JP6229553B2 - 金属イオン除去装置及び液冷装置 - Google Patents

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Description

本願の開示する技術は金属イオン除去装置及び液冷装置に関する。
電子計算機の冷却装置として、アノード極板とカソード極板の間に直流電圧を印加し、銅イオンを含んだ純水が通過する際に電解作用によりカソード極板上に銅を析出させる銅イオン除去装置を備えた構造が知られている。
特開平6−19584号公報
液中の金属イオンを除去するにあたって、効率的に金属イオンを除去することが望まれる。
本願の開示技術は、1つの側面として、液中から効率的に金属イオンを除去することが目的である。
本願の開示する技術では、中空糸膜の細孔に、金属イオンが結合するキレート剤が埋め込まれる。
本願の開示する技術によれば、液中から効率的に金属イオンを除去できる。
図1は第1実施形態の液冷装置を示す構成図である。 図2は第1実施形態の中空糸膜を一部破断して示す斜視図である。 図3Aは第1実施形態の中空糸膜の細孔を示す断面図である。 図3Bは第1実施形態の中空糸膜の細孔を示す断面図である。 図4は第1実施形態の中空糸膜の細孔の寸法を示す断面図である。 図5Aは第2実施形態の中空糸膜の細孔を示す断面図である。 図5Bは第2実施形態の中空糸膜の細孔を示す断面図である。 図6は第3実施形態の液冷装置を示す構成図である。
第1実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1には、第1実施形態の金属イオン除去装置12を有する液冷装置14が示されている。図2には、金属イオン除去装置12の中空糸膜54が一部破断し、且つ拡大して示されている。
液冷装置14は、電子装置16と金属イオン除去装置12との間で冷却液L1(図2及び図3A参照)を循環させる循環装置18を有する。さらに、液冷装置14は、解離液L2を金属イオン除去装置12に供給する解離液供給装置20を有する。
循環装置18は、第1経路22を有する。第1経路22は、電子装置16と金属イオン除去装置12との間で冷却液L1を循環させる循環配管24を有する。本実施形態では、第1経路22は、循環配管24に設けられた冷却液タンク26、冷却液ポンプ28及び熱交換器30を有する。そして、第1経路22の途中に金属イオン除去装置12が配置される。
冷却液タンク26には、冷却液L1が貯留される。冷却液ポンプ28の駆動により、第1経路22内で冷却液L1を矢印F1方向に循環させることができる。
液冷装置14は、循環方向における熱交換器30の上流側に、電子装置16を冷却する冷却部32を備える。冷却部32は、具体的には、冷却液L1の流路を分けるマニホールド34Aと、マニホールド34Aから出た冷却液L1が流れる複数のチューブ36と、チューブ36を流れた冷却液L1を合流させるマニホールド34Bとを有する。マニホールド34A、34Bの材質は特に限定されないが、本実施形態では一例として、銅あるいは銅合金を用いることができる。
チューブ36には、電子装置16に接触する冷却板38が配置される。電子装置16の熱が冷却板38を介して、チューブ36内の冷却液L1に伝わることで、電子装置16を冷却できる。実際に冷却される冷却対象の具体例としては、電子装置16内の集積回路等の半導体部品が挙げられるが、冷却対象はこれに限定されない。
冷却板38の材質は、電子装置16(冷却対象)から冷却液L1に伝熱可能であれば特に限定されない。本実施形態では、一例として、アルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いることができる。アルミニウムは、銅や鉄と比較して軽量であり、しかも冷却対象から冷却液L1に伝熱するという観点では十分な熱伝導率を有する。冷却板38の材質として銅を用い、より高い熱伝導性を得ることも可能である。
