JP6230740B1 - フラワーペースト - Google Patents
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Abstract
Description
糖質を減らした食品として、小麦粉を使用せず、難消化性澱粉、小麦たんぱく、及び大豆由来食品を使用した低糖質パン様食品素材や、難消化性デキストリンと、ホエイパウダー又はホエイ蛋白を使用した低糖質焼き菓子用組成物が開発されている(特許文献1,2)。
このように、低糖質食品として、パンや菓子、ゲル状食品が開発されているが、それらは、パンや菓子の主原料である小麦の使用量を減らすことにより低糖質化を図ったものである。
しかし、主に、パンや菓子類の副原料として使用されているフラワーペーストの糖質を減らすことについては、何ら検討されていなかった。
フラワーペーストは、小麦粉又は澱粉と、砂糖、油脂、水等を加えて加熱し、水中油型のペースト状にしたもので、そのバリエーションとして、卵を加えたカスタード、チョコレートを加えたチョコ風味等、色々なものがあり、パンや菓子類のフィリング、トッピング、スプレッド材として広範に使用されている。
フラワーペーストは、原料に糖質を多く含む小麦粉や澱粉、砂糖を使用するが、フラワーペースト中の糖質含量を減らすために、単に、小麦粉や澱粉、砂糖の使用量を減らしてしまうと、得られるフラワーペーストの硬さが不足したり、甘味が物足りなくなってしまう。
また、澱粉を使用したフラワーペーストは、澱粉により食感が糊っぽくなってしまう傾向があるが、糊っぽさを減らすために、単に澱粉の使用量を減らしてしまうと、フラワーペーストの硬さが不足してしまう問題もあった。硬さが不足した場合、例えば工場ラインでパン類等にフィリングとして充填する時にダレが生じて生地からフィリングが漏れ出す等作業適性が劣ってしまうといった問題が生じることがあった。
本発明の第2の態様は、前記大豆粉の含量が、10〜35質量%であることを特徴とする第1の態様に記載のフラワーペーストである。
本発明の第3の態様は、前記澱粉が天然澱粉の場合、天然澱粉の含量が、2〜10質量%であり、前記澱粉が加工澱粉の場合、加工澱粉の含量が、0.1〜3質量%であることを特徴とする第1又は第2の態様に記載のフラワーペーストである。
本発明の第4の態様は、前記油脂の含量が、10〜35質量%であることを特徴とする第1〜第3のいずれか1つの態様に記載のフラワーペーストである。
本発明の第5の態様は、豆腐用凝固剤を含有することを特徴とする第1〜第4のいずれか1つの態様に記載のフラワーペーストである。
本発明の第6の態様は、卵黄又は加糖卵黄を含有することを特徴とする第1〜第5のいずれか1つの態様に記載のフラワーペーストである。
本発明の第7の態様は、第1〜第6のいずれか1つの態様に記載のフラワーペーストを含有する食品である。
本発明の第8の態様は、大豆粉、澱粉、及び油脂を含有し、フラワーペースト100g中の糖質含量が8〜20gであるフラワーペーストの製造方法で、大豆粉、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程を有することを特徴とするフラワーペーストの製造方法である。
本発明の第9の態様は、大豆粉、澱粉、油脂、豆腐用凝固剤、及び水を含有し、フラワーペースト100g中の糖質含量が8〜20gであるフラワーペーストの製造方法で、以下の(1)及び(2)の工程、又は以下の(3)及び(4)の工程を有することを特徴とするフラワーペーストの製造方法である。
(1)一部の大豆粉と水の混合物を加熱後、豆腐用凝固剤を添加して豆腐を製造する工程
(2)前記(1)の工程で得られた豆腐、残りの大豆粉、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程
(3)大豆粉と水の混合物を加熱後、豆腐用凝固剤を添加して豆腐を製造する工程
(4)前記(3)の工程で得られた豆腐、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程
本発明の第10の態様は、前記水相に卵黄若しくは加糖卵黄を混合することを特徴とする第8又は第9の態様に記載のフラワーペーストの製造方法である。
