保留表示図柄(例えば、保留表示予告設定値が「2」又は「3」となっていた保留表示番号(コマンド消化後の番号)によってその位置を特定できる。)に向かって予告演出用図柄が移動する第1の保留表示予告を実行する演出制御パターンを選択する。また、第2予告用フラグがオン状態になっているときには、先読みターゲットとなる保留表示図柄(例えば、保留表示予告設定値が「2」又は「3」となっていた保留表示番号(コマンド消化後の番号)によってその位置を特定できる。)の近傍領域に向かって予告演出用図柄が移動する第2の保留表示予告を実行する演出制御パターンを選択する。
その後、演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS535)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図26は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、現在が保留表示予告を実行するための保留表示予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。当該期間は、ステップS530の処理により決定(設定)された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値(ステップS551で1減じたタイマ値、以下適宜同じ)と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)が保留表示予告実行期間であることを表しているなどして、保留表示予告実行期間であると判定したときには(ステップS554;Yes)、保留表示予告を実行する動作制御処理を行う(ステップS555)。
図27は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域に設けられた変更フラグ(後述のように第2の保留表示予告の態様を変更した場合にオンになるフラグ)がオン状態になっているかを判定する(ステップS901)。オン状態になっている場合(ステップS901;Yes)、すでに第2の保留表示予告の態様の変更が行われているので、ステップS907の処理を行う。
変更フラグがオン状態になっていない場合(ステップS901;No)、実行する保留表示予告が第2の保留表示予告であるかを判定する(ステップS902)。例えば、第2予告用フラグがオン状態になっているなどして、第2の保留表示予告を実行する場合には(ステップS902;Yes)、ステップS683の処理が実行され保留表示が増加するなどして、保留表示図柄が、今回の第2の保留表示予告における予告演出用図柄が到達する近傍領域に表示されているかを判定する(ステップS903)。上述のように近傍領域は、先読みターゲットとなる保留表示図柄の右隣などである。先読みターゲットとなる保留表示図柄は、例えば、演出制御パターン(例えば、演出制御パターンに先読みターゲットとなる保留表示図柄がどれであるかを特定するデータを予め含ませておくなど)において特定できるようにしておけばよい。また、保留表示図柄が近傍領域に表示されているか否かは、例えば、演出制御用CPU120がRAM122の所定領域に、保留表示図柄の表示状況(どの位置に保留表示図柄を表示したかなどの情報)を格納しておき、演出制御用CPU120がこの表示状況を参照することによって特定すればよい。保留表示図柄が近傍領域に表示されている場合(ステップS903;Yes)、当該実行中の第2の保留表示予告の実行中に保留表示図柄が近傍領域に表示されたことなどになる。
このような場合には、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置(予告演出用図柄が近傍領域に到達する前に通過する位置)に到達しているかを判定する(ステップS904)。予告演出用図柄が近くの所定位置に到達しているかは、使用パターンとしてセットされている演出制御パターンにおいて、演出制御プロセスタイマの現在のタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータによって特定できるようにしておけばよい。例えば、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置に到達した以降の期間のプロセスタイマ判定値に、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置に到達している旨を示すデータを予め対応付けておくなどすればよい。
プロセスタイマ判定値に、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置に到達している旨を示すデータが対応付けられていないなどして、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置に到達していない場合には(ステップS904;No)、現在使用パターンとしてセットされている演出制御パターンを書き換え、予告演出用図柄が当該所定領域に到達するときに消える表示となるように、演出制御パターンの内容を書き換える(ステップS905)。なお、書き換え用のデータは、予めROM121などに格納されて用意されていればよい。なお、このような場合には、例えば、予告演出用図柄が消えたときをもって第2の保留表示予告を終了するものとする。その後、変更フラグをオン状態にする(ステップS906)。
第2の保留表示予告でない場合(ステップS902;No)、近傍領域に保留表示図柄が表示されていない場合(ステップS903;No)予告演出用図柄が近傍領域の近くに到達した場合(ステップS904;Yes)、ステップS906の後などには、保留表示予告動作制御を行う(ステップS907)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとしての演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、保留表示図柄を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS907が繰り返し実行されることで、保留表示予告の実行が実現する。
