JP6224422B2 - 金属加工屑の洗浄処理設備 - Google Patents
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Description
現状このダライ屑は、その多くが再利用されていないのが実情である。その理由は以下の点にある。
このような汚れの付着したままのダライ屑を溶解用の原料として再利用したとき、次のような様々な問題が生ずる。
即ち、汚れの付着したダライ屑を溶解炉に装入すると油脂分による引火の恐れや、操業中の漏煙の発生、更には油脂分やごみ等の汚れによって溶鋼が汚染され、溶鋼品質が悪化する問題、また操業面では配管内への油脂分の付着,フィルタ目詰まり等の問題が発生する。
従ってダライ屑を溶解用原料として再利用するには、ダライ屑に付着している切削油やごみ等の汚れを洗浄により除去することが不可欠である。
異材質のダライ屑が混ざり合ってしまうと、それは文字通り屑となってしまい、もはや再利用するといったことは難しい。
ところがこのような要請を満たし得るダライ屑の洗浄処理設備は、未だ提供されていないのが実情である。
またダライ屑の表面はざらざらしており、単に洗浄液に浸した程度では表面の汚れを落とすことは難しい。
従ってその後に別の材質のダライ屑を処理すると、前の処理で容器内やコンベア上等の洗浄処理ライン上に残ったダライ屑が、次の異種(異材質)のダライ屑に混ざってしまう問題を生じる。
以上、ダライ屑を例として問題点を述べたが、この様な問題は、ダライ屑以外の金属加工屑を再利用するに際しても同様に生じる問題である。
但しこの特許文献1に記載のものは、切削加工後の製品を洗浄対象としたもので、ダライ屑などの金属加工屑を洗浄対象としたものでなく、この点で基本的に本発明と異なっている。
また清掃のための作業及び時間を要しないため、異材質の金属加工屑の処理への切替えを含む金属加工屑の洗浄処理のための全体の所要時間を短くすることができる。
また容器の内面には、筒中心側に向って突出し、容器の回転とともに回転移動する撹拌羽根が備えられているため、容器内部の金属加工屑が効率的に撹拌作用を受け、洗浄の効率が一層高められる。
これにより金属加工屑の表面に付着していた切削油やごみ等を含む汚れが十分に除去されて、金属加工屑が清浄化される。
この請求項2に記載の洗浄処理設備では、回転する容器の下部に集合状態で溜っている金属加工屑群のうちの、最下部の奥部に潜っている状態の金属加工屑が、撹拌羽根の回転によりすくい取られて上方に持ち上げられる。そしてその持ち上げられた金属加工屑に対してノズル部から洗浄液が直接噴射される。
ここでノズル部からの洗浄液の噴射は、これを容器内下部で集合状態となっている金属加工屑に向けての下向きと、撹拌羽根によって持ち上げられる側に向けての横向きに噴射するようになしておくことができる。
このようにすることで、容器内部の金属加工屑を、容器の回転により撹拌しつつノズル部からの熱風の噴射により良好に乾燥処理することができる。
ここでノズル部からの熱風噴射は金属加工屑が持ち上げられる側の横向きと下向きの2方向噴射としておくことができる。
このようにすることで、洗浄部での洗浄により洗浄液が付着し、その状態で下流側に搬送されて来た金属加工屑から洗浄液を良好に湯洗除去することができる。
このようにすることで、上記の湯噴射により金属加工屑に付着している水を、この水切部において良好に金属加工屑から除去することができる。
このようにすることで、例えば洗浄部において容器内部の金属加工屑を容器の回転により撹拌するに際して撹拌効率を高めることができ、ひいては金属加工屑の洗浄能力を高めることができる。
また他の乾燥部等の各処理部において、容器回転時の金属加工屑の撹拌効果を高め得て、乾燥その他の処理を効率的に行うことができる。
このようにすることで、ノズル管の存在にも拘らず、これを後退移動させておくことで容器を搬送ラインに沿って各処理部に対し上流側から下流側へと円滑に搬送装置にて搬送して行くことができる。
このようにすることで、液槽の存在にも拘らず搬送装置にて容器を洗浄部へと移動させ、或いは洗浄部から更に下流側に移動させることができる。
また洗浄部においては、金属加工屑を容器ごと洗浄部に移動させた後に液槽を閉じることができ、液槽内、詳しくは液槽内部の洗浄液に金属加工屑を浸漬させた状態で容器を回転運動させることができる。
