JP6229556B2 - 車載回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発電機能を有する第1の回転機と、駆動輪を駆動する車載主機としての第2の回転機と、を備える車両に適用される車載回転機の制御装置に関する。
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、車載主機としての内燃機関(エンジン、発電機能を有する第1の回転機(第1のモータジェネレータ)、車載主機としての第2の回転機(第2のモータジェネレータ)、及びこれらモータジェネレータと電力の授受を行うバッテリを備えるハイブリッド車両に搭載されるものが知られている。
詳しくは、この制御装置は、例えば燃料カット制御による内燃機関の出力トルクの低下に起因して、第1の回転機の回転速度が急低下すると判断された場合、第1の回転機の発電電力及び第2の回転機の消費電力の合計値(以下、合計電力)が所定範囲内に制限されるように、これら回転機のトルクを修正する。具体的には、発電電力が増加する方向に第1の回転機のトルクを修正するとともに、消費電力が減少する方向に第2の回転機のトルクを修正する
特許第4264843号公報
ここで、第1の回転機が連結された第1の回転体、内燃機関の出力軸が連結された第2の回転体、及び駆動輪が連結された第3の回転体を有する遊星歯車機構を備える車両において、駆動輪が路面から浮くことで駆動輪の回転速度が急増するスリップが生じた後、駆動輪が路面に着地して駆動輪の回転速度が急減するグリップが生じると、第1の回転機及び第2の回転機と電力の授受を行う平滑コンデンサと第1,第2の回転機とを接続する電気経路の電圧が上昇し得る。
詳しくは、駆動輪のスリップが生じると、第3の回転体が上昇する。この際、内燃機関の回転慣性モーメントが比較的大きいことから、第1の回転体の回転速度が減少する。その後、駆動輪のグリップが生じると、第2の回転体はその回転速度を略一定に維持しつつ、第3の回転体の回転速度は減少し、また、第1の回転体の回転速度は上昇する。これにより、第1の回転機の発電電力が第2の回転機の消費電力を上回ることとなる。第1の回転機の発電電力が第2の回転機の消費電力を上回ると、第1,第2の回転機と平滑コンデンサとを接続する電気経路の電圧が上昇し、第1,第2の回転機の制御システムの信頼性が低下し得る。なお、こうした問題を回避すべく、静電容量が大きい平滑コンデンサを制御システムに備えることも考えられる。ただし、この場合、平滑コンデンサの体格が増大することとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、平滑コンデンサの静電容量を大きくする必要がなくなる車載回転機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決すべく、発明は、発電機能を有する第1の回転機(10)と、駆動輪(52)を駆動する車載主機としての第2の回転機(20)及び内燃機関(40)と、前記第1の回転機及び前記第2の回転機と電力の授受を行う平滑コンデンサ(64)と、前記第1の回転機が連結された第1の回転体(S)、前記内燃機関の出力軸(42)が連結された第2の回転体(C)、及び前記駆動輪が連結された第3の回転体(R)を有する遊星歯車機構(30)と、を備える車両に適用される。こうした構成を前提として、発明は、前記第2の回転機が前記第1の回転機の発電電力によって駆動され得、前記第1の回転機のトルクを第1の指令トルクに制御する第1の制御手段と、前記第2の回転機のトルクを第2の指令トルクに制御する第2の制御手段と、を備え、前記車両は、前記制御装置とは別の電子機器であってかつ、前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクを前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段に対して出力する機能を有する車両側制御部(76)を備え、前記車両側制御部から前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段に対する前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクの更新周期は、前記制御装置における制御周期よりも長く設定され、前記第2の回転機の回転角速度を前記第1の回転機の回転角速度で除算した値の平方根を第1の速度比(r1)と定義し、前記第1の回転機の回転角速度を前記第2の回転機の回転角速度で除算した値の平方根を第2の速度比(r2)と定義し、前記第1の回転機の回転角(θ1)及び前記第1の速度比の乗算値から、前記第2の回転機の回転角(θ2)及び前記第2の速度比の乗算値を減算した値である偏差(Δ)を算出し、算出した前記偏差に比例ゲイン(k)と前記第1の速度比とを乗算することで第1のトルク補正量(ΔT1)を算出し、算出した前記偏差に前記比例ゲインと前記第2の速度比とを乗算することで第2のトルク補正量(ΔT2)を算出する補正量算出手段を有し、前記第1の指令トルクに前記第1のトルク補正量を加算することで前記第1の指令トルクを補正するとともに、前記第2の指令トルクに前記第2のトルク補正量を加算することで前記第2の指令トルクを補正する相互補正手段と、前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクが更新されるたびに、前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクの更新タイミングで取得された前記第1の回転機及び前記第2の回転機のそれぞれの回転角速度で前記第1の速度比及び前記第2の速度比を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする。
上記発明によれば、平滑コンデンサの静電容量を大きくする必要がない。
第1の実施形態にかかるモータ制御システムの構成図。 従来技術にかかるHV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 従来技術にかかるEV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 従来技術にかかるHV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 第1の実施形態にかかるバイラテラル制御を用いたトルク相互補正処理手法を示す図。 同実施形態にかかるトルク相互補正処理のブロック図。 同実施形態にかかるトルク相互補正処理の一例を示すタイムチャート。 同実施形態にかかるHV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 同実施形態にかかるEV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 比較技術にかかるHV走行時のモータ制御システムの動作を示す共線図。 第1の実施形態にかかるバッテリ使用時のトルク相互補正処理手法を示す図。 同実施形態にかかるバッテリ使用時のトルク相互補正処理手法を示す図。 第2の実施形態にかかるトルク相互補正処理のブロック図。 エンジン始動時及び停止時における共線図。 キックダウン時における共線図。 第3の実施形態にかかるトルク相互補正処理のブロック図。 第4の実施形態にかかるモータ制御システムの構成図。 第5の実施形態にかかるエンジン等速制御処理のブロック図。 同実施形態にかかる低速度領域を示す図。 トルクコンバータ特性を示す図。 モデル化したトルクコンバータ特性を示す図。 エンジン等速線及び1速ラインを示す図。 第6の実施形態にかかる低速度領域を示す図。 その他の実施形態にかかるエンジン等速ライン及び1速ラインを示す図。 その他の実施形態にかかるエンジン等速ライン及び1速ラインを示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる制御装置を、内燃機関及び回転機を備えるシリーズパラレルハイブリッド車両に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、車両には、発電機兼電動機である「第1の回転機」としての第1のモータジェネレータ10、「第2の回転機」としての第2のモータジェネレータ20、遊星歯車機構30、エンジン40及び各種制御装置が備えられている。第1のモータジェネレータ10は、第1のステータ12及び第1のロータ14を備え、第2のモータジェネレータ20は、第2のステータ22及び第2のロータ24を備えている。第2のモータジェネレータ20は、エンジン40とともに車載主機を構成し、また、回生制御による発電機能を有する。すなわち、第2のモータジェネレータ20の備える第2のロータ24は、駆動軸50に連結され、駆動軸50は、図示しないデファレンシャルギアを介して駆動輪52に連結されている。
なお、本実施形態では、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20として、3相交流同期回転機を用いており、より具体的には、永久磁石同期回転機を用いている。
