JP6226457B2 - 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス - Google Patents

酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP6226457B2
JP6226457B2 JP2013178592A JP2013178592A JP6226457B2 JP 6226457 B2 JP6226457 B2 JP 6226457B2 JP 2013178592 A JP2013178592 A JP 2013178592A JP 2013178592 A JP2013178592 A JP 2013178592A JP 6226457 B2 JP6226457 B2 JP 6226457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
thin film
scn
added
crystal thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013178592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015048252A (ja
Inventor
大橋 直樹
直樹 大橋
武 大垣
武 大垣
勲 坂口
勲 坂口
賢 渡邊
賢 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science, Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2013178592A priority Critical patent/JP6226457B2/ja
Publication of JP2015048252A publication Critical patent/JP2015048252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6226457B2 publication Critical patent/JP6226457B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイスに関するものである。
ディスプレイの高性能化のために、高性能の半導体材料が求められている。近年話題になっているIGZOは、アモルファスシリコンに対して大きな電子移動度を示すことから、ディスプレイの省力化などに有効な材料として注目されている。
太陽電池の高度化においても、電極材料の高性能化は必須であり、光を吸収して電子と正孔を作り出す光吸収層の高性能化だけではなく、そこで生じた電子や正孔を効率よく外部に取り出す(集電する)ための電極が必要であり、集電電極の高性能化が求められる。
LEDの高効率化にあっても、光を発する活性層の高品質化にとどまらず、そこに電流を注入するための電極材料の低抵抗化は重要な技術である。
また、それらの応用においては、異種材料との界面の制御が必要であり、化学的な反応性、表面安定性を加味した材料開発が必要である。
一般的な半導体の電気伝導度は、「主キャリアーの濃度×主キャリアーの移動度」によって規定されるので、両者を同時に高める必要がある。
しかし、主キャリアーの濃度を増やすための一般的な技術であるドーピングは、結晶欠陥の導入と等価で有り、ドーピングによって、主キャリアーの移動度が低下してしまう、というトレードオフが存在する。例えば、酸化亜鉛、窒化ガリウムなどの既往の半導体では、上記のトレードオフが顕著で有り、ドーピングによる主キャリアーの濃度増加による効果が、移動度の低下によって低減されてしまう。
そして、一般論としての課題としては、i)電極材料、あるいは、電子部品の材料として利用可能な高い移動度を有する半導体を開発すること、ii)さらに、窒化物や酸化物との積層構造を形成するための化学的な安定性を有する半導体を開発すること、iii)太陽光発電やLEDに用いられる電極への応用を考える上で、可能な限り広いバンドギャップを有し、それによって透光性を有する半導体を開発すること、が挙げられる。
一方、GaNに代表されるIIIb族窒化物の光・電子デバイス研究の進展に伴い、ScNのごとき半導体分野への応用が期待されている。
例えば、非特許文献1には、HVPE法によりScN膜の合成を行い、室温で最高158(cm/Vs)の移動度、1020−1021(cm−3)の電子濃度が得られたとの報告がなされている。しかし、同文献の図3に見られるように、移動度にばらつきが多く、再現性が得られるものではなかった。また、導電性制御を試みているが、導電性の原因を見つけるに至っていなかった。特に、ハロゲンを含む原料が用いられ、ScNの不定比性、ハロゲンの混入などの種々の要因が重複して、その導電性制御には困難が伴った。さらに、欠陥により透光性が低く、光学材料としては劣るものであった。
また、非特許文献2には、サファイアr面にSc金属を原料にした反応性スパッタリングでScN膜の成膜を行ったことが報告されている。この文献で成膜されたScN膜は、電子濃度がもっぱら1021(cm−3)のオーダーで、非特許文献1で開示された実施例のうちの高電子濃度のものに対応している。電子移動度は、非特許文献1で開示された実施例のうちで、非特許文献2の実施例と同程度の高い電子濃度の例のみについて比較すると、非特許文献1のものよりも大きな値となるが、全体を見ると100(cm/Vs)以下にとどまっている。また、超高真空の真空槽を用いて製膜することで、真空槽からの汚染が低減されるために電子濃度が低下するはずであると予見されるが、導電性の原因は特定されず、物性制御が不完全であった。
