JP6222075B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車軸上に配設されたモータを有する車両の駆動装置に関する。
近年、駆動源としてエンジン及びモータを備えたハイブリッド車の実用化等に伴い、車両の駆動装置として種々のものが提案され或いは実用化されている。
特許文献1には、駆動源としてエンジン及びモータを備えたフロントエンジン・フロントドライブ方式(FF式)のハイブリッド車において、前記モータが左右いずれか一方の前輪用の車軸上に配設された構造が開示されている。このハイブリッド車において、モータの出力は、該モータに隣接して車軸上に配設されたプラネタリギヤ機構からなる減速機によって減速されて、この減速により増大されたトルクが前輪用差動装置の入力部であるデフケースに伝達される。これにより、モータが駆動されると、デフケースにおいて、エンジンから変速機を介して伝達される動力と、モータから減速機を介して伝達される動力とが合流し、この合流した動力が車軸を介して前輪に伝達される。
特開2011−031761号公報
上記のように車軸上にモータが配設されたハイブリッド車において、例えば、モータを冷却したり減速機を潤滑したりするためのギヤ式のオイルポンプ等、回転駆動されることによって作動する補機が搭載されることがあり、この場合、該補機をモータや減速機と同様、車軸上に配設することが考えられる。
しかしながら、モータ側からデフケースに大きなトルクを伝達するためには、モータ自体を大型化すると共に、トルク増大のために減速機を併せて搭載するのが通例であり、モータに減速機等を付加してなるモータユニットは全体として大型化しやすい。したがって、このような大型のモータユニットが配設された車軸上に、オイルポンプ等の補機を更に追加して搭載すると、前輪用差動装置、モータ及び補機を含む駆動装置部分の車体幅方向寸法が増大し、車体幅方向の限られたスペースにおいて該駆動装置部分をレイアウトし難くなる問題がある。
特に、この種の駆動装置にトランスファ装置を更に追加して、四輪駆動方式のハイブリッド車を構築する場合には、トランスファ装置を構成するドライブギヤ等も、モータや補機と同じ車軸上に配設されることになるため、これらのレイアウトが更に難しくなる。
そこで、本発明は、車軸上にモータが配設された車両の駆動装置に、回転駆動されることによって作動する補機を搭載しつつ、差動装置、モータ及び補機を含む駆動装置部分を車体幅方向にコンパクトに構成することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る車両の駆動装置は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、
差動装置の出力部と駆動輪を連結するように車体幅方向に延びる車軸と、該車軸上に配設されたモータと、該モータの出力を減速して前記差動装置の入力部へ伝達可能なように前記車軸上において前記差動装置と前記モータとの間に配設された減速部と、を備えた車両の駆動装置であって、
前記車軸上に配設され、前記差動装置の入力部と前記減速部とを連結する第1駆動軸と、
前記第1駆動軸に平行に配設され、該第1駆動軸の回転によって駆動される第2駆動軸と、
前記第1駆動軸に設けられたドライブギヤと、
前記第2駆動軸に設けられて前記ドライブギヤに噛み合うドリブンギヤと、
前記第2駆動軸に設けられた傘歯ドライブギヤと、
車体前後方向に延びる第3駆動軸と、
前記第3駆動軸に設けられて前記傘歯ドライブギヤに噛み合う傘歯ドリブンギヤとを備え、
前記ドライブギヤは、前記第1駆動軸上において前記ドライブギヤを挟んだ軸方向両側に配置された2つの軸受によって回転可能に支持されており、
前記ドライブギヤは、前記第1駆動軸の外周から径方向外側に拡がるフランジ部と、該フランジ部の外周から軸方向反差動装置側へ突出する環状部と、該環状部の外周に設けられた歯部とを備えており、
車体幅方向において、前記2つの軸受のうち反差動装置側の軸受が占める領域と、前記ドライブギヤの環状部及び歯部が占める領域とは重複しており、
前記第2駆動軸の軸線上に、該第2駆動軸の回転によって作動する補機が配置されていることを特徴とする。
さらに、請求項2に記載の発明に係る車両の駆動装置は、前記請求項1に記載の発明において、
前記ドライブギヤの歯幅の中心は、車体幅方向において前記第3駆動軸の軸心よりも前記差動装置側に配置されていることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、車軸上の第1駆動軸から平行に離間した第2駆動軸の軸線上に補機が配置されているため、該補機が車軸上に配設される場合に比べて、車軸上のモータを差動装置側に寄せて配置しやすくなる。そのため、差動装置、モータ及び補機を含む駆動装置部分を車体幅方向にコンパクトに構成することができ、限られた車体幅方向のスペースにおいて当該駆動装置部分をレイアウトしやすくなる。
また、請求項1に記載の発明によれば、モータから差動装置に入力された動力を取り出すトランスファ装置を、第1、第2及び第3駆動軸とこれらの軸上の各ギヤによって構成しつつ、該トランスファ装置を構成する第2駆動軸の回転を利用して、補機を作動させることができる。このように、第2駆動軸がトランスファ装置の一部としての機能と補機の駆動源としての機能とを兼ね備えているため、当該駆動装置において、部品点数の増加及び構造の複雑化を抑制することができる。
さらに、請求項2に記載の発明によれば、車軸上に配設されたドライブギヤが、第3駆動軸の軸心よりも差動装置側にオフセットして配置されることで、該ドライブギヤよりも反差動装置側に設けられたモータを、より効果的に差動装置側へ寄せて配置することができ、これにより、車体幅方向における前記駆動装置部分のコンパクト化をより効果的に実現できる。

本発明の実施形態に係る車両の駆動装置を示す全体図である。 同駆動装置の一部を示す断面図である。 図2の一部を拡大した断面図である。 同駆動装置を示す図2のA−A線断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両の駆動装置1を示す全体図である。なお、図1において、前輪用差動装置及びその周辺の動力伝達部分についてはその骨子を示しており、その他の部分については簡略化して図示している。
