以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。これらの保留表示図柄は、特図ゲームの実行が開始されるときに、可変表示対象保留記憶エリア5Fにシフトされることとなる。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出(リーチ演出、保留表示予告、示唆演出など、遊技の盛り上げるための演出など)を実行する。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「1」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となり、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「突確」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
大当り種別が「突確」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。あるいは、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口に遊技球が進入しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となることもある。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」または「突確」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。小当り遊技状態が終了した後には、小当り遊技状態となる以前の遊技状態が継続する。ただし、可変表示結果が「小当り」となる特図ゲームが実行されたときに時短状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達していれば、小当り遊技状態の終了後には、時短状態が終了して通常状態になることがある。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
例えば高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、時短状態とはならずに高開放制御が行われないようにしてもよい。なお、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる以前の遊技状態が少なくとも時短状態となっており高開放制御が行われていたときには、大当り遊技状態の終了後も高開放制御が行われるようにしてもよい。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA(ここでは、スーパーA1からスーパーA2に発展するものと、スーパーA1からスーパーA2に発展しないものが用意されている。)、スーパーB(スーパーB1からスーパーB2に発展するものと、スーパーB1からスーパーB2に発展しないものが用意されている。)といったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる(例えば、発展するもの同士、発展しないもの同士を比べた場合。)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予告する予告演出が実行されることがある。
この実施の形態では、予告演出として、保留表示の先読み予告演出(以下、保留表示予告という。)と、複数の可変表示に亘る連続演出が実行される。保留表示予告は、保留記憶表示によって表示している保留表示図柄のうち、予告対象(所謂先読みターゲット)となる可変表示に対応する保留表示図柄を通常時の保留表示図柄(例えば、丸印の図柄)から他の図柄となる保留表示図柄に変更することなどによって、その変更した保留表示図柄に対応する可変表示(予告対象の可変表示)において「大当り」となる可能性などを予告する演出である。詳しくは後述するが、この実施の形態では、保留表示予告として、キャラクタを表示し、表示されたキャラクタが予告対象の保留表示図柄を変更する演出を実行する。なお、保留表示予告では、所定のキャラクタを表示するものの、当該キャラクタが予告対象の保留表示図柄を変更しない演出(擬似演出)が実行されることもある。一方、連続演出は、予告対象の保留の前の保留に対応する可変表示から予告対象の保留に対応する可変表示が終了するまでの間の複数回の可変表示に亘って実行される演出である。連続演出は、複数の可変表示に亘って実行される演出であればよく、例えば、複数回の可変表示に亘って画像表示装置5の画面上に所定の枠を表示したり、背景画像を変更したりといった複数の可変表示中に継続して行う演出や、複数の可変表示の開始直後に所定のキャラクタやメッセージを表示するといった、可変表示期間中の一部の期間に行われる演出が含まれる。保留表示予告と連続演出は、一方の演出が実行される場合と両方の演出が実行される場合がある。なお、この実施の形態では、理解を容易にするため、複数回の可変表示に亘って画像表示装置5の画面上に所定の枠を表示する連続演出が行われるものとして以下説明する。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「突確」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「突確」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とが含まれていればよい(図5参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が進入しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図6(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図6(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図6(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。なお、第1特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第1特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
図6(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。なお、第2特図保留記憶部の保留番号と保留表示図柄の表示位置とは、互いに対応している。このため、第2特図保留記憶部に保留データが記憶されると、この保留データに関連付けられた保留番号に対応する表示位置に保留表示図柄が表示される。例えば、保留番号「1」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の一番左側の第1の表示位置に保留表示図柄を表示する。例えば、保留番号「2」に関連付けて保留データが新たに格納された場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の第1の表示位置の右側に位置する第2の表示位置に保留表示図柄を表示する。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図7は、入賞時乱数値判定処理として、図4のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図11)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図13)において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、乱数値MR1が特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1の範囲内であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるか否かの判定などを行う(所謂「先読み」)。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み予告となる保留表示予告や連続演出を実行するか否かを決定することができる。
図7に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンで時短フラグがオフであるときには遊技状態が確変状態(高確低ベース状態)であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態(低確高ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには遊技状態が通常状態(低確低ベース状態)であること、確変フラグと時短フラグがともにオンであるときには遊技状態が時短状態及び確変状態(高確高ベース状態)であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。特図プロセスフラグの値が、例えば、「4」〜「7」である場合には、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であると特定すればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には(ステップS402;No)、さらに時短制御中であるか否か(時短フラグがオン状態となっているか否か)を判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。例えば、現在の遊技状態が確変状態であれば(確変フラグがオン状態であれば)、「8001」〜「9900」が大当り決定範囲として設定され、現在の遊技状態が非確変状態(確変状態でない状態)であれば(確変フラグがオフ状態であれば)、「8001」〜「8190」が大当り決定範囲として設定される(図12(A)参照)。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、乱数値MR2に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるときの大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のうちいずれとなるかを特定する(ステップS408)。例えばステップS408の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された後述の大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値に対応して大当り種別の決定に用いられるデータ(大当り種別決定用テーブルデータ)を選択する(図12(B)参照)。例えば、始動口バッファ値が「1」であれば、「非確変」、「確変」、「突確」それぞれに、「1」〜「36」、「37」〜「72」、「73」〜「100」の決定値が割り当てられた大当り種別決定用テーブルデータを選択し、始動口バッファ値が「2」であれば、「非確変」、「確変」それぞれに、「1」〜「36」、「37」〜「100」の決定値が割り当てられた大当り種別決定用テーブルデータを選択する。こうして選択されたデータと、図4に示すステップS209の処理により抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2とを比較(逐一比較、または最小値や最大値との比較)することにより、乱数値MR2に基づいて大当り種別がいずれに決定されるかを特定する。このときには、ステップS408の処理により特定された大当り種別が「突確」であるか否かを判定する(ステップS409)。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、小当り決定範囲を設定する(ステップS410)。このときには、ステップS405の処理による大当り決定範囲の設定と同様に、例えば特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「小当り」に割り当てられた決定値の範囲(例えば、「30001」〜「30100」)が、小当り決定範囲として設定されればよい。こうした小当り決定範囲の設定に続いて、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、小当り決定範囲とを比較する(ステップS411)。これにより、乱数値MR1が小当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS412)。この判定は、ステップS407の処理による大当り決定範囲内であるか否かの判定と同様に、乱数値MR1と決定値との逐一比較、または最小値や最大値との比較により、行われるものであればよい。
ステップS412にて小当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS412;No)、特定パターン決定範囲を設定する(ステップS413)。特定パターン決定範囲は、例えば合計保留記憶数にかかわらず、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。
ステップS413の処理では、ステップS401の処理により特定された遊技状態に応じて、異なる特定パターン決定範囲が設定されてもよい。一例として、図8に示すように、遊技状態が通常状態である通常時における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」となる範囲に設定する。一方、時短制御が行われる時短状態の間(時短中)における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「240」〜「251」となる範囲に設定する。
可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる可変表示が開始されるときには、図15(A)に示すような通常時のハズレ変動パターン決定テーブルまたは図15(B)に示すような時短中のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、変動パターンが決定される。
