JP6223982B2 - レーザ走査顕微鏡の走査フィールドを変化させる方法 - Google Patents
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Description
走査ミラーの最大走査角度を変化させることにより、画素数を変化させずに、走査される試料領域のサイズを変化させることができる。このような撮像倍率の変更は、事実上無段階に行うことができ、ズームと呼ばれる。
以下の符号は以下の意味で用いられる。
F:ファイバー
KO:ファイバー・コリメータ・レンズ
Hft.:顕微鏡の主カラー・スプリッタ
LA 1…n>:n個の単レンズから成るレンズ・アレイ
L:マルチ・スポット・レンズ
SC:スキャナ
SCO:走査対物レンズ
ZB:中間像
O:顕微鏡対物レンズ
DE:検出光線路
PHO:ピンホール対物レンズ
PH:単ピンホール
ZB1、ZB2:中間像面
DE1…n:n個の単検出器から成る検出器アレイ
PHA:ピンホール・アレイ
MLAPH:ピンホール・レンズ・顕微レンズ・アレイ
部分1a)には試料への方向である照射方向が示され、部分1b)には検出される試料光の検出方向が示され、部分1c)には検出器前の光線路が示されている。
LAを通過した後に平行化される単光線は、ピンホール対物レンズによってピンホールの平面上で集束される。つまり、ここでは1つのピンホールのみが必要となる。
単ピンホールPHの代わりに、検出部においてここでは不図示の単レンズのアレイによって、この場合も検出器アレイDE1…nが後置された、ピンホール・アレイに焦点を合わせてもよい。
そのサイズが最大倍率でフィールド・サイズの整数の倍数であり、加えて、この整数の倍数が、L>1として、2つの自然数の累乗LKで表されるフィールドが走査される。走査されるフィールドをLK倍に拡大すると、スポットおよび部分画像当たりの行数が同様にLK倍に減少する。この影響により、選択可能なズーム段階の数が著しく制限されてしまう。スポットによって生成される蛍光信号が検出器上で互いにクロストークしないように、スポットが最小間隔を下回ってはならず、また各顕微鏡が最大フィールドしか記録することができないという限界条件があるので、L=2について、最大倍率に対して、1、2、4、8、16の倍数の5段階のズーム段階のみが利用可能である。L>2の場合には、特許文献1に記載された方法の制限が一層明らかになる。加えて、いわゆる「最大倍率」を前提としているこの方法によれば、より低い倍率への変更しか行うことができない。
スポットまたは光スポットS1〜SN:焦点を合わされたN本のレーザ光線またはN本の部分に分割されたレーザ光線によって同時に生成される試料上の照射ポイントである。
画素または画像画素P1〜M、P1〜M1:検出ユニットによって画像ポイントに割り当てられる検出値である。
画素間隔:通例、2つの検出される画素の中央の間隔である。
走査フィールドまたは画像フィールドは、使用される顕微鏡光学系によってその広がりが限定される。
以下では本発明を、概略図を用いてより詳細に説明する。
ここで、(顕微鏡の配置によって)与えられた試料上のスポット間隔dをk(整数)個の等しい部分に分割し、XおよびY方向の走査がこの走査線で、つまり1からkまでの段で行われると、Y方向のk行の走査後には、M=N×k行である、Y方向のポイントPMまでの領域の走査が完了している。X方向にもポイントPm1までのM1ポイントを走査すると、M×m1画素の走査領域が得られる。各単スポットがm1×K画素の領域の走査を完了してから、N個の単画像を合成することにより、M×m1画素のフィールド全体が得られる。
その場合、行Mまであと(K−L)×N行が不足している。
同様に、P>Kとして、スポット間隔をP(整数)個の部分に分割することによって、同じ画素数M×m1で走査されるフィールドを縮小することができる(図2)。P行の走査後には、所望のM行の領域より(P−K)×N行分大きい領域の走査が既に完了している。そのため、上述のように、全てのスポットの全てのデータが画像描写に使用されるわけではない。
走査フィールド内にn個のレーザ・スポットが、それぞれ互いへの間隔dを空けて、試料平面上に低速の走査軸に沿って配置されており、試料平面上の走査される行の間隔aが、K∈Nとして、a=d/Kである場合、有利にはKを変化させることによって走査フィールドのサイズを変化させ、K行の走査後には、本発明によれば、走査される部分画像が互いに接続するように、少なくともY行の走査が完了するまで、好適には、走査方向に(n−1)×K+1行分、または走査方向とは逆方向に(n+1)×K−1行分の飛び越しにより、縦方向の飛び越しを行う。
