JP6222229B2 - n型有機半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

n型有機半導体薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6222229B2
JP6222229B2 JP2015522928A JP2015522928A JP6222229B2 JP 6222229 B2 JP6222229 B2 JP 6222229B2 JP 2015522928 A JP2015522928 A JP 2015522928A JP 2015522928 A JP2015522928 A JP 2015522928A JP 6222229 B2 JP6222229 B2 JP 6222229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
thin film
sugar
semiconductor thin
type organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015522928A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2014203887A1 (ja
Inventor
直樹 大谷
直樹 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Publication of JPWO2014203887A1 publication Critical patent/JPWO2014203887A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6222229B2 publication Critical patent/JP6222229B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/203Monocyclic carbocyclic rings other than cyclohexane rings; Bicyclic carbocyclic ring systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H99/00Subject matter not provided for in other groups of this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/20Carbon compounds, e.g. carbon nanotubes or fullerenes
    • H10K85/211Fullerenes, e.g. C60
    • H10K85/215Fullerenes, e.g. C60 comprising substituents, e.g. PCBM
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/30Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation comprising bulk heterojunctions, e.g. interpenetrating networks of donor and acceptor material domains
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/50Photovoltaic [PV] devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Description

本発明は、n型有機半導体薄膜の製造方法に関し、さらに詳述すると、単糖や糖アルコール残基を有するフラーレン誘導体からなるn型半導体を含む、表面積の大きな薄膜の製造方法に関する。
フラーレンは、優れた電子輸送性(電子受容性)および耐熱性を有し、有機薄膜太陽電池等の有機デバイスのn型半導体材料として汎用されている。
しかしながら、無修飾のフラーレンは各種の有機溶媒への溶解性が乏しいためウェットプロセスによる成膜は困難であり、その成膜は通常ドライプロセスである蒸着法によって行われる。
また、ウェットプロセスで成膜可能なフラーレン誘導体としてPCBMが知られているが、PCBMは特定の有機溶媒にしか溶解せず、単体での成膜性が悪い上、無修飾のフラーレンと比べると電子輸送性に劣る。
有機薄膜太陽電池は、正孔輸送性(電子供与性)を有するp型半導体と電子輸送性(電子受容性)を有するn型半導体とを備え、主にp型半導体が外部からの光を吸収して励起され、発生した励起子がこれら2つの半導体の界面まで拡散し、そこで電子がn型半導体に移動することで起電に必要な電荷分離が起こる。この電荷分離の効率を高めることが有機薄膜太陽電池の光電変換効率の向上につながり、そのための1つの方法として各半導体同士の接触面積の増大化が挙げられる。
このような観点から、例えば、p型半導体材料とn型半導体材料とを混合した溶液を調製し、塗布法によって活性層を形成することで、得られる太陽電池の変換効率が大幅に上昇することが報告されている(非特許文献1)。この手法によって得られる活性層は、ドナー/アクセプター界面が活性層のバルク全体に形成されることから、一般的にバルクへテロジャンクションと呼ばれる。
また、光電変換効率向上を図ることができるその他の理想的な構造として、超階層ナノ構造が提案されている(非特許文献2)。この構造では、電極近傍におけるキャリアの再結合を防止するため、ヘテロジャンクションとは異なり、p型半導体とn型半導体のそれぞれが分離して電極に配置されている一方で、これら2つの半導体同士がナノオーダーレベルの間隔で整然と接触していることから、発生したキャリアの再結合を抑制しつつ高移動度を発現し得、かつ、ドナー/アクセプター界面を高密度に形成できるといわれている。
以上の2つの技術は、光電変換効率を向上させる手法としてよく知られているものであるが、バルクへテロジャンクションにおいては、p型半導体材料とn型半導体材料との混合液を塗布して界面を形成することから、好適な界面を再現性よく得ることが困難であるだけでなく、膜形成に必要な焼成時の熱によって、界面の変化が起こるという問題がある。
