以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る紙幣取込装置24が取り付けられた紙葉類搬送装置10の概略構成を示す平面図、図2は紙葉類搬送装置10の正面図である。本実施の形態では、紙葉類搬送装置10は、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機3とパチンコ機などの遊技機4とを一組にしたものを、互いが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容した遊技機島2内に設けられ、各遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を取り込んで遊技機島の端部に設けられた金庫5まで搬送する紙幣搬送装置として構成されている。
紙葉類搬送装置10は、紙幣(紙葉類)の搬送路となる搬送管12と、搬送管12内にその延設方向に流れる空気流を発生させる空気流発生装置14とを備えている。紙葉類搬送装置10では、空気流を受けて搬送管12内を移動可能な搬送補助体16を、搬送対象の紙幣より上流側で搬送管12内へ挿入し、該搬送補助体16で搬送管12内の紙幣を後方から押し動かして下流へ搬送するようになっている。
本例では、図2に示すように、遊技機島2の一方の端部に、空気流発生装置14と金庫5が配置されており、紙葉類搬送装置10の搬送管12は、空気流発生装置14が設置された側の遊技機島2の端部にその始端部と終端部を備え、始端部から遊技機島2の他方の端部まで延設された往路12aと、他方の端部でU字状に折り返すターン部12bと、ターン部12bで折り返した後、終端部まで延設された復路12cで構成されている。
搬送管12は、搬送管12の往路12aおよび復路12cは、所定の長さ、たとえば、遊技機島2に併設収容された遊技機4と遊技球貸機3の1セット分の横幅に対応した長さ、を単位に分割されており、これらを連結ユニット18で必要本数連結することで、遊技機島2の長手方向の長さに応じて経路長を調整できるようになっている。また、施工現場では、搬送管12を必要な長さにその場でカットして使用するようになっている。
空気流発生装置14の吹き出し口14aは、搬送管12(往路12a)の始端部側に接続され、空気流発生装置14の吸い込み口14bは搬送管12(復路12c)の終端部側に接続されている。空気流発生装置14はモータでファンを回転させることによって、始端部側から搬送管12内へ空気を吹き出すと共に、終端部側から搬送管12内の空気を吸い出すことで、搬送管12内にその始端部から終端部へ向かう(搬送管12の延設方向に沿って流れる)空気流を発生させる。なお、空気流発生装置14は吸い込み口14bから吸い出した搬送管12内の空気の一部を吹き出し口14aから再び搬送管12内へ送り出して循環させるようになっている。
搬送管12の始端部には、搬送補助体16を搬送管12内へ送り出す搬送補助体挿入装置21が設けてある。また、搬送管12の終端部には紙幣分離装置20が配置され、紙幣分離装置20のやや上流には搬送補助体分離装置22が配置されている。また、搬送管12の復路12cの途中には、各遊技球貸機3に対応する位置に、遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を搬送管12内へ取り込む紙幣取込装置24が配設されている。紙幣取込装置24は、遊技機島2の表面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6と、遊技機島2の裏面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6とを取り込むべく、搬送管12の側壁の両側に設けられている。紙幣取込装置24は、復路12cを構成する搬送管と搬送管の間に介在してこれらを連結する役割も果たす。
紙幣取込装置24から搬送管12の復路12c内に取り込まれた紙幣6は、その紙面が搬送管12の延設方向に沿う姿勢で取り込み完了位置に滞在する。この搬送管12内に取り込まれて滞在している紙幣6を金庫5まで搬送して回収するために搬送補助体16が搬送補助体挿入装置21によって搬送管12内へ送り込まれる。搬送補助体挿入装置21から搬送管12内へ送り込まれた搬送補助体16は、空気流発生装置14が発生させた空気流の作用を受けて往路12a内をターン部12bに向けて移動し、ターン部12bでUターンした後、復路12c内を終端部に向けてさらに移動する。このとき、図3に示すように、搬送管12内の紙幣6を、該紙幣6の後端側から搬送補助体16が押し動かすことで、搬送管12の終端部へ向けて(図中の搬送方向Fへ)紙幣6が搬送される。
搬送補助体挿入装置21は、搬送管12の始端部と吹き出し口14aとの間に接続された送出通路と、次に送り出す搬送補助体を待機させる待機部と、待機部内で搬送補助体16を保持すると共に該保持した状態のままで搬送補助体が送出通路と待機部との間を往復移動する搬送補助体可動保持部を有している。搬送補助体可動保持部は前方が開放された断面U字状の保持部で搬送補助体16を保持しており、U字部分には送風穴が開設されている。搬送補助体挿入装置21は、搬送補助体を送出するとき、搬送補助体可動保持部を送出通路内に移動させる。すると、U字部の送風穴からの空気流に乗って搬送補助体が前方へ移動して保持部から離脱して搬送管内へ送り出される。
