JP6228128B2 - 酵素法 - Google Patents

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Description

本発明は、標的ポリヌクレオチドを特徴付ける新たな方法に関する。本方法は、細孔およびRecDヘリカーゼを用いる。ヘリカーゼは、細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御する。
今日、広範な適用にわたり、迅速で廉価なポリヌクレオチド(例えば、DNAまたはRNA)の配列決定法および同定法が必要とされている。既存の技法は、それらが大量のポリヌクレオチドを作製するための増幅法に主に依拠し、かつ、シグナルを検出するための大量の専門的蛍光化学物質を必要とするために、遅速かつ高価である。
膜貫通細孔(ナノ細孔)は、ポリマーおよび多様な低分子のための、直接的な電気的バイオセンサーとしての大きな潜在的可能性を有する。特に、近年では、潜在的なDNA配列決定法としてのナノ細孔に焦点が当てられている。
ナノ細孔を隔ててポテンシャルを印加すると、ヌクレオチドなどの解析物が、一定の時間にわたりバレル内で一過性に滞留するとき、電流の流れに変化が見られる。ナノ細孔によるヌクレオチドの検出は、署名および持続が公知の電流変化を示す。「鎖配列決定」法では、単一のポリヌクレオチド鎖に細孔を通過させ、ヌクレオチドの同一性を導く。鎖配列決定は、細孔を介するポリヌクレオチドの移動を制御するために、ヌクレオチドハンドリングタンパク質の使用を伴いうる。
本発明者らは、RecDヘリカーゼが、とりわけ、電圧などのポテンシャルを印加するときに、細孔を介するポリヌクレオチドの移動を制御しうることを裏付けた。ヘリカーゼは、標的ポリヌクレオチドを、印加された電圧から生じる電界と逆向きに、またはこれと同じ向きに、制御された段階的な形で移動させることが可能である。驚くべきことに、ヘリカーゼは、ポリヌクレオチドを特徴付けるのに有利な高い塩濃度、特に、鎖配列決定を用いてその配列を決定するのに有利な高い塩濃度でも機能することが可能である。これについては、以下でより詳細に論じる。
したがって、本発明は、標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
(a)標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む方法を提供する。
本発明はまた、
・標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成する方法であって、細孔とRecDヘリカーゼとの間で複合体を形成し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成するステップを含む方法;
・細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するためのRecDヘリカーゼの使用;
・標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)細孔と、(b)RecDヘリカーゼとを含むキット;ならびに
・試料中の標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置であって、複数の細孔および複数のRecDヘリカーゼを含む解析装置;
・標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
(a)RecDヘリカーゼが標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドをRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)RecDヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む方法:
・ポリヌクレオチドを特徴付ける間に標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための、RecDヘリカーゼの使用;
・ポリヌクレオチドの一部または全部を配列決定する間に標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための、RecDヘリカーゼの使用;
・試料中の標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置であって、RecDヘリカーゼを含むことを特徴とする解析装置;ならびに
・標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置と、(b)RecDヘリカーゼとを含むキット
も提供する。
A)ナノ細孔を介するDNAの移動を制御するためのヘリカーゼの使用についての例示的な概略図である。コレステロールタグを含有するプライマーとアニーリングされたssDNA基質を、二重層のシス側へと添加する。コレステロールタグが二重層に結合すると、二重層の表面において基質が濃縮される。シスコンパートメントへと添加されたヘリカーゼが、DNAに結合する。二価の金属イオンおよびNTP基質の存在下で、ヘリカーゼが、DNAに沿って移動する。印加された電圧下で、DNA基質がナノ細孔により捕捉される。印加されるポテンシャルの力の下で、DNAに結合したヘリカーゼが、細孔の上部に接触して、制御されないDNAのさらなる移行を阻止するまで、DNAは細孔内に引き込まれる。この後、ヘリカーゼは、制御された形でナノ細孔を介してDNAを移動させるように進む。 この概略図は、DNAをナノ細孔へと導入する2つの可能な方法を示す。1つの方式(上欄)では、ヘリカーゼが、ナノ細孔内に捕捉されたDNAを、印加された電界の向きに移動させ、他の方式(下欄)では、ヘリカーゼが、捕捉されたDNAを、ナノ細孔から、印加された電界の向きと逆向きに引き出す。印加された電界と同じ向きに移動するとき、DNAは、膜のトランス側へと移動する。上欄および下欄のいずれにおいても、トランス側の矢印は、DNAの動きの向きを指し示し、シス側の矢印は、DNAに照らしたヘリカーゼの動きの向きを指し示す。電界と逆向きに移動するとき、DNAは膜のシス側へと差し戻され、ヘリカーゼが解離しない限りにおいて、DNAは、シス側へと完全に移行しうる。適切なリーダーの使用など、基質のデザインにより、方法の一方または両方を同時に用いることができる。ヘリカーゼのRecDファミリーは、DNAに沿って5’〜3’向きに移動する。したがって、電界と同じ向きにDNAを移動させるには、5’側を下向きにしたDNAの捕捉が要求され、電界と逆向きにDNAを移動させるには、3’側を下向きにしたDNAの捕捉が要求される。B)例で用いられるDNA基質のデザインを示す図である。 ヘリカーゼは、制御された形でナノ細孔を介してDNAを移動させ、DNAがナノ細孔(MspA−(B2)8)内を移動するときに、電流の段階的な変化をもたらしうることを示す図である。例示的なヘリカーゼ−DNAイベント(140mV、400mMのNaCl、10mMのHepes、pH8.0、0.60nMの400マーDNA(配列番号172、173、および174)、100nMのTra1 Eco(配列番号61)、1mMのDTT、1mMのATP、1mMのMgCl)である。上図)電流を時間と対比させた、Tra1 400マーDNAイベントの収集の区間を示す図である。細孔開口時の電流は、約100pAである。印加されるポテンシャル(+140mV)の力の下で、DNAが、ナノ細孔により捕捉される。酵素が連結されたDNAは、酵素が細孔を介してDNAを移動させるときの電流の段階的な変化を示す、長い遮断(この条件では、約25pAにおける)を結果としてもたらす。中図)酵素によるDNAの捕捉と、DNAが細孔内に引き込まれるときの段階的な電流変化とを示す、ヘリカーゼにより制御されたDNAイベントのうちの1つについての拡大図である。下図)DNAがナノ細孔を介して移動するときの電流の段階的な変化についてのさらなる拡大図である。 MspA−B2(8)ナノ細孔を介する、TraI Eco(配列番号61)ヘリカーゼにより制御された400マーDNA(配列番号172、173、および174の400マーDNA)の移動イベントについてのさらなる例を示す図である。下図)鎖がナノ細孔を介して移動するときの、DNAの異なる区間に由来する電流の段階的な変化を示すイベントの区間の拡大図である。 酵素活性を調べるための蛍光アッセイを示す図である。A)カスタムの蛍光基質を用いて、ハイブリダイズしたdsDNAを置換するヘリカーゼの能力についてアッセイしたことを示す図である。1)蛍光基質鎖(50nMの最終濃度)が、5’側のssDNA突出と、ハイブリダイズしたdsDNAの40塩基の区間とを有することを示す図である。アッパー主鎖は、3’端においてカルボキシフルオレセイン基剤を有し、ハイブリダイズした相補体は、5’端にblack−hole quencher(BHQ−1)基剤を有する。ハイブリダイズすると、フルオレセインからの蛍光が、局所のBHQ−1により消光され、基質は、本質的に非蛍光基質となる。蛍光基質の短鎖と相補的な1μMの捕捉鎖が、アッセイに含まれる。2)ATP(1mM)およびMgCl(10mM)の存在下で、基質へと添加されたヘリカーゼ(100nM)が、蛍光基質の5’側テールに結合し、主鎖に沿って移動し、示される通りに相補鎖を置換することを示す図である。3)BHQ−1との相補鎖が完全に置換されると、主鎖上のフルオレセインが蛍光発光することを示す図である。4)過剰な捕捉鎖が、相補的なDNAと優先的にアニーリングして、初期基質の再アニーリングおよび蛍光の喪失を防止することを示す図である。 酵素活性を調べるための蛍光アッセイを示す図である。B)100mM〜1Mの異なる濃度のKClを含有する緩衝液(配列番号28および35のRecD NthおよびRecD Dth;pH8.0の100mMのHepes、1mMのATP、10mMのMgCl、50nMの蛍光基質DNA、1μMの捕捉DNA)中のRecDヘリカーゼ活性の初期比率についてのグラフである。 異なるTra1 ヘリカーゼ、TrwC Cba(+140mV、10mMのHepes、pH8.0、0.6nMの400マーDNA(配列番号172、172、および173)、100nMのTrwC Cba(配列番号65)、1mMのDTT、1mMのATP、1mMのMgCl)を用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAイベントの例を示す図である。上図)電流を時間と対比させた、TrwC Cba 400マーDNAイベントの収集の区間を示す図である。細孔開口時の電流は、約100pAである。印加されるポテンシャル(+140mV)の力の下で、DNAが、ナノ細孔により捕捉される。酵素が連結されたDNAは、酵素が細孔を介してDNAを移動させるときの電流の段階的な変化を示す、長い遮断(この条件では、約25pAにおける)を結果としてもたらす。下図)下方の出力波形は、DNAイベント区間の拡大を示す図であり、DNAが細孔内に引き込まれるときの、配列依存性の段階的な電流変化を示す。 TrwC(Atr)(配列番号144)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。 TrwC(Sal)(配列番号140)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。 TrwC(Ccr)(配列番号136)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。 TrwC(Eco)(配列番号74)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。 TrwC(Oma)(配列番号106)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。 TrwC(Afe)(配列番号86)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。下方の出力波形は、ヘリカーゼにより制御されたDNA移動の拡大部を示す図である。 TrwC(Mph)(配列番号94)ヘリカーゼを用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAの移動を示す電流出力波形の例を示す図である。下方の出力波形は、ヘリカーゼにより制御されたDNA移動の拡大部を示す図である。
開示される作製物および方法の異なる適用は、当技術分野における特定の必要に合せて調整しうることを理解されたい。また、本明細書で用いられる用語は、本発明の特定の実施形態だけについて記載することを目的とするものであり、限定的であることを意図するものではないことも理解されたい。
加えて、本明細書および付属の特許請求の範囲で用いられる単数形の「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」は、文脈により別段であることが明らかに指示されない限りにおいて、複数の指示対象も含む。したがって、例えば、「細孔」に対する言及は、2つ以上のこのような細孔を含み、「ヘリカーゼ」に対する言及は、2つ以上のこのようなヘリカーゼを含み、「ポリヌクレオチド」に対する言及は、2つ以上のこのようなポリヌクレオチドを含むなどである。
前出であれ、後出であれ、本明細書で引用される全ての刊行物、特許、および特許出願は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
本発明の方法
本発明は、標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法を提供する。本方法は、標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが、細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップを含む。次いで、ポリヌクレオチドが、細孔に対して移動するときに、当技術分野で公知の標準的な方法を用いて、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を測定する。標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴は、ポリヌクレオチドが、細孔を介して移動するときに測定することが好ましい。ステップ(a)および(b)は、細孔を隔ててポテンシャルを印加することにより実行することが好ましい。以下でより詳細に論じられる通り、印加されるポテンシャルは、細孔とヘリカーゼとの間における複合体の形成を結果としてもたらすことが典型的である。印加されるポテンシャルは、電圧ポテンシャルでありうる。代替的に、印加されるポテンシャルは、化学ポテンシャルでもありうる。この例は、両親媒性層を隔てて塩勾配を用いることである。塩勾配は、Holdenら、J Am Chem Soc.、2007年7月、11;129(27):8650〜5において開示されている。
場合によっては、ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに細孔を通過する電流を用いて、標的ポリヌクレオチドの配列を決定する。これは、鎖配列決定である。
本方法は、複数の利点を有する。第1に、本発明者らは、RecDヘリカーゼの耐塩性が驚くほどに高いので、本発明の方法は、驚くほど高い塩濃度で実行しうることを示した。鎖配列決定の文脈では、電圧オフセットを加えて、標的ポリヌクレオチドを捕捉し、移行させ、結果として得られる、ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときの配列依存性の電流変化を測定するための導電性溶液を創出するのに、塩などの電荷担体が必要である。測定シグナルは、塩の濃度に依存性であるので、高い塩濃度を用いて、収集されるシグナルの大きさを増大させることが有利である。高い塩濃度は、高いシグナル対ノイズ比をもたらし、ヌクレオチドの存在を示す電流を、通常の電流変動のバックグラウンドに抗して同定することを可能とする。鎖配列決定のためには、100mM過剰の塩濃度、例えば、400mM、600mM、または800mM過剰の塩濃度が理想的である。本発明者らは、驚くべきことに、RecDヘリカーゼが、例えば、1Mなど、極めて高い塩濃度で有効に機能することを示した。本発明は、1M、例えば、2M過剰の塩濃度で有効に機能するヘリカーゼを包摂する。
第2に、電圧を加えると、RecDヘリカーゼは、驚くべきことに、標的ポリヌクレオチドを、2つの向きに、すなわち、印加された電圧から生じる電界と同じ向きに移動させる場合もあり、これと逆向きに移動させる場合もある。よって、本発明の方法は、2つの好ましい方式のうちの1つにより実行することができる。標的ポリヌクレオチドが細孔に対して移動する向き、すなわち、電界の向きであるか、またはこれと逆向きであるかに応じて、異なるシグナルが得られる。これについては、以下でより詳細に論じる。
第3に、RecDヘリカーゼは、細孔を介して標的ポリヌクレオチドを移動させるとき、一度に1つのヌクレオチドを移動させることが典型的である。したがって、RecDヘリカーゼは、シングルベースのラチェットのように機能しうる。これは、標的ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの全てではないにせよ、実質的に全てを、細孔を用いて同定しうるために、当然ながら、標的ポリヌクレオチドを配列決定する場合に有利である。
第4に、RecDヘリカーゼは、一本鎖ポリヌクレオチドおよび二本鎖ポリヌクレオチドの移動を制御することが可能である。これは、本発明に従い、多様な異なる標的ポリヌクレオチドを特徴付けうることを意味する。
第5に、RecDヘリカーゼは、印加された電圧から生じる電界に対して極めて抵抗性が高いと考えられる。本発明者らは、「アンジップ」(unzipping)条件下におけるポリヌクレオチドの移動が極めてわずかであることを見ている。アンジップ条件は、ヌクレオチドの非存在下、例えば、ATPの非存在下で存在することが典型的である。アンジップモードで作動するとき、ヘリカーゼは、標的配列が、印加された電圧の影響下で、細孔を介してあまりに急速に移動することを阻止するブレーキのように作用する。これは、印加された電圧から生じる電界と逆向きにポリヌクレオチドを移動させる場合の望ましくない「逆行」移動に由来する複雑さが見られないことを意味するために、重要である。
第6に、RecDヘリカーゼは、作製が容易であり、ハンドリングが容易である。したがって、それらの使用は、簡単で廉価な配列決定法に寄与した。
本発明の方法は、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための方法である。核酸などのポリヌクレオチドは、2つ以上のヌクレオチドを含む高分子である。ポリヌクレオチドまたは核酸は、任意のヌクレオチドの任意の組合せを含みうる。ヌクレオチドは、自然発生の場合もあり、人工の場合もある。標的ポリヌクレオチド中の1または複数のヌクレオチドは、酸化することもでき、メチル化することもできる。標的ポリヌクレオチド中の1または複数のヌクレオチドは、損傷される場合もある。標的ポリヌクレオチド中の1または複数のヌクレオチドは、例えば、標識またはタグで修飾される場合もある。標的ポリヌクレオチドは、1または複数のスペーサーを含みうる。
