JP6235494B2 - ジヒドロキナゾリン誘導体の塩 - Google Patents

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Description

本発明は、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の塩及びその溶媒和物に関する。
本発明はさらに、それらの製造方法、疾患、特にウイルス感染の治療及び/又は予防の方法におけるそれらの使用、及びウイルス感染の治療及び/又は予防の方法におけるそれらの使用、特にヒトサイトメガウイルス(HCMV)又はヘルペスウイルス群の他の代表物による感染の治療及び/又は予防の方法への使用のための薬剤の製造のためのそれらの使用にも関する。
{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸は、国際特許公開第2004/096778号から知られており(このすべての開示は、引用により本明細書に組込まれる);それは、抗ウイルス活性物質のための、特にヒトサイトメガロウイルス(HCMV)により引起される感染を治療するための有力な候補体として、出願人により開発された。しかしながら、開発工程において、双性イオンとして又は塩の形にもかかわらず、及び現在の開発が非晶形で双性イオンを用いて行われるまで、結晶形で前記化合物を得るのには非常に複雑であることが分かっている。しかしながら、一方では、薬剤を製造するための非晶性物質の使用は、非晶性物質と均一な純度を保証することはしばしば困難であるので、所望するものではなく、そして他方では、非晶性物質と均一な薬理学的パラメーター、例えば均一な生物学的利用能を保証することもまた困難である。
従って、結晶生成物が得られる{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の塩を説明することが本発明の目的である。薬剤の開発のために前記塩を使用することが合理的に可能であるためには、それらはまた、長期間にわたっての貯蔵において安定して存続すべきである。最終的に、結晶化合物はまた、水性媒体において、及び特に生理学的pHで容易に可溶性でなければならない。
さらに、本発明の塩は、高い純度を有する。
本発明においては、用語「結晶生成物」(crystalline product)とは、X線回折分析下で、関連する図1−3に示されるような特徴的ピークパターン、又は類似するピークパターンを有する、S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩、及びS(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸カルシウム塩を示す。
本発明においては、用語「貯蔵安定性」(strage−stable)とは、本発明の塩の場合、前記塩がHPLC方法1−3の1つを用いて測定される場合、少なくとも2、好ましくは少なくとも3、さらにより好ましくは少なくとも6週及び最も好ましくは12ヶ月の貯蔵期間、25℃で、それらが>90%、好ましくは>95、及び最も好ましくは99%の{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸を含むことを意味する。前記塩の貯蔵安定性は、本発明の範囲内で適切であると見なされる。
驚くべきことには、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸が、ナトリウム及びカルシウムカチオンと明確に定義された結晶塩を形成することが、今回発見された。それらの塩は、水性媒体において、特に生理学的pHで、容易に可溶性であり、そしてまた、良好な貯蔵安定性を示すことが、さらに発見された。
さらに、本発明に従って得られる、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の結晶ナトリウム及びカルシウム塩は、高度の純度を示す。
図1は、実施例2に従って製造された{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のナトリウム塩の3−水和物の粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)を示す。 図2は、実施例3に従って製造された{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の2,5−水和物の粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)を示す。 図3は、実施例4に従って製造された{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の3,5−水和物の粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)を示す。 図4は、S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩についてのHPLCクロマトグラムを示す。 図5は、表形式での図4のHPLCクロマトグラムの分析を示す。
用語「高純度、純度及び純粋」(high purity, purity and pure)とは、本発明のS(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩及びS(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸カルシウム塩に関連して使用される場合、典型的な実施形態Fに従ってHPLCにより測定される場合、<0.1%、好ましくは<0.08%、より好ましくは0.05%及び最も好ましくは<0.01%の合計割合のその既知不純物ジ−p−トルオイル−D−酒石酸、及び/又はS−キナゾリル−ピペラジン、及び/又はキナゾリンエチルエステル、及び/又はキナゾリル−ジピペラジン、及び/又はその非特異的不純物と物質との混合物における1つの物質としてのその存在を示す。
従って、本発明の主題は、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の結晶ナトリウム塩及び結晶カルシウム塩、並びにそれらの溶媒和物である。
本発明の範囲内で、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のナトリウム及びカルシウム塩は、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸と、強ナトリウム又はカルシウム塩基、特に水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウムとの反応付加物である。{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸及びナトリウム又はカルシウム対イオンは、任意の比で存在することができる。整数比(例えば、1:1、1:2、1:3、3:1、2:1)が好ましい。塩は、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸と、ナトリウム又はカルシウム塩基との直接的反応により、又は{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の他の塩基性塩の生成、続く対イオンの置換により製造され得る。
本発明の範囲内で、用語「溶媒和物」とは、溶媒分子との配位を通して複合体を形成する、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の塩のそれらの形を言及する。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形である。
本発明の範囲内で、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩、特に{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の2,5−水和物及び3,5−水和物が好ましい。さらに、本発明の範囲内で、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩、特に{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩の3−水和物が好ましい。