また上記の洗浄部においては、かかる受ローラを液槽内の位置に設けておき、液槽内で容器を回転駆動するものとなしておくことができる。
図1及び図2において、10は洗浄対象である金属加工屑としてのダライ屑を内部に入れて搬送する篭状の容器で、筒形状をなす周壁部12と、軸線方向の両端に配置された端部部材としての平面視円形状の端部プレート14,16とを有している。
ここで一方の端部プレート16には、中心部に円形の開口部18が設けられている。
後述のダライ屑は、この開口部18を通じて容器10内に投入され、或いは容器10内から排出される。
尚、一方の端部プレート16の図1中上面の外周部には、平面視円形のドーナツ環状の且つ端部プレート16よりも僅かに小径の補強プレート17が取り付けられている。
尚、図2に示す他方の端部プレート14の側においても、その外面(図1中下面)に同形状の補強プレート17が取り付けられている。
尚補強プレート17を端部プレート16,14に取り付けておくことは必須ではなく、場合によって補強プレート17の取付けを省くことも可能である。
即ち周壁部12は、その大部分がメッシュメタルから成っており、そこには容器10内外を連通させる間隙が多数形成されている。
ここではメッシュメタルとして、メッシュ目が500μmのものが用いられている。
また容器10は、ダライ屑を最大で120kg投入可能な大きさとされている。
ここで撹拌羽根30A,30Bは、周壁部12における角部の位置に設けられている。即ち周方向に45°ずつ隔たった位置にそれぞれ設けられている。
撹拌羽根30Aは、撹拌羽根30Bよりも突出高さが高く、この撹拌羽根30Aと、今一方の突出高さの低い撹拌羽根30Bとが周方向に交互に配置されている。
これら撹拌羽根30A及び30Bは、図2(A)で示すように端部プレート14から端部プレート16側のテーパ状部28の直前位置まで容器10の軸線方向に延びている。
尚テーパ状部28は、内周端が端部プレート16の開口部18縁部に合致せしめられている。
一方の鍔状部32は、端部プレート14,16を周壁部12から突出させることで構成されており、軸線方向の両端位置に設けられている。
今一方の鍔状部34は、これら一対の軸端の鍔状部32から軸線方向内方に所定距離引き込んだ位置に配置されている。
鍔状部32,34は何れも被支持部としてのもので、一方の鍔状部32は、後に明らかにされるように後述の受ローラ132(図9参照)にて支持される。
また軸端位置から引き込んだ位置の一対の鍔状部34は、搬送装置64(図5参照)にて支持される。
また図4は、洗浄処理設備の本体部分の概略全体構成を示している。
図3中36は洗浄処理設備を、図4中38はその本体部を表している。
図4に示しているように、本体部38には図中右側から左側に向って、即ち搬送ラインの上流側から下流側に向って洗浄部42,湯洗部44,水切部46,乾燥部48が順に設けられている。
尚図中50は搬入部を、52は搬出部を表している。
具体的には、空の容器10が縦向きで、詳しくは軸線を縦向きとしてローラコンベア54の図中左端に載せられる。
ローラコンベア54に載せられた空の容器10は、続いて図中矢印で示す右方向に搬送される。
そして図中の下端位置で、チップ状のダライ屑K(図11参照)が、容器10の上端の開口部18から容器10内部に投入される。
そして粉砕後のチップ状のダライ屑Kが、或いはダライ屑貯留機63に貯留されているダライ屑Kが、ローラコンベア56上に待機している空の容器10内へと投入される。
容器10は、この受渡し位置60において横向きに倒され、軸線が水平方向を向くように寝た状態、即ち横向き状態とされる。
そしてその状態で容器10が、内部のダライ屑Kとともに本体部38の搬入部50へと移される。
ここで横向き状態とは、必ずしも容器10の軸線が水平である状態に限定するものではなく、例えば容器10の軸線が水平方向に対して上下に30°の範囲内で傾いた状態であってもよい。
そして乾燥後のダライ屑Kが容器10ごと搬出部52へと送られて、そこから設備外へと搬出されて行く。
図5,図6及び図7にその搬送装置64の構成が示してある。
以下これらの図に基づいて搬送装置64につき説明する。
