以下、本発明の蓄電装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材の名称と異なる場合がある。
蓄電装置は、図1に示すように、蓄電素子1と、該蓄電素子1に隣り合うスペーサ2と、蓄電素子1及びスペーサ2をひとまとめに保持する保持部材3とを備える。保持部材3は、導電材料により成形される。これに伴い、蓄電装置は、蓄電素子1と保持部材3との間に配置されるインシュレータ4を備える。
蓄電素子1は、図2及び図3に示すように、正極及び負極を含む電極体と、電極体を収容するケース10と、ケース10の外面上に配置された一対の外部端子11とを備える。
ケース10は、開口を有するケース本体100と、ケース本体100の開口を閉じる蓋板101であって、外面上に一対の外部端子11が配置される蓋板101とを有する。
ケース本体100は、閉塞部100aと(図3参照)、該閉塞部100aを取り囲むように、該閉塞部100aの周縁に接続された筒状の胴部100bとを備える。
胴部100bは、間隔をあけて互いに対向する一対の第一壁100cと、一対の第一壁100cを挟んで互いに対向する一対の第二壁100dとを備える。
第一壁100c及び第二壁100dのそれぞれは、矩形状に形成される。すなわち、第一壁100c及び第二壁100dのそれぞれの表面は、平坦面であり、四角形状の領域とされている。第一壁100c及び第二壁100dは、互いの端縁を突き合わせた状態で隣り合って配置される。これに伴い、隣り合う第一壁100cの端縁及び第二壁100dの端縁は、互いに全長に亘って接続される。これにより、胴部100bは、角筒状に形成されている。胴部100bの一端は、閉塞部100aによって閉塞されている。これに対し、胴部100bの他端は、開口し、蓋板101によって閉塞される。
本実施形態において、第一壁100cの表面積は、第二壁100dの表面積よりも広くなっている。これに伴い、胴部100bは、扁平角筒状に形成される。
本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1を備える。複数の蓄電素子1のそれぞれは、一方向に整列する。本実施形態において、複数の蓄電素子1のそれぞれは、ケース10の第一壁100cを一方向に向けて整列している。蓄電装置は、隣り合う二つの蓄電素子1の外部端子11を互いに電気的に接続するバスバーを備える。
なお、以下の説明において、便宜上、蓄電素子1の整列する方向(第一方向)をX軸方向という。また、蓄電素子1の整列する方向(X軸方向)と直交する二軸方向のうちの一つの方向(第二方向)をY軸方向といい、残りの一つの方向(第三方向)をZ軸方向ということとする。これに伴い、各図面には、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに対応する直交三軸(座標軸)が補助的に図示されている。
スペーサ2は、絶縁性を有する。スペーサ2は、蓄電素子1のケース10(胴部100bの第一壁100c)と隣り合うベースと、該ベースに隣り合う蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部とを有する。さらに、スペーサ2は、X軸方向で隣り合う蓄電素子1とともに通風路を形成する風路形成部を有する。
スペーサ2について、より具体的に説明する。蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1を備える。そのため、蓄電装置は、X軸方向で複数の蓄電素子1のそれぞれと隣り合うように配置される複数のスペーサ2を備える。これに伴い、蓄電装置は、図4に示すように、2種類のスペーサ2(2A,2B)を備える。すなわち、蓄電装置は、スペーサ2として、隣り合う二つの蓄電素子1の間のそれぞれに配置されるスペーサ(以下、内部スペーサという)2Aと、X軸方向において複数の蓄電素子1の両端を挟むように配置されるスペーサ(以下、外部スペーサという)2Bとを備える。
まず、内部スペーサ2Aについて説明する。内部スペーサ2Aは、図5に示すように、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に隣り合うベース20Aと、該ベース20Aに隣り合う二つの蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部21Aとを有する。
内部スペーサ2Aのベース20Aは、二つの蓄電素子1に挟み込まれる。そのため、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面であって、二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1と対向する第二面とを有する。
内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子1の閉塞部100aに対応する位置に配置される第二端とを有する。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の一方の第二壁100dに対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子1の他方の第二壁100dに対応する位置に配置される第四端とを有する。
内部スペーサ2Aのベース20Aは、該ベース20Aの第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
なお、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一端及び第二端は、Y軸方向に延びる。そして、内部スペーサ2Aのベース20Aの第三端及び第四端は、Z軸方向に延びる。そのため、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状に形成される。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成される。
図6に示すように、複数の内部スペーサ2Aのそれぞれは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1のそれぞれとともに通風路(以下、内部通風路とする)22Aを形成する。そのため、複数の内部スペーサ2Aのそれぞれは、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1とともに内部通風路22A(220A)を形成する風路形成部23A(以下、第一の風路形成部230Aとする)と、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1とともに内部通風路22A(221A)を形成する内部風路形成部23A(以下、第二の風路形成部231Aとする)とを備える。
