以下、本発明の遊技機の一実施形態であるパチンコ機について、図面に基づいて、詳細に説明する。
(1)パチンコ機の構造
図1は、実施例1にかかるパチンコ機1の正面を示したものである。パチンコ機1は、周囲が機枠42で覆われており、その機枠42の正面の上部には、遊技盤51が設置されている。また、遊技盤51の中央よりやや上方には、遊技球レール54によって区画された略円形の遊技領域2が設けられており、当該遊技領域2の前方には、ガラス板を嵌め込んだ前面扉53が片開き可能に設置されている。また、遊技領域2の下方には、供給皿3と貯留皿4とが、上下に連設されており、貯留皿4の右側には、遊技球発射装置52(図3参照)を操作するための発射ハンドル6が突設されている。一方、遊技領域2の上方の左右には、効果音を発生させるためのスピーカ5,5が設置されている。
図2は、遊技盤51を示したものであり、遊技領域2の中央上部には、大型遊技部材46が設置されており、その大型遊技部材46の略中央には、図柄表示装置8が設けられている。図柄表示装置8は、液晶板によって形成された液晶表示画面(表示部)を有しており、その液晶表示画面の左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に、一桁の数字や一文字のアルファベット等(たとえば、「0」〜「9」、「A」〜「E」)の所定種類の「演出図柄」を表示することができるようになっている。なお、以下においては、図柄表示装置8の液晶表示画面における左右方向、上下方向を、それぞれ、x軸方向、y軸方向として説明する。
さらに、図柄表示装置8は、所定の大きさを有する第一表示領域55a、第二表示領域55b、第三表示領域55c、第四表示領域55dを、液晶表示画面の左上、右上に、それぞれ、2個ずつ縦並びに形成することができ、それらの第一表示領域55a〜第四表示領域55dに、後述する「大当たり抽選」の結果に対応した「証拠図柄」を表示することができるようになっている。この「証拠図柄」は、上記した左表示部位10、右表示部位11、中表示部位12の各表示部位に表示される「演出図柄」に準ずる図柄であり、所謂、「第四図柄」と呼ばれるものである。なお、第一表示領域55a〜第四表示領域55dにおける「証拠図柄」の表示は、上記した「演出図柄」を表示するためのレイヤー画像と、「証拠図柄」を表示するためのレイヤー画像とを重畳して表示する方法によって行われる。
また、図柄表示装置8の中央下側には、遊技球を入賞可能な図柄始動口57が設けられている。加えて、図柄始動口57の下側には、普通電動役物13が設けられており、上部の扉部材9,9が開閉するようになっている。また、普通電動役物13の下側には、入賞装置である大入賞装置(大入賞口)16が設置されており、内蔵された作動装置30(図4参照)によって、入口を塞いでいる平板状の扉体56が前後動するようになっている。一方、当該扉体56の上方には、遊技球の通過可能なゲート7が設けられている。
さらに、遊技領域2の右下方には、表示部材15が付設されており、当該表示部材15には、2つのLEDによって形成された普通図柄保留ランプ58、1つのLEDによって形成された普通図柄表示器17、7セグメントのLED板によって形成された特別図柄表示器14、4つのLEDによって形成された特別図柄保留ランプ59、4つのLEDによって形成されたラウンドランプ60等が設けられている。普通図柄表示器17は、LEDを発光させることによって「当たり図柄」を表示することができるようになっており、特別図柄表示器14は、所定の種類の「特別図柄」を変動表示することができるようになっている。
また、遊技領域2には、上記部材の他に、サイドランプ19、電飾ランプ20、種々の入賞口、風車、および多数の障害釘等が設けられている。加えて、普通電動役物13等の各入賞装置の内部には、遊技球の入賞を検出する入賞検出装置29(図4参照)が設けられている。
一方、大型遊技部材46の中央上方には「3」、「2」、「1」や「SEXY」等の文字を表示した発光表示板61が設置されており、当該発光表示板61の後方(図柄表示装置8の液晶画面との間)には、横長な平板状の発光可動体(可動部、可動手段)18が設けられている(図13参照)。そして、図示しない駆動装置(可動手段)によって、当該発光可動体18を、上下にスライドさせたり、右上がりの傾斜状や左上がりの傾斜状となるように揺動させたりすることができるようになっている。
