JP2020205396A - 表面修飾炭素材料およびこれを用いた導電性組成物、導電層、熱電変換素子 - Google Patents

表面修飾炭素材料およびこれを用いた導電性組成物、導電層、熱電変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高いゼーベック係数と導電性を有する良好な熱電変換特性を示す表面修飾炭素材料を提供することである。また、当該材料を用いて、優れた熱電性能を発揮する熱電変換素子を提供すること。【解決手段】官能基を有する炭素材料(A)の表面の少なくとも一部が、導電性高分子(B)によって修飾された表面修飾炭素材料。また、表面修飾炭素材料とバインダーとを含有する導電層と電極とを有し、導電層及び電極が、互いに電気的に接続されている熱電変換素子。【選択図】図1

Description

本発明は、表面修飾炭素材料及び該材料を用いた導電性組成物、導電層、熱電変換素子に関する。
熱エネルギーと電気エネルギーを相互に変換できる熱電変換材料は、熱電発電素子やペルチェ素子のような熱電変換素子に用いられている。熱電変換素子は、熱を電力に変換する素子であり、半導体や金属の組合せによって構成される。代表的な熱電変換素子としては、p型半導体単独、n型半導体単独、又はp型半導体とn型半導体との組合せ、に分類される。熱電変換素子では、半導体の両端に温度差が生じるように熱を加えると起電力が生じるゼーベック効果を利用する。より大きな電位差を得るために、熱電変換素子では、一般的に、材料としてp型半導体とn型半導体とを組合せて使用する。
また、熱電変換素子は、多数の素子を板状、又は円筒状に組合せてなる熱電モジュールとして使用される。熱エネルギーを直接電力に変換することが出来、例えば、体温で作動する腕時計、地上用発電及び人工衛星用発電における電源として利用できる。熱電変換素子の性能は、熱電変換材料の性能、及びモジュールの耐久性等に依存する。
非特許文献1に記載されているとおり、熱電変換材料の性能を表す指標として、無次元熱電性能指数(ZT)が用いられる。また、熱電変換材料の性能を表す指標として、パワーファクターPF(=S2・σ)を用いる場合もある。
上記無次元熱電性能指数「ZT」は、下式(1)により表される。
ZT=(S2・σ・T)/κ 式(1)
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは導電率(S・m)、Tは絶対温度(K)、及びκは熱伝導率(W/(m・K))である。熱伝導率κは下式(2)で表される。
κ=α・ρ・C 式(2)
ここで、αは熱拡散率(m2/s)、ρは密度(kg/m3)、及びCは比熱容量(J/(kg・K))である。
つまり、熱電変換の性能(以下、熱電特性とも称す)を向上させるには、ゼーベック係数又は導電率を向上させ、その一方で熱伝導率を低下させることが重要である。
代表的な熱電変換材料として、例えば、常温から500Kまではビスマス・テルル系(Bi−Te系)、常温から800Kまでは鉛・テルル系(Pb−Te系)、及び常温から1000Kまではシリコン・ゲルマニウム系(Si−Ge系)などの無機材料が使用されている。
しかし、これらの無機材料を含む熱電変換材料は、しばしば希少元素を含み高コストであるか、又は有害物質を含む場合がある。また、無機材料は加工性に乏しいため、製造工程が複雑となる。そのため、無機材料を含む熱電変換材料については、製造エネルギー及び製造コストが高くなり、汎用化が困難である。さらに、無機材料は剛直であるため、平面ではない形状にも設置可能な、フルキシブル性を有する熱電変換素子を形成することは困難である。
これに対し、従来の無機材料に代えて、有機材料を用いた熱電変換素子に関する検討が進められている。有機材料は、優れた成形性を有し、かつ無機材料よりも優れた可撓性を有するため、それ自身が分解しない温度範囲での汎用性が高い。また、印刷技術等を容易に活用できるため、製造エネルギーや製造コストの面でも無機材料より有利である。
例えば、特許文献1では、カルボキシル基を有する炭素材料とバインダー成分を含有させることで、優れたPFを示し、且つ優れた熱起電力を示す熱電材料が記載されている。
特開2018−133420号公報
梶川武信監修、「熱電変換技術ハンドブック(初版)」エヌ・ティー・エス出版、第19頁(2008年)
しかしながら、特許文献1の発明では、導電率が十分でなく、熱電素子として実用的な値を得ることはできていない。
本発明が解決しようとする課題は、高いゼーベック係数と導電性を有する良好な熱電変換特性を示す表面修飾炭素材料を提供することである。また、当該材料を用いて、優れた熱電性能を発揮する熱電変換素子を提供することである。
本発明は、上記課題に鑑みなされた以下のものである。
すなわち、本発明は、官能基を有する炭素材料(A)の表面の少なくとも一部が、導電性高分子(B)によって修飾された表面修飾炭素材料に関する。
また、本発明は、上記官能基を有する炭素材料(A)が、官能基を有するカーボンブラック、官能基を有するカーボンナノチューブ及び官能基を有するグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記表面修飾炭素材料に関する。