さらに、本発明者らも、非特許文献3〜7で報告しているように、MBE法を用いてMgO基板やサファイア基板上にScN薄膜をエピタキシャル成長させ、室温で50−130(cm/Vs)の移動度、1019−1022(cm−3)の電子密度を得ており、結晶性もすぐれたものであった。しかしながら、導電性を支配する要因がわからず、物性制御が不完全であった。
J. P. Dismukes et al., Journal of Crystal Growth, 13/14, 1972, 365-370 J. N. Gregoire et al., Journal of Applied Physics, 104, 2008, 074913-1 - 074913-7 大垣ら、「(110)配向ScN薄膜の作製とその電気特性」日本セラミックス協会 2012年 年会 2012/03/19 - 2012/03/21 京都大学 吉田キャンパス,京都市 大垣ら、「MBE法による窒化スカンジウム薄膜の作製」日本セラミックス協会 2010年年会、2010/03/22 - 2010/03/24 東京農工大学 小金井キャンパス,小金井市 大垣ら、「MBE法で作製したScN薄膜の電気特性」日本セラミックス協会 2011年年会 2011/03/16 - 2011/03/18 静岡大学 浜松キャンパス,浜松 大垣ら、「サファイア基板上への窒化スカンジウム薄膜の作製」日本セラミックス協会 第24回秋季シンポジウム 2011/09/07 - 2011/09/09 北海道大学 (高等教育推進機構),札幌市 大垣ら、「MBE法によるサファイアr面基板上への窒化スカンジウム薄膜の作製」日本セラミックス協会 第25回秋季シンポジウム 2012/09/19 - 2012/09/21 名古屋大学 東山キャンパス,名古屋市
本発明は、電子移動度90(cm/V・sec)以上、電子濃度1×1020(cm−3)以上の電気特性が再現性よく得られ、透光性が高く、表面安定性に優れたScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイスを得ることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、電子ドーピングの可能性の有無、電子ドーピングによる起動混成の発生の有無等を電子状態シミュレーションにより検討した結果、ScNに酸素のドーピングが可能であり、かつ、ドーピングにより移動混成が起こらないという知見を得て材料設計を行った。そして、実際にScNに酸素を添加し、これにより、ScN薄膜より高い電気特性(ホール移動度、キャリア濃度)が再現性よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の構成を有する。
〔1〕酸素が添加されているScN結晶薄膜であって、酸素の添加量が1×1020(cm−3)以上1×1021(cm−3)以下であることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜。
〔2〕上記第1の発明において、一面側から他面側に向けて酸素添加量が均一であることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜。
〔3〕上記第1又は第2の発明において、X線回折測定で得られる成長面に垂直な結晶面のロッキングカーブの半値幅(FWHM)が0.5°以下となる高結晶度を有することを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜。
〔4〕上記第1〜第3のいずれかの発明において、組成比Sc/(N+O)が1であることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜。
〔5〕分子線エピタキシー法により、純度99.9%以上のScと原子状窒素を原料として酸化物基板の一面にScN結晶を成長させる際に、前記酸化物基板を700℃から1100℃の温度範囲に加熱することを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
〔6〕上記第5の発明において、前記酸化物基板が、MgO基板又はα−Al基板であることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
〔7〕上記第5又は第6の発明において、前記一面がMgO(100)面、MgO(110)面、α−Al(m面)及びα−Al(r面)のうちのいずれかであることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
〔8〕上記第5〜第7のいずれかの発明において、ScN結晶薄膜を成膜するときの成長速度が50(nm/h)以上200(nm/h)以下であることを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
〔9〕上記第1〜第4のいずれかの酸素添加ScN結晶薄膜からなることを特徴とする電極。
〔10〕半導体材料部と、前記半導体材料部に接続された2以上の電極を有する電子デバイスであって、前記電極の少なくとも一つが上記第9の発明の電極であることを特徴とする電子デバイス。
本発明によれば、上記の構成を採用したので、電子移動度90(cm/V・sec)以上、電子濃度1×1020(cm−3)以上の電気特性が再現性よく得られ、透光性が高く、表面安定性に優れた酸素添加ScN結晶薄膜が得られた。
この酸素添加ScN結晶薄膜は電極に用いることができ、これにより、電気特性の優れた電子デバイスを作製することが可能となる。