遊星歯車機構30は、エンジン40、第1のモータジェネレータ10及び駆動輪52の間で互いに動力伝達を可能とするための部材である。詳しくは、遊星歯車機構30は、「第1の回転体」としてのサンギアS、「第2の回転体」としてのキャリアC、「第3の回転体」としてのリングギアR、並びにサンギアS及びリングギアR間の動力伝達を可能とする複数のピニオンギアPを備えている。ここで、キャリアCには、エンジン40のクランク軸42が連結されており、リングギアRには、駆動軸50が連結されている。また、サンギアSには、第1のロータ14が連結されている。特に、本実施形態では、クランク軸42及びキャリアCは同一の回転速度で回転し、第1のロータ14及びサンギアSは同一の回転速度で回転し、更には駆動軸50、第2のロータ24及びリングギアRは同一の回転速度で回転する。また、サンギアS、キャリアC及びリングギアRの回転速度の順に、これら回転速度は共線図上において一直線上に並ぶこととなる。
なお、エンジン40のクランク軸42には、フライホイール及びトーショナルダンパ(フライホイールダンパ44)が設けられている。
第1のモータジェネレータ10は、エンジン40を動力供給源とする発電機、及びエンジン40の始動時においてクランク軸42に対して初期回転を付与する(クランキングを行う)ための電動機の機能を有する。詳しくは、第1のモータジェネレータ10が発電機として機能する場合、クランク軸42からキャリアCへと入力される動力が、サンギアS及びリングギアRのそれぞれに入力されるべく分割され、サンギアSに入力された動力が第1のモータジェネレータ10の駆動源となる。一方、第1のモータジェネレータ10が電動機として機能する場合には、第1のモータジェネレータ10からサンギアSへと入力される動力が、キャリアCを介してクランク軸42へと入力されることでクランキングが行われる。
第1のモータジェネレータ10は、第1のインバータ60、平滑コンデンサ64及び昇圧コンバータ66を介してバッテリ68と電力の授受を行う。また、第2のモータジェネレータ20は、第2のインバータ62、平滑コンデンサ64及び昇圧コンバータ66を介してバッテリ68と電力の授受を行う。バッテリ68は、その端子間電圧が例えば数百Vとなるものであり、具体的には例えば、リチウムイオン2次電池又はニッケル水素2次電池である。ここで、本実施形態において、昇圧コンバータ66は、図示しないリアクトル、スイッチング素子(例えばIGBT)及びコンデンサを備える周知の昇圧チョッパ回路である。また、本実施形態において、第1のインバータ60及び第2のインバータ62は、上アーム側スイッチング素子及び下アーム側スイッチング素子(例えばIGBT)の直列接続体を3組備える3相インバータである。
モータ制御装置(以下、MGECU70)は、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20の駆動制御に必要な第1のインバータ60、第2のインバータ62及び昇圧コンバータ66を含む各種機器を操作する電子制御装置である。MGECU70には、第1のロータ14の回転角(電気角)を検出する第1の回転角センサ72(例えばレゾルバ)や、第2のロータ24の回転角(電気角)を検出する第2の回転角センサ74(例えばレゾルバ)等の検出値が逐次入力される。MGECU70は、これら検出値に基づき第1のインバータ60、第2のインバータ62及び昇圧コンバータ66等を操作することで、第1のモータジェネレータ10のトルクを第1の指令トルクに制御し、また、第2のモータジェネレータ20のトルクを第2の指令トルクに制御する。
なお、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20のトルク制御は、例えば、変調率に基づき電流ベクトル制御、過変調制御、及び矩形波制御のうちいずれかを制御モードとして選択し、選択された制御モードに基づき実行すればよい。また、本実施形態において、MGECU70が「第1の制御手段」、「第2の制御手段」及び「回転機制御部」を構成する。
ここで、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20の間において、これらモータジェネレータ10,20のうち一方の発電電力を他方で消費することが可能となっている。すなわち、第2のモータジェネレータ20は、第1のモータジェネレータ10の発電電力によって駆動され得る。こうした構成において、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20のいずれかで発電される電力によってバッテリ68が充電されたり、これらモータジェネレータ10,20のいずれかで不足する電力をバッテリ68から放電したりする制御が可能となる。なお、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20間のうち一方の発電電力と、他方の消費電力とが同一となる場合、バッテリ68が充放電されないこととなる。
ハイブリッド制御装置(以下、HVECU76)は、車両の走行制御等を統括すべく、MGECU70を介して第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20を制御したり、エンジン40の図示しない専用の電子制御装置(以下、エンジン制御装置)を介してエンジン40を制御したりする電子制御装置である。HVECU76は、MGECU70等からの各種制御信号や、ユーザのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ78等の検出値を逐次取り込む。そして、HVECU76は、取り込まれた信号に基づき、駆動軸50への出力が要求されるトルク(車両要求トルク)を実現すべく、エンジン制御装置に対して指令したり、MGECU70に対して第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2を出力したり、更には昇圧コンバータ66に対してその出力電圧の目標値を出力したりする。なお、本実施形態において、HVECU76が「車両側制御部」を構成する。
ところで、車両が波状路を走行する場合、スリップグリップと呼ばれる過渡現象が生じることがある。ここで、スリップグリップとは、駆動輪52が路面から浮くことで駆動輪52の回転速度が急増し、その直後に駆動輪52が着地して駆動輪52の回転速度が急減する現象のことである。このスリップグリップが生じると、モータ制御システムの信頼性が低下する懸念がある。以下、こうした不都合について、図2〜図4を用いて説明する。
まず、図2を用いて、エンジン40及び第2のモータジェネレータ20の双方によって車両を走行させるHV走行時においてスリップグリップが生じる場合について説明する。ここで、図2は、遊星歯車機構30のサンギアS、キャリアC及びリングギアRの回転速度の共線図である。なお、図中、縦軸について、「+」は正回転方向を示している。
図示される例では、車両が定常走行している状態を実線にて示している。ここで、車両の定常走行中において駆動輪52のスリップが生じると、一点鎖線にて示すように、第2のモータジェネレータ20は、そのトルクを一定に維持したまま自身の回転速度(駆動輪52、リングギアRの回転速度)を上昇させる。この際、エンジン40の回転慣性モーメントが比較的大きいことから、サンギアS(第1のモータジェネレータ10)の回転速度が減少する。これにより、第2のモータジェネレータ20の消費電力が増加するとともに、第1のモータジェネレータ10の発電電力が減少するため、第2のモータジェネレータ20の消費電力が第1のモータジェネレータ10の発電電力を上回ることとなる。
第2のモータジェネレータ20の消費電力が第1のモータジェネレータ10の発電電力を上回ると、上記消費電力及び発電電力の差に応じた電力不足分が平滑コンデンサ64に蓄積された電気エネルギによって賄われようとする。ここで、上記電力不足分の全てを平滑コンデンサ64に蓄積された電気エネルギによって賄うことができないと、第1,第2のインバータ60,62と昇圧コンバータ66とを接続する電気経路の電圧(直流バス電圧)が急減することとなる。昇圧コンバータ66の昇圧比を急速に変化させることができないことから、急減した直流バス電圧を昇圧コンバータ66の出力電圧の調整によって補償することができず、バッテリ68から昇圧コンバータ66を介して第1,第2のインバータ60,62側へと過電流が流れることとなる。これにより、昇圧コンバータ66を構成するリアクトルの磁気飽和によって昇圧コンバータ66を構成する半導体スイッチング素子に過電流が流れ、上記半導体スイッチング素子の過熱によって昇圧コンバータ66の信頼性が低下する懸念がある。また、バッテリ68の信頼性が低下する懸念もある。
その後、駆動輪52のスリップが解消(グリップ)すると、図2に破線にて示すように、キャリアCはその回転速度を略一定に維持しつつ、リングギアRの回転速度は減少し、また、サンギアSの回転速度は上昇する。これにより、第1のモータジェネレータ10の発電電力が第2のモータジェネレータ20の消費電力を上回ることとなる。
駆動輪52がグリップする頃には時間経過によってバッテリ68の供給電力によって直流バス電圧が回復している。こうした状況下において第1のモータジェネレータ10の発電電力が第2のモータジェネレータ20の消費電力を上回ると、直流バス電圧が上昇することとなる。これにより、第1,第2のインバータ60,62側から昇圧コンバータ66を介してバッテリ68へと過電流が流れ、駆動輪52がスリップした場合における上述した問題のみならず、第1,第2のインバータ60,62及び昇圧コンバータ66のそれぞれを構成する半導体スイッチング素子がその耐圧を超えることとなり、上記半導体スイッチング素子の信頼性が低下する懸念がある。
なお、こうした問題を回避すべく、静電容量が大きい平滑コンデンサ64をモータ制御システムに備えることも考えられる。ただし、この場合、平滑コンデンサ64の体格が増大することとなる。
続いて、図3を用いて、第2のモータジェネレータ20のみよって車両を走行させるEV走行時にスリップグリップが生じる場合について説明する。