また、低糖質であるにもかかわらず、適度な硬さと甘みがあって、糊っぽさも少ないフラワーペーストを提供することができる。
本発明のフラワーペーストは、適度な保形性を有するので、パンや菓子類のフィリングとして使用した場合、ダレが生じないので、フィリング充填時の作業性を向上させることができる。
まず、本発明に使用する大豆粉について説明をする。
本発明に使用する大豆粉は、市販品を使用することができ、加熱処理をした大豆粉であっても、加熱処理をしていない大豆粉であっても使用することができる。また、例えば、原料としてリポキシゲナーゼ欠失大豆のような特殊な大豆品種を使用した大豆粉も使用することができる。
市販品として、例えば、日清オイリオグループ(株)製の商品「アルファプラスHS−600」「ソーヤフラワーNSA」等が挙げられる。
また、低糖質とした食品において大豆粉を添加した場合に大豆由来の青臭さを感じることがあるが、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ステビアといった高甘味度甘味料を使用することで大豆の青臭さを低減、又はなくすことができる。特に風味の点でアセスルファムKを使用することが好ましい。
本発明のフラワーペーストには、澱粉を含有する。澱粉としては、天然澱粉や加工澱粉を使用することができ、それらの1種又は2種以上を使用することができる。
天然澱粉としては、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、片栗澱粉、サゴ澱粉、タピオカ澱粉、コーン澱粉、米澱粉、小麦澱粉、豆澱粉等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
また、加工澱粉としては、これらの天然澱粉を加工したものを使用することができる。加工澱粉としては、例えば、澱粉を無水酢酸等でエステル化した酢酸澱粉や、リン酸架橋澱粉、オクテニルコハク酸澱粉ナトリウム、エーテル架橋澱粉等が挙げられる。
澱粉は、糖質を多く含むものであるから、低糖質のフラワーペーストを得るためには、以下の含量であることが好ましい。
天然澱粉を使用する場合、フラワーペースト中の天然澱粉含量は、2〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましく、3〜6質量%であることが最も好ましい。
また、加工澱粉を使用する場合、フラワーペースト中の加工澱粉含量は、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.2〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1.5質量%であることが最も好ましい。
フラワーペースト中の糖質含量をより減らすには、使用量の点から、天然澱粉よりも、加工澱粉を使用するのが好ましい。
また、加工澱粉の中でも、例えば、架橋度が高いリン酸架橋澱粉等は、食物繊維含量が多く、糖質含量が少ないので、このような加工澱粉を使用すると、より糖質含量を減らすことができる。
なお、天然澱粉、及び加工澱粉の両方を含有する場合も、フラワーペースト中の天然澱粉と加工澱粉の含量は、先に記載した含量であることが好ましい。
本発明では、フラワーペースト中の油脂とは、フラワーペースト製造に使用した原料油脂だけでなく、原料油脂以外の原料に由来する油脂も含めたものをいう。
したがって、本発明のフラワーペースト中の油脂含量は、製造に使用した油脂原料と、油脂原料以外の原料由来の油脂の合計量をいう。
フラワーペースト製造における原料油脂としては、通常食用に使用されるものであれば良く、例えばパーム油、カカオ脂、サル脂、シア脂、ヤシ油、パーム核油、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米油、ゴマ油、オリーブ油、グレープシード油、落花生油、亜麻仁油、乳脂、ラード、牛脂、魚油等の動植物油脂、これら動植物油脂の分別油、水素添加油、エステル交換油、及びこれらの二種以上の混合物が挙げられる。これらの中では、フラワーペーストの風味の点で綿実油が好ましい。
原料油脂以外の原料に由来する油脂としては、例えば、大豆粉由来の大豆油、卵黄由来の卵黄油、乳化油脂由来の油脂等が挙げられる。
