以下、本発明に関する好ましい幾つかの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における画像形成システム1の構成を示す図である。この画像形成システム1は、サーバーレスユビキタスプリントシステムと呼ばれるネットワークシステムであり、複数の画像形成装置2(2a〜2h)と、それぞれ異なるユーザーが使用する複数の情報処理装置3とがLANなどのネットワーク4を介して接続された構成である。図1においては、ネットワーク4に対し、8台の画像形成装置2a〜2hと、30名のユーザーU1〜U30が使用する30台の情報処理装置3(一部図示省略)とが接続された例を示している。ただし、画像形成装置2の台数及び情報処理装置3の台数は、これに限られるものではない。
画像形成装置2は、MFPなどによって構成され、ネットワーク4を介して受信する印刷ジョブを蓄積したり、印刷ジョブに基づいて印刷出力を行ったりする装置である。情報処理装置3は、一般的なパーソナルコンピュータなどによって構成される。各情報処理装置3には印刷ドライバが予めインストールされており、各ユーザーU1〜U30がそれぞれの情報処理装置3を操作して印刷ドライバを起動することにより、情報処理装置3において印刷ジョブが生成され、ネットワーク4に接続された複数の画像形成装置2a〜2hのうちの予め設定された1つの画像形成装置2に対して送信される。
この画像形成システム1では、例えば図1に示すように、ユーザーU1が自身の情報処理装置3を操作して印刷ジョブ8の送信指示を行うと、情報処理装置3において印刷ジョブ8が生成され、その印刷ジョブ8が予め指定された画像形成装置2aに出力される。画像形成装置2aは、ユーザーU1の情報処理装置3から出力される印刷ジョブ8を受信すると、その印刷ジョブ8をハードディスクドライブ(HDD)などで構成される記憶部12に蓄積して保存する。その後、ユーザーは、複数の画像形成装置2a〜2hのうちの任意の画像形成装置2を操作することにより、その印刷ジョブを画像形成装置2aから読み出して印刷出力を行うことができる。例えば図1に示すように、ユーザーU1が画像形成装置2fを操作して出力指示を行った場合、画像形成装置2fは、画像形成装置2aから印刷ジョブ8を取得して印刷出力を行う。これにより、ユーザーU1は、画像形成装置2fから印刷ジョブ8に対応する印刷物9を得ることができる。このように本実施形態の画像形成システム1は、複数の画像形成装置2a〜2hのうちのいずれの装置からでも印刷物9を取得することができるシステムである。
そして本実施形態の画像形成システム1では、複数の情報処理装置3のそれぞれから出力される印刷ジョブが複数の画像形成装置2a〜2hに分散して蓄積されるように、予め管理者によって各ユーザーU1〜U30の印刷ジョブの出力先が割り当てられており、そのような出力先が各ユーザーU1〜U30の情報処理装置3にインストールされた印刷ドライバに設定されている。図1の例では、30名のユーザーU1〜U30が8台の画像形成装置2a〜2hを使用するため、1台の画像形成装置2に対して3〜4名のユーザーが割り当てられることにより、印刷ジョブがほぼ均等に分散されることになる。
図2は、複数のユーザーU1〜U30を各画像形成装置2a〜2hに割り当てた初期状態の割当テーブルTB1を示す図である。このような割当テーブルTB1は例えば画像形成システム1の管理者によって予め作成される。図2に示す割当テーブルTB1では、画像形成装置2aに対して4名のユーザーU1,U9,U17,U25が割り当てられている。そのため、ユーザーU1,U9,U17,U25のそれぞれが使用する情報処理装置3の印刷ドライバには、印刷ジョブ8の出力先として画像形成装置2aが設定される。そしてそれらの情報処理装置3において印刷ドライバが起動し、印刷ジョブ8が出力されると、それらの印刷ジョブ8は画像形成装置2aに対して送信され、他の画像形成装置2b〜2hには送信されない。したがって、画像形成装置2aには、ユーザーU1,U9,U17,U25によって出力された印刷ジョブが蓄積されるようになる。また他の画像形成装置2b〜2hについても同様であり、各画像形成装置2b〜2hは、割当テーブルTB1に示すように予め割り当てられたユーザーの印刷ジョブ8を受信して蓄積保存する。
ところが、図2に示すように管理者によって割り当てられた初期状態では、最適な割当状態とは言えない。そのため、本実施形態の画像形成システム1は、初期状態の割当テーブルTB1を定期的に見直して割り当て状態を適宜自動更新するように構成される。この自動更新は、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられた個々のユーザーの一定期間内における実際の使用状況を解析することにより行われる。そのため、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれは、各ユーザーの情報処理装置3から受信する印刷ジョブごとに、その印刷ジョブを発行したユーザーと、その印刷ジョブのデータサイズと、その印刷ジョブを受信してから出力されるまでの蓄積滞留時間とを示す情報を記録したジョブ蓄積履歴情報D1を記憶しておくように構成される。またこの画像形成システム1では、複数の画像形成装置2a〜2hのうちの1つの装置が管理装置5として予め設定されると共に、その他の装置が被管理装置6として予め設定される。図1では、画像形成装置2aが管理装置5として設定され、他の画像形成装置2b〜2hが被管理装置6として設定される場合を例示している。この場合、管理装置5として機能する画像形成装置2aは、被管理装置6を含む全ての画像形成装置2a〜2hのそれぞれを管理する。より具体的に説明すると、管理装置5として機能する画像形成装置2aは、図3に示すように、複数の画像形成装置2a〜2hにおいて保持されているジョブ蓄積履歴情報D1を定期的に収集して解析を行い、その解析結果に基づいて複数のユーザーU1〜U30を各画像形成装置2a〜2hに対して最適な状態に再割り当てするように構成される。以下、このような画像形成システム1について更に詳しく説明する。
図4は、画像形成システム1において管理装置5として機能する画像形成装置2a及び被管理装置6として機能する他の画像形成装置2a〜2hのハードウェア構成及び機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、管理装置5及び被管理装置6のいずれであっても、画像形成装置2a〜2hのハードウェア構成は互いに共通する。すなわち、各画像形成装置2a〜2hは、制御部10と、操作パネル11と、記憶部12と、画像読取部13と、画像形成部14と、通信インタフェース15とを備えている。制御部10は、図示を省略するCPU及びメモリを備えて構成され、各部の動作を制御する。操作パネル11は、ユーザーが各画像形成装置2a〜2hを操作する際のユーザーインタフェースとして設けられたものであり、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部16と、ユーザーが各種の入力操作を行うための操作部17とを備える。記憶部12は、上述したようにハードディスクドライブなどで構成される不揮発性の記憶手段である。各画像形成装置2a〜2hは、この記憶部12に自機が受信した印刷ジョブを格納して保存すると共に、印刷ジョブごとの情報を記録したジョブ蓄積履歴情報D1を保存する。また管理装置5である画像形成装置2aの記憶部12には、管理者によって初期状態に設定された割当テーブルTB1が予め記憶される。画像読取部13は、ユーザーによってセットされた原稿を読み取って画像データを生成するものである。画像形成部14は、記憶部12に蓄積保存された印刷ジョブ又はネットワーク4を介して他の画像形成装置から取得した印刷ジョブに基づいて画像形成を行うことにより印刷出力を行うものである。通信インタフェース15は、各画像形成装置2a〜2hをネットワーク4に接続して通信を行うためのものである。
また各画像形成装置2a〜2hの制御部10は、CPUが所定のプログラムを実行することにより、ジョブ制御部20として機能する。このジョブ制御部20は、印刷ジョブに関する動作を制御するものであり、ジョブ蓄積部21とジョブ出力部22とを有している。ジョブ蓄積部21は、通信インタフェース15を介して情報処理装置3から送信された印刷ジョブを受信した場合に、その印刷ジョブを記憶部12へ蓄積して保存する。このとき、ジョブ蓄積部21は、ジョブ蓄積履歴情報D1に対して受信した印刷ジョブを登録し、その印刷ジョブを発行したユーザー名、その印刷ジョブの受信時刻及びその印刷ジョブのデータサイズを記録する。
