JP6228788B2 - 石炭ガス化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭ガス化装置に係り、特に、石炭ガス化炉を構成する圧力容器の内圧を制御する技術に関する。
石炭ガス化装置は、石炭やチャー等の炭素及び水素等の化合物を含有する固体燃料(以下、適宜、石炭と総称する。)を、熱分解や水性反応等により可燃性ガスに転換するガス化炉を備えて構成される。このような石炭ガス化装置は、可燃性ガスを燃料として発電するガスタービン・発電機と、ガスタービンの燃焼排ガスの熱を回収して蒸気を発生する排熱ボイラと、排熱ボイラで発生した蒸気で発電するスチームタービン・発電機を備えた石炭ガス化複合発電プラントに適用される。
石炭ガス化装置は、一般に、ガス化炉と、ガス化炉で生成された可燃性ガスの熱を回収する熱回収ボイラと、熱回収ボイラから排出される可燃性ガスをガスタービンなどの燃料として供給するガス精製装置を備えて構成される。ガス化炉は、バーナから供給される石炭の一部を酸素又は空気などの酸化剤と反応させ、その反応熱により石炭を熱分解等するガス化部と、ガス化部で生成された可燃性ガスの熱の一部を回収する熱回収部と、ガス化部で溶融されて流下するガス化残渣の溶融スラグを水冷固化するクエンチ部と、これらの全体を収容する圧力容器を備えて構成されている。
ガス化炉の圧力容器は、可燃性ガスの圧力を高圧化するとともに、ガス化部及び熱回収部の水冷壁を含む耐熱壁の耐圧強度を満たすために設けられる。つまり、ガス化部及び熱回収部の耐熱壁と圧力容器の内壁との間に形成される空間(以下、隔壁部という。)の圧力を可燃性ガスの圧力と同等に保持して、耐圧強度が小さいガス化部及び熱回収部の耐熱壁を保護している。また、ガス化炉の後流側に設けられる熱回収ボイラも高温、高圧の可燃性ガスが流通される水冷壁を備えて形成されることから、全体を圧力容器内に収容し、水冷壁と圧力容器の内壁との間に形成される隔壁部をガス化炉の隔壁部に連通させて、隔壁部の圧力を可燃性ガスの圧力と同等に保持するようにしている。
ここで、圧力容器の隔壁部の圧力を可燃性ガスの圧力と同等にするために、従来、ガス化炉の熱回収部の出口部の可燃性ガスの流路壁に開口を設けて隔壁部に連通させることが行われている(特許文献1)。さらに、同文献によれば、熱回収部の出口部の開口から隔壁部に腐食性ガスを含む可燃性ガスが流入すると圧力容器の内面が腐食されるので、圧力容器の内面に防食コーティング等を施している。特に、同文献では、防食コーティング等の防食面積を少なくするために、熱回収部の出口部に設けた開口の近くに仕切板を設けて隔壁部を連通隔壁部と絶縁隔壁部とに区分し、可燃性ガスの流入を連通隔壁部に限定している。そして、絶縁隔壁部には窒素ガスなどの腐食性がない窒素(N2)等の隔壁ガスを供給することを提案している。また、絶縁隔壁部の圧力を可燃性ガス圧力と同等に保持するため、連通隔壁部と絶縁隔壁部の差圧を計測し、絶縁隔壁部の圧力が高い場合は絶縁隔壁部の隔壁ガスを外部に放出し、絶縁隔壁部の圧力が低い場合は絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給することを提案している。
実開平5−81258号公報
ところで、特許文献1では、ガス化炉内の熱回収部に相当する蒸発器と、この蒸発器が収容された圧力容器との間に隔壁部が形成されているが、ガス化部に相当するガス化室を圧力容器内に収容するという記載はない。つまり、ガス化室の周囲には圧力容器との間に空間の隔壁部が形成されていないから、ガス化室を構成する耐熱壁の耐圧をどのように確保しているのか明らかではない。
一般に、ガス化炉内のガス化部は、石炭のガス化残渣(灰等)を溶融させるために高温に保持されるから、筒状の水冷壁の内面に耐熱材を張り付けた耐熱壁を有して形成される。また、ガス化部に続く熱回収部も同様の耐熱壁を有して形成される。これらの耐熱壁を構成する水冷壁が腐食等により損傷されると、ガス化部の高温ガスや高温の可燃性ガスが隔壁部に噴出し、耐熱性が低い圧力容器が損傷してしまうおそれがある。そこで、隔壁部の圧力をガス化部の高温ガスや可燃性ガスの圧力よりも高く保持して、水冷壁が損傷しても高温ガス等が隔壁部に噴出しないようにすることが要求される。特に、ガス化炉内の温度は、石炭を部分燃焼させるガス化部が最も高温であり、ガス化部よりも上部の熱回収部では可燃性ガスの温度が熱回収されて比較的低下する。したがって、ガス化部に対応する位置の隔壁部の圧力を高温ガスの圧力よりも高く保持することが望まれる。言い換えれば、ガス化部等を構成する耐熱壁の内外差圧を許容差圧範囲内に保持するように、隔壁部の圧力を制御することが望まれる。
一方、ガス化炉の可燃性ガスの圧力は、定常時の運転においても、石炭の供給量の変動、可燃性ガス精製装置に設けられるフィルタの逆洗時、可燃性ガス中のチャーを捕集してガス化部に供給する際、ガスタービンのトリップ、等々により変動する。このような可燃性ガス圧力の変動に合わせて、隔壁部の圧力をガス化部内よりも高く保持する必要があるが、特許文献1等には定常時の可燃性ガス圧力の変動に合わせて速やかに隔壁部の圧力を制御することについては配慮されていない。
