以下、この発明の実施の形態に係る電力変換制御装置について、図面に基づいて説明する。なお、各図における同一符号は、それぞれ、同一又は相当する部分を示す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る電力変換制御装置の構成を示す図である。ただし、図1では、本実施の形態1に直接関与しない構成要素については、図示を省略している。
図1に示すように、本実施の形態1に係る電力変換制御装置20は、例えば電動車両10に搭載されて使用される。
電動車両10は、必要に応じて、外部に設けられている交流電源30に接続される。交流電源30は、例えば商用電源である。電動車両10には、交流電源30に接続するためのコネクタ40が設けられている。
電力変換制御装置20は、コネクタ40を介して、交流電源30に接続される。電力変換制御装置20は、交流電源30から供給される交流電力を直流電力に変換して、負荷50に出力する。負荷50は、例えばDC−DCコンバータである。DC−DCコンバータは、例えば、電動車両10に搭載された駆動用バッテリに接続されている。その場合、DC−DCコンバータは、電力変換制御装置20から供給される直流電力を用いて当該駆動用バッテリを充電する。
図1に示すように、電力変換制御装置20は、電力変換回路部170を有している。電力変換回路部170は、内部にスイッチング素子を有しており、当該スイッチング素子のON/OFFのスイッチング動作により、交流電源30から供給される交流電力を直流電力に変換する。
図2に、本実施の形態1に係る電力変換回路部170の構成の一例を示す。図2の例においては、電力変換回路部170は、4つのダイオード210,220,230,240から構成された全波整流回路290と、チョークコイル250と、スイッチング素子260と、整流ダイオード270と、出力コンデンサ280とで構成されている。
全波整流回路290において、4つのダイオード210,220,230,240はフルブリッジ回路を構成している。具体的に説明すると、ダイオード210のアノード端子とダイオード220のカソード端子とが直列接続されている。当該直列接続の接続点206はコネクタ40の2つの出力端子のうちの一方の出力端子に接続される。同様に、ダイオード230のアノード端子とダイオード240のカソード端子とが直列接続されている。当該直列接続の接続点207はコネクタ40の他方の出力端子に接続されている。さらに、ダイオード210のカソード端子とダイオード230のカソード端子とが接続され、ダイオード220のアノード端子とダイオード240のアノード端子とが接続されている。
また、全波整流回路290と負荷50との間は、正側電力ライン201および負側電力ライン202によって接続されている。正側電力ライン201と負側電力ライン202との間には、スイッチング素子260及び出力コンデンサ280が接続されている。すなわち、スイッチング素子260及び出力コンデンサ280は、それぞれ、負荷50に対して並列接続されている。スイッチング素子260は、例えば、MOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)から構成される。また、出力コンデンサ280は、平滑コンデンサとして機能する。また、全波整流回路290と正側電力ライン201との接続点203と、スイッチング素子260と正側電力ライン201との接続点204との間には、チョークコイル250が接続されている。すなわち、チョークコイル250は、負荷50に対して直列接続されている。また、上記接続点204と、出力コンデンサ280と正側電力ライン201との接続点205との間には、整流ダイオード270が接続されている。整流ダイオード270のアノード端子はチョークコイル250側に接続されており、カソード端子は出力コンデンサ280側に接続されている。整流ダイオード270は、スイッチング素子260がONしたときに、出力コンデンサ280に蓄えられた電荷がスイッチング素子260を通って放電することを防止する。
電力変換回路部170において、スイッチング素子260のスイッチング動作は、後述する電力変換制御部150により制御される。電力変換制御部150がスイッチング素子260のスイッチング動作を制御することで、交流電源30から電力変換回路部170に入力される交流電力が、全波整流回路290、チョークコイル250、および、整流ダイオード270で整流された後に、出力コンデンサ280で平滑されて、直流電力が生成される。
また、図1に示すように、電力変換制御装置20は、さらに、電圧検出部110と、ゼロクロス検出部120と、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130と、力率改善処理部140と、電力変換制御部150と、スイッチング制御量記憶部160とを有している。
電圧検出部110は、交流電源30から電力変換制御装置20に入力される入力電圧の電圧値を計測する。図3に、当該入力電圧310の電圧波形を示す。図3においては、入力電圧310の入力電圧波形とスイッチング素子260のスイッチング制御量313との関係が模式的に表されている。なお、図3において、縦軸は、上段のグラフにおいては電圧を示し、下段のグラフにおいてはスイッチング素子260のON/OFF状態を示す。また、横軸は、上段のグラフおよび下段のグラフにおいて、共に、時間を示す。