ジョブ出力部22は、操作パネル11又はネットワークを介して記憶部12に保存した印刷ジョブの出力要求を受信した場合に、記憶部12から印刷ジョブを読み出して出力する。例えばユーザーによって操作パネル11が操作されたことによる出力要求であれば、ジョブ出力部22は、記憶部12から読み出した印刷ジョブを画像形成部14へ出力して印刷出力を行わせる。またネットワーク4を介して他の画像形成装置2から受信した出力要求である場合、ジョブ出力部22は、記憶部12から読み出した印刷ジョブをネットワーク4経由で出力要求の送信元である他の画像形成装置2へ出力する。さらにジョブ出力部22は、操作パネル11を操作するユーザーの印刷ジョブが記憶部12に保存されていないときには、ネットワーク4を介して他の画像形成装置2に出力要求を送信し、当該ユーザーの印刷ジョブを要求する。そして他の画像形成装置2から当該ユーザーの印刷ジョブを受信すると、ジョブ出力部22は、その印刷ジョブを画像形成部14へ出力して印刷出力を行わせる。
ジョブ出力部22は、記憶部12に保存されている印刷ジョブを読み出して出力するとき、ジョブ蓄積履歴情報D1を更新する。すなわち、ジョブ出力部22は、ジョブ蓄積履歴情報D1に対し、その印刷ジョブの出力開始時刻、その印刷ジョブが記憶部12に蓄積された状態のまま滞留した滞留時間及びその印刷ジョブの出力先である出力装置を記録して更新する。上記のようなジョブ制御部20は、各画像形成装置2a〜2hにおいて定常的に機能するものである。
また管理装置5として機能する画像形成装置2aの制御部10は、例えば1か月ごとなどの予め定められたタイミングで定期的に、予めインストールされた管理装置用の最適化プログラムを実行する。これにより、画像形成装置2aの制御部10は、最適化処理部30として機能する。この最適化処理部30は、各画像形成装置2a〜2hに対する複数のユーザーU1〜U30の割り当て状態を最適な状態に割り当てる処理を行うものであり、情報収集部31、解析部32、変更部33及び設定変更情報送信部34として機能する。
一方、被管理装置6として機能する各画像形成装置2b〜2hの制御部10は、管理装置5である画像形成装置2aにおいて最適化処理部30が機能すると、その最適化処理部30から命令に基づき、予めインストールされた被管理装置用の最適化プログラムを実行する。これにより、画像形成装置2b〜2hの制御部10は、最適化処理部40として機能する。この最適化処理部40は、管理装置5の最適化処理部30と連携して動作するものであり、情報送信部41を有している。以下、これら画像形成装置2a〜2hの動作について説明する。
図5は、管理装置5として機能する画像形成装置2aの制御部10によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。例えば、画像形成装置2aに電源が投入されると、制御部10は、このフローチャートに基づく処理を繰り返し実行する。画像形成装置2aの制御部10は、この処理を開始すると、まずネットワーク4を介して印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS10)。印刷ジョブを受信した場合(ステップS10でYES)、制御部10は、ジョブ制御部20のジョブ蓄積部21を機能させる。そしてジョブ蓄積部21は、受信した印刷ジョブを記憶部12に蓄積保存する(ステップS11)。またジョブ蓄積部21は、印刷ジョブの受信時刻を検出し(ステップS12)、印刷ジョブを発行したユーザーを検出する(ステップS13)。さらにジョブ蓄積部21は、印刷ジョブのデータサイズを検出する(ステップS14)。その後、ジョブ蓄積部21は、ステップS12,S13,S14で検出した情報をジョブ蓄積履歴情報D1へ記録する(ステップS15)。尚、印刷ジョブを受信していない場合(ステップS10でNO)、ジョブ蓄積部21は機能せず、ステップS11〜S15の処理は行われない。
続いて制御部10は、印刷ジョブの出力要求を検知したか否かを判断する(ステップS16)。この出力要求は、画像形成装置2aの操作パネル11から入力することもあれば、またネットワーク4を介して他の画像形成装置2b〜2hから受信することもある。制御部10は、印刷ジョブの出力要求を検知した場合(ステップS16でYES)、ジョブ制御部20のジョブ出力部22を機能させる。そしてジョブ出力部22は、出力要求を行ったユーザーを検出し(ステップS17)、そのユーザーによって蓄積された印刷ジョブを記憶部12から読み出す(ステップS18)。そしてジョブ出力部22は、印刷ジョブの出力処理を開始する(ステップS19)。これに伴い、ジョブ出力部22は、出力開始時刻を検出し(ステップS20)、さらに印刷ジョブの受信時刻と出力開始時刻とから印刷ジョブを蓄積してから記憶部12に滞留していた滞留時間を算出する(ステップS21)。その後、ジョブ出力部22は、ステップS20,S21で取得した情報をジョブ蓄積履歴情報D1へ記録する(ステップS22)。このとき、ジョブ出力部22は、印刷ジョブの出力装置を更にジョブ蓄積履歴情報D1へ記録する。尚、出力要求を検知していない場合(ステップS16でNO)、ジョブ出力部22は機能しないため、ステップS17〜S22の処理は行われない。
次に制御部10は、最適化処理を実行するタイミングになったか否かを判断する(ステップS23)。ここでは、例えば、前回の最適化処理が実行されてから例えば1か月などの予め定められた時間が経過したか否かが判断される。その結果、最適化処理を実行するタイミングになっていないときには、ステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。上述した処理が繰り返されることにより、画像形成装置2aが印刷ジョブを受信したり、出力したりする度に、ジョブ蓄積履歴情報D1が更新される。
図6は、画像形成装置2aにおいて記録されるジョブ蓄積履歴情報D1の一例を示す図である。図6に示すように、ジョブ蓄積履歴情報D1は、印刷ジョブごとに、ジョブ番号と、印刷ジョブを発行したユーザーと、印刷ジョブの受信時刻と、印刷ジョブの出力開始時刻と、印刷ジョブの滞留時間と、印刷ジョブのデータサイズと、印刷ジョブに基づく印刷出力を行った出力装置とが記録された情報である。受信時刻には、印刷ジョブを受信した日付、時刻及び曜日に関する情報が含まれる。また出力開始時刻も同様に、印刷ジョブの出力を開始した日付、時刻及び曜日に関する情報が含まれる。尚、滞留時間は、出力開始時刻と受信時刻との差を計算することにより導出可能であるため、ジョブ蓄積履歴情報D1には記録されていなくても良い。その場合、出力開始時刻と受信時刻とが滞留時間を示す情報となる。制御部10は、最適化処理を実行するタイミングとなるまで、上記ステップS10〜S22を繰り返すことにより、図6に示すように新たに受信した印刷ジョブに関する情報をジョブ蓄積履歴情報D1に追加して記録していく。尚、被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hにおいてもこの点は同様である。
そして最適化処理を実行するタイミングになると(ステップS23でYES)、画像形成装置2aの制御部10は、最適化処理部30を機能させ、最適化処理を実行する(ステップS24)。図7は、この最適化処理(ステップS24)の詳細な処理手順の一例を示す図である。最適化処理部30は、この処理を開始すると、まず情報収集部31を機能させる。そして情報収集部31は、被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hに対してジョブ蓄積履歴情報D1を要求する(ステップS30)。その後、情報収集部31は、他の画像形成装置2b〜2hからジョブ蓄積履歴情報D1に関するデータを受信したか否かを判断し(ステップS31)、受信していなければ(ステップS31でNO)、所定時間が経過してタイムアウトしたか否かを判断する(ステップS32)。ここでタイムアウトしていなければ(ステップS32でNO)、ステップS31へと戻り、他の画像形成装置2b〜2hからジョブ蓄積履歴情報D1を受信するまで待機する。その待機中において他の画像形成装置2b〜2hのそれぞれからジョブ蓄積履歴情報D1に関するデータを受信した場合(ステップS31でYES)、情報収集部31は、その受信データを記憶部12に一時的に保存し(ステップS33)、送信元である画像形成装置に受信完了を返信する(ステップS34)。続いて、情報収集部31は、被管理装置6である全ての画像形成装置2b〜2hからの受信が完了したか否かを判断し(ステップS35)、全ての画像形成装置2b〜2hからジョブ蓄積履歴情報D1を受信していれば、最適化処理部30による処理はステップS36へ進む。また全ての画像形成装置2b〜2hからジョブ蓄積履歴情報D1を受信していない場合(ステップS35でNO)、情報収集部31による処理は、ステップS31へと戻り、残りの画像形成装置からジョブ蓄積履歴情報D1を受信するのを待機する状態となる。そして残りの画像形成装置からジョブ蓄積履歴情報D1を受信した場合には、同様の処理を繰り返す(ステップS33,S34)。一方、タイムアウトになった場合(ステップS32でYES)、最適化処理部30による処理はステップS36へ進む。このような処理により、情報収集部31は、被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hからジョブ蓄積履歴情報D1を収集する。