さらに、本発明の範囲内で、粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において約6.1、9.2及び15.5度2シータで特徴的ピークを示す、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の2,5−水和物が好ましい。
さらに、本発明の範囲内で、粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において約6.2、12.4及び22.4度2シータで特徴的ピークを示す、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の3,5−水和物が好ましい。
本発明の範囲内で、また、粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において約6.2、20.9及び22.4度2シータで特徴的ピークを示す、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩の3−水和物が好ましい。
当業者に容易に明らかであるように、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸は、ジヒドロキナゾリン環の4−位での炭素で立体中心を有する。本発明の範囲内で、この炭素はS−コンフィギュレーションを有する。
本発明の塩は一般的に、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸又はその酸性塩と、ナトリウム又はカルシウム塩基、特に水酸化ナトリウム又は水酸化カルシウムとを、溶媒下で反応せしめることにより製造される。
さらに、ナトリウム又はカルシウム塩ではない、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の塩基性塩と、ナトリウム又はカルシウムカチオンのための源とを、溶媒下で反応せしめることも可能である。
前述の反応に関しては、特に少なくとも1つのジ−(C1−C4)−アルキルエーテル及び少なくとも1つの(C1−C4)−アルコールの混合物が、溶媒として使用される。
従って、本発明の主題はまた、
次の:
a.)少なくとも1つの(C1-C4)ジアルキルエーテル及び少なくとも1つの(C1-C4)アルコールの混合物中で、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸又はその溶媒和物を、必要ならば加熱下で、溶解する工程、
b.)工程a.)において得られる溶液に、NaOH又はCa(OH)2を添加する工程、
c.)工程b.)で得られた溶液から、溶媒の一部を除去し、必要ならば、適した種晶と共に播種し、上記塩又は塩の溶媒和物の結晶化を開始する工程、
d.)工程c.)で得られた、晶出された塩又はその溶媒和物を分離する工程、
e.)必要ならば、工程d.)で得られた塩又は溶媒和物を、適した溶媒中で、好ましくは水及び少なくとも1つの(C1-C4)アルコールの混合物中で撹拌し、所望の溶媒和物を得る工程、及び
f.)工程d.)又はe.)で得られた塩又は溶媒和物を乾燥する工程、
を用いて、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のナトリウム又はカルシウム塩を製造するための方法である。
この手段で得られる本発明の塩は、必要ならば、それらの物性を意図した目的に適合させるために、さらに加工され、例えば再結晶化されるか、又は微粉化され得る。
本発明の塩を製造するために使用される{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸は例えば、国際特許公開第2006/133822号に記載される方法により知られており、そして製造され得る。
製造は、特に、式(II):
Figure 0006235494
を有する化合物のエステルの塩基による鹸化により行われる。
式(II)の化合物は、式(III):
Figure 0006235494
を有する化合物と、式(IV):
Figure 0006235494
を有する化合物とを、塩基の存在下で反応することにより製造され得る。
式(III)の化合物は、式(V):
Figure 0006235494
を有する化合物と、オキシ塩化リン、三塩化リン又は五塩化リンとを、塩基の存在下で反応することにより製造され得る。
式(V)の化合物は、式(VI):
Figure 0006235494
を有する化合物と、第一段階において、アクリル酸メチルエステルとを、パラジウム触媒の存在下で、及び第ニ段階において、塩基とを反応することにより製造され得る。
式(IV)及び(VI)の化合物は、原則として、当業者に知られているか、又は文献から知られている慣用方法により製造され得る。
{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸を形成するための式(II)の化合物のエステルの鹸化は、式(II)の化合物と、不活性溶媒下で、18℃〜50℃、より好ましくは20〜30℃で、常圧下で、例えば0.5〜10時間以内、好ましくは1〜5時間以内、塩基とを反応することにより達成される。
塩基は例えば、水酸化アルカリ、例えば水酸化ナトリウム、リチウム又はカリウム、又は炭酸アルカリ、例えば炭酸セシウム、炭酸ナトリウム又はカリウム、又はアルコレート、例えばナトリウム又はカリウムメタノレート、又はナトリウム又はエタノレートであり、ここで塩基は水溶液下で存在することができる。
不活性溶媒は例えば、エーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール又はtert−ブタノール、又は水、又は溶媒の混合物である。
水中、水酸化ナトリウム、及びMTBEが好ましい。
塩基の存在下での式(III)の化合物及び式(IV)の化合物から式(II)の化合物の合成は、不活性溶媒下で、40℃〜溶媒の還流温度で、好ましくは溶媒の還流温度で、常圧下で、例えば2〜48時間以内、好ましくは4〜12時間以内、行われる。
例えば、塩基は、アミン塩基、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、1−(3−メトキシフェニル)ピペラジン又はトリエチルアミン、又は他の塩基、例えばカリウムtert−ブチレートである。
例えば、不活性溶媒は、クロロベンゼン又はエーテル、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、グリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテルである。
ジオキサン中、DBUが好ましい。
式(III)の化合物への式(V)の化合物の転換は、式(V)の化合物と、オキシ塩化リン、三塩化リン又は五塩化リン(オキシ塩化リンが好ましい)とを、不活性溶媒中、塩基の存在下で、40℃〜溶媒の還流温度で、好ましくは溶媒の還流温度で、常圧下で、例えば1〜48時間以内、好ましくは2〜12時間以内、反応せしめることにより行われる。
例えば、塩基は、アミン、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)、ピリジン又はトリエチルアミン、又は他の塩基、例えばカリウムtert−ブチレートである。例えば、不活性溶媒は、炭化水素、例えばベンゼン、キシレン、トルエン又はクロロベンゼンである。
クロロベンゼン中のDBUが好ましい。
式(V)の化合物への式(VI)の化合物の転換は、第一の段階において、式(VI)の化合物と、アクリル酸メチルエステルとを、溶媒中、パラジウム触媒及びオレウムの存在下で、0℃〜40℃の温度範囲で、好ましくは室温で反応することにより、及び第ニ段階において、不活性溶媒中、塩基とを、40℃〜溶媒の還流温度で、好ましくは溶媒の還流温度で、常圧下で、例えば1〜48時間以内、好ましくは2〜12時間以内、反応することにより行われる。
