JP6229197B2 - 成型品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成型品およびその製造方法に関する。
航空機や自動車等の様々な分野において、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂を用いた成型品が広く用いられている。例えば、以下に示す成型品が挙げられる。
(i)炭素繊維に熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂を含浸したプリプレグを加熱加圧して得られる炭素繊維複合材料板の表面に、熱可塑性樹脂を射出成型して結合一体化した成型品(特許文献1)。
(ii)熱可塑性樹脂層の両面に繊維強化熱可塑性樹脂層が配置されたシート状の成型材料を、型によって表面形状が使用者の足裏の形状に一致するように加熱成型した中敷き(特許文献2)。
ところで、航空機や自動車等に用いられる、表層の繊維強化熱可塑性樹脂層を有するシート状の成型品等では、強度を高める等の目的で、繊維強化熱可塑性樹脂層の表面に熱可塑性樹脂からなるリブやボス等の突起部が形成されることが多い。
このような突起部を有する成型品の製造方法としては、例えば、成型品(i)の製造のように、表層に繊維強化熱可塑性樹脂層を有する成型体の表面に熱可塑性樹脂を射出成型してリブやボス等の突起部を形成する方法が挙げられる。しかし、該方法は、繊維強化熱可塑性樹脂層を有する成型体の成型と、突起部の射出成型とを別々に行う必要があるため製造が煩雑である。また、該方法では、得られた成型品において突起部の強度が充分に得られ難いことがある。
また、成型品(ii)の製造方法は、シート状の成型材料の表面形状が所望の形状になるようにプレス成型するだけであるため、表面にリブやボス等の突起部を有する成型品は得られない。
特許第3098478号公報 米国特許第4778717号明細書
本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂層上に突起部を形成した成型品であって、製造が簡便で、かつ突起部の強度が高い成型品、および該成型品の製造方法を提供する。
本発明の成型品は、基体部および該基体部から突出する突起部を有する熱可塑性樹脂成型体と、前記基体部における少なくとも一部の表面に配置された繊維強化熱可塑性樹脂層と、を有し、前記繊維強化熱可塑性樹脂層を形成する強化繊維が炭素繊維からなる長繊維であり、前記突起部が前記繊維強化熱可塑性樹脂層を貫通して突き出ていることを特徴とする。
本発明の成型品では、前記基体部がシート状であり、前記繊維強化熱可塑性樹脂層が前記基体部の両面にそれぞれ配置されていることが好ましい
本発明の成型品の製造方法は、前記熱可塑性樹脂成型体の形成に用いる熱可塑性樹脂体の少なくとも一部の表面に前記繊維強化熱可塑性樹脂層が配置された成型材料を、型によって成型し、前記熱可塑性樹脂体の一部を前記繊維強化熱可塑性樹脂層の表面側へ流動させて前記突起部を形成する成型工程を有する方法である。
本発明の成型品の製造方法では、前記成型材料が、シート状の熱可塑性樹脂体の両面に
繊維強化熱可塑性樹脂層が配置された成型材料であることが好ましい
本発明の成型品は、繊維強化熱可塑性樹脂層上に突起部を形成した成型品であって、製造が簡便で、かつ突起部の強度が高い。
本発明の成型品の製造方法によれば、簡便に、突起部の強度が高い成型品が得られる。
本発明の成型品の一例を示した斜視図である。 図1の成型品のA−A断面図である。 図1の成型品の製造に用いる成型材料を示した断面図である。 本発明の成型品の製造に用いる金型の一例を示した断面図である。 図1の成型品の製造方法における成型工程を示した断面図である。 図1の成型品の製造方法における成型工程を示した断面図である。
<成型品>
以下、本発明の成型品の一例を示して詳細に説明する。
本実施形態の成型品1は、図1および図2に示すように、シート状の基体部12および基体部12から突出する突起部14を有する熱可塑性樹脂成型体10と、基体部12の両方の表面にそれぞれ配置された繊維強化熱可塑性樹脂層16,18と、を有する。
熱可塑性樹脂成型体10は、熱可塑性樹脂で形成された成型体であり、シート状の基体部12における繊維強化熱可塑性樹脂層16が配置された側の面に4つの突起部14が形成されている。
突起部14は、基体部12の表面に配置された繊維強化熱可塑性樹脂層16を貫通して突き出るように形成されている。突起部14の基端部側の繊維強化熱可塑性樹脂層16に埋もれている部分においては、突起部14を形成する熱可塑性樹脂と、繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する強化繊維および熱可塑性樹脂が混在している。
