以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送補助体挿入装置40を含む紙葉類搬送装置10の概略構成を示す平面図、図2は紙葉類搬送装置10の正面図である。本実施の形態では、紙葉類搬送装置10は、紙幣の投入を受けて遊技者に遊技球(パチンコ球)を貸し出す遊技球貸機3とパチンコ機などの遊技機4とを一組にしたものを、互いが背中合わせになるようにして表裏面に複数組併設収容した遊技機島2内に設けられ、各遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を取り込んで遊技機島の端部に設けられた金庫5まで搬送する紙幣搬送装置として構成されている。
紙葉類搬送装置10は、紙幣(紙葉類)の搬送路となる搬送管12と、搬送管12内にその延設方向に流れる空気流を発生させる空気流発生装置14とを備えている。紙葉類搬送装置10では、空気流を受けて搬送管12内を移動可能な搬送補助体16を、搬送対象の紙幣より上流側で搬送管12内へ挿入し、該搬送補助体16で搬送管12内の紙幣を後方から押し動かして下流へ搬送するようになっている。
本例では、図2に示すように、遊技機島2の一方の端部に、空気流発生装置14と金庫5が配置されており、紙葉類搬送装置10の搬送管12は、空気流発生装置14が設置された側の遊技機島2の端部にその始端部と終端部を備え、始端部から遊技機島2の他方の端部まで延設された往路12aと、他方の端部でU字状に折り返すターン部12bと、ターン部12bで折り返した後、終端部まで延設された復路12cで構成されている。
搬送管12は、搬送管12の往路12aおよび復路12cは、所定の長さ、たとえば、遊技機島2に併設収容された遊技機4と遊技球貸機3の1セット分の横幅に対応した長さ、を単位に分割されており、これらを連結ユニット18で必要本数連結することで、遊技機島2の長手方向の長さに応じて経路長を調整できるようになっている。また、施工現場では、搬送管12を必要な長さにその場でカットして使用するようになっている。
空気流発生装置14の吹き出し口14aは、搬送管12(往路12a)の始端部側に接続され、空気流発生装置14の吸い込み口14bは搬送管12(復路12c)の終端部側に接続されている。空気流発生装置14はモータでファンを回転させることによって、始端部側から搬送管12内へ空気を吹き出すと共に、終端部側から搬送管12内の空気を吸い出すことで、搬送管12内にその始端部から終端部へ向かう(搬送管12の延設方向に沿って流れる)空気流を発生させる。なお、空気流発生装置14は吸い込み口14bから吸い出した搬送管12内の空気の一部を吹き出し口14aから再び搬送管12内へ送り出して循環させるようになっている。
搬送管12の始端部の所定位置からその上方に位置する搬送管12の終端近傍部分に跨って、それぞれの箇所の搬送管12に介挿されるようにして、搬送補助体循環利用装置22が設けてある。搬送補助体循環利用装置22は、始端側の搬送管12内へ搬送補助体16を送り出す搬送補助体挿入装置40としての機能と、搬送管12の終端近傍で、紙幣6とこれを後方から押し動かして搬送してきた搬送補助体16とを分離し、搬送補助体16を回収する搬送補助体分離装置70の機能を備えると共に、搬送補助体分離装置70で回収した搬送補助体16を搬送補助体挿入装置40へ戻して循環させる機能を果たす。搬送補助体循環利用装置22の詳細は後述する。
搬送補助体循環利用装置22の搬送補助体分離装置70の下流には、分離された紙幣を回収して金庫5内へ取り込む紙幣分離装置20が設けてある。
搬送管12の復路12cの途中には、各遊技球貸機3に対応する位置に、遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を搬送管12内へ取り込む紙幣取込装置24が配設されている。紙幣取込装置24は、遊技機島2の表面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6と、遊技機島2の裏面側に配置された遊技球貸機3からの紙幣6とを取り込むべく、搬送管12の側壁の両側に設けられている。紙幣取込装置24は、復路12cを構成する搬送管と搬送管の間に介在してこれらを連結する役割も果たす。
紙幣取込装置24から搬送管12の復路12c内に取り込まれた紙幣6は、その紙面が搬送管12の延設方向に沿う姿勢で取り込み完了位置に滞在する。この搬送管12内に取り込まれて滞在している紙幣6を金庫5まで搬送して回収するために搬送補助体16が搬送補助体循環利用装置22の搬送補助体挿入装置40によって搬送管12内へ送り込まれる。搬送管12内へ送り込まれた搬送補助体16は、空気流発生装置14が発生させた空気流の作用を受けて往路12a内をターン部12bに向けて移動し、ターン部12bでUターンした後、復路12c内を終端部に向けてさらに移動する。このとき、図3に示すように、搬送管12内の紙幣6を、該紙幣6の後端側から搬送補助体16が押し動かすことで、搬送管12の終端部へ向けて(図中の搬送方向Fへ)紙幣6が搬送される。