図5において、搬送装置64は、容器10の送り方向である図中左右の水平方向と上下方向とに移動可能な可動の支持台66を有しており、その上面に、容器10を支持する複数の支持部68が設けられている。
ここで支持部68は、上記の搬入部50,洗浄部42,湯洗部44,水切部46及び乾燥部48に対応した数で且つ図中左右方向に等しい間隔で5個所に設けられている。
尚、支持片70は図6(B)に示しているように凹部72を有しており、そこに鍔状部34を挿入させることで容器10を送り方向と直交方向、即ちその軸線方向に位置決めするようになっている。
ここで支持台76上の支持部68は、搬入部50において容器10を支持する。
また支持台78上の支持部68は、搬出部52において容器10を支持する。
尚これら支持台76,78上の支持部68の構成は、上記可動の支持台66上の支持部68と同様である。
またこのアーム80の下端部に対して、これとは別の下側のアーム82の上端部が、軸84を介して一体回転状態に連結されている。
詳しくは、軸84は全体として断面円形をなしているが、図6(B)に示しているように軸方向の中間部が断面4角形状の雄係合部90とされており、その雄係合部90が、アーム80の下端部に設けられた4角筒状の雌係合部91の係合孔92に係合せしめられており、それらの係合作用によって、アーム80と82とが軸84を介し一体回転状態に連結されている。
ここで軸84は、後述の処理チャンバ112(図3参照)の壁94に固定の軸受96にて回転可能に支持されている。
連結ロッド86は、図5に示しているように左右方向に長く延びており、その右端部に対して昇降用シリンダ88が連結されている。
一方昇降用シリンダ88がシリンダロッドを引き込むと、アーム80,82が反時計方向に回転して、支持台66を下降移動させる。
キャリー用シリンダ98は、支持台66の図中左端から垂下し、支持台66と一体に移動する可動の第1伝達部100と、上下方向に不動の第2伝達部102とを介して支持台66と連結されており、キャリー用シリンダ98がシリンダロッドを押し出すと、その押出しの力が伝達部102,100を介して支持台66に伝えられ、支持台66が図5中左方向に前進移動せしめられる。
またキャリー用シリンダ98がロッドを引き込むと、その引き込みの力が伝達部102,100を介して支持台66に伝えられ、支持台66が図中右方向に後退移動せしめられる。
即ち支持台66は、アーム80の上端部に対して相対移動を生じながら図5中左右方向に進退移動する。
各アーム80の上端部が、そのような相対移動を許容するように、図6(B)において大ローラ104と小ローラ106とで支持台66の外向きのフランジ部108を上下両側から挟持している。
この第2伝達部102は、上下のスライドガイドとしての働きも有しており、支持台66から垂下した上記の伝達部100は、この第2伝達部102によって上下に昇降案内される。
図4に示しているように各チャンバ114,116,118,120の入口と出口には、それぞれ開閉扉122が設けられており、各開閉扉122が扉シリンダ124によって開閉される。
また各チャンバ114,116,118,120には、図8に示す排気ダクト126とミストコレクタ128とが付設されている。
これらの図に示しているように、洗浄部42はチャンバ114内に液槽130を有しており、そしてその液槽130内部に受ローラ132が設けられている。
ここで受ローラ132は、容器10の搬送方向即ち図5において左右方向に一対設けられており、また一対の受ローラ132を1組として、搬送方向と直交方向即ち図9において左右方向に2組設けられている。
これら受ローラ132は、容器10の上記の鍔状部32を受けて、これを支持する。
各受ローラ132は、中間軸134を介してチェーン140により図8のモータ136に連結されている。
各受ローラ132は、モータ136によって回転駆動される。
尚、受ローラ132にて容器10の鍔状部32を受け、モータ136にて受ローラ132を回転させることにより、容器10全体を回転させる点については、図4の湯洗部44,水切部46,乾燥部48においても同様である。
即ち液槽130は、固定部142と可動部144とに分かれていて、その可動部144に開閉シリンダ146が連結され、可動部144がその開閉シリンダ146によって図中左右方向に進退移動せしめられることで液槽130が開閉動作する。
