JP6228682B2 - プロピレンの製造方法およびプロピレン製造用触媒 - Google Patents

プロピレンの製造方法およびプロピレン製造用触媒 Download PDF

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Description

本発明は、炭素数4〜10の低級オレフィンから触媒を用いてプロピレンを製造するプロプレンの製造方法と、このプロピレンの製造方法で用いられるプロピレン製造用触媒に関する。
石油化学における重要な基礎原料であるプロピレンは、今後とも堅調なベースで需要が伸びていくと予想されており、石油化学産業において、極めて重要な基礎化学原料である。現在、プロピレンの生産は、その約95%が、ナフサ等のスチームクラッキング法(ナフサクラッカー)と、FCC(Fluid Catalytic Cracking)法(重質油の流動接触分解によるガソリン基材の製造法)とにより製造されている。しかしながら、スチームクラッカーは無触媒であるために、分解には800〜900℃の高温を要し、かつ、過剰のスチームを投入するエネルギー多消費型のプロセスとなっている。
また、ナフサクラッカーの主生成物はエチレンであり、プロピレンは副生成物であることから、ナフサ原料の場合に、生成比率(重量)はエチレン/プロピレン=2/1で略固定されている。また、ガソリン基材を主生成物とする従来型のFCC法は、プロピレン収率が低く、例えば、4〜8wt%程度である点と、プラント建設費が高い点が難点である。これらのことから、プロピレンの需要拡大に対して供給が逼迫する懸念があり、効率の良いプロピレンの生成を目的としたプロピレンの製造技術が強く望まれている。
このようなプロピレンの製造を目的とする技術として、例えば、エチレンを含む原料混合物を、触媒と接触させてプロピレンを製造する方法が提案されている(例えば特許文献1および2参照)。
特開2014−47175号公報 特開2014−47176号公報
ところで、エチレンも石油化学における重要な基礎原料であり、エチレンを多く含む炭化水素原料以外の原料を用いてプロピレンを製造することが好ましい。
例えば、ナフサクラッカーやFCC法では、副産物としてC4〜C10の低級オレフィンを主成分とする留分を得ることができる。また、天然ガスや石炭をガス化したガスからディーゼル燃料等を得るGTL(Gas To Liquid)プロセス(例えば、フィッシャー・トロプシュ法による合成油の製造)においても、副産物として、C4〜C10の低級オレフィンを主成分とする留分を得ることができる。
C4〜C10の低級オレフィンは、エチレンやプロピレンに比較すると、産業上の重要度が低く、C4〜C10の低級オレフィンからプロピレンを製造することにより、十分に付加価値を付けることができる。
例えば、ゼオライト系触媒を用いて、C4〜C10の低級オレフィンからプロピレンを製造することが試みられている。このようなゼオライト系触媒は、炭化水素に対して分解(炭素鎖の切断)、脱水素、環化等を触媒することから、C4〜C10の低級オレフィンを分解して効率的に高い収率でプロピレンを生成することが可能である。しかし、プロピレンの生成と同時に、プロピレンを環化してベンゼン環を有する芳香族炭化水素を生成したり、C4〜C10の低級オレフィンを直接環化して、シクロヘキセン等の環状炭化水素を生成した後に脱水素してベンゼン環を有する芳香族炭化水素を生成したりする。
また、生成された芳香族炭化水素は、所謂コーク生成(コーキング)の要因となり、コーキングにより触媒を不活性化して触媒寿命を縮めてしまうという問題がある。この場合に、触媒を再生させながら運転できる流動床方式でのプロピレンの製造は可能であるが、運転中に触媒を再生できない固定床方式でのプロピレン製造が困難であり、現在、触媒を固定床方式で用いたプロピレンの製造は商業化されていない。また、流動床方式は建設コストが高く、運転操作も煩雑になることから普及し難い。
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、触媒を用いてプロピレンを製造する場合に、コーキングを抑制しつつ、C4〜C10の低級オレフィンを主成分とする炭化水素原料を用いることを可能とするプロピレンの製造方法およびこのプロピレンの製造方法で用いられるプロピレン製造用触媒を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のプロピレンの製造方法は、炭化水素原料から触媒を用いてプロピレンを製造するプロピレンの製造方法であって、
前記触媒として、ガリウムおよび鉄または鉄を含むとともに員環数が8〜12の骨格構造を有する結晶性アルミノシリケートであるゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒を用い、
前記炭化水素原料が炭素数4〜10の低級オレフィンを主成分とすることを特徴とする。
このような構成によれば、炭素数4〜10の低級オレフィンの分解をプロピレン製造用触媒により触媒し、炭素数3のオレフィンであるプロピレンを製造することができる。この際にガリウムおよび鉄または鉄を含むとともに員環数が8〜12の骨格構造を有する結晶性アルミノシリケートであるゼオライトにおいては、ガリウムおよび鉄または鉄を含むことにより、ゼオライトの酸点の酸強度が弱められ、炭素数4〜10の低級オレフィンが分解されてプロピレンになった後に、固体酸としてのゼオライトの酸点からプロピレンの離脱が起こり易く、プロピレンから芳香族炭化水素への反応を抑制できる。また、C4〜C10の低級オレフィンが酸点に留まり、これら低級オレフィンからシクロヘキセン等を経て芳香族炭化水素に至る反応を抑制できる。
これによりプロピレンの収率の向上を図るともに、芳香族炭化水素の生成を抑制することによりコークの生成を抑制してプロピレン製造用触媒の長寿命化を図ることができる。プロピレン製造用触媒の寿命を延ばすことにより、固定床方式の製造装置を実用化することが可能になる。
本発明の上記構成において、前記炭化水素原料を不活性ガスや水蒸気等の希釈剤で希釈して、前記プロピレン製造用触媒に供給し、
かつ、500℃〜600℃の温度領域で触媒反応を進行させることが好ましい。
このような構成によれば、ナフサクラッカーに比較して低温でプロピレンを製造することになり、エネルギー効率が高く、コストの低減を図ることができる。また、500℃〜600℃の温度領域で触媒反応を進行させることにより、芳香族炭化水素の生成量の増加を抑制しつつプロピレンを効率的に生成することができる。また、C4〜C10の低級オレフィンを主成分とする炭化水素原料を希釈剤で希釈して前記プロピレン製造触媒に接触させること、すなわち、希釈剤の共存下で上述の低級オレフィンをプロピレン製造用触媒に接触させることにより、コーキングを抑制できる。