ヌクレオチドは、核酸塩基、糖、および少なくとも1つのリン酸基を含有することが典型的である。核酸塩基は、複素環であることが典型的である。核酸塩基には、プリンおよびピリミジンが含まれるがこれらに限定されず、より特定すると、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、およびシトシンが含まれるがこれらに限定されない。糖は、五炭糖であることが典型的である。ヌクレオチドの糖には、リボースおよびデオキシリボースが含まれるがこれらに限定されない。ヌクレオチドは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドであることが典型的である。ヌクレオチドは、一リン酸、二リン酸、または三リン酸を含有することが典型的である。リン酸は、ヌクレオチドの5’側に連結される場合もあり、ヌクレオチドの3’側 に連結される場合もある。
ヌクレオチドには、アデノシン一リン酸(AMP)、グアノシン一リン酸(GMP)、チミジン一リン酸(TMP)、ウリジン一リン酸(UMP)、シチジン一リン酸(CMP)、サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、およびデオキシシチジン一リン酸(dCMP)が含まれるがこれらに限定されない。ヌクレオチドは、AMP、TMP、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMP、またはdCMPから選択されることが好ましい。
ヌクレオチドは、非塩基性でありうる(すなわち、核酸塩基を欠く場合がある)。
ポリヌクレオチドは、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もある。ポリヌクレオチドの少なくとも一部は、二本鎖であることが好ましい。
ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)などの核酸でありうる。標的ポリヌクレオチドは、DNAの1つの鎖とハイブリダイズしたRNAの1つの鎖を含みうる。ポリヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、グリセロール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、ロックト核酸(LNA)、またはヌクレオチド側鎖を伴う他の合成ポリマーなど、当技術分野で公知の任意の合成核酸でありうる。
本方法を用いて、標的ポリヌクレオチドの全体を特徴付けることもでき、標的ポリヌクレオチドの一部だけを特徴付けることもできる。標的ポリヌクレオチドは、任意の長さでありうる。例えば、ポリヌクレオチドは、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも150、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、または少なくとも500ヌクレオチド対の長さでありうる。ポリヌクレオチドは、1000ヌクレオチド対以上、5000ヌクレオチド対以上の長さの場合もあり、100000ヌクレオチド対以上の長さの場合もある。
標的ポリヌクレオチドは、任意の適切な試料中に存在する。本発明は、標的ポリヌクレオチドを含有することが公知であるかまたはこれを含有することが疑われる試料に対して実行することが典型的である。代替的に、本発明を試料に対して実行して、試料中のそれらの存在が公知であるかまたは予測される1または複数の標的ポリヌクレオチドの同一性を確認することもできる。
試料は、生物学的試料でありうる。本発明は、in vitroにおいて、任意の生物または微生物から得られるかまたは抽出される試料に対して実行することができる。生物または微生物は、古細菌、原核生物、または真核生物であることが典型的であり、5つの生物界:植物界、動物界、真菌界、モネラ界、および原生生物界のうちの1つに属することが典型的である。本発明は、in vitroにおいて、任意のウイルスから得られるか、または任意のウイルスから抽出される試料に対して実行することができる。試料は、流体試料であることが好ましい。試料は、患者の体液を含むことが典型的である。試料は、尿、リンパ、唾液、粘液、または羊水でありうるが、血液、血漿、または血清であることが好ましい。試料はヒト由来であることが典型的であるが、代替的に、ウマ、ウシ、ヒツジ、またはブタなどの市販用に飼育された動物など、別の哺乳動物に由来する場合もあり、代替的に、ネコまたはイヌなどのペットの場合もある。代替的に、植物由来の試料は、穀類、マメ科植物、果実、または、野菜など、市販用の作物、例えば、コムギ、オオムギ、オートムギ、キャノーラ、トウモロコシ、ダイズ、コメ、バナナ、リンゴ、トマト、バレイショ、ブドウ、タバコ、マメ、ヒラマメ、サトウキビ、ココア、綿花から得られることが典型的である。
試料は、非生物学的試料でありうる。非生物学的試料は、流体試料であることが好ましい。非生物学的試料の例には、手術時洗浄液、飲用水、海水、または河川水などの水、および実験室検査用の試薬が含まれる。
試料は、アッセイする前に、例えば、遠心分離により、または望ましくない分子もしくは赤血球などの望ましくない細胞を濾過して取り除く膜を通過させることにより処理することが典型的である。試料は、採取して速やかに測定することができる。試料はまた、アッセイ前に、好ましくは−70℃未満で保存することも典型的である。
膜貫通細孔とは、膜をある程度まで貫通する構造である。膜貫通細孔は、水和イオンなどのイオンが、印加されるポテンシャルにより駆動されて、膜を隔てて流動するかまたは膜内を流動することを許容する。膜貫通細孔は、イオンが、膜の一方の側から膜の他の側へと流動しうるように、膜全体を貫通することが典型的である。しかし、膜貫通細孔は、膜を貫通しなくともよい。膜貫通細孔は、一方の末端で閉止させることもできる。例えば、細孔は、それに沿ってイオンが流動するか、またはその中をイオンが流動する、膜内のウェルでありうる。
本発明に従い、任意の膜を用いることができる。当技術分野では、適切な膜が周知である。膜は、両親媒性層であることが好ましい。両親媒性層とは、リン脂質など、少なくとも1つの親水性部分および少なくとも1つの親油性部分または疎水性部分の両方を有する両親媒性の分子から形成される層である。両親媒性層は、単層の場合もあり、二重層の場合もある。両親媒性層は、平面状の脂質二重層または支持物を伴う二重層であることが典型的である。
両親媒性層は、脂質二重層であることが典型的である。脂質二重層は、細胞膜のモデルであり、ある範囲にわたる実験的研究のための優れたプラットフォームとして用いられる。例えば、脂質二重層は、in vitroにおける、単一チャネル記録による膜タンパク質の探索のために用いることができる。代替的に、脂質二重層は、ある範囲にわたる物質の存在を検出するためのバイオセンサーとしても用いることができる。脂質二重層は、任意の脂質二重層でありうる。適切な脂質二重層には、平面状の脂質二重層、支持物を伴う二重層、またはリポソームが含まれるがこれらに限定されない。脂質二重層は、平面状の脂質二重層であることが好ましい。適切な脂質二重層は、国際出願第PCT/GB08/000563号(WO2008/102121として公開されている)、国際出願第PCT/GB08/004127号(WO2009/077734として公開されている)、および国際出願第PCT/GB2006/001057号(WO2006/100484として公開されている)において開示されている。
当技術分野では、脂質二重層を形成するための方法が公知である。適切な方法については、実施例において開示する。脂質二重層は一般に、その界面に対して垂直な開口部のいずれの側の水溶液/空気間界面上にも脂質単層が運ばれるMontalおよびMueller(Proc. Natl. Acad. Sci. USA.、1972; 69: 3561〜3566)の方法により形成される。
MontalおよびMuellerの方法は、費用効果が高く、比較的簡単な方法であって、タンパク質への細孔の挿入に適する、良質の脂質二重層を形成する方法であるためによく知られている。二重層形成の他の一般的な方法には、チップディッピング、二重層の塗布、およびリポソーム二重層のパッチクランピングが含まれる。
好ましい実施形態では、脂質二重層を、国際出願第PCT/GB08/004127号(WO2009/077734として公開されている)において記載される通りに形成する。
別の好ましい実施形態では、膜が、固体状態層である。固体状態層は、生物由来ではない。言い換えれば、固体状態層は、生物または細胞など、生物学的環境に由来するのでもなく、生物学的環境から単離されるのでもなく、生物学的に入手可能な構造の合成製造形でもない。固体状態層は、マイクロエレクトロニクス材料、Si、Al、およびSiOなどの絶縁材料、ポリアミドなどの有機ポリマーおよび無機ポリマー、Teflon(登録商標)などのプラスチック、または2成分添加養生型シリコーンゴムなどのエラストマー、およびガラスが含まれるがこれらに限定されない、有機材料および無機材料の両方から形成することができる。固体状態層は、グラフェンなどの単原子層から形成することもでき、原子数個だけの厚さの層から形成することもできる。適切なグラフェン層は、国際出願第PCT/US2008/010637号(WO2009/035647として公開されている)において開示されている。
本方法は、(i)細孔を含む人工の両親媒性層、(ii)単離された自然発生の、細孔を含む脂質二重層、または(iii)その中に細孔を挿入された細胞を用いて実行することが典型的である。本方法は、人工の脂質二重層など、人工の両親媒性層を用いて実行することが典型的である。層は、細孔に加えて、他の膜貫通タンパク質および/または膜内タンパク質のほか、他の分子も含みうる。適切な装置および条件については、以下で論じる。本発明の方法は、in vitroにおいて実行することが典型的である。
ポリヌクレオチドは、膜へとカップリングすることができる。これは、任意の公知の方法を用いて行うことができる。膜が、脂質二重層などの両親媒性層(上記で詳細に論じた)である場合は、ポリヌクレオチドを、膜内に存在するポリペプチドまたは膜内に存在する疎水性アンカーを介して、膜へとカップリングすることが好ましい。疎水性アンカーは、脂質、脂肪酸、ステロール、カーボンナノチューブ、またはアミノ酸であることが好ましい。
ポリヌクレオチドは、膜へと直接カップリングすることができる。ポリヌクレオチドは、リンカーを介して膜へとカップリングすることが好ましい。好ましいリンカーには、ポリヌクレオチド、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリペプチドなどのポリマーが含まれるがこれらに限定されない。ポリヌクレオチドを膜へと直接カップリングする場合は、膜とヘリカーゼとの間の距離のために、特徴付けの試行をポリヌクレオチドの末端まで続行することができないので、一部のデータが失われるであろう。リンカーを用いる場合は、ポリヌクレオチドを完全に処理することができる。リンカーを用いる場合、リンカーは、任意の位置において、ポリヌクレオチドへと連結することができる。リンカーは、テールポリマーにおいて、ポリヌクレオチドへと連結することが好ましい。
カップリングは、安定的な場合もあり、一過性の場合もある。特定の適用では、カップリングが一過性の性格であることが好ましい。安定的カップリング分子を、ポリヌクレオチドの5’端または3’端へと直接連結した場合は、特徴付けの試行を、二重層とヘリカーゼの活性部位との間の距離のために、ポリヌクレオチドの末端まで継続することができないので、一部のデータが失われるであろう。カップリングが一過性である場合に、カップリングされる末端が、二重層からランダムに遊離すれば、ポリヌクレオチドを完全に処理することができる。膜との安定的連結または一過性連結を形成する化学基については、以下でより詳細に論じる。コレステロール鎖または脂肪酸アシル鎖を用いて、ポリヌクレオチドを、脂質二重層などの両親媒性層へと一過性にカップリングすることができる。ヘキサデカン酸など、6〜30炭素原子の長さの任意の脂肪酸アシル鎖を用いることができる。
好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドを、両親媒性層へとカップリングする。ポリヌクレオチドの、合成脂質二重層へのカップリングは、多様な異なるテザリング戦略により既に実行されている。これらを、以下の表1にまとめる。
ポリヌクレオチドは、チオール基、コレステロール基、脂質基、およびビオチン基などの反応性基を付加するのに容易に適合可能な、合成反応における修飾ホスホルアミダイトを用いて官能化することができる。これらの異なる連結化学反応は、ポリヌクレオチドのための一連の連結選択肢をもたらす。各異なる修飾基は、ポリヌクレオチドをわずかに異なる形でテザリングし、カップリングは常に恒久的ではないので、ポリヌクレオチドの二重層への滞留時間に差違がもたらされる。一過性カップリングの利点については、上記で論じられている。
ポリヌクレオチドのカップリングはまた、反応性基をポリヌクレオチドへと付加しうるという条件で、他の多数の手段によっても達成することができる。DNAのいずれかの末端への反応性基の付加については、既に報告されている。チオール基は、ポリヌクレオチドキナーゼおよびATPγSを用いて、ssDNAの5’側へと付加することができる(Grant, G. P.およびP. Z. Qin(2007)「A facile method for attaching nitroxide spin labels at the 5' terminus of nucleic acids」、Nucleic Acids Res、35(10): e77)。ビオチン、チオール、およびフルオロフォアなど、化学基のより多様な選択は、修飾オリゴヌクレオチドをssDNAの3’側へと組み込む末端のトランスフェラーゼを用いて付加することができる(Kumar, A., P. Tchenら(1988)「Nonradioactive labeling of synthetic oligonucleotide probes with terminal deoxynucleotidyl transferase」、Anal Biochem、169(2): 376〜82)。
代替的に、反応性基は、連結が、ハイブリダイゼーションを介して達成されうるように、既に二重層へとカップリングされたDNAと相補的なDNAの短い小部分の付加であると考えることができるであろう。T4 RNAリガーゼIを用いるssDNAの短い小部分のライゲーションが、報告されている(Troutt, A. B.、M. G. McHeyzer-Williamsら(1992)、「Ligation-anchored PCR: a simple amplification technique with single-sided specificity」、Proc Natl Acad Sci U S A、89(20): 9823〜5)。代替的に、ssDNAまたはdsDNAを、天然のdsDNAへとライゲーションし、次いで、熱変性または化学的変性により、2つの鎖を分離することもできるであろう。天然のdsDNAへは、ssDNAの小部分を二重鎖の末端の一方または両方へと付加することも可能であり、dsDNAを二重鎖の末端の一方または両方へと付加することも可能である。次いで、二重鎖を溶融させると、ssDNAを5’端、3’端、または両側におけるライゲーションまたは修飾に用いた場合も、dsDNAをライゲーションに用いた場合も、各一本鎖に5’側修飾または3’側修飾が施されるであろう。ポリヌクレオチドが合成鎖である場合は、カップリング化学反応を、ポリヌクレオチドの化学合成時に組み込むことができる。例えば、反応性基を連結したポリヌクレオチドは、プライマーを用いて合成することができる。
ゲノムDNAの区間を増幅するための一般的な技法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いている。PCRでは、2つの合成オリゴヌクレオチドプライマーを用いて、同じDNA区間の多数のコピーを生成させることができるが、この場合、各コピーについて、二重鎖内の各鎖の5’側が、合成ポリヌクレオチドとなろう。コレステロール、チオール、ビオチン、または脂質などの反応性基を有するアンチセンスプライマーを用いることにより、増幅される標的DNAの各コピーは、カップリングのための反応性基を含有することになる。
膜貫通細孔は、膜貫通タンパク質細孔であることが好ましい。膜貫通タンパク質細孔とは、膜をある程度まで貫通するタンパク質構造である。膜貫通タンパク質細孔は、イオンが、印加されるポテンシャルにより駆動されて、膜を隔てて流動するかまたは膜内を流動することを許容する。膜貫通タンパク質細孔は、解析物などのイオンが、膜の一方の側から膜の他の側へと流動することを許容する、ポリペプチドまたはポリペプチドの集合体であることが典型的である。しかし、膜貫通タンパク質細孔は、膜を貫通しなくともよい。膜貫通タンパク質細孔は、一方の末端で閉止させることもできる。例えば、膜貫通細孔は、それに沿ってイオンが流動するか、またはその中をイオンが流動する、膜内のウェルを形成しうる。膜貫通タンパク質細孔は、ヌクレオチドなどの解析物が、膜を隔てて流動するかまたは膜内を流動することを許容することが好ましい。膜貫通タンパク質細孔は、DNAまたはRNAなどのポリヌクレオチドを、細孔を介して移動させる。
膜貫通タンパク質細孔は、単量体の場合もあり、オリゴマーの場合もある。細孔は、6つ、7つ、8つ、または9つのサブユニットなど、複数の反復サブユニットから構成されることが好ましい。細孔は、六量体、七量体、八量体、または九量体の細孔であることが好ましい。
膜貫通タンパク質細孔は、その中をイオンが流動しうる、バレルまたはチャネルを含むことが典型的である。細孔のサブユニットは、中心軸を取り囲み、膜貫通βバレルもしくは膜貫通βチャネルまたは膜貫通αへリックスバンドルもしくは膜貫通αチャネルに鎖を供与することが典型的である。
膜貫通タンパク質細孔のバレルまたはチャネルは、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または核酸などの解析物との相互作用を促すアミノ酸を含むことが典型的である。これらのアミノ酸は、バレルまたはチャネルの狭窄部の近傍に配置することが好ましい。膜貫通タンパク質細孔は、アルギニン、リシン、もしくはヒスチジンなどの1もしくは複数の正に帯電したアミノ酸、またはチロシンもしくはトリプトファンなどの芳香族アミノ酸を含むことが典型的である。これらのアミノ酸は、細孔と、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または核酸との間の相互作用を促すことが典型的である。
本発明に従い用いられる膜貫通タンパク質細孔は、βバレル細孔またはαへリックスバンドル細孔に由来しうる。βバレル細孔は、β鎖から形成されるバレルまたはチャネルを含む。適切なβバレル細孔には、α−ヘモリシン、炭疽菌毒素、およびロイコシジンなどのβ毒素、ならびにマイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)のポリン(Msp)、例えば、MspA、外膜ポリンF(OmpF)、外膜ポリンG(OmpG)、外膜ホスホリパーゼA、およびナイセリア(Neisseria)属オートトランスポーターリポタンパク質(NalP)など、細菌の外膜タンパク質/ポリンが含まれるがこれらに限定されない。αへリックスバンドル細孔は、αへリックスから形成されるバレルまたはチャネルを含む。適切なαへリックスバンドル細孔には、内膜タンパク質ならびにWZAおよびClyA毒素などのα外膜タンパク質が含まれるがこれらに限定されない。膜貫通細孔は、Mspに由来する場合もあり、α−ヘモリシン(α−HL)に由来する場合もある。
膜貫通タンパク質細孔は、Msp、好ましくはMspAに由来することが好ましい。このような細孔は、オリゴマーであり、Mspに由来する7つ、8つ、9つ、または10の単量体を含むことが典型的である。細孔は、同一の単量体を含む、Mspに由来するホモオリゴマー細孔でありうる。代替的に、細孔は、他の単量体と異なる少なくとも1つの単量体を含む、Mspに由来するヘテロオリゴマーの細孔でもありうる。細孔は、MspAまたはその相同体もしくはパラログに由来することが好ましい。