搬送補助体分離装置22は、搬送補助体16とこの搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣6とを分離して搬送補助体16を回収する機能を果たす。詳細には、搬送補助体分離装置22は、空気流の作用を受けて移動してきた搬送補助体16とこの搬送補助体16に押されて移動してきた紙幣6が入口から流入し、紙幣6のみ通過可能な幅狭の出口を有する通路状の分離回収部を有している。搬送補助体は分離回収部内に補足されて保持される。分離回収部は入口側を支点に回動可能に構成されており、搬送補助体挿入装置21の待機部の真上の位置に回動したとき、底部の開口から搬送補助体16が落下し、この搬送補助体は待機部の天井の開口から待機部内に落下して搬送補助体可動保持部に保持されるようになっている。このようにして1つの搬送補助体が循環利用される。
搬送補助体挿入装置21、紙幣分離装置20、搬送補助体分離装置22は、CPU、ROM、RAMなどを主要部とする図示省略の制御部に制御されて動作する。本例では、空気流発生装置14は常時作動させておき、制御部は、紙幣取込装置24に設けたセンサが遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を検知すると紙幣取込装置24を作動させて該紙幣6を搬送管12内に取り込む。そして、この取り込み動作が完了したら搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を搬送管12内へ送り込む。すると、この搬送補助体16が空気流の作用を受けて搬送管12内を移動し、紙幣6を後方から押し動かして搬送する。そして、搬送補助体分離装置22は搬送補助体16の到来を検知すると分離回収動作を行って搬送補助体16を回収し、その回収した搬送補助体16を次回の送出に備えて搬送補助体挿入装置21の待機部へ案内する。搬送補助体分離装置22によって分離された紙幣6はその下流の紙幣分離装置20に到達し、紙幣分離装置20が紙幣6を検知したら紙幣分離装置20の搬送ベルトを駆動して紙幣6を金庫5へ搬送する、というように制御する。
なお、空気流発生装置14を必要時(たとえば、紙幣取込装置24が遊技球貸機3からの紙幣を検知した時点からその紙幣を金庫5に搬送し終えるまでの間)のみ動作させるように制御してもよい。
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣6を後端側から押し動かして搬送するので、紙幣6自体は空気流を受けて推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣6を折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣6を空気流によって搬送することができる。
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
図4は、直線部分(往路12aおよび復路12cの部分)における搬送管12の該搬送管12の延設方向F(=紙幣の搬送方向F=空気流の流れる方向)に垂直な断面の形状を示している。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
搬送管12の直線部分は、図4の断面形状を有して直線状に延設された筒状を成している。搬送管12の延設方向に垂直な断面は略長方形の扁平した形状をなしており、その長辺(長手方向)をなす一対の対向する側壁部32は複数のリブ34およびガイドレール36、拡張部38が形成されて凹凸にされている。略長方形の断面の短辺(短手方向)側をなす一対の対向する壁部33はほぼ平らになっている。
以後、搬送管12の延設方向(搬送方向F)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向(もしくは幅方向)、長辺方向をY方向(もしくは高さ方向)とする。
側壁部32は、搬送される紙幣6の紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣6は長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向Fとなる向きとなって搬送される。言い換えると、紙面が搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣6の一方の短辺が搬送方向の先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
搬送管12の一対の対向する壁部33同士の間隔Dyは紙幣6の短辺より僅かに長くされている。また、一対の側壁部32のうちリブ34やガイドレール36、拡張部38が形成されていない部分(基準平面部とする)での間隔Dxは2cmほどに設定されている。