さらに、石炭ガス化装置の起動時においては、石炭ガス化装置の各部を定常時の圧力に昇圧して起動する。その昇圧時にも隔壁部の圧力を、ガス化部、熱回収部及び熱回収ボイラの可燃性ガス流路の圧力上昇に合わせて昇圧する必要がある。また、石炭ガス化装置の停止時においても、可燃性ガス流路のガスを抜いて脱圧することになるが、その脱圧時に隔壁部の圧力を可燃性ガス流路の脱圧に合わせて減圧する必要がある。しかし、特許文献1等の従来技術では、石炭ガス化装置の昇圧時及び脱圧時における隔壁部の圧力制御については具体的に記載されていない。特に、石炭ガス化装置の昇圧及び脱圧に要する時間を短縮することができる隔壁部の圧力制御法については、何ら配慮されていない。
本発明が解決しようとする第1の課題は、定常時の可燃性ガスの圧力変動に対応して、圧力容器の隔壁部の圧力を速やかに制御してガス化部等の耐熱壁を保護することができる石炭ガス化装置を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする第2の課題は、第1の課題に加えて、ガス化部等の耐熱壁を保護しつつ起動時の昇圧及び停止時の脱圧の時間を短縮することができる石炭ガス化装置を提供することにある。
第1の課題を解決する本発明の第1の態様は、石炭を酸化剤との反応熱により可燃性ガスに転換するガス化部と、ガス化部の上部に配置され前記可燃性ガスの熱の一部を回収する熱回収部と、前記ガス化部の下部に配置され前記ガス化部で溶融されて流下するガス化残渣の溶融スラグを水冷固化するクエンチ部とを圧力容器に収容してなるガス化炉と、前記熱回収部から排出される可燃性ガスの熱を回収して水蒸気を発生させる蒸気発生部を圧力容器に収容してなる熱回収ボイラとを備え、前記ガス化炉の圧力容器の上部を前記熱回収ボイラの圧力容器の上部に連通し、前記熱回収ボイラの蒸気発生部の可燃性ガスの出側を前記熱回収ボイラの圧力容器内に開口してなる石炭ガス化装置を基本構成とする。特に、前記ガス化部及び前記熱回収部の外壁と前記圧力容器の内壁とで挟まれる空間と、前記蒸気発生部の外壁と前記圧力容器の内壁とで挟まれる空間の一方を仕切板で仕切り、該仕切板の可燃性ガスの上流側に対応する空間を絶縁隔壁部とし下流側に対応する空間を連通隔壁部として形成し、前記絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給して圧力を制御する圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第1の制御弁ユニットと、前記絶縁隔壁部と前記連通隔壁部とを連通する管路に介装された圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第2の制御弁ユニットと、前記絶縁隔壁部の隔壁ガスの圧力と前記熱回収部の可燃性ガスの圧力との差圧を検出する差圧センサと、該差圧センサにより検出された検出差圧を予め設定された許容差圧範囲に抑えるように第1の制御弁ユニットと第2の制御弁ユニットの少なくとも一方を制御する隔壁部圧力制御装置と備えてなることを特徴とする。
まず、本発明の基本構成によれば、ガス化炉の圧力容器の上部熱回収ボイラの圧力容器の上部に連通しているから、それらの圧力容器の隔壁部が連通され、かつそれらの圧力容器の隔壁部に蒸気発生部の可燃性ガスの出側が開口しているから、蒸気発生部から流出される可燃性ガスは、熱回収ボイラの圧力容器に隔壁部を介してガス化炉の圧力容器の隔壁部に流入可能である。このとき、可燃性ガスの圧力は蒸気発生部を流通する際の圧損でガス化炉内の可燃性ガスの圧力よりも低くなるから、ガス化部等の耐熱壁が損傷して可燃性ガスが隔壁部に吹き出すのを抑えることができない。
そこで、本発明では、ガス化炉の圧力容器又は熱回収ボイラの圧力容器の一方の隔壁部を仕切板で仕切り、その仕切板の可燃性ガスの上流側に対応する空間を絶縁隔壁部とし、下流側に対応する空間を連通隔壁部とに区分する。すなわち、可燃性ガス流路から絶縁された隔壁部である絶縁隔壁部と、可燃性ガス流路に連通した隔壁部である連通隔壁部とに区分する。そして、絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給して圧力を制御する圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第1の制御弁ユニットを設けているから、絶縁隔壁部の隔壁ガスの圧力を可燃性ガスの圧力よりも、少なくとも高く保持するように制御することができる。