一方、図3は、パチンコ機1の背面を示したものであり、パチンコ機1の中央よりやや下側には、パチンコ機1の作動内容を制御するメイン制御基板(メイン制御装置)21が設置されている。また、メイン制御基板21の下方には、図柄表示装置8の表示内容を制御するための図柄制御基板22が設置されている。さらに、図柄制御基板22の左側(パチンコ機1を背面から見た場合の左側)には、遊技領域2に設置されたサイドランプ19,19や電飾ランプ20,20・・等の発光部材の発光を制御するための発光制御基板23、発生させる効果音の内容を制御するための効果音制御基板24が設けられている。また、図柄制御基板22の下方には、図柄制御基板22と発光制御基板23と効果音制御基板24とを統合して制御するためのサブ統合基板(サブ制御装置)43が設置されている。加えて、メイン制御基板21の右側には、賞品球や貸球を払い出すための遊技球払出装置25が設置されている。
(2)パチンコ機の制御機構
図4は、パチンコ機1の制御機構を示したものである。メイン制御基板21は、メインCPU26、ROM27やRAM31等の記憶手段、タイマ41等を有しており、メインCPU26が、インターフェイス28を介して、普通電動役物13等の各入賞口や入賞装置に内蔵された入賞検出装置29,29・・、大入賞装置16を開閉させるための作動装置30、遊技球払出装置25等と接続されている。また、メイン制御基板21は、サブ統合基板43を介して、図柄制御基板22、作動制御基板である発光制御基板23および効果音制御基板24と接続されている。
また、メイン制御基板21のRAM31には、各種のカウンタを記憶するカウンタ記憶エリア、ゲート7を遊技球が通過した際に取得した乱数を記憶する当たり関連情報記憶エリア、「普通図柄」の変動保留数を記憶する普図変動保留記憶エリア、後述する「大当たり抽選」時に取得した乱数を記憶する大当たり関連情報記憶エリア、「特別図柄」の変動保留数を記憶する特図変動保留記憶エリア等の各種の記憶エリアが設けられている。
さらに、RAM31のカウンタ記憶エリアには、図5の如く、普通図柄の「当たり」を決定する「当たり決定カウンタ」であるaカウンタ、「大当たり」の生起を決定するための「大当たり決定カウンタ」であるbカウンタ、「大当たり決定カウンタ」の初期値を決定する「初期値決定カウンタ」であるcカウンタ、生起した「大当たり」の種別を決定する「大当たり種別決定カウンタ」であるfカウンタ、「特別図柄」を変動させる際の変動態様(変動時間)を決定するための「変動態様決定カウンタ」であるgカウンタ等の乱数取得カウンタ(ループカウンタ)が記憶されている。それらの乱数取得カウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっており、所定のタイミングで乱数を取得することができるようになっている。
一方、メイン制御基板21のROM27には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値等を記憶する初期設定記憶エリア、パチンコ機1を制御するための各種プログラムを記憶する制御プログラム記憶エリア、メイン制御基板21からサブ統合基板43等に出力される制御指令信号のテーブルを記憶する指令信号テーブル記憶エリア、特別図柄表示器14に表示する「特別図柄」を記憶する特別図柄記憶エリア、「特別図柄」の変動態様に関するテーブル等の情報を記憶する変動態様記憶エリア、「当たり抽選」、「大当たり抽選」等の抽選の際に参照される各種テーブルを記憶する判定テーブル記憶エリア等が設けられている。
さらに、判定テーブル記憶エリアには、「大当たり」となった際に生起させる「大当たり状態」の種類を決定する際に利用される大当たり種別決定テーブルが記憶されている。図6は、大当たり種別決定用テーブルを示したものであり、当該大当たり種別決定用テーブルにおいては、大当たり種別決定カウンタであるfカウンタの数値が、大当たりの種類、および、特別図柄表示器14に表示する「大当たり特別図柄」と対応付けられている。なお、上記した大当たり種別決定テーブルにおける「確変」は、「大当たり」によって生起した「大当たり状態」の終了後に次回の「大当たり」の生起確率を増大させる「確変遊技状態」を生起させる特典を伴った「大当たり」(以下、「確変大当たり」という)であり、「非確変」は、生起した「大当たり状態」の終了後に「確変遊技状態」を生起させる特典を伴わない「大当たり」(以下、「非確変大当たり」という)である。