本発明の実施形態である酸素添加ScN結晶薄膜の一例を示す模式図であり、(a)が平面図、(b)が側面図である。 NリッチとScリッチの酸素添加ScNの光子エネルギーと透過率の関係を示す図である。 NリッチとScリッチの酸素添加ScNの目視の様子を示す図である。 バンドギャップ内に欠陥準位が存在しないNリッチの酸素添加ScNの結合エネルギーと分光強度の関係をバンドギャップ内に欠陥準位が高濃度に形成されたScリッチの酸素ScNの結合エネルギーと分光強度の関係と対比して示す図である。 本発明の製造方法で使用するMBE装置を模式的に示す図である。 良好なプラズマと不完全なプラズマの発光スペクトルの波長依存性を対比させて示す図である。 本発明の酸素添加ScNをLED素子に適用した構成例を模式的に示す図である。 本発明の酸素添加ScNを太陽電池に適用した構成例を模式的に示す図である。 実施例1、比較例4、比較例6の酸素/スカンジウム比を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態である酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイスについて説明する。
まず、本発明の実施形態である酸素添加ScN結晶薄膜について、説明する。
図1は本発明の実施形態である酸素添加ScN結晶薄膜の一例を示す模式図である。図において、10は酸化物基板、11は酸素添加ScN結晶薄膜、11aは酸素添加ScN結晶薄膜の表面、11bは酸素添加物ScN薄膜の裏面、10aは酸化物基板の上面、t11は酸素添加ScN薄膜11の厚さである。
酸化物基板10としては、MgO基板、α−Al等を用いることができる。酸素添加ScN結晶薄膜11は、分子線エピタキシー(以下、MBEとも称する)法で酸化物基板10上にエピタキシャル成長させたものであり、酸素の添加量が1×1020(cm−3)以上1×1021(cm−3)以下となっている。酸素の添加量がこの範囲より少ないと、電子濃度が過小となり、高い伝導性を得ることができず、また、特に、酸素と窒素の濃度を合わせた総陰イオン濃度が過少となると透光性の劣化の原因のひとつとなる。また、酸素の添加量がこの範囲より多いと酸素過剰による移動度の低下が顕著となることにより導電性が損なわれることとなる。酸素添加を行うことにより、高い電子濃度と高い移動度の両立が実現できる。また、酸素の濃度を尺度とした伝導性制御が可能となる。酸素添加ScN結晶薄膜11においては、一面側11aから他面側11bに向けて酸素添加量が均一であることが好ましい。「酸素添加量が均一である」とは、添加量のばらつきが±20%以内であることをいう。Sc/(O+N)比が1に近く、かつ、このように酸素添加量が均一であると、薄膜全体にわたって、高い伝導度が実現できるとともに、欠陥準位の形成に由来する透光性の劣化を抑止することができる。特に、表面11a近傍において、酸素濃度が減少するような不均一を避けることで、Sc/(O+N)比の均一性が確保されやすく、それによって安定性が確保され、大気中での材料劣化を抑制することができる。すなわち、ScN薄膜を構成要素とする素子の表面近傍の欠陥が原因となった表面の酸化が誘起されることなく、表面安定性に優れたものとなる。また、酸素添加ScN結晶薄膜11は、X線回折測定で得られる成長面に垂直な結晶面のロッキングカーブの半値幅(FWHM)が0.5°以下となる高結晶度を有することが好ましい。この半値幅が0.5°以下であると、結晶性が高いものとなる。酸素添加ScN結晶薄膜11は、組成比Sc/(N+O)が0.999以上1.001以下が好ましく、1であることが特に好ましい。組成比Sc/(N+O)が1を超えると、格子間スカンジウムによる光吸収が起こり透光性に劣化が起こり、1を下回ると伝導帯を形成するスカンジウムの電子軌道に乱れが導入され、移動度の低下を招く。そのため、組成比が1の場合に、導電性、透光性のいずれにも優れるという利点を得られる。透光性電極として良好なScNは光子エネルギー2eV以下の領域で高い光透過率を示すのに対して、格子間スカンジウムなどの欠陥の導入されたScNは、その透過率が低下することとなる。ここで図2にNリッチとScリッチの酸素添加ScNの光子エネルギーと透過率の関係の例を示す。また、図3にNリッチとScリッチの酸素添加ScNの目視の様子を示すが、好ましい透光性を持ったScNが目視で透明な黄橙の色を示すのに対し、透光性の劣化したScNはグレーに近い色を持つ。
さらに、透光性を確保するための電子構造として、バンドギャップ内に欠陥準位が存在しないことが必要であり、バンドギャップ内に欠陥準位が高濃度に形成された場合が、目視でグレーに近い色を呈する状態に対応する。図4にバンドギャップ内に欠陥準位が存在しないNリッチの酸素添加ScNの結合エネルギーと分光強度の関係をバンドギャップ内に欠陥準位が高濃度に形成されたScリッチの酸素ScNの結合エネルギーと分光強度の関係と対比して示す。
次に、本発明の酸素添加ScN結晶薄膜の製造方法を説明する。図5は、本発明の製造方法で使用するMBE装置を模式的に示す図である。
図において、RPはロータリーポンプ、TMPはターボ分子ポンプ、SIPはスパッタイオンポンプ、RHEEDは反射電子線回折装置である。
まず、MBE装置の真空槽内の所定の位置に酸化物基板を配置する。次に、真空槽内を排気し、10−10Torrから10−8Torrの範囲まで減圧する。そして、酸化物基板を700℃から1100℃の範囲内の成長温度に加熱した状態で、酸化物基板の一面に平行な方向に回転させて、前記一面に原料であるScとNを供給し、ScN結晶薄膜を成膜する。所定の膜厚となったときに、原料供給を止め、成膜を中止する。本発明では、酸化物基板を上記温度で加熱することにより、酸化物基板からScN結晶薄膜に酸素が添加され、酸素添加ScN結晶薄膜が得られる。