例えば、フラワーペーストの含量に、油分が26質量%の大豆粉を20質量%使用した場合、フラワーペースト中の油脂含量のうち、5.2質量%は、大豆粉由来の油脂である。
そして、フラワーペースト中の油脂含量を多くして、水相中の水の量を少なくすることで、フラワーペースト中の水分含量が減って糖濃度が高まり、砂糖等の甘味をより強く感じさせることができる。その結果、糖質含量を減らしても、フラワーペースト全体の良好な風味を維持することができる。
したがって、フラワーペースト中の油脂含量は、10〜35質量%であることが好ましく、13〜30質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることが最も好ましい。
本発明では、フラワーペースト中の水とは、フラワーペースト製造に使用する原料水だけでなく、原料水以外の原料に由来する水分も含めたものをいう。
したがって、本発明のフラワーペースト中の水含量は、製造に使用した原料水と、原料水以外の原料由来の水分の合計量をいう。
原料水には、水道水や蒸留水等を用いることができる。
原料水以外の原料に由来する水分としては、例えば、大豆粉由来の水分、卵黄由来の水分、澱粉由来の水分、乳化油脂由来の水分等が挙げられる。
フラワーペースト中の水含量は、40〜60質量%であることが好ましく、45〜60質量%であることがより好ましく、45〜55質量%であることが最も好ましい。
本発明のフラワーペーストには、豆腐用凝固剤を含有させることができる。
豆腐用凝固剤としては、例えば、にがり、塩化マグネシウム、すましこ、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン等が挙げられる。
豆腐用凝固剤は、後の製造方法で詳細に説明するが、大豆粉を用いた豆腐を作るために用いるものである。
豆腐用凝固剤は、大豆粉と水の混合物を凝固して豆腐にできる量を使用すればよく、大豆粉100質量部に対して、0.7〜5.0質量部であることが好ましく、1.0〜3.0質量部であることがより好ましく、1.2〜2.0質量部であることが最も好ましい。
したがって、フラワーペースト中の豆腐用凝固剤の含量は、0.07〜3.5質量%であることが好ましく、0.1〜2.1質量%であることがより好ましく、0.12〜1.4質量%であることが最も好ましい。
他の副素材として、例えば、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、CMC、ローカストビーンガム、ジェランガム等の増粘多糖類、全脂粉乳、バターミルク、脱脂粉乳、全脂加糖練乳、生クリーム、カゼインナトリウム、乳ホエー等の乳製品、ブドウ糖、マルトース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、テトラオース、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、砂糖(ショ糖)、オリゴ糖、澱粉加水分解物、還元澱粉糖化物等の甘味料、アセスルファムK、スクラロース、アスパルテーム、ステビア、ソーマチン、ラカンカ等の高甘味度甘味料、大豆タンパク、大豆タンパク分解物、大豆ホエー濃縮物、乾燥卵白、卵黄、加糖卵黄、小麦グルテン、小麦グルテン分解物等の蛋白関連製品、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリソルベート等の乳化剤、ココアパウダー、チョコレート、ココナッツパウダー、緑茶粉末、香料、保存料、着色料、酸化防止剤、乳化油脂等を使用することができる。
フラワーペースト100g中の糖質含量は20g以下で、8g〜20gであることが好ましく、8g〜18gであることがより好ましく、9g〜16gであることが最も好ましい。
例えば、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)追補2016年」に記載されているフラワーペーストの一種であるカスタードクリームの場合、100g中の糖含量が24.7gであるから、本願発明を用いることにより、糖質含量を約2割以上低減させることができる。
フラワーペースト中の糖質含量は、各原料中の糖質含量を合計した値である。