一方、ROM27の変動態様記憶エリアには、「大当たり抽選」において「大当たり」が生起したときに用いる大当たり時用変動態様テーブル、「大当たり抽選」において「はずれ」となったときに用いるはずれ時用変動態様テーブル等が記憶されている。図7は、大当たり時用変動態様テーブルおよびはずれ時用変動態様テーブルを示したものであり、各テーブルにおいては、変動態様決定カウンタであるgカウンタの数値が、各種の変動態様(変動継続時間)と対応付けられている。
また、図4の如く、サブ統合基板43は、CPU45、ROM48やRAM49等の記憶手段等を有しており、統合CPU45が、インターフェイス47を介して、メイン制御基板21のメインCPU26、図柄制御基板22の図柄表示CPU32、発光制御基板23の発光CPU35、効果音制御基板24の効果音CPU38と接続されている。
さらに、サブ統合基板43のRAM49には、図8の如く、図柄表示装置8に最終的に表示(確定表示)する「演出図柄」を決定するj,k,lカウンタ、「確変大当たり」生起時に図柄表示装置8に最終的に表示する「演出図柄」を決定するmカウンタ等のループカウンタが記憶されている。各ループカウンタは、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっている。加えて、サブ統合基板43のROM48には、図9の如く、j,k,l,mカウンタの数値が各種の「演出図柄」と対応付けられた状態で記憶されている。
また、サブ統合基板43のROM48には、図10の如く、「大当たり」が生起した場合に図柄表示装置8の第一表示領域55a〜第四表示領域55dに最終的に表示する「証拠図柄」が、メイン制御装置21の「大当たり抽選」の結果と対応付けられた状態で記憶されている。すなわち、「確変大当たり」に対応した「証拠図柄」として「赤色の円の図形」が記憶されており、「非確変大当たり」に対応した「証拠図柄」として「黄色の円の図形」が記憶されている。
さらに、サブ統合基板43のRAM49には、「大当たり抽選」において「はずれ」となった場合に、図柄表示装置8の第一表示領域55a〜第四表示領域55dに最終的に表示(確定表示)する「証拠図柄(はずれ証拠図柄)」を決定するための「はずれ証拠図柄決定カウンタ」であるnカウンタ(ループカウンタ)が記憶されており、電源投入時から所定の規則に従って所定の数値の間(0〜4の間)をごく短時間(1割込2.000ms)のうちに1ずつ加算しながらループカウントする(最大値の次には最小値に戻る)ようになっている。加えて、サブ統合基板43のROM48には、図11の如く、nカウンタの数値が各種の「はずれ証拠図柄」(すなわち、「白色、青色、緑色、茶色、黒色の内のいずれかの色の円の図形」)と対応付けられた状態で記憶されている。
一方、図柄制御基板22は、図4の如く、図柄表示CPU32、ROMやRAM等の記憶手段33等を有している。そして、図柄表示CPU32が、インターフェイス34を介して、図柄表示装置8、サブ統合基板43のCPU45等と接続されている。また、図柄制御基板22の記憶手段33には、図12の如く、各種の「演出図柄」の変動態様(図柄変動時に用いる動画の種類)が、メイン制御装置21のROM27に記憶されている大当たり時用変動態様テーブルおよびはずれ時用変動態様テーブルにおける「変動継続時間」と対応付けられた状態で記憶されている。
一方、発光制御基板23は、図4の如く、発光CPU35、ROMやRAM等の記憶手段36等を有している。そして、発光CPU35が、インターフェイス37を介して、サイドランプ19、電飾ランプ20等の発光部材、サブ統合基板43のCPU45等と接続されている。加えて、効果音制御基板24は、効果音CPU38、ROMやRAM等の記憶手段39等を有している。そして、効果音CPU38が、インターフェイス40を介して、スピーカ5、サブ統合基板43のインターフェイス47等と接続されている。
(3)パチンコ機の作動内容
以下、パチンコ機1の作動内容について説明する。遊技者等によって発射ハンドル6が回動操作された場合には、供給皿3内の遊技球が、発射装置52によって遊技領域2に打ち込まれる。そして、打ち込まれた遊技球が各種入賞口に入賞した場合(たとえば、遊技球が図柄始動口57の上部から内部へ入り込んだ場合)には、賞品球として、所定数の遊技球が、遊技球払出装置25によって払い出される。
また、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、ゲート7を通過した場合には、その瞬間に、「当たり決定カウンタ」であるaカウンタがループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。さらに、取得された数値が何であるか判断され、その数値が所定の10通りの数値であると判断された場合には「当たり」となり、その他の場合(90通り)には「はずれ」となる。一方、遊技球がゲート7を通過するのと同時に、普通図柄表示器17に表示された「普通図柄」が変動を開始する。
