JP6227015B2 - ファスナーストリンガー - Google Patents

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Description

本発明は、ファスナーテープのテープ側縁部に、射出成形により複数の合成樹脂製ファスナーエレメントが列設されたファスナーストリンガーに関し、特に、合成樹脂製の各ファスナーエレメントが、金属製のファスナーエレメントのような外観を呈するファスナーストリンガーに関する。
従来から、スライドファスナーに用いられるファスナーエレメントとしては、合成樹脂をファスナーテープに射出成形することによって1つ1つが単独に形成される合成樹脂製のファスナーエレメントや、モノフィラメントをコイル状又はジグザグ状に成形することによって形成される連続状のファスナーエレメント、及び、略Y字状を呈する金属製のエレメント素材をファスナーテープに加締めることによって形成される金属製のファスナーエレメント等が知られている。
また一般に、合成樹脂製のファスナーエレメントは、射出成形の際にファスナーテープに直接固着されるため、ファスナーテープに対するファスナーエレメントの固着面積を広くすることによって、ファスナーテープに対するファスナーエレメントの固着強度が高められる。このため、従来の合成樹脂製のファスナーエレメントでは、ファスナーエレメントの固着強度を安定して確保するために、各ファスナーエレメントのエレメント幅寸法が大きく設定されていた。
これに対して、金属製のファスナーエレメントは、例えば略Y字状の断面を有するエレメント素子に加締め加工を行うことによりファスナーテープに取着されるため、金属製のファスナーエレメントは、そのエレメント幅寸法を前述のような合成樹脂製のファスナーエレメントのように大きく設定しなくても、十分な固着強度を容易に得ることができる。
また、例えば国際公開第2010/082294号パンフレット(特許文献1)や、国際公開第2013/051149号パンフレット(特許文献2)には、ファスナーエレメントが金属よりも軽い合成樹脂により構成されており、且つ、金属製のファスナーエレメントのような外観(見栄え)を備えることによりファスナーエレメントの外観品質が高められたファスナーストリンガーが開示されている。
例えば特許文献1に記載されているファスナーストリンガーのファスナーエレメントは、熱可塑性樹脂を射出成形することによりファスナーテープのテープ側縁部に固着されており、各ファスナーエレメントは、ファスナーテープのテープ上面側に配される第1半部と、テープ下面側に配され、第1半部と一体に形成された第2半部とを備えている。
なお、ここで、上下方向とは、ファスナーテープのテープ面に直交するテープ表裏方向を言う。また、前後方向とは、ファスナーテープの長さ方向を言い、左右方向とは、ファスナーテープのテープ幅方向を言う。
特許文献1のファスナーエレメントにおいて、第1半部は、ファスナーテープに固着された固着部と、その固着部からテープ外方に向けて延出した延出部とを有しており、延出部は、当該延出部の先端部に向けてテープ長さ方向のエレメント幅寸法が漸減するように先細の形状を有している。
また、第1半部では、ファスナーテープとの固着強度を確保するために、固着部の下端部(ファスナーテープに接する側の端部)におけるエレメント幅寸法が所定の大きさを有している。更に、第1半部における固着部の前方側面及び後方側面は、第1半部のエレメント幅寸法(前後方向)がファスナーテープのテープ面からファスナーエレメントの上面に向けて漸減するように、外側に向けて凸状に湾曲した凸面に形成されている。
第2半部は、ファスナーテープに固着された胴部と、胴部からテープ外方に向けて延出し、エレメント幅方向の寸法が細くなるように括れている首部と、首部からテープ外方に向けて更に延出した噛合頭部とを有している。このため、特許文献1のファスナーエレメントでは、第2半部側にて、噛合相手側方のファスナーエレメントと噛み合わせられる。
このような特許文献1のファスナーエレメントは、合成樹脂により構成されているため、金属製のファスナーエレメントよりも軽い。また、このファスナーエレメントは、ファスナーテープとの固着強度を確保しながら、第1半部に凸面が形成されていることにより、従来の合成樹脂製のファスナーエレメントよりも細く見えるように形成されているため、金属製のファスナーエレメントのような外観(見栄え)を備える。
このため、特許文献1のファスナーエレメントが取着されたスライドファスナーは、金属製のファスナーエレメントが取着されたスライドファスナー(以下、単に金属スライドファスナーと呼ぶ)のように、スタイリッシュに見えたり、お洒落な印象を与えたりすると同時に、金属スライドファスナーに比べて大幅に軽量化されて構成される。
しかし、例えば特許文献1のファスナーストリンガーと、ファスナーエレメントに係合可能な停止爪部を有する停止機構付きのスライダーとを用いてスライドファスナーを構成する場合に、特許文献1のファスナーストリンガーでは、ファスナーエレメントの第1半部に凸面が形成されていることにより、スライダーの停止爪部のファスナーエレメントに対する係合が不安定になり易くなる虞があった。
また、特許文献1のファスナーエレメントでは、テープ上面側に形成される第1半部の形態と、テープ下面側に形成される第2半部の形態が互いに相違している。このため、例えば特許文献1のファスナーストリンガーと開離嵌挿具とを有するスライドファスナーにおいて、蝶棒を箱棒の右側から箱体に挿し込む所謂右挿しのスライドファスナーと、蝶棒を箱棒の左側から箱体に挿し込む所謂左挿しのスライドファスナーとを製造する場合に、右挿し用と左挿し用としてそれぞれ専用のエレメント成形用の金型が必要となる。従って、スライドファスナーの製造コストの増大を招く要因の一つとなっていた。
これに対して、特許文献2には、合成樹脂製のファスナーエレメントが、ファスナーテープのテープ上面側に配される第1半部と、テープ下面側に配される第2半部と、第1及び第2半部間に配されるエレメント噛合部とを有するファスナーストリンガーが開示されている。
この特許文献2のファスナーエレメントにおいて、第1半部(上半部)と第2半部(下半部)とは、互いにファスナーテープにおけるテープ表裏方向の中心位置を基準にして面対称となる形態を有する。従って、ここでは、第1半部について説明することにより、第2半部の説明は省略する。
特許文献2の第1半部は、ファスナーテープに固着される第1固着部と、第1固着部からテープ外方に向けて延出する第1延出部とを有しており、第1延出部は、その先端部に向けてエレメント幅寸法が漸減する先細のエレメント形態を備えている。また、第1半部の前方側面及び後方側面は、エレメント幅寸法がファスナーエレメントの上面からファスナーテープのテープ上面に向けて漸増するように凹状に湾曲した湾曲面(凹面)に形成されている。
このような特許文献2のファスナーエレメントでは、第1半部の前方側面及び後方側面がそれぞれ凹面に形成されていることにより、当該ファスナーエレメントを上面側から見たときに、第1半部の前方側面及び後方側面が、例えば当該各側面が凸面状に形成されている場合に比べて見え難くなる。しかも、前方側面及び後方側面にて反射する光が、ファスナーエレメントの上方側に向けて散乱し難くなるため、前方側面及び後方側面が影の部分となって暗く見えるという視覚的な効果も得られる。
従って、特許文献2のファスナーエレメントでは、第1及び第2半部エレメント幅方向に狭く、エレメント長さ方向に細長く見えるようになるため、より金属製のファスナーエレメントに近い外観(見栄え)を表現することができる。
また、特許文献2のファスナーストリンガーと、停止爪部による停止機構を備えたスライダーとを用いてスライドファスナーを構成する場合に、特許文献2のファスナーストリンガーでは、ファスナーエレメントにおける第1半部の前方側面及び後方側面が凹面に形成されているため、これらの前方側面や後方側面にスライダーの停止爪部をしっかりと受け止めて収容することができる。それにより、停止爪部のファスナーエレメントに対する係合を安定させることができる。