それゆえ、光電変換効率の向上と素子の信頼性の向上のためには、超階層ナノ構造が好適であるといえるが、その構造を実現するためには半導体層の多孔質化や凹凸化等の表面積の増大化が必要となる。
国際公開第2010/055898号 特開2011−258944号公報
Science,1995,270,pp.1789−1791 Chem.Rev.,2007,107,pp.1324−1338
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、好適なイオン化ポテンシャルを有するとともに成膜面に微小な凹凸や細孔を有する、ウェットプロセスを用いたn型有機半導体薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
本出願人は、糖残基や糖アルコール残基を有するフラーレン化合物が、有機溶媒に対する溶解性が良好であり、この化合物を含むワニスから得られた薄膜の均一性が良好であること、および当該化合物がn型半導体として駆動し、有機薄膜太陽電池に適用できることをすでに報告している(特許文献1,2)。この特許文献1,2の技術では、糖残基等を有するフラーレン化合物を有機溶媒に溶かしたワニスを基材上に塗布し、大気下または真空下、80〜100℃で焼成して溶媒を除去することで均一性および平坦性の良好なn型半導体薄膜を形成している。
本発明者は、この特許文献1,2の技術において、薄膜形成時の焼成温度を高めることで、100℃程度の低温焼成時に比べ、成膜面の微小な凹凸や細孔が増加すること、および焼成温度をさらに高めていくことで、n型半導体として用いるのに好適なイオン化ポテンシャルを有する薄膜をも形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む溶液を基材に塗布し、450℃以上で焼成することを特徴とするn型有機半導体薄膜の製造方法、
Figure 0006222229
(式中、R1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、糖基、または糖基の任意の水酸基が置換基によって置換された糖基である置換糖基を表し、R6は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。ただし、R1〜R5のうちの少なくとも1つは、前記糖基または置換糖基である。)
2. 前記糖基または置換糖基が、式(2)、式(3)および式(4)から選ばれる少なくとも1つの基である1のn型有機半導体薄膜の製造方法、
Figure 0006222229
(式中、R7〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、一価炭化水素基、オルガノシリル基、またはアシル基を示す。)
3. 前記置換基が、炭素数1〜10のアルキル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、またはt−ブチルジフェニルシリル基である1または2のn型有機半導体薄膜の製造方法、
4. 算術平均粗さRaが膜厚の2%以上であり、最大高さRzが膜厚の40%以上である薄膜を得る1〜3のいずれかのn型有機半導体薄膜の製造方法、
5. 膜厚が170〜300nmであり、算術平均粗さRaが膜厚の2%以上であり、最大高さRzが膜厚の40%以上であり、イオン化ポテンシャルが6.0eV以上であり、式(1)で表されるフラーレン誘導体を含むn型有機半導体薄膜、
Figure 0006222229
(式中、R 1 〜R 5 は、それぞれ独立して、水素原子、糖基、または糖基の任意の水酸基が置換基によって置換された糖基である置換糖基を表し、R 6 は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。ただし、R 1 〜R 5 のうちの少なくとも1つは、前記糖基または置換糖基である。)
6. 5のn型有機半導体薄膜を有する有機太陽電池
を提供する。
本発明の製造方法によれば、好適なイオン化ポテンシャルを有する、成膜面に微小な凹凸や細孔が形成されたn型有機半導体薄膜を形成できる。本発明の製造方法で得られた薄膜を用いれば、積層法によって隣接して形成されるp層とのp/n接合界面の面積を、理想的なエネルギー準位の関係を保ちながら飛躍的に向上させることが可能となるため、有機太陽電池の変換効率向上に寄与し得る。特に高温焼成にて作製した薄膜は、無修飾フラーレンと同等のイオン化ポテンシャルを有する大表面積n型有機半導体薄膜であることから、電子デバイス、特に、p型半導体との接触面積増大によって直接的に特性向上が期待される有機太陽電池のn型半導体として好適である。
また、本発明の製造方法においては、その置換基および糖骨格を変更して種々の類縁体へ容易に導くことができるフラーレン誘導体を用いているため、隣接して形成されるp層の種類やその形成方法に応じてそのイオン化ポテンシャルや表面積のコントロールが可能である。そのため、本発明の製造方法によれば、最適化されたp/n接合界面を有する、より高変換効率の有機太陽電池を製造できる。
さらに、本発明の製造方法においては、ウェットプロセスによって薄膜化することから、ドライプロセスと比較して素子の大面積化が容易になるとともに、製造コストの低減が可能となり、その結果、有機太陽電池、有機EL素子の低コスト化に寄与し得る。
実施例1で作製したフラーレン薄膜のAFM観察結果を示す図である。 比較例1で作製したフラーレン薄膜のAFM観察結果を示す図である。 比較例2で作製したフラーレン薄膜のAFM観察結果を示す図である。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係るn型有機半導体薄膜の製造方法は、式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む溶液を基材に塗布し、450℃以上で焼成するものである。
Figure 0006222229
式(1)において、R1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、糖基、または糖基の任意の水酸基が置換基によって置換された糖基である置換糖基を表すが、R1〜R5のうちの少なくとも1つは、糖基または置換糖基である。