Mspに由来する単量体は、配列番号2またはその変異体に示される配列を含む。配列番号2は、Msp単量体のMS−(B1)8突然変異体である。配列番号2には、以下の突然変異:D90N、D91N、D93N、D118R、D134R、およびE139Kを含む。配列番号2の変異体とは、配列番号2のアミノ酸配列に照らして変異し、細孔を形成するその能力を保持するアミノ酸配列を有するポリペプチドである。細孔を形成する変異体の能力は、当技術分野で公知の任意の方法を用いてアッセイすることができる。例えば、変異体を、他の適切なサブユニットと共に両親媒性層へと挿入し、オリゴマー化して細孔を形成するその能力を決定することができる。当技術分野では、サブユニットを両親媒性層などの膜内に挿入するための方法が公知である。例えば、サブユニットは、それが脂質二重層へと拡散し、脂質二重層へと結合し、機能的状態へとアセンブルされることにより挿入されるように、精製形態で、脂質二重層を含有する溶液中に懸濁させることができる。代替的に、サブユニットは、M.A. Holden、H. Bayley.、J. Am. Chem. Soc.、2005、127、6502〜6503、および国際出願第PCT/GB2006/001057号(WO2006/100484として公開されている)において記載されている「ピックアンドプレイス」法を用いて、膜内に直接挿入することもできる。
配列番号2のアミノ酸配列の全長にわたり、変異体は、アミノ酸の同一性に基づいて、配列番号2の配列と少なくとも50%相同であることが好ましい。変異体は、配列の全体にわたり、アミノ酸の同一性に基づいて、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%相同でありうることがより好ましく、少なくとも95%、97%、または99%相同でありうることがより好ましい。100以上、例えば、125、150、175、または200以上の連続アミノ酸の連なりにわたり、少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、または95%のアミノ酸同一性を認めることができる(「堅い相同性」)。
当技術分野における標準的な方法を用いて、相同性を決定することができる。例えば、UWGCGパッケージは、相同性を計算するのに用いうる、例えば、そのデフォルトの設定で用いうるBESTFITプログラム(Devereuxら(1984)Nucleic Acids Research、12、387〜395ページ)を提供している。例えば、Altschul S. F.(1993)、J Mol Evol、36:290〜300; Altschul, S.Fら(1990)、J Mol Biol、215:403〜10において記載される通り、PILEUPアルゴリズムおよびBLASTアルゴリズムは、相同性を計算するのに用いることもでき、配列を整列する(同等な残基または対応する配列を同定する(それらのデフォルト設定であることが典型的である)など)のに用いることもできる。BLAST解析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して一般に入手可能である。
配列番号2は、MspA単量体のMS−(B1)8突然変異体である。この変異体は、MspAと比較した、MspB単量体、MspC単量体、またはMspD単量体における突然変異のうちのいずれかを含みうる。MspB、MspC、およびMspDの成熟形態を、配列番号5〜7に示す。特に、この変異体は、MspBに存在する以下の置換:A138Pを含みうる。この変異体は、MspCに存在する以下の置換:A96G、N102E、およびA138Pのうちの1または複数を含みうる。この変異体は、MspDに存在する以下の突然変異:G1の欠失、L2V、E5Q、L8V、D13G、W21A、D22E、K47T、I49H、I68V、D91G、A96Q、N102D、S103T、V104I、S136K、およびG141Aのうちの1または複数を含みうる。変異体は、Msp B、Msp C、およびMsp Dに由来する突然変異および置換のうちの1または複数の組合せを含みうる。この変異体は、突然変異L88Nを含むことが好ましい。配列番号2の変異体は、MS−B1の全ての突然変異に加えて、突然変異L88Nを有し、MS−B2と称する。本発明で用いられる細孔は、MS−(B2)8であることが好ましい。
配列番号2のアミノ酸配列に対しては、上記で論じたアミノ酸置換に加えて、アミノ酸置換、例えば、最大で1、2、3、4、5、10、20、または30カ所の置換を施すことができる。保存的置換は、アミノ酸を、化学構造が類似するか、化学的特性が類似するか、または側鎖容量が類似する他のアミノ酸で置きかえる。導入されるアミノ酸は、それらにより置きかえられるアミノ酸と、極性、親水性、疎水性、塩基性度、酸性度、中性度、または電荷が類似しうる。代替的に、保存的置換では、既存の芳香族アミノ酸または脂肪族アミノ酸の代わりに、芳香族または脂肪族である別のアミノ酸を導入することもできる。当技術分野では、保存的アミノ酸変化が周知であり、以下の表2で規定される20の主要アミノ酸の特性に従い選択することができる。アミノ酸の極性が類似する場合はまた、これも、アミノ酸側鎖についての、表3のヒドロパシースケールに照らして決定することができる。
加えて、配列番号2のアミノ酸配列のうちの1または複数のアミノ酸残基を、上記のポリペプチドから欠失させることもできる。最大で1、2、3、4、5、10、20、または30以上の残基を欠失させることができる。
変異体は、配列番号2の断片を含みうる。このような断片は、細孔形成活性を保持する。断片は、少なくとも50、100、150、または200アミノ酸の長さでありうる。このような断片を用いて、細孔を作製することができる。断片は、配列番号2の細孔形成ドメインを含むことが好ましい。断片は、配列番号2の残基88、90、91、105、118、および134のうちの1つを含まなければならない。断片には、配列番号2の残基88、90、91、105、118、および134の全てを含むことが典型的である。
代替的に、または加えて、1または複数のアミノ酸を、上記のポリペプチドへと付加することもできる。伸長は、配列番号2のアミノ酸配列またはそのポリペプチド変異体もしくは断片のアミノ末端において施すこともでき、配列番号2のアミノ酸配列またはそのポリペプチド変異体もしくは断片のカルボキシ末端において施すこともできる。伸長は、ごく短いことが可能であり、例えば、1〜10アミノ酸の長さでありうる。代替的に、伸長は、より長い場合もあり、例えば、最大で50または100アミノ酸でありうる。本発明に従うアミノ酸配列には、担体タンパク質を融合させることもできる。他の融合タンパク質については、以下でより詳細に論じる。
上記で論じた通り、変異体とは、配列番号2のアミノ酸配列に照らして変異し、細孔を形成するその能力を保持するアミノ酸配列を有するポリペプチドである。変異体は、細孔形成の一因となる配列番号2の領域を含有することが典型的である。βバレルを含有するMspの細孔形成能力は、各サブユニット内のβシートによりもたらされる。配列番号2の変異体は、βシートを形成する配列番号2内の領域を含むことが典型的である。結果として得られる変異体が、細孔を形成するその能力を保持する限りにおいて、1または複数カ所の修飾を、βシートを形成する配列番号2の領域へと施すことができる。配列番号2の変異体は、そのαへリックス領域内および/またはループ領域内に、置換、付加、または欠失など、1または複数カ所の修飾を含むことが好ましい。
Mspに由来する単量体を修飾して、例えば、ヒスチジン残基(histタグ)、アスパラギン酸残基(aspタグ)、ストレプトアビジンタグ、またはflagタグを付加することにより、それらの同定または精製の一助とすることもでき、天然ではポリペプチドがこのような配列を含有しない細胞からのそれらの分泌を促進するシグナル配列を付加することにより、それらの同定または精製の一助とすることもできる。遺伝子タグの導入に対する代替法は、細孔表面の天然の位置または操作された位置において、タグを化学的に反応させることである。この例は、ゲルシフト試薬を、細孔の外側において、操作されたシステインへと反応させることであろう。これは、ヘモリシンのヘテロオリゴマーを分離するための方法として裏付けられている(Chem Biol.、1997年7月; 4(7):497〜505)。
Mspに由来する単量体は、明示的標識で標識することができる。明示的標識は、細孔の検出を可能とする任意の適切な標識でありうる。適切な標識には、蛍光分子、放射性同位元素、例えば、125I、35S、酵素、抗体、抗原、ポリヌクレオチド、およびビオチンなどのリガンドが含まれるがこれらに限定されない。
Mspに由来する単量体はまた、D−アミノ酸を用いても作製することができる。例えば、Mspに由来する単量体は、L−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物を含みうる。これは、このようなタンパク質またはペプチドをもたらすための、当技術分野における通常法である。
Mspに由来する単量体は、ヌクレオチドの識別を促す1または複数の特定の修飾を含有する。Mspに由来する単量体はまた、それらが細孔形成に干渉しない限りにおいて、他の非特異的修飾も含有しうる。当技術分野では、多数の非特異的側鎖修飾が公知であり、Mspに由来する単量体の側鎖へと施すことができる。このような修飾には、例えば、アルデヒドを伴う反応によるアミノ酸の還元的アルキル化の後、NaBHを伴う還元、メチルアセトイミデートを伴うアミジン化、または無水酢酸を伴うアシル化が含まれる。
Mspに由来する単量体は、当技術分野で公知の標準的な方法を用いて作製することができる。Mspに由来する単量体は、合成により施すこともでき、組換え手段により施すこともできる。例えば、細孔は、in vitroにおける翻訳および転写(IVTT)により合成することができる。細孔をもたらすのに適する方法は、国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/004273として公開されている)、同第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公開されている)、または同第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公開されている)において論じられている。細孔を膜内に挿入するための方法が論じられている。
膜貫通タンパク質細孔はまた、α−ヘモリシン(α−HL)に由来することも好ましい。野生型のα−HL細孔は、7つの同一の単量体またはサブユニットから形成される(すなわち、α−HL細孔は七量体である)。α−ヘモリシン−NNの1つの単量体またはサブユニットの配列を、配列番号4に示す。膜貫通タンパク質細孔は、各々が配列番号4に示される配列またはその変異体を含む7つの単量体を含むことが好ましい。配列番号4のアミノ酸1、7〜21、31〜34、45〜51、63〜66、72、92〜97、104〜111、124〜136、149〜153、160〜164、173〜206、210〜213、217、218、223〜228、236〜242、262〜265、272〜274、287〜290、および294は、ループ領域を形成する。配列番号4の残基113および147は、α−HLのバレルまたはチャネルの狭窄部の一部を形成する。
このような実施形態では、各々が配列番号4に示される配列またはその変異体を含む7つのタンパク質または単量体を含む細孔は、本発明の方法で用いられることが好ましい。7つのタンパク質は、同じ(ホモ七量体)場合もあり、異なる(ヘテロ七量体)場合もある。
配列番号4の変異体は、配列番号4のアミノ酸配列に照らして変異し、その細孔形成能力を保持するアミノ酸配列を有するタンパク質である。細孔を形成する変異体の能力は、当技術分野で公知の任意の方法を用いてアッセイすることができる。例えば、変異体を、他の適切なサブユニットと共に、脂質二重層などの両親媒性層へと挿入し、オリゴマー化して細孔を形成するその能力を決定することができる。当技術分野では、サブユニットを脂質二重層などの両親媒性層に挿入するための方法が公知である。適切な方法については、上記で論じられている。
変異体は、ヘリカーゼへの共有結合的連結またはヘリカーゼとの相互作用を促す修飾を含みうる。変異体は、ヘリカーゼへの連結を促す1または複数の反応性システイン残基を含むことが好ましい。例えば、変異体は、配列番号4の8、9、17、18、19、44、45、50、51、237、239、および287位のうちの1または複数、ならびに/または配列番号4のアミノ末端もしくはカルボキシ末端において、システインを含みうる。好ましい変異体は、配列番号4の8、9、17、237、239、および287位において、システインによる残基の置換を含む(A8C、T9C、N17C、K237C、S239C、またはE287C)。変異体は、国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/004273として公開されている)、同第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公開されている)、または同第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公開されている)において記載されている変異体のうちのいずれか1つであることが好ましい。
変異体はまた、ヌクレオチドとの任意の相互作用を促す修飾も含みうる。
変異体は、生物、例えば、ブドウ球菌(Staphylococcus)属の細菌が天然で発現させる、自然発生の変異体でありうる。代替的に、変異体は、in vitroにおいて発現させることもでき、組換えにより大腸菌(Escherichia coli)などの細菌に発現させることもできる。変異体にまた、組換え法により作製される非自然発生の変異体も含みうる。配列番号4のアミノ酸配列の全長にわたり、変異体は、アミノ酸の同一性に基づいて、配列番号4の配列と少なくとも50%相同であることが好ましい。変異体は、配列の全体にわたり、アミノ酸の同一性に基づいて、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%相同でありうることがより好ましく、少なくとも95%、97%、または99%相同でありうることがより好ましい。200以上、例えば、230、250、270、または280以上の連続アミノ酸の連なりにわたり、少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、または95%のアミノ酸同一性を認めることができる(「堅い相同性」)。相同性は、上記で論じた通りに決定することができる。
配列番号4のアミノ酸配列に対しては、上記で論じたアミノ酸置換に加えて、アミノ酸置換、例えば、最大で1、2、3、4、5、10、20、または30カ所の置換を施すことができる。保存的置換は、上記で論じた通りに施すことができる。
加えて、配列番号4のアミノ酸配列のうちの1または複数のアミノ酸残基を、上記のポリペプチドから欠失させることもできる。最大で1、2、3、4、5、10、20、または30以上の残基を欠失させることができる。
変異体は、配列番号4の断片でありうる。このような断片は、細孔形成活性を保持する。断片は、少なくとも50、100、200、または250アミノ酸の長さでありうる。断片は、配列番号4の細孔形成ドメインを含むことが好ましい。断片は、配列番号4の残基119、121、135、113、および139を含むことが典型的である。
代替的に、または加えて、1または複数のアミノ酸を、上記のポリペプチドへと付加することもできる。伸長は、配列番号4のアミノ酸配列またはその変異体もしくは断片のアミノ末端において施すこともでき、配列番号4のアミノ酸配列またはその変異体もしくは断片のカルボキシ末端において施すこともできる。伸長は、ごく短いことが可能であり、例えば、1〜10アミノ酸の長さでありうる。代替的に、伸長は、より長い場合もあり、例えば、最大で50または100アミノ酸でありうる。細孔または変異体には、担体タンパク質を融合させることもできる。
上記で論じた通り、配列番号4の変異体とは、配列番号4のアミノ酸配列に照らして変異し、細孔を形成するその能力を保持するアミノ酸配列を有するサブユニットである。変異体は、細孔形成の一因となる配列番号4の領域を含有することが典型的である。βバレルを含有するα−HLの細孔形成能力は、各サブユニット内のβ鎖によりもたらされる。配列番号4の変異体は、β鎖を形成する配列番号4内の領域を含むことが典型的である。β鎖を形成する配列番号4のアミノ酸については、上記で論じられている。結果として得られる変異体が、細孔を形成するその能力を保持する限りにおいて、1または複数カ所の修飾を、β鎖を形成する配列番号4の領域へと施すことができる。配列番号4のβ鎖領域へと施しうる特定の修飾については、上記で論じられている。
配列番号4の変異体には、そのαへリックス領域内および/またはループ領域内に、置換、付加、または欠失など、1または複数カ所の修飾を含むことが好ましい。αへリックスおよびループを形成するアミノ酸については、上記で論じられている。
上記で論じた通り、変異体を修飾して、その同定または精製の一助とすることができる。
α−HLに由来する細孔は、Mspに由来する細孔に言及する上記で論じた通りに施すことができる。
一部の実施形態では、膜貫通タンパク質細孔を、化学修飾する。細孔は、任意の部位において、任意の形で、化学修飾することができる。膜貫通タンパク質細孔は、分子を1または複数のシステインへと連結すること(システイン連結)、分子を1または複数のリシンへと連結すること、分子を1または複数の非天然アミノ酸へと連結すること、エピトープの酵素修飾、または末端の修飾により化学修飾することが好ましい。当技術分野では、このような修飾を実施するのに適する方法が周知である。膜貫通タンパク質細孔は、任意の分子を連結ことにより化学修飾することができる。例えば、細孔は、色素またはフルオロフォアを連結することにより化学修飾することができる。
細孔内の任意の数の単量体を化学修飾することができる。上記で論じた通り、単量体のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10など、1または複数を化学修飾することが好ましい。
システイン残基の反応性は、隣接する残基を修飾することにより増強することができる。例えば、アルギニン残基、ヒスチジン残基、またはリシン残基を塩基性基で挟むと、システインチオール基のpKaは、反応性の大きなS基のpKaへと変化する。システイン残基の反応性は、dTNBなどのチオール保護基により保護することができる。リンカーを連結する前に、これらを、細孔の1または複数のシステイン残基と反応させることができる。
国際出願第PCT/GB09/001690号(WO2010/004273として公開されている)、同第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公開されている)、または同第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公開されている)において開示されている通り、分子(それにより細孔を化学修飾する)は、細孔へと直接連結することもでき、リンカーを介して連結することもできる。
