<全体構成>
図1は、本実施形態の画像形成装置の全体構成図である。本実施形態では、画像形成装置に着脱可能な構成ユニットとして、ボトルタイプの容器にトナーが充填されるトナー収容器であるトナーボトルを例に用いて説明する。
画像形成装置は、画像出力部1P、リーダ部4、及び操作部5を備える。リーダ部4及び操作部5は、画像出力部1P上に設けられる。操作部5は、ユーザにより操作されるボタン等の他に、ディスプレイ等の表示部が一体に構成されており、タッチパネルとしても機能する。リーダ部4は、原稿画像を読み取るスキャナとして機能する。リーダ部4は、操作部5からの指示に応じて原稿画像を読み取り、読み取った原稿画像の画像データを生成して画像出力部1Pに送信する。画像出力部1Pは、操作部5からの指示及びリーダ部4から送信された画像データに応じて、画像形成処理を行う。
画像出力部1Pは、大別して画像形成部10、給紙ユニット20、中間転写ユニット30、定着ユニット40、反転両面ユニット50、両面搬送ユニット60、排紙ユニット70、及び制御ユニット80を備える。画像形成部10は、同じ構成の4つのステーションを備える。
画像形成部10は、図中、矢印方向に回転駆動される像担持体である感光体ドラム11a〜11dを備える。感光体ドラム11a〜11dの外周面に対向する位置には、感光体ドラム11a〜11dの回転方向に並んで、一次帯電器12a〜12d、光学系13a〜13d、現像器14a〜14dが配置される。以降、感光体ドラム11a〜11d、一次帯電器12a〜12d、光学系13a〜13d、現像器14a〜14dを区別しない場合には、感光体ドラム11、一次帯電器12、光学系13、現像器14と記載する。
一次帯電器12は、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。光学系13は、画像データに応じて変調したレーザビーム等の光線を帯電した感光体ドラム11に照射することで、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。感光体ドラム11dには、イエローの画像データに応じてイエローの静電潜像が形成される。感光体ドラム11cには、シアンの画像データに応じてシアンの静電潜像が形成される。感光体ドラム11bには、マゼンタの画像データに応じてマゼンタの静電潜像が形成される。感光体ドラム11aには、ブラックの画像データに応じてブラックの静電潜像が形成される。
感光体ドラム11に形成された静電潜像は、現像器14に貯蔵されたトナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)により現像される。これにより感光体ドラム11には、トナー像が形成される。感光体ドラム11dに形成された静電潜像は、現像器14dからイエローの現像剤が供給されて、イエローのトナー像として顕像化される。感光体ドラム11cに形成された静電潜像は、現像器14cからシアンの現像剤が供給されて、シアンのトナー像として顕像化される。感光体ドラム11bに形成された静電潜像は、現像器14bからマゼンタの現像剤が供給されて、マゼンタのトナー像として顕像化される。感光体ドラム11aに形成された静電潜像は、現像器14aからブラックの現像剤が供給されて、ブラックのトナー像として顕像化される。感光体ドラム11の回転方向の下流には、感光体ドラム11の表面をクリーニングするためのクリーナ15が配置される。
給紙ユニット20は、画像が形成される用紙等の記録材Pを収納するカセット21を備える。カセット21に収納された記録材Pは、中間転写ユニット30に搬送される。そのために給紙ユニット20は、カセット21から記録材Pを1枚ずつ取り出すピックアップローラ対22、ピックアップローラ対22により取り出された記録材Pをレジストローラ対26まで搬送する複数の搬送ローラ対23、及び搬送ガイド24を備える。
レジストローラ対26の上流には、記録材Pの搬送方向と直交する方向(主走査方向)の記録材Pの端部の位置を検出するラインセンサ25が設けられる。レジストローラ対26は、記録材Pを挟んだ状態で、ラインセンサ25で検出された記録材Pの主走査位置から、ローラ対をシフトさせることで記録材Pを所定の位置にシフトさせる。またレジストローラ対26は、画像形成部10における画像形成のタイミングに合わせて記録材Pを中間転写ユニット30に送り出す。