図1に示すように、駆動装置1は、四輪駆動式のハイブリッド車に搭載されるものであり、車両走行用の駆動源として、例えばエンジンルームに搭載されたエンジン2と、一方の前輪36aに連結されたドライブシャフト30a上に配設されたモータ51とを備えている。
エンジン2は横置き式であり、エンジン2の車体幅方向の例えば左側にはトランスアクスル3が並設されている。トランスアクスル3は、例えばトルクコンバータ5を介してエンジン2の出力軸に連結された変速機6と、該変速機6の出力を左右の前輪用のドライブシャフト30a,30bに伝達する前輪用差動装置10とを備えている。
変速機6は例えば有段式の自動変速機であるが、手動変速機または無段変速機であってもよい。変速機6の出力ギヤ7は、前輪用差動装置10のデフケース12に固定されたデフリングギヤ14に噛合されており、これにより、エンジン2の出力は変速機6を介して前輪用差動装置10のデフケース12に伝達される。変速機6の変速機構及び前輪用差動装置10は、トランスアクスルケース4に収容されている。
前輪用差動装置10及びこれに連結された左右のドライブシャフト30a,30bは、エンジン2よりも車両後方側に配設されている。前輪用差動装置10は、車体幅方向の中央よりも左側にオフセットして配置されており、右側のドライブシャフト30aは左側のドライブシャフト30bよりも長尺とされている。
前輪用の各ドライブシャフト30a,30bは、前輪用差動装置10に連結されたデフ側シャフト部材31a,31bと、自在継手34a,34bを介してデフ側シャフト部材31a,31bに連結された中間シャフト部材32a,32bと、一端側において自在継手35a,35bを介して中間シャフト部材32a,32bに連結されるとともに他端側において前輪36a,36bに連結された駆動輪側シャフト部材33a,33bとを備えている。
前輪用差動装置10において、デフケース12を貫通するピニオンシャフト15上には、互いに対向する一対のピニオンギヤ16,17が回転可能に設けられ、これらのピニオンギヤ16,17に跨がって左右のサイドギヤ18,19が噛合されている。デフケース12には、左右のシャフト挿通部12a,12bがサイドギヤ18,19に対応して設けられている。各シャフト挿通部12a,12bには、ドライブシャフト30a,30bのデフ側シャフト部材31a,31bが挿通され、デフ側シャフト部材31a,31bの先端は、サイドギヤ18,19にスプライン嵌合されている。これにより、変速機6から前輪用差動装置10のデフケース12に伝達された動力は、走行状況に応じた回転差となるように左右のドライブシャフト30a,30bに伝達される。
一方の前輪用のドライブシャフト30aのデフ側シャフト部材31a上には、上記のモータ51を有するモータユニット50と、前輪用差動装置10のデフケース12に伝達された動力を後輪46a,46b側へ取り出すトランスファ装置200とが配設されている。
モータユニット50は、モータ51に加えて、ドライブシャフト30a上において前輪用差動装置10とモータ51との間に配設された減速機60を備えており、モータ51と減速機60とは、ユニットケース100に収容された状態でユニット化されている。該モータユニット50は、エンジン2の後方且つ前輪用差動装置10の右側に生じるスペースを利用して配設されている。
モータ51の動力は、減速機60によって減速されてデフケース12に伝達され、これにより、デフケース12において、エンジン2側から伝達される動力とモータ51側から伝達される動力とが合流し得る。
トランスファ装置200は、ドライブシャフト30a上において車体幅方向に延びるように配設された第1駆動軸201と、第1駆動軸201に平行に配設された第2駆動軸202と、車体前後方向に延びる第3駆動軸203とを備えている。第1駆動軸201にはドライブギヤ210が設けられ、第2駆動軸202には、ドライブギヤ210に噛み合うドリブンギヤ230と、傘歯ドライブギヤ240とが設けられ、第3駆動軸203には、傘歯ドライブギヤ240に噛み合う傘歯ドリブンギヤ250が設けられている。
第1駆動軸201の前輪用差動装置10側の端部はデフケース12のシャフト挿通部12aにスプライン嵌合されており、これにより、デフケース12と第1駆動軸201とが駆動連結されている。デフケース12から第1駆動軸201に入力された動力は、ドライブギヤ210とドリブンギヤ230との噛み合いにより第2駆動軸202に伝達される。第2駆動軸202に入力された動力は、傘歯ドライブギヤ240と傘歯ドリブンギヤ250との噛み合いにより第3駆動軸203に伝達されて、該第3駆動軸203からプロペラシャフト39へ出力される。
なお、第2駆動軸202上のドリブンギヤ230は第1駆動軸201上のドライブギヤ210よりも小径であり、第3駆動軸203上の傘歯ドリブンギヤ250は第2駆動軸202上の傘歯ドライブギヤ240よりも小径である。そのため、トランスファ装置200は、デフケース12からの入力回転を増速させてプロペラシャフト39に出力することになる。
プロペラシャフト39は、トランスファ装置200により取り出された動力を後輪46a,46b側へ伝達するものであり、車体前後方向に延びるように配設されている。プロペラシャフト39の後端部は、前後輪のトルク配分を行うカップリング40を介して後輪用差動装置42に連結されている。なお、プロペラシャフト39の回転は、トランスファ装置200による増速分を相殺するように減速されて後輪用差動装置42に入力される。
トランスファ装置200から取り出された動力は、プロペラシャフト39及びカップリング40を介して後輪用差動装置42に伝達され、後輪用差動装置42に伝達された動力は、走行状況に応じた回転差となるように、後輪46a,46bに連結された左右のドライブシャフト44a,44bに伝達される。
以下、トランスファ装置200及びモータユニット50の具体的な構成について説明する。
[トランスファ装置]
図2〜図4に示すように、第1、第2及び第3駆動軸201,202,203を含むトランスファ装置200の構成部品は、トランスファケース290に収容されている。トランスファケース290は、互いに結合された第1及び第2ケース部材291,292並びに蓋部材293で構成されている。