本発明に従う任意のRecDヘリカーゼを用いることができる。当技術分野では、RecDヘリカーゼの構造が公知である(FEBS J.、2008年4月;275(8):1835〜51; Epub、2008年3月9日、「ATPase activity of RecD is essential for growth of the Antarctic Pseudomonas syringae Lz4W at low temperature」、Satapathy AK、Pavankumar TL、Bhattacharjya S、Sankaranarayanan R、Ray MK; EMS Microbiol Rev.、2009年5月;33(3):657〜87、「The diversity of conjugative relaxases and its application in plasmid classification」、Garcillan-Barcia MP、Francia MV、de la Cruz F; J Biol Chem.、2011年4月8日;286(14):12670〜82; Epub、2011年2月2日、「Functional characterization of the multidomain F plasmid TraI relaxase-helicase」; Cheng Y、McNamara DE、Miley MJ、Nash RP、Redinbo MR)。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−X7(本明細書の以下では、RecD様モチーフIと称する;配列番号8)[式中、X1は、G、S、またはAであり、X2は、任意のアミノ酸であり、X3は、P、A、S、またはGであり、X4は、T、A、V、S、またはCであり、X5は、GまたはAであり、X6は、KまたはRであり、X7は、TまたはSである]を含むことが典型的である。X1は、Gあることが好ましい。X2は、G、I、Y、またはAであることが好ましい。X2は、Gであることがより好ましい。X3は、PまたはAであることが好ましい。X4は、T、A、V、またはCであることが好ましい。X4は、T、V、またはCであることが好ましい。X5は、Gであることが好ましい。X6は、Kであることが好ましい。X7は、TまたはSであることが好ましい。RecDヘリカーゼは、Q−(X8)16〜18−X1−X2−X3−G−X4−X5−X6−X7(本明細書の以下では、伸長RecD様モチーフIと称する;それぞれに16、17、および18のX8が存在する配列番号9、10、および11)[式中、X1〜X7は、上記で規定した通りであり、X8は、任意のアミノ酸である]を含むことが好ましい。伸長RecD様モチーフI(配列番号9)には、16のX8残基が存在すること(すなわち、(X8)16)が好ましい。(X8)16に適する配列は、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、および44において同定することができる。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフG−G−P−G−Xa−G−K−Xb(本明細書の以下では、RecDモチーフIと称する;配列番号12)[式中、Xaは、T、V、またはCであり、Xbは、TまたはSである]を含むことが好ましい。Xaは、Tであることが好ましい。Xbも、Tであることが好ましい。Rec−Dヘリカーゼは、配列G−G−P−G−T−G−K−T(配列番号19;表5を参照されたい)を含むことが好ましい。RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフQ−(X8)16〜18−G−G−P−G−Xa−G−K−Xb(本明細書の以下では、伸長RecDモチーフIと称する;それぞれに16、17、および18のX8が存在する配列番号13、14、および15)[式中、XaおよびXbは、上記で規定した通りであり、X8は、任意のアミノ酸である]を含むことがより好ましい。伸長RecDモチーフI(配列番号13)には、16のX8残基が存在すること(すなわち、(X8)16)が好ましい。(X8)16に適する配列は、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、および44において同定することができる。
RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフX1−X2−X3−X4−X5−(X6)−Q−X7(本明細書の以下では、RecD様モチーフVと称する;配列番号16)[式中、X1は、Y、W、またはFであり、X2は、A、T、S、M、C、またはVであり、X3は、任意のアミノ酸であり、X4は、T、N、またはSであり、X5は、A、T、G、S、V、またはIであり、X6は、任意のアミノ酸であり、X7は、GまたはSである]を含むことが典型的である。X1は、Yであることが好ましく、X2は、A、M、C、またはVであることが好ましく、X2は、Aであることがより好ましく、X3は、I、M、またはLであることが好ましく、X3は、IまたはLであることがより好ましい。X4は、TまたはSであることが好ましい。X4は、Tであることがより好ましい。X5は、A、V、またはIであることが好ましい。X5は、VまたはIであることがより好ましい。X5は、Vであることが最も好ましい。(X6)は、H−K−S、H−M−A、H−G−A、またはH−R−Sであることが好ましい。(X6)は、H−K−Sであることがより好ましい。X7は、Gであることが好ましい。RecDヘリカーゼは、アミノ酸モチーフXa−Xb−Xc−Xd−Xe−H−K−S−Q−G(本明細書の以下では、RecDモチーフVと称する;配列番号17)[式中、Xaは、Y、W、またはFであり、Xbは、A、M、C、またはVであり、Xcは、I、M、またはLであり、Xdは、TまたはSであり、Xeは、VまたはIである]を含むことが好ましい。Xaは、Yであることが好ましい。Xbは、Aであることが好ましい。Xdは、Tであることが好ましい。Xeは、Vであることが好ましい。RecDヘリカーゼは、(1)RecD様モチーフIおよびV(配列番号8および12)、(2)RecDモチーフIおよびRecD様モチーフV(配列番号12および16)、(3)RecDモチーフIおよびV(配列番号12および17)、(4)伸長RecD様モチーフIおよびRecD様モチーフV(配列番号9、10、または11、および16)、(5)伸長RecDモチーフIおよびRecD様モチーフV(配列番号13、14、または15、および16)、または(6)伸長RecDモチーフIおよびRecDモチーフV(配列番号13、14、または15、および17)を含むことが好ましい。
好ましいRecDモチーフIを、以下の表5に示す。好ましいRecD様モチーフIを、以下の表7に示す。好ましいRecD様モチーフVを、以下の表5および7に示す。
RecDヘリカーゼは、以下の表4に示されるヘリカーゼのうちの1つまたはその変異体であることが好ましい。
RecDヘリカーゼは、以下の表5に示されるヘリカーゼのうちの1つまたはその変異体であることがより好ましい。RecDヘリカーゼは、表5に示されるヘリカーゼのうちの1つの配列、すなわち、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、および44のうちの1つ、またはその変異体を含むことがより好ましい。
上記の表中の全ての配列は、RecD様モチーフVを含む(示される通り)。RecDモチーフVを含むのは、配列番号18、25、28、30、35、37、39、および42だけである(示される通り)。
RecDヘリカーゼは、TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼであることが好ましい。TraIヘリカーゼおよびTraI亜群ヘリカーゼは、2つのRecDヘリカーゼドメイン、リラクサーゼドメイン、およびC末端ドメインを含有しうる。TraI亜群ヘリカーゼは、TrwCヘリカーゼであることが好ましい。TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、以下の表6に示されるヘリカーゼのうちの1つまたはその変異体であることが好ましい。
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、上記で規定したRecD様モチーフI(配列番号8)および/または上記で規定したRecD様モチーフV(配列番号16)を含むことが典型的である。TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、RecD様モチーフI(配列番号8)およびRecD様モチーフV(配列番号16)の両方を含むことが好ましい。TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、以下の2つのモチーフのうちの1つをさらに含むことが典型的である。
・アミノ酸モチーフH−(X1)−X2−R−(X3)5〜12−H−X4−H(本明細書の以下では、MobFモチーフIIIと称する;全ての可能なMobFモチーフIII(全ての可能な数のX3を含めた)を示す配列番号46〜53)[式中、X1およびX3は、任意のアミノ酸であり、X2およびX4は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択される]。(X1)は、当然ながら、X1a−X1bである。X1aとX1bとは、同じアミノ酸の場合もあり、異なるアミノ酸の場合もある。X1aは、DまたはEであることが好ましい。X1bは、TまたはDであることが好ましい。(X1)は、DTまたはEDであることが好ましい。(X1)は、DTであることが最も好ましい。(X3)5〜12中の5〜12のアミノ酸は、同じ場合もあり、異なる場合もある。X2およびX4は、独立に、G、P、A、V、L、I、M、C、F、Y、W、H、Q、N、S、およびTから選択される。X2およびX4は、帯電していないことが好ましい。X2およびX4は、Hでないことが好ましい。X2は、N、S、またはAであることがより好ましい。X2は、Nであることが最も好ましい。X4は、FまたはTであることが最も好ましい。(X3)5〜12は、6または10残基の長さ(配列番号47および51)であることが好ましい。(X3)5〜12の適切な実施形態は、以下の表7に示される配列番号61、65、69、73、74、82、86、90、94、98、102、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168(すなわち、配列番号78および106以外の全ての配列)に由来しうる。MobFモチーフIIIの好ましい実施形態を、以下の表7に示す。
・アミノ酸モチーフG−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−H−(X8)6〜12−H−X9(本明細書の以下では、MobQモチーフIIIと称する;全ての可能なMobQモチーフIII(全ての可能な数のX8を含めた)を示す配列番号54〜60)[式中、X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択され、X4は、DまたはEであり、X8は、任意のアミノ酸である]。X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、独立に、G、P、A、V、L、I、M、C、F、Y、W、H、Q、N、S、およびTから選択される。X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、帯電していないことが好ましい。X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、Hでないことが好ましい。(X8)6〜12中の6〜12のアミノ酸は、同じ場合もあり、異なる場合もある。(X8)6〜12の適切な実施形態は、以下の表7に示される配列番号78および106に由来しうる。MobFモチーフIIIの好ましい実施形態を、以下の表7に示す。
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、以下の表7に示されるヘリカーゼのうちの1つまたはその変異体であることがより好ましい。TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼは、表7に示されるヘリカーゼのうちの1つの配列、すなわち、配列番号61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちの1つ、またはその変異体を含むことがより好ましい。
配列番号78および106が、MobQモチーフIIIを含むのに対し、表7中の他の配列は、MobFモチーフIIIを含む。
TraIヘリカーゼは、配列番号61に示される配列またはその変異体を含むことが好ましい。
RecDヘリカーゼの変異体とは、野生型ヘリカーゼのアミノ酸配列に照らして変異し、ポリヌクレオチド結合活性を保持するアミノ酸配列を有する酵素である。特に、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの変異体とは、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つのアミノ酸配列に照らして変異し、ポリヌクレオチド結合活性を保持するアミノ酸配列を有する酵素である。配列番号18または61の変異体とは、配列番号18または61のアミノ酸配列に照らして変異し、ポリヌクレオチド結合活性を保持するアミノ酸配列を有する酵素である。変異体は、ヘリカーゼ活性を保持する。当技術分野では、ヘリカーゼ活性を測定するための方法が公知である。ヘリカーゼ活性はまた、実施例で記載される通りに測定することもできる。変異体は、以下で論じられる2つの方式のうちの少なくとも1つにおいて働かなければならない。変異体は、いずれの方式でも働くことが好ましい。変異体は、ヘリカーゼをコードするポリヌクレオチドのハンドリングを促す修飾、ならびに/または高い塩濃度および/もしくは室温でのその活性を促す修飾を含みうる。変異体は、上記で論じたモチーフの外側の領域において、野生型ヘリカーゼと異なることが典型的である。しかし、変異体は、これらの(1または複数の)モチーフ内に修飾を含みうる。
配列番号18または61など、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つのアミノ酸配列の全長にわたり、変異体は、アミノ酸の同一性に基づいて、その配列と少なくとも10%相同であることが好ましい。変異体ポリペプチドは、配列の全体にわたり、アミノ酸の同一性に基づいて、配列番号18または61など、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%以上相同であることが可能であることがより好ましく、少なくとも95%、97%、または99%相同であることがより好ましい。150以上、例えば、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000以上の連続アミノ酸の連なりにわたり、少なくとも70%、例えば、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%のアミノ酸同一性を認めることができる(「堅い相同性」)。相同性は、上記で論じた通りに決定される。変異体は、配列番号2および4に対して言及しながら上記で論じた形のうちのいずれかにより、野生型配列と異なりうる。
特に、変異体は、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168の断片を含みうる。このような断片は、ポリヌクレオチド結合活性を保持する。断片は、少なくとも約200、少なくとも約300、少なくとも約400、少なくとも約500、少なくとも約600、少なくとも約650、少なくとも約700、少なくとも約800、少なくとも約900、または少なくとも約1000アミノ酸の長さでありうる。断片の長さは、野生型配列の長さに依存するであろう。以下でより詳細に論じられる通り、断片は、当該野生型配列のRecD様モチーフIおよび/またはRecD様モチーフVを含むことが好ましい。
上記で論じた通り、TraIヘリカーゼおよびTraI亜群ヘリカーゼは、リラクサーゼドメインを含む。リラクサーゼドメインは、MobFモチーフIIIまたはMobQモチーフIIIを含み、TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼのアミノ(N)末端において見出されることが典型的である。配列番号61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168の好ましい断片など、TraIヘリカーゼおよびTraI亜群ヘリカーゼの好ましい断片は、野生型配列のN末端ドメインを欠く。N末端ドメインは、タンパク質のうちのN末端側の約3分の1に対応することが典型的である。配列番号61(これは、1756アミノ酸の長さである)では、N末端ドメインが、約550〜約600アミノ酸の長さなど、約500〜約700アミノ酸の長さであることが典型的である。配列番号65、69、および73(これらはそれぞれ、970、943、および960アミノ酸の長さである)では、N末端ドメインが、約320〜約340アミノ酸の長さなど、約300〜約350アミノ酸の長さであることが典型的である。
配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のアミノ酸配列に対しては、アミノ酸置換、例えば、最大で1、2、3、4、5、10、20、または30カ所の置換を施すことができる。上記で論じた通り、置換は、保存的置換であることが好ましい。配列番号41のアミノ酸位置K555、R554、T644、R647、P666、M667、H646、N604、N596、Y598、V470、G391、H409、T407、R410、およびY414において、1または複数の置換を施すことができる。配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168では、配列番号41のアミノ酸位置K555、R554、T644、R647、P666、M667、H646、N604、N596、Y598、V470、G391、H409、T407、R410、およびY414に対応する1または複数のアミノ酸位置において、置換を施すことができる。異なるタンパク質配列内の対応するアミノ酸位置を決定することは、簡単である。例えば、タンパク質は、それらの相同性に基づき、配列決定することができる。相同性は、上記で論じた通りに決定することができる。