ガイドレール36は、側壁部32のY方向(高さ方向)の中央部に形成されている。ガイドレール36は、基準平面部より搬送管12の外側へ「コ」の字状に突出し、搬送管12の内部空間を拡張する矩形の拡張部38としての役割も兼ねている。ガイドレール36のY方向の内壁間距離は23ミリ程にされている。またガイドレール36の基準平面部から外側への突出量は5ミリ程にされている。
リブ34は、側壁部32から搬送管12の内側(対向する側壁部32)に向けて突出するようにして複数本形成されている。基準平面部からリブ34の頂までの高さは約2ミリになっている。リブ34の高さは適宜に設定すればよい。リブ34は、ガイドレール36の両縁部に沿って形成されている。また、これらよりY方向に中心から両外側へ10ミリ程離れた位置にもそれぞれ設けられている。
図5は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向(高さ方向)となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は発泡スチロール、押出発泡ポリスチレンなどにより、軽量かつ丈夫に形成される。なお、搬送補助体16は内部が空洞に形成されてもよい。
図6は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態における、延設方向Fに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面を示している。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向Fと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が下流へ至るのを遮り、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
紙幣6は、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣6の一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなると、空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣6が狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される、すると狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣6が側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
紙幣6が強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣6を押し動かして搬送することが難しくなるが、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣6が張り付き吸着する力は小さく、円滑な搬送が実現される。
搬送補助体16のガイドレール36に対応する箇所は、ガイドレール36と係合する係合部となっている。本例では、ガイドレール36を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣6の後端に適切に当接して安定した搬送力を与えることができ、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣6が巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
また、ガイドレール36の部分は、搬送管12の内部空間を外側へ広げる拡張部38となっており、搬送補助体16もガイドレール36の形状に対応した形状(係合部)を成している。これにより、搬送補助体16は、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、拡張部38を設けることで、拡張部38以外の部分での搬送管12内の幅(Dx)を狭くすることができるので、紙幣6の倒れを防止することができる。
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ34の存在により、紙幣6が側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣6と側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣6が側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣6は複数本のリブ34の先端部分で支持されるため、リブ34の周辺やリブ34とリブ34の間では側壁部32と紙幣6との間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ34は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣6の通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、紙幣6が搬送管12内で横倒れし難くなり、紙幣6の姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ34を複数設けることで、紙幣6の倒れを適切に防ぐと共に、紙幣6の側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ34を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、ガイドレール36に対応する部分の径が最も大きいので、図3に示すように、この最大径の部分16mが紙幣6の後端に当接して押し動かすようになる。
図7は、ターン部12bの正面図である。ターン部12bは、搬送管12を、Y方向を半径方向として180度の円弧を描くように延設した形状をなしている。ターン部12bにおいてもリブ34およびガイドレール36は形成されているが、搬送補助体16が円弧状にターン部12b内を移動する際に引っかかることがないように、搬送補助体16がターン部12b内を円弧状に通る軌跡の範囲からリブ34やガイドレール36を逃がすように(直線部分よりクリアランスを大きく)してある。これにより、ターン部12bでの回転半径を小さくすることができる。リブ34等の逃がし部分Qは、回転半径が小さくなる内側ほど大きくとってある。
次に、紙幣取込装置24について説明する。
図8は、紙幣取込装置24の正面を、図9は図8に示したA−A断面を、図10は下流側から見た紙幣取込装置24の側面を示している。紙幣取込装置24は、両端に搬送管12が密に内挿されて接続される筒状の通路部40と、通路部40に沿って設けられた矩形箱状の本体枠部60とを有する。
図9に示すように、通路部40は、一端部に、上流側の搬送管12(12U)が接続される上流側搬送管接続部41を有し、他端部に下流側の搬送管12(12D)が接続される下流側搬送管接続部42を有している。図中の矢印Fは搬送管12内での紙幣6の搬送方向(空気流の方向)を示している。
上流側搬送管接続部41と下流側搬送管接続部42の間は、搬送管12の内側形状に対応した内側形状を有する紙幣通路43になっている。紙幣通路43の本体枠部60側の壁面には、紙幣6を通路部40の紙幣通路43内に取り込む挿入口としての開口部44が設けてある。通路部40は、図9の搬送方向Fに沿った断面Dで2分割可能に構成されている。2分割されるうちの本体枠部60側の部分を開口側通路枠40A、他方を対向面側通路枠40Bとする。ここでは、開口側通路枠40Aは本体枠部60と一体に形成されている。
図11は対向面側通路枠40Bを外した状態の紙幣取込装置24を通路部40側を斜め上流側から見た状態を、図12は通路部40に上流側および下流側の搬送管12U、12Dを接続した状態であって対向面側通路枠40Bを外した様子を示している。図13は、対向面側通路枠40Bを外した紙幣取込装置24を、これに接続されている搬送管12の端部の一部を切り欠いて示してある。
図11、図12、図13に示すように、通路部40の紙幣通路43の内壁には、接続される搬送管12の各リブ34に対応してその延長線上に、上流側搬送管接続部41の近傍から下流側搬送管接続部42の手前に掛けて搬送方向Fに沿って延びるガイドレール46が設けてある。ただし、開口側通路枠40A側の内壁に設けられたガイドレール46は開口部44の部分には形成されておらず、この部分は途切れている。ここでは、搬送管12内のリブ34に対応して、開口側通路枠40A側の内壁と対向面側通路枠40B側の内壁にそれぞれ4本ずつのガイドレール46を設けてある。ガイドレール46により、搬送補助体16は、搬送管12内を通る場合と同等の安定した姿勢で通路部40内を通ることができる。
図9、図14に示すように、本体枠部60の背面の上流側端部には、遊技球貸機3から紙幣を受け入れる紙幣受入口61が開口されている。紙幣受入口61は、紙幣6の短辺よりやや長い長方形の開口であって、紙幣6をその短辺を始端として受け入れる。図9に示すように、紙幣受入口61と通路部40の開口部44との間には、次に開口部44から紙幣通路43内へ送り出す紙幣6を待機させる通路としての待機部62が形成されている。待機部62はS字状に湾曲した幅狭の通路(湾曲通路)となっており、該湾曲通路内に1枚の紙幣6を待機させることができるようになっている。
紙幣受入口61からは、搬送方向Fに対してほぼ直角に紙幣6が進入する。待機部62の湾曲通路は、紙幣受入口61から入って直後に進路を搬送方向F側へ約120度変えるように湾曲し、その後、直線部分を有し、第2ローラ64の手前で通路部40側に約40度向きを変えるように湾曲している。すなわち、初めの湾曲と後の湾曲とは紙幣6を湾曲させる向きが逆方向(凹凸の関係)になっている。また、待機部の全長を使って緩やかに湾曲させるのではなく、湾曲通路の始端部と終端部の近傍で比較的小さい半径で湾曲させている。