本発明では、窒素は、放電プラズマセルを通して供給され、セル内の放電管の形状、清浄度などを最適化した放電プラズマセルを用いることにより、ラジカル状態が極めて良好な原子状の窒素を供給でき、ScN結晶薄膜の結晶性を高めることができる。放電プラズマセルの状態は、プラズマの発光スペクトルによってその性質を知ることが可能である。原子状窒素は、波長750〜900nmの領域に3本の輝線をあたえ、一方の分子状窒素は、波長250−450nmの領域に多くの輝線を与える。原子状窒素が供給される状態は、プラズマの発光スペクトルで、750〜900nmの領域の3本の輝線が強く観測される状態で有り、特に、本願においては、非特許文献4〜7に比べて、特に、この3本の輝線が強力に現れるプラズマ状態を維持した。原子状窒素の発生が活発である良好なプラズマと、分子状窒素が優勢である不完全なプラズマの発光スペクトルの波長依存性を図6に対比させて示す。ScNの結晶性が高いか低いかは、半値幅(FWHM)で判断することができ、半値幅が狭いほど結晶性が高い。
また、本発明では、前記したように、酸化物基板として、MgO基板、α−Al基板等を用いることができ、特にMgO(100)面、MgO(110)面、α−Al(m面)及びα−Al(r面)上に成膜することで、結晶格子のそろったエピタキシャル成長膜が得られるため、高移動度を実現するには、これらの基板を用いることが好ましい。
本発明では、酸素の添加量が1×1020(cm−3)以上1×1021(cm−3)以下となるように成膜を行う。酸素の添加量は、成長温度、および、成長中に供給する原子状窒素、スカンジウムの量により制御することができる。
また、ScN結晶薄膜を成膜するときの成長速度が50(nm/h)以上200(nm/h)以下とする。成長速度が上記範囲であると、基板からの酸素供給という手段において酸素添加ScNを合成するにあたっては、酸素の供給量を制御しやすいという利点がある。
また、酸化物基板を700℃から1100℃の範囲内の成長温度に加熱することにより、基板からの酸素供給という手段において酸素添加ScNを合成するにあたっては、酸素の供給量を制御しやすいという利点がある。
本発明の製造方法によれば、酸素添加を行うことにより、高い電子濃度と高い移動度の両立が実現できる。また、酸素の濃度を尺度とした伝導性制御が可能となる。
また、本発明の製造方法により、成膜される酸素添加ScN結晶薄膜11中で一面11a側から他面11b側に向けて酸素添加量が均一にすることにより、短波長に鋭い吸収単を持ち、透光性の高い半導体が実現される。また、表面近傍に欠陥準位が形成されることが防止され、表面の安定性が確保され、大気中での材料劣化を抑制することができる。
また、酸化物以外の基板を用いた製造に当たっては、スカンジウム、原子状窒素以外に、微量の酸素ガスを成膜真空槽中に導入しながら製膜することで、基板の酸素を酸素源として用いること無しに製膜することも可能である。
次に、本発明の酸素添加ScN結晶薄膜を用いた電極について説明する。
酸素添加ScNを電極として応用するには、三つの方法がある。第一の形態は、酸化物基板上に酸素添加ScN薄膜を形成し、その表面上に窒化ガリウム等の半導体から構成される半導体層を積層して、酸素添加ScNを下部電極として使用する手段である。第2の形態は、酸化亜鉛、酸化銅などの酸化物半導体を表面とする半導体や半導体積層構造に対して、酸素添加ScNを成膜し、この酸素添加ScNを上部電極として応用する方法である。これらの形態では、酸化物上にScNを製膜する製造方法となるため、ScNと接する酸化物層からの酸素供給によって、酸素添加ScNを製膜することができる。第三の形態は、窒化ガリウムなどの酸素を主成分としない半導体層の上部に酸素添加ScNを電極として形成するものであり、この形態においては、下部の構成層中の酸素を酸素源として利用することができないため、原子状窒素、スカンジウム以外に、酸素ガスを酸素源として供給しながら酸素添加ScN電極層を形成する。
次に、上記電極を用いた電子デバイスについて説明する。
前記の酸素添加ScNを電極とすることで、以下の電子素子を構成することができる。
その第一の例は、酸素添加ScNを下部電極とした発光ダイオード素子である。高い電子濃度と高い電子移動度を特徴とする酸素添加ScNは、高濃度にシリコンを添加した窒化ガリウム等と比較して高い導電性が得られるため、n型半導体である酸素添加ScNを下部電極とし、その上にn型半導体、活性層、p型半導体、上部電極の順に構成層を積層することで、電極部の電気抵抗によるエネルギー損失を低減したLED素子が構築される。図7(a)、(b)に本発明の酸素添加ScNをLED素子に適用した構成例を模式的に示す。図中、7−aはp型層、7−bは活性層、7−cはn型層、7−dはn側電極(本発明の酸素添加ScN)、7−eはp側電極である。いずれの構成においても、リード線は7−dと7−eにボンディングされる。特に、本構成は赤外〜緑色の発光をなすLEDに対して透明電極としての特性を持つことから、LEDの外部量子効率の向上に寄与する。
第二の例は、太陽電池である。基板上に下部電極、n型層、p型層、上部電極という積層で構成される太陽電池の下部電極を酸素添加ScNとする太陽電池素子である。図8(a)、(b)に本発明の酸素添加ScNを太陽電池に適用した構成例を模式的に示す。図中、8−aはp型層、8−bはn−型層、8−cはn側電極(本発明の酸素添加ScN)、8−dは基板、8−eはp側電極、8−fは反射防止等コート、8−gはワイドギャップp型層である。光は8−f側から入る。図8(b)は、(8−b)/(8−c)と(8−c)/(8−g)の二つ界面で発電ができるタンデム構造である。下部電極(8−c)を酸素添加ScNとすることで、その電気抵抗によるエネルギー損失を低減する。