図1には、ここでは4つのスポットS1〜S4を用いて走査された、32×32画素の走査フィールドFが示されている。各スポットの画素は、分かりやすくするために、それぞれ互いに異なるように塗りつぶされた円(暗い円および明るい円)として示されている。
縦方向にX行ずらした場合の、Y方向のスポットS1のそれぞれの開始ポイントはP1〜Pkであり、開始ポイントの各間隔はd/kである。
図3には、図1のFに比べてより大きいフィールドF2を、同様に32×32画素で走査できる様子が示されている。画素間隔は、ここでは例えばスポット間隔の5分の1である。したがって、5行の走査後には、S1〜S4によって20行の走査が完了している。ここで、S1〜S3について、Y方向に15画素分、行S1.1、S2.1、S3.1の開始位置への飛び越しを行わなければならない。続いて、残りの行を走査する。このために、もう一度5行を走査する必要があるが、全ての単スポットのデータがフィールドの描写に必要となるわけではない。第1および第2のスポットからは全ての行が必要であり、第3のスポットからは最初の2行が必要であり、最後のスポットのデータは全く必要ではない。単フィールドを合成することによって、再びフィールド全体が得られる。このフィールドは図1に示されたものより1.6倍大きい。
図2には、Fと比べてより小さいフィールドF1を、本発明により同様に32×32画素で走査できる様子が示されている。画素間隔はここではスポット間隔の10分の1である。10行の走査後には、40行、つまり、必要な行数より既に8行多い走査が完了している。部分領域はやはり全体領域に合成されるが、第4の単スポットからは最初の2行のみが必要である。3行目以降は、第4の単スポットを遮断してもよい。得られるフィールド・サイズは、図1のフィールドより0.8倍小さい。
図5−1および図5−2の表には、512×512画素および4つの単スポットの例における、フィールド・サイズの段階付けが示されている。
通常のズーム領域では、拡大段階のほぼ連続的な細分化、つまり事実上途切れの無いズームが実現される。
図7は、図3およびこれに付属する記述(F2はFより大きい)に基づいている。ただし、ここでは線によって囲まれた(例として)2行の重複領域OLが設けられており、この領域は第4のスポット(S4)だけでなく、続いて第1のスポット(S1.1)によっても走査される。この重複領域は整数の行で構成されているのが有利だが、整数の行で構成されている必要はない。
重複領域OLでは、この目的のために、例えば関与する両方のスポットについて、撮影された試料特徴(コントラスト・エッジ等)の構造解析が行われ、画像加工および相関解析の既知の手段を用いて、個々のスポットによって撮影された画像部分の「継目の無い」全体画像への正確な合成が行われる。
Claims (20)
- 低速走査および高速走査を有する多焦点レーザ走査顕微鏡の走査フィールドを走査する方法であって、前記走査フィールドは、X列およびY行を有し、XおよびYは0よりも大きな整数であり、
該走査フィールド内にN個のレーザ・スポットを、それぞれ互いの間隔Dを空けて、前記低速走査の走査方向に沿って配置することであって、各レーザ・スポットは、関連付けされた走査線領域を有し、該走査線領域は、隣接したK行を有し、Nは、0よりも大きく、Kは1よりも大きい、前記配置すること、
関連付けされた各走査線領域においてA=D/KとなるようなK行の間隔Aを決定すること、
関連付けされた複数の走査線領域にわたって前記複数のレーザ・スポットを同時に走査すること、
低速レーザの走査方向にまたは低速レーザの走査方向とは反対方向に前記レーザ・スポットを飛び越し距離だけ移動させて、異なる走査線領域を各レーザ・スポットと関連付けすること、
少なくともY行が合計で走査されるまで上記した工程を繰り返すこと、を備える方法。 - Y行は、前記低速走査の走査方向に対応し、X列は、前記高速走査の走査方向に対応する、請求項1に記載の方法。
- 前記走査フィールドの拡大を、K<Y/NとなるようなKを選択することによって行う、請求項1に記載の方法。
- 前記走査フィールドの縮小を、K>Y/NとなるようなKの値を選択することによって行うことをさらに備える請求項1に記載の方法。
- 個々のスポットを個別に遮断または調節することをさらに備える請求項1に記載の方法。
- 前記多焦点レーザ走査顕微鏡の様々な位置でレーザ・スポットを遮断することをさらに備える請求項1に記載の方法。
- Dの値を、光学的ズームまたはスポット生成に介入することによって判定することをさらに備える請求項1に記載の方法。
- 前記レーザ・スポットの数を変化させる、請求項1に記載の方法。
- 第1の走査線領域の最後の行が、隣接した走査線領域の最初の行と隣接するように、隣接した複数の走査線領域の間には隙間が無いかまたは重なりがある、請求項1に記載の方法。