レジストローラ対26の上流には、離間機構を有するレジ前ローラ対27が配置される。ラインセンサ25とレジ前ローラ対27との間には、搬送路上の記録材Pの有無を判別するレジセンサ28が配置される。
中間転写ユニット30は、中間転写体としての中間転写ベルト31を備える。中間転写ベルト31は、駆動ローラ32、図示しない弾性部材の付勢力によって中間転写ベルト31に適度な張力を与えるテンションローラ33、二次転写ローラ34とに巻回されている。駆動ローラ32は、中間転写ベルト31を回転駆動する。
中間転写ベルト31を挟んで感光体ドラム11a〜11dに対向する位置に、感光体ドラム11a〜11dと対をなして一次転写領域Ta、Tb、Tc、Tdを形成する一次転写ローラ35a〜35dが配置される。中間転写ベルト31を挟んで二次転写ローラ34に対向する位置に、二次転写ローラ34と対をなして二次転写領域Teを形成する二次転写ローラ36が配置される。中間転写ベルト31上の二次転写領域Teの下流には中間転写ベルト31の画像形成面をクリーニングするためのクリーナ37が配置される。
定着ユニット40は、内部にハロゲンヒータ等の熱源を備えた定着ローラ41a、定着ローラ41aに加圧される加圧ローラ41b、定着ローラ41aと加圧ローラ41bとのニップ部へ記録材Pを導く定着前ローラ対42、及び定着前ガイド43を備える。なお、加圧ローラ41bは、定着ローラ41aと同様の熱源を備える構成であってもよい。
排紙ユニット70は、定着ユニット40により熱定着された記録材Pを搬送する内排出ローラ対71、記録材Pを外部に排出する外排出ローラ対72、記録材Pを反転両面ユニット50及び外排出ローラ対72のいずれかに導くフラッパ73を備える。反転両面ユニット50は、正転、逆転回転可能な複数の反転両面ローラ対51及び反転両面ガイド52を備える。また、反転両面ユニット50は、反転排紙時に反転両面ガイド52により反転された記録材Pを外排出ローラ対72に導く排紙フラッパ53及び両面印刷時に記録材Pを両面搬送ユニット60に導く両面フラッパ54を備える。両面搬送ユニット60は、記録材Pを反転両面ユニット50から給紙ユニット20に搬送する複数の両面搬送ローラ対61と、記録材Pをガイドする両面搬送ガイド62とを備える。制御ユニット80は、前述の各ユニットの動作を制御するためのCPU(Central Processing Unit)やモータドライブ基板等で構成される。
<画像形成装置の動作>
このような構成の画像形成装置は、操作部5から画像形成の指示が入力されると、ピックアップローラ対22によってカセット21から記録材Pを1枚ずつ取り出す。取り出された記録材Pは、複数の搬送ローラ対23により、着状態で駆動するレジ前ローラ対27を経由して、搬送ガイド24をレジストローラ対26まで搬送される。このとき、レジストローラ対26は停止している。この状態でレジストローラ対26に記録材Pを突き当てて、記録材Pのループを形成することで斜行を矯正する。その後、画像形成部10の画像形成のタイミングにあわせて、レジストローラ対26は回転を開始する。このレジストローラ対26の回転タイミングは、記録材Pと画像形成部10より中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像とが二次転写領域Teにおいて一致するように設定される。
画像形成部10は、操作部5からの画像形成の指示に応じて、前述したプロセスにより中間転写ベルト31の回転方向において、一番上流にある感光体ドラム11d上にトナー像が形成される。感光体ドラム11dに形成されたトナー像は、高電圧が印加された一次転写ローラ35dにより、一次転写領域Tdにおいて中間転写ベルト31に一次転写される。中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像は、次の一次転写領域Tcまで搬送される。 感光体ドラム11cには、一次転写領域Tcに中間転写ベルト31上に一次転写されたトナー像が搬送されるタイミングにあわせてトナー像が形成される。一次転写領域Tcでは、一次転写領域Tdで転写されたトナー像に重ねて、感光体ドラム11cに形成されたトナー像が一次転写される。以降同様に、一次転写領域Tb、Taにおいて一次転写が行われることで、中間転写ベルト31上に、フルカラーのトナー像が形成される。