ここで、糖質含量とは、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)に規定されおり、食品の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定した値である。
したがって、各原料中の糖質含量は、各原料のたんぱく質含量、脂質含量、食物繊維含量、灰分含量、及び水分含量を測定し、原料の重量からそれらの量を控除して求めることができる。
そして、原料中のたんぱく質の含量は、ケルダール法により測定することができ、脂質の含量は、クロロホルム・メタノール混液抽出法により測定することができ、食物繊維の含量は、酵素−重量法により測定することができ、灰分の含量は、直接灰化法により測定することができ、水分の含量は、常圧加熱乾燥法により測定することができる。
したがって、フラワーペースト100g中の糖質含量は20g以下にするには、これら糖質を含む原料の使用量を少なくする必要がある。
先に説明したように、フラワーペースト中の油脂含量を増やすと水分が減り、水相中の糖濃度が高まる結果、砂糖等の甘味がより感じられやすくなる。その結果、フラワーペースト全体の風味を良好なものとしつつ、糖質含量を減らすことができる。
また、糖質を多く含み、フラワーペーストの原料として一般的に使用されている小麦粉は、使用しないことが好ましい。
また、澱粉も、糖質を多く含むため、先に説明した含量にすることが好ましい。
ここで、フラワーペースト中の糖質含量を減らすために、単に、小麦粉や澱粉の使用量を減らしてしまうと、得られるフラワーペーストの硬さが不足してしまう。
しかし、小麦粉を使用しなかったり、糖質含量の多い澱粉の含量を減らした場合であっても、先に説明した量の大豆粉を配合することで、フラワーペーストに適度な硬さを付与することができる。この適度な硬さを有するフラワーペーストをパンや菓子類のフィリングとして使用した場合、ダレが生じないので、フィリング充填時の作業性を向上させることができる。
フラワーペーストの硬さは、最大ずり応力値(Pa)、外観、及び触感等で総合的に判断することができる。
最大ずり応力値は、粘度計、例えば、HAAKE社の粘度測定装置(装置名:Rotovisco1)を用いて測定することができ、最大ずり応力値は、150Pa以上であることが好ましく、150〜800Paであることがより好ましく、350〜800Paであることがさらにより好ましく、500〜800Paであることが最も好ましい。
また、フラワーペーストの外観は、絞り袋を用いてフラワーペーストを絞り出した後に絞り花の形が維持されるものが好ましく、数時間放置後も絞り花の形が維持されるものがより好ましい。
また、触感は、例えば、容器に入ったフラワーペーストにスパチュラを約1cmの深さまで入れ、そのまま約5cmスパチュラを動かしたときの手ごたえで評価することができ、手ごたえをやや感じられる〜強く感じられるという範囲のものが好ましく、手ごたえを感じられる〜手ごたえを強く感じられるとういう範囲のものがより好ましく、手ごたえを強く感じられるものが最も好ましい。
本発明のフラワーペーストを使用した食品としては、食パン、フランスパン、デニッシュ、スイートロール、イーストドーナツ、菓子パン、クッキー、パイ、シュークリーム、サブレ、たい焼き、どら焼、大判焼き、スポンジケーキ、バターケーキ、ケーキドーナツ等が挙げられる。
本発明のフラワーペーストは、例えば、次のようにして製造することができる。
タンクに、大豆粉、水、澱粉、卵黄、乳化油脂、保存料、香料等を入れ、アンカーミキサーで撹拌(30〜200rpm)しながら、50℃〜70℃になるまで昇温し水相を調製する。得られた水相をホモミキサー(3000rpm〜10000rpm)で撹拌しているところに、油脂を投入し、乳化する。乳化後、品温が80℃〜110℃になるまで昇温・加熱し、その後冷却して製造することができる。
なお、フラワーペーストの製造において添加する原料油脂の量は、4〜32質量%であることが好ましく、7〜26質量%であることがより好ましく、8〜20質量%であることが最も好ましい。
また、フラワーペーストの製造において水相の調製に用いる原料水の量は、35〜58質量%であることが好ましく、40〜58質量%であることがより好ましく、45〜55質量%であることが最も好ましい。
容器に大豆粉の一部及び水を入れて混合し、90〜100℃に加熱し撹拌する。30〜40質量%塩化マグネシウム溶液を1.0〜1.2ml添加して撹拌後、90〜100℃で20〜30分間静置する。その後、室温まで冷却し、原料豆腐を製造する。