搬送補助体循環利用装置22、紙幣分離装置20、紙幣取込装置24は、CPU、ROM、RAMなどを主要部とする図示省略の制御部に制御されて動作する。本例では、空気流発生装置14は常時作動させておき、制御部は、紙幣取込装置24に設けたセンサが遊技球貸機3の背面から排出された紙幣6を検知すると紙幣取込装置24を作動させて該紙幣6を搬送管12内に取り込む。そして、この取り込み動作が完了したら搬送補助体循環利用装置22の搬送補助体挿入装置40から搬送補助体16を搬送管12内へ送り込む。すると、この搬送補助体16が空気流の作用を受けて搬送管12内を移動し、紙幣6を後方から押し動かして搬送する。そして、搬送補助体循環利用装置22の搬送補助体分離装置70は搬送補助体16の到来を検知すると分離回収動作を行って搬送補助体16を回収し、その回収した搬送補助体16を次回の送出に備えて搬送補助体挿入装置40へ案内する。搬送補助体分離装置70によって分離された紙幣6はその下流の紙幣分離装置20に到達し、紙幣分離装置20が紙幣6を検知したら紙幣分離装置20の搬送ベルトを駆動して紙幣6を金庫5へ搬送する、というように制御する。
なお、空気流発生装置14を必要時(たとえば、紙幣取込装置24が遊技球貸機3からの紙幣を検知した時点からその紙幣を金庫5に搬送し終えるまでの間)のみ動作させるように制御してもよい。
このように、空気流の作用を受けて搬送補助体16が移動し、この搬送補助体16によって紙幣6を後端側から押し動かして搬送するので、紙幣6自体は空気流を受けて推進力を得る必要がない。したがって、空気流を受けるために紙幣6を折り曲げる等の措置を施すことなく、紙幣6を空気流によって搬送することができる。
次に、搬送管12および搬送補助体16の形状について詳細に説明する。
図4は、直線部分(往路12aおよび復路12cの部分)における搬送管12の該搬送管12の延設方向F(=紙幣の搬送方向F=空気流の流れる方向)に垂直な断面の形状を示している。搬送管12は、厚さ1.5ミリほどの樹脂で形成されている。搬送管12は、たとえば、押し出し成型によって形成される。
搬送管12の直線部分は、図4の断面形状を有して直線状に延設された筒状を成している。搬送管12の延設方向に垂直な断面は略長方形の扁平した形状をなしており、その長辺(長手方向)をなす一対の対向する側壁部32は複数のリブ34およびガイドレール36、拡張部38が形成されて凹凸にされている。略長方形の断面の短辺(短手方向)側をなす一対の対向する壁部33はほぼ平らになっている。
以後、搬送管12の延設方向(搬送方向F)に垂直な略長方形の断面における短辺方向をX方向(もしくは幅方向)、長辺方向をY方向(もしくは高さ方向)とする。
側壁部32は、搬送される紙幣6の紙面に対向する一対の内壁となっている。紙幣6は長方形をなしており、搬送管12内を、長辺が搬送方向Fとなる向きとなって搬送される。言い換えると、紙面が搬送管12の側壁部32に対向しかつ紙幣6の一方の短辺が搬送方向の先端側となり他方の短辺が後端側となる向きで搬送される。
搬送管12の一対の対向する壁部33同士の間隔Dyは紙幣6の短辺より僅かに長くされている。また、一対の側壁部32のうちリブ34やガイドレール36、拡張部38が形成されていない部分(基準平面部とする)での間隔Dxは2cmほどに設定されている。
ガイドレール36は、側壁部32のY方向(高さ方向)の中央部に形成されている。ガイドレール36は、基準平面部より搬送管12の外側へ「コ」の字状に突出し、搬送管12の内部空間を拡張する矩形の拡張部38としての役割も兼ねている。ガイドレール36のY方向の内壁間距離は23ミリ程にされている。またガイドレール36の基準平面部から外側への突出量は5ミリ程にされている。
リブ34は、側壁部32から搬送管12の内側(対向する側壁部32)に向けて突出するようにして複数本形成されている。基準平面部からリブ34の頂までの高さは約2ミリになっている。リブ34の高さは適宜に設定すればよい。リブ34は、ガイドレール36の両縁部に沿って形成されている。また、これらよりY方向に中心から両外側へ10ミリ程離れた位置にもそれぞれ設けられている。
図5は、搬送補助体16の平面および正面を示している。搬送補助体16は、各部で径が異なる断面円形の柱状を成している。搬送補助体16は、円柱の中心軸が搬送管12のY方向(高さ方向)となるように搬送管12内に挿入されて使用される。搬送補助体16は発泡スチロール、押出発泡ポリスチレンなどにより、軽量かつ丈夫に形成される。なお、搬送補助体16は内部が空洞に形成されてもよい。
図6は、搬送管12内に搬送補助体16を挿入した状態における、延設方向Fに垂直であって搬送補助体16の中心軸を通る断面を示している。搬送補助体16の各部の径は、搬送管12の内縁形状に対応している。すなわち、搬送補助体16の中心軸を通る断面形状は、延設方向Fと垂直な断面における搬送管12の内縁形状に対応した形状となっており、搬送管12の内側を内壁との間に所定のクリアランスをあけてほぼ塞ぐ形状になっている。
このように、搬送補助体16は、搬送管12の内縁形状に対応する形状(若干のクリアランスをもってほぼ同一の形状)をなして搬送管12の断面のほぼ全体を塞ぐので、空気流の作用を効率よく受けて移動することができる。さらに搬送補助体16は上流からの空気流が下流へ至るのを遮り、下流側での空気流の乱れを抑制する役割を果たす。