中間転写ベルト31上に、フルカラーのトナー像が形成されると、記録材Pは、レジストローラ対26により、二次転写領域Teに搬送される。記録材Pが二次転写領域T2に進入して中間転写ベルト31に接触すると、二次転写ローラ36は、記録材Pの通過タイミングに合わせて高電圧が印加される。これにより、記録材Pには、中間転写ベルト31上のフルカラーのトナー像が転写される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着前ガイド43によって定着ユニット40の定着ローラ41aと加圧ローラ41bとのニップ部まで案内される。定着ユニット40の定着ローラ41a及び加圧ローラ41bによる熱及びニップの圧力により、トナー像が記録材Pの表面に定着する。トナー像が定着した記録材Pは、内排出ローラ対71により搬送され、反転排紙時や、両面印刷時の裏面印刷の際には、フラッパ73により反転両面ユニット50方向に搬送される。トナー像が定着した記録材Pは、片面印刷時や両面印刷時の裏面印刷後には、フラッパ73により外排出ローラ対72方向に搬送される。外排出ローラ対72は、記録材Pを画像出力部1Pの外部に排出する。
反転両面ユニット50に搬送された記録材Pは、複数の反転両面ローラ対51により、反転両面ガイド52の奥まで引き込まれて停止する。その後、複数の反転両面ローラ対51が逆回転して、記録材Pは、両面フラッパ54により、反転排紙の場合は外排出ローラ対72に、両面印刷する場合は両面搬送ユニット60に導かれる。反転排紙の場合、記録材Pは、両面フラッパ54を通過した後に、排紙フラッパ53により外排出ローラ対72に導かれ、外排出ローラ対72により画像出力部1Pの外部へ排出される。両面印刷時に記録材Pは、複数の両面搬送ローラ対61により搬送され、両面搬送ガイド62に導かれて、給紙ユニット20の搬送ガイド24に合流する。その後、記録材Pは、表面印刷と同様のプロセスを経て、外排出ローラ対72により画像出力部1Pの外部へ排出される。
<現像器>
以上のように、画像形成装置は、画像形成処理を行う。このような画像形成装置では、現像器14に対して、トナー収容器であるトナーボトルからホッパ部を介してトナーが供給される。図2は、現像器14の詳細図である。
感光体ドラム11の外周面に対向して配置された現像器14には、トナーを貯めるホッパ部105が接続される。ホッパ部105はトナー搬送スクリュー251、トナー供給ローラ252、トナー供給量規制板253、及びトナー検知センサ254を有している。ホッパ部105内のトナーは、感光体ドラム11の回転軸に平行に配設されたトナー搬送スクリュー251の回転によって、スクリュー軸方向に搬送されながら、トナー搬送スクリュー251の図中右下に配設されたトナー供給ローラ252上に落とされる。落とし込まれたトナーは、トナー供給ローラ252と連れ回りながら、トナー供給量規制板253によってトナー供給ローラ252上での厚みが規制された後に、現像器14に供給される。トナー検知センサ254は、ホッパ部105内のトナー量を検知しており、検知結果を制御ユニット80に送る。
現像器14は、現像ロール部241、攪拌パドル242、攪拌ローラ243、規制ブレード244、搬送スクリュー245、トナー濃度センサ(以下、「Tセンサ」という)246を有している。また、現像ロール部241の図中右側方にセパレータ247が配設される。現像器14内には、トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤が収容される。ホッパ部105から現像器14に供給されたトナーは、回転駆動される攪拌ローラ243上に落下する。攪拌ローラ243は、落下してくるトナーを現像剤と混合しながら、図中左側方の攪拌パドル242に送る。この際、新たに補給されたトナーが、磁性キャリアや攪拌ローラ243等との摺擦によって摩擦帯電させられる。攪拌パドル242は、回転駆動されて、攪拌ローラ243から送られてくる現像剤を現像ロール部241に向けて搬送する。このようにして搬送される現像剤は、現像ロール部241の回転する現像スリーブ241aの表面に汲み上げられる。
現像ロール部241は、非磁性パイプで構成されて回転駆動される現像スリーブ241aと、これに連れ回らないように現像スリーブ241a内に固定されたマグネットローラ241bとを有している。現像ロール部241は、攪拌パドル242から送られてくる現像剤を、マグネットローラ241bの磁力によって現像スリーブ241a表面に引きつける。引き付けられた現像剤は、現像スリーブ241aに連れ回りながら、現像ロール部241と所定の間隙を保持するように配置された規制ブレード244とによって、厚みが制限される。現像剤は、現像スリーブ241aの回転に伴って、現像ロール部241と感光体ドラム11とが対向する現像領域に搬送される。