ゼロクロス検出部120は、電圧検出部110で検出した入力電圧310の電圧値に基づいて、入力電圧310の入力電圧波形におけるゼロクロスポイント311を検出する。ここで、ゼロクロスポイント311とは、図3に示すように、入力電圧310の電圧値が0になる時刻のことである。
ゼロクロスポイント時間間隔算出部130は、ゼロクロス検出部120で検出されたゼロクロスポイント311に基づいて、隣接するゼロクロスポイント311間の時間間隔を算出する。なお、以下では、当該時間間隔を、ゼロクロスポイント時間間隔と呼ぶこととする。ゼロクロスポイント時間間隔は、交流電源30の周波数に従って変化する。具体的には、交流電源30が50Hzの場合は、ゼロクロスポイント時間間隔は10msとなり、交流電源30が60Hzの場合は、ゼロクロスポイント時間間隔は8.33ms(小数第2以下四捨五入)となる。
力率改善処理部140は、ゼロクロス検出部120で検出されたゼロクロスポイント311に基づいて、力率改善処理を行う。力率改善処理とは、無効電力による電力網への影響の抑制および電磁ノイズの抑制のために、交流電源から供給される電力の力率を向上させることを目的として行う処理のことである。力率改善処理として、力率改善処理部140は、検出されたゼロクロスポイント311に基づいて、交流電源30からの入力電流の目標になる基準電流波形を算出する。図4に、基準電流波形の一例を示す。図4において、横軸は時間、縦軸は電流を示す。図4に示すように、基準電流波形410は、入力電圧310の電圧波形と周波数が等しい振幅1の正弦波からなる電流波形である。基準電流波形410を算出する際に、力率改善処理部140は、ゼロクロス検出部120によって検出されたゼロクロスをもとに、入力電圧310の電圧波形と周波数および位相が一致する基準電流波形410を算出する。電力変換回路部170に設けられたスイッチング素子260は、基準電流波形410に従って、ON/OFFのスイッチング制御が行われる。これにより、交流電源30から取り込む電流を入力電圧310の電圧波形と一致した位相にすることが出来る。
電力変換制御部150は、力率改善処理部140によって算出された基準電流波形410に従って、スイッチング素子260のスイッチング制御量313を演算して、スイッチング素子260の駆動を制御する。ここで、スイッチング制御量313について説明する。図3に示すように、スイッチング素子260は、一定のスイッチング動作周期314でONされる。スイッチング動作周期314は、スイッチング素子260のスイッチング動作の周波数から求められる。このとき、スイッチング制御量313とは、スイッチング動作周期314のうち、スイッチング素子260がON状態である期間315、または、その割合を示す。本実施の形態1では、電力変換制御部150は、図3に示すように、ゼロクロスポイント311付近ではスイッチング制御量313を大きくし、入力電圧310のピーク312付近ではスイッチング制御量313を小さくするような制御を行う。すなわち、ゼロクロスポイント311でスイッチング制御量313を最大値とし、ピーク312に近づくにつれて、スイッチング動作周期314ごとに、スイッチング制御量313を一定量ずつ漸減させていく。そうして、ピーク312でスイッチング制御量313を最小値とする。その後、ピーク312から次のゼロクロスポイント311の間は、スイッチング動作周期314ごとに、スイッチング制御量313を一定量ずつ漸増させていく。これにより、当該次のゼロクロスポイント311で、スイッチング制御量313が、再び、最大値となる。なお、図3は、スイッチング制御量313の傾向を示すための模式図であり、入力電圧310の電圧波形とスイッチング制御量波形のスイッチング動作周期314およびスイッチング制御量313との比率を正しく表わしているわけではない。なお、このように、電力変換制御部150において、力率改善処理部140によって算出された基準電流波形410に従って、スイッチング素子260のスイッチング制御量を演算する制御演算処理を、以下では、「第1の演算」と呼ぶこととする。なお、上記の説明においては、スイッチング制御量313を一定量ずつ漸減または漸増させると説明したが、その場合に限らず、漸減または漸増させる量はスイッチング動作周期314ごとに異なる値としてもよい。
スイッチング制御量記憶部160は、電力変換制御部150が「第2の演算」で使用するためのスイッチング制御量の固定値を予め記憶している。「第2の演算」では、電力変換制御部150が、スイッチング制御量を演算によって求めずに、スイッチング制御量記憶部160に記憶されている固定値を読み出し、当該固定値をスイッチング制御量にそのまま設定する。このように、「第2の演算」は固定値をそのままスイッチング制御量として用いることにより、「第1の演算」の演算時間よりも演算時間を大幅に短縮することができる。