「当たり抽選」の結果、「当たり」と判断された場合には、「普通図柄」の変動開始から所定の時間後に、普通図柄表示器17に「当たり図柄」が表示される(LEDが発光する)とともに、普通電動役物13が所定時間(たとえば、約0.5秒間)開成する(扉部材9,9の上端が離反する)。なお、「普通図柄」の変動中に遊技球がゲート7を通過したときは、次回以降に「普通図柄」を変動させる「普図変動記憶」として所定の個数(たとえば、4個)まで記憶し、その個数に関する情報を図型表示装置8の液晶画面上に表示する。
そして、遊技領域2に打ち込まれた遊技球が、図柄始動口57あるいは開成した普通電動役物13に入賞した場合には、その入賞が図柄始動口57あるいは普通電動役物13に内蔵された入賞検出装置29によって検出され、メイン制御基板21に「始動入賞検出信号」が送信される。なお、「特別図柄」の変動中に図柄始動口57や普通電動役物13へ遊技球が入賞したときは、次回以降に「特別図柄」を変動させる「特図変動記憶」として所定の個数(たとえば、4個)までRAM31の大当たり関連情報記憶エリアに記憶し、その個数を図柄表示装置8において画像で表示するとともに、特別図柄保留ランプ59を発光させることによって遊技者へ報知する。
上記の如く、メイン制御基板21に「始動入賞検出信号」が送信されると、b,f,gカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。しかる後に、それらの取得した数値を、RAM31の大当たり関連情報記憶エリアの判定エリアに記憶させる。なお、かかるb,f,gカウンタによる数値の取得を「大当たり抽選」という。そして、「大当たり抽選」において、bカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得した場合には、「大当たり」が生起し、「大当たり乱数」以外の数値を取得した場合には、「はずれ」となる。なお、後述する「確変遊技状態」以外の「非確変遊技状態」においては、1回の「大当たり抽選」における「大当たり」の生起確率が10/990となるように、予め10通りの大当たり乱数が設定されている。
さらに、「大当たり抽選」においてbカウンタが所定の「大当たり乱数」を取得した場合には、RAM31内の大当たり種別決定用テーブル(図6)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるfカウンタ(大当たり種別決定カウンタ)の取得乱数に対応した「大当たり状態」を生起させる。すなわち、fカウンタが“40〜99”を取得した場合には「確変大当たり」を生起させ、fカウンタが“0〜39”を取得した場合には「非確変大当たり」を生起させる。
加えて、RAM31内の大当たり時用変動態様テーブル(図7)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるgカウンタの取得乱数に対応した「変動態様(変動継続時間)」を選択し、特別図柄表示器14において当該時間だけ「特別図柄」を変動させる。しかる後、RAM31内の大当たり種別決定用テーブル(図6)を参照して、当該「大当たり抽選」におけるfカウンタの取得乱数に対応した「大当たり特別図柄」を選択し、当該「大当たり特別図柄」を特別図柄表示器14に表示する(確定表示する)。すなわち、「確変大当たり」を生起させる場合には「β」を表示し、「非確変大当たり」を生起させる場合には「α」を表示する。なお、「確変大当たり特別図柄」である「α」や「非確変大当たり特別図柄」である「β」は、7セグメント方式の小さな特別図柄表示器14を利用して、通常の文字とは異なる記号として短時間だけ表示されるため、遊技に精通していない遊技者は、「α」や「β」のみの表示では、生起した「大当たり」が「確変大当たり」であるのか「非確変大当たり」であるのかを認識することができないようになっている。
また、「大当たり抽選」の結果、「大当たり」が生起した場合には、その「大当たり」の種別に関する情報、および「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」を含めた「抽選結果報知信号」が、メイン制御基板21からサブ統合基板43へ送信される。一方、「大当たり抽選」の結果、「はずれ」となった場合には、その「はずれ」となった旨、および「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」を含めた「抽選結果報知信号」が、メイン制御基板21からサブ統合基板43へ送信される。