上記一連の処理によって、第2の保留表示予告の実行中において、予告演出用図柄が向かう近傍領域に保留表示図柄が表示された場合に、予告演出用図柄が消えるようになる。第2の保留表示予告の実行中において近傍領域に保留表示図柄(以下、新たな保留表示図柄という。)が表示された場合には、予告演出用図柄が新たな保留表示図柄に向かって移動して到達することになる(但し、保留表示図柄の図柄の変更は無い)。これによって、遊技者は、新たな保留表示図柄が先読みターゲットと誤認してしまう恐れがある(特に、予告演出用図柄が近傍領域の近くまで到達しているとき。)。つまり、本当は第2の保留表示予告が実行されているのに、第1の保留表示予告が実行されていると誤認してしまう。そして、予告演出用図柄が保留表示図柄に到達したにも係わらず、当該保留表示図柄は先読みターゲットでなく図柄の変更がなされないので、遊技者は落胆し、また、演出が紛らわしいので遊技の興趣が低下してしまう。この実施の形態では、予告演出用図柄を所定領域に到達するとき(つまり近傍領域に到達する前)に消す。これによって、遊技者の前記誤認などを発生し難くし、遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、この実施の形態では、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときには、新たな保留表示図柄の表示があっても、予告演出用図柄を消去しないようになっている(ステップS904などを参照)。例えば、近くの所定位置は、近傍領域に近接する領域の位置(例えば、その位置で予告演出用図柄を消去することで、予告演出用図柄が保留表示図柄と衝突して消えてしまうと誤認させてしまうような位置)であり、このような位置で予告演出用図柄を消去すると、余計に第1の保留表示予告が実行されたように見えてしまう可能性があり、そして、保留表示図柄が変更されないので、遊技者の落胆や演出の紛らわしさが余計に発生してしまう可能性がある。そこで、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときには、あえて予告演出用図柄を消去させないようにし、今回の保留表示予告が第2の保留表示予告であるがたまたま近傍領域に保留表示予告が発生してしまったことを遊技者に報知することによって、落胆や紛らわしさを発生し難くする。近くの所定位置は、その位置に予告演出用図柄が到達してしまうと、予告演出用図柄を消すことを実現する演出制御パターンの書き換えがタイミング的に困難になってしまう位置(例えば、予告演出用図柄を消す位置を固定とした場合において、予告演出用図柄が当該消す位置を通過したあとに到達する位置)であってもよい。これらのときには、予告演出用図柄を新たな保留表示図柄の上に重ねるようにして移動させることで、今回の保留表示予告が第1の保留表示予告でないことを報知するようにするとよい。なお、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときでも、予告演出用図柄を消去するように演出制御パターンの書き換えを行ってもよい。このような場合でも、予告演出用図柄が消去されることには違いないので、上記効果がある程度得られる。
また、前記の予告演出用図柄を消去しないようにすることなどの代わりに、例えば、ステップS683の処理において、第2の保留表示予告の実行時ではステップS901〜ステップS904と同様の処理を行って、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときを判定し、移動してしまっている場合には、現在実行中の第2の保留表示予告が終了するまで、近傍領域への新たな保留表示図柄の表示を保留し、第2の保留表示予告の終了後(例えば、それまでYesと判定していたステップS554でNoと判定することになったあと)に新たな保留表示図柄の表示を行うようにしてもよい。このような場合、第2の保留表示予告において、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときに新たな保留表示図柄の表示が発生しないので、第1の保留表示予告が実行されたように見えてしまうことが防止され、遊技の興趣の低下を防止することができる。
図26に戻り、現在が保留表示予告を実行するための保留表示予告実行期間でない場合(ステップS554;No)、ステップS555のあと、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行う(ステップS559)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
ステップS559のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS558;No)、その他の演出動作制御を行う(ステップS562)。例えば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS557が繰り返し実行されることで、他の演出(例えば、飾り図柄の可変表示動作などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS562のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS565にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、大当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS568)、可変表示中演出処理を終了する。なお、“3”に更新するときなどには、第1予告用フラグ、第2予告用フラグ、変更フラグなどをリセットするようにするとよい。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、例えば、大当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態に対応した演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
大当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(大当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