また、本発明の前記構成のプロピレンの製造方法で用いられ、前記ゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒であって、
前記ゼオライトは、鉄およびガリウムを含む結晶性アルミノシリケートであり、
かつ、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対する珪素のモル数の組成比としての酸密度が12.0〜40.0であり、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対するガリウムのモル数の組成比が0.1〜0.4であり、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対する鉄のモル数の組成比が0.2〜0.6であることを特徴とする。
このような構成によれば、鉄およびガリウムを含む結晶性アルミノシリケートであるゼオライトの酸密度、ガリウムの組成比、鉄の組成比を上述の範囲とすることにより、プロピレン製造用触媒の固体酸であるゼオライトの酸量や酸強度をより適切なものとすることができ、さらにプロピレンの収率の向上を図るとともに、芳香族炭化水素の生成を抑制してプロピレン製造用触媒のさらなる長寿命化を図ることができる。
また、本発明の上記構成のプロピレンの製造方法で用いられ、前記ゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒であって、
前記ゼオライトは、鉄を含む結晶性アルミノシリケートであり、
かつ、鉄およびアルミニウムのモル数の和に対する珪素のモル数の組成比としての酸密度が12.0〜30.0であり、鉄およびアルミニウムのモル数の和に対する鉄のモル数の組成比が0.4〜0.7であることを特徴とする。
このような構成によれば、鉄を含む結晶性アルミノシリケートであるゼオライトの酸密度、鉄の組成比を上述の範囲とすることにより、プロピレン製造用触媒の酸点の酸強度をより適切なものとすることができ、さらにプロピレンの収率の向上を図るとともに、芳香族炭化水素の生成を抑制してプロピレン製造用触媒のさらなる長寿命化を図ることができる。
本発明の前記プロピレン製造用触媒は、前記ゼオライトを主成分とするとともに結合剤を用いて成形されることにより前記ゼオライトと前記結合剤とを含む複合体であることが好ましい。
このような構成によれば、例えば、ゼオライトを、結合剤を用いて使用し易い形状に成形することができることにより、機械的強度の向上や圧力損失の低減等を図ることができる。また、ゼオライトの外表面に結合剤が付いた状態となることにより、ゼオライトの外表面の酸点の触媒能が低減され、芳香族炭化水素の生成をさらに抑制することが可能になり、さらなる触媒の長寿命化を図ることができる。
本発明のプロピレンの製造方法およびプロピレン製造用触媒によれば、炭素数4〜10の低級オレフィンからプロピレン製造用触媒を用いて効率的にプロピレンを製造することができるとともに、芳香族炭化水素の生成を抑制して、プロピレン製造用触媒の長寿命化を図ることができる。これにより、C4〜C10の低級オレフィンを副産物として生じる設備に、本発明のプロピレン製造方法を用いた省エネ型の固定床方式(固定床接触分解法)によるプロピレン製造設備を併設することが可能になり、需要に対応して低コストでプロピレンを増産することができる。
本発明におけるプロピレン製造用触媒としての実施例1、実施例2、比較例1の物性(組成比)を説明するための図である。 実施例1、実施例2、比較例1のNH−TPDスペクトルを示すグラフである。 実施例1、実施例2、比較例1のNH−TPD測定による酸性質評価を説明するための図である。 実施例1、実施例2、比較例1のプロピレン生成の性能比較(窒素共存下)を説明するための図である。 実施例1、実施例3のオレフィン含有率の異なる原料を用いた場合の性能比較を説明するための図である。 実施例4、実施例5の性能比較(水蒸気共存下)を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本実施の形態においては、炭素数4〜10(C4〜C10)の低級オレフィンからプロピレンを製造するプロピレンの製造方法に用いられるプロピレン製造用触媒と、このプロピレンの製造方法を説明する。
この実施の形態のオレフィンの製造方法に用いられるオレフィン製造用触媒は、鉄元素(Fe)を含む8〜12員環の骨格構造を有する結晶性アルミノシリケートまたは鉄元素およびガリウム元素(Ga)を含む8〜12員環の骨格構造を有する結晶性アルミノシリケートからなるゼオライトを含むもものである。
ゼオライトの骨格構造は、国際ゼオライト学会によりデータベース化されており、アルファベット大文字3個からなる構造コードが与えられている。この構造コードは骨格の幾何構造のみを指定するものである。
例えば、8員環の骨格構造の構造コードとしてはLTA等があり、10員環の骨格構造の構造コードとしては、FER、MWW、MFI等があり、12員環の骨格構造の構造コードとしては、MOR、LTL、FAU、BEA等がある。なお、ここでは、各員環数を有するゼオライトの一部の構造コードだけを示した。ゼオライトの細孔の径は、骨格構造の員環数に影響を受けるものであり、員環数が8〜12であることにより細孔の径がある程度規定される。例えば、ゼオライト全般では、孔径が0.2〜1.0nm程度であり、員環数が8〜12の代表的骨格構造のゼオライトの場合に孔径が0.40nm〜0.75nm程度である。本実施の形態では、ゼオライトの細孔の大きさは、炭化水素原料として例えばC4〜C10の低級オレフィンを用い、ゼオライトの触媒機能を利用してプロピレン(エチレン)を製造する際に好適に用いられるものであることが好ましく、例えば、上述の0.40nm〜0.75nm程度であることが好ましいが、この範囲に限られるものではない。
この場合に、ゼオライトの骨格構造の員環数が上述のように8〜12であることが好ましく、さらに員環数が10〜12であることが好ましい。なお、例えば、10員環構造を有するMFI型のゼオライトとしては、ZSM−5(Zeolite Socony Mobil−5)が知られており、12員環構造を有するBEA型のゼオライトとしては、ベータ型ゼオライトが知られている。本実施の形態のゼオライトは、上述のように員環数が8〜12であるゼオライトとして、MFI型ゼオライトや、ベータ型ゼオライトを好適に用いることができる。特に、MFI型のゼオライトを好適に用いることができる。
