JP6220984B2 - 熱電変換素子、熱電変換層、熱電変換層形成用組成物 - Google Patents

熱電変換素子、熱電変換層、熱電変換層形成用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、熱電変換素子、熱電変換層、および、熱電変換層形成用組成物に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換することができる熱電変換材料が、熱によって発電する発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱エネルギーを直接電力に変換することができ、可動部を必要とせず、例えば、体温で作動する腕時計や僻地用電源、宇宙用電源等に用いられている。
なお、熱電変換素子の熱電変換性能を評価する指標の1つとして、無次元性能指数ZT(以下、単に性能指数ZTということがある)がある。この性能指数ZTは、下記式(A)で示され、熱電変換性能の向上には、絶対温度1K当りの熱起電力(以下、熱起電力ということがある)Sおよび導電率σの向上、熱伝導率κの低減が重要である。
性能指数ZT=S・σ・T/κ (A)
式(A)において、 S(V/K):絶対温度1K当りの熱起電力(ゼーベック係数)
σ(S/m):導電率
κ(W/mK):熱伝導率
T(K):絶対温度
近年、熱電変換材料としてカーボンナノチューブ(以後、「CNT」とも称する)が着目されており、CNTを用いた熱電変換素子に関する技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1)。CNTを含む熱電変換層を作製する際には、一般的にCNTを分散させる分散剤が使用されるが、特許文献1では実施例においてポリスチレンが用いられている。
国際公開第2012/121133号
一方、近年、熱電変換素子が使用される機器の性能向上のために、熱電変換素子の熱電変換性能のより一層の向上が求められている。
本発明者らは、まず、特許文献1に記載されるようなCNTとポリスチレンとを含有する組成物の特性について検討を行ったところ、そもそも組成物中におけるCNTの分散性が必ずしも十分でないことを知見した。
また、このようなCNTの分散性が悪い組成物を用いて形成される熱電変換層の性能に関して検討を行ったところ、熱電変換層の導電率や熱起電力は昨今要求されるレベルを満たしておらず、更なる改良が必要であることを知見した。
本発明は、上記実情に鑑みて、導電率および熱起電力に優れた熱電変換層、および、この熱電変換層を有する熱電変換素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、カーボンナノチューブの分散安定性に優れ、かつ、導電率および熱起電力に優れる熱電変換層を形成することができる熱電変換層形成用組成物を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定の構造を有する分散剤を使用することにより、所望の効果が得られることを見出した。
より具体的には、以下の構成により上記目的を達成することができることを見出した。
(1) 熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続する電極対とを有する熱電変換素子であって、
熱電変換層が、カーボンナノチューブと、後述する一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換素子。
(2) 一般式(1)で表される高分子分散剤が、後述する一般式(2)で表される高分子分散剤である、(1)に記載の熱電変換素子。
(3) A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、(1)または(2)に記載の熱電変換素子。
(4) 非共役系高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来するものである、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(5) mが2〜3であり、nが4〜3である、(1)〜(4)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(6) 高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱電変換素子。
(7) カーボンナノチューブと、後述する一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換層。
(8) 一般式(1)で表される高分子分散剤が、後述する一般式(2)で表される高分子分散剤である、(7)に記載の熱電変換層。
(9) A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、(7)または(8)に記載の熱電変換層。
(10) 非共役系高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来するものである、(7)〜(9)のいずれかに記載の熱電変換層。
(11) mが2〜3であり、nが4〜3である、(7)〜(10)のいずれかに記載の熱電変換層。
(12) 高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、(7)〜(11)のいずれかに記載の熱電変換層。
(13) カーボンナノチューブと、後述する一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換層形成用組成物。
(14) 一般式(1)で表される高分子分散剤が、後述する一般式(2)で表される高分子分散剤である、(13)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(15) A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、(13)または(14)に記載の熱電変換層形成用組成物。
(16) 非共役系高分子骨格が、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来するものである、(13)〜(15)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
(17) mが2〜3であり、nが4〜3である、(13)〜(16)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
(18) 高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、(13)〜(17)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
(19) さらに、ClogP値が3.0以下であるアルコール系溶媒を含む、(13)〜(18)のいずれかに記載の熱電変換層形成用組成物。
本発明によれば、導電率および熱起電力に優れた熱電変換層、および、この熱電変換層を有する熱電変換素子を提供することができる。
また、本発明によれば、カーボンナノチューブの分散安定性に優れ、かつ、導電率および熱起電力に優れる熱電変換層を形成することができる熱電変換層形成用組成物を提供することもできる。
本発明の熱電変換素子の一例を模式的に示す断面図である。図1中の矢印は素子の使用時に付与される温度差の方向を示す。 本発明の熱電変換素子の一例を模式的に示す断面図である。図2中の矢印は素子の使用時に付与される温度差の方向を示す。
以下に、本発明の熱電変換素子などの好適態様について説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の熱電変換素子の特徴点の一つとしては、所定の構造を有する高分子分散剤を使用している点が挙げられる。後述するように、高分子分散剤は、連結部と、連結部からのびる、CNT表面と相互作用を形成しうる吸着部位と、非共役系高分子骨格とを有する。このような構造を有することにより、従来の分散剤よりもCNTの分散性がより向上する。その理由の詳細は不明だが、高分子分散剤の構造が大きく寄与していると推測される。
具体的には、まず、上記高分子分散剤は、各非共役系高分子骨格の末端位置に連結部が存在している。そのため、連結部からのびる吸着部位がCNTに相互作用すると、その連結部から各非共役系高分子骨格が放射状に広がる構造をとりやすく、非共役系高分子骨格の立体反発によりCNT同士の再凝集が抑制されている。特に、吸着部位が複数含まれる場合は、連結部近辺に吸着部位がまとまって存在するため、CNTとの相互作用が強固になりやすく、結果としてCNTの分散性も向上しやすい。
一般的に、CNTは、複数が集まったバンドル状の状態で存在している場合が多く、高分子分散剤を使用することにより、このバンドル状態をほぐすことができる。本発明においては、上記構造を有する高分子分散剤を使用することにより、バンドル状態をほぐす程度が大きく、結果としてCNTが均一に分散しやすくなっていると推測される。このようなCNTの分散性が向上すると、組成物の粘度自体も低下し、取り扱い性も向上する。さらに、このようなCNTの分散性が高い組成物を用いて形成される熱電変換層は、CNT本来の性能が出やすく、結果として優れた導電率および熱起電力を示す。