より具体的に説明する。本実施形態に係る蓄電素子1において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、矩形波形状に形成される。
また、内部スペーサ2Aは、上述のように、隣り合う二つの蓄電素子1の間に配置される。そのため、内部スペーサ2Aは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1に当接する当接部200A,201Aであって、該蓄電素子1に沿って形成される当接部200A,201Aを有する。
本実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1に当接する当接部(以下、第一当接部とする)200Aと、X軸方向で隣り合う二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1に当接する当接部(以下、第二当接部とする)201Aとを有する。これに伴い、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第一当接部200Aと第二当接部201Aとの間に位置する連設部202Aを有する。
第一当接部200Aは、Y軸方向に長手をなしている。第二当接部201Aは、Y軸方向に長手をなしている。
連設部202Aは、第一当接部200Aと第二当接部201Aとに繋がる。また、連設部202Aは、隣り合う蓄電素子1の間でX軸方向とY軸方向とに沿って延びる(図5参照)。
本実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、複数の第一当接部200Aと、複数の第二当接部201Aとを有する。そして、各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一端と第二端とが並ぶ方向で交互に配置される。これに伴い、内部スペーサ2Aのベース20Aは、複数の連設部202Aを有する。
そのため、内部スペーサ2Aは、Z軸方向で隣り合う二つの連設部202Aと、該二つの連設部202Aのそれぞれに繋がる第二当接部201A(第二当接部201Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面)とによって、ベース20Aの第一面に内部通風路22A(220A)を形成する。
すなわち、第一の通風路形成部230Aは、Z軸方向で隣り合う二つの連設部202A、及び該二つの連設部202Aのそれぞれに繋がる第二当接部201AがX軸方向の一方で隣り合う蓄電素子1とともに一つの内部通風路22A(220A)を形成するように構成される。
また、内部スペーサ2Aは、Z軸方向で隣り合う二つの連設部202Aと、該二つの連設部202Aのそれぞれに繋がる第一当接部200A(第一当接部200Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面)とによって、該内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に内部通風路22A(221A)を形成する。
すなわち、第二の通風路形成部231Aは、Z軸方向で隣り合う二つの連設部202A、及び該二つの連設部202Aのそれぞれに繋がる第一当接部200AとがX軸方向の他方で隣り合う蓄電素子1とともに一つの内部通風路22A(221A)を形成するように構成される。
これにより、本実施形態に蓄電装置では、複数の第一の風路形成部230AがZ軸方向で間隔をあけて配置される。すなわち、複数の第一の風路形成部230Aと複数の第二の風路形成部231AとがZ軸方向で交互に並ぶように配置されている。
なお、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に形成される内部通風路220Aと、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に形成される内部通風路221Aとは、断面積が同一又は略同一となるように形成されている。
このようにして、内部スペーサ2Aは、ベース20Aの第一面と蓄電素子1との間、及び内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面と蓄電素子1との間のそれぞれに内部通風路22Aを形成する。
上述のように、内部スペーサ2Aは、隣り合う二つの蓄電素子1の間に配置される。そのため、図5に示すように、規制部21Aは、内部スペーサ2Aに隣り合う二つの蓄電素子1の相対移動を規制すべく、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
より具体的に説明する。規制部21Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの各角部に形成される。内部スペーサ2Aは、規制部21Aとして、第一角部に形成される第一規制部210Aと、第二角部に形成される第二規制部211Aと、第三角部に形成される第三規制部212A、第四角部に形成される第四規制部213Aとを有する。
第一規制部210A及び第二規制部211Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
第一規制部210Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの蓋板101と胴部100bの一方の第二壁100dとに当接する。そして、第二規制部211Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの蓋板101と胴部100bの他方の第二壁100dとに当接する。
第三規制部212A及び第四規制部213Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1と内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって延びる。
第三規制部212Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1のそれぞれの閉塞部100aと、胴部100bの一方の第二壁100dとに当接する。そして、他方の第四規制部213Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの両側に配置される蓄電素子1の閉塞部100aと、胴部100bの他方の第二壁100dとに当接する。