このように待機部62の経路は、凹凸に、しかも小さい曲率で湾曲しているので、紙幣6の折れを伸ばすことができる。特に、紙幣の長手方向に沿うように折り目が付く縦折れを矯正して、折り目を取る、あるいは軽減することができる。
待機部62に待機している紙幣6を紙幣通路43内へ搬送する送出部は、待機部62の湾曲通路のうち紙幣受入口61側の端部近傍に設けられた第1ローラ63と、他端側に設けられた一対の第2ローラ64と、第2ローラ64よりさらに開口部44側に設けられた排出補助ローラ65と、これらのローラ63、64、65を駆動するためのモータ66(図11参照)と、モータ66の回転を各ローラ63、64、65に伝達するギアや伝達ベルト67などで構成される。
第1ローラ63は幅細のローラであり、紙幣受入口61から進入してきた紙幣6を該紙幣6の短辺(幅)方向の略中央部分で押圧し、待機部62の湾曲通路内へ取り込む方向に回転する。第1ローラ63による押圧力は、遊技球貸機3が紙幣6を引き戻し可能な程度に比較的弱く設定されている。第1ローラ63の形状は円形に限らず、たとえば、角の丸くされた多角形(たとえば、三角形)などでもよい。多角形にすれば、角の部分では紙幣6の押圧力を高めても、辺(弦)の部分では押圧力が弱くなる(もしくは無くなる)ので、遊技球貸機3による紙幣6の引き戻しが容易になる。すなわち、角の部分での紙幣6の搬送力を高めつつ、引き戻しの容易性を確保することができる。
第2ローラ64は、待機させる紙幣6の短辺の長さより長い円柱状の一対のローラで構成されている。第2ローラ64の表面は弾性を有し、一対の第2ローラ64は互いに押圧されて設置されており、紙幣6を該一対の第2ローラ64の間にニップして搬送する。第2ローラ64は、待機部62の湾曲通路をその途中でほぼ気密に閉鎖して、通路部40側の空気流が紙幣受入口61側へ漏出することを軽減する役割を果たす。すなわち、空気流が流れている搬送管12の気密性を向上させることができる。
排出補助ローラ65は、外周面の一部が開口部44から通路部40内を臨むように配置されている。排出補助ローラ65は、通路部40内を臨む部分が搬送管12内での紙幣6の搬送方向(図9のF)に沿って回転(図9の矢印R方向に回転)するように駆動される。第2ローラ64から開口部44に向かう紙幣経路は、紙幣6が排出補助ローラ65の搬送方向上流側の周面に沿って進むように形成されている。さらに、開口部44に向かう紙幣経路の終端部分は、紙幣6が、搬送方向Fに沿う向きで通路部40内へ進出するように紙幣6を排出補助ローラ65の周面に沿って案内するガイド部69になっている。
ガイド部69は、待機部62の湾曲経路によって凹凸に湾曲された紙幣6を、開口部44から出る直前に、さらにもう一度、その1つ前の湾曲方向と逆方向に湾曲させる機能を果たす。これにより、紙幣6の縦折れをさらに補正・矯正して軽減することができる。
待機部62のS字状に湾曲した湾曲通路は、本体枠部60に形成されたS字状に湾曲した面を成す本体側案内面62Aと、本体側案内面62Aに対して所定の間隔をあけて対向配置されるS字状に湾曲した面を内側に備えた開閉扉62Bで構成される。図14は、紙幣取込装置24の背面側(通路部40の反対側)を示す斜視図であり、図15は、開閉扉62Bを開いた状態を、図16は開閉扉62Bを取り外した状態を示している。また、図17は開閉扉62Bの斜視図である。
開閉扉62Bは、紙幣受入口61側の湾曲部分近傍の基端部に設けた軸穴部62c(図17参照)と、本体枠部60側の対応する位置に開設された受け穴62d(図16参照)とに軸ピンを挿通して回動可能に本体枠部60に取り付けられる。また開閉扉62Bの先端部に開設された留め穴62e(図15参照)と、閉じた状態で開閉扉62Bの留め穴62eに対応する位置に開設された本体枠部60側の係止穴62f(図15、図16参照)にロックピンやナイラッチなどを挿通することで開閉扉62Bは閉じた状態に保持される。
図16、図17に示すように、本体側案内面62Aおよび開閉扉62Bの内側面62Kにはそれぞれ、湾曲通路の延設方向(湾曲通路内での紙幣6の搬送方向)に沿って複数本のリブ71が設けてある。本体側案内面62Aに設けたリブ71aと開閉扉62Bの内側面62Kに設けたリブ71bは、互いに対向する位置に設けてある。この対向するリブ71aとリブ71bとの間が、実質的に待機部(湾曲通路)62の紙幣6の厚み方向における通路幅(リブ間通路幅Rdとする)になっている。リブ71が形成する通路は一対の第2ローラ64が互いに当接している箇所(境界部分)に向けて延びている。
図18に示すように、本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔Jは、湾曲通路の入口側での間隔J1)より出口側(第2ローラ64の手前)での間隔J2の方が広くなっている。また、湾曲通路の本体側案内面62Aに設けられたリブ71aおよび開閉扉62Bの内側面62Kに設けられたリブ71bの高さHはそれぞれ、湾曲通路の入口側での高さH1より出口側での高さH2が高くなっている。ここでは、本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔Jが入口側より出口側で広がる分に対応させて、リブ71a、71bの高さを入口側より出口側で高くしてあり、これらの相殺により、リブ間通路幅Rdが、湾曲通路の入口側から出口側までほぼ均一になっている。なお、図18は説明のために、間隔Jや高さHの変化を誇張して描いてある。また図18ではリブ71a、71bの部分に斜線を施してある。