「第2の演算」について、図5を用いて説明する。図5の四角形の吹き出し500内は、ゼロクロスポイント311付近の拡大図を示している。当該拡大図は、本実施の形態1における電力変換制御部150の「第1の演算」および「第2の演算」の各制御演算処理にかかった制御演算時間を模式的に示している。図5において、制御演算時間320a〜320cは、「第1の演算」の実行にかかった演算時間である。一方、制御演算時間330は、「第2の演算」の実行にかかった演算時間である。また、図5において、符号314a〜314dは、図3に示したスイッチング動作周期314である。ここでは、各スイッチング動作周期314a〜314dを、50μsとしている。図5に示すように、「第2の演算」の実行にかかる制御演算時間330は、「第1の演算」の実行にかかる制御演算時間320a〜320cよりも短い。ここでは、制御演算時間320a〜320cを40μsとし、制御演算時間330を5μsとしている。本実施の形態1においては、このように、ゼロクロスポイント311のタイミングと電力変換制御部150の制御演算処理の実行タイミングとが重ならないように、ゼロクロスポイント311付近では、電力変換制御部150の制御演算処理を、通常の「第1の演算」から、制御演算時間の短い「第2の演算」に変更する処理を行う。以下に、図5の例を用いて、当該変更処理について説明する。
変更処理においては、まず、電力変換制御部150は、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130で算出されたゼロクロスポイント時間間隔に基づいて、スイッチング動作周期ごとに、次のスイッチング動作周期までにゼロクロスポイント311が発生するか否かの判定を行う。図5の例で説明すれば、スイッチング動作周期314a,314c,314dにおいては、次のスイッチング動作周期までにゼロクロスポイント311が発生しないが、スイッチング動作周期314bにおいては、次のスイッチング動作周期314cまでにゼロクロスポイント311が発生する。
電力変換制御部150は、判定の結果、次のスイッチング動作周期までにゼロクロスポイント311が発生しない場合は、通常の「第1の演算」を用いて、スイッチング制御量313を算出する。ここで、「第1の演算」の制御演算時間320a,320b,320cは、上述したように、40μsである。
一方、判定の結果、次のスイッチング動作周期までにゼロクロスポイント311が発生する場合は、電力変換制御部150は、「第2の演算」を用いて、スイッチング制御量313を算出する。「第2の演算」においては、電力変換制御部150は、スイッチング制御量記憶部160に記憶されたスイッチング制御量の固定値を読み出し、当該固定値をそのままスイッチング制御量313に設定する。ここで、「第2の演算」の制御演算時間330は、上述したように、5μsである。
このように、本実施の形態1では、ゼロクロスポイント311が次のスイッチング動作周期314までに発生して、スイッチング制御量を算出する制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なると判定された場合には、通常の「第1の演算」から、当該「第1の演算」よりも制御演算時間の短い「第2の演算」へ、制御演算処理を変更する。これにより、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なることを回避することができる。制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なった場合には、優先度の高い制御演算処理を優先させなければならないので、検出したゼロクロスポイント311を用いて行う基準電流波形の演算処理の実行は、制御演算処理の実行後に行うことになる。そのため、基準電流波形の演算処理の実行は、制御演算処理の実行完了を待つ分だけ遅延する。その結果、その遅延した分だけずれたゼロクロスポイントを用いた基準電流波形を算出することになるので、正確な基準電流波形を求めることができない。基準電流波形は、力率改善に使用されるため、正確な基準電流波形を求めることができなければ、力率改善を図ることができない。しかしながら、本実施の形態1では、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なることを防止することができるため、基準電流波形のずれを抑止することできるので、精度良く力率改善を図ることが可能となる。
ここで、電力変換制御装置20のハードウェア構成について説明する。図12は、電力変換制御装置20の各部の機能のハードウェア構成を概略的に示した図である。図12(a)は、電力変換装置の各部の機能をハードウェアで構成した場合を示し、図12(b)は、それらの各部の機能をソフトウェアで構成した場合を示している。
電力変換制御装置20において、電圧検出部110、ゼロクロス検出部120、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130、力率改善処理部140、電力変換制御部150、スイッチング制御量記憶部160、電力変換回路部170の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、電力変換制御装置20は、交流電源30からの入力電圧を検出し、入力電圧の電圧波形におけるゼロクロスポイントを検出し、当該ゼロクロスポイント間のゼロクロスポイント時間間隔を算出し、力率改善処理を行いながら、電力変換制御を行って、電力変換処理を行うとともに、スイッチング制御量を記憶するための処理回路を備える。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。なお、電力変換回路部170については、例えば図2に示すような回路構成とすればよいため、以下では、電圧検出部110、ゼロクロス検出部120、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130、力率改善処理部140、電力変換制御部150、スイッチング制御量記憶部160の各部の機能の構成について説明する。