第1ケース部材291は、第1駆動軸201を収容する第1ケース部291aと、第2駆動軸202を収容する第2ケース部291bと、第3駆動軸203を収容する第3ケース部291cとを備えている。第1及び第2ケース部291a,291bは、車体幅方向に延びる筒状部であり、第3ケース部291cは、車体前後方向に延びる筒状部である。車体前後方向において、第1、第2、第3ケース部291a,291b,291cは、車体前方側からこの順で配置されるように一体に設けられている。
第1ケース部材291の内部空間は、第1及び第2ケース部291a,291b間、及び、第2及び第3ケース部291b,291c間でそれぞれ互いに連通している。第1ケース部291aは、軸方向の反差動装置10側に開放した開口部291dを有し、該開口部291dは第2ケース部材292によって塞がれている。また、第2ケース部291bは、軸方向の差動装置10側に開放した開口部291eを有し、該開口部291eは蓋部材293によって塞がれている。
第1ケース部材291の内部空間には、第1駆動軸201上のドライブギヤ210と第2駆動軸202上のドリブンギヤ230との噛合部、第2駆動軸202上の傘歯ドライブギヤ240と傘歯ドリブンギヤ250との噛合部、及び、第1〜第3駆動軸201,202,203上の軸受212,216,234,238,252,256等を潤滑するためのオイルが封入されている。該オイルとしては、特に大きな荷重がかかる傘歯ドライブギヤ240と傘歯ドリブンギヤ250との噛合部における焼付きを確実に防止し得るような成分を含むものが用いられる。
車体上下方向において、第1、第2、第3駆動軸201,202,203は、低い方からこの順で配置されており、これに合わせて、第1、第2、第3ケース部292a,292b,292cの内部空間の底部は、低い方からこの順で配置されている(図4参照)。したがって、トランスファケース290内のオイルは、第1ケース部291aの底部に貯留されやすくなっており、このように貯留されたオイルは、第1駆動軸201と共に回転するドライブギヤ210によって掻き上げられて、トランスファケース290内における上記の各被潤滑部に供給される。
図3に示すように、第1駆動軸201は、ドライブシャフト30aのデフ側シャフト部材31aの外側に嵌合された筒状部材である。第1駆動軸201の一端は、トランスファケース290のケース部291aの外側へ突出するように差動装置10側へ延びており、該差動装置10のデフケース12における右側のシャフト挿通部12aの内周面にスプライン嵌合している。第1駆動軸201の他端は、モータユニット50の減速機60の出力要素として機能する後述のスリーブ64の外周にスプライン嵌合している。これにより、第1駆動軸201は、デフケース12と減速機60とを連結している。
ドライブギヤ210は、第1駆動軸201に例えば一体に設けられており、第1駆動軸201の外周から径方向外側に拡がるフランジ部210aと、該フランジ部210aの外周に設けられた環状部210bと、該環状部210bの外周に設けられた歯部210cとを備えている。環状部210bは、フランジ部210aの外周から軸方向反差動装置10側へ突出するように設けられている。
ドライブギヤ210と、これに噛み合う第2駆動軸202上のドリブンギヤ230はヘリカルギヤである。そのため、ドライブギヤ210がドリブンギヤ230から受ける反力には軸方向の成分が含まれる。具体的に、ドライブギヤ210は、車両の前進走行時には反差動装置10側への、車両の後退走行時には差動装置10側への軸方向の成分を含む反力をドリブンギヤ230から受ける。
ドライブギヤ210の環状部210b及び歯部210cの軸方向反差動装置10側には、第2ケース部材292が配置されている。第2ケース部材292の内周端部には、差動装置10側に向かって軸方向に延びる第1筒部292aと、反差動装置10側に向かって軸方向に延びる第2筒部292bとが設けられている。
第1及び第2筒部292a,292bは、第1駆動軸201の外側に嵌合されている。第1筒部292aの先端部は、ドライブギヤ210の環状部210bの径方向内側に該環状部210bと軸方向にオーバラップするように配置されている。第2筒部292bは、第1筒部292aの内周よりも径方向内側に突出して設けられており、第2筒部292bの外周は、後述するモータユニット50のケース部材101における差動装置10側の端部に設けられた開口部101bの内周に圧入されている。
第1駆動軸201は、ドライブギヤ210を挟んだ両側において軸受212,216を介してトランスファケース290に支持されている。具体的に、第1駆動軸201は、ドライブギヤ210よりも差動装置10側に配置された軸受212を介して第1ケース部材291の第1ケース部291aの内周に支持され、ドライブギヤ210よりも反差動装置10側に配置された軸受216を介して第2ケース部材292の第1筒部292aの内周に支持されている。
差動装置10側の軸受212は、例えば、差動装置10側への軸方向の力を支持するテーパローラベアリングであり、この軸受212によって、車両の後退走行時にドリブンギヤ230からドライブギヤ210にかかる反力が受けられる。
反差動装置10側の軸受216は、例えば、反差動装置10側への軸方向の力を支持するテーパローラベアリングであり、この軸受216によって、車両の前進走行時にドリブンギヤ230からドライブギヤ210にかかる反力が受けられる。反差動装置10側の軸受216は、差動装置10側の軸受212よりも大きく、車両の前進走行時における比較的大きな反力を確実に受けるように構成されている。
軸受216のインナレースは、第1駆動軸201の外周によって径方向に位置決めされると共に、ドライブギヤ210のフランジ部210aによって差動装置10側から軸方向に位置決めされている。軸受216のアウタレースは、第2ケース部材292の第1筒部292aの内周によって径方向に位置決めされると共に、予圧調整用のスペーサ217を介して第2ケース部材292の第2筒部292bの差動装置10側端部によって反差動装置10側から軸方向に位置決めされている。
軸受216は、ドライブギヤ210の環状部210b及び歯部210cの径方向内側において、環状部210b及び歯部210cと軸方向にオーバラップするように配置されている。これにより、軸受216は、ドライブギヤ210との干渉を回避しつつ、差動装置10側に寄せて配置されている。