このようにリブ71を設けることで、紙幣6は待機部62の湾曲通路内でリブ71にのみ接触し、本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kに面接触せずに、接触抵抗が減り、紙幣6を待機部62内で円滑に搬送することができる。
紙幣6には、しわ(皺)が多数存在する場合があり、該しわは紙幣に細かい多数の凹凸を与えて実施的な厚み(かさ)を増加させるので、紙幣6が本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kと擦れやすくなる。しかし、リブ71a、71bの高さを入口側より出口側で高くしているので、リブ71a、71bの頂と本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kとの落差が出口側で大きくなり、多数の凹凸のある紙幣6がリブ71a、71bに当接した状態でも該紙幣6の他の部分が本体側案内面62Aや開閉扉の内側面62Kに接触し難くい。
一方、本体側案内面62Aや開閉扉62Bの内側面62Kとの間隔が湾曲通路の入口から出口まで一定の場合には、リブ71a、71bの高さを高くすると、湾曲通路の実質的な通路幅(リブ間通路幅Rd)が出口側で狭くなる。そこで、これを補うために、本体側案内面62Aと開閉扉の内側面62Kとの間隔Jを、リブ71a、71bの高さに対応させて出口側ほど高くすることで、湾曲通路の入口から出口までリブ間通路幅Rdを均一にしてある。
また、紙幣が湾曲通路の出口側へ進行すればするほど、湾曲通路の内壁面62A、62Kやリブ71a、71bと紙幣6との接触面積が増加して抵抗が増す傾向にあるので、出口側ほど両内壁面62A、62Kの間隔を広くし且つリブ71a、71bの高さを高くしてある。これにより、多数のしわのある紙幣6であっても湾曲通路内を円滑に進むことができる。
また、第2ローラ64から排出補助ローラ65に向かう経路では、徐々に通路幅を狭くし、特に、排出補助ローラ65の周面に沿って進む部分(ガイド部69と排出補助ローラ65との間)を狭くしてある。これにより、紙幣6が排出補助ローラ65に当接して、排出補助ローラ65との摩擦が増えて、排出補助ローラ65による通路部40内への紙幣6の送り出しが効率的に行われる。
図19に示すように、排出補助ローラ65は、円形の外周の一部を弦に沿って直線状に切り欠いた切欠部65a(所謂、Dカット)を有する板状の扁平回転板65bを、所定間隔をあけて、軸65cに複数枚配設して構成される。各扁平回転板65bには、180度位置をずらして2つの切欠部65aが形成されている。
扁平回転板65bは、通路部40の開口側通路枠40Aの内壁に設けられた4本の各ガイドレール46に対応した位置に配設されている。このうち一方の端部側の2枚と他方の端部側の2枚は、切欠部65aの角度が90度ずれるように設定されている。
切欠部65aは、紙幣6をその終端まで確実に通路部40内へ送り出すことに寄与する。すなわち、円形のローラを回転させた場合、紙幣6が一旦滑り始めると、滑り続けてしまう可能性があるが、切欠部65aを設けることで、この部分に紙幣6が引っ掛かり、確実な繰り出しが行われる。さらに、一方側の2枚の扁平回転板65bと他方側の2枚の扁平回転板65bとで切欠部65aの位置(位相)をずらしてあるので、これらの扁平回転板65bが交互に紙幣6に接触して叩くように動作し、より確実な紙幣6の繰り出しが行われる。
図20は、排出補助ローラ65が紙幣6をその終端まで送り出す様子を模式的に示している。同図(a)は排出補助ローラ65の弧の部分が紙幣6の終端近傍部分に接している状態を示している。この状態では滑ってうまく排出できない場合があるが、同図(b)〜(e)に示すように、切欠部65aが紙幣6の終端に当接する状態になると、切欠部65aの直線部分が紙幣6の終端に引っ掛かり、紙幣6を押し出すように排出する。上記(b)〜(e)の動作は1回の回転で達成される場合もあるが、通常は、排出補助ローラ65が何度も回転するうちに達成される。また、一方側の2枚の扁平回転板65bと他方側の2枚の扁平回転板65bで切欠部65aの位置(位相)をずらしてあるので、これらの扁平回転板65bが交互に紙幣6に接触して叩くように動作し、より確実な紙幣6の繰り出しが行われる。
なお、排出補助ローラ65は弧の部分が開口部44から紙幣通路43の内方を臨む状態で、その周面のうち、最も紙幣通路43の内側寄りの部分が上流側のガイドレール46aとほぼ同一の高さ(少なくとも上流側のガイドレール46aより紙幣通路43の内側へ突出しない高さ)になっている。これにより、この紙幣取込装置24より上流側から流れてくる紙幣6や搬送補助体16が排出補助ローラ65に引っ掛かることなく円滑に通過することができる。
