JP6223950B2 - 除湿機 - Google Patents

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本発明は、除湿機に関する。
除湿機には、空気(処理空気)を吸気し、除湿機内の除湿ロータを通過させて除湿し、排気する種類のものがある。吸湿した除湿ロータは、ヒータで加熱された高温の再生空気にその水分を放出することで、処理空気を連続的に除湿できる。従って、この除湿機内では、除湿対象である処理空気と、除湿ロータを再生(乾燥)させるための再生空気の2つの空気を流動させる経路が設けられている。
特許文献1に開示された除湿機では、処理空気と再生空気の間で熱交換している。再生空気は、ヒータで加熱された後、除湿ロータの水分を回収して高温高湿となる。この高温高湿の再生空気は、第1熱交換器において除湿ロータを通過する前の処理空気と熱交換して冷却され凝縮する。凝縮した再生空気の水分は凝縮水として回収される。水分を回収された低温の再生空気は、第2熱交換器において除湿ロータを通過した後の高温の処理空気と熱交換して加熱され、さらにヒータにより加熱された後、再び除湿ロータに戻される。
このように特許文献1の除湿機では、2つの熱交換器において再生空気の冷却と加熱が行われている。冷却側の第1熱交換器は、凝縮器として機能し、再生空気から凝縮水として水分を回収している。加熱側の第2熱交換器では、再生空気をヒータの加熱前に予加熱することでヒータの電力を節約している。
しかし、特許文献1の除湿機では、2つの熱交換器を使用して再生空気を凝縮させる効率を向上させ、処理空気の除湿効率を向上させることに関しては特段の考慮がなされていない。
特許3857809号公報
本発明は、再生空気の凝縮効率向上による、除湿機における処理空気の除湿効率向上を課題とする。
本発明の第1の態様は、吸気口と排気口とを有する処理空気経路と、前記処理空気経路内の処理空気を前記吸気口から吸気して前記排気口から排気する第1ファンと、前記処理空気から吸湿する除湿ロータと、前記除湿ロータの一部を通過し、閉経路からなる再生空気経路と、前記再生空気経路内の再生空気を循環させる第2ファンと、前記再生空気経路内で前記再生空気の循環方向に対して前記除湿ロータの直前に配置され、前記再生空気を加熱するヒータと、前記処理空気経路内の前記除湿ロータを通過する前の前記処理空気と、前記再生空気経路内の前記ヒータを通過する前の前記再生空気とで熱交換して前記再生空気を冷却する第1熱交換器と、前記処理空気経路内の前記除湿ロータを通過した後の前記処理空気と、前記再生空気経路内の前記除湿ロータを通過した後で前記第1熱交換器を通過する前の前記再生空気とで熱交換して前記再生空気を冷却する第2熱交換器とを備える除湿機を提供する。
この除湿機によれば、第1熱交換器及び第2熱交換器の両方において、再生空気を冷却しているため、凝縮水の回収量が増大し、再生空気の凝縮効率を向上できる。従って、除湿ロータから多くの水分を回収でき、除湿ロータの再生効率(乾燥効率)を向上できる。このため、除湿ロータを通過する処理空気からより多く吸湿でき、処理空気の除湿効率を向上できる。ここで、処理空気とは除湿する対象である室内の空気であり、再生空気とは除湿機内で循環して除湿ロータを再生させるための空気である。
前記除湿機は、前記処理空気及び前記再生空気が前記除湿ロータの厚み方向に対して同方向から前記除湿ロータに進入することが好ましい。
この除湿機によれば、処理空気と再生空気が除湿ロータの同一面から進入するため、除湿ロータの吸湿及び再生(乾燥)を効率良く行うことができ、除湿効率を向上できる。除湿ロータにおいて、処理空気が進入する面(進入面)と脱出する面(脱出面)では、水分の含有量が異なっている。具体的には、進入面の方が脱出面に対して水分含有量が多い。これは、処理空気が進入面から脱出面に向けて除湿ロータを通過する際、徐々に吸湿されるためである。このため、水分の含有量の多い進入面から再生空気を進入させる構成とすることで、除湿ロータの水分をより多く回収でき、除湿ロータの再生効率を向上できる。
前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、ともに前記再生空気を凝縮させる凝縮器であることが好ましい。
この除湿機によれば、第2熱交換器において予め再生空気の凝縮を行っているため、第1熱交換器の全冷却過程において凝縮が行われる。従って、再生空気の凝縮効率をより向上でき、処理空気の除湿効率をより向上できる。