次に、外部スペーサ2Bについて説明する。外部スペーサ2Bは、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に対向する第一面及び該第一面とは反対側の第二面を有するベース(以下、ベースという)20Bと、該ベース20Bに隣り合う蓄電素子1の位置を決定する規制部(以下、規制部という)21Bとを有する。
また、本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、ベース20Bと保持部材3の後述する終端部材30とが対向する。すなわち、外部スペーサ2Bは、蓄電素子1と終端部材30との間に配置される。
外部スペーサ2Bのベース20Bは、X軸方向と直交するY軸方向及びZ軸方向に広がっている。すなわち、ベース20Bは、プレート状に形成される。外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端であって、蓄電素子1の閉塞部100aに対応する位置に配置される第二端とを有する。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の一方の第二壁100dに対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端であって、蓄電素子1の他方の第二壁100dに対応する位置に配置される第四端とを有する。
外部スペーサ2Bのベース20Bは、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
なお、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一端及び第二端は、Y軸方向に延びる。そして、外部スペーサ2Bのベース20Bの第三端及び第四端は、Z軸方向に延びる。そのため、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状である。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。
本実施形態に係る外部スペーサ2Bのベース20Bは、X軸方向で蓄電素子1と間隔をあけて並ぶ対向部200Bと、該対向部200Bから延出する複数の接触部(以下、内部接触部とする)201Bであって、X軸方向で隣り合う蓄電素子1に当接する複数の内部接触部201Bと、を有する。
上述のように、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状に形成され、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。そのため、対向部200Bも、略矩形状に形成され、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成される。
複数の内部接触部201Bのそれぞれは、Y軸方向で真っ直ぐに延びる。そして、図6に示すように、複数の内部接触部201Bのそれぞれは、Z軸方向で間隔をあけて配置されている。
本実施形態において、複数の内部接触部201Bのそれぞれは、X軸方向視において内部スペーサ2Aの連設部202Aと重なる位置に配置されている。すなわち、複数の内部接触部201Bのそれぞれは、内部スペーサ2Aの連設部202AとX軸方向で並ぶように配置されている。
図6に示すように、外部スペーサ2Bは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1とともに通風路(以下、外部通風路とする)24Bを形成する。これに伴い、本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1とともに外部通風路24Bを形成する風路形成部25Bを有する。
上述のように、外部スペーサ2Bにおいて、複数の内部接触部201Bのそれぞれは、X軸方向で隣り合う蓄電素子1に当接する。そのため、外部スペーサ2Bは、Z軸方向で隣り合う二つの内部接触部201Bと、該二つの内部接触部201Bのそれぞれに繋がる対向部200Bとによって、X軸方向で隣り合う蓄電素子1との間に外部通風路24Bを形成する。
すなわち、風路形成部25Bは、Z軸方向で隣り合う二つの内部接触部201B、及び該二つの内部接触部201Bのそれぞれに繋がる対向部200BがX軸方向で隣り合う蓄電素子1とともに一つの外部通風路24Bを形成するように構成される。
ここで、蓄電素子1と内部通風路22Aと外部通風路24Bとの関係について説明する。蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうちX軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の熱伝達量であって、内部通風路22A(220A)及び外部通風路24Bを流通する流体に対する蓄電素子1の熱伝達量の平均値をqo、該両端の間に配置される複数の蓄電素子1の熱伝達量であって、内部通風路22A(220A,221A)を流通する流体に対する蓄電素子1の熱伝達量の平均値をqiとしたときに、qo/qi>1の関係を満たすように構成される。
各外部スペーサ2Bにおいて、外部通風路24Bの断面積(流体が流通する方向に対して直交する方向における各外部通風路24Bの断面の面積の和)は、内部スペーサ2Aの内部通風路220Aの断面積(流体が流通する方向に対して直交する方向における各内部通風路220Aの断面の面積の和)よりも大きくなっている。また、外部通風路24Bの断面積は、内部スペーサ2Aの内部通風路221Aの断面積(流体が流通する方向に対して直交する方向における各内部通風路221Aの断面の面積の和)よりも大きくなっている。
そして、各外部スペーサ2Bにおいて、外部通風路24Bの蓄電素子1に対する冷却面積(蓄電素子1の各外部通風路24Bに露出している部分の面積の和)は、内スペーサ2Aの内部通風路230A(23A)の蓄電素子1に対する冷却面積(蓄電素子1の各内部通風路220Aに露出している部分の面積の和)よりも大きくなっている。
また、各外部スペーサ2Bにおいて、外部通風路24Bの蓄電素子1に対する冷却面積(蓄電素子1の各外部通風路24Bに露出している部分の面積の和)は、内スペーサ2Aの内部通風路231A(23A)の蓄電素子1に対する冷却面積(蓄電素子1の各内部通風路221Aに露出している部分の面積の和)よりも大きくなっている。