図示される例では、車両が定常走行している状態を実線にて示している。EV走行時においては、クランク軸42が回転していないため、サンギアSが逆回転する。ここで、本実施形態では、EV走行時において第1の指令トルクが「0」に設定される。こうした状況下において、スリップグリップによってリングギアRの回転速度が急増すると、クランク軸42には正方向のトルクが働き、第1のモータジェネレータ10には負方向のトルクが働く。第1の指令トルクTrq1が「0」に設定されていても、この変化を妨げようとするトルクが第1のモータジェネレータ10によって生成される。ここでは、第1のモータジェネレータ10の回転慣性の影響により、第2のモータジェネレータ20の回転速度の変化に対して第1のモータジェネレータ10の回転速度を即時に応答させることができず、クランク軸42が逆回転するといった不都合が生じ得る。
続いて、図4を用いて、スリップグリップによって生じる遊星歯車機構30におけるバックラッシュに関する問題について説明する。ここで、図4には、共線図上に各歯車に対応するバックラッシュ(隙間)を併記した。ここでは、サンギアS及びキャリアC間に介在するピニオンギアPが共線図上においてサンギアS及びキャリアCを結ぶ直線として描かれ、また、キャリアC及びリングギアR間に介在するピニオンギアPが共線図上においてキャリアC及びリングギアRを結ぶ直線として描かれている。また、本実施形態において、サンギアSの歯数がリングギアRの歯数よりも少ないことから、図中、サンギアS付近に描かれたバックラッシュは、リングギアR付近に描かれたバックラッシュよりも広くなっている。
さらに、図中、第1のモータジェネレータ10がサンギアSに及ぼすトルクを「Tm1」にて示し、第2のモータジェネレータ20がリングギアRに及ぼすトルクを「Tm2」にて示し、駆動輪52がリングギアRに及ぼすトルクを「Tdr」にて示す。
図4(a)に示すように、HV定常走行時においては、エンジン40の駆動によってサンギアSの回転速度が押し上げられる。その後、駆動輪52がスリップすると、第2のモータジェネレータ20の駆動によってキャリアCの回転速度が押し上げられる。この場合、バックラッシュによってサンギアS及びこれに隣接するピニオンギアPの歯が一旦非接触状態となり、その後、ピニオンギアPによってサンギアSの回転速度が押し下げされるときにおいて、図4(b)に示すように、サンギアSの歯がバックラッシュの反対側に打ち付けられることとなる。その後、図4(c)に示すように、駆動輪52がグリップすると、サンギアSの歯が再度非接触状態となり、サンギアSの歯がバックラッシュの反対側に打ち付けられる。
なお、上述した歯打ちによる衝撃が加わった場合には、第1のモータジェネレータ10の回転速度の変化によって第1のモータジェネレータ10の逆起電力が急変し、第1のインバータ60の出力電圧とのバランスが崩れ、第1のモータジェネレータ10に流れる電流がその想定最大値を超えるといった問題も生じ得る。
本発明者は、以上説明した問題の対処方法について検討した。そして、本実施形態にかかる車両の駆動系を、車載主機としてエンジンのみを備える車両(以下、コンベ車)の駆動系と同様の振る舞いをさせることで、スリップグリップの発生に起因した上記問題に対処できるとの知見を得た。
つまり、コンベ車の駆動系においては、スリップが生じる場合にエンジンから駆動輪までの駆動系全体の回転速度が、所定の比例関係を維持したまま上昇する。これに対し、本実施形態にかかる車両の駆動系では、駆動輪52と連結された第2のモータジェネレータ20のトルク制御がなされることから、スリップによって第2のモータジェネレータ20(リングギアR)の回転速度のみが著しく上昇することとなる。こうした点に着目すれば、本実施形態にかかる車両の駆動系にコンベ車の駆動系と同様の挙動をさせることで、スリップグリップの発生に起因した問題を抑制することができると考えられる。すなわち、本実施形態では、駆動輪52のスリップに起因して第2のモータジェネレータ20の消費電力が増大する場合、第1のモータジェネレータ10のパワーの減少量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの減少量が等しくなるように第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2を補正するトルク相互補正処理をMGECU70において実行する。以下、図5〜図7を用いて、トルク相互補正処理について説明する。
まず、図5を用いて、トルク相互補正処理の原理について説明する。ここで、図5には、共線図と、2つのプーリ80,82をベルト84で結んだCVTとして本実施形態にかかる車両の駆動系を模擬したモデル(ベルト伝達機構)と、を示した。ここで、本実施形態にかかる車両の駆動系をCVTとして模擬できるのは、第1のモータジェネレータ10の発電電力と第2のモータジェネレータ20の消費電力とがバランスしてかつ、バッテリ68の入出力電力が「0」であるとすると、第1,第2のモータジェネレータ10,20のそれぞれについて、トルクが回転速度に反比例することに基づくものである。
図5(a)に示すように、時刻t=0においてサンギアS、キャリアC及びリングギアRが静止しているとする。その後、時刻t=Δtにおいて、第1のプーリ80が第1の回転角速度ω1で回転してかつ、第2のプーリ82が第2の回転角速度ω2で回転する状態に移行する。ここで、単位時間Δtあたりの第1のプーリ80の回転角θ1と、単位時間Δtあたりの第2のプーリ82の回転角θ2とは、下式(eq1),(eq2)によって表される。
θ1=ω1・Δt …(eq1)
θ2=ω2・Δt …(eq2)
また、第1のプーリ80の回転に伴う単位時間Δtあたりのベルト84の移動量xp1、及び第2のプーリ82の回転に伴う単位時間Δtあたりのベルト84の移動量xp2は、下式(eq3),(eq4)によって表される。
xp1=r1・θ1=r1・ω1・Δt …(eq3)
xp2=r2・θ2=r2・ω2・Δt …(eq4)
ここで、ベルト84のバネ定数を「k」とすると、ベルト84の張力の変化分ΔFは、下式(eq5)によって表される。
ΔF=k(xp1−xp2) …(eq5)
ここで、第1のプーリ80が第1の回転角速度ω1で回転してかつ第2のプーリ82が第2の回転角速度ω2で回転する状態(定常走行時)においては、「xp1=xp2」であることから、「ΔF=0」となる。本実施形態では、こうした状態を基準状態と称すこととする。
続いて、図5(b)には、例えばスリップにより、第2のプーリ82に基準状態から角度δの進みが出た状態を示している。この状態において、第2のプーリ82の回転に伴う単位時間Δtあたりのベルト84の移動量xc2は、下式(eq6)によって表される。
xc2=r2(θ2+δ)=r2(ω2・Δt+δ) …(eq6)
ベルト84の伸びが「r2・δ」だけ減少する状況下におけるベルト84の張力の変化分ΔFは、下式(eq7)によって表される。
ΔF=k(xp1−xc2)
=k{r1・θ1−r2(θ2+δ)}
=k{r1・ω1・Δt−r2(ω2・Δt+δ)} …(eq7)
一方、第1,第2のプーリ80,82の周速度Vが互いに等しいことから、下式(eq8)が導かれる。
V=r1・ω1=r2・ω2 …(eq8)
上式(eq7),(eq8)から、下式(eq9)が導かれる。
ΔF=−k・r2・δ …(eq9)
上式(eq9)によって表されるベルト84の張力の変化分ΔFが、第1のプーリ80及び第2のプーリ82のそれぞれにおけるトルクを変化させ、ひいては伝達パワーを変化させる。詳しくは、第1のプーリ80におけるトルク変化分Δτ1,第2のプーリ82におけるトルク変化分Δτ2は、下式(eq10),(eq11)によって表される。
Δτ1=ΔF・r1=−k・r2・δ・r1 …(eq11)
Δτ2=ΔF・r2=−k・r2・δ・r2 …(eq12)
第1のプーリ80における伝達パワーの変化分ΔP1,第2のプーリ82における伝達パワーの変化分ΔP2は、下式(eq13),(eq14)によって表される。
ΔP1=Δτ1・ω1=−k・δ・ω1 …(eq13)
ΔP2=Δτ2・ω2=−k・r2^2・δ・ω2 …(eq14)
ここで、入力側となる第1のモータジェネレータ10が上記第1の回転角速度ω1で回転し、また、出力側となる第2のモータジェネレータ20が上記第2の回転角速度ω2で回転しているとすると、第1のモータジェネレータ10及び第2のモータジェネレータ20についての減速比Rは、下式(eq15)によって表される。
R=ω1/ω2 …(eq15)
一方、CVTを模擬したモデルにおいては、上記減速比Rを、第1のプーリ80の半径r1及び第2のプーリ82の半径r2を用いて下式(eq16)によって表すことができる。
R=r2/r1 …(eq16)
ここで、減速比Rを上式(eq16)によって表す場合において、ベルト84の長さを規定して第1,第2のプーリ80,82の半径r1,r2を特定すべく、「r1・r2=1」と正規化すると、上式(eq16)は下式(eq17)のように表される。
R=1/(r1)^2=(r2)^2 …(eq17)
上式(eq15),(eq17)を用いると、上式(eq14)は下式(eq18)のように表される。
ΔP2=−k・R・δ・ω2=−k・δ・ω1 …(eq18)
上式(eq13),(eq18)より、第1のプーリ80及び第2のプーリ82のそれぞれにおける伝達パワーの変化分が等しいことが分かる。こうした点に着目して、トルク相互補正処理を行う。これにより、スリップグリップが生じる場合において、第1,第2のモータジェネレータ10,20とバッテリ68との間のエネルギの授受が行われないように第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2を補正することができる。