更に、特許文献2のファスナーエレメントは、ファスナーテープにおけるテープ表裏方向の中心位置を基準にして面対称となる形態を有するため、右挿しのスライドファスナー用としても、また、左挿しのスライドファスナー用としても、形状を変更することなく利用可能となる。それにより、エレメント成形用の金型に要する費用を抑えて、スライドファスナーの製造コスト削減を図ることができる。
一方、意匠登録第1434591号公報(特許文献3)には、特許文献2と実質的に同様の形態を有するファスナーエレメントがファスナーテープに取着されたスライドファスナー用チェーンが図示されている。
更に、例えば意匠登録第1434827号公報(特許文献4)には、特許文献2に図示されているファスナーエレメントの上面に凹凸を更に設けることによって意匠性をより向上させたスライドファスナー用チェーンが図示されている。
国際公開第2010/082294号パンフレット 国際公開第2013/051149号パンフレット 意匠登録第1434591号公報 意匠登録第1434827号公報
特許文献1〜特許文献4に示されているファスナーエレメントは、上述のように、金属製のファスナーエレメントのように見せることにより、金属スライドファスナーに似ており、且つ、金属スライドファスナーよりも軽量化されたスライドファスナーを構成することが可能となる。
しかし、これらのファスナーエレメントの外観は、金属製のファスナーエレメントに似ているものの、金属製のファスナーエレメントと見比べると違いがあるため、ファスナーエレメントの固着強度を確保しつつ、合成樹脂製のファスナーエレメントの外観を、エレメント長さ方向(テープ幅方向)へより長く見せること等により、金属製のファスナーエレメントに更に近づけるようにすることが求められていた。
また、特許文献2のファスナーストリンガーでは、ファスナーエレメントにおける第1半部の前方側面及び後方側面が凹面に形成されているため、前述のように停止機構を備えたスライダーを用いてスライドファスナーを構成する場合に、ファスナーエレメントの前方側面や後方側面にスライダーの停止爪部をしっかりと受け止めて、停止爪部のファスナーエレメントに対する係合を安定させることができる。
一方、停止機構を備えたスライダーを有するスライドファスナーにおいて、スライダーの停止爪部がファスナーエレメントに係合してスライダーの停止状態が保持されている状態から、スライダーを操作してエレメント列に沿って摺動させる場合、一般に、スライダーの引手が使用者によって引っ張られることにより、その引手によって停止爪部が持ち上げられてファスナーエレメントとの係合が解除されるため、スライダーを摺動させることが可能となる。特にこの場合、スライダーの停止爪部は、引手によって十分な高さまで持ち上げられることによって、停止爪部がファスナーエレメントに引っ掛かることなくスライダーを円滑に摺動させることができる。
また、スライドファスナーが実際に使用されている製品においては、スライダーの引手を引っ張って摺動操作を開始するときに、停止爪部が引手によって十分に持ち上げられる前にスライダーが摺動し始めることがある。このとき、スライダーの停止爪部は、ファスナーエレメントの前方側面又は後方側面に摺接しながら上方に持ち上げられることになる。
しかしながら、特許文献2のファスナーストリンガーでは、ファスナーエレメントにおける第1半部の前方側面及び後方側面が凹面に形成されているため、スライダーの摺動操作開始時に停止爪部が引手によって十分に持ち上げられる前にスライダーが摺動し始めると、第1半部の前方側面又は後方側面に摺接しながら上方に持ち上げられるものの、その凹面状の前方側面又は後方側面の上端部に停止爪部が引っ掛かり易くなる虞があった。
このようにスライダーの摺動操作開始時に停止爪部が第1半部の前方側面又は後方側面の上端部に引っ掛かると、スライダーの円滑な摺動を妨げたり、スライダーを停止させたりするため、スライダー操作性の低下を招く。また、スライダーの摺動操作開始時に停止爪部がファスナーエレメントに瞬間的に引っ掛かると、スライダーを操作する使用者は、スライダーの引手を強く引っ張って強引にスライダーを摺動させることがあるため、停止爪部が破損してスライダーの停止機構が機能しなくなる虞や、また、停止爪部が引っ掛かったファスナーエレメントを破損させてスライドファスナーの寿命を短くする虞があった。また、使用者によっては引手を使用せずに被着体そのものを引っ張ることで無理やりスライドファスナーを開こうとする場合があり、ロックがかかった状態の停止爪によってファスナーエレメントを破損させたりする虞があった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、ファスナーエレメントをエレメント長さ方向へより細長く見せることを可能にした合成樹脂製のファスナーエレメント、或いは、より金属製のファスナーエレメントに近い外観を備える合成樹脂製のファスナーエレメントを有し、更には、スライダーが停止爪部による停止機構を備える場合でも、その停止機構を安定して働かせることが可能で、且つ、スライダーの摺動操作開始時に停止爪部をファスナーエレメントに引っ掛かり難くすることが可能なファスナーストリンガーを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供されるファスナーストリンガーは、基本的な構成として、ファスナーテープと、前記ファスナーテープのテープ側縁部に取着された複数の合成樹脂製のファスナーエレメントとを有し、前記ファスナーエレメントは、前記ファスナーテープの第1テープ面及び第2テープ面に跨って固着されるエレメント本体部と、前記エレメント本体部からテープ表裏方向に隆起する第1及び第2隆起部とを有し、前記エレメント本体部は、前記ファスナーテープに固着される胴部と、前記胴部からテープ外方に延出する括れた形状の首部と、前記首部から延出する長円形状の噛合頭部とを有するファスナーストリンガーであって、前記第1隆起部の外面及び前記第2隆起部の外面は、前記ファスナーテープの第1テープ面及び第2テープ面に平行な少なくとも1つの頂面と、前記エレメント本体部から起立する周側面と、前記頂面及び前記周側面の間にあって、且つ、前記頂面及び前記周側面に対して傾斜角度が異なる少なくとも1つの斜面とをそれぞれ有してなることを最も主要な特徴とするものである。
本発明に係るファスナーストリンガーにおいて、前記第1隆起部は、前記胴部上に配されるエレメント基部と、前記エレメント基部からテープ幅方向の前記噛合頭部側に延出し、テープ長さ方向の寸法が先端に向けて漸減する先細の形態を呈するエレメント先端部とを有し、前記第1隆起部の前記エレメント先端部は、前記周側面から頂部にかけて、前記ファスナーテープの前記第1テープ面に対する傾斜角度を前記周側面よりも小さくして上り傾斜する中間斜面を有していることが好ましい。
この場合、前記エレメント先端部の前記中間斜面は、平坦面に形成されていることが好ましい。また、前記エレメント先端部の前記周側面は、前記エレメント本体部から前記中間斜面にかけて凹状に湾曲する湾曲面又は平坦面に形成されていることが好ましい。
更に、前記エレメント基部は、前記周側面から前記頂面にかけて、前記ファスナーテープの前記第1テープ面に対する傾斜角度を前記周側面よりも小さくして上り傾斜する中間斜面を有し、前記エレメント先端部の前記中間斜面と前記エレメント基部の前記中間斜面とは、単一の連続面に形成されていることが好ましい。この場合、前記エレメント先端部の前記中間斜面は、テープ幅方向において、前記エレメント本体部における前記首部の最も括れた部位よりも前記噛合頭部側に延びて配されていることが特に好ましい。
またこの場合、前記エレメント基部における前記周側面と前記中間斜面との間に形成される第1稜線部が、テープ長さ方向において、前記首部の最も括れた部位よりも外側の位置に配され、前記エレメント基部における前記中間斜面と前記頂面との間に形成される第2稜線部が、テープ長さ方向において、前記首部の最も括れた部位よりも内側の位置に配されていることが特に好ましい。
更に、本発明のファスナーストリンガーにおいて、前記第1隆起部の前記エレメント先端部における前記エレメント本体部から前記頂部までのテープ表裏方向の最大寸法は、前記エレメント本体部におけるテープ表裏方向の最大寸法の半分の大きさよりも大きく設定されていることが好ましい。
更にまた、前記第2隆起部は、前記ファスナーテープのテープ表裏方向の中心位置を基準にして前記第1隆起部と面対称の形状を有していることが好ましい。