図12(a)に示すように、処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路1000は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。上記各部の機能それぞれを処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
また、図12(b)に示すように、処理回路がCPUの場合、上記各部の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ2100に格納される。処理回路であるプロセッサ2000は、メモリ2100に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、電力変換制御装置20は、入力電圧を検出するステップ、ゼロクロスポイントを検出するステップ、ゼロクロスポイント時間間隔を算出するステップ、力率改善処理を行うステップ、電力変換制御を行うステップ、および、スイッチング制御量を記憶するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。また、これらのプログラムは、上記各部の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ2100とは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリが該当する。
なお、上記各部の機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
なおこの発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの可能な組み合わせを全て含む。
このように、本実施の形態1においては、電力変換制御装置20においては、電圧検出部110、ゼロクロス検出部120、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130、力率改善処理部140、電力変換制御部150、スイッチング制御量記憶部160の各機能は、共通の処理回路により構成されている。そのため、例えば、力率改善処理部140の処理のタイミングと電力変換制御部150の処理のタイミングとが重なった場合、優先度の高い方の処理を優先させて実行し、当該処理の実行後に、優先度の低い方の処理を実行することになる。
そのため、本実施の形態1においては、ゼロクロスポイント311が次のスイッチング動作周期314までに発生する場合は、電力変換制御部150の制御演算処理を、スイッチング制御量を固定値にするという「第2の演算」に変更することにより、制御演算時間を短くするようにしたので、制御演算処理のタイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重ならないようにしている。その結果、ゼロクロス検出部120がゼロクロスポイント311を検出したときに、電力変換制御部150がスイッチング制御量の制御演算処理を行っていないので、即座に、力率改善処理部140が、ゼロクロスポイント311に基づいた基準電流波形の算出を実行することができる。本実施の形態1では、このように、遅延しないゼロクロスポイントを用いて基準電流波形が算出できるため、正確な基準電流波形を得ることができる。
電力変換制御装置20は、以上のように構成され、電力変換制御部150から、たとえば周波数20kHzのスイッチング信号がスイッチング素子260に与えられると、スイッチング素子260が当該スイッチング信号に基づいてスイッチング動作する。スイッチング信号にはスイッチング制御量の情報が含まれており、図3に示すように、スイッチング制御量に相当する期間315の間、スイッチング素子260がON状態となる。このように、電力変換制御部150によってスイッチング素子260のスイッチング動作が制御されることにより、交流電源30から入力された交流電力が、全波整流回路290、チョークコイル250、および、整流ダイオード270で整流され、出力コンデンサ280で平滑されて、直流電力が生成される。また、このとき、力率改善処理部140は、基準電流波形410を、交流電源30からの入力電圧310の電圧波形に同期した正弦波に近づけることで、力率を改善する。電力変換制御部150は、チョークコイル250を流れるリアクトル電流と基準電流波形410との電流差が小さくなるようにスイッチング動作のスイッチング制御量を求めて、当該スイッチング制御量に基づいてスイッチング素子260のスイッチング動作を制御する。
なお、本実施の形態1において、スイッチング素子260は、MOSFETから構成されると説明したが、その場合に限らず、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar)、GaN(Gallium Nitride)などのパワーデバイスからスイッチング素子260を構成しても良い。
また、図2において、電力変換回路部170の一例として、スイッチング素子260を1つだけ用いた回路を示しているが、図2に記載の回路構成に限定されるものではない。電力変換回路部170は、1以上のスイッチング素子をスイッチング駆動することによって、入力される交流電力を直流電力に変換して出力する電力変換回路であれば、いずれのものでもよいので、他の回路構成としてもよい。