液冷装置14は、第1経路22における電子装置16の下流に熱交換器30を備える。電子装置16によって加熱された冷却液L1は、熱交換器30により冷却される。熱交換器30としては、たとえば、風を第1経路22の一部に送って冷却液L1を冷却する冷却ファンを挙げることができるが、これに限定されない。熱交換器30において、冷却液L1と接触する部分の全部又は一部は、たとえば銅あるいは銅合金製とすることができる。
第1経路22からは、熱交換器30の下流の分岐部40において、第2経路42が分岐する。第2経路42は、下流側で直接、冷却液タンク26(第1経路22の一部)に接続される。すなわち、冷却液タンク26が、第2経路42が第1経路22と合流する合流部44である。
第1経路22の分岐部40の下流側と第2経路42との流量比は、金属イオン除去装置12の圧力損失の影響を小さくする観点から、たとえば、1:10程度に設定できる。
第1経路22には、金属イオン除去装置12と、1又は複数(図1の例では2つ)のバルブ46とが設けられる。本実施形態では、図1から分かるように、分岐部40から合流部44までの間の第1経路22に、金属イオン除去装置12およびバルブ46が設けられる。バルブ46は、第1経路22の流路断面積を調整することで、第1経路22内の冷却液L1の圧力を調整できる。特に、図1に示す例では、金属イオン除去装置12の上流側及び下流側に1つずつ、バルブ46が設けられる。
熱交換器30の下流側では、冷却液L1が第1経路22から第2経路42に分流する。バルブ46の開度を調整することによっても、第1経路22(特に分岐部40から合流部44までの間)と第2経路42との流量比を調整できる。
また、後述するように、中空糸膜54の細孔58内で、内周側から外周側へ冷却液L1を通過させないという観点から、中空糸膜54での冷却液L1の動作圧を、バルブ46の開度調整によって所定の動作圧(たとえば100kPa)に設定できる。
液冷装置14は、第1経路22における冷却液タンク26と冷却液ポンプ28の間の位置に、濃度センサ48を備える。濃度センサ48は、冷却液中の金属イオン濃度を検知し、その情報を制御装置50に送る。制御装置50では、冷却液中の金属イオン濃度に基づいて、後述する解離液ポンプ66を駆動制御する。
冷却液L1の種類は特に限定されないが、本実施形態では、主成分である純水に、腐食防止剤を溶解した液体を用いることができる。
上記したように、マニホールド34A、34Bや熱交換器30の冷却液接触部分が銅を含有していれば、腐食防止剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール(1,2,3−ベンゾトリアゾールあるいはベンゾトリアゾール系化合物など)を用いることができる。これにより、マニホールド34A、34Bや熱交換器30において、冷却液L1と接する部分が冷却液L1によって溶出することが抑制される。この場合の腐食防止剤の濃度は、たとえば100ppmとすればよい。
また、冷却板38がアルミニウムを含有していれば、腐食防止剤としては、たとえば、マロン酸を用いることができる。これにより、冷却板38において、冷却液L1と接する部分が冷却液L1によって溶出することが抑制される。この場合の腐食防止剤の濃度は、たとえば5質量%とすればよい。
金属イオン除去装置12は、ハウジング52を有する。ハウジング52内には、複数の中空糸膜54が備えられる。中空糸膜54のそれぞれは、図2にも詳細に示すように、緻密な分離活性層54Aを有しており、円筒状(内部が中空)で且つ糸状の多孔質部材である。
図1に示すように、複数の中空糸膜54が、ハウジング52内で一定方向に束ねてモジュール化されている。ハウジング52の内部に流入した冷却液L1は、中空糸膜54の内周側を流れた後に、ハウジング52の外部に排出される。