ステップS174の大当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(例えば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。大当り中処理では、さらに、大当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、大当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに大当り中処理を終了する。また、大当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターン(ここでは、エンディングは大当り種別に係わらず共通である。)を使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行う。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードである場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなどは、適宜リセットされる)。
続いて、保留表示予告が実行されるときの主な演出動作例を図28〜図30などを参照して説明する。図28〜図30は、画像表示装置に表示される画面例を示す図である。
第1の保留表示予告が実行されるときには、まず、所定の予告演出用図柄としての星の画像5Aが画面右上端から現れる。そして、画像5Aが、先読みターゲットとなる保留表示図柄の画像5Xに向かって移動する(図28(a))。その後、画像5Aが画像5Xに衝突し、到達後に先読みターゲットの保留表示図柄が到達前とは異なる他の保留表示図柄としての「A」の文字を示す図柄の画像5Yに変化する(図28(b))。このような一連の演出が第1の保留表示予告である。なお、図28(a)の矢印は、予告演出用図柄の移動方向を示し、実際の演出画像では表示されない。
第2の保留表示予告では、まず、所定の予告演出用図柄としての星の画像5Aが画面右上端から現れる。そして、画像5Aが、先読みターゲットとなる保留表示図柄が表示されている領域の近傍領域5Zに向かって移動する(図29(a))。そして、予告演出用図柄は近傍領域5Zを通り過ぎて画面下端に消えていく(図29(b))。このとき、先読みターゲットとなる保留表示図柄の画像5Xは画像5Aに変化しない。
また、第2の保留表示予告の実行中に近傍領域5Zに新たな保留表示図柄(画像5N)が表示されてしまった場合(図30(b))には、予告演出用図柄としての星の画像5Aは、近傍領域に到達する前に消える(図30(c))。このような構成によって、近傍領域5Zの新たな保留表示図柄(画像5N)に予告演出用図柄が到達しないことになるので、保留表示図柄の画像5Nが先読みターゲットであると誤認される、予告演出用図柄が保留表示図柄に到達したにも係わらず当該保留表示図柄は先読みターゲットでなく図柄の変更がなされないことによる遊技者の落胆、及び、演出の紛らわしさなどの不都合が防止され、遊技の興趣の低下を防止できる。
以上のように、この実施の形態では、遊技領域に設けられた始動領域(この実施の形態では、第1始動入賞口や第2始動入賞口)に遊技媒体(この実施の形態では、遊技球)が進入した後に識別情報(この実施の形態では、特別図柄や飾り図柄)の可変表示を開始することを許容する開始条件が成立したことに基づいて、識別情報の可変表示(この実施の形態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示)を行い表示結果を導出し、前記表示結果として予め定められた特定表示結果(この実施の形態では、「大当り」の図柄)を導出したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(この実施の形態では、大当り遊技状態)に制御する遊技機が構成される。
さらに、前記始動領域に前記遊技媒体が進入したときに、識別情報の可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定するために用いる決定用情報(この実施の形態では、特図表示結果決定用の乱数値MR1)を抽出する抽出手段(この実施の形態では、ステップS209を実行するCPU103)と、前記始動領域に前記遊技媒体が進入したにもかかわらず前記開始条件が成立していない識別情報の可変表示について前記抽出手段が抽出した前記決定用情報を保留記憶する保留記憶手段(この実施の形態では、ステップS210で乱数値MR1が格納される特図保留記憶部)と、前記保留記憶手段が保留記憶する前記決定用情報に対応する保留表示(この実施の形態では、保留表示図柄)を所定の保留表示態様(この実施の形態では、丸印)で表示する保留表示手段(この実施の形態では、演出制御用CPU120の制御のもとで、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示図柄を表示する画像表示装置5)と、前記開始条件が成立した識別情報の可変表示についての前記決定用情報を前記保留記憶手段から読み出し、読み出した当該決定用情報に基づいて、当該可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを当該可変表示の表示結果の導出前に決定する事前決定手段(この実施の形態では、ステップS239の処理を実行するCPU103)と、前記事前決定手段による決定前に、前記決定用情報を用いて当該決定用情報に対応する識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となるか否かを判定する判定手段(この実施の形態では、ステップS211の処理を実行するCPU103)と、前記判定手段の判定結果に基づいて、当該判定結果の対象となる識別情報の可変表示に対応する前記保留表示である対象保留表示(この実施の形態では、先読みターゲットの保留表示図柄)の保留表示態様を制御して、当該対象保留表示に対応する識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果になる可能性を予告する予告演出(この実施の形態では、保留表示予告)を実行する予告演出実行手段(この実施の形態では、CPU103からの始動入賞時コマンドに基づいて、ステップS162の処理で保留表示予告の実行を決定し、ステップS172で保留表示予告を実行する演出制御用CPU120)と、が構成される。
そして、この実施の形態では、前記予告演出実行手段は、演出表示(この実施の形態では、予告演出用図柄)を前記対象保留表示に移動させる表示を行い当該対象保留表示の保留表示態様を変化させる第1予告演出(この実施の形態では、第1の保留表示予告)と、前記演出表示を前記対象保留表示の領域以外の領域である非対象保留表示領域(この実施の形態では、先読みターゲットの近傍領域)に向かって移動させる表示を行い当該対象保留表示の保留表示態様を変化させない第2予告演出(この実施の形態では、第2の保留表示予告)と、を前記予告演出として実行可能であり、前記演出表示は、前記第2予告演出の実行中において前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されたときに、当該新たな保留表示に移動しないように表示される(この実施の形態では、図30を参照)。