以下では、まず、所定の熱電変換層を形成するために使用される組成物について詳述し、その後、この組成物を用いて形成される熱電変換層を有する熱電変換素子について詳述する。
<熱電変換層形成用組成物>
熱電変換層形成用組成物(以後、単に「組成物」とも称する)には、カーボンナノチューブと、一般式(1)で表される高分子分散剤とが少なくとも含まれる。
以下、組成物中に含まれる各成分について詳述する。
(カーボンナノチューブ)
本発明で用いるカーボンナノチューブ(CNT)としては、例えば、1枚の炭素膜(グラフェンシート)が円筒状に巻かれた単層CNT、2枚のグラフェンシートが同心円状に巻かれた2層CNT、および、複数のグラフェンシートが同心円状に巻かれた多層CNTがある。本発明においては、単層CNT、2層CNT、多層CNTを各々単独で用いてもよく、2種以上を併せて用いてもよい。特に、導電性および半導体特性において優れた性質を持つ単層CNTおよび2層CNTを用いることが好ましく、単層CNTを用いることがより好ましい。
本発明で用いる単層CNTは、半導体性のものであっても、金属性のものであってもよく、両者を併せて用いてもよい。また、CNTには金属等が内包されていてもよく、フラーレン等の分子が内包されたもの(特にフラーレンを内包したものをピーポッドという)を用いてもよい。
CNTはアーク放電法、化学気相成長法(以下、CVD法(chemical vapor deposition)法という)、レーザー・アブレーション法等によって製造することができる。本発明に用いられるCNTは、いずれの方法によって得られたものであってもよいが、好ましくはアーク放電法およびCVD法により得られたものである。
CNTを製造する際には、同時にフラーレンやグラファイト、非晶性炭素が副生成物として生じることがある。これら副生成物を除去するために精製してもよい。CNTの精製方法は特に限定されないが、洗浄、遠心分離、ろ過、酸化、クロマトグラフ等の方法が挙げられる。その他に、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理も不純物の除去には有効である。併せて、フィルターによる分離除去を行うことも、純度を向上させる観点からより好ましい。
精製の後、得られたCNTをそのまま用いることもできる。また、CNTは一般に紐状で生成されるため、用途に応じて所望の長さにカットして用いてもよい。CNTは、硝酸、硫酸等による酸処理、超音波処理、凍結粉砕法等により短繊維状にカットすることができる。また、併せてフィルターによる分離を行うことも、純度を向上させる観点から好ましい。
本発明においては、カットしたCNTだけではなく、あらかじめ短繊維状に作製したCNTも同様に使用できる。
CNTの平均長さは特に限定されないが、製造容易性、成膜性、導電性等の観点から、0.01〜1000μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましい。また、CNTの平均直径は特に限定されないが、耐久性、透明性、成膜性、導電性等の観点から、0.4nm以上100nm以下(より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは15nm以下)であることが好ましい。
組成物中のカーボンナノチューブの含有量は、熱電変換性能の点で、組成物中の全固形分に対して、5〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが特に好ましい。
カーボンナノチューブは、1種のみを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記固形分とは、熱電変換層を形成する成分を意図し、溶媒は含まれない。
(高分子分散剤)
組成物中には、一般式(1)で表される高分子分散剤が含まれる。上述したように、高分子分散剤は、CNTの分散剤として機能する。
一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
1で表される(m+n)価の連結基の分子量は特に制限されないが、カーボンナノチューブの分散性がより優れる点、および/または、熱電変換層の導電率および熱起電力の少なくとも一方がより優れる点(以後、単に「本発明の効果がより優れる点」とも称する)で、3000以下が好ましく、1500以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、合成上の点から、50以上が好ましく、100以上がより好ましく、500以上が好ましい。
(m+n)価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれることが好ましく、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
(m+n)価の連結基は、具体的な例として、下記の構造単位、または、これら構造単位が組み合わさって構成される基(環構造を形成していてもよい)を挙げることができる。
(m+n)価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
(m+n)価の連結基は下記一般式のいずれかで表される基であることが好ましい。
上記一般式中、
は3価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、3個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は4価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、4個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は5価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、5個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
は6価の基を表す。Tは単結合または2価の連結基を表し、6個存在するTは互いに同一であっても異なっていてもよい。
なお、Lの好適な態様としては、3価の炭化水素基(炭素数1〜10が好ましい。なお、芳香族炭化水素基でも脂肪族炭化水素基でもよい。)、または、3価の複素環基(5〜7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、−O−)が含まれていてもよい。
なお、Lの好適な態様としては、4価の炭化水素基(炭素数1〜10が好ましい。なお、芳香族炭化水素基でも脂肪族炭化水素基でもよい。)、4価の複素環基(5〜7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、−O−)が含まれていてもよい。
なお、Lの好適な態様としては、5価の炭化水素基(炭素数2〜10が好ましい。なお、芳香族炭化水素基でも脂肪族炭化水素基でもよい。)、または、5価の複素環基(5〜7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、−O−)が含まれていてもよい。
なお、Lの好適な態様としては、6価の炭化水素基(炭素数2〜10が好ましい。なお、芳香族炭化水素基でも脂肪族炭化水素基でもよい。)、または、6価の複素環基(6〜7員環の複素環基が好ましい)が挙げられ、炭化水素基にはヘテロ原子(例えば、−O−)が含まれていてもよい。
なお、T〜Tで表される2価の連結基の具体例および好適な態様は、後述するR2で表される2価の連結基と同じである。
1で表される(m+n)価の連結基の具体的な例〔具体例(1)〜(17)〕を以下に示す。但し、本発明においては、これらに制限されるものではない。
上記の具体例の中でも、原料の入手性、合成の容易さ、各種溶媒への溶解性の観点から、最も好ましい(m+n)価の連結基は下記(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、(17)の基である。
1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位(以後、これらを総称して「吸着部位」とも称す)を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。言い換えると、A1は、酸性基、窒素原子を有する塩基性基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基からなる群より選ばれる基を有する1価の有機基、または、有機色素構造もしくは複素環構造を含有する1価の有機基を表す。これらの基は、カーボンナノチューブ表面と相互作用しやすく、いわゆる吸着性基として機能する。n個のA1は、同一であっても、異なっていてもよい。
なかでも、本発明の効果がより優れる点で、炭素数4以上の炭化水素基が好ましく、炭素数4以上(好ましくは、炭素数8以上)の鎖状または環状のアルキル基、炭素数6以上のアリール基がより好ましい。鎖状のアルキル基としては、直鎖状のアルキル基でも、分岐鎖状のアルキル基でもよい。また、環状のアルキル基としては、例えば、シクロアルキル基などが挙げられる。
吸着部位は、1つのAの中に、少なくとも1種含まれていればよく、2種以上が含まれていてもよい。「吸着部位を少なくとも1種含む1価の有機基」は、前述の吸着部位と、1から200個までの炭素原子、0個から20個までの窒素原子、0個から100個までの酸素原子、1個から400個までの水素原子、および0個から40個までの硫黄原子から成り立つ連結基と、が結合してなる1価の有機基であることが好ましい。なお、吸着部位自体が1価の有機基を構成しうる場合には、吸着部位そのものがAで表される一価の有機基であってもよい。