紙幣6は、搬送管12内の空気流から作用を受けると側壁部32に張り付く傾向にある。すなわち、紙幣6の一方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔と、他方の紙面とこれに対向する側壁部32との間隔とが均等になることはほとんどなく、いずれかの間隔が他方より狭くなると、空気流の流速は狭い間隔側で広い間隔側より速くなるため、狭い間隔側の気圧が広い間隔側の気圧より低くなり、この気圧差によって紙幣6が狭い間隔側の側壁部32へ吸着・押圧される、すると狭い間隔側の間隔がさらに狭くなり、紙幣6が側壁部32へ張り付き吸着する現象が生じる。
紙幣6が強く側壁部32に張り付くと、搬送補助体16で紙幣6を押し動かして搬送することが難しくなるが、上記のように搬送補助体16はその下流側への空気の流れを遮る(少なくする)作用を果たすので、紙幣6が張り付き吸着する力は小さく、円滑な搬送が実現される。
搬送補助体16のガイドレール36に対応する箇所は、ガイドレール36と係合する係合部となっている。本例では、ガイドレール36を搬送管12のY方向の中央寄りに設けてあるので、搬送補助体16を安定した姿勢に維持して移動させることができる。また、搬送補助体16の姿勢が安定するので、紙幣6の後端に適切に当接して安定した搬送力を与えることができ、搬送管12と搬送補助体16との間に紙幣6が巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
また、ガイドレール36の部分は、搬送管12の内部空間を外側へ広げる拡張部38となっており、搬送補助体16もガイドレール36の形状に対応した形状(係合部)を成している。これにより、搬送補助体16は、空気流の作用を受ける部分の面積が拡大し、移動するための力を効率よく受けることができる。また、拡張部38を設けることで、拡張部38以外の部分での搬送管12内の幅(Dx)を狭くすることができるので、紙幣6の倒れを防止することができる。
さらに、側壁部32に設けた複数本のリブ34の存在により、紙幣6が側壁部32にぴったりと張り付くことが防止される。すなわち、紙幣6と側壁部32との接触面積が少なくなって摩擦が軽減され、静電気の発生等を抑えることができる。また、紙幣6が側壁部32に張り付いた場合でも、その紙幣6は複数本のリブ34の先端部分で支持されるため、リブ34の周辺やリブ34とリブ34の間では側壁部32と紙幣6との間に隙間が確保され、張り付き力が小さく抑えられる。
また、側壁部32から内側に突出する複数のリブ34は、搬送管12の幅方向(X方向)における実質的な紙幣6の通路幅Wを、基準平面部間距離Dxより狭くする役割を果たす。これにより、紙幣6が搬送管12内で横倒れし難くなり、紙幣6の姿勢がY方向に沿うように保持される。特に、リブ34を複数設けることで、紙幣6の倒れを適切に防ぐと共に、紙幣6の側壁部32への張り付きも効果的に防止される。なお、リブ34を設けた分だけDxを大きくすることができ、これによって搬送管12の断面積を大きくして搬送補助体16が空気流の作用を受けやすくなっている。
本実施の形態に係る搬送補助体16の場合、ガイドレール36に対応する部分の径が最も大きいので、図3に示すように、この最大径の部分16mが紙幣6の後端に当接して押し動かすようになる。
図7は、ターン部12bの正面図である。ターン部12bは、搬送管12を、Y方向を半径方向として180度の円弧を描くように延設した形状をなしている。ターン部12bにおいてもリブ34およびガイドレール36は形成されているが、搬送補助体16が円弧状にターン部12b内を移動する際に引っかかることがないように、搬送補助体16がターン部12b内を円弧状に通る軌跡の範囲からリブ34やガイドレール36を逃がすように(直線部分よりクリアランスを大きく)してある。これにより、ターン部12bでの回転半径を小さくすることができる。リブ34等の逃がし部分Qは、回転半径が小さくなる内側ほど大きくとってある。
次に、搬送補助体循環利用装置22を説明する。
図8、図9は、搬送補助体循環利用装置22の概観を示している。搬送補助体循環利用装置22は、搬送補助体16を搬送管12内へ送り出す搬送補助体挿入装置40と、搬送補助体挿入装置40の上方に重ねて配置され、搬送補助体16を紙幣6と分離して回収する搬送補助体分離装置70とを一体にして構成される。
まず、搬送補助体分離装置70の詳細について説明する。
図10は搬送補助体分離装置70の分解斜視図である。搬送補助体分離装置70は、搬送管12の終端に連結され、紙幣6およびこれを後方から押し動かして搬送してきた搬送補助体16が流入する回収通路としての分離回収部71と、分離回収部71を、回動可能に支持して内部に収容する本体ケース部73と、分離回収部71を本体ケース部73内で回動させる動力を与える第1駆動部74とを備えて構成される。分離回収部71は、その上流側端部の上下の面から上下に突出する軸部72を有している。なお、分離回収部71を内部に収容するため、本体ケース部73は上枠部73aと下枠部73bの上下に分割可能に構成されている。
本体ケース部73は、一方の端部に搬送管12の終端部を内側に密に所定長挿入して接続する搬送管接続部75を有し(図8参照)、他方の端部側は、下流の紙幣分離装置20へ通じる紙幣通路が接続される矩形に開口した紙幣通路接続部76となっている(図9参照)。搬送補助体分離装置70においては、搬送管接続部75のある側を上流側、紙幣通路接続部76のある側を下流側と呼ぶ。