現像スリーブ241aには、現像バイアスが印加される。現像バイアスの印加により、現像領域では、現像スリーブ241aと感光体ドラム11の静電潜像との間に、現像剤をスリーブ側から感光体ドラム11側に静電移動させる現像ポテンシャルが発生する。これにより、現像剤は、感光体ドラム11上の潜像画像を現像して可視画像に変化させる。
攪拌ローラ243の下側のケーシング底面に固定されるトナー濃度センサ246は、攪拌ローラ243によって攪拌搬送される現像剤の透磁率に応じた信号を制御ユニット80に出力する。現像剤のトナー濃度は現像剤の透磁率と良好な奉還関係を示すことから、現像剤の透磁率を検知することでトナー濃度が検知可能である。制御ユニット80は、次のようなトナー濃度制御を行う。即ち、トナー濃度センサ246からの出力信号を所定の目標値に近づけるように、ホッパ部105内のトナー供給ローラ252を必要に応じて回転駆動させて、ホッパ部105内から現像器14内にトナーを供給させる。これにより、現像器14内の現像剤のトナー濃度が所定の範囲内に保たれる。
<トナー補給>
図3は、現像器14にトナーを補給するトナーボトルとホッパ部105との接続部分の説明図である。
トナーボトル414からホッパ部105に補給されたトナーは、トナー搬送スクリュー251上に落下する。このトナーは、トナー搬送スクリュー251のスクリュー軸線方向に搬送されながら、少しずつトナー供給ローラ252に向けて落とし込まれる。制御ユニット80は、トナー検知センサ254による検知結果に基づいて補給モータ432を駆動し、ギア433を介してトナーボトル414を回転させる。トナーボトル414の回転により、トナーボトル414からホッパ部105へのトナー補給が行われる。具体的には、トナー濃度制御によってホッパ部105から現像器14にトナーが供給されて、ホッパ部105内のトナー量が少なくなると、トナー検知センサ254がトナーを検知しなくなる。制御ユニット80は、トナー検知センサ254によってトナーが検知されなくなると、トナーが検知されるようになるまで、補給モータ432を回転駆動させてホッパ部105にトナーを補給する。
トナーボトル414の1回転あたりのトナー排出量は、トナーボトル414内のトナー残量によって大きく変化する。この変化は、トナー残量に応じてトナーボトル414内のトナー上面レベルが変化することに起因している。トナーボトル414は、横に寝た状態で画像形成装置の装着部にに装着される。このように横に寝た状態でトナーをほぼ満杯に収容しているときには、トナーボトル414内部のトナーの上面レベルがトナーの排出口よりも鉛直方向上側になり、トナーが排出口を覆い尽くす。この状態で排出口の全領域からトナーが排出するために、トナー残量が多い場合には、1回転あたりのトナー排出量が多量になる。これに対して内部のトナー残量が僅かなときには、トナーの上面レベルが排出口よりも鉛直方向下側になり、トナーが排出口を覆わなくなる。この状態では排出口の下部からしかトナーを排出しなくなるので、1回転あたりのトナー排出量がごく少量になる。そのために、満杯時と同量のトナー排出量を得るためには、トナーボトル414を満杯時よりも多く回転させる必要がある。
トナーボトル414内部のトナー残量がほぼゼロである場合、トナーがトナーボトル414から排出されない。そのために、トナー検知センサ254がトナー無しを一定時間以上検知することになる。この場合、制御ユニット80は、トナーボトル414内にトナーが無いと判断して、トナーボトル414の交換指示を操作部5のディスプレイ上に表示する等によりユーザに通知する。
<光学読取装置>
トナーボトル414には、固有の個別情報が付される。本実施形態では、個別情報がバーコードにより表され、トナーボトル414に付される。図4は、このようなトナーボトル414に付されたバーコードを読み取る光学読取装置の構成図である。トナーボトル414は、各色に応じて設けられる。そのために、光学読取装置は、トナーボトル414の数に応じて設けられる。