配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの断片などの変異体は、当該野生型配列のRecD様モチーフI(またはRecDモチーフI)および/またはRecD様モチーフV(またはRecDモチーフV)を含むことが好ましい。配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの断片などの変異体は、当該野生型配列のRecD様モチーフI(またはRecDモチーフI)およびRecD様モチーフV(またはRecDモチーフV)を含むことが好ましい。例えば、配列番号18の変異体は、RecDモチーフIであるGGPGTGKT(配列番号19)およびRecDモチーフVであるWAVTIHKSQG(配列番号20)を含むことが好ましい。配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168の各々のRecD様モチーフIおよびV(またはRecDモチーフIおよびV)を、表5および7に示す。しかし、配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの変異体は、異なる野生型配列に由来するRecD様モチーフI(またはRecDモチーフI)および/またはRecD様モチーフV(またはRecDモチーフV)を含みうる。例えば、配列番号28または配列番号35の変異体は、配列番号21のRecDモチーフIおよびRecD様モチーフV(それぞれ、GGPGTGKSおよびYALTVHRAQG;配列番号22および23)を含みうる。配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの変異体は、表5および7に示される好ましいモチーフのうちのいずれか1つを含みうる。配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、44、61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの変異体はまた、当該野生型配列のRecD様モチーフIおよびV内の修飾も含みうる。2つのモチーフを規定する場合に適する修飾は、上記で論じられている。本段落における議論は、配列番号61、65、69、73、74、82、86、90、94、98、102、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168におけるMobFモチーフIII、ならびに配列番号78および106におけるMobQモチーフIIIにも同様にあてはまる。特に、配列番号61、65、69、73、74、82、86、90、94、98、102、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの断片などの変異体は、当該野生型配列のMobFモチーフIIIを含むことが好ましい。配列番号78または106の断片などの変異体は、当該野生型配列のMobQモチーフIIIを含むことが好ましい。配列番号61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つの断片などの変異体は、当該野生型配列のRecD様モチーフI(またはRecDモチーフI)、RecD様モチーフV(またはRecDモチーフV)、およびMobFモチーフIIIまたはMobQモチーフIIIを含むことが好ましい。
ヘリカーゼは、細孔へと共有結合的に連結することもできる。ヘリカーゼは、細孔へと共有結合的に連結しないことが好ましい。細孔へと電圧を加えると、ヘリカーゼは、標的ポリヌクレオチドを配列決定することが可能なセンサーの形成を結果としてもたらすことが典型的である。これについては、以下でより詳細に論じる。
本明細書で記載されるタンパク質のうちのいずれか、すなわち、膜貫通タンパク質細孔またはRecDヘリカーゼを修飾して、例えば、ヒスチジン残基(hisタグ)、アスパラギン酸残基(aspタグ)、ストレプトアビジンタグ、flagタグ、SUMOタグ、GSTタグ、またはMBPタグを付加することにより、それらの同定または精製の一助とすることもでき、天然ではポリペプチドがこのような配列を含有しない細胞からのそれらの分泌を促進するシグナル配列を付加することにより、それらの同定または精製の一助とすることもできる。遺伝子タグの導入に対する代替法は、細孔表面またはヘリカーゼ表面の天然の位置または操作された位置において、タグを化学的に反応させることである。この例は、ゲルシフト試薬を、細孔の外側において、操作されたシステインへと反応させることであろう。これは、ヘモリシンのヘテロオリゴマーを分離するための方法として裏付けられている(Chem Biol.、1997年7月; 4(7):497〜505)。
細孔および/またはヘリカーゼは、明示的標識で標識することができる。明示的標識は、細孔の検出を可能とする任意の適切な標識でありうる。適切な標識には、蛍光分子、放射性同位元素、例えば、125I、35S、酵素、抗体、抗原、ポリヌクレオチド、およびビオチンなどのリガンドが含まれるがこれらに限定されない。
タンパク質は、合成により作製することもでき、組換え手段により作製することもできる。例えば、細孔および/またはヘリカーゼは、in vitroにおける翻訳および転写(IVTT)により合成することができる。細孔および/またはヘリカーゼのアミノ酸配列を修飾して、非自然発生のアミノ酸を含めるか、またはタンパク質の安定性を増大させることができる。タンパク質を合成手段により作製する場合、このようなアミノ酸を作製時に導入することができる。細孔および/またはヘリカーゼはまた、合成または組換えによる作製の後に変化させることもできる。
細孔および/またはヘリカーゼはまた、D−アミノ酸を用いても作製することができる。例えば、細孔またはヘリカーゼは、L−アミノ酸とD−アミノ酸との混合物を含みうる。これは、このようなタンパク質またはペプチドをもたらすための、当技術分野における通常法である。
細孔および/またはヘリカーゼはまた、それらが細孔形成またはヘリカーゼ機能に干渉しない限りにおいて、他の非特異的修飾も含有しうる。当技術分野では、多数の非特異的側鎖修飾が公知であり、(1または複数の)タンパク質の側鎖へと施すことができる。このような修飾には、例えば、アルデヒドを伴う反応によるアミノ酸の還元的アルキル化の後、NaBHを伴う還元、メチルアセトイミデートを伴うアミジン化、または無水酢酸を伴うアシル化が含まれる。
細孔およびヘリカーゼは、当技術分野で公知の標準的な方法を用いて作製することができる。当技術分野における標準的な方法を用いて、細孔またはヘリカーゼをコードするポリヌクレオチド配列を誘導および複製することができる。細孔またはヘリカーゼをコードするポリヌクレオチド配列は、当技術分野における標準的な技法を用いて、細菌宿主細胞において発現させることができる。細孔および/またはヘリカーゼは、ポリペプチドを組換え発現ベクターからin situで発現させることにより、細胞内で作製することができる。発現ベクターは場合によって、ポリペプチドの発現を制御するための誘導的プロモーターを保有する。これらの方法は、Sambrook, J.およびRussell, D.(2001)、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NYにおいて記載されている。
細孔および/またはヘリカーゼは、任意のタンパク質用液体クロマトグラフィーシステムによる、タンパク質を産生する生物からの精製後に、大スケールで作製することもでき、組換え発現後に大スケールで作製することもできる。典型的なタンパク質用液体クロマトグラフィーシステムには、FPLC、AKTAシステム、Bio−Cadシステム、Bio−Rad BioLogicシステム、およびGilson HPLCシステムが含まれる。
本発明の方法は、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴の測定を伴う。本方法は、2つ、3つ、4つ、または5つ以上の標的ポリヌクレオチドの特徴の測定を伴いうる。1または複数の特徴は、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造、および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否かから選択することが好ましい。本発明に従い、(i)〜(v)の任意の組合せを測定することができる。
(i)では、標的ポリヌクレオチドと細孔との間の相互作用の数を用いてポリヌクレオチドの長さを測定することができる。
(ii)では、ポリヌクレオチドの同一性を、多数の形で測定することができる。ポリヌクレオチドの同一性は、標的ポリヌクレオチドの配列の測定を伴って測定することもでき、標的ポリヌクレオチドの配列の測定を伴わずに測定することもできる。前者は、簡単であり、ポリヌクレオチドを配列決定し、これにより、ポリヌクレオチドを同定する。後者は、複数の形で行うことができる。例えば、ポリヌクレオチド中の特定のモチーフの存在を測定することができる(ポリヌクレオチドの残りの配列の測定を伴わない)。代替的に、方法において、特定の電気的および/または光学的シグナルを測定することにより、標的ポリヌクレオチドを、特定の供給源に由来するものとして同定することもできる。
(iii)では、ポリヌクレオチドの配列を、既に記載されている通りに決定することができる。適切な配列決定法、特に、電気的測定を用いる配列決定法は、Stoddart Dら、Proc Natl Acad Sci、12;106(19):7702〜7、Lieberman KRら、J Am Chem Soc.、2010;132(50):17961〜72、および国際出願第WO2000/28312号において記載されている。
(iv)では、二次構造を多様な形で測定することができる。例えば、方法が電気的測定を伴う場合は、滞留時間の変化または細孔を介して流れる電流の変化を用いて、二次構造を測定することができる。これは、一本鎖ポリヌクレオチド領域と二本鎖ポリヌクレオチド領域との識別を可能とする。
(v)では、任意の修飾の存在または非存在を測定することができる。本方法は、標的ポリヌクレオチドが、メチル化により、酸化により、損傷により、1もしくは複数のタンパク質で、または1もしくは複数の標識、タグ、もしくはスペーサーで修飾されているか否かを決定するステップを含むことが好ましい。特定の修飾は、細孔との特異的な相互作用を結果としてもたらし、これは、以下で記載する方法を用いて測定することができる。例えば、メチルシトシンは、シトシンから、それが各ヌクレオチドと相互作用するときに細孔を介して流れる電流に基づき識別することができる。
多様な異なる種類の測定を行うことができる。これには、限定せずに述べると、電気的測定および光学的測定が含まれる。可能な電気的測定には、電流測定、インピーダンス測定、トンネル効果測定(Ivanov APら、Nano Lett.、2011年1月12日;11(1):279〜85)、およびFET測定(国際出願第WO2005/124888号)が含まれる。光学的測定は、電気的測定と組み合わせることができる(Soni GVら、Rev Sci Instrum.、2010年1月;81(1):014301)。測定は、細孔を介して流れるイオン性電流の測定などの膜貫通電流測定でありうる。
Stoddart Dら、Proc Natl Acad Sci、12;106(19):7702〜7; Lieberman KRら、J Am Chem Soc.、2010;132(50):17961〜72;および国際出願第WO2000/28312号において記載されている標準的な単一チャネルの記録装置を用いて電気的測定を行うことができる。代替的に、例えば、国際出願第WO2009/077734号および国際出願第WO2011/067559号において記載されているマルチチャネルシステムを用いて電気的測定を行うこともできる。
好ましい実施形態では、本方法は、
(a)標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに細孔を通過する電流を測定するステップであって、電流が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む。
本方法は、細孔が膜内に挿入された膜/細孔系を探索するのに適する任意の装置を用いて実行することができる。本方法は、膜貫通細孔センシングに適する任意の装置を用いて実行することができる。例えば、装置は、水溶液とチャンバーを2つの部分へと分離する隔壁とを含むチャンバーを含む。隔壁は、開口部を有し、ここに、細孔を含有する膜が形成される。
本方法は、国際出願第PCT/GB08/000562号(WO2008/102120)において記載されている装置を用いて実行することができる。
本方法は、ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに細孔を通過する電流を測定するステップを伴いうる。したがって、装置はまた、膜および細孔を隔ててポテンシャルを印加し、電気的シグナルを測定することが可能な電気回路も含みうる。本方法は、パッチクランプまたは電圧クランプを用いて実行することができる。本方法は、電圧クランプの使用を伴うことが好ましい。
本発明の方法は、ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに細孔を通過する電流を測定するステップを伴いうる。当技術分野では、膜貫通タンパク質細孔内のイオン性電流を測定するのに適する条件が公知であり、実施例でも開示する。本方法は、膜および細孔を隔てて電圧を加えることにより実行することが典型的である。用いられる電圧は、+2V〜−2Vであることが典型的であり、−400mV〜+400mVであることが典型的である。用いられる電圧は、−400mV、−300mV、−200mV、−150mV、−100mV、−50mV、−20mV、および0mVから選択される下限と、+10mV、+20mV、+50mV、+100mV、+150mV、+200mV、+300mV、および+400mVから独立に選択される上限とを有する範囲内にあることが好ましい。用いられる電圧は、100mV〜240mVの範囲内にあることがより好ましく、120mV〜220mVの範囲内にあることが最も好ましい。加えるポテンシャルの増大を用いることにより、細孔による異なるヌクレオチドの間の識別能を増大させることが可能である。
本方法は、金属塩、例えば、アルカリ金属塩、ハロゲン化物塩、例えば、アルカリ金属塩化物塩などの塩化物塩など、任意の電荷担体の存在下で実行することが典型的である。電荷担体には、イオン性液体または有機塩、例えば、テトラメチル塩化アンモニウム、トリメチルフェニル塩化アンモニウム、フェニルトリメチル塩化アンモニウム、または1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩化物が含まれうる。上記で論じた例示的な装置では、塩が、チャンバー内の水溶液中に存在する。塩化カリウム(KCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、または塩化セシウム(CsCl)を用いることが典型的である。KClが好ましい。塩濃度は、飽和濃度でありうる。塩濃度は、3M以下であることが可能であり、0.1〜2.5M、0.3〜1.9M、0.5〜1.8M、0.7〜1.7M、0.9〜1.6M、または1M〜1.4Mであることが典型的である。塩濃度は、150mM〜1Mであることが好ましい。上記で論じた通り、RecDヘリカーゼは、驚くほどに高い塩濃度下で働く。本方法は、少なくとも0.4M、少なくとも0.5M、少なくとも0.6M、少なくとも0.8M、少なくとも1.0M、少なくとも1.5M、少なくとも2.0M、少なくとも2.5M、または少なくとも3.0Mなど、少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて実行することが好ましい。高い塩濃度は、高いシグナル対ノイズ比をもたらし、ヌクレオチドの存在を示す電流を、通常の電流変動のバックグラウンドに抗して同定することを可能とする。
本方法は、緩衝液の存在下で実行することが典型的である。上記で論じた例示的な装置では、緩衝液が、チャンバー内の水溶液中に存在する。本発明の方法では、任意の緩衝液を用いることができる。緩衝液は、HEPESであることが典型的である。別の適する緩衝液は、トリス−HCl緩衝液である。本方法は、4.0〜12.0、4.5〜10.0、5.0〜9.0、5.5〜8.8、6.0〜8.7、もしくは7.0〜8.8、または7.5〜8.5のpHで実行することが典型的である。用いられるpHは、約7.5であることが好ましい。
本方法は、0℃〜100℃、15℃〜95℃、16℃〜90℃、17℃〜85℃、18℃〜80℃、19℃〜70℃、または20℃〜60℃で実行することができる。本方法は、室温で実行することが典型的である。本方法は場合によって、約37℃など、酵素機能を支援する温度で実行する。
本方法は、遊離ヌクレオチドまたは遊離ヌクレオチド類似体およびヘリカーゼの作用を促す酵素共因子の存在下で実行することが典型的である。遊離ヌクレオチドは、上記で論じた個別のヌクレオチドのうちのいずれかの1または複数でありうる。遊離ヌクレオチドには、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、サイクリックアデノシン一リン酸(cAMP)、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)、デオキシウリジン三リン酸(dUTP)、デオキシシチジン一リン酸(dCMP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)、およびデオキシシチジン三リン酸(dCTP)が含まれるがこれらに限定されない。遊離ヌクレオチドは、AMP、TMP、GMP、CMP、UMP、dAMP、dTMP、dGMP、またはdCMPから選択されることが好ましい。遊離ヌクレオチドは、アデノシン三リン酸(ATP)であることが好ましい。酵素共因子とは、ヘリカーゼが機能することを可能とする因子である。酵素共因子は、二価の金属カチオンであることが好ましい。二価の金属カチオンは、Mg2+、Mn2+、Ca2+、またはCo2+であることが好ましい。酵素共因子は、Mg2+であることが最も好ましい。
標的ポリヌクレオチドは、RecDヘリカーゼおよび細孔と、任意の順序で接触させることができる。標的ポリヌクレオチドを、RecDヘリカーゼおよび細孔と接触させる場合はまず、標的ポリヌクレオチドに、ヘリカーゼとの複合体を形成させることが好ましい。細孔を隔てて電圧を加える場合は次いで、標的ポリヌクレオチド/ヘリカーゼ複合体に、細孔との複合体を形成させ、細孔を介するポリヌクレオチドの移動を制御させる。
上記で論じた通り、RecDヘリカーゼは、細孔に対して2つの方式で働きうる。第1に、本方法は、それが、細孔を介して標的配列を、印加された電圧から生じる電界と同じ向きに移動させるように、RecDヘリカーゼを用いて実行することが好ましい。この方式では、DNAの5’端を細孔内にまず捕捉し、それが二重層のトランス側へと最終的に移行しきるまで、標的配列が細孔を電界と同じ向きに通過するように、酵素によりDNAを細孔へと移動させる。代替的に、本方法は、酵素により、細孔を介して標的配列を、印加された電圧から生じる電界と逆向きに移動させるように実行することも好ましい。この方式では、DNAの3’端を細孔内にまず捕捉し、それが二重層のシス側へと最終的に差し戻されるまで、標的配列が細孔から印加された電界と逆向きに引き出されるように、酵素によりDNAを細孔へと移動させる。
本発明の方法は、MspAに由来する細孔および配列番号61に示される配列またはその変異体を含むヘリカーゼを伴うことが最も好ましい。MspAおよび配列番号61に言及しながら上記で論じた実施形態のうちのいずれかを、組合せで用いることができる。
他の方法
本発明はまた、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成する方法も提供する。本方法は、細孔とRecDヘリカーゼとの間で複合体を形成するステップを含む。複合体は、標的ポリヌクレオチドの存在下で細孔とヘリカーゼとを接触させ、次いで、細孔を隔ててポテンシャルを印加することにより形成することができる。上記で記載した通り、印加されるポテンシャルは、化学ポテンシャルの場合もあり、電圧ポテンシャルの場合もある。代替的に、複合体は、細孔をヘリカーゼへと共有結合的に連結することによっても形成することができる。当技術分野では、共有結合的連結のための方法が公知であり、例えば、国際出願第PCT/GB09/001679号(WO2010/004265として公開されている)および同第PCT/GB10/000133号(WO2010/086603として公開されている)において開示されている。この複合体が、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーである。本方法は、Mspに由来する細孔とRecDヘリカーゼとの間で複合体を形成するステップを含むことが好ましい。本発明の方法に言及しながら上記で論じた実施形態のいずれも、本方法に同様に適用される。
キット
本発明はまた、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットも提供する。キットは、(a)細孔と、(b)RecDヘリカーゼとを含む。本発明の方法に言及しながら上記で論じた実施形態のいずれも同様に、キットに適用される。