次にステップS36へ進むと、最適化処理部30は、解析部32を機能させ、解析部32による解析処理を実行する(ステップS36)。またその解析処理が終了すると、最適化処理部30は、変更部33を機能させ、変更部33による変更処理を実行する(ステップS37)。更にその変更処理が終了すると、最適化処理部30は、設定変更情報送信部34を機能させ、設定変更情報送信部34による設定変更情報送信処理を実行する(ステップS38)。これらステップS36,S37,S38の処理により、複数の画像形成装置2a〜2hに対する各ユーザーの割り当て状態が、一定期間(例えば1か月間)における各ユーザーの使用状況に応じて最適な状態に再設定される。尚、ステップS36,S37,S38の詳細な処理手順については後述する。
図8は、被管理装置6である画像形成装置2b〜2hが管理装置5である画像形成装置2aからジョブ蓄積履歴情報D1の要求を受信した場合に行う処理手順の一例を示すフローチャートである。被管理装置6である画像形成装置2b〜2hの制御部10は、管理装置5である画像形成装置2aからジョブ蓄積履歴情報D1の要求を受信したか否かを監視しており(ステップS40)、ジョブ蓄積履歴情報D1の要求を受信した場合(ステップS40でYES)、最適化処理部40を機能させる。そして最適化処理部40は、更に情報送信部41を機能させる。情報送信部41は、記憶部12からジョブ蓄積履歴情報D1を読み出し(ステップS41)、そのジョブ蓄積履歴情報D1を管理装置5である画像形成装置2aに対して送信する処理を開始する(ステップS42)。そして送信完了後、情報送信部41は、画像形成装置2aから受信完了の返信があったか否かを判断する処理(ステップS43)を、タイムアウトするまで繰り返す(ステップS44)。その繰り返し処理を行っている間に、画像形成装置2aから受信完了の返信があった場合(ステップS43でYES)、情報送信部41は、記憶部12に記憶されているジョブ蓄積履歴情報D1を消去する。すなわち、一定期間の間に蓄積されたジョブ蓄積履歴情報D1が管理装置5である画像形成装置2aに正常に送信されることにより、被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hにおいてそれを保持しておく必要がないため、情報送信部41は、不要となったジョブ蓄積履歴情報D1を消去する。これにより、記憶部12の記憶容量が古いジョブ蓄積履歴情報D1によって圧迫されることを防止することができる。その後、画像形成装置2b〜2hがネットワーク4を介して情報処理装置3から送信された印刷ジョブを受信すると、ジョブ制御部20によって新規なジョブ蓄積履歴情報D1が生成され、記憶部12に保存される。したがって、記憶部12に記憶されるジョブ蓄積履歴情報D1には、管理装置5である画像形成装置2aによって前回の最適化処理が行われてから次回の最適化処理が行われるまでの期間中のデータが記録されることになる。
次に管理装置5である画像形成装置2aにおいて行われる解析処理(図7のステップS36)について説明する。この解析処理では、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから収集されたジョブ蓄積履歴情報D1に基づき、一定期間内において複数のユーザーU1〜U30のそれぞれが各画像形成装置2a〜2hを占有した占有状態を解析する。図9は、その解析処理(ステップS36)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。解析部32は、この処理を開始すると、まず記憶部12から複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれで記録された複数のジョブ蓄積履歴情報D1を読み出し、それら複数のジョブ蓄積履歴情報D1を1つに統合した統合リストを生成する(ステップS50)。この統合リストは、図6に示したジョブ蓄積履歴情報D1と同様のリスト形式の情報であって、一定期間内において全てのユーザーU1〜U30が各画像形成装置2a〜2hに対して投入した印刷ジョブに関する情報が記録された情報となる。
次に解析部32は、複数のジョブ蓄積履歴情報D1を1つに統合した統合リストから、ジョブごとにユーザー名とデータサイズとを抽出したサイズリストL1を作成する(ステップS51)。図10(a)は、そのサイズリストL1の一例を示す図である。図10(a)に示すように、サイズリストL1は、ジョブごとに、そのジョブを投入したユーザー名と、そのジョブのデータサイズとが互いに対応づけられた情報である。サイズリストL1における要素数(データ数)は、統合リストにおけるジョブの数に相当する。つまり、図10(a)の場合、統合リストに合計1024の印刷ジョブに関する情報が登録されていることを意味している。
また解析部32は、統合リストから、ジョブごとにユーザー名と滞留時間とを抽出した滞留時間リストL2を作成する(ステップS52)。図10(b)は、その滞留時間リストL2の一例を示す図である。図10(b)に示すように、滞留時間リストL2は、ジョブごとに、そのジョブを投入したユーザー名と、そのジョブが各画像形成装置に蓄積された状態のまま滞留した滞留時間とが互いに対応づけられた情報である。尚、ジョブ蓄積履歴情報D1及び統合リストに滞留時間に関する情報が記録されていない場合、解析部32は、各印刷ジョブの受信時刻と出力開始時刻との滞留時間を示す情報から、ジョブごとの滞留時間を算出し、滞留時間リストL2を作成する。この滞留時間リストL2は、統合リストに記録されている全てのジョブのユーザー名と滞留時間とに基づいて作成される。そのため、滞留時間リストL2における要素数は、サイズリストL1の要素数と同じになる。
さらに解析部32は、サイズリストL1における各ジョブのデータサイズを「1」に置換することにより、ユーザー名と、そのユーザーによって印刷ジョブが1回投入されたことを示す回数リストL3を作成する(ステップS53)。図10(c)は、その回数リストL3の一例を示す図である。図10(c)に示すように、回数リストL3は、ジョブごとに、ユーザー名と、そのユーザーによってジョブが1回投入されたことを表す値「1」とが互いに対応づけられた情報である。この回数リストL3は、統合リストに記録されている全てのジョブについて作成される。そのため、回数リストL3における要素数もまた、サイズリストL1及び滞留時間リストL2の要素数と同じになる。
上記のようにしてサイズリストL1、滞留時間リストL2及び回数リストL3を作成すると、解析部32は、次にサイズリスト解析処理を実行する(ステップS54)。図11は、そのサイズリスト解析処理(ステップS54)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。解析部32は、この処理を開始すると、サイズリストL1を読み出し(ステップS60)、そのサイズリストL1の全要素数(K=1024)を記憶する(ステップS61)。次に解析部32は、サイズリストL1の各要素(データ項目)をデータサイズの大きい順に並べ替え(ステップS62)、データサイズの大きい要素から順に順位付けを行う(ステップS63)。このとき、解析部32は、データサイズが最大となる要素を全要素数(K=1024)に対応する順位値に決定し、データサイズが小さくなるに従って降順に順位値を決定する。これにより、図12に示すようなデータサイズに基づく順位リストL4が作成される。そして解析部32は、図12に示すように、順位リストL4における順位値をユーザーごとに加算し、各ユーザーと、加算順位値とをリスト化したサイズ評価リストL5を作成する(ステップS64)。このサイズ評価リストL5は、画像形成システム1を利用する各ユーザーU1〜U30と、各ユーザーU1〜U30が一定期間内に投入した印刷ジョブのデータサイズの累積値に基づく評価値(加算順位値)とを相互に対応づけたリストとなり、全要素数がユーザー数に一致するリストとなる