次に、タンクに、原料豆腐、残りの大豆粉、水、澱粉、卵黄、乳化油脂、保存料、香料等を入れ、アンカーミキサーで撹拌(30〜200rpm)しながら、50℃〜70℃になるまで昇温し水相を調製する。得られた水相を、ホモミキサー(3000rpm〜10000rpm)で撹拌しているところに、油脂を投入し、乳化する。乳化後、品温が80℃〜110℃になるまで昇温・加熱し、その後冷却して製造することができる。
なお、フラワーペーストの製造で、一部の大豆粉で作った豆腐を原料に使用する場合、添加する原料油脂の量は、4〜32質量%であることが好ましく、7〜26質量%であることがより好ましく、8〜20質量%であることが最も好ましい。
また、フラワーペーストの製造で、一部の大豆粉で作った豆腐を原料に使用する場合、水相の調製に用いる原料水の量は、15〜40質量%であることが好ましく、18〜35質量%であることがより好ましく、20〜30質量%であることが最も好ましい。
具体的には、容器に大豆粉及び水を入れて混合し、90〜100℃に加熱し撹拌する。30〜40質量%塩化マグネシウム溶液を1.0〜1.2ml添加して撹拌後、90〜100℃で20〜30分間静置する。その後、室温まで冷却し、原料豆腐を製造する。
次に、タンクに、原料豆腐、水、澱粉、卵黄、乳化油脂、保存料、香料等を入れ、アンカーミキサーで撹拌(30〜100rpm)しながら、50℃〜70℃になるまで昇温し水相を調製する。得られた水相をホモミキサー(3000rpm〜10000rpm)で撹拌しているところに、油脂を投入し、乳化する。乳化後、品温が80℃〜110℃になるまで昇温・加熱し、その後、冷却して製造することができる。
なお、フラワーペーストの製造で、全部の大豆粉で作った豆腐を原料に使用する場合、添加する原料油脂の量は、4〜32質量%であることが好ましく、7〜26質量%であることがより好ましく、8〜20質量%であることが最も好ましい。
また、フラワーペーストの製造で、全部の大豆粉で作った豆腐を原料に使用する場合、水相の調製に用いる原料水の量は、0〜20質量%であることが好ましく、0〜14質量%であることがより好ましく、0〜10質量%であることが最も好ましい。
表1に示す配合で、大豆粉(1)を含有するフラワーペースト約100gを製造した。
具体的には、まず、容器に水、及び原料Aを入れて60℃に加熱し、ホモミキサーで約5分間撹拌(5000rpm)し、水相を調製した。次に、60℃で撹拌している水相に、原料Bを入れ、ホモミキサーで約15分間撹拌(5000rpm)し、乳化した。乳化後、乳化物の品温が90℃になるまで加熱し、90℃で5分間加熱した。その後、乳化物を室温まで冷却し、フラワーペーストを得た。
なお、大豆粉(1)は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「アルファプラスHS−600」を使用し、加工澱粉は、エーテル架橋澱粉で、松谷化学工業株式会社販売の商品「ファリネックスVA70C」を使用し、乳化油脂は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ジセルシフォン」を使用し、高甘味度甘味料は、アセスルファムKを使用した。
また、各配合について、表2に示す各原料100g中の栄養成分含量の値から、フラワーペースト中の油脂含量及び糖質含量を算出し、表1に記載した。
今回行ったすべての実施例及び比較例に使用した各原料について、100g中の水分、たんぱく質、脂質、灰分、糖質、食物繊維の100g中の含量を調べた。なお、大豆粉(2)は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ソーヤフラワーNSA」である。
たんぱく質の含量は、ケルダール法、脂質の含量は、クロロホルム・メタノール混液抽出法、食物繊維の含量は、酵素−重量法、灰分の含量は、直接灰化法、水分の含量は、常圧加熱乾燥法により測定した。各原料100g中の各成分の含量を表2に示す。
糖質含量は、原料の重量から、たんぱく質、脂質、食物繊維、灰分及び水分の量を控除して算定した値である。
なお、高甘味度甘味料(アセスルファムK)の栄養成分値は、メーカー分析値を用いた。