本発明の実施形態である酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイスは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図5に示す構造を有するMBE装置の真空槽内の所定の位置に未窒化のサファイアr基板を配置し、真空槽内を排気し、10−9Torrまで減圧した。次に、前記基板を914℃まで加熱した状態で、図示のように、前記基板の一面に平行な方向に回転させて、前記基板の一面に原料であるScとNをそれぞれの蒸発セルから供給し、約100(nm/h)の成膜速度でScN結晶薄膜を成膜させた。Sc/Nの供給比は1とした。実施例、および、比較例のデータを取得した装置においては、プラズマセルの仕様、真空槽の排気速度や内部構造、Sc蒸発源の仕様などから、スカンジウム蒸発源の温度設定を1295℃とした時が、Sc/N供給比=1となる装置構成となっている。図9に分布1として実施例1の酸素/スカンジウム比を示す。分布2、3は後述の比較例4、比較例6の酸素/スカンジウム比である。窒素は、放電プラズマを通して原子状の窒素として供給した。膜厚が約500nmとなったところで、原料供給を止め、成膜を中止した。成膜中に前記基板からScN結晶薄膜に酸素が添加され、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜が得られた。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜をホール効果測定で評価して得られた電子濃度は酸素添加量と一致した1.3×1020(cm−3)であり、移動度は110(cm/Vs)であった。また、二次イオン質量分析計で得られた薄膜中の酸素濃度分布の実測値は1020(cm−3)であり、さらに、膜中の酸素濃度は、図9の内の分布1の曲線で示すように、薄膜の表面から内部にかけて均一に分布していることが確認された。図9の横軸は、2次イオン質量分析計のスパッタ時間であり、時間の増加は分析箇所の表面からの深さに対応し、縦軸は、スカンジウム関連イオン種と酸素関連イオン種の係数比、すなわち、相対的な酸素濃度を示している。室温でファンデアポー法で測定した抵抗率は4.3×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であった。また、X線回折の半値幅は0.2°であった。
(実施例2)
実施例1において、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.2℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を910℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は2.6×1020(cm−3)であり、移動度は113(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は1.6×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.4−0.5゜であった。
(実施例3)
実施例1において、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.1℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を911℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は5.6×1020(cm−3)であり、移動度は143(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は7.8×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.4−0.5゜であった。
(実施例4)
実施例1において基板を904℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は3.4×1020(cm−3)であり、移動度は177(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は1.0×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.3−0.4゜であった。
(実施例5)
実施例1において、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.9℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を902℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は2.3×1020(cm−3)であり、移動度は135(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は2.2×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.4−0.5゜であった。
(実施例6)
実施例1において、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.8℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を903℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は3.7×1020(cm−3)であり、移動度は146(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は1.2×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.3−0.4゜であった。
(実施例7)