図9に戻り、次に解析部32は、滞留時間リスト解析処理を実行する(ステップS55)。図13は、その滞留時間リスト解析処理(ステップS55)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。解析部32は、この処理を開始すると、滞留時間リストL2を読み出し(ステップS70)、その滞留時間リストL2の全要素数(K=1024)を記憶する(ステップS71)。次に解析部32は、滞留時間リストL2の各要素(データ項目)を滞留時間の長い順に並べ替え(ステップS72)、滞留時間の長い要素から順に順位付けを行う(ステップS73)。このとき、解析部32は、滞留時間が最長となる要素を全要素数(K=1024)に対応する順位値に決定し、滞留時間が短くなるに従って降順に順位値を決定する。これにより、図14に示すような滞留時間に基づく順位リストL6が作成される。そして解析部32は、図14に示すように、順位リストL6における順位値をユーザーごとに加算し、各ユーザーと、加算順位値とをリスト化した滞留時間評価リストL7を作成する(ステップS74)。この滞留時間評価リストL7は、画像形成システム1を利用する各ユーザーU1〜U30と、各ユーザーU1〜U30が一定期間内に投入した印刷ジョブの滞留時間の累積値に基づく評価値(加算順位値)とを相互に対応づけたリストとなり、全要素数がユーザー数に一致するリストとなる。
再び図9に戻り、次に解析部32は、回数リスト解析処理を実行する(ステップS56)。図15は、その回数リスト解析処理(ステップS56)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。解析部32は、この処理を開始すると、回数リストL3を読み出し(ステップS80)、ジョブごとに記録されているジョブ投入回数の値「1」をユーザーごとに加算する(ステップS81)。これにより、図16に示すように一定期間におけるユーザーごとのジョブ投入回数がリスト化された投入回数リストL8が作成される。解析部32は、その投入回数リストL8のユーザー数(全要素数)を記憶する(ステップS82)。また解析部32は、投入回数リストL8の各要素(データ項目)を投入回数の多い順に並べ替え(ステップS83)、投入回数の多い要素から順に順位付けを行う(ステップS84)。このとき、解析部32は、投入回数が最多となる要素をユーザー数(全要素数)に対応する順位値に決定し、投入回数が少なくなるに従って降順に順位値を決定する。ただし、ここでは、投入回数に応じた順位付けが行われれば良いため、上記のような順位付けに限られず、例えば投入回数をそのまま順位値に採用しても良いし、また投入回数の多いユーザーの評価値を高くするために投入回数に対する重み付けを行った順位値を採用しても良い。そして解析部32による順位付けが行われることにより、図16に示すように、各ユーザーと、各ユーザーのジョブの投入回数に基づく順位値とをリスト化した回数評価リストL9が作成される(ステップS84)。この回数評価リストL9は、画像形成システム1を利用する各ユーザーU1〜U30と、各ユーザーU1〜U30が一定期間内に印刷ジョブを投入した回数に基づく評価値(順位値)とを相互に対応づけたリストとなり、全要素数がユーザー数に一致するリストとなる。
再び図9に戻り、次に解析部32は、総合評価リスト作成処理を実行する(ステップS57)。総合評価リスト作成処理は、上記ステップS54,S55及びS56において作成されたサイズ評価リストL5、滞留時間評価リストL7及び回数評価リストL9に基づき、一定期間内に、各ユーザーU1〜U30が画像形成装置2a〜2hを占有した占有状態を総合評価した総合評価リストを作成する処理である。図17は、この総合評価リスト作成処理(ステップS57)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。解析部32は、サイズ評価リストL5のユーザーごとの加算順位値を読み出す(ステップS90)。また解析部32は、滞留時間評価リストL7のユーザーごとの加算順位値を読み出し(ステップS91)、更に回数評価リストL9のユーザーごとの順位値を読み出す(ステップS92)。そして解析部32は、各リストL5,L7,L9の加算順位値又は順位値を、ユーザーごとに加算し、図18に示すような総合評価リストL10を作成する(ステップS93)。総合評価リストL10におけるユーザーごとの合計順位値は、各ユーザーU1〜U30が一定期間内に画像形成装置2a〜2hを占有した占有状態を数値化して表したジョブ蓄積占有値となる。すなわち、このジョブ蓄積占有値が大きいユーザーである程、各画像形成装置2a〜2hの記憶部12などのハードウェア資源を占有する占有率の高いユーザーであることを表している。続いて解析部32は、図18に示すように、総合評価リストL10における各要素をユーザーの合計順位値が高いものから順に並べ替えたリストL11を作成し、各ユーザーU1〜U30の最終順位を決定する(ステップS94)。
以上のような解析処理(ステップS36)により、一定期間内において複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれが各ユーザーU1〜U30によって占有された占有状態をユーザーごとに導き出すことができ、一定期間内における各ユーザーU1〜U30の実際の使用状況を把握することができる。特にこの解析処理では、ジョブの投入回数が少ないユーザーであっても、データサイズの大きなジョブを投入する傾向がある場合や、画像形成装置2a〜2hに蓄積されたジョブを長時間に亘って滞留させる傾向がある場合には、そのようなユーザーのジョブによる各画像形成装置2a〜2hの占有率が高くなるようにして評価を行うため、各ユーザーU1〜U30の実際の使用状況を正しく評価することが可能である。
次に管理装置5である画像形成装置2aにおいて行われる変更処理(図7のステップS37)について説明する。この変更処理では、上述した解析処理の結果に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられる各ユーザーU1〜U30による占有状態が平均化されるように、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対する複数のユーザーU1〜U30の割り当て状態を変更する。すなわち、解析処理によってユーザーごとに導出された印刷ジョブ蓄積占有値に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられるユーザーごとの印刷ジョブ蓄積占有値の合計値が平均化されるように複数の画像形成装置のそれぞれに対するユーザーの割り当て状態を変更する処理が行われる。
図19は、その変更処理(ステップS37)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。変更部33は、この処理を開始すると、複数の画像形成装置2a〜2hへの割り当て対象となるユーザー数Cを格納する(ステップS100)。例えば、変更部33は、解析部32によって最終的に作成される図18のリストL11の要素数を取得し、その要素数をユーザー数Cとして格納する。尚、本実施形態では、ユーザー数Cは30となる。また変更部33は、画像形成システム1における画像形成装置2a〜2hの全台数Dを格納する(ステップS101)。尚、本実施形態では、全台数Dは8となる。そして変更部33は、ユーザーカウント値N及び装置カウント値Mのそれぞれを「1」に初期化し(ステップS102)、ステップS103以降の再割り当てを行う処理へと進む。