本発明に係るファスナーストリンガーでは、合成樹脂製の各ファスナーエレメントが、ファスナーテープの第1テープ面及び第2テープ面に跨って固着され、胴部、首部、及び噛合頭部を備えたエレメント本体部と、エレメント本体部の第1面及び第2面から隆起する第1及び第2隆起部とを有する。
また、ファスナーエレメントの第1隆起部の外面及び第2隆起部の外面は、少なくとも1つの頂面と、エレメント本体部から起立する周側面と、頂面及び周側面の間にあって、且つ、頂面及び周側面に対して傾斜角度が異なる少なくとも1つの斜面とを有する。ここで、斜面は、頂面や周側面などの他の面とは稜線部を介して区画される領域の面を言い、平坦面だけでなく、凹状に湾曲した湾曲面や凸状に湾曲した湾曲面を含む。
本発明では、ファスナーエレメントの第1隆起部の外面及び第2隆起部の外面が、上述のような複数の面で構成されているため、当該ファスナーエレメントを上面側又は下面側から見たときに、第1テープ面及び第2テープ面に固着されたエレメント本体部の固着領域に対し、第1及び第2隆起部をエレメント長さ方向へより細長く見せることができる。また別の効果として、ファスナーエレメントの各面で光を反射させることが可能となるため、ファスナーエレメントに金属のような光沢を持たせることができる。従って、本発明における合成樹脂製のファスナーエレメントは、より金属製のファスナーエレメントに近い外観(見栄え)を表現することができる。
また、本発明のファスナーストリンガーでは、各ファスナーエレメントが、エレメント本体部の表裏面に上述のような細身の形状、又は金属のような光沢を持つ第1及び第2隆起部を有するため、所謂右挿しのスライドファスナー用としても、また、左挿しのスライドファスナー用としても利用することが可能となる。従って、エレメント成形用の金型に要する費用を抑え、スライドファスナーの製造コスト削減を図ることができる。
このような本発明のファスナーストリンガーにおいて、ファスナーエレメントの第1隆起部は、胴部上に配されるエレメント基部と、そのエレメント基部からテープ幅方向の噛合頭部側に延出し、テープ長さ方向の寸法が先端に向けて漸減する先細の形態を呈するエレメント先端部とを有する。また、第1隆起部のエレメント先端部は、その周側面から頂面を含む頂部にかけて、ファスナーテープの第1テープ面に対する傾斜角度を周側面よりも小さくして上り傾斜する中間斜面を有する。
これにより、上述のように実際のファスナーテープへのエレメント固着領域よりもエレメント長さ方向へより細長く見せることが可能なファスナーエレメントを提供することができる。また、上述のように第1隆起部の外面に金属のような光沢を容易に持たせることができる。その上、例えばファスナーエレメントのエレメント先端部に対応するように停止爪部が配された停止機構付きのスライダーを用いてスライドファスナーを構成する場合に、ファスナーエレメントにおける第1隆起部の周側面でスライダーの停止爪部を受け止めて、停止爪部のファスナーエレメントに対する係合を安定させることができる。
また、エレメント先端部の周側面と頂面との間に上述のような中間斜面が配されていることにより、スライダーの摺動操作開始時に、ファスナーエレメントに係合している停止爪部を、第1隆起部の周側面から、その周側面よりも緩やかに傾斜する中間斜面に連続的に摺接させながら、上方に円滑に持ち上げることができる。
それにより、スライダーの摺動操作開始時に停止爪部がファスナーエレメント(特に第1隆起部)に引っ掛かり難くなるため、スライダーの操作性が低下することを防止できる。またこれにより、使用者がスライダーの引手を強く引っ張ってスライダーを強引に摺動させることもなくなるため、ファスナーエレメントに対する停止爪部の引っ掛かりに起因して停止爪部の破損やファスナーエレメントの破損が生じることも防止できる。
更に、このような中間斜面の存在によって、例えばエレメント先端部の高さ寸法を大きくする場合でも、当該エレメント先端部における前方側の周側面と後方側の周側面との間の寸法を比較的大きく確保して、第1隆起部の強度を高めることができる。これにより、スライダーの停止爪部が第1隆起部に係合するとき等に、第1隆起部が欠けたり、折れたりする不具合を生じ難くすることができる。
この場合、エレメント先端部の中間斜面が平坦面に形成されていることにより、中間斜面で光を効果的に反射させることができるため、ファスナーエレメントを細身に見せ易くすることや、第1隆起部の外面に金属のような光沢を安定して持たせることができる。また、スライダーの摺動操作開始時に、そのスライダーの停止爪部を中間斜面に安定して摺接させながら、上方に円滑に持ち上げることができる。
またこの場合、エレメント先端部の周側面がエレメント本体部から中間斜面にかけて凹状に湾曲する湾曲面に形成されていることにより、そのエレメント先端部の周側面でスライダーの停止爪部をしっかりと受け止めることができ、停止爪部のファスナーエレメントに対する係合を安定させることができる。一方、エレメント先端部の周側面がエレメント本体部から中間斜面にかけて平坦面に形成されていることにより、スライダーの摺動操作開始時に、周側面にスライダーの停止爪部をより引っ掛からせ難くして、周側面及び中間斜面に安定して摺接させながら、上方に円滑に持ち上げることができる。
本発明において、第1隆起部のエレメント基部は、周側面から頂面にかけて、ファスナーテープの第1テープ面に対する傾斜角度を周側面よりも小さくして上り傾斜する中間斜面を有しており、そのエレメント基部の中間斜面と前述のエレメント先端部の中間斜面とが単一の連続面に形成されている。
これにより、エレメント基部からエレメント先端部にかけて連続して配される中間斜面で光を反射させて、金属のような光沢をきれいに出すことができるため、より一層ファスナーエレメントを細身に見せることや、金属製のファスナーエレメントに近い外観(見栄え)を表現することができる。また、停止機構付きスライダーの停止爪部が、上述のようにファスナーエレメントのエレメント先端部に対応するように配されている場合だけでなく、ファスナーエレメントのエレメント基部に対応するように配されている場合でも、スライダーの摺動操作開始時に、停止爪部を中間斜面に引っ掛からせ難くして、上方に円滑に持ち上げることができる。
この場合、エレメント先端部の中間斜面は、テープ幅方向において、エレメント本体部における首部の最も括れた部位よりも噛合頭部側に延びて配されている。これにより、ファスナーエレメントのエレメント先端部をより金属のように光らせることが可能となる。
またこの場合、エレメント基部における周側面と中間斜面との間に形成される第1稜線部が、テープ長さ方向において、首部の最も括れた部位よりも外側の位置に配されているとともに、エレメント基部における中間斜面と頂面との間に形成される第2稜線部が、テープ長さ方向において、首部の最も括れた部位よりも内側の位置に配されている。
これにより、エレメント基部の中間斜面におけるエレメント幅方向(テープ長さ方向)の寸法が確保され、当該中間斜面を広い面積で形成することができる。それにより、当該中間斜面で光を反射させ易くして金属のような光沢を安定して得ることができる。また、スライダーの摺動操作開始時に、当該中間斜面に停止爪部をより引っ掛からせ難くすることができる。
更に本発明において、第1隆起部のエレメント先端部におけるエレメント本体部から頂部までのテープ表裏方向の最大寸法(高さ寸法の最大値)は、エレメント本体部におけるテープ表裏方向の最大寸法の半分の大きさよりも大きく設定されている。
このようにエレメント本体部から第1隆起部が高く形成されていることにより、ファスナーエレメントを第1面(上面)側から見たときに、エレメント本体部に第1隆起部の影が差してエレメント本体部を見え難くすることができるため、ファスナーエレメントの形態をエレメント長さ方向(テープ幅方向)に細長く見せることが可能となる。その結果、ファスナーエレメントが、より金属製のファスナーエレメントに近い外観(見栄え)を表すことができる。
また、エレメント本体部から第1隆起部が高く形成されていることにより、例えばファスナーエレメントのエレメント先端部に対応するように停止爪部が配された停止機構付きのスライダーを用いてスライドファスナーを構成する場合に、第1隆起部の周側面でスライダーの停止爪部をより安定して受け止めることができるため、スライダーの停止機構を安定して機能させることができる。