ここで液槽130の容量は1500L(リットル)〜2000L程度である。
ここで外ノズル管151は、図4,図11にも示しているように、上下方向において内ノズル管148よりも下側に且つ容器10の軸心から同図中左右方向に偏心した位置に設けられている。
ここで内ノズル管148は水平方向に設けられていて、図8中左右方向の進退移動により容器10に対して上記の開口部18からその内部且つ軸心(筒中心)位置に軸線方向に挿入され、また後退移動によって容器10内部から軸線方向の外部へと抜き出される。
内ノズル管148には、多数のノズル部150が容器10の軸直角方向外方に向けて設けられている。ノズル部150の向きは、ここでは水平方向の横向き(図11中右向き)と下向きの2方向とされている。
ノズル部150の向きが図11中右向きと下向きであることの理由については後述する。
尚図8中164は、内ノズル管148のノズル部150にダライ屑が乗ってしまった場合に、これを容器10内に吹き落とすためのエア吹付ノズルである。
外ノズル管151もまた水平方向に設けられており、多数のノズル部150が、容器10の軸直角方向内方に向けて設けられている。
圧送された洗浄液は多数の内ノズル管148のノズル部150から容器10内へと噴射される。また容器10の外部に位置する外ノズル管151のノズル部150から容器10の周壁部12外面に向けて噴射される。
内ノズル管148及び外ノズル管151のノズル部150から噴射された洗浄液は、最終的にチャンバ114の底部のパン155で受けられて、その後返送管156により図3のフィルタ158を経て再び洗浄液タンク152へと戻される。
ここで洗浄液としてはアルカリ性の洗浄液(水溶液)が用いられる。但し洗浄液としては様々なものを用いることが可能である。
湯洗部44には湯タンク162が設けられており、内部の湯がポンプ154にて内ノズル管148及び外ノズル管151へと圧送される。
圧送された湯は内ノズル管148の多数のノズル部150から、容器10の内部に噴射され、また外ノズル管151のノズル部150から容器10の周壁部12外面に向けて噴射される。
噴射された湯は、その後洗浄部42と同様に返送管156を通じ、フィルタ158を経て湯タンク162へと戻される。
この水切部46においては、内ノズル管148及び外ノズル管151の多数のノズル部150からエア噴射して水切りを行う。
内ノズル管148のノズル部150の向きは、洗浄部42,湯洗部44におけるのと同様の2方向であり、また外ノズル管151のノズル部150の向きは洗浄部42,湯洗部44におけるのと同様、容器10の周壁部12外面に向けての一方向である。
この乾燥部48では、ヒータにより加熱された熱風が内ノズル管148のノズル部150から噴射される。
この乾燥部48においても、内ノズル管148のノズル部150の向きは洗浄部42,湯洗部44,水切部46におけるのと同様の2方向であり、内ノズル管148に送られた熱風はノズル部150から下向きと横向きとに噴射される。
そして洗浄部42において、洗浄液によるダライ屑Kの洗浄が行われ、そしてこれに隣接した下流側の湯洗部44において、容器10内のダライ屑Kが湯洗され、ダライ屑Kに付着していた洗浄液がここで除去される。
そして更に下流側の水切部46において、ダライ屑Kに付着していた水分が容器10内において水切りされる。
更にその下流側の乾燥部48において、容器10内のダライ屑Kに対する乾燥が行われる。
そして最終的に乾燥後のダライ屑Kが容器10ごと搬出部52へと送られて、そこから設備外へと送られて行く。
洗浄部42では、液槽130を可動部144の図8中左向きの移動によって閉じ、同時に内ノズル管148を容器10の内部に開口部18から挿入した状態で、また外ノズル管151を液槽130の内部であって容器10の外部且つ内ノズル管148よりも下側に位置させた状態で容器10を受ローラ132の回転により回転運動させつつ(回転数は1分間に5回転程度)、ポンプ154にて洗浄液タンク152内の洗浄液を内ノズル管148と外ノズル管151とに圧送する。ここにおいて内ノズル管148は、ノズル部150から図11中右向き(後述するように撹拌羽根30A,30Bにてダライ屑Kが持ち上げられる側の横向き)と、ダライ屑Kが集合状態となっている下向きとの両方向に洗浄液を噴射する。