サブ統合基板43は、「抽選結果報知信号」を受信すると、その内容をRAM49に一時的に記憶させ、当該「抽選結果報知信号」の内容から、「大当たり」生起の有無および「大当たり」の種別(「確変大当たり」あるいは「非確変大当たり」)を認識する。また、演出図柄決定カウンタであるj,k,lカウンタが、それぞれ、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。そして、それらの取得乱数に対応した「演出図柄」(図9(a))が、記憶手段のROM48から呼び出される。しかる後に、その呼び出された「演出図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含めた「図柄表示指令信号」が、サブ統合基板43から図柄制御基板22へ送信される。
なお、サブ統合基板43においては、「抽選結果報知信号」の内容によって、「非確変大当たり」が生起したと認識した場合には、j,k,lカウンタが乱数を取得した際に、jカウンタの取得乱数が“3”,“5”,“7”のいずれかの数値である場合には、当該jカウンタの取得乱数に“1”が加算され、その加算された数値がjカウンタの取得乱数として認識される。そして、その取得乱数に対応した「演出図柄」(図9(a))が、記憶手段のROM48から呼び出され、その呼び出された「演出図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含めた「図柄表示指令信号」が作成される。
また、サブ統合基板43においては、「抽選結果報知信号」の内容によって、「確変大当たり」が生起したと認識した場合には、mカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。そして、その取得乱数に対応した「演出図柄」(図9(b))が、記憶手段のROM48から呼び出され、その呼び出された「演出図柄」の内容と「抽選結果報知信号」の内容とを含む「図柄表示指令信号」が、サブ統合基板43から図柄制御基板22へ送信される。
さらに、サブ統合基板43は、受信した「抽選結果報知信号」から、「確変大当たり」が生起したと認識した場合には、記憶手段のROM48を参照して、「確変大当たり」と対応した「証拠図柄」である「赤色の円」を表示すべき旨の「証拠図柄表示指令信号」を作成し、当該「証拠図柄表示指令信号」を図柄制御基板22へ送信する。また、「非確変大当たり」が生起したと認識した場合には、ROM48を参照して、「非確変大当たり」と対応した「証拠図柄」である「黄色の円」を表示すべき旨の「証拠図柄表示指令信号」を作成し、当該「証拠図柄表示指令信号」を図柄制御基板22へ送信する。なお、「確変大当たり」および「非確変大当たり」と対応した「証拠図柄」を「大当たり証拠図柄」という。
一方、サブ統合基板43は、受信した「抽選結果報知信号」から、「大当たり抽選」の結果が「はずれ」であると認識した場合には、「はずれ証拠図柄決定カウンタ」であるnカウンタが、ループカウントしている数値の中から1つの数値を取得する(乱数を取得する)。そして、記憶手段のROM48を参照して、当該nカウンタの数値と対応した「はずれ証拠図柄」(すなわち、「白色、青色、緑色、茶色、黒色の内のいずれかの色の円」)を表示すべき旨の「証拠図柄表示指令信号」を作成し、当該「証拠図柄表示指令信号」を図柄制御基板22へ送信する。
さらに、図柄制御基板22においては、「図柄表示指令信号」を受信すると、「図柄表示指令信号」に含まれた「変動継続時間」(すなわち、「大当たり抽選」においてgカウンタが取得した乱数に対応した「変動継続時間」)に対応した「変動態様」(図12)が、記憶手段33から呼び出される。そして、図柄制御基板22は、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に表示されている「演出図柄」を、呼び出された「変動態様」によって、所定の時間(たとえば、50秒)だけ変動させる。かかる「演出図柄」の変動は、各表示部位10〜12において、「一桁の数字や一文字のアルファベット等が上下あるいは左右にスクロールして別の数字やアルファベット等に切り替わる動画」を表示することによって行われる。