トナーボトル414は、一般的に表面が黒色で覆われており、紫外線等の影響によるトナーボトル414内のトナーの変質を防止する。トナーボトル414には、バーコードが印刷されたバーコードラベル450が貼り付けられる。バーコードは、トナーボトル414の個別情報を黒地部分(暗部)と白地部分(明部)との組み合わせで表す画像コードである。トナーボトル414は、補給モータ432により回転駆動される。トナーボトル414は、各色に応じて設けられるために、補給モータ432は、トナーボトル414の数に応じて設けられる。補給モータ432は、モータ駆動回路454により回転駆動される。モータ駆動回路454は、補給モータ432と同数設けられる。
光学読取装置は、CPU452、メモリ453、データ読取回路455、及びバーコード検知センサ451を備える。CPU452は、光学読取装置の制御を行い、また、モータ駆動回路454に、補給モータ432を駆動させるための駆動信号を送信する。メモリ453は、CPU452による制御に用いられる各種データを記憶する。バーコード検知センサ451は、トナーボトル414に貼り付けられたバーコードラベル450に光を照射し、その反射光を検知する。バーコード検知センサ451は、検知結果を表すデータ(出力値)をデータ読取回路455に送信する。データ読取回路455の出力はCPU452に入力され、そのデータはCPU452内で処理されてメモリ453に格納される。バーコードラベル450の検知タイミングはトナーボトル414の交換時等に行うが特に限定はしない。CPU452、メモリ453、及びデータ読取回路455は、制御ユニット80内に設けられる。バーコード検知センサ451は、トナーボトル414の装着部の近傍のバーコードラベル450を照射可能な位置に配置される。本実施形態では、トナーボトル414が各色に応じて設けられるので、バーコード検知センサ451は、トナーボトル414と同数設けられる。
ホッパ部105に設けられるトナー検知センサ254がホッパ部105内のトナー無しを一定時間検知すると、CPU452はモータ駆動回路454に駆動信号を送信する。モータ駆動回路454は、駆動信号を受信すると、補給モータ432を駆動してトナーボトル414を回転させる。トナーボトル414が回転することによって、トナーがホッパ部105に補給される。その後、トナー検知センサ254がトナー有り状態を一定時間検知すると、CPU452は、トナーボトル414の回転を停止させる。ホッパ部105から現像器14にトナーが供給されたり、トナーボトル414からトナーが補給されることによって、トナー検知センサ254から出力される信号は有り及び無しの状態を繰り返す。それに従ってCPU452は、トナーボトル414の回転駆動及び停止を繰り返す。
図5は、バーコード検知センサ451の説明図である。バーコード検知センサ451は、発光部501及び受光部502を備える。発光部501は、LED(Light Emitting Diode)等の一般的な光源で実現される。受光部502は、発光部501から放射された光がトナーボトル414の表面及びバーコードラベル450により反射された反射光を受光する。受光部502は、受光した反射光の強度に応じた出力値を出力する。出力値は、データ読取回路455に送信される。例えば、バーコードラベル450の黒地部分は反射光が少ないために出力値が低く、白地部分は反射光が多いために出力値が高くなる。図5では、黒地部分の反射光を受光しているために、受光部502は低い値の出力値を出力する。
図6は、データ読取回路455及びCPU452の説明図である。データ読取回路455は、バーコードセンサ制御部601、アナログプロセッサ602、D/Aコンバータ603、及びコンパレータ604を備える。CPU452は、タイマ605及び白黒閾値設定部606を備える。なお、データ読取回路455は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)により実現してもよく、また複数の素子の組み合わせにより実現してもよい。また、CPU452が備える機能は、例えば、CPU452が図示しない記憶装置から所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することで実現される。
データ読取回路455は、バーコードセンサ制御部601によりバーコード検知センサ451の動作を制御する。具体的には、バーコードセンサ制御部601は、バーコード検知センサ451の発光部501に発光させるとともに、受光部502から出力値を出力させる。また、バーコードセンサ制御部601は、発光部501の発光光量や受光部502の受光ゲインを調整する。