第一段階におけるパラジウム触媒は、例えばパラジウム(II)アセテート、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリ(オルト-トリル)ホスフィン)パラジウム(II)クロリド、又はビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム又はパラジウム(II)アセテート及びリガンド、例えば、トリス(o-トリル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン又はジフェニルホスフィノフェロセンから製造されるパラジウム触媒である。
第一段階における溶媒は、例えば有機酸、例えば酢酸又はプロピオン酸である。
酢酸中、パラジウム(II)アセテートが好ましい。
第ニ段階における塩基は、例えばDBU、トリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンである。
第ニ段階における不活性溶媒は、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン、グリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル、炭化水素、例えばベンゼン、キシレン又はトルエン、又は他の溶媒、例えばイソブチロニトリル、アセトニトリル、アセトン、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド又はN−メチルピロリドンである。
アセトン中のDBUが好ましい。
本発明に従って塩を製造するために使用される{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の製造は、次の合成図1に、一例として、より詳細に記載される。この合成図は、一例に過ぎず、そして決して限定的なものとして理解されるべきでない。
合成図1
Figure 0006235494
既に上述したように、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸は好ましくは、S−鏡像異性体の形で使用される。このS−鏡像異性体は、例えば次の合成図2に示されるようにして製造され得る。
合成図2
Figure 0006235494
本発明の塩は、ヘルペスウイルス群(ヘルペスウイルス)の代表物に対して、中でもサイトメガロウイルス(CMV)に対して、特にヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して抗ウイルス効果を示す。従って、それらは、疾患、特にウイルス、特に本明細書に言及されるウイルスによる感染、及びそれらの感染により引起される感染性疾患を治療し、そして予防するための方法における使用のために適切である。用語「ウイルス感染」とは、ウイルスによる感染のみならず、またウイルスによる感染により引起される疾患も意味するものと理解される。
それらの性質及び特徴のために、本発明の塩は、疾患、特にウイルス感染の治療及び/又は予防方法への使用のために適切である薬剤の製造に使用され得る。
次の指示領域が例により言及され得る:
1)AIDS患者におけるHCMV感染(網膜炎、肺炎、胃腸感染症)の治療及び予防。
2)生命にかかわるHCMV肺炎又は脳炎にしばしば罹患している、骨髄及び臓器移植患者におけるサイトメガロウイルス感染、及び胃腸及び全身性HCMV感染の治療及び予防。
3)新生児及び乳幼児における急性HCMV感染の治療。
4)妊娠中の女性における急性HCMV感染の治療。
5)癌を患っており、そして癌治療を受けている免疫抑制された患者におけるHCMV感染の治療。
6)HCMV介在性腫瘍進行を低減する目的でのHCMV−陽性患者の治療(J. Cinatl, et al., FEMS Microbiology Reviews 2004, 28, 59-77を参照のこと)
本発明の塩は、ヘルペスウイルス群の代表物、特にサイトメガロウイルス、特にヒトサイトメガロウイルスによる感染の予防及び/又は治療への使用のために適切である薬剤を製造するために、好ましくは使用される。
それらの薬理学的性質及び特徴のために、本発明の塩は、単独で、及び必要なら、また他の活性物質、特に抗ウイルス物質、例えばバルガンシクロビル、ガンシクロビル、バラシクロビル、アシクロビル、ホスカルネット、シドフォビル、及び関連する誘導体と組合して、ウイルス感染、特にHCMV感染の治療及び/又は予防方法に使用され得る。
本発明のさらなる主題は、疾患、好ましくはウイルス感染、特にヒトサイトメガロウイルス(HCMV)又はヘルペスウイルス群の他の代表物による感染の治療及び/又は予防方法における本発明の塩の使用である。
本発明のさらなる主題は、疾患、特に前述の疾患の治療及び/又は予防方法における本発明の塩の使用である。
本発明のさらなる塩の主題は、疾患、特に前述の治療及び/又は予防方法への使用のための薬剤を製造するために本発明の塩の使用である。
本発明のさらなる主題は、抗ウイルス的に有効な量の本発明の塩を用いることにより、疾患、特に前述の疾患を治療しそして/又は予防するための方法における使用である。
本発明の塩は、全身的に及び/又は局所的に効果的であり得る。このためには、それらは、適切な方法で、例えば経口、非経口、肺、鼻、舌下、舌、頬、直腸、皮膚、経皮、結膜、又は耳経路により、又はインプラント又はステントとして適用され得る。
本発明の塩は、それらの薬剤投与経路のための適切な形で投与され得る。従来技術に従って機能し、そして本発明の塩を、すばやく及び/又は修飾された形で放出する投与手段は、経口投与が適切であり;前記投与手段は、結晶及び/又は非晶質化された、及び/又は溶解された形、例えば錠剤(被覆されていないか又は被覆された錠剤、例えば本発明の化合物の放出を調節する、腸溶性被覆された又はゆっくり溶解するか又は不溶性である被覆により被覆された錠剤)、口においてすばやく溶解する錠剤又はフィルム被覆形/ウエハ様形、フィルム被覆形/凍結乾燥物、カプセル(例えば、ハード又はソフトゼラチンカプセル)、糖衣錠、顆粒、ペレット、粉末、エマルジョン、懸濁液、エアロゾル又は溶液に、本発明の化合物を含む。
非経口投与は、吸収段階(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内又は腰椎内投与)を回避することにより、又は吸収(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮又は腹腔内投与)を利用することにより行われ得る。非経口投与に関しては、適切な手段は、溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥物又は無菌粉末の形での注射及び点滴製剤を包含する。
次の手段が他の投与経路のために適切である:例えば吸入薬剤(例えば、粉末吸入器、ネブライザー)、点鼻薬、鼻液、鼻スプレー;錠剤、フィルム被覆/ウェハ状薬剤、又は舌、舌下又は頬側投与カプセル、坐剤、耳又は眼用製剤、膣用カプセル、水性懸濁液(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、経皮治療システム、ミルク、ペースト、発泡体、散布剤、インプラント又はステント)。
本発明の塩は、上述の投与形に転換され得る。これは、不活性、非毒性の医薬的に適切な賦形剤と共に混合することにより、既知手段で行われ得る。賦形剤は、担体物質(例えば、微晶性セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば、液体ポリエチレングリコール)、乳化剤、及び分散剤、又は湿潤剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えば、ポリビニルピロリドン)、合成及び天然ポリマー(例えば、アルブミン)、安定剤(例えば、酸化防止剤、例えばアスコルビン酸)、染料(例えば、無機顔料、例えば酸化鉄)及び風味剤及び/又は臭気修正剤を包含する。本発明のさらなる主題は、通常、1又は2以上の不活性、非毒性の、医薬的に適切な賦形剤と共に、少なくとも1つの本発明の塩を含む薬剤、及び前述の目的のためへのそれらの使用である。