図3A及び図3Bには、中空糸膜54が部分的に示されている。中空糸膜54には、内周側から外周側へ連続する複数の細孔58が形成される。細孔58を通じて、冷却液L1中の金属イオン(本実施形態では銅イオン100)が中空糸膜54の内周側から外周側へ移動可能である。
特に、図2、図3A及び図3Bに示す例では、中空糸膜54は、軸方向(矢印A1方向)と直交する肉厚方向の断面において、内周側に位置する大径孔58Lと、外周側に位置する小径孔58Sとを有する複数層(2層)構造である。小径孔58Sでは、大径孔58Lと比較して、細孔58の細孔径D1が小さい。換言すれば、中空糸膜54は、外周側において細孔径が小さく膜厚の薄い緻密な層と、内周側において物質の透過性が相対的に高く膜厚の厚い層とを有する構造である。
細孔58は、細孔径D1が大きすぎると中空糸膜54の内周側から外周側へと冷却液L1が透過しやすい。したがって、細孔58の細孔径D1から毛細管力を求め、この毛細管力よりも中空糸膜54の動作圧を低くすることで、冷却液L1が中空糸膜54の内周側から外周側へ透過することを抑制できる。中空糸膜54の最も外周側における細孔58の細孔径D1(図4参照)が、たとえば0.1μm〜0.5μmであれば、中空糸膜54の動作圧を、上記したように所定の値(100kPa)とすればよい。
中空糸膜54の材料としては、たとえば、ポリスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、酢酸セルロースなどを挙げることができる。中空糸膜54の表面(外周面)には、冷却液L1および解離液L2の主成分である水に対する濡れ性の小さい(接触角の大きい)材料を用いることができる。水に対する濡れ性の小さい材料を用いることで、水が小径孔58を透過することを抑制できる。
第1実施形態では、図3A及び図3Bに示すように、細孔58内に重合体60がグラフト重合されて形成される。小径孔58Sが形成された部分(緻密な層)の厚みT1(図4参照)を0.5μm〜2.0μmとすれば、細孔58内に重合体60を容易にグラフト重合させることができる。
細孔58内にグラフト重合された重合体60には、さらに、冷却液中の金属イオン(本実施形態では銅イオン)と結合するキレート剤62を埋め込む。
具体的には、たとえば、中空糸膜54がポリエチレン製である場合、常温、窒素雰囲気下で、電子線を所定のビーム電圧(4〜8kV)で照射する。ついで、グリシジルメタクリレートの10%メタノール溶液に40℃で10〜60分浸漬させてグラフト重合し、グラフト重合体を得る。このグラフト重合体をイミノ二酢酸ナトリウムの0.425M水溶液に80℃で4〜24時間反応させて、キレート剤62を形成する(埋め込む)ことができる。
キレート剤62には、冷却液L1中の金属イオン(本実施形態では銅イオン100)が結合するため、冷却液L1中の金属イオンの量が減る。
解離液供給装置20は、解離液L2及び純水を貯留する解離液タンク64を有する。解離液ポンプ66は、解離液タンク64の解離液L2と純水のいずれか一方を、解離液供給経路68を通じて金属イオン除去装置12に送ることができる。金属イオン除去装置12の解離液L2及び純水は、解離液排出経路70から解離液排出容器72に排出される。
解離液L2は、ハウジング52の内部で、且つ中空糸膜54の外周側に供給される。解離液L2は、キレート剤62に結合した金属イオンをキレート剤62から解離する液体である。キレート剤62に結合した金属イオンが解離液L2によってキレート剤62から解離されるので、中空糸膜54の外周側ほど金属イオンの濃度が低下する。すなわち、細孔58内では、図3Aに示す矢印S1方向に向かって、金属イオンの濃度が漸減する濃度勾配が生じる。また、細孔58内では、この濃度勾配により、金属イオン(銅イオン100)は矢印S1方向へと移動する。
解離液L2としては、酸(たとえば塩酸、リンゴ酸、マレイン酸、クエン酸)及び、これらの酸が塩の形をとったもの(たとえばクエン酸の塩化合物であるクエン酸ナトリウムや硝酸などの無機塩)の水溶液を用いることができる。