また、1つのA中には、複数の吸着部位が含まれていてもよい。上述した吸着部位が2つ以上含まれる態様としては、鎖状飽和炭化水素基(直鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数1〜10であることが好ましい)、環状飽和炭化水素基(炭素数3〜10であることが好ましい)、芳香族基(炭素数5〜10であることが好ましく、例えば、フェニレン基)等を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の有機基を形成する態様等が挙げられ、鎖状飽和炭化水素基を介して2個以上の吸着部位が結合し1価の有機基を形成する態様が好ましい。
以下、各基について詳述する。なお、後段においては、A1で表されるこれらの基を吸着性基と総称して、説明する場合もある。
「有機色素構造」としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造が好ましい例として挙げられ、フタロシアニン系、アゾレーキ系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系の色素構造がより好ましく、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジケトピロロピロール系の色素構造が特に好ましい。
なお、「有機色素構造」は、有機色素由来の基(好ましくは、有機色素由来の1価の基)であってもよく、例えば、有機色素から1個の水素原子を除いた残基を表すことが好ましい。なお、上記残基とは、有機色素中の任意の位置から水素原子が1個引き抜かれ、水素原子が引き抜かれた位置で結合可能な構造の基をいう。
「複素環構造」としては、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンが好ましい例として挙げられ、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、トリアゾール、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノンがより好ましい。
なお、「複素環構造」は、複素環由来の基(好ましくは、複素環由来の1価の基)であってもよく、例えば、複素環から1個の水素原子を除いた残基を表すことが好ましい。なお、上記残基とは、複素環中の任意の位置から水素原子が1個引き抜かれ、水素原子が引き抜かれた位置で結合可能な構造の基をいう。
「酸性基」として、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基、ホウ酸基が好ましい例として挙げられ、カルボン酸基、スルホン酸基、モノ硫酸エステル基、リン酸基、モノリン酸エステル基がより好ましく、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基が特に好ましい。
「塩基性窒素原子を有する基」として、例えば、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、およびR10は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)、下記式(a1)で表されるグアニジル基、下記式(a2)で表されるアミジニル基などが好ましい例として挙げられる。
式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。
これらの中でも、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、およびR10は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などがより好ましい。
特に、アミノ基(−NH2)、置換イミノ基(−NHR8、−NR910、ここで、R8、R9、およびR10は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。)、式(a1)で表されるグアニジル基〔式(a1)中、R11およびR12は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕、式(a2)で表されるアミジニル基〔式(a2)中、R13およびR14は各々独立に、炭素数1から5までのアルキル基、フェニル基、ベンジル基を表す。〕などが好ましく用いられる。
「ウレア基」として、例えば、−NR15CONR1617(ここで、R15、R16、およびR17は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が好ましい例として挙げられ、−NR15CONHR17(ここで、R15およびR17は各々独立に、水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)がより好ましく、−NHCONHR17(ここで、R17は水素原子あるいは、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)が特に好ましい。
「ウレタン基」として、例えば、−NHCOOR18、−NR19COOR20、−OCONHR21、−OCONR2223(ここで、R18、R19、R20、R21、R22およびR23は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが好ましい例として挙げられ、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から20までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などがより好ましく、−NHCOOR18、−OCONHR21(ここで、R18、R21は各々独立に、炭素数1から10までのアルキル基、炭素数6以上のアリール基、炭素数7以上のアラルキル基を表す。)などが特に好ましい。
「配位性酸素原子を有する基」としては、例えば、アセチルアセトナト基、クラウンエーテルなどが挙げられる。
「炭素数4以上の炭化水素基」としては、鎖状または環状のアルキル基(例えば、オクチル基、ドデシル基など)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基など)、アラルキル基(例えばベンジル基など)などが好ましい例として挙げられる。
炭化水素基中の炭素数は4以上であり、その好適範囲は各基によって異なるが、炭素数6以上が好ましく、8以上がより好ましい。
アルキル基の炭素数としては、本発明の効果がより優れる点で、8以上が好ましく、13以上がより好ましく、15以上が特に好ましい。上限は特に制限されないが、合成上の点から、20以下が好ましい。
アリール基の炭素数としては、本発明の効果がより優れる点で、6以上が好ましい。上限は特に制限されないが、合成上の点から、15以下が好ましい。
アラルキル基の炭素数としては、本発明の効果がより優れる点で、7以上が好ましい。上限は特に制限されないが、合成上の点から、20以下が好ましく、15以下がより好ましい。
「アルコキシシリル基」としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などが挙げられる。
2は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。n個のR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
2価の連結基としては、1から100個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から200個までの水素原子、および0個から20個までの硫黄原子から成り立つ基が含まれ、無置換でも置換基を更に有していてもよい。
より具体的には、2価の連結基としては、例えば、2価の炭化水素基(2価の飽和炭化水素基であっても、2価の芳香族炭化水素基であってもよい。2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状、分岐状または環状であってもよく、炭素数1〜20であることが好ましく、例えば、アルキレン基が挙げられる。また、2価の芳香族炭化水素基としては、炭素数5〜20であることが好ましく、例えば、フェニレン基が挙げられる。それ以外にも、アルケニレン基、アルキニレン基であってもよい。)、2価の複素環基、−O−、−S−、−SO−、−NR−、−CO−、−COO−、−CONR−、−SO−、−SONR−、または、これらを2種以上組み合わせた基(例えば、アルキレンオキシ基、アルキレンオキシカルボニル基、アルキレンカルボニルオキシ基など)などが挙げられる。ここで、Rは、水素原子またはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)を表す。
2価の連結基は置換基を有していてもよく、置換基を有する場合、置換基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1から20までのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から16までのアリール基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基等の炭素数1から6までのアシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1から6までのアルコキシ基、塩素、臭素等のハロゲン原子、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2から7までのアルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネート等の炭酸エステル基等が挙げられる。
3は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。mが2以上の場合、m個のR3は、同一であっても、異なっていてもよい。2価の連結基の定義は、上述したR2で表される2価の連結基と同義である。
1は、非共役系高分子骨格を表す。非共役系高分子とは、ポリマー主鎖が主として共役系を形成しない(非共役)高分子である。非共役系高分子骨格とは、非共役系高分子由来の基(非共役系高分子残基)を意図し、非共役系高分子の主鎖部分で結合可能であることが好ましい。つまり、非共役系高分子由来の構造を有する基である。
非共役系高分子骨格としては、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができる。mが2以上の場合、m個のP1は、同一であっても、異なっていてもよい。
ポリマーの中でも、P1で表される非共役系高分子骨格を構成するには、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、エーテル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコーン系ポリマー、およびこれらの変性物、または共重合体〔例えば、ポリエーテル/ポリウレタン共重合体、ポリエーテル/ビニルモノマーの重合体の共重合体など(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよい。)を含む。〕からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体、エステル系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、ビニルモノマーの重合体もしくは共重合体が特に好ましい。
更には、ポリマーは有機溶媒に可溶であることが好ましい。
ビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、ビニルエーテル類、ビニルケトン類、オレフィン類、マレイミド類、(メタ)アクリロニトリル、酸性基を有するビニルモノマーなどが好ましい。
以下、これらのビニルモノマーの好ましい例について説明する。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−フェニルビニル、(メタ)アクリル酸1−プロペニル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸2−アリロキシエチル、(メタ)アクリル酸プロパルギル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、およびクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、および安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、およびマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、およびフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、およびイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド、N−アリル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、およびα−メチルスチレンなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルおよびフェニルビニルエーテルなどが挙げられる。
ビニルケトン類の例としては、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトンなどが挙げられる。
オレフィン類の例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。
マレイミド類の例としては、マレイミド、ブチルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミドなどが挙げられる。
(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルカルバゾールなど)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン等も使用できる。
上記の化合物以外にも、例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基などの官能基を有するビニルモノマーも用いることができる。このようなウレタン基、またはウレア基を有するビニルモノマーは、例えば、イソシアナート基と、水酸基またはアミノ基との付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、イソシアナート基含有モノマーと、水酸基を1個含有する化合物または1級若しくは2級アミノ基を1個含有する化合物との付加反応、または、水酸基含有モノマーまたは1級若しくは2級アミノ基含有モノマーと、モノイソシアネートとの付加反応等により適宜合成することができる。
酸性基を有するビニルモノマーの例としては、カルボキシル基を有するビニルモノマーやスルホン酸基を有するビニルモノマーが挙げられる。
カルボキシル基を有するビニルモノマーとして、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物のような環状無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなども利用できる。また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なお、これらの内では、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、スルホン酸基を有するビニルモノマーとして、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられ、リン酸基を有するビニルモノマーとして、リン酸モノ(2−アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2−アクリロイルオキシエチルエステル)などが挙げられる。
更に、酸性基を有するビニルモノマーとして、フェノール性ヒドロキシル基を含有するビニルモノマーやスルホンアミド基を含有するビニルモノマーなども利用することができる
なお、非共役系高分子骨格としては、本発明の効果がより優れる点で、以下の一般式(X)で表される繰り返し単位を有することが好ましい。つまり、以下の一般式(X)で表される繰り返し単位を有する基であることが好ましい。
一般式(X)中、Raは、水素原子またはアルキル基を表す。アルキル基の炭素数は特に制限されないが、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
Laは、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の定義は、上述したR2で表される2価の連結基と同義である。なかでも、本発明の効果がより優れる点で、2価の連結基としては、−COO−が好ましい。
Rbは、1価の有機基を表す。Rbで表される1価の有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、または、これらを組み合わせた基が挙げられる。
また、1価の有機基としては、ポリマー鎖であってもよい。ポリマー鎖とは、ポリマー由来の基であり、所定の繰り返し単位を含む。ポリマー鎖はその主鎖部分で、上記Laと結合可能であることが好ましい。
ポリマー鎖を構成するポリマーとしては、公知のポリマーなどから目的等に応じて選択することができ、例えば、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリアルキレングリコール、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリウレタン、および、これらの変成物、または、これらの共重合体が挙げられる。なかでも、本発明の効果がより優れ、合成が容易である点から、ポリエステルが好ましい。
なお、ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートを含む概念である。
なお、1価の有機基としては、アルキル基(好ましくは、炭素数1〜6)、アリール基、ポリマー鎖が好ましく挙げられる。
一般式(1)中、mは1〜8を表す。mとしては、1〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、2〜3が特に好ましい。
また、一般式(1)中、nは2〜9を表す。nとしては、2〜8が好ましく、2〜7がより好ましく、3〜4が特に好ましい。
m+nは3〜10を満たす。なかでも、m+nとしては、4〜6が好ましく、6がより好ましい。
一般式(1)で表される高分子分散剤の好適態様の一つとしては、本発明の効果がより優れる点で、一般式(2)で表される高分子分散剤が挙げられる。
一般式(2)中、R1、A1およびP1は、一般式(1)中の各基と同じであり、好適範囲も同じである。
一般式(2)中、R4は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。n個のR4は、同一であっても、異なっていてもよい。2価の連結基の定義は、上述したR2で表される2価の連結基と同義である。
一般式(2)中、R5は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。m個のR5は、同一であっても、異なっていてもよい。2価の連結基の定義は、上述したR2で表される2価の連結基と同義である。
一般式(2)で表される高分子分散剤の好適態様としては、以下に示すR1、R4、R5、P1、m、およびnを全て満たす形態が挙げられる。
1:上記具体例(1)、(2)、(10)、(11)、(16)、または(17)
4:単結合、または、下記の構造単位または該構造単位が組み合わさって構成される連結基
5:単結合、エチレン基、プロピレン基、下記基(a)、または下記基(b)
なお、下記基中、R25は水素原子またはメチル基を表し、lは1または2を表す。
1:ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、およびこれらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する基
m:1〜5
n:2〜7
一般式(1)で表される高分子分散剤の分子量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、重量平均分子量で、3000〜100000が好ましく、5000〜80000がより好ましく、7000〜60000がさらに好ましく、15000〜40000が特に好ましい。
本明細書において、重量平均分子量の測定は、HPC−8220GPC(東ソー製)、ガードカラム:TSKguardcolumn SuperHZ−L、カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ3000、TSKgel SuperHZ2000を直結し、カラム温度40℃、試料濃度0.1質量%のテトラヒドロフラン溶液を10μl注入し、溶出溶媒としてテトラヒドロフランを毎分0.35mlの流量でフローさせ、RI(示差屈折)検出装置にて試料ピークを検出することで行う。また、標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて計算する。
(合成方法)
一般式(1)で表される高分子分散剤の合成方法は、特に制限されないが、下記方法などにより合成することができる。
1.カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基等から選択される官能基を末端に導入したポリマーと、複数の吸着性基を有する酸ハライド、複数の吸着性基を有するアルキルハライド、または、複数の吸着性基を有するイソシアネート等と、を高分子反応させる方法。
2.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、複数の吸着性基を有するメルカプタンと、をマイケル付加反応させる方法。
3.末端に炭素−炭素二重結合を導入したポリマーと、吸着性基を有するメルカプタンと、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
4.末端に複数のメルカプタンを導入したポリマーと、炭素−炭素二重結合と吸着性基を有する化合物と、をラジカル発生剤存在下で反応させる方法。
5.複数の吸着性基を有するメルカプタン化合物存在下で、ビニルモノマーをラジカル重合する方法。
より具体的には、特許5553957号公報の段落0103〜0133の記載の合成法などが挙げられる。
組成物中における一般式(1)で表される高分子分散剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、カーボンナノチューブ100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。
なお、一般式(1)で表される高分子分散剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
(その他任意成分)
本発明の組成物には、上述したカーボンナノチューブおよび一般式(1)で表される高分子分散剤以外の他の成分(分散媒、高分子分散剤以外の高分子化合物(以下、他の高分子化合物)、酸化防止剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、可塑剤など)が含まれていてもよい。
分散媒(溶媒)は、カーボンナノチューブを分散できればよく、水、有機溶媒およびこれらの混合溶媒を用いることができる。好ましくは有機溶媒であり、例えば、アルコール系溶媒、クロロホルム等の脂肪族ハロゲン系溶媒、DMF(ジメチルホルムアミド)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DMSO(ジメチルスルホキシド)等の非プロトン性の極性溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、テトラメチルベンゼン、ピリジン等の芳香族系溶媒、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケントン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、THF、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル系溶媒等が挙げられる。
分散媒は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、分散媒は、あらかじめ脱気しておくことが好ましい。分散媒中における溶存酸素濃度を、10ppm以下とすることが好ましい。脱気の方法としては、減圧下超音波を照射する方法、アルゴン等の不活性ガスをバブリングする方法等が挙げられる。
さらに、分散媒として水以外を使用する場合は、あらかじめ脱水しておくことが好ましい。分散媒中における水分量を、1000ppm以下とすることが好ましく、100ppm以下とすることがより好ましい。分散媒の脱水方法としては、モレキュラーシーブを用いる方法、蒸留等、公知の方法を用いることができる。
組成物中の分散媒の含有量は、組成物全量に対して、25〜99.99質量%であることが好ましく、30〜99.95質量%であることがより好ましく、30〜99.9質量%であることがさらに好ましい。
なかでも、分散媒としては、カーボンナノチューブの分散性がより優れ、熱電変換層の特性(導電率および熱起電力)がより向上する点で、ClogP値が3.0以下のアルコール系溶媒が好適に挙げられる。ClogP値に関する説明は、後段で詳述する。
アルコール系溶媒とは、−OH基(ヒドロキシ基)を含む溶媒を意図する。
上記アルコール系溶媒はClogP値が3.0以下を示すが、カーボンナノチューブの分散性がより優れ、熱電変換素子の特性がより向上する点で、1.0以下が好ましく、0以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、上記効果の点で、−3.0以上が好ましく、−2.0以上がより好ましく、−1.0以上がさらに好ましい。
上記ClogP値のアルコール系溶媒としては、例えば、1−ノナノール(ClogP値:2.94)、1−オクタノール(ClogP値:2.41)、1−ヘキサノール(ClogP値:1.88)、1−ペンタノール(ClogP値:1.35)、1−ブタノール(ClogP値:0.82)、1−プロパノール(ClogP値:0.29)、エタノール(ClogP値:−0.24)、メタノール(ClogP値:−0.76)、ジエチレングリコール(ClogP値:−1.30)、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)(ClogP値:−0.74)、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)(ClogP値:0.71)、トリエチレングリコール(ClogP値:−1.44)、テトラエチレングリコール(ClogP値:−1.57)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル(ClogP値:−1.01)、プロピレングリコール(ClogP値:−1.06)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(ClogP値:−1.01)などが挙げられる。
まず、logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある化合物が油(ここではn−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値であり、数字が大きいほど疎水性の化合物であることを示し、数字が小さいほど親水性の化合物であることを示すため、化合物の親疎水性を表す指標として用いることができる。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
一般に、logP値は、n−オクタノールと水を用いて実測により求めることもできるが、本発明においては、logP値推算プログラムを使用して求められる分配係数(ClogP値)(計算値)を使用する。具体的には、本明細書においては、“ChemBioDraw ultra ver.12”から求められるClogP値を使用する。
他の高分子化合物としては、共役系高分子および非共役系高分子が挙げられる。
酸化防止剤としては、イルガノックス1010(日本チガバイギー製)、スミライザーGA−80(住友化学工業(株)製)、スミライザーGS(住友化学工業(株)製)、スミライザーGM(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
耐光安定剤としては、TINUVIN 234(BASF製)、CHIMASSORB 81(BASF製)、サイアソーブUV−3853(サンケミカル製)等が挙げられる。
耐熱安定剤としては、IRGANOX 1726(BASF製)が挙げられる。可塑剤としては、アデカサイザーRS(アデカ製)等が挙げられる。
上記分散媒以外の他の成分の含有率は、組成物中の全固形分中、5質量%以下が好ましく、0〜2質量%がより好ましい。
(熱電変換層形成用組成物の調製)
本発明の組成物は、上記の各成分を混合して調製することができる。好ましくは、分散媒にカーボンナノチューブ、一般式(1)で表される高分子分散剤、所望により他の成分を混合して、カーボンナノチューブを分散させて調製する。
組成物の調製方法に特に制限はなく、通常の混合装置等を用いて常温常圧下で行うことができる。例えば、各成分を溶媒中で撹拌、振とう、混練して溶解または分散させて調製すればよい。溶解や分散を促進するため超音波処理を行ってもよい。
また、上記分散工程において溶媒を室温以上沸点以下の温度まで加熱する、分散時間を延ばす、または撹拌、浸とう、混練、超音波等の印加強度を上げる等によって、カーボンナノチューブの分散性を高めることができる。
<熱電変換素子、および、熱電変換層>
本発明の熱電変換素子は、上述したカーボンナノチューブと一般式(1)で表される高分子分散剤とを含む熱電変換層を備えていれば、その構成は特に制限されない。なお、後述するように、熱電変換層は、上述した組成物を用いて形成することができる。
熱電変換素子の好ましい態様としては、所定の成分を含む熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続する電極対(一対の電極)(言い換えれば、熱電変換層と接触する電極対)とを有する態様が挙げられる。より具体的には、熱電変換層と、熱電変換層と電気的に接続する第1の電極と、熱電変換層と電気的に接続し、第1の電極と離間した位置にある第2の電極とを有する態様が挙げられる。例えば、一対の電極間に熱電変換層が挟持されていてもよいし、熱電変換層の主面上に2つの電極が離間するように配置されていてもよい。
なお、後述するように、熱電変換素子には、基材が含まれていてもよい。
本発明の熱電変換素子の構造の一例として、図1および図2に示す素子の構造が挙げられる。図1および図2中、矢印は、熱電変換素子の使用時における温度差の向きを示す。
図1に示す熱電変換素子1は、第1の基材12上に、第1の電極13および第2の電極15を含む一対の電極と、第1の電極13および第2の電極15間に、カーボンナノチューブと一般式(1)で表される高分子分散剤とを含む熱電変換層14を備えている。第2の電極15の他方の表面には第2の基材16が配設されており、第1の基材12および第2の基材16の外側には互いに対向して金属板11および17が配設されている。
図2に示す熱電変換素子2は、第1の基材22上に、第1の電極23および第2の電極25が配置され、その上にカーボンナノチューブと一般式(1)で表される高分子分散剤とを含む熱電変換層24が設けられている。
熱電変換層の保護の観点から、熱電変換層の表面は電極または基材により覆われることが好ましい。例えば、図1に示すように、熱電変換層14の一方の表面が第1の電極13を介して第1の基材12で覆われ、他方の表面が第2の電極15を介して第2の基材16で覆われていることが好ましい。この場合、第2の電極15の外側に第2の基材16を設けることなく第2の電極15が最表面として空気にさらされていてもよい。また、図2に示すように、熱電変換層24の一方の表面が第1の電極23および第2の電極25並びに第1の基材22で覆われ、他方の表面も第2の基材26により覆われることが好ましい。
また、熱電変換素子に使用される基材の表面(熱電変換層との圧着面)には、予め電極が形成されていることが好ましい。基材または電極と熱電変換層との圧着は、密着性向上の観点から100℃〜200℃程度に加熱して行うことが好ましい。
以下、熱電変換素子を構成する各部材について詳述する。
(基材)
本発明の熱電変換素子の基材(熱電変換素子1における第1の基材12、第2の基材16、熱電変換素子2における第1の基材22、第2の基材26)は、ガラス、透明セラミックス、金属、プラスチックフィルム等の基材を用いることができる。本発明の熱電変換素子において、基材はフレキシビリティーを有しているのが好ましく、具体的には、ASTM D2176に規定の測定法による耐屈曲回数MITが1万サイクル以上であるフレキシビリティーを有しているのが好ましい。このようなフレキシビリティーを有する基材は、プラスチックフィルムが好ましく、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−フタレンジカルボキシレート、ビスフェノールAとイソおよびテレフタル酸のポリエステルフィルム等のポリエステルフィルム、ゼオノアフィルム(商品名、日本ゼオン社製)、アートンフィルム(商品名、JSR社製)、スミライトFS1700(商品名、住友ベークライト社製)等のポリシクロオレフィンフィルム、カプトン(商品名、東レ・デュポン社製)、アピカル(商品名、カネカ社製)、ユーピレックス(商品名、宇部興産社製)、ポミラン(商品名、荒川化学社製)等のポリイミドフィルム、ピュアエース(商品名、帝人化成社製)、エルメック(商品名、カネカ社製)等のポリカーボネートフィルム、スミライトFS1100(商品名、住友ベークライト社製)等のポリエーテルエーテルケトンフィルム、トレリナ(商品名、東レ社製)等のポリフェニルスルフィドフィルム等が挙げられる。入手の容易性、耐熱性(好ましくは100℃以上)、経済性および効果の観点から、市販のポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、各種ポリイミドやポリカーボネートフィルム等が好ましい。
基材の厚さは、取り扱い性、耐久性等の点から、好ましくは30〜3000μm、より好ましくは50〜1000μm、さらに好ましくは100〜1000μm、特に好ましくは200〜800μmである。基材の厚みをこの範囲にすることで、熱伝導率が低下せず、外部衝撃による熱電変換層の損傷も起こりにくい。
(電極)
基材は、熱電変換層との圧着面に電極を設けて用いることが好ましい。
基材上に設ける第1の電極および第2の電極を形成する電極材料としては、ITO(酸化インジウムスズ)、ZnO等の透明電極材料、銀、銅、金、アルミニウム等の金属電極材料、CNT、グラフェン等の炭素材料、PEDOT(poly(3,4-ethylenedioxythiophene))/PSS(Poly(4-styrenesulfonic acid))等の有機材料、銀、カーボン等の導電性微粒子を分散した導電性ペースト、銀、銅、アルミニウム等の金属ナノワイヤーを含有する導電性ペースト等が使用できる。これらの中でも、アルミニウム、金、銀もしくは銅の金属電極材料、またはこれらの金属を含有する導電性ペーストが好ましい。
(熱電変換層)
本発明の熱電変換素子が有する熱電変換層は、カーボンナノチューブと一般式(1)で表される高分子分散剤とを含む。
カーボンナノチューブおよび一般式(1)で表される高分子分散剤の定義については、上述の通りである。
熱電変換層中におけるカーボンナノチューブの含有量は特に制限されないが、熱電変換層の性能がより優れる点で、熱電変換層の全質量に対して、5〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが特に好ましい。
熱電変換層中における一般式(1)で表される高分子分散剤の含有量は特に制限されないが、熱電変換層の性能がより優れる点で、カーボンナノチューブ100質量部に対して、50〜1000質量部が好ましく、100〜500質量部がより好ましい。
また、熱電変換層には、カーボンナノチューブおよび一般式(1)で表される高分子分散剤以外の材料が含まれていてもよく、例えば、上述した組成物に含まれていてもよい任意成分(例えば、バインダー)などが挙げられる。
熱電変換層の形成方法は特に制限されないが、工業的な生産性に優れる点で、上記組成物を用いて形成することが好ましい。より具体的には、基材上に本発明の組成物を塗布し、成膜することにより、熱電変換層を形成することができる。
成膜方法は特に限定されず、例えば、スピンコート法、エクストルージョンダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、スクリーン印刷法、ステンシル印刷法、ロールコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、インクジェット法など、公知の塗布方法を用いることができる。
また、塗布後は、必要に応じて乾燥工程を行う。例えば、熱風を吹き付けることにより溶媒を揮発、乾燥させることができる。
本発明においては、熱電変換層の平均厚さは、温度差を付与する観点等から、0.1〜1000μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。
なお、熱電変換層の平均厚さは、任意の10点における熱電変換層の厚みを測定し、それらを算術平均して求める。
<熱電発電用物品>
本発明の熱電発電物品は、本発明の熱電変換素子を用いた熱電発電物品である。
ここで、熱電発電物品としては、具体的には、温泉熱発電機、太陽熱発電機、廃熱発電機等の発電機や、腕時計用電源、半導体駆動電源、小型センサー用電源などが挙げられる。
すなわち、上述した本発明の熱電変換素子は、これらの用途に好適に用いることができる。
以下、実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
実施例に用いた分散剤(高分子分散剤1〜15、および、比較分散剤1)を以下に示す。これらの分散剤の分子量(重量平均分子量)は表1の通りである。重量平均分子量は、上述した条件に基づいて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した。
なお、比較例2で使用したポリスチレンとしては、アルドリッチ社製ポリスチレンMw4000−200000を用いた。
以下、式中、「Me」はメチル基を表す。
なお、高分子分散剤1〜15、および、比較分散剤1は、以下のようにして合成した。
(高分子分散剤1)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.83質量部、グリセリンモノアクリレート7.31質量部を、1−メトキシ−2−プロパノール35.32質量部に溶解させ、窒素気流下、70℃に加熱した。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.06質量部を加えて3時間加熱した。更に、V−65を0.06質量部加え、窒素気流下、70℃で3時間反応させた。室温まで冷却することで、メルカプタン化合物30%溶液を合成した。そのメルカプタン化合物30%溶液に対して、メタクリル酸メチル90質量部、1−メトキシ−2−プロパノール210質量部を加え、窒素気流下、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)〔AIBN、和光純薬工業(株)製〕0.49部を加えて3時間加熱後、再度AIBN0.49質量部を加えて、窒素気流下、80℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、アセトンで希釈した。多量のメタノールを用いて再沈殿させた後、真空乾燥させ、高分子分散剤1を得た。
(高分子分散剤3)
グリセリンモノアクリレート7.31質量部をイタコン酸6.51質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤3の合成を行った。
(高分子分散剤4)
グリセリンモノアクリレート7.31質量部をドデシルアクリレート12.02質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤4の合成を行った。
(高分子分散剤5)
グリセリンモノアクリレート7.31質量部をステアリルアクリレート16.23質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤5の合成を行った。
(高分子分散剤6)
グリセリンモノアクリレート7.31質量部をビニルナフタレン7.71質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤6の合成を行った。
(高分子分散剤7)
メタクリル酸メチルをメタクリル酸プロピルに変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤7の合成を行った。
(高分子分散剤8)
メタクリル酸メチルをスチレンに変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤7の合成を行った。
(高分子分散剤9)
メタクリル酸メチルを以下モノマーに変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤9の合成を行った。
(高分子分散剤10)
グリセリンモノアクリレートの使用量を7.31質量部から5.85質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤10の合成を行った。
(高分子分散剤11)
グリセリンモノアクリレートの使用量を7.31質量部から4.39質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤11の合成を行った。
(高分子分散剤12)
グリセリンモノアクリレートの使用量を7.31質量部から2.93質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤12の合成を行った。
(高分子分散剤13)
メタクリル酸メチルの使用量を90質量部から180質量部に、1−メトキシ−2−プロパノールの使用量を210質量部から420質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤13の合成を行った。
(高分子分散剤14)
メタクリル酸メチルの使用量を90質量部から450質量部に、1−メトキシ−2−プロパノールの使用量を210質量部から1050質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤14の合成を行った。
(高分子分散剤15)
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)〔DPMP;堺化学工業(株)製〕7.83質量部をペンタエリスリトールペンタ(3−メルカプトプロピオネート)9.77質量部に変更した以外は、高分子分散剤1と同様の手順に従って、高分子分散剤15の合成を行った。
(比較分散剤1)
2−ヒドロキシルエチルメタクリレート45質量部、メタクリル酸メチル45質量部、1−メトキシ−2−プロパノール210質量部を混合し、窒素気流下にて、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)〔AIBN、和光純薬工業(株)製〕0.49部を加えて80℃で3時間加熱後、再度AIBN0.49質量部を加えて、窒素気流下にて、80℃で3時間反応させた。その後、室温まで冷却し、多量のメタノールを用いて再沈殿させた後、真空乾燥させ、比較分散剤1を得た。
<実施例1>
高分子分散剤1(563mg)、単層CNT(名城ナノカーボン社製)188mgを、オルトジクロロベンゼン(o−ジクロロベンゼン)15ml中に添加し、ホモジナイザーにて5分間分散させ、その後、フィルミックス40−40型(プライミックス社製)にて高せん断力を用いる分散処理(周速30m/s、2.5分間攪拌)を2回行い、分散液101(熱電変換層形成用組成物に該当)を得た。
基材として厚さ1.1mm、大きさ40mm×50mmのガラス基板を用いた。この基材をアセトン中で超音波洗浄した後、10分間UV(紫外線)−オゾン処理を行った。その後、この基材上の両端部側それぞれに、大きさ30mm×5mm、厚さ10nmの金を第1の電極および第2の電極として形成した。
調製した分散液101を、電極が形成された基材上にテフロン(登録商標)製の枠を貼り付け、その枠内に溶液を流し込み、60℃のホットプレート上で1時間乾燥させ、乾燥後に枠を取り外し、厚さ約1.1μmの熱電変換層を形成し、図2に示す構成の熱電変換素子101を作製した。
分散液中でのCNTの分散性、並びに、熱電変換素子の導電率および熱起電力を下記の方法で評価した。
なお、CNTの分散性の評価としては、分散液の粘度を測定した。粘度が低いほうがCNTの凝集が生じておらず、CNTの分散性がよいことを表す。
[粘度測定]
レオメーター(サーモエレクトロン社製、HAAKE RheoStress 600)により、せん断速度20/s、温度25℃の下で、分散液の粘度を測定し、以下の基準により評価した。結果は、表1にまとめて示す。
「AAA」:粘度が5Pa・s未満の場合
「AA」:粘度が5Pa・s以上6Pa・s未満の場合
「A」:粘度が6Pa・s以上7Pa・s未満の場合
「B」:粘度が7Pa・s以上10Pa・s未満の場合
「C」:粘度が10Pa・s超の場合
[熱起電力、導電率]
熱電変換素子の第1の電極を一定温度に保ったホットプレート上に設置し、第2の電極を温度制御用のペルチェ素子上を設置した。つまり、図2中の第1の電極23が位置する第1の基材22の下部にホットプレートを設置し、第2の電極25が位置する第1の基材22の下部にペルチェ素子を配置した。
ホットプレートの温度を一定(100℃)に保ちつつ、ペルチェ素子の温度を低下させることにより両電極間に温度差(0Kを超え4K以下の範囲)を付与した。
この時、両電極間に発生した熱起電力(μV)を両電極間に生じた特定の温度差(K)で除することにより、単位温度差当たりの熱起電力S(μV/K)を算出した。また同時に、両電極間に発生した電流を測定する事で導電率(S/cm)を算出した。結果は、表1にまとめて示す。
<実施例2〜15、比較例1〜2>
使用する高分子分散剤、および/または、溶媒の種類を後述する表1のように変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、熱電変換素子を作製した。作製された分散液および熱電変換素子を用いて、各種評価を行った。結果は、表1にまとめて示す。
表1中、「吸着部位の種類」欄は、一般式(1)中のA1中に含まれる部位の種類を表す。
「P1の種類」欄は、一般式(1)中のP1の種類を表し、「PMMA」はポリメチルメタクリレートを、「PPMA」はポリプロピルメタクリレートを、「PS」はポリスチレンを、「ポリエステル」はポリエステル系ポリマーを意図する。
「n:m」欄は、一般式(1)中の「n」「m」の数値を表す。
「分子量」欄は、高分子分散剤の重量平均分子量を意図する。
上記表1に示すように、本発明の熱電変換素子(熱電変換層)は、導電率および熱起電力に優れることが確認された。また、得られた熱電変換層形成用組成物中におけるCNTの分散性も優れていた。
なかでも、実施例1、3〜6の比較より、吸着部位として炭素数4以上の炭化水素基(より具体的には、炭素数4以上のアルキル基、炭素数6以上のアリール基)を使用した場合、より優れた効果が得られることが確認された。特に、炭素数13以上のアルキル基を使用した実施例5において、効果が優れていた。
また、実施例1、10〜12の比較より、nが3〜4、mが2〜3において、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例1、13〜14の比較より、高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000において、より優れた効果が得られることが確認された。
また、実施例1と2との比較より、ClogP値が3.0以下である溶媒を使用した場合、より優れた効果が得られることが確認された。
一方、所定の分散剤を使用していない比較例1および2においては、所望の効果が得られなかった。特に、比較例2は特許文献1に具体的に開示されているポリスチレンを使用した態様に該当する。
1、2 熱電変換素子
11、17 金属板
12、22 第1の基材
13、23 第1の電極
14、24 熱電変換層
15、25 第2の電極
16、26 第2の基材

Claims (16)

  1. 熱電変換層と、前記熱電変換層と電気的に接続する電極対とを有する熱電変換素子であって、
    前記熱電変換層が、カーボンナノチューブと、一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換素子。
    一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    2は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    3は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR3は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
  2. 前記一般式(1)で表される高分子分散剤が、一般式(2)で表される高分子分散剤である、請求項1に記載の熱電変換素子。
    一般式(2)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    4およびR5は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR5は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR4は、同一であっても、異なっていてもよい。
  3. 前記A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、請求項1または2に記載の熱電変換素子。
  4. 前記mが2〜3であり、前記nが3〜4である、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  5. 前記高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、請求項1〜のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
  6. カーボンナノチューブと、一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換層。
    一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    2は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    3は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR3は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
  7. 前記一般式(1)で表される高分子分散剤が、一般式(2)で表される高分子分散剤である、請求項に記載の熱電変換層。
    一般式(2)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    4およびR5は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR5は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR4は、同一であっても、異なっていてもよい。
  8. 前記A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、請求項6または7に記載の熱電変換層。
  9. 前記mが2〜3であり、前記nが3〜4である、請求項6〜8のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  10. 前記高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の熱電変換層。
  11. カーボンナノチューブと、一般式(1)で表される高分子分散剤とを含有する、熱電変換層形成用組成物。
    一般式(1)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    2は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    3は、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR3は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR2は、同一であっても、異なっていてもよい。
  12. 前記一般式(1)で表される高分子分散剤が、一般式(2)で表される高分子分散剤である、請求項11に記載の熱電変換層形成用組成物。
    一般式(2)中、R1は、(m+n)価の連結基を表す。
    4およびR5は、それぞれ独立に、単結合または2価の連結基を表す。
    1は、有機色素構造、複素環構造、酸性基、塩基性窒素原子を有する基、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する基、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、および水酸基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基を表す。
    1は、ビニルモノマーの重合体または共重合体、エステル系ポリマー、および、これらの変性物または共重合体より選ばれる少なくとも1種に由来する非共役系高分子骨格を表す。
    mは1〜8、nは2〜9を表し、m+nは3〜10を満たす。mが2以上の場合、m個のP1およびR5は、同一であっても、異なっていてもよい。n個のA1およびR4は、同一であっても、異なっていてもよい。
  13. 前記A1が、炭素数4以上の鎖状または環状のアルキル基、および、炭素数6以上のアリール基から選択される部位を少なくとも1種含む1価の有機基である、請求項11または12に記載の熱電変換層形成用組成物。
  14. 前記mが2〜3であり、前記nが3〜4である、請求項11〜13のいずれか1項に記載の熱電変換層形成用組成物。
  15. 前記高分子分散剤の重量平均分子量が15000〜40000である、請求項11〜14のいずれか1項に記載の熱電変換層形成用組成物。
  16. さらに、ClogP値が3.0以下であるアルコール系溶媒を含む、請求項11〜15のいずれか1項に記載の熱電変換層形成用組成物。
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