本発明によれば、第1熱交換器及び第2熱交換器の両方において、再生空気を冷却しているため、再生空気の凝縮効率を向上させて処理空気の除湿効率を向上できる。
本発明の実施形態に係る除湿機のシステム図。 従来の除湿機のシステム図。 本発明の実施形態に係る除湿機と従来の除湿機の気液線図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る除湿機2のシステム図である。図1を参照して、除湿機2の構成を説明する。
除湿機2は、外部(例えば除湿対象の室内)の空気(処理空気)を吸気し、除湿して排気する。除湿機2は、処理空気経路4及び再生空気経路6を有する。処理空気経路4の内部には、除湿対象である処理空気が流れている。再生空気経路6の内部には、再生空気が流れている。
処理空気経路4は、除湿機2の吸気口8から排気口10までを接続している。処理空気経路4には、メイン熱交換器(第1熱交換器)12、除湿ロータ14、サブ熱交換器(第2熱交換器)16、及びメインファン(第1ファン)18が配置されている。また、処理空気経路4は、第1の処理空気経路4a、第2の処理空気経路4b、第3の処理空気経路4c、及び第4の処理空気経路4dからなる。第1の処理空気経路4aは、吸気口8からメイン熱交換器12までを接続している。第2の処理空気経路4bは、メイン熱交換器12から除湿ロータ14までを接続している。第3の処理空気経路4cは、除湿ロータ14からサブ熱交換器16までを接続している。第4の処理空気経路4dは、サブ熱交換器16から排気口10までを接続し、経路上にはメインファン18が配置されている。従って、吸気口8から排気口10に向かって、換言すると処理空気が流れる方向に沿って順に、メイン熱交換器12、除湿ロータ14、サブ熱交換器16、及びメインファン18が配置されている。処理空気は、メインファン18により、吸気口8から吸気されて、メイン熱交換器12、除湿ロータ14、及びサブ熱交換器16を順に通過して、排気口10から排気される。ただし、メインファン18の配置に関しては、第4の処理空気経路4d上に特に限定されず、吸気口8から排気口10へ処理空気を流すことができる限り、処理空気経路4上のいずれの位置に配置されてもよい。
除湿ロータ14は、ゼオライト等の吸湿材を含み、これを通過する処理空気から水分を吸湿する。除湿ロータ14は、全体にわたって均一に吸湿できるようにするため、その形状を円盤状にし、中央を軸支することで回転可能としている。例えばモータのような駆動手段を設け、これにより除湿ロータ14を回転駆動している。
再生空気経路6は、閉経路であり、再生空気経路6上には再生ファン(第2ファン)20が設けられている。この再生ファン20により、再生空気は、再生空気経路6の内部を循環する。再生空気経路6には、再生ファン20、ヒータ22、除湿ロータ14、サブ熱交換器16、及びメイン熱交換器12が配置されている。また、再生空気経路6は、第1の再生空気経路6a、第2の再生空気経路6b、第3の再生空気経路6c、及び第4の再生空気経路6dからなる。第1の再生空気経路6aは、メイン熱交換器12からヒータ22までを接続し、経路上には再生ファン20が配置されている。第2の再生空気経路6bは、ヒータ22から除湿ロータ14までを接続している。第3の再生空気経路6cは、除湿ロータ14からサブ熱交換器16までを接続している。第4の再生空気経路6dは、サブ熱交換器16からメイン熱交換器12までを接続している。従って、再生空気の循環方向に、順に、再生ファン20、ヒータ22、除湿ロータ14、サブ熱交換器16、及びメイン熱交換器12が配置されている。再生空気は、ヒータ22、除湿ロータ14、サブ熱交換器16、及びメイン熱交換器12を順に通過し、そして再びヒータ22に戻るように循環している。ただし、再生ファン20の配置に関しては、特に限定されず、再生空気経路6上のいずれの位置に配置されてもよい。
ヒータ22は、例えば電気ヒータであり、除湿ロータ14に進入する再生空気を所定の温度まで加熱する。ヒータ22は除湿ロータ14の直前に配置されている。
メイン熱交換器12は、第1の処理空気経路4aの除湿ロータ14を通過する前の処理空気と、第4の再生空気経路6dのヒータ22を通過する前の再生空気との間で熱交換を行っている。第1の処理空気経路4a内の処理空気は、吸気口8から吸気された後、除湿ロータ14を通過する前の空気であるため、系全体の中では温度が低い。従って、メイン熱交換器12では、処理空気は加熱され、再生空気は冷却される。