上述のように、外部スペーサ2Bの第一面は、蓄電素子1と隣り合う。規制部21Bは、外部スペーサ2Bの第一面に隣り合う蓄電素子1の相対移動を規制すべく、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
より具体的に説明する。外部スペーサ2Bは、規制部21Bとして、ベース20Bの第一端に形成される規制部21Bと、ベース20Bの第二端に形成される規制部21Bとを有する。
外部スペーサ2Bは、規制部21Bとして、第一角部に形成される第一規制部210Bと、第二角部に形成される第二規制部211Bと、第三角部に形成される第三規制部212B、第四角部に形成される第四規制部213Bとを有する。
上述のように、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面は、蓄電素子1と対向する。そのため、第一規制部210B及び第二規制部211Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
第一規制部210Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の蓋板101の第一端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。そして、第二規制部211Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の蓋板101の第二端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。
上述のように、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面は、蓄電素子1と対向する。そのため、第三規制部212B及び第四規制部213Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。
第三規制部212Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の閉塞部100aの第一端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。そして、第四規制部213Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1の閉塞部100aの第二端と胴部100bの第二壁100dとに当接する。
本実施形態に係る外部スペーサ2Bは、上述のように、蓄電素子1を介して該内部スペーサ2Aと隣り合うように配置される。すなわち、蓄電装置は、一対の外部スペーサ2Bを備える。外部スペーサ2Bは、X軸方向における複数の蓄電素子1の両端のそれぞれに配置される。すなわち、蓄電装置では、X軸方向で複数の蓄電素子1を挟み込むように一対の外部スペーサ2Bが配置される。
また、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、上述のように、第一面が蓄電素子1のケース本体100と対向する。そのため、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、互いの外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面が互いに向かい合うようにして配置されている。従って、蓄電装置において、一対の外部スペーサ2Bのそれぞれは、X軸方向において互いに対称となるように配置されている。
保持部材3は、上述のように、蓄電素子1及びスペーサ2をひとまとめに保持する。
本実施形態において、保持部材3は、金属製である。保持部材3は、X軸方向における複数の蓄電素子1の両端を直接的または間接的に挟み込む一対の終端部材30と、該一対の終端部材30のそれぞれを連結するフレーム31とを備える。
上述のように、蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向における両側に配置されている蓄電素子1に隣り合う外部スペーサ2Bを備える。そのため、一対の終端部材30のそれぞれは、図4に示すように、各外部スペーサ2Bと隣り合う位置に配置される。
図5に戻り、一対の終端部材30のそれぞれは、外部スペーサ2Bと対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。一対の終端部材30のそれぞれは、外部スペーサ2Bに当接する圧接部300を有する。
終端部材30は、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一端と、該第一端とは反対側の第二端(蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二端)とを有する。また、終端部材30は、蓄電素子1の一方の第二壁100dと対応する位置に配置される第三端と、該第三端とは反対側の第四端(蓄電素子1の他方の第二壁100dと対応する位置に配置される第四端)とを有する。
これに伴い、終端部材30は、第一端と第三端とが接続される部分である第一角部と、第一端と第四端とが接続される部分である第二角部とを有する。また、終端部材30は、第二端と第三端とが接続される部分である第三角部と、第二端と第四端とのそれぞれが接続される部分である第四角部とを有する。
そして、圧接部300は、外部スペーサ2Bの軸部23Bに対応する位置に形成される挿込穴300aを有する。また、圧接部300は、各角部のそれぞれに形成される複数(本実施形態では、四つ)の貫通穴300bを有する。
フレーム31は、一対の終端部材30間に亘って延びる第一接続部310であって、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一接続部310と、一対の終端部材30間に亘って延びる第二接続部311であって、蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二接続部311とを有する。
また、フレーム31は、第一接続部310と第二接続部311とに繋がる一対の架橋部312を有する。