たとえば、単に容器10内にダライ屑Kを収容した状態でこれを洗浄液に浸漬し、容器10を回転させるだけでは、ダライ屑Kに対する洗浄液の機械的な衝突が得られないため、洗浄能力が十分に得られない。
しかるにこの実施形態では、ノズル部150からの洗浄液の噴射によって、以下に述べるようにダライ屑Kに対する洗浄を良好に行うことができる。
但し洗浄液をノズル部150から横向きに噴射するだけであると、撹拌羽根30A,30Bにて持ち上げられるダライ屑Kに対してだけしか洗浄液を直接当てることができない。
しかるに本実施形態ではノズル部150から洗浄液を下向きにも噴射するため、その下向きの洗浄液の噴射流を、容器10の下部の集合状態のダライ屑Kに対して衝突させることができる。そしてそのことによってノズル部150下方のダライ屑Kを洗浄でき、容器10内のダライ屑K全体に効果高く洗浄作用を及ぼすことができる。
流出した洗浄液は液槽130で受けられ、液槽130内の洗浄液の液面(水位)が次第に上昇して来る。
そして洗浄液の液面が上昇することによって、容器10の下部に集合状態にあるダライ屑K群が洗浄液に浸漬した状態となる。
洗浄液に浸漬したダライ屑Kは、容器10の回転による撹拌作用を受け、ダライ屑K同士で擦れ合いを生じながら、洗浄液への浸漬によって洗浄作用を受け、ダライ屑K表面の切削油やごみ等の汚れが除去されて行く。
具体的には、容器10の下部に沈み込んだ状態にある多数のダライ屑Kのうち、奥部に潜っているダライ屑Kが、撹拌羽根30A,30Bによりすくい上げられて上方に持ち上げられ、そして上方で撹拌羽根30A,30Bから離れて落下し、ダライ屑Kの表層に重なる。
そしてそれが繰り返されることによって、容器10内下部のダライ屑Kがその向きを様々に変化させながら表層から最下部の奥部へと次々と位置を変化させ、更には最下部から表層へと位置を次々と変化させる。そしてそのような変化を生じながらダライ屑Kが効率高く撹拌される。
またその際に容器10が8角形状であることによって、その形状効果によってもダライ屑Kに対する撹拌効果が高まる。
この実施形態では、約3分程度経過したところで液槽130が洗浄液で満タン近くなる。その後は引続く洗浄液の噴射によって液槽130内の洗浄液が、液槽130上部に接続された排出管164を通じて排出され、液槽130からのオーバーフローが防止される。そして排出管164から排出された洗浄液が洗浄液タンク152へと返送される。
この実施形態では、所定時間上記のような洗浄動作を行った後、液槽130が図8において左右方向に開かれて、内部の洗浄液がパン155で受けられて洗浄液タンク152へと戻される。
本実施形態において、外ノズル管151はこうした目的のために設けられている。
このときにも、洗浄部42におけるのと同様にダライ屑Kが容器10内で良好に撹拌され、その良好な撹拌状態の下で、ダライ屑Kに対して内ノズル管148及び外ノズル管151のノズル部150から湯が噴射され、ダライ屑Kに付着していた洗浄液がダライ屑Kから湯洗により除去される。
その状態で湯洗部44のダライ屑Kが、容器10ごと隣接する次の下流側の水切部46へと移されて、そこでダライ屑Kに付着している水が水切りにより除去される。
この水切部46においても、内ノズル管148からの外向き(軸直角方向外向き)のエアブローと、外ノズル管151からの内向きのエアブローとによってダライ屑Kの撹拌の効率、またこれに伴う水切りの効率が高められる。
更に容器10の周壁部12のメッシュ部に多く付着していた水が、外ノズル管151からのエアブローによって直接吹き飛ばされ、周壁部12メッシュ部分からの水切りが効果的に行われる効果も得られる。
このような水切り処理を終えたところで、ダライ屑Kが容器10ごと次の隣接した下流側の乾燥部48へと移される。
これによってダライ屑Kの乾燥が行われる。
尚、ここでは乾燥部48を1つだけ設けた例を示しているが、乾燥部48での乾燥処理には長い時間がかかり、その乾燥処理がダライ屑Kの洗浄処理全体の速度を遅くしてしまうのを防ぐべく、2つの乾燥部48を容器10の搬送方向に直列に設けておいて、ダライ屑Kの乾燥をそれら2つの乾燥部48のそれぞれに分担させるようになすことも可能である。
このようにして乾燥処理された後のダライ屑Kは、容器10ごと下流位置の搬出部52へと移され、更に下流工程へと搬出される。