搬送管接続部75と紙幣通路接続部76の間には、分離回収部71を軸部72を中心に所定角度回動可能に収容するように、扇形(弧が下流側(紙幣通路接続部76側)となる扇形)に拡張された収容室となっている。収容室から紙幣通路接続部76までの通路を紙幣排出通路76aとする。下枠部73bの紙幣排出通路76aの側面には、ダクト83(図9参照)が接続されるダクト接続口76bが設けてある。
また、本体ケース部73の上枠部73aには、分離回収部71の軸部72に対応する位置に軸穴73dが設けてある。下枠部73bには、収納した分離回収部71の下方の軸部72に対応する位置に軸受部(もしくは軸穴)が設けてある。
本体ケース部73の上枠部73aの軸穴73dに通す軸部72の頭部には、軸部72の径方向に延びる腕部72aが設けてあり、該腕部72aには径方向の長穴が開設してある。第1駆動部74はソレノイドで構成されており、進退するアクチュエータ74aの先端のピンを腕部72aの長穴に係合させてある。第1駆動部74のアクチュエータ74aを進退させることで、分離回収部71は、搬送管接続部75に接続された搬送管12の延長線上に位置する分離回収位置(図12(a)に示す位置)と、分離回収部71の下流側の端部を側方に移動させた排出位置(図12(b)に示す位置)とに回動するようになっている。また、分離回収部71が分離回収位置にあるか排出位置にあるかを検出する動作検出センサ74bを設けてある。ここでは、動作検出センサ74bとして、アクチュエータ74aの進退によって光が透過/遮断される光センサを用いている。
分離回収部71は、搬送補助体16が通る通路状をなしており(図11参照)、その軸部72側の端部(上流端)は紙幣6および搬送補助体16を受け入れるように開放されている。他端(下流端)には、紙幣6は下流へ通過させるが搬送補助体16は当接して停止させる紙幣通過口77が形成されている。詳細には、分離回収部71は紙幣通過口77の直前で通路幅が狭くなるように形成されており、搬送補助体16の最大径部分16mが紙幣通過口77の左右の縁部に当接して停止するようになっている。分離回収部71内で搬送補助体16が当接して停止する位置を回収位置とする。
紙幣通過口77は、紙幣6を十数枚束ねた状態でも通過し得る程度の開口幅を有している。また分離回収部71の下流端の底面には、紙幣通過口77の縁部に当接して回収位置に停止した搬送補助体16が下方に落下し得る円形の排出穴78が設けてある。
分離回収部71の両側壁の内側には、搬送管12の拡張部38の縁部に設けられたリブ34b(図4参照)の延長上に対応する位置にガイドレール79(図10、図11参照)が設けてある。ガイドレール79は、搬送補助体16の最大径部分16mを上下から挟むように上ガイドレール79Aと、下ガイドレール79Bで構成される。これら上下のガイドレール79A、79Bにより、分離回収部71内での搬送補助体16の上下の位置が規制される、また、搬送補助体16の最大径部分16mの上下の面と、ガイドレール79A、79Bとが接触することで、搬送補助体16を前後方向に傾斜しないように規制する役割を果たす。
さらに上ガイドレール79Aの上側には、搬送補助体16の首部16n(図5、図10参照)に対応する位置に、通路幅を次第に狭くする姿勢ガイド板80を設けてある。姿勢ガイド板80は首部16nを左右両側(搬送補助体16の径方向両側)から挟むように位置規制することで、搬送補助体16が左右に傾斜しないように規制する機能を果たす。左右一対の姿勢ガイド板80の間隔は、上流側は広く、下流側で狭くなっている。搬送補助体16が紙幣通過口77の縁に当接して停止する回収位置では、姿勢ガイド板80は搬送補助体16の首部16nに左右の両側から接し、搬送補助体16をほぼ傾斜のない直立した姿勢に規制する。また、姿勢ガイド板80は、左右にずれることなく回収位置に正しく到達するように搬送補助体16を案内する。
なお、下ガイドレール79Bは搬送補助体16が紙幣通過口77の縁部に当接して停止する回収位置の手前で終端している。すなわち、回収位置に停止した搬送補助体16が排出穴78から落下することを妨げないように、少なくとも搬送補助体16の最大径部分16mを下方に投影した範囲に下ガイドレール79Bが存在しないようにしてある。
図12(a)は分離回収部71が分離回収位置にあって搬送補助体16が回収位置に停止した状態を示している。搬送管接続部75からの空気流は分離回収部71に流入し紙幣通過口77から下流に向かって流れる。搬送補助体16によって搬送されてきた紙幣6はそのまま紙幣通過口77を通過してさらに下流へと進行する。図12(b)は回収位置に停止した搬送補助体16を収容したまま分離回収部71を排出位置に回動させた状態を示している。本体ケース部73の下枠部73bの底部であって、排出位置に移動した分離回収部71の回収位置に保持されている搬送補助体16の真下となる位置には、搬送補助体16を落下させるための落下穴73cが開設されている(図12(a)参照)。落下穴73cは、後述する搬送補助体挿入装置40の待機部42の真上の位置になっている。排出位置では、搬送管接続部75からの空気流は分離回収部71に流入し排出穴および落下穴73cから流出するように流れる。