サブ熱交換器16は、第3の処理空気経路4cの除湿ロータ14を通過した後の処理空気と、第3の再生空気経路6cの除湿ロータ14を通過した後でメイン熱交換器12を通過する前の再生空気との間で熱交換を行っている。第3の再生空気経路6c内の再生空気は、ヒータ22で加熱された後、第2の再生空気経路6b及び除湿ロータ14を通過した後の再生空気である。ヒータ22による熱量が大きいため、第3の再生空気経路6c内の再生空気は、第3の処理空気経路4c内の処理空気よりも温度が高い。従って、サブ熱交換器16でも、処理空気は加熱され、再生空気は冷却される。
次に、図1を参照して除湿機2の作用を説明する。
処理空気は、吸気口8から吸気されると、第1の処理空気経路4aを通ってメイン熱交換器12で加熱される。加熱された処理空気は第2の処理空気経路4bを通って除湿ロータ14へと流れる。除湿ロータ14では、処理空気は水分を除湿される。除湿された処理空気は、第3の処理空気経路4cを通ってサブ熱交換器16へと流れる。サブ熱交換器16でも処理空気は加熱される。加熱された処理空気は、第4の処理空気経路4dを通ってメインファン18を通過して排気口10より排気される。
再生空気は、再生空気経路6内を循環している。再生空気は、再生ファン20を通過してヒータ22で加熱され、第2の再生空気経路6bを通って除湿ロータ14へと流れる。除湿ロータ14では、高温の再生空気が除湿ロータ14から水分を吸湿して除湿ロータ14を再生する。除湿ロータ14で吸湿した再生空気は第3の再生空気経路6cを通ってサブ熱交換器16へと流れる。サブ熱交換器16では、再生空気は冷却される。冷却された再生空気の一部は凝縮する。凝縮した再生空気の水分は凝縮水として回収される。冷却された再生空気は、第4の再生空気経路6dを通ってメイン熱交換器12へと流れる。メイン熱交換器12でも再生空気は冷却される。サブ熱交換器16と同様に、冷却された再生空気の一部は凝縮し、凝縮した再生空気の水分は凝縮水として回収される。冷却された再生空気は、第1の再生空気経路6aを通って再生ファン20を通過してヒータ22へと流れる。そしてこれらを繰り返す。
このように、第1熱交換器及び第2熱交換器の両方において、再生空気を冷却して凝縮させている。特に、サブ熱交換器16において、メイン熱交換器12に流入する前に再生空気の一部を予め凝縮(予凝縮)させることで、メイン熱交換器12での冷却は全て凝縮現象となる。このように本実施形態の除湿機2では、メイン熱交換器12の凝縮効率を最大化している。従って、凝縮水の回収量が増大し、再生空気の凝縮効率を向上でき、これにより除湿ロータから多くの水分を回収し、除湿ロータの再生効率を向上できる。このため、除湿ロータを通過する処理空気からより多く吸湿でき、処理空気の除湿効率を向上できる。
除湿効率をさらに向上させるため、処理空気及び再生空気は、除湿ロータ14に対して厚み方向に同方向から進入する構成となっている。除湿ロータ14において、処理空気が進入する面(進入面)と脱出する面(脱出面)では、水分の含有量が異なっている。具体的には、除湿ロータ14は、進入面の方が脱出面に対して水分含有量が多い。これは、処理空気が進入面から脱出面に向けて除湿ロータ14を通過する際、徐々に吸湿されるためである。このため、水分の含有量の多い進入面から再生空気を進入させる構成とすることで、除湿ロータ14の水分をより多く回収でき、除湿ロータ14の再生効率を向上できる。
特許文献1に開示されているような従来の除湿機3のシステムを説明する。
図2は、従来の除湿機3のシステム図である。図2を参照して、本実施形態との比較のため従来の除湿機3の構成を説明する。図1に示した構成と同様の部分については同様の符号を付して説明を省略することがある。
処理空気経路4の構成は、本実施形態の除湿機2と同様である。
再生空気経路6は、内部を流れる再生空気の循環方向と、ヒータ22及び再生ファン20の位置を除いて、本実施形態の除湿機2と同様である。具体的には、再生空気の循環方向に、順に、ヒータ22、除湿ロータ14、メイン熱交換器12、サブ熱交換器16、及び再生ファン20が配置されている。再生空気は、ヒータ22、除湿ロータ14、メイン熱交換器12、及びサブ熱交換器16を順に通過し、そして再びヒータ22に戻るように循環している。
メイン熱交換器12は、処理空気経路4の除湿ロータ14を通過する前の処理空気と、再生空気経路6の除湿ロータ14を通過した後の再生空気との間で熱交換を行っている。この処理空気は、吸気口8から吸気された後、除湿ロータ14を通過する前の空気であるため、系全体の中では温度が低い。従って、メイン熱交換器12では、処理空気は加熱され、再生空気は冷却される。