また、本発明は、上記導電性高分子(B)が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である上記表面修飾炭素材料に関する。
また、本発明は、上記官能基が、酸性基である上記表面修飾炭素材料に関する。
また、本発明は、上記表面修飾炭素材料とバインダーとを含有する導電性組成物に関する。
また、本発明は、上記表面修飾炭素材料または上記導電性組成物を含む導電層に関する。
また、本発明は、上記導電層と電極とを有し、上記導電層及び上記電極が、互いに電気的に接続されている熱電変換素子に関する。
本発明により、高いゼーベック係数と導電性を有する良好な熱電変換特性を示す表面修飾炭素材料を提供することができる。また、当該材料を用いて、優れた熱電性能を発揮する熱電変換素子を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態である熱電変換素子の一例の構造を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態である熱電変換素子の起電力の測定方法を説明する模式図である。
本発明の表面修飾炭素材料は、官能基を有する炭素材料(A)の表面の少なくとも一部が、導電性高分子(B)によって修飾されていることを特徴とする。上記を組み合わせることで、高いゼーベック係数と導電性とを両立することができ、優れた熱電性能を発揮することができる。本明細書でいう表面修飾とは、炭素材料が有する官能基と導電性高分子(B)とが、化学的に結合または物理的に吸着することを意味することとして扱うことにする。この表面修飾により、例えば、官能基を有する炭素材料(A)が導電性高分子(B)より電子を引き抜くことにより導電性高分子(B)にカチオンがドープされたり、官能基を有する炭素材料(A)上に導電性高分子(B)が吸着して配向することにより、高い導電率が発現し、熱電性能が向上するものと考えられる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<官能基を有する炭素材料(A)>
官能基を有する炭素材料(A)は、導電性高分子の吸着媒体または導電性向上に寄与するものである。官能基を有する炭素材料(A)の官能基としては、特に制限はない。例えば、水酸基、ニトロ基、カルボニル基などの中性基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、4級アンモニウム塩基などの塩基性基、チオール基(メルカプト基)、カルボン酸基(カルボキシル基)、スルホン酸基(スルホ基)、リン酸基、ヒドロキシフェニル基、スルホフェニル基(−C64SO3H)などの酸性基を用いることができる。導電性高分子への吸着性、ドープ効率の観点で、酸性基であることが好ましく、更にカルボン酸基、スルホン酸基、スルホフェニル基から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に好ましくはスルホフェニル基である。
また、官能基を有する炭素材料(A)の前駆体(官能基を有しない炭素材料)としては、炭素材料であれば特に制限はない。例えば、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン(グラフェンナノプレートを含む)等を用いることができる。ゼーベック係数と導電率との両立の観点で、カーボンナノチューブ、カーボンブラック、グラフェン(グラフェンナノプレートを含む)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、より好ましくはカーボンナノチューブであり、特に好ましくは単層カーボンナノチューブである。
官能基を有する炭素材料(A)の前駆体としては、例えば、薄片状黒鉛として、日本黒鉛工業社製のCMX、UP−5、UP−10、UP−20、UP−35N、CSSP、CSPE、CSP、CP、CB−150、CB−100、ACP、ACP−1000、ACB−50、ACB−100、ACB−150、SP−10、SP−20、J−SP、SP−270、HOP、GR−60、LEP、F#1、F#2、F#3、中越黒鉛工業所社製のBF−3AK、FBF、BF−15AK、CBR、CPB−6S、CPB−3、96L、96L−3、K−3、SC−120、SC−60、HLP、CP−150、SB−1、伊藤黒鉛工業社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50、西村黒鉛社製の10099M、PB−99等が挙げられる。球状天然黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のCGC−20、CGC−50、CGB−20、CGB−50が挙げられる。土状黒鉛としては、日本黒鉛工業社製の青P、AP、AOP、P#1、中越黒鉛社製のAPR、K−5、AP−2000、AP−6、300F、150Fが挙げられる。