次に、本実施形態の作用を説明する。なお、以下では、冷却液L1から除去する金属イオンとして、銅イオン100を例示する。
冷却液ポンプ28を駆動すると、図1に示すように、冷却液L1が第1経路22内で矢印F1に循環する。電子装置16(冷却対象)の熱が冷却板38を介して作用した冷却液L1は、冷却部32の下流側に流れ、熱交換器30により冷却される。
第1経路22には、異なる金属製の部材がある。たとえば、熱交換器30における冷却液L1との接触部分は銅あるいは銅合金製であり、冷却板38はアルミニウムあるいはアルミニウム合金製である。また、第1経路22の一部も銅あるいは銅合金製とされることがある。本実施形態では、冷却液L1が銅に対する腐食防止剤及びアルミニウムに対する腐食防止剤を含有しているので、冷却液L1と接触する銅部分及びアルミニウム部分の腐食を抑制できる。
冷却液L1には、熱交換器30や第1経路22における冷却液L1との接触部分から溶け出した銅イオンが含まれることがある。また、冷却板38から溶け出したアルミニウムイオンが含まれることがある。
熱交換器30で冷却された冷却液L1は、分岐部40において、第1経路22から第2経路42に分かれて流れる。第2経路42では、冷却液タンク26に冷却液L1が直接流入するが、第1経路22では、金属イオン除去装置12内に冷却液L1が送られる。
図2に示すように、金属イオン除去装置12内では、中空糸膜54の内周側を冷却液L1が通過する。
図3Aに示すように、中空糸膜54の細孔58にはキレート剤62が埋め込まれているので、冷却液L1中の銅イオン100がキレート剤62に結合する。中空糸膜54の内周側を冷却液L1が通過するにしたがって、冷却液L1の銅イオン100の濃度が低くなる。
図1に示すように、冷却液タンク26の下流側では、第1経路22を循環する冷却液L1の銅イオン濃度が、濃度センサ48で検知される。そして、銅イオン濃度が所定値以上になると、制御装置50は、解離液ポンプ66を駆動制御し、解離液L2を金属イオン除去装置12に送る。
このように、中空糸膜54の外周側では、解離液L2が供給されると、キレート剤62に結合した金属イオンが、解離液L2によってキレート剤62から解離される。そして、細孔58内では、図3Aに示す矢印S1方向に向かって、銅イオン100の濃度が漸減する濃度勾配が生じる。この濃度勾配により、図3Bに示すように、銅イオン100はキレート剤62の間を矢印S1方向へと移動しやすくなる。そして、中空糸膜54の内周側では、あらたに銅イオン100がキレート剤62と結合する。このように、銅イオン100が矢印S1方向へ移動することで、冷却液L1から銅イオン100を連続的に減少させることができる。
銅イオン100が減少された冷却液L1では、腐食防止剤は減少されていないので、相対的に腐食防止剤の量が銅イオン100よりも多くなる。このように腐食防止剤を主に含む冷却液L1が、冷却液タンク26に戻る。そして、第2経路42を流れた冷却液L1と混合される。
これに対し、銅イオン濃度が所定値に満たない場合は、制御装置50は解離液ポンプ66を駆動制御し、純水を金属イオン除去装置12に送る。この場合であっても、金属イオン除去装置12を通過した冷却液L1は、冷却液タンク26に戻る。そして、第2経路42を流れた冷却液L1と混合される。なお、銅イオン濃度が、再度所定値以上になると、制御装置50は、解離液ポンプ66を駆動制御し、解離液L2を金属イオン除去装置12に送る。
以上のように、本実施形態では、冷却液L1が中空糸膜54の内周側を通過するときに、細孔58に埋め込まれたキレート剤62に銅イオン100が結合される。細孔58にキレート剤62を埋め込むので、たとえば単なる管の内周部にキレート剤を埋め込む構造と比較して、キレート剤62の面積、すなわち、銅イオン100が結合する部分が広い。このため、冷却液L1から効率的に銅イオン100を除去することができる。