ベルトコンベア166は、容器10から取り出されたダライ屑Kを図中左向きに搬送し、回収容器168へと落下させる。
支持枠170には容器10内のダライ屑Kを落下させる強制落下装置が組み付けられている。
この強制落下装置は、支持枠170に下向きに取り付けられた昇降シリンダ172を有している。
昇降シリンダ172は、下向きに延びたシリンダロッド173を有しており、その下端に4本の昇降ロッド174の下端が連結板176を介し連結されている。
他方、昇降ロッド174の上端部には、容器10に対する加振手段としての振動基板180が連結固定されている。
部分拡大図に示すように、振動基板180は平面視コ字形状をなし、その4隅に昇降ロッド174の上端が連結固定されているとともに、その下面側には加振源となる振動モータ178が取り付けられている。
先ず容器10をベルトコンベア166上の所定位置(取出位置)まで移動させた上、同位置で横向き状態にある容器10を90°回転させて、開口部18を下向きとする。
これとともに昇降ロッド174を上昇させて振動基板180を容器10の図中下面に当接させる。
ここで昇降ロッド174の上昇運動は次のようにして行われる。即ちシリンダロッド173を引き込める方向に昇降シリンダ172を収縮動作させると、連結板176で繋がった4本の昇降ロッド174が上向きに一斉に上昇移動する。
そしてこれとともに昇降ロッド174の上端の振動基板180から容器10下面に、振動モータ178で発生させた振動が加えられる。
ここにおいて容器10内のダライ屑Kが、開口部18を通過して取り出され、ベルトコンベア166上に落下せしめられる。
落下したダライ屑Kは、ベルトコンベア166により図12中左向きに送られて、その先端部から下方の回収容器168へと回収される。
尚、容器10を回転させて開口部18を下向きにした後、容器10内部の大部分のダライ屑Kを開口部18を通じ落下させた後において、昇降シリンダ172を作動させ、振動基板180を容器10の下面に当接させて容器10に振動を加えるようにしても良い。
このようにすることで、容器10から自重で落下できずに容器10内に残っていたダライ屑Kを、振動付加により容器10から排出させる(取り出す)ことができる。
ここでは、図13に示しているように振動基板180に対して取付枠182が図中下向きに突出する状態に固定されており、その取付枠182に対して突き棒184が上向きに、またこれを駆動する駆動シリンダ188が下向きに取り付けられている。
駆動シリンダ188は、下向きに延び出したシリンダロッド190の端部において、連結部材192により突き棒184の下端に連結されており、駆動シリンダ188の上下方向の収縮及び運動動作により突き棒184が上下移動させられるようになっている。
ここにおいてこの例では、駆動シリンダ188が収縮動作して突き棒184を上向きに突き上げる。
突き上げられた突き棒184は、容器10の開口部18を通過して容器10内部に突入せしめられる。
また同時に振動基板180に取り付けられていた振動モータ178で発生した振動が、振動基板180から容器10に加えられる。
尚、振動基板180の下面に振動モータ178が取り付けられている点は、図12に示した例と同様である。
そしてこれらの動作によって容器10内部のダライ屑Kが円滑且つ良好に開口部18を通過して下方に落下せしめられる。
開口部18を通過して落下したダライ屑Kは、図13(A)に示す傾斜したガイド194に案内されてベルトコンベア166上へと移動せしめられ、続いてベルトコンベア166による搬送によって図12の回収容器168へと回収される。
そこでこの場合には図14(C)で示すように容器10を一旦上向きとし、これにより開口部18周辺に残留していたダライ屑Kを容器10の底部側へと重力により落下させ、移動させる。
そしてその後において再び容器10を回転させて開口部18を下向きとし、その状態において再度突き棒184による突上げ動作,振動モータ178からの容器10への振動付加の動作を行う。
そうすることによって、容器10内のダライ屑Kを全て良好に開口部18を通じて落下させ、排出することができる。
尚、下向き状態にある容器10を一旦上向きとしたうえで、再び下向き状態として内部のダライ屑Kを取り出す動作を複数回繰り返してもよい点は図12に示す例においても同様である。
