JP6232343B2 - 蓋付カップ容器 - Google Patents
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また、ロック機構を設ける構造では、ロックされる開封完了位置まで開封部材を押し込む必要があり、その押し込み量が不十分な場合に開封部材が開封完了位置で固定されないおそれがある。
本発明に係る蓋付カップ容器は、有底筒状のカップ体と、該カップ体に被着され、前記カップ体の開口部を覆う天壁部を有する蓋体と、前記カップ体と前記蓋体との間に配置され前記開口部を密封するシール材と、を備え、前記蓋体は、前記天壁部に形成された貫通孔の上方又は該貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材を備える蓋付カップ容器であって、前記開封部材は、基端が連結部を介して前記天壁部に連結され、前記連結部は、ヒンジ部と、弾性変形可能に形成された帯体と、を備え、前記開封部材と前記帯体を通る前記蓋体の縦断面視において、前記開封部材の基端部、及び前記天壁部における前記帯体との接続部分は、全体が前記シール材側に向けて突を呈するように、傾斜していることを特徴としている。
この過程において、帯体は、前記縦断面視において、開封部材の基端部と天壁部の前記接続部分とが一直線上に延びるまでは引張変形し、その後、開封部材の基端部、及び天壁部の前記接続部分の全体が、シール材側と反対に向けて突を呈した際に収縮変形する。つまり、前記一直線上を基準として、これを越えることにより帯体の復元力(弾性力)が開封部材に付与される。
すなわち、帯体の復元力によりシール材側に向けた付勢力が付与された開封部材を元の位置に戻すには、帯体を引張変形させる必要があるため、開封部材を開封完了位置に維持することができる。
ここで、カップ体2及び蓋体3の各中心軸線は、共通軸上に位置している。本明細書では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う方向(容器軸O方向)のうち、カップ体2の底部21側を下方(下側)といい、蓋体3側を上方(上側)といい、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
カップ体2の胴部22は、上側から下側に向かうに従い漸次縮径している。また、カップ体2の開口部2aには、その径方向の外側に向けて突出するフランジ部23が全周にわたって設けられている。このフランジ部23の上面には前記シール材4が貼着されて、前記開口部2aが封止されている。
外筒32Bは、下方から上端に向かうに従い漸次縮径するように形成されている。外筒32Bの下端は、連結壁34を介して装着筒部31の上端に連結されている。
貫通孔36は、天壁部33の平面視で前記径方向に延びる矩形状に形成されている。貫通孔36のうち前記径方向の一端部は、天壁部33における前記径方向の中央部に位置し、前記径方向の他端部は、天壁部33における外周縁部に位置している。以下、前記径方向のうち貫通孔36の一端部側をカップ後方といい、貫通孔36の他端部側をカップ前方という。また、カップ前後方向に直交する方向をカップ幅方向(図1における上下方向)という。
貫通孔36は、開封部材35を後述する連結部3A回りに回動させたときに通過させてシール材4に到達させるように設けられている。
また、天壁部33のうち、貫通孔36の前側部分からカップ幅方向の両外側に向けて延びる飲み口部分33aは、カップ前方からカップ後方に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。そして、天壁部33のうち、飲み口部分33aからカップ後方に向けて延びる部分(以下、本体部分33bという)は、カップ後方に向かうに従い漸次上方に向けて延びている。
本体部分33bは、カップ幅方向の外側から内側に向かうに従い漸次下方に向けて延びていて、傾斜部分33Bのカップ幅方向の外端縁に連結されている。
このような開封部材35は、図3及び図4に示すように、上方から押圧することにより、刃部35aによってシール材4が破断するとともに、連結部3Aを中心として下側に向けて回動する。
第1ヒンジ部37は、帯体38のカップ幅方向の両側に配置されている。
帯体38は、縦断面視形状で上方に向けて突となるように湾曲している。帯体38の後端部は、第2ヒンジ部38aを介して傾斜部分33Bに連結され、帯体38の前端部は、第3ヒンジ部38bを介して開封部材35に連結されている。一対の第1ヒンジ部37は、カップ前後方向で第2ヒンジ部38aと第3ヒンジ部38bとの間に位置している。