また本発明において、ファスナーエレメントの第2隆起部は、ファスナーテープのテープ表裏方向の中心位置を基準にして第1隆起部と面対称の形状を有する。これにより、本発明のファスナーストリンガーは、表裏を裏返して用いられることにより、右挿しのスライドファスナー用としても、また、左挿しのスライドファスナー用としても、ファスナーエレメントの形状を変更することなく容易に利用することが可能となる。その結果、ファスナーエレメントの成形用金型として、右挿し用と左挿し用とにそれぞれ専用の金型を作る必要がなくなるため、金型に要する費用を抑えて、スライドファスナーの製造コストを削減することができる。
本発明の実施例1に係るファスナーストリンガーを有するスライドファスナーを示す平面図である。 同スライドファスナーの要部を拡大して示す拡大平面図である。 同スライドファスナーのファスナーエレメントを拡大して示す平面図である。 同ファスナーエレメントをテープ長さ方向側から見た正面図である。 図3に示したV−V線における矢視断面図である。 図3に示したVI−VI線における矢視断面図である。 図3に示したVII−VII線における矢視断面図である。 図3に示したVIII−VIII線における矢視断面図である。 ファスナーエレメントとスライダーの停止爪部との位置関係を示す部分断面図である。 スライダーの停止爪部がエレメント案内路内に突出した状態を示す断面図である。 スライダーの停止爪部がファスナーエレメントの第1隆起部に摺接して持ち上げられる動きを説明する模式図である。 実施例1の変形例に係るファスナーストリンガーのファスナーエレメントを示す平面図である。 図12に示したXIII−XIII線における矢視断面図である。 図12に示したXIV−XIV線における矢視断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
図1は、本実施例1に係るファスナーストリンガーを有するスライドファスナーを示す平面図であり、図2は、同スライドファスナーの要部を拡大して示す拡大平面図である。図3及び図4は、同スライドファスナーにおけるファスナーエレメントの平面図及び正面図である。図5〜図8は、図3に示したファスナーエレメントの各断面図である。
なお、以下の説明では、ファスナーテープのテープ長さ方向を前後方向と規定し、特に、スライドファスナーを閉じるときにスライダーを摺動させる方向を前方とし、スライドファスナーを開くときにスライダーを摺動させる方向を後方とする。また、ファスナーテープのテープ幅方向を左右方向と規定する。更に、ファスナーテープのテープ表裏方向を上下方向と規定し、ファスナーテープに対してスライダーの引手が配される側を上方、その反対の側を下方とする。
更に、ファスナーエレメントに関しては、本発明の特徴を判り易く説明するために、テープ長さ方向をエレメント幅方向と記載し、また、テープ幅方向をエレメント長さ方向と記載し、テープ表裏方向をエレメント高さ方向と記載することもある。
本実施例1に係るスライドファスナー1は、図1に示したように、左右のファスナーテープ11の対向するテープ側縁部に沿ってエレメント列12が形成された左右一対のファスナーストリンガー10と、各ファスナーストリンガー10の上端部にエレメント列12に隣接して配される第1止具5(上止具とも言う)と、一対のファスナーストリンガー10の下端部にエレメント列12に隣接して配される開離嵌挿具6と、エレメント列12に沿って摺動可能に配された停止機構付きのスライダー30とを有する。
なお、本実施例1のスライドファスナー1は、エレメント列12を構成するファスナーエレメント20の形態に主要な特徴を有するものであり、ファスナーテープ11、第1止具5、開離嵌挿具6、及びスライダー30については、従来の一般的なスライドファスナーと実質的に同様のものを使用している。
例えば、本実施例1の開離嵌挿具6は、左側のファスナーストリンガー10の後端部に配された蝶棒7と、右側のファスナーストリンガー10の後端部に配された箱棒8と、箱棒8の後端部に一体成形された箱体9とを有し、右挿し用の開離嵌挿具6として構成されている。
なお、本発明では、例えば蝶棒7と箱棒8及び箱体9との位置関係を、本実施例1とは左右方向に反対にし、右側のファスナーストリンガー10に蝶棒を取着するとともに、左側のファスナーストリンガー10に箱棒及び箱体を取着することによって、左挿し用の開離嵌挿具を構成することも可能である。
本実施例1のスライダー30は、スライダー胴体31と、一端部に取付軸部を備える引手32と、引手32の取付軸部をスライダー胴体31との間に回動可能に保持する引手保持体33と、スライダー胴体31に保持され、停止爪部34aを備える停止爪体34と、停止爪体34を下方に向けて付勢する板ばね部材35と、スライダー胴体31にスライダー長手方向(前後方向)に沿って摺動可能に配される摺動部材36と、摺動部材36を後口側に向けて付勢する図示しないスプリング部材とを有する。
本実施例1において、スライダー30は、引手32によるスライダー30の摺動操作を終了させたときに、板ばね部材35で停止爪体34を付勢して、その停止爪体34の停止爪部34aをエレメント列12のファスナーエレメント20に係合させることにより、エレメント列12に対して停止した位置を保持する停止機構を備えている。
また、スライダー30の摺動部材36は、上方に向けて凸状に形成された後側の第1遮断部と前側の第2遮断部とを有しており、この摺動部材36がスライダー胴体31の上翼板31aに摺動可能に配されている。この摺動部材36をスライダー長手方向に摺動させることにより、スライダー胴体31と引手保持体33との間に引手32を取り付けることや、スライダー胴体31と引手保持体33との間に保持された引手32を取り外すことが可能となる。
本実施例1のスライダー胴体31は、上翼板31a及び下翼板と、上翼板31a及び下翼板の肩口側端部間を連結する案内柱31bと、上翼板31a及び下翼板の左右側縁部に配されたフランジ部31fと、上翼板31aの上面側に立設され、引手保持体33を取り付ける取付柱31cと、取付柱31cよりも後方の位置に立設され、停止爪体34を揺動可能に枢支する枢支凸部31dとを有する。
また、スライダー胴体31の前端部には、案内柱31bを間に挟んで左右の肩口が形成されており、スライダー胴体31の後端部には後口が形成されている。スライダー胴体31の上下翼板間には、左右の肩口と後口とを連通するY字形状のエレメント案内路が形成されている。
上翼板31aの所定の位置には、上翼板31aの上面からエレメント案内路に貫通する爪孔31eが形成されている。更に、上翼板31aの上面側には、同上翼板31aの後端から爪孔31eの左右側方部にかけて凹設され、摺動部材36を嵌着して摺動させる摺動部材収容部と、上翼板31aの後端部に配され、摺動部材収容部に収容された摺動部材36が後方に脱落することを防ぐストッパー部とが配されている。
引手保持体33は、下向きに略凹状に湾曲した形状を有しており、その内部には左右側壁部と天井部とにより囲まれた内部空間が形成されている。この引手保持体33は、その一端部(固定端部)が上翼板31aの取付柱31cに固定されることにより、スライダー胴体31に対して片持状に取り付けられている。また、引手保持体33の天井部の内壁面側には、板ばね部材35が、停止爪体34を下方に向けて付勢するように保持されている。
停止爪体34は、スライダー胴体31の枢支凸部31dに枢着する枢支凹溝が形成された爪体基部と、爪体基部から二股に分岐して延設した上下のアーム部と、下側アーム部の先端部から下方に向けて屈曲形成され、スライダー胴体31の爪孔31eを介してエレメント案内路に突出する停止爪部34aとを有する。また、上下のアーム部間には、引手32の取付軸部が挿入される作動凹溝が設けられている。
この場合、停止爪体34の停止爪部34aは、エレメント案内路に突出した際に、図9に示したように、右側のエレメント列12のファスナーエレメント20に係合可能な位置に配されている。なお、この図9では、ファスナーテープ11の図示を省略している。
特に本実施例1において、停止爪部34aは、ファスナーエレメント20の後述するエレメント先端部26に係合可能なように、エレメント先端部26の位置に対応する位置に配されている。また、停止爪体34は、板ばね部材35によって付勢されることにより、停止爪部34aを、エレメント先端部26の後述する周側面44に係合可能な位置(深さ)までエレメント案内路に突出させるように構成されている。