サブ熱交換器16は、処理空気経路4の除湿ロータ14を通過した後の処理空気と、再生空気経路6のヒータ22を通過する前の再生空気との間で熱交換を行っている。この再生空気は、メイン熱交換器12を通じて系の中では低温の処理空気と熱交換した後の再生空気である。これに対して、処理空気は、メイン熱交換器12及び除湿ロータ14を通過して加熱されている。従って、処理空気経路4の除湿ロータ14を通過した後の処理空気は、再生空気経路6のヒータ22を通過する前の再生空気よりも温度が高い。このため、サブ熱交換器16では、処理空気は冷却され、再生空気は加熱される。
次に、図2を参照して従来の除湿機3の作用を説明する。
処理空気は、吸気口8から吸気されると、メイン熱交換器12で加熱される。加熱された処理空気は、除湿ロータ14へと流れる。除湿ロータ14では、処理空気は水分を除湿される。除湿された処理空気は、サブ熱交換器16へと流れる。サブ熱交換器16では処理空気は冷却される。冷却された処理空気は、メインファン18を通過して排気口10より排気される。
再生空気は、再生空気経路6内を循環している。再生空気は、ヒータ22で加熱され、除湿ロータ14へと流れる。除湿ロータ14では、高温の再生空気が除湿ロータ14から水分を吸湿して除湿ロータ14を再生する。除湿ロータ14で吸湿した再生空気は、メイン熱交換器12へと流れる。メイン熱交換器12では、再生空気は冷却される。冷却された再生空気の一部は凝縮する。凝縮した再生空気の水分は凝縮水として回収される。冷却された再生空気は、サブ熱交換器16へと流れる。サブ熱交換器16では再生空気は加熱される。加熱された再生空気は、再生ファン20を通過してヒータ22へと流れる。そしてこれらを繰り返す。
処理空気及び再生空気は、除湿ロータ14に対して厚み方向に異方向から進入する構成となっている。このため、除湿ロータ14の再生効率が同方向から進入する場合と比べて低下している。
本実施形態の除湿機2と従来の除湿機3の違いについて図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態の除湿機2と従来の除湿機3の再生空気の気液線図を示している。本実施形態の除湿機2について実線で示されており、従来の除湿機3について破線で示されている。グラフの縦軸が絶対湿度(水分量)を示し、横軸は温度を示している。
図1を併せて参照すると、図1のシステム図における点と、図3の気液線図における点を対応した記号で示している。本実施形態の除湿機2の再生空気は、ヒータ22により加熱され、温度が循環経路中で最大となる(点X)。除湿ロータ14を通過して除湿ロータ14中の水分を吸湿し、絶対湿度が最大となる(点X)。サブ熱交換器16で冷却され、露点(点X’)を越えてその一部が凝縮する(点X)。ここで点X’及び点Xは、飽和湿度を示す曲線上に位置しており、この曲線上では相対湿度は100%である。従って、この曲線上では温度が低下すると凝縮が起こる。そして、メイン熱交換器12でさらに冷却及び凝縮され、絶対湿度が最低となる(点X)。そしてヒータ22により加熱され、再び温度が最大となる(点X)。
このように、メイン熱交換器12及びサブ熱交換器16の両方において、再生空気を凝縮しているため、凝縮水の回収量が増大し、再生空気の凝縮効率を向上できる。従って、除湿ロータ14から多くの水分を回収でき、除湿ロータ14の再生効率を向上できる。
サブ熱交換器16では、凝縮まで至らず、温度を低下させるだけであってもよい(点X−点X’)。この場合、メイン熱交換器12では、露点まで温度を低下させた後(点X’−点X’)、再生空気は凝縮される(点X’−点X)。また、サブ熱交換器16からメイン熱交換器12までの第4の再生空気経路6d中で放熱を行い、再生空気の温度を露点まで低下させてもよい(点X’−点X’)。この場合、メイン熱交換器12では、冷却の全過程で再生空気が凝縮される(点X’−点X)。また、サブ熱交換器16で再生空気の温度を露点まで低下させてもよい(点X−点X’)。この場合も同様にサブ熱交換器16では凝縮が行われないが、メイン熱交換器12では、冷却の全過程で再生空気が凝縮される(点X’−点X)。このようにして、メイン熱交換器12の凝縮効率を向上させてもよい。