また、切欠部65aが開口部44を臨む状態(同図(c)、切欠部65aの直線部分が搬送方向Fと平行になる状態)のとき、切欠部65aの直線部分の高さが下流側のガイドレール46bの端部と同一(もしくは下流側のガイドレール46bの端部よりやや内側)になっている。これにより、下流側のガイドレール46bの端部に紙幣6が引っ掛かることがなく、排出補助ローラ65による紙幣6の送り出しが円滑に行われる。
次に、搬送管12内のリブ34と通路部40内のガイドレール46とのつながり状態について説明する。
図21は、対向面側通路枠40Bを外した紙幣取込装置24を、これに接続されている搬送管12の端部の一部を切り欠いて示した図である。
図21に示すように、上流側の搬送管12Uと通路部40との接続箇所において、上流側のガイドレール46a(ここでは、紙幣通路43の内壁)の高さを、該ガイドレール46(ここでは、紙幣通路43の内壁)が搬送管12のリブ34より外側となる段差D1が生じるようにしてある。本例ではガイドレール46aの高さを0にするよりもさらに大きな段差が生じるように紙幣通路43の内壁を外側に削ってあるが、ガイドレール46aの高さを低くするだけでも段差を確保することができる。
また、下流側の搬送管12Dと通路部40との接続箇所において、ガイドレール46bの高さを、該ガイドレール46bが搬送管12のリブ34より内側となる段差D2が生じるように設定してある。
すなわち、搬送管12のリブ34と通路部40内のガイドレール46のうち、それらの接続部で下流側となる方が上流側となる方より低く(紙幣通路43の外側寄り)なるようにしてある。
このような段差を設けることで、紙幣6がリブ34に当接しながら搬送された場合でも、上流側の搬送管12Uと紙幣通路43との接続箇所では、紙幣6がガイドレール46aの端部に引っ掛かることなく円滑に進むことができる。また、搬送補助体16も上流側の搬送管12Uから通路部40の紙幣通路43内へと円滑に進むことができる。
下流側の接続箇所でも同様に、紙幣6や搬送補助体16がガイドレール46bから下流側の搬送管12D内へ進行する際に搬送管12のリブ34に引っ掛かることなく進むことができる。
段差D1の下流側では、その段差が次第に小さくなり、逆に上流側のガイドレール46aがリブ34より内側となるように、紙幣通路43の内壁や上流側のガイドレール46aの端部に徐々に内側に向かう傾斜を付けてある。そして、上流側のガイドレール46aのうちこの傾斜した領域より下流の部分は、搬送方向Fに平行な(内側方向にも外側方向にも傾斜していない)平坦領域46fになっている。段差D1の部分で仮に搬送補助体16の姿勢がある程度崩れたとしても、平坦領域46fを設けてあるので、この部分を通る間に搬送補助体16の姿勢が補正される。
通路部40のうちの開口側通路枠40A側の内壁面に設けられた下流側のガイドレール46bについても同様である。すなわち、下流側のガイドレール46bの排出補助ローラ65側の端部は下流側が次第に内側となるように傾斜しているが、その傾斜部分より下流の一定距離は平坦領域46f´になっている。これにより、たとえ排出補助ローラ65の下流側の傾斜部分で搬送補助体16の姿勢がある程度崩れたとしても、この平坦部分46f´を通る間に搬送補助体16の姿勢が補正される。なお、対向面側通路枠40B側の内壁面では平坦領域46fが下流端まで継続している。
図22は、紙幣取込装置24が紙幣6を受け入れてから通路部40内へ送り出すまでの動作を示している。なお、待機部62の湾曲通路のうち紙幣受入口61側の端部近傍には当該箇所に存在する紙幣6を検知する第1センサ81が、第2ローラ64の下流側近傍には当該箇所に存在する紙幣6を検知する第2センサ82が、排出補助ローラ65よりやや下流側の紙幣通路43内には当該箇所に存在する紙幣6を検出する第3センサ83が設けてある。これらはいずれも紙幣による光の遮断の有無を検出する光センサで構成されている。
紙幣取込装置24は、遊技球貸機3から紙幣6が到来してその先端を第1センサ81が検出すると(図22(a))、モータ66を駆動する。これにより第1ローラ63、第2ローラ64が回転し、第1ローラ63が第2ローラ64側に向けて紙幣6を送り出す。その後、この紙幣6の先端を第2センサ82が検知するとモータ66を停止(第1ローラ63、第2ローラ64の回転を停止)させる(図22(b))。これにより紙幣6は待機部62の待機位置に待機した状態になる。紙幣6が待機位置に待機したことは図示省略の制御部に通知され、この通知を受けた制御部は、紙幣6が待機位置に待機したことを確認すると、紙幣取込装置24に対して紙幣の排出許可信号を送信する。