本実施例1において、各ファスナーストリンガー10のファスナーテープ11は帯状に織成又は編成されている。また、ファスナーテープ11は、ファスナー被着製品(衣類や鞄類など)に縫い付けられるテープ主体部と、エレメント列12が形成されるテープ側縁部(エレメント取付部とも言う)とを有している。
また、左右のファスナーテープ11の互いに対向するテープ側端縁には芯紐部11aが配されている。エレメント列12は、ファスナーテープ11の芯紐部11aを含むテープ側縁部に、複数の合成樹脂製のファスナーエレメント20がテープ長さ方向に一定の間隔をもって取着されていることによって形成されている。
各ファスナーエレメント20は、ファスナーテープ11のテープ上面(第1テープ面)及びテープ下面(第2テープ面)に跨って固着されるエレメント本体部21と、エレメント本体部21の上面から上方に隆起する第1隆起部(上隆起部)22と、エレメント本体部21の下面から下方に隆起する第2隆起部(下隆起部)23と、エレメント本体部21並びに第1及び第2隆起部22,23のテープ内方側の端縁部からテープ内側に向けて延在するヒレ部24とを有する。
ファスナーエレメント20のエレメント本体部21は、ファスナーテープ11の芯紐部11aを包み込むようにテープ上面及びテープ下面に跨って固着される胴部21aと、胴部21aからテープ外方に延出し、括れた形状を備える首部21bと、首部21bから更にテープ外方に連続して延出し、噛合相手方のファスナーエレメント20に噛み合うことが可能な噛合頭部21cと、首部21bからエレメント幅方向に突出する前後一対の肩部21dとを有する。
エレメント本体部21の胴部21aは、ファスナーテープ11に対するファスナーエレメント20の固着強度を確保するために、胴部21aにおけるファスナーテープ11のテープ上面及びテープ下面に固着するテープ固着面のエレメント幅方向の寸法が、例えば前述の特許文献1や特許文献2のような従来のファスナーエレメントにおけるテープ固着面のエレメント幅寸法と同じ大きさとなるように設定されている。
なお、例えばファスナーテープ11に対するファスナーエレメント20の固着強度が十分に得られる場合には、胴部21aにおけるテープ固着面のエレメント幅寸法を、従来のファスナーエレメントのエレメント幅寸法よりも小さく設定することも可能であり、また、必要に応じて従来のファスナーエレメントのエレメント幅寸法よりも大きく設定することも可能である。
エレメント本体部21の首部21bは、噛合相手方のエレメント本体部21の噛合頭部21cを嵌着可能なように、エレメント幅方向の寸法(エレメント幅寸法)が小さくなるように括れた形状を有する。エレメント本体部21の噛合頭部21cは、第1及び第2隆起部22,23よりもエレメント幅方向に突出するように長円形状に形成されている。なお、噛合頭部21cは、首部21bのエレメント幅寸法よりも大きく形成されている。
また、噛合頭部21cの先端部には、噛合相手方のエレメント本体部21の肩部21dを嵌入することが可能な凹溝部21eが、噛合頭部21cの先端面から窪むように、テープ長さ方向(エレメント幅方向)に沿って凹設されている。エレメント本体部21の肩部21dは、噛合相手方の噛合頭部21cに形成された凹溝部21eに嵌入可能な形状及び大きさに形成されている。
各ファスナーエレメント20のエレメント本体部21が上述のような形態を有することにより、スライダー30を摺動させてスライドファスナー1を開閉する際に、左右のファスナーエレメント20を円滑に噛合・分離させることができる。また、左右のファスナーエレメント20を噛合させたときに、スライドファスナー1の使用に耐え得る十分な噛合強度が安定して得られる。
更に、エレメント本体部21が、ファスナーテープ11のテープ上面及びテープ下面に跨るようにファスナーエレメント20におけるテープ表裏方向(エレメント高さ方向)の中央部に配されることにより、例えば特許文献1の図1に示されているような、テープ表裏面のうちのテープ裏面側にのみ噛合頭部が配されているようなスライドファスナーよりも、テープ幅方向の引っ張り力やテープ表裏方向の突き上げ力に対する左右のエレメント列12の噛み合わせの強度(横引き強度や突き上げ強度)を効果的に高めることができる。
また本実施例1において、エレメント本体部21のテープ長さ方向に向いた前後の周側面21fは、例えばファスナーエレメント20のテープ幅方向に直交する断面を見たときに(図5〜図8を参照)、エレメント本体部21のエレメント幅寸法が、ファスナーテープ11とのテープ固着面からエレメント本体部21の上面に向けて漸増するように、テープ表裏方向に対して傾斜した傾斜面に形成されている。
このようにエレメント本体部21の前方側及び後方側の周側面21fが傾斜面に形成されていることにより、第1隆起部22の後述する頂面43におけるエレメント幅寸法をより小さくすることが可能となる。なお、本発明においては、エレメント本体部21の一部(例えば首部21b)又は全部における前方側及び後方側の周側面44を、ファスナーテープ11のテープ上面に対して直交する垂直面に形成することも可能である。
ファスナーエレメント20の第1隆起部22は、スライドファスナー1において外部に露呈する露呈面側となる。また、本実施例1において、第1隆起部22と第2隆起部23とは、互いにファスナーテープ11のテープ表裏方向の中心位置を基準にして互いに面対称となる形態を有している。従って、以下では、第1隆起部22について詳細に説明することにより、第2隆起部23についての詳細な説明は省略することとする。
第1隆起部22は、エレメント本体部21の胴部21a上に配されるエレメント基部25と、エレメント基部25からテープ幅方向のテープ外方側(噛合頭部21c側)に向けて延出して先細の形態を呈するエレメント先端部26とを有する。
この場合、エレメント先端部26は、ファスナーエレメント20の平面視にて(図3を参照)、第1隆起部22の後述する周側面44と中間斜面45の間に形成される第1稜線部41により形成される形状(言い換えると、当該第1稜線部41よりも上方側に配される第1隆起部22の上半部の形状)が、エレメント基部25に接続する側の基端部からその先端部に向けて、エレメント幅寸法が漸減する先細の形状を有するように形成されている。また、周側面44と中間斜面45の間に形成される第1稜線部41は、エレメント先端部26の先端縁において、面取りが施されたような丸みを帯びる曲面状に形成されている。
第1隆起部22の外面は、ファスナーテープ11のテープ上面から最も離れた位置に配される頂面(上面)43と、エレメント本体部21から稜線部を介して起立するように配される周側面44と、頂面43と周側面44の間に配される中間斜面45とを有する。
この場合、第1隆起部22の頂面43、周側面44、及び中間斜面45の各面は、他の面との間に稜線部(第1稜線部41及び第2稜線部42)を形成して区別される。また本実施例1において、第1隆起部22の頂面43と、その頂面43よりもエレメント先端部26の先端側に配され、前側の中間斜面45と後側の中間斜面45との間に形成される上端稜線部46とにより、第1隆起部22の頂部(上端部)が構成されている。
第1隆起部22の頂面43は、ファスナーテープ11のテープ上面と平行に配されている。なお、第1隆起部22の頂面43の一部は、例えばエレメント先端部26の先端に向けて下り傾斜する傾斜面又は湾曲面に形成されていても良い。
この第1隆起部22の頂面43は、エレメント幅方向(テープ長さ方向)に関して、エレメント本体部21の首部21bにおけるエレメント幅方向の寸法が最も小さい部分(首部21bの最も括れた部分)の前側周側面44から後側周側面44までの範囲よりも更に内側の範囲内に形成されている。
また、第1隆起部22の頂面43は、エレメント長さ方向(テープ幅方向)に関して、少なくとも、ファスナーテープ11の芯紐部11aよりもテープ内方側の位置から、エレメント本体部21の首部21bで最も括れた部分よりもテープ外方側の位置まで、また、エレメント本体部21の肩部21dよりもテープ外方側の位置まで配されている。