実施例1において、サファイアm基板を用いたこと、及びSc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.2℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を905℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は1.2×1020(cm−3)であり、移動度は95(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は5.4×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.4−0.5゜であった。
(実施例8)
実施例1において、サファイアm基板を用いたこと、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.5℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、及び基板を907℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は1.5×1020(cm−3)であり、移動度は132(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は3.1×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.3−0.4゜であった。
(実施例9)
実施例1において、サファイアm基板を用いたこと、及び基板を908℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、本発明による酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は3.1×1020(cm−3)であり、移動度は97(cm/Vs)であった。また、薄膜中の酸素濃度は1020(cm−3)で、酸素が薄膜中に均一に分布していることが確認された。抵抗率は2.1×10−4(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であり、図2においてNリッチと示したスペクトルと同様の透過率特性を示した。半値幅は0.3−0.4であった。
(比較例1)
実施例1において、Nリッチ(Sc供給セルの蒸発温度を4.9℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、基板を701℃まで加熱した状態としたことに加え、ラジカル源の状態を変更して、あえて原子状窒素の比率を下げて、分子状の窒素供給量が高い状態にしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は2.5×1019(cm−3)であり、移動度は69(cm/Vs)であった。抵抗率は3.7×10−3(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であった。半値幅は0.5゜を超えていた。
(比較例2)
実施例1において、基板をサファイアm面としたこと、Nリッチ(Sc供給セルの蒸発温度を4.7℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、基板を803℃まで加熱した状態としたことに加え、ラジカル源の状態を変更して、あえて原子状窒素の比率を下げて、分子状の窒素供給量が高い状態にしたこと以外は同様にして、比較例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は4.5×1019(cm−3)であり、移動度は44(cm/Vs)であった。抵抗率は3.1×10−3(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であった。半値幅は0.5゜を超えていた。
(比較例3)
実施例1において、サファイアm基板を用いたこと、Nリッチ(Sc供給セルの蒸発温度を4.6℃下げて制御して供給量を減じた状態)としたこと、基板を702℃まで加熱した状態としたことに加え、ラジカル源の状態を変更して、あえて原子状窒素の比率を下げて、分子状窒素供給量が高い状態にしたこと以外は同様にして、実施例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は4.2×1019(cm−3)であり、移動度は15(cm/Vs)であった。抵抗率は9.3×10−3(Ω・cm)であった。酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であった。半値幅は0.5゜を超えていた。
(比較例4)
実施例1において、Sc/Nの供給比をScリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を5℃上げて制御して供給量を増した状態)としたこと、及び基板を912℃まで加熱した状態としたこととしたこと以外は同様にして、比較例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は1×1021(cm−3)であり、移動度は147(cm/Vs)であった。抵抗率は4.2×10−5(Ω・cm)であり、前記実施例で示された低抵抗の特性を示し、半値幅は0.1−0.2゜であった。しかし、色は図3(b)に示すように透明性の低いグレーに近い色であり、図2の透過率特性のうちScリッチの曲線で示されるようなものだった。この薄膜中の酸素濃度は平均値で、1021(cm−3)であるが、イオン質量分析の測定結果は、図9のうちの分布2のように、基板側で非常に高濃度であり、表面に向かって減少し、非常に不均一に分布し、表面近傍では、1019(cm−3)に及ぶ低濃度であった。さらに、図4の光電子分光測定結果において、実施例2では、図中のNリッチのパターンを示したのに対して、本比較例で得た酸素添加ScN薄膜では、結合エネルギー0.8〜1.0eVの付近に状態が見られ、バンドギャップ内に高濃度の欠陥準位が存在することが確認された。