これらの例においては、容器10内のダライ屑Kが既に十分に乾燥した状態にあるため、上記手段により容器10内より容易にダライ屑Kを取り出すことが可能である。
また清掃のための作業及び時間を要しないため、別材質のダライ屑Kの処理への切替えを含むダライ屑Kの洗浄処理のための全体の所要時間を短くすることができる。
12 周壁部
30A,30B 撹拌羽根
32,34 鍔状部
42 洗浄部
44 湯洗部
46 水切部
48 乾燥部
64 搬送装置
130 液槽
132 受ローラ
136 モータ
148 内ノズル管
150 ノズル部
K ダライ屑
Claims (6)
- 金属加工屑に付着した切削油等の汚れを除去する金属加工屑の洗浄処理設備であって、
筒形状の周壁部の内面に、該内面から筒中心側に向って突出し且つ該内面に沿って該周壁部の軸線方向に延びる撹拌羽根を周方向に間隔をおいて複数備えて成り、前記金属加工屑を内部に収容する篭状の容器と、
搬送ラインに沿って設けられた洗浄部及びその下流位置の乾燥部を含む複数の処理部に、前記金属加工屑を前記容器ごと該搬送ラインの上流側から下流側に順に搬送し受け渡す搬送装置と、
を有しており、
前記洗浄部には、
洗浄液を収容する液槽と、
前記容器を横向きにした状態で該液槽内で前記軸線周りに回転させる回転装置と、
前記容器に対して前記軸線方向の外側から内部に挿入され、複数のノズル部から前記洗浄液を噴射する内ノズル管と、
該容器の外部に位置し、複数のノズル部から該容器の周壁部外面に向けて前記洗浄液を噴射する外ノズル管と、
が設けられていて、該洗浄部において、前記金属加工屑を前記容器ごと前記液槽内の洗浄液に浸漬させた状態で該容器を回転させ、該金属加工屑を撹拌しつつ、前記洗浄液への浸漬と前記ノズル部からの該洗浄液の噴射とにより該金属加工屑の洗浄を行うことを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。 - 請求項1において、前記容器の回転により該容器の下部から前記撹拌羽根にて持ち上げられた前記金属加工屑に向けて前記内ノズル管の前記ノズル部から洗浄液を噴射して、該金属加工屑の洗浄を行うことを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。
- 請求項1において、前記乾燥部には、
前記容器を横向きにした状態で前記軸線周りに回転させる回転装置と、
該容器に対して該軸線方向の外側から内部に挿入され、複数のノズル部から熱風を噴射するノズル管と、
が設けられていて、該乾燥部において、該容器を回転させながら該ノズル部からの熱風の噴射により前記金属加工屑の乾燥を行うことを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。 - 請求項1〜3の何れかにおいて、前記搬送ライン上には、前記洗浄部の下流位置且つ前記乾燥部の上流位置に湯洗部が設けられており、
該湯洗部には、
前記容器を横向きにした状態で前記軸線周りに回転させる回転装置と、
該容器に対して該軸線方向の外側から内部に挿入され、複数のノズル部から湯を噴射するノズル管と、
が設けられていて、該湯洗部において、該容器を回転させながら前記金属加工屑に向けての湯の噴射により湯洗を行うことを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。 - 請求項4において、前記搬送ライン上には、前記湯洗部の下流位置且つ前記乾燥部の上流位置に水切部が設けられており、
該水切部には、
前記容器を横向きにした状態で前記軸線周りに回転させる回転装置と、
該容器に対して該軸線方向の外側から内部に挿入され、複数のノズル部からエア噴射するノズル管と、
が設けられていて、該水切部において、前記回転装置にて容器を回転させながら前記ノズル部からのエア噴射により前記金属加工屑の水切りを行うことを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。 - 請求項1〜5の何れかにおいて、前記容器は、前記周壁部が断面多角形状としてあることを特徴とする金属加工屑の洗浄処理設備。
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