図16(A)に示す通常時におけるハズレ変動パターン決定テーブルの設定では、乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。また、図16(B)に示す時短中におけるハズレ変動パターン決定テーブルの設定では、乱数値MR3が「240」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における合計保留記憶数にかかわらず、通常時には乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、また、時短中には乱数値MR3が「240」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンという、特定の変動パターンに決定されると判定することができる。そこで、図7に示すステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が通常状態であれば、ステップS413の処理により「230」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定する。また、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が時短状態(遊技状態が確変状態及び時短状態である場合も含む。)であれば、ステップS413の処理により「240」〜「251」の範囲をハズレ時特定パターン決定範囲に設定すればよい。
ステップS413の処理により特定パターン決定範囲を設定した後には、図4に示すステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、特定パターン決定範囲とを比較する(ステップS414)。そして、乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS415)。こうした判定を行うための手法は、ステップS407やステップS412の処理により乱数値MR1が大当り決定範囲内や小当り決定範囲内であるか否かを判定するための手法と同様であればよい。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に進入した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に進入した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンド(演出制御コマンドの一例)を送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口に進入した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を進入した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S409、S412、S415の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS416)。図9は、ステップS416の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS409にて大当り種別が「突確」であると判定されたときには通知内容が「短期開放大当り判定あり」に設定される一方、ステップS409にて大当り種別が「突確」以外であると判定されたときには通知内容が「通常開放大当り判定あり」に設定される。ステップS412にて小当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS412;Yes)、通知内容が「小当り判定あり」に設定される。ステップS415にて特定パターン決定範囲内であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」に設定される一方、ステップS415にて特定パターン決定範囲外であると判定されたときには通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」に設定される。
図10(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS416の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図10(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図10(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「通常開放大当り判定あり」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「短期開放大当り判定あり」を示している。コマンドB103HやコマンドB203Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定あり」を示している。コマンドB104HやコマンドB204Hは、通知内容が「ハズレ時特定パターン判定なし」を示している。
ステップS416の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを、その後に実行するコマンド制御処理において送信するための送信設定が行われる(ステップS417)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS416の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータを含む第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドの送信設定を行うことにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドがその後のコマンド制御処理で送信される。
ステップS417の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS417の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS418)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図10(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。第1保留記憶数が「1」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC101Hとなり、第1保留記憶数が「2」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはコマンドC102Hとなり、第1保留記憶数が「3」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC103Hとなり、第1保留記憶数が「4」である場合には、第1保留記憶数通知コマンドはC104Hとなる。同様に、第2保留記憶数が「1」から「4」のいずれかである場合には、第2保留記憶数通知コマンドはコマンドC101HからコマンドC104Hのうちの第2保留記憶数の数字に対応したいずれかとなる。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図7に示すステップS418の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS418の処理が行われ、その後にコマンド制御処理が行われることにより、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ここでは、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が進入して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す演出制御コマンドである保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する演出制御コマンドである合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図7に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S415の処理を実行せずにステップS416の処理に進み、特定パターン決定範囲の判定が制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が進入したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて上記各判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図11は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図12(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。乱数値MR1と特図表示結果決定テーブルの決定値との比較は、逐一比較、または最小値や最大値との比較によって行えばよい(他の乱数値とテーブルの決定値との比較についても同じ。)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「小当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた後述の確変フラグがオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図12(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて(例えば、乱数値を第1特図保留記憶部から読み出したか、第2特図保留記憶部から読み出したかに応じて)、大当り種別を複数種類(第1特図の場合は、「確変」、「非確変」、「突確」、第2特図の場合は、「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図12(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかと、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、今回の特図ゲーム(可変表示)が第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかに応じて乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものであるか第2特図を用いたものであるかを判定し(例えば、ステップS232、S236のいずれの処理を行ったかで判定できる。)、今回の特図ゲームが第1特図を用いたものである場合(ステップS232の処理を行っている場合)には、「突確」を大当り種別として決定(選択)し、今回の特図ゲームが第2特図を用いたものである場合(ステップS236の処理を行っている場合)には、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
図12(B)では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的には、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「突確」とはならないように設定されている。また、大当り種別が「確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が進入しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が進入したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「突確」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合と比べて、大当り種別が「突確」に決定されにくいように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図12(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」、「突確」の場合には「2」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図3のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図13は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図14は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合や大当り種別が「突確」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図13に示すステップS262の処理では、例えば図15(A)に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、大当り種別バッファ設定値と、に基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、大当り種別バッファ設定値が「0」のときには(大当り種別が「非確変」のときには)変動パターンPA3−4を選択し、大当り種別バッファ設定値が「1」のときには(大当り種別が「確変」のときには)変動パターンPA3−5を選択し、大当り種別バッファ設定値が「2」のときには(大当り種別が「突確」のときには)変動パターンPC1−2を選択する。
図13に示すステップS264の処理では、例えば図15(B)に示す小当り変動パターン決定テーブルを用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブルでは、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「突確」となる場合とは異なっている。これにより、変動パターンにおける飾り図柄の可変表示態様やリーチ演出の演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となり大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(突確期待度)を異ならせることができる。なお、大当り種別が「突確」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「突確」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、小当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