一般的に、静脈内投与での効果を達成するためには、純粋物質に関して、約0.001〜10mg/kg、好ましくは約0.01〜5mg/kg体重の量を投与することが好都合であると見出された。経口投与の場合、投与量は通常、約0.01〜25mg/kg、好ましくは約0.1〜10mg/kg体重である。
それにもかかわらず、体重、投与経路、活性物質に対する固体の応答、調製の性質、及び投与が行われる時間又は間隔に依存して、前記量から逸脱することが、時々必要である。例えば、ある場合、前述の最小量以下でも十分であり、他の場合、言及された上限を超えるべきでもある。多量投与する場合、1日にわたって、数回の個々用量でそれらを分配することが推薦される。
上記参照の及び下記に説明される特徴は、それぞれ与えられる組合せでのみならず、また他の組合せ又は単独で、本発明の範囲から逸脱することなく、使用され得ることが理解される。
本発明は、実施例に基づいて、及び添付図面を参照して、より詳細に記載されるであろう。
特にことわらない限り、次の試験及び実施例に与えられる%は、重量%であり、部は重量比である。液体溶液における溶媒比、希釈比及び濃度は、各場合、体積に関する。
略語の列挙:
ACN:アセトニトリル
API:活性医薬成分
API−EP−pos.:大気圧イオン化、エレクトロスプレー、陽性(MSで)
API−ES−neg.:大気圧イオン化、エレクトロスプレー、陰性(MSで)
ca.:約
CI、NH3:化学イオン化(アンモニアによる)
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン
DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMSO:ジメチルスルホキシド
ESTD:外部標準化
h:時
HPLC:高圧液体クロマトグラフィー
conc.:濃縮
min.:分
MS:質量分析
MTBE:メチルtert−ブチルエーテル
NMR:核磁気共鳴分光学
T:保持時間(HPLCにおける)
VTS:真空乾燥キャビネット
一般的HPLC法
方法1(HPLC):器具:可変波長検出を有するHP1050;カラム:Phenomenex Prodigy ODS (3) 100A、150 mm x 3 mm、3 μm;溶離剤A:(1.0gのKH24+1.0mlのH3PO4)/1Lの水、溶離剤B:アセトにトリル;勾配:0分、10%のB、25分、80%のB、35分、80%のB;流速:0.5ml/分;温度:45℃;UV検出:210nm。
方法2(HPLC)器具:可変波長検出を有するHP1050;カラム:Chiral AD-H、250 mm x 4.6 mm、5 μm;溶離剤A:n−ヘプタン+0.2%のジエチルアミン、溶離剤B:イソプロパノール+0.2%のジエチルアミン;勾配:0分、12.5%のB、30分、12.5%のB;流速:1ml/分;温度:25℃;UV検出:250nm。
方法3(HPLC):器具:可変波長検出を有するHPL1050;カラム;Chiral AD-H、250 mm x 4.6 mm、5 μm;溶離剤A:n−ヘプタン+0.2%のジエチルアミン、溶離剤B:イソプロパノール+0.2%のジエチルアミン;勾配:0分、25%のB、15分、25%のB;流速:1ml/分;温度:30℃:UV検出:250nm。
A){8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の製造
実施例1A
N-(2-フルオロフェニル)-N'-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
Figure 0006235494
2−メトキシ−5−トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(78kg)を、約35℃で溶解し、そしてアセトニトリル(合計約270L)に溶解し、次に2−フルオロアニリン(39.9kg)を添加し、そしてアセトニトリル(約25L)によりすすいだ。得られる透明な溶液を、還流下で4時間、撹拌し、そして次に、約75℃に冷却した。この温度に達するとすぐに、その溶液を、所望する最終生成物(200g)の種晶により播種し、さらに15分間、撹拌し、そして次に、0℃に3時間にわたって冷却した。得られる結晶生成物を、遠心分離により単離し、冷アセトニトリル(約13Lを用いて、2度)により洗浄し、そして窒素によるパージ下でVTSにおいて45℃で乾燥した(約3.5時間)。合計101.5kgのN-(2-フルオロフェニル)-N'-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレアが、固形物として得られ、これは理論値の85.9%に相当する。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ = 8.93 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.52 (d, 3J = 2,3, 2H), 7.55 (d, 2J = 7.7, 1H), 7.38-7.26 (m, 3H), 7.22 (d, 2J = 8.5, 1H), 4.00 (s, 3H) ppm;
MS (API-ES-pos.): m/z = 409 [(M+H)+, 100%];
HPLC (方法1): RT = 22.4及び30.6分。
実施例2A
メチル-(2Z)-3-[3-フルオロ-2-({[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)-フェニル]アクリレート
Figure 0006235494
N-(2-フルオロフェニル)-N'-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(51kg)を、窒素雰囲気下で、1つの反応器において酢酸(約430L)に溶解した。アクリル酸メチル(20.1kg)を、得られる溶液に添加し、そして得られる懸濁液を、さらに使用するまで、撹拌した。酢酸(950L)を、第2反応器に配置し、オレウム(57kg)を注意して添加し、そしてパラジウム(II)アセテート(7kg)を前記混合物に溶解した。次に、第1反応器において形成された懸濁液を、第2反応器において得られる混合物に、約2時間にわたって添加し;その反応混合物を、96%の窒素及び4%の酸素の混合物によりオーバーフローし、そして得られる反応混合物を、室温で約18時間、撹拌した。次に、酢酸の一部(約900l)を蒸留し;水(約500L)を、残る反応混合物に、約1時間にわたって添加し、そして得られる懸濁液を、1時間、撹拌した。得られる粒状物を濾過し、酢酸及び水の混合物(1:1)により1度、及び水により2度、洗浄し、そして最終的に、約30mバール及び50℃で乾燥した。合計44.8kgのメチル-(2Z)-3-[3-フルオロ-2-({[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)フェニル]アクリレートを、固形物として得、これは理論値の65.0%に相当する。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ = 9.16 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 8.45 (d, 1.7 Hz, 1H), 7.73 (m, 2H), 7.33 (m, 3H), 7.22 (d, 8.6 Hz, 1H), 6.70 (d, 16 Hz, 1H), 3.99 (s, 3H), 3.71 (s, 3H) ppm;
MS (API-ES-pos.): m/z = 429.9 [(M+NH4+]; 412.9 [(M+H)+
HPLC : RT = 46.4 分。
器具:可変波長検出を有するHP1100;カラム:Phenomenex Prodigy ODS (3) 100A, 150 mm x 3 mm, 3 μm;溶離剤A:(1.36gのKH2PO4+0.7mlのH3PO4)/1Lの水、溶離剤B:アセトニトリル;勾配:0分、20%のB、40分、45%のB、50分、80%のB、65分、80%のB;流速:0.5ml/分;温度:55℃;UV検出:210nm。
実施例3A