ここで、糖基または置換糖基としては、特に限定されるものではなく、任意のテトロース基、ペントース基、ヘキソース基およびそれらの任意の水酸基が置換された置換糖基を採用できる。
テトロース基としては、エリトロース基であるエリトロシル基等が挙げられる。
ペントース基としては、アラビノース基であるアラビノシル基、リキソース基であるリキソシル基、リボース基であるリボシル基、キシロース基であるキシロシル基等が挙げられる。
ヘキソース基としては、アロース基であるアロシル基、フルクトース基であるフルクトシル基、ガラクトース基であるガラクトシル基、グルコース基であるグルコシル基、グロース基であるグロシル基、マンノース基であるマンノシル基、タガロース基であるタガロシル基、タロース基であるタロシル基、シアル酸基等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、ヘキソース基が好ましく、特に、ガラクトシル基、グルコシル基が好適である。
より具体的には、式(2)〜(4)で示されるテトロース基、ペントース基、ヘキソース基が好適であり、特に、式(4)で示されるヘキソース基が好ましい。
Figure 0006222229
(式中、R7〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、リン酸基、リン酸エステル基、エステル基、チオエステル基、アミド基、ニトロ基、一価炭化水素基、オルガノアミノ基、オルガノシリル基、オルガノチオ基、アシル基、アルキルエーテル基、またはスルホン基を示す。)
一価炭化水素基としては、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,i−プロピル基,n−ブチル基,i−ブチル基,t−ブチル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,2−エチルヘキシル基,デシル基等のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビシクロヘキシル基等のビシクロアルキル基、ビニル基,1−プロペニル基,2−プロペニル基,イソプロペニル基,1−メチル−2−プロペニル基,1または2または3−ブテニル基,ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基,キシリル基,トリル基,ビフェニル基,ナフチル基等のアリール基、ベンジル基,フェニルエチル基,フェニルシクロヘキシル基等のアラルキル基などや、これらの一価炭化水素基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)などで置換されたものが挙げられる。
オルガノアミノ基としては、例えば、メチルアミノ基,エチルアミノ基,プロピルアミノ基,ブチルアミノ基,ペンチルアミノ基,ヘキシルアミノ基,ヘプチルアミノ基,オクチルアミノ基,ノニルアミノ基,デシルアミノ基,ラウリルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジプロピルアミノ基,ジブチルアミノ基,ジペンチルアミノ基,ジヘキシルアミノ基,ジヘプチルアミノ基,ジオクチルアミノ基,ジノニルアミノ基,ジデシルアミノ基等のジアルキルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のシクロアルキルアミノ基、モルホリノ基などが挙げられる。
オルガノシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリペンチルシリル基、トリヘキシルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基などが挙げられる。
オルガノチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ラウリルチオ基等のアルキルチオ基などが挙げられる。
アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
また、R6は、炭素数1〜5のアルキル基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられるが、特に、メチル基が好ましい。
特に、上記フラーレン誘導体の有機溶媒に対する溶解性をより向上させることを考慮すると、糖残基の有する水酸基の少なくとも1つが、任意の置換基によって置換されていることが好ましく、全ての水酸基が置換基によって置換されていることがより好ましい。
その具体例としては、R7〜R15で例示したものと同様の置換基が挙げられるが、特に、炭素数1〜10のアルキル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基等が好ましく、アセチル基がより好ましい。
式(1)で示されるフラーレン誘導体は、“糖単位を持つ水溶性フラーレン誘導体の合成と電気化学特性”(2002年3月日本化学会第81回春季年会)に掲載されている単糖基を有するフラーレン化合物の合成方法、特許文献1,2、国際公開第2011/108365号等に記載の方法に準じて合成することができる。その一例を挙げると、以下のスキームのとおりである。
Figure 0006222229
式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む溶液を調製するための有機溶媒としては、上記フラーレン誘導体の溶解能を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族またはハロゲン化芳香族炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒;ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素溶媒;二硫化炭素などを用いることができる。
有機溶液中のフラーレン誘導体の含有量は、有機溶媒に溶解する量であれば特に限定されるものではないが、塗布性等の操作性などを考慮すると、0.01〜20質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましい。