図13に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、時短フラグがオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図16(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図16(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値から特定すればよい。CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「3」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図16(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図16(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図13に示すステップS262、S264、S265のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図14に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターン(ステップS262、S264、S265の処理で選択した変動パターン)を指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、ステップS246において決定された確定特別図柄に基づいて、特別図柄の可変表示結果(「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれであるか、大当り種別が何であるかなど)を指定する演出制御コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図3のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図3のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグがオン状態となっているか否かの判定などが行われる。
図17は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS351)。大当りフラグがオン状態である場合(ステップS351;Yes)、時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、時短回数カウンタのカウント値を「0」にすることなどによって、時短フラグ及び確変フラグ、時短回数カウンタをリセットする(ステップS352)。時短回数カウンタは、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントするカウンタである。
その後、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS353)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられたラウンド数計数用カウンタ(大当り遊技状態で実行される残りのラウンド数をカウントするためのもの、ラウンド数カウンタともいう。)にカウント初期値(例えば、「15」)を設定し(ステップS354)、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)と、確変フラグのオン状態・オフ状態及び時短フラグのオン状態・オフ状態を指定することなどによって現在の遊技状態(ステップS356では、通常状態)を指定する遊技状態指定コマンド(演出制御コマンド)と、の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「4」に更新し(ステップS356)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、大当りフラグがオン状態でない(オフ状態である)場合(ステップS351;No)、時短フラグがオンであるかを判定する(ステップS357)。CPU103は、時短フラグがオンである場合には(ステップS357;Yes)、時短回数カウンタのカウント値を「1」減らし(ステップS358)、減らした後のカウント値が「0」であるかを判定する(ステップS359)。CPU103は、カウント値が「0」である場合(ステップS359;Yes)、時短フラグをオフ状態にし(ステップS360)、時短状態を終了させる。CPU103は、ステップS360の処理を行った後には、現在の遊技状態(時短が終了した遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行う(ステップS361)。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、ステップS361の後、時短フラグがオンでない場合(ステップS357;No)、カウント値が「0」でない場合(ステップS359;No)、CPU103は、小当りフラグがオン状態であるか否かを判定する(ステップS362)。小当りフラグがオン状態である場合(ステップS362;Yes)、小当り開始時演出待ち時間(小当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し(ステップS363)、ラウンド数計数用カウンタ(ラウンド数カウンタ)にカウント初期値(例えば、「15」)を設定し(ステップS364)、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する制御コマンドである当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い(ステップS355)、特図プロセスフラグを「8」に更新し(ステップS366)、特別図柄停止処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。小当りフラグがオン状態でない場合(ステップS362;No)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS369)、特別図柄停止処理を終了する。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時や小当り時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図3のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、ラウンド数計数用カウンタの値が「1」減らされ、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否か(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」であるか否か)を判定する処理や、上限回数に達していない場合(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」でない場合)に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したとき(ラウンド数計数用カウンタの値が「0」になったとき)には、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。図18は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出(エンディング演出)待ち時間(大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としての後述のエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間であり、予め設定された時間)が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図3に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値がRAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
これに対して、ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、CPU103は、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ及び確変フラグを切り替える(ステップS323)。大当り種別が「非確変」であれば(大当り種別バッファ設定値が「0」であれば)、確変フラグをオフ状態のままにして時短フラグをオン状態にし、大当り種別が「確変」又は「突確」であれば(大当り種別バッファ設定値が「1」又は「2」であれば)、確変フラグ及び時短フラグをオン状態にする。このようにして、大当り種別が「非確変」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、時短制御のみの低確高ベース状態になり、大当り種別が「確変」又は「突確」の場合の大当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変制御及び時短制御がある高確高ベース状態になる。
その後、CPU103は、ステップS323で時短フラグをオン状態にしているので、時短回数カウンタにカウント初期値(例えば、100回)を設定する(ステップS324)。その後、CPU103は、現在の遊技状態(ステップS323の処理内容に応じた遊技状態)を指定する遊技状態指定コマンドの送信設定を行い(ステップS325)、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して(ステップS326)、大当り終了処理を終了する。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
図3のステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったこと、大入賞口を開放状態にするタイミングになったこと(例えば、上記で設定された小当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。また、小当り開放前処理では、例えば、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」などに設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われる。大入賞口を開放状態とする処理などが行われると、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。ステップS118が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS118で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻したタイミングからの経過時間を計測する処理、計測した経過時間が予め設定された時間になった場合に再び大入賞口を開放状態とする処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、小当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである小当り遊技状態終了コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
ステップS118が繰り返し行われ、ステップS119が繰り返し行われることによって、小当り遊技状態が実現される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理(待ち時間が経過するまで小当り終了処理を終了する)などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図19は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理を実行する(ステップS74)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS76)、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。その後、ステップS72の処理が再度実行される。
図20は、コマンド解析処理の一例を示すフローチャートである。図20のコマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータなどを確認することなどにより(以下、演出制御コマンドの受信の有無についての判定において同じ。)、始動入賞が発生したときに主基板11から伝送された、第1始動口入賞指定コマンド及び第1保留記憶数通知コマンドと、第2始動口入賞指定コマンド及び第2保留記憶数通知コマンドと、のいずれかを受信したか否かを判定する(ステップS681)。
第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には(ステップS681;Yes)、図21(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドとを順番に記憶させる(ステップS682)。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには(ステップS681;Yes)、図21(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ(RAM122の所定領域に設けられている。)における空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる(ステップS682)。