表2の数値から、製造したフラワーペースト100g中の糖質含量(g)を求めた。その値を表5に示す。
製造したフラワーペーストについて、表3に示す評価基準に基づいて、フラワーペーストの最大ずり応力値(Pa)及び触感は5段階(a〜e)、外観は3段階(a、d、e)で評価し、それらを総合的に評価することで、フラワーペーストの硬さを評価した。
具体的には、3つの評価項目について、d評価及びe評価が1つもないものを、フラワーペーストとして適度な硬さがあり、合格と判断した。また、最大ずり応力値(Pa)及び触感については、c評価のものよりもb評価のもの、b評価のものよりもa評価のものが、硬さがより良好であると判断した。
したがって、3つの評価項目からフラワーペーストの硬さを総合的に評価する場合、a評価の数が多いものほど、硬さの評価が良好であるということになる。
フラワーペーストの最大ずり応力値(Pa)は、各評価サンプルのずり応力値を次の方法で測定し、ずり応力値の最大の値を、その評価サンプルの最大ずり応力値とした。
ずり応力値は、評価サンプルを30℃で5時間保存した後、回転型レオメーター(HAAKE社、装置名:Rotovisco1)を用いて測定した(測定条件:ずり速度変化0〜10/s(24秒)、コーンプレート直径60mm、ギャップ0.052mm)。
また、外観は、絞り袋を用いてフラワーペーストを絞り出した後、30℃で5時間保存したときに、絞り花の形が維持されるか否かを調べ、触感は、容器に入ったフラワーペーストにスパチュラを約1cmの深さまで入れ、そのまま約5cmスパチュラを動かしたときの手ごたえを評価した。
評価結果を表5に示す。
専門パネル4名にフラワーペーストを食してもらい、表4に示す評価基準で風味(甘味)、及び食感(糊っぽさ)を評価し、評価点を決定した。風味及び食感は、3点以上のものを合格とした。評価結果を表5に示す。
表6に示す配合で、大豆粉を含有するフラワーペースト約5kgを製造した。
具体的には、まず、アンカーミキサー、ディスパーミキサー、及びホモミキサーを備えたタンクに、水、及び原料Aを入れ、アンカーミキサーで撹拌(150rpm)しながら、品温60℃まで昇温させ、水相を調製した。得られた水相を、アンカーミキサー50rpm、ディスパーミキサー7000rpm、ホモミキサー8000rpmの条件で撹拌しているところに、原料Bを投入し、15分間乳化した。乳化後、アンカーミキサーで撹拌(50rpm)しながら、品温90℃まで加熱し、90℃で3分間保持した。
その後、アンカーミキサーで撹拌(150rpm)しながら、品温40℃まで冷却し、フラワーペーストを製造した。
なお、大豆粉(1)は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「アルファプラスHS−600」を使用し、加工澱粉は、エーテル架橋澱粉で、松谷化学工業株式会社販売の商品「ファリネックスVA70C」を使用し、乳化油脂は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ジセルシフォン」を使用し、高甘味度甘味料は、アセスルファムKを使用した。
また、各配合について、表2に示す各原料100g中の栄養成分含量の値から、フラワーペースト中の油脂含量及び糖質含量を算出し、表6に記載した。
先に記載した表2の数値から、製造したフラワーペースト100g中の糖質含量(g)を求めた。その値を表7に示す。
また、製造したフラワーペーストについて、実施例1で評価した方法と同じ評価方法で、フラワーペーストの硬さ、風味、及び食感の評価を行った。結果を表7に示す。
表9に示す配合で、大豆粉を含有するフラワーペースト約500gを製造した。
まず、表8に示す配合で原料豆腐(1)及び原料豆腐(2)を製造した。
具体的には、容器に大豆粉及び水入れて混合し、95℃の浴槽で加熱撹拌する。撹拌を止めて、33質量%塩化マグネシウム溶液を1.2ml添加し、すばやく全体を撹拌し、その後、95℃の浴槽で20分間静置した。その後、室温まで冷却し、原料豆腐を製造した。