また、本実施の形態では、プロピレン製造触媒用のゼオライト(成分)として、例えば、鉄(Fe)元素およびガリウム(Ga)元素または鉄元素を含むMFI型ゼオライトを用いるものとする。なお、FeおよびGaには、後述のようにゼオライトの酸点の酸強度を抑える機能がある。また、本実施の形態のプロピレン製造用触媒は、ゼオライトに結合剤(バインダー)を加え、成形および焼成により得られる複合体触媒であり、バインダーとして酸化アルミニウム(アルミナ)や、二酸化珪素(シリカ)が用いられている。
鉄元素を含む(ガリウム元素を含まない)MFI型の結晶性アルミノシリケ−トであるゼオライトにおいて、鉄元素の元素モル組成比(鉄元素/(鉄元素+アルミニウム元素(Al)))が0.4〜0.7であることが好ましく、さらに、0.4〜0.6であることがより好ましい。
また、鉄元素を含む(ガリウム元素を含まない)MFI型の結晶性アルミノシリケ−トであるゼオライトにおいて、酸密度(珪素元素(Si)/(鉄元素+アルミニウム元素))は、12.0〜30.0であることが好ましく、さらに、12.0〜25.0であることがより好ましい。
また、鉄元素およびガリウム元素を含むMFI型の結晶性アルミノシリケ−トであるゼオライトにおいて、鉄元素の元素モル組成比(鉄元素/(鉄元素+ガリウム元素+アルミニウム元素))は、0.2〜0.6であることが好ましく、さらに、0.3〜0.5であることがより好ましい。
また、鉄元素およびガリウム元素を含むMFI型の結晶性アルミノシリケ−トであるゼオライトにおいて、ガリウム元素の元素モル組成比(ガリウム元素/(鉄元素+ガリウム元素+アルミニウム元素))は、0.1〜0.4であることが好ましく、さらに0.2〜0.4であることがより好ましい。
また、鉄元素およびガリウム元素を含むMFI型のゼオライトにおいて、酸密度(珪素元素/(鉄元素+ガリウム元素+アルミニウム元素))は、12.0〜40.0であることが好ましく、さらに、12.0〜35.0であることがより好ましい。
上述のように、ガリウム元素および鉄元素を含むか、または、鉄元素を含むMFI型の結晶性アルミノシリケ−トであるこの実施の形態のゼオライトを含むプロピレン製造用触媒を用いることにより、鉄元素およびガリウム元素の含有量または鉄元素の含有量と酸密度とから酸強度を調整することができる。ゼオライトの酸点において、C4〜C10の低級オレフィンが分解されて、プロピレンが生成する際に、例えば、酸点の酸強度が強すぎると、プロピレンとなった後も酸点から離脱せずに、さらに反応が進み、環化、脱水素されてベンゼン環を有する芳香族炭化水素が生じる。
また、ゼオライトの酸点の酸強度が強いと、C4〜C10の低級オレフィンが酸点に吸着された状態で、これを環化してシクロヘキセンを生成するとともに、さらに脱水素して、ベンゼン環を有する芳香族炭化水素が生成される。プロピレンの製造においては、比較的炭素鎖の短いアルカンを原料としてゼオライト触媒によりプロピレンを生成する方法も知られており、この場合も芳香族炭化水素の生成が問題になるが、本実施の形態では、プロピレンの製造の原料が既に二重結合を有するC4〜C10の低級オレフィンなので、より芳香族炭化水素が生成し易い状態と考えられ、酸量や酸強度を適切に保つことが重要である。
ゼオライト触媒のような固体酸の酸性質としての酸量、酸強度を測定する方法として、NH−TPD(Temperature Programed Desorption)法(アンモニア昇温脱離法)が知られている。NH−TPD測定においては、例えば、プロピレン製造用触媒で用いられる上述のゼオライトにアンモニアを吸着させた後に、所定の昇温速度で温度を上昇させながら、ゼオライトから脱離するアンモニアの濃度を測定する。これにより、本発明の後述の実施例で説明するように、例えば、温度を横軸とし、離脱したアンモニア濃度を縦軸とするNH−TPDスペクトルを得ることができる。
図2に後述の実施例におけるFe、Gaを含まないゼオライトとしての比較例1、GaおよびFeを含むゼオライトとしての実施例1、Feを含むゼオライトとしての実施例2のNH−TPDスペクトルが示されている。なお、GaおよびFeを含むゼオライトの実施例1では、上述の酸密度(Siのモル組成比)、Gaのモル組成比、Feのモル組成比が上述の数値範囲内となっており、Feを含むゼオライトの実施例2では、上述の酸密度(Siのモル組成比)、Feのモル組成比が上述の数値範囲内となっている。
各NH−TPDスペクトルには、低温側に存在しピーク強度が低いL−ピークと、L−ピークより高温側に存在しピーク強度が高いH−ピークが観測されるが、L−ピークは、物理吸着したアンモニアの脱離に由来し、H−ピークは、化学吸着したアンモニアの脱離に由来するものである。
図2においては、Ga、Feを含まないゼオライトのH−ピークに対して、GaおよびFeを含むゼオライトおよびFeを含むゼオライトのH−ピークが低温側にシフトしている。H−ピークの位置は固体酸触媒としての強度の目安となり、Ga、Feを含まないゼオライトの酸強度に対して、GaおよびFeを含むゼオライトおよびFeを含むゼオライトの酸強度が弱いことを示している。このようなGaおよびFeを含むゼオライトおよびFeを含むゼオライトは、Ga、Feを含まないゼオライトよりもプロピレンの生成量が多く、かつ、芳香族炭化水素の生成量が少なくなっている。
また、NH−TPDスペクトルにおいて、ゼオライトから脱離したアンモニア濃度に対応する全体の面積からL−ピークの面積を除いた主にH−ピークの面積は、固体酸である本実施の形態のプロピレン製造用触媒のゼオライト成分の酸量に対応することになる。そこで、NH−TPDにより求められるNH−TPDスペクトルからアンモニアの主にH−ピークの面積に対応する脱離したアンモニア濃度に基づいて酸量を求めることができる。
この酸量は、例えば、ゼオライトから脱離したアンモニアの濃度に対応して、ゼオライトの単位重量当たりのモル数として表される。ここで、固体酸としてのゼオライトの酸点に全てアンモニアが吸着し、それが全て脱離したものと仮定すれば、脱離したアンモニアのモル数が、ゼオライトの酸量をモル数で表したものに対応する。図2におけるいずれのゼオライトも、同程度の酸量を有している(図3参照)。
本実施の形態において、プロピレン製造用触媒のゼオライトの単位重量当たりのモル数で表される酸量は、0.30〜0.60mmol/gが好ましく、特に0.44〜0.54mmol/gであることが好ましい。これにより、上述のようにプロピレンの収率を向上させるとともに芳香族炭化水素の生成を抑制することができる。
また、固体酸としてのゼオライトの酸強度は、昇温により固体酸からアンモニアが脱離する際に必要とされる活性化エネルギーとして求めることができる。このアンモニアの脱離に必要とされる活性化エネルギーは、後述の丹羽、片田の報告に基づいて求めることができる。ゼオライトの酸強度は、化学吸着したアンモニア分子が酸点から脱離するのに要する活性化エネルギーとして表され、単位モル数あたりのエネルギー(ジュール)として表すことができる。