これを受けた紙幣取込装置24は、モータ66を駆動し、第2ローラ64および排出補助ローラ65を回転させる。これにより紙幣6は開口部44から通路部40(紙幣通路43)内へ排出される。紙幣6が排出されると第3センサ83がこれを検知する状態となり(図22(c))、その後、第3センサ83が紙幣を検知しなくなる(紙幣6の後端が第3センサ83より下流側まで進行する)と、モータ66を停止させる(図22(d))。以上のようにして紙幣取込装置24は遊技球貸機3からの紙幣6を搬送管12内へ送り出す。紙幣取込装置24は紙幣6の排出が完了すると、その旨を制御部に通知する。これを受けた制御部は搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送出させてこの紙幣6を回収する。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では排出補助ローラ65を4枚の扁平回転板65bで構成したが、扁平回転板65bの枚数はこれに限定されない。ガイドレール46に対応した枚数にすることが好ましい。また、それぞれの扁平回転板65bに2つの切欠部65aを設けたが、1枚の扁平回転板65bに設ける切欠部65aの数は1個でも、あるいは3個以上でもかまわない。
さらに、排出補助ローラ65は、扁平回転板65bで構成するものに限定されず、たとえば、円柱状のローラに切欠部65aに相当する扁平した部分を設けた形状などでもかまわない。このように円柱状のローラとする場合、軸方向の各部で切欠部65aの角度を変える(たとえば、90度ずらす)ようにすればよい。
また、実施の形態では、待機部62をS字状に湾曲させた経路としたが、少なくとも凹方向と凸方向に1回の湾曲を有する経路であれば、凹凸に向きを変える回数は適宜に設定してよい。
待機部62の内壁面に設けるリブ71の本数や配置は実施の形態で例示したものに限定されない。たとえば、通路幅(紙幣6の短辺方向)の中央に、さらにリブ71を設けるようにしてもよい。
また、本体側案内面62A側のリブ71aと開閉扉62Bの内側面62K側のリブ71bは対向配置されることが好ましいが、互い違いなど、ずらして配置されてもよい。また、本体側案内面62Aと開閉扉62Bの内側面62Kのうちの一方の面のみにリブを設ける構成でもよい。
実施の形態では、湾曲通路の本体側案内面62Aと開閉扉62Bの内側面62Kとの間隔Jを出口側で広くすると共に、これに対応させてリブ71a、71bの高さを出口側で高くし、実質的なリブ間通路幅Rdを湾曲通路の入口から出口まで均一にしたが、必ずしも均一にされなくてもよい。また、リブ71a、71bの高さは一定とし、湾曲通路の本体側案内面62Aと開閉扉62Bの内側面62Kとの間隔Jを出口側で広くするようにしてもよい。リブ間通路幅Rdが入口側より出口側で広い構成となる。このような構成でも、しわのある紙幣6との両内壁面62A、62Kやリブ71a、71bとの接触が少なくなり、湾曲通路内での紙幣6の搬送が円滑化される。
逆に入口から出口まで本体側案内面62Aと開閉扉62Bの内側面62Kとの間隔Jを一定にし、リブ71a、71bの高さを出口側で高くするように構成されてもよい。リブ間通路幅Rdが入口側より出口側で狭い構成となる。このような構成でも、しわのある紙幣6との両内壁面62A、62Kやリブ71a、71bとの接触が入口側で減少するので、湾曲通路全体としては接触抵抗が低減しており、しわのある紙幣6の湾曲通路内での搬送が円滑化される。
また、搬送補助体16の形状は実施の形態で示したものに限定されない。たとえば、断面矩形・多角形などの柱形状としてもよい。また、搬送補助体16をY方向中央部に対して対象な形状にしたが、Y方向に非対称な形状にされてもかまわない。
実施の形態では紙葉類として紙幣6を例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類搬送装置10は、遊技機島2内に設置されるものに限定されず、たとえば、遊技場内の複数の遊技機島2や管理室などを巡るように構成されてもよい。
実施の形態では、紙葉類を1枚のみ搬送する例を図3等に示したが、搬送管12の途中に複数枚の紙幣6が存在する状態で搬送補助体16を挿入した場合には、それら複数枚の紙幣6を一度に搬送することも可能である。たとえば、搬送管12の復路12cの途中の各紙幣取込装置24の取込完了位置にそれぞれ紙幣6が停留している状態で搬送補助体挿入装置21から搬送補助体16を送り込むと、搬送補助体16が押し動かす紙幣6の枚数が復路12cを進む途中で順に増加し、すべての紙幣6を搬送することができる。このような大きな搬送力は、搬送補助体16が搬送管12の断面をほぼ塞ぐ形状を成していること、またこれにより紙幣6の張り付き吸着が少なくなること、拡張部38の存在により空気流の作用を受ける面積が大きいことなどによって確保される。また、搬送補助体16が変形しない柱状をなしているので、羽などでは実現されない、多数枚の一括搬送を可能にしている。
実施の形態では搬送管12の断面を略長方形としたが、円形や楕円形など他の形状にされてもよい。ただし、搬送補助体はその内縁形状に対応した形状で断面のほぼ全体を塞ぐことが好ましい。また、複数のリブを設けて、紙葉類の実質的な通路幅を狭くするとよい。
また遊技機島は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。