また、第1隆起部22の頂面43は、ファスナーエレメント20の平面視にて(図3を参照)、当該頂面43のテープ内方側の端縁からエレメント先端部26の先端に向けて、頂面43におけるエレメント幅寸法が漸増する又は一定となる基端領域43aと、頂面43におけるエレメント幅寸法が漸減する細幅領域43bとを有する。これにより、ファスナーエレメント20の全体を細長く見せることが可能となるため、金属製のファスナーエレメントに近い外観(見栄え)を表現することができる。
また、ファスナーエレメント20の第1及び第2隆起部22,23が頂面43を有することにより、第1及び第2隆起部22,23の頂面43と、スライダー30における上翼板31a及び下翼板の内壁面とを略平行な位置関係に配置することができる。それにより、ファスナーストリンガー10のエレメント列12に対するスライダー30の向きが安定し、スライダー30の良好な摺動性を確保することができる。
更に、上述のような頂面43とともに第1隆起部22の頂部を構成する上端稜線部46は、図4に示すように、前方側及び後方側の中間斜面45の間で、エレメント先端部26の先端に向けて下り傾斜するように形成されている。これにより、ファスナーエレメント20に触れたときの感触(手触り感)を高めることができる。なおこの場合、上端稜線部46は、エレメント先端部26の先端に向けて、直線状に下り傾斜しても良いし、湾曲線状に下り傾斜しても良いし、また、直線状の下り傾斜部と湾曲線状の下り傾斜部の両方を有して形成されていても良い。
また本実施例1において、第1隆起部22のエレメント先端部26におけるエレメント本体部21から頂部(頂面43)までのテープ表裏方向の寸法(高さ寸法)の最大値H1は、エレメント本体部21におけるテープ表裏方向の最大寸法H2の半分の大きさよりも大きく設定されている。この場合、第1隆起部22の最大高さ寸法H1は、エレメント本体部21の最大高さ寸法H2の半分の大きさの150%以上に設定されていることが好ましい。
このようにエレメント先端部26がエレメント本体部21から高く形成されていることにより、ファスナーエレメント20を上方側から見たときに、エレメント本体部21に第1隆起部22の影が差してエレメント本体部21を見え難くすることができる。それにより、ファスナーエレメント20をエレメント長さ方向へより細長く見せることが可能となり、より金属製のファスナーエレメントに近い外観を表すことができる。
第1隆起部22の周側面44は、エレメント本体部21から上方に向けて立ち上がるように形成されている。また、第1隆起部22における前方側及び後方側に向く周側面44は、頂面43を上述のように細長く形成し易くするために、ファスナーエレメント20のテープ幅方向に直交する断面を見たときに(図5〜図8を参照)、第1隆起部22のエレメント幅寸法がエレメント本体部21から上方に向けて漸減するように、テープ表裏方向に対して斜めに傾斜して形成されている。
特に、前方側及び後方側の周側面44は、エレメント内側に向けて窪むように凹状に湾曲した湾曲面(凹面)に形成されている。なお、第1隆起部22の周側面44となる凹状湾曲面は、エレメント本体部21の胴部21aから噛合頭部21cにかけてエレメント長さ方向に沿うように連続して形成されていることが好ましい。しかし、本実施例1では、第1隆起部22のうちのエレメント本体部21の首部21bに対応する一部の部位が、エレメント幅方向に細く形成されているため、その首部21bに対応する部位の周側面44は、例えば図7に示したように、曲率の小さい凹状湾曲面、又は平面に近い傾斜面に形成されている。
第1隆起部22における前方側及び後方側の周側面44が上述のように凹面状に形成されていることにより、ファスナーエレメント20を上方側から見たときに、これらの前方側及び後方側の周側面44が視認され難くなる。その上、このような凹面状の周側面44により光の反射向きが変えられるため、第1隆起部22の周側面44にて光がエレメント上方側に向けて散乱し難くなる。その結果、第1隆起部22の周側面44が、第1隆起部22の頂面43よりも影のように暗く見えるようになるため、第1隆起部22がエレメント幅方向に更に狭く見えるようになる。
なお、本実施例1において、前方側及び後方側の周側面44は上述のように凹状の湾曲面に形成されているが、この場合、凹面状の周側面44の傾斜方向とは、テープ幅方向に直交する断面において、当該第1隆起部22の周側面44とエレメント本体部21の周側面21f間の稜線部と、当該第1隆起部22の周側面44と中間斜面45間の第1稜線部41とを直線で結んだときの当該直線の傾きのことを言う。
第1隆起部22の中間斜面45は、第1隆起部22の周側面44と頂面43の間に配されており、周側面44及び頂面43とそれぞれ第1及び第2稜線部41,42を介して接続している。また、第1隆起部22における前方側及び後方側の中間斜面45は、ファスナーエレメント20のテープ幅方向に直交する断面を見たときに(図5〜図8を参照)、第1隆起部22のエレメント幅寸法が第1隆起部22の第1稜線部41から第2稜線部42に向けて漸減するように、テープ表裏方向(エレメント高さ方向)に対して斜めに傾斜して形成されている。
特に本実施例1において、前方側及び後方側の中間斜面45は、第1隆起部22の第1稜線部41から第2稜線部42に向けて上り傾斜する平坦な平面状(テーパー状)に形成されている。またこの場合、中間斜面45は、ファスナーテープ11のテープ上面に対する傾斜角度を、同テープ上面に対する第1隆起部22の周側面44の傾斜角度よりも小さくして形成されている。
また、第1隆起部22における前方側及び後方側の中間斜面45は、エレメント長さ方向(テープ幅方向)に関して、エレメント基部25からエレメント先端部26にかけて稜線部を含まずに連続的に配される単一の連続面に形成されている。この場合、前方側及び後方側の中間斜面45は、エレメント先端部26に配される第1中間斜面45aと、エレメント基部25に配される第2中間斜面45bとを有する。
特に本実施例1における前方側及び後方側の中間斜面45は、エレメント長さ方向に関して、少なくとも、ファスナーテープ11の芯紐部11aよりもテープ内方側の位置から、エレメント本体部21における首部21bの最も括れた部分よりも先端側に延びて配されており、好ましくは、エレメント本体部21における噛合頭部21cのエレメント幅方向に最も膨出した部分よりも先端側に延びて配されている。
更に、第1隆起部22のエレメント基部25における前方側及び後方側の第2中間斜面45bは、そのエレメント幅寸法をある程度大きくして第2中間斜面45bの面積を広く確保するために、エレメント幅方向(テープ長さ方向)に関して、当該第2中間斜面45bと頂面43との間に形成される第2稜線部42が、首部21bの最も括れた部分よりも内側の位置に配され、且つ、当該第2中間斜面45bと周側面44との間に形成される第1稜線部41が、首部21bの最も括れた部分よりも外側の位置に配されて形成されている。
また本実施例1において、第1隆起部22の中間斜面45と周側面44とにより形成される第1稜線部41の形状は、第1隆起部22の頂面43の形状と略同様に、ファスナーエレメント20の平面視にて(図3を参照)、エレメント幅寸法が先端側に向けて漸増する又は一定となる基端領域41aと、エレメント幅寸法が先端側に向けて漸減する細幅領域41bとを有する。更に、その細幅領域41bは、基端領域41a側に配され、外側に凸状に膨らむように形成される第1細幅領域41cと、同第1細幅領域41cから変曲部を介して先端側に配され、内側に凹状に凹むように形成される第2細幅領域41dとを有する。
更に、中間斜面45において第1稜線部41と第2稜線部42との間に挟まれるように配されている斜面部分は、第1稜線部41と第2稜線部42との間の最短距離(又はエレメント幅寸法)が略一定の大きさを有するように形成されている。
この場合、中間斜面45で光を反射させて光沢を安定して表出させるために、当該中間斜面45における第1及び第2稜線部41,42間の最短距離(又はエレメント幅寸法)は、0.2mm以上に設定されることが好ましい。また、ファスナーテープ11のテープ上面に対する中間斜面45の傾斜角度は、5°以上45°以下に設定されることが好ましい。