変更部33は、装置カウント値Mが画像形成装置2a〜2hの全台数Dを超えているか否かを判断し(ステップS103)、超えていないときにはステップS105へ進む。一方、装置カウント値Mが全台数Dを超えているときには装置カウント値Mを「1」に初期化する(ステップS104)。次に変更部33は、ユーザーカウント値Nがユーザー数Cを超えているか否かを判断し(ステップS105)、超えていないときにはステップS106へ進む。そして変更部33は、上述した解析処理によって決定された最終順位がN番目のユーザーをM番目の画像形成装置2へ割り当てて新規な割当テーブルを作成する(ステップS106)。その後、変更部33は、ユーザーカウント値N及び装置カウント値Mのそれぞれに対して1を加算し(ステップS107)、ステップS103へ戻る。その後、変更部33により、全てのユーザーの割り当てが終了するまでステップS103〜S107の処理が繰り返し行われる。図20は、変更部33によるユーザーの再割り当ての方法を示す模式図である。変更部33は、上記ステップS103〜S107を繰り返すことにより、解析処理によって生成されたリストL11の最終順位が高いユーザーから順に複数の画像形成装置2a〜2hのうちの一の画像形成装置が割り当てていく。このとき、変更部33は、図20に示すように複数の画像形成装置2a〜2hに対して一定の割り当て方向(割り当て順序)F1に向かって個々のユーザーを割り当てていく。このような割り当て方法により、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられる各ユーザーのジョブ蓄積占有値の平均値がほぼ等しい状態となる。その結果、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられる各ユーザーによる占有状態が平均化される。そして変更部33は、全てのユーザーU1〜U30の再割り当てが終了すると(ステップS105でYES)、変更処理を終了する。
図21は、上記のような変更処理(ステップS37)により新たに作成される割当テーブルTB2の一例を示す図である。図21に示す割当テーブルTB2では、各ユーザーU1〜U30の割り当て状態が図2の割当テーブルTB1から変わっており、一定期間の実際の使用状況に応じて各画像形成装置2a〜2hにかかる負荷を平均化した最適化なテーブルとなっている。尚、新たに作成された割当テーブルTB2は、管理装置5である画像形成装置2aの記憶部12に格納される。
次に管理装置5である画像形成装置2aにおいて行われる設定変更情報送信処理(図7のステップS38)について説明する。この設定変更情報送信処理では、上述した変更処理によって複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対する各ユーザーU1〜U30の割り当て状態が変更されることに伴い、少なくとも印刷ジョブの出力先が変更されるユーザーの情報処理装置3に対する設定変更情報を、各画像形成装置2a〜2hに送信する処理が行われる。
図22は、その設定変更情報送信処理(ステップS38)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。設定変更情報送信部34は、この処理を開始すると、記憶部12から新旧2つの割当テーブルTB1,TB2を読み出し、それら2つの割当テーブルTB1,TB2を比較する(ステップS110)。そして設定変更情報送信部34は、全ユーザーU1〜U30のうちの一人のユーザーに着目し(ステップS111)、その着目したユーザーが2つの割当テーブルTB1,TB2において異なる画像形成装置2に割り当てられているか否かを判断する(ステップS112)。その結果、着目したユーザーが別の画像形成装置2に割り当てられている場合(ステップS112でYES)、設定変更情報送信部34は、そのユーザーを通知リストに登録する(ステップS113)。一方、着目したユーザーが同じ画像形成装置2に割り当てられており、変更がない場合(ステップS112でNO)、設定変更情報送信部34は、通知リストへの登録を行わない。そして設定変更情報送信部34は、全ユーザーU1〜U30についての確認を行ったか否かを判断し(ステップS114)、全ユーザーU1〜U30についての確認が完了していないときには(ステップS114でNO)、ステップS111へ戻り、上記ステップS111〜S113の処理を繰り返す。この繰り返し処理により、新たな割当テーブルTB2において画像形成装置2への割り当て状態が変更されたユーザーが全て通知リストに登録される。
図23は、設定変更情報送信部34によって生成される情報を示す図である。例えば図2の割当テーブルTB1と、図21の割当テーブルTB2とを比較した場合、複数のユーザーU1〜U30のうちで画像形成装置の割り当てが変更されたユーザーは、図23(a)に示す割当テーブルTB1において枠に囲まれたユーザーである。設定変更情報送信部34は、それらのユーザーを全て抽出し、図23(b)に示すような通知リストL12を作成する。
その後、全ユーザーU1〜U30についての確認が完了すると(ステップS114でYES)、設定変更情報送信部34は、上記処理によって作成された通知リストに基づき、割り当て状態が変更されたユーザーの情報処理装置3に対する設定変更情報を個別に生成する(ステップS115)。この設定変更情報には、各ユーザーが使用する情報処理装置3の印刷ドライバが印刷ジョブを出力する際の新たな出力先(画像形成装置)に関する情報が含まれる。そして設定変更情報送信部34は、変更前の割当テーブルTB1に基づき、割り当て状態が変更されたユーザーの情報処理装置3が印刷ジョブを出力する際の出力先を特定し、その特定した出力先の画像形成装置2に対して設定変更情報を送信する(ステップS116)。すなわち、印刷ドライバの設定変更が行われない限り、情報処理装置3は従前の出力先にアクセスして印刷ジョブを出力するため、印刷ドライバの設定変更が必要な情報処理装置3に対する設定変更情報は、その従前の出力先の画像形成装置2に対して送信される。以上で、管理装置5である画像形成装置2aによって行われる最適化処理(ステップS24)の処理が終了する。
次に図24は、被管理装置6である画像形成装置2b〜2hにおいて行われる設定変更処理の一例を示すフローチャートである。この設定変更処理は、画像形成装置2b〜2hの最適化処理部40によって行われる処理である。最適化処理部40は、情報送信部41がジョブ蓄積履歴情報を送信した後にこの処理を開始し、管理装置5である画像形成装置2aから送信される設定変更情報の受信待機状態となる(ステップS120)。そして設定変更情報を受信すると(ステップS120でYES)、最適化処理部40は、その設定変更情報を記憶部12に保存する(ステップS121)。その後、最適化処理部40は、情報処理装置3からのアクセスが検知されるまで待機し(ステップS122)、情報処理装置3からのアクセスが検知されると(ステップS122でYES)、記憶部12に保存した設定変更情報に基づき、その情報処理装置3のユーザーが割り当ての変更されたユーザーであるか否かを判断する(ステップS123)。その結果、割り当ての変更されたユーザーでない場合には、ステップS122へ戻る。すなわち、最適化処理部40は、管理装置5から設定変更情報を取得して保存すると、その後、その設定変更情報において指定されたユーザーが使用する情報処理装置3からのアクセスが検知されるまで待機する。そして割り当てが変更されたユーザーが使用する情報処理装置3からのアクセスが検知されると(ステップS123でYES)、最適化処理部40は、記憶部12に保存した設定変更情報を読み出し(ステップS124)、その設定変更情報をアクセス元の情報処理装置3へ送信する(ステップS125)。その後、最適化処理部40は、記憶部12に保存しておいた設定変更情報を削除し(ステップS126)、終了する。尚、複数のユーザーに関する設定変更情報を受信する場合には、上記と同様の処理が並列処理として複数同時に行われる。このように設定変更情報を受信する画像形成装置2b〜2hは、割り当てが変更されたユーザーが使用する情報処理装置3からのアクセスが検知されたときに、その設定変更情報を情報処理装置3へ送信する。すなわち、情報処理装置3からのアクセスは、情報処理装置3において印刷ドライバが起動したタイミングで行われるため、各画像形成装置2b〜2hが情報処理装置3からのアクセスを検知したタイミングで設定変更情報を情報処理装置3へ送信することにより、起動中の印刷ドライバに印刷ジョブの出力先を変更させることができる。
上記においては、被管理装置6である画像形成装置2b〜2hにおける処理について説明したが、管理装置5である画像形成装置2aについても同様である。例えば、図23(b)に示す通知リストL12の場合、管理装置5である画像形成装置2aは、ユーザーU1又はユーザーU9が使用する情報処理装置3からのアクセスがあった場合に、ユーザーU1又はユーザーU9の情報処理装置3に対して設定変更情報を送信する。これにより、画像形成装置2aは、ユーザーU1又はユーザーU9の情報処理装置3において印刷ドライバが起動しているときに設定変更情報を送信することができる。
次に図25は、情報処理装置3が印刷ジョブを送信するときの処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、情報処理装置3において印刷ドライバが起動することによって行われる処理である。情報処理装置3は、ユーザーの指示操作に基づいて印刷ドライバを起動すると(ステップS130)、印刷ドライバが予め設定された印刷ジョブの出力先を読み出す(ステップS131)。そして印刷ドライバは、複数の画像形成装置2a〜2hのうち、出力先として予め設定された一の画像形成装置2にアクセスし、その画像形成装置2との接続状態を確立する(ステップS132)。印刷ドライバは、画像形成装置2にアクセスすることに伴い、そのアクセス先の画像形成装置2から設定変更情報を受信したか否かを判断する(ステップS133)。設定変更情報を受信した場合(ステップS133)、印刷ドライバは、その設定変更情報に基づき、印刷ジョブの出力先を変更し(ステップS134)、変更後の出力先となる画像形成装置2にアクセスして接続する(ステップS135)。尚、印刷ドライバは、設定変更情報を受信しなかった場合(ステップS133でNO)、ステップS134,S135の処理を行わない。その後、印刷ドライバは、ユーザーによる指示操作に基づいて印刷ジョブを生成するまで待機し(ステップS136)、印刷ジョブを生成すると(ステップS136でYES)、その印刷ジョブを接続中の画像形成装置2へ送信する(ステップS137)。そして印刷ジョブの送信が完了すると、印刷ドライバの起動状態が終了する(ステップS138)。したがって、印刷ドライバは、その起動時に印刷ジョブの出力先である画像形成装置2から設定変更情報を受信すると、その設定変更情報に基づいて印刷ジョブの出力先を別の画像形成装置2に変更することができる。つまり、印刷ドライバは、従前の出力先である画像形成装置2に対して印刷ジョブを出力する前に、印刷ジョブの出力先を変更することができるようになっている。
以上のように本実施形態の画像形成システム1は、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれにおいて予め割り当てられたユーザーの印刷ジョブに偏りがあり、その偏りが原因となって一部の画像形成装置が高負荷状態となってしまうような場合でも、管理装置5として機能する一の画像形成装置2aが定期的に印刷ジョブの偏りを是正することにより、各画像形成装置2a〜2hにかかる負荷を平均化することができる構成されている。すなわち、管理装置5として機能する画像形成装置2aは、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから一定期間ごとにジョブ蓄積履歴情報D1を収集する情報収集部31と、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから収集されたジョブ蓄積履歴情報D1に基づき、一定期間内における複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれの各ユーザーによる占有状態を解析する解析部32と、解析部32による解析結果に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられる各ユーザーによる占有状態が平均化されるように、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対するユーザーの割り当て状態を変更する変更部33とを備える構成であり、このような構成により、管理装置5である画像形成装置2aが主体となって各ユーザーU1〜U30の実際の使用状況に応じて複数の画像形成装置2a〜2hにおける負荷の偏りを是正することができるのである。
また本実施形態における解析部32は、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから収集されたジョブ蓄積履歴情報D1に基づき、一定期間内における印刷ジョブの蓄積によって複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれが各ユーザーによって占有された値を示す印刷ジョブ蓄積占有値を導出する。そして変更部33は、解析部32によってユーザーごとに導出される印刷ジョブ蓄積占有値に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに割り当てられるユーザーごとの印刷ジョブ蓄積占有値の合計値が平均化されるように複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対するユーザーの割り当て状態を変更する。そのため、各ユーザーU1〜U30の実際の使用状況を正確に解析することができ、各画像形成装置2a〜2hにかかる負荷がほぼ均等な状態となるように複数のユーザーU1〜U30を各画像形成装置2a〜2hに割り当てることが可能である。また本実施形態における変更部33は、データサイズが所定サイズよりも大きい印刷ジョブを投入する複数のユーザーをそれぞれ異なる画像形成装置に割り当てるため、それらのユーザーの印刷ジョブによる負荷をそれぞれ別の画像形成装置に分散させることが可能である。
(第2実施形態)
次に第2実施形態について説明する。複数のユーザーU1〜U30の中には、例えば特定の曜日に印刷ジョブの投入回数が増加したり、或いはデータサイズの大きな印刷ジョブを投入したりするユーザーが存在することもある。そのようなユーザーは、特定の曜日以外の曜日ではあまり印刷ジョブを投入しないこともある。そして複数のユーザーが上記のように特定の曜日に偏った状態で印刷ジョブを投入する場合には、それら複数のユーザーを同一の画像形成装置2に割り当ててしまうことは好ましくない。一方、各画像形成装置2a〜2hにおいて記録されるジョブ蓄積履歴情報D1には、印刷ジョブが蓄積された曜日に関する情報が含まれている。そこで本実施形態では、管理装置5である画像形成装置2aが、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対する各ユーザーU1〜U30の割り当て状態を変更するとき、上記のように特定の曜日に偏った状態で印刷ジョブを投入する複数のユーザーが存在するか否かを判断し、それら複数のユーザーを異なる画像形成装置2に割り当てるようにした形態について説明する。
本実施形態では、解析部32が、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから収集したジョブ蓄積履歴情報D1を解析するとき、それらのジョブ蓄積履歴情報D1に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれにおいて曜日ごとに蓄積された印刷ジョブの数をユーザーごとに導出する。そして解析部32は、図26に示すような曜日ごとのジョブ投入回数を示すリストL13を作成する。図26に示すリストL13では、ユーザーU4とユーザーU5とが共に月曜日にジョブの投入回数が最大となり、またユーザーU2とユーザーU3とが共に水曜日にジョブの投入回数が最大となっていることを把握することができる。
そして変更部33は、解析部32によって作成されるリストL13に基づき、同一曜日に印刷ジョブの蓄積量が最大値となる複数のユーザーをそれぞれ異なる画像形成装置2に割り当てる。このように同一の曜日において集中的にジョブを投入する複数のユーザーを異なる画像形成装置2に割り当てることにより、その曜日において画像形成装置2にかかる負荷を分散させることができるようになる。