溶液を塗布する方法としては、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
焼成方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ホットプレートやオーブン等を用いて、適切な雰囲気下、すなわち、窒素等の不活性ガス、真空中等で加熱すればよいが、不活性ガス下で加熱することが好ましい。
焼成温度は、450℃以上とする必要があり、450℃未満であると、表面の凹凸が十分に形成されなかったり、好適なイオン化ポテンシャル(Ip)が実現できなかったりすることがある。焼成温度は、好ましくは460℃以上、より好ましくは470℃以上、より一層好ましくは480℃以上、さらに好ましくは490℃以上である。一方、焼成温度の上限値は、フラーレン誘導体が分解しない限りにおいて特に限定されるものではないが、通常800℃程度である。
なお、焼成の際に、表面の凹凸形成を促進することなどを目的として、2段階以上の温度変化をつけてもよい。
本発明の製造方法で得られるn型有機半導体薄膜の膜厚は、用途に応じて適宜決定するため一概に規定できないが、有機薄膜太陽電池のn型半導体として用いる場合、40〜300nm程度が好適である。膜厚を変化させる方法としては、有機溶液中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の基材上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
以上説明した製造方法によって得られる薄膜は、表面に多くの凹凸を有し、それゆえ大きな表面積を有するだけでなく、イオン化ポテンシャルが6.0eV以上というn型半導体に用いるのに特に適した特徴を有する。
本発明の製造方法で得られるn型有機半導体薄膜の算術平均粗さRaは、膜厚に対して、通常2%以上であるが、好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上、より一層好ましくは5%以上、さらに好ましくは6%以上である。一方、Raの上限値は特に限定されるものではないが、通常15%程度である。
また、本発明の製造方法で得られるn型有機半導体薄膜の最大高さRzは、膜厚に対して、通常40%以上であるが、好ましくは45%以上、より好ましくは50%以上、より一層好ましくは55%以上、さらに好ましくは60%以上である。一方、Rzの上限値は、通常90%程度であり、薄膜の強度を維持する観点から80%以下が好ましい。
なお、算術平均粗さRaおよび最大高さRzは、JIS B0601に基づく値である。
本発明の製造方法で得られるn型有機半導体薄膜のイオン化ポテンシャルの下限値は、通常6.0eV以上であるが、好ましくは6.025eV以上であり、より好ましくは6.05eV以上であり、より一層好ましくは6.075eV以上であり、上限値は、通常6.3eV以下であり、好ましくは6.275eV以下であり、より好ましくは6.25eV以下であり、より一層好ましくは6.225eV以下であり、さらに好ましくは6.2eVである。イオン化ポテンシャルの値は、焼成温度を変更することによって、調整することが可能である。
以上説明した製造方法によって得られるn型半導体薄膜は、その大きな表面積およびイオン化ポテンシャルのため、有機薄膜太陽電池、特に、超階層ナノ構造の半導体層を有する太陽電池に用いるのに適している。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[1]使用した装置
(1)表面観察:Dimension ICON(ブルカー・エイ・エックス・エス社製)
(2)イオン化ポテンシャル測定:AC−3(理研計器(株)製)
(3)膜厚測定:S−4300形電解放出形走査電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製)
[2]薄膜の作製
[実施例1]
窒素雰囲気下で、国際公開第2010/055898号記載の方法で合成した式(4a)で表されるフラーレン誘導体50mgとクロロホルム1.0mLとを混合し、室温でよく撹拌して溶液を調製した。同様の雰囲気下で、得られた濃褐色透明溶液を、スピンコート法(1500rpm、30秒)によりシリコンウェハ上に塗布し、ホットプレートを用い、500℃で10分間焼成してフラーレン薄膜を形成した。
作製した薄膜の膜厚の断面を確認した結果、膜厚は170nmだった。
Figure 0006222229
[比較例1]
350℃で10分間焼成した以外は、実施例1と同様の方法でフラーレン薄膜を形成した。
作製した薄膜の膜厚の断面を確認した結果、膜厚は220nmだった。
[比較例2]
100℃で10分間焼成した以外は、実施例1と同様の方法でフラーレン薄膜を形成した。
[3]表面観察およびイオン化ポテンシャルの測定
実施例1および比較例1,2で作製したフラーレン薄膜の表面の観察およびイオン化ポテンシャルの測定を行った。実施例1および比較例1,2のフラーレン薄膜の表面写真を図1〜3にそれぞれ示す。また、各薄膜の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rz)およびイオン化ポテンシャルを表1に示す。
Figure 0006222229
表1および図1〜3に示されるとおり、実施例1および比較例1のフラーレン薄膜の表面粗さ(RaおよびRz)は、比較例2の薄膜よりも高く、350℃以上という高温で焼成することで、より高低差のある凹凸がより多数形成されることがわかる。
その上、500℃で焼成した実施例1の薄膜は、6.0eV以上というn型半導体に適したイオン化ポテンシャルを有しており、無修飾フラーレンと同程度のイオン化ポテンシャル(6.1eV)であることもわかり、さらに高温で焼成することで薄膜のイオン化ポテンシャルが向上することもわかる。
以上のことから、本発明のn型半導体は、そのイオン化ポテンシャル特性のために無修飾フラーレンの代わりに用いることが可能であり、また、その高い表面積のために、これを有機太陽電池のn型半導体として用いることで、無修飾フラーレンでは実現できなかった高変換効率が期待できる。