図21(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図21(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図7に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図21(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図21(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図21(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。なお、各バッファにおける各設定値については後述する。第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに(この実施の形態では、後述のステップS951の処理が実行されるごとに)、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図21(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、後述のステップS951において保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされる。保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドがある場合には、これら各コマンドも、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図21(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファのうち、保留表示番号「2」に対応した領域については、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。つまり、保留表示番号「2」に対応した領域に格納された第1保留記憶数通知コマンドは、コマンドC101Hであるが、このコマンドC101Hが通知する第1特図保留記憶数は「1」であり、不整合が生じている。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数よりも保留表示番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第1特図保留記憶数が第1始動入賞時コマンドバッファの記憶内容から特定される第1特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりも保留表示番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における特図保留記憶数と保留表示番号の相違は矛盾(不整合)となり得る。
なお、特別図柄の変動開始時に主基板11から送信される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようする。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
ステップS682の処理のあと、保留記憶の数が1増えているので、演出制御用CPU120は、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ増やし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ増やす(ステップS683)。始動口入賞指定コマンドが第1始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第1保留表示によって特定可能となっている第1特図保留記憶数を1つ増加させる。始動口入賞指定コマンドが第2始動口入賞指定コマンドである場合には、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ増やして、第2保留表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ増加させる。
第1特図保留記憶部と第1始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第1特図保留記憶部の保留番号と第1始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第1特図保留記憶部に記憶された保留データと、第1始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。このため、保留表示番号も、保留表示図柄の表示位置に対応する。例えば、保留表示番号「3」に対応して受信コマンドが格納されている場合には、この保留表示番号と同じ番号の保留番号に関連付けられて保留データが第1特図保留記憶部に記憶されており、この保留番号及び保留表示番号に対応する表示位置(始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域の左から3番目の表示位置)に保留表示図柄が表示される。
第2特図保留記憶部と第2始動入賞時コマンドバッファとは対応しており、第2特図保留記憶部の保留番号と第2始動入賞時コマンドバッファの保留表示番号とも対応している。そして、第2特図保留記憶部に記憶された保留データと、第2始動入賞時コマンドバッファに記憶されたコマンドと、は、関連又は対応する保留番号と保留表示番号とが同じ番号であれば、同じ可変表示についての保留データとコマンドとになる。このため、保留表示番号も、保留表示図柄の表示位置に対応する。例えば、保留表示番号「3」に対応して受信コマンドが格納されている場合には、この保留表示番号と同じ番号の保留番号に関連付けられて保留データが第2特図保留記憶部に記憶されており、この保留番号及び保留表示番号に対応する表示位置(始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域の左から3番目の表示位置)に保留表示図柄が表示される。
ステップS683の処理のあと、又は、ステップS681で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS681;No)、演出制御用CPU120は、遊技状態に変更があったときなどに主基板11から伝送される遊技状態指定コマンドの受信があったか否かを判定し(ステップS687)、受信があった場合には(ステップS687;Yes)、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える(ステップS688)。
高確フラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、例えば、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。
ステップS688において、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確高ベース状態を指定するものである場合(例えば、確変フラグがオフ状態で時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグをオフ状態とし、高ベースフラグをオン状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(例えば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
ステップS688の処理のあと、又は、ステップS687で上記コマンドの受信がないと判定された場合(ステップS687;No)、演出制御用CPU120は、その他のコマンド解析処理を実行してから(ステップS689)、コマンド解析処理を終了する。
図22は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出制御プロセス処理では、保留表示予告などの実行の決定などを行う保留表示予告等決定処理(ステップS162)が実行される。
図23は、図22のステップS162にて実行される保留表示予告等決定処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す保留表示予告等決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。そして、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくともいずれかとなる新たな受信コマンドがあるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、第1始動入賞時コマンドバッファまたは第2始動入賞時コマンドバッファに、始動口入賞指定コマンドまたは保留記憶数通知コマンドのうち、少なくともいずれか1つが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定できる。
新たなコマンドの格納がないなどして、ステップS502にていずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS502;No)、保留表示予告等決定処理を終了する。一方、新たなコマンドの格納があるなどして、新たな受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS502;Yes)、保留表示予告の実行が制限される保留表示予告制限があるか否かを判定する(ステップS504)。演出制御用CPU120は、所定の保留表示予告制限条件が成立したか否かの判定を行い、成立したと判定された場合に、先読み予告制限があると判定すればよい。先読み制限条件は、例えば新たな受信コマンドとなっている第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「入賞時判定制限中」である場合に成立すればよい。
この実施の形態において、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。この場合、高開放制御が行われている高ベース中には、第2始動入賞口に遊技球を容易に進入させて、優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象(ターゲット)とする保留表示予告を実行すると、例えば可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回にわたり容易に繰り返し実行することができる。このとき、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になれば、先読み予告による予告対象となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になることもあわせて、遊技状態を繰り返し大当り遊技状態とすることが可能になり、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
また、仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする保留表示予告を実行すると、この先読み予告により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識した遊技者は、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し進入させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を進入させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかを、自己の技量により選択することができる。そのため、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングが、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース中には、第1始動入賞の発生に基づく保留表示予告の実行を制限する保留表示予告制限条件を成立させる。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。遊技状態が大当り遊技状態であるときにも(大当り遊技状態であるか否かの判定は、ステップS804などを参照。)、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御に伴う高開放制御が行われることから、同様に保留表示予告制限条件を成立させるとよい。
ステップS504にて保留表示予告制限なしと判定された場合には(ステップS504;No)、演出実行制限フラグがオン状態であるかを判定し(ステップS505)、演出実行制限フラグがオフ状態である場合には(ステップS505;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS506)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS506)。ステップS506の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第1始動入賞時コマンドバッファにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS507にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS507;Yes)、第1始動入賞時コマンドバッファや第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている始動口入賞指定コマンドなどの数をチェックして合計保留記憶数が「3」以上であるかを判定する(ステップS508)。合計保留記憶数が「3」以上である場合には(ステップS508)、連続演出決定処理を実行し(ステップS508A)、保留表示予告決定処理を実行する(ステップS508B)。なお、ステップS508では、合計保留記憶数が「3」以上であるか否かを判定したが、判定する合計保留記憶数は任意の数であってよい。この場合、例えば、合計保留記憶数が「1」である場合は、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告が実行されないように、図27に示す保留表示予告態様決定テーブルを構成すればよい。
図24は、連続演出決定処理として、図23のステップS508Aにて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す連続演出決定処理において、演出制御用CPU120は、連続演出を実行するか否かを決定する(ステップS901)。一例として、ステップS901の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される連続演出実行決定用の乱数値SR1(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された連続演出実行決定テーブルを参照することなどにより、連続演出の実行の有無を決定すればよい。