次に、アンカーミキサー、ディスパーミキサー、及びホモミキサーを備えたタンクに、実施例10の場合は、水及び製造した原料豆腐を含む原料Aを入れ、実施例11の場合は、製造した原料豆腐を含む原料Aを入れ、アンカーミキサーで撹拌(50rpm)しながら、品温60℃まで昇温させ、水相を調製した。得られた水相を、アンカーミキサー50rpm、ディスパーミキサー2000rpm、ホモミキサー8000rpmの条件で撹拌しているところに、原料Bを投入し、15分間乳化した。乳化後、アンカーミキサーで撹拌(50rpm)しながら、品温90℃まで加熱し、90℃で5分間保持した。
その後、アンカーミキサーで撹拌(50rpm)しながら、品温40℃まで冷却し、フラワーペーストを製造した。
なお、豆腐の原料に用いた大豆粉(2)は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ソーヤフラワーNSA」を使用し、原料Aに用いた大豆粉(1)は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「アルファプラスHS−600」を使用し、加工澱粉は、エーテル架橋澱粉で、松谷化学工業株式会社販売の商品「ファリネックスVA70C」を使用し、乳化油脂は、日清オイリオグループ(株)販売の商品「ジセルシフォン」を使用し、高甘味度甘味料は、アセスルファムKを使用した。
また、各配合について、表2に示す各原料100g中の栄養成分含量の値から、フラワーペースト中の油脂含量及び糖質含量を算出し、表9に記載した。
先に記載した表2の数値から、製造したフラワーペースト100g中の糖質含量(g)を求めた。その値を表10に示す。
また、製造したフラワーペーストについて、実施例1で評価した方法と同じ評価方法で、フラワーペーストの硬さ、風味、及び食感の評価を行った。結果を表10に示す。
Claims (10)
- 大豆粉、澱粉、油脂、及び水を含有するフラワーペーストで、フラワーペースト100g中の糖質含量が8〜20gであることを特徴とするフラワーペースト。
- 前記大豆粉の含量が、10〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載のフラワーペースト。
- 前記澱粉が天然澱粉の場合、天然澱粉の含量が、2〜10質量%であり、前記澱粉が加工澱粉の場合、加工澱粉の含量が、0.1〜3質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフラワーペースト。
- 前記油脂の含量が、10〜35質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラワーペースト。
- 豆腐用凝固剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラワーペースト。
- 卵黄又は加糖卵黄を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラワーペースト。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフラワーペーストを含有する食品。
- 大豆粉、澱粉、及び油脂を含有し、フラワーペースト100g中の糖質含量が8〜20gであるフラワーペーストの製造方法で、大豆粉、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程を有することを特徴とするフラワーペーストの製造方法。
- 大豆粉、澱粉、油脂、豆腐用凝固剤、及び水を含有し、フラワーペースト100g中の糖質含量が8〜20gであるフラワーペーストの製造方法で、以下の(1)及び(2)の工程、又は以下の(3)及び(4)の工程を有することを特徴とするフラワーペーストの製造方法。
(1)一部の大豆粉と水の混合物を加熱後、豆腐用凝固剤を添加して豆腐を製造する工程
(2)前記(1)の工程で得られた豆腐、残りの大豆粉、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程
(3)大豆粉と水の混合物を加熱後、豆腐用凝固剤を添加して豆腐を製造する工程
(4)前記(3)の工程で得られた豆腐、澱粉、及び水を混合した水相に、油脂を添加して乳化する工程 - 前記水相に卵黄若しくは加糖卵黄を混合することを特徴とする請求項8又は9に記載のフラワーペーストの製造方法。
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