本実施形態に係るフレーム31は、第一接続部310と第二接続部311とに架橋部312が繋がることによって枠体状に形成される。これに伴い、本実施形態における蓄電装置では、Y軸方向における蓄電素子1の一方側に配置される第一接続部310、第二接続部311、架橋部312を有する部材を第一連結部材31Aとし、Y軸方向における蓄電素子1の他方側に配置される第一接続部310、第二接続部311、架橋部312を有する部材を第二連結部材31Bとして以下の説明を行う場合がある。
そして、フレーム31は、終端部材30と連結される固定部313を有する。
第一接続部310は、長手をなす方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する。
また、第一接続部310は、長手をなす方向と直交する方向に屈曲している。第一接続部310において、屈曲部分を境とする一方の部分は、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される。第一接続部310において、屈曲部分を境とする他方は、蓄電素子1の第二壁100dと対応する位置に配置される。
第二接続部311は、長手をなす方向に第一端と該第一端とは反対側の第二端とを有する。
第二接続部311は、長手をなす方向と直交する方向に屈曲している。そして、第二接続部311は、屈曲部分を境とする一方の部分が蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置され、屈曲部分を境とする他方の部分が蓄電素子1の第二壁100dと対応する位置に配置される。
架橋部312は、第一接続部310の第一端と第二接続部311の第一端とに繋がる第一架橋部312aと、第一接続部310の第二端と第二接続部311の第二端とに繋がる第二架橋部312bとを有する。
固定部313は、第一接続部310の第一端と第二端とに形成される一対の第一固定部313aと、第二接続部311の第一端と第二端とに形成される一対の第二固定部313bとを有する。
一方の第一固定部313aは、一方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。他方の第一固定部313aは、他方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。そして、一対の第一固定部313aのそれぞれは、貫通穴300bと対応する位置に第一穴部313cが形成されている。
そのため、第一接続部310は、終端部材30の貫通穴300bと、第一固定部313aの第一穴部313cとに挿通したボルトにナットを螺合させることによって該終端部材30に連結される。
一方の第二固定部313bは、一方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。他方の第二固定部313bは、他方の終端部材30の貫通穴300b周りの部分と対向する。そして、一対の第二固定部313bのそれぞれは、貫通穴300bと対応する位置に第二穴部313dが形成されている。
そのため、第二接続部311は、終端部材30の貫通穴300bと、第二固定部313bの第二穴部313dとに挿通したボルトにナットを螺合させることによって該終端部材30に連結される。
インシュレータ4は、絶縁性を有する材料で構成されている。そして、インシュレータ4は、第一接続部310と、スペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間に配置される第一絶縁部40と、第二接続部311とスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間に配置される第二絶縁部41とを有する。
インシュレータ4は、第一絶縁部40と第二絶縁部41とに繋がる第三絶縁部42を有する。
第一絶縁部40は、X軸方向に長手をなす。また、第一絶縁部40は、蓄電素子1とフレーム3の第一接続部310との間に配置されている。すなわち、第一絶縁部40は、長手をなす方向と直交する方向に屈曲する。そして、第一絶縁部40における、屈曲部分を境とする一方の部分は、第一接続部310の屈曲部分を境とする一方の部分と当接する。また、第一絶縁部40における、屈曲部分を境とする他方の部分は、第一接続部310の屈曲部分を境とする他方の部分と当接する。
第二絶縁部41は、X軸方向に長手をなす。また、第二絶縁部41は、蓄電素子1とフレーム3の第二接続部311との間に配置されている。すなわち、第二絶縁部41は、長手をなす方向と直交する方向に沿って屈曲する。そして、第二絶縁部41における、屈曲部分を境とする一方の部分は、第二接続部311の屈曲部分を境とする一方の部分と当接する。第二絶縁部41における、屈曲部分を境とする他方の部分は、第二接続部311の屈曲部分を境とする他方の部分と当接する。
本実施形態に係るインシュレータ4は、二つの第三絶縁部42を有する。より具体的に説明する。インシュレータ4では、第一絶縁部40の第一端と第二絶縁部41の第一端、及び第一絶縁部40の第二端と第二絶縁部41の第二端が第三絶縁部42によって繋がれている。
以上のように、本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうちX軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値をqo、該両端の間に配置される複数の蓄電素子1の熱伝達量の平均値をqiとしたときに、qo/qi>1の関係を満たすように構成されているため、X軸方向の両端に配置された各蓄電素子1は、 X軸方向の両端に配置される各蓄電素子1は、該両端の間に配置される複数の蓄電素子1よりも熱交換効率が高くなる。そのため、蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向の両端に配置される各蓄電素子1を、該両端の間に配置される各蓄電素子1よりも放熱しやすくなる。
従って、本実施形態に係る蓄電装置は、X軸方向の両端に配置される各蓄電素子1のそれぞれの温度がX軸方向の両端の間に配置される各蓄電素子1の温度よりも高まることを抑えることができる。これにより、蓄電装置は、各蓄電素子1の温度がばらつくことを抑えることができる。
そして、外部通風路24Bは、流体が流通する方向に直交する方向の断面の面積が、内部通風路220Aにおける流体が流通する方向に直交する方向の断面の面積よりも大きくなっている。また、外部通風路24Bは、内部通風路221Aにおける流体が流通する方向に直交する方向の断面の面積よりも大きくなっている。
そのため、外部通風路24Bは、内部通風路22Aよりも多くの流体を流通させることができる。これにより、蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向の両端に配置される蓄電素子1のそれぞれは、該両端の間に配置される蓄電素子1のそれぞれよりも多くの流体によって冷却することができる。