差動装置10側の軸受212よりも差動装置10側には、第1駆動軸201の外周とトランスアクスルケース4の内周との間においてこれらの相対回転を許容するように介装されたオイルシール24と、第1駆動軸201の外周と第1ケース部材291の第1ケース部291aの内周との間においてこれらの相対回転を許容するように介装されたオイルシール222とが配設されている。オイルシール24によってトランスアクスルケース4内のオイルが封止されると共に、オイルシール222によってトランスファケース290内のオイルが封止されることで、成分が異なる両オイルがトランスアクスルケース4内又はトランスファケース290内で混ざり合うことが防止される。
反差動装置10側の軸受216及びスペーサ217よりも反差動装置10側には、第1駆動軸201の外周と第2ケース部材292の第2筒部292bの内周との間においてこれらの相対回転を許容するように介装された2つのオイルシール218,219が、軸方向に並べて配設されている。これらのうち差動装置10側のオイルシール218によってトランスファケース290内のオイルが封止されると共に、反差動装置10側のオイルシール219によってモータユニット50のユニットケース100内のオイルが封止されることで、成分が異なる両オイルがトランスファケース290内又はユニットケース100内で混ざり合うことが防止される。
第2駆動軸202は、第1駆動軸201に比べて車体後方側且つ車体上方側において、該第1駆動軸201に平行に配置されている。第2駆動軸202の差動装置10側の端部は、第1駆動軸201上の差動装置10側の軸受212よりも差動装置10側に位置し、第2駆動軸202の反差動装置10側の端部は、モータユニット50の減速機60と軸方向にオーバラップするように配置されている。第2駆動軸202には、軸方向の差動装置10側に開放した中空部202aが設けられ、これにより、第2駆動軸202の軽量化が図られている。
第2駆動軸202の外周には、径方向外側に突出した例えばフランジ状の突出部202cと、該突出部202cよりも反差動装置10側に配置されたねじ部202dとが設けられている。
第2駆動軸202上には、傘歯ドライブギヤ240及びドリブンギヤ230が差動装置10側からこの順で並べて配置されている。傘歯ドライブギヤ240及びドリブンギヤ230は、突出部202cとねじ部202dとの間の軸方向位置において第2駆動軸202の外周にスプライン嵌合されている。
ドリブンギヤ230は、第2駆動軸202の外周にスプライン嵌合された筒状部230aと、該筒状部230aの外周から径方向外側に拡がるフランジ部230bと、該フランジ部230bの外周に設けられた環状部230cと、該環状部230cの外周に設けられた歯部230dとを備えている。筒状部230a及び環状部230cは、フランジ部230bよりも軸方向両側に突出して設けられている。筒状部230a及び環状部230cの軸方向寸法に比べてフランジ部230bの軸方向寸法が縮小されることで、ドリブンギヤ230の軽量化が図られている。
ドリブンギヤ230は、第1駆動軸201上のドライブギヤ210に噛み合うヘリカルギヤであるため、車両の前進走行時には差動装置10側への、車両の後退走行時には反差動装置10側への軸方向の成分を含む反力をドライブギヤ210から受ける。
傘歯ドライブギヤ240の内周部における差動装置10側のコーナ部には、第2駆動軸202の突出部202cとの干渉を回避するための切欠部240aが設けられており、該切欠部240aの反差動装置10側に、突出部202cによって差動装置10側から軸方向に位置決めされる被位置決め部240bが設けられている。
傘歯ドライブギヤ240の被位置決め部240bと、ドリブンギヤ230の筒状部230aとは、ねじ部202dに螺合されたナット232と突出部202cとの間に挟み込まれており、ナット232の締め付けによって軸方向に位置決めされている。これにより、傘歯ドライブギヤ240とドリブンギヤ230とは、被位置決め部240bと筒状部230aが互いに当接した状態で軸方向に隣接して配設されている。
傘歯ドライブギヤ240は、ドリブンギヤ230よりも大径である。傘歯ドライブギヤ240の外周部には、反差動装置10側に向けられた歯部240cが設けられている。歯部240cは、ドリブンギヤ230の歯部230dよりも径方向外側に配置されている。また、歯部240cは、第2駆動軸202の突出部202cの径方向外側において該突出部202cと軸方向にオーバラップするように配置されている。歯部240cの外周端部は、第2駆動軸202と共に傘歯ドライブギヤ240が回転するときに第1駆動軸201上の軸受212とドライブギヤ210との間における第1駆動軸201の外周近傍の空間を通るように、配設されている。
傘歯ドライブギヤ240は、その反差動装置10側に配置された傘歯ドリブンギヤ250に噛み合うため、車両の前進走行時及び後退走行時のいずれにおいても、差動装置10側への軸方向の成分を含む反力を傘歯ドリブンギヤ250から受ける。
第2駆動軸202の差動装置10側及び反差動装置10側の各端部は、軸受234,238を介して第1ケース部材291の第2ケース部291bに支持されている。両軸受234,238の軸方向外側には、軸受234,238のアウタレースと第2ケース部291bとの間に挟み込まれた予圧調整用のスペーサ235,239が配設されている。
反差動装置10側の軸受238は、例えば、反差動装置10側への軸方向の力を支持するテーパローラベアリングであり、この軸受238によって、車両の後退走行時にドライブギヤ210からドリブンギヤ230にかかる反力が受けられる。この反力は比較的小さいため、該軸受238の小型化が図られる。具体的に、軸受238の外径は、ドリブンギヤ230の環状部230cの内径及び第2駆動軸202の突出部202cの外径よりも小さい。
軸受238は、ドライブシャフト30a上に配設された減速機60の第2プラネタリギヤ機構60bと軸方向にオーバラップするように配置されている。第2プラネタリギヤ機構60bは、比較的大きな外径を有するが、上記のように小型の軸受け238が用いられることで、軸受238と第2プラネタリギヤ機構60bとの干渉を容易に回避できる。
軸受238のインナレースは、第2駆動軸202のねじ部202dよりも小径の内周を有し、第2駆動軸202の外周におけるねじ部202dの反差動装置10側に隣接する小径部に対向配置される。これにより、軸受238のインナレースは、第2駆動軸202の外周における前記小径部とねじ部202dとの間のコーナ部によって径方向及び軸方向に位置決めされている。軸受238のアウタレースは、第2ケース部291bに形成されたコーナ部によって径方向及び軸方向に位置決めされており、軸方向の位置決めに関しては前記スペーサ239が用いられている。