成型品1においては、このように熱可塑性樹脂成型体10の突起部14が繊維強化熱可塑性樹脂層16を貫通するように突き出して形成されているため、後述するように製造が簡便である。また、基体部12と突起部14が一体の熱可塑性樹脂成型体10となっているため、繊維強化熱可塑性樹脂層上に射出成型によって突起部を形成する場合等、突起部を独立して形成するに比べて、突起部14の強度が高い。
基体部12の形状は、この例では矩形であるが、矩形には限定されない。
基体部12の厚みは、特に限定されず、0.3〜10.0mmが好ましく、0.5〜3.5mmがより好ましい。基体部12の厚みが下限値以上であれば、高い強度が得られやすい。基体部12の厚みが上限値以下であれば、曲げ比強度に優れた成型体が得られやすい。
突起部14としては、例えば、リブ、ボス等が挙げられる。
突起部14の形状は、この例では略円錐状であるが、特に限定されない。突起部14の形状は、円柱状、四角註状断面矩形状、断面三角形状等であってもよく、突起部14の用途に応じて適宜決定すればよい。また、突起部14の高さも特に限定されず、突起部14の用途に応じて適宜決定すればよい。
また、突起部14の数は、この例では4つであるが、3つ以下でもよく、5つ以上でもよい。
熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等。)、ポリスチレン、ABS樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル、ポリアミド(ポリアミド6等。)、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、これら各樹脂の変性体を用いてもよい。
熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネートが好ましく、ポリプロピレン、ポリアミド6がより好ましい。
熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
また、熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂には、各種添加剤、フィラー、着色剤等が配合されてもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層16は、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸した繊維強化熱可塑性樹脂により形成された層である。この例では、繊維強化熱可塑性樹脂層16は、基体部12の一方の表面全体を覆うように配置されている。
なお、本発明では、繊維強化熱可塑性樹脂層は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、基体部における表面に部分的に配置されていてもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂として挙げたものと同じものが挙げられる。
繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネートが好ましく、酸変性ポリプロピレン、ポリアミド6がより好ましい。好ましい熱可塑性樹脂を用いることで、強化繊維として炭素繊維を用いた場合に、熱可塑性樹脂と繊維の間の界面強度をより高くすることが可能であり、成型体の強度がより高くなる。
繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する熱可塑性樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
また、繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する熱可塑性樹脂には、各種添加剤、フィラー、着色剤等が配合されてもよい。
また、繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂成型体10を形成する熱可塑性樹脂と同じでもよく、異なっていてもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する強化繊維は、長繊維が好ましい。特に、強化繊維は、繊維強化熱可塑性樹脂層16内において途切れのない連続した長繊維であることが好ましい。強化繊維が長繊維であれば、より高強度な成型品が得られやすい。
