JP2016073174A - ステッピングモータ駆動装置、光学機器およびステッピングモータ駆動プログラム - Google Patents

ステッピングモータ駆動装置、光学機器およびステッピングモータ駆動プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ステッピングモータの脱調や駆動不良等の異常を短時間で精度良く検出する。
【解決手段】ステッピングモータ駆動装置は、ステッピングモータ101に駆動信号を供給する。該装置は、ステッピングモータの回転に応じて検出信号を出力する回転検出手段101a,104b,105と、該検出信号を用いてステッピングモータの回転速度を算出する回転速度算出手段106と、該検出信号に対する駆動信号の位相差である進角を、回転速度と目標速度との差である速度偏差に基づいて設定する進角設定手段108と、進角の上限値である上限進角を記憶した記憶手段114と、進角制御手段により設定された進角に基づいて駆動信号を生成する第1の制御を行う駆動制御手段115とを有する。駆動制御手段は、速度偏差が所定偏差以上になり、かつ進角が上限進角に達することに応じて、第1の制御とは異なる第2の制御を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステッピングモータの駆動の制御に関し、特にエンコーダを用いたステッピングモータの駆動の制御に関する。
ステッピングモータは基本的にオープンループ制御が行われる場合が多いが、オープンループ制御ではステッピングモータの負荷が大きい場合や高速回転を行う場合にステッピングモータの脱調が発生する可能性が高くなる。このため、ステッピングモータにその回転を検出するためのエンコーダを設け、ステッピングモータのロータの回転位置に応じてコイル印加電圧を適切に切り替えるフィードバック制御が行われることがある。
エンコーダから得られるステッピングモータ(ロータ)の回転位置を表す検出パルスに対して進相させた駆動パルスが有する検出パルスに対する位相差は「進角」と称され、該進角を用いてステッピングモータの速度制御を行うことを進角制御と称する。進角とステッピングモータの回転速度(pps:パルス/秒)との間には、一般に進角を増加させると回転速度が速くなるという関係がある。
一方、ステッピングモータがカメラ等の光学機器においてレンズ等を駆動するアクチュエータとして用いられる場合、脱調が生じると良好な撮影を行うことができなくなる。このため、脱調が生じた場合には、ステッピングモータの制御の初期化やエラー表示処理が必要となる。
特許文献1には、ステッピングモータの実際の回転速度と目標回転速度との差分から脱調を検知し、脱調を回避するための制御(異常回避制御)を行う制御方法が開示されている。特許文献2には、現在のステッピングモータの回転状況から設定した進角と目標進角との差分から脱調を検知し、位相変化量を制限する異常回避制御を行う制御方法が開示されている。
特開2011−239599号公報 特開2014−33586号公報
しかしながら、ステッピングモータの進角制御における進角と回転速度との関係は、ステッピングモータの個体差、環境温度および姿勢差による負荷の増減によって変動する。このため、特許文献1にて開示されているようにステッピングモータの現在回転速度と目標速度との差分によって脱調の発生を検知する場合には、実際には脱調が発生しているのにその発生が検知されない等、誤検知がなされるおそれがある。また、特許文献1の方法では、ステッピングモータの現在の回転速度と目標速度の差分が閾値を超える時間が所定時間以上続いた場合に脱調の発生を検知される。このため、脱調の判断に時間を要し、この結果、撮影のチャンスを逃がすおそれがある。
さらに、特許文献2にて開示された方法のようにステッピングモータの現在の回転状況から設定した進角と目標進角との差分から脱調を判定する場合にも、以下のような問題がある。すなわち、設定進角と目標進角との差(進角差)は、脱調が発生した場合に限って大きくなるのではなく、ステッピングモータを加減速する場合にも一時的に大きくなる。このため、加減速中に大きくなった進角差から脱調が発生したものと誤判断され、異常回避制御が行われるおそれがある。
本発明は、ステッピングモータの脱調や駆動不良等の異常を短時間で精度良く検出できるようにしたステッピングモータ駆動装置やこれを搭載した光学機器を提供する。