図25(A)は、連続演出実行決定テーブルの内容を示している。連続演出実行決定テーブルでは、例えば、乱数値SR1と比較される数値(決定値)が、連続演出を実行するか否かの決定結果に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、連続演出実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR1と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR1に該当する決定値に割り当てられた「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、連続演出を実行することを決定する。実行無しの場合には、連続演出を実行しないと決定する。例えば、乱数値SR1が「30」のときには、演出制御用CPU120は、前記の通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」である場合には、連続演出を実行すると決定し、前記の通知内容がこれら以外の場合には、連続演出を実行しないと決定する。
図25(A)のように、この実施の形態では、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合には、連続演出を実行すると決定されやすくなり、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容がそれ以外である場合(「大当り」ではないとの判定結果である場合)には、連続演出を実行しないと決定されやすくなっているため、連続演出が実行されたときには、ターゲット(新たな受信コマンドに対応する保留記憶)の可変表示の表示結果が「大当り」になりやすくなる(ターゲットの可変表示についての大当り期待度が高い)。
ステップS901のあと、演出制御用CPU120は、ステップS901の決定結果に基づいて、今回連続演出を実行するか否かを判定し(ステップS902)、ステップS901の処理において連続演出を実行すると決定している場合(ステップS902;Yes)、連続演出の実行回数を決定する(ステップS903)。
一例として、ステップS903の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される連続演出実行回数決定用の乱数値SR2(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された連続演出実行回数決定テーブルを参照することなどにより、連続演出の実行回数を決定すればよい。
図25(B)は、連続演出実行回数決定テーブルの内容を示している。連続演出実行回数決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、各連続演出実行回数に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、連続演出実行回数決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、乱数値SR2と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、連続演出実行回数決定テーブルを参照することにより、前記の通知内容に応じて乱数値SR2に該当する決定値に割り当てられた「3」または「4」のいずれかを実行回数として決定すればよい。例えば、乱数値SR2が「30」のときには、演出制御用CPU120は、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」であるに場合には、連続演出の実行回数を「3」と決定し、それ以外の場合には、「4」と決定する。
図25(B)のように、この実施の形態では、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容が、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合には、実行回数が「4」に決定される割合が「3」に決定される割合よりも高くなっており、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容がそれ以外である場合(「大当り」ではないとの判定結果である場合)には、実行回数が「4」に決定される割合が「3」に決定される割合よりも低くなっている。すなわち、連続演出の実行回数が多いほどその予告対象(ターゲット)の可変表示結果が「大当り」となる可能性(つまり、その予告対象の可変表示についての大当り期待度)が高くなっている。したがって、実行される連続演出の回数に対する遊技者の注目を集めることができる。また、これによれば、連続演出の対象となる保留が可変表示の開始時には遊技者に認識されないため、複数の保留に対して期待を抱かせることができる。
ステップS901の処理において連続演出を実行しないと決定している場合(ステップS902;No)、または、ステップS903の処理を実行した後には、連続演出決定処理を終了する。
図26は、図23のステップS508Bにて実行される保留表示予告決定処理の一例を示すフローチャートである。図26に示す保留表示予告決定処理において、演出制御用CPU120は、保留表示予告を実行するか否かを決定する(ステップS991)。一例として、ステップS991の処理では、ROM121に予め記憶されている図27(A)に示す保留表示予告実行決定テーブルに示す決定割合にしたがって、保留表示予告の実行有無を決定する。なお、ステップS991の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告決定用の乱数値を示す数値データを抽出するなどにより、保留表示予告の実行の有無を決定すればよい。
図27(A)は、保留表示予告実行決定テーブルの内容を示している。保留表示予告実行決定テーブルでは、例えば、始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外であるか)に応じて保留表示予告を実行するか否かの決定結果が割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告実行決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、保留表示予告決定用の乱数値と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、保留表示予告実行決定テーブルを参照することにより、「実行有り」又は「実行無し」のいずれかを決定結果とすればよい。実行有りの場合には、保留表示予告を実行することを決定する。実行無しの場合には、保留表示予告を実行しないと決定する。
この実施の形態では、図示するように、始動口入賞指定コマンドによる通知内容が、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合には、保留表示予告を実行すると決定されやすくなり、始動口入賞指定コマンドによる通知内容がそれ以外である場合(「大当り」ではないとの判定結果である場合)には、保留表示予告を実行しないと決定されやすくなっているため、保留表示予告が実行されたときには、ターゲット(新たな受信コマンドに対応する保留記憶)の可変表示の表示結果が「大当り」になりやすくなる(ターゲットの可変表示についての大当り期待度が高い)。
ステップS991のあと、演出制御用CPU120は、ステップS991の決定結果に基づいて、今回保留表示予告を実行するか否かを判定し(ステップS992)、ステップS991の処理において保留表示予告を実行すると決定している場合(ステップS992;Yes)、図23に示すステップS508Aの決定結果に基づいて、保留表示予告態様を決定する(ステップS993)。
一例として、ステップS993の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される保留表示予告態様決定用の乱数値SR2(例えば、「1」〜「100」の範囲の値を取り得る。)を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された保留表示予告態様決定テーブルを参照することなどにより、実行する保留表示予告の実行態様を決定すればよい。具体的には、図23に示すステップS508Aにおいて連続演出を実行すると決定された場合と、連続演出を実行しないと決定された場合とで、それぞれ異なる保留表示予告態様決定テーブルを参照して保留表示予告態様を決定すればよい。
図27(B)、(C)は、それぞれ、図23に示すステップS508Aにて連続演出を実行すると決定された場合に参照される保留表示予告態様決定テーブルの内容(図27(B))と、図23に示すステップS508Aにて連続演出を実行しないと決定された場合に参照される保留表示予告態様決定テーブルの内容(図27(C))を示している。保留表示予告態様決定テーブルでは、例えば、乱数値SR2と比較される数値(決定値)が、各保留表示予告態様に、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容(通知内容が「短期開放大当り判定有り」又は「通常開放大当り判定有り」であるか、この通知内容がこれら以外であるか)に応じて割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、保留表示予告態様決定テーブルを使用テーブルとしてセットし、保留表示予告態様決定用の乱数値SR4と、新たな受信コマンドとなっている始動口入賞指定コマンドによる通知内容と、に基づいて、連続演出を実行するか否かに応じた示唆演出態様決定テーブルを参照することにより、予め用意された複数の実行態様のうちからいずれかの実行態様を決定すればよい。
この実施の形態では、図27(B)に示すように、「保留変化態様」、「保留不変化態様+保留変化態様」、「保留不変化態様」といった3種類の保留表示予告態様が予め用意されている。「保留変化態様」は、図31(e)〜(g)に示すように、1変動(1回の可変表示)内にキャラクタ(5CH)を表示して、当該キャラクタが保留情報の表示態様を変更する態様である。「保留不変化態様+保留変化態様」は、図32(c)〜(h)に示すように、キャラクタ(5CH)を表示し、当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更することなく1回目の可変表示が終了し、次の可変表示において再度キャラクタを表示し、当該キャラクタが保留情報の表示態様を変更する、2変動に亘って(2回の可変表示に亘って)行われる態様であり、保留情報の表示態様が変化すると遊技者に見せかける態様の演出を行ってから、最終的に保留情報の表示態様を変化させる態様である。「保留不変化態様」は、1変動(1回の可変表示)内にキャラクタを表示して、当該キャラクタが保留情報の表示態様を変更することなく可変表示が終了する態様であり、保留情報の表示態様が変化すると遊技者に見せかけて、遊技者の期待感を向上させる態様である。なお、「保留不変化態様+保留変化態様」は、2変動に限られず、3変動や4変動であってもよい。この場合には、キャラクタを表示し、当該キャラクタが保留情報の表示態様を変更することなく可変表示が終了する「保留不変化態様」を複数回繰り返せばよい。また、「保留変化態様」は、図33に示すように、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して(図33(a)、(b))、2変動目(2回目の可変表示)にて当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更する(図33(c)、(d))といった態様のように、複数の可変表示に亘って行われるものであってもよい。同様に、「保留不変化態様」についても、複数の可変表示に亘って行われてもよい。なお、保留表示予告の実行態様が決定されると、各態様に対応した保留表示予告設定値が、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号に対応した領域に格納される。なお、保留表示予告を実行しないことが決定されている場合は、図24のステップS901の処理にて、保留表示予告設定値として「0」が設定されればよい。このように、「保留不変化態様」の保留表示予告態様が実行されることにより、保留表示を変化しない場合についても保留表示を変化する場合に実行される態様と一部(演出開始時)同様の態様の演出が実行されるため、遊技興趣を向上させることができる。また、「保留不変化態様」の保留表示予告態様が実行されることにより、本来実行される態様の演出が実行されないことによる遊技者の違和感を低減することができ、遊技興趣の低下を抑制することができる。
この実施の形態では、図27(B)および(C)に示すように、ターゲットの可変表示の表示結果が「大当り」であるとの判定結果である場合に、連続演出を実行する場合(図27(B))の方が、連続演出を実行しない場合(図27(C))よりも、保留情報の表示態様を変化させる態様(「保留変化態様」および「保留不変化態様」)に決定される割合が高くなっている。したがって、連続演出が実行された場合には、保留情報の表示態様が変化する割合が高くなるため、遊技興趣を向上させることができる。また、図27(B)に示すように、連続演出を実行する場合にのみ「保留不変化態様+保留変化態様」の態様が設定されている。したがって、連続演出が実行される場合には、保留情報の表示態様が変化する割合が高いものの、保留情報の表示態様が変化すると遊技者に見せかける態様の演出が最初に行われるため、遊技者に保留情報の表示態様が変化することが事前に認識されにくく、遊技興趣を向上させることができる。
図26に戻り、ステップS991にて保留表示予告を実行しないと決定している場合(ステップS992;No)や、ステップS993の処理を実行した後は、保留表示予告決定処理を終了する。
図23に戻り、ステップS508Bの処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS508Aの処理で決定した連続演出の実行回数に応じて、カウント値を設定する(ステップS511)カウント値は、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号に対応した領域に格納される。つまり、カウント値は、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファに格納される可変表示毎のコマンドに対応して格納されることになり、保留記憶されている可変表示に対応して設定される。なお、この処理では、連続演出の実行の有無についても設定される。
テップS511の後、演出制御用CPU120は、ステップS508A〜S508Bで、連続演出、保留表示予告のいずれかの演出の実行を決定したかを判定する(ステップS513)。いずれかの演出を実行すると決定した場合には(ステップS513;Yes)、演出実行制限フラグをオン状態にする(ステップS514)。これによって、保留表示予告、示唆演出の実行の決定が新たに行われることが防止される。ステップS514のあと、又は、連続演出、保留表示予告のいずれかの演出も実行しない場合(ステップS513;No)、保留表示予告等決定処理を終了する。
