JP6225489B2 - 振動アクチュエータの駆動制御装置及び光学機器 - Google Patents
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Description
これらの技術では、この被駆動部を目標位置に停止させる場合、低速で移動させている状態で目標位置近傍に到達したことを検知後、超音波モータへの電源供給を遮断して停止させる(特許文献1参照)。
超音波モータは、可聴音域を越えた領域の周波数を用いて駆動されるため、モータ単体での駆動音は比較的小さい。しかしながら特許文献1で示される従来の駆動制御方式では、モータ駆動開始時および駆動停止時に駆動音が録音されてしまうという問題がある。
請求項1に記載の発明は、振動アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動アクチュエータを駆動する第1周波数を制御する第1制御部と、前記振動アクチュエータの駆動する前記第1周波数と異なる第2周波数を制御する第2制御部と、前記振動アクチュエータの駆動速度を検出する速度検出部と、前記速度検出部により前記振動アクチュエータの駆動速度がゼロであることが検出された場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替える選択部と、前記選択部により選択された制御による周波数の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を備えること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、前記振動アクチュエータの駆動状態に基づいて、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動アクチュエータの目標速度を演算する目標速度演算部を備え、前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、前記目標速度演算部により演算される目標速度がゼロになった場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動アクチュエータの駆動位置を検出する位置検出部を備え、前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、前記位置検出部により前記振動アクチュエータの駆動位置が駆動目標位置から規定の距離内に到達したことが検出された場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、前記振動アクチュエータの駆動速度を検出する速度検出部を備え、前記選択部は、前記振動アクチュエータの駆動開始時において前記第2制御部による制御を選択し、前記速度検出部により前記振動アクチュエータの起動が検出された後、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、前記振動アクチュエータの目標速度を演算する目標速度演算部と、を備え、前記第1制御部による制御は、前記目標速度演算部で生成した目標速度、および、前記速度検出部で検出した前記駆動速度に基づいて、前記振動アクチュエータに供給する駆動信号の周波数を決定する制御であり、前記第2制御部による制御は、前記第1制御とは異なる方式で前記振動アクチュエータに供給する駆動信号の周波数を決定する制御であること、を特徴とする振動アクチュエータ駆動制御装置である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、前記第2制御による制御は、前記振動アクチュエータの周波数を一定の変化率で変化させる制御であること、を特徴とする、振動アクチュエータ駆動制御装置である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、前記駆動制御装置は、複数の動作モードを備え、前記動作モードによって前記変化率が異なること、を特徴とする振動アクチュエータ駆動制御装置である。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、前記選択部において判定条件が複数ある場合には、実際に選択された条件によって周波数の変化率が異なること、を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置である。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の駆動制御装置と、前記駆動制御装置によって駆動される振動アクチュエータと、を備える光学機器である。
なお、上記構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態によるレンズ鏡筒1内の焦点調節レンズ200の駆動制御ブロック図である。
レンズ鏡筒1は、レンズマイコン(駆動制御装置)100と、焦点調節レンズ200と、レンズ駆動機構300と、レンズ位置検出機構400とを備えている。
ロータリーエンコーダ240からは、レンズマイコン100が直接取り込み可能なデジタルパルス列が出力される。
なお一般的にはロータリーエンコーダはインクリメンタルタイプであり、原点位置検出用センサ250の出力を基に、レンズ可動部200Aの絶対位置が計算される。