これによって、例えば新たな保留表示が対象保留表示であると遊技者が誤解するなどの演出上の不都合を生じさせないようにすることができる。
そして、この実施の形態では、上記構成によって、前記演出表示は、前記第2予告演出の実行中に前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されたときに、消える(この実施の形態では、図30を参照)ようになっている。
これによって、演出表示が消えることで、この実施の形態では新たな保留表示が対象保留表示であると遊技者が誤解するなどの演出上の不都合をより確実に生じさせないようにすることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
前記演出表示は、前記第2予告演出の実行中に前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されたときに、軌道が変化するようにしてもよい。
例えば、ステップS905の演出制御パターンの書き換えにおいて、予告演出用図柄が消えていく内容に演出制御パターンを書き換えるのではなく、代わりに、その軌道を変化させて、前記近傍領域などに到達しない内容に演出制御パターンを書き換える。これによって、例えば、図31のように、第2の保留表示予告の実行中に近傍領域5Zに新たな保留表示図柄(画像5N)が表示されてしまった場合(図31(b))には、予告演出用図柄としての星の画像5Aは、近傍領域に到達する前に軌道を変化させて(図30(c))、当該近傍領域以外の領域に移動して画面から消えていくようにすればよい。このような構成によって、近傍領域5Zの新たな保留表示図柄(画像5N)に予告演出用図柄が到達しないことになるので、保留表示図柄の画像5Nが先読みターゲットであると誤認される、予告演出用図柄が保留表示図柄に到達したにも係わらず当該保留表示図柄は先読みターゲットでなく図柄の変更がなされないことによる遊技者の落胆、及び、演出の紛らわしさなどの不都合が防止され、遊技の興趣の低下を防止できる。
なお、上記の実施形態と同様に、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっているときには、新たな保留表示図柄の表示があっても、軌道を変更しないようにしてもよいが、予告演出用図柄は消えずに近傍領域以外のところへ移動するので、可能であれば軌道を変更するようにしてもよい。予告演出用図柄は消す場合に比べて第1の保留表示予告が実行されたように見え難いなどの理由による。また、前記実施の形態で説明したように、例えば、予告演出用図柄が近傍領域の近くの所定位置まで移動してしまっている場合には、現在実行中の第2の保留表示予告が終了するまで、近傍領域への新たな保留表示図柄の表示を保留し、第2の保留表示予告の終了後に新たな保留表示図柄の表示を行うようにしてもよい。
上記構成によれば、演出表示の軌道が変化することで、この実施の形態では新たな保留表示が対象保留表示であると遊技者が誤解するなどの演出上の不都合をより確実に生じさせないようにすることができる。
(変形例2)
前記予告演出実行手段は、前記演出表示を前記非対象保留表示領域とは異なる領域であって前記保留表示手段によって前記保留表示が表示されない領域に移動させる表示を行い当該対象保留表示の保留表示態様を変化させない第3予告演出を実行可能であり、前記演出表示は、前記第3予告演出の実行中において前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されても、消えずに移動を継続するか、軌道が変化しないようにしてもよい。
例えば、第3予告演出として、第1の保留表示予告及び第2の保留表示予告とは異なる第3の保留表示予告を用意すればよい。そして、この第3の保留表示予告は、例えば、予告演出用図柄(星の画像5A)が、保留表示予告を表示する領域を通過しない(つまり、近傍領域を通過しない)、かつ、先読みターゲットにも到達しない経路であって、例えば、第1の保留表示予告や第2の保留表示予告とは異なる経路(例えば、後述の図33における予告演出用図柄と同じ経路)で、移動して画面から消え、先読みターゲットの保留表示予告は変化しない演出であればよい。そして、このような第3の保留表示予告中に新たな保留表示図柄が近傍領域に表示されたとしても、予告演出用図柄が新たな保留表示図柄に到達することはないので、予告演出用図柄を消したり(上記実施形態)、軌道を変化させたり(変形例1)、しないようにするとよい。そもそも、保留表示図柄の画像5Nが先読みターゲットであると誤認されるなどの上記不都合は発生しないからである。
例えば、ステップS903において参照される保留表示予告種別決定テーブルにおいて、決定値の所定範囲を保留表示予告の種別として「第3」にも割り当ておく。このとき、例えば、大当り判定有りのときには、決定値の範囲を「第1」よりも狭い範囲にするとともに「第2」と同等にし、それ以外のときには、決定値の範囲を「第1」よりも広い範囲にするとともに「第2」と同等の広さにするなどする。第3の保留表示予告が実行されたときの大当り期待度は、第1の保留表示予告が実行されたときの大当り期待度よりも低いとよい。ステップS903では、演出制御用CPU103が、乱数値SR3などに基づいて、保留表示予告種別決定テーブルを参照し、保留表示予告の種別を「第3」と決定する(第3の保留表示予告を実行すると決定する)ことができる。演出制御用CPU103が保留表示予告の種別を「第3」と決定すると、ステップS511において、「第3」に対応する保留表示予告設定値(例えば、「4」)を新たな受信コマンド(先読みターゲットのコマンド)について設定する。ステップS528では、保留表示予告設定値が「4」であれば、第3の保留表示予告の実行設定を行い、この場合にはステップS530で、第3の保留表示予告が実行される演出制御パターンを選択すればよい。このような処理によって、ステップS172では、第3の保留表示予告の実行が実現される。
上記構成によれば、前記不都合の生じない予告演出について演出表示を消さないので又は演出表示の軌道を変化させないので、演出表示を消したり、軌道を変化させたときに生じ得る演出の不自然さを抑制できる。