しかし、絶縁隔壁部の圧力が可燃性ガスの圧力よりも高くなりすぎると、ガス化部や熱回収部あるいは蒸気発生部の水冷壁等がつぶされるおそれがある。そこで、本発明では、絶縁隔壁部と連通隔壁部とを連通する管路に圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第2の制御弁ユニットを介装し、絶縁隔壁部の圧力が可燃性ガスの圧力よりも高くなりすぎた場合は、第2の制御弁ユニットを制御して絶縁隔壁部の圧力を連通隔壁部に逃すことにより、ガス化部や熱回収部あるいは蒸気発生部の水冷壁等が損傷されるのを防止できる。
すなわち、本発明の隔壁部圧力制御装置は、絶縁隔壁部の隔壁ガスの圧力と熱回収部の可燃性ガスの圧力との差圧を検出する差圧センサにより検出された検出差圧と、予め設定された許容差圧範囲を比較し、検出差圧が許容差圧範囲に収まるように第1の制御弁ユニットと第2の制御弁ユニットの少なくとも一方を制御する。特に、第2の制御弁ユニットは、圧力調整弁と開閉弁とを並列接続して構成されるから、定常時の可燃性ガスの圧力変動が比較的小さいときは、圧力調整弁の開度を調整して絶縁隔壁部の圧力を燃性ガスの圧力変動に精度よく追従させることができる。一方、定常時の可燃性ガスの圧力変動が比較的大きいときは開閉弁を開閉(オン、オフ)制御して、速やかに絶縁隔壁部の圧力を燃性ガスの圧力変動に追従させることができる。つまり、本発明によれば、定常時の可燃性ガスの圧力変動に対応して、ガス化部等の耐熱壁の内外差圧を許容差圧範囲に保持するように、圧力容器の隔壁部の圧力を速やかに制御することができる。
ここで、石炭ガス化装置は、石炭の供給量の変動、可燃性ガス精製装置に設けられるフィルタの逆洗時、可燃性ガス中のチャーを捕集してガス化部に供給する際、ガスタービンのトリップ、等々により変動する。このような可燃性ガス圧力の変動に合わせて、隔壁部の圧力をガス化部内よりも高く保持する必要がある。この点、本発明の隔壁部圧力制御装置は、前記検出差圧が前記許容差圧範囲の下限以下のときは、第1の制御弁ユニットを制御して前記絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給することにより前記検出差圧を前記許容差圧範囲内に抑えることができる。また、前記検出差圧が前記前記許容差圧範囲の上限以上のときは、第2の制御弁ユニットを制御して前記絶縁隔壁部の隔壁ガスを前記連通隔壁部に放出することにより、前記検出差圧を前記許容差圧範囲内に抑えることができる。なお、連通隔壁部に放出された隔壁ガスは、熱回収ボイラの圧力容器内に開口された蒸気発生部の可燃性ガスの出側から、可燃性ガス流路内に放出される。このように、本発明によれば、定常時の可燃性ガス圧力の微小な変動に合わせて、速やかに絶縁隔壁部の圧力をきめ細かく制御することができるから、石炭ガス化装置の安定運転の信頼性を確保することができる。
本発明において、前記仕切板は、前記ガス化炉の前記熱回収部に対応する前記空間を仕切って設けることができる。また、これに代えて、前記仕切板は、前記蒸気発生部の前記開口に近い前記蒸気発生部に対応する前記空間を仕切って設けることができる。前者によれば、後者に比べて絶縁隔壁部の空間容積を小さくできるから、絶縁隔壁部の圧力の制御の応答速度を高くでき、可燃性ガスの圧力が変動しやすく、かつ高温のガス化部の水冷壁を含む耐熱壁の耐圧性を信頼性よく保護することができる。後者によれば、熱回収ボイラの蒸気発生器の水冷壁の耐圧性を十分に確保することができる。
第2の課題を解決する本発明の第2の態様は、第1の態様に加えて、さらに、第2の制御弁ユニットに並列に前記開閉弁の口径よりも大口径の大容量開閉弁を設けたことを特徴とする。特に、前記隔壁部圧力制御装置は、当該石炭ガス化装置の起動時又は停止時に前記ガス化炉の可燃性ガス流路に供給されるガスの昇圧又は前記ガス化炉の可燃性ガス流路のガスの脱圧に合わせて、第2の制御弁ユニットの大容量開閉弁を開閉して前記連通隔壁部のガスを前記絶縁隔壁部に供給する構成とする。
すなわち、石炭ガス化装置は、起動時にガス化炉及び熱回収ボイラ、さらにはガス精製装置を含む一定の可燃性ガス流路の圧力を運転時の圧力に昇圧した後に、起動バーナに点火して石炭ガス化を開始する。起動時の昇圧は、できるだけ短時間で行うことが望ましいことから、ガス化部に石炭を気流搬送により供給する複数のバーナを介して、起動用の不活性ガス、例えば、N2ガスをガス化部から供給して可燃性ガス流路内に急速に充填することが行われる。このとき、圧力容器の隔壁部には、熱回収ボイラの蒸気発生部の出側の開口からN2ガスが連通隔壁部に流入し、連通隔壁部の圧力を可燃性ガス流路内の昇圧レートと同様のレートで昇圧可能である。しかし、絶縁隔壁部は、仕切板で連通隔壁部と仕切られているから、連通隔壁部と同様に昇圧することはできない。
ところで、本発明の第1の態様では、定常時には、第1の制御弁ユニットの開閉弁及び圧力制御弁を開いて絶縁隔壁部に隔壁ガス(例えば、N2ガス)を供給することが可能である。しかし、定常時用の隔壁ガス源の容量では絶縁隔壁部の昇圧レートが不十分なおそれがある。そこで、これに加えて、十分な容量を有する起動用の不活性ガス源(例えば、N2ガス源)から連通隔壁部と第2の制御弁ユニットの開閉弁を通して、絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給すれば、その分だけ絶縁隔壁部の昇圧レートを高めることができる。ところが、第2の制御弁ユニットの開閉弁は通常時の可燃性ガスの微小な圧力変動を速やかに抑制するために、口径が小さな開閉弁が好ましいことから、起動時の昇圧レートを高めるほどの流量を流すことができない。