本実施形態では、冷却液L1中の銅イオン100を除去するが、腐食防止剤は冷却液L1中に残る。すなわち、冷却液L1中の腐食防止剤の量を、あらたに腐食防止剤を供給することなく、一定量以上に維持することが容易である。
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態において、液冷装置の全体的な構造は第1実施形態と同一であるので、図示を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同一の要素や部材については、同一符号を付して、詳細な説明を省略する。
第2実施形態の金属イオン除去装置80では、図5A及び図5Bに示すように、中空糸膜82の細孔58の小径孔58Sのみに、キレート剤62が埋め込まれる。換言すれば、大径孔58Lには、キレート剤62は埋め込まれない。
したがって、第2実施形態では、大径孔58Lにおいて、キレート剤62に銅イオン100が結合することがない。そして、図5Bに示すように、大径孔58Lで銅イオン100が滞留しない。このため、第2実施形態では、第1実施形態と比較して、小径孔58Sにおいて銅イオン100の外周側への移動速度が早くなり、銅イオン100が短時間で外周側へ達する。
第2実施形態において、小径孔58Sのみにキレート剤62を埋め込む構造は、たとえば、小径孔58Sのみに重合体60を重合させる構造により実現できる。
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態において、金属イオン除去装置は、第1実施形態または第2実施形態の金属イオン除去装置を採用できる。図6に示す例では、第1実施形態の金属イオン除去装置12を用いている。
第3実施形態の液冷装置90では、図6に示すように、解離液供給装置91の解離液排出経路70が解離液タンク64に接続される。解離液排出経路70には、解離液L2から銅イオン100を分離して除去する金属イオン分離装置92が設けられる。金属イオン分離装置92は、たとえば、ポルフィン化合物を用い、解離液L2を加熱及び加圧することで、銅イオン100をポルフィン化合物と錯体形成して冷却液L1から分離する構造を採り得る。銅イオン100の含有量が少なくなった解離液L2を解離液タンク64に戻すことで、解離液L2を循環させて再利用できる。
上記各実施形態では、中空糸膜54の細孔58として、外周側の大径孔58Lと内周側の小径孔58Sとを有する構造を挙げている。小径孔58Sは大径孔58Lよりも細孔径D1が小さいので、中空糸膜54の内周側から外周側への冷却液L1の透過を抑制できる。また、中空糸膜の内周側に、細孔径が大きい大径孔58Lが位置しているので、この大径孔58Lでは冷却液L1(除去対象液)の滞留を抑制できる。
上記各実施形態では、小径孔58Sに重合体60が重合されている。小径孔58Sに重合体60を形成すると、キレート剤62(キレート基)が重合体60に埋め込まれるため、キレート剤62を層として形成することが容易である。
本実施形態では、細孔58において冷却液L1に作用する毛細管力を求め、この毛細管力よりも小さい動作圧となるよう冷却液L1を中空糸膜54の内周側に送る。これにより、中空糸膜54の内周側から外周側への冷却液L1の透過を抑制できる。
上記各実施形態の液冷装置では、解離液供給装置20、91を有する。解離液供給装置20、91は、解離液L2を中空糸膜54、82の外周側に供給する。そして、キレート剤62と結合した銅イオン100(金属イオン)を、解離液L2によりキレート剤62から解離させる。これにより、細孔58内で、銅イオン100の濃度勾配を生じさせ、銅イオン100を中空糸膜54の内周側から外周側へ移動させることができる。銅イオン100を中空糸膜54の内周側から外周側へ移動させることで、冷却液L1からの銅イオン100の連続的な除去が可能である。