なお、第2予告演出と第3予告演出とは、途中までは同じ態様(軌道)で前記演出表示を移動させてもよい。第2の保留表示予告と第3の保留表示予告とで、予告演出用図柄の移動の軌道が途中まで共通していてもよい。これによって、予告演出開始時では、予告演出の種別が判別しにくくなり、遊技の興趣が向上する。
(変形例3)
前記予告演出実行手段は、前記第2予告演出又は前記第3予告演出と途中までは同じ態様で前記演出表示を移動させたあとに、前記対象保留表示の保留表示態様を変化させる第4予告演出を実行可能であり、前記第2予告演出(又は前記第3予告演出)を実行した場合の方が実行していない場合よりも前記第4予告演出の実行割合が高くなるように、前記第4予告演出を実行する、ようにしてもよい。
例えば、第4予告演出として、第1〜3の保留表示予告とは異なる第4の保留表示予告を用意すればよい。そして、この第4の保留表示予告は、例えば、予告演出用図柄(星の画像5A)が、第2の保留表示予告又は第3の保留表示予告のいずれか(又は両者であってもよい。)と途中まで同じ経路で移動していく演出であればよい。そして、例えば、第4の保留表示予告は、前記同じ経路で移動したあと、移動の経路(軌道)を変更して、先読みターゲットの保留表示図柄に向かって移動して、当該保留表示図柄に到達し、保留表示図柄を他の保留表示図柄に変更するようなものであればよい。
例えば、図32のように、第4の保留表示予告では、第2の保留表示予告と同様に先読みターゲットの保留表示図柄(画像5X)の近傍領域5Zを通り過ぎるように予告演出用図柄としての星の画像5Aを移動させ(図32(a)及び(b))、その後に予告演出用図柄は経路を変更して、保留表示図柄(画像5X)に到達し(図32(c))、保留表示図柄(画像5X)を他の保留表示図柄(「A」の図柄の画像5Y)に変更させる(図32(d))。このような演出によって、遊技者は、一旦保留表示図柄の変更がないと思っても、最終的に保留表示図柄が変更されることがあるので、大当りへの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、第4の保留表示予告では、第4の保留表示予告の実行中に近傍領域5Zに新たな保留表示図柄(画像5N)が表示された場合には(近傍領域5Zを予告演出用図柄が通過する場合)、新たな保留表示図柄(画像5N)が先読みターゲットであると誤解されないように、例えば、予告演出用図柄を新たな保留表示図柄の上に重ねるようにして移動させることで、今回の保留表示予告が第1の保留表示予告でないことを報知するようにするとよい。
例えば、ステップS903において参照される保留表示予告種別決定テーブルにおいて、決定値の所定範囲を保留表示予告の種別として「第4」にも割り当ておく。このとき、保留表示予告種別決定テーブルとして二種類のテーブルを用意しておく。1つめの保留表示予告種別決定テーブルと2つめの保留表示予告種別決定テーブルとでは、「第4」に割り当てられた決定値の範囲が異なる。具体的には、「第4」の決定割合が、1つめよりも2つ目の方が高くなるように、決定値の範囲が設定されている。例えば、「大当り判定有り」のときと「それ以外のとき」のときとで共に、1つめの方が狭く2つめの方が広い。さらに「第4」に割り当てられた決定値の範囲を、例えば、大当り判定有りのときには、「第2」(及び「第3」)よりも広くし、それ以外のときには、「第2」(及び「第3」)よりも狭くするなどする。第4の保留表示予告が実行されたときの大当り期待度は、第2の保留表示予告(又は第3の保留表示予告)が実行されたときの大当り期待度よりも高いとよい。演出制御用CPU120は、第2の保留表示予告又は第3の保留表示予告を実行したときには、所定のフラグをオン状態としておき、ステップS903において、所定のフラグがオン状態のときには2つめのテーブルを参照し、所定のフラグがオフ状態のときには1つめのテーブルを参照する。このようなことによって、前記第2予告演出(又は前記第3予告演出)を実行した場合の方が実行していない場合よりも前記第4予告演出の実行割合が高くなるように、前記第4予告演出を実行することが実現される。
ステップS903では、演出制御用CPU103が、乱数値SR3などに基づいて、保留表示予告種別決定テーブルを参照し、保留表示予告の種別を「第4」と決定する(第4の保留表示予告を実行すると決定する)と、ステップS511において、「第4」に対応する保留表示予告設定値(例えば、「5」)を新たな受信コマンド(先読みターゲットのコマンド)について設定する。ステップS528では、保留表示予告設定値が「5」であれば、第4の保留表示予告の実行設定を行い、この場合にはステップS530で、第4の保留表示予告が実行される演出制御パターンを選択すればよい。このような処理によって、ステップS172では、第4の保留表示予告の実行が実現される。
なお、前記第2予告演出(又は前記第3予告演出)を実行した場合の方が実行していない場合よりも前記第4予告演出の実行割合が高くなるように、前記第4予告演出を実行する構成は、前記以外の方法でも実現される。例えば、第1〜2の保留表示予告(第3を含んでもよい。)の他に、1回目の可変表示では第2の保留表示予告(又は第3の保留表示予告)を実行しその後の2回目の可変表示では第4の保留表示予告を実行するような保留表示予告のパターンを用意するようにしてもよい。具体的には、ステップS903において参照される保留表示予告種別決定テーブルにおいて、決定値の所定範囲を保留表示予告の種別として「第4」にも割り当ておく。なお、「第4」に割り当てられた決定値の範囲は、「第2」(及び「第3」)の範囲よりも広くし、「第4」の決定割合を「第2」(及び「第3」)よりも高くしておく(なお、このときには、大当り期待度を考慮しなくてもよい)。ステップS901で「4」の種別が選ばれた場合には、ステップS511において、「第4」に対応する保留表示予告設定値(例えば、「5」)を新たな受信コマンド(先読みターゲットのコマンド)について設定する。ステップS528では、保留表示予告設定値が「5」であれば、1回目の可変表示では第2の保留表示予告(又は第3の保留表示予告)を実行しその後の2回目の可変表示では第4の保留表示予告を実行するような実行設定を行う(例えば、RAM122に設けられた所定のカウンタに「2」をセットする)。ステップS530では、所定のカウンタが「2」の場合には、第2の保留表示予告(又は第3の保留表示予告を実行する実行設定を行う)を実行する演出制御パターンを選択し、所定のカウンタが「1」の場合には、第4の保留表示予告を実行する演出制御パターンを選択する。このような処理によって、ステップS172では、1回目の可変表示で第2又は第3の保留表示予告が実行され、2回目の可変表示で第4の保留表示予告の実行が実現される。なお、このような場合には、最低でも2回の可変表示が必要になるため、例えば、新たな受信コマンドの前に消化されるコマンドが、2つ又は3つ以上あるときにのみ、新たな受信コマンドについて、保留表示予告設定値を設定するようにするとよい。