このほか、搬送補助体分離装置70は、分離回収位置にある分離回収部71の回収位置に搬送補助体16が存在するか否かを検知するための搬送補助体検出センサ82(図9、図17参照)を備えている。
次に搬送補助体挿入装置40について説明する。
搬送補助体挿入装置40は、搬送管12へ送り出す搬送補助体16の通路となる送出通路41と、送出通路41の側壁の開口に連通して設けられ、この開口から送出通路41内へ次に繰り出す搬送補助体16を待機させる空洞室状の待機部42と、搬送補助体16を保持すると共に、送出通路41の側壁の開口を通じて待機部42内と送出通路41内とを往復移動可能に支持された可動収納部43(図13参照)と、可動収納部43に往復移動の動力を与える第2駆動部44とを有して構成される。なお、可動収納部43を内部に収容するため、送出通路41および待機部42は上下に分割して構成されている。
送出通路41は、直線状の断面略矩形の通路であって、一方の端部に搬送管12の始端部を内側に密に所定長挿入して接続する搬送管接続部45を有し(図8参照)、他方の端部は、空気流発生装置14の吹き出し口14a(送風パイプ)が接続される矩形に開口した送風パイプ接続部46となっている(図9参照)。搬送補助体挿入装置40においては、搬送管接続部45側を下流側、送風パイプ接続部46側を上流側とする。
可動収納部43は(図13参照)、上下に延びる断面U字の半筒形状を成した保持部43aと、平板状をなしてその下流側端部の一方の面(待機部42側の面)が保持部43aのU字の腕部分に沿うようにして保持部43aをそのU字の上部が下流側を向くようにして支持する支持板43bと、支持板43bの上流側端部の他方の面から斜め下流側に延びる腕部43cと、腕部43cの先端部に設けられた回転軸43dとを有して構成される。
保持部43aのU字の弧の部分は搬送補助体16の最大径部分16mよりやや大きい径で湾曲している。保持部43aの下部は、内側形状がその上側部分より一回り小さいU字状にされた段差部43eとなっている。段差部43eは搬送補助体16の首部16nの径に対応した大きさをなしており、段差部43eの上端に搬送補助体16の最大径部分16mの下面が当接して引っ掛かることで、搬送補助体16を保持する。
また、保持部43aのうちU字の湾曲部に対応する各部分には通風用の送風穴43fが設けてある。また、支持板43bの上流側部分にも通風用の送風穴43gが開設されている。
回転軸43dの上下端は、待機部42よりも上流側の送出通路41の天井面および底面に開設された軸穴47に挿通される。回転軸43dの下端には軸の径方向に延びる腕部43h(図9、図18参照)が設けてあり、該腕部43hには径方向の長穴が設けてある。第2駆動部44はソレノイドで構成されており、その進退するアクチュエータ44aの先端のピンを腕部43hの長穴に係合させてある。第2駆動部44のアクチュエータ44aを進退させることで、可動収納部43は、保持部43aが待機部42内に収まる待機位置(図14(a)の位置)と、保持部43aが送出通路41内に移動した送出位置(図14(b)の位置)とに回動するようになっている。また、可動収納部43が待機位置にあるか送出位置にあるかを検出する動作検出センサ44b(図13参照)を設けてある。ここでは、動作検出センサ44bとして、アクチュエータ44aの進退によって光が透過/遮断される光センサを用いている。
待機部42の天井面のうち搬送補助体分離装置70の落下穴73cの真下となる位置に、落下穴73cから落下してきた搬送補助体16を受け入れるための円形の開口が設けてあり、この開口と搬送補助体分離装置70の落下穴73cとの間は円筒状の案内部91で接続されている。可動収納部43は、図14(a)に示すように、待機位置にあるとき、搬送補助体分離装置70の落下穴73cから案内部91を通じて落下してきた搬送補助体16を受け入れ、最大径部16mの下面が段差部43eに引っ掛かって保持部43aに保持するようになっている。
待機部42には、待機位置に搬送補助体16が待機しているか否かを検出する搬送補助体センサ48が設けてある(図13参照)。ここでは、搬送補助体センサ48として、待機位置に待機している搬送補助体16によって光が遮断され、待機位置に搬送補助体16がない場合は光が遮断されないように配置された透過型の光センサを用いている。
待機部42の壁面には、ダクト83を接続するための開口が設けてあり、ダクト83は、待機部42と搬送補助体分離装置70の紙幣排出通路76aに設けたダクト接続口76bを接続する。
図14(a)に示すように、可動収納部43が待機位置にある状態では、支持板43b(送風穴43gのない部分)が送出通路41の側壁に当接した状態になり、送出通路41と待機部42とを連通させている開口を封鎖する。また、この状態では支持板43bは送出通路41の側壁に沿って当接しているので、送風パイプ接続部46からの空気流は搬送管接続部45に向かって十分に流れるようになっている。
図14(b)に示すように、可動収納部43が送出位置に移動すると、可動収納部43の保持部43aに保持された搬送補助体16が丁度、送出通路41の通路内に位置するように移動される。このとき、送風パイプ接続部46からの空気流は、支持板43bに設けた送風穴43g、保持部43aに設けた送風穴43fを通じて搬送管接続部45側(下流側)に向かって流れる。この空気流により搬送補助体16は保持部43aから離脱して送出通路41内を進行し搬送管接続部45から搬送管12内へと送り出される。