なお、帯体28は、開封部材35が開封完了位置R2に位置したときに、弾性変形が生じていない状態であってもよい。
図2及び図3に示すような蓋付カップ容器1内の内容物を飲む際には、開封部材35を下方に押し込むことで回動させ、その先端の刃部35aでシール材4を破断するとともに、カップ体2内と外部とが連通される。この際、前記縦断面視において、まず、開封部材35は、その後端部35Aが、天壁部33の接続部分33Aと一直線上に延びるような姿勢、すなわち最大伸張位置R1となり、その後、開封部材35の押下を継続することで、図4に示すように、開封部材35は、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aの全体が、上方に向けて突を呈するような姿勢となる。接続部分3Aは、未開封位置R0と開封完了位置R2において上下に反転した状態になる。
すなわち、帯体38の復元力により開封完了位置R2に向けた付勢力が付与された開封部材35を元の位置に戻すには、帯体38を引張変形させる必要があるため、開封部材35を開封完了位置R2に維持することができる。
図5に示す第1変形例は、前述の実施形態で説明した蓋付カップ容器1の変形例であり、この変形例において蓋体3に形成される連結部3Aは、カップ幅方向の中央にヒンジ部37を備え、そのヒンジ部37の両側に帯体38を設けた構成となっている。この場合、帯体38を引張変形させるためには、前述の実施形態のカップ幅方向の中央に帯体38が設けられる構成よりも大きな力が必要となる。そのため、開封部材35が開封完了位置で維持された状態において、開封部材35を元の位置に戻すために大きな力で帯体38を引張変形させる必要があるため、より確実に開封部材35を開封完了位置に維持することができる。
例えば、図6に示す第2変形例による蓋付カップ容器1Aは、未開封位置R0にある開封部材35が、カップ前後方向に沿って水平に配置された構成となっている。なお、本第2変形例では、開封部材35の板面の前端部が刃部35aをなしている。第2変形例の場合においても、前記縦断面視において、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aは、全体が下方に向けて突を呈するように形成されている。このように、開封部材35の後端部35A、及び前記接続部分33Aのうち、少なくとも一方が傾斜していれば、下方に向けて突を呈する形状となることから、前述の実施形態と同様に、開封部材35を元の位置に戻すには、帯体38を引張変形させる必要があるため、開封部材35を開封完了位置に維持することができる。
さらに、カップ体2や、蓋体3の周壁部32、天壁部33などの形状も適宜変更することが可能である。
2 カップ体
2a 開口部
3 蓋体
3A 連結部
4 シール材
31 装着筒部
32 周壁部
33 天壁部
33A 接続部分
33B 傾斜部分
35 開封部材
35A 基端部
35a 刃部
35b 基端
36 貫通孔
37 ヒンジ部
38 帯体
O 容器軸
R0 未開封位置
R1 最大伸張位置
R2 開封完了位置
Claims (4)
- 有底筒状のカップ体と、
該カップ体に被着され、前記カップ体の開口部を覆う天壁部を有する蓋体と、
前記カップ体と前記蓋体との間に配置され前記開口部を密封するシール材と、
を備え、
前記蓋体は、前記天壁部に形成された貫通孔の上方又は該貫通孔内に配置され、前記シール材を破断して開封する開封部材を備える蓋付カップ容器であって、
前記開封部材は、基端が連結部を介して前記天壁部に連結され、
前記連結部は、ヒンジ部と、弾性変形可能に形成された帯体と、を備え、
前記開封部材と前記帯体を通る前記蓋体の縦断面視において、前記開封部材の基端部、及び前記天壁部における前記帯体との接続部分は、全体が前記シール材側に向けて突を呈するように、傾斜していることを特徴とする蓋付カップ容器。 - 前記帯体は、前記シール材側と反対方向に向けて突となるように湾曲していることを特徴とする請求項1に記載の蓋付カップ容器。
- 前記連結部は、前記帯体の両側に前記ヒンジ部が配置されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓋付カップ容器。
- 前記開封部材及び前記天壁部は、それぞれの全体が前記連結部に向けて傾斜していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の蓋付カップ容器。
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