図22に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS162の処理を実行したあと、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。こうした演出制御を行った後、例えば特図変動時演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示させる。確定飾り図柄を完全停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、又は、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した可変表示結果通知コマンドによって特定される大当り種別が「突確」であれば、演出プロセスフラグの値を“5”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「突確」の大当り遊技状態又は小当り遊技状態における各種の演出制御(大当りや小当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口短期開放時処理は、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンド又は小当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り遊技状態終了コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図29は、可変表示開始設定処理として、図22のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図29に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合、または、特図表示結果が「小当り」である場合であるか、これら以外の場合であるかを判定する(ステップS525)。特図表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドを読み取ることなどにより、演出制御用CPU120によって特定されればよい。「突確」または「小当り」であると判定されたときには(ステップS525;Yes)、例えば短期開放チャンス目といった、「突確」の場合や「小当り」の場合に対応した飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS526)。
ステップS526における処理の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC1−1が指定された場合に、複数種類の短期開放チャンス目のうち、いずれかを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する。この場合には、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるチャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された所定のチャンス目決定テーブルを参照することなどにより、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS526における処理の他の一例として、変動パターン指定コマンドにより変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、例えばステップS524と同様の処理を実行することにより、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。あるいは、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合に、ステップS524と同様の処理を実行することにより「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される同一の飾り図柄を決定する一方で、ステップS524とは異なる処理を実行することにより、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(短期開放チャンス図柄)を停止表示することに決定してもよい。こうした短期開放チャンス図柄を含むリーチ組合せの確定飾り図柄は、短期開放チャンス目に含まれてもよい。
なお、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定されて飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合でも、例えば「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の飾り図柄が揃って仮停止表示されることによりリーチ態様となった後に、「右」の飾り図柄可変表示エリア5Rにて飾り図柄を再び変動させることにより仮停止表示した飾り図柄を変更させる「滑り」の可変表示演出を行うとともに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて所定の飾り図柄を停止表示させることで、短期開放チャンス目のいずれかを構成する飾り図柄の組合せが導出表示されるようにしてもよい。この場合、ステップS526の処理では、変動パターンPC2−1〜PC2−3のいずれかが指定された場合でも、短期開放チャンス目のいずれかを構成する確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS525にて「突確」または「小当り」以外の「非確変」または「確変」であると判定されたときには(ステップS525;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S526、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出実行決定処理を実行する(ステップS528)。図30は、ステップS528にて実行される演出実行決定処理の一例を示すフローチャートである。
図30に示す演出実行決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば始動入賞時コマンドバッファに格納された始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドのうち、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドと、これらに対応する保留表示予告設定値及び示唆演出設定値と、を始動入賞時コマンドバッファから読み出す(ステップS951)。なお、読み出したコマンドのうち、今回の消化対象の始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドは、今回の可変表示の開始によって消化されるものであり、第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドが第2始動入賞時コマンドバッファに格納されている場合には、保留表示番号「1」に対応して格納された第2始動口入賞指定コマンド、第2保留記憶数通知コマンドが該当し、第2始動入賞時コマンドバッファにコマンドが格納されていない場合には、保留表示番号「1」に対応して第1始動入賞時コマンドバッファに格納された第1始動口入賞指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドが該当する。
演出制御用CPU120は、今回の消化対象の始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドと、これらに対応する連続演出のカウント値と保留表示予告設定値については始動入賞時コマンドバッファから消去し、この始動入賞時コマンドバッファについて、保留表示番号「1」より下位の記憶領域(保留表示番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドと、これらに対応する連続演出のカウント値と保留表示予告設定とを、1エントリずつ上位にシフトする。このような処理によって、今回実行される可変表示に対応するコマンドなどを消化することができる。
次に、演出制御用CPU120は、例えば、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった制御を行うことで、画像表示装置5の始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの保留記憶表示を変化させ、保留表示図柄を1つ減らし、保留記憶表示によって特定可能となる可変表示の保留数を1つ減らす(ステップS952)。演出制御用CPU120は、第1始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの左側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(左側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、保留記憶の表示によって特定可能な第1特図保留記憶数を1つ減らす。演出制御用CPU120は、第2始動入賞時コマンドバッファのコマンドを消化した場合、例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hの所定領域の色を変更させるなどして、始動入賞記憶表示エリア5Hの右側に表示される保留表示図柄を1つ減らし(右側の保留表示図柄における一番右の保留表示図柄を消去し)、始動入賞記憶表示エリア5Hの第2保留記憶表示を変化させ、保留記憶の表示によって特定可能となっている第2特図保留記憶数を1つ減らす。なお、保留表示図柄が保留表示予告によって他の図柄に変更されている場合には、保留表示図柄を1つ減らすことに伴って、保留表示予告によって他の図柄に変更された保留表示図柄を隣(例えば、左隣)に移動させる。これによって、保留表示予告のターゲットの可変表示が、この後何番目に実行されるかなどを遊技者は容易に把握できる。
次に、演出制御用CPU120は、連続演出が実行ありか否かを判定する(ステップS953)。連続演出が実行ありか否かは、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号に対応した領域を参照することにより判定すればよい。ステップS953にて実行ありと判定した場合(ステップS953;Yes)、図24のステップS903で決定した実行回数の連続演出を実行する設定を行う(ステップS954)。なお、ステップS954の処理において連続演出の実行設定が行われた場合には、連続演出実行中フラグをオンにセットする。また、既に連続演出の実行回数が設定されている場合は(連続演出実行中フラグがオンである場合は)、ステップS954の処理をスキップする。図29に戻り、ステップS954の処理を実行した後は、連続演出カウンタの値を「−1」する(ステップS955)。なお、ステップS955の処理では、連続演出カウンタの値を「−1」した後、当該カウンタの値が「0」であるか否かを判定し、「0」である場合は連続演出実行中フラグをオフにする処理が含まれている。
ステップS955の処理を実行した後、または、ステップS953にて連続演出実行なしと判定した場合は(ステップS953;No)、保留表示予告が実行ありか否かを判定する(ステップS956)。保留表示予告が実行ありか否かは、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号に対応した領域を参照することにより判定すればよい。ステップS956にて実行ありと判定して場合(ステップS956;Yes)、第2特図の入賞があるか否かを判定する(ステップS957)。第2特図の入賞があるか否かは、第2始動入賞時コマンドバッファの各保留表示番号に対応した領域を参照して判定すればよい。ステップS957にて第2特図の入賞なしと判定された場合(ステップS957;No)、保留表示予告実行制限フラグがオンにセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、クリアする(ステップS958)。保留表示予告実行制限フラグがオフにセットされている場合は、ステップS958の処理はスキップする。
続いて演出制御用CPU120は、保留表示予告設定値に応じた保留表示予告の実行設定を行う(ステップS954)。具体的には、保留表示予告設定値が「1」である場合には、「保留変化態様」の保留表示予告を実行する設定を行い、保留表示予告設定値が「2」である場合には、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告を実行する設定を行い、保留表示予告設定値が「5」である場合には、「保留不変化態様」の保留表示予告を実行する設定を行う。ステップS954の処理を実行した後は、保留表示予告設定値を「−1」する(ステップS960)。
一方、ステップS957にて第2特図の入賞があると判定された場合には(ステップS957;Yes)、保留表示予告実行制限フラグがオンであるか否かを判定し、オンでなければオンにセットする(ステップS961)。これにより、例えば、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告の実行中であって、「保留不変化態様」の保留表示予告の実行中に、第2特図の入賞があった場合には、第2特図に対応する可変表示が終了するまでの間、当該「保留不変化態様」の保留表示予告の後に実行される「保留変化態様」の保留表示予告は実行されず、「保留不変化態様」の保留表示予告の実行状態が維持される。また、例えば、図33に示すように、複数の可変表示に亘って保留表示予告が実行される場合に、図34(b)に示すように、第2特図が入賞すると、図34(c)、(d)に示すように第2特図の可変表示が終了するまでの間、保留表示予告の進行が停止し、図34(e)、(f)に示すように第2特図の可変表示が終了した後の可変表示において、停止していた保留表示予告が進行し、保留表示図柄が変更される(図37(A)参照)。したがって、制御を複雑にすることなく保留表示予告の不具合の発生を防止できるとともに、複数の可変表示に亘って保留表示予告を実行することで演出時間を十分確保することができ、遊技興趣を向上させることができる。