キットは、脂質二重層などの両親媒性層を形成するのに必要とされるリン脂質などの膜の成分もさらに含みうる。
本発明のキットは加えて、上記で言及した実施形態のうちのいずれかの実行を可能とする、1または複数の他の試薬または器具も含む。このような試薬または器具には、以下:(1または複数の)適切な緩衝液(水溶液)、試料を対象から得る手段(注射針を含む容器または器具など)、ポリヌクレオチドを増幅し、かつ/もしくは発現させる手段、上記で規定した膜、または電圧装置もしくはパッチクランプ装置のうちの1または複数が含まれる。試薬は、流体試料により試薬を再懸濁させるように、キット内に乾燥状態で存在させることができる。キットには場合によってまた、本発明の方法でキットを用いることを可能とする指示書、またはどの患者のために本方法を用いうるかについての詳細も含みうる。キットには場合によって、ヌクレオチドも含みうる。
装置
本発明はまた、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための装置も提供する。装置は、複数の細孔および複数のRecDヘリカーゼを含む。装置は、本発明の方法を実施するための指示書もさらに含むことが好ましい。装置は、アレイまたはチップなど、ポリヌクレオチド解析のための任意の従来の装置でありうる。本発明の方法に言及しながら上記で論じた実施形態のいずれも同様に、本発明の装置に適用可能である。
装置は、本発明の方法を実施するように設定することが好ましい。
装置は、
膜および複数の細孔を支持することが可能であり、細孔およびヘリカーゼを用いてポリヌクレオチドの特徴付けを実施するのに作動可能なセンサーデバイスと、
特徴付けを実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバーと、
材料を、少なくとも1つのリザーバーから、センサーデバイスへと、制御可能な形で供給するように構成された流体力学系と、
それぞれの試料を受容するための複数の容器であって、流体力学系が、試料を、容器からセンサーデバイスへと、選択的に供給するように構成された容器と
を含むことが好ましい。装置は、国際出願第PCT/GB08/004127号(WO2009/077734として公開されている)、同第PCT/GB10/000789号(WO2010/122293として公開されている)、国際出願第PCT/GB10/002206号(未公開)、または国際出願第PCT/US99/25679号(WO00/28312として公開されている)において記載されている装置のうちのいずれかでありうる。
細孔を伴わない特徴付け
一部の実施形態では、標的ポリヌクレオチドを、RecDヘリカーゼは用いるが、細孔は用いずに、部分的または完全に配列決定するなどして、特徴付ける。特に、本発明はまた、標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、RecDヘリカーゼにより、標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、RecDヘリカーゼと接触させるステップを含む方法も提供する。本方法では、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔などの細孔と接触させないことが好ましい。RecDヘリカーゼにより、ポリヌクレオチドの移動を制御し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるので、本方法は、1または複数の測定を行うステップを伴う。測定は、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示す。本発明に従い、任意のこのような測定を行うことができる。このような測定には、限定せずに述べると、電気的測定および光学的測定が含まれる。これらについては、上記で詳細に論じられている。細孔を欠く方法でも、細孔ベースの本発明の方法に言及しながら上記で論じた実施形態のうちのいずれかを用いることができる。例えば、上記で論じたRecDヘリカーゼのうちのいずれかを用いることができる。
本発明はまた、RecDヘリカーゼを含む解析装置も提供する。本発明はまた、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置と、(b)RecDヘリカーゼとを含むキットも提供する。これらの装置およびキットは、膜貫通細孔などの細孔を含まないことが好ましい。適切な装置については、上記で論じられている。
以下の実施例では、本発明について例示する。
この例では、ナノ細孔を介する無傷のDNA鎖の移動を制御するための、TraIヘリカーゼ(TraI Eco;配列番号61)の使用について例示する。この例を通して使用される一般的な方法および基質を、図1に示し、図面のキャプションに記載する。
材料および方法
プライマーは、PhiX174の約400bpの断片を増幅するようにデザインした。これらのプライマーの5’端の各々は、50ヌクレオチドの非相補的領域、ホモポリマーの連なり、または10ヌクレオチドのホモポリマー区間の反復単位を含んでいた。これらは、ナノ細孔を介する制御された鎖の移行についての識別子のほか、移行の配向性を決定する識別子としても用いられる。加えて、フォワードプライマーの5’端を「キャッピング」して、4つの2’−O−メチル−ウラシル(mU)ヌクレオチドを含め、リバースプライマーの5’端を化学的にリン酸化させた。次いで、これらのプライマー修飾は、ラムダエクソヌクレアーゼを用いる、アンチセンス鎖だけの優先的に制御された消化を可能とする。mUキャッピングが、センス鎖をヌクレアーゼ消化から保護するのに対し、アンチセンス鎖の5’側のPO4は、ヌクレアーゼ消化を促進する。したがって、ラムダエクソヌクレアーゼを伴うインキュベーション後には、二重鎖のうちのセンス鎖だけが、ここでは、一本鎖DNA(ssDNA)として無傷を維持する。次いで、創出されたssDNAを、既に記載されている通りにPAGE精製した。
本実施例で記載される全ての実験において用いられるDNA基質のデザインを、図1Bに示す。DNA基質は、ナノ細孔による捕捉の一助となる50Tの5’側リーダーを伴う、PhiXに由来するssDNAの400塩基の区間からなる(配列番号172)。50Tのリーダーの直後に、二重層の表面においてDNAを濃縮し、したがって、捕捉効率を改善する3’側コレステロールタグを含有するプライマー(配列番号173)が、この鎖へとアニーリングされる。この鎖の3’端にさらなるプライマー(配列番号174)を用いて、3’端による鎖の捕捉の一助とする。
緩衝液:400mMのNaCl、10mMのHepes、pH8.0、1mMのATP、1mMのMgCl、1mMのDTT
ナノ細孔:大腸菌(E.coli)MS(B2)8 MspA ONLP3476MS−(L88N/D90N/D91N/D93N/D118R/D134R/E139K)8
酵素:TraI Eco(配列番号61;ONLP3572、約4.3μM)23.3μl→100nMの最終濃度。
電気的測定値は、1,2−ジフィタノイル−グリセロ−3−ホスホコリン脂質(Avanti Polar Lipids)二重層内に挿入された単一のMspAナノ細孔から収集した。二重層は、Montal−Mueller法により、厚さ20μmのPTFE膜内に、直径約100μmの開口部を挟んで形成し(カスタムのDelrinチャンバー内で)、これにより、2つの1mL緩衝液を分離した。全ての実験は、言明された緩衝液中で実行した。単一チャネル電流は、1440Aのデジタイザーを装備したAxopatch 200B増幅器(Molecular Devices)上で測定した。シスコンパートメント(これに、ナノ細孔および酵素/DNAの両方を添加する)を、Axopatch headstageのアース端子へと接続し、トランスコンパートメントを、headstageの活性電極へと接続するように、Ag/AgCl電極は、緩衝液へと接続した。二重層内の単一の細孔を達成した後、DNAポリヌクレオチドおよびヘリカーゼを、50μLの緩衝液へと添加し、5分間にわたりプレインキュベートした(DNA=12.0nM、酵素=2μM)。このプレインキュベーションミックスを、電気生理学チャンバーのシスコンパートメント内の950μLの緩衝液へと添加して、MspAナノ細孔内のヘリカーゼ−DNA複合体の捕捉を誘発した(DNA=0.6nM、酵素=0.1μMの最終濃度とした)。必要に応じて、二価の金属(1mMのMgCl)およびNTP(1mMのATP)を、シスコンパートメントへと付加することにより、ヘリカーゼのATPアーゼ活性を誘発した。実験は、ポテンシャルを+140mVで一定として実行した。
結果および考察
図1に示される通り、ヘリカーゼ−DNA基質をMspAナノ細孔へと付加すると、図2および3に示す通り、特徴的な電流の遮断がもたらされる。ヘリカーゼを結合させないDNAは、ナノ細孔と一過性に相互作用して、短命(<<1秒間)の電流遮断をもたらす。図2および3に示す通り、ヘリカーゼを結合させ、かつ、活性(すなわち、ATPアーゼの作用下でDNA鎖に沿って移動する)のヘリカーゼを伴うDNAは、電流の段階的な変化を伴う長い特徴的な遮断レベルをもたらす。ナノ細孔内の異なるDNAモチーフは、固有の電流の遮断レベルを生じさせる。所与の基質について、DNA配列を反映する特徴的な電流遷移パターンが観察される(図3における例)。
図1に示される実装では、DNAが、鎖に沿ったランダムな位置においてヘリカーゼにより捕捉されるので、DNA鎖は、ランダムな出発点から配列決定される。
耐塩性
この種のナノ細孔による鎖配列決定実験は一般に、イオン性塩を必要とする。イオン性塩は、電圧オフセットを加えて、DNAを捕捉し、移行させ、結果として得られる、DNAがナノ細孔を通過するときの配列依存性の電流変化を測定するための導電性溶液を創出するのに必要である。測定シグナルは、イオンの濃度に依存性であるので、収集されるシグナルの大きさを増大させるためには、高濃度のイオン性塩を用いることが有利である。ナノ細孔による配列決定には、100mMのKClによる過剰塩濃度が理想的であり、400mM以上のKClによる塩濃度が好ましい。
しかし、多くの酵素(一部のヘリカーゼおよびDNAモータータンパク質を含めた)は、高塩濃度条件に対して耐性でない。高塩濃度条件下において、酵素は、アンフォールドするか、もしくは構造的完全性を失うか、または適正に機能できなくなる。公知の研究されたヘリカーゼについての最新の文献は、ほぼ全てのヘリカーゼが、約100mMのKCl/NaClを超える塩濃度で機能できなくなり、400mM以上のKClによる条件で適正な活性を示すヘリカーゼは報告されていないことを示す。耐塩性の種に由来する類似する酵素の、潜在的に好塩性の変異体も存在するが、それらは、標準的な発現系(例えば、大腸菌(E. coli))において発現させ、精製するのが極めて困難である。
本発明者らは、驚くべきことに、本実施例では、TraIが、極めて高レベルの塩に至る耐塩性を提示することを示す。本発明者らは、蛍光実験でも、ナノ細孔実験でも、酵素が、400mMのKCl〜1MのKClによる塩濃度で機能性を保持することを見い出す。
操作のフォワード方式およびリバース方式
大半のヘリカーゼは、一本鎖のポリヌクレオチド基質に沿って、単一方向的に移動し、各NTPアーゼの回転に応じた特定の数の塩基を移動させる。異なる方式でのヘリカーゼの移動を利用して、DNAをナノ細孔内に制御された形で送り込むことができる。図1では、操作の2つの基本的な「フォワード」方式および「リバース」方式について例示する。フォワード方式では、DNAをヘリカーゼにより細孔へと、印加された電界の力の下でDNAが移動するのと同じ向きに送り込む。この向きを、トランス側の矢印で示す。5’〜3’ヘリカーゼであるTraIでは、この操作のために、ヘリカーゼがナノ細孔の上部に接触し、次いで、DNAを、ヘリカーゼの制御下で、ナノ細孔へと、印加されるポテンシャルに由来する電界と同じ向きに送り込む、すなわち、シス側からトランス側へと移動させるまで、DNAの5’端をナノ細孔内に捕捉することが要求される。リバース方式では、DNAの3’端を捕捉することが要求される。その後、ヘリカーゼが、印加されるポテンシャルに由来する電界と逆向きにナノ細孔から差し戻される、すなわち、トランス側からシス側へと移動して糸通しされるDNAを引き出すように進む。図1は、TraI Ecoを用いるこれらの2つの操作方式を示す。
この例では、酵素活性を調べるための蛍光アッセイを用いて、RecDヘリカーゼの耐塩性について例示する。
カスタムの蛍光基質を用いて、ハイブリダイズしたdsDNAを置換するヘリカーゼの能力についてアッセイした(図4A)。図4Aの1)に示す通り、蛍光基質鎖(50nMの最終濃度)は、5’側のssDNA突出と、ハイブリダイズしたdsDNAの40塩基の区間とを有する。アッパー主鎖は、3’端においてカルボキシフルオレセイン基剤を有し、ハイブリダイズした相補体は、5’端においてBlack−Hole Quencher(BHQ−1)基剤を有する。ハイブリダイズすると、フルオレセインからの蛍光が、局所のBHQ−1により消光され、基質は、本質的に非蛍光基質となる。短鎖の蛍光基質と相補的な1μMの捕捉鎖を、アッセイに含める。2)に示す通り、ATP(1mM)およびMgCl(10mM)の存在下で、基質へと添加されたヘリカーゼ(100nM)は、蛍光基質の5’側テールに結合し、主鎖に沿って移動し、示される通りに相補鎖を置換する。3)に示す通り、BHQ−1との相補鎖が完全に置換されると、主鎖上のフルオレセインが蛍光発光する。4)に示す通り、過剰な捕捉鎖が、相補的なDNAと優先的にアニーリングして、初期基質の再アニーリングおよび蛍光の喪失を防止する。
基質DNA:3’端の近傍にカルボキシフルオレセインを伴う配列番号175および5’端にBlack−Hole Quencher-1を伴う配列番号176
捕捉DNA:配列番号177
図4Bのグラフは、100mM〜1Mの異なる濃度のKClを含有する緩衝液(pH8.0の100mMのHepes、1mMのATP、10mMのMgCl、50nMの蛍光基質DNA、1μMの捕捉DNA)中の2つのRecDヘリカーゼ(RecD NthおよびRecD Dth;配列番号28および35)の活性の初期比率を示す。ヘリカーゼは、1Mで働く。
本実施例では、異なるTraIヘリカーゼ、すなわち、TrwC Cba(配列番号65)を用いた。全ての実験は、既に実施例1で記載した通りに、同じ実験条件(細孔=MspA B2、DNA=400マー配列番号172、173、および174、緩衝液=400mMのKCl、pH8.0の10mM Hepes、1mMのDTT、1mMのATP、1mMのMgCl)下で実行した。図5は、この酵素を用いる、ヘリカーゼにより制御されたDNAイベントの2つの典型的な例を示す。
本実施例では、多数の異なるTrwCヘリカーゼ(TrwC(Atr)(配列番号144)、TrwC(Sal)(配列番号140)、TrwC(Ccr)(配列番号136)、およびTrwC(Eco)(配列番号74))を、DNA(配列番号178、179(3’端に/iSp18//iSp18//iSp18//iSp18//iSp18//iSp18/TT/3CholTEG/を伴う)、および180)の、Mspナノ細孔である(MS−(G75S/G77S/L88N/D90N/D91N/D93N/D118R/Q126R/D134R/E139K)8、すなわち、G75S/G77S/L88N/Q126Rを伴う配列番号2の8回反復配列内の移動を制御するためのそれらの能力について調べた。
材料および方法
緩衝液:625mMのKCl、75mMのフェロシアン化カリウム、25mMのフェリシアン化カリウム、TrwC(Atr)、TrwC(Eco)、およびTrwC(Ccr)には、pH8.0の100mM Hepesであり、TrwC(Sal)には、pH9.0の100mM Hepes
酵素:全て100nMの最終濃度である、TrwC(Atr)(100nM)またはTrwC(Sal)(100nM)またはTrwC(Ccr)(100nM)またはTrwC(Eco)(100nM)
電気的測定値は、Ag/AgCl電極の代わりに白金電極を用いたことを除き、実施例1で記載した通りに、1,2−ジフィタノイル−グリセロ−3−ホスホコリン脂質(Avanti Polar Lipids)二重層内に挿入された単一のMspAナノ細孔から収集した。二重層内の単一の細孔を達成した後、MgCl(10mM)およびdTTP(TrwC(Atr)、TrwC(Ccr)、およびTrwC(Eco)に5mM)またはATP(TrwC(Sal)に1mM)を、シスチャンバーへと添加し、+120mVのポテンシャルを印加して、対照実験を5分間にわたり試行した。DNAポリヌクレオチド(配列番号179および180とハイブリダイズさせた配列番号178;0.1nM)を、シスチャンバーへと添加し、+120mVのポテンシャルを印加して、別の対照実験を5分間にわたり試行した。最終的に、適切なヘリカーゼ(全て100nMの最終濃度で添加された、TrwC(Atr)、TrwC(Sal)、TrwC(Ccr)またはTrwC(Eco))を、電気生理学チャンバーのシスコンパートメントへと添加して、MspAナノ細孔内のヘリカーゼ−DNA複合体の捕捉を誘発した。実験は、ポテンシャルを+120mVで一定として実行した。
結果および考察
被験ヘリカーゼの各々について、ヘリカーゼにより制御されたDNA移動が観察された。例示的な出力波形を、それぞれ、図6〜9に示す。
本実施例では、多数の異なるTrwCヘリカーゼ(TrwC(Oma)(配列番号106)、TrwC(Afe)(配列番号86)、およびTrwC(Mph)(配列番号94))を、DNA(TrwC(Oma)には配列番号172〜174であり、TrwC(Afe)およびTrwC(Mph)には配列番号182(3’端にコレステロールタグを伴う)とハイブリダイズした配列番号181)の、MspAナノ細孔である(MS−(G75S/G77S/L88N/D90N/D91N/D93N/D118R/Q126R/D134R/E139K)8、すなわち、G75S/G77S/L88N/Q126Rを伴う配列番号2の8回反復配列内の移動を制御するためのそれらの能力について調べた。
緩衝液:625mMのKCl、75mMのフェロシアン化カリウム、25mMのフェリシアン化カリウム、pH8.0の100mM Hepes
酵素:全て100nMの最終濃度である、TrwC(Oma)、TrwC(Afe)、およびTrwC(Mph)
電気的測定値は、Ag/AgCl電極の代わりに白金電極を用いたことを除き、実施例1で記載した通りに、1,2−ジフィタノイル−グリセロ−3−ホスホコリン脂質(Avanti Polar Lipids)二重層内に挿入された単一のMspAナノ細孔から収集した。二重層内の単一の細孔を達成した後、MgCl(10mM)を、シスチャンバーへと添加し、120mVのポテンシャルを印加して、対照実験を5分間にわたり試行した。最終濃度0.15nMのDNAポリヌクレオチド(TrwC(Oma)には、配列番号172〜174(実施例1における場合と同様)、またはTrwC(Afe)およびTrwC(Mph)には、配列番号182とハイブリダイズした配列番号181)、および最終濃度100nMの適切なヘリカーゼ(TrwC(Oma)、TrwC(Afe)、およびTrwC(Mph))を、シスチャンバーへと添加し、+120mVのポテンシャルを印加して、別の対照実験を10分間にわたり試行した。最終的に、ATP(1mM)を電気生理学チャンバーのシスコンパートメントへと付加することにより、ヘリカーゼのATPアーゼ活性を誘発した。実験は、ポテンシャルを+120mVで一定として実行した。
結果および考察
被験ヘリカーゼの各々について、ヘリカーゼにより制御されたDNA移動が観察された。例示的な出力波形を、それぞれ、図10〜12に示す。
本発明は以下を提供する。
[1]
標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