{8-フルオロ-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテート
Figure 0006235494
実施例2Aにおける化合物(75kg)を、アセトン(1600L)に懸濁し、そしてDBU(5.7kg)を添加する。得られる懸濁液を、加熱還流し、そして還流下で4時間、撹拌する。得られる溶液を、55℃のジャケット温度まで冷却し、そして珪藻土を通して濾過する。溶媒の一部(約1125L)を、蒸留により除き、そして残る残渣を2時間、0℃に冷却する。得られる固形物を、遠心分離により分離し、冷アセトン(約15L)を用いて、2度、洗浄し、そして減圧下で45℃で一晩、乾燥し、そして窒素により一定質量までパージする。合計58.3kgの{8-フルオロ-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテートが、固形物として得られ、これは理論値の84.1%に相当する。HPLC(方法1):RT=19.4分。
実施例4A
(2S,3S)-2,3-ビス[(4-メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸-{(4S)-8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテート(1:1の塩)塩素化/アミノ化/結晶化
Figure 0006235494
クロロベンゼン(800L)中、{8-フルオロ-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテート(実施例3A、129.2kg)の溶液を、加熱還流し、そして共沸乾燥する。オキシ塩化リン(144kg)を添加し、そしてその反応混合物を、還流下で3時間、撹拌する。次に、DBU(95kg)及びクロロベンゼン(45L)を添加し、そして還流下で、さらに9時間、撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、水の添加により加水分解し、クロロベンゼン(80L)により希釈し、そしてアンモニア水溶液(25%)により中和する。相を分離し、有機相を水により洗浄し、そして溶媒を蒸留する。残る残渣をジオキサン(170L)に溶解する。3−メトキシフェニルピペラジン(66kg)、DBU(52kg)、及び追加の90Lのジオキサンを添加し、そしてその反応混合物を、還流下で4時間、加熱する。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(1300L)に添加し、水により1度、0.2NのHCLにより3度、及びNaClの水溶液により1度、洗浄し、そして溶媒を蒸留する。得られる残渣を、酢酸エチル(800L)に溶解し、そして酢酸エチル(600L)中、(2S、3S)−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸(121kg)の溶液に添加する。得られる混合物を、室温で約60分間、撹拌し、そして次に、(2S,3S)-2,3-ビス[(4-メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸-{(4S)-8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテートにより播種し、そして室温で3日間、撹拌する。次に、それを0−5℃に冷却し、そしてさらに3時間、撹拌する。その懸濁液を濾過し、そして残る固形物を酢酸エチルを用いてバッチ単位で再洗浄する。合計約141kg(乾燥重量として計算された)の塩が、ラセミ体に比較して、三段階(塩素化、アミノ化及び結晶化)で、固形物として得られ、これは理論値の約46.2%に相当する。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ = 7.90 (d, 2J = 7.8, 4H), 7.56 (d, 2J = 8.3, 1H), 7.40 (d, 2J = 7.8, 4H), 7.28-7.05 (m, 4H), 6.91-6.86 (m, 2H), 6.45 (d, 2J = 8.3, 1H), 6.39-6.36 (m, 2H), 5.82 (s, 2H), 4.94 (m, 1H), 4.03 (q, 2J = 7.1, 2H), 3.83 (brs, 3H), 3.69 (s, 3H), 3.64 (s, 3H), 3.47-3.36 (m, 8H 及び水, 2H), 2.98-2.81 (m, 5H), 2.58-2.52 (m, 1H), 2.41 (s, 6H), 1.99 (s, 3H), 1.18 (t, 2J = 7.2, 3H) ppm;
HPLC (方法1): RT = 16.6及び18.5 分。
実施例5A
(2S,3S)-2,3-ビス[(4-メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸-{(4S)-8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}メチルアセテート (1:1 の塩) / 再結晶化
(2S,3S)-2,3-ビス[(4-メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸-(S){(4S)-8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸メチルエステル (1:1の塩)(141kg、乾燥重量として計算された)を、酢酸エチル(1400L)に懸濁し、そして加熱還流(77℃)することにより溶解する。その溶液を濾過し、そして室温にゆっくり冷却し、自発的結晶化をもたらす。懸濁液を、RTで16時間、撹拌し、そして次に、0−5℃に冷却し、そしてさらに3時間、撹拌する。懸濁液を濾過し、そして残る固形物を、冷酢酸エチルにより再洗浄する。結晶を真空下でほぼ40℃で16時間、乾燥する。合計131.2kgの塩が固形物として得られ、これは理論値の83.0%に相当する。
HPLC (方法1): RT = 16.9及び18.8分;
HPLC (方法3): 99.9% e.e。
実施例6A
(S)-{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-(2-メトキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸
Figure 0006235494
(2S,3S)-2,3-ビス[(4-メチルベンゾイル)オキシ]琥珀酸-{(4S)-8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸メチルエステル(1:1の塩)(30.8kg)、炭酸水素ナトリウム(16.4kg)及び水(315L)の混合物を、MTBE(160L)と共に混合する。相を分離し、そして有機相を、35Lの炭酸水素ナトリウムの約7%水溶液により処理する。相を分離し、そして有機相を、125Lの水素化ナトリウムの約4%水溶液に添加する。反応混合物を加熱還流し、溶液を蒸発乾燥し、そして次に、反応器内容物を、約22℃で、MTBE(160L)及び水(65L)に添加し、そして撹拌する。相を分離し、そして有機相を、塩化ナトリウムの約6%水溶液(30L)により抽出する。組合された水性相を、水(25L)及びMTBE(160L)と共に混合し、そしてpH値を、約1Nの塩酸により約6.5に調節する。有機相を分離し、溶媒を蒸発乾燥し、そして残渣をアセトン(約75L)に溶解する。溶媒を、アセトンに変える(それぞれ、約130Lによる6度の蒸留)。次に、最終生成物を、水の添加により沈殿し、遠心分離により単離し、そして真空乾燥機中で乾燥する。合計16.5kgの(S)-{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-(2-メトキシ-5-トリフルオロメチル-フェニル)-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸が、非晶性固形物として得られ、これは理論値の96.4%に相当する。