次に、図6を用いて、この発明の実施の形態1に係る電力変換制御装置20において、電力変換制御部150における制御演算処理を、通常の「第1の演算」から、「第2の演算」に変更する変更処理の手順について説明する。図6は、電力変換制御装置20の動作を説明するフローチャートである。
図6に示すように、電力変換制御装置20において、まず、ステップS1において、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130が、ゼロクロス検出部120で検出されたゼロクロスポイントに基づいて、ゼロクロスポイント時間間隔を算出する。
次に、ステップS2において、電力変換制御部150が、ゼロクロスポイント時間間隔に基づいて、次のスイッチング動作周期314までに、ゼロクロスポイント311が発生するか否かの判定を行う。ゼロクロスポイント311が発生しない場合(NO)には、ステップS5に進む。一方、ゼロクロスポイント311が発生する場合(YES)には、ステップS3に進む。
ステップS3においては、電力変換制御部150は、スイッチング制御量記憶部160から、あらかじめ設定された固定値を読み出す。
続くステップS4では、電力変換制御部150は、スイッチング制御量に、読み出した固定値をセットし、処理を終了する。
一方、ステップS5では、電力変換制御部150は、力率改善処理部140が算出した基準電流波形410に基づいて、スイッチング制御量を算出する。
ここで、ステップS3及びステップS4の処理が「第2の演算」を行う処理であり、ステップS5の処理が「第1の演算」を行う処理である。
このようにして、本実施の形態1においては、ゼロクロスポイント311が次のスイッチング動作周期までに発生しない場合は、通常の「第1の演算」によりスイッチング制御量を演算する。一方、ゼロクロスポイント311が次のスイッチング動作周期までに発生する場合は、制御演算処理を「第1の演算」から「第2の演算」に変更して、「第2の演算」によりスイッチング制御量を演算する。このように、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なる可能性がある場合には、制御演算処理を「第2の演算」に変更することで、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なることを回避することが出来る。
なお、上記の説明においては、次のスイッチング動作周期までにゼロクロスポイントを検出するか否かの判定後に、スイッチング制御量記憶部160から予め設定された固定値を読み出すと説明した。しかしながら、その場合に限らず、電力変換制御装置20の起動時に、当該固定値をスイッチング制御量記憶部160から読み出しておき、いつでも参照することができるようにしておくようにしてもよい。その場合には、固定値を読み出す時間が不要となるので、「第2の演算」の演算時間をさらに短くすることが可能なことはいうまでもない。
以上のように、本実施の形態1では、電力変換制御装置20は、ゼロクロスポイントのタイミングとスイッチング動作の制御演算処理とが重なるタイミングにおいて、制御演算処理を「第2の演算」に切り替えている。これにより、ゼロクロスポイントのタイミングとスイッチング動作の制御演算処理とが重なることを回避することができる。これにより、優先度の高いスイッチング動作の制御演算処理を優先させることによる、ゼロクロスポイント検出処理の遅れを防止することができる。その結果、力率改善に使用する基準電流波形のずれを抑止することができるため、高い力率改善効果を得ることが可能となる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る電力変換制御装置の構成は、上記の実施の形態1と同一である。そのため、ここでは、その説明を省略する。本実施の形態2と上記の実施の形態1との違いは、電力変換制御装置20に設けられた電力変換制御部150における「第1の演算」から「第2の演算」への変更処理の手順のみである。
図7のフローチャートを用いて、本実施の形態2に係る電力変換制御装置における、当該変更処理の手順について説明する。
図7に示すように、電力変換制御装置20において、まず、ステップS11において、電力変換制御部150は、交流電源30からの入力電圧の絶対値が、予め設定された閾値以下か否かの判定を行う。交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値より大きい場合(NO)には、ステップS15に進む。一方、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下の場合(YES)には、ステップS12に進む。
ステップS12においては、電力変換制御部150は、スイッチング制御量記憶部160から、予め設定された固定値を読み出す。
続くステップS13では、電力変換制御部150は、スイッチング素子260のスイッチング制御量に当該固定値をセットする。
次に、ステップS14において、電力変換制御部150は、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値より大きいか否かの判定を行う。交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値より大きい場合(YES)には、処理を終了する。一方、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下の場合(NO)には、ステップS12の処理に戻る。