また、本実施形態では、各内部スペーサ2Aによって形成される内部通風路220A,221Aのそれぞれの断面の面積が同一であり、各外部スペーサ2Bによって形成される外部通風路24Bの断面の面積が、内部通風路220A,221Aにおける面積よりも大きくなっている。さらに、蓄電装置は、外部スペーサ2Bの外部通風路24Bの断面積を変化させるのみで、熱伝達量を変化させることもできる。
そのため、蓄電装置では、X軸方向の両端に配置される蓄電素子1と、該両端の間に配置される蓄電素子1とに温度のばらつきが生じることを抑えつつ、X軸方向の両端間に配置される複数の蓄電素子1同士に温度のばらつきが生じることを抑えることもできる。従って、蓄電装置は、複数の蓄電素子1の温度がばらつくことをより確実に抑えることができる。
外部通風路24Bにおける蓄電素子1の冷却面積は、内部通風路220Aにおける蓄電素子1の冷却面積よりも大きくなっている。また、外部通風路24Bにおける蓄電素子1の冷却面積は、内部通風路221Aにおける蓄電素子1の冷却面積よりも大きくなっている。そのため、蓄電装置において、外部通風路24Bは、内部通風路220A、及び内部通風路221Aよりも多くの流体を蓄電素子1に接触させることができる。
さらに、外部スペーサ2Bの複数の内部接触部201Bは、内部スペーサ2Aの複数の連設部202Aと、X軸方向視において重なる位置に配置されている。そのため、
このようにすれば、外部スペーサ2Bの複数の内部接触部201Bのそれぞれと、内部スペーサ2Aの複数の連設部201AのそれぞれとがX軸方向で並んだ状態になる。すなわち、外部スペーサ2Bの複数の内部接触部201Bのそれぞれが並ぶ間隔と、内部スペーサ2Aの複数の連設部201Aのそれぞれが並ぶ間隔とを一致又は略一致させることができる。
従って、各外部スペーサ2B及び各内部スペーサ2Aは、X軸方向で隣り合う構成に対して荷重を効率よく伝達することができるようになる。
なお、本発明に係る蓄電装置は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、略矩形状であり、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさになっている。しかしながら、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のそれぞれの姿勢を対応させることができれば、略矩形状であるものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさであるものにも限定されない。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aのベース20Aは、矩形波形状にすることによって、該ベース20Aと蓄電素子1との間に通風路22Aを形成している。しかしながら、内部スペーサ2Aのベース20Aは、第一面と蓄電素子1との間(第二面と蓄電素子1との間)に流体を通過させることができれば、ベース20Aの形状が矩形波形状であるものに限定されない。また、内部スペーサ2Aのベース20Aと蓄電素子1との間に通風路24Bを形成する必要がない場合、内部スペーサ2Aのベース20Aは、平板状に形成されていてもよい。
上記実施形態において、内部スペーサ2Aの各規制部21Aは、ベース20Aの角部のそれぞれに形成されている。しかしながら、内部スペーサ2Aの規制部21Aは、ベース20Aに対する蓄電素子1の位置を決定することができれば、ベース20Aに形成される位置が限定されるものではない。
上記実施形態において、外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形状であり、且つ蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。しかしながら、ベース20Bは、隣り合う蓄電素子1の姿勢と終端部材30の姿勢とを対応させることができれば、ベース20Bは、略矩形状に形成されているものに限定されず、また、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさで形成されているものにも限定されない。
上記実施形態において、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの角部のそれぞれに規制部21Bが形成されている。しかしながら、規制部21Bは、ベース20Bに対して蓄電素子1を配置する位置を決定することができれば、ベース20Bに形成される位置が限定されるものではない。
上記実施形態において、特に言及しなかったが、蓄電装置は、外部スペーサ2Bと、内部スペーサ2Aとを異なる材質で構成することによって、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の流体に対する熱伝達量が該一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1の流体に対する熱伝達量よりも大きくなるように構成してもよい。
上記実施形態において、蓄電装置は、qo/qi>1の関係を満たすように構成されていたが、これに限定されるものではない。例えば、蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうちX軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の冷却面積の平均値をAo、該一対の蓄電素子1の間に配置される複数の蓄電素子1の冷却面積の平均値をAi、前記一対の蓄電素子1に隣り合う外部通風路24B及び内部通風路22Aの断面積の平均値ao、X軸方向の両端の間に配置される複数の蓄電素子1に隣り合う内部通風路22Aの断面積の平均値をai、としたとき、Ao×√ao>Ai×√aiの関係を満たすように構成されていてもよい。
上記実施形態において、特に言及しなかったが、内部スペーサ2Aでは、連設部202AのX軸方向における長さを変更すると、内部通風路220A,221AのX軸方向における深さが変化し、第一当接部200A、及び第二当接部201AのZ軸方向における長さを変更すると、内部通風路220A,221AのZ軸方向における幅が変化する。
すなわち、内部スペーサ2Aでは、連設部202AのX軸方向における長さや、第一当接部200A、及び第二当接部201AのZ軸方向における長さを変更することによって、内部通風路220A,221Aの断面の面積や、蓄電素子1の冷却面積を変化させることができる。