そこで、本発明の第2の態様では、第2の制御弁ユニットの開閉弁に比べて、大口径開閉弁を並列に設け、起動時の昇圧時に第2の制御弁ユニットの大口径開閉弁を開くことにより、連通隔壁部から大口径開閉弁を通して大量のN2ガスを絶縁隔壁部に供給して、昇圧レートを高めるようにしている。勿論、隔壁部圧力制御装置は、差圧センサにより検出された検出差圧と、予め設定された許容差圧範囲を比較し、検出差圧が許容差圧範囲に収まるように第1の制御弁ユニットと、第2の制御弁ユニットの大口径開閉弁を制御することは言うまでもない。これにより、起動時の昇圧時間を短縮することができる。
一方、石炭ガス化装置を停止する際、ガス化炉及び熱回収ボイラ、さらにはガス精製装置を含む一定の可燃性ガス系内に充填されている可燃性ガスの圧力をグランドフレアに放出して焼却処理しながら脱圧する。脱圧により一定の圧力(例えば、0.1〜0.2MPaG程度)に低下したときに不活性ガス(例えば、窒素ガス)によるパージを行うこともできる。また、ガス化運転を停止後に軽油バーナを焚く場合があるが、その場合は系内に軽油燃焼排ガスがある状態から脱圧する。このような脱圧に合わせて圧力容器の隔壁部の圧力を下げなければならない。この場合も、脱圧レートを高くして停止時間を短縮することが要求されるので、絶縁隔壁部の脱圧レートを高くすることが要請される。そのため、起動時の場合と同様に、第2の制御弁ユニットの大口径開閉弁を開くことにより、絶縁隔壁部から大口径開閉弁を通して大量の隔壁ガスを連通隔壁部に放出して脱圧レートを高める。この場合も、隔壁部圧力制御装置は、差圧センサにより検出された検出差圧と、予め設定された許容差圧範囲を比較し、検出差圧が許容差圧範囲に収まるように第2の制御弁ユニットの大口径開閉弁を制御することは言うまでもない。
本発明によれば、定常時の可燃性ガスの圧力変動に対応して、圧力容器の隔壁部の圧力を速やかに制御してガス化部等の耐熱壁を保護することができる石炭ガス化装置を提供することができる。
また、この効果に加えて、ガス化部等の耐熱壁を保護しつつ起動時の昇圧及び停止時の脱圧の時間を短縮することができる石炭ガス化装置を提供することができる。
本発明の実施例1の石炭ガス化装置の主要部の構成を示す図である。 絶縁隔壁部の圧力制御における許容差圧範囲の設定例を説明する図である。 実施例1の圧力制御の動作1を説明する図である。 実施例1の圧力制御の動作2を説明する図である。 本発明の実施例2の石炭ガス化装置の主要部の構成を示す図である。 実施例2の主要部の効果を説明する図である。 本発明の実施例1又は実施例2の変形例の特徴部の構成を示す図である。
以下、本発明の石炭ガス化装置を実施例に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施例1の石炭ガス化装置の主要部の系統構成図を示す。図示のように、実施例1の石炭ガス化装置は、石炭ガス化炉1と熱回収ボイラ2を備えて構成される。なお、熱回収ボイラ2から排出される可燃性ガス3は、図示していない可燃性ガス精製装置により精製されて、例えばガスタービン・発電機などの燃料ガスとして供給される。
石炭ガス化炉1は、石炭を酸化剤との反応熱により可燃性ガスに転換するガス化部4と、ガス化部4の上部に配置されてガス化部4で生成された可燃性ガスの熱の一部を回収する熱回収部5と、ガス化部4の下部に配置されてガス化部4で溶融されて流下するガス化残渣の溶融スラグを水冷固化するクエンチ部6とを圧力容器7内に収容して形成されている。ガス化部4は円筒状に形成され、外周部に複数の微粉炭バーナ8が設けられている。ガス化部4の外壁は、石炭のガス化残渣(灰等)を溶融させるために高温に保持されるから、筒状の水冷壁の内面に耐熱材を張り付けた耐熱壁を有し、さらに水冷壁の外側に保温材を巻いて形成されている。また、熱回収部5も円筒状の水冷壁の内面に耐熱材を張り付けた耐熱壁を有して形成されている。
微粉炭バーナ8には、図示していない石炭供給装置から、微粉炭が酸素又は空気などの酸化剤ガスにより気流搬送されるようになっている。また、一部の微粉炭バーナ8には、図示していない捕集装置により回収された可燃性ガスに含まれるチャーが、酸化剤ガスにより気流搬送されるようになっている。熱回収部5は、円筒状に形成されてガス化部4の上端に絞り部を介して連結され、頂部に連結された可燃性ガス管路9を介して可燃性ガスを熱回収ボイラ2に供給するようになっている。クエンチ部6は、円筒状の容器の底部に水を張って形成され、ガス化部4から流下する溶融スラグを水砕し、破砕スラグは図示していないスラグ破砕機により細かく砕かれた後、加圧下で図示していないスラグホッパにて受入れ、スラグホッパで一時貯留されたスラグ及び水は減圧後に間欠的に図示していないスラグ分離槽へ排出されるようになっている。