軸受238及びスペーサ239よりも反差動装置10側には、第2駆動軸202の外周と第1ケース部材291の第2ケース部291bの内周との間においてこれらの相対回転を許容するように介装されたオイルシール236が配設されている。該オイルシール236によってトランスファケース290内のオイルが封止されることで、モータユニット50のユニットケース100内への該オイルの混入が防止される。
差動装置10側の軸受234は、例えば、差動装置10側への軸方向の力を支持するテーパローラベアリングであり、この軸受234によって、傘歯ドリブンギヤ250から傘歯ドライブギヤ240にかかる反力と、車両の前進走行時にドライブギヤ210からドリブンギヤ230にかかる反力とが受けられる。差動装置10側の軸受234は、反差動装置10側の軸受238よりも大きく、特に傘歯ドライブギヤ240にかかる大きな反力を確実に受けるように構成されている。具体的に、軸受234の外径は、ドリブンギヤ230の外径と略同じ大きさを有する。
軸受234は、第1駆動軸201上の軸受212及びオイルシール222と軸方向にオーバラップするように配置されている。これにより、軸受234は、車体幅方向において差動装置10に隣接して配置されている。
軸受234のインナレースは、第2駆動軸202の外周における突出部202cとその差動装置10側に隣接する部分との間のコーナ部によって径方向及び軸方向に位置決めされている。軸受234のアウタレースは、第2ケース部291bに形成されたコーナ部によって径方向及び軸方向に位置決めされており、軸方向の位置決めに関しては前記スペーサ235が用いられている。
軸受234と、傘歯ドライブギヤ240における突出部202cの径方向外側に位置する部分とは、軸方向に隣接して配置されている。具体的に、軸受234のインナレースの反差動装置10側の端部と、傘歯ドライブギヤ240の外周部における差動装置10側の端部とは、軸方向の略同じ位置に配置されている。
このように、第2駆動軸202上において、軸受234、傘歯ドライブギヤ240及びドリブンギヤ230は軸方向に密に配置されており、全体として差動装置10側に寄せて配置されている。
図2に示すように、第3駆動軸203は、第2駆動軸202よりも車体後方側において車体前後方向に延びるように配置されている。第3駆動軸203の軸心L3は、車体幅方向の車体中央又はその近傍に配置されている。第3駆動軸203の前端部には、歯部250a(図3参照)を車体前方側に向けた傘歯ドリブンギヤ250が一体に設けられている。
第3駆動軸203は、例えば一対の軸受252,256を介して第1ケース部材291の第3ケース部291cに支持されている。これらの軸受252,256は、傘歯ドリブンギヤ250の車体後方側において、車体前後方向に並べて第3駆動軸203上に配設されている。各軸受252,256は例えばテーパローラベアリングからなり、車体前方側の軸受252は、車体後方側の軸受256よりも大径とされている。一対の軸受252,256のインナレース間には、第3駆動軸203の外側に嵌合された筒状のディスタンスピース260が介装されている。
第3駆動軸203上において、軸受256の車体後方側には、例えばボルトによって自在継手38(図1参照)に締結される連結部材270が嵌合されている。該連結部材270と自在継手38との締結により、第3駆動軸203は、自在継手38を介してプロペラシャフト39に連結される。
第3駆動軸203の後端部の外周にはねじ部203aが設けられており、該ねじ部203aに螺合されたナット278を締め付けることで、第3駆動軸203上において傘歯ドリブンギヤ250とナット278との間に挟み込まれた一対の軸受252,256のインナレース、ディスタンスピース260及び連結部材270は、軸方向に位置決めされて第3駆動軸203に固定される。
組付け時においてナット278を締め付けるとき、ディスタンスピース260は、弾性変形状態を経て塑性変形し、ディスタンスピース260が塑性変形した状態で、軸受252,256の予圧が調整される。このように軸受252,256の予圧が精密に管理されることで、車体後方側から片持ち状に支持される第3駆動軸203の支持剛性が高められる。
上記のように第3駆動軸203に固定された連結部材270の外周と第3ケース部291cの内周との間には、これらの相対回転を許容するようにオイルシール280が介装されており、これにより、トランスファケース290内においてオイルを油密状態で封入できる。
以上のように、第3駆動軸203上の傘歯ドリブンギヤ250へ動力を伝達するための傘歯ドライブギヤ240は、第1駆動軸201の車体後方側に離間した第2駆動軸202上に設けられているため、第1駆動軸201上の同じ軸方向位置には傘歯ドライブギヤ240を設ける必要がない。
そのため、第1駆動軸201を収容する第1ケース部291aには、当該軸方向位置に小径部D1を形成することができる。これにより、該小径部D1の外側に、エンジン2のシリンダブロックにおけるトランスアクスルケース4との結合部の配置スペースを確保することができる。これにより、エンジン2の該結合部をトランスアクスルケース4に近づくに従って幅広となる形状として、エンジン2とトランスアクスルケース4との結合剛性を高めつつ、エンジン2とトランスファ装置200との干渉を回避できる。
仮に、第1ケース部291aに上記小径部D1を形成しつつ第1駆動軸201上に傘歯ドライブギヤ240を設けようとすると、該傘歯ドライブギヤ240は小径部D1よりも反差動装置10側に配置されることになるため、ドライブシャフト30a上の軸受216、オイルシール218,219、減速機60及びモータ51は更に反差動装置10側へ寄せて配置されることになる。
これに対して、本実施形態によれば、傘歯ドライブギヤ240が第2駆動軸202上に設けられることにより、上記の小径部D1をトランスファケース290に形成することでエンジン2とトランスファ装置200との干渉を回避しつつ、傘歯ドライブギヤ240を差動装置10側に寄せて配置しやすくなる。