一方、ステップS15では、電力変換制御部150は、力率改善処理部140が算出した基準電流波形410に基づいて、スイッチング制御量を算出する。
ここで、本実施の形態2においては、ステップS12〜S14の処理が「第2の演算」を行う処理であり、ステップS15の処理が「第1の演算」を行う処理である。
このようにして、本実施の形態2においては、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下の期間、すなわち、ゼロクロスポイント311が検出される前後の指定期間において、制御演算処理を、通常の「第1の演算」から、「第2の演算」に変更する。「第2の演算」では、スイッチング制御量として、スイッチング制御量記憶部160から読み出した固定値を用いるため、制御演算時間を短くすることが出来る。そのため、制御演算処理とゼロクロスポイント311とが重ならないようにすることが出来る。なお、スイッチング制御量記憶部160に記憶するスイッチング制御量は1つの固定値でもよいが、複数の値としてもよい。複数の値とする場合には、入力電圧の絶対値ごとにスイッチング制御量の固定値を予め設定する。そうして、入力電圧の絶対値とスイッチング制御量の固定値との対応関係を定めたスイッチング制御量テーブルを生成して、スイッチング制御量記憶部160に記憶しておく。
入力電圧の絶対値ごとのスイッチング制御量の固定値が複数の場合の各固定値の設定方法について説明する。本実施の形態2においても、上記の実施の形態1と同様に、ゼロクロスポイント311付近ではスイッチング制御量313を大きくし、入力電圧310のピーク312付近ではスイッチング制御量313を小さくするような制御を行う。従って、入力電圧310の絶対値が0の時刻でスイッチング制御量313を最大値とし、入力電圧310の絶対値が大きくなるのにつれて、スイッチング動作周期314ごとに、スイッチング制御量313を一定量ずつ漸減させていく。そうして、入力電圧310のピーク312でスイッチング制御量313を最小値とする。なお、上記の説明においては、スイッチング制御量313を一定量ずつ漸減させると説明したが、その場合に限らず、漸減させる量はスイッチング動作周期314ごとに異なる値としてもよい。このように、本実施の形態2においては、ゼロクロスポイントからの経過時間毎のスイッチング制御量の変化量を推定して、時間毎のスイッチング制御量の固定値を求め、当該固定値をゼロクロスポイントからの経過時間毎にスイッチング制御量テーブルに記憶する。
図8は、本実施の形態2における電力変換制御部150の制御演算処理を、通常の「第1の演算」から、制御演算時間が短い「第2の演算」に変更する処理を行った場合を示している。図8の四角形の吹き出し500A内は、ゼロクロスポイント311付近の拡大図を示している。当該拡大図は、本実施の形態2における電力変換制御部150の「第1の演算」および「第2の演算」の各制御演算処理にかかった制御演算時間を模式的に示している。
図8の例において、まず、電力変換制御部150が、スイッチング動作周期314aで、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値以下か否かを判定する。スイッチング動作周期314aでは、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値より大きいので、通常の「第1の演算」を行う。図8において、制御演算時間320aは、「第1の演算」の実行にかかった演算時間である。ここで、「第1の演算」の制御演算時間は40μsとしている。
次のスイッチング動作周期314bにおいても、同様に、電力変換制御部150は、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下か否かを判定する。しかしながら、ここでは、スイッチング動作周期314bでは、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値以下であるので、「第2の演算」を行う。図8において、制御演算時間330は、「第2の演算」の実行にかかった演算時間である。ここで、「第2の演算」の制御演算時間は5μsとしている。
さらに、次のスイッチング動作周期314cでも、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下であるので、「第2の演算」を行う。この処理を、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値より大きくなるまで、繰り返し行う。
そして、スイッチング動作周期314eで、同様に、電力変換制御部150は、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下か否かを判定する。スイッチング動作周期314eでは、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値より大きいので、「第1の演算」を行う。図8において、制御演算時間320bは、「第1の演算」の実行にかかった演算時間である。この処理を、交流電源30からの入力電圧の絶対値が閾値以下になるまで、繰り返し行う。