また、外部スペーサ2Aでは、内部接触部201BのX軸方向における長さを変更すると、外部通風路24BのX軸方向における深さが変化し、内部接触部201BのZ軸方向における太さ(すなわち、内部接触部201Bの蓄電素子1に対する接触面積)を変更すると、外部通風路24BのZ軸方向における幅が変化する。
すなわち、外部スペーサ2Aでは、内部接触部201BのX軸方向における長さや、内部接触部201BのZ軸方向における太さ(すなわち、内部接触部201Bの蓄電素子1に対する接触面積)を変更することによって、外部通風路24Bの断面の面積や、蓄電素子1の冷却面積を変化させることができる。
続いて、実施例を挙げて蓄電素子1の熱伝達量qと、各蓄電素子1の電流値Y(A)との関係性を説明する。なお、本発明は、各実施例によって限定されるものではない。
各蓄電素子1の熱伝達量qは、つぎの通り算出される。より具体的に説明する。X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値q
oは、下記数式1によって算出される。また、X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の間に配置される複数の蓄電素子1の熱伝達量の平均値q
iは、下記数式2によって算出される。
ここで、Aoは、X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の冷却面積(mm2)の平均値を意味する。具体的に説明する。X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の冷却面積(mm2)の平均値Aoは、該両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1が外部通風路24B及び内部通風路220A(22A)と接触する面積の和と、該両端に配置された一対の蓄電素子1のうち他方の蓄電素子1が外部通風路24B及び内部通風路221A(22A)と接触する面積の和と、の平均値を意味する。
なお、X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1の外部通風路24B及び内部通風路22Aと接触する面積とは、蓄電素子1における各外部通風路24B及び各内部通風路22Aに露出している部分の面積の和を意味する。
そのため、蓄電素子1が外部通風路24Bと接触する面積の和は、図7に示すように、Z軸方向における外部通風路24Bの幅W1の和にY軸方向における蓄電素子1の長さを乗算して算出される。また、蓄電素子1が内部通風路22A(内部通風路220A、又は内部通風路221A)と接触する面積の和は、Z軸方向における内部通風路22A(内部通風路220A又は内部通風路221A)の幅の和にY軸方向における蓄電素子1の長さを乗算して算出される。
aoは、X軸方向の両端に配置された一対の蓄電素子1に隣り合う通風路(外部通風路24B及び内部通風路22A(内部通風路220A、又は内部通風路221A)の断面積(mm2)の平均値を意味する。通風路の断面積(mm2)の平均値aoは、両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1に隣り合う各外部通風路24B及び各内部通風路22A(内部通風路220A、又は内部通風路221A)の断面積の和と、両端に配置された一対の蓄電素子1のうち他方の蓄電素子1に隣り合う各外部通風路24B及び各内部通風路22A(内部通風路220A、又は内部通風路221A)の断面積の和と、の平均値を意味する。
なお、図8に示すように、両端に配置された一対の蓄電素子1に隣り合う通風路の断面積は、流体が流通する方向に対して直交する方向における通風路の断面の面積を意味する。
Coは、冷却媒体の種類、冷却媒体の温度及び速度、蓄電素子1の温度、蓄電素子1のケース10の熱伝導率、及びスペーサ2の熱伝導率等に依存する定数である。
Aiは、X軸方向の両端の間に配置される各蓄電素子1の冷却面積(mm2)の平均値を意味する。具体的には、Aiは、各電素子1がX軸方向で隣り合う一対の内部通風路と接触する面積の和の平均値を意味する。
なお、X軸方向の両端の間に配置される蓄電素子1の冷却面積とは、上述のように、蓄電素子1における、各内部通風路220A,221Aに露出している部分の面積の和を意味する(図8参照)。そのため、蓄電素子1が内部通風路220A,221Aと接触する面積の和は、Z軸方向における内部通風路220A,221Aの幅の和にY軸方向における蓄電素子1の長さを乗算して算出される。
aiは、X軸方向の両端の間に配置される各蓄電素子1に隣り合う各内部通風路220A,221Aの断面積(mm2)の平均値を意味する。具体的には、aiは、各蓄電素子1に隣り合う各内部通風路220A,221Aの断面積の和の平均値を意味する。
なお、X軸方向の両端の間に配置される各蓄電素子1に隣り合う内部通風路220A,221Aの断面積は、上述のように、流体が流通する方向に対して直交する方向における内部通風路220A,221Aの断面の面積を意味する(図7参照)。
Ciは、冷却媒体の種類、冷却媒体の温度及び速度、蓄電素子1の温度、蓄電素子1のケース10の熱伝導率、及びスペーサ2の熱伝導率等に依存する定数である。
本実施形態では、各蓄電素子1のケース10の材料及び厚みが同一であり、各スペーサ2(各内部スペーサ2A及び各外部スペーサ2B)の材料が同一である。また、同一のダクトを用いて外部通風路及び内部通風路に同一の冷却媒体を流通させているため、各蓄電素子1に流通される冷却媒体の温度及び速度は略同一である。さらに、各蓄電素子1の温度が3℃程度変化するのみでは、Co及びCiはほとんど変化しない。このため、CoとCiの値は、Co≒Ciと近似することができる。
このため、両端に配置された一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値q
oと、両端に配置された一対の蓄電素子1の間に配置される複数の蓄電素子の熱伝達量の平均値q
iとの比は、つぎの数式3によって算出される。
実施例1の蓄電装置は、18個の蓄電素子(E1〜E18)を備えている。ここで、EXにおけるXの数字は、それぞれ、X軸方向において蓄電素子1が配置されている順番を意味する。つまり、E1及びE18は、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1を意味し、E2〜E17は、該一対の蓄電素子1の間に配置されている複数の蓄電素子をそれぞれ意味する。