本発明の一側面としてのステッピングモータ駆動装置は、ステッピングモータに駆動信号を供給して該ステッピングモータを回転させるステッピングモータ駆動装置であって、ステッピングモータの回転に応じて検出信号を出力する回転検出手段と、該検出信号を用いてステッピングモータの回転速度を算出する回転速度算出手段と、該検出信号に対する駆動信号の位相差である進角を、回転速度と目標速度との差である速度偏差に基づいて設定する進角設定手段と、進角の上限値である上限進角を記憶した記憶手段と、進角制御手段により設定された進角を有する駆動信号を生成する第1の制御を行う駆動制御手段とを有する。そして、駆動制御手段は、速度偏差が所定偏差以上になり、かつ進角が上限進角に達することに応じて、第1の制御とは異なる第2の制御を行うことを特徴とする。
なお、ステッピングモータと、該ステッピングモータにより駆動される被駆動部材と、上記ステッピングモータ駆動装置とを有する光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
また、本発明の他の一側面としてのステッピングモータ制御プログラムは、コンピュータに、ステッピングモータに駆動信号を供給して該ステッピングモータを回転させる処理を行わせる。該処理は、ステッピングモータの回転に応じた検出信号を出力する回転検出手段から前記検出信号を取得するステップと、該検出信号を用いてステッピングモータの回転速度を算出するステップと、該検出信号に対する駆動信号の位相差である進角を、回転速度と目標速度との差である速度偏差に基づいて設定するステップと、設定された進角を有する駆動信号を生成する第1の制御を行うステップと、速度偏差が所定偏差以上になり、かつ進角が上限進角に達することに応じて、第1の制御とは異なる第2の制御を行うステップとを有することを特徴とする。
本発明では、回転速度と目標速度間の速度偏差が所定偏差以上になり、かつ進角が上限進角に達することでステッピングモータの駆動に異常が生じたものとして、進角に応じた駆動信号を生成する第1の制御とは異なる第2の制御(異常回避制御)を行う。このため、本発明によれば、ステッピングモータの駆動の異常を短時間で精度良く検出することができる。
本発明の実施例1である交換レンズとカメラボディとを含むカメラシステムの構成を示すブロック図。 実施例1の交換レンズにおけるステッピングモータ駆動装置の構成を示すブロック図。 実施例1におけるステッピングモータの駆動制御処理を示すフローチャート。 実施例1におけるステッピングモータの異常検出時の進角と回転速度との関係を示す図。 本発明の実施例2におけるステッピングモータの駆動制御処理を示すフローチャート。 実施例2におけるステッピングモータの異常検出時のトルクと回転速度との関係を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である光学機器としての交換レンズ100と、該交換レンズ100が取り外し可能に装着される撮像装置としてのカメラボディ200とにより構成されるカメラシステムの構成を示している。カメラボディ200としては、一眼レフカメラ、ミラーレスカメラおよびビデオカメラ等を用いることができる。
図1において、交換レンズ100内には、フォーカスレンズ118を移動させるステッピングモータ101を駆動するステッピングモータ駆動装置(レンズCPU115、モータドライバ116およびフォトインタラプタ104)が搭載されている。図2には、このステッピングモータ駆動装置のより詳しい構成を示している。
光学機器は、フォーカスレンズ118および不図示の変倍レンズ、絞り、像振れ補正レンズ等により構成される撮影光学系や、レンズCPU115を含む。撮影光学系は、不図示の被写体の光学像を形成する。
被駆動部材としてのフォーカスレンズ118は、ステッピングモータ101によってレンズ駆動機構117を介して、図1中に一点鎖線で示す撮影光学系の光軸に沿って矢印方向に移動されることで焦点調節を行う。レンズ駆動機構117には、ステッピングモータ101の駆動力を出力するためのギアユニットや、ギアユニットから伝達された駆動力により光軸回りで回転駆動され、フォーカスレンズ118を光軸方向に移動させるためのカムを有するカム環等が含まれる。
変倍レンズは、ステッピングモータ等のアクチュエータにより光軸方向に移動されて撮影光学系の焦点距離を変更する。絞りは、ステッピングモータ等のアクチュエータにより駆動され、不図示の撮像素子(CCDセンサやCMOSセンサ)に入射する光量を調節する。像振れ補正レンズは、ステッピングモータ等のアクチュエータにより光軸に直交する方向(またはこの方向を含む方向)に移動されて手振れによる像振れを低減する。
なお、実施例では、フォーカスレンズ118を駆動するステッピングモータ101の駆動の制御について説明するが、本実施例の制御は、変倍レンズ、絞りおよび像振れ補正レンズを駆動するステッピングモータの駆動の制御にも適用することができる。