熱回収ボイラ2は、熱回収部5の頂部に連結された可燃性ガス管路9を介して導入される可燃性ガスの熱を回収して水蒸気を発生させる蒸気発生部10を圧力容器11内に収容して形成されている。ガス化炉1の圧力容器7と熱回収ボイラ2の圧力容器11は、可燃性ガス管路9を内包して形成された連結圧力管12により頂部同士が連通されている。蒸気発生部10は、統合ガス冷却器(SGC:Synthesis Gas Cooler)として形成されている。つまり、筒状の水冷壁の内部空間に伝熱管を配設し、筒内に高温の可燃性ガスを流通して水蒸気を発生するように形成されている。蒸気発生部10の下流端13は圧力容器10内に開口14で連通されている。
次に、本発明の特徴部に係る圧力容器の隔壁部の圧力制御に関する構成を説明する。本実施例では、ガス化部4及び熱回収部5の外壁と圧力容器7の内壁とで挟まれる空間が、可燃性ガスの流れ方向(図において下から上方向)に環状の仕切板15で仕切られている。仕切板15の可燃性ガスの上流側に対応する下部の空間を絶縁隔壁部16とし、下流側に対応する上部の空間を連通隔壁部17とされている。連通隔壁部17は、連結圧力管12を介して熱回収ボイラ2の圧力容器11の連通隔壁部18に連通されている。また、仕切板15には、周方向に複数のラプチャーディスク19が設けられている。ラプチャーディスク19は、何らかの事情により絶縁隔壁部16内の圧力が異常に上昇して、ガス化部4又は熱回収部5の耐熱壁が損傷するのを防止するために設けるもので、連通隔壁部17との差圧が設定圧力を越えたときに破裂するようになっている。
絶縁隔壁部16には、第1の制御弁ユニット20を介して隔壁ガス源であるN2ガスホルダ21が接続されている。第1の制御弁ユニット20は、圧力調整弁20aと開閉弁20bとを並列接続して形成されている。絶縁隔壁部16と連通隔壁部17は、第2の制御弁ユニット22を介して連通されている。第2の制御弁ユニット22は、絶縁隔壁部16と連通隔壁部17の連通管路に並列接続された圧力調整弁22aと開閉弁22bを介装して形成されている。絶縁隔壁部16のN2ガスの圧力P2と熱回収部5の可燃性ガスの圧力P1との差圧ΔPを検出する差圧センサ23が設けられている。差圧センサ23により検出された検出差圧ΔPを入力し、予め設定された許容差圧範囲に抑えるように第1の制御弁ユニット20と第2の制御弁ユニット22の少なくとも一方を制御する隔壁部圧力制御装置25が設けられている。また、本実施例では、連通隔壁部17に隔壁ガスであるN2ガスを供給する第3の制御弁ユニット26が設けられているが、第3の制御弁ユニット26は省略することができる。
次に、実施例1の定常時の動作について説明する。起動準備によってガス化部4、熱回収部5及び蒸気発生部10内を含む可燃性ガス系統は、不活性ガスである例えばN2ガスにより所定の圧力に昇圧される。このとき、連通隔壁部17は、蒸気発生部10の開口14から流出されるN2ガスにより昇圧される。また、絶縁隔壁部16は、第1の制御弁ユニット20を開いてN2ガスホルダ21から供給されるN2ガスにより昇圧される。さらに、これに加えて、第2の制御弁ユニット22を開いて連通隔壁部17のN2ガスを絶縁隔壁部16に供給して昇圧することもできる。
このようにして石炭ガス化装置の各部を定常時における圧力に昇圧した後、軽油などを燃料とする図示していない起動バーナを点火し、さらに微粉炭を微粉炭バーナ8に供給してガス化部4を起動する。これにより、微粉炭バーナ8から酸化剤ガスと共に供給される微粉炭はガス化部4において部分燃焼され、その燃焼熱により微粉炭は熱分解され、一酸化炭素と水素を含む可燃性ガスに転換される。生成された可燃性ガスは熱回収部5において水冷壁を流れる水を加熱して所定の温度に冷却された後、熱回収ボイラ2の蒸気発生部10において水蒸気を発生させて、可燃性ガス精製装置に送られる。
このような起動時及び定常運転時において、隔壁部圧力制御装置25は、絶縁隔壁部16のN2ガスの圧力P2を、ガス化部4及び熱回収部5の内部圧力P1との差圧ΔP(=P2−P1)を許容差圧範囲内に収まる値に制御する。許容差圧範囲は、目標差圧ΔP*に対して、±αの範囲を設定することにより、圧力制御のハンティングを回避して、安定に圧力制御を行うことができる。また、目標差圧ΔP*は、図2に示すように、差圧ΔP=(ΔP*+α)又は差圧ΔP=(ΔP*−α)がガス化部4及び熱回収部5の内外壁に作用しても、それらの水冷壁の許容耐圧を満たし、かつ、ガス化部4及び熱回収部5の水冷壁が損傷しても内部の可燃性ガスが噴出しない圧力を考慮して設定する。