強化繊維が長繊維である繊維強化熱可塑性樹脂層16としては、例えば、一方向に引き揃えられた長繊維に熱可塑性樹脂が含浸されたシート、該シートを2枚以上積層した積層体等が挙げられる。前記シートを2枚以上積層する場合、それぞれのシートの長繊維の方向が交差するようにしてもよく、並行するようにしてもよい。
なお、繊維強化熱可塑性樹脂層16は、長繊維を一方向に引き揃えて熱可塑性樹脂を含浸したテープ状材料を製織してなるクロス材、強化繊維の織物に熱可塑性樹脂を含浸させたクロス材等により形成してもよい。
前記クロス材の織り方としては、例えば、平織、綾織、朱子織、三軸織等が挙げられる。
また、繊維強化熱可塑性樹脂層16に用いる強化繊維は、チョップされた短繊維であってもよい。例えば、熱可塑性樹脂に、短繊維が一本一本開繊された状態あるいは束の状態で分散されたシートにより繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成してもよい。
また、短繊維が一本一本開繊された状態あるいは束の状態で分散された熱可塑性樹脂を長繊維に含浸させたシートにより繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成してもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層16における強化繊維の体積含有率は、20〜60%が好ましく、30〜50%がより好ましい。前記強化繊維の体積含有率が下限値以上であれば、強度の高い成型品が得られやすい。前記強化繊維の体積含有率が上限値以下であれば、後述する成型の際に熱可塑性樹脂が繊維強化熱可塑性樹脂層16内を通過しやすくなり、安定して突起部14を形成しやすくなる。
繊維強化熱可塑性樹脂層16の厚さは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.2〜0.6mmがより好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂層16の厚さが下限値以上であれば、強度の高い成型品が得られやすい。繊維強化熱可塑性樹脂層16の厚さが上限値以下であれば、後述する成型の際に熱可塑性樹脂が繊維強化熱可塑性樹脂層16内を通過しやすくなり、安定して突起部14を形成しやすくなる。
繊維強化熱可塑性樹脂層18を形成する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂成型体10で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様は繊維強化熱可塑性樹脂層16の場合と同じである。繊維強化熱可塑性樹脂層18を形成する強化繊維としては、例えば、繊維強化熱可塑性樹脂層16で挙げたものと同じものが挙げられ、好ましい態様も同じである。
繊維強化熱可塑性樹脂層18における熱可塑性樹脂は、繊維強化熱可塑性樹脂層16における熱可塑性樹脂と同じであってもよく、異なっていてもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層18における強化繊維は、繊維強化熱可塑性樹脂層16における強化繊維と同じであってもよく、異なっていてもよい。
繊維強化熱可塑性樹脂層18における強化繊維の体積含有率は、20〜60%が好ましく、30〜50%がより好ましい。前記強化繊維の体積含有率が下限値以上であれば、強度の高い成型品が得られやすい。前記強化繊維の体積含有率が上限値以下であれば、曲げ比強度に優れた成型体が得られやすい。
繊維強化熱可塑性樹脂層18の厚さは、0.1〜1.0mmが好ましく、0.2〜0.6mmがより好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂層18の厚さが下限値以上であれば、強度の高い成型品が得られやすい。繊維強化熱可塑性樹脂層18の厚さが上限値以下であれば、曲げ比強度に優れた成型体が得られやすい。
以上説明した本発明の成型品においては、熱可塑性樹脂成型体における基体部と突起部が一体となっており、突起部が繊維強化熱可塑性樹脂層を貫通して突き出るように形成されているため、製造が簡便で、かつ突起部の強度が高い。
なお、本発明の成型品は前記した成型品1には限定されない。例えば、繊維強化熱可塑性樹脂層がシート状の基体部の片面のみに設けられた成型品であってもよい。
本発明の成型品としては、シート状の基体部とする場合、成型品が反り難く、またより高い強度が得られやすい点から、該基体部の両面にそれぞれ繊維強化熱可塑性樹脂層が設けられていることが好ましい。また、繊維強化熱可塑性樹脂層がシート状の基体部の両面に設けられる場合は、両面に突起部が形成された成型品であってもよい。
また、本発明の成型品は、シート状以外の形状を有する基体部を有するものであってもよい。