上記構成によれば、遊技者は、第2の予告演出(又は第3予告演出)が実行されたとしても、第4予告前演出が実行されることを期待できるので、遊技者の期待感を持続させることができる。
(変形例4)
また、前記予告演出実行手段は、前記予告演出を実行して前記対象保留表示の保留表示態様を制御するときに、当該対象保留表示に対応する識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果になる割合が異なるように、当該保留表示態様を複数種類のいずれかに変化させることが可能であり、前記遊技機は、前記予告演出によって前記対象保留表示の保留表示態様を変化させる場合の変化後の保留表示態様を示唆可能な示唆演出を実行する示唆演出実行手段を備え、前記予告演出実行手段は、前記示唆演出によって示唆される前記変化後の保留表示態様が前記特定表示結果になる割合が第1割合となる保留表示態様である場合の方が、前記特定表示結果になる割合が前記第1割合よりも低い第2割合となる保留表示態様である場合よりも、高い割合で前記予告演出を実行する、ようにしてもよい。以下、このような構成を実現する一例を説明する。
例えば、第1の保留表示予告などの保留表示予告に用いられる予告演出用図柄としての星の画像として、「A」の星(画像5A)、「B」の星(図33の画像5B)を用意する。そして、示唆演出としては、例えば、予告演出用図柄としての「A」又は「B」の星が所定位置まで移動して停止する演出が用意される。そして、保留表示予告(少なくとも第1の保留表示予告及び第2の保留表示予告)は、停止した前記所定位置を「A」又は「B」の星のスタート地点とする演出として用意される。つまり、保留表示予告では、停止した前記所定位置から「A」又は「B」の星が、先読みターゲットの保留表示図柄又はその近傍領域に向かって移動する。示唆演出が実行され、保留表示予告などの予告演出が実行されない場合には、例えば、「A」又は「B」の星が所定位置まで移動しても停止せずにそのまま過ぎ去っていく(先読みターゲットの保留表示図柄又はその近傍領域には向かわない演出)(図33参照)。
予告演出用図柄としての「A」の星の画像を用いた示唆演出を示唆演出Aとし、予告演出用図柄としての「B」の星の画像を用いた示唆演出を示唆演出Bとする。同様に、予告演出用図柄としての「A」の星の画像を用いた保留表示予告を保留表示予告Aとし、予告演出用図柄としての「B」の星の画像を用いた保留表示予告を保留表示予告Bとする。
保留表示予告Aのうち、上記実施形態の第1の保留表示予告に対応するもの(予告演出用図柄がターゲットの保留表示図柄に到達して、保留表示図柄を「A」の図柄に変更する演出)を第1の保留表示予告Aという。保留表示予告Aのうち、上記実施形態の第2の保留表示予告に対応するもの(予告演出用図柄がターゲットの保留表示図柄の近傍領域に到達して、保留表示図柄を「A」の図柄に変更しない演出)を第2の保留表示予告Aという。
保留表示予告Bのうち、上記実施形態の第1の保留表示予告に対応するもの(予告演出用図柄がターゲットの保留表示図柄に到達して、保留表示図柄を「B」の図柄に変更する演出)を第1の保留表示予告Bという。保留表示予告Bのうち、上記実施形態の第2の保留表示予告に対応するもの(予告演出用図柄がターゲットの保留表示図柄の近傍領域に到達して、保留表示図柄を「B」の図柄に変更しない演出)を第2の保留表示予告Bという。
なお、その他、第3や第4の保留表示予告に対応する、保留表示予告Aや保留表示予告Bを用意してもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、ステップS509の処理において、ステップS502で有りと判定された新たな受信コマンド(以下、単に新たな受信コマンドということがある。)に対応して表示される保留表示図柄を先読みターゲットとする示唆演出を実行するか否かを決定する。この処理では、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告実行決定用の乱数値SR5(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出実行決定テーブルを参照することなどにより、示唆演出の実行の有無を決定すればよい。示唆演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR11と比較される数値(決定値)が、保留表示予告を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR11に基づいて、保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、乱数値SR11に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」(決定値が「1〜50」の場合)又は「実行無し」(決定値が「51〜100」の場合)のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、示唆演出を実行することを決定する。実行無しの場合には、示唆演出を実行しないと決定する。
示唆演出を実行すると決定した場合には、演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告実行決定用の乱数値SR12(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出種別決定テーブル(図34)を参照することなどにより、示唆演出の種別を決定する。図34に示す示唆演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR12と比較される数値(決定値)が、示唆演出の各種別に割り当てられていればよい。