ステップS961の処理を実行した後、または、ステップS960の処理を実行した後、または、ステップS956にて保留表示予告なし(保留表示予告設定値が「0」である)と判定された場合(ステップS956;No)、保留表示予告設定値が「0」または「4」であるか否かを判定する(ステップS962)。保留表示予告設定値が「0」または「4」である場合には(ステップS962:Yes)、演出実行制限フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS963)。ステップS963の処理を実行した後、または、ステップS962にて保留表示予告設定値が「0」または「4」でない場合(ステップS962;No)、演出実行設定処理を終了する。
図28に戻り、ステップS528の演出実行決定処理を実行した後には、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS530)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、ステップS528で決定した内容(保留表示予告の種別や示唆演出の態様など)などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS532)。このときには、例えばステップS531にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS533)、可変表示開始設定処理を終了する。
図30は、可変表示中演出処理として、図22のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、連続を実行するための連続演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。連続演出実行期間は、例えば図29に示すステップS954の処理による連続演出の実行設定に対応して、図28に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。図30のステップS552にて連続演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、例えば連続演出の演出画像の表示といった、連続演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図29に示すステップS954の処理による連続演出の実行決定に対応して、図28に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて示唆演出を実行できればよい。
図30に戻り、ステップS552にて示唆演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、保留表示予告を実行するための保留表示予告実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。保留表示予告実行期間は、例えば図29に示すステップS959の処理による保留表示予告の実行設定に対応して図28に示すステップS530の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。図30のステップS554にて保留表示予告実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、保留表示予告を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。ステップS555の処理では、例えば図29のステップS959の処理による保留表示予告の実行設定に対応して図28のステップS530の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて保留表示予告を実行できればよい。なお、ステップS555の処理において、複数の可変表示に亘って保留表示予告が行われる場合、図31のステップS961の処理により保留表示予告実行制限フラグがオンにセットされるため、第2特図に対応する可変表示が終了するまでの間、保留表示予告の進行を停止する演出制御パターンが図28のステップS530の処理により選択される。
ステップS554にて保留表示予告実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS558にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS558;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS559)。
ステップS558にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS558;No)、ステップS559の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS560)、可変表示中演出処理を終了する。
一方、ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。また、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
上記の演出制御プロセス処理が繰り返し行われることによって、連続演出、保留表示予告などが実行される。
続いて、連続演出と保留表示予告が実行されるときの主な演出動作例を、図32を参照して説明する。図32は、実行される連続演出の回数が4回であり、「保留不変化態様+保留変化態様」の実行態様の保留表示予告が実行される場合の演出動作例を示している。連続演出が実行される場合には、図27(B)に示すように、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告が実行される割合が高くなっているため、図32(a)〜図32(j)に示すように連続演出が実行されている場合には、図32(c)、(d)、(f)、(g)、(h)に示すように、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告が実行される。これによれば、「保留不変化態様」の保留表示予告が実行された場合でも、「保留変化態様」の保留表示予告が実行されることから、保留表示予告によって変化させる特定の態様の信頼度を下げることなく保留表示予告を実行でき、特定の態様に対する遊技興趣の低下を防止することができる。
また、この実施の形態では、上記構成によって、連続演出が実行されると保留表示予告が実行される割合が高くなるとともに、連続演出の対象となる保留がいずれの保留であるかが、可変表示の開始時には遊技者に認識されないため、複数の保留に対し期待感を抱かせることができ、遊技興趣の低下を防止することができる。また、上記構成によれば、連続演出が実行されている場合には、「保留不変化態様+保留変化態様」の保留表示予告が実行されるため、保留表示予告によって変化させる特定の態様の信頼度を下げることなく保留表示予告を実行でき、特定の態様に対する遊技興趣の低下を防止することができる。
また、上記で例示するように、パチンコ遊技機1は、保留表示予告として、キャラクタを表示し、表示されたキャラクタが予告対象の保留表示図柄を変更する演出を実行する。これに加え、例えば、遊技状態が通常状態であって、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となった場合に、入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が通常よりも長い期間傾動位置となる長期間開放制御を行うことのあるパチンコ機において、当該長期間開放制御が行われる可能性を、上記保留表示予告で表示されるキャラクタを表示することにより表してもよい。これによれば、当該キャラクタが表示された場合、保留表示予告が実行されているのか、長期間開放制御が行われる可能性を表しているのかといったことが遊技者に認識されず、遊技者に期待感を抱かせることができる。また、当該キャラクタを表示することにより、実行中の可変表示の可変表示結果が「大当り」をなる可能性をさらに表すようにしてもよい。なお、長期間開放制御が行われる場合には、第2特図への入賞割合が高まるため、この場合、例えば、第2特図の入賞個数をカウントし、所定個数以上である場合には実行中の保留表示予告を終了させるようにしてもよい。これによれば、実行中の保留表示予告の実行状態を長期間維持することで生じる遊技者の違和感を削減することができる。また、実行中の連続演出の種類に応じて、当該連続演出も終了させるようにしてもよい。
上記で例示したように、パチンコ遊技機1において、遊技領域に設けられた始動領域(例えば、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口など)に遊技媒体(例えば、遊技球など)が進入したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄や飾り図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する可変表示手段(例えば、第1及び第2特別図柄表示装置4A、4Bや画像表示装置5など)は、始動領域のうち第1始動領域(例えば普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口など)を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば第1特図となる特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する第1可変表示手段(例えば第1特別図柄表示装置4Aなど)と、始動領域のうち第2始動領域(例えば普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口など)を遊技媒体が通過したことに基づいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(例えば第2特図となる特別図柄など)の可変表示を行い表示結果を導出する第2可変表示手段(例えば第2特別図柄表示装置4Bなど)と、を含み(なお、可変表示手段や、始動領域は、1つであってもよい。以下、同じ。)、さらにパチンコ遊技機1は、少なくとも、前記始動領域に前記遊技媒体が進入したにもかかわらず前記開始条件が成立していない前記識別情報の可変表示について、識別情報の可変表示の表示結果を特定表示結果(例えば、大当り図柄となる特別図柄など)とするか否かを決定するために用いる決定用情報を例えば所定の記憶数を上限値として保留記憶する保留記憶手段(例えば、第1及び第2特図保留記憶部など)を含むようにしてもよい。
さらに、上記で例示したように、パチンコ遊技機1は、第1可変表示手段及び第2可変表示手段を制御し、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100など)と、少なくとも予告演出実行手段(例えば、後述の判定手段の判定結果に基づいて、当該判定結果の対象となる前記識別情報の可変表示に対応する前記保留表示の前記保留表示態様を変化させることによって当該可変表示の表示結果が前記特定表示結果となるか否かの可能性を予告する予告演出(例えば、保留表示予告など)を実行可能な手段)を含み、前記遊技制御手段からの情報(例えば演出制御コマンドなど)に基づいて前記可変表示手段における可変表示に対応した演出(例えば飾り図柄の可変表示など)を実行する演出装置(例えば画像表示装置5など)を制御する演出制御手段(例えば演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120など)とを備えるようにしてもよい。
さらに、上記で例示したように、前記遊技制御手段は、前記保留記憶手段が記憶する決定用情報が増加したことを認識可能に保留記憶情報(例えば第1保留記憶数通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンド、第1始動口入賞指定コマンド、第2始動口入賞指定コマンドなど)を送信する保留記憶情報送信手段(例えばコマンドの送信設定や送信処理を行うCPU103など)と、パチンコ遊技機1の備える判定手段(開始条件の成立に基づく事前決定前に、前記決定用情報を用いて、当該決定用情報に対応する前記識別情報の可変表示の表示結果が前記特定表示結果となるか否かを判定する手段)の判定結果を示す判定結果情報(例えば、入賞時判定結果を含む始動口入賞指定コマンドなど)を送信する判定結果情報送信手段(例えば始動口入賞指定コマンドの送信設定や送信処理を行うCPU103など)とを含むようにしてもよい。
さらに、上記で例示したように、前記予告演出実行手段は、判定結果情報送信手段が送信した判定結果に基づいて予告演出を実行可能であり、前記演出制御手段は、前記始動領域のうち前記第1始動領域と前記第2始動領域のいずれを遊技媒体が通過したことに基づき決定用情報が増加したかを特定可能な保留記憶情報を正常に受信することができなかった場合(例えば、上記説明参照)に、前記予告演出実行手段が予告演出を実行することを制限(例えば、禁止)する演出制限手段(例えば、上記説明参照)を含んでもよい。このような構成によって、コマンド異常があった場合には、予告演出(例えば、先読み演出)の実行が制限されるので、間違った予告演出が実行されにくくなり(又は実行されなくなり)、遊技者の予告演出への信頼感が向上し、遊技の興趣が向上する。
なお、演出制限手段は、保留記憶情報送信手段により送信される保留記憶情報に基づいて、保留記憶手段が記憶する決定用情報に対応する対応情報(例えば、各受信コマンドなど)を所定の記憶手段(RAM122の第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファなど)に格納しておき、前記所定の記憶手段に格納された対応情報及び保留記憶手段に格納された決定用情報は、これらに対応する可変表示が実行されたときに消化され、演出制限手段は、保留記憶情報を正常に受信することができなかったときに前記所定の記憶手段に格納されている対応情報がすべて消化されるまで、前記予告演出実行手段が予告演出を実行することを制限するようにするとよい。例えば、演出制御用CPU120は、コマンド異常時に格納されていたRAM122の第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファなどに記憶された各コマンドに所定のフラグを立てておき、可変表示が開始されて各コマンドが消化されるごとに所定のフラグも消去していき、所定のフラグが立った各コマンドが全て消化されるまで先読み予告などの実行を制限する。これによって、適切な期間において、予告演出(例えば、先読み演出)の実行が制限されるので、遊技者の予告演出への信頼感が向上し、遊技の興趣が向上する。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