本実施形態では、目標回転速度と現在の回転速度との差(速度誤差)から演算されるフィードバック演算量と、目標回転速度とのみで決定されるフィードフォワード演算量との和を制御操作量としている。
駆動周波数演算部105は、超音波モータのf−N特性(印加周波数〜回転数特性)に基づいた変換テーブルを有しており、この変換テーブルを用いて制御操作量(制御回転数)に対応した駆動周波数を取得する。
なお、速度制御演算が有効であるとは、駆動周波数演算部105において算出された駆動周波数の駆動パルスを用いて超音波モータ220を駆動する場合であり、速度制御演算が無効であるとは、駆動周波数掃引部106において算出された駆動周波数の駆動パルスを用いて超音波モータ220を駆動する場合である。
すなわち、速度制御切替判定部107において「速度制御演算を有効にする」と判定された以降は、駆動周波数演算部105で計算された駆動周波数を選択し、逆に「速度制御演算を無効にする」と判定された以降は、駆動周波数掃引部106で設定される駆動周波数を選択する。速度制御切替判定部107の処理の詳細については、後述する。
超音波モータ駆動回路230は、マイコンから出力される2相の駆動パルスに同期した周期信号を生成し、超音波モータ220に供給して超音波モータ220を回転させる。超音波モータ220の回転は、動力伝達機構210を介してレンズ可動部200Aに伝達され、レンズ可動部200Aを光軸方向に駆動する。
なお以下の説明では簡略化のため、回転方向は考慮せず全て正の方向の駆動とする。
図2は超音波モータ220のf−N特性の例を示したグラフである。図3は本実施形態における駆動制御方法の切り替えタイミングを示した図である。
まず、図3に示す超音波モータ220の駆動開始時、速度制御演算は無効の状態であり、速度制御切替判定部107は、無効の状態から有効の状態に切り替えるタイミングを判定する。
供給される周波数は、最初は超音波モータ220が回転しない周波数fDstopから始まり、掃引処理によって徐々に低周波となり、やがて超音波モータが回転し始める周波数fDstartに到達する。
それ以降は、速度制御部104で演算された制御操作量に基づいて駆動周波数を算出し超音波モータ220に供給する。
そのため、単純に切り替えると速度制御演算の切り替え前後で駆動周波数が不連続となってしまう可能性がある。
これを回避するための処理、例えば、fDstartとfD0との差をオフセット値fDofsとして記憶しておき、以降、駆動周波数演算部105で求めた駆動周波数にfDofsを加算するといった補正処理を行う。
図4から図6は駆動終了時の判定処理を示した図である。
駆動終了時は、速度制御演算が有効の状態から無効となって、速度制御切替判定部107は、周波数掃引処理に切り替えるタイミングを判定する。
回転停止する直前は、停止準備速度(制御可能な最小回転速度またはそれに近い速度)まで超音波モータ220を減速し、その速度にて現在位置が停止目標位置から既定の距離(停止減速開始位置)範囲内に到達するのを待つ。
現在位置が、停止目標位置から既定の距離範囲内に到達後は、速度制御を有効としたまま目標回転速度を徐々にゼロに減速する。
従って、超音波モータ220の目標回転速度がゼロとなったタイミングで速度制御から駆動周波数掃引制御に切り替えて(速度制御有効から無効に切り替えて)、最終的に駆動周波数を停止周波数fDstopとする。
つまり、この時点で超音波モータ220への制御を止めても良い。
さらに減速時の速度制御誤差が大きい場合は、目標回転速度がゼロになる前に停止目標位置をオーバーしてしまうことも考えられる。
このような場合も考慮し、停止目標回転速度から既定量離れた位置に速度制御強制終了位置を設ける。そして、目標回転速度減速中に速度制御強制終了位置に達した場合は、目標回転速度がゼロに到達する前であっても強制的に速度制御を終了し、駆動周波数掃引処理に切り替える。
なお、この処理は、レンズマイコン100において定期的に行われるものであるが、これに限定されず、継続的に繰り返されるものであってもよい。
目標回転速度がゼロである場合(ステップS202,YES)、速度制御を無効にして(ステップS207)終了する。すなわち、上述の図4の場合である。
許容範囲にある場合(ステップS205,YES)、速度制御を無効にして(ステップS207)終了する。すなわち、上述の図5の場合である。
上述のように本実施形態においては、レンズ可動部200Aが停止状態から動き出すまでは駆動周波数掃引部106による周波数掃引制御を行う。そして、レンズ可動部200Aが動き出した後、制御方式を、周波数掃引制御から駆動周波数演算部105による速度フィードバック制御方式に切り替えて加速および減速も含めて速度制御を実施する。
停止時においては、レンズ可動部200Aが十分に減速した状態から停止目標位置近辺で移動速度がゼロとなるように減速し、目標回転速度がゼロとなった時点、あるいは、停止目標位置の許容範囲に到達したと判定された時点で駆動制御方式を速度フィードバック制御方式から再び周波数掃引制御方式に切り替える。
さらに、レンズ可動部200Aが停止した後も駆動周波数が既定の周波数に達するまで周波数掃引処理を継続する。
上記のような制御方法によれば、加速度および減速度を、騒音の発生しない値以下に制御が可能で、超音波モータ駆動開始時および駆動停止時における衝撃音の発生が抑制される。