本実施の形態において、プロピレン製造用触媒のゼオライトの酸強度は、130〜141kJ/molであることが好ましく、さらに、135〜141kJ/molであることが好ましく、特に142kJ/molであることが好ましい。これにより、上述のようにプロピレンの収率を向上させるとともに芳香族炭化水素の生成を抑制することができる。
このような固体酸としてのゼオライトを含むプロピレン製造用触媒は、大別して、1.水熱合成工程、2.イオン交換工程、3.成形化工程の3工程を経て製造される。
1.水熱合成工程
「水熱合成法」とは、高温高圧の水の存在下にて行われる物質の合成法の総称であり、結晶性アルミノシリケートとしての多くのゼオライトはこの水熱合成法にて合成される。合成する際に使用する原料としては、シリカ源(珪酸ナトリウム、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカなど)、アルミナ源(水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウムなど)、構造規定剤(アミン等)、鉱化剤(アルカリ金属の水酸化物など)、水などが一般的である。
この実施の形態のプロピレン製造用触媒では、原料に鉄源(例えば、硝酸鉄、酸化鉄、硫酸鉄、リン酸鉄、塩化鉄、臭化鉄、金属鉄(鉄粉)、有機酸鉄等)が加えられる。さらにガリウム源(例えば、硝酸ガリウム、酸化ガリウム、硫酸ガリウム、リン酸ガリウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム、水酸化ガリウム等)を加えることが好ましい。これらを混合して反応性の高い非晶質のヒドロゲル(母ゲル)を調製し、耐圧性反応器であるオートクレーブに充填して150〜250℃程度で所定時間加熱することでゼオライトが合成される。水熱合成反応後は、生成物の分離、水洗浄、乾燥、焼成(構造規定剤を分解除去するために行う)等のステップを経て粉末状のゼオライトを得る。
なお、上述の原料は、珪素源である微細なシリカとして粒子サイズが8〜11nmのコロイダルシリカとpH調整用の水酸化ナトリウム(NaOH)とからなる母液ゲルAと、アルミニウム源としてのAl(SO−nHO,ガリウム源としてのGa(NO−nHO,鉄源としてのFe(NO−nHOと、構造規定剤としての臭化テトラプロピルアンモニウム(TPrABr)を含む母液ゲルBとを作成する。なお、構造規定剤としてのTPrABrの添加量を低減することが好ましい。
次に、これら母液ゲルAと母液ゲルBとを撹拌混合する(例えば、15分)。これにより、反応性の高い非晶質のヒドロゲルが調製される。次に、混合撹拌された母液ゲルを熟成する(例えば、20〜60℃で一晩)。次に上述の水熱合成として、120℃〜150℃で、かつ、150rpm〜300rpmの回転速度で撹拌する(例えば、オートクレーブ内の自己圧力下で、水熱合成を行う)。すなわち、高温高圧下での結晶化を行う。但し、反応温度としては、比較的低温であり、低温で核成長させることにより、粗大粒子の生成を抑制している。また、撹拌速度としては、比較的高速であり、核発生量を多くしている。この条件で例えば24〜72時間撹拌して結晶を得る。生成物(結晶)の分離は遠心分離により行い、続いて水による洗浄を行う。その後、結晶を例えば120〜150℃で3〜24時間乾燥するとともに、550〜600℃で3〜10時間焼成してTPrABrを除去する。なお、ガリウムを含まない場合には、母液ゲルBにガリウム源を添加しない。
2.イオン交換工程
ゼオライトを触媒として利用する化学反応の多くは、固体酸としての性質を利用したものであり、この酸としての性質はゼオライトに酸性のOH基(ブレンステッド酸点)を導入することで発現する。
この酸性質を発現させるため、一般的にイオン交換反応が適用される。通常、水熱合成法により得られたゼオライトは、電荷のバランスを保つためにナトリウムカチオン(Na)を含有しているが、これをイオン交換させることでプロトン(H)に置き換えている。なお、一旦、NHNO溶液によりアンモニウムイオン(NH4)でイオン交換し、さらに乾燥、焼成してアンモニアを除去することでプロトン(H)に変換する方法をとることもある。
3.成形化工程
一般的にゼオライトを触媒として工業的に使用する場合、機械的強度の向上や圧力損失の低減といった観点から、円筒状などに成形加工して使用されることが多い。本工程は、主としてアルミナ粉末などの結合剤(バインダー)との混練、成形化、乾燥、焼成などのステップを含む。なお、成形化においては、例えば、押出成形法などが用いられる。
例えば、上述の水熱合成工程(または、イオン交換工程)を経て得られた粉末状ゼオライトにアルミナ(酸化アルミニウム)をバインダーとして添加し、混錬、成形(例えば、φ1.0〜3.0mmの円柱状や円筒状)した後に、例えば、120〜150℃で3〜5時間乾燥する。その後に、550〜600℃で3〜5時間焼成して、上述の鉄元素(およびガリウム元素)を含むMFI型ゼオライトと酸化アルミニウムとの複合体としてのプロピレン製造用触媒を得ることができる。なお、イオン交換工程後に成形化工程を行っても、成形化工程後にイオン交換工程を行ってもよいが、成形化工程後にイオン交換工程を行うことが好ましい。
結合剤としては、上述のアルミナに代えて二酸化珪素(シリカ)を用いることが可能であり、シリカを用いた場合の成形化工程を説明する。
例えば、上述の水熱合成工程(または、イオン交換工程)を経て得られた粉末状ゼオライトに、シリカ粉末と、成形助剤としてのでんぷんとを混合し、水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性水溶液)を加えて混錬して、塊状の混合物を得る。なお、成形助剤としてのでんぷんを加えることにより、混錬する際に塊状となりやすく、押出成形等における成形性が向上する。
また、成形助剤は、でんぷんに限られるものでなく、例えば、水を加えると粘度が高くなるものであって、ゼオライト粉末とシリカ粉末を水とともに混錬した際に、この混合物を塊状とすることができ、かつ、焼成時に例えば略全てが水と二酸化炭素になって成形体からなくなるものであればよく、例えば、PVP(ポリビニルピロリドン)等を用いてもよい。この混合物を例えば押出成形により円筒状に加工し、120〜150℃で3〜5時間程度乾燥する。次に、空気流通下において、550〜600℃での3〜5時間の焼成を経て、ゼオライトとシリカからなる本実施の形態のプロピレン製造用触媒としての複合体を得ることができる。このプロピレン製造用触媒は、主成分として前記ゼオライトを50wt%以上含むことが好ましい。