また、第2駆動軸202上において、車体幅方向における差動装置10に近接する位置に軸受234が配置されると共に、該軸受234に隣接して傘歯ドライブギヤ240が配置され、更に、該傘歯ドライブギヤ240に隣接してドリブンギヤ230が配置されている。これに伴って、ドリブンギヤ230に噛み合う第1駆動軸201上のドライブギヤ210も、車体幅方向において傘歯ドライブギヤ240に隣接して配置されており、ドライブギヤ210と傘歯ドライブギヤ240との対向部分には、何らの部品も介在しない。
具体的に、ドライブギヤ210は、車体幅方向におけるその歯幅の中心L1が第3駆動軸203の軸心L3よりも差動装置10側に位置するように、差動装置10側に寄せて配置されている。このように、ドライブギヤ210が第3駆動軸203の軸心L3よりも差動装置10側にオフセットして配置されることで、ドライブシャフト30a上においてドライブギヤ210よりも反差動装置10側に設けられた減速機60及びモータ51等を全体的に差動装置10側へ寄せて配置することができる。
[モータユニット]
図2に示すように、ユニットケース100は、相互に結合された複数のケース部材101,102,103で構成されている。ユニットケース100は、例えばケース部材103においてエンジン2のシリンダブロック(図示せず)に固定されている。
ケース部材103の車体幅方向外側端部には、デフ側シャフト部材31aの半周分を覆うような半割れ状に形成された支持部104が設けられている。該支持部104には、デフ側シャフト部材31aの残りの半周分を覆うような半割れ状に形成されたブラケット120が対向配置されており、ボルト122によって支持部104とブラケット120が結合されている。これにより、デフ側シャフト部材31aの駆動輪36a側の端部は、支持部104とブラケット120とで形成された筒状部の内周面に軸受108を介して支持されている。
軸受108の差動装置10側に隣接する位置には、デフ側シャフト部材31aとケース部材103との間にこれらの相対回転を許容するように介装されたオイルシール106が配設されている。
また、モータユニット50は、軸方向に延びる筒状の仕切部材66を備えており、該仕切部材66の内側にデフ側シャフト部材31aが挿通されている。これにより、減速機60及びモータ51と、デフ側シャフト部材31aとは、仕切部材66によって仕切られている。
仕切部材66の差動装置10側の端部は、Oリング67を介して後述するスリーブ64の内周面に圧入されている。これにより、仕切部材66は、スリーブ64と一体回転するようになっている。仕切部材66の反差動装置10側の端部は、仕切部材66とケース部材103との間の相対回転を許容するオイルシール68を介してケース部材103に回転可能に支持されている。
モータ51は、ケース部材102に固定されたステータ52と、ステータ52の内側に回転自在に設けられたロータ53と、ロータ53と一体回転するようにロータ53の内側に固定された出力軸54とを備えている。
ステータ52は、磁性体からなるステータコアにコイルが巻回されて構成されている。ロータ53は、筒状の磁性体で構成されており、ステータ52に電力が供給されたときに生じる磁力により回転する。ステータ52及びロータ53は、2つのケース部材102,103で形成されたモータ収容空間S2に収容されている。
出力軸54は、仕切部材66の外側に隙間を空けて配置されており、ロータ53よりも差動装置10側において軸受55を介してケース部材102に支持され、ロータ53よりも反差動装置10側において軸受56を介してケース部材103に支持されている。
減速機60は、軸受55を挟んでモータ51の差動装置10側に軸方向に隣接して配置されており、デフ側シャフト部材31a上に配設された第1プラネタリギヤ機構60a及び第2プラネタリギヤ機構60bを備えている。第1プラネタリギヤ機構60a及び第2プラネタリギヤ機構60bは、モータ51側からこの順で軸方向に並べて配置されており、2つのケース部材101,102で形成された減速機収容空間S3に収容されている。
図3の拡大断面図に示すように、第1プラネタリギヤ機構60aは、入力要素としての第1サンギヤ61a、反力要素としての第1リングギヤ62a、及び、出力要素としての第1キャリヤ63aを備えている。同様に、第2プラネタリギヤ機構60bは、入力要素としての第2サンギヤ61b、反力要素としての第2リングギヤ62b、及び、出力要素としての第2キャリヤ63bを備えている。
第1リングギヤ62aと第2リングギヤ62bは、例えば一体に設けられ、ケース部材101の内周面にスプライン嵌合されている。これにより、第1、第2リングギヤ62a,62bは、回転不能にユニットケース100に固定されている。
第1サンギヤ61a及び第2サンギヤ61bは、仕切部材66の外側に隙間を空けて配置されている。第1サンギヤ61aは、モータ51の出力軸54と一体に設けられており、これにより、モータ51の出力が第1サンギヤ61aに入力される。第1リングギヤ62aは固定されているため、第1サンギヤ61aに入力された回転は、第1プラネタリギヤ機構60aによって減速されて第1キャリヤ63aから出力される。
第2サンギヤ61bは、第1キャリヤ63aと一体に設けられており、これにより、第1プラネタリギヤ機構60aで減速されたモータ51の出力が第2サンギヤ61bに入力される。第2リングギヤ62bは固定されているため、第2サンギヤ61bに入力された回転は、第2プラネタリギヤ機構60bによって減速されて第2キャリヤ63bから出力される。
第2キャリヤ63bの内周端部には、差動装置10側へ軸方向に延びるスリーブ64が設けられている。スリーブ64は、第2キャリヤ63bと一体に設けられるか又は一体回転するように第2キャリヤ63bに連結されており、これにより、スリ−ブ64は減速機60の出力要素として機能する。
したがって、スリーブ64は、モータ51よりも低速で回転し、これにより、上記のようにスリーブ64に固定された仕切部材66の回転もモータ51に比べて低速となる。そのため、仕切部材66の反差動装置10側の端部を支持するケース部材103と、仕切部材66との間の相対回転速度を低減でき、これにより、仕切部材66とケース部材103との間に介装されたオイルシール68にかかる負荷が軽減され、該オイルシール68のシール性向上を図ることができる。