上記実施の形態では、図33に示すように、複数の可変表示に亘って「保留変化態様」の保留表示予告を行う場合、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して(図33(a)、(b))、2変動目(2回目の可変表示)にて当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更する(図33(c)、(d))例を示したが、これは一例である。例えば、図35に示すように、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更し(図35(a)、(b)、(c))、2変動目(2回目の可変表示)に当該キャラクタ(5CH)が去っていく表示をする(図35(d))ようにしてもよい。そして、第2特図の入賞があった場合には、1変動目に実行した態様を、第2特図に対応した可変表示が終了するまで維持し、第2特図に対応する可変表示が終了した後に、当該キャラクタ(5CH)が去っていく表示すればよい。このような構成によれば、制御を複雑にすることなく保留表示予告の不具合の発生を防止することができる。また、複数の可変表示に亘って保留表示予告が実行されるため、演出時間が十分確保され遊技興趣を向上させることができる。
(変形例2)
上記実施の形態では、複数の可変表示に亘って保留表示予告を行う場合に、第2特図の入賞があった場合には、第2特図に対応する可変表示が終了するまでの間、保留表示予告の進行を停止し、第2特図に対応する可変表示が終了した後に、再開する例を示したが、これは一例である。例えば、図36に示すように、第2特図の入賞があった場合には、その後の保留表示予告の実行を制限するようにしてもよい。図36は、変形例1に示す、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更する場合における演出動作例を示しており、図37(B)は、演出と可変表示との対応関係を示すタイミングチャートである。図36(c)に示すように、第2特図の入賞があった場合には、図36(d)に示すように、その後の保留表示予告の実行を中止する(第2特図に対応する可変表示中にキャラクタ(5CH)が消える演出を行うなど)。また、上記実施の形態のように、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して、2変動目(2回目の可変表示)にて当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更する場合についても同様に、第2特図の入賞があった場合には、その後の保留表示予告の実行を制限するようにしてもよい(第2特図に対応する可変表示中にキャラクタ(5CH)が去る演出を行い保留表示を変化させないなど)。これらの場合、例えば、図31のステップS956にて第2特図の入賞があると判定した後、保留表示予告設定値を「0」に更新すればよい。これによれば、制御を複雑にすることなく保留表示予告の不具合の発生を防止することができる。なお、上記実施の形態のように、1変動目(1回目の可変表示)にキャラクタ(5CH)を表示して、2変動目(2回目の可変表示)にて当該キャラクタ(5CH)が保留情報の表示態様を変更する場合に、第2特図の入賞がありその後の保留表示予告の実行を中止したときには、第2特図に対応する可変表示の終了後、保留表示がシフトするタイミングで保留表示を変化させるようにしてもよい。これによれば、保留表示予告が中止されても、その後に保留記憶の表示態様が変化させられるので保留表示の表示態様が変化する頻度が下がることを防止して遊技興趣の低下を防止することができる。
(変形例3)
保留表示予告は、予告対象となる可変表示に対応する保留表示図柄の表示態様を変化させることによって可変表示の表示結果が特定表示結果(特定遊技状態に制御される特定表示結果)となるか否かの可能性を予告する演出であればよく、キャラクタや色によって表示態様を変化させるようなものであってもよい。すなわち、変化する保留表示の表示態様は複数あってもよい。また、変化する保留表示の表示態様が複数ある場合には、保留表示予告において表示するキャラクタも複数種類あればよく、変化する保留表示の表示態様に応じて異なる割合で、表示するキャラクタの種類を決定すればよい。これによれば、変化する保留表示の表示態様に応じて、表示されるキャラクタの種類が決定されるため、表示されるキャラクタの種類にも注目させることができる。また、複数の可変表示に亘って保留表示予告が行われる場合には、変化する保留表示の表示態様に応じて、変化させる以前の可変表示から開始される保留表示予告の実行態様が決定されるため、変化させる以前の可変表示についても注目を集めることができ、遊技興趣を向上させることができる。また、例えば、図26のステップS991の処理にて、連続演出の実行回数が多くなるにつれて保留表示予告の実行割合も高くなるようにしてもよい。この場合は、図27(A)に示す保留表示予告実行決定テーブルの決定値の割り当てを連続演出の実行回数に応じて異ならせればよい。これによれば連続演出の実行時に、対象となる保留情報の表示態様を好適に変化させることができるため遊技興趣を高めることができる。また、図38に示すように、1変動内に、「保留不変化態様」の保留表示予告が実行されたとみせかけて(図38(a)〜(c))、保留表示の表示態様を変更する(図38(d)、(e))保留表示予告の実行態様が含まれていてもよい。また、図39(a)および(c)に示すように、表示されるキャラクタのスピードにより保留表示が変化する可能性を示唆するような実行態様が含まれていてもよい。図39(a)、(b)と図39(c)、(d)では、いずれも保留表示が変化する例を示しているが、表示されるキャラクタのスピードが速い態様であるほど、保留表示が変化する割合が高くなるように設定すればよい。
(変形例4)
上記実施の形態では、連続演出が複数回の可変表示に亘って画像表示装置5の画面上に所定の枠を表示する演出である場合を例に説明したが、上述したように、連続演出には、複数回の可変表示に亘って画像表示装置5の画面上に所定の枠を表示したり、背景画像を変更したりといった複数の可変表示中に継続して行う演出や、複数の可変表示の開始直後に所定のキャラクタやメッセージを表示するといった、可変表示期間中の一部の期間に行われる演出、といったように複数種類の演出がある。したがって、図24のステップS901にて連続演出を実行すると決定した後に、複数種類の連続演出のうちいずれの種類の連続演出を実行するかを決定するようにしてもよい。また、連続演出の種類に応じて保留表示予告の実行割合を異ならせてもよい。この場合には、図27(A)に示す保留表示予告実行決定テーブルを、連続演出の種類に応じた数分用意しておけばよい。また、連続演出の種類に応じて、保留表示予告の実行態様を異ならせてもよい。この場合には、図27(B)に示す保留表示予告態様決定テーブルを、連続演出の種類に応じた数分用意しておけばよい。これによれば、所定の演出の実行時に、対象となる保留情報の表示態様を好適に変化させることができるため遊技興趣を高めることができる。
また、上述した複数種類の連続演出を同時に実行するようにしてもよく、さらに、同時に実行される連続演出の種類や数に応じて保留表示予告の実行割合を異ならせてもよい。この場合には、図27(A)に示す保留表示予告実行決定テーブルを、同時に実行される連続演出の種類や数に応じた数分用意しておけばよい。また、同時に実行される連続演出の種類や数に応じて保留表示予告の実行態様を異ならせてもよい。この場合には、図27(B)に示す保留表示予告態様決定テーブルを、同時に実行される連続演出の種類や数に応じた数分用意しておけばよい。これによれば、連続演出の実行時に、対象となる保留情報の表示態様を好適に変化させることができるため遊技興趣を高めることができる。
(変形例5)
また、保留表示予告として、例えば、その予告対象の可変表示(図柄を変更する保留表示図柄に対応する可変表示)の可変表示結果が「大当り」となる期待度の高い保留表示予告Aと、「大当り」となる期待度の低い保留表示予告Bとが用意されていてもよい(すなわち、保留表示予告Aが実行された場合には、保留表示予告Bが実行された場合よりも「大当り」となる可能性が高くなる)。保留表示予告AとBのそれぞれは、通常時の保留表示図柄から変更される図柄が異なるなどして、その演出態様が異なればよい。例えば、保留表示予告Aは、図40(a)に示すように、保留表示予告Aに対応するキャラクタAを表示して、保留表示図柄が「A」に変化することを示唆した後、図40(b)に示すように、キャラクタAが保留表示図柄を丸印から「A」の文字を示す図柄に変更する。また、保留表示予告Bは、図40(c)に示すように、保留表示予告Bに対応するキャラクタBを表示して、保留表示図柄が「B」に変化することを示唆した後、図40(d)に示すように、保留表示図柄を丸印から「B」の文字を示す図柄に変更するものであればよい。なお、図40(a)または(c)に示すようにキャラクタAまたはBが表示された場合でも、保留表示図柄が変更されない場合もある。この場合、例えば、図26に示すステップS991の処理の後に、保留表示予告AとBのいずれかを実行するのか、及び、保留表示図柄を変更するか否か、を決定すればよい。ここで、保留表示予告Bが実行された場合には、保留表示予告Aが実行された場合よりも保留表示図柄が変更されない割合が高く、保留表示予告Aが実行された場合には、保留表示予告Bが実行された場合よりも保留表示図柄が変更される割合が高くなるようにしてもよい。これによれば、「大当り」となる可能性が高い態様に変化することを示す保留表示予告が実行された場合は(保留表示予告Aが実行された場合は)、保留情報が変化する割合が高いため、保留表示予告が実行されたにも関わらず保留表示が変化しないことによる遊技興趣の低下を抑制することができる。また、例えば、保留表示図柄が「B」に変化することを示唆する保留表示予告Bが実行されるこ実行された場合であっても、保留表示図柄が「A」に変化する、といったように、示唆される保留表示図柄とは異なる種別の保留表示図柄に変更される保留表示予告を実行するようにしてもよい。また、保留表示予告は、例えば、保留表示図柄が青色から赤色に変化する態様の他、青色から黄色、黄色から緑色、緑色から赤色、といったように、複数段階に亘って変化する演出であってもよく、連続演出が実行されている場合には、複数段階に亘って変化する演出が実行される割合が高くなるようにしてもよい。これによれば、連続演出と同時に実行される保留表示予告に対する遊技者の注目を集めることができる。
また、例えば、一旦保留表示の表示態様を変化させた後、保留表示がシフトするタイミングなどに再度表示態様を変化させるようにしてもよい。これによれば、大当りとなる可能性が低い態様へ変化した場合でも、所定のタイミングでさらに変化するため、遊技者に期待感を持たせることができ、遊技興趣を向上させることができる。
(変形例6)
また、保留表示予告は、可変表示の実行中以外のときに実行されるものであってもよい。保留表示予告は、予告対象の可変表示が実行される前であれば、いつ実行されてもよい。また、「保留不変化態様」の保留表示予告を実行した後に、1以上の可変表示を挟んで、その後に「保留変化態様」の保留表示予告が実行されるようにしてもよい。これによれば、保留表示予告が実行されなかった場合においても、その後再び保留表示予告が実行されることがあるため、遊技者を落胆させず、遊技興趣を向上させることができる。
(変形例7)
上記の実施形態では、保留表示予告を実行するときの可変表示の特図変動時間が短い場合には、保留表示予告の実行時間もこれに合わせ、これら演出を可変表示の実行中に終了させるために、短くする必要があるが(つまり、演出そのものを短くするが)、例えば、保留表示予告の実行の有無を決定するときに、始動入賞時コマンドバッファに格納されたコマンドをチェックするなどして、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間(例えば、保留表示予告を実行する期間よりも長い期間)よりも長いか否かを判定し、長いと判定したときに、保留表示予告の実行すると決定してもよい。例えば、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンドバッファに格納されたコマンドのうち、ステップS162における新たな受信コマンドよりも前に消化されるコマンドをチェックし、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドがあるか否かを判定し、ある場合には、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間よりも長いと判定すればよい。なお、この場合には、演出制御用CPU120は、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドに対応する可変表示の実行時に保留表示予告を実行するようにすることで、これら演出のための十分な演出実行時間を確保することができる。なお、演出制御用CPU120は、ハズレ時特定パターン判定有りを通知するコマンドが2つ以上あるか否かを判定し、ある場合には、ターゲットとなる可変表示の前に実行される可変表示の特図変動時間が所定期間よりも長いと判定してもよい。
(変形例8)
また、保留記憶数が第1の数である場合よりも前記第1の数よりも多い第2の数である場合の方が、高い割合で連続演出および保留表示予告を実行するようにしてもよい。この場合には、例えば、演出制御用CPU120は、ステップS901の処理において、合計保留記憶数、乱数値SR2などに基づいて、連続演出および保留表示予告の実行の有無を決定するとよい。このような構成によれば、保留表示が多い方が連続演出および保留表示予告(予告演出)の実行割合が高いので、遊技者は予告演出の実行を狙って保留表示を多くしようとし、遊技者が遊技を中断し難くなる。
(変形例9)
上記の実施形態では、連続演出、保留表示予告のいずれかが実行されると決定され、実際に実行されるまで、次の、連続演出、保留表示予告の実行の有無などが決定されないようになっているが、いずれかの演出が実行される前に、連続演出、保留表示予告の実行の有無などが決定されるようにしてもよい。この場合には、各演出について、演出が被らないようにするとよい。
(変形例10)
時短状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるのではなく、次回の大当り遊技状態が開始されたことによってのみ終了してもよい。この場合、時短回数カウンタなどは不要である。また、確変状態は、所定回数(例えば、100回)の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。この場合、時短回数カウンタと同様の確変回数カウンタを用意するとよい。
(変形例11)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例12)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。