このように許容差圧範囲を設定することにより、隔壁部圧力制御装置25は、差圧ΔPが(ΔP*−α)以下に低下したときは、第1の制御弁ユニット20を開いて絶縁隔壁部16にN2ガスを供給し、差圧ΔPを許容差圧範囲に抑えるように制御する。このとき、圧力制御弁20aと開閉弁20bのいずれを制御するかは、圧力変動の大きさ及び変化率によって使い分ける。つまり、圧力変動が大きいとき及び変化率が大きいときは開閉弁20bを開いて速やかに変動を抑え、圧力変動が小さいとき及び変化率が小さいとき、又は圧力変動が小さくなったとき、あるいは変化率が小さくなったときは、圧力調整弁20aできめ細かく変動を抑える。一方、差圧ΔPが(ΔP*+α)以上に上昇したときは、第2の制御弁ユニット22を開いて絶縁隔壁部16のN2ガスを連通隔壁部17に放出して、差圧ΔPを許容差圧範囲に抑えるように制御する。この場合も、圧力制御弁22aと開閉弁22bのいずれを制御するかは、第1の制御弁ユニット20の場合と同様の考え方による。
このように、本実施例によれば、ガス化炉1の圧力容器7の上部と熱回収ボイラ2の圧力容器11の上部を連通しているから、蒸気発生部10の開口14から流出される可燃性ガスが熱回収ボイラ2の圧力容器11の連通隔壁部18を介してガス化炉1の圧力容器7の連通隔壁部17に流入するから、連通隔壁部17、18の圧力を熱回収部5と蒸気発生部10の内部圧力とほぼ同等に保持可能である。このとき、連通隔壁部17の圧力は、可燃性ガスが蒸気発生部10を流通する際の圧損で、熱回収部5内の可燃性ガスの圧力よりも低くなるが、熱回収部5の可燃性ガスの温度はガス化部4に比べて低くなっているから、熱回収部5の水冷壁の耐圧強度はガス化部4に比べて高いので、仕切壁15の位置を考慮することにより、熱回収部5の水冷壁の損傷を回避することができる。
この点、本実施例では、ガス化部4及び熱回収部5の下部よりも高い位置に仕切板15を設けて絶縁隔壁部16を形成し、絶縁隔壁部16に隔壁ガスを供給して圧力を制御する圧力調整弁20aと開閉弁20bとを並列接続してなる第1の制御弁ユニット20を設けているから、絶縁隔壁部16のN2ガスの圧力を可燃性ガスの圧力よりも、少なくとも高く保持することができる。その結果、内部温度が高いガス化部4及び熱回収部5の下部の水冷壁の内外の差圧ΔPを正圧側に一定圧高く保持できるから、それらの水冷壁の耐圧強度を満たすことができ、かつそれらの水冷壁が損傷しても高温ガスが絶縁隔壁部16内に噴き出すのを防ぐことができる。
また、絶縁隔壁部16の圧力が可燃性ガスの圧力よりも高くなりすぎると、ガス化部4や熱回収部5がつぶされるおそれがあるが、本実施例によれば、隔壁部圧力制御装置が動作して第2の制御弁ユニット22を介して絶縁隔壁部16のN2ガスを連通隔壁部17に逃しているから、ガス化部4や熱回収部5の水冷壁等の損傷を防止できる。
また、第2の制御弁ユニット22は、圧力調整弁22aと開閉弁22bとを並列接続して構成されるから、定常時の可燃性ガスの圧力変動が比較的小さいときは、圧力調整弁22aの開度を調整して絶縁隔壁部16の圧力を可燃性ガスの圧力変動に精度よく追従させることができる。一方、定常時の可燃性ガスの圧力変動が比較的大きいときは開閉弁22bを開閉(オン、オフ)制御して、速やかに絶縁隔壁部16の圧力を燃性ガスの圧力変動に追従させることができる。つまり、定常時の可燃性ガスの圧力変動に対応して、ガス化部4等の耐熱壁の内外の差圧ΔPを許容差圧範囲ΔP*±αに保持するように、圧力容器7の絶縁隔壁部16の圧力を速やかに制御することができる。
図3及び図4に、第1の制御弁ユニット20と第2の制御弁ユニット22による絶縁隔壁部16の圧力制御の例を示す。図3(a)〜(g)は、熱回収部5の可燃性ガスの圧力P1の変動が比較的小さい、すなわち通常運転時の例である。同図(a)に示す圧力P1が、例えば2.6〜2.615[MPa]の範囲で変動すると、これに応じて差圧ΔPを同図(b)のように、例えば7.5〜15[kPa]の範囲に抑えるように隔壁部圧力制御装置25が動作する。すなわち、差圧ΔPの制御目標値ΔP*を「10」と設定したときにΔP=10+αを越えたときは、同図(f)に示すように第2の制御弁ユニット22の圧力調整弁22aが開いて、絶縁隔壁部16内のN2ガスを連通隔壁部17に排出して差圧ΔPを下げるように動作する。逆に、差圧ΔPがΔP*−αを下回ると、同図(d)に示すように第1の制御弁ユニット20の圧力調整弁20aが開いてN2ガスホルダー21から絶縁隔壁部16内にN2ガスを供給して差圧ΔPを上げるように動作する。同図(g)は、絶縁隔壁部16から連通隔壁部17に排出されるN2ガス流量の変化を示し、同図(e)は、N2ガスホルダー21から絶縁隔壁部16へ供給されるN2ガス流量の変化を示している。
図4(a)〜(g)は、ガスタービン(GT)トリップにより、熱回収部5の可燃性ガスの圧力P1の変動が比較的大きい場合の例である。この場合も、隔壁部圧力制御装置25は、差圧ΔPを同図(b)のように、例えば7.5〜15[kPa]の範囲に抑えるように動作する。いま、同図(a)の矢印で示したときにGTトリップが発生して可燃性ガスの圧力P1が急激に上昇したとする。これにより、差圧ΔPは正圧から負圧の方向に急激に減少するが、これに応答して同図(f)に示すように第1の制御弁ユニット20の開閉弁20bが開いてN2ガスホルダー21から絶縁隔壁部16内にN2ガスを供給して差圧ΔPを上げるように動作する。同図(g)は、絶縁隔壁部16から連通隔壁部17に排出されるN2ガス流量の変化を示し、同図(e)は、N2ガスホルダー21から絶縁隔壁部16へ供給されるN2ガス流量の変化を示している。