また上記においては、同一曜日に印刷ジョブの蓄積量が最大値となる複数のユーザーをそれぞれ異なる画像形成装置に割り当てる場合を例示したが、同様の処理は他の場合にも適用可能である。例えば同一の時間帯に印刷ジョブの蓄積量が最大値となる複数のユーザーが存在する場合、それら複数のユーザーをそれぞれ異なる画像形成装置2に割り当てるようにしても良い。したがって、本実施形態の画像形成システム1は、解析部32が、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれから収集したジョブ蓄積履歴情報D1に基づき、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに蓄積される印刷ジョブが最大値となる時間帯又は曜日をユーザーごとに導出し、変更部33が、同一時間帯又は同一曜日に印刷ジョブの蓄積量が最大値となる複数のユーザーをそれぞれ異なる画像形成装置に割り当てるように構成される。このような構成により、特定の時間帯又は特定の曜日において一の画像形成装置2における負荷が急激に上がってしまうことを防止することが可能となる。
尚、この第2実施形態において上述した点以外については、第1実施形態において説明したものと同様である。
(第3実施形態)
次に第3実施形態について説明する。本実施形態では、管理装置5である画像形成装置2aから被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hへの設定変更情報の送信に関する一形態について説明する。
本実施形態における画像形成装置2aは、変更部33による変更処理が終了した後、設定変更情報送信部34が機能し、割り当て状態が変更されたユーザーの情報処理装置3に対する設定変更情報を生成すると、その設定変更情報を記憶部12に記憶して保存しておく。そして被管理装置6である画像形成装置2b〜2hから設定変更情報の有無について問い合わせを受信すると、設定変更情報送信部34は、その問い合わせに含まれるユーザーに関する情報に基づき、記憶部12に保存しておいた設定変更情報を読み出し、各画像形成装置2a〜2hに対して設定変更情報を送信する。したがって、画像形成装置2aは、ユーザーの情報処理装置3に対する設定変更情報を送信するとき、複数の画像形成装置2b〜2hのうちのいずれに送信すべきかを判別する必要がなくなるので、処理負担が軽減される。
一方、被管理装置6である画像形成装置2b〜2hは、各ユーザーU1〜U30の情報処理装置3からのアクセスを検知すると、そのユーザーを特定し、管理装置5である画像形成装置2aに対して設定変更情報の有無を問い合わせる。図27は、第3実施形態において被管理装置6である画像形成装置2b〜2hで行われる設定変更処理の一例を示すフローチャートである。すなわち、本実施形態では、図24のフローチャートに代わり、図27のフローチャートに基づく処理が各画像形成装置2b〜2hにおいて行われる。各画像形成装置2b〜2hの最適化処理部40は、情報送信部41によるジョブ蓄積履歴情報の送信が行われた後にこの処理を開始する。そして最適化処理部40は、情報処理装置3からのアクセスが検知されるまで待機し(ステップS140)、情報処理装置3からのアクセスが検知されると(ステップS140でYES)、その情報処理装置3のユーザーによって投入されたジョブが既に記憶部12に蓄積されているか否かを判断する(ステップS141)。その結果、アクセスしてきたユーザーのジョブが既に記憶部12に蓄積されている場合(ステップS141でYES)、最適化処理部40は、管理装置5である画像形成装置2aに対して設定変更情報の問い合わせを行わない。この場合、情報処理装置3から印刷ジョブを受信すると(ステップS142)、ジョブ制御部20が機能し、その受信した印刷ジョブを記憶部12へ蓄積保存する(ステップS143)。
一方、ステップS141において、アクセスしてきたユーザーのジョブが記憶部12に蓄積されていなかった場合(ステップS141でNO)、最適化処理部40は、管理装置5である画像形成装置2aに対し、当該ユーザーの情報処理装置3に対応する設定変更情報の有無を問い合わせる。このとき、最適化処理部40は、アクセスしてきたユーザーに関する情報を添付して画像形成装置2aに対する問い合わせを行う(ステップS144)。おそして設定変更情報がある場合(ステップS145でYES)、最適化処理部40は、画像形成装置2aから設定変更情報を受信し(ステップS146)、その受信した設定変更情報をアクセス元の情報処理装置3へ送信する(ステップS147)。また、画像形成装置2aにおいて当該ユーザーの情報処理装置3に対応する設定変更情報が保持されていない場合(ステップS145でNO)、最適化処理部40は、それ以降の処理(ステップS146,S147)を行わない。この場合、ステップS142へと進み、情報処理装置3から印刷ジョブを受信すると(ステップS142)、ジョブ制御部20が機能し、その受信した印刷ジョブが記憶部12へ蓄積保存される(ステップS143)。
上述した設定変更処理では、各画像形成装置2b〜2hにアクセスしてきた情報処理装置3のユーザーによって先に投入された印刷ジョブが未だ記憶部12に記憶されているときには管理装置5である画像形成装置2aに対して設定変更情報の有無の問い合わせを行わない。これは、同一ユーザーの印刷ジョブが異なる画像形成装置に蓄積された状態となることを防止するためである。すなわち、同一ユーザーの印刷ジョブが複数の画像形成装置に分散して蓄積された状態となる場合、そのユーザーが一の画像形成装置を操作して印刷出力を行うと、複数の画像形成装置から一の画像形成装置に対して同時に印刷ジョブの送信処理が行われるため、ネットワーク4に対して一時的に過大な負荷がかかり、ネットワーク4を介した他の通信の通信効率を著しく低下させる要因となる。これを防止するため、上述した設定変更処理では、各画像形成装置2b〜2hにアクセスしてきた情報処理装置3のユーザーによって先に投入された印刷ジョブが既に蓄積された状態であれば、画像形成装置2aに対して設定変更情報の有無の問い合わせを行わず、その情報処理装置3から出力される印刷ジョブの出力先を変更しないようにしているのである。そしてユーザーにより画像形成装置2b〜2hに蓄積されていた印刷ジョブの印刷出力又は削除が行われた後、次に同様のアクセスがあった場合に、各画像形成装置2b〜2hは、画像形成装置2aに設定変更情報の有無の問い合わせ、情報処理装置3における印刷ジョブの出力先の設定を変更する処理を行う。
ただし、各画像形成装置2b〜2hは、情報処理装置3からのアクセスを検知したとき、上述したようにその情報処理装置3のユーザーによって先に投入された印刷ジョブが未だ記憶部12に記憶されているか否かを確認することなく、管理装置5である画像形成装置2aに対して設定変更情報の有無を問い合わせるようにしても良い。このような処理を行う場合であっても、上述したように画像形成装置2aの処理負担を軽減することができるという点で有用なものである。
尚、第3実施形態において上述した点以外については、第1又は第2実施形態において説明したものと同様である。
(第4実施形態)
次に第4実施形態について説明する。本実施形態では、一定期間内における印刷ジョブの投入回数(蓄積回数)が所定の閾値に満たないユーザーを解析対象から除外するようにした形態について説明する。上述した画像形成システム1が例えば数百人を超えるような多数のユーザーによって使用される場合、管理装置5である画像形成装置2aが解析処理を行う際に効率的な処理を行うことができない。そこで、本実施形態では、解析対象のユーザーを一定期間内のジョブの投入回数(蓄積回数)で絞り込むことにより、解析処理を効率的に行えるようにする。
図28は、本実施形態において解析部32によって行われる回数リスト解析処理(ステップS56)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、この処理は、図15のフローチャートに代わるものである。解析部32は、この処理を開始すると、回数リストL3を読み出し(ステップS150)、ジョブごとに記録されているジョブ投入回数の値「1」をユーザーごとに加算し、各要素をジョブ投入回数の多い順に並べ替えることにより、図29に示すようなリストL14を作成する(ステップS151)。そして解析部32は、リストL14においてジョブ投入回数(蓄積回数)が所定の閾値に満たないユーザーを評価対象から除外する(ステップS152)。尚、図29では、所定の閾値が50回である場合を例示しており、ジョブ投入階数が50回に満たないユーザーが除外される。そして解析部32は、評価対象として残ったユーザー数を記憶し(ステップS153)、それらの評価対象ユーザーをジョブ投入回数の多い順に並べ替える(ステップS154)。そして解析部32は、ジョブ投入回数の多いユーザーから順に順位付けを行い、図29に示すような回数評価リストL15を作成する(ステップS155)。このとき、解析部32は、例えば投入回数が最多となるユーザーを評価対象ユーザーの数に対応する順位値に決定し、投入回数が少なくなるに従って降順に順位値を決定する。ただし、ここでは、投入回数に応じた順位付けが行われれば良いため、上記のような順位付けに限られず、例えば投入回数をそのまま順位値に採用しても良いし、また投入回数の多いユーザーの評価値を高くするために投入回数に対する重み付けを行った順位値を採用しても良い。図29に示す回数評価リストL15では30名のユーザーのうち、12名のユーザーが評価対象ユーザーとして登録され、他の18名のユーザーが評価対象から除外されている。