ステッピングモータ101は、コイルとロータとを備え、コイルに通電されることでロータを回転させる。以下の説明において、ロータの回転を、ステッピングモータ101の回転ともいう。ロータと一体回転するロータ軸102には、周方向に複数のスリットが形成されたスリット回転板103が設けられている。スリット回転板103は、スリット(透光部)と遮光部とが交互に等ピッチで形成されている。スリット回転板103を挟む両側の領域のうち一方には発光素子が配置され、他方には第1のフォトインタラプタ(以下、PIという)104aと第2のPI104bとが配置されている。
ステッピングモータ101の回転に伴ってスリット回転板103が回転する。これにより、スリット回転板103のスリットを透過した光が互いに異なるタイミングで第1および第2のPI104a,104bに受光され、これら第1および第2のPI104a,104bから互いに異なる位相のパルス信号が出力される。第1および第2のPI104a,104bからの2相のパルス信号は、エンコーダ部105に入力される。
エンコーダ部105は、第1および第2のPI104a,104bから出力される2相のパルス信号からステッピングモータ101の回転方向を検出するとともに、ステッピングモータ101の回転量を示すパルス信号としての回転検出信号を生成する。この回転検出信号を用いて検出される回転量を用いることでステッピングモータ101の回転速度を算出することができる。また、光学機器の電源投入時等にフォーカスレンズ118を所定の基準位置に移動させた後の回転量から、フォーカスレンズ118の位置を算出(検出)することもできる。第1および第2のPI104a,104bとエンコーダ部105とにより回転検出手段が構成される。
本実施例ではステッピングモータ101の回転を検出する回転検出手段としてPI(光学式センサ)を用いているが、他の回転検出手段、例えば磁気式センサや静電容量式センサを用いてもよい。
レンズCPU115は、回転速度算出部106、進角設定部108、正弦波発生部109、PWM設定部110、速度比較部111および脱調判定部113を含み、予め保存されているコンピュータプログラムに従って各種処理を実行する。
回転速度算出部106は、エンコーダ部105からの回転検出信号により得られる回転量を用いてステッピングモータ101の実際の回転速度(以下、実速度という)を算出する。
速度比較部111は、回転速度算出部106により算出されたステッピングモータ101の実速度と予めメモリ部114に記憶された目標回転速度(以下、目標速度という)との差である速度偏差を算出する。そして、算出した速度偏差を脱調判定部113に出力する。
進角設定部108は、エンコーダ部105からの回転検出信号(パルス信号)に対するステッピングモータ101にコイル通電のために供給されているパルス信号としての駆動信号の位相差(進み位相)である進角を算出する。さらに、進角設定部108は、算出された進角と速度比較部111にて算出された速度偏差とに基づいて、ステッピングモータ101の実速度を目標速度に一致させる又は近づけるように、つまりは速度偏差をゼロにする又は近づけるように新たな進角を設定する。
正弦波発生器109は、正弦波の1周期に対して512分解能のPWM値を示すテーブルを備え、該テーブルから進角設定部108により設定された進角に応じたPWM値を読み出してPWM発生器110に送る。PWM発生器110は、読み出されたPWM値を有するPWM信号を出力する。この結果、PWM発生器110からのPWM信号は、進角設定部108により設定された進角を有する駆動信号としてモータドライバ116に出力される。モータドライバ116は、駆動信号を増幅した後にステッピングモータ101に供給する。
メモリ部(記憶手段)114には、設定可能な進角の上限値である上限進角が記憶されている。
脱調判定部113は、速度比較部111からの速度偏差が後述する所定偏差以上か否か、および進角設定部108で設定された進角がメモリ部114に記憶された上限進角に達したか否かを判定する。そして、速度偏差が所定偏差以上になり、かつ設定された進角が上限進角に達した場合はステッピングモータ101の駆動状態がステッピングモータ101にかかる負荷による異常状態であると判定し、それ以外の場合は駆動状態が異常状態ではない判定をする。
レンズCPU115は、脱調判定部113による判定結果に応じたステッピングモータ101に対する制御を行う。レンズCPU115は、脱調判定部113により異常状態ではないと判定された場合は、進角設定部108が設定した進角に対応する(つまりは実速度を目標速度に一致させる又は近づけるための)駆動信号を生成する第1の制御を行う。以下の説明において、この第1の制御を進角制御という。一方、異常状態と判定された場合は、進角制御とは異なる第2の制御としての異常回避制御を行う。正弦波発生器109、PWM設定部110、速度比較部111および脱調判定部113を含むレンズCPU115が、駆動制御手段に相当する。
次に、カメラボディ200について図1を用いて説明する。カメラボディ200は、撮像素子202、シャッタ203、表示部204、電源205およびカメラCPU206を有する。
撮像素子202は、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子により構成され、撮影光学系により形成された被写体像を電気信号に変換する。撮像素子202から出力されたアナログ撮像信号は、カメラCPU206に出力され、カメラCPU206内でデジタル撮像信号に変換される。カメラCPU206は、画像処理回路を内蔵しており、該画像処理回路はデジタル撮像信号に対する各種画像処理を行って画像信号を生成する。
シャッタ203は、カメラCPU206からの命令に従って撮像素子202を露出状態と遮光状態とに切り替える。シャッタ203が撮像素子202を露出状態としている時間を制御することで、撮像素子202の露光量を制御することができる。
表示部204は、カメラボディ200の背面等に設けられ、カメラCPU206による制御に従って、カメラCPU206(画像処理回路)により生成された画像信号を表示する。
電源205は、カメラボディ200内の各電源供給先や交換レンズ100に電源電力を供給する。
カメラCPU206は、上述した画像信号の生成に加えて、撮像素子202、シャッタ203および表示部204の動作の制御を行う。また,カメラCPU206は、オートフォーカス(AF)において、デジタル撮像信号から撮影光学系の焦点状態を示す焦点評価値も生成し、該焦点評価値が合焦状態に対応する値となるようにレンズCPU115にフォーカスレンズ118の駆動命令を出力する。
次に、図3および図4を用いて、本実施例におけるレンズCPU115が行うステッピングモータ101の駆動制御処理について説明する。駆動制御処理には、異常検出処理および異常回避処理が含まれる。
上述したように、本実施例のステッピングモータ駆動装置(レンズCPU115)は、ステッピングモータ101の異常状態が判定されない場合は、ステッピングモータ101の回転速度(実速度)を目標速度に一致させる又は近づけるために進角制御を行う。ただし、本実施例では、レンズCPU115は、ステッピングモータ101を停止状態から駆動を開始する起動時には、進角制御を行わず、オープンループ制御によって制御切り替え速度までステッピングモータ101の回転速度を加速する。制御切り替え速度は、予めメモリ部114に格納されている。
そして、ステッピングモータ101の回転速度が制御切り替え速度に達することに応じて、レンズCPU115は、制御方法をオープンループ制御から進角制御に切り替える。オープンループ制御から進角制御への切り替えに際して、レンズCPU115は、そのときのステッピングモータ101の回転速度である制御切り替え速度(特定回転速度)での進角を初期進角(特定進角)として取得する。初期進角は、メモリ部(特定進角記憶手段)114に記憶される。
一方、ステッピングモータ101を減速させる際に制御切り替え速度を下回る目標速度が設定される場合がある。この場合は、レンズCPU115は、ステッピングモータ101の回転速度が該制御切り替え速度に達することに応じて、制御方法を進角制御からオープンループ制御に切り替える。
図3に示すフローチャートは、ステッピングモータ101をオープンループ制御で起動した後、その回転速度が目標速度まで加速されて制御方法が進角制御に切り替わった直後からレンズCPU115が行う駆動制御処理を示す。なお、この駆動制御処理は、上記オープンループ制御も含めて、コンピュータプログラムとしてのステッピングモータ駆動プログラムに従ってレンズCPU115により実行される。
ステップ(図ではSと略記する)1001では、レンズCPU115は、ステッピングモータ101の目標速度Stを設定してメモリ部114に格納する。
次に、ステップ1002では、レンズCPU115(回転速度算出部106)は、エンコーダ部105からの回転検出信号を用いてステッピングモータ101の実速度を算出する。
その後、ステップ1003では、レンズCPU115(速度比較部111)は、ステッピングモータ101の実速度Snとメモリ部114に格納された目標速度Stとの差である速度偏差(St−Sn)を算出する。
次に、ステップ1004では、レンズCPU115(進角設定部108)は、算出された速度偏差に基づいて新たな進角を設定する。そして、レンズCPU115(正弦波発生部109およびPWM設定部110)は、該設定された進角に対応する進角を有する駆動信号を生成して出力する。
そして、ステップ1005では、レンズCPU115(脱調判定部113)は、ステップ1003で算出された速度偏差が所定偏差以上であるか否かを判定する。所定偏差は、上述した初期進角でのステッピングモータ101の回転速度(制御切り替え速度)Sfと上限進角でのステッピングモータ101の回転速度Slとの差である。なお、所定偏差は、実速度の算出誤差を考慮して、SfとSlの差に許容量を加えた値であってもよい。
ステップ1005にて速度偏差が所定偏差以上ではないと判定された場合は、レンズCPU115は、ステップ1008に進む。ステップ1008では、レンズCPU115(進角設定部108)は、ステップ1004にて生成された、進角設定部108が設定した進角に対応する進角を有する駆動信号をステッピングモータ101に供給し続ける。つまり、進角制御を継続する。
一方、ステップ1005にて速度偏差が所定偏差以上であると判定された場合は、レンズCPU115(脱調判定部113)は、ステップ1006において、進角設定部108で設定された進角がメモリ部114に記憶された上限進角に達したか否かを判定する。
ここで、図4には、駆動信号の進角とステッピングモータ101の回転速度との関係を示している。図中の実線のグラフは、駆動信号の進角に対して正常なステッピングモータ101の回転速度を示している。
図4中の(i)は、ステッピングモータ101の負荷によって、その回転速度(実速度)が、駆動信号の実際の進角αnに対して本来到達すべき目標速度に達しておらず、速度偏差ΔS(=St−Sn)が所定偏差以上となっている異常状態を示している。これを負荷によるステッピングモータ101の異常状態判定の第1の条件とする。
ただし、ステッピングモータ101の起動後にその制御方法をオープンループ制御から進角制御へと切り替えるタイミングにおいても、ステッピングモータ101の回転速度が急加速するため、負荷が変動していないにもかかわらず速度偏差が大きくなる場合がある。このような場合に、速度偏差ΔSが所定偏差以上になっても異常状態ではない。つまり、速度偏差が所定偏差以上か否かだけでは、負荷による異常状態か加速に伴って速度偏差が増加したに過ぎない状態かを区別することができない。
このため、本実施例では、負荷によるステッピングモータ101の異常状態判定のために第2の条件を設けている。すなわち、ステップ1006において、ステップ1004で設定された進角が上限進角を下回っている(上限進角に達していない)と判定することが第2の条件である。そして、ステップ1006にて、設定された進角が上限進角に達していないと判定された場合は、レンズCPU115(進角設定部108)は、ステップ1008に進み、設定された進角に対応する進角を有する駆動信号をステッピングモータ101に供給し続ける。つまり、進角制御を継続する。上限進角に達したと判定した場合はステップ1007に進む。
上限進角は、交換レンズ100の製造工程において設定され、メモリ部114に記憶される。具体的には、上限進角は、進角の変化に応じてステッピングモータの回転速度が線形に変化する進角の範囲における最大進角に設定される。また、上限進角を、進角の変化に応じてステッピングモータの回転速度が単調増加する進角の範囲における最大進角としてもよい。進角設定部108で設定された進角が上限進角に達した(上限進角以上である)場合は、ステッピングモータ101の回転速度が負荷によって遅くなった異常状態と判定できる。
ただし、図4中の(ii)は、進角制御においてステッピングモータ101の回転速度をできるだけ高速とするためには、進角としては上限進角に近い値を設定する必要がある。このため、負荷によるステッピングモータ101の異常状態を第2の条件(進角)だけで判定すると、高速駆動のために進角が上限進角に達したのか負荷によって回転速度が遅くなったために進角が上限進角に達したのかを区別することができない。
したがって、第1の条件と第2の条件のうち一方だけで異常状態判定を行うと、誤判定につながる可能性が高い。本実施例では、図4中の(iii)に示すように、第1の条件と第2の条件を同時に満足する場合に限り、異常状態が発生したと判定する。
ステップ1007では、レンズCPU115は、異常回避制御として、ステッピングモータ101の駆動を停止させる制御を行う。これにより、前述したギアユニットが破損したりステッピングモータ101に過度の負荷が長時間かかったりする等の不都合を回避することができる。
以上説明したように、本実施例では、ステッピングモータの実速度と目標速度間の速度偏差が所定偏差以上になり、かつ進角が上限進角に達することでステッピングモータ101の駆動に異常が生じたものと判定する。そして、設定された進角に応じた駆動信号を生成する進角制御とは異なる異常回避制御を行う。このため、本実施例によれば、ステッピングモータ101の駆動の異常状態を短時間で精度良く検出することができる。
次に、実施例2について説明する。本実施例の光学機器は、レンズ一体型カメラであって、レンズ鏡筒がカメラ本体に対して操り出しおよび沈胴が可能なコンパクトカメラである。図5のフローチャートには、本実施例におけるステッピングモータの駆動制御処理(異常検出処理および異常回避処理を含む)を示している。本実施例では、実施例1のレンズCPU115とカメラCPU206の機能を併せ持つCPU(図示せず)が、駆動制御プログラムに従って、実施例1と同様にフォーカスレンズを駆動するステッピングモータの駆動制御処理を実行する。ステップ1001からステップ1009までの処理は実施例1と同じあるので、ここでの説明は省略する。
ステップ1005で速度偏差が所定偏差以上と判定され、かつステップ1006で進角が上限進角に達したと判定された場合は、CPUは、ステップ1010に進む。
ステップ1010では、CPUは、カメラの電源の残量レベルが所定レベル(Low)以下か否かを判定する。所定レベルは、例えば、ステッピングモータの駆動のために使用できる電力がほとんど残っていないレベルである。
電源の残量レベルが所定レベルより高い場合はステップ1011に進み、CPUは、ステッピングモータの制御方法を進角制御から異常回避制御としてのオープンループ制御に切り替える。このように、電源の残量がまだ十分である場合は、オープンループ制御によるステッピングモータの駆動を続行する。なお、オープンループ制御では、実施例1で説明した制御切り替え速度以下の回転速度となるようにステッピングモータを駆動する。これにより、ステッピングモータの脱調を防ぐことができる。このことは、後述するステップ1014および1017でも同じである。
一方、電源残量レベルが所定レベル以下である場合は、CPUは、カメラにおいてAFを行うフォーカスモードであるAFモードが設定されているか否(マニュアルフォーカスモード)かに応じた異常回避制御を行う。まず、ステップ1012では、CPUはAFモードが設定されているか否かを判定する。AFモードが設定されている場合は、ステップ1013に進み、CPUは、撮影光学系の焦点状態が合焦近傍の状態か否かを判定する。合焦近傍の状態である場合は、CPUは、ステップ1016にて異常回避制御としてステッピングモータの駆動を停止させる制御を行う。合焦近傍の状態であれば、AFを中止しても概ねピントが合った撮影を行うことが可能なためである。
また、合焦近傍の状態でない場合は、CPUは、ステップ1017にて異常回避制御としてステッピングモータの制御方式を進角制御からオープンループ制御に切り替えるとともにステッピングモータのリセット駆動を行う。リセット駆動は、フォーカスレンズをカメラの電源投入時と同じリセット位置(所定位置:例えば、無限遠位置)に移動させるためのステッピングモータの駆動である。
また、ステップ1012においてAFモードが設定されていない場合は、CPUは、ステップ1014にて異常回避制御としてステッピングモータの制御方式を進角制御からオープンループ制御に切り替えるとともにステッピングモータの沈胴駆動を行う。沈胴駆動とは、フォーカスレンズをレンズ鏡筒が沈胴する際の位置である沈胴位置(所定位置:例えば、無限遠位置よりもさらにカメラ本体側に繰り込まれた位置)に移動させるためのステッピングモータの駆動である。
このように、本実施例では、負荷によるステッピングモータの駆動の異常状態が生じた場合は、電源残量、フォーカスモードおよび焦点状態に応じて適切な異常回避制御を選択する。また、電源残量が少ない場合に、回転速度を制御切り替え速度に抑えたオープンループ制御を行うことで、消費電力を抑えながら異常回避制御によるステッピングモータの駆動を行うことができる。図6に矢印で示すように、ステッピングモータの回転速度を抑えることでトルクを増加させることができる。これにより、少ない電力残量でも確実に異常回避制御(リセット駆動や沈胴駆動)を行うことができる。
なお、本実施例で説明した3つに場合分けした異常回避制御は一例であり、他の異常回避制御を行ってもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