このように、本実施の形態2においては、ゼロクロスポイント311の前後の期間、すなわち、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値以下の期間において、電力変換制御部150の制御演算処理を制御演算時間の短い「第2の演算」へ変更する。これにより、優先度の高いスイッチング動作の制御演算処理による、ゼロクロスポイント検出処理の遅れを抑止でき、力率改善に使用する基準電流波形のずれを抑止することができる。その結果、高い力率改善効果を得ることが可能となる。
本実施の形態2は、ゼロクロスポイント311が外乱などによりずれる場合を考慮に入れている。本実施の形態2においては、交流電源30からの入力電圧310の絶対値が閾値以下の期間においては、制御演算処理を「第1の演算」から「第2の演算」に切り替えている。そのため、たとえ、ゼロクロスポイント311が前回のゼロクロス時間間隔と同じ時間で発生しなくても、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重なることはなく、優先度の高いスイッチング動作の制御演算処量による、ゼロクロスポイント検出処理の遅れを抑止でき、力率改善に使用する基準電流波形のずれを抑止することできるので、力率改善を図ることが可能となる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係る電力変換制御装置の構成は、上記の実施の形態1と同一である。そのため、ここでは、その説明を省略する。本実施の形態3と上記の実施の形態1との違いは、電力変換制御装置20に設けられた電力変換制御部150における「第1の演算」から「第2の演算」への変更処理の手順のみである。
図9のフローチャートを用いて、本実施の形態3に係る電力変換制御装置における、当該変更処理の手順について説明する。また、図11に、本実施の形態3におけるスイッチング制御量テーブル600の一例を示す。スイッチング制御量テーブル600においては、要素番号ごとに予め設定されたスイッチング制御量の固定値が定められている。要素番号は、ゼロクロスポイントからの経過時間に対応している。また、各スイッチング制御量は、ゼロクロスポイントからの経過時間毎のスイッチング制御量の変化量を推定して決定された値である。従って、スイッチング制御量テーブル600は、ゼロクロスポイントからの経過時間毎のスイッチング制御量の変化量を推定して決定されたスイッチング制御量の固定値を、ゼロクロスポイントからの経過時間毎に記憶している。
図9に示すように、ステップS21において、電力変換制御装置20は、ゼロクロスポイント時間間隔算出部130によって、ゼロクロスポイント時間間隔を検出する。
次に、ステップS22において、電力変換制御部150は、スイッチング制御量テーブル600の要素番号を決める値aに0をセットして、値aを初期化する。
次に、ステップS23において、まず、電力変換制御部150は、ゼロクロスポイント時間間隔から、予め設定された一定値を減算した値を求める。以下では、当該値を第1の期間と呼ぶこととする。電力変換制御部150は、前回のゼロクロスポイント311の時刻から第1の期間が経過したか否かの判定を行う。第1の期間が経過していない場合(NO)には、ステップS28に進む。一方、第1の期間が経過している場合(YES)には、ステップS24に進む。
ステップS24においては、電力変換制御部150は、スイッチング制御量記憶部160から、スイッチング制御量テーブル600を読み出す。
続くステップS25では、電力変換制御部150が、スイッチング制御量テーブル600から、現在の要素番号aの値に対応するスイッチング制御量の固定値を読み出し、当該固定値をスイッチング制御量313にセットする。例えば、要素番号0のときは、0.9925が読み出され、要素番号3のときには1.0000が読み出される。スイッチング制御量テーブル600では、ゼロクロスポイント311でスイッチング制御量が最大値となり、交流電源30からの入力電圧310の電圧波形のピーク312でスイッチング制御量が最小値となり、ゼロクロスポイント311からピーク312まではスイッチング制御量が漸増し、ピーク312からゼロクロスポイント311まではスイッチング制御量が漸減するように、各スイッチング制御量の固定値が設定されている。
次に、ステップS26において、電力変換制御部150は、要素番号aの値をインクリメントする。すなわち、要素番号aの値を1だけ増加させる。
次に、ステップS27において、まず、電力変換制御部150は、ゼロクロスポイント時間間隔に対して、予め設定された一定値を加算した値を求める。以下では、当該値を第2の期間と呼ぶこととする。電力変換制御部150は、前回のゼロクロスポイント311の時刻から第2の期間が経過したか否かの判定を行う。第2の期間が経過していない場合(NO)には、ステップS25に戻り、ステップS25〜S27の処理を繰り返す。一方、第2の期間が経過している場合(YES)には、処理を終了する。
なお、ステップS23およびステップS27で用いられる一定値は、例えば、ゼロクロスポイント311の前後3回のスイッチング動作周期314で定められる値で、スイッチング動作周期314が50μsであれば、一定値は150μsとなる。