本実施例1の第1隆起部22に上述のような中間斜面45が形成されていることにより、ファスナーエレメント20を上方側から見たときにファスナーエレメント20の外観を、エレメント長さ方向へより細長く見せることができるため、金属製のファスナーエレメントに更に近づけることができる。また、第1隆起部22の頂面43や周側面44の他に、中間斜面45においても、頂面43及び周側面44とは異なる方向に光を反射させるため、ファスナーエレメント20に金属のような光沢を持たせることが可能となる。
また、このような中間斜面45の存在によって、上述のように第1隆起部22の頂面43をテープ幅方向に細長く形成する場合でも、第1隆起部22における前方側の周側面44と後方側の周側面44との間の寸法を比較的大きく確保して、第1隆起部22の強度を高めることができる。
これにより、例えばエレメント本体部21を見え難くするためにエレメント本体部21からの第1隆起部22の高さ寸法(テープ表裏方向の寸法)を大きくしても、スライダー30の停止爪部34aが第1隆起部22に係合したとき等に、第1隆起部22が欠けたり、折れたりする不具合を生じ難くすることができる。
ファスナーエレメント20のヒレ部24は、ファスナーテープ11のテープ上面側とテープ下面側とに配されており、テープ上面側に配されるヒレ部24とテープ下面側に配されるヒレ部24とは、互いにファスナーテープ11のテープ表裏方向の中心位置を基準にして面対称となる形態を有する。また、テープ上面側及びテープ下面側のヒレ部24は、エレメント本体部21側の端部からテープ内方側に向けて、エレメント幅寸法が漸減するように形成されており、ファスナーエレメント20の平面視にて略山形状を呈する。
このようなヒレ部24が配されていることにより、ファスナーテープ11に対するファスナーエレメント20の固着強度を増大させることができる。更に、ファスナーエレメント20のヒレ部24が、スライダー30の摺動時に当該スライダー30のフランジ部31fが通過する位置に対応して配されていることにより、スライダー30のフランジ部31fがファスナーテープ11に直接接触することを阻止できる。従って、スライダー30を摺動させたときに、ファスナーテープ11がフランジ部31fとの接触に起因して、傷付いたり、切れたりして損傷することを防止できる。
また本実施例1のファスナーエレメント20は、上述のようにファスナーテープ11のテープ表裏方向の中心位置を基準にして面対称となる形態を有するため、ファスナーエレメント20の第1隆起部22側が外部に露呈する露呈面側となるようにスライドファスナー1を構成することも、また、ファスナーエレメント20の第2隆起部23側が外部に露呈する露呈面側となるようにスライドファスナー1を構成することも可能となる。
それにより、右挿し用のスライドファスナー1又は左挿し用のスライドファスナー1を製造する際に、例えばスライダー30を取着する向きを変更すること等により、ファスナーエレメント20の成形用金型を変更することなく、右挿し用にするか左挿し用にするかを任意に選択して、スライドファスナー1の製造を容易に且つ安価に行うことが可能となる。
本実施例1のスライドファスナー1において、ファスナーエレメント20、第1止具5、及び開離嵌挿具6は、熱可塑性のポリアセタール樹脂を射出成形することにより形成されている。この場合、ファスナーエレメント20、第1止具5、及び開離嵌挿具6を構成するポリアセタール樹脂には、アルミニウム製又はアルミニウム合金製の扁平状の金属微小片が均一に混練されている。
なお本発明において、ファスナーエレメント20、第1止具5、及び開離嵌挿具6を構成する合成樹脂の種類は、上述のようなポリアセタール樹脂に限定されるものではなく、例えばポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネートなどのその他の合成樹脂を用いることも可能である。このような合成樹脂を用いて構成されたファスナーエレメント20は、金属からなるファスナーエレメント20よりも大幅に軽量化される。
また、上述のようなポリアセタール樹脂は透過性を有しているため、ファスナーエレメント20、第1止具5、及び開離嵌挿具6の材質にポリアセタール樹脂を選択することにより、金属微小片を合成樹脂内に分散させたときに、金属微小片による光沢を安定して得ることができる。この場合、合成樹脂に混練される金属微小片としては、例えば前記特許文献2に記載されているような金属微小片が使用される。また、合成樹脂に混練される金属微小片の含有量(混練量)も、前記特許文献2に記載されているような範囲で設定される。
以上のような本実施例1のスライドファスナー1では、ファスナーエレメント20の第1隆起部22が、頂面43と、凹面状に傾斜する周側面44と、頂面43及び周側面44とファスナーテープ11に対する傾斜角度が異なる平面状の中間斜面45とを有する。更に、中間斜面45は、第1隆起部22のエレメント基部25からエレメント先端部26にかけて連続する単一面に形成されている。
これにより、例えば図1及び図2に示したようにスライドファスナー1を上方側から見たときに、各ファスナーエレメント20の頂面43(又は頂面43及び上端稜線部46を含む頂部)がテープ幅方向に細長く見えるとともに、第1隆起部22の前方側及び後方側の周側面44とエレメント本体部21とが見え難くなる。従って、本実施例1のファスナーエレメント20の形態が、金属製のファスナーエレメントに近い細身の外観を呈するようになる。
更に、同ファスナーエレメント20では、ファスナーエレメント20を構成する樹脂に金属微小片が分散しているため、金属微小片による光沢が得られる。また、第1隆起部22の頂面43と中間斜面45とが互いに異なる傾斜角度で形成されているため、頂面43と中間斜面45とにおいて光を異なる方向に反射させて、各面で異なる光沢感を与えることができる。
しかもこの場合、光の反射により金属微小片の光沢が見え易い第1隆起部22の頂面43及び中間斜面45と、光の反射が見え難くなる第1隆起部22の周側面44とのコントラストがより顕著になり、頂面43の細長さや、頂面43及び中間斜面45における光沢を際立たせることができる。
従って、本実施例1のスライドファスナー1は、ファスナーエレメント20の外観をより一層金属製のファスナーエレメントに近づけることができる。このため、従来の金属製ファスナーエレメントが取着されたスライドファスナーよりも軽くて使い易くなり、且つ、従来の合成樹脂製ファスナーエレメントが取着されたスライドファスナーよりもスタイリッシュに見えたり、お洒落な印象を与えたりして外観品質や意匠性に優れたものとなる。
また、本実施例1のスライドファスナー1では、各ファスナーエレメント20における第1隆起部22の前方側及び後方側の周側面44が凹状湾曲面に形成されているため、例えば図11に示したように、スライダー30の停止爪部34aを、テープ長さ方向に隣接するファスナーエレメント20間の間隙に挿入してファスナーエレメント20の第1隆起部22に係合させるときに、当該第1隆起部22に形成された凹面状の周側面44で停止爪部34aをしっかりと受け止めて外れ難くすることができる。これにより、スライダー30の停止状態を停止爪部34aとファスナーエレメント20との係合によって安定して保持することが可能となる。
更に、本実施例1のスライドファスナー1では、各ファスナーエレメント20における第1隆起部22の周側面44と頂面43との間に平面状の中間斜面45が形成されている。このため、例えばスライダー30の停止爪部34aがファスナーエレメント20に係合してスライダー30の停止が保持されている状態から、スライダー30の引手32を引っ張ってスライダー30の摺動操作を開始するときに、スライダー30の停止爪部34aをファスナーエレメント20に引っ掛かり難くさせることができる。
すなわち、スライダー30の摺動操作開始時に、第1隆起部22の周側面44に係合しているスライダー30の停止爪部34aを、図11に仮想線で示すように、当該周側面44から、周側面44よりも緩やかに傾斜する中間斜面45に連続的に摺接させながら上方に円滑に持ち上げて、その停止爪部34aをファスナーエレメント20の第1隆起部22に引っ掛かり難くさせることができる。
それにより、スライダー30の操作性が低下することを防止できる。また、使用者がスライダー30の引手32を強く引っ張ってスライダー30を強引に摺動させることもなくなるため、停止爪部34aの引っ掛かりに起因する停止爪部34aの破損やファスナーエレメント20の破損が生じることも防止できる。