図6に、上述した原理を用いた本実施形態にかかるトルク相互補正処理のブロック図を示す。ここで、トルク相互補正処理は、具体的には、対称型バイラテラル制御と等価となる。本実施形態では、第1,第2のモータジェネレータ10,20の回転角がバイラテラル制御の制御量としての位置に相当し、トルクが力に相当する。なお、本実施形態において、MGECU70によって実行される上記処理が「相互補正手段」を構成する。
第1の基準速度取得部100は、第1の回転角センサ72によって検出された回転角θ1に基づき、第1のモータジェネレータ10の回転角速度である上記第1の回転角速度ω1を算出し、HVECU76からMGECU70に対する第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2の更新タイミングにおける第1の回転角速度ω1を第1の基準角速度ωs1として取得する。本実施形態では、第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2が前回更新されてから今回更新されるまでの期間における上記回転角θ1の時間平均値に基づき、第1の回転角速度ω1を算出する。
第2の基準速度取得部200は、第2の回転角センサ74によって検出された回転角θ2に基づき、第2のモータジェネレータ20の回転角速度である上記第2の回転角速度ω2を算出し、HVECU76からMGECU70に対する第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2の更新タイミングにおける第2の回転角速度ω2を第2の基準角速度ωs2として取得する。本実施形態では、第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2が前回更新されてから今回更新されるまでの期間における上記回転角θ2の時間平均値に基づき、第2の回転角速度ω2を算出する。
第1の速度比算出部102は、第2の基準角速度ωs2を第1の基準角速度ωs1で除算した値の平方根として第1のプーリ半径r1に相当する第1の速度比r1を算出し、一方、第2の速度比算出部202は、第1の基準角速度ωs1を第2の基準角速度ωs2で除算した値の平方根として第2のプーリ半径r2に相当する第2の速度比r2を算出する。すなわち、第1の速度比算出部102及び第2の速度比算出部202において、第1,第2の指令トルクTrq2,Trq1が更新されるたびに、更新タイミングにおける第1の回転角速度ω1及び第2の回転角速度ω2を用いて第1の速度比r1及び第2の速度比r2が更新される。なお、第1の速度比r1及び第2の速度比r2は、上式(eq15),(eq17)から導かれる。
第1の算出部104は、第1の回転角θ1に第1の速度比r1を乗算して出力する。一方、第2の算出部204は、第2の回転角θ2に第2の速度比r2を乗算して出力する。
偏差算出部300は、第1の算出部104の出力値から第2の算出部204の出力値を減算した値である偏差Δを算出する。ここで、偏差算出部300における処理は、ベルト84の伸びを算出することに相当する。そして、ゲイン乗算部302は、偏差算出部300から出力された偏差Δに制御ゲインk(「比例ゲイン」に相当)を乗算する。この制御ゲインkは、上述したCVTを模擬したモデルにおけるベルト84のバネ定数に相当する。
第1のトルク変換部106は、ゲイン乗算部302の出力値に第1の速度比r1を乗算することで、第1の指令トルクTrq1の補正量(以下、第1のトルク補正量ΔT1)を算出する。すなわち、第1のトルク変換部106は、第1の回転角速度ω1(第1の基準角速度ωs1)が高いほど、第1のトルク補正量ΔT1を小さく算出する。そして、第1の加算部108は、HVECU76から出力された第1の指令トルクTrq1に第1のトルク補正量ΔT1を加算することで第1の指令トルクTrq1を補正する。第1の加算部108は、補正された第1の指令トルクTrq1を第1の操作部110に対して出力する。第1の操作部110は、第1のモータジェネレータ10のトルクを第1の加算部108の出力値に制御すべく、第1のインバータ60を構成する図示しない半導体スイッチング素子をオンオフ操作する。
一方、第2のトルク変換部206は、ゲイン乗算部302の出力値に第2の速度比r2を乗算することで、第2の指令トルクTrq2の補正量(以下、第2のトルク補正量ΔT2)を算出する。すなわち、第2のトルク変換部206は、第2の回転角速度ω2(第2の基準角速度ωs2)が高いほど、第2のトルク補正量ΔT2を小さく算出する。そして、第2の加算部208は、第2の指令トルクTrq2に第2のトルク補正量ΔT2を加算することで、第2の指令トルクTrq2を補正する。第2の加算部208は、補正された第2の指令トルクTrq2を第2の操作部210に対して出力する。第2の操作部210は、第2のモータジェネレータ20のトルクを第2の加算部208の出力値に制御すべく、第2のインバータ62を構成する図示しない半導体スイッチング素子をオンオフ操作する。
なお、本実施形態において、第1の速度比算出部102、及び第2の速度比算出部202が「更新手段」を構成する。また、本実施形態において、第1の算出部104、第1のトルク変換部106、第2の算出部204、第2のトルク変換部206、偏差算出部300及びゲイン乗算部302が「補正量算出手段」を構成する。
続いて、図7に、本実施形態にかかるトルク相互補正処理の一例を示す。詳しくは、図7(a)は、第2の回転角速度ω2の推移を示し、図7(b)は、基準減速比Rs及び実際の減速比Rrの推移を示し、図7(c)は、第2のモータジェネレータ20の実際のトルク及び第2の指令トルクTrq2の推移を示す。ここで、上記基準減速比Rsとは、第1の基準角速度ωs1を第2の基準角速度ωs2で除算した値であり、実際の減速比Rrとは、第1の回転角速度ω1を第2の回転角速度ω2で除算した値である。
図示される例では、HVECU76からMGECU70に対する第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2の更新周期Δth毎に第1,第2の基準速度取得部100,200によって第1の基準角速度ωs1,第2の基準角速度ωs2が取得され、第1の速度比算出部102及び第2の速度比算出部202によって第1の速度比r1及び第2の速度比r2が算出される。その結果、上記更新周期Δth毎に第2のトルク補正量ΔT2が「0」にリセットされる。
ここで、時刻t1〜t2において、第2のモータジェネレータ20が一定の加速度で加速されている。この期間においては、第2の回転角速度ω2の上昇速度が一定であることから、実際の減速比Rrの減少速度が一定となる。こうした状況下においては、基準減速比Rsに対する実際の減速比Rrのずれが拡大するに伴って第2のトルク補正量ΔT2が増大する。その後、時刻t2において駆動輪52のスリップが生じる場合、第2のトルク補正量ΔT2がさらに増大することによってスリップの成長が抑制される。
なお、スリップグリップの発生に起因した上述した問題は、第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2の更新周期Δthが、MGECU70における制御周期Δtm(例えば、第1,第2の基準速度取得部100,200による第1,第2の回転角速度ω1,ω2の算出周期)よりも長く設定されていることに起因して顕著となる(例えば、Δth≒100×Δtm)。ここで、上記更新周期Δthが長くなるのは、MGECU70及びHVECU76同士を結ぶデータ通信速度が低速度であることが原因の1つである。
次に、図8〜図12を用いて、本実施形態にかかるトルク相互補正処理の効果について説明する。
まず、図8及び図9に、先の図2及び図3に対応する共線図を示す。
図8に示すように、本実施形態によれば、HV走行時において駆動輪52のスリップが生じる場合であっても、サンギアSの回転速度ωBSに対するリングギアRの回転速度ωBRの比率を、定常走行時におけるサンギアSの回転速度ωASに対するリングギアRの回転速度ωARの比率とすることができる。すなわち、図中実線にて示す定常走行時におけるサンギアS及びリングギアRを結ぶ直線と「0」との交点である仮想固定点を支点として、図中一点鎖線にて示すように、サンギアS、キャリアC及びリングギアRの回転速度が定まることとなる。これにより、駆動輪52のスリップの成長を抑制することができる。
ちなみに、本実施形態によれば、燃料カット制御によって第1のモータジェネレータ10の回転速度が低下して発電電力が減少する場合においても、発電電力の減少に応じて第2のモータジェネレータ20の消費電力を減少させる。このため、第1のモータジェネレータ10の発電電力の不足を回避することができる。
一方、図9に示すように、本実施形態によれば、EV走行時においても、図中実線にて示す定常走行時におけるキャリアCの回転速度「0」を仮想固定点として、サンギアS、キャリアC及びリングギアRの回転速度が定まることとなる。すなわち、駆動輪52のスリップが生じる場合であっても、図中一点鎖線にて示すように、クランク軸42を回転させないように第1のモータジェネレータ10のトルクを積極的に逃がす制御がなされることとなる。
なお、本実施形態と対比すべく、図10には、HV走行時においてスリップグリップが生じる場合における上記特許文献1に記載された技術(以下、比較技術)を示した。
比較技術では、駆動輪52がスリップし始めてからしばらくの期間においては、エンジン及びキャリアCの間にトーショナルダンパがあることから、キャリアCは一時的に回転速度を高めることが出来る(図中A,B’参照)。このため、サンギアSの回転速度は低下しない。その後、サンギアSの回転速度が低下すると(時刻B)、第1,第2のモータジェネレータのトルクが減少するように制御され、スリップの成長は若干抑制される。しかしながら、駆動輪がグリップする場合(時刻C)、サンギアSの回転速度が上昇することによって第1のモータジェネレータの発電電力が過剰となる。すなわち、比較技術では、スリップを検知してから第1,第2の指令トルクを補正することから、スリップの成長を抑制することができず、第1のモータジェネレータの発電電力の変化量及び第2のモータジェネレータの消費電力の変化量のバランスが崩れることとなる。
続いて、図11及び図12を用いて、バッテリ68の充放電がある場合におけるトルク相互補正処理の効果について説明する。なお、図11及び図12は、電力の流れを示す図である。
まず、図11に、バッテリ68から出力される電力が第1のモータジェネレータ10の発電電力に加算されて第2のモータジェネレータ20に供給される場合を示す。
図示されるように、定常走行状態から駆動輪52がスリップする状態に移行すると、第2のモータジェネレータ20に必要な消費電力が減少する。ここで、バッテリ68の出力電力を変化させないためには、第2のモータジェネレータ20の消費電力の減少量と第1のモータジェネレータ10の発電電力の減少量とを等しくすることが要求される。本実施形態によれば、これを実現することができる。
続いて、図12に、バッテリ68から出力される電力と比較して第1のモータジェネレータ10の発電電力が小さい場合を示す。
図示されるように、第2のモータジェネレータ20消費電力が第1のモータジェネレータ10の発電電力を超えて減少した場合、バッテリ68の出力電力を変化させないためには、第1のモータジェネレータ10の発電電力を負の値とすることが要求される。すなわち、第1のモータジェネレータ10に力行運転させて電力を消費させることが要求される。本実施形態によれば、これを実現することができ、ひいては遊星歯車機構30におけるバックラッシュに関する問題の発生を回避できる。
また、本実施形態によれば、バッテリ68の電力の入出力がある場合であっても、第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量をバランスさせることができる。このため、バッテリ68の入出力電力が変化せず、スリップグリップが直流バス電圧に及ぼす影響を回避することもできる。これにより、第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量のバランスの崩れを回復することが可能な程度に平滑コンデンサ64の静電容量を大きくする必要がない。したがって、平滑コンデンサ64の静電容量を、第1,第2のインバータ60,62のスイッチングに伴うリップル電流を吸収するための最小限の静電容量に設定することができる。また、昇圧コンバータ66の電流容量(特に、昇圧コンバータ66を構成するリアクトルの飽和電流容量)を、過電流に対する余裕を最小限とした設計とすることができる。
さらに、本実施形態によれば、第2のモータジェネレータ20から駆動輪52までの回転慣性モーメントが車種ごとに異なる場合でも、スリップを検知するための閾値を車種ごとに適合することを回避でき、また、制御モードの切り替えに起因して、第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量のバランスが崩れたり、衝撃力が発生したりすることを回避することもできる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量がバランスする方向に第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2を補正した。このため、例えば、スリップグリップが生じる場合であっても、第1のモータジェネレータ10の発電電力の減少量及び第2のモータジェネレータ20の消費電力の減少量をバランスさせることができる。したがって、バッテリ68や昇圧コンバータ66に過電流が流れることを回避できる等、第1,第2のモータジェネレータ10,20を備えるモータ制御システムの信頼性の低下を好適に回避することができる。
(2)偏差算出部300から出力される上記偏差Δ及び制御ゲインkの乗算値に第1の速度比r1を乗算することで第1のトルク補正量ΔT1を算出した。また、上記偏差Δ及び制御ゲインkの乗算値に第2の速度比r2を乗算することで第2のトルク補正量ΔT2を算出した。このため、第1,第2のモータジェネレータ10,20のトルクを検出するトルクセンサを備えることなく、トルク相互補正処理を行うことができる。これにより、モータ制御システムを構成する部品数の低減を図ることができる。
(3)第1,第2のモータジェネレータ10,20と電力の授受を行うバッテリ68を車両に備えた。こうした構成においては、第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量のバランスが崩れる場合、このバランスの崩れをバッテリ68が賄おうとするため、過電流等によってモータ制御システムの信頼性が低下しやすい。したがって、こうした構成においては、トルク相互補正処理を適用するメリットが大きい。
(4)遊星歯車機構30が備えられるシリーズパラレルハイブリッド車両のモータ制御システムにトルク相互補正処理を適用した。この車両においては、スリップグリップが生じる場合に第1のモータジェネレータ10の発電電力の変化量及び第2のモータジェネレータ20の消費電力の変化量のバランスの崩れが顕著となりやすい。このため、こうした構成においては、トルク相互補正処理を適用するメリットが大きい。
(5)トルク相互補正処理をMGECU70において実行した。HVECU76からMGECU70に対する第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2の更新周期Δthは、MGECU70における制御周期Δtmよりも長く設定されている。このため、スリップグリップが生じる場合において第1のモータジェネレータ10の発電電力の変化量及び第2のモータジェネレータ20の消費電力の変化量のバランスの崩れが顕著となりやすい。したがって、こうした構成においては、トルク相互補正処理を適用するメリットが大きい。さらに、本実施形態によれば、トルク相互補正処理をMGECU70のローカル制御によって行うことができる。このため、MGECU70及びHVECU76の間のインターフェースを変更することなく、トルク相互補正処理による効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図13に、本実施形態にかかるトルク相互補正処理のブロック図を示す。なお、図13において、先の図6に示した部材等と同一の部材等については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、ゲイン乗算部302における制御ゲインkを変更可能としている。以下、こうした構成を採用する理由について説明する。
エンジン40を始動させるクランキング時や、エンジン40の停止時においては、クランク軸42の回転速度(エンジン回転速度)が急変するため、図14に示すように、仮想固定点が大きく変化するようにサンギアS、キャリアC及びリングギアRの回転速度が変化することとなる。ここで、こうした状況下においてトルク相互補正処理が行われると、クランキングやエンジン40の停止を妨げるように第1,第2のモータジェネレータ10,20のトルク制御がなされるといった不都合が生じることとなる。
また、アクセルセンサ78の検出値に基づき急加速が要求されたと判断された場合において、エンジン回転速度を急上昇させて第1のモータジェネレータ10の発電電力を増加させるいわゆるキックダウンが生じるときにおいても、図15に示すように、仮想固定点が大きく変化することとなる。こうした状況下においてトルク相互補正処理が行われると、ドライバビリティが低下する等の不都合が生じ得る。
こうした事態に対処すべく、本実施形態では、エンジン回転速度の急変が指示される場合、エンジン回転速度の急変に先立ち、制御ゲインkを「0」まで低下させる。特に、本実施形態では、先の図13に示すように、ゲイン乗算部302における制御ゲインkを、HVECU76からの指令によって変更可能としている。制御ゲインkが「0」とされると、トルク相互補正処理の実行が禁止され、通常のトルク制御がなされることとなる。なお、本実施形態において、HVECU76による制御ゲインkの低下を指示する処理が「ゲイン低下手段」を構成する。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態で得られる効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(6)エンジン回転速度の急変が指示される場合、HVECU76の指示によって制御ゲインkを「0」まで低下させた。このため、エンジン回転速度を意図的に急変させることが妨げられることを回避できる。これにより、エンジン40の始動又は停止操作が適切に行われなかったり、ドライバビリティが低下したりする等の不都合の発生を回避することができる。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について、先の第2の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、図16に示すように、MGECU70が車両の走行状態を推定して制御ゲインkを変更する。なお、図16において、先の図13に示した部材等と同一の部材等については、便宜上、同一の符号を付している。
詳しくは、ゲイン決定部304は、MGECU70が取得するモータ制御システムの状態パラメータ(例えば、第1の基準角速度ωs1、第2の基準角速度ωs2、第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2)に基づき、車両の走行状態を推定する処理を行う。この処理は、上記状態パラメータに基づき、エンジン回転速度の急変が意図的に行われるか否かを推定可能なことに鑑みた処理である。ゲイン決定部304は、上記状態パラメータに基づきエンジン回転速度の急変が指示されると判断された場合、制御ゲインkを「0」まで低下させる。なお、本実施形態において、ゲイン決定部304における処理が「推定手段」を構成する。
以上説明した本実施形態によれば、制御ゲインkの変更処理をMGECU70のローカル制御によって行うことができる。このため、MGECU70及びHVECU76の間のインターフェースを変更することなく、上記第2の実施形態の(6)の効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、シリーズハイブリッド車両に車載回転機の制御装置を適用する。
図17に、本実施形態にかかるモータ制御システムを示す。なお、図17において、先の図1に示した部材と同一の部材については、便宜上、同一の符号を付している。
図示されるように、本実施形態では、遊星歯車機構30、平滑コンデンサ64及び昇圧コンバータ66が車両に備えられていない。本実施形態によれば、上記第1の実施形態で得られる効果に準じた効果を得ることはできる。すなわち、トルク相互補正処理によれば、第1のモータジェネレータ10の発電電力及び第2のモータジェネレータ20の消費電力のうち少なくとも一方が変化する場合、これらモータジェネレータ10,20のうち電力(パワー)が変化する方のパワーの変化量と、他方のパワーの変化量とがバランスする方向に、第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2を補正することができる。このため、バッテリ68に過電流が流れることを回避することはできる。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、第2の回転角速度ω2が0となる領域、及び0に近い領域を含む低速度領域において、上述したトルク相互補正処理に代わって、エンジン回転速度を第1のモータジェネレータ10の発電電力に応じた目標速度に維持しつつ、各モータジェネレータ10,20のトルクを制御してかつエンジン40を制御するエンジン等速制御処理を行う。この処理は、低速度領域において上述したトルク相互補正処理の実行が困難となることに鑑みてなされるものである。つまり、第2のモータジェネレータ20の第2のロータ24が駆動輪52と連結されている。このため、停車状態では、第2の回転角速度ω2が0となる。この場合、先の図6の第2の速度比算出部202で算出される第2の速度比r2の分母が0となり、第2の速度比r2が計算できなくなる。その結果、トルク相互補正処理の実行が困難となる。別の見方をすれば、トルク相互補正処理が一定に保とうとする仮想固定点が第2の回転角速度ω2と一致し、したがって駆動輪52を動かさないことが制御の目標となり、車両を発進させたいというドライバの意図との間に矛盾を生じてしまう。こうした問題に対処すべく、エンジン等速制御処理を行う。なお、本実施形態において、この処理が「速度維持手段」等を含む「低速時処理手段」に相当する。
図18に、上記エンジン等速制御処理のうち、各モータジェネレータ10,20に関する処理のブロック図を示す。なお、図18において、先の図6と同一の処理等については、便宜上、同一の符号を付している。
キャリア角速度算出部306は、HVECU76からMGECU70に対する第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2の更新タイミングにおけるキャリアCの回転角速度(以下、キャリア回転角速度ωc)を算出する。本実施形態では、第1の回転角速度ω1、第2の回転角速度ω2、及びリングギアRの歯数Zrに対するサンギアSの歯数Zsの比である歯数比ρ(=「Zs/Zr」)に基づき、キャリア回転角速度ωcを算出する。この算出手法は、サンギアS、キャリアC及びリングギアRがこの順序で共線図上において一直線上に並ぶこと、及び共線図上におけるサンギア軸及びキャリア軸の間隔と、キャリア軸及びリングギア軸の間隔とに所定の関係があることを利用したものである。
回転角変換部308は、キャリア角速度算出部306で算出されたキャリア回転角速度ωcに各指令トルクTrq1,Trq2の更新タイミングからの経過時間Δthを乗算することで、キャリア回転角速度ωcをキャリアCの回転角(以下、キャリア回転角θc)に変換する。
第1偏差算出部310は、第1の回転角θ1からキャリア回転角θcを減算することで第1偏差Δαを算出する。一方、第2偏差算出部312は、第2の回転角θ2からキャリア回転角θcを減算することで第2偏差Δβを算出する。なお、本実施形態において、各偏差算出部310,312が「変換手段」に相当する。
第1の算出部104aは、第1偏差Δαに第1ゲインを乗算して出力する。第2の算出部204aは、第2偏差Δβに第2ゲインを乗算して出力する。本実施形態において、第1ゲインは歯数比ρに設定され、第2ゲインは「1」に設定されている。各ゲインは、共線図上におけるキャリア軸及びリングギア軸の間隔と、サンギア軸及びキャリア軸の間隔との比から定まる値である。
偏差算出部300aは、第1の算出部104aの出力値と第2の算出部204aの出力値との加算値として偏差Δsを算出する。ここで、偏差算出部300aにおける処理は、上述したCVTを模擬したモデルにおいて、ベルト84の伸びを算出することに相当する。ゲイン乗算部302aは、偏差算出部300aから出力された偏差Δsに制御ゲインG(「比例ゲイン」に相当)を乗算する。この制御ゲインGは、CVTを模擬したモデルにおけるベルト84のバネ定数に相当する。
第1のトルク変換部106aは、ゲイン乗算部302aの出力値に上記第2ゲインの逆数「1」を乗算することで第1のトルク補正量ΔT1を算出する。第2のトルク変換部206aは、ゲイン乗算部302aの出力値に上記第1ゲインの逆数「1/ρ」を乗算することで第2のトルク補正量ΔT2を算出する。各トルク変換部106a,206aにおいて算出された各トルク補正量ΔT1,ΔT2は、各加算部108,208に入力される。なお、本実施形態において、各トルク変換部106a,206aが「低速時算出手段」に相当し、各加算部108,208が「低速時補正手段」に相当する。
上述した処理によれば、例えば車両の発進時において摩擦係数の低い路面(低μ路)でスリップした場合であっても、第1のモータジェネレータ10のパワーの減少量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの減少量を等しくするように各モータジェネレータ10,20のトルクを制御できる。特に、エンジン回転速度Neを基準とした処理を行うことで、エンジン40出力の増大を抑制することもできる。
続いて、上記低速度領域の設定について説明する。
本実施形態では、図19に示すような低速度領域を設定するとともに、バイラテラル制御領域を設定する。そして、低速度領域においてエンジン等速制御処理を行い、バイラテラル制御領域においてトルク相互補正処理を行う。ここで、図19は、横軸を第2の回転角速度ω2とし、この軸に直交する縦軸を第1の回転角速度ω1とする座標系を示している。
この座標系において、エンジン回転速度Neは、共線図での各ギアの回転速度の関係から、第1の回転角速度ω1及び第2の回転角速度ω2によって定まることとなる。このため、エンジン回転速度が一定となるエンジン等速ラインは、座標系において右下がりの直線として示される。また、上記座標系において、各モータジェネレータ10,20及びエンジン40の動作点は、第1の回転角速度ω1の上限値、第2の回転角速度ω2の上限値、エンジン回転速度Neの上限値、及びエンジン停止ライン(EV走行/回生ライン)で囲まれた領域に存在することとなる。なお、本実施形態では、エンジン40の制御により、エンジン回転速度Neが高いほど、エンジン40の出力が大きくなる傾向にある。
エンジン停止ラインは、エンジン回転速度が0となる原点を通る直線である。また、エンジン停止ラインと同一のラインであるEV走行/回生ラインは、バイラテラル制御領域に加えて、トルク相互補正処理が実行可能なラインである(先の図9参照)。
図19には、さらに、エンジン過渡領域が示されている。エンジン過渡領域とは、エンジン停止ラインとエンジン回転速度Neの下限値(例えば、アイドリングの1000rpm)とで挟まれた領域のことである。この下限値は、エンジン40のトルク脈動や燃焼の安定を考慮して定められる値である。エンジン過渡領域は、エンジン40の始動及び停止に際して動作点が過渡的に通過することはあっても、エンジン40から動力を出力する目的で使用されることのない領域である。なお、エンジン回転速度Neの下限値と同じライン上に、エンジン等速制御ラインが示されている。このラインは、バイラテラル制御領域において車両の減速とともにエンジン回転速度Neが低下してその下限値となる場合、動作点をアイドリング状態まで移動させるためのものである。
上記低速度領域は、1速ライン(「第1直線」に相当)と、第1の回転角速度ω1の上限値と、エンジン回転速度Neの下限値とで囲まれた領域である。低速度領域における上記目標速度は、第1のモータジェネレータ10に要求される発電電力が大きいほど高く設定される傾向にある。1速ラインは、座標系の原点から離れるほど、エンジン回転速度Neが高くなるラインである。本実施形態では、自動変速機(AT)が搭載されたコンベ車の発進時の挙動と同様の挙動を本実施形態にかかる車両の駆動系にさせるように、低速度領域を規定する1速ラインを設定する。以下、これについて、図20〜図22を用いて説明する。
図20(a)は、トルクコンバータの実際の特性を示し、図20(b)は、トルクコンバータの出力軸の回転速度n2(第2の回転角速度ω2)及びトルクコンバータの入力軸の回転速度n1(エンジン回転速度、キャリア回転角速度ωc)の関係を示す。なお、図20(a)において、「e」は速度比(=「n1/n2」)を示し、「t」はトルク比を示し、「η」は効率を示し、「C」は容量係数を示している。また、図21において、「T1」は入力軸のトルク(エンジン40のクランク軸42のトルク)を示している。
トルクコンバータは、図20に示すように、速度比eが略0.5以下の領域において、入力軸の回転速度n1が出力軸の回転速度n2に影響されず略一定となる。速度比eが0.5を超えると、入力軸の回転速度n1は増加して出力軸の回転速度n2に漸近する。すなわち、入力軸の回転速度n1と出力軸の回転速度n2との間に比例が成立する。
こうした特性から、速度比eが0.5以下となる領域においては、スリップが生じる場合であっても、スリップによる出力軸の回転速度の変化がエンジン回転速度に大きく影響しない。トルクコンバータのこうした特性を1速ラインの設定に用いることで、エンジン等速制御処理からトルク相互補正処理への移行がドライバに違和感を与えることなく実現できると考えられる。ここで、本実施形態では、エンジン等速制御処理を簡素化することを目的として、図20(b)に示した入力軸の回転速度n1の出力軸の回転速度n2への漸近領域を省略し、トルクコンバータの特性を図21に示すようにモデル化する。これにより、トルクコンバータの特性は、入力軸の回転速度n1が一定の領域と、入力軸の回転速度n1及び出力軸の回転速度n2が比例する領域とで近似できることとなる。
なお、1速ラインの方向係数(傾き)は、コンベ車との比較で決定すればよい。つまり、コンベ車において発進時にスリップが生じた場合、変速機の1速の変速比を維持したままエンジン回転速度が上昇することとなる。このため、コンベ車に搭載された変速機の1速の変速比に基づき、1速ラインの傾きを設定できると考えられる。
図21のトルクコンバータ特性を上記座標系に表すと、図22に示すものとなる。発進時にスリップが生じると、動作点は、エンジン等速ラインを1速ラインに向かって移動する。なお、図中、第2ライン(「第2直線」に相当)は、速度比eが0.5に対応するラインである。
続いて、本実施形態にかかるトラクションコントロール処理(「トルク低下手段」に相当)について説明する。
この処理は、動作点が低速度領域にあることを条件として、第2の指令トルクTrq2を強制的に低下させる処理である。この処理は、低速度領域におけるスリップの成長を抑制するためのものである。つまり、低速度領域においては、第2のモータジェネレータ20の消費電力や第1のモータジェネレータ10の発電電力に対して、バッテリ68が単位時間あたりに受け入れ可能な電力に余裕がある。このため、動作点が低速度領域にあるならば、スリップ抑制のために第2のモータジェネレータ20のトルクを低減させたとしても、上記消費電力に対して上記発電電力が相対的に大きくなることに起因して、バッテリ68等の信頼性の低下の懸念がないと考えられる。したがって、低速度領域においてトルクの強制的な低減が可能となる。低速度領域においてエンジン等速制御処理によってエンジン40の出力が一定に維持されていれば、スリップが発生したとしても、トラクションコントロール処理によってスリップの成長を的確に抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1の実施形態で得られる効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)動作点が低速度領域にある場合、先に述べたトルク相互補正処理に代わって、エンジン等速制御処理を行った。これにより、トルク相互補正処理の実行が困難となる場合であっても、エンジン40出力を増大させることなく、スリップを好適に抑制することができる。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について、先の第5の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図23に示すように、本実施形態では、低速度領域において第1の回転角速度ω1を目標速度に維持すべく、第1,第2のモータジェネレータ10,20のトルク制御と、エンジン40の制御とを行う。ここで、目標速度は、第1のモータジェネレータ10の発電電力に応じて設定される。低速度領域においてスリップが生じることでエンジン回転速度Neが過渡的に上昇する状況下、上記制御によれば、第2のモータジェネレータ20のトルクが低下する。その結果、駆動輪52に付与されるトルクが低下し、スリップを抑制することができる。なお、本実施形態においても、低速度領域においてトラクションコントロール処理が実行されることが望ましい。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「ゲイン低下手段」としては、上記第2,第3の実施形態で説明したように制御ゲインkを「0」まで低下させるものに限らず、「0」よりも大きい所定値まで低下させるものであってもよい。この場合であっても、トルク相互補正処理がエンジン回転速度の意図的な急変に及ぼす影響を緩和することはできる。
・「相互補正手段」としては、第1のモータジェネレータ10のパワーの減少量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの減少量を等しく維持しつつ、第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2を補正するものに限らない。例えば、第1のモータジェネレータ10のパワーの減少量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの減少量が若干ずれることを許容しつつ、第1の指令トルクTrq1及び第2の指令トルクTrq2を補正するものであってもよい。この場合であっても、第1,第2のモータジェネレータ10,20のそれぞれのパワーの変化量がバランスする方向に第1、第2の指令トルクTrq1,Trq2を補正できることから、第1,第2のモータジェネレータ10,20のそれぞれのパワーの変化量のバランスの大きな崩れを回避できる。このため、モータ制御システムの信頼性の低下を回避することはできる。
・上記第1の実施形態の図6に示した偏差算出部300において、第2の算出部204の出力値から第1の算出部104の出力値を減算した値として上記偏差Δを算出してもよい。この場合、例えば、駆動輪52のスリップが生じると、第2のモータジェネレータ20の消費電力の増加量だけ第1のモータジェネレータ10の発電電力が増加されることとなる。こうした構成であっても、第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量及び第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量をバランスさせることはできる。
また、「相互補正手段」としては、上記第1の実施形態に例示したものに限らない。例えば、第1,第2のモータジェネレータ10,20のトルクを直接検出するトルク検出手段を車両に備えるなら、トルク検出手段によって検出された第1,第2のモータジェネレータ10,20のそれぞれのトルクを更に用いてトルク相互補正処理を行うものであってもよい。この場合、具体的には例えば、以下に説明する手法を採用することができる。
まず、第2の指令トルクTrq2の更新タイミングにおいて、第2のモータジェネレータ20について検出されたトルク及び回転角速度を乗算することで基準となるパワーを算出する。そして、次回の更新タイミングまでに第2のモータジェネレータ20の現在のパワーが上記基準となるパワーからずれる場合、現在のパワー及び基準となるパワーのずれを「0」とすべく、第2のモータジェネレータ20のパワーの変化量及び第1のモータジェネレータ10のパワーの変化量が等しくなるように第1,第2の指令トルクTrq1,Trq2を補正する。
・上記第1の実施形態において、車両が停止状態から発進しようとしている場合、第2の回転角速度ω2が「0」となる。このため、第2の速度比算出部202において、第2の速度比r2の分母が「0」となり、第2の速度比r2が算出できなくなる。また、第1の回転角速度ω1が「0」となる場合であっても、第1の速度比算出部102において第1の速度比r1を算出できなくなる。こうした状況においてはトルク相互補正処理が適用できないことから、例えば、車両の走行速度が規定速度以下のときに制御ゲインkを「0」とするなどの制御ロジックを適用することが考えられる。
・上記第5の実施形態において、1速ラインによらず、第2の回転角速度ω2が規定速度以下であると判断されたことを条件として、エンジン等速制御処理を行い、第2の回転角速度ω2が規定速度を上回ると判断されたことを条件として、トルク相互補正処理を行ってもよい。
・トルクコンバータ特性をモデル化する手法としては、上記第5の実施形態の図22に示したものに限らない。例えば、図24及び図25に示すものであってもよい。