このようなプロピレン製造用触媒を用いて、C4〜C10の低級オレフィンを主成分とする炭化水素原料からプロピレンを製造する製造方法としては、炭化水素原料を希釈剤としての不活性ガス(例えば窒素)または水蒸気で希釈した状態でプロピレン製造用ゼオライト触媒が充填された反応器に供給する。すなわち、炭化水素原料を希釈剤の共存下で触媒に接触させて反応させる。また、上述のゼオライト触媒を反応器内に固定床として配置し、反応器内に供給される原料ガスを、プロピレン製造用触媒に接触させながら通過させる方法が用いられる。この際に、500℃〜600℃好ましくは530℃〜570℃の穏和な温度領域で反応を進行させ、プロピレンを生成する。
炭化水素原料は、例えば、ナフサクラッカー、FCCプロセス、GTLプロセスの副産物で、C4〜C10の低級オレフィンを多く含む留分を用いることができる。なお、C4〜C10を主成分としている炭化水素原料には、オレフィン以外の炭化水素が含まれてもよく、例えば、低沸点のアルカンが含まれていてもよい。なお、炭化水素原料におけるアルカンの含有量がある程度多くても(例えば低級オレフィンと同程度)、本実施の形態のプロピレン製造用触媒のゼオライト成分は、上述のように脱水素反応を触媒するので、アルカンからプロピレンやエチレンを生成可能であり、プロピレンの収率が大きく落ちるのを防止することができる。但し、アルカン濃度が高くなると、原料中のオレフィン濃度が下がることから、プロピレンの収率が少し下がる虞があるが、アルカンの方がオレフィンより芳香族炭化水素に成りづらく、芳香族炭化水素の生成量が減少してコークの発生が抑制される。なお、前記炭化水素原料は、主成分として炭素数4〜10の低級オレフィンを50wt%以上含有することが好ましい。
また、プロピレンの製造方法においては、原料を希釈剤で希釈しないものとしてもよいが、原料中の低級オレフィンから芳香族炭化水素が生じるのを抑制するために、上述のように炭化水素原料を窒素(不活性ガス)や水蒸気で希釈することが好ましい。この場合に、希釈剤として水蒸気を用いることがより好ましい。
希釈剤としての水蒸気がプロピレン製造用触媒に接触した場合に、水蒸気は酸強度が高い酸点に吸着され易い。一方の酸強度が高い酸点に吸着された低級オレフィンは、酸点から脱離するのに大きな活性化エネルギーを必要とするので、脱離し難い状態となる。この場合に、C4以上のオレフィンが分解されてプロピレンとなった後も酸点から脱離せずに、環化されて芳香族炭化水素となる確率が高くなる。また、同様に、酸点に吸着されたC4以上のオレフィンが環化されて芳香族炭素となる確率も高くなる。
したがって、水蒸気が酸強度の高い酸点に吸着されて、低級オレフィンの再吸着を阻害する場合に、芳香族炭化水素の発生を抑制することができ、コークの発生を抑制し、プロピレン製造用触媒の寿命を延ばすことが可能になる。
このようなプロピレンの製造方法およびプロピレン製造用触媒においては、上述のようにC4〜C10の低級オレフィンから高い収率でプロピレンを製造することができるとともに、プロピレン製造用触媒のコーキングを抑制してプロピレン製造用触媒を長寿命化することができる。これにより、C4〜C10の低級オレフィンを副産物として生じるプロセスから供給されるC4〜C10の低級オレフィンを主成分とする原料を、固定床方式でプロピレン製造用触媒に接触させてプロピレンを製造する設備を実用化することができる。
次に、本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
まず、実施例1のFeGaAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Ga+Al)=19.4)の合成方法について説明する。
コロイダルシリカ58.9g(SiO 30.6wt%、NaO 0.4wt%、HO 69.0wt%)、水酸化ナトリウム2.99gからなる溶液をA液、硫酸アルミニウム・n水和物1.52g、硝酸ガリウム・n水和物0.88g、硝酸鉄・9水和物1.96g、臭化テトラプロピルアンモニウム9.29g、精製水186.3gからなる溶液をB液とした。A液とB液を室温で撹拌しながら徐々に混合した後、さらにミキサー中で15分間激しく撹拌した。この混合溶液を60℃に保温して一晩静置した後、オートクレーブ中にて自己圧力下、150℃、24時間、300rpmの条件下で水熱合成反応を行った。
冷却後、精製水により十分に洗浄した(固形物と水溶液の分離には遠心分離機を使用した)。その後、120℃で3時間乾燥、空気気流中にて550℃で3時間焼成することで、Fe、Ga、Alを含有するNa型のMFIゼオライト(以下、FeGaAl−MFIゼオライトと略記)を合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Ga+Al)=19.4、Fe/(Fe+Ga+Al)=0.4、Ga/(Fe+Ga+Al)=0.3、Al/(Fe+Ga+Al)=0.3と求められた(図1参照)。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Ga+Al)=19.4)の酸性質評価について説明する。
上記のNa型FeGaAl−MFIゼオライトに、沸騰還流下での2.2mol/L硝酸アンモニウム水溶液によるイオン交換とそれに続く水洗浄を4回施した後(1回当りのイオン交換は2時間とし、毎回新しい2.2mol/L硝酸アンモニウム水溶液と入れ替えた)、120℃での3時間乾燥、空気気流下における550℃での3時間焼成を経て、粉末状のプロトン型FeGaAl−MFIゼオライトを得た。このプロトン型FeGaAl−MFIゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Ga+Al)=19.4、Fe/(Fe+Ga+Al)=0.4、Ga/(Fe+Ga+Al)=0.3、Al/(Fe+Ga+Al)=0.3となり、窒素吸着法によるLangmuir比表面積は573m/gとなった(図3参照)。
本試料(FeGaAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Ga+Al)=19.4))の酸性質(酸量と酸強度)の評価は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)を用いて下記の測定条件により行った。図2には本試料のNH−TPDスペクトルが、図3には酸量と酸強度がそれぞれ示されている。
次に、アンモニア−TPD測定条件について説明する。
(1)試料の前処理
本試料を、He流通下(50mL/min)、500℃で1.5時間加熱した。
(2)試料へのアンモニア吸着
本試料に、NH(5%)を含むHe流通下(20mL/min)、100℃で30分アンモニアを吸着させた後、Heを50mL/minの流量で40分流してパージを行った。
(3)NH−TPD測定