また、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「非確変大当たり」が生起したと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたjカウンタの取得乱数に対応した「演出図柄」を表示する(確定表示する)。したがって、各表示部位10〜12には、同一な図柄の組み合わせである「非確変大当たり演出図柄」(たとえば、「2,2,2」)が表示される。
さらに、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「確変大当たり」が生起したと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたmカウンタの取得乱数に対応した「演出図柄」を表示する(確定表示する)。したがって、各表示部位10〜12には、同一な図柄の組み合わせである「確変大当たり演出図柄」(たとえば、「3,3,3」)が表示される(なお、「非確変大当たり演出図柄」と「確変大当たり演出図柄」とを含めて「大当たり演出図柄」という)。
一方、図柄制御基板22は、受信した「図柄表示指令信号」から「はずれ」となったと判断した場合には、上記した所定時間に亘る変動表示の後に、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に、「図柄表示指令信号」に含まれたj,k,lカウンタの各取得乱数に対応した「演出図柄」を表示することによって、「大当たり演出図柄」と異なる「はずれ図柄」(たとえば、「1,2,3」)を表示する。なお、j,k,lカウンタが偶発的に同一の数値を取得した場合でも、「大当たり演出図柄」が表示されないように制御される。また、上記した「演出図柄」を図柄表示装置8に表示する際には、「演出図柄」を表示するためのレイヤー画像が生成される。
また、図柄制御基板22は、「証拠図柄表示指令信号」を受信した場合には、図柄表示装置8の第一表示領域55aに「証拠図柄表示指令信号」に含まれた「証拠図柄」(「大当たり証拠図柄」あるいは「はずれ証拠図柄」)を表示するための「証拠図柄表示用第一データ」を生成する。しかる後、その「証拠図柄表示用第一データ」を複写(コピー)することによって、第二表示領域55bに「証拠図柄」を表示するための「証拠図柄表示用第二データ」、第三表示領域55cに「証拠図柄」を表示するための「証拠図柄表示用第三データ」、第四表示領域55dに「証拠図柄」を表示するための「証拠図柄表示用第四データ」を生成する。
加えて、上記した「証拠図柄表示用第一データ」の生成時には、第一表示領域55aが図柄表示装置8の液晶表示画面上で座標(x1,y1)を中心として約5mmの直径の円となるようにデータを生成し、「証拠図柄表示用第二データ」を生成する場合には、第二表示領域55bが図柄表示装置8の液晶表示画面上で座標(x1,y2)を中心として約5mmの直径の円となるようにデータを生成し、「証拠図柄表示用第三データ」を生成する場合には、第三表示領域55cが図柄表示装置8の液晶表示画面上で座標(x2,y1)を中心として約5mmの直径の円となるようにデータを生成し、「証拠図柄表示用第四データ」を生成する場合には、第四表示領域55dが図柄表示装置8の液晶表示画面上で座標(x2,y2)を中心として約5mmの直径の円となるようにデータを生成する。また、そのように「証拠図柄表示用第一データ」〜「証拠図柄表示用第四データ」の生成時には、y1〜y2までの距離が、最も傾斜した状態の発光可動体18のx1の位置における上下の長さよりも十分に長くなるように(すなわち、|y2−y1|+10mmより長くなるように)設定される。
しかる後、それらの「証拠図柄表示用第一データ」〜「証拠図柄表示用第四データ」を組み合わせて、図柄表示装置8の第一表示領域55a〜第四表示領域55dに、同一の「証拠図柄」を表示するためのレイヤー画像(証拠図柄表示用のレイヤー画像)を生成する。そして、上記した所定時間に亘る「演出図柄」の変動表示の後に、図柄表示装置8に、生成された証拠図柄表示用のレイヤー画像を表示する。したがって、「大当たり抽選」において「確変大当たり」が生起した場合には、所定時間に亘る「演出図柄」の変動表示の後に、図柄表示装置8の第一表示領域55a〜第四表示領域55dに、「赤色の円」が表示され、「非確変大当たり」が生起した場合には、所定時間に亘る「演出図柄」の変動表示の後に、第一表示領域55a〜第四領域55dに、「黄色の円」が表示され、「はずれ」となった場合には、所定時間に亘る「演出図柄」の変動表示の後に、第一表示領域55a〜第四表示領域55dに、「白色、青色、緑色、茶色、黒色の内のいずれかの色の円」が表示される。また、それらの「証拠図柄」は、上記した「演出図柄」を表示するためのレイヤー画像と重畳して表示される。したがって、遊技者は、「証拠図柄」と「演出図柄」とを、図柄表示装置8の液晶画面上で一緒に視認することができる。
なお、「演出図柄」の所定時間に亘る変動表示の間には、短時間の内に断続的に色が変化する「円」を第一表示領域55a〜第四表示領域55dに表示するためのレイヤー画像が生成され、そのレイヤー画像が繰り返し図柄表示装置8の液晶画面に表示される。そして、「演出図柄」の所定時間に亘る変動表示が終了するのと同時に、第一表示領域55a〜第四表示領域55dの表示が、「証拠図柄」に切り替えられる。
そして、図柄表示装置8の各表示部位10〜12に「大当たり特別図柄」、「大当たり演出図柄」、および「大当たり証拠図柄」が確定表示された場合には、「大当たり状態」が生起し、大入賞装置16が、所定時間(たとえば、約25秒)経過するまで、あるいは所定個数(たとえば、9個)の遊技球の入賞を検出するまで開成する(大入賞装置16の扉体56が遊技盤51の盤面内に没入して遊技球が大入賞装置16内に入賞可能な状態となる)。そして、その所定時間経過するまで、あるいは所定個数の遊技球の入賞を検出するまでの大入賞装置16の開成を、所定回数(ラウンド数)だけ断続的に繰り返す。したがって、「大当たり状態」が生起した場合には、遊技者は、非常に高い確率で、短期間の間に多くの賞品球を獲得することができる。
また、「大当たり抽選」の結果、「確変大当たり」が生起した場合には、「大当たり状態」終了後に、「確変遊技状態」が生起する。「確変遊技状態」においては、「普通図柄」の「当たり判定」において、aカウンタによって取得された乱数が所定の97通りの数値(たとえば、“3”〜“99”)であると判断された場合に、「当たり」となる。このため、「当たり」の生起確率は“97/100”に増大する。また、上記の如く、ゲート7は、高い頻度で遊技球が通過するように構成されているので、普通電動役物13が頻繁に開成し、遊技球が高い頻度で普通電動役物13に入賞するようになる。さらに、「確変遊技状態」においては、「大当たり抽選」時にbカウンタが所定の60通りの乱数を取得した場合に、「大当たり」と判定される。このため、「大当たり」の生起確率は“60/990”に増大する。したがって、「確変遊技状態」の生起中、遊技者は、きわめて高い確率で短期間の内に、再度、「大当たり」を生起させることが可能となる。なお、「確変遊技状態」中に「非確変大当たり」が生起し「大当たり状態」が生起した場合には、その「確変遊技状態」が終了する。また、「確変遊技状態」は、開始時点からの「大当たり抽選」の総積算回数が10,000回(確変回数)に到達したときに終了するように制御される。
また、「大当たり抽選」の結果、「非確変大当たり」が生起した場合には、生起した「大当たり状態」の終了後に、「時短状態」を生起させる。かかる「時短状態」においては、「普通図柄」、「特別図柄」、「演出図柄」および「証拠図柄」の変動時間の平均値が短くなる。また、「確変遊技状態」と同様に、「普通図柄」の「当たり判定」における「当たり」の生起確率が“97/100”に増大する。それゆえ、上記の如く高い頻度で遊技球がゲート7を通過することに起因して、普通電動役物13が頻繁に開成し、遊技球が高い頻度で普通電動役物13に入賞するようになる。したがって、「時短状態」の生起中においては、遊技者は、多くの賞品球を獲得することができ、ほとんど遊技球を消費しないで、次回の「大当たり」を狙うことができる。なお、「時短状態」は、開始時点からの「大当たり抽選」の総積算回数が所定の数値(たとえば、100回、以下、「時短回数」という)に到達したときに終了するように制御される。
(4)発光可動体の作動内容
上記の如く、メイン制御基板21において「大当たり抽選」が実行される毎に、メイン制御基板21からサブ統合基板43へ「抽選結果報知信号」が送信されるが、サブ統合基板43は、受信した「抽選結果報知信号」から、メイン制御基板21において、所定の変動態様(リーチ変動態様)が選択されたと判断した場合には、当該「大当たり抽選」に対応した図柄の変動中に、所定のタイミングで、発光可動体18を図13(a)の如く上下動させるように、発光可動体18の駆動装置(図示せず)を制御する。また、リーチ変動態様の中の特定のリーチ変動態様が選択された場合には、発光可動体18を図13(b)の如く右上がりの傾斜状や左上がりの傾斜状となるように揺動させるように、駆動装置(図示せず)を制御する。