スリーブ64は、トランスファ装置200の第1駆動軸201を介してデフケース12に連結されており、これにより、デフケース12と一体回転するようになっている。したがって、モータ51が駆動されると、該モータ51の動力は減速機60を介してデフケース12に伝達されるようになっている。これにより、デフケース12においてエンジン2の動力とモータ51の動力が合流し、この合流した動力は、ドライブシャフト30a,30bを介して前輪36a,36bに伝達されると共に、トランスファ装置200を介して後輪46a,46b側に伝達される。
また、モータ51の出力は、第1プラネタリギヤ機構60aによって減速されるとともに、この減速された出力は、第2プラネタリギヤ機構60bによって更に減速されて、差動装置10のデフケース12に伝達される。このような2段階の減速によって、モータ51からデフケース12に伝達されるトルクが十分に増大されるため、モータ51の小型化ひいてはモータユニット50の小型化が図られる。
ただし、減速機60は、1つ又は3つ以上のプラネタリギヤ機構で構成されてもよいし、プラネタリギヤ機構以外の減速機構で構成されてもよい。
図3及び図4に示すように、モータユニット50は、モータ51や減速機60等の被供給部にオイルを供給するためのオイルポンプ70を備えている。オイルポンプ70は、例えば、インナロータ72とアウタロータ74を備えた内接型のギヤポンプである。
オイルポンプ70は、モータ51の径方向外側、且つ、第2駆動軸202の軸方向反差動装置10側に配置されるように、ケース部材102に取り付けられている。具体的に、該ケース部材102におけるモータ51を径方向外側から覆う壁部には、軸方向の差動装置10側に開放した収容凹部102bが設けられており、該収容凹部102bにアウタロータ74が遊嵌されている。
インナロータ72の内周には、車体幅方向に延びるポンプ軸130が例えば圧入によって固定されている。ポンプ軸130は、第2駆動軸202の軸線L2上に配置されており、ポンプ軸130の一端は、第2駆動軸202に相対回転が規制された状態で連結されている。これにより、ポンプ軸130は第2駆動軸202と一体回転する。
具体的には、例えば、第2駆動軸202の反差動装置10側の端部に設けられた取付け穴202bが六角穴で構成されると共に、ポンプ軸130の一端の断面形状が取付け穴202bに対応した六角形とされることで、該ポンプ軸130の一端と取付け穴202bとの嵌合により、第2駆動軸202に対するポンプ軸130の相対回転が規制される。また、ポンプ軸130の他端は、例えば、ケース部材102に設けられた支持穴102a(図2参照)に遊嵌されることで、ユニットケース100に相対回転可能に支持されている。
インナロータ72の外歯は、周方向の一部においてアウタロータ74の内歯に噛み合っており、これにより、ポンプ軸130と共にインナロータ72が回転すると、アウタロータ74が従動回転するようになっている。
インナロータ72及びアウタロータ74の軸方向差動装置10側には、収容凹部102bを塞ぐようにケース部材102に固定されたカバー部材110が配設されている。該カバー部材110と収容凹部102bの底部102cとによって、インナロータ72及びアウタロータ74は軸方向に位置決めされている。
カバー部材110は、ケース部材101を軸方向に貫通する貫通部110aを備え、該貫通部110aは、ケース部材101の穴101aに圧入されている。カバー部材110の内周にはポンプ軸130が挿通されている。ポンプ軸130の外周と貫通部110aの内周との間にはオイルシール113が介装されており、これにより、ユニットケース100内のオイルがポンプ軸130を伝って漏出することが防止される。なお、カバー部材110には、オイルポンプ70側からポンプ軸130を伝ってオイルシール113近傍まで流れてきたオイルをユニットケース100内に逃がすための油路111が設けられている。
オイルポンプ70の吸込ポート76及び吐出ポート78は、反差動装置10側から収容凹部102bに連通するように、且つ、軸方向から見てインナロータ72の外歯とアウタロータ74の内歯との対向部に沿って配置されるようにケース部材102に設けられている。
図4に示すように、ユニットケース100内の底部には、例えば2つのケース部材102,103で形成されたオイル貯留空間S1が設けられている。オイル貯留空間S1は、モータ51の下方に配設されている。
オイル貯留空間S1には、モータ51を冷却するとともに減速機60や軸受55,56等を潤滑するためのオイルが貯留されている。該オイルとしては、モータ51の性能に悪影響を及ぼすような成分(例えば銅腐食物質)を含まないものが用いられる。
オイル貯留空間S1には、ストレーナ82を内部に備えたストレーナハウジング80が配設されている。ストレーナハウジング80の底部には吸込口81が設けられ、ストレーナハウジング80の側面上部には吐出口83が設けられている。オイルポンプ70が作動すると、オイル貯留空間S1に貯留されたオイルは、吸込口81からストレーナハウジング80内に吸い込まれて、ストレーナ82を通過することで異物が除去される。吸込口81は、オイル貯留空間S1の底部近傍に配設されており、これにより、ストレーナハウジング80内へのエアの吸い込みが抑制される。
ストレーナ82によってろ過されたオイルは、吐出口83からストレーナハウジング80の外側へ排出され、ケース部材102の壁部に設けられた油穴84(図2参照)を通って、オイルポンプ70の吸込ポート76に供給される。吸込ポート76からインナロータ72とアウタロータ74との間に吸い込まれたオイルは、インナロータ72及びアウタロータ74の回転によって吐出ポート78に送り込まれて、該吐出ポート78から吐出される。
図2に示すように、吐出ポート78から吐出されたオイルは、ケース部材102,103に設けられた油穴85,86を通って、仕切部材66の外面に沿って形成された油路87に導かれる。該油路87は、差動装置10側においてはOリング67でシールされており、反差動装置10側においてはオイルシール68でシールされている。これにより、ユニットケース100内のオイルは、仕切部材66によって径方向内側から封止されている。該油路87に導かれたオイルは、仕切部材66の外面によって案内されながら差動装置10側に向かって軸方向に流れる。