送出通路41の左右の両内壁には、搬送管接続部45に接続される搬送管12の拡張部38の縁部を成しているリブ34b(図4参照)の延長上に対応する位置に、内側に突出するガイドレール49が設けてある。ガイドレール49は、搬送補助体16の最大径部分16mを上下から挟むように上ガイドレール49Aと、下ガイドレール49Bで構成される。このうち、下ガイドレール49Bは搬送管接続部45から送出位置にある可動収納部43の直前まで延設されており、上ガイドレール49Aは、下ガイドレール49Bに比べて上流側が短く終端されている(図15参照)。短い方の上ガイドレール49Aの上流側であって、長い方の下ガイドレール49Bと対向する位置に姿勢補正機構51を設けてある。ここでは、姿勢補正機構51は、搬送補助体16の送出方向に沿って回転する円形回転体であり、送出通路41の側壁に設けられた軸受け穴52(図13参照)に回転軸を挿通して回転自在に支持される。姿勢補正機構51はその最下点が上ガイドレール49Aの下面よりやや下方になるように配置される。
送出位置に移動した可動収納部43の保持部43aから送出された搬送補助体16は、図15(a)に示すように、若干、姿勢を崩して(この例では後傾して)送出される場合がある。下ガイドレール49Bは搬送補助体16の最大径部16mの下面に当接して搬送補助体16の下方の限界位置を規制する。搬送補助体16の最大径部16mの上面は、自在に回転する姿勢補正機構51に当接し、その回転に案内されながら進行することで、同図(b)に示すように、搬送補助体16は次第に姿勢を正して直立した状態に補正される。正しい姿勢になった搬送補助体16は、そのまま進行して上ガイドレール49Aと下ガイドレール49Bの間に最大径部16mが位置規制されながら搬送管12の始端に向けて送出される。
姿勢補正機構51は自在に回転する円形回転体なので、姿勢の崩れた搬送補助体16と接触した場合でも、搬送補助体16が引っ掛かることなく、円滑に姿勢を立て直すことができる。また姿勢補正機構51の最下点が上ガイドレール49Aの下面より若干、下方に位置するので、姿勢補正機構51を通過した後、上ガイドレール49Aの上流側端部に引っ掛かることなく搬送補助体16は円滑に上下のガイドレール49の間に入って位置規制されながら進行することができる。
なお、図13等に示すように、送出通路41は、姿勢補正機構51より下流側の一方の側壁に、手動で搬送補助体16を挿入するための手動挿入口53が設けられており、この手動挿入口53に開閉扉54が取り付けられている。開閉扉54の内側の該当部分にはガイドレール49が設けてある。開閉扉54は通常は閉じて使用される。搬送補助体挿入装置40が故障した場合などに、開閉扉54を開いて送出通路41内へ搬送補助体16を挿入して手を離すことで、手動で搬送補助体16を搬送管12内へ送り出すことができる。
次に、搬送補助体循環利用装置22の動きを説明する。
搬送補助体循環利用装置22は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを主要部とする図示省略の制御部に制御されて、図16に示す流れで動作する。制御部は、各遊技球貸機3に対応して設けられたいずれかの紙幣取込装置24により紙幣6が搬送管12内に取り込まれたことを、紙幣取込装置24に設けたセンサの検出信号に基づいて認識すると(ステップS101)、搬送補助体16が搬送補助体挿入装置40の待機部42に待機しているか否かを搬送補助体センサ48の検出信号により確認する(ステップS102)。
待機していることが確認できたら(ステップS102;Y)、第2駆動部44を作動させて可動収納部43を送出位置に移動させる(ステップS103)。すると、可動収納部43の保持部43aに保持されている搬送補助体16が、空気流発生装置14からの空気流に乗って送出通路41を経て搬送管12内へ送出される(ステップS104)。
制御部は、その後、所定時間経過後、第2駆動部44を制御して可動収納部43を待機部42内の待機位置に移動させる(ステップS105)。
搬送補助体挿入装置40から送出された搬送補助体16は空気流により搬送管12内を移動し、やがて紙幣取込装置24が搬送管12内に取り込んだ紙幣6の後端に当接し、その紙幣6を後方から押し動かして搬送する(ステップS106)。
制御部は、搬送補助体16が搬送補助体分離装置70の分離回収部71内の回収位置に到達して停止したか否か搬送補助体検出センサ82の検出信号に基づいて監視し、回収位置に停止したことが確認されたら(ステップS107;Y)、第1駆動部74を作動させて、分離回収部71を排出位置に移動させる(ステップS108)。
搬送補助体16は排出位置に移動された分離回収部71の排出穴78から下方に落下し、案内部91を通じて待機部42に入って可動収納部43の保持部43aに受け止められて保持される。制御部は、搬送補助体16が待機部42の待機位置に待機したことを搬送補助体センサ48の出力信号で確認すると(ステップS109;Y)、第1駆動部74を作動させて分離回収部71を分離回収位置に移動させる(ステップS110)。以上で、搬送補助体循環利用装置22による搬送補助体16の循環利用に係る1回の動作シーケンスが終了する。