Claims (6)

  1. 式(1)で表されるフラーレン誘導体を含む溶液を基材に塗布し、450℃以上で焼成することを特徴とするn型有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0006222229
    (式中、R1〜R5は、それぞれ独立して、水素原子、糖基、または糖基の任意の水酸基が置換基によって置換された糖基である置換糖基を表し、R6は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。ただし、R1〜R5のうちの少なくとも1つは、前記糖基または置換糖基である。)
  2. 前記糖基または置換糖基が、式(2)、式(3)および式(4)から選ばれる少なくとも1つの基である請求項1記載のn型有機半導体薄膜の製造方法。
    Figure 0006222229
    (式中、R7〜R15は、それぞれ独立して、水素原子、一価炭化水素基、オルガノシリル基、またはアシル基を示す。)
  3. 前記置換基が、炭素数1〜10のアルキル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、エトキシエチル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、またはt−ブチルジフェニルシリル基である請求項1または2記載のn型有機半導体薄膜の製造方法。
  4. 算術平均粗さRaが膜厚の2%以上であり、最大高さRzが膜厚の40%以上である薄膜を得る請求項1〜3のいずれか1項記載のn型有機半導体薄膜の製造方法。
  5. 膜厚が170〜300nmであり、算術平均粗さRaが膜厚の2%以上であり、最大高さRzが膜厚の40%以上であり、イオン化ポテンシャルが6.0eV以上であり、式(1)で表されるフラーレン誘導体を含むn型有機半導体薄膜。
    Figure 0006222229
    (式中、R 1 〜R 5 は、それぞれ独立して、水素原子、糖基、または糖基の任意の水酸基が置換基によって置換された糖基である置換糖基を表し、R 6 は、炭素数1〜5のアルキル基を表す。ただし、R 1 〜R 5 のうちの少なくとも1つは、前記糖基または置換糖基である。)
  6. 請求項5記載のn型有機半導体薄膜を有する有機太陽電池。
JP2015522928A 2013-06-20 2014-06-17 n型有機半導体薄膜の製造方法 Active JP6222229B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013129443 2013-06-20
JP2013129443 2013-06-20
PCT/JP2014/066006 WO2014203887A1 (ja) 2013-06-20 2014-06-17 n型有機半導体薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014203887A1 JPWO2014203887A1 (ja) 2017-02-23
JP6222229B2 true JP6222229B2 (ja) 2017-11-01