(a)標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む方法。
[2]
1または複数の特徴が、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造、および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否か、から選択される、[1]に記載の方法。
[3]
標的ポリヌクレオチドが、メチル化により、酸化により、損傷により、1もしくは複数のタンパク質で、または1もしくは複数の標識、タグ、もしくはスペーサーで修飾されている、[2]に記載の方法。
[4]
標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴が、電気的測定および/または光学的測定により測定される、[1]から[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5]
電気的測定が、電流測定、インピーダンス測定、トンネル効果測定、または電界効果トランジスタ(FET)測定である、[4]に記載の方法。
[6]
(a)標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに細孔を通過する電流を測定するステップであって、電流が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む、[1]に記載の方法。
[7]
ステップ(b)が、ポリヌクレオチドが細孔を介して移動するときに1または複数の測定を行うことを伴う、[1]から[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8]
細孔を隔てて電圧を印加して、細孔とヘリカーゼとの間の複合体を形成するステップをさらに含む、[1]から[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9]
ポリヌクレオチドの少なくとも一部が二本鎖である、[1]から[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10]
細孔が、膜貫通タンパク質細孔または固体状態細孔である、[1]から[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11]
膜貫通タンパク質細孔が、ヘモリシン、ロイコシジン、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)のポリンA(MspA)、外膜ポリンF(OmpF)、外膜ポリンG(OmpG)、外膜ホスホリパーゼA、ナイセリア(Neisseria)属オートトランスポーターリポタンパク質(NalP)、およびWZAから選択される、[10]に記載の方法。
[12]
膜貫通タンパク質が、(a)配列番号2に示される8つの同一のサブユニット、または(b)7つのサブユニットのうちの1または複数が、配列の全体にわたりアミノ酸同一性に基づいて配列番号2と少なくとも50%の相同性を有し、細孔活性を保持するその変異体から形成される、[11]に記載の方法。
[13]
膜貫通タンパク質が、(a)配列番号4に示される7つの同一のサブユニットから形成されるα−ヘモリシン、または(b)7つのサブユニットのうちの1または複数が、配列の全体にわたりアミノ酸同一性に基づいて配列番号4と少なくとも50%の相同性を有し、細孔活性を保持するその変異体である、[11]に記載の方法。
[14]
RecDヘリカーゼが、
・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−X7(配列番号8)[式中、X1は、G、S、またはAであり、X2は、任意のアミノ酸であり、X3は、P、A、S、またはGであり、X4は、T、A、V、S、またはCであり、X5は、GまたはAであり、X6は、KまたはRであり、X7は、TまたはSである];および/または
・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−X4−X5−(X6) −Q−X7(配列番号9、10、および11)[式中、X1は、Y、W、またはFであり、X2は、A、T、S、M、C、またはVであり、X3は、任意のアミノ酸であり、X4は、TまたはNであり、X5は、A、T、G、S、V、またはIであり、X6は、任意のアミノ酸であり、X7は、GまたはSである]
を含む、[1]から[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15]
RecDヘリカーゼが、以下のモチーフ:
(a) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはWAVTIHKSQG(配列番号20);
(b) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYALTVHRAQG(配列番号23);
(c) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYAISVHKSQG(配列番号27);
(d) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはYCISVHKSQG配列番号(29);
(e) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYAATIHKSQG(配列番号31);
(f) GGPGCGKS(配列番号33)および/またはYAMTIHRSQG(配列番号34);
(g) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYAVSIHKSQG(配列番号36);
(h) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYATSVHKSQG(配列番号38);
(i) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはYAVSVHKSQG(配列番号40);
(j) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYATSIHKSQG(配列番号43);または
(k) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYALTVHRGQG(配列番号45)
を含む、[14]に記載の方法。
[16]
RecDヘリカーゼが、表4もしくは5に示されるヘリカーゼのうちの1つ、またはその変異体である、[1]から[15]のいずれか一項に記載の方法。
[17]
RecDヘリカーゼが、
(a)配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、および44のうちのいずれか1つに示される配列;または
(b)配列の全体にわたりアミノ酸の同一性に基づいて当該配列と少なくとも25%の相同性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体
を含む、[16]に記載の方法。
[18]
RecDヘリカーゼが、TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼである、[1]から[14]のいずれか一項に記載の方法。
[19]
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、
・アミノ酸モチーフH−(X1) −X2−R−(X3) 5〜12 −H−X4−H(配列番号46〜53)[式中、X1およびX3は、任意のアミノ酸であり、X2およびX4は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択される];または
・アミノ酸モチーフG−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−H−(X8) 6〜12 −H−X9(配列番号54〜60)[式中、X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択され、X4は、DまたはEであり、X8は、任意のアミノ酸である]
をさらに含む、[18]に記載の方法。
[20]
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、以下のモチーフ:
(a) GYAGVGKT(配列番号62)、YAITAHGAQG(配列番号63)およびHDTSRDQEPQLHTH(配列番号64);
(b) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNVHMAQG(配列番号67)およびHDTNRNQEPNLHFH(配列番号68);
(c) GAAGAGKT(配列番号70)、YCITIHRSQG(配列番号71)およびHEDARTVDDIADPQLHTH(配列番号72);
(d) GFAGTGKS(配列番号75)、YATTVHSSQG(配列番号76)およびHETSRERDPQLHTH(配列番号77);
(e) GRAGAGKT(配列番号79)、YATTIHKSQG(配列番号80)およびGMVADWVYHDNPGNPHIH(配列番号81);
(f) GAAGTGKT(配列番号83)、YASTAHKSQG(配列番号84)およびHSTSRAQDPHLHSH(配列番号85);
(g) GHAGAGKT(配列番号87)、YAGTTHRNQG(配列番号88)およびHASSREQDPQIHSH(配列番号89);
(h) GLAGTGKT(配列番号91)、YAVTSHSSQG(配列番号92)およびHDTARPVNGYAAPQLHTH(配列番号93);
(i) GPAGAGKT(配列番号95)、YAITAHRAQG(配列番号96)およびHYDSRAGDPQLHTH(配列番号97);
(j) GWAGVGKT(配列番号99)、YAVTADHMQG(配列番号100)およびHLCGRLDPQIHNH(配列番号101);
(k) GVAGAGKT(配列番号103)、YALTIDSAQG(配列番号104)およびHMTSGDGSPHLHVH(配列番号105);
(l) GYAGTGKS(配列番号107)、YAATIHKAQG(配列番号108)およびGMIADLVNVHWDIGEDGKAKPHAH(配列番号109);
(m) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNAHMAQG(配列番号67)およびHDTNRNQEPNLHFH(配列番号111);
(n) GVAGAGKS(配列番号115)、YALNAHMAQG(配列番号67)
およびHDTNRNQEPNAHFH(配列番号116);
(o) GGAGVGKS(配列番号118)、YAINVHIAQG(配列番号119)およびHDVSRNNDPQLHVH(配列番号120);
(p) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNMHMAQG(配列番号122)およびHDTSRALDPQGHIH(配列番号123);
(q) GVAGAGKS(配列番号115)、YALNAHMAQG(配列番号67)およびHDTSRALDPQGHIH(配列番号123);
(r) GRAGTGKT(配列番号126)、FASTAHGAQG(配列番号127)およびHEASRNLDPQLHSH(配列番号128);
(s) GYAGTGKT(配列番号130)、YAMTSHAAQG(配列番号131)およびHDISRDKDPQLHTH(配列番号132);
(t) GLAGTGKT(配列番号91)、YAQTVHASQG(配列番号134)およびHNTSRDLDPQTHTH(配列番号135);
(u) GFAGTAKT(配列番号137)、YVQTAFAAQG(配列番号138)およびHETSRAQDPQLHTH(配列番号139);
(v) GYAGTAKT(配列番号141)、YVDTAFAAQG(配列番号142)およびHGTSRAQDPQLHTH(配列番号143);
(w) GYAGTAKT(配列番号141)、YASTAFAAQG(配列番号145)およびHGTSRALDPQLHSH(配列番号146);
(x) GSAGSGKT(配列番号148)、YAVTSYSAQG(配列番号149)およびHDTARPVGGYAAPQLHTH(配列番号150);
(y) GEAGTGKT(配列番号153)、YAHTSYKEQG(配列番号154)およびHETNRENEPQLHNH(配列番号155);
(z) GYAGVAKT(配列番号157)、YVLTNYKVQG(配列番号158)およびQPSSRANDPALHTH(配列番号159);
(aa) GSAGTGKT(配列番号161)、YSLTANRAQG(配列番号162)およびHSMSRAGDPEMHNH(配列番号163);
(bb) AGAGTGKT(配列番号165)、YAGTVYAAQG(配列番号166)およびHYTTREGDPNIHTH(配列番号167);または
(cc) APAGAGKT(配列番号169)、YAVTVHAAQG(配列番号170)およびHETSRAGDPHLHTH(配列番号171)
を含む、[14]に記載の方法。
[21]
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、表6もしくは7に示されるヘリカーゼのうちの1つ、またはその変異体である、[18]から[20]のいずれか一項に記載の方法。
[22]
TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、(a)配列番号61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つに示される配列、または(b)配列の全体にわたりアミノ酸の同一性に基づいて当該配列と少なくとも10%の相同性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体を含む、[21]に記載の方法。
[23]
少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて実行され、塩が、場合によって、KClである、[1]から[22]のいずれか一項に記載の方法。
[24]
塩濃度が、少なくとも1.0Mである、[23]に記載の方法。
[25]
標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成する方法であって、細孔とRecDヘリカーゼとの間で複合体を形成し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成するステップを含む方法。
[26]
複合体が、(a)細孔とヘリカーゼとを、標的ポリヌクレオチドの存在下で接触させ、(a)細孔を隔ててポテンシャルを印加することにより形成される、[25]に記載の方法。
[27]
ポテンシャルが、電圧ポテンシャルまたは化学ポテンシャルである、[26]に記載の方法。
[28]
複合体が、細孔をヘリカーゼへと共有結合的に連結することにより形成される、[26]に記載の方法。
[29]
細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するためのRecDヘリカーゼの使用。
[30]
標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)細孔と、(b)RecDヘリカーゼとを含むキット。
[31]
両親媒性層を含むチップをさらに含む、[29]に記載のキット。
[32]
試料中の標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置であって、複数の細孔および複数のRecDヘリカーゼを含む解析装置。
[33]
複数の細孔を支持することが可能であり、細孔およびヘリカーゼを用いてポリヌクレオチドの特徴付けを実施するのに作動可能なセンサーデバイスと、
特徴付けを実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバーと、
材料を、少なくとも1つのリザーバーからセンサーデバイスへと、制御可能な形で供給するように構成された流体力学系と、
それぞれの試料を受容するための複数の容器であって、流体力学系が、試料を、容器からセンサーデバイスへと、選択的に供給するように構成された容器と
を含む、[32]に記載の解析装置。
[34]
標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
(a)RecDヘリカーゼが、標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドをRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
(b)RecDヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
を含む方法。
[35]
(a)1もしくは複数の特徴が、[2]に記載の通りであるか、
(b)標的ポリヌクレオチドが、[3]もしくは[9]に記載の通りであるか、
(c)1もしくは複数の特徴が、[4]もしくは[5]に記載の通りに測定されるか、
(d)RecDが、[14]から[22]のいずれか一項に記載の通りであるか、または
(e)方法が、[23]もしくは[24]のいずれかに記載の通りに実行される、
[34]に記載の方法。
[36]
ポリヌクレオチドを特徴付ける間に標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための、RecDヘリカーゼの使用。
[37]
ポリヌクレオチドの一部または全部を配列決定する間に標的ポリヌクレオチドの移動を制御するための、RecDヘリカーゼの使用。
[38]
試料中の標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置であって、RecDヘリカーゼを含むことを特徴とする解析装置。
[39]
標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置と、(b)RecDヘリカーゼとを含むキット。
配列番号1は、MspA単量体のMS−B1突然変異体をコードする、コドン最適化ポリヌクレオチド配列を示す。この突然変異体は、シグナル配列を欠き、以下の突然変異:D90N、D91N、D93N、D118R、D134R、およびE139Kを含む。
配列番号2は、MspA単量体のMS−B1突然変異体の成熟形態のアミノ酸配列を示す。この突然変異体は、シグナル配列を欠き、以下の突然変異:D90N、D91N、D93N、D118R、D134R、およびE139Kを含む。
配列番号3は、α−ヘモリシン−E111N/K147N(α−HL−NN;Stoddartら、PNAS、2009; 106(19): 7702〜7707)の1つのサブユニットをコードするポリヌクレオチド配列を示す。
配列番号4は、α−HL−NNの1つのサブユニットのアミノ酸配列を示す。
配列番号5〜7は、MspB、MspC、およびMspDのアミノ酸配列を示す。
配列番号8は、RecD様モチーフIの配列を示す。
配列番号9、10、および11は、伸長RecD様モチーフIの配列を示す。
配列番号12は、RecDモチーフIの配列を示す。
配列番号13、14、および15は、伸長RecDモチーフIの配列を示す。
配列番号16は、RecD様モチーフVの配列を示す。
配列番号17は、RecDモチーフVの配列を示す。
配列番号18〜45は、表5のRecDヘリカーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号46〜53は、MobFモチーフIIIの配列を示す。
配列番号54〜60は、MobQモチーフIIIの配列を示す。