上記のように、示唆演出としては、示唆演出Aと示唆演出Bとがあり、さらに、これらについて、保留表示予告が実行されるものと実行されないものがある。示唆演出Aが実行され、保留表示予告Aが実行されるものを予告演出有(A)とし、示唆演出Aが実行されるが保留表示予告が実行されないものを予告演出無(A)とする。示唆演出Bが実行され、保留表示予告Bが実行されるものを予告演出有(B)とし、示唆演出Bが実行されるが保留表示予告が実行されないものを予告演出無(B)とする。演出制御用CPU120は、示唆演出種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR12に基づいて、示唆演出種別決定テーブルを参照することにより、乱数値SR12に該当する決定値に割り当てられた「予告演出有(A)」、「予告演出無(A)」、「予告演出有(B)」、「予告演出無(B)」のいずれかを示唆演出の種別の決定結果とすればよい。図34では、示唆演出Aと示唆演出Bとを比べると、示唆演出Aの方が、保留表示予告を実行する示唆演出の種別が選択されやすくなっている。
「予告演出有(A)」が選択された場合には、演出制御用CPU120は、例えば、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告種別決定用の乱数値SR13(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された図35(A)に示す第1保留表示予告決定テーブルを参照することなどにより、保留表示予告Aの種別(第1の保留表示予告A又は第2の保留表示予告A)を決める。
第1保留表示予告決定テーブルでは、例えば、乱数値SR13と比較される数値(決定値)が、保留表示予告Aの種別の決定結果に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外(ハズレ時特定パターン判定あり又はハズレ時特定パターン判定なし)であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、第1保留表示予告種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR13と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、第1保留表示予告種別決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR13に該当する決定値に割り当てられた種別「第1」または「第2」のいずれかを決定結果とすればよい。実行する保留表示予告の種別を種別「第1」とする場合には、第1の保留表示予告Aを実行することを決定する。実行する保留表示予告の種別を種別「第2」とする場合には、第2の保留表示予告Aを実行することを決定する。例えば、乱数値SR13が「30」のときには、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定有り」であるに場合には、第1の保留表示予告Aを実行すると決定し、それ以外の場合には、第2の保留表示予告Aを実行すると決定する。
「予告演出有(B)」が選択された場合には、演出制御用CPU120は、例えば、乱数値SR13を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された図35(B)に示す第2保留表示予告決定テーブルを参照することなどにより、保留表示予告Bの種別(第1の保留表示予告B又は第2の保留表示予告B)を決める。
第2保留表示予告決定テーブルでは、例えば、乱数値SR13と比較される数値(決定値)が、保留表示予告Bの種別の決定結果に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外(ハズレ時特定パターン判定あり又はハズレ時特定パターン判定なし)であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、第2保留表示予告種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR13と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、第2保留表示予告種別決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR13に該当する決定値に割り当てられた種別「第1」または「第2」のいずれかを決定結果とすればよい。実行する保留表示予告の種別を種別「第1」とする場合には、第1の保留表示予告Bを実行することを決定する。実行する保留表示予告の種別を種別「第2」とする場合には、第2の保留表示予告Bを実行することを決定する。例えば、乱数値SR13が「30」のときには、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定有り」であるに場合には、第1の保留表示予告Bを実行すると決定し、それ以外の場合にも、第1の保留表示予告Bを実行すると決定する。
図35のように、この変形例では、第1の保留表示予告Aが実行された方が、第1の保留表示予告Bが実行されたときよりも、大当り期待度が高くなっている。
上記のようにして、示唆演出の実行有無や種別、保留表示予告演出の実行有無や種別などを決定したあとには、その決定内容に応じた値を前記保留表示予告設定値として、設定する。ステップS528では、保留表示予告設定値に応じて、示唆演出や保留表示予告の実行設定を行い、この場合にはステップS530で、実行設定を行った示唆演出や保留表示予告が実行される演出制御パターンを選択すればよい。このような処理によって、ステップS172では、示唆演出A又はBや保留表示予告A又はBの実行が実現される。
このような構成によれば、前記予告演出によって前記対象保留表示の保留表示態様を変化させる場合の変化後の保留表示態様を示唆可能なため、示唆演出に対する注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。なお、変更後の保留表示図柄の態様や予告演出用図柄の態様は、3種類以上あってもよい。
(変形例5)
上記実施の形態などでは、第2の保留表示予告の実行中に近傍領域に新たな保留表示図柄が表示されたときにのみ、予告演出用図柄を消したり、軌道を変更していたが、第2の保留表示予告は、新たな保留表示が表示されているか否かに係わらず、予告演出用図柄を消したり、軌道を変更したりするなどして、予告演出用図柄が近傍領域に到達しないようにしてもよい。「前記演出表示は、前記第2予告演出の実行中において前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されたときには、当該新たな保留表示に移動しないように表示される」などの表現は、前記第2予告演出の実行中において前記保留表示手段によって前記非対象保留表示領域に新たな保留表示が表示されないときにも、演出表示が当該新たな保留表示が表示されるはずの領域に移動しないように表示されることも含む。