(比較例5)
実施例1において、Sc/Nの供給比をScリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を4.9℃上げて制御して供給量を増した状態)としたこと、及び基板を913℃まで加熱した状態としたこと以外は同様にして、比較例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の電子濃度は0.7×1021(cm−3)であり、移動度は181(cm/Vs)であった。抵抗率は4.7×10−5(Ω・cm)であり、前記実施例で示された低抵抗の特性を示し、半値幅は0.1−0.2゜であった。しかし、色は透明性の低いグレーに近い色であった。この薄膜中の酸素濃度は平均値で、1021(cm−3)に近い値であるが、基板側で非常に高濃度であり、表面に向かって減少し、非常に不均一に分布し表面近傍では、1019(cm−3)に及ぶ低濃度であった。さらに、光電子分光測定において、バンドギャップ内に高濃度の欠陥準位が存在することが確認された。
(比較例6)
実施例1において、基板をサファイアc面とし、Sc/Nの供給比をNリッチ(実施例1に比べて、Sc供給セルの蒸発温度を5℃下げて制御して供給量を増した状態)とし、特に、ラジカル供給源を極めてイオン濃度が高く、原子状窒素濃度の少ない状態にしたこと以外は同様にして、比較例の酸素添加ScN結晶薄膜を得た。
作製された酸素添加ScN結晶薄膜の色は透明性の高い黄橙色であったが、2次イオン質量分析計の結果は図9の内の分布3に示すような様子であり、実施例に比べて酸素濃度が非常に高く、二次イオン質量分析計で酸素濃度を定量することが困難な状態となり、1021(cm−3)の広範に及ぶ高濃度となっていると推定された。しかし、電子濃度は4×1019(cm−3)と酸素濃度に比べて2桁程度低く、移動度は6(cm/Vs)という低い値であった。
本発明の酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイスは、電子移動度90(cm/V・sec)以上、電子濃度1×1020(cm−3)以上の電気特性が再現性高く得られる酸素添加ScN結晶薄膜に関するものであり、電極材料に用いることができ、太陽電池製造産業、ディスプレイ製造産業等において利用可能性がある。
10 酸化物基板
10a 酸化物基板の上面
11 酸素添加ScN結晶薄膜
11a 酸素添加ScN結晶薄膜の表面
11b 酸素添加物ScN薄膜の裏面
7−a p型層
7−b 活性層
7−c n型層
7−d n側電極(酸素添加ScN)
7−e p側電極
8−a p型層
8−b n型層
8−c n側電極(酸素添加ScN)
8−d 基板
8−e p側電極
8−f 反射防止等コート
8−g ワイドギャップp型層

Claims (4)

  1. MBE法により、純度99.9%以上のScと原子状窒素を供給して酸化物基板の一面にScN結晶を成長させる際に、Sc/Nの供給比が1またはNリッチとなるようにScの供給セルの温度を制御して前記Scを供給し、プラズマの発光スペクトルで波長750〜900nmの領域の輝線が波長250〜450nmの領域の輝線よりも強く観測される状態で放電プラズマセルを通して前記原子状窒素を供給し、前記酸化物基板を902℃から914℃の温度範囲に加熱することを特徴とする酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
  2. 前記酸化物基板が、MgO基板又はα−Al基板であることを特徴とする請求項に記載の酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
  3. 前記一面がMgO(100)面、MgO(110)面、α−Al(m面)及びα−Al(r面)のうちのいずれかであることを特徴とする請求項又はのいずれか1項に記載の酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
  4. ScN結晶薄膜を成膜するときの成長速度が50(nm/h)以上200(nm/h)以下であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の酸素添加ScN結晶薄膜の成膜方法。
JP2013178592A 2013-08-29 2013-08-29 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス Expired - Fee Related JP6226457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013178592A JP6226457B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013178592A JP6226457B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015048252A JP2015048252A (ja) 2015-03-16
JP6226457B2 true JP6226457B2 (ja) 2017-11-08

Family