詳しくは、図24について説明すると、座標系において1速ライン、及びこのラインの方向係数よりも大きい方向係数を有する第2ラインで囲まれた領域を第2ライン側から1速ライン側に向かって動作点が移動する場合、動作点が第2ライン側から1速ラインに移動するにつれて目標速度を徐々に上昇させる。こうした構成によれば、座標系において第2ラインよりも縦軸側の領域に動作点がある場合、エンジン回転速度Neが目標速度に維持される。一方、発進時にスリップが生じる場合、エンジン等速ラインを1速ラインに向かってエンジン回転速度を徐々に上昇させながら動作点が1速ラインに到達することとなる。
また、図25について説明すると、座標系において1速ライン及び第2ラインで囲まれた領域を第2ライン側から1速ライン側に向かって動作点が移動する間は、第1の回転角速度ω1を維持しつつ、動作点を第2ライン側から1速ラインまで移動させる。
・本発明の実施例では図1に示すように第2のモータジェネレータ20の備える第2のロータ24は、駆動軸50に直接連結されているが、この間に減速歯車を備えていてもよい。減速歯車によって第2のモータジェネレータ20の回転速度が減じられトルクは増大するが、回転速度とトルクの積が一定であるため、本発明の制御は何ら変更することなく適用可能である。
・本発明の適用対象としては、バッテリを備える車両に限らず、バッテリを備えない車両(電気式動力伝達装置を備える車両であり、例えば電気式ディーゼル機関車)であってもよい。この場合であっても、第1の回転機のパワーの変化量及び第2の回転機のパワーの変化量のバランスが崩れることに起因した回転機の制御システムの信頼性の低下を回避できる。
10…第1のモータジェネレータ、20…第2のモータジェネレータ、52…駆動輪。

Claims (11)

  1. 発電機能を有する第1の回転機(10)と、
    駆動輪(52)を駆動する車載主機としての第2の回転機(20)及び内燃機関(40)と、
    前記第1の回転機及び前記第2の回転機と電力の授受を行う平滑コンデンサ(64)と、
    前記第1の回転機が連結された第1の回転体(S)、前記内燃機関の出力軸(42)が連結された第2の回転体(C)、及び前記駆動輪が連結された第3の回転体(R)を有する遊星歯車機構(30)と、
    を備える車両に適用される車載回転機の制御装置(70)において、
    前記第2の回転機は、前記第1の回転機の発電電力によって駆動され得るものであり、
    前記第1の回転機のトルクを第1の指令トルクに制御する第1の制御手段と、
    前記第2の回転機のトルクを第2の指令トルクに制御する第2の制御手段と、を備え、
    前記車両は、前記制御装置とは別の電子機器であってかつ、前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクを前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段に対して出力する機能を有する車両側制御部(76)を備え、
    前記車両側制御部から前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段に対する前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクの更新周期は、前記制御装置における制御周期よりも長く設定され、
    前記第2の回転機の回転角速度を前記第1の回転機の回転角速度で除算した値の平方根を第1の速度比(r1)と定義し、
    前記第1の回転機の回転角速度を前記第2の回転機の回転角速度で除算した値の平方根を第2の速度比(r2)と定義し、
    前記第1の回転機の回転角(θ1)及び前記第1の速度比の乗算値から、前記第2の回転機の回転角(θ2)及び前記第2の速度比の乗算値を減算した値である偏差(Δ)を算出し、算出した前記偏差に比例ゲイン(k)と前記第1の速度比とを乗算することで第1のトルク補正量(ΔT1)を算出し、算出した前記偏差に前記比例ゲインと前記第2の速度比とを乗算することで第2のトルク補正量(ΔT2)を算出する補正量算出手段を有し、前記第1の指令トルクに前記第1のトルク補正量を加算することで前記第1の指令トルクを補正するとともに、前記第2の指令トルクに前記第2のトルク補正量を加算することで前記第2の指令トルクを補正する相互補正手段と、
    前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクが更新されるたびに、前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクの更新タイミングで取得された前記第1の回転機及び前記第2の回転機のそれぞれの回転角速度で前記第1の速度比及び前記第2の速度比を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする車載回転機の制御装置。
  2. 前記車両は、前記第1の回転機及び前記第2の回転機と前記平滑コンデンサを介して電力の授受を行うバッテリ(68)を備えることを特徴とする請求項1記載の車載回転機の制御装置。
  3. 記出力軸の回転速度の急変が指示される場合、前記比例ゲインを低下させるゲイン低下手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の車載回転機の制御装置。
  4. 記車両の走行状態を推定する推定手段を更に備え、
    前記ゲイン低下手段は、前記推定手段の推定結果に基づき前記比例ゲインを低下させることを特徴とする請求項記載の車載回転機の制御装置。
  5. 前記車両は、前記出力軸の回転速度の急変が指示される場合、前記比例ゲインを低下させるゲイン低下手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2記載の車載回転機の制御装置。
  6. 前記出力軸の回転速度の急変には、前記出力軸に対する初期回転の付与及びキックダウンのうち少なくとも一方が含まれることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の車載回転機の制御装置。
  7. 前記第2の回転機の回転速度が0又は0に近い速度を含む低速度領域である場合、前記相互補正手段による前記第1の指令トルク及び前記第2の指令トルクの補正機能を停止させる処理を行う低速時処理手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車載回転機の制御装置。
  8. 記低速時処理手段は、
    前記出力軸の回転速度を前記第1の回転機の発電電力に応じた目標速度に維持すべく、前記第1の回転機、前記第2の回転機及び前記内燃機関を制御する速度維持手段と、
    前記第1の回転機及び前記第2の回転機のそれぞれの単位時間あたりの回転角を、前記出力軸の単位時間あたりの回転角を基準とした回転角に変換する変換手段と、
    前記第2の回転体の歯数(Zr)に対する前記第1の回転体の歯数(Zs)の比である歯数比(ρ)と前記変換手段によって変換された前記第1の回転機の回転角(Δα)との乗算値と、前記変換手段によって変換された前記第2の回転機の回転角(Δβ)を加算することで偏差(Δs)を算出し、算出した前記偏差に前記比例ゲイン(G)を乗算することで前記第1のトルク補正量を算出し、算出した前記偏差に前記比例ゲインと前記歯数の逆数とを乗算することで前記第2のトルク補正量を算出する低速時算出手段と、
    前記低速時算出手段によって算出された第1のトルク補正量を前記第1の指令トルクに加算することで前記第1の指令トルクを補正するとともに、前記低速時算出手段によって算出された第2のトルク補正量を前記第2の指令トルクに加算することで前記第2の指令トルクを補正する低速時補正手段と、
    を含むことを特徴とする請求項記載の車載回転機の制御装置。
  9. 記低速時処理手段は、前記第1の回転機の回転速度をその目標速度に維持すべく、前記第1の回転機、前記第2の回転機及び前記内燃機関を制御する速度維持手段を含むことを特徴とする請求項記載の車載回転機の制御装置。
  10. 前記第1の回転機の回転速度を規定する第1座標軸と、前記第2の回転機の回転速度を規定する座標軸であって前記第1座標軸と直交する第2座標軸とを有する座標系において、前記第2座標軸の単位増加量あたりの前記第1座標軸の増加量を第1方向係数として有してかつ、前記座標系の原点を通る直線を第1直線とし、前記第1方向係数よりも大きい第2方向係数を有してかつ、前記座標系の原点を通る直線を第2直線とし、
    前記低速度領域は、前記座標系において前記第1直線よりも前記第1座標軸側の領域に含まれ、
    前記速度維持手段は、前記第1の回転機及び前記第2の回転機のそれぞれの回転速度で規定される動作点が、前記座標系において前記第2直線よりも前記第1座標軸側の領域にある場合に前記出力軸の回転速度を前記目標速度に維持し、
    前記座標系において前記第1直線及び前記第2直線で挟まれた領域を前記第2直線側から前記第1直線側に向かって前記動作点が移動する場合、前記動作点が前記第2直線側にあるときの前記目標速度よりも前記第1直線側にあるときの前記目標速度を高く設定する手段を備えることを特徴とする請求項8又は9記載の車載回転機の制御装置。
  11. 前記第1の回転機及び前記第2の回転機のそれぞれの回転速度で規定される動作点が前記低速度領域にある場合、前記第2の回転機のトルクを強制的に低下させるトルク低下手段を更に備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の車載回転機の制御装置。
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