<成型品の製造方法>
以下、本発明の成型品の製造方法の一例として、成型品1の製造方法について説明する。成型品1の製造方法としては、例えば、下記の予熱工程および成型工程を有する方法が挙げられる。
予熱工程:図3に例示した、熱可塑性樹脂成型体10を形成するシート状の熱可塑性樹脂体10Aの両方の表面に、それぞれ繊維強化熱可塑性樹脂層16,18が配置された成型材料1Aを予熱する工程。
成型工程:予熱した成型材料1Aを、該成型材料1Aの予熱温度よりも低い温度に調温した金型100(図4)によって成型し、熱可塑性樹脂体10Aの一部を繊維強化熱可塑性樹脂層16の表面側へ流動させて突起部14を形成させる工程。
(予熱工程)
成型材料1Aにおける熱可塑性樹脂体10Aは、成型品1における熱可塑性樹脂成型体10を形成するものである。熱可塑性樹脂体10Aは、シート状であり、目的の成型品1の基体部12よりも厚みが厚くなっている。
成型材料1Aにおける繊維強化熱可塑性樹脂層16を形成する強化繊維は、強度の点から、長繊維が好ましい。繊維強化熱可塑性樹脂層18を形成する強化繊維についても同様である。
繊維強化熱可塑性樹脂層18上に、熱可塑性樹脂体10Aおよび繊維強化熱可塑性樹脂層16をこの順に積層して成型材料1Aとし、加熱装置により成型材料1Aを予熱する。
加熱装置としては、成型材料1Aを所望の温度に予熱できるものであればよく、例えば、赤外線加熱炉、電気オーブン、ホットプレート等が挙げられる。なかでも、加熱装置としては、赤外線加熱炉が好ましい。このように、予熱工程において成型材料1Aを赤外線加熱する方法は、成型材料1Aを内部まで均一に加熱しやすい点で有利である。
予熱温度は、用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、150〜450℃が好ましく、210〜250℃がより好ましい。
予熱時間は、成型材料1Aの厚み等によって適宜決定すればよい。
(成型工程)
成型工程に用いる金型100は、図4に示すように、下型110と上型112とを有する。金型100においては、下型110と上型112を型締めすることで、内部にキャビティ114が形成される。キャビティ114の形状は、成型品1の形状と相補的な形状になっている。
図5に示すように、下型110上に予熱した成型材料1Aを設置し、上型112を降下させて金型100を閉じて成型材料1Aをプレス成型する。成型工程は、予熱された成型材料1Aにおける熱可塑性樹脂体10Aが流動可能な温度を維持している状態で行う。
成型工程では、下型110と上型112によって、成型材料1Aの厚みが目的とする成型品1の基体部12の厚みとなるまでプレスされる。このとき、図6に示すように、熱可塑性樹脂体10Aの厚みが薄くされて基体部12が形成されると共に、熱可塑性樹脂体10Aの一部が繊維強化熱可塑性樹脂層16内の強化繊維間を流動して上型112側へと飛び出し、キャビティ114の形状に沿うように成型される。これにより、基体部12と、基体部12から繊維強化熱可塑性樹脂層16を貫通するように突き出た突起部14とを有する熱可塑性樹脂成型体10が形成される。
成型工程における金型100の温度は、前記予熱温度よりも低い温度であり、成型材料1Aがキャビティ114の形状に成型された状態で固化する温度に調温する。
金型100の温度は、用いる熱可塑性樹脂の種類によっても異なるが、60〜180℃が好ましく、100〜130℃がより好ましい。
成型工程における成型圧力、すなわち金型100の下型110と上型112によって成型材料1Aに加える圧力は、0.2〜50MPaが好ましく、3〜30MPaがより好ましい。
成型時間は、0.2〜10分間が好ましく、0.5〜3分間がより好ましい。
金型100内で成型材料1Aが固化した後に金型100を開き、成型品1を取り出す。
以上説明した本発明の成型品の製造方法は、基体部の表面に繊維強化熱可塑性樹脂層を設けたシート状成型体を成型した後に、該シート状成型体の表面に射出成型によって突起部を形成する場合に比べて、成型回数が少なくて済むため、成型品の製造が容易である。
また、本発明では、前記したように熱可塑性樹脂体の一部が繊維強化熱可塑性樹脂層の内部を流動して突起部が形成されるため、繊維強化熱可塑性樹脂層内の熱可塑性樹脂と共に強化繊維の一部が突起部に混入しやすい。このように、突起部に強化繊維が混入することで、突起部の強度がさらに高くなる。
なお、本発明の成型品の製造方法は、前記した成型品1の製造方法には限定されない。例えば、本発明の成型品の製造方法は、シート状の熱可塑性樹脂体の片面のみに繊維強化熱可塑性樹脂層を設けた成型材料を用いて、シート状の基体部の片面のみに繊維強化熱可塑性樹脂層が設けられた成型品を製造する方法であってもよい。