上記の如く、パチンコ機1においては、リーチ変動態様によって「演出図柄」が変動する毎に、発光可動体18が上下動したり、揺動したりするが、図柄表示基板22においては、第一表示領域55aと第二表示領域55bとの距離、および第三表示領域55cと第四表示領域55dとの距離が発光可動体18の上下幅(第一表示領域55aおよび第二表示領域55b(あるいは第三表示領域55cおよび第四表示領域55d)と同じ左右位置における上下幅、傾斜している場合は、その状態における上下幅)を十分に上回るように「証拠図柄」の表示用のレイヤー画像が生成されるため、発光可動体18の作動中であっても、遊技者は、少なくとも一つの表示領域(第一表示領域55a〜第四表示領域55dの内のいずれか)を視認することができる(図13参照)。
(5)パチンコ機の効果
パチンコ機1は、上記の如く、発光部材を搭載した横長な平板状の発光可動体18が、図柄表示装置8の表示画面の前方で可動するように設けられている一方、「演出図柄」の変動中に、図柄表示装置8の表示画面上に、所謂「第四図柄」を表示するための図柄表示領域である第一表示領域55a〜第四表示領域55dが、それらの内の少なくとも一つが、その発光可動体18の作動中に、発光可動体18の後方以外の位置となるように形成される。したがって、発光可動体18が作動しても、「証拠図柄」が見えなくなったりせず、遊技者は「証拠図柄」を継続して視認し続けることができる。また、発光可動体18上に「証拠図柄」の表示領域を設ける必要がないので、安価に構成することができる。
また、パチンコ機1は、上記の如く、各図柄表示領域(第一表示領域55a〜第四表示領域55d)の表示内容を制御するためのデータとして単一の制御装置(サブ統合基板43)内で生成されたデータを複写して全ての図柄表示領域で同様な表示を行うため、制御装置における「証拠図柄」の表示に伴う負担が小さいので、より安価に構成することができる上、制御上のエラーが生じにくい。
(6)パチンコ機の変更例
なお、本発明の遊技機の構成は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、図柄始動口、メイン制御基板、サブ統合基板、図柄制御基板、図柄表示装置、大入賞装置、発光可動体等の形状・構造等の構成を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
たとえば、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「証拠図柄」表示用の表示領域を図柄表示装置の液晶画面上に形成するものに限定されず、図柄表示装置以外の場所に、「証拠図柄」表示用の表示領域を設けたものでも良い。また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、4個の「証拠図柄」表示用の表示領域を形成するものに限定されず、2個または3個、あるいは5個以上の「証拠図柄」表示用の表示領域を形成するものでも良い。加えて、「証拠図柄」は、色を付した円の図形(図柄)に限定されず、別の形状を有する図柄や文字等に変更することも可能である。加えて、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、「特別図柄」を「証拠図柄」と別個に表示するものに限定されず、「証拠図柄」が「特別図柄」の役割を兼ねるように構成されたものでも良い。加えて、本発明の遊技機を、2種類の「特別図柄」を持つ(図柄表示装置あるいはその他の表示装置に表示する)ものとする場合には、「第一特別図柄」(所謂、特図1)を表わす「証拠図柄」と「第二特別図柄}(所謂、特図2)を表わす「証拠図柄」とを、2つ並べて表示させることも可能であるし、2つを離して別々の場所に表示させることも可能である。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態の如く、非特定のリーチ変動態様が選択された場合に、可動部である発光可動体が上下動し、特定のリーチ変動態様が選択された場合に、発光可動体が右上りの傾斜状や左上がりの傾斜状となるように揺動するものに限定されず、メカニカルに作動する可動手段の構造、形状や、その作動の仕方、作動のタイミング等を、必要に応じて適宜変更することが可能である。
なお、本発明の遊技機は、上記実施形態の如きパチンコ機ばかりでなく、スロットマシーン等の他の遊技機として応用することも可能である。