各実施形態の液冷装置は、循環装置18を有しており、電子装置16(冷却対象)と金属イオン除去装置12の間で冷却液L1を循環させる。これにより、あらたに冷却液L1を供給することなく、冷却液L1を繰り返し使用し電子装置16を冷却できる。
循環装置18は、第1経路22を有しており、第1経路22からは、金属イオン除去装置12をバイパスする第2経路42が分岐する。すなわち、第1経路22を分岐する簡単な構造で、冷却液L1を金属イオン除去装置12からバイパスさせることができる。
第1経路22にはバルブ46が設けられる。バルブ46の開度を調整することで、中空糸膜54での冷却液L1の動作圧を容易に調整できる。
第1経路22では、濃度センサ48により冷却液L1の銅イオン濃度を検知し、銅イオン濃度に基づいて、制御装置50が、解離液ポンプ66を駆動制御する。これにより、冷却液L1から銅イオン100を除去する場合には、確実に解離液L2を金属イオン除去装置12に送ることができる。冷却液L1から銅イオン100を除去しない場合等には、解離液L2を金属イオン除去装置12に送らないことで、解離液L2の使用量を抑制することも可能である。
上記では、冷却液から除去する金属イオンとして銅イオン100を挙げているが、他の金属イオン、たとえば、鉄、マンガン、鉛、カドミウム、コバルト、ニッケルなどの金属イオンを冷却液L1から除去する構造も採り得る。銅以外の金属イオンに対するキレート剤(キレート基)としては、アミドキシム基が挙げられる。
中空糸膜54の細孔58にアミドキシム基を形成するには、グリシジルメタクリレートが重合したグラフト鎖に、シアノ基を有する化合物を反応させてシアノ基を導入する。そして、これをアミドキシム化することによりキレート形成基(アミドキシム基)とする方法を採り得る。
上記のシアノ基を有する化合物は、例えば、イミノプロピオニトリルを使用することができる。イミノプロピオニトリル化によりグラフト鎖に導入されたシアノ基は、ヒドロキシルアミンと反応させることによりアミドキシム基とすることができる。
中空糸膜54の細孔58にアミドキシム基を形成するには、まず、中空糸膜54に電子線を照射することにより反応活性点を生成させる。次いで、グリシジルメタクリレートをメタノール溶媒中に10〜30%の濃度で10分〜1時間、40℃で反応させグラフト重合させる。このグラフト重合体に、イミノプロピオニトリルを80℃で12〜80時間反応させ、続いて3〜6%の塩酸ヒドロキシルアミン混合液(水/メタノール=1/1)中で1〜2時間反応させればよい。
各実施形態の液冷装置における冷却対象としては、上記したように、電子装置内の集積回路等の半導体部品が例として挙げられる。大型の電子計算機やサーバを対象とした大規模な液冷装置では、冷却液が流れる経路に金属部分と樹脂部分とが混在し、さらに、金属部分の材料としても、異種材料(銅、アルミニウム、ステンレス鋼など)が混在することがある。特に、金属部分において、銅をアルミニウムに置き換えて軽量化を図った構造を採り得る。そして、上記実施形態の液冷装置を用い、冷却液から金属イオンの一部又は全部を除去することで、異種金属間の電気的な相互作用を抑制できる。異種金属間の電気的な相互作用を抑制することで、冷却液が流れる経路の腐食を抑制できる。
金属イオン除去装置で金属イオンを除去する対象としての液は、上記した冷却液に限定されない。要するに、金属イオンを含む液に対して、金属イオン除去装置により、液中の金属イオンを除去できる。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の細孔を備えた多孔質の中空糸膜と、
前記細孔に埋め込まれ、金属イオンが結合するキレート剤と、
を有する金属イオン除去装置。
(付記2)
前記細孔が、
前記中空糸膜の内周側に位置する大径孔と、
前記中空糸膜の外周側に位置し細孔径が前記大径孔よりも小さい小径孔と、