実施例1の蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値qoと、該一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1の熱伝達量の平均値qiとの比(qo/qi)が1.24となるように構成される。
より具体的に説明する。実施例1の蓄電装置において、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1(E1)が隣り合う外部通風路24B及び内部通風路220Aと接触する面積の和は、11,158mm2、他方の蓄電素子1(E18)が隣り合う外部通風路24B及び内部通風路221Aと接触する面積の和は、10,449mm2となるように構成される。このため、両端に配置された一対の蓄電素子1の冷却面積の平均値Aoは、10,804mm2である。
また、X軸方向において両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1(E1)に隣り合う外部通風路24B及び内部通風路220Aの断面積の和は、170mm2、他方の蓄電素子1(E18)に隣り合う外部通風路24B及び内部通風路221Aの断面積の和は、158mm2となるように構成される。このため、両端に配置された一対の蓄電素子1に隣り合う内部通風路22A及び外部通風路24Bの断面積の平均値aoは、164mm2である。
また、実施例1の蓄電装置において、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1(E2〜E17)の冷却面積の平均値Aiは、9,675mm2、各蓄電素子1(E2〜E17)が隣り合う内部通風路220A,221Aの断面積の平均値aiは、134mm2となるように構成される。
そのため、実施例1の蓄電装置は、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値qoと、該一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1の熱伝達量の平均値qiとの比(qo/qi)が1.24となるように構成されている。また、実施例1の蓄電装置は、Ao×√ao=138,359mm2、Ai×√ai=111,996mm2であるため、Ao×√ao>Ai×√aiとなるように構成されている。
実施例2の蓄電装置は、実施例1の蓄電装置と同様に、18個の蓄電素子(E1〜E18)を備えている。実施例2の蓄電装置は、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値qoと、該一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1の熱伝達量の平均値qiとの比(qo/qi)が1.51となるように構成される。
より具体的に説明する。実施例2の蓄電装置において、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1(E1)が隣り合う外部通風路24B及び内部通風路220Aと接触する面積の和は、11,578mm2、他方の蓄電素子1(E18)が隣り合う外部通風路24B及び内部通風路221Aと接触する面積の和は、10,870mm2となるように構成される。このため、両端に配置された一対の蓄電素子1の冷却面積の平均値Aoは、11,224mm2である。
また、X軸方向において両端に配置された一対の蓄電素子1のうち一方の蓄電素子1(E1)に隣り合う外部通風路24B及び内部通風路220Aの断面積の和は、194mm2、他方の蓄電素子1(E18)に隣り合う外部通風路24B及び内部通風路221Aの断面積の和は、185mm2となるように構成される。このため、両端に配置された一対の蓄電素子1に隣り合う内部通風路22A及び外部通風路24Bの断面積の平均値aoは、189.5mm2である。
また、実施例2の蓄電装置において、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1(E2〜E17)の冷却面積の平均値Aiは、9,483mm2、各蓄電素子1(E2〜E17)が隣り合う内部通風路22A及び外部通風路24Bの断面積の平均値aiは、117mm2となるように構成される。
このため、実施例2の蓄電装置は、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の熱伝達量の平均値qoと、該一対の蓄電素子1の間に配置される各蓄電素子1の熱伝達量の平均値qiとの比(qo/qi)が1.506(≒1.51)となるように構成されている。また、実施例2の蓄電装置は、Ao×√ao=154,508mm2、Ai×√ai=102,574mm2であるため、Ao×√ao>Ai×√aiとなるように構成されている。
(電流値Yの測定方法)
まず、蓄電装置に対して、温度を25℃に設定した冷却用の流体をX(m3/h)で供給している状態にし、直列に接続した各蓄電素子1を電流値Y(A)で定電流放電させる。そして、600秒経過した時点で各蓄電素子1の温度を測定する。さらに、電流値Y(A)を大きくした状態の各蓄電素子1を再び定電流放電させ、600秒経過した時点で再度各蓄電素子1の温度を測定する。
このようにして、各蓄電素子1の電流値Yを徐々に大きくしながら、各蓄電素子1の温度を測定する。そして、複数の蓄電素子1のうちの何れか一つの蓄電素子1の温度が40℃を超えた時点における、各蓄電素子1の電流値Yを最大の電流値Yとする。流体の流量Xを52.5(m3/h)として(一つの蓄電素子1に供給される流体の流量が2.92(m3/h)となるようにして)、実施例1,2の蓄電装置の電流値Yを測定した結果を表1に示す。
なお、表1に記載の蓄電素子1の温度は、複数の蓄電素子1のうちの何れか一つの蓄電素子1の温度が40℃を超えた時点の値である。
表1及び図9に示すように、複数の蓄電素子1のうち、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の熱伝達量qを大きくすると、より大きな電流を流した場合に、複数の蓄電素子1のうちの何れか一つの蓄電素子1の温度が大きく上昇することを抑えれることがわかる。つまり、X軸方向において両端に配置される一対の蓄電素子1の温度上昇を抑えることができている。また、図9に示すように、各蓄電素子1の温度のばらつきが生じるのを抑えることができている。