図2を併せて参照すると、図2のシステム図における点と、図3の気液線図における点を対応した記号で示している。従来の除湿機3の再生空気は、ヒータ22により加熱され、温度が循環経路中で最大となる(点Y)。除湿ロータ14を通過して除湿ロータ14中の水分を吸湿し、絶対湿度が最大となる(点Y)。メイン熱交換器12で露点(点Y’)を越えて冷却及び凝縮し、絶対湿度が最低となる(点Y)。ここで点Y’及び点Yは、飽和湿度を示す曲線上に位置している。飽和湿度を示す曲線は再生空気の物性値によって決定されるため、本実施形態と従来で共通となっている。この後、サブ熱交換器16で加熱されて温度が上昇する(点Y)。そしてヒータ22により加熱され、再び温度が最大となる(点Y)。
本実施形態と従来の違いを説明すると、本実施形態の除湿機2では、サブ熱交換器16において再生空気は冷却されているのに対し、従来の除湿機3では加熱されている。本実施形態の除湿機2では、メイン熱交換器12による凝縮を行う前に、再生空気の一部を凝縮開始するように予凝縮している(点X’−点X)。このようにすることで、メイン熱交換器12に流入する再生空気は既に飽和湿度曲線上にある(点X)ため、温度が低下すると同時に凝縮が起こる(点X−点X)。しかし、従来の除湿機3では除湿ロータ14を通過して吸湿した再生空気は予凝縮されずにメイン熱交換器12へと流入する。従って、凝縮を開始する前に一定温度分の冷却が必要である(点Y−点Y’)。このため、従来の除湿機3は本実施形態の除湿機2に比べて、凝縮量が低減している(H>H)。また、先に記載のようにサブ熱交換器16において凝縮が行われない場合(点X−点X’又は点X−点X’)でも、従来と比べて凝縮効率は向上している。従来の除湿機3のメイン熱交換器12の凝縮に至るまでの温度低下量(点Y−点Y’)に比べて、本実施形態の除湿機2の凝縮に至るまでの温度低下量(点X’−点X’又はゼロ)は少ないため、効率的に凝縮する。
さらに、図1と図2に示すように、除湿ロータ14に対して、処理空気と再生空気の進入方向が本実施形態と従来では異なる。先に記載のように、再生空気が除湿ロータ14から水分をより多く吸湿するためには、除湿ロータ14に対して同方向からの進入が有利である。これを図3で見ると、点Xから点Xの直線の傾きと点Yから点Yの直線の傾きを比較して、点Xから点Xの直線の傾きの方が大きい。再生空気が除湿ロータ14を通過することによって一定程度の温度低下が起こるため、傾きの大きな場合の方がより多くの水分を吸湿していることがわかる。
なお、本発明の除湿機は、例えば室内を乾燥させることを目的とした室内空気を除湿対象とする他、衣類の乾燥を目的とした衣類の水分を除湿対象とするものや、これらの両方の目的を達成するものが含まれる。
2 本実施形態の除湿機
4 処理空気経路
4a 第1の処理空気経路
4b 第2の処理空気経路
4c 第3の処理空気経路
4d 第4の処理空気経路
6 再生空気経路
6a 第1の再生空気経路
6b 第2の再生空気経路
6c 第3の再生空気経路
6d 第4の再生空気経路
8 吸気口
10 排気口
12 メイン熱交換器(第1熱交換器)
14 除湿ロータ
16 サブ熱交換器(第2熱交換器)
18 メインファン(第1ファン)
20 再生ファン(第2ファン)
22 ヒータ

Claims (3)

  1. 吸気口と排気口とを有する処理空気経路と、
    前記処理空気経路内の処理空気を前記吸気口から吸気して前記排気口から排気する第1ファンと、
    前記処理空気から吸湿する除湿ロータと、
    前記除湿ロータの一部を通過し、閉経路からなる再生空気経路と、
    前記再生空気経路内の再生空気を循環させる第2ファンと、
    前記再生空気経路内で前記再生空気の循環方向に対して前記除湿ロータの直前に配置され、前記再生空気を加熱するヒータと、
    前記処理空気経路内の前記除湿ロータを通過する前の前記処理空気と、前記再生空気経路内の前記ヒータを通過する前の前記再生空気とで熱交換して前記再生空気を冷却する第1熱交換器と、
    前記処理空気経路内の前記除湿ロータを通過した後の前記処理空気と、前記再生空気経路内の前記除湿ロータを通過した後で前記第1熱交換器を通過する前の前記再生空気とで熱交換して前記再生空気を冷却する第2熱交換器と
    を備える除湿機。
  2. 前記処理空気及び前記再生空気は、前記除湿ロータの厚み方向に対して同方向から前記除湿ロータに進入する、請求項1に記載の除湿機。
  3. 前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器は、ともに前記再生空気を凝縮させる凝縮器である、請求項1又は請求項2に記載の除湿機。
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