すなわち、石炭ガス化装置は、石炭の供給量の変動、可燃性ガス精製装置に設けられるフィルタの逆洗時、可燃性ガス中のチャーを捕集してガス化部に供給する際、ガスタービンのトリップ、等々により変動する。このような可燃性ガス圧力の変動に合わせて、絶縁隔壁部16の圧力をガス化部4内よりも高く保持する必要がある。この点、本実施例によれば、定常時の可燃性ガス圧力の微小な変動に合わせて、速やかに絶縁隔壁部16の圧力をきめ細かく制御することができるから、石炭ガス化装置の安定運転の信頼性を確保することができる。
本実施例において、仕切板15をガス化炉1のガス化部4及び熱回収部5の下部に対応する空間を仕切って絶縁隔壁部16を形成しているから、耐圧強度を保護すべき対象部をカバーして絶縁隔壁部16の容積を小さくすることができる。その結果、絶縁隔壁部16の圧力の制御の応答速度を高くでき、可燃性ガスの圧力が変動しやすく、かつ高温のガス化部4の水冷壁を含む耐熱壁の耐圧性を信頼性よく保護することができる。
図5に、本発明の実施例2の石炭ガス化装置の主要部の系統構成図を示す。本実施例が、実施例1と異なる点は、第2の制御弁ユニット32に、さらに開閉弁22bの口径よりも大口径の大容量開閉弁22cを並列に設け、大容量開閉弁22cを隔壁部圧力制御装置25により開閉制御するようにしたことにある。その他の点は、実施例1と同一であることから、各構成部品に同一の符号を付して説明を省略する。
石炭ガス化装置は、起動時にガス化炉1及び熱回収ボイラ2、さらには図示していないガス精製装置を含む一定の可燃性ガス流路の圧力を運転時の圧力に昇圧した後に、起動バーナに点火して石炭ガス化を開始する。起動時の昇圧は、できるだけ短時間で行うことが要請されることから、ガス化部4に微粉炭を気流搬送により供給する複数の微粉炭バーナ8を介して、起動用の不活性ガス(例えば、N2ガス)を複数の微粉炭バーナ8から供給して可燃性ガス系統内に急速に充填することが行われる。このとき、圧力容器7の連通隔壁部17には、熱回収ボイラ2の蒸気発生部10の出側の開口14からN2ガスが連通隔壁部17に流入し、連通隔壁部17の圧力を可燃性ガス系統内の昇圧レートと同様のレートで昇圧可能である。しかし、絶縁隔壁部16は、仕切板15で連通隔壁部17と仕切られているから、連通隔壁部17と同様には昇圧することができない。
ところで、本実施例1では、定常時には、第1の制御弁ユニット20を開いて絶縁隔壁部16にN2ガスを供給することが可能であるが、定常時用のN2ガス源の容量では絶縁隔壁部16の昇圧レートを十分に高くできない。そこで、十分な容量を有する起動用のN2ガス源から連通隔壁部17と第2の制御弁ユニット22の開閉弁22bを通して、絶縁隔壁部16にN2ガスを供給すれば、その分だけ絶縁隔壁部16の昇圧レートを高めることができる。ところが、第2の制御弁ユニット22の開閉弁22bは通常時の可燃性ガスの微小な圧力変動を速やかに抑制するために、口径が小さな開閉弁が好ましいことから、起動時の昇圧レートを高めるほどの流量を流すことができない。
そこで、本実施例では、第2の制御弁ユニット32の開閉弁22bに大口径開閉弁22cを並列に設けたのである。これにより、起動時の昇圧時に第2の制御弁ユニット32の大口径開閉弁22cを開くことにより、連通隔壁部17から大口径開閉弁22cを通して大量のN2ガスを絶縁隔壁部16に供給して、昇圧レートを高めることができる。そして、隔壁部圧力制御装置25は、差圧センサ23により検出された検出差圧ΔPと、予め設定された許容差圧範囲ΔP*±αとを比較し、検出差圧ΔPが許容差圧範囲ΔP*±αに収まるように第1の制御弁ユニット20と、第2の制御弁ユニット32の大口径開閉弁22cを制御する。これにより、例えば、図5に示すように、大口径開閉弁22cの口径を大きくすることにより、起動時の昇圧時間を大幅に短縮することができる。
さらに、石炭ガス化装置を停止する際には、ガス化炉1及び熱回収ボイラ2、さらには図示していないガス精製装置を含む一定の可燃性ガス系内に充填されている可燃性ガスの圧力をグランドフレアに放出して焼却処理しながら脱圧する。脱圧により一定の圧力(例えば、0.1〜0.2MPaG程度)に低下したときに不活性ガス(例えば、窒素ガス)によるパージを行うこともできる。また、ガス化運転を停止後に軽油バーナを焚く場合があるが、その場合は系内に軽油燃焼排ガスがある状態から脱圧する。このような脱圧に合わせて圧力容器7の絶縁隔壁部16の圧力を下げなければならない。この場合も、脱圧レートを高くして停止時間を短縮することが要請される。特に、絶縁隔壁部16の脱圧レートを高くすることが要請されるから、起動時の場合と同様に、第2の制御弁ユニット32の大口径開閉弁22cを開くことにより、絶縁隔壁部16から大口径開閉弁22cを通して大量のN2ガスを連通隔壁部17に放出して脱圧レートを高めることができる。隔壁部圧力制御装置25は、差圧センサ23により検出された検出差圧ΔPが、予め設定された許容差圧範囲ΔP*±αに収まるように第2の制御弁ユニット32の大口径開閉弁22cを制御することは言うまでもない。