本発明の成型品の製造方法により、シート状の基体部を有する成型品を製造する場合は、得られる成型品が反り難く、またより高い強度の成型品が得られやすい点から、シート状の熱可塑性樹脂体の両面に繊維強化熱可塑性樹脂層が配置された成型材料を用いる方法が好ましい。
また、本発明の成型品の製造方法は、シート状以外の形状を有する基体部を有する成型品を製造する方法であってもよい。
また、本発明の成型品の製造方法では、成型材料を形成する熱可塑性樹脂体や繊維強化熱可塑性樹脂層をそれぞれ別々に加熱した後、成型工程に用いる型においてそれらを積層して成型材料を形成してもよい。
また、本発明の成型品の製造方法は、予熱工程を行わずに、成型工程において熱可塑性樹脂体を流動可能な温度まで加熱できる温度に調温された金型によってプレス成型し、該金型を冷却して成型材料を固化させた後に金型を開いて成型品を取り出す方法であってもよい。ただし、生産性の点から、本発明の成型品の製造方法は、前記した予熱工程および成型工程を有する方法が好ましい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[突起部の強度評価]
突起部をペンチで把持し、これを捻ることで突起部の根元を破壊し、これに要する力の度合いで突起部の強度を評価した。
[実施例1]
図3に例示した成型材料1Aの熱可塑性樹脂体10Aとして、ポリプロピレン(商品名「ノバテックPP FY4」、日本ポリプロ社製)からなる170mm×120mm×2.0mmのシート状の熱可塑性樹脂体を作成した。また、繊維強化熱可塑性樹脂層16,18として、炭素繊維(商品名「パイロフィル TR50S」、三菱レイヨン社製)からなる長繊維を一方向に引き揃えた強化繊維に酸変性ポリプロピレン(商品名「モディック P958V」、三菱化学社製)を含浸させ、これを直交積層することで、強化繊維の体積含有率が33%、170mm×120mm×0.25mmのシート状の繊維強化熱可塑性樹脂層を作成した。
次いで、得られた繊維強化熱可塑性樹脂層18、熱可塑性樹脂体10Aおよび繊維強化熱可塑性樹脂層16をこの順に積層して成型材料1Aとし、該成型材料1Aを赤外線加熱炉によって240℃に予熱した。その後、予熱した成型材料1Aを図4に例示した金型100の下型110上に移し、上型112を降下させて金型100を閉じてプレス成型し、成型品1を得た。該プレス成型における金型100の温度は130℃、成型圧力は22MPa、成型時間は2分とした。基体部12の厚みは1.0mm、突起部14の高さは5mmであった。
得られた成型品1は、突起部14の強度が高かった。
[比較例1]
熱可塑性樹脂体10Aの厚みを1.0mmとした以外は実施例1と同様の成型材料を作成し、金型により温度130℃、圧力22MPaの条件で加熱加圧して、170mm×120mm×1.5mmのシート状の成型体を得た。次いで、射出成型金型に前記成型体を設置し、シリンダー温度200℃、金型温度80℃の条件でポリプロピレン(商品名「ノバテックPP FY4」、日本ポリプロ社製)を射出成型し、前記成型体の繊維強化熱可塑性樹脂層上に突起部を形成し、成型品1と同様の形状の成型品を得た。
得られた成型品の突起部は、実施例1の成型品1の突起部14に比べて根元を破壊するのに要する力が小さくて済み、強度が劣っていた。
1 成型品
10 熱可塑性樹脂成型体
12 基体部
14 突起部
16,18 繊維強化熱可塑性樹脂層

Claims (4)

  1. 基体部および該基体部から突出する突起部を有する熱可塑性樹脂成型体と、前記基体部における少なくとも一部の表面に配置された繊維強化熱可塑性樹脂層と、を有し、
    前記繊維強化熱可塑性樹脂層を形成する強化繊維が炭素繊維からなる長繊維であり、
    前記突起部が前記繊維強化熱可塑性樹脂層を貫通して突き出ている、成型品。
  2. 前記基体部がシート状であり、前記繊維強化熱可塑性樹脂層が前記基体部の両面にそれぞれ配置されている、請求項1に記載の成型品。
  3. 請求項1に記載された成型品の製造方法であって、
    前記熱可塑性樹脂成型体の形成に用いる熱可塑性樹脂体の少なくとも一部の表面に前記繊維強化熱可塑性樹脂層が配置された成型材料を、型によって成型し、前記熱可塑性樹脂体の一部を前記繊維強化熱可塑性樹脂層の表面側へ流動させて前記突起部を形成する成型工程を有する、成型品の製造方法。
  4. 前記成型材料が、シート状の前記熱可塑性樹脂体の両面に繊維強化熱可塑性樹脂層が配置された成型材料である、請求項に記載の成型品の製造方法。
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