データ読取回路455は、バーコード検知センサ451から出力される出力値を受信する。データ読取回路455に受信された出力値は、アナログプロセッサ602及びコンパレータ604に入力される。アナログプロセッサ602は、入力された出力値をデジタル値に変換してCPU452に入力する。
CPU452は、デジタル値に変換された出力値に応じて、バーコード検知センサ451の発光光量や受光ゲインを調整するための調整データを生成してバーコードセンサ制御部601に送信する。CPU452は、デジタル値に変換された出力値に応じて、白黒閾値設定部606により、バーコード検知センサ451の出力値を判別して二値化するための白黒閾値を生成する。CPU452の白黒閾値設定部606は、生成した白黒閾値をD/Aコンバータ603に送信する。
データ読取回路455のD/Aコンバータ603は、CPU452から受信した白黒閾値をアナログ値に変換してコンパレータ604に入力する。コンパレータ604は、バーコード検知センサ451から出力された出力値と、アナログ値に変換された白黒閾値とを比較して、バーコード検知センサ451から出力された出力値を二値化する。コンパレータ604による出力値の二値化により、バーコードの白地と黒地とが判別可能になる。判別結果である二値化された出力値は、コンパレータ604からCPU452のタイマ605に入力される。
CPU452のタイマ605は、コンパレータ604から入力された二値化された出力値の、立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間及び立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間を測定する。CPU452は、この測定結果に基づいてバーコードのコード変換を行う。CPU452は、コード変換結果をメモリ453に格納する。コード変換結果により、CPU452は、バーコードが表す個別情報を読み取ることができる。
図7は、トナーボトル414に貼り付けられたバーコードラベル450及びバーコード検知センサ451から出力される出力値の波形の例示図である。出力値は、CPU452のサンプリングタイミングでCPU452に検知される。
バーコードラベル450は、クワイエットゾーン457及びキャラクタ458を備える。
クワイエットゾーン457は白地で形成される。キャラクタ458は、白地の線及び黒地の線の連続で形成され、白黒それぞれの線の太さにより個別情報が表される。
バーコードラベル450の白地部分ではバーコード検知センサ451の出力値が高くなり、バーコードラベル450の黒地部分ではバーコード検知センサ451の出力値が低くなる。そのために、バーコードラベル450のクワイエットゾーン457及びキャラクタ458の白地部分を検知したバーコード検知センサ451の出力値は高くなり、キャラクタ458の黒地部分を検知したバーコード検知センサ451の出力値は低くなる。また、トナーボトル414は、前述の通り表面が黒色で形成される。そのために、トナーボトル414をバーコード検知センサ451で検知すると、出力値が低くなる。以上のことから、バーコード検知センサ451の出力値の波形は、トナーボトル414の表面及びバーコードラベル450を検知することで、図7に示すように変化する。
本実施形態では、バーコード検知センサ451の発光光量及び白黒閾値を、バーコード検知センサ451によるバーコードラベル450のクワイエットゾーン457及びトナーボトル414の表面の検知結果に応じて決定する。つまり、CPU452は、バーコードラベル450のクワイエットゾーン457による出力値Vq及びトナーボトル414の表面による出力値Vqにより、バーコード検知センサ451の発光光量及び白黒閾値を決定する。
バーコード検知センサ451の検知領域内をバーコードラベル450のキャラクタ458が通過する時間は、CPU452のサンプリングレート(サンプリング間隔)よりも短い。そのためにCPU452のサンプリングタイミングとバーコードラベル450との関係によっては、バーコード検知センサ451がキャラクタ458の黒地部分を正確に検知できない可能性がある。本実施形態では、発光光量及び白黒閾値を決定する場合に、キャラクタ458の黒地部分に代えてトナーボトル414の表面を検知することとしたので、バーコード検知センサ451は、黒色に相当する出力値を正確に検知することができる。