1H NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ = 7.53 (d, 2J = 8.4, 1H), 7.41 (brs, 1H), 7.22 (d, 2J = 8.5, 1H), 7.09-7.01 (m, 2H), 6.86 (m, 2H), 6.45 (dd, 2J = 8.2, 3J = 1.8, 1H), 6.39-6.34 (m, 2H), 4.87 (t, 2J = 7.3, 1H), 3.79 (brs, 3H), 3.68 (s, 3H), 3.50-3.38 (m, 4H), 2.96-2.75 (m, 5H), 2.45-2.40 (m, 1H) ppm;
MS (API-ES-neg.): m/z = 571 [(M+H), 100%];
HPLC (方法1): RT = 15.1分;
HPLC (方法 2): 99.8% e.e.; Pd (ICP): <1 ppm。
B)典型的な実施形態
結晶化実験
{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の適切な結晶塩を発見するための結晶化実験を、酸性塩及び塩基性塩について実施した。結晶化実験を、(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸及びそれぞれの酸又は塩基から出発して、20℃で1週間、それぞれの所定の溶媒下でのスラリー化、又は50℃で4時間、維持された溶液から出発しての冷却/蒸発、続く3℃/時の速度で20℃への徐々の冷却による結晶化の何れかにより実施した。
酸又は塩による結晶化実験についての結果は、下記表1及び2に与えられており、ここで略語APIは(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸を示す。
「API」は、「活性医薬成分」(Active Pharmaceutical Ingredient)についての頭字語である。
表1
酸対イオンを用いての結晶化実験
Figure 0006235494
表2
塩基対イオンを用いての結晶化実験
Figure 0006235494
一般的に、(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の結晶塩を製造することは非常に困難であることがわかったことは、それらの実験から顕著であり、特に、酸対イオンを用いての結晶化は完全な失敗であったことは顕著である。
それが有機溶媒、例えば所望しない不純物を発生し得るテトラヒドロフラン及びアセトニトリルにおいてのみ結晶化する事実のために、(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩は、さらなる医薬開発のためには不適切な傾向である。
水酸化ナトリウムにより得られる陽性結果の観点から、さらなる結晶化実験を、ナトリウム塩について使用される条件に類似する結晶化条件下で、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属水酸化物を用いて実施した。さらなる結晶塩は、水酸化カルシウムが使用される場合でのみ、得られることが見出された。
実施例1
{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩:
333.1gの(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸(実施例6A)を、2000mlの三ッ首フラスコにおいて、エタノール及びジイソプロピルエーテルの混合物(1:1)1300mlに溶解する。21.9g(546.84ミリモル)のNaOHを、前記溶液に固形物として添加する。混合物を25分間、50℃の内部温度まで加熱し、そしてこれにより、透明なオレンジ色の溶液をもたらす。このようにして得られた溶液を、この温度で3時間、撹拌し、そして薄い懸濁液を、1時間後、形成する。次に、反応混合物を、3℃/時の冷却速度で、20℃の内部温度に冷却し、そして次に、この温度で、さらに5時間、撹拌する。反応混合物の合計体積を、真空下で約750mlに減じ、そしてこの手段で得られる懸濁液を、20℃で2時間、撹拌する。次に、250mlのジイソプロピルエーテルを、得られる反応混合物に、10分間にわたって添加し、そしてその混合物を、さらに2時間、撹拌する。得られる結晶生成物を、吸引装置により真空除去し、それぞれ250mlのジイソプロピルエーテルにより2度、洗浄し、そして20℃及び160mバールで20時間、真空乾燥キャビネットにおいて乾燥する。この手段で得られる結晶固形物を、IR乾燥機において、90℃で10分間、乾燥し、そして次に、真空乾燥キャビネットにおいて、60℃でさらに16時間、再び乾燥する。この手段においては、合計274.4g(理論収率の86%)の所望する結晶ナトリウム塩が得られる。
実施例2
(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩の3−水和物の製造:
約300mgの実施例1からのナトリウム塩を、1mlのエタノール(4%水を含む)に懸濁し、そして25℃で1週間、振盪する。得られる固形物を濾過し、そして残渣を室温及び周囲温度で乾燥する。得られる残渣は、三水和物として標記化合物に相当する。
得られる残渣を、X線回折法により試験した。得られるディフラクトグラムは、図1に示される。
X線ディフラクトグラムを、室温でXRD透過/反射回折計X’Pert PRC (PANalytical)を用いて記録した(放射線:銅、Kα1、波長:1.5406Å)。サンプルの調製は存在しなかった。
実施例2の塩、並びに実施例3及び4の塩についてのピークリストが、次の表3に示される。
表3
実施例2,3及び4の塩についての粉末ディフラクトグラムのピークリスト
Figure 0006235494
Figure 0006235494
実施例3
{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の2,5−水和物の製造:
10gの(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸(実施例6A)を、50mlの三ッ首フラスコにおいて、45mlのエタノールに溶解し、そして1.294gのCa(OH2)を、前記得られた溶液に、粉末の形で固形物として添加する。得られる懸濁液を、50℃に25分間、加熱し、そして次に、この温度で3時間、撹拌した。62.6gの水を、この手段で得られる懸濁液に添加し、そして得られる溶液を0℃に冷却する。予め製造された種晶を、このようにして得られた溶液に添加し、そして一部、油状生成物を含む懸濁液を、室温に加熱し、そして室温で72時間、維持する。このようにして得られた懸濁液を再び0℃に冷却し、そして次に、この温度で2時間、撹拌する。得られる結晶生成物を濾過し、そして各場合、15mlのエタノール及び水の1:1混合物により2度、洗浄し、そして次に、真空乾燥キャビネットにおいて50℃及び160mバールで乾燥する。全部で7.4g(理論的収率の68.5%)の塩を、結晶固形物として得る。
実施例3において得られる結晶固形物を用いて、図2に示される粉末X線ディフラクトグラム(XRD)を、実施例2に言及されるそれらの条件と同じ条件下で記録する。
実施例4
(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の3,5−水和物:
実施例3において得られた、約100mgの塩を、1mlのエタノール及び水(1:1)において懸濁し、そして得られる懸濁液を、25℃で1週間、振盪する。得られる結晶化された固形物を濾過し、そして得られる残渣を、室温及び周囲湿度で乾燥する。得られる残渣は、(S)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の3,5−水和物に相当する。
実施例4において得られる結晶固形物を用いて、図3に示される粉末X線ディフラクトグラム(XRD)を、実施例2に言及されるそれらの条件と同じ条件下で記録する。
C)溶解度測定
溶解度を測定するために、実施例2からの塩の飽和溶液を、pH7.0でリン酸緩衝液において調製し、そして室温で2時間、振盪した。得られる懸濁液を、シリンジフィルター(0.45μmの孔直径)により濾過し、そして希釈の後、透明な溶液を、HPLCにより測定した。純粋リン酸緩衝液を、ブランクサンプルとして使用した。溶解度を、リン酸緩衝液中、非晶性双性イオンの参照溶液の吸収の点で計算した。測定の結果は、下記表4に示される。