このようにして、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過した時点から第2の期間が経過する時点までの間、すなわち、次のゼロクロスポイント311の前後の指定期間において、制御演算処理を「第1の演算」から「第2の演算」に切り替える。「第2の演算」では、スイッチング制御量として、スイッチング制御量テーブル600から読み出した固定値を用いるため、制御演算時間を短くすることができる。そのため、制御演算処理の実行タイミングとゼロクロスポイント311のタイミングとが重ならないようにすることが出来る。
図10は、本実施の形態3における電力変換制御部150の制御演算処理を、通常の「第1の演算」から、制御演算時間が短い「第2の演算」に変更する処理を行った場合を示している。図10の四角形の吹き出し500B内は、ゼロクロスポイント311付近の拡大図を示している。当該拡大図は、本実施の形態3における電力変換制御部150の「第1の演算」および「第2の演算」の各制御演算処理にかかった制御演算時間を模式的に示している。なお、図10では、電力変換制御部150でスイッチング制御量を演算するスイッチング動作周期が50μsである場合を示している。
図10の例において、まず、電力変換制御部150が、スイッチング動作周期314aで、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過したか否かを判定する。スイッチング動作周期314aでは、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過していないので、通常の「第1の演算」を行う。ここで、「第1の演算」の制御演算時間は40μsとしている。
次に、スイッチング動作周期314bで、電力変換制御部150が、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過したか否かを判定する。ここでは、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過しているので、「第2の演算」を行う。このとき、要素番号aの値は、初期値の0であるため、「第2の演算」では、スイッチング制御量は要素番号0に対応した値となる。ここで、「第2の演算」の制御演算時間は5μsとしている。次に、電力変換制御部150は、前回のゼロクロスポイント311から第2の期間が経過したか否かを判定する。前回のゼロクロスポイント311から第2の期間が経過していないので、次のスイッチング動作周期314cに移行する。
次のスイッチング動作周期314cでは、電力変換制御部150が、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過したか否かを判定する。前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過しているので、「第2の演算」を行う。このとき、要素番号aの値は1であるため、「第2の演算」では、スイッチング制御量は要素番号1に対応した値となる。次に、電力変換制御部150は、前回のゼロクロスポイント311から第2の期間が経過したか否かを判定する。この処理を、前回のゼロクロスポイント311から第2の期間が経過するまで繰り返す。
そして、スイッチング動作周期314dでは、前回のゼロクロスポイント311から第2の期間が経過したと判定されるので、制御演算処理を「第2の演算」から「第1の演算」に切り替えて、「第1の演算」を実行する。
このように、本実施の形態3においては、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過した時点から第2の期間が経過する時点までの間、すなわち、ゼロクロスポイント311が検出される前後の指定期間において、制御演算処理を「第1の演算」から「第2の演算」へ変更する。これにより、優先度の高いスイッチング動作の制御演算処量を優先させることによるゼロクロスポイント検出処理の遅れを抑止できる。その結果、力率改善に使用する基準電流波形のずれを抑止することできるので、力率改善を図ることが可能となる。
以上のように、「第2の演算」においては、スイッチング制御量として、1つの固定値ではなく、スイッチング制御量テーブル600から読み出した固定値を用いているので、ゼロクロスポイント311付近でのスイッチング制御量をより細かく調整することが可能となる。
このように、本実施の形態3においては、前回のゼロクロスポイント311から第1の期間が経過した時点から第2の期間が経過する時点までの間、すなわち、ゼロクロスポイント311の前後の指定期間において、電力変換制御部150の制御演算処理を制御演算時間の短い「第2の演算」へ変更する。これにより、優先度の高いスイッチング動作の制御演算処理による、ゼロクロスポイント検出処理の遅れを抑止でき、力率改善に使用する基準電流波形のずれを抑止することができる。その結果、高い力率改善効果を得ることが可能となる。
なお、上記の実施の形態1〜3では、ゼロクロスポイント311付近では、スイッチング制御量を大きくし、交流電源30からの入力電圧310の電圧波形のピーク312付近ではスイッチング制御量は小さくするような制御とすることを示したが、回路構成によっては、スイッチング素子のONとOFFの論理が逆となることは言うまでもない。
また、上記の実施の形態1〜3に係る電力変換装置は、上述したように、電動車両に搭載して利用することが出来るが、電動車両に限らず、交流電力を直流電力に変換する場合であれば、いずれの装置にも適用できることは言うまでもない。