人造黒鉛としては、日本黒鉛工業社製のPAG−60、PAG−80、PAG−120、PAG−5、HAG−10W、HAG−150、中越黒鉛社製のG−4AK、G−6S、G−3G−150、G−30、G−80、G−50、SMF、EMF、SFF、SFF−80B、SS−100、BSP−15AK、BSP−100AK、WF−15C、SECカーボン社製のSGP−100、SGP−50、SGP−25、SGP−15、SGP−5、SGP−1、SGO−100、SGO−50、SGO−25、SGO−15、SGO−5、SGO−1、SGX−100、SGX−50、SGX−25、SGX−15、SGX−5、SGX−1が挙げられる。市販のカーボンブラックとしては、例えば、東海カーボン社製のトーカブラック#4300、#4400、#4500、#5500、デグサ社製のプリンテックスL、コロンビヤン社製のRaven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULTRA、Conductex SC ULTRA、Conductex 975 ULTRA、PUERBLACK100、115、205、三菱化学社製の#2350、#2400B、#2600B、#3050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、#5400B、キャボット社製のMONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、BlackPearls2000、TIMCAL社製のEnsaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、SuperP−Li等のファーネスブラック)、ライオン社製のEC−300J、EC−600JD等のケッチェンブラック、電気化学工業社製のデンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等のアセチレンブラックが挙げられる。市販の導電性炭素繊維やカーボンナノチューブとしては、昭和電工社製のVGCF等の気相法炭素繊維、名城ナノカーボン社製のEC1.5,EC1.5−P、楠本化成社製のTUBALL、ゼオンナノテクノロジー社製のZEONANO等の単層カーボンナノチューブ、CNano社製のFloTube9000、FloTube7000、FloTube2000、Nanocyl社製のNC7000、Knano社製の100T、200P等が挙げられる。これらは特に限定されることはない。
官能基を有する炭素材料(A)は、上記前駆体に官能基を化学的に結合、または、物理的に修飾することで得られる。例えば、前駆体を特許文献1に開示されるような混酸処理やKMnO4による酸化処理、UVオゾン処理、硫酸処理、スルファニル酸処理等による酸性基の導入や、酸性基を起点にアミノ化剤で処理するなどして合成されるが、前記手法に限定されるものではない。
<導電性高分子(B)>
導電性高分子(B)は、自身の高い導電性および高いゼーベック係数により、表面修飾炭素材料の熱電特性向上に寄与するものである。導電性高分子としては、特に制限はない。例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸の複合物(PEDOT/PSS)、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等が挙げられる。使用する導電材料の種類は1種でもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。導電率やドープ効率の観点で、PEDOTが特に好ましい。
官能基を有する炭素材料(A)への表面修飾は、導電性高分子(B)を混合し修飾することもでき、また、反応系中に官能基を有する炭素材料(A)が存在する状態で導電性高分子の前駆体を重合させること等で作製される。
表面修飾炭素材料は、成膜性や膜強度の調整等を目的として、導電性及び熱電特性に影響しない範囲で、樹脂等のバインダーを含んだ導電性組成物とすることができる。
樹脂は、表面修飾炭素材料の各成分に相溶又は混合分散するものであればよい。熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂のいずれを用いても良い。使用可能な樹脂の具体例として、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、アクリルアミド樹脂、及びこれらの共重合樹脂等が挙げられる。特に限定するものではないが、一実施形態において、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、及びアクリルアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を使用することが好ましい。
導電性の観点から、樹脂の含有量は、官能基を有する炭素材料(A)との全質量を基準として、0〜90質量%の範囲が好ましく、0〜50質量%の範囲がより好ましく、0〜20質量%の範囲がさらに好ましい。
<その他成分>
本発明の導電性組成物は、その特性を向上させる観点から、必要に応じて、追加のその他成分を含んでもよい。例えば、以下に例示するその他成分を添加することによって、塗工性、導電性及び熱電特性のさらなる向上が可能となる。
(溶剤)