表4
Figure 0006235494
D)生理学的有効性の評価
HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)の複製に対する本発明の組成物のインビトロ効果が、次の抗ウイルスアッセイにより見出され得る:
HCMV蛍光−低減試験。
試験組成物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)中、50ミリモル濃度(mM)として使用する。ガンシクロビル(Ganciclovir)(登録商標)、ホスカネット(Foscarnet)(登録商標)又はシドフォビル(Cidofovir)(登録商標)を、参照組成物として使用することができる。試験の開始の1日前、1.5×104個のヒト包皮線維芽細胞(NHDF細胞)/ウェルを、96ウェルプレートのWells B2-G11(黒色、透明床を有する)における200μlの細胞培養培地に維持する。各96ウェルプレートのエッジに沿って、ウェルを、エッジ効果を防止するためにのみ、200μlの培地で満たす。試験の日、各96ウェルプレートのWells B2-G11における細胞培養培地を、吸引装置により真空除去し、そして100μlのウイルス懸濁液(感染の多重度(MOI):0.1−0.2)により置き換える。使用されるウイルスは、ウイルスゲノム中に緑色蛍光タンパク質(GFP)のための発現カセットを組み込んでいる組換えHCMVである(HCMV AD 169 RV-HG [E. M. Borst, K. Wagner, A. Binz, B. Sodeik, and M. Messerle, 2008, J.Virol. 82:2065-2078.])。37℃及び5%CO2下で2時間のインキュベーションの後、ウイルス播種を吸引装置により真空除去し、そして第3列のウェルを除くすべてのウェルを、200μlの細胞培養培地により充填する。第2列は、さらに処理せず、そしてウイルス対照として作用する。第3列中のウェルを、重複分析のために300μlの試験物質(細胞培養培地に希釈された)により、それぞれ充填する。第3列中のそれぞれの抗ウイルス物質の濃度は、それぞれ予想されるEC50値の濃度の約27倍である。第3列中の試験物質を、そのそれぞれの右側の列に、各列から100μlを移すことにより(ここで、すでにそこに存在する200μlの細胞培養培地と共に混合される)、96ウェルプレート間で1:3の濃度に8段階で希釈する。このようにして、3種の抗ウイルス物質を、重複分析下で試験する。プレートを、37℃及び5%CO2下で7日間インキュベートする。続いて、プレート上のすべてのウェルを、PBS(リン酸緩衝生理食水)により3度、洗浄し、そして50μlのPBSにより充填する。次に、96ウェルプレート中の各ウェルのGFP強度を、蛍光スキャナーを使用して測定する(FluoBox; Bayer Technology Services GmbH; フィルター設定: GFP, Ex 480 nm, Em 520 nm)。このようにして得られた、測定された値を用いて、抗−HCMVのEC50を決定することができる:EC50(GFP−RA)=未処理のウイルス対照に比較して、GFP蛍光を50%低める、μMでの物質濃度。
本発明の組成物についての代表的インビトロ有効データが表5に再現される:
表5
Figure 0006235494
E)医薬組成物
本発明の化合物は、次の通りにして、医薬組成物に転換され得る:
静脈内溶液
第1の原液を製造するために、実施例2からの塩1.0gを、注射目的のために10mlの水に溶解し、そして塩を、透明な液体が得られるまで、撹拌する。この溶液を、5mg/ml又は10mg/mlの濃度を有する静脈内投与のための溶液を製造するために、20mMのリン酸緩衝溶液にゆっくり添加する。それぞれの溶液のpH値は、約pH7.6(5mg/ml)及び約pH7.7(10mg/ml)であった。最終的に、得られる溶液を無菌濾過し、そして適切な滅菌容器中に満たす。容器を、注入栓及びフランジキャップにより封止する。
必要なら、この手段で製造された溶液を、容器を封止する前、貯蔵のために凍結乾燥することができ、そしてそれらは、使用するために、後日再構成され得る。
錠剤
経口投与のための固形製剤を製造するために、実施例2からの塩(50%)をスクリーンし、そして炭酸水素カルシウム・二水和物(48%)、クロスカルメロースナトリウム(5%)、ポリビニルピロリドン(5%)及びコロイド状シリカゲル(1%)と共に混合する。次に、スクリーンされたステアリン酸マグネシウム(1%)を添加する。次に、このプレス混合物を、錠剤を製造するために、直接使用する。
F)純度
S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩:
実施
313.1gのS(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸を、2000mlのプレーングラウンドジョイントフラスコ(plane ground joint flask)中に投入した。次に、EtOH(変性された)/ジイソプロピルエーテルの1:1混合物1300ml及び21.9gのNaOHペレットを添加した。内部温度を調節することにより、混合物を、50℃の内部温度(Tm=51℃)に、25分間、加熱した。NaOHペレットを溶解し、透明なオレンジ色の溶液を得た。次に、その混合物を、3時間、撹拌し、そして懸濁液を得た。次の10時間以内に、その混合物を、約20℃の内部温度に、3℃/時の冷却速度で冷却し、そして次に、この温度で、さらに5時間、撹拌した。これにより、プレーングラウンドジョイントフラスコに、1500mlの合計体積の濃懸濁液を生成し、そして前記合計体積の400mlが結晶体積である。真空下で、合計体積を、110〜96mバール;17−25℃の内部温度、35−50℃のジャケット温度で約750ml、273gの蒸留物に減じた。次に、これを約2時間、撹拌した。10分の期間以内に、250mlのジイソプロピルエーテルを添加し、そして次に、撹拌を2時間、実施する。この手段で得られる生成物を単離し、そして各場合、250mlのジイソプロピルエーテルにより2度、洗浄し;ウエット収量:284.8gである。得られる生成物を、約160mバールで窒素によりパージしながら、50℃で、真空乾燥キャビネット中で20時間、乾燥し;最終重量:279.4gであり、この生成物は次の分析を受けた。
分析
ナトリウム含有量の測定
通常、過剰のHNO3を、200mgの試験物質(S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩)に添加し、そして電子レンジ対応の圧力消化を実施する(Method 2011-0606601 Currenta, Leverkusenに従って)。溶液を、フレーム原子吸光分析を用いて、そのナトリウム含有量について試験する(Method 2011-0267201 Currenta, Leverkusenに従って)。
結果:S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩:3.5重量%のナトリウム
修正X線:結晶
残留溶媒の測定:0.03重量%のジイソプロピルエーテル
HPLC−分析
高圧液体クロマトグラフィー(HPLC);
逆相方法;
検出:UV−範囲
分析:表面補正係数を有する表面%方法による、
S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩中の次の特異的及び非特異的汚染の試験:
・キナゾリル−ピペラジン
・ジ−p−トルオイル酒石酸
・キナゾリルジピペラジン
・キナゾリンエチルエステル
・個々の非特異的汚染物。
装置
1.サーモスタット制御のカラムオーブン、UV検出器及びデータ評価システムを備えた高圧液体クロマトグラフィー
2.ステンレス鋼から製造された金属カラム
長さ:15cm
内径:3.0mm
パッキング:Prodigy ODS III、3μm
試薬
1.HPLCのためのアセトニトリル
2.リン酸二水素カリウム、p.a.