また、停止目標位置近傍に到達する直前まで速度フィードバック制御をかけた状態で停止減速処理を行い、周波数掃引処理への切り替え条件も複数準備することで、位置決め精度も確保できる。
このように、本実施形態によれば、駆動音の発生を抑制しつつ目標位置に正確に位置決めすることが可能な振動アクチュエータ駆動制御装置を実現できる。
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)たとえば、上述の図4から図6のように複数の速度制御終了条件がある場合には、成立した終了条件によって後続の駆動周波数の掃引レートを変えても良い。
例えば、図6の場合のように強制速度制御終了位置に達して速度制御を終了した場合は、他の条件で終了した場合に比較してより早く確実に停止させる必要があるため、他の場合に比べて掃引レートを大きくしても良い。すなわち、図6の駆動周波数のグラフにおける、一点鎖線のように、駆動周波数と時間とのグラフにおける傾きを大きくしても良い。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
Claims (10)
- 振動アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記振動アクチュエータを駆動する第1周波数を制御する第1制御部と、
前記振動アクチュエータの駆動する前記第1周波数と異なる第2周波数を制御する第2制御部と、
前記振動アクチュエータの駆動速度を検出する速度検出部と、
前記速度検出部により前記振動アクチュエータの駆動速度がゼロであることが検出された場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替える選択部と、
前記選択部により選択された制御による周波数の駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を備えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、
前記振動アクチュエータの駆動状態に基づいて、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1又は2項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記振動アクチュエータの目標速度を演算する目標速度演算部を備え、
前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、
前記目標速度演算部により演算される目標速度がゼロになった場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記振動アクチュエータの駆動位置を検出する位置検出部を備え、
前記振動アクチュエータの駆動を停止させる際に前記選択部は、
前記位置検出部により前記振動アクチュエータの駆動位置が駆動目標位置から規定の距離内に到達したことが検出された場合、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1から4のいずれか1項の振動アクチュエータの駆動制御装置であって、
前記振動アクチュエータの駆動速度を検出する速度検出部を備え、
前記選択部は、
前記振動アクチュエータの駆動開始時において前記第2制御部による制御を選択し、
前記速度検出部により前記振動アクチュエータの起動が検出された後、前記第1制御部による制御から前記第2制御部による制御に切り替えること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、
前記振動アクチュエータの目標速度を演算する目標速度演算部と、を備え、
前記第1制御部による制御は、前記目標速度演算部で生成した目標速度、および、前記速度検出部で検出した前記駆動速度に基づいて、前記振動アクチュエータに供給する駆動信号の周波数を決定する制御であり、
前記第2制御部による制御は、前記第1制御とは異なる方式で前記振動アクチュエータに供給する駆動信号の周波数を決定する制御であること、
を特徴とする振動アクチュエータ駆動制御装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、
前記第2制御による制御は、前記振動アクチュエータの周波数を一定の変化率で変化させる制御であること、
を特徴とする、振動アクチュエータ駆動制御装置。 - 請求項7に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、
前記駆動制御装置は、複数の動作モードを備え、前記動作モードによって前記変化率が異なること、
を特徴とする振動アクチュエータ駆動制御装置。 - 請求項7または8に記載の振動アクチュエータの駆動制御装置において、
前記選択部において判定条件が複数ある場合には、実際に選択された条件によって周波数の変化率が異なること、
を特徴とする振動アクチュエータの駆動制御装置。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の駆動制御装置と、
前記駆動制御装置によって駆動される振動アクチュエータと、
を備える光学機器。
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