Heキャリアガス流量50mL/min−STP(Ar内標準0.1%),測定温度範囲100℃〜880℃(昇温速度10℃/min)として、昇温しながらキャリアガスとともに排出されるアンモニアの濃度を測定した。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型FeGaAl−MFIゼオライトとバインダーとしてのアルミナ粉末(日揮触媒化成(株)、カタロイドAP−1、Al含有率71.7wt%)に精製水を適量加えながら混練し、塊状のゼオライト/アルミナ混合物を得た。その後、押出し成形器にて円筒状(1.0mmφ)に加工し、120℃での3時間乾燥、空気流通下における550℃での3時間焼成を経て、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合体を得た。
この複合体に、沸騰還流下での2.2mol/L硝酸アンモニウム水溶液によるイオン交換とそれに続く水洗浄を4回施した後(1回当りのイオン交換は2時間とし、毎回新しい2.2mol/L硝酸アンモニウム水溶液と入れ替えた)、120℃での3時間乾燥、空気流通下における550℃での3時間焼成を経て、プロトン型のFeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒とした。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図1参照)。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
上記の手順に沿って調製した、円筒状のFeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合体を1.0〜2.0mmに整粒したものを性能評価用の触媒試料とした。反応試験は1−ヘキセンの接触分解反応を固定床流通式反応装置にて行った。触媒1.0mLを内径8.0mmのステンレス反応管(SUS316製)に触媒層の層高が約20mmとなるように充填し、触媒層の前後にガラスウールを、さらにその前後にガラスビーズを充填した。
反応条件は、反応温度550℃(触媒層の温度が550℃に達するまで1時間かけて窒素気流中で昇温させた)、全圧0.1MPa、1−ヘキセンの流量を0.67g/h(1−ヘキセンのLHSV(Liquid Hourly Space Velocity):1.0h−1)、窒素の流量を2.69NL/h(N/1−ヘキセン=15mol/mol)として、窒素共存下での1−ヘキセン接触分解反応を5時間行った。反応生成物は1時間毎にガスクロマトグラフィー分析を行い、原料転化率(wt%)および低級オレフィン(エチレン、プロピレン)と芳香族炭化水素の収率(wt%)を求め、触媒性能の指標とした。図4に反応開始5時間後の結果を示す。
(実施例2)
次に、実施例2のFeAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Al)=19.4)の合成方法について説明する。
硫酸アルミニウム・n水和物2.28g、硝酸鉄・9水和物1.96g、臭化テトラプロピルアンモニウム9.29g、水186.2gからなる溶液をB液とした以外は実施例1と全く同様にして、Na型のFeAl−MFIゼオライトを合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Al)=19.4、Fe/(Fe+Al)=0.5、Al/(Fe+Al)=0.5と求められた(図1参照)。
次に、FeAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Al)=19.4)の酸性質評価について説明する。
上記のNa型FeAl−MFIゼオライトから、実施例1と全く同様の方法で粉末状のプロトン型FeAl−MFIゼオライトを得た。このプロトン型FeAl−MFIゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Al)=19.4、Fe/(Fe+Al)=0.5、Al/(Fe+Al)=0.5となり、窒素吸着法によるLangmuir比表面積は570m/gとなった(図3参照)。本試料の酸性質(酸量と酸強度)の評価は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)を用いて実施例1と全く同様の測定条件下で行った。図1には本試料のNH−TPDスペクトルが、図3には酸量と酸強度がそれぞれ示されている。
次に、FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型FeAl−MFIゼオライトとアルミナ粉末を用いて、実施例1と全く同様の方法によって成形化・イオン交換し、円筒状のプロトン型FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒とした。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図1参照)。
次に、FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
実施例1と全く同様の方法で、FeAl−MFIゼオライトの触媒性能を評価した。図4に反応開始5時間後の結果を示す。
(比較例1)
次に、比較例のAl−MFIゼオライト(Si/Al=20.0)の合成方法について説明する。
硫酸アルミニウム・n水和物3.80g、臭化テトラプロピルアンモニウム9.29g、水186.4gからなる溶液をB液とした以外は実施例1と全く同様にして、Na型のAl−MFIゼオライトを合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/Al=20.0と求められた(図1参照)。
次に、Al−MFIゼオライト(Si/Al=20.0)の酸性質評価について説明する。
上記のNa型Al−MFIゼオライトから、実施例1と全く同様の方法で粉末状のプロトン型Al−MFIゼオライトを得た。このプロトン型Al−MFIゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/Al=20.0となり、窒素吸着法によるLangmuir比表面積は587m/gとなった(図3参照)。本試料の酸性質(酸量と酸強度)の評価は、アンモニア昇温脱離法(NH−TPD法)を用いて実施例1と全く同様の測定条件下にて行った。図1には本試料のNH−TPDスペクトルが、図3には酸量と酸強度がそれぞれ示されている。
次に、Al−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型Al−MFIゼオライトとアルミナ粉末を用いて、実施例1と全く同様の方法によって成形化・イオン交換し、円筒状のプロトン型Al−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒とした。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図1参照)。