なお、本実施例1のスライドファスナー1では、スライダー30の停止爪部34aが、図9に示したように、ファスナーエレメント20のエレメント先端部26の位置に対応する位置にて、エレメント案内路内に突出するように設けられている。
しかし、本実施例1では、第1隆起部22の周側面44及び中間斜面45がエレメント基部25とエレメント先端部26とに連続的に配されているため、スライダー30の停止爪部34aを、ファスナーエレメント20のエレメント基部25の位置に対応する位置に設けることも可能である。
すなわち、本実施例1では、スライダー30の停止爪部34aがエレメント基部25に対応して設けられている場合でも、停止爪部34aがエレメント先端部26に対応して設けられる場合と同様に、停止爪部34aをエレメント基部25の周側面44にしっかりと係合させるとともに、停止爪部34aを持ち上げる際にエレメント基部25に引っ掛かり難くさせることができる。
なお、本発明では、上述のような停止機構を備えるスライダー30の代わりに、停止爪部による停止機構を備えない所謂自由スライダーを用いてスライドファスナーを構成することも可能である。
また、本実施例1のファスナーエレメント20では、第1及び第2隆起部22,23の周側面44が、上述したように、ファスナーエレメント20のテープ幅方向に直交する断面を見たときに、第1隆起部22のエレメント幅寸法が上方に向けて漸減するように斜めに傾斜するとともに、エレメント内側に向けて窪むような凹状の湾曲面(凹面)に形成されている。
しかし、本発明では、例えば図12〜図14に実施例1の変形例に係るファスナーエレメント20aを示すように、第1及び第2隆起部22a,23aの周側面44aを、第1隆起部22aのエレメント幅寸法がエレメント本体部21から上方に向けて漸減するように斜めに傾斜する平坦な傾斜面に形成することも可能である。
このように第1及び第2隆起部22a,23aの周側面44aを平坦な傾斜面に形成することにより、当該周側面44aに対するスライダー30の停止爪部34aの係合状態は、前述の実施例1の場合に比べて少し不安定になる虞があるものの、スライダー30の摺動操作開始時に、ファスナーエレメント20の第1隆起部22aに停止爪部34aをより引っ掛かり難くすることができ、スライダー30の摺動性を更に向上させることができる。
1 スライドファスナー
5 第1止具
6 開離嵌挿具
7 蝶棒
8 箱棒
9 箱体
10 ファスナーストリンガー
11 ファスナーテープ
11a 芯紐部
12 エレメント列
20 ファスナーエレメント
20a ファスナーエレメント
21 エレメント本体部
21a 胴部
21b 首部
21c 噛合頭部
21d 肩部
21e 凹溝部
21f 周側面
22 第1隆起部(上隆起部)
22a 第1隆起部
23 第2隆起部(下隆起部)
23a 第2隆起部
24 ヒレ部
25 エレメント基部
26 エレメント先端部
30 スライダー
31 スライダー胴体
31a 上翼板
31b 案内柱
31c 取付柱
31d 枢支凸部
31e 爪孔
31f フランジ部
32 引手
33 引手保持体
34 停止爪体
34a 停止爪部
35 板ばね部材
36 摺動部材
41 第1稜線部
41a 基端領域
41b 細幅領域
41c 第1細幅領域
41d 第2細幅領域
42 第2稜線部
43 頂面
43a 基端領域
43b 細幅領域
44 周側面
44a 周側面
45 中間斜面
45a 第1中間斜面
45b 第2中間斜面
46 上端稜線部
H1 第1隆起部の最大高さ寸法
H2 エレメント本体部の最大高さ寸法

Claims (9)

  1. ファスナーテープ(11)と、前記ファスナーテープ(11)のテープ側縁部に取着された複数の合成樹脂製のファスナーエレメント(20,20a)とを有し、前記ファスナーエレメント(20,20a)は、前記ファスナーテープ(11)の第1テープ面及び第2テープ面に跨って固着されるエレメント本体部(21)と、前記エレメント本体部(21)からテープ表裏方向に隆起する第1及び第2隆起部(22,22a,23,23a) とを有し、前記エレメント本体部(21)は、前記ファスナーテープ(11)に固着される胴部(21a) と、前記胴部(21a) からテープ外方に延出する括れた形状の首部(21b) と、前記首部(21b) から延出する長円形状の噛合頭部(21c) とを有するファスナーストリンガー(10)であって、
    前記第1隆起部(22,22a)の外面及び前記第2隆起部(23,23a)の外面は、前記ファスナーテープ(11)の第1テープ面及び第2テープ面に平行な少なくとも1つの頂面(43)と、前記エレメント本体部(21)から起立する周側面(44,44a)と、前記頂面(43)及び前記周側面(44,44a)の間にあって、且つ、前記頂面(43)及び前記周側面(44,44a)に対して傾斜角度が異なる少なくとも1つの斜面(45)とをそれぞれ有してなる、
    ことを特徴とするファスナーストリンガー。
  2. 前記第1隆起部(22,22a)は、前記胴部(21a) 上に配されるエレメント基部(25)と、前記エレメント基部(25)からテープ幅方向の前記噛合頭部(21c) 側に延出し、テープ長さ方向の寸法が先端に向けて漸減する先細の形態を呈するエレメント先端部(26)とを有し、
    前記第1隆起部(22,22a)の前記エレメント先端部(26)は、前記斜面(45)として、前記周側面(44,44a)から頂部にかけて、前記ファスナーテープ(11)の前記第1テープ面に対する傾斜角度を前記周側面(44,44a)よりも小さくして上り傾斜する中間斜面(45a)を有してなる、
    請求項1記載のファスナーストリンガー。
  3. 前記エレメント先端部(26)の前記中間斜面(45a)は、平坦面に形成されてなる請求項2記載のファスナーストリンガー。
  4. 前記エレメント先端部(26)の前記周側面(44,44a)は、前記エレメント本体部(21)から前記中間斜面(45a)にかけて凹状に湾曲する湾曲面又は平坦面に形成されてなる請求項2又は3記載のファスナーストリンガー。
  5. 前記エレメント基部(25)は、前記周側面(44,44a)から前記頂面(43)にかけて、前記ファスナーテープ(11)の前記第1テープ面に対する傾斜角度を前記周側面(44,44a)よりも小さくして上り傾斜する中間斜面(45b)を有し、
    前記エレメント先端部(26)の前記中間斜面(45a)と前記エレメント基部(25)の前記中間斜面(45b)とは、単一の連続面に形成されてなる、
    請求項2〜4のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  6. 前記エレメント先端部(26)の前記中間斜面(45a)は、テープ幅方向において、前記エレメント本体部(21)における前記首部(21b) の最も括れた部位よりも前記噛合頭部(21c) 側に延びて配されてなる請求項5記載のファスナーストリンガー。
  7. 前記エレメント基部(25)における前記周側面(44,44a)と前記中間斜面(45b)との間に形成される第1稜線部(41)が、テープ長さ方向において、前記首部(21b) の最も括れた部位よりも外側の位置に配され、
    前記エレメント基部(25)における前記中間斜面(45b)と前記頂面(43)との間に形成される第2稜線部(42)が、テープ長さ方向において、前記首部(21b) の最も括れた部位よりも内側の位置に配されてなる、
    請求項5又は6記載のファスナーストリンガー。
  8. 前記第1隆起部(22,22a)の前記エレメント先端部(26)における前記エレメント本体部(21)から前記頂部までのテープ表裏方向の最大寸法は、前記エレメント本体部(21)におけるテープ表裏方向の最大寸法の半分の大きさよりも大きく設定されてなる請求項2〜7のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
  9. 前記第2隆起部(23,23a)は、前記ファスナーテープ(11)のテープ表裏方向の中心位置を基準にして前記第1隆起部(22,22a)と面対称の形状を有してなる請求項1〜7のいずれかに記載のファスナーストリンガー。
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