以上説明したように、実施例2によれば、石炭ガス化装置の起動時の昇圧時間及び停止時の脱圧時間を短縮して、石炭ガス化装置の運用効率を向上することができる。
実施例1,2では、仕切板15を、熱回収器5の下部に対応する位置に設けたが、本発明はこれに限られるものではなく、図7に示すように、熱回収ボイラ2の蒸気発生部10の下端部13に対応する位置に仕切板35を設けることができる。この場合、第2の制御弁ユニット22又は32は、仕切板35挟んだ絶縁隔壁部36と連通隔壁部38を連通して設けることになる。これによれば、実施例1、2に比べて、熱回収ボイラ2の蒸気発生部10の水冷壁を含めて、耐圧性を十分に確保することができる。しかし、実施例1、2に比べて、絶縁隔壁部16の容積が大きくなるから、絶縁隔壁部16の圧力制御の応答速度を向上させるには、第1及び第2の制御弁ユニット20,32の圧力調整弁20a,22a及び開閉弁20b,22bの口径を大きくする必要がある。
1 ガス化炉
2 熱回収ボイラ
4 ガス化部
5 熱回収部
6 クエンチ部
7 圧力容器
8 微粉炭バーナ
9 可燃性ガス管路
10 蒸気発生部
11 圧力容器
12 連結圧力管
14 開口
15 仕切板
16 絶縁隔壁部
17 連通隔壁部
18 連通隔壁部
19 ラプチャーディスク
20 第1の制御弁ユニット
21 N2ガスホルダ
22 第2の制御弁ユニット
23 差圧センサ
25 隔壁部圧力制御装置
26 第3の制御弁ユニット

Claims (4)

  1. 石炭を酸化剤と反応させて可燃性ガスに転換するガス化部と、ガス化部の上部に配置され前記可燃性ガスの熱の一部を回収する熱回収部と、前記ガス化部の下部に配置され前記ガス化部で溶融されて流下する溶融スラグを水冷固化するクエンチ部とを第1の圧力容器に収容してなるガス化炉と、前記熱回収部から排出される可燃性ガスの熱を回収して水蒸気を発生させる蒸気発生部を第2の圧力容器に収容してなる熱回収ボイラと、前記熱回収部から排出される可燃性ガスを前記蒸気発生部に導く管路を内包し、前記第1の圧力容器の上部を前記第2の圧力容器の上部に連通する連結管路とを備え、前記蒸気発生部の可燃性ガスの出側を前記第2の圧力容器内に開口してなる石炭ガス化装置であって、
    前記ガス化部及び前記熱回収部の外壁と前記第1の圧力容器の内壁とで挟まれる空間を前記熱回収部の下部の位置にて仕切板で仕切り、該仕切板の可燃性ガスの上流側に対応する空間を絶縁隔壁部とし下流側に対応する空間を連通隔壁部として形成し、
    前記絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給して圧力を制御する圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第1の制御弁ユニットと、前記絶縁隔壁部と前記連通隔壁部とを連通する管路に介装された圧力調整弁と開閉弁とを並列接続してなる第2の制御弁ユニットと、前記絶縁隔壁部の隔壁ガスの圧力P2と前記熱回収部の可燃性ガスの圧力P1との差圧ΔP(=P2−P1)を検出する差圧センサと、該差圧センサにより検出された検出差圧を予め設定された正の許容差圧範囲に抑えるように第1の制御弁ユニットと第2の制御弁ユニットの少なくとも一方を制御する隔壁部圧力制御装置と備えてなることを特徴とする石炭ガス化装置。
  2. 請求項1に記載の石炭ガス化装置において、
    前記隔壁部圧力制御装置は、前記検出差圧が前記許容差圧範囲の下限以下のときは、第1の制御弁ユニットを制御して前記絶縁隔壁部に隔壁ガスを供給することにより前記検出差圧を前記許容差圧範囲内に抑え、
    前記検出差圧が前記許容差圧範囲の上限以上のときは、第2の制御弁ユニットを制御して前記絶縁隔壁部の隔壁ガスを前記連通隔壁部に放出することにより、前記検出差圧を前記許容差圧範囲内に抑えることを特徴とする石炭ガス化装置。
  3. 請求項に記載の石炭ガス化装置において、
    2の制御弁ユニットの前記開閉弁に並列に、前記開閉弁の口径よりも大口径の大容量開閉弁を設けてなることを特徴とする石炭ガス化装置。
  4. 請求項に記載の石炭ガス化装置において、
    前記隔壁部圧力制御装置は、当該石炭ガス化装置の起動時又は停止時に前記ガス化炉の可燃性ガス流路に供給されるガスの昇圧又は前記ガス化炉の可燃性ガス流路のガスの脱圧に合わせて、第2の制御弁ユニットの大口径の前記開閉弁を開閉して前記連通隔壁部のガスを前記絶縁隔壁部に供給することを特徴とする石炭ガス化装置。
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