溶剤は、表面修飾炭素材料及びバインダーの溶媒及び/又は分散媒として使用され、インキ化による塗工性向上が可能とする。使用できる溶剤としては、炭素表面修飾炭素材料及びバインダーを溶解又は良く分散できれば、特に限定されず、有機溶剤や水を挙げることができ、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ターピネオール、ジヒドロターピネオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1、3−ブチレングリコール、イソボルニルシクロヘキサノール、N−メチルピロリドン等から、必要に応じて適宜選択することができる。
(分散剤)
分散剤は、表面修飾炭素材料を媒体中に均一に分散させ安定な分散体を調整するために用いるものであり、特に制限されず、従来公知のものを使用することができる。分散剤は、単独又は2種以上を併用して使用してもよい。
分散剤としては、酸性分散剤、塩基性分散剤、両性分散剤、非イオン型分散剤等が挙げられる。また、酸性分散剤の酸性官能基としては、カルボン酸基、スルホン酸基及びリン酸基等が挙げられ、塩基性分散剤の極性官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基及び4級アンモニウム塩基等が挙げられ、非イオン型分散剤の非イオン性官能基としては、水酸基、アミド基、ケトン基、エポキシ基、及びエステル基等が挙げられる。
塩基性分散剤は、市販品として例えば、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−9000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、22000、24000SC、24000GR、26000、28000、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、37500、38500、39000、53095、56000、71000、76500、X300等、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK−108、109、112、116、130、161、162、163、164、166、167、168、182、183、184、185、2000、2008、2009、2022、2050、2150、2155、2163、2164、9077、101、106、140、142、145、180、2001、2020、2025、2070、9076等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、PB822、PB824、PB881等、BASF社製のEFKA−4015、4020、4046、4047、4050、4055、4080、4300、4330、4400、4401、4402等が挙げられる。
酸性分散剤は、市販品としては例えば、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、5000、21000、36000、36600、41000、41090、43000、44000、46000、47000、55000等、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK−102、110、111、170、171、174、P104、P104S、P105、220S等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111等が挙げられる。
非イオン型分散剤は、市販品としては例えば、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−27000、54000等が挙げられる。
表面修飾炭素材料を含む導電性組成物は、熱電変換性能を高めるために、必要に応じて、無機熱電材料から成る微粒子を含んでもよい。 無機熱電材料の一例として、Bi−(Te、Se)系、Si−Ge系、Mg−Si系、Pb−Te系、GeTe−AgSbTe系、(Co、Ir、Ru)−Sb系、(Ca、Sr、Bi)Co25系等を挙げることができる。より具体的には、Bi2Te3、PbTe、AgSbTe2、GeTe、Sb2Te3、NaCo24、CaCoO3、SrTiO3、ZnO、SiGe、Mg2Si、FeSi2、Ba8Si46、MnSi1.73、ZnSb、Zn4Sb3、GeFe3CoSb12、及びLaFe3CoSb12からなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。このとき、上記無機熱電材料に不純物を加えて極性(p型、n型)や導電率を制御して利用してもよい。無機熱電材料を使用する場合、その使用量は、成膜性や膜強度に影響しない範囲で調整する。
本発明の実施形態である熱電変換素子は、導電層と、電極とを有し、上記導電層及び上記電極は互いに電気的に接続されていることを特徴とする。導電層は、導電性及び熱電特性に加えて、耐熱性及び可撓性の点でも優れる。そのため、本実施形態によれば、高品質な熱電変換素子を容易に実現することができる。
導電層は、基材上に表面修飾炭素材料またはそれを含む導電性組成物を塗布して得られる膜であってよい。表面修飾炭素材料は優れた成形性を有するため、塗布法によって良好な膜を得ることが容易である。導電層の形成には、主に湿式製膜法が用いられる。具体的には、スピンコート法、スプレー法、ローラーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、ロールコート法、カーテンコート法、バーコート法、インクジェット法、ディスペンサー法、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷等の各種手段を用いた方法が挙げられる。塗布する厚み、及び材料の粘度等に応じて、上記方法から適宜選択することができる。
導電層の膜厚は、特に限定されるものではないが、後述するように、導電層の厚さ方向又は面方向に温度差を生じ、かつ伝達できるように、一定以上の厚みを有するように形成されることが好ましい。一実施形態において、熱電特性の点から、導電層の膜厚は、0.1〜200μmの範囲が好ましく、1〜100μmの範囲が好ましく、1〜50μmの範囲がさらに好ましい。
また、表面修飾炭素材料またはそれを含む導電性組成物を塗布する基材として、特に制限はないが、不織布、紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリイミド、ボリカーボネート、及びセルローストリアセテートなどの材料からなるプラスチックフィルム、又はガラス等を用いることができる。
基材と導電層との密着性を向上させる目的で、基材表面に様々な処理を行うことができる。具体的には、熱電変換材料の塗布に先立ち、UVオゾン処理、コロナ処理、プラズマ処理、又は易接着処理を行ってもよい。
本発明の実施形態である熱電変換素子は、上記表面修飾炭素材料またはそれを含む導電性組成物を用いて構成されることを除き、当技術分野で周知の技術を適用して構成することができる。代表的に、熱電変換素子のより具体的な構成、及びその製造方法について説明する。
一実施形態において、熱電変換素子は、表面修飾炭素材料またはそれを含む導電性組成物を用いて得た導電層と、この導電層と電極的に接続する一対の電極とを有する。ここで、「電気的に接続する」とは、互いに接合しているか、又はワイヤ等の他の構成部材を介して通電できる状態であることを意味する。
電極の材料は、金属、合金、及び半導体から選択することができる。一実施形態において、導電率が高いこと、導電層を構成する本発明による熱電変換材料との接触抵抗が低いことから、金属及び合金が好ましい。具体例として、電極は、金、銀、銅、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。電極は、銀を含むことがさらに好ましい。
電極は、真空蒸着法、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料の微粒子を分散したペーストの塗布、などの方法によって形成することができる。プロセスが簡便な観点で、電極材料箔や電極材料膜を有するフィルムの熱圧着、電極材料を分散したペーストの塗布による方法が好ましい。
熱電変換素子の構造の具体例は、導電層と一対の電極との位置関係から、(1)本発明による導電層の両端に電極が形成されている構造、(2)本発明の導電層が2つの電極で挟持されている構造に大別される。
例えば、上記(1)の構造を有する熱電変換素子は、基材上に導電層を形成した後に、その両端にそれぞれ銀ペーストを塗布して第1及び第2の電極を形成することによって得ることができる。このように導電層の両端に電極が形成された熱電変換素子は、2つの電極間の距離を広くすることが容易である。そのため、2つの電極間で大きな温度差を発生させて、効率良く熱電変換を行うことが容易である。
上記(2)の構造を有する熱電変換素子は、例えば、基材上に銀ペーストを塗布して第1の電極を形成し、その上に本発明の導電層を形成し、さらにその上に銀ペーストを塗工して第2の電極を形成することによって得ることができる。このように2つの電極で本発明の導電層を挟持する熱電変換素子では、二つの電極間の距離を広くすることは難しい。そのため、2つの電極間に大きな温度差を発生させることは難しいが、導電層の膜厚を大きくすることによって、温度差を大きくすることが可能である。また、このような構造を有する熱電変換素子は、基材に対して垂直な方向の温度差を利用できることから、発熱体に貼り付ける形態での利用が可能である。そのため、熱源の広い面積の活用が容易となる点で好ましい。
熱電変換素子は、直列に接続することで高い電圧を発生させることが可能であり、並列に接続することで大きな電流を発生させることが可能である。また、熱電変換素子は、2つ以上の熱電変換素子を接続したものであってもよい。本発明によれば、熱電変換素子が優れた可撓性を有するため、平面ではない形状を有する熱源に対しても追随して良好に設置することが可能である。
一実施形態において、本発明の熱電変換素子を他の熱電材料から成る熱電変換素子と組み合わせることも有効である。例えば、無機熱電材料として、Bi−(Te、Se)系、Si−Ge系、Mg−Si系、Pb−Te系、GeTe−AgSbTe系、(Co、Ir、Ru)−Sb系、(Ca、Sr、Bi)Co25系等を挙げることができ、具体的には、Bi2Te3、PbTe、AgSbTe2、GeTe、Sb2Te3、NaCo24、CaCoO3、SrTiO3、ZnO、SiGe、Mg2Si、FeSi2、Ba8Si46、MnSi1.73、ZnSb、Zn4Sb3、GeFe3CoSb12、及びLaFe3CoSb12などからなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。このとき、上記無機熱電材料に、不純物を加えて、極性(p型、n型)や導電率を制御して利用しても良い。その他、有機熱電材料として、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、フラーレン、及びそれらの誘導体からなる群から選択される少なく1種を使用することができる。これら材料から構成される他の熱電変化素子を組合せる場合、素子のフレキシブル性を損なわない範囲内で、他の熱電変換素子を作製することが好ましい。
複数の熱電変換素子を接続する場合、1つの基材に集積した状態で接続して利用することもできる。このような実施形態において、本発明による熱電変換素子と、n型としての極性を示す熱電材料から成る熱電変換素子との組合せが好ましく、これらを直列に接続することがより好ましい。本実施形態によれば、熱電変換素子を緻密に集積することが容易となる。
以下、実験例により、本発明をより具体的に説明する。なお、例中、「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」をそれぞれ意味するものとする。また、MEKはメチルエチルケトンを表す。
<質量平均分子量(Mw)の測定方法>
Mwの測定は、東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。カラムとして「LF−604」(昭和電工株式会社製:迅速分析用GPCカラム:6mmID×150mmサイズ)を直列に2本接続し、流量0.6ml/分、カラム温度40℃の条件で測定した。Mwの決定は、標準物質として質量平均分子量が既知のポリスチレン換算で行った。
<官能基を有する炭素材料(A)の合成>
(合成例1:炭素材料(A1))
特開2018−133420号公報の段落[0098]に記載されている方法を参考にして、カルボキシル基を有する炭素材料(A1)を得た。
(合成例2:炭素材料(A2))
水200ml中に、スルファニル酸10.0gを加え、80℃に加熱した。その後、撹拌しながらMWCNT(KUMHO PETROCHEMICAL社製多層カーボンナノチューブ「Knanos100P」)20.0g、硝酸5ml、及び亜硝酸ナトリウム5.0gを加え、窒素雰囲気下、70℃にて5時間加熱撹拌した。放冷後、上記混合物を3000mlの水で希釈し、濾過、洗浄後、乾燥し、スルホフェニル基を有する炭素材料(A2)24gを得た。
(合成例3:炭素材料(A3))
MWCNTをSWCNT(ゼオンナノテクノロジー社製 単層カーボンナノチューブ「ZEONANOSG101」)に変更した以外は、合成例2と同様の方法で、スルホフェニル基を有する炭素材料(A3)21gを得た。
(合成例4:炭素材料(A4))
MWCNTをCB(ライオン社製 ケッチェンブラック「EC−300J」)に変更した以外は、合成例2と同様の方法で、スルホフェニル基を有する炭素材料(A4)27gを得た。
(合成例5:炭素材料(A5))
MWCNTをGNP(東京化成工業社製 グラフェンナノプレートレット)に変更した以外は、合成例2と同様の方法で、スルホフェニル基を有する炭素材料(A5)24gを得た。
(合成例6:炭素材料(A6))
硫酸300ml中に、CB(ライオン社製 ケッチェンブラック「EC−300J」)10.0g加え、減圧下(7〜8×102Pa)、200℃にて8時間加熱撹拌した。250℃で硫酸を減圧除去し、放冷後、上記混合物を3000mlの水で希釈し、濾過、洗浄後、乾燥し、スルホン酸基を有する炭素材料(A2)8gを得た。
<バインダー樹脂の合成>
(合成例7:バインダー樹脂1)
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、テレフタル酸とアジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールとの縮重合により得られたポリエステルポリオール((株)クラレ製「クラレポリオールP−2011」、Mn=2,011)455.5部、ジメチロールブタン酸16.5部、イソホロンジイソシアネート105.2部、トルエン140部を仕込み、窒素雰囲気下90℃3時間反応させた後、トルエン360部を加えてイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー溶液を得た。次に、イソホロンジアミン19.9部、ジ−n−ブチルアミン0.63部、2−プロパノール294.5部、トルエン335.5部を混合したものに、ウレタンプレポリマー溶液969.5部を添加し、50℃で3時間、更に70℃2時間反応後、100℃で乾燥し、Mw61,000を有するウレタンウレア樹脂であるバインダー樹脂1を得た。
(合成例8:バインダー樹脂2)
撹拌機、水分定量受器を付けた還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた4口フラスコに、炭素数36の多塩基酸化合物としてプリポール1009(クローダジャパン株式会社製、酸価194mgKOH/g)を70.78部、フェノール性水酸基を有する多塩基酸化合物として5−ヒドロキシイソフタル酸(スガイ化学社製、以下「5−HIPA」ともいう)を5.24部、炭素数36のポリアミン化合物としてプリアミン1074(クローダジャパン株式会社製、酸価210KOHmg/g)を82.84部、トルエンを4.74部仕込み、撹拌しながら、温度を220℃まで昇温し、水を留去しながら脱水反応を続けた。1時間ごとにサンプリングを行い質量平均分子量が40000になったことを確認し、冷却後、Mw41038を有するフェノール性水酸基含有ポリアミド樹脂であるバインダー樹脂2を得た。
<表面修飾炭素材料の合成>
[実施例1]
表面修飾炭素材料(X1)
水7.66g、10%硫酸4.1g、炭素材料(A1)1.0gをガラス瓶へ入れ、30分間超音波を照射して撹拌をした。撹拌しながら、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT、東京化成工業株式会社製)0.3gを加え、更に、過硫酸アンモニウム(東京化成社製)0.57g、1%硫酸鉄(III)水溶液3.0g、水55.7gを加え、25℃で12時間撹拌した。500mlの水で希釈し、濾過、洗浄後、乾燥し、PEDOTで表面修飾された表面修飾炭素材料(X1)0.75gを得た。
[実施例2]
表面修飾炭素材料(X2)
炭素材料(A1)を炭素材料(A2)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、PEDOTで修飾された表面修飾炭素材料(X2)0.95gを得た。
[実施例3]
表面修飾炭素材料(X3)
炭素材料(A1)を炭素材料(A3)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、PEDOTで修飾された表面修飾炭素材料(X3)0.92gを得た。
[実施例4]
表面修飾炭素材料(X4)
炭素材料(A1)を炭素材料(A4)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、PEDOTで修飾された表面修飾炭素材料(X4)0.82gを得た。
[実施例5]
表面修飾炭素材料(X5)
炭素材料(A1)を炭素材料(A5)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、PEDOTで修飾された表面修飾炭素材料(X5)0.97gを得た。
[実施例6]
表面修飾炭素材料(X6)
炭素材料(A1)を炭素材料(A6)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、PEDOTで修飾された表面修飾炭素材料(X6)0.93gを得た。
[実施例7]
表面修飾炭素材料(X7)
炭素材料(A2)1.0g、ポリアニリンスルホン酸(三菱ケミカル社製 アクアパス‐01X)50gをガラス瓶へ入れ、60分超音波撹拌をした。濾過、洗浄後、乾燥し、ポリアニリンスルホン酸で表面修飾された表面修飾炭素材料(X7)0.81gを得た。
[実施例8]
表面修飾炭素材料(X8)
実施例1の3,4−エチレンジオキシチオフェンをピロール(東京化成工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で、ポリピロールで表面修飾された表面修飾炭素材料(X8)0.56gを得た。
<導電性組成物の製造>
[実施例9]
(分散液1)
表面修飾炭素材料(X1)0.5g、MEK4.0gをそれぞれ秤量して混合した。更に超音波で1時間撹拌し、導電性組成物である分散液1を得た。
[実施例10〜26]
(分散液2〜18)
構成成分及びその含有量材料および配合量を表1に示す内容にそれぞれ変更した以外は、分散液1の製造方法と同様にして、導電性組成物である分散液2〜18をそれぞれ得た。表1中、バインダー樹脂3として、ポリメチルメタクリレート樹脂(楠本化成株式会社製 NeoCryl B−728)を用いた。
[比較例1、2、3,4]
(分散液101、102、103、104)
表面修飾炭素材料(X1)を、表1に示す炭素材料A1、A2、A4、A6に変更し、バインダー樹脂1を加え、表1に示す配合比にそれぞれ変更した以外は、分散液1の製造方法と同様にして、分散液101〜104を得た。
<表面修飾炭素材料またはそれを含む導電性組成物の評価>
得られた分散液1〜18、101〜104を、シート状基材である厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にアプリケータを用いてそれぞれ塗布した後、100℃で4分間加熱乾燥して、PET基材上に、厚さ15〜22μmの導電層を有する積層体をそれぞれ得た。分散液を基材に塗工した際の塗工適性を以下に示す方法に従って評価した。また、得られた導電層(以下、塗膜ともいう)を有する積層体について、以下の方法に従って導電性(導電率)およびゼーベック係数を評価した。結果を表1に示す。
(導電率(抵抗率))
得られた積層体を2.5cm×5cmの大きさに切り取り、JIS−K7194に準じて、ロレスタGX MCP−T700(三菱化学アナリテック社製)を用いて4探針法で導電率を測定した。比較例1の導電率を1としたときの相対値を表1に示す。
(ゼーベック係数)
得られた積層体を3mm×10mmの大きさに切り取り、アドバンス理工株式会社製のZEM−3LWを用いて、80℃におけるゼーベック係数(μV/K)を測定した。比較例1のゼーベック係数を1としたときの相対値を表1に示す。
(塗工適性)
分散液の塗工適性は、グラインドゲージ(溝の深さ50μm)を用いて評価した。
◎:10μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(非常に良好)
〇:10μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子はあるが、20μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(良好)
△:20μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子はあるが、30μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がない(使用可能)
×:30μm以上の粗大粒子による筋引きや粗大粒子がある(使用不可)
表1の結果から、本発明の表面修飾炭素材料を含有する導電層は、高い導電率とゼーベック係数を示した。さらに、本発明の表面修飾炭素材料を含有する導電性組成物は、いずれも良好な塗工適性(塗膜状態)を示した。特に、実施例2、3においては、スルホフェニル基を含有するカーボンナノチューブをPEDOTで修飾したことにより、スルホフェニル基が導電性ポリマー(B)の電子を引き抜くことで、導電性高分子(B)にカチオンがドープされ、高いゼーベック係数と導電率の両立が可能となったものと推察される。これに対して、比較例1〜4は、導電性高分子で修飾されていないため、導電性高分子由来の特性向上が見込めず、低い導電率とゼーベック係数を示した。
<熱電変換素子の製造>
[実施例27]
(熱電変換素子1)
厚さ50μmのPETフィルム上に、実施例1で調製した分散液1を塗布し、厚さ20μm、5mm×30mmの形状を有する導電層を、それぞれ10mm間隔に5つ作製した(図1の符号2を参照)。次いで、各導電層がそれぞれ直列に接続されるように、銀ペーストを用いて、厚さ10μm、5mm×33mmの形状を有する銀回路(電極)を4つ作製し(図1の符号3を参照)、熱電変換素子1を得た。上記銀ペーストとしては、トーヨーケム株式会社製のREXALPHA RA FS 074を使用した。
[実施例28〜44、比較例5]
(熱電変換素子2〜18、101)
熱電変換素子1で使用した分散液1を、表2に示す分散液にそれぞれ変更した以外は、熱電変換素子1と同様にして、熱電変換素子2〜18、101をそれぞれ得た。
<熱電変換素子の評価>
得られた熱電変換素子について、以下のようにして起電力を評価した。結果を表2に示す。
(起電力の測定)
各熱電変換素子について、導電層及び銀回路が内側になるように(図2に示すA−A’線に沿うように)折り曲げ、その状態のまま、100℃に加熱したホットプレート上に設置した。なお、折り曲げの程度は、図2のB−B’間の距離が10mmになるようにそれぞれ調整した。上記のように折り曲げたサンプルをホットプレート上に設置して10分後の塗膜間の起電力について電圧計を用いて測定した。測定は、20℃実施した。以下の基準に従い、測定値から熱電特性について評価した。
◎:起電力が1mV以上である(良好)
〇:起電力が500μV以上、1mV未満である(実用可能)
×:起電力が500μV未満である(不良)
表2の結果から、本発明の熱電変換素子は、比較例5に比べて優れた熱電特性を有していた。以上のことから、優れた熱電特性有する熱電変換材料を実現することができ、効率のよい熱電変換素子を実現できることが分かる。
1:基材(ペットフィルム)
2:導電層
3:回路
10:熱電変換素子の試験サンプル
20:ホットプレート

Claims (7)

  1. 官能基を有する炭素材料(A)の表面の少なくとも一部が、導電性高分子(B)によって修飾された表面修飾炭素材料。
  2. 前記官能基を有する炭素材料(A)が、官能基を有するカーボンブラック、官能基を有するカーボンナノチューブ及び官能基を有するグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1記載の表面修飾炭素材料。
  3. 前記導電性高分子(B)が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項1または2に記載の表面修飾炭素材料。
  4. 前記官能基が、酸性基である請求項1〜3いずれか1項に記載の表面修飾炭素材料。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の表面修飾炭素材料とバインダーとを含有する導電性組成物。
  6. 請求項1〜4いずれか1項に記載の表面修飾炭素材料または請求項5記載の導電性組成物を含む導電層。
  7. 請求項6記載の導電層と電極とを有し、前記導電層及び前記電極が、互いに電気的に接続されている熱電変換素子。
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