(変形例6)
上記実施の形態では、非対象保留表示領域として、近傍領域を例示した。この近傍領域は、保留表示図柄を表示する表示領域(保留表示図柄と同じ形の表示領域)のうち、先読みターゲットの保留表示図柄の右隣の表示領域(つまり、同じ特図ゲームにおいて、保留記憶が増えたときに保留表示図柄が表示される領域)であるが、例えば、1つ以上の表示領域を挟んで離れた右隣の領域であってもよい。なお、非対象保留表示領域は、前記表示領域を一部とするある程度広い領域であってもよい。このような広い領域であっても、非対象保留表示領域に向かって移動する演出表示などによって、新たな保留表示が対象保留表示であると遊技者が誤解することなどがあるが、上記構成によってこれが解消される。演出表示を非対象保留表示領域に向かって移動させるとは、最終的に演出表示が非対象保留表示領域に到達するか否かは問わず、さらに、通りすぎることも含む。非対象保留表示領域に向かって移動する期間などにおいて、新たな保留表示が対象保留表示であると遊技者が誤解することなどがあるが、上記構成によってこれが解消される。
(変形例7)
予告演出用図柄、保留表示図柄、第1の保留表示予告によって変更された保留表示図柄は、上記実施形態などに限らず適宜の図柄を採用できる。例えば、他の図柄として、キャラクターなどであってもよいし、図形であってもよいし、他の文字であってもよい。予告演出用図柄は、例えば、大砲の弾などであってもよい。保留表示予告の態様も適宜のものであればよい。
(変形例8)
上記実施の形態では、保留表示予告は、表示態様を一度変化させる例を示したが、例えば、一旦保留表示図柄の表示態様を変化させた後、保留表示図柄がシフトするタイミングなどに再度表示態様を変化させるようにしてもよい。これによれば、大当りとなる可能性が低い態様へ変化した場合でも、所定のタイミングでさらに変化するため、遊技者に期待感を持たせることができ、遊技興趣を向上させることができる。
(変形例9)
また、示唆演出や保留表示予告は、可変表示の実行中以外のときに実行されるものであってもよい。示唆演出や保留表示予告は、予告対象の可変表示前であればいつ実行されてもよい。
(変形例10)
上記の実施形態では、図21に示すステップS508にて合計保留記憶数が「3」以上である場合に、ステップS509にて予告決定処理を実行することで保留表示予告が実行可能になる例を示したが、例えば合計保留記憶数にかかわらずステップS509の予告決定処理を実行して、保留表示予告の実行の有無などが決定されてもよい。
(変形例11)
上記実施の形態では、保留表示予告の実行が決定された場合に、図21に示すステップS514にて演出実行制限フラグをオン状態にすることで、保留表示予告の実行の決定が新たに行われることを防止する例を示したが、例えば保留表示予告の実行が決定された後にも新たに保留表示予告の実行の決定を可能にして、保留表示予告が重複して実行されてもよい。
(変形例12)
上記の実施形態では、保留表示予告、示唆演出を実行するときの可変表示の特図変動時間が短い場合には、保留表示予告、示唆演出の実行時間もこれに合わせ、これら演出を可変表示の実行中に終了させるために、短くする必要があるが(つまり、演出そのものを短くするが)、例えば、保留表示予告、示唆演出の実行の有無などを決定するときに、始動入賞時コマンドバッファに格納されたコマンドをチェックするなどして、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間(例えば、保留表示予告及び示唆演出を実行する期間よりも長い期間)よりも長いかを判定し、長いと判定したときに、保留表示予告、示唆演出の実行の有無を決定してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに格納されたコマンドのうち、新たな受信コマンドよりも前に消化されるコマンドをチェックし、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドがあるか否かを判定し、ある場合には、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間よりも長いと判定すればよい(保留表示予告、示唆演出の実行時間は、スーパーリーチのときの特図変動時間よりも短いものとする。)。なお、この場合には、演出制御用CPU120は、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドに対応する可変表示の実行時に保留表示予告、示唆演出を実行するようにすることで(例えば、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドに対応付けて所定のデータを格納しておき、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドを消化するときに、保留表示予告、示唆演出を実行する。)、これら演出のための十分な演出実行時間を確保することができる。なお、演出制御用CPU120は、変形例3に対応して、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドが2つ以上あるか否かを判定し、ある場合には、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間よりも長いと判定して示唆演出や保留表示予告の実行の有無などを決定してもよい。
(変形例13)
実行されると決定された保留表示予告が実行される前に、保留表示予告、示唆演出の実行の有無などが決定されるようにしてもよい。この場合には、各演出について、演出が被らないようにするとよい。
(変形例14)
時短状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるのではなく、次回の大当り遊技状態が開始されたことによってのみ終了してもよい。この場合、時短回数カウンタなどは不要である。また、確変状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。この場合、時短回数カウンタと同様の確変回数カウンタを用意するとよい。
(変形例15)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例16)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。