そして解析部32は、上記のような回数リスト解析処理を行った後、回数評価リストL15に登録されている12名の評価対象ユーザーについて後続する処理を行い、評価対象から除外されたユーザーについては後続する処理を行わない。したがって、解析部32において決定される最終順位は、それら12名の評価対象ユーザーについて決定される。そしてその後、変更部33が機能して、複数の画像形成装置2a〜2hに対するユーザーの割り当て状態が変更されるときにも、評価対象ユーザーである12名のユーザーだけが変更され、他の18名のユーザーについては変更されない。つまり、ジョブの投入回数が所定の閾値に満たないユーザーが各画像形成装置2a〜2hに与える負荷は小さいため、複数の画像形成装置2a〜2hのうちのいずれに割り当てられていてもあまり影響はない。それよりも寧ろ、各画像形成装置2a〜2hに対して大きな負荷を与えるユーザーを複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに分散して割り当てることが合理的であり、しかも管理装置5である画像形成装置2aにおける処理負担を軽減する点からも好ましい。
このように本実施形態では、解析部32が、一定期間内における印刷ジョブの蓄積回数が所定の閾値に満たないユーザーを解析対象から除外することにより、管理装置5である画像形成装置2aの処理負担を軽減できるようにしているのである。
尚、第4実施形態において上述した点以外については、第1、第2又は第3実施形態において説明したものと同様である。
(第5実施形態)
次に第5実施形態について説明する。第5実施形態では、解析部32により決定されたユーザーごとの最終順位に基づき、変更部33が複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対する各ユーザーの割り当て状態を変更するとき、最終順位が同順位である複数のユーザーが存在する場合の変更処理の一形態について説明する。
図30は、変更部33によって変更処理が行われることに伴う調整処理の処理手順を示すフローチャートである。この処理は、例えば図19に示したフローチャートのステップS106の処理が行われることに伴い、変更部33によって行われる処理である。変更部33は、この処理を開始すると、最終順位が同順位となる複数のユーザーが存在するか否かを判断する(ステップS161)。ここで同順位となる複数のユーザーが存在しない場合(ステップS161でNO)、この調整処理は終了する。これに対し、同順位となる複数のユーザーが存在する場合(ステップS161でYES)、変更部33は、それら複数のユーザーを同一の画像形成装置2に対する割り当て候補として抽出する(ステップS162)。そして変更部33は、現在割り当て対象となっている一の画像形成装置2においてそれら複数の割り当て候補ユーザーのそれぞれが印刷出力を行った回数を比較する(ステップS163)。このとき、変更部33は、各画像形成装置2a〜2hから取得されたジョブ蓄積履歴情報D1に含まれる出力装置に関する情報に基づいて複数の割り当て候補ユーザーのそれぞれが印刷出力を行った画像形成装置2を特定し、現在割り当て対象となっている一の画像形成装置2において印刷出力が行われた回数をカウントして比較する。そして変更部33は、複数の割り当て候補ユーザーのうち、現在割り当て対象となっている一の画像形成装置2において印刷出力を行った回数が最も多いユーザーを割り当て対象である一の画像形成装置2に割り当てる(ステップS164)。そして他のユーザーを他の画像形成装置2に割り当てる(ステップS165)。
図31は、上記調整処理の概念を説明する図である。まず図31(a)に示すように、例えば解析部32によって決定された最終順位においてユーザーU19とユーザーU27とが同順位であった場合、ユーザーU19及びユーザーU27は、図20に示した割り当て方向(割り当て順序)F1において互いに隣接する2つの画像形成装置2c,2dのいずれに割り当てられる場合であっても、負荷分散という観点からすれば効果は同じであり、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれの占有状態を平均化するという点に何ら影響を与えない。
そこで、本実施形態では、変更部33が割り当て対象となっている一の画像形成装置2cに対してユーザーU19とユーザーU27とのいずれを割り当てるかを決定するために、ユーザーU19が画像形成装置2cで印刷出力を行った回数と、ユーザーU27が画像形成装置2cで印刷出力を行った回数とを比較する。またこのとき、ユーザーU19が画像形成装置2dで印刷出力を行った回数と、ユーザーU27が画像形成装置2dで印刷出力を行った回数とを更に比較するようにしても良い。そしてユーザーU19がユーザーU27よりも画像形成装置2cで印刷出力を行った回数が多い場合、図31(b)に示すようにユーザーU19を画像形成装置2cに割り当てると共に、ユーザーU27を画像形成装置2dに割り当てる。
このように一の画像形成装置2に対する割り当て候補として複数のユーザーが存在する場合、その画像形成装置2において印刷出力を行った回数が多いユーザーを割り当てることにより、その画像形成装置2に割り当てられたユーザーによって投入されるジョブは、その画像形成装置2に蓄積保存されることとなり、しかもその画像形成装置2において印刷出力が行われる割合が高くなる。したがって、ユーザーが印刷出力を行うときには、ネットワーク4を介した印刷ジョブの送受信が行われる頻度が低下するため、画像形成システム1全体としてのパフォーマンスが向上する。
尚、第5実施形態において上述した点以外については、第1、第2、第3又は第4実施形態において説明したものと同様である。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば上記実施形態では、管理装置5である画像形成装置2aにおいて複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対するユーザーの割り当て状態を変更した場合、設定変更情報送信部34が少なくとも印刷ジョブの出力先が変更されるユーザーの情報処理装置に対する設定変更情報を送信するときには、被管理装置6である他の画像形成装置2b〜2hに対して設定変更情報を送信する場合について説明した。しかし、これに限られるものではなく、設定変更情報送信部34は、変更部33による変更処理が行われた場合に、少なくとも印刷ジョブの出力先が変更されるユーザーの情報処理装置3に対し、設定変更情報を直接送信するようにしても良い。この場合、被管理装置6である各画像形成装置2b〜2hは、管理装置5である画像形成装置2aから設定変更情報を取得して情報処理装置3に転送する必要がなくなるため、被管理装置6の処理負担を軽減することができるという利点がある。
また上記実施形態では、複数の画像形成装置2a〜2hの処理能力が同一であることを前提としており、変更部33が複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対して各ユーザーU1〜U30を割り当てるときには、一定の割り当て方向(割り当て順序)F1に向かって個々のユーザーを割り当てていく処理について説明した。しかし、複数の画像形成装置2a〜2hの処理能力が同一でないこともある。そのような場合、変更部33が複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれに対して各ユーザーU1〜U30を割り当てるときには、他の画像形成装置2よりも処理能力の高い画像形成装置2に対し、より多くのユーザーを割り当てるような割り当て方法を採用しても良い。