次に、上記の循環利用の動作における搬送補助体循環利用装置22の各部および搬送補助体16の動きについて説明する。
まず、搬送補助体分離装置70による分離回収動作について説明する。図17(a)は、搬送補助体16に押されて紙幣6が搬送補助体分離装置70まで搬送されてきた状態を示している。搬送補助体分離装置70は分離回収部71を分離回収位置にセットして紙幣6と搬送補助体16の到来を待っている。
同図(b)は紙幣6の先端が分離回収部71の紙幣通過口77を通り過ぎた状態を示している。搬送補助体16は分離回収部71に進入する。このとき、搬送補助体16の最大径部16mが上下のガイドレール79A、79Bの間に入り、その後は、ガイドレール79A、79Bによって上下に位置規制されながら分離回収部71内を進行する。また、姿勢ガイド板80によって左右の位置が規制される。
姿勢ガイド板80は、図11(a)に示すように入口側は間隔が広く紙幣通過口77に近づくほど狭くなるので、当初、左右に搬送補助体16が傾斜していたとしても左右の姿勢ガイド板80の間に円滑に搬送補助体16の首部16nが進入する。その後は、紙幣通過口77に近づくにつれて左右の姿勢ガイド板80の間隔が搬送補助体16の首部16nに当接する程度まで狭くなり、搬送補助体16が左右に傾斜のない真っ直ぐな姿勢に補正される。
図17(c)は、搬送補助体16が紙幣通過口77に当接して回収位置に停止した状態を示している。紙幣6は紙幣通過口77を通過して下流の紙幣分離装置20へと進行している。回収位置に到達した時点では、上下のガイドレール79および姿勢ガイド板80による位置規制により、搬送補助体16はほぼ真っ直ぐな鉛直姿勢になっている。また位置規制されることで搬送補助体16は排出穴78の真上に位置している。
回収位置に搬送補助体16が停止して紙幣6と分離された後、第1駆動部74により分離回収部71が排出位置に回動されると、図18に示すように、搬送補助体16は分離回収部71の底部に設けられた排出穴78から下方へ落下する。搬送補助体分離装置70では、分離回収部71の回収位置に搬送補助体16を保持したまま分離回収部71を回動させて排出位置に移動させるので、安定した姿勢を維持した状態で搬送補助体16を排出位置に移送して排出穴78から下方へ落下させて排出することができる。
排出穴78から下方へ落下した搬送補助体16は、案内部91を通じて搬送補助体挿入装置40の待機部42内の可動収納部43の保持部43aに受け止められる。このようにして、紙幣6と分離して回収した搬送補助体16は、次回の送出に備えて待機部42内で待機される。
なお、可動収納部43が待機位置にあるとき、待機部42は可動収納部43の支持板43bによって送出通路41から閉ざされた状態になる。そこで、搬送補助体分離装置70の分離回収部71の排出穴78から案内部91を通じて待機部42に流れ込む空気流はダクト83を通じて逃している。すなわち、案内部91から待機部42に流入する空気はダクト83を通じて搬送補助体分離装置70の紙幣排出通路76a内に流れ込んで排気される。このような空気の流れを確保することで、この空気の流れに乗って搬送補助体16は分離回収部71の回収位置に押圧され、さらに分離回収部71が排出位置に到達すると排出穴78からの落下が促進される。
次に、搬送補助体挿入装置40の動きを説明する。
送出待ちの搬送補助体16は、図14(a)、図19(a)に示すように待機部42内の待機位置で待機している。この待機位置では前述したように、待機部42に通じる開口は可動収納部43の支持板43bによって封鎖されている。これにより、送風パイプ接続部46からの空気流が無駄に待機部42からダクト83を通じて排出されることはなく、効率よく空気流を搬送管12へ送ることができる。
待機している搬送補助体16を送出するときには、第2駆動部44を作動させて、可動収納部43が、図14(b)、図19(b)に示すような送出位置に移動(回動)される。搬送補助体挿入装置40では、可動収納部43の保持部43aに保持した状態のまま可動収納部43を回動させて送出位置に移動させるので、安定した姿勢を維持した状態で搬送補助体16を送出通路41内に送り出すことができる。
可動収納部43が送出位置に移動すると、送風パイプ接続部46から送風されてくる空気流に押されて搬送補助体16は保持部43aから離脱して搬送管12側へと送出通路41内を移動し始める。
なお、可動収納部43が送出通路41内に進出しても、支持板43bに開設された送風穴43gや保持部43aに開設された送風穴43fを通じて空気流は搬送管12に向けて流れる。このとき、送出位置では、待機部42と連通する開口が支持板43bによって閉じられていない。このため、待機部42側にも空気流の一部が流入する。しかし、搬送補助体16が保持部43aから離脱して送出通路41へと進出するための十分な空気流は確保される。また、送出完了した、直ちに可動収納部43を待機位置に戻すことで、より強い空気流を搬送管12内に送ることができる。