を有する付記1に記載の金属イオン除去装置。
(付記3)
前記キレート剤が、前記小径孔にのみ埋め込まれている付記2に記載の金属イオン除去装置。
(付記4)
前記小径孔に重合体が重合されている付記2又は付記3に記載の金属イオン除去装置。
(付記5)
前記細孔において前記中空糸膜の内周側を通過する液に作用する毛細管力よりも小さい動作圧で前記液が前記中空糸膜の内周側に送られる付記1〜付記4のいずれか1つに記載の金属イオン除去装置。
(付記6)
前記金属イオンを解離液により前記キレート剤から解離させる付記1〜付記5のいずれか1つに記載の金属イオン除去装置。
(付記7)
複数の細孔を備えた多孔質の中空糸膜と、前記細孔に埋め込まれ、前記中空糸膜の内周側を通過する冷却液の金属イオンが結合するキレート剤と、を備えた金属イオン除去装置と、
冷却対象と前記金属イオン除去装置との間で前記冷却液を循環させる循環装置と、
を有する液冷装置。
(付記8)
前記循環装置が、
前記冷却液を前記冷却対象と前記金属イオン除去装置とに循環させる第1経路と、
前記第1経路から分岐し前記金属イオン除去装置をバイパスして前記第1経路に合流する第2経路と、
を有する付記7に記載の液冷装置。
(付記9)
前記第1経路の流路断面積を調整するバルブを有する付記8に記載の液冷装置
(付記10)
前記金属イオンを前記キレート剤から解離させる解離液を前記中空糸膜の外周側に供給する解離液供給装置を有する付記7〜付記9のいずれか1つに記載の液冷装置。
(付記11)
前記第1経路内の冷却液の金属イオン濃度を検知する濃度センサと、
前記濃度センサで検知された前記金属イオン濃度に基づいて前記解離液供給装置による前記解離液の供給を制御する制御装置と、
を有する付記10に記載の液冷装置。
(付記12)
前記解離液供給装置が、前記解離液から前記金属イオンを分離する金属イオン分離装置を有する付記11に記載の液冷装置。
12 金属イオン除去装置
14 液冷装置
18 循環装置
20 解離液供給装置
22 第1経路
42 第2経路
46 バルブ
48 濃度センサ
50 制御装置
54 中空糸膜
58 細孔
58L 大径孔
58S 小径孔
82 中空糸膜
60 重合体
62 キレート剤
80 金属イオン除去装置
90 液冷装置
91 解離液供給装置
92 金属イオン分離装置

Claims (4)

  1. 複数の細孔を備えた多孔質の中空糸膜と、
    前記細孔に埋め込まれ、金属イオンが結合するキレート剤と、
    を有し、
    前記細孔が、
    前記中空糸膜の内周側に位置する大径孔と、
    前記中空糸膜の外周側に位置し細孔径が前記大径孔よりも小さい小径孔と、
    を有し、
    前記キレート剤が、前記小径孔にのみ埋め込まれている金属イオン除去装置。
  2. 複数の細孔を備えた多孔質の中空糸膜と、前記細孔に埋め込まれ、前記中空糸膜の内周側を通過する冷却液の金属イオンが結合するキレート剤と、を備え、前記細孔が、前記中空糸膜の内周側に位置する大径孔と、前記中空糸膜の外周側に位置し細孔径が前記大径孔よりも小さい小径孔と、を有し、前記キレート剤が、前記小径孔にのみ埋め込まれている金属イオン除去装置と、
    冷却対象と前記金属イオン除去装置との間で前記冷却液を循環させる循環装置と、
    を有する液冷装置。
  3. 前記循環装置が、
    前記冷却液を前記冷却対象と前記金属イオン除去装置とに循環させる第1経路と、
    前記第1経路から分岐し前記金属イオン除去装置をバイパスして前記第1経路に合流する第2経路と、
    を有する請求項に記載の液冷装置。
  4. 前記金属イオンを前記キレート剤から解離させる解離液を前記中空糸膜の外周側に供給する解離液供給装置を有する請求項又は請求項に記載の液冷装置。
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