- 前記複数の走査線領域の少なくとも2つは、重複領域を備えている、請求項1に記載の方法。
- 第1のレーザ・スポットおよび第2のレーザ・スポットにより前記重複領域の各行を走査することをさらに備え、
前記第1のレーザ・スポットは、半分の強度で走査し、前記第2のレーザ・スポットは、半分の強度で走査する、請求項10に記載の方法。 - 異なるレーザ・スポットによって照射される情報間の重複領域における画像解析を実行することをさらに備える請求項10に記載の方法。
- 異なるレーザ・スポットによって照射される情報間の画像よる重複領域における画像解析を実行することをさらに備える請求項1に記載の方法。
- 前記飛び越し距離は、走査方向に沿った(N−1)×K+1行であるか、または走査方向とは反対方向に沿った(N−1)×K+1行である、請求項1に記載の方法。
- 音響光学変調器(AOM)、電気光学変調器(EOM)、音響光学偏向器(AOD)、およびスキャナの少なくとも1つによって、個々のスポットを個別に遮断または調節することをさらに備える請求項5に記載の方法。
- 複数のレーザ・スポットが生成されるビーム経路においてレーザ・スポットを遮断することをさらに備える請求項6に記載の方法。
- 前記重複領域は、整数の行に対応する、請求項10に記載の方法。
- 低速走査および高速走査を有する多焦点レーザ走査顕微鏡の走査フィールドを走査する方法であって、前記走査フィールドは、X列およびY行を有し、XおよびYは0よりも大きな整数であり、
該走査フィールド内にN個のレーザ・スポットを、それぞれ互いの間隔Dを空けて、前記低速走査の走査方向に沿って配置することであって、各レーザ・スポットは、関連付けされた走査線領域を有し、該走査線領域は、隣接したK行を有し、Nは、0よりも大きく、Kは1よりも大きい、前記配置すること、
関連付けされた各走査線領域においてA=D/KとなるようなK行の間隔Aを決定すること、
関連付けされた複数の走査線領域にわたって前記複数のレーザ・スポットを同時に走査すること、
低速レーザの走査方向にまたは低速レーザの走査方向とは反対方向に前記レーザ・スポットを飛び越し距離だけ移動させて、異なる走査線領域を各レーザ・スポットと関連付けすること、
少なくともY行が合計で走査されるまで上記した工程を繰り返すこと、を備え、
前記方法は、
個々のスポットを個別に遮断または調節することをさらに備える、方法。 - 低速走査および高速走査を有する多焦点レーザ走査顕微鏡の走査フィールドを走査する方法であって、前記走査フィールドは、X列およびY行を有し、XおよびYは0よりも大きな整数であり、
該走査フィールド内にN個のレーザ・スポットを、それぞれ互いの間隔Dを空けて、前記低速走査の走査方向に沿って配置することであって、各レーザ・スポットは、関連付けされた走査線領域を有し、該走査線領域は、隣接したK行を有し、Nは、0よりも大きく、Kは1よりも大きい、前記配置すること、
関連付けされた各走査線領域においてA=D/KとなるようなK行の間隔Aを決定すること、
関連付けされた複数の走査線領域にわたって前記複数のレーザ・スポットを同時に走査すること、
低速レーザの走査方向にまたは低速レーザの走査方向とは反対方向に前記レーザ・スポットを飛び越し距離だけ移動させて、異なる走査線領域を各レーザ・スポットと関連付けすること、
少なくともY行が合計で走査されるまで上記した工程を繰り返すこと、を備え、
前記方法は、
前記複数の走査線領域の少なくとも2つは、重複領域を備えている、方法。 - 低速走査および高速走査を有する多焦点レーザ走査顕微鏡であって、
前記多焦点レーザ走査顕微鏡の走査フィールドは、X列およびY行を有し、XおよびYは0よりも大きな整数であり、
該走査フィールド内にN個のレーザ・スポットを、それぞれ互いの間隔Dを空けて、前記低速走査の走査方向に沿って配置する手段であって、各レーザ・スポットは、関連付けされた走査線領域を有し、該走査線領域は、隣接したK行を有し、Nは、0よりも大きく、Kは1よりも大きい、前記配置する手段と、
関連付けされた各走査線領域においてA=D/KとなるようなK行の間隔Aを決定する手段と、
関連付けされた複数の走査線領域にわたって前記複数のレーザ・スポットを同時に走査する手段と、
低速レーザの走査方向に沿ってまたは低速レーザの走査方向とは反対方向に前記レーザ・スポットを飛び越し距離だけ移動させて、異なる走査線領域を各レーザ・スポットと関連付けする手段と、
少なくともY行が合計で走査されるまで上記した工程を繰り返す手段と、を備える多焦点レーザ走査顕微鏡。
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