可動収納部43の保持部43aから離脱して送出通路41内を進み始めた搬送補助体16は、図15で説明したように、姿勢補正機構51および上下のガイドレール49A、49Bにより、ほぼ直立した正しい姿勢に補正されて搬送管12内へと送り出される。図20(a)は姿勢補正機構51によって姿勢が補正される様子を、図20(b)は、その後、上下のガイドレール49A、49Bに位置規制されながら搬送管接続部45側に向けて搬送補助体16が進行する様子を示している。
このように、搬送補助体循環利用装置22を使用することで、1つの搬送補助体16を紙葉類搬送装置10で循環的に利用することができる。また、紙幣6と搬送補助体16を分離し、その分離した搬送補助体16を再び待機部に案内して待機させ、その待機させている搬送補助体16を必要時に搬送管12内へ送り出す、という一連の循環利用の動作を自動的に行うことができる。これにより、搬送補助体16の挿入・分離・回収を行うための作業負担が軽減される。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、搬送補助体挿入装置40の上方に搬送補助体分離装置70を重ねて一体的な搬送補助体循環利用装置22として構成したが、搬送補助体挿入装置40と搬送補助体分離装置70とを個々別体に構成してもかまわない。たとえば、搬送補助体分離装置70で回収した搬送補助体16を回収ボックスなどに収集してき、この回収ボックスを搬送補助体挿入装置40の設置場所に運び、回収ボックスから順次搬送補助体16を搬送補助体挿入装置40の待機位置へ順次送り出すように構成されてもよい。
また、たとえば、案内部91を長くし、搬送補助体分離装置70から排出された搬送補助体16を通路内の空気流で待機部42まで搬送する構成、あるいは待機部42までベルトコンベヤなどで搬送補助体16を搬送するといった構成にすれば、搬送補助体挿入装置40は搬送補助体分離装置70から離れた任意の配置でよい。
実施の形態では、分離回収部71を回動させて分離回収位置と排出位置とに変位させるようにしたが、変位の方法は回動に限定されず、当接停止させた搬送補助体16を空気流による搬送経路からその外部へ排出させることができればよい。たとえば、回収位置に停止させた搬送補助体16を保持している分離回収部を側方へ直線的に移動させるなどでもよい。同様に、待機部42に待機している搬送補助体16を送出通路41へ移動させる方法は可動収納部43を回動させる方法に限定されず、待機部で搬送補助体16を保持している部材を待機部から送出通路内へ直線的移動させてもよい。
また、搬送補助体16を保持している部材(分離回収部71や可動収納部43)を移動させることで、搬送補助体16の挿入や排出を行ったが、搬送補助体16に直接的に力を作用させて移動させてもかまわない。たとえば、回収位置に停止している搬送補助体16をロッドなどで側方から押し動かして排出位置へ移動させる等でもよい。同様に待機部に待機している搬送補助体16をロッドなどで側方から押し動かして送出通路内へ移動させてもよい。
実施の形態では姿勢補正機構51として円形回転体を使用したが、たとえば、上ガイドレール49Aの端部に向けて下り傾斜した直線状や湾曲した案内板などでもかまわない。また、下ガイドレール49Bを上ガイドレール49Aより短くし、下ガイドレール49Bの端部側に上ガイドレール49Aと対向させて姿勢補正機構51を配置してもかまわない。また、上下共に姿勢補正機構51を配置してもよい。
また、搬送補助体16の形状は実施の形態で示したものに限定されない。たとえば、断面矩形・多角形などの柱形状としてもよい。また、搬送補助体16をY方向中央部に対して対象な形状にしたが、Y方向に非対称な形状にされてもかまわない。
実施の形態では紙葉類として紙幣6を例に説明したが、チケット、カードなど他の種類の紙葉類であってもかまわない。また、紙葉類の形状は長方形に限定されない。また紙葉類搬送装置10は、遊技機島2内に設置されるものに限定されず、たとえば、遊技場内の複数の遊技機島2や管理室などを巡るように構成されてもよい。
実施の形態では、紙葉類を1枚のみ搬送する例を図3等に示したが、搬送管12の途中に複数枚の紙幣6が存在する状態で搬送補助体16を挿入した場合には、それら複数枚の紙幣6を一度に搬送することも可能である。たとえば、搬送管12の復路12cの途中の各紙幣取込装置24の取込完了位置にそれぞれ紙幣6が停留している状態で搬送補助体挿入装置40から搬送補助体16を送り込むと、搬送補助体16が押し動かす紙幣6の枚数が往路12aを進む途中で順に増加し、すべての紙幣6を搬送することができる。このような大きな搬送力は、搬送補助体16が搬送管12の断面をほぼ塞ぐ形状を成していること、またこれにより紙幣6の張り付き吸着が少なくなること、拡張部38の存在により空気流の作用を受ける面積が大きいことなどによって確保される。また、搬送補助体16が変形しない柱状をなしているので、羽などでは実現されない、多数枚の一括搬送を可能にしている。
実施の形態では搬送管12の断面を略長方形としたが、円形や楕円形など他の形状にされてもよい。ただし、搬送補助体はその内縁形状に対応した形状で断面のほぼ全体を塞ぐことが好ましい。また、複数のリブを設けて、紙葉類の実質的な通路幅を狭くするとよい。
また遊技機島は、実施の形態で例示したパチンコ機と遊技球貸機を収容する構成に限定されず、メダル貸機とスロットマシン等を収容する遊技機島でもかまわない。