次に、Al−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
実施例1と全く同様の方法で、Al−MFIゼオライトの触媒性能を評価した。図4に反応開始1時間後の結果を示す。
Al−MFIゼオライト(ZSM−5, 比較例1)を基準とし、アルミニウムの一部を鉄とガリウムで置き換えたFeGaAl−MFIゼオライト(実施例1)および鉄で置き換えたFeAl−MFIゼオライト(実施例2)について、アンモニア−TPD測定により酸量と酸強度を求めた(図3)。酸量は略同程度であり、酸強度についてはAl−MFIゼオライト(143kJ/mol,比較例1)>FeAl−MFIゼオライト(139kJ/mol,実施例2)>FeGaAl−MFIゼオライト(137 kJ/mol,実施例1)の順となり、Alの一部を鉄とガリウムあるいは鉄で置き換えることで酸強度が弱められることが確認された。
なお、酸量とは、アンモニア−TPDスペクトル(図1)において、物理吸着したアンモニアの脱離ピーク(図1の低温度域で観測されたL−Peak)を除外した、化学吸着したアンモニアの脱離量(図1の高温度域で観測されたH−Peakの面積)として算出された値であり、酸強度は丹羽・片田らの報告している解析手法(M.Niwa et al.,J.Phys.Chem.,99,8812−8816(1995))に基づき、酸点に化学吸着したアンモニアの脱離に要する活性化エネルギーとして評価された値である。
酸強度が低減していることは、図2のアンモニア−TPDスペクトルにおけるFeAl−MFIゼオライト(実施例2)とFeGaAl−MFIゼオライト(実施例1)のH−PeakがAl−MFIゼオライト(比較例1)のH−Peakよりも低温側にシフトしていることからも定性的に理解される。
図4は触媒性能を比較した結果であり、実施例1と2については反応開始から5時間後の値を、比較例1については反応開始から1時間後の値が示されている。従来型のAl−MFIゼオライト(比較例1)では、芳香族炭化水素の生成が優先的に起こり、プロピレン収率は低い値に留まった。また、触媒性能は1時間以降急激に低下し、コーク生成による触媒の劣化が顕著であった。一方、(Al−MFIゼオライトに比べて)酸強度が弱められたFeGaAl−MFIゼオライト(実施例1)では、芳香族炭化水素の生成が抑制されてプロピレンへの選択性が向上し、結果として大幅に高いプロピレン収率を与えた(実施例1)。同様に酸強度が弱められたFeAl−MFIゼオライト(実施例2)についても、顕著なプロピレン収率の向上と芳香族の生成抑制が確認された。なお、実施例1と2については、5時間の範囲内で触媒性能の低下(コーク生成等による触媒の劣化)は観測されなかった。
(実施例3)
次に実施例3のFeGaAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Ga+Al)=19.4)の合成方法について説明する。
実施例1と全く同様にして、Na型のFeGaAl−MFIゼオライトを合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Ga+Al)=19.4、Fe/(Fe+Ga+Al)=0.4、Ga/(Fe+Ga+Al)=0.3、Al/(Fe+Ga+Al)=0.3と求められた。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型FeGaAl−MFIゼオライトとアルミナ粉末を用いて、実施例1と同様の方法によって成形化・イオン交換し、円筒状のプロトン型FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒を調製した。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図5参照)。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
上記の手順に沿って調製した、円筒状のFeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合体を1.0〜2.0mmに整粒したものを性能評価用の触媒試料とした。反応試験はn−ヘキサンと1−ヘキセンの混合体(混合重量比1:1)の接触分解反応を固定床流通式反応装置にて行った。触媒1.0mLを内径8.0mmのステンレス反応管(SUS316製)に触媒層の層高が約20mmとなるように充填し、触媒層の前後にガラスウールを、さらにその前後にガラスビーズを充填した。
反応条件は、反応温度550℃(触媒層の温度が550℃に達するまで1時間かけて窒素気流中で昇温させた)、全圧0.1MPa、n−ヘキサンと1−ヘキセンの混合体の流量を0.66g/h((n−ヘキサン+1−ヘキセン)のLHSV:1.0h−1)、窒素の流量を2.69NL/h(N/(n−ヘキサン+1−ヘキセン)=15mol/mol)として、窒素共存下でのn−ヘキサン/1−ヘキセン混合体の接触分解反応を5時間行った。反応生成物は1時間毎にガスクロマトグラフィー分析を行い、原料転化率(wt%)および低級オレフィン(エチレン、プロピレン)と芳香族炭化水素の収率(wt%)を求め、触媒性能の指標とした。図5に反応開始5時間後の結果を示す。
実施例3では、炭化水素原料中のオレフィン含有率の違いが触媒性能に与える影響について検討した。図5は実施例1と同一試料(FeGaAl−MFI/Al複合触媒)を用い、かつ同一条件下にて実施された反応試験の結果を示しており、n−ヘキサンと1−ヘキセンを等量含む原料からも効率良いプロピレン生成が実現した。
n−ヘキサンなどのパラフィン系炭化水素の接触分解は脱水素反応が律速的であるため、原料中のパラフィン系炭化水素の含有率が高くなると低級オレフィンの生成にとっては不利になるが、本実施例では比較的高いパラフィン含有率(50wt%)の原料であっても、高いプロピレン収率(36wt%)が得られることが確認された。なお、実施例3についても、5時間の範囲内で触媒性能の低下(コーク生成等による触媒の劣化)は観測されなかった。
(実施例4)
次に、実施例4のFeGaAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Ga+Al)=19.4)の合成方法について説明する。