このように油路87を流れるオイルは、モータ51の出力軸54に設けられた油穴88,89等を通ってモータ収容空間S2に供給されることでモータ51の冷却に用いられたり、出力軸54と減速機60の第1サンギヤ61aとの連結部に設けられた油穴90や、第1キャリヤ63aと第2サンギヤ61bとの連結部に設けられた油穴91等を通って減速機収容空間S3に供給されることで減速機60等の潤滑に用いられたりする。
図4に示すように、上記のようにモータ51の冷却や減速機60等の潤滑に用いられたオイルは、例えば、ケース部材102に形成された油路92を通ってオイル貯留空間S1に戻される。
以上のように、本実施形態によれば、ドライブシャフト30aから平行に離間した第2駆動軸202の軸線L2上にオイルポンプ70配置されているため、仮にドライブシャフト30a上において例えば減速機60の差動装置10側にオイルポンプ70を配設する場合に比べて、減速機60及びモータ51を差動装置10側へ寄せて配置することができる。
しかも、上述したように、ドライブシャフト30a上において減速機60よりも差動装置10側に配置されたドライブギヤ210は、第3駆動軸203の軸心L3よりも差動装置10側にオフセットして配置されていると共に、ドライブギヤ210と減速機60との間に配置された軸受216はドライブギヤ210の歯部210cと軸方向にオーバラップされることによって差動装置10側に寄せて配置されている。そのため、減速機60及びモータ51を、より効果的に差動装置10側へ寄せて配置することができる。
したがって、前輪用差動装置10、モータユニット50及びトランスファ装置200を含む駆動装置部分を車体幅方向にコンパクトに構成することができ、これにより、車体幅方向の限られたスペースにおける当該駆動装置部分のレイアウト性が向上する。
また、本実施形態によれば、トランスファ装置200を構成する第2駆動軸202の回転を利用して、オイルポンプ70を作動させることができる。このように、第2駆動軸202がトランスファ装置200の一部としての機能とオイルポンプ70の駆動源としての機能とを兼ね備えているため、仮にオイルポンプ70の駆動源としてトランスファ装置200とは無関係の部品を搭載する場合に比べて、部品点数の増加及び構造の複雑化を抑制することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、モータユニット50がモータ51と減速機60を備える例について説明したが、本発明は、減速機60が搭載されない車両の駆動装置にも適用できる。
また、上述の実施形態では、第2駆動軸202の回転によって作動する補機としてオイルポンプ70が搭載される例を説明したが、本発明において、第2駆動軸の回転によって作動する補機は、オイルポンプに限定されるものでなく、例えば、モータ冷却用のウォータポンプであってもよい。
さらに、上述の実施形態では、補機を作動させる第2駆動軸が四輪駆動用のトランスファ装置の一部である例を説明したが、本発明において、第2駆動軸は、第1駆動軸に平行に配設されると共に該第1駆動軸の回転によって駆動されるものであれば、必ずしもトランスファ装置の一部である必要はなく、本発明は、トランスファ装置が搭載されない例えば前輪駆動車にも適用可能である。
以上のように、本発明によれば、車軸上にモータが配設された車両の駆動装置に、回転駆動されることによって作動する補機を搭載しつつ、差動装置、モータ及び補機を含む駆動装置部分を車体幅方向にコンパクトに構成することが可能となるから、この種の駆動装置及びこれを搭載したハイブリッド車の製造産業分野において好適に利用される可能性がある。
1 駆動装置
2 エンジン
3 トランスアクスル
4 トランスアクスルケース
5 トルクコンバータ
6 変速機
10 前輪用差動装置
12 デフケース(前輪用差動装置の入力部)
18 サイドギヤ(前輪用差動装置の出力部)
30a,30b ドライブシャフト(車軸)
36a,36b 前輪
39 プロペラシャフト
46a,46b 後輪
50 モータユニット
51 モータ
52 ステータ
53 ロータ
54 出力軸
60 減速機(減速部)
60a 第1プラネタリギヤ機構
60b 第2プラネタリギヤ機構
64 スリーブ
70 オイルポンプ(補機)
72 インナロータ
74 アウタロータ
100 ユニットケース
130 ポンプ軸
200 トランスファ装置
201 第1駆動軸
202 第2駆動軸
203 第3駆動軸
210 ドライブギヤ
230 ドリブンギヤ
240 傘歯ドライブギヤ
250 傘歯ドリブンギヤ

Claims (2)

  1. 差動装置の出力部と駆動輪を連結するように車体幅方向に延びる車軸と、該車軸上に配設されたモータと、該モータの出力を減速して前記差動装置の入力部へ伝達可能なように前記車軸上において前記差動装置と前記モータとの間に配設された減速部と、を備えた車両の駆動装置であって、
    前記車軸上に配設され、前記差動装置の入力部と前記減速部とを連結する第1駆動軸と、
    前記第1駆動軸に平行に配設され、該第1駆動軸の回転によって駆動される第2駆動軸と、
    前記第1駆動軸に設けられたドライブギヤと、
    前記第2駆動軸に設けられて前記ドライブギヤに噛み合うドリブンギヤと、
    前記第2駆動軸に設けられた傘歯ドライブギヤと、
    車体前後方向に延びる第3駆動軸と、
    前記第3駆動軸に設けられて前記傘歯ドライブギヤに噛み合う傘歯ドリブンギヤとを備え、
    前記ドライブギヤは、前記第1駆動軸上において前記ドライブギヤを挟んだ軸方向両側に配置された2つの軸受によって回転可能に支持されており、
    前記ドライブギヤは、前記第1駆動軸の外周から径方向外側に拡がるフランジ部と、該フランジ部の外周から軸方向反差動装置側へ突出する環状部と、該環状部の外周に設けられた歯部とを備えており、
    車体幅方向において、前記2つの軸受のうち反差動装置側の軸受が占める領域と、前記ドライブギヤの環状部及び歯部が占める領域とは重複しており、
    前記第2駆動軸の軸線上に、該第2駆動軸の回転によって作動する補機が配置されていることを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 前記ドライブギヤの歯幅の中心は、車体幅方向において前記第3駆動軸の軸心よりも前記差動装置側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
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