図8はバーコード検知センサ451から出力される出力値の波形及びコンパレータ604の出力値の波形の例示図である。
バーコード検知センサ451の出力値は、検知部分の色が変化する際に、バーコード検知センサ451の応答性によって、立ち上がり又は立ち下がり時の波形に影響がでる。また、トナーボトル414の回転速度に速度ムラが生じると、バーコード検知センサ451の出力値の波形が歪む。CPU452がデータ読取回路455を介さずにこのような出力値の波形を取得すると、チャタリングが生じて誤検知する可能性がある。そのために、本実施形態では、データ読取回路455のコンパレータ604によりバーコード検知センサ451の出力値の波形を二値化して、誤検知の可能性を低くしている。
図9は、バーコード検知のタイミングチャートである。
トナーボトル414が回転を開始すると、CPU452は、アナログプロセッサ602を介して取得した、バーコード検知センサ451から出力される出力値のサンプリングを開始する。トナーボトル414の一周回転を検知、もしくは一周回転に相当する時間が経過すると、CPU452は、サンプリングした出力値に応じて、調整データ及び白黒閾値を生成する。調整データは、バーコードセンサ制御部601に送信される。バーコードセンサ制御部601は、調整データに応じてバーコード検知センサ451の発光光量等を設定する。白黒閾値は、D/Aコンバータ603でアナログ値に変換されてコンパレータ604に送られる。
以上の処理は、トナーボトル414の回転開始から時刻T1までの間に行われる。時刻T1以降は、バーコード検知センサ451の発光光量及びコンパレータ604に設定される白黒閾値が調整された値となる。
なお、CPU452は、例えばトナーボトル414の回転位相を検知可能な構成を有している。CPU452は、これにより、サンプリングした出力値が、クワイエットゾーン457の検知により得られた値か、あるいはトナーボトル414の表面の検知により得られた値かを知ることができる。
時刻T1以降、バーコード検知センサ451の発光光量及びコンパレータ604の白黒閾値を調整した状態で、トナーボトル414が回転を継続する。バーコード検知センサ451は、調整された発光光量でバーコードラベル450のキャラクタ458を照射して、その反射光を表す出力値をコンパレータ604に送信する。コンパレータ604は、出力値と調整された白黒閾値とを比較することで出力値を二値化して、CPU452に出力する。
CPU452は、コンパレータ604から入力された二値化した出力値の立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間、及び立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間から、バーコードが表す個別情報を読み取る。
<バーコード読み取り処理>
図10は、トナーボトル414に貼り付けられたバーコードラベル450を読み取る処理のフローチャートである。この処理は、トナーボトル414の交換後に行われる。
CPU452は、トナーボトル414が交換されると、モータ駆動回路454により、このトナーボトル414を回転させる(S1001)。トナーボトル414が回転を開始すると、バーコードセンサ制御部601が、バーコード検知センサ451を動作させる(S1002)。バーコード検知センサ451の発光光量は、デフォルトの値あるいは前回動作時の値である。CPU452は、バーコード検知センサ451から出力されるトナーボトル414の一周回転分の出力値をサンプリングして、メモリ453に格納する(S1003、S1004)。バーコード検知センサ451は、トナーボトル414の表面及びバーコードラベル450のクワイエットゾーン457を照射したことによる反射光の強度に応じた出力値を出力する。そのためにメモリ453には、トナーボトル414の表面及びクワイエットゾーン457を照射したことによる反射光の強度に応じた出力値が格納される。
CPU452は、メモリ453に格納した出力値から、バーコードラベル450のクワイエットゾーン457の出力値Vq及びトナーボトル414の表面の出力値Vtを算出する(S1005、S1006)。CPU452は、算出したクワイエットゾーン457の出力値Vqが適切な値であるか否かを判断する(S1007)。適切な値は、バーコードラベル450の白地部分に反射感度ムラや汚れなどが生じても白地部分の出力値を確保できる値であり、実験的に求めることができる。適切な値には幅があり、CPU452は、出力値qがその範囲内であれば適切であると判断する。また、CPU452は、適切な値以上の出力値qであれば適切であると判断してもよい。