Family

ID=52104619

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015522928A Active JP6222229B2 (ja) 2013-06-20 2014-06-17 n型有機半導体薄膜の製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6222229B2 (ja)
KR (1) KR102185609B1 (ja)
CN (1) CN105308729B (ja)
TW (1) TWI602809B (ja)
WO (1) WO2014203887A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106463564A (zh) * 2014-07-31 2017-02-22 富士胶片株式会社 光电转换元件及成像元件
KR20210153243A (ko) 2020-06-10 2021-12-17 박문석 P,n 반도체 방식 압전소자의 n형 반도체 제조를 위한 혼합조성물

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7850778B2 (en) * 2005-09-06 2010-12-14 Lemaire Charles A Apparatus and method for growing fullerene nanotube forests, and forming nanotube films, threads and composite structures therefrom
JP4853779B2 (ja) * 2006-08-01 2012-01-11 独立行政法人産業技術総合研究所 有機薄膜太陽電池
JPWO2009084078A1 (ja) * 2007-12-27 2011-05-12 パイオニア株式会社 有機半導体素子、有機太陽電池及び表示パネル
WO2010055898A1 (ja) * 2008-11-14 2010-05-20 学校法人君が淵学園 崇城大学 フラーレン化合物からなるn型半導体
KR20230058180A (ko) * 2010-04-08 2023-05-02 더 리젠츠 오브 더 유니버시티 오브 미시간 열적 어닐링 과정 및 용매 증기 어닐링 과정에 의해 제조된 향상된 벌크 이종접합 소자
WO2011136800A1 (en) * 2010-04-30 2011-11-03 Northwestern University Organic photovoltaic device with interfacial layer and method of fabricating same
JP2011258944A (ja) * 2010-05-13 2011-12-22 Nissan Chem Ind Ltd フラーレン誘導体を用いた有機太陽電池
JP5979710B2 (ja) * 2012-04-12 2016-08-31 日産化学工業株式会社 フラーレン誘導体およびこれを用いた有機太陽電池

Also Published As

Publication number Publication date
CN105308729A (zh) 2016-02-03
WO2014203887A1 (ja) 2014-12-24
KR20160022824A (ko) 2016-03-02
CN105308729B (zh) 2018-08-03
TW201500346A (zh) 2015-01-01
KR102185609B1 (ko) 2020-12-02
JPWO2014203887A1 (ja) 2017-02-23
TWI602809B (zh) 2017-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Niu et al. Interfacial engineering at the 2D/3D heterojunction for high-performance perovskite solar cells
Xie et al. Enhanced performance of perovskite CH3NH3PbI3 solar cell by using CH3NH3I as additive in sequential deposition
Park et al. Inverted planar perovskite solar cells with dopant free hole transporting material: Lewis base-assisted passivation and reduced charge recombination
Zhang et al. Overcoming the Thermal Instability of Efficient Polymer Solar Cells by Employing Novel Fullerene-Based Acceptors.
ES2399728T3 (es) Complejos de cobre para aplicaciones optoelectrónicas
Lin et al. Polyaromatic nanotweezers on semiconducting carbon nanotubes for the growth and interfacing of lead halide perovskite crystal grains in solar cells
TWI548703B (zh) 供有機層之噴墨印刷或其他用途之液體組合物
Lim et al. Soluble n-type pentacene derivatives as novel acceptors for organic solar cells
TWI435888B (zh) Fullerene derivatives based on fullerene derivatives and fullerene polymers and their manufacturing methods
Miller et al. Carbon nanotubes grown on In2O3: Sn glass as large area electrodes for organic photovoltaics
KR102550275B1 (ko) 유기 반도체 및 금속 착물을 포함하는 조성물
US20020036298A1 (en) Hole transporting agents and photoelectric conversion device comprising the same
JP2016535816A (ja) グラフェン堆積用アミン前駆体
Chen et al. Fully solution processed pin organic solar cells with an industrial pigment–Quinacridone
JP6222229B2 (ja) n型有機半導体薄膜の製造方法
JP2017112186A (ja) 半導体デバイス及びその製造方法、太陽電池、並びに半導体層形成用組成物
JP2018518837A (ja) 有機半導体と金属錯体を含む調合物
JP5402635B2 (ja) フタロシアニン化合物
US10056554B2 (en) Functional interlayers of fullerene derivatives and applications in organic solar cells
Yi et al. Molecular design of diazo compound for carbene-mediated cross-linking of hole-transport polymer in QLED with reduced energy barrier and improved charge balance
Cao et al. Precursor Engineering of Vapor-Exchange Processes for 20%-Efficient 1 cm2 Inverted-Structure Perovskite Solar Cells
EP3343656A1 (en) Photoelectric conversion element
JP5979710B2 (ja) フラーレン誘導体およびこれを用いた有機太陽電池
US20130025662A1 (en) Water Soluble Dopant for Carbon Films
Fournier et al. Chemical Passivation with Phosphonic Acid Derivatives of ZnO Deposited by Atomic Layer Deposition and Its Influence on the Halide Perovskite Interface

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170918

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6222229

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350