配列番号61〜171は、表7に示されるTraIヘリカーゼおよびTraI亜群ヘリカーゼのアミノ酸配列を示す。
配列番号172〜182は、実施例で用いられる配列を示す。

Claims (28)

  1. 標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
    (a)標的ポリヌクレオチドが細孔を介して移動し、RecDヘリカーゼが細孔を介する標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドを、膜貫通細孔およびRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
    (b)ポリヌクレオチドが細孔に対して移動するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
    を含み、
    前記方法は少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて実行され、前記RecDヘリカーゼは前記塩濃度で機能することが可能である、
    方法。
  2. 1または複数の特徴が、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造、および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否か、から選択され、請求項1に記載の方法。
  3. 標的ポリヌクレオチドが、メチル化により、酸化により、損傷により、1もしくは複数のタンパク質で、または1もしくは複数の標識、タグ、もしくはスペーサーで修飾されている、請求項2に記載の方法。
  4. 標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴が、電気的測定および/または光学的測定により測定され、ここで前記電気的測定が、電流測定、インピーダンス測定、トンネル効果測定、または電界効果トランジスタ(FET)測定である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 細孔を隔てて電圧を印加して、細孔とヘリカーゼとの間の複合体を形成するステップをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリヌクレオチドの少なくとも一部が二本鎖である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 細孔が、膜貫通タンパク質細孔または固体状態細孔である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 膜貫通タンパク質細孔が、ヘモリシン、ロイコシジン、マイコバクテリウム・スメグマチス(Mycobacterium smegmatis)のポリンA(MspA)、外膜ポリンF(OmpF)、外膜ポリンG(OmpG)、外膜ホスホリパーゼA、ナイセリア(Neisseria)属オートトランスポーターリポタンパク質(NalP)、およびWZAから選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 膜貫通タンパク質が、(a)配列番号2に示される8つの同一のサブユニット、もしくは7つのサブユニットのうちの1もしくは複数が、配列の全体にわたり配列番号2と少なくとも0%のアミノ酸同一性を有し、細孔活性を保持するその変異体から形成されるものであり、または、(b)配列番号4に示される7つの同一のサブユニットから形成されるα−ヘモリシン、もしくは7つのサブユニットのうちの1もしくは複数が、配列の全体にわたり配列番号4と少なくとも0%のアミノ酸同一性を有し、細孔活性を保持するその変異体である、請求項7または8に記載の方法。
  10. RecDヘリカーゼが、
    ・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−X7(配列番号8)[式中、X1は、G、S、またはAであり、X2は、任意のアミノ酸であり、X3は、P、A、S、またはGであり、X4は、T、A、V、S、またはCであり、X5は、GまたはAであり、X6は、KまたはRであり、X7は、TまたはSである];および/または
    ・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−X4−X5−(X6)−Q−X7(配列番号9、10、および11)[式中、X1は、Y、W、またはFであり、X2は、A、T、S、M、C、またはVであり、X3は、任意のアミノ酸であり、X4は、TまたはNであり、X5は、A、T、G、S、V、またはIであり、X6は、任意のアミノ酸であり、X7は、GまたはSである]
    を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. RecDヘリカーゼが、以下のモチーフ:
    (a) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはWAVTIHKSQG(配列番号20);
    (b) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYALTVHRAQG(配列番号23);
    (c) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYAISVHKSQG(配列番号27);
    (d) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはYCISVHKSQG配列番号(29);
    (e) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYAATIHKSQG(配列番号31);
    (f) GGPGCGKS(配列番号33)および/またはYAMTIHRSQG(配列番号34);
    (g) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYAVSIHKSQG(配列番号36);
    (h) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYATSVHKSQG(配列番号38);
    (i) GGPGTGKT(配列番号19)および/またはYAVSVHKSQG(配列番号40);
    (j) GGPGVGKT(配列番号26)および/またはYATSIHKSQG(配列番号43);または
    (k) GGPGTGKS(配列番号22)および/またはYALTVHRGQG(配列番号45)
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. RecDヘリカーゼが、表4もしくは5に示されるヘリカーゼのうちの1つ、または配列の全体にわたり当該ヘリカーゼの配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. RecDヘリカーゼが、
    (a)配列番号18、21、24、25、28、30、32、35、37、39、41、42、および44のうちのいずれか1つに示される配列;または
    (b)配列の全体にわたり当該配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体を含む、請求項12に記載の方法。
  14. RecDヘリカーゼが、TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼであ、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  15. TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、
    ・アミノ酸モチーフH−(X1) −X2−R−(X3) 5〜12 −H−X4−H(配列番号46〜53)[式中、X1およびX3は、任意のアミノ酸であり、X2およびX4は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択される];または
    ・アミノ酸モチーフG−X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−H−(X8) 6〜12 −H−X9(配列番号54〜60)[式中、X1、X2、X3、X5、X6、X7、およびX9は、D、E、K、およびRを除く任意のアミノ酸から独立に選択され、X4は、DまたはEであり、X8は、任意のアミノ酸である]
    をさらに含む、請求項14に記載の方法。
  16. TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、以下のモチーフ:
    (a) GYAGVGKT(配列番号62)、YAITAHGAQG(配列番号63)およびHDTSRDQEPQLHTH(配列番号64);
    (b) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNVHMAQG(配列番号67)およびHDTNRNQEPNLHFH(配列番号68);
    (c) GAAGAGKT(配列番号70)、YCITIHRSQG(配列番号71)およびHEDARTVDDIADPQLHTH(配列番号72);
    (d) GFAGTGKS(配列番号75)、YATTVHSSQG(配列番号76)およびHETSRERDPQLHTH(配列番号77);
    (e) GRAGAGKT(配列番号79)、YATTIHKSQG(配列番号80)およびGMVADWVYHDNPGNPHIH(配列番号81);
    (f) GAAGTGKT(配列番号83)、YASTAHKSQG(配列番号84)およびHSTSRAQDPHLHSH(配列番号85);
    (g) GHAGAGKT(配列番号87)、YAGTTHRNQG(配列番号88)およびHASSREQDPQIHSH(配列番号89);
    (h) GLAGTGKT(配列番号91)、YAVTSHSSQG(配列番号92)およびHDTARPVNGYAAPQLHTH(配列番号93);
    (i) GPAGAGKT(配列番号95)、YAITAHRAQG(配列番号96)およびHYDSRAGDPQLHTH(配列番号97);
    (j) GWAGVGKT(配列番号99)、YAVTADHMQG(配列番号100)およびHLCGRLDPQIHNH(配列番号101);
    (k) GVAGAGKT(配列番号103)、YALTIDSAQG(配列番号104)およびHMTSGDGSPHLHVH(配列番号105);
    (l) GYAGTGKS(配列番号107)、YAATIHKAQG(配列番号108)およびGMIADLVNVHWDIGEDGKAKPHAH(配列番号109);
    (m) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNAHMAQG(配列番号67)およびHDTNRNQEPNLHFH(配列番号111);
    (n) GVAGAGKS(配列番号115)、YALNAHMAQG(配列番号67)およびHDTNRNQEPNAHFH(配列番号116);
    (o) GGAGVGKS(配列番号118)、YAINVHIAQG(配列番号119)およびHDVSRNNDPQLHVH(配列番号120);
    (p) GIAGAGKS(配列番号66)、YALNMHMAQG(配列番号122)およびHDTSRALDPQGHIH(配列番号123);
    (q) GVAGAGKS(配列番号115)、YALNAHMAQG(配列番号67)およびHDTSRALDPQGHIH(配列番号123);
    (r) GRAGTGKT(配列番号126)、FASTAHGAQG(配列番号127)およびHEASRNLDPQLHSH(配列番号128);
    (s) GYAGTGKT(配列番号130)、YAMTSHAAQG(配列番号131)およびHDISRDKDPQLHTH(配列番号132);
    (t) GLAGTGKT(配列番号91)、YAQTVHASQG(配列番号134)およびHNTSRDLDPQTHTH(配列番号135);
    (u) GFAGTAKT(配列番号137)、YVQTAFAAQG(配列番号138)およびHETSRAQDPQLHTH(配列番号139);
    (v) GYAGTAKT(配列番号141)、YVDTAFAAQG(配列番号142)およびHGTSRAQDPQLHTH(配列番号143);
    (w) GYAGTAKT(配列番号141)、YASTAFAAQG(配列番号145)およびHGTSRALDPQLHSH(配列番号146);
    (x) GSAGSGKT(配列番号148)、YAVTSYSAQG(配列番号149)およびHDTARPVGGYAAPQLHTH(配列番号150);
    (y) GEAGTGKT(配列番号153)、YAHTSYKEQG(配列番号154)およびHETNRENEPQLHNH(配列番号155);
    (z) GYAGVAKT(配列番号157)、YVLTNYKVQG(配列番号158)およびQPSSRANDPALHTH(配列番号159);
    (aa) GSAGTGKT(配列番号161)、YSLTANRAQG(配列番号162)およびHSMSRAGDPEMHNH(配列番号163);
    (bb) AGAGTGKT(配列番号165)、YAGTVYAAQG(配列番号166)およびHYTTREGDPNIHTH(配列番号167);または
    (cc) APAGAGKT(配列番号169)、YAVTVHAAQG(配列番号170)およびHETSRAGDPHLHTH(配列番号171)
    を含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、表6もしくは7に示されるヘリカーゼのうちの1つ、または配列の全体にわたり当該ヘリカーゼの配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. TraIヘリカーゼまたはTraI亜群ヘリカーゼが、(a)配列番号61、65、69、73、74、78、82、86、90、94、98、102、106、110、112、113、114、117、121、124、125、129、133、136、140、144、147、151、152、156、160、164、および168のうちのいずれか1つに示される配列、または(b)配列の全体にわたり当該配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 塩がKClである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成する方法であって、細孔とRecDヘリカーゼとの間で複合体を形成し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのセンサーを形成するステップを含み、標的ポリヌクレオチドの特徴付けは少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて実行され、前記RecDヘリカーゼは前記塩濃度で機能することが可能である、方法。
  21. 複合体が、(a)細孔とヘリカーゼとを、標的ポリヌクレオチドの存在下で接触させ、細孔を隔てて電圧ポテンシャルもしくは化学ポテンシャルを印加することにより形成され、または(b)細孔をヘリカーゼへと共有結合的に連結することにより形成される、請求項20に記載の方法。
  22. 少なくとも0.3Mの塩濃度で標的ポリヌクレオチドを特徴付けるためのキットであって、(a)標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置およびRecDヘリカーゼ、または、(b)細孔およびRecDヘリカーゼを含み、前記RecDヘリカーゼは前記塩濃度で機能することが可能である、前記キット。
  23. 両親媒性層を含むチップをさらに含む、請求項22に記載のキット。
  24. 少なくとも0.3Mの塩濃度で試料中の標的ポリヌクレオチドを特徴付けるための解析装置であって、(a)RecDヘリカーゼまたは(b)複数の細孔および複数のRecDヘリカーゼを含み、前記RecDヘリカーゼは前記塩濃度で機能することが可能である、前記解析装置。
  25. 複数の細孔を支持することが可能であり、細孔およびヘリカーゼを用いてポリヌクレオチドの特徴付けを実施するのに作動可能なセンサーデバイスと、
    特徴付けを実施するための材料を保持するための少なくとも1つのリザーバーと、
    材料を、少なくとも1つのリザーバーからセンサーデバイスへと、制御可能な形で供給するように構成された流体力学系と、
    それぞれの試料を受容するための複数の容器であって、流体力学系が、試料を、容器からセンサーデバイスへと、選択的に供給するように構成された容器と
    を含む、請求項24に記載の解析装置。
  26. 標的ポリヌクレオチドを特徴付ける方法であって、
    (a)RecDヘリカーゼが、標的ポリヌクレオチドの移動を制御するように、標的ポリヌクレオチドをRecDヘリカーゼと接触させるステップと、
    (b)RecDヘリカーゼがポリヌクレオチドの移動を制御するときに、1または複数の測定を行うステップであって、測定値が、標的ポリヌクレオチドの1または複数の特徴を示し、これにより、標的ポリヌクレオチドを特徴付けるステップと
    を含み、
    前記方法は少なくとも0.3Mの塩濃度を用いて実行され、前記RecDヘリカーゼは前記塩濃度で機能することが可能である、方法。
  27. (a)1または複数の特徴が、(i)標的ポリヌクレオチドの長さ、(ii)標的ポリヌクレオチドの同一性、(iii)標的ポリヌクレオチドの配列、(iv)標的ポリヌクレオチドの二次構造、および(v)標的ポリヌクレオチドが修飾されているか否か、から選択され、
    (b)標的ポリヌクレオチドが、メチル化により、酸化により、損傷により、1もしく
    は複数のタンパク質で、または1もしくは複数の標識、タグ、もしくはスペーサーで修飾され、および/または標的ポリヌクレオチドの少なくとも一部が二本鎖であり、
    (c)1または複数の特徴が、電気的測定および/または光学的測定により測定され、または
    (d)RecDが、表4もしくは5に示されるヘリカーゼのうちの1つ、または配列の全体にわたり当該ヘリカーゼの配列と少なくとも90%のアミノ酸同一性を有し、ヘリカーゼ活性を保持するその変異体であり、および/またはRecDヘリカーゼが、TraIヘリカーゼもしくはTraI亜群ヘリカーゼであり、ならびに/またはRecDヘリカーゼが、
    ・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−G−X4−X5−X6−X7(配列番号8)[式中、X1は、G、S、またはAであり、X2は、任意のアミノ酸であり、X3は、P、A、S、またはGであり、X4は、T、A、V、S、またはCであり、X5は、GまたはAであり、X6は、KまたはRであり、X7は、TまたはSである];および/または
    ・アミノ酸モチーフX1−X2−X3−X4−X5−(X6)−Q−X7(配列番号9、10、および11)[式中、X1は、Y、W、またはFであり、X2は、A、T、S、M、C、またはVであり、X3は、任意のアミノ酸であり、X4は、TまたはNであり、X5は、A、T、G、S、V、またはIであり、X6は、任意のアミノ酸であり、X7は、GまたはSである]
    を含
    請求項26に記載の方法。
  28. 塩がKClである、請求項26または27に記載の方法。
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