実施例1と全く同様にして、Na型のFeGaAl−MFIゼオライトを合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Ga+Al)=19.4、Fe/(Fe+Ga+Al)=0.4、Ga/(Fe+Ga+Al)=0.3、Al/(Fe+Ga+Al)=0.3と求められた。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型FeGaAl−MFIゼオライトとアルミナ粉末を用いて、実施例1と同様の方法によって成形化・イオン交換し、円筒状のプロトン型FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒を調製した。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図6参照)。
次に、FeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
上記の手順に沿って調製した、円筒状のFeGaAl−MFIゼオライト/アルミナ複合体を1.0〜2.0mmに整粒したものを性能評価用の触媒試料とした。反応試験は1−ヘキセンの接触分解反応を固定床流通式反応装置にて行った。触媒1.0mLを内径8.0mmのステンレス反応管(SUS316製)に触媒層の層高が約20mmとなるように充填し、触媒層の前後にガラスウールを、さらにその前後にガラスビーズを充填した。
反応条件は、反応温度550℃(触媒層の温度が550℃に達するまで1時間かけて窒素気流中で昇温させた)、全圧0.1MPa、1−ヘキセンの流量を1.35g/h(1−ヘキセンのLHSV:2.0h−1)、精製水の流量を1.44g/h(HO/1−ヘキセン=5 mol/mol)として、スチーム共存下での1−ヘキセン接触分解反応を5時間行った。反応生成物は1時間毎にガスクロマトグラフィー分析を行い、原料転化率(wt%)および低級オレフィン(エチレン、プロピレン)と芳香族炭化水素の収率(wt%)を求め、触媒性能の指標とした。図6に反応開始5時間後の結果を示す。
(実施例5)
次に、実施例5のFeAl−MFIゼオライト(Si/(Fe+Al)=19.4)の合成方法について説明する。
実施例2と全く同様にして、Na型のFeAl−MFIゼオライトを合成した。このゼオライトの元素モル組成比は蛍光X線測定により、Si/(Fe+Al)=19.4、Fe/(Fe+Al)=0.5、Al/(Fe+Al)=0.5と求められた。
次に、FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の調製方法について説明する。
上記の手順に沿って合成した粉末状のNa型FeAl−MFIゼオライトとアルミナ粉末を用いて、実施例2と同様の方法によって成形化・イオン交換し、円筒状のプロトン型FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒を調製した。この複合触媒の重量組成は蛍光X線測定により、ゼオライト/アルミナ=65wt%/35wt%となった(図6参照)。
次に、FeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合触媒(Zeolite/Al混合比65wt%/35wt%)の性能評価試験方法について説明する。
上記の手順に沿って調製した、円筒状のFeAl−MFIゼオライト/アルミナ複合体を1.0−2.0mmに整粒したものを性能評価用の触媒試料とし、実施例4と全く同様の方法で性能評価試験を実施した。図6に反応開始5時間後の結果を示す。
実施例4と実施例5では、水蒸気共存下での1−ヘキセン接触分解反応による触媒性能試験を行った。図6は実施例1および実施例2と同一試料(FeGaAl−MFI/Al複合触媒およびFeAl−MFI/Al複合触媒)を用いた反応試験の結果を示しており、ともに窒素共存下での値(図4参照)に匹敵する高いプロピレン収率を与えるとともに、芳香族炭化水素の収率を大幅に低減することに成功した。また、5時間の範囲内では触媒性能の低下は観測されず、水蒸気下においても触媒性能は安定して維持されることが確認された。希釈剤としての水蒸気は、(芳香族を生成し易い)強酸点に優先的に吸着することで芳香族の生成を抑制し、触媒上でのコーク析出を抑えて触媒寿命を長くする効果があるため、本発明におけるプロピレン製造用触媒はより有効に作用することが示された。

Claims (5)

  1. 炭化水素原料から触媒を用いてプロピレンを製造するプロピレンの製造方法であって、
    前記触媒として、ガリウムおよび鉄または鉄を含む結晶性アルミノシリケートであるMFIゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒を用い、
    前記炭化水素原料が炭素数4〜10の低級オレフィンを主成分とすることを特徴とするプロピレンの製造方法。
  2. 前記炭化水素原料を不活性ガスや水蒸気等の希釈剤で希釈して、前記プロピレン製造用触媒に供給し、
    かつ、500℃〜600℃の温度領域で触媒反応を進行させることを特徴とする請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロピレンの製造方法で用いられ、前記MFIゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒であって、
    前記MFIゼオライトは、鉄およびガリウムを含む結晶性アルミノシリケートであり、
    かつ、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対する珪素のモル数の組成比としての酸密度が12.0〜40.0であり、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対するガリウムのモル数の組成比が0.1〜0.4であり、鉄、ガリウムおよびアルミニウムのモル数の和に対する鉄のモル数の組成比が0.2〜0.6であることを特徴とするプロピレン製造用触媒。
  4. 請求項1または請求項2に記載のプロピレンの製造方法で用いられ、前記MFIゼオライトを主成分とするプロピレン製造用触媒であって、
    前記MFIゼオライトは、鉄を含む結晶性アルミノシリケートであり、
    かつ、鉄およびアルミニウムのモル数の和に対する珪素のモル数の組成比としての酸密度が12.0〜30.0であり、鉄およびアルミニウムのモル数の和に対する鉄のモル数の組成比が0.4〜0.7であることを特徴とするプロピレン製造用触媒。
  5. 前記MFIゼオライトを主成分とするとともに、酸化アルミニウムまたは二酸化珪素を結合剤として含み、粉末状MFIゼオライトが前記結合剤とともに成形および焼成されていることにより、前記MFIゼオライトと前記結合剤とを含む複合体であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のプロピレン製造用触媒。
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