ID=52698558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013178592A Expired - Fee Related JP6226457B2 (ja) 2013-08-29 2013-08-29 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6226457B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017083150A1 (en) * 2015-11-13 2017-05-18 IQE, plc Layer structures for rf filters fabricated using rare earth oxides and epitaxial aluminum nitride
US11495670B2 (en) 2016-09-22 2022-11-08 Iqe Plc Integrated epitaxial metal electrodes

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015048252A (ja) 2015-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5176254B2 (ja) p型単結晶ZnO
JP5106160B2 (ja) 発光素子、及び発光素子の製造方法
Chen et al. High internal quantum efficiency ZnO/ZnMgO multiple quantum wells prepared on GaN/sapphire templates for ultraviolet light emitting diodes
JP6226457B2 (ja) 酸素添加ScN結晶薄膜、その製造方法、電極及び電子デバイス
JP6100590B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、ZnO系半導体素子の製造方法、及び、n型ZnO系半導体積層構造
JP2012169621A (ja) AlInGaN層の成長方法、光電子装置、光電池装置、および電子装置
JP2011134787A (ja) ZnO系半導体装置及びその製造方法
JP6017243B2 (ja) ZnO系半導体素子、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP6116989B2 (ja) Cuドープp型ZnO系半導体結晶層とその製造方法
Kong et al. Heterojunction light emitting diodes fabricated with different n-layer oxide structures on p-GaN layers by magnetron sputtering
JP6100591B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、ZnO系半導体素子の製造方法、及び、n型ZnO系半導体積層構造
JP6155118B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、ZnO系半導体素子の製造方法、及び、n型ZnO系半導体積層構造
JP6219089B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP6092657B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、ZnO系半導体素子の製造方法、及び、n型ZnO系半導体積層構造
JP6334929B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP5912968B2 (ja) p型ZnO系半導体膜の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP6231841B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
Huang et al. Enhancement of the near-band-edge electroluminescence from the active ZnO layer in the ZnO/GaN-based light emitting diodes using AlN-ZnO/ZnO/AlN-ZnO double heterojunction structure
JP6419472B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP6092648B2 (ja) p型ZnO系半導体単結晶層、及び、ZnO系半導体素子
JP6572089B2 (ja) ZnO系半導体構造およびその製造方法
JP5952120B2 (ja) p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法
JP2013084859A (ja) ZnO系半導体層の製造方法、ZnO系半導体発光素子の製造方法、及びZnO系半導体発光素子
JP2014027134A (ja) p型ZnO系半導体単結晶層、及び、ZnO系半導体素子
JP2015115566A (ja) p型ZnO系半導体層、ZnO系半導体素子、p型ZnO系半導体層の製造方法、及び、ZnO系半導体素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170919

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6226457

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees