JP6224583B2 - 血液分析器の較正および評価 - Google Patents

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Description

[関連出願に関する相互参照]
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2011年7月22日に出願された米国仮特許出願第61/510,614号、2011年7月22日に出願された米国仮特許出願第61/510,710号、および2012年2月23日に出願された米国仮特許出願第61/602,484号に基づく優先権を主張する。これらの出願の開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本開示は、血液分析器から得られた性能データを表示することに関する。
単一の自動化システム、および複数のシステムでの、分析結果の一貫性および再現性を確実にすることは、自動の血液分析の重要な側面である。血液学の分野において、システム性能を評価するための、管理組成物および較正組成物が知られている。以下の開示により、血液分析器を含む検査室用自動機器による管理試料およびキャリブレータの処理から得た、様々な種類の性能測定データを表示およびレビューすることを可能にする、新規な方法およびシステムが提供される。
本明細書に開示される方法およびシステムは、血液分析器を含む検査室用自動機器(以下、「血液学機器」、または単に「機器」ともいう)による管理試料およびキャリブレータの処理から得た、様々な種類の性能測定データの表示およびレビューを可能にする。技術者が、データだけでなく測定結果中の事象や傾向(例えば、機器の性能、手段における長期ドリフト、変動性の増加に影響する、特異な事象)も容易に見ることができるように、データが表示される。コントロールが特定の機器で分析された頻度についての情報を技術者に提供するために、結果は時間軸に沿っても表示される。機器の性能を経時的に評価するために、管理試料から最近測定されたデータは、異なる試料や、異なる管理組成物および較正組成物のロットの試料中から得られた古いデータと一緒に表示され得る。
一般に、第1の態様において、本開示は、全血球計算(「CBC」)のパラメータの測定値を表示する方法を特徴付け、この方法は、精度管理組成物の第1のロットからの複数の試料から得られた、CBCパラメータの測定値を表示することを含み、これは、CBCパラメータの測定値が得られた時刻に対応する第1次元と、CBCパラメータの数値に対応する第2次元とを含む、二次元の座標系を特徴とするプロット上に、第1のロットから得られた各測定値に対応するマーカーを表示することを含んでいる。
この方法の実施形態は、以下の特徴の1つまたは2つ以上を含み得る。
第1のロットに対応するマーカーはそれぞれ、第2次元に沿って座標値を有していてもよく、この第2次元に沿った座標値は、第1のロットに関して、マーカーに関連付けられるCBCパラメータの測定値と、CBCパラメータの測定値の平均との間の差に基づいて、計算され得る。第2次元に沿った座標値は、第1のロットに関するCBCパラメータの測定値の標準偏差に基づき、その差をスケーリングすることにより計算され得る。
この方法は、精度管理組成物の第2のロットからの複数の試料から得られた、CBCパラメータの測定値を表示することを含んでいてもよく、これは、第2のロットから得られた各測定値に対応するマーカーを、プロット上に表示することを含んでいる。第2のロットに対応するマーカーはそれぞれ、第2次元に沿って座標値を有していてもよく、この第2次元に沿った座標値は、第2のロットに関して、マーカーに関連付けられるCBCパラメータの測定値と、CBCパラメータの測定値の平均との間の差に基づいて、計算され得る。第2のロットに対応するマーカーに関する、第2次元に沿った座標値は、第2のロットに関するCBCパラメータの測定値の標準偏差に基づき、その差をスケーリングすることにより計算され得る。
この方法は、CBCパラメータの測定値の第2のセットを表示することを含んでいてもよく、この表示は、二次元の座標系を特徴とする第2のプロット上に、測定値の第2のセットのそれぞれに対応するマーカーを表示することを含んでいる。第2のプロットの二次元の座標系は、CBCパラメータの測定値の第2のセットが得られた時刻に対応する、第1次元を含んでいる。第2のプロットの第1次元は、第1のロットから得られたCBCパラメータの測定値のプロットの、第1次元と同一である場合もある。第2のプロットの第1次元と、CBCパラメータの測定値のプロットの第1次元とは、全く同じようにスケーリングされ得る。
CBCパラメータの測定値の第2のセットは、試料の第1のロットから取得され得る。CBCパラメータの測定値の第2のセットは、第1のロットとは異なる、精度管理組成物の第2のロットの、複数の試料から取得され得る。
この方法は、第1および第2のロットのそれぞれに対応するマーカーのそれぞれを、ユーザが選択可能なコントロールとしてユーザインタフェース上に表示することを含み得る。この方法は、コントロールの1つがユーザによって選択されると、マーカーに関連付けられるCBCパラメータの値を表示することを含み得る。またこの方法は、コントロールの1つがユーザによって選択されると、第2次元に沿って延びる軸に隣接するコントロールに対応するロットの測定値に関連付けられる、平均値および標準偏差を表示することを含み得る。
ユーザインタフェースは、複数のマーカーを選択するための、ユーザが選択可能なコントロールを含んでいてもよく、この方法は、ユーザが選択可能なコントロールを作動させることによって複数のマーカーが選択されると、選択されたマーカーに対応するCBCパラメータの測定値の分布についての統計情報を表示することを含み得る。ユーザインタフェースは、第2のロットに対応するマーカーを表示するための、ユーザが選択可能なコントロールを含んでいてもよく、この方法は、コントロールが動作を停止させると、第2のロットに対応するマーカーをプロットから削除することを含み得る。
この方法は、複数の異なる測定時間で、第1のロットに対応するCBCパラメータの測定値の平均値を決定し、その平均値に対応するマーカーをプロット上に表示することを含み得る。
ユーザインタフェースは、第1の座標に沿った時間的な順序を逆にするための、ユーザが選択可能なコントロールを含んでいてもよく、この方法は、コントロールが作動されると、第1の座標に対応する方向に沿って、第1のロットに対応するマーカーのそれぞれを逆順に表示すること、および第2のロットに対応するマーカーのそれぞれを、その方向に沿って逆順に表示することを含み得る。
またこの方法の実施形態は、必要に応じて、本明細書に開示される他のあらゆる特徴またはステップを、あらゆる組み合わせで含み得る。
別の態様において、本開示は、複数の血液分析器から得られた全血球計算(「CBC」)の分析結果を表示する方法を特徴付け、この方法は、第1の血液分析器を用いて測定された試料に関する、少なくとも1つのCBCパラメータ値の第1のセットをユーザインタフェース上に表示すること、および、第2の血液分析器を用いて測定された試料に関する、少なくとも1つのCBCパラメータ値の第2のセットをユーザインタフェース上に表示することを含み、このユーザインタフェースは、第1のセットまたは第2のセットを選択するためのユーザが選択可能なコントロールを含んでいる。この方法はさらに、コントロールを作動させることによって値の第1のセットおよび第2のセットの1つが選択されると、選択された値のセットに基づいて他の値のセットをスケーリングすることを含んでいる。
この方法の実施形態は、以下の特徴の1つまたは2つ以上を含み得る。
値の第1のセットは、第1の血液分析器を用いて測定された少なくとも1つのCBCパラメータの平均値を含むことができ、値の第2のセットは、第2の血液分析器を用いて測定された少なくとも1つのCBCパラメータの平均値を含むことができる。
この方法の実施形態は、必要に応じて、本明細書に開示される他のあらゆる特徴またはステップを、あらゆる組み合わせで含み得る。
さらなる態様において、本開示は、全血球計算(「CBC」)パラメータの測定値を表示するためのシステムを特徴付け、このシステムは、ユーザインタフェースと、精度管理組成物の第1のロットからの、複数の試料から得られたCBCパラメータの測定値を表示するように構成される電子プロセッサとを含み、この表示は、第1のロットから得られた各測定値に対応するマーカーを、二次元の座標系を特徴付けるプロット上でユーザインタフェース上に表示する。この二次元の座標系は、CBCパラメータの測定値が得られた時刻に対応する第1次元と、CBCパラメータの数値に対応する第2次元とを含んでいる。
このシステムの実施形態は、以下の特徴の1つまたは2つ以上を含み得る。
第1のロットに対応するマーカーはそれぞれ、第2次元に沿って座標値を有していてもよく、電子プロセッサは、第1のロットに関する、マーカーに関連付けられるCBCパラメータの測定値と、CBCパラメータの測定値の平均との間の差に基づき、第2次元に沿った座標値を計算するように構成され得る。また電子プロセッサは、第1のロットに関するCBCパラメータの測定値の標準偏差に基づきその差をスケーリングすることにより、第2次元に沿った座標値を計算するように構成され得る。
電子プロセッサは、精度管理組成物の第2のロットからの、複数の試料から得られたCBCパラメータの測定値を表示するように構成でき、この表示は、第2のロットからの各測定値に対応するマーカーを、ユーザインタフェースのプロット上に表示することを含み得る。第2のロットに対応するマーカーはそれぞれ、第2次元に沿って座標値を有していてもよく、電子プロセッサは、第2のロットに関連する、マーカーに関連付けられたCBCパラメータの測定値と、CBCパラメータの測定値の平均との間の差に基づき、第2次元に沿った座標値を計算するように構成され得る。また電子プロセッサは、第2のロットに関するCBCパラメータの測定値の標準偏差に基づきその差をスケーリングすることにより、第2のロットに対応するマーカーに関する、第2次元に沿った座標値を計算するように構成され得る。
電子プロセッサは、CBCパラメータの測定値の第2のセットを表示するように構成でき、この表示は、測定値の第2のセットのそれぞれに対応するマーカーを、二次元の座標系を特徴付けるユーザインタフェースの第2のプロット上に表示することを含んでおり、第2のプロットの二次元の座標系は、CBCパラメータの測定値の第2のセットが測定された時刻に対応する、第1次元を含んでいる。第2のプロットの第1次元は、第1のロットから得られたCBCパラメータの測定値のプロットの、第1次元と同一であってもよい。第2のプロットの第1次元、およびCBCパラメータの測定値のプロットの第1次元は、まったく同じようにスケーリングされ得る。
CBCパラメータの測定値の第2のセットは、試料の第1のロットから取得され得る。CBCパラメータの測定値の第2のセットは、第1のロットとは異なる、精度管理組成物の第2のロットの、複数の試料から取得され得る。
電子プロセッサは、第1および第2のロットのそれぞれに対応するマーカーのそれぞれを、ユーザが選択可能なコントロールとしてユーザインタフェース上に表示するように構成され得る。電子プロセッサは、コントロールの1つがユーザによって選択されると、そのマーカーに関連付けられるCBCパラメータの値をユーザインタフェース上に表示するように構成され得る。また電子プロセッサは、コントロールの1つがユーザによって選択されると、第2次元に沿って延びる軸に隣接するコントロールに対応するロットの測定値に関連付けられる、平均値および標準偏差をユーザインタフェース上に表示するように構成され得る。
ユーザインタフェースは、複数のマーカーを選択するための、ユーザが選択可能なコントロールを含むことができ、電子プロセッサは、ユーザが選択可能なコントロールを作動させることによって複数のマーカーが選択されると、選択されたマーカーに対応するCBCパラメータの測定値の分布についての統計情報を、ユーザインタフェース上に表示するように構成され得る。ユーザインタフェースは、第2のロットに対応するマーカーを表示するための、ユーザが選択可能なコントロールを含むことができ、電子プロセッサは、コントロールが動作を停止されると、第2のロットに対応するマーカーを、ユーザインタフェース上のプロットから削除するように構成され得る。
電子プロセッサは、複数の異なる測定時間で、第1のロットに対応するCBCパラメータの測定値の平均値を決定し、その平均値に対応するマーカーを、ユーザインタフェースのプロット上に表示するように構成され得る。
ユーザインタフェースは、第1の座標に沿った時間的な順序を逆にするための、ユーザが選択可能なコントロールを含むことができ、電子プロセッサは、コントロールが作動されると、第1の座標に対応する方向に沿って、第1のロットに対応するマーカーのそれぞれを逆順に表示し、第2のロットに対応するマーカーのそれぞれを、その方向に沿ってユーザインタフェース上に逆順に表示するように構成され得る。
このシステムの実施形態は、必要に応じて、本明細書に開示される他のあらゆる特徴を、あらゆる組み合わせで含み得る。
定義されない限りは、本明細書で用いる技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって通常理解される意味と同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または等しい方法および材料が、本発明の実施または検査において用いられ得るが、適切な方法および材料は以下に記載される。本明細書で言及される全ての出版物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりその全体が組み込まれている。争いがある場合、定義を含む本明細書が考慮される。また、材料、方法および実施例は例示的なものであって、限定を意図するものではない。
1つまたは2つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および下記の記載に示される。他の特徴および利点は、明細書、図面および請求項から明らかとなるだろう。
精度管理試料の複数のロットに関する、ヒストリーの精度管理データを表示するグラフィカルユーザインタフェースの画像である。 精度管理物質の1つのロットに関する、精度管理データを表示するグラフィカルユーザインタフェースの画像である。 精度管理物質の1つのロットに関する、精度管理データを表示するグラフィカルユーザインタフェースの画像である。 精度管理物質の1つのロットに関する、精度管理データを表示するグラフィカルユーザインタフェースの画像である。 機器性能における傾向を監視するための、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 1つまたは2つ以上の機器で生じるモード間の比較データを報告する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 1つまたは2つ以上の機器で生じるモード間の比較データを報告する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 機器間の比較データを報告する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 機器用の再現データを報告する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 機器用の再現データを報告する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。 試料分析のための自動システムの概略図である。 赤血球画像を取得および表示するための一連のステップを示すフローチャートである。 試料画像を取得するためのシステムの概略図である。 試料画像中に赤血球を配置するための一連のステップを示すフローチャートである。 細胞の概略的な画像である。 2つの細胞、および細胞のそれぞれに対して定められた凸包を示す概略図である。 血液分析器の性能を評価するために測定結果を表示する、コンピュータシステムの概略図である。
様々な図面における同様の参照符号は、同様の要素を示す。
全血球計算(CBC)は、患者の全体的な健康状態を判断するために一般的に用いられている、広範のスクリーニング検査である。CBCは、異なる血液組成に関連する様々なパラメータを測定する。これらは通常、白血球数(例えば、血液の単位体積あたりの白血球の数)、白血球百分率(例えば、試料中に存在する好中球、リンパ球、単球、好酸球、および好塩基球の数)、赤血球数(例えば、血液の単位体積あたりの赤血球の数)、ヘモグロビン、ヘマトクリット(例えば、全血の所定体積中の、赤血球の割合)、血小板数(例えば、血液の単位体積あたりの血小板の数)、平均細胞体積(例えば、赤血球の平均体積)、平均細胞ヘモグロビン(例えば、赤血球あたりのヘモグロビンの平均量)、平均細胞ヘモグロビン濃度(例えば、赤血球あたりのヘモグロビンの平均濃度)、および赤血球分布幅(例えば、試料中の赤血球の大きさの差)を含んでいる。CBCの結果は、患者が健康であることを示したり、様々な感染症を含む様々な疾患、貧血症、およびその他の生理学的状態の兆候を表したりできる。CBCの測定は複数の測定を伴うため、CBCを手動で行うには時間がかかり、また技術者の直接的な介入により一貫性に欠けやすい。
したがって、システムおよび方法は、自動のCBC測定を行うために発展されてきた。後の考察において、例示的な目的で、一例として赤血球の分析について言及する。しかしながら、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、白血球および血小板を含む異なる様々な血液組成、ならびに本明細書に開示される他のCBCパラメータを分析するために用いられ得る。
一般的な考察
グラフィカルユーザインタフェースは、レビューされている試料に関して、本明細書に開示されるシステムによって決定される様々な統計情報および測定基準を提供するために用いられる。この情報は、以下の試料中の赤血球に関連するもののいずれをも含み得る。
(a)106/マイクロリットルの単位で記録され得る、試料中の赤血球数(RBC)
(b)赤血球数と平均細胞ヘモグロビン濃度との積から計算でき、g/dLの単位で記録され得る、試料中のヘモグロビン濃度(Hgb)
(c)平均細胞体積と試料体積で割られた赤血球の合計数との積から計算でき、百分率で記録され得る、試料のヘマトクリット(Hct)
(d)fLの単位で記録され得る、平均細胞体積(MCV)
(e)pgの単位で記録され得る、平均細胞ヘモグロビン(MCH)
(f)MCH/MCVの比率として計算でき、赤血球中のヘモグロビンの濃度に対応する、g/dLの単位で記録され得る平均細胞ヘモグロビン濃度(MCHC)
(g)試料中で特定され調べられた個別の赤血球の体積平均で割られた、個別の赤血球体積の標準偏差から計算でき、百分率で記録され得る赤血球分布幅(RDW−CV)
(h)試料中の赤血球体積の分布のヒストグラムに基づき決定され得る、赤血球分布幅(RDW−SD)
(i)試料中の有核赤血球の数に対応し、103/マイクロリットルの単位で記録され得る、有核赤血球数(NRBC)
(j)試料中で特定された有核細胞、すなわち赤血球の割合と対応する、有核赤血球の割合(NRBC%)
(k)試料中の網状赤血球の数に対応し、106/マイクロリットルの単位で記録され得る、網状赤血球(Retic)
(l)網状赤血球と特定された試料中の全ての赤血球の割合に対応する、網状赤血球の割合(Retic%)
(m)網状赤血球中のヘモグロビン濃度に対応し、g/dLの単位で記録され得る、網状赤血球ヘモグロビン(RetHE)
また、報告される情報は、試料に関する血小板数についての情報(103/マイクロリットルの単位で記録され得る、PLT)、および/または、平均血小板体積の測定値(fLで記録され得る、MPV)を含み得る。
報告される情報は、試料中の白血球に関連付けられる1つまたは2つ以上の測定基準をさらに含み得る。これらの測定基準は、以下のものを含んでいる。
(a)103/マイクロリットルの単位で記録され得る、試料の白血球数(WBC)
(b)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中での好中血球の割合(%NEUT)で記録され得る、試料の好中血球数(NEUT)
(c)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中でのリンパ球の割合(%LYMPH)で記録され得る、試料のリンパ球数(LYMPH)
(d)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中での単球の割合(%MONO)で記録され得る、試料の単球数(MONO)
(e)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中での好酸球の割合(%EOS)で記録され得る、試料の好酸球数(EOS)
(f)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中での好塩基球の割合(%BASO)で記録され得る、試料の好塩基球数(BASO)、および
(g)103/マイクロリットルの単位、および/または、試料中の全ての白血球の中での分類されていない細胞の割合(%UC)で記録され得る、分類されていない細胞数(UC)
既に記載したように、上述の赤血球、白血球および血小板のパラメータは、CBCの基礎を形成するために患者の試料について測定され得る。表1は、システムにより報告され得る様々なCBCパラメータに対する例示的な上限および下限の閾値を示し、技術者はこれらのパラメータに基づき、患者の試料に関連付けられる1つまたは2つ以上のパラメータが、許容可能な範囲の外にあるかどうかを判断し、この情報を用いて患者の病的状態を検出または特定できる。
Figure 0006224583

Figure 0006224583
血液分析器の評価
単一の自動化システム、および複数のシステムからの分析結果の、一貫性および再現性を確実にすることは、自動血液分析の重要な側面である。正確な分析結果を得るためには、正確な初期較正が必要とされるだけではなく、分析結果が、一貫性があり比較できるものであり続けることを確実にするために、システムも経時的に較正され続けるべき(または再較正されるべき)である。本明細書に開示されるシステムおよび方法は、異なる時間に生じた(例えば、管理試料のロットが、連続して数回分析される場合)分析間での比較を容易にし、モード間および機器間の変動性を評価するために、管理試料およびキャリブレータを分析できる。詳細には、本明細書に開示される方法およびシステムは、自動血液分析器の精密度および正確度を評価するために、精度管理、較正、再現可能性および性能データを計算および報告(例えば、ディスプレイユニット上に)するように構成される、電子プロセッサを含んでいる。このような機器を用いる検査技師のために、このような精度管理や較正の測定だけでなく、性能検査も行うために、検査室では通常、アッセイされた材料を利用する。これらの工程は、後で説明するように、例えば、表1に示すようなCBCで測定される1つまたは2つ以上のパラメータ(例えば、白血球(「WBC」)百分率)、および/または、図5Aのサマリーデータブロック2415に示すパラメータの1つまたは2つ以上(例えば、「パラメータ」列に列挙)などの、全血のパラメータを測定する工程を伴う。
一般に、キャリブレータは、機器の精度を較正および/または検査するために用いられる、公知のCBCパラメータ値を有する調製試料である。管理試料は、機器の性能を確認するために定期的に分析される、公知のCBCパラメータ値を有する調製試料である。管理試料およびキャリブレータは、例えば、Strek, Inc.(ネブラスカ州、オマハ)、Bio−Rad Laboratories(カリフォルニア州、ハーキュリーズ)、R&D Systems(ミネソタ州、ミネアポリス)から市販されている。
通常、キャリブレータおよび管理試料は、動物またはヒトの全血試料からの、安定した細胞製剤を含んでいる。これらの組成物は、公知の異なるCBCパラメータのレベルを含むように、例えば、別々の低レベル、通常、および高レベルの組成物に作られ得る。通常の患者の血液試料のように操作および検査されると、管理試料およびキャリブレータは、全赤血球;ヘモグロビン;ヘマトクリット;平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン、および平均赤血球ヘモグロビン濃度を含む赤血球の指標;赤血球分布幅;全白血球;好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、および幼若白血球を含む様々な白血球の、白血球百分率;全血小板;ならびに平均血小板体積などの、全血球計算の様々なパラメータに関する値を提供する。管理試料から得られたこれらのパラメータの測定値が予測範囲外である場合、試料が処理される機器は、患者の試料の分析において誤った結果を報告するおそれがある。通常、CBCパラメータの予測範囲は、管理試料と比べるとキャリブレータの方が小さい。
本明細書で用いる場合、「ロット」という語は、管理試料またはキャリブレータ試料のバッチのことをいう。名目上は、ロット中の各試料は、ほぼ同一の各CBCパラメータの値を有するが、実際には、CBCパラメータのそれぞれの値は試料によって変わるので、各ロットは、各CBCパラメータの値の範囲と対応する。通常、ロット中の試料は、CBCパラメータのそれぞれの予測値を有するように作られている。公知のCBCパラメータの範囲を有するロットを機器上で分析することにより、機器の性能が検証され得る。同一のロットからの1つまたは2つ以上の試料は、CBCパラメータの測定値における変化を検出するために、複数回異なる時に再分析でき、これは機器の性能における変化についての情報を提供できる。
一般に、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、機器の評価および較正の、複数の異なるモードを提供する。第1モードにおいて、機器は、患者の血液試料を処理する方法と同様の方法で、1つまたは2つ以上のキャリブレータを処理する。様々なCBCパラメータの値はキャリブレータについて公知であるので、この処理の結果は機器を較正するために用いられる。
第2モードにおいては、機器の性能を検証するために、1つまたは2つ以上の管理試料が間隔を置いて処理される。管理試料は、患者の血液試料と同様の方法で、機器によって処理される。様々なCBCパラメータの値は管理試料について公知であるので、これらのパラメータの測定値を、管理試料の公知の値と比較することによって、機器の性能が評価され得る。
第3モードにおいては、(1つの)機器の再現性が評価される。試料(患者からの血液試料または調製試料でもよい)は、(1つの)機器上で数回にわたって連続して(例えば、他の試料が介入することなく)処理され、様々なCBCパラメータの値は、各処理実行(processing run)の間に測定される。その機器の精度(「実行中(within-run)」の精度ともいう)を決定するために、パラメータの測定値間の変動性が評価される。
第4モードにおいて、全血試料(通常は患者の血液試料であるが、調製試料であってもよい)は、異なる機器において、同一または異なる機器で異なるモードを用いて、または一日や一週間といった所定期間の間の異なる時間に処理される。これらの処理実行から測定されたCBCパラメータは、複数の機器、複数の機器モード、および/または異なる時間での一貫性に関して比較される。異なる時間での結果の比較は、「患者管理」評価と呼ばれ、異なる処理モードの結果の比較は、「モード間」評価と呼ばれる。異なる機器の処理結果間の比較は、「分析器間」評価と呼ばれる。
第5モードにおいて、パラメータ値が経時的に「ドリフトしている」かどうかを判断するために、患者の試料から得られた1つまたは2つ以上の測定されたCBCパラメータの、母平均値が分析される。各試料に関するパラメータ値は、各試料が処理されるときに平均値を再計算するために、自動的に用いられ得る。この評価モードは、評価のためにキャリブレータや管理試料に依存するのではなく、例えば、患者の試料のルーチン処理の間、経時的に、患者の試料について測定されたCBCパラメータの1つまたは2つ以上の平均値を自動的に追跡する。
下にさらに記載されるように、異なる評価モードに関連付けられる性能データの生成および表示は、1つまたは2つ以上の機器に関する、1つまたは2つ以上の処理モードの迅速かつ正確な性能評価のために最適化され得る。
図1Aは、自動の血液分析器から生成された精度管理データを表示する、グラフィカルユーザインタフェースの画像である。ディスプレイは、ヒストリーデータブロック2010およびサマリーデータブロック2015を含んでいる。ヒストリーデータブロック2010は、コントロールボックス2030のユーザが選択可能な「ヒストリーを含む」というオーバーレイ機構に基づいて、精度管理組成物の単一のロットまたは複数のロットのどちらかに関する結果を報告する。コントロールボックス2020はアクティブな精度管理組成物のロットを示し、精度管理試料の他のロットを選択的に表示するために用いられ得る、ドロップダウンメニューを含んでいる。コントロールボックス2025は、精度管理データを報告する特定の機器(例えば、図1Aのブラッドハウンド(Bloodhound)機器1)を示す。他の機器に関する精度管理データは、コントロールボックス2025内のドロップダウンメニューを通して評価され得る。
サマリーデータブロック2015は、機器で測定される、表1に列挙される各CBCパラメータに関する精度管理データを報告する。表1に列挙されたり、図5Aに示されたりしている付加的なパラメータ(例えば、平均細胞体積、ヘマトクリット、平均細胞ヘモグロビン)などの、図1Aに示されていない付加的なCBCパラメータに関するデータは、スクロールバー2010bを用いてアクセスされ得る。図1Aに示すように、サマリーデータブロック2015は、白血球(WBC)および赤血球(RBC)を計数し、赤血球のヘモグロビン量(HGB)を測定するために、システムの能力に関連する精度管理データを報告する。データブロック2010および2015は、有利には、単一の、統合されたディスプレイで複数のレベルの精度管理データを報告でき、ディスプレイスクリーンや印刷された報告ごとに、レベルごとを基礎としてこのようなデータを報告すること(これは複数の制御レベル間での直接的な比較を困難にし得る)のみに制限されない。一例として、図1Aを参照すると、サマリーデータブロック2015のWBC数部分は、低い白血球レベルを含む精度管理組成物(2070a)、標準の白血球レベルを含む精度管理組成物(2070b)、および高い白血球レベルを含む精度管理組成物(2070c)に対応する、精度管理データを報告するために、3つの個別のサブセクションを含んでいる。例示のみを目的として、これらの、白血球レベルが低い、標準、および高い組成物は、それぞれ、3.5×109/L未満、7.5〜9.5×109/L、および16.0×109/Lを超える、予測白血球数を含むように製造されてもよい。より一般的には、広範囲の予測白血球数(および/または他のCBCパラメータ)を有する、製造された精度管理組成物は、測定され、データブロック2010および2015で報告され得る。白血球値が低い、標準、および高い精度管理組成物に関するデータは、図1Aに示すような、RBCおよびHGBなどの他の全血球計算パラメータ、および/または、表1に列挙した付加的なパラメータのいずれかに関して報告され得る。
それぞれが独自の異なる特定のCBCパラメータ値を有する、異なるレベル(例えば、3つ)の管理試料に関する測定結果の表示には、多数の重大な利点がある。コントロールの複数のレベルに関するパラメータ値を表示することにより、全ての管理レベルで同時に起こるドリフトなどの傾向を検出できる。さらに、この方法でパラメータ値を表示することにより、1つの管理レベルで起こり(例えば、1つのCBCパラメータ値の範囲内で)、他のレベルでは起こらないドリフトなどの傾向を検出できる。また、このような表示は、従来の結果の表示に比べて、単一の表示スクリーンに表示されるデータ量が多くなり、より迅速な機器の評価を容易にするという、複合的な利点を提供する。
より一般的には、管理試料が特定のCBCパラメータの異なる範囲に対応しているか否かにかかわらず、測定結果は、複数の管理試料に関して並行して表示され得る。管理試料は、上述のように、顕著に異なるパラメータ値を有し得る。代替的には、管理試料は、特定のCBCパラメータについて同様の値を有し得る。管理試料が特定のCBCパラメータについて同様の値を有する場合、管理試料間での分析結果の違いは、管理試料に対応するCBCパラメータ値の範囲内での、分析結果間でのドリフトを評価するために用いられ得る。
いくつかの実施形態において、複数の分析機器で分析される共通の管理試料の分析から得られた結果は、並列してプロットされ得る。分析結果間の差は、機器間での経時的な変動性(例えば、ドリフト)を評価するために用いられ得る。機器の1つまたは2つ以上が正確に較正されることが知られている場合、他の機器の、正確に較正された状態からの逸脱は、追跡され、表示ブロック2010に容易に視覚化され得る。
電子プロセッサ(例えば、血液分析器に関連付けられるプロセッサ、血液分析器に接続されたビューイングステーションに関連付けられるプロセッサ、またはその両方)は、図1Aのデータブロック2010に示されるような、複数のレビー・ジェニングス(Levey-Jennings)法によるプロットを用いた、精度管理データの表示を可能にする。測定データは時間の関数としてプロットされ、横軸に沿って示される。各プロットの縦軸は、目標の平均値を中心とし、測定値に関して目標の標準偏差にしたがってスケーリングされる(例えば、レビー・ジェニングス法で)。このようにして、個別の測定値およびそれらに関連する平均値の間の顕著な差は、異なるプロットやディスプレイ間でも、共通のスケールで比較できる。すなわち、平均値、測定値、および平均値からの移動値の絶対的な数値はプロットごとに異なっていてもよいが、測定され、標準偏差の単位でスケーリングされた、平均値からの特定の移動値は、希少性(rarity)の観点から異なるプロット間で比較できる。さらに、図1Aに示すように、それぞれが平均および標準偏差を有する、複数の重なり合う線(例えば、それぞれが特定のロットに対応する)は、全ての線が同一の縦軸にスケーリングされるようにプロットされ得る。
図1Aに示す精度管理データの表示は、従来の管理データの報告に比べて、多数の利点を有している。例えば、測定された管理値を時間の関数として横軸にプロットすることにより、技術者は、特定のロットが分析された順序だけでなく、ロットが分析された時刻も容易に見ることができる。ゆえに、技術者は、特定のロットが単一の分析期間(例えば、一群の点)にわたって繰り返し実行されているかどうか、または特定のロットの処理の間に実質的な間隔が生じたかどうか(例えば、管理が予測時刻に実行されなかったときの間隔)を判断できる。さらに、上で説明したように、標準偏差にしたがってスケーリングされた測定値を縦軸に表示することは、ロット間の直接的な比較を容易にし、これはパラメータ値が固定の数字目盛りでプロットされている場合、より困難になるおそれがある。特に、異なる平均および/または標準偏差を有するロットを容易に比較できる。
管理試料の異なるロットからのデータが並列に表示される場合(例えば、ヒストリーモード)、2つのデータ点が一時的に近接して生じると技術者は容易に見ることができる。2つの点が、同一の機器でほぼ同時に処理された異なるロットに対応している場合、データ点は潜在的に信頼できないものとしてフラグ付けされ得る。
分析結果が複数のロットの特定のCBCパラメータに関してプロットされるように、ヒストリー上書きモードがデータブロック2010に対して有効にされると、技術者は検査期間を調べて、新しいロットが機器に導入される間、機器が古いロットによる制御下にあることを確かにする。さらに、現在および過去のロットは、単線の一部であるかのように容易に比較でき、非常に低速なドリフトおよび/または低速な変動性の増加など、現在のデータおよびヒストリーデータの両方に存在し得る傾向を調べるために、技術者はデータをレビューする。
データブロック2010に示すプロットは多数の利点を提供するが、他の表示モードも可能である。例えば、いくつかの実施形態においては、単一のパラメータレベル(例えば、「通常の」WBC数)のみに関する測定値が表示されるが、ディスプレイは複数の機器からの測定値を並列して含んでいる。このようなディスプレイにより、性能評価に関する機器間での直接的な比較が容易となる。
特定の実施形態において、データブロック2010に示される測定値のサブセットに関して、サマリー統計値が表示され得る。サマリー統計値は、例えば、サブセット中の測定値の数、測定値の平均、標準偏差、変動係数、および/または、百分率の二乗平均平方根偏差を含むことができる。他の表示され得る統計的測定基準には、サブセット内の最小および/または最大の測定値、値の範囲、中央値および非対象が含まれる。
例えば、技術者は、データブロック2010の複数のデータ点の周りの境界ボックスをクリックおよびドラッグすることにより、プロット中の1つの測定値のサブセットを選択できる。選択された点に関連する数値を特徴付けるサマリー統計値は、この選択が、例えばポップアップウィンドウで完了すると表示される。技術者は、要望に応じて、1つの点のサブセットを他のものと比較するために、他の点のサブセットを選択し、同様の統計的測定基準を視覚化できる。例えば、技術者は、ラインの始めの、最初のいくつかのデータ点に関するサマリー統計値を、ラインの終わりの、最後のいくつかのデータ点に関する統計値と比較し得る。このような比較により、例えば、平均および/または標準偏差などの特定の統計的測定基準が経時的に変化しているかどうかを明らかにできる。
サマリーデータブロック2015のサブセクション2070aは、低レベルの白血球量を含む管理試料に関して報告されたデータのサマリーを、2070dに示す。低レベルWBCのコントロールに関して報告された各データ値に対応する説明文は、部分2070dの上部に現れる。量「n」は、特定の全血球計算パラメータを測定するために1つまたは2つ以上の精度管理試料が処理された回数を示す(例えば、低レベル白血球数に関する61回の精度管理測定が、部分2070dに報告されている)。「SD」は、特定の全血球計算パラメータに関して報告された測定値における標準偏差を示す(例えば、部分2070dに報告されるように、低レベル白血球数の精度管理測定では、0.2×103/μL)。「Mean」は、特定の全血球計算パラメータに関して報告された全ての測定値に関する平均または平均値を示す(例えば、白血球数の61回の測定値に基づき部分2070dに報告されるように、低レベルの白血球を含んでいる精度管理組成物では、マイクロリットルあたりの白血球が、3.4×103)。「CV」は、特定の全血球計算パラメータに関して報告された測定値の変動係数を示す(例えば、部分2070dに報告されるように、低レベルの白血球数の精度管理測定では、4.4%)。図1Aに示すように、「n」、「SD」、「Mean」、および「CV」の値は、複数の全血球計算パラメータ(例えば、サマリーデータブロック2015に示される、RBCやHGB)および各パラメータの複数のレベル(例えば、サマリーデータブロック2015に示される、低い、標準、および高いレベルのRBC数)に関して報告される。
精度管理データは、ツールおよび血液学機器を報告する従来の精度管理データとは対照的に、図1Aに示すように複数の試料または複数の精度管理組成物のロットにわたって報告される。これら従来のツールおよび機器は、通常、精度管理組成物の単一のロットまたは試料のみに関するデータを提供し、ロット間または試料間の比較を行う能力は有さない。この単一のロットまたは単一の試料の報告は、今度は、検査技師の、精度管理データの傾向を見る能力を、報告された特定のロットまたは試料に限定する。本明細書に記載のシステムは、有利には、例えばヒストリー上書き方式で、精度管理物質の複数のロットまたは試料に関して、精度管理データを報告し得る。これにより、技術者の、機器性能の傾向を観察および監視する能力、特に、範囲外の精度管理データが、所定の精度管理物質のロットまたは試料に特異な問題に関連しているかどうかを評価する能力、もしくは、機器が適切に機能していないということ、またはメンテナンスを必要とすることを示す能力が向上する。さらに、コントロールの複数のレベルに影響するおそれのある一回限りの事象は、本明細書に開示される方法およびシステムを用いて検出され得る。例えば、技術者は、短い期間内で、コントロールの複数のレベルが管理試料の予測値よりも顕著に高いことを観察でき、これは特定の時点で機器に影響を及ぼす一時的な事象を示し得る。別の例として、技術者は、コントロールの複数のレベルに関する測定されたパラメータ値が、ほぼ同時に「ステップアップ(stepped up)」または「ステップダウン(stepped down)」した(例えば、体系的に高くまたは低く変化した)ことを観察でき、これは機器性能に影響を及ぼした一回限りの事象を示す。
図1Aを参照すると、例として、低レベルの白血球を含む精度管理組成物の、3つの異なるロットに関する精度管理データは、サマリーデータブロック2015の部分2070dに隣接するレビー・ジェニングスプロットに報告される。精度管理組成物の3つの異なるロット2040、2050、および2060のそれぞれに関する白血球数データは、図1Aのデータブロック2010に示される。色および他の従来の表示は、データブロック2010で報告される様々な精度管理ロットに対応するデータを区別するために用いられ得る。プロットの部分2040、2050、および2060内の各ドットは、精度管理組成物の特定のパラメータに関する、所定時間での単一の検査を表す。例えば、低レベルの白血球数のプロットに関する、2040とレベル付けされた上側のプロットにおいて、各検査の時刻は、プロットの横軸から容易に判断でき、これはデータブロック2010の上部にわたって表示されている。一般に、図1Aに示すように、古い精度管理データはデータブロック2010の右側の部分に現れ、新しい精度管理データはデータブロック2010の左側の部分に現れる。付加的な精度管理試料が処理されると、新しい精度管理データは表示ブロック2010に示すプロットの最も左の部分を追加し、それによりヒストリーデータをデータブロック2010の右側へと移す。スクロールバー2010aは、特定の期間の精度管理データを見るために用いられ得る。また、データブロック2010の下部にある「+」および「−」のボタンは、データプロットに対する時間スケールを増減させるために用いられ得る。
コントロールボックス2020は、データ報告のための、精度管理組成物のアクティブなロットを示す。ユーザ定義の基準に基づき、ロットを用いて評価されるパラメータ(例えば、CBCパラメータ)に関する、信頼できる平均、標準偏差、および/または、変動値の係数を生じさせるために、適切な数の精度管理検査が行われた後に、ロットはアクティブになる。例えば、所定の検査は、平均、標準偏差および変動係数に依存して、ロットを用いて新しい精度管理検査を評価する前に、精度管理組成物の任意の所定のロットに関して少なくとも10個の検査、20個の検査、30個の検査またはそれ以上を要し得る。例えば、図1Aにおいて、2050とラベル付けされたロットは、コントロールボックス2020で示されるような、精度管理物質のアクティブなロットを示す。図1Aに示すように、ロット2060は、新しい精度管理検査を行うために用いられる前に付加的な検査が必要な、精度管理物質の新しいロットに関する精度管理データを示し得る。
精度管理データが許容可能な範囲内にあるか、許容可能な範囲を画定する閾値に接近しているか、または許容可能な範囲の外にあるかを示すために、異なる表示形式が用いられ得る。例えば、所定のCBCパラメータに関して許容可能な範囲内にある報告データは、無地で単色の円形点を用いてプロットされ得る。図1Aに示すように、機器の能力を評価して、複数の精度管理組成物のロットにおける低レベルの白血球を正確に計数するための、全ての報告データが、プロットのロット2040、2050および2060の形式で示されるような許容可能な範囲内にある。この許容可能な範囲の上限および下限は、サマリーデータブロック2015の部分2070d、およびプロットの対応する点線部分によって示されており、すなわち、マイクロリットルあたり3.9×103の白血球、およびマイクロリットルあたり3.0×103の白血球である。部分2070dの中央値(すなわち、マイクロリットルあたり3.5×103の白血球)は、データ点を囲むボックスによって示されるような、プロット中の選択された精度管理データ点2070eを表す。例えば、マウスを用いてカーソルを合わせクリックすることにより、ユーザがプロット中の別の点を選択すると、部分2070dの中央値は選択されたデータ点を反映させるために変化する。また、除外された点からのデータが所定の全血球計算パラメータに関してn、SD、mean、およびCVを報告するために用いられるデータセット内に含まれないように、ユーザは、プロット内の1つまたは2つ以上の特定のデータ点を除外(例えば、選択を外すことにより)できる。
さらに実施例を参照すると、白血球数の多い管理試料に関する精度管理データは、サマリーデータブロック2015の部分2070c、および図1Aの部分2070cに関連付けられるレビー・ジェニングスプロットに現れる。高レベルの白血球を評価するための精度管理データプロットは、図1Aにおいて2070fおよび2070gとラベル付けられた2つの点を含んでいる。データ点2070fのフォーマットは、この、高レベル白血球のコントロール用の特定の検査が、報告された白血球パラメータの値の許容可能な範囲の上限に接近していることを示す。例えば、報告される結果が許容可能な範囲の外側限界の、1つの標準偏差単位内にある場合、または、報告される結果が測定値の平均を超える2つの標準偏差である場合、報告データが精度管理データの許容可能な範囲の上限または下限の閾値に接近していることをユーザに警告するために、ユーザ定義の特徴が設定され得る。特定の実施形態においては、点2070fにより表される警告指標器を設定するために、他の表示フォーマットおよび色も用いられ得る。データ点2070gは、高い白血球細胞数の特定の測定が、例えば3つ以上の標準偏差単位(例えば、臨床・検査標準協会、または他の当該技術で知られる検査基準設定機関や認証機関により推奨される)だけ許容可能な範囲の外にあることを示す。別の実施形態においては、特定の精度管理測定が許容可能な範囲の外にあることを示すために、他の表示フォーマットおよび色が用いられ得る。
一般に、測定値は、機器の状態を示すために、様々な色および他のフォーマットを用いて、データブロック2010に表示され得る。例えば、特定の点は、様々な状態識別子(例えば、「良好」、「警告」、「障害」および「除外」)にしたがって色付けされ得る。除外された点は、測定されたデータ点を接続して、その状態を表示ブロックに示すプロットラインから取り外され得る。いくつかの実施形態においては、技術者が、「障害」状態と定められた測定値の上に重なるようにポイント装置(例えば、マウスカーソル)を操作すると、インタフェースは、その障害の原因を示す動的に生成されたメッセージ(例えば、ツールチップ)を表示し得る。
図1B〜1Dは、ヒストリー上書き機能(例えば、コントロール2030)が選択されていない以外は、図1Aに示すものと同様の方法で報告された、アクティブな精度管理ロットに関する精度管理データを含む、ユーザインタフェースディスプレイを示す。図1Bは、所定のロット(ボックス2020に示すNo.2011110001)の、低レベル、標準レベル、および高レベルの精度管理組成物に関する精度管理データを示す。高レベルの精度管理物質のロットで測定されたCBCパラメータは、図1Cに示すインタフェースにおいて、「高」のタブコントロール2010cの下で報告されている。図1Cにおいて、標準レベルの精度管理物質のロットで測定されたCBCパラメータは、「標準」のタブ2010bの下で報告されている。低、通常、高、および全て、のタブ(図1Dにおいてそれぞれ2010a、2010b、2010c、および2010dとラベル付けされている)により、ユーザは、機器で処理された精度管理試料の、特定のレベルまたは全てのレベルに関する精度管理データに、迅速にアクセスできる。
本明細書に開示されるグラフィカルユーザインタフェースの実施形態は、測定されたパラメータ値の表示および機器性能の評価を容易にするために、様々な付加的な特徴を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、特定のロットを選択すると、選択されたロットの測定値がプロットの縦軸に数字目盛りでプロットされるように、そのロットに関連付けられるプロットを変える。上述のように、コントロールボックス2020はアクティブなロットを選択するために用いられ得る。代替的または付加的に、アクティブなロットは、特定のロット内のプロットされたデータ点をクリックして、ロットを「選択する」ことにより選択され得る(そしてコントロールボックス2020の表示が更新される)。特定のロットが選択されると、そのロットに関連する統計値(例えば、標準偏差SD、変動係数CV、および試料の測定回数n)が、インタフェースのポップアップ表示ボックスまたはサマリー領域に表示され得る。
特定の実施形態において、インタフェースは、作動されると、技術者が横軸に沿って表示を拡大または縮小できるようなコントロールを含んでいる。これにより、例えば、プロットされる測定値のサブセットや、ロットの1つに関する全ての範囲の測定値を見ることができる。ディスプレイは、全てのプロットに対して同時に、またはプロットの1つに対して個別にスケーリングされ得る。
いくつかの実施形態において、インタフェースは、作動されると、技術者がデータのヒストリー表示をオンおよびオフに切り替えることができるようなコントロールを含んでいる。例えば、図1Aのヒストリー表示ボックス2030を選択すると、ヒストリーの精度管理データを表示する。例えば、図1B〜1Dに示すようにヒストリー表示をオフにすると、技術者は単一のロットからのデータを見ることができる。またインタフェースは、技術者がデータのヒストリー表示を逆行することにより古いデータをレビューすることができる、レビューコントロール(例えば、図1Aのスクロールバー2010aなどのスクロールバー)を含み得る。ヒストリー表示がオフに切り替えられると、レビューコントロールは選択されたロットと一致する範囲までにロックされてもよく、これは技術者がこれに応じて、図1B〜1Dに示すような選択されたロットに関する第1のヒストリーデータ点を超えて逆行しないようにするためである。
特定の実施形態において、インタフェースは、作動されると、技術者が新しい測定値が表示されるプロットの面を選択できるようなコントロールを含んでいる。例えば、図1Aに示すように、新しい点はプロットの左側に表示され、縦軸およびサマリー情報(例えば、データブロック2015)も左側にある。コントロールを作動させることにより、技術者は、新しいデータ点が右側に表示され、縦軸およびサマリー情報も右側に現れるように、プロットのいずれか(またはプロットの全て)をスイッチで切り替えることができる。
いくつかの実施形態において、インタフェースは、作動されると、現在選択されているロットに関する他の機器からの測定結果を表示するようなコントロールを含んでいる。例えば、図1Aのコントロールボックス2025は、データブロック2010およびサマリーデータブロック2015で報告する精度管理データに関して、他の機器を選択するために用いられ得る。他の機器からの測定結果は、横軸の共通の範囲値に沿って(例えば、共通の時間間隔にわたって)、表示され得る。共通の時間間隔は、選択されたロットに関して表示される間隔であってもよい。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるグラフィカルユーザインタフェースは、機器性能の傾向を経時的に報告および監視するために、所定の患者試料データを表示する。図2は、特定の機器(Instrument Bloodhound1)で測定された全てのCBCパラメータに関する経時的なヒストリー傾向を示す。例えば、これらの監視されたCBCパラメータは、サマリーデータブロック2115の「パラメータ」列に、特定されたパラメータを含み得る。付加的なCBCパラメータは、スクロールバー2190bを通してアクセスされ得る。平均細胞ヘモグロビン(MCH)などの所定のCBCパラメータのために、データブロック2110の部分は、ユーザが患者の試料(例えば、2140および2170a)中の赤血球に関するMCH値を測定するために機器に能力を評価することを可能にする。プロット2130は、下でより詳細に記載するように、経時的に測定された複数の患者試料の平均MCHに関する、MCHデータを報告する。例えば、測定されたMCH値に関するプロット2130は、ボックス2140に示すように合計で263のデータセットから計算される、30.1ピコグラム/細胞という平均MCH値に関連して示される。プロットは、プロット2130に平行な点線により示される、許容可能なMCH値の範囲の上限および下限を含む。機器が患者試料を処理するにつれて、患者試料データを経時的に収集および報告することにより、ユーザは機器性能を容易に監視でき、また、例えば、報告されたCBCパラメータが、経時的に、許容可能な性能範囲の限界に接近し、その後上回る、機器の「ドリフト」を認識できる。
機器のユーザは、機器性能の傾向を監視するために、試料データを選択および表示するように基準を構成できる。例えば、図2に示すCBCパラメータのプロットの各データ点は、単一の患者試料を表してもよいし、特定の時点で処理された複数の患者試料の平均を表してもよい。例えば、点2130aは、2011年12月11日、日曜の12:00ごろに測定された、10、20、30またはそれ以上の患者試料のMCH値の平均を表し得る。ゆえに各点は、ユーザ定義の基準(例えば、20など、所定の日に処理される試料のランダムな数)に対応し得る。さらに、ユーザは、報告された傾向分析データから、異常に高い結果や異常に低い結果を除外できる。例えば、ユーザは、例外的なケースや重症患者から得た試料からのCBCパラメータ結果を除外するために、報告ツールを構成し得る。プロットされる各データ点が複数の患者試料に対応している場合、ユーザはその点をダブルクリックして、個別の検査測定をさらにレビューし、および/または、報告機能から1つまたは2つ以上の個別の検査測定を除外し得る。図1Aに関連して記載されている報告された精度管理データと同様に、データが許容可能な範囲内にあるか、許容可能な範囲上限または下限の閾値に接近しているか、または許容可能な範囲の外にあるか(例えば、報告された平均に関する標準偏差ユニットに基づき)を示すために、異なる表示フォーマットが用いられ得る。
いくつかの実施形態において、試料データを表示するためのグラフィカルユーザインタフェースは、特定の機器に関して複数の操作モードを用いて処理された試料、複数の機器について単一の操作モードを用いて処理された試料、または複数の機器に関して複数の操作モードを用いて処理された試料を比較するように構成され得る。血液分析器は、異なるサンプリング経路に応じた複数の試料処理モードを有し得る。開放または通常モードは、通常、例えば自動機器内の試料管ラックコンベヤ機構からの、ルーチンの試料処理のことである。優先度が高い(「スタット(stat)」)試料は、スタットモードまたは優先処理モードで処理される場合、スタットドロアまたは優先ドロアを通って、開放または通常モードの処理に用いられる試料管ラックコンベヤ機構を迂回し得る。さらに、機器が開放モードのポート吸引器を含んでいる、開放ポートモードにおいて、患者試料は、さらなる処理のために試料管から手動で吸引される。各操作モードの間、試料処理に利用される例示的な機器の部品を含む、通常モード、スタットモード、および開放モードでの試料処理のさらなる詳細は、2011年7月22日に出願された、同時係属の米国仮特許出願第61/510,700号にさらに記載されており、この出願の全ての内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
これらの異なる処理モードはそれぞれ、異なるサンプリング経路に対応している。このようにして、試料の処理における変動性は、サンプリング経路の違いから生じ得る。本明細書に開示されるインタフェースは、このような変動が存在しているかを判断し、また必要があればその変動に対して補正を行うために、異なるモード(例えば、通常、スタット、および開放)で処理された同一の試料に関する処理結果(例えば、様々なCBCパラメータ)の、測定、報告、および比較を可能にする。
図3Aは、表示ユニット110のグラフィカルユーザインタフェース上にコントロールボックス2200を示し、これは複数の機器にわたるモード間の比較のために、特定の試料を識別するようユーザに指示する。特定の血液試料管に関連付けられるバーコード番号または他の識別情報は、プロンプトを通して入ってくるので、所定の患者試料、管理ロット、管理試料、またはキャリブレータが、モード間の比較用に処理されることを機器に警告する。コントロールボックス2200は、図3Aの「New」とラベル付けされた専用のボタンや他の適切な識別子を通して、機器性能の評価を開始するためにも用いられ得る。性能評価に関連付けられる機器はその後、評価段階の処理モードで患者試料を処理する。
図3Bは、コントロールボックス2215で特定される、所定の患者試料に関するCBCパラメータを報告するデータブロック2010を含んでいる。この患者試料(すなわち、試料識別子No.3250126)を処理した3つの分離した血液学的機器は、図3Bに示される。この3つの機器は、「ブラッドハウンド機器1」、「ブラッドハウンド機器2」および「ブラッドハウンド機器3」として示され、列2240、2230および2220それぞれの上部に記載されている。ブラッドハウンド機器1および3は、スタット処理モード(列2240および2220のそれぞれで「スタットドロア」と示される)で試料を処理した。ブラッドハウンド機器2は、列2230の上部に示されるように、開放ポートモードで試料を処理した。様々なCBCパラメータに関するデータは、各機器および処理モードに関して比較して評価され、報告される。例えば、列2260aに示すように、全白血球数またはWBCパラメータは、5.6×103個の細胞/マイクロリットルの血液、5.4×103個の細胞/マイクロリットルの血液、および5.8×103個の細胞/マイクロリットルの血液で、それぞれ、ブラッドハウンド機器3(スタットモード)で処理された試料、ブラッドハウンド機器2(開放モード)で処理された試料、およびブラッドハウンド機器1(スタットモード)で処理された試料に関して報告される。選択された患者試料に関する他のCBCパラメータは、図3Bのデータブロック2210の列2260(「Param」)で識別される。
ユーザインタフェースのドロップダウンセレクタ2250により、ユーザは、機器および処理モードを切り替えて、性能評価に最適な基準機器および/または試料処理モードを選択できる。図3Bに示すように、スタットモードのブラッドハウンド機器1は基準値として選択され、スタットモードのブラッドハウンド機器3、および開放ポートのブラッドハウンド機器2で測定されたCBCパラメータは、選択された基準値に対して比較される。比較データは、基準値に対する絶対差および百分率差として報告される。平均細胞体積(MCV)パラメータ2260bを参照すると、スタットモードのブラッドハウンド機器3で処理された試料に関して報告されたMCVは、92.4フェムトリットルである。この、スタットモードのブラッドハウンド機器3で得られた測定値と、基準値との間の絶対差および百分率差は、データブロック2210の部分2265に報告されるように、それぞれ、0.2フェムトリットルおよび0.3%である。同様に、選択された基準値に対する、スタットモードのブラッドハウンド機器3および開放ポートのブラッドハウンド機器2で測定されたCBCパラメータの、絶対差および百分率差は、列2220および2230で特定されるCBCパラメータの測定値のそれぞれに隣接して報告される。比較値が許容可能な許容差範囲を超える場合、データブロックの対応する部分は、その差異を示すために強調され得る。例えば、開放ポートのブラッドハウンド機器2のWBCパラメータは、許容値の外にあり、これはデータブロック2210の列2230において強調される。基準値の選択と同様に、ユーザは、各CBCパラメータの、選択された基準値に関する絶対差および百分率差の、許容可能な範囲を構成できる。
複数の処理モードを備える複数の機器で患者試料が処理された後、インタフェースの基準値ドロップダウンセレクタ2250により、ユーザは、機器および処理モードを切り替えて、比較データに最適な基準値を選択できる。この特徴により基準値をオンザフライで選択することによって、ユーザは、比較データの報告フォーマットを最適化できる。ゆえにユーザが、新しい基準値に関して、データブロック2210で報告されたデータに応じて異なる分析器および処理モードを選択すると、絶対差および百分率差の値は、図3Bの表において自動的に更新される。例えば、開放ポートのブラッドハウンド機器2が基準値として選択されると、新しい基準値と比較して、スタットモードのブラッドハウンド機器1およびスタットモードのブラッドハウンド機器3で測定されたCBCパラメータのそれぞれに関して、絶対差および百分率差の値が自動的に更新される。また、基準値ドロップダウンメニュー2250は、基準値として用いるために「平均」の設定を含み得る。図3Bに示すCBCパラメータのデータに対する基準値として平均が選択されると、3つの全ての機器およびモードは、スタットモードのブラッドハウンド機器1、開放ポートのブラッドハウンド機器2、およびスタットモードのブラッドハウンド機器3の3つの測定値から計算された、各CBCパラメータ値の平均に対して報告される絶対差および百分率差を有する。
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、図3Bに示すように、複数の機器にわたる測定データの自動的な収集および報告を可能にする。自動的に収集されたデータは、複数の機器に及ぶことに加え、複数の処理モードにも対応し得る。一方で、従来の血液分析装置は、複数の機器の間で測定されたデータを比較しない。結果として、本明細書に開示されるシステムおよび方法により、技術者は、異なるモードによって試料を処理することにより生じる、機器に関連した差異を迅速かつ確実に検出することができ、また、機器の信頼性を互いに比較して評価できる。複数の機器にわたる測定データの共有を容易にするために、各機器は、電子プロセッサに接続される通信インタフェースを含み得る。通信インタフェースを通じて、機器はそれぞれ、患者試料および管理試料からの測定データを含む情報を、送受信できる。本明細書に開示されるシステムは、プライベートネットワーク、イントラネット、およびインターネットを含むネットワーク間の通信のための、無線インタフェース(例えば、WiFiおよび/またはセルラーネットワーク通信インタフェース)および有線インタフェース(例えば、イーサネット(登録商標)インタフェース)を含む、様々な異なる通信インタフェースを含み得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるデータ表示インタフェースは、一定期間にわたる複数の機器からの測定データを示す、比較プロットを生成するように構成され得る。上述のように、このようなディスプレイは、多数の測定データを容易に理解できるサマリーを提供することによって、技術者の、機器または特定の処理モードにおけるドリフトを経時的に検出する能力をさらに高める。比較プロットにおいて、単一の機器からのデータの全てが単線で表されてもよいし、単一の機器で異なる処理モードを用いて測定されたデータは、モードのそれぞれに対応する線系列として表されてもよい。いくつかの実施形態において、インタフェースは、技術者が比較プロットの個別の線の表示をオンまたはオフに切り替えられるような、制御セレクタを含んでいる。
図3Bで報告される機器間の比較データに対して、図4は、図1Aと同様のフォーマットでこのようなデータを報告するインタフェースを示す。データブロック2310に示すプロットデータ内の各点は、所定の時点で患者試料(すなわち、図3Bに示される、試料識別子No.3250126)について測定された特定のCBCパラメータ(列2320に列挙される)に対応する。プロットされた点のいずれかをダブルクリック(または選択)すると、選択権を有するユーザに、報告されたデータセットから特定の検査結果を除外するよう指示し、一度除外されると、その点は図4にプロットされる線に含まれない(いくつかの実施形態では、例えばその点に異なる色を付けることで、特別に印を付けられてもよい)。また点は、図3Bに示す、対応するCBCパラメータの比較計算からも除外される。図4に示す各CBCパラメータに関して、測定値と基準値との間の絶対差は、選択されたコントロール2350の「Absolute」というラジオボタンによって示されるように、時間の関数としてプロットされる。「Percent」というラジオボタンを選択すると、測定値と基準値との間の経時的な百分率差のフォーマットでデータがプロットされる。さらに、図3A〜3Bに関連して上述したように、図4に示すインタフェースは、各プロットまたは全てのプロット中のデータの表示をスケーリング(例えば、ズーム)し、新しいデータ点がプロットされる各プロットの位置(例えば、左側または右側)を制御する、ユーザが選択可能なコントロールを含み得る。またインタフェースは、作動されると、インタフェースに示されるデータから散布図を生成し、比較を容易にするために各実行は色分けされている。
3つの機器に関する比較データは、データブロック2310の部分2340において、ブラッドハウンド機器1、2および3のそれぞれの隣にあるセレクタによって示されるように、図4に示されている。各CBCパラメータに関して、各機器に関する比較データは、ブラッドハウンド機器1で測定した基準値と比較して、絶対差のフォーマットでプロットされる。例えば、試料識別子No.3250126について測定されたヘマトクリット値(HCT)に関する比較データは、機器1(2325cとしてプロットされる)、機器2(2325bとしてプロットされる)、および機器3(2325dとしてプロットされる)のそれぞれに関して報告される。また、各機器に関するパラメータプロットは、処理モードによってさらに細分化されて表示され得る。例えば、機器が3つの処理モード全てで患者試料を処理したとすると、各機器に特異なHCTプロット2325b/c/dは3つの新しいプロットとして拡張でき、各HCT測定は、通常、スタット、および開放ポートの処理モードを介して得られる。
いくつかの実施形態において、血液分析器の電子プロセッサは、患者試料を用いる機器に関する再現性データを自動的に計算および報告するように構成され得る。試料識別情報を含んでいる単一の入力コマンドは、図5Aに示す所定の患者試料について再現性分析を行うように機器に命令するために、ユーザインタフェースを介して入力され得る。機器の精度を評価するための、再現性分析(例えば、試料が処理された回数、報告されたCBCパラメータ、報告された比較測定など)の構成は、ユーザ定義のものである。特定の患者試料についての再現性検査を開始し、報告を行う単一の入力コマンドは、特別なバーコードの保持、再現性検査の要件(例えば、試料は20回処理される)を定めるための付加的な命令の入力、全てのCBCデータセットに対して再現性データのセットを生成するための、複数のCBCデータセットの集積または手動操作の必要があったり、再現性データを処理するために必要なミドルウェアソリューションが高額であったりする、従来の再現性分析ツールに関連付けられる欠点を除外する。
試料についてユーザが定めた回数の処理実行を行うことに加えて、電子プロセッサも、分析のために特定の回数の実行が完了したことを確実にするために、失敗した実行の全てを自動的に再び行うように構成されている。さらに、電子プロセッサは、自動的に各実行からのデータを表にし、そのデータを機器の性能仕様と比較して、適切なレベルの再現性が達成されているかどうかを判断するように構成されている。また電子プロセッサは、試料ホルダ(例えば、試験管)が空であるときに、機器が終了しないサンプリングサイクルに突入しないように、失敗した実行を一度だけ再実行するように構成されている。
図5Aは、データブロック2410およびサマリーデータブロック2415のそれぞれで報告される、特定の機器(例えば、図5Aに示すブラッドハウンド機器1)で処理された特定の患者試料(No.510081)に関して報告されたCBC値および再現性データを示す。各実行に関して、試料に対してCBCパラメータが測定され、データはデータブロック2410内の異なる列で報告される。図5Aに示すデータブロック2410の部分は、試料に関する12のCBCデータのセットを含んでおり、どの場合においてもそれぞれのセットは、試料に関するCBCパラメータを測定した機器を示す。サマリーデータブロック2415は、測定されたCBCパラメータに対応する再現性データを含んでいる。再現性データは、試料に関して測定された全てのCBCパラメータの平均、標準偏差(SD)および変動係数(CV)値、ならびに所定の試料に関してCBCパラメータが測定された回数(n)を含んでいる。表示ユニット110(図5Bに示す)のグラフィカルユーザインタフェース上のコントロールボックス2417は、複数の機器にわたるモード間の比較のために、ユーザに特定の患者試料を特定するように指示する。コントロールボックス2417は、上述したコントロールボックス2200と実質的に同様の方法で機能する。
試料の撮像および測定のためのシステムおよび方法
本明細書に開示される表示インタフェースは、例えば、自動の血液分析器を用いて処理された試料に関する、幅広い種類の情報を報告するように構成されている。このような分析器の電子プロセッサは、本明細書に記載される、測定、表示、および/または報告機能のいずれかを行うように構成されている。試料処理から得たデータが表示される前に、しかしながら、データはまず試料を処理することによって取得される。本明細書に開示される以下のシステムおよび方法は、表1に占めるパラメータのいくつかまたは全てを含む、幅広い種類のCBCパラメータの数値を取得するために、自動化された方式で試料を処理するように構成されている。
図6は、CBC分析の実行を含む、血液試料の調製および検査のための、自動化されたシステム1000の概略図を示す。システム1000は、基板を保管し、基板上に試料を配置し、基板上に調製された試料を検査し、調製された試料を保管するために、複数のサブシステムを含んでいる。
基板保管サブシステム1010は、その上に試料が置かれる前の、基板を保管するように構成されている。基板は例えば、顕微鏡スライド、カバースリップ、および、例えば血液試料の細胞などの試料を保持できる、同様の平面的で光学的に透明な材料を含み得る。基板は、様々な種類のガラスを含む、様々な非結晶性または結晶性の材料から形成され得る。サブシステム1010は、保管容器から個別の基板を選択し、選択された基板を試料配置サブシステム1020へ移す、マニピュレータを含み得る。
試料配置サブシステム1020は、選択された量の、例えば血液試料などの対象となる試料を、基板上に置く。サブシステム1020は、一般に、試料を置くように構成される、様々な流体移送部品(例えば、ポンプ、流体チューブ、バルブ)を含んでいる。またサブシステム1020は、洗浄溶液、試料に結合する1つまたは2つ以上の染色剤、固定溶液、および緩衝溶液を含む、様々な種類の溶液に基板を露出する、流体移送部品を含んでいる。サブシステム1020はさらに、流体除去部品(例えば、バキュームサブシステム)、および、試料が基板に固定されていることを確実にするための、乾燥装置を特徴付け得る。基板のマニピュレータは、試料を保持している基板を、検査サブシステム1030へと移し得る。
検査サブシステム1030は、試料の画像を基板上に取得するため、および画像を分析して試料についての情報を決定するために、様々な構成要素を含んでいる。例えば、検査サブシステム1030は、試料に入射光を向けるための、1つまたは2つ以上の光源(例えば、ランプ、アークランプ、発光ダイオード、半導体レーザー、および/またはレーザー)を含み得る。撮像サブシステム1030はさらに、透過光および/または試料から反射した光を捕捉するための光学装置(例えば、顕微鏡対物)を含み得る。光学装置に連結される検出器(例えば、CCD検出器)は、試料の画像を捉えるように構成され得る。試料画像の分析から導き出された情報は、後の検索および/またはさらなる分析のために、様々な光学的および/または電子的な記憶媒体に記録され得る。
検査に続いて、基板のマニピュレータは、基板を保管サブシステム1040へ移送し得る。保管サブシステム1040は、例えば、基板に用いられている試料の供給源、分析時間、および/または、分析中に特定されたあらゆる異常に関する情報を用いて、個別の基板にラベル付けを行い得る。保管サブシステムは、処理された基板を複数の基板ラックに保管でき、基板ラックは基板で充填されるとシステム1000から取り外され得る。
図6に示すように、システム1000の様々なサブシステムのそれぞれは、共通の電子プロセッサ114とリンクされ得る。プロセッサ114は、システム1000の各サブシステムの動作を、システムオペレータからの入力をほとんど(または全く)用いずに、自動的な方法で制御するよう構成され得る。試料の分析の結果は、管理する技術者のために、システムの表示インタフェース110上に表示され得る。制御インタフェース112(いくつかの実施形態においては、表示インタフェース110に組み込まれ得る)により技術者は、システム1000に命令を発し、自動の分析結果を手動でレビューできる。
自動化された試料処理システムの、さらなる態様および特徴は、例えば、2009年4月27日に出願された米国特許出願第12/430,885号明細書、および2011年11月9日に出願された米国特許出願第13/293,050号明細書に開示されており、その内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれている。
システム1000により複数の血液試料が自動的に分析される場合には、システムは技術者によるさらなるレビューが必要な試料のリストを作ることができる。試料は、基準の数に基づくさらなるレビューのためにフラグ付けされ得る。いくつかの実施形態において、システム1000は、個別の血液試料に存在する様々な細胞の種類を特定するように構成でき、試料は、特定された様々な種類の細胞の1つまたは2つ以上の、数えられた数が所定の閾値を上回るか下回る場合、さらなる分析のためにフラグ付けされ得る。例えば、試料は、そのリンパ球数、単球数、好中球数、桿状好中球数、好酸球数、好塩基球数、および/または、赤血球数の1つまたは2つ以上が、特定の閾値を超えるか、またはそれを下回る場合に、さらなる分析のためにフラグ付けされ得る。
特定の実施形態において、試料は、試料に関連付けられる1つまたは2つ以上の特性が所定の閾値を上回るか下回る場合に、フラグ付けされ得る。例えば、システム1000は、平均細胞ヘモグロビン、平均細胞体積、およびヘマトクリットを含む、試料に関連付けられた様々な特性を測定するよう構成され得る。測定されたこれらの試料の特性の1つまたは2つ以上が特定の閾値を超えるか、またはそれを下回る場合、試料はフラグ付けされ得る。平均細胞ヘモグロビンおよび平均細胞体積を測定するための方法およびシステムは、例えば、2011年4月15日に出願された、米国仮特許出願第61/476,179号および米国仮特許出願第61/476,170号、2011年7月22日に出願された、米国仮特許出願第61/510,710号および米国仮特許出願第65/510,614号、2012年4月13日に出願された、米国特許出願第13/446,967号明細書、米国特許出願第13/446,996号明細書および米国特許出願第13/447,045号明細書に開示されており、その内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれている。
試料がフラグ付けされると、システム1000は、技術者によるシステム的な試料の視覚検査および評価を可能にするために、一連の自動化された工程を実行するよう構成されている。以下の例示的な説明は、さらなる分析のためにフラグ付けされている試料中の、赤血球のレビューに焦点を置いている。しかしながら、一般に、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、例えば白血球および/または血小板を含む、血液試料中の様々な異なる成分の、詳細な検査のために用いられ得るということが理解されるべきである。さらに、このシステムおよび方法は、フラグ付けされていない試料(例えば、定められている様々な基準により、「通常」と同定されている試料)の検査にも用いられ得る。
システム1000は一般に、技術者によるレビューのために赤血球の画像を取得および体系化するために、一連のステップを実行するよう構成されている。図7は、赤血球の画像を取得および表示するためにシステム1000によって実行される、一連のステップを含むフローチャート200を示す。第1のステップ202では、システム1000は試料中の赤血球の、1つまたは2つ以上の画像を取得する。赤血球は通常、細胞に染色剤を加えることにより(試料の一部として)調製される。染色剤は細胞の細胞質に結合し、細胞画像中の細胞質のマーカーとしてはたらく。染色された細胞が入射光によって照射されると、染色剤は入射光の一部を吸収する。試料の様々な領域(染色された赤血球に対応するものもあるし、対応しないものもある)を通して発せられる光を検出することにより、赤血球は容易に特定され得る。
システム1000の検査サブシステム1030は、試料中の赤血球の画像を取得するよう構成される。図8は、検査サブシステム1030の一実施形態の概略図を示す。サブシステム1030は、照明光源102、検出器106、および電子制御システム108を含んでいる。電子制御システム108は通常、電子プロセッサ114、ディスプレイ110、およびインタフェース112を含んでいる(すなわち、サブシステム1030の様々な構成要素は、システム1000の電子プロセッサ114に接続される)。代替的には、いくつかの実施形態において検査サブシステム1030は、システム1000の対応する構成要素とは別の、プロセッサ、ディスプレイ、およびインタフェースの1つまたは2つ以上を含み得る。電子制御システム108は、制御ライン120および122のそれぞれを介して、照明光源102および検出器106に接続される。
試料が、試料中の赤血球に染色剤を加えることにより調製されていると仮定すると、調製された試料104(例えば、顕微鏡スライド上の、染色された血液試料)は、自動的に照明光源102に近接して配置される。照明光源102は、入射光116を試料104に対して向ける。入射光の一部は透過光118として試料104を通過し、検出器106によって検出される。透過光118は、検出器106の活性面上に試料104の画像を形成する。検出器は画像をキャプチャーし、その後画像情報を電子制御システム108へ送る。一般に、電子制御システム108は、照明光源102を指示して入射光116を作り出し、また検出器106を指示して試料104の画像を検出する。
上述の工程は、複数の試料104の画像(例えば、試料104の複数の異なる領域に対応している)を取得するために、必要に応じて繰り返され得る。しかしながら、本明細書に開示する方法は、単一の試料画像のみから得られた情報を用いて動作し得る。電子制御システム108は、新しい画像を取得する前に、照明光源102により作り出される入射光116の波長を調整できる。このように、複数の試料104の画像は入射光116の異なる波長に対応し得るので、透過光118の異なる波長に対応し得る。
照明光源102は、1つの光源、または複数の同一または異なる光源を含み得る。いくつかの実施形態において、光源102は、ダイオード(LED)、半導体レーザー、蛍光灯、白熱灯、および/または閃光灯などの、複数の発光エレメントを含み得る。例えば、光源102は、電磁スペクトルの赤色、黄色、緑色、および青色領域のそれぞれにおいて出力波長(例えば、635nm、598nm、525nm、および415nm)を有する4つのLEDを含み得る。特定の実施形態において、光源102は1つまたは2つ以上のレーザー光源を含み得る。複数の発光体を有する代わりに、別の実施形態において光源102は、出力波長を(例えば、電子制御システム108の制御下において)変更するように構成され得る、単一の広帯域エミッタを含み得る。例えば、光源102は、システム108の制御下で可変な出力スペクトルを作り出せる、設定可能なフィルターシステム(例えば、複数の機械的に調整可能なフィルター、および/または、液晶ベースの電子的に調整可能なフィルター)に連結される、広帯域の光源(例えば、レーザー光源または白色発光LED光源)を含み得る。一般に、光源102は単一の波長では照射光116を出力せず、中央の波長(例えば、帯域において最大強度の波長)を中心とする波長域で出力する。本明細書において、照射光116の波長に言及する記載は、照射帯の中央の波長のことである。
検出器106は異なる様々な種類の検出器を含み得る。いくつかの実施形態において、検出器106は、電荷結合素子(CCD)を含んでいる。特定の実施形態において、検出器106は、フォトダイオード(例えば、二次元のフォトダイオードアレイ)を含み得る。いくつかの実施形態において、検出器106は、CMOSベースのセンサーおよび/または光電子倍増管などの、他の感光性素子を含み得る。また検出器106は、光源102に関して上述した、1つまたは2つ以上のフィルタリング素子を含み得る。いくつかの実施形態において、異なる波長に対応する試料画像は、比較的広い波長の分布を有する照射光116で試料104を照射し、その後小さい波長帯域に対応する透過光の部分のみを選択するために、透過光118をフィルタリングすることによって取得される。フィルタリングは、検出器106を用いて取得された画像が、それぞれ特定の中央波長を有する光波長の特定の分布に対応していることを確実にするために、照射側(例えば、光源102内)および検出側(例えば、検出器106内)の片方または両方で行われ得る。
特定の実施形態において、広帯域の照射光源は、試料画像を複数の異なる波長で取得するために、カラーカメラ(例えば、赤色、緑色、および青色帯域などの、3つの異なる波長帯で光を測定するよう構成されるカメラ)と一緒に用いられ得る。異なる波長帯に対応する画像は、本明細書に開示する方法において、別々に、または組み合わせて用いられ得る。
また、サブシステム1030および/またはシステム1000は、通信インタフェース(図示せず)を含み得る。通信インタフェースは無線インタフェースおよび/またはプロセッサ114に接続される有線インタフェースであってもよく、命令を送受信するように構成される。特に、インタフェースによりシステム1000は、プライベートネットワーク、イントラネット、およびインターネットを含む、様々なネットワークで通信できる。複数の血液分析器はこのようなネットワークを介して互いに対して通信でき、測定結果を含むデータを互いに対して転送できる。このようにして、単一の血液分析器は、上述のように、複数の機器からの結果を表示できる。また血液分析器は、集中記憶装置やデータベースなどの媒体へもデータを転送でき、またその記憶装置媒体からデータを取り出すことができる。このようにして、単一の分析器は、複数の機器からの測定結果をデータベースから取り出し、技術者による評価のために単一のディスプレイ上にその結果を表示できる。
いくつかの実施形態において、電子プロセッサ114は、測定された試料画像の画素強度値を、光学密度値に変換するよう構成され得る。試料画像において、所定の画像画素(x、y)での透過光強度T(x、y)は、この画素に対応する試料の部分を通る入射光の、吸収係数αおよび路長ε(x、y)に関連付けられる。
Figure 0006224583
画像中の各画素に関して、可能な最大画素強度に対する画素強度の比率(例えば、画素強度/8ビットの解像度で255)は、画素の空間位置で透過した光の分画を表す。透過光の分画は、上述の数式の対数を取ることにより、光学密度(OD)の単位で表され得る。
Figure 0006224583
この工程は、試料画像中の各画素に対して繰り返され得る。このようにして、各画像における各画素での光学密度は、画素に対応する位置での試料の吸収物質の合計量(例えば、吸収係数および厚みの積)に対応している。
図7に戻ると、フローチャート200の次のステップ204は、ステップ202で取得された試料画像中に代表的な赤血球を配置することを含んでいる。代表的な赤血球を配置する工程は、通常、一連のステップにしたがって進む。図9は、試料画像中に赤血球を配置するための複数のステップを含む、フローチャート400を示す。最初に、図9のステップ402において、システム1000は、さらなる処理のために、1つまたは2つ以上の試料画像中に赤血球を配置する。赤血球は通常、細胞中のヘモグロビンの存在により、青色光(例えば、415nm)を吸収する。一方で白血球はヘモグロビンを含有していないので、赤血球と同じように青色光を吸収することはない。青色光の下で取得される試料の画像は、赤血球を特定するために用いることができ、このような画像において赤血球は暗い物体として見える。一方で白血球は非常に淡い物体として見え、またさらなる考察から除かれ得る。
いくつかの実施形態において、閾値処理ステップは、システム1000がさらなる分析のために赤血球のみを特定したことを確認するために用いられ得る。例えばシステム1000は、強度(または濃淡)値が160(8ビットの解像度でキャプチャーされた画像の場合)を下回る画像の画素のみを利用し得る。100〜180に及ぶ他の強度値の閾値も、画像から赤血球を特定するために用いることができ、白血球はさらなる分析からは取り除かれる。
次に、ステップ404において、システム1000は、試料画像中の各赤血球に対して、画素のセットを特定する。細胞に関連付けられる画素のセットを特定するためには、様々な異なる方法が用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、システム1000は、接続された部品のラベル付け工程を用いた、特定工程を行う。この工程は、試料画像の個別の画素を、画像中のオブジェクトに関連付ける。例えば、背景に割り当てられた画素によって分離されていない2つの画像中の画素は全て、同一の細胞に割り当てられる。
また、いくつかの実施形態において、システム1000は、細胞の境界領域内に配置される画素を除外し得る。通常、このような除外は、細胞に関する定量的な測定基準を計算するときに用いられるが、別の方法において除外された画素は、画像表示の目的で、細胞に対応する画素のセット内に保持される。いくつかの実施形態においては、しかしながら、除外された画素は細胞に対応する画素のセットから除去される。
赤血球は、細胞が照射光を屈折させるという態様により、しばしば厚く暗い境界を有する。これらの画素の光学密度は、通常、この屈折により信頼できない。接続された構成部品のラベル付け工程が完了した後、システム1000は、画素の最も外側の層n(例えば、屈折が最も大きい境界領域に対応する画素)を取り除くために、特定された細胞に画素収縮マスク(pixel erosion mask)を加え得る。一般に、画素収縮マスクは、画像の倍率に応じて、あらゆる数の画素の層n(例えば、1つ以上の画素層、2つ以上の画素層、3つ以上の画素層、4つ以上の画素層、5つ以上の画素層、6つ以上の画素層、8つ以上の画素層、10以上の画素層)を取り除くために選択され得る。赤血球の外周には、最外部が0.5μmである画素収縮マスクが、赤血球の細胞体積およびヘモグロビン量に対する誤った影響を顕著に軽減するために一般に適しているということが経験的に分かっており、ここで各画素は、0.148μm×0.148μmの細胞の一部に対応している。収縮マスクにより補正された画素のセットを利用して、様々な細胞の特徴が測定され得る。
ステップ406において、システム1000は、赤血球の大きさおよび形状を評価することによって、試料画像から代表的な赤血球のセットを特定する工程を継続する。一般に、ステップ406は、代表的な赤血球のセット中の、部分的な細胞、重なり合う細胞、細胞集合体、血小板、および封入体の非円形のアーチファクトを廃棄するために機能する。例えば、画像フレームのエッジにより切り取られるか、エッジに接触している細胞は、さらなる分析から除外され得るので、不正確な測定を防ぐ。また、奇形細胞は、その標準でない形状に関連付けられる、測定される細胞体積における変動を示すので、分析から除外され得る。さらに、細胞体積や成分量などの測定基準を計算するのに用いられる場合に信頼できないおそれがある、重なり合う細胞から得られた測定結果は、代表的な細胞のセットから外され得る。これらの理由から、特定された細胞のそれぞれの形状はステップ406で確認され、奇形および/または重なり合う細胞は、さらなる分析から除外される。
特定された細胞の形状を確認するために、様々な異なる方法が用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態において、各細胞の形状は、細胞の外周および面積を比較することによって確認され得る。図10は、このような比較の概略図を示す。図10において、細胞500は、試料画像中の画素のセットとして特定されている。細胞500の境界に対応する画素は、説明の目的で、図10では内部の画素よりも薄く影を付けられているが、実際の画像ではこのように見える必要はない。細胞500の面積は、セット中の画素の数を数えることにより決定され得る。
細胞の外周は、細胞500に対応する画素のセットを用いて、境界画素から測定される。これは、それぞれの外周の画素の中心を通る線をつなげ、画像中に多角形を形成し、その多角形の外周を測定することによって達成され得る。細胞の形状を確認するために、この細胞の外周値を二乗したものの、細胞の面積値(すなわち、多角形の面積)に対する比率が測定される。この比率の値は理想的には4πであって、これは完全に円形な細胞である。この比率の値は、細胞の形状が円形の外形から逸れるにつれて大きくなる。この基準を用いて、外周の二乗の面積に対する比率が、最小値である4πを閾値量以上超える細胞は、さらなる分析から除外される。通常、この閾値量は、最小値である4πの割合(例えば、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上)である。
奇形の個別の細胞をさらなる分析から除外することに加えて、上述の工程は、重なり合う細胞も除外し得る。試料画像において、重なり合う細胞は通常、大きな、奇形の個別の細胞(入射光が伝搬する物質の厚みが増加することにより、透過光強度が変動する)として現れる。重なり合う細胞は、一般に、分析アルゴリズムがこのような画像に用いられると、異常な境界を有する大きな単細胞として識別される。このように、細胞の直径と面積との比較が行われると、比率は、理想の値からの許容可能な変動に関する閾値を、大きく上回るので、重なり合う細胞は除外される。
特定された細胞の形状を確認するための別の方法は、上述の細胞外形の、多角形表現の凸包を利用し、凸包によって囲まれている面積を、画像画素から測定されている細胞面積と比較する。細胞面積に対する凸包の比率が高いと、これは異常な形状の細胞を特定し、このような細胞をさらなる分析から除外するために用いられ得る。図11は、2つの細胞600Aおよび600Bを含む概略図である。細胞600Aおよび600Bの外周は、図11では、602Aおよび602Bとしてそれぞれ示されている。凸包604Aは細胞600Aの周りに描かれ、凸包604Bは細胞600Bの周りに描かれている。図11に示すように、凸包と細胞面積との間の相違は、細胞600Bよりも細胞600Aの方が大きい。細胞600Aに対する異常の程度が大きいと考えられると、細胞600Aは代表的な赤血球のセットから除外され得る。
いくつかの実施形態において、代表的な赤血球のセットからアーチファクトおよび重なり合う細胞を除外するために、細胞面積の測定はステップ406において用いられ得る。例えば、35平方ミクロン〜65平方ミクロンまでの面積を有する細胞のみが、赤血球の体積測定のために検討され得る。撮像された、面積が35平方ミクロン未満のオブジェクトは、通常、赤血球ではなく、試料中の小さなごみなどのアーチファクトである。同様に、撮像された、面積が65平方ミクロンよりも大きいオブジェクトも、通常赤血球ではなく、このようなオブジェクトは、染色剤の染みや、いくつかの重なり合う細胞に対応している場合がある。上述の例は、35〜65平方ミクロンの面積範囲を記載しているが、他の範囲も、測定のために赤血球を選択するのに用いることができ(例えば、20平方ミクロン〜80平方ミクロン)、この範囲は試料中の平均の細胞の大きさに基づき増減され得るので、患者間で可変なものにできる。35〜65平方ミクロンの範囲がいくつかの赤血球を除外するおそれがあることは経験的に分かっているが、このような範囲は、20〜80平方ミクロンの範囲に比べて、試料画像からアーチファクトを取り除くのにより効果的である。
試料中の代表的な赤血球のセットを選択するために、光学密度値が用いられ得る。例えば、青色光の下で撮像されたオブジェクトの平均光学密度値が低すぎると、オブジェクトは赤血球ではなく、白血球の核である場合がある。平均光学密度の閾値(例えば、0.33以下の平均光学密度)は、試料の代表的な赤血球のセットから白血球を除外するために(例えば、平均光学密度が0.33以下の細胞は、白血球である可能性が高い)、青色光を用いて取得された画像に対して用いられ得る。青色または黄色の照射の下で取得された画像に関して、所定の閾値(例えば、0.66以上の平均光学密度)を超えるオブジェクトの平均光学密度は、積層した赤血球、重なり合う赤血球、および/または、集合した赤血球を特定するために用いることができ、これらはさらなる分析から除外され得る(例えば、平均光学密度が0.66以上の赤血球は、別の赤血球と重なり合っている可能性が高い)。図4に示される工程は、さらなる分析のための、代表的な細胞のセットの最終決定に伴い、ステップ408で終了する。
図7に戻ると、ステップ204で代表的な赤血球が配置された後、代表的な細胞は、ステップ206で技術者にディスプレイ110上で表示される。いくつかの実施形態においては、このような細胞の全てが表示される。特定の実施形態においては、ステップ204で配置された細胞のサブセットのみが表示される。表示される細胞のサブセットは、順不同に選択でき、サブセット中の細胞の数はユーザが選択可能である。例えば、表示される代表的な細胞のサブセットは、100個以上(例えば、250個以上、500個以上、750個以上、1000個以上、2000個以上、5000個以上、10000個以上)の細胞を含み得る。ステップ206における、代表的な赤血球の画像の表示を受けて、フローチャート200に示す工程は、ステップ208で終了する。
上述のように、いくつかの実施形態において、ステップ206で表示される代表的な細胞のサブセットは、血液試料に関する定量的な測定基準を決定するために用いられる代表的な細胞のセットに対応している必要はない。詳細には、異常な形状、光学密度、封入体、および他の異常な属性を有する細胞を、技術者に表示することが重要である場合もある。このような細胞は、平均細胞ヘモグロビンおよび平均細胞体積などの定量的測定には通常用いられないが、このような異常な細胞の画像を見ている技術者は、異常な細胞から、血液試料中の特定の状態の存在を推測できる。このようにして、定量的な計算での使用には適していない細胞は、上述の方法を用いて決定され得るが、特定の実施形態においてステップ206に表示される細胞のサブセットは、これらの「適切でない」細胞のいくつかまたは全てを含む。
レビュー用に技術者に細胞画像を表示するために、様々な異なる方法が用いられ得る。画像表示のための方法およびシステムは、例えば、2011年6月17日に出願された米国仮特許出願第61/498,456号明細書、2011年7月22日に出願された米国仮特許出願番号第61/510,696号明細書、および2012年6月18日に出願された米国特許出願第13/526,223号明細書に開示されている。これらの出願の開示内容の全ては、参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、細胞画像は、画像ブロックに表示され、細胞中の封入体の有無、および大きさなどの封入体の特性を含む、様々な基準によってソートされ得る。封入体の検出は、細胞の大きさ、光学密度、および他の特性を同定するために細胞画像が分析される(例えば、図9のステップ406)のと同時に行われ得る。
細胞に対応する画素のセットが特定されると、封入体の存在を検出するために様々な方法が用いられ得る。例えば、第1の方法は、細胞画像中の画素の光学密度に基づき、封入体の可能性を識別する。詳細には、赤血球画像中の各画素は、3つの分類、すなわち、通常の赤血球、中央淡明、および封入体の可能性、に分けられる。赤血球の通常の部分に対応する画素は、比較的簡単な様式で特定でき、これは、これらの画素は光学密度の範囲が狭いことが経験的に認められているからである。したがって、通常の赤血球の画素に対して上限および下限の閾値を定めることにより、これらの画素が細胞画像中で特定され得る。
画像中の残りの画素は、中央淡明か、封入体の可能性のいずれかに該当している。一般に、光学密度が低い画素は、中央淡明に該当する一方で、光学密度が高い画素は、封入体の可能性に該当する。ゆえに、個別の画素は、その光学密度に基づいて、封入体の可能性に該当すると容易に特定され得る。
封入体の可能性を識別するための第2の方法は、2つの分離したステップを伴う。第1のステップにおいて、青色光を用いる照射(例えば、415nm)に対応する細胞の画像を調べることにより、中央淡明に該当する画素が特定される。青色画像中の画素は個別に調べられ、光学密度が、(a)青色画像の平均光学密度に基づく閾値を上回り、かつ、(b)青色画像中の平均光学密度よりも、青色画像中の最大光学密度に近接しているか、または2つの標準偏差よりも少ない値で、青色画像中の最大光学密度から離れている画素は、中央淡明と割り当てられる。
封入体の可能性に対応する画素は、第2のステップで決定される。まず、青色画像中の、光学密度が大きい(ユーザが選択可能な閾値にしたがって)領域に対応する画素は、さらなる考慮から除外され、これは、反射に関連するアーチファクトは青色画像において暗く見えるが、本当の封入体は一般に、青色画像においてそれほど暗く見えないからである。その後、残っている各画素に対して、量Pの値を計算するために、黄色(Y、例えば、598nm)、緑色(G、例えば、525nm)、および青色(B)の画像における光学密度が用いられる。
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画素に関して量Pが大きいものは、黄色および緑色の画像において暗く、青色の画像においては明るい画素を効果的に特定する。量Pの値に基づく細胞画像が作成され、画像にエッジ検出アルゴリズムが実行される。画像中の各画素に関して、画素が、(a)黄色画像Y中で光学密度が大きい場合、(b)Pの値が大きい場合、および(c)エッジ検出アルゴリズムにより、エッジに対応していると特定された場合は、その画素は封入体の可能に該当すると特定される。
封入体の可能性に該当する画素はその後、画素間での他の種類の画素の有無に基づき、封入体分画へとグループ分けされ得る。封入体分画の数が決定でき、封入体の可能性の特定をさらに精緻化するために用いられ得る。例えば、細胞が多数の封入体分画を含んでいる場合(例えば、ユーザが選択可能な閾値数よりも大きい場合)、封入体の可能性は、像収差や好塩基性斑点などの他の現象によるものと特定され、細胞中の封入体の可能性のさらなる分析は中断され得る。
封入体の可能性が残っていそうな細胞に対しては、上述の画素に基づく方法を用いて、外周、面積、および形状などの、封入体の特徴が決定され得る。封入体を特徴付ける細胞は、その後、封入体に関して測定された様々な特徴のいずれかによって、画像ブロック中でソートされ得る。
ハードウェアおよびソフトウェアの実装
本明細書に記載される方法ステップおよび工程は、ハードウェアまたはソフトウェア、もしくはそれらの組み合わせに実装され得る。詳細には、電子プロセッサ114は上述した方法ステップのいずれかを行うために、ソフトウェアおよび/またはハードウェアの命令を含み得る。この方法は、本明細書に開示する方法ステップおよび図面に付随する、標準のプログラミング技術を用いて、コンピュータプログラムに実装され得る。本明細書に記載する機能を行うために、プログラムコードが入力データに加えられる。出力情報は、プリンタなどの出力装置、表示装置、または、例えば遠隔監視のためにウェブサイトへのアクセスを有するコンピュータモニタ上のウェブページなどの、1つまたは2つ以上に用いられる。
各プログラムは、プロセッサと通信するために、好ましくは高水準の手続き型プログラミング言語またはオブジェクト指向言語で実装される。しかしながら、プログラムは、必要に応じて、アセンブリ言語または機械語で実装され得る。いずれの場合においても、言語はコンパイラ型言語またはインタープリタ型言語であり得る。プロセッサが本明細書に記載する工程を行うように構成および操作するために、各コンピュータプログラムは、プロセッサにより読み取り可能な記憶媒体または装置(例えば、電子メモリ)に記録され得る。
本開示の目的のために、インタフェース上に表示されるユーザが選択可能なコントロールを「作動させる」ことは、(これに限定されないが)ポインタまたは他のインジケータ(例えば、マウスポインタ)を用いてコントロール上を「クリックする」こと、ポインタがコントロール上に重なるようにポインタを配置すること、ポインタまたは包囲インジケーターを用いることによりコントロールを強調すること、および/またはコントロールが選択されるようにインジケーターをインタフェース上に配置することを含み得る。
細胞画像を(例えば、ユーザが選択可能なコントロールとして)表示するために用いられ得るインタフェースは、様々な種類のディスプレイ(例えば、CRT、LEDベースのディスプレイ、液晶ベースのディスプレイ、投射型ディスプレイ)を含んでいる。インタフェースはタッチセンサー式であってもよく、これによりユーザは、表示されるエレメントと直接情報をやり取りできる。代替的または付加的に、付加的なシステム部品(例えば、キーボード、ポインティングデバイス)により、ユーザは、インタフェース上に表示されるエレメントを操作できる。
図12は、特定の実施形態にしたがって、本明細書に記載される、コンピュータに実装された方法のいずれかと関連して記載される操作を制御するために用いられ得る、コンピュータシステム1900の概略図である。システム1900は、プロセッサ1910、メモリ1920、記憶装置1930、および入力/出力装置1940を含んでいる。構成要素1910、1920、1930および1940のそれぞれは、システム・バス1950を用いて相互接続されている。プロセッサ1910は、システム1900内での実行のために、命令を処理することができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ1910はシングルスレッドのプロセッサである。別の実施形態において、プロセッサ1910はマルチスレッドのプロセッサである。プロセッサ1910は、入力/出力装置1940上のインタフェースに図式情報を表示するために、メモリ1920または記憶装置1930に記憶される命令を処理することができる。プロセッサ1910は、図6および図8に関して上述したプロセッサ114と実質的に同様のものであり得る。さらに、プロセッサは、血液分析器の一部であってもよいし、血液分析器に接続されるか関連付けられるビューイングステーションの一部であってもよいし、または、血液分析器およびビューイングステーションの両方に共通のものであってもよい。
メモリ1920は、システム1900内に情報を記憶する。いくつかの実施形態において、メモリ1920は、コンピュータが読み取り可能な媒体である。メモリ1920は、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリを含み得る。
記憶装置1930は、システム1900にマス・ストレージを提供できる。一般に、記憶装置1930は、コンピュータが読み取り可能な命令を記憶するように構成される、任意の一時的でない有形の媒体を含み得る。一実施形態において、記憶装置1930は、コンピュータが読み取り可能な媒体である。様々な別の実施形態において、記憶装置1930は、フロッピー(登録商標)ディスク装置、ハードディスク装置、光学ディスク装置、またはテープ装置であってもよい。
入力/出力装置1940は、システム1900に入力/出力操作を提供する。いくつかの実施形態において、入力/出力装置1940は、キーボードおよび/またはポインティングデバイスを含んでいる。またいくつかの実施形態において、入力/出力装置1940は、グラフィカルユーザインタフェースを表示するために、表示ユニットを含んでいる。またいくつかの実施形態において、入力/出力装置1940は、図6および図8に関して上述したディスプレイ110およびインタフェース112の、1つまたは2つ以上を含んでいる。
記載される機能は、デジタル電子回路、もしくはコンピュータハードウェア、ファームウェア、またはその組み合わせにおいて実行され得る。これらの機能は、プログラム可能のプロセッサによる実行のために、例えば機械が読み取り可能な記憶装置などの、情報担体において有形的に具体化されたコンピュータプログラムプロダクトにおいて実施され得る。またこれらの機能は、入力データを操作し、出力を作り出すことにより、上述の実施形態の機能を行うために命令のプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサによって実施され得る。記載される特徴は、データ記憶システムからデータおよび命令を受信するため、およびデータ記憶システムへデータおよび命令を送信するために、データ記憶システムに連結される少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサと、少なくとも1つの入力装置と、少なくとも1つの出力装置とを含んでいるプログラム可能なシステムで実行可能な、1つまたは2つ以上のコンピュータプログラムにおいて実施され得る。コンピュータプログラムは、所定の活動を行うため、または所定の結果をもたらすために、コンピュータで直接的または間接的に用いられ得る命令のセットを含んでいる。コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語を含む、あらゆる形態のプログラミング言語で書き込むことができ、また、独立型のプログラムまたはモジュールとして、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境での使用に適した他のユニットを含む、あらゆる形態で展開され得る。
本出願に記載される方法およびシステムを実施するために、様々なソフトウェアアーキテクチャが使用され得る。例えば、本明細書に記載される方法およびシステムの実施において、出版/購読型メッセージングパターンが用いられ得る。出版/購読型メッセージングの場合、システムは、メッセージングモジュールのみを介して通信する、いくつかのハードウェアモジュールおよびソフトウェアモジュールを含んでいる。各モジュールは特定の機能を実行するよう構成され得る。例えば、システムは、ハードウェアモジュール、カメラモジュール、およびフォーカスモジュールの1つまたは2つ以上を含み得る。ハードウェアモジュールは、素早いオートフォーカスを実行し、カメラに画像を取得させる撮像ハードウェアに、命令を送信し得る。いくつかの実施形態において、ハードウェアモジュールは、図8に関して上述した制御システム108を含み得る。
カメラモジュールは、カメラから画像を受信し、シャッター時間や焦点などのカメラのパラメータを決定できる。画像は、カメラモジュールにより処理される前に、コンピュータのメモリにおいてもバッファリングされ得る。スライドの傾斜に関して最初の検索を行うと、カメラモジュールは、適切なシャッター時間や焦点を決定するのに充分な画像がある場合には、ハードウェアモジュールに割り込むメッセージを送信し得る。いくつかの実施形態において、カメラモジュールは、図8に関して上述した検出器106を含んでいる。
またシステムは、ソフトウェア、ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組み合わせとして実装され得る、フォーカスモジュールを含み得る。いくつかの実施形態において、フォーカスモジュールは、スタック中の全てのフレームを調べ、そのスタックが理想または理想の焦点領域からどれくらい離れているかを推定する。フォーカスモジュールは、画像のスタック中の各フレームへのフォーカス・スコアの割り当てに対しても責任を負ってもよい。
命令プログラムの実行に適切なプロセッサは、例として、汎用および専用両方のマイクロプロセッサ、およびあらゆる種類のコンピュータの、唯一のプロセッサまたは複数のプロセッサの1つを含んでいる。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方から指示およびデータを受信する。コンピュータは、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを保存するための1つまたは2つ以上のメモリとを含んでいる。一般に、コンピュータはさらに、データファイルを保存するための、1つまたは2つ以上のマス・ストレージ装置を含むか、またはそれに動作可能に連結され、通信する。このような装置は、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびに光学ディスクを含んでいる。コンピュータプログラムの命令およびデータを有形的に実体化するのに適している記憶装置は、例として、EPROM、EEPROMなどの半導体記憶装置、およびフラッシュメモリ装置を含む全ての形態の不揮発性メモリを含んでおり、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含んでいる。プロセッサおよびメモリは、ASIC(特定用途向け集積回路)によって補足されるか、またはその中に組み込まれ得る。
ユーザとの相互作用を提供するために、特徴は、ユーザに情報を表示するための、CRT(ブラウン管)やLCD(液晶ディスプレイ)モニターなどの表示装置と、ユーザがコンピュータに入力を行うことができる、マウスやトラックボールなどのキーボードおよびポインティングデバイスとを有するコンピュータ上で実行され得る。代替的には、コンピュータは、取り付けられるキーボード、マウスまたはモニターを有さず、別のコンピュータによって遠隔的に制御され得る。
特徴は、データサーバなどのバックエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム、アプリケーションサーバやインターネットサーバなどのミドルエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム、グラフィカルユーザインタフェースやインターネットブラウザなどのフロントエンドコンポーネントを含むコンピュータシステム、またはそれらのあらゆる組み合わせにおいて実施され得る。システムのコンポーネントは、通信ネットワークなど、あらゆる形態または媒体のデジタルデータ通信によって接続され得る。通信ネットワークの例としては、例えば、LAN、WAN、およびコンピュータおよびインターネットを形成するネットワークが挙げられる。
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含み得る。クライアントおよびサーバは一般に、互いに対して離れており、通常、記載されるものなどのネットワークを通して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータで実行され、互いに対してクライアントサーバ関係を有するコンピュータプログラムにより生じる。
プロセッサ1910は、コンピュータプログラムに関する命令を実行する。プロセッサ1910は、論理ゲート、加算器、乗算器および計数器などのハードウェアを含み得る。プロセッサ1910はさらに、演算および論理演算を行う、分離した算術論理演算ユニット(ALU)を含み得る。
他の実施形態
多数の実施形態が記載されている。それでもなお、本開示の要旨および範囲を逸脱しない限りは、様々な変更が行われ得ることを理解されたい。詳細には、特定の実施形態に関連する本明細書に開示した特徴は、一般に、他の実施形態に含まれてもよく、本明細書に開示する特定の特徴は、一般に、本明細書に開示する実施形態の他のいずれの特徴と組み合わせて用いられてもよい。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。

Claims (28)

  1. 全血球計算(CBC)のパラメータの測定値を表示する方法であって、
    前記方法は、
    試料の第1のグループからの複数の試料から得られた、CBCパラメータの測定値を表示することを含み、前記表示は、二次元の座標系を含むプロット上に、第1のグループからの前記測定値に対応する複数のデータ点を、ユーザが選択可能なコントロールとして表示することを含み、
    データ点が、前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの対応する測定値の平均値を示し、
    前記二次元の座標系は、前記CBCパラメータの測定値が得られた時刻に対応する第1次元と、前記CBCパラメータの数値に対応する第2次元とを備え、
    前記複数のデータ点のうちの1つのデータ点が作動されると、作動された前記データ点に対応する前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの測定値が表示されることを特徴とする方法。
  2. 前記試料の第1のグループが、精度管理組成物の第1のロットを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記データ点はそれぞれ、前記第2次元に沿って、関連付けられた座標値を有しており、前記方法はさらに、前記第1のグループに関して、前記データ点によって示される平均値と、前記CBCパラメータの基準値との差に基づいて、各データ点について、前記第2次元に沿った前記関連付けられた前記座標値を決定することを含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記CBCパラメータの前記基準値が、前記第1のグループについての前記CBCパラメータの前記測定値の平均に対応することを特徴とする請求項記載の方法。
  5. 試料の第2のグループからの複数の試料から得られた、前記CBCパラメータの測定値を表示することをさらに含み、前記表示は、前記第2のグループからの前記測定値に対応する第2の複数のデータ点を、ユーザが選択可能なコントロールとして前記プロット上に表示することを含んでおり、
    前記第2の複数のデータ点の各データ点が、前記第2のグループからの前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの対応する測定値の平均値を示し、
    前記第2の複数のデータ点のうちの1つのデータ点が作動されると、作動された前記データ点に対応する前記第2のグループの前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの測定値が表示されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  6. 前記試料の第2のグループが、精度管理組成物の第2のロットを含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 前記第2のグループの前記試料に対応するデータ点はそれぞれ、前記第2次元に沿って、関連付けられた座標値を有しており、前記方法はさらに、前記第2のグループに関して、前記データ点によって示される平均値と、前記CBCパラメータの基準値との間の差に基づいて、前記第2のグループの前記試料に対応する各データ点について、前記第2次元に沿った前記関連付けられた座標値を決定することを含むことを特徴とする請求項5または6記載の方法。
  8. 前記第2のグループについての前記CBCパラメータの前記基準値が、前記第2のグループについての前記CBCパラメータの前記測定値の平均に対応することを特徴とする請求項記載の方法。
  9. 前記第1次元に対して平行に延びる時系列に、および前記第2次元の方向に、連続するデータ点を表示することをさらに含んでいることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  10. 前記第1次元に関連付けられた、ユーザが選択可能なコントロールを表示することをさらに含み、作動されたときに、前記ユーザが選択可能なコントロールにより、前記ユーザが、前記連続するデータ点の時系列が延びる方向を調節することができることを特徴とする請求項記載の方法。
  11. 前記CBCパラメータに関する値の標準範囲を確定する1つまたは2つ以上のインジケータを前記プロット上に表示することをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  12. 前記複数のデータ点のうち、前記標準範囲内の平均値に対応するデータ点を、第1の色で前記プロット上に表示し、
    前記複数のデータ点のうち、前記標準範囲外の平均値に対応するデータ点を、前記第1の色とは異なる第2の色で前記プロット上に表示することをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 前記方法は、複数のデータ点を選択するための、ユーザが選択可能なコントロールをユーザインタフェース上に表示することを含み、前記方法は、複数のデータ点を選択するための、前記ユーザが選択可能なコントロールを作動させることによって複数のデータ点が選択されると、選択された前記データ点に関連付けられた前記CBCパラメータの値の分布についての統計情報を表示することをさらに含む請求項1または2記載の方法。
  14. 複数の異なる測定時間のそれぞれで、前記第1のグループに対応する前記CBCパラメータの測定値の平均値を決定し、前記平均値に対応するデータ点を前記プロット上に表示することをさらに含む請求項1または2記載の方法。
  15. 全血球計算(CBC)のパラメータの測定値を表示するためのシステムであって、前記システムは、
    ユーザインタフェースと、
    試料の第1のグループからの複数の試料から得られた前記CBCパラメータの測定値を表示するように構成される電子プロセッサとを含み、前記表示は、前記第1のグループからの前記測定値に対応する複数のデータ点を、ユーザが選択可能なコントロールとして、前記ユーザインタフェース上の二次元の座標系を含むプロット上に表示することを含んでおり、
    データ点が、前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの対応する測定値の平均値を示し、
    前記二次元の座標系は、前記CBCパラメータの値が得られた時刻に対応する第1次元と、前記CBCパラメータの数値に対応する第2次元とを備え、
    前記電子プロセッサは、前記複数のデータ点のうち1つのデータ点が作動されると、作動された前記データ点に対応する前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの前記測定値を前記ユーザインタフェース上に表示するように構成されていることを特徴とするシステム。
  16. 前記試料の第1のグループが、精度管理組成物の第1のロットを含むことを特徴とする請求項15記載のシステム。
  17. 前記データ点はそれぞれ、前記第2次元に沿って、関連付けられた座標値を備え、前記電子プロセッサは、前記第1のグループに関して、前記データ点により示される平均値と、前記CBCパラメータの基準値との間の差に基づき、各データ点について、前記第2次元に沿った前記関連付けられた座標値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
  18. 前記CBCパラメータの前記基準値が、前記第1のグループについての前記CBCパラメータの前記測定値の平均に対応することを特徴とする請求項17記載のシステム。
  19. 前記電子プロセッサは、試料の第2のグループからの複数の試料から得られた前記CBCパラメータの測定値を表示するように構成されており、前記表示は、前記第2のグループからの前記測定値に対応する第2の複数のデータ点を、ユーザが選択可能なコントロールとして前記プロットに表示することを含んでおり、
    前記第2の複数のデータ点の各データ点が、前記第2のグループからの前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの対応する測定値の平均値を示し、
    前記電子プロセッサは、前記第2の複数のデータ点のうち1つのデータ点が作動されると、作動された前記データ点に対応する前記第2のグループの前記試料の2つ以上についての、前記CBCパラメータの前記測定値を表示するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
  20. 前記試料の第2のグループが、精度管理組成物の第2のロットを含むことを特徴とする請求項19記載のシステム。
  21. 前記第2のグループの前記試料に対応する前記データ点はそれぞれ、前記第2次元に沿って、関連付けられた座標値を備え、前記電子プロセッサは、前記第2のグループに関して、前記データ点が指定する平均値と、前記CBCパラメータの基準値との間の差に基づき、前記第2のグループの前記試料に対応する各データ点について、前記第2次元に沿った前記関連付けられた座標値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項19または20記載のシステム。
  22. 前記第2のグループについての前記CBCパラメータの前記基準値が、前記第2のグループについての前記CBCパラメータの前記測定値の平均に対応することを特徴とする請求項21記載のシステム。
  23. 前記電子プロセッサは、前記ユーザインタフェース上に、前記第1次元に対して平行に延びる時系列に、および前記第2次元の方向に、連続するデータ点を表示するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
  24. 前記電子プロセッサは、前記ユーザインタフェース上に、前記第1次元に関連付けられた、ユーザが選択可能なコントロールを表示するように構成され、作動されたときに、前記ユーザが選択可能なコントロールにより、前記ユーザが、前記連続するデータ点の時系列が延びる方向を調節することができることを特徴とする請求項23記載のシステム。
  25. 前記電子プロセッサは、前記CBCパラメータに関する値の標準範囲を確定する1つまたは2つ以上のインジケータを前記プロット上に表示するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
  26. 前記電子プロセッサは、
    前記複数のデータ点のうち、前記標準範囲内の平均値に対応するデータ点を、第1の色で前記プロット上に表示し、
    前記複数のデータ点のうち、前記標準範囲外の平均値に対応するデータ点を、前記第1の色とは異なる第2の色で前記プロット上に表示するように構成されていることを特徴とする請求項25記載のシステム。
  27. 前記電子プロセッサは、前記ユーザインタフェース上に、複数のデータ点を選択するための、ユーザが選択可能なコントロールを表示するように構成され、前記電子プロセッサは、複数のデータ点を選択するための、前記ユーザが選択可能なコントロールを作動させることによって複数のデータ点が選択されると、選択された前記データ点に関連付けられた前記CBCパラメータの値の分布についての統計情報を、前記ユーザインタフェース上に表示するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
  28. 前記電子プロセッサは、複数の異なる測定時間のそれぞれで、前記第1のグループに対応する前記CBCパラメータの前記測定値の平均値を決定し、前記平均値に対応するデータ点を前記プロット上に表示するように構成されていることを特徴とする請求項15または16記載のシステム。
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