3.o−リン酸 85%濃度、p.a.
試験溶液
S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩の約22mgのサンプル;正確に計量され、アセトニトリルに溶解され、そして50.0mlまで充填される。
キャリブレーション溶液
正確に計量され、アセトニトリル溶解され、そして50.0mlまで充填された、S(+)−{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸の約22mgの参照標準。
比較溶液
キャリブレーション溶液に類似する比較溶液を調製する。それは、さらに、少量の有機汚染物(キナゾリルピペラジン、ジ−p−トルオイル酒石酸、キナゾリルジピペラジン、キナゾリンメチルエステル)を含む。
HPLC−条件
記載される条件は指針値として意図され、そして必要ならば、最適な分離を達成するために、それらはクロマトグラフィーの技術力及びそれぞれのカラムの特性に適合され得る。
溶離剤
A.1.36gのリン酸二水素カリウム及び0.7mlのo−リン酸85%の濃度を水と共に溶解し、そして1000.0mlまで充填する。
B.アセトニトリル
流速
0.5ml/分
カラムオーブンの温度
55℃
検出
測定波長:210nm
バンド幅:4nm
注入体積
3μl
平衡化時間
10分(起動条件下で)
勾配
Figure 0006235494
クロマトグラフィーの実行時間
65分
精度
参照標準の6度の注入から得られる領域の相対標準偏差は、≦1.5%でなければならない。
実施
試験溶液、キャリブレーション溶液及び比較溶液を、所定の条件下でクロマトグラフィー処理する。
Figure 0006235494
評価
ピーク面積の電子統合。
有機不純物の含有量の計算(HPLC)
存在する場合、面積補正係数(RF)を伴っての面積%法。
結果
S(+){8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸ナトリウム塩:
・99.9面積%
・既知有機汚染物について0.0面積%
・最大の非特異的汚染物について0.07面積%
・最大の個々の非特異的ニ次成分について0.0907面積%
・88.0重量%
HPLC−クロマトグラム及びその分析については、図4及び5を参照のこと。

Claims (15)

  1. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のナトリウム塩の結晶、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のカルシウム塩の結晶、又は当該塩の溶媒和物。
  2. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の結晶、又は当該塩の溶媒和物である、請求項1に記載の塩の結晶。
  3. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の結晶の2.5-水和物である、請求項2に記載の塩の結晶。
  4. 粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において、6.1、9.2及び15.5度2シータに特徴的なピークを示す、請求項3に記載の塩の結晶。
  5. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノカルシウム塩の結晶の3.5-水和物である、請求項2に記載の塩の結晶。
  6. 粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において、6.2、12.4及び22.4度2シータに特徴的なピークを示す、請求項5に記載の塩の結晶。
  7. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩の結晶、又は当該塩の溶媒和物である、請求項1に記載の塩の結晶。
  8. {8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸のモノナトリウム塩の結晶の3-水和物である、請求項7に記載の塩の結晶。
  9. 粉末X線回折ディフラクトグラム(XRD)において、6.2、20.9及び22.4度2シータに特徴的なピークを示す、請求項8に記載の塩の結晶。
  10. 次の:
    a.)少なくとも1つの(C1-C4)ジアルキルエーテル及び少なくとも1つの(C1-C4)アルコールの混合物中で、{8-フルオロ-2-[4-(3-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル]-3-[2-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロキナゾリン-4-イル}酢酸又はその溶媒和物を、必要ならば加熱下で、溶解する工程、
    b.)工程a.)において得られる溶液に、NaOH又はCa(OH)2を添加する工程、
    c.)工程b.)で得られた溶液から、溶媒の一部を除去し、必要ならば、適した種晶と共に播種し、上記塩又は塩の溶媒和物の結晶化を開始する工程、
    d.)工程c.)で得られた、晶出された塩又はその溶媒和物を分離する工程、
    e.)必要ならば、工程d.)で得られた塩又は溶媒和物を、適した溶媒中で撹拌し、所望の溶媒和物を得る工程、及び
    f.)工程d.)又はe.)で得られた塩又は溶媒和物を乾燥する工程、
    を使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塩の結晶の製造方法。
  11. 適した溶媒が、水及び少なくとも1つの(C1-C4)アルコールの混合物である、請求項10に記載の塩の結晶。
  12. 少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤と組み合わせた、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塩の結晶を含む薬剤。
  13. ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染、又はヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染によって起こる疾患の治療及び/又は予防のための、請求項12に記載の薬剤。
  14. ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染、又はヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染によって起こる疾患感染の治療及び/又は予防のための医薬の製造のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塩の結晶の使用。
  15. ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染、又はヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染もしくはヘルペスウイルス群の他のメンバーでの感染によって起こる疾患を治療するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の塩の結晶を含む薬剤であって、当該治療を必要とするヒト又は動物へ投与される、薬剤。
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