出力値Vqが適切な値でない場合(S1007:N)、CPU452は、バーコード検知センサ451の発光光量を、白黒検出のために必要な光量に調整する(S1008)。発光光量の調整には、例えば実験で得られたデータに基づく調整方法や、発光光量の設定を段階的に変更してS1002〜S1006の処理を繰り返し行い、適切な発光光量に調整する方法がある。出力値Vqが適切な値である場合(S1007:Y)には、バーコード検知センサ451の発光光量が適切であるために、CPU452は、発光光量の調整を行わない。
バーコード検知センサ451の発光光量が適切な光量になると、CPU452は、白黒閾値をクワイエットゾーン457の出力値Vqとトナーボトル414の表面の出力値Vtとから算出する。算出された白黒閾値は、CPU452からデータ読取回路455へ送信されて、コンパレータ604に設定される(S1009)。S1008により発光光量の調整を行った場合には、調整後の発光光量により検出された出力値に基づいて、出力値Vq及び出力値Vtが算出され白黒閾値が算出される。本実施形態では、白黒閾値を出力値Vqと出力値Vtとの平均値とする。なお、白黒閾値には、白地部分の出力値と黒地部分の出力値とを明確に二値化できる値であればどのような方法で算出された値でも用いることができる。
白黒閾値の設定後、CPU452は、モータ駆動回路454によりトナーボトル414を引き続き一周分回転させる(S1010)。バーコード検知センサ451は、トナーボトル414の回転時にバーコードラベル450のキャラクタ458を照射して、その出力値を出力する。データ読取回路455のコンパレータ604は、バーコード検知センサ451から出力された出力値と、S1009で設定された白黒閾値とを比較して、二値化した出力値をCPU452に出力する。CPU452は、二値化された出力値の立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間及び立ち上がりエッジから立下りエッジまでの時間をタイマ605でカウントし、メモリ453にカウント値を格納する。この一連の処理により、CPU452は、バーコードを検出する(S1011)。
CPU452は、バーコード規格に基づいて、メモリ453に格納したカウント値によりキャラクタ458の白地部分及び黒地部分を認識して、コード変換する(S1012)。これによりCPU452は、バーコードが表す個別情報を読み取る。バーコードの読み取りが終了すると、CPU452は、モータ駆動回路454によりトナーボトル414の回転を停止させて処理を終了する(S1013)。
バーコードは、バーコードラベル450によりトナーボトル414に貼り付けられる他に、例えば、トナーボトル414上に直接印刷やレーザマーキングにより付されてもよい。また、バーコードは、白黒2色の他に、複数色のいずれかと同等の反射率もしくは反射率差が予測できるものであればよい。また、バーコードには、1次元バーコードの他に2次元バーコードを用いてもよい。つまり、バーコードは、個別情報を明部及び暗部の組み合わせで表す画像コードであり、光の照射により読み取り可能でトナーボトル414のような画像形成装置に着脱可能な構成ユニットに付されるものであれば、どのようなもであってもよい。
以上、トナーボトル414の表面がバーコードラベル450の暗部と同色で形成された例で説明したが、トナーボトル414の表面は、バーコードラベル450の明部と同色であっても本実施形態のような白黒閾値の設定は可能である。つまり白黒閾値設定部606は、トナーボトル414の表面による反射光と、バーコードラベル450のトナーボトル414の表面とは異なる色部の反射光とにより、白黒閾値を生成する。また、本実施形態は構成ユニットとしてトナーボトル414を例に説明したが、画像形成装置に着脱可能な構成ユニットであれば、本実施形態の光学読取装置は有効である。
以上のような本実施形態の画像形成装置では、トナーボトル414のバーコードをトナーボトル414の回転速度を遅くすることなく、またサンプリングレートを上げることなく、確実に読み取ることができる。