101 ステッピングモータ
104a,104b フォトインタラプタ
105 エンコーダ部
108 進角設定部
109 正弦波発生部
110 PWM発生部
111 速度比較部
113 脱調判定部
114 メモリ部
115 レンズCPU

Claims (10)

  1. ステッピングモータに駆動信号を供給して該ステッピングモータを回転させるステッピングモータ駆動装置であって、
    前記ステッピングモータの回転に応じて検出信号を出力する回転検出手段と、
    前記検出信号を用いて前記ステッピングモータの回転速度を算出する回転速度算出手段と、
    前記検出信号に対する前記駆動信号の位相差である進角を、前記回転速度と目標速度との差である速度偏差に基づいて設定する進角設定手段と、
    前記進角の上限値である上限進角を記憶した記憶手段と、
    前記進角制御手段により設定された前記進角に基づいて前記駆動信号を生成する第1の制御を行う駆動制御手段とを有し、
    前記駆動制御手段は、前記速度偏差が所定偏差以上になり、かつ前記進角が前記上限進角に達することに応じて、前記第1の制御とは異なる第2の制御を行うことを特徴とするステッピングモータ駆動装置。
  2. 前記第2の制御は、前記ステッピングモータの駆動を停止させる制御であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第2の制御は、前記ステッピングモータのオープンループ制御であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  4. 前記第2の制御は、前記ステッピングモータにより駆動される被駆動部材を所定位置に駆動させる制御であることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動装置。
  5. 前記ステッピングモータの特定回転速度に対応する進角である特定進角を記憶した特定進角記憶手段を有し、
    前記所定偏差は、前記特定進角から算出される前記上限進角での前記ステッピングモータの回転速度と前記特定回転速度との前記速度偏差であることを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  6. 前記上限進角は、前記進角の変化に応じて前記ステッピングモータの回転速度が線形に変化する前記進角の範囲における最大進角であることを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 前記上限進角は、前記進角の変化に応じて前記ステッピングモータの回転速度が単調増加する前記進角の範囲における最大進角であることを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  8. 前記駆動制御手段は、前記ステッピングモータを停止状態から駆動する際に前記ステッピングモータのオープンループ制御を行った後に前記第1の制御に切り替え、
    該第1の制御への切り替えに際して前記特定進角を取得することを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載のモータ駆動装置。
  9. ステッピングモータと、
    該ステッピングモータにより駆動される被駆動部材と、
    前記ステッピングモータに駆動信号を供給して該ステッピングモータを回転させる請求項1から8のいずれか一項に記載のステッピングモータ駆動装置とを有することを特徴する光学機器。
  10. コンピュータに、ステッピングモータに駆動信号を供給して該ステッピングモータを回転させる処理を行わせるコンピュータプログラムであって、
    前記処理は、
    前記ステッピングモータの回転に応じた検出信号を取得する取得ステップと、
    前記検出信号を用いて前記ステッピングモータの回転速度を算出する算出ステップと、
    前記駆動信号を生成する生成ステップを有し、
    前記生成ステップにおいて、前記検出信号に対する前記駆動信号の位相差である進角を、前記回転速度と目標速度との差である速度偏差に基づいて設定し、該設定された進角に基づいて前記駆動信号を生成する第1の制御と、該第1の制御とは異なる第2の制御が実行され、
    該第2の制御は、前記速度偏差が所定偏差以上になり、かつ前記進角が所定の上限値である上限進角